JP2007531570A - 呼気フィルター装置 - Google Patents

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Abstract

鼻用フィルター装置であって、本フィルター装置は、平面あるいは、一面が凹で他面が凸形状の1対のフィルターと、フィルターを支持するための、概ね環状の1対の基礎部あるいはスリーブを合体した支持構造体と、基礎部あるいはスリーブを維持するために、それらを、所望の間隔を隔てて、所望の角度関係で接続するブリッジを有する。基礎構造体は、フィルターを対応する鼻腔内に位置決めするために、鼻腔に挿入可能である。可撓性の縁部が、周囲の鼻壁から離隔して、支持構造体とフィルターとを維持する。縁部は、シールを形成するために、周囲の鼻組織に適合する。縁部を挿入しやすくするために、および、偶発的に外れにくくするために、選択的に傾斜させることができる。ある実施態様においては、本装置は、空気フィルターシステムを提供するために、口を覆うフィルターと組合わせることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、息を吸い込んだときに、周囲の空気を濾過するための装置およびシステムに関し、特に、鼻腔に挿入可能なフィルター材およびフィルター部品を用いる空気フィルター装置およびシステムに関する。
ほこりや花粉などの微粒子や汚染物質を吸い込む量を減らすために、呼気を有効に濾過することへの需要が高まっている。都会や人口密集地域においては、工場や自動車の排出する汚染物質を濾過することへの大きな需要がある。ある特定の環境では周囲の空気の汚染に関するより大きな危険が伴う。例えば工事現場や鉱山では微粒子に関する危険が、病院ではウイルスおよび病原体に関する危険が挙げられる。
これらの懸念に対応して、典型的には使用者の鼻と口を覆うデザインである、多くの様々なマスクが開発されてきた。これらのマスクは、しばしば、マスクと顔との間の周縁部からの漏れにより、有効でないことがある。マスクによる利益を享受し得る個人は、マスクの外観に関する不快さや不満により、しばしば、マスクを装着することを拒否する。さらに、マスクは、特に、マスクが精細な(微細孔を有する)フィルターを有し、顔に対して密着性の高いシールを形成する場合には、吐き出した二酸化炭素を捕獲する性質がある。長時間マスクを装着しているほど、二酸化炭素がより多く蓄積される傾向にある。増加した二酸化炭素を吸い込むと、使用者は、頭痛、眠気、吐き気を催し、長時間増加した二酸化炭素にさらされると、使用者はより深刻な影響を受ける。
これらの問題に対処するために、鼻腔に挿入する様々な空気フィルター装置が提案されている。例えば、米国特許第216,694号(Chen)は、ベルト区域に結合した1対の栓ユニットを示しており、各栓ユニットはフィルターを備えている。同様に、米国特許第2,433,565号(Korman)は、ブリッジ部品で結合された鼻孔に挿入するフィルターを示している。各挿入物はフィルターと薬物とを運搬するために用いられる多孔性の円錐体とを含む。これらの装置では、円筒形あるいは円錐形の支持構造体がフィルター材を取り囲んでおり、鼻壁の内側表面と鼻中隔を押し付けることで、摩擦的にフィルターを保持する。この支持体は接着剤により補強される。これらの、空気の流れに対して不透過性の支持構造体は、鼻壁を押し付け、鼻甲介と鼻毛を絡ませる性質があり、そして、鼻孔が微粒子を捕獲する機能を低下させ、吸い込んだ空気を加温および加湿する機能を低下させる。これらのフィルター装置は微粒子を捕獲する機能を満足に果たすかもしれないが、吸い込んだ空気を加温および加湿するのにはあまり適合的ではない。
他の提案として、米国特許第5,392,773号(Bertrand)は、鼻腔の外側に装備され、鼻壁に接着剤で固定されるフィルターを開示している。このフィルターの外観および接着剤が必要ということが、本取り組みにとって不都合である。
さらに、鼻の外側に装備されるか、鼻腔に挿入されるかにかかわらず、前述の鼻用フィルターは、しばしば使いにくく、また装着していて不快であり、吸い込んだ空気がフィルター材を通過することを保証するための、鼻あるいは顔の組織との信頼性のあるシール係合を提供していない。最後に、これらの鼻用フィルターは、意図的に、あるいは無意識的に口からの息を吸い込むことに対する保護が全くない。
それゆえ、本発明は、過度に使用者の快適さを損なうことなく、鼻組織の周辺に対して有効なシールを形成し、偶発的な脱着に対してしっかりと保持するように構成された、鼻腔に挿入可能な支持構造体とフィルター材とを有する呼気フィルター装置を提供することを目的としている。
本発明の他の目的は、鼻の内壁による微粒子の捕獲、空気の加温、および加湿機能への干渉を低減しつつ効果的な濾過を提供するために、フィルター材および支持構造体を鼻腔内に鼻壁から離隔して維持するフィルター装置を提供することである。
さらに、本発明は、鼻および口から入った空気を効率的に濾過すると同時に、鼻と口とを覆うマスクに比べて吐き出す二酸化炭素を捕獲する有効容積を相当に削減するフィルターシステムを提供することを目的としている。
また本発明は、使いやすく、さらに、より効率的な濾過のために鼻および顔の組織に対してよりよいシールを提供する鼻用フィルターおよび呼気フィルターシステムを提供することを目的としている。
これらのおよびその他の目的を達成するために、呼気フィルター装置が提供される。本装置は、開口する近位端に第1の縁部を有する、一面が凹で他面が凸形状の第1のフィルター材を含み、開口する近位端は第1の縁部に囲まれた第1の開口部を形成する。一面が凹で他面が凸形状の第2のフィルター材は第2の縁部を有しており、開口する近位端に、第2の縁部に囲まれた第2の開口部を形成する。本フィルター装置は、第1のフィルター材を支持するために、第1の縁部と一体的に接続された第1の基礎部材と、第2のフィルター材を支持するために、第2の縁部と一体的に結合された第2の基礎部材とを備える支持構造体を有する。連結部材が第1の基礎部材と第2の基礎部材とに一体的に結合されており、基礎部材間を伸張している。支持構造体の基礎部材は鼻腔の入り口に位置決めされ、連結部材が鼻中隔に橋をかける。これは、フィルター材が関連する一方の鼻腔の遠位方向に突き出しているフィルター材の作用位置に、第1のおよび第2のフィルター材を据える。従って、各鼻腔に入った空気は、関連する第1のおよび第2の開口部の一方を通過し、さらに、関連する第1のおよび第2のフィルター材の一方を通過する。
各フィルター材は、作用位置において、鼻中隔と、関連する鼻腔を形成する鼻壁とから離隔していることが好ましい。この結果を、実質的に自立したフィルター材を用いることによって、あるいは、より柔軟なフィルター材と鼻壁との間に開口を有するフレームを配置することによって成し遂げることができる。いずれにしても、本構成により快適さが増進され、鼻壁の内部表面に沿った流入空気の流がよくなり、フィルター装置が所定位置にあるときに効率的に空気が加温および加湿される。
鼻孔および鼻腔によりたやすく適合するように、フィルター材を楕円形状および楕円体にすることができる。代替的に、フィルター材を、好ましくは横断面が楕円形を呈するように構成された、面取りされた円錐形状にしてもよい。
円錐形のあるいは楕円体のフィルター材は、鼻腔入り口の平面のフィルター材に比べて、大きな有効濾過面積を提供する。同じ半径の円板と比較して半球体の表面積を考えれば、この利点を理解することができる。半球体の表面積は2倍の大きさである。本利点を高めるために、フィルター材を楕円体および楕円形/円錐形に構成することができ、それによりフィルター材は、鼻腔入り口の面積の2倍以上の実効表面積を有する。
本発明は、第1の基礎部材に取り付けられ、第1のフィルター材の近位側に配置される第1のスクリーン要素と、第2の基礎部材に同様に取り付けられた第2のスクリーン要素とを有する2段階の装置に具体化され得る。スクリーン要素として、臭いおよび大きな粒子を取り除くことを意図した、相対的にきめの粗い(間隙率の大きな)活性炭フィルターを備えることができる。これは、大きな粒子が下流のフィルター材に到達するのを防ぎ、使用寿命を延ばす。
特定の環境においては、鼻から吸入される場合と同様に、口から吸入される汚染物質から保護することが重要である。このために、本装置は、口から入る空気が通過する開口部を形成するために、口の周囲を囲むように顔に対して位置決めできる第3の基礎部材が増設され、第3の基礎部材に備えられる第3のフィルター材が開口部の上に配置される。所望により、第3のフィルター材を、一面が凹で他面が凸形状に構成して、口から近位方向に突き出すようにしてもよい。伸縮性の帯あるいは他の保持具が、使用者の顔に対して第3の基礎部材を取り外し可能に保持するために用いられる。
鼻と口とを覆うマスクフィルターに比べて、鼻と口との別体のフィルターの組合せは、じゃまが少なく、フィルター装置の周縁部での漏れを少なくする性質があり、また、顔付近の囲まれる容積が小さくなり、それゆえ、吐き出す二酸化炭素の蓄積が低減される性質がある。使用者が実質的に排他的に鼻から息を吸うならば、二酸化炭素の蓄積による問題は完全に避けられる。
本発明の他の側面によれば、鼻用空気フィルター装置が提供される。本装置は第1のフィルターと第2のフィルターとを有しており、両方がそれぞれ近位端を有し、鼻腔に挿入できるように構成される。また、本装置は、第1の近位端に接続され、第1のフィルターを支持する第1の基礎部材と、第2の近位端に接続され、第2のフィルターを支持する第2の基礎部材と、両基礎部材に一体的に接続され、基礎部材間を延びる連結部材とを備えるフィルター支持構造体を有する。フィルター支持構造体の連結部材が鼻中隔に橋をかけるとともに、フィルター支持構造体の基礎部材は、鼻腔の入り口に位置決め可能であり、関連する一方の鼻腔内に突き出した作用位置に各フィルターが配置される。基礎部材は関連する鼻腔から離隔しており、フィルターと鼻壁との間を空気が流れるための通路を形成する。
所望により、各フィルターは近位方向に凹形状に、遠位方向に凸形状にすることができる。関連する基礎部材へ接続することにより、フィルターを自立的に、また、鼻壁から離隔して保持するようにしてもよい。代替的に、所望の間隔を維持するために、開口を有するフレームを基礎部材に接続し、フレームをフィルターと鼻壁との間に配置してもよい。
本発明の他の概観は、鼻用空気フィルター支持装置である。本装置は、前方端部および後方端部を含む、第1の長手方向の通路を形成する第1の管状体と、第1の管状体の外周に配置され、第1の管状体から半径方向外側に延びる第1の縁部とを有する第1の支持部材を有する。本装置は、前方端部および後方端部を含む、第2の長手方向に通路を形成する第2の管状体を有する第2の支持部材を有する。第2の支持部材は、さらに、第2の管状体上の外周に配置され、第2の管状体から半径方向外側に延びる第2の縁部を有する。連結部材は第1の管状体と第2の管状体とに一体的に接続される。各管状体は、その前方端部から関連する一方の鼻腔に挿入可能であり、縁部が鼻腔を形成している鼻壁と鼻中隔とに表面係合を形成するように構成される。さらに、縁部は、表面係合の領域に沿って実質的にシールを形成するように、および、関連する管状体を関連する鼻腔内に支持するように、弾性的に変形可能であり、表面係合の領域上の周囲の鼻壁と鼻中隔とに適合する性質を有する。第1のおよび第2の各縁部は、さらに、半径方向外側に、関連する管状体の後方の端部に向かって傾斜している。
本発明のさらなる概観は、鼻用空気処理装置取付け具である。本取付け具は、前方端部と後方端部とを含み、空気が長手方向に流れるための第1の通路を形成する第1の管状体を備える第1の支持部材を有する。第1の支持部材は、さらに、前記第1の管状体を囲み、第1の管状体から半径方向外側に延びる第1の縁部、および、第1の縁部から長手方向に離隔して、第1の管状体を囲み、第1の管状体から半径方向外側に延びる第2の縁部からなる1対の縁部を有する。本取付け具は、前方端部と後方端部とを含み、空気が長手方向に流れるための第2の通路を形成する第2の管状体を備える第2の支持部材を有する。第2の支持部材は、さらに、第2の管状体を囲み、第2の管状体から半径方向外側に延びる第3の縁部、および、第3の縁部から長手方向に離隔して、第2の管状体を囲み、第2の管状体から半径方向外側に延びる第4の縁部からなる1対の縁部を有する。連結部材が第1の管状体および前記第2の管状体と一体的に接続される。各1対の縁部は、関連する一方の鼻腔を形成している鼻壁および鼻中隔と表面係合を形成するように構成され、各1対の縁部が関連する管状体が、前方端部から関連する鼻腔へ長手方向に挿入されることで、各1対の縁部は、関連する管状体を、関連する鼻腔内に、鼻壁および鼻中隔から離隔して支持および維持する。
本発明の他の概観は、呼気フィルターシステムである。本システムは、前方端部と後方端部とを含み、空気が長手方向に流れるための第1の通路を形成する第1の管状体を有する。本システムは、前方端部と後方端部とを含み、空気が長手方向に流れるための第2の通路を形成する第2の管状体を有する。本システムは、さらに、口を囲むように顔に対して位置決めされるフレーム部材を有し、フレーム部材が位置決めされたときに、フレーム部材は口と一致して空気が流入する開口部を形成する。連結部材が第1の管状体と第2の管状体とフレーム部材とに一体的に接続され、連結部材は、フレーム部材が位置決めされたときに、第1の管状体および第2の管状体が鼻腔内に位置するように構成される。
このように、本発明によれば、鼻腔に挿入可能なフィルター装置は使いやすく、ユーザーの外見に与える影響は最小限であり、より効率的で、耐久力のある濾過作用を提供する。フィルター材が鼻壁に対して離れて維持されるときに、空気の加温および加湿機能が維持されることを一要因として、装置の性能が改良される。また、フィルター材を一面が凹で他面が凸の形状、または面取りされた円錐形状に形成すること、さらに所望によりフィルター材をひだ状、あるいは波形に形成することにより、有効濾過面積が増大し、性能が改良される。最後に、従来のマスクと比べて、周縁部から漏れにくく、吐き出した二酸化炭素が蓄積しにくいフィルターシステムを提供するために、本鼻用フィルターを、口を覆うフィルターと組み合わせることができる。
ここで、図面を参照すると、図1には、使用者が息を吸うときに周囲の空気を濾過するための、鼻腔に挿入可能な鼻用空気フィルター装置16が示されている。装置16は、1つの支持構造体あるいはパネル18を有しており、パネル18はポリビニルクロライド(PVC)やポリウレタンのような低アレルギー性の材料から作られることが好ましい。パネルは構造的に自立しており、さらに、装置16の使用時に、鼻の前方、特に鼻孔および鼻中隔の前方の表面に容易に適合するように、可撓性かつ柔軟である。
パネル18は基礎部20、反対側の基礎部22、および、所望の距離だけ互いに離隔して基礎部を維持するために、基礎部に接続される連結部材あるいはブリッジ24を有する。各基礎部は環状形状であり、より正確には、円形というよりもいくぶん楕円形の輪郭であるという意味において概ね環状形状である。基礎部20および22は、それぞれ閉じたあるいは終端のない周縁領域20aおよび22aと、装置を使用しているときに空気が通る、基礎部を貫通する開口を囲む肩部20bおよび22bとを有している。図2および3に示されているように、開口26および28は基礎部20および22をそれぞれ貫通して形成されている。ブリッジ24はブリッジに沿った曲げ撓み性を呈するように相対的に幅が狭い。基礎部の周縁領域20a/22aは薄く、可撓性であり、肩部20b/22bはより堅い。
概ね円錐形状のフィルター材あるいはフィルター30は基礎部20上に取り付けられ、同様にフィルター32は基礎部22上に取り付けられる。各フィルターは、それらが関連する基礎部に概ね環状の近位縁あるいは縁部に沿って取り付けられ、基礎部から遠位側の頂部に向かって延びる。使用時は、フィルター30および32は鼻腔内を遠位方向に延びる。各フィルターは、それらが関連する肩部20bまたは22bの一方に適当な接着剤で取り付けられる。
フィルター30および32は広範な様々な材料で作成することができ、さらに、濾過する汚染物質の性質に応じて、広範囲(数階級の等級の)の空隙率で形成することができる。材料と空隙率とは、米国国立労働衛生研究所(NIOSH)の分類により選択することができる。例えば、ほこり、霧および煙(DMF)フィルター、あるいは高効率微粒子空気(HEPA)フィルターが挙げられる。好ましい材料として、英国、カンブリア州、ケントメア所在のホーリングスワース アンド ヴォース エアー フィルトレイション社(Hollingsworth & Vose Air Filtration,Ltd.)から「テクノスタット」の名で入手できる静電気式のフィルター材を含む。好適な材料として、コットンのような天然織物、ナイロン、ポリエチレンおよびポリプロピレンのような重合体物質を含む。PVCやポリウレタンのような低アレルギー性の材料も採用できる。各フィルターは実質的に単一の厚さであり、2つの点で正確に面取りされた円錐体は異なるが、概ね面取りされた円錐形状である。フィルター30に関して、頂部付近の遠位端は、平面の横断面ではなく、丸いドームを形成している。第2に、鼻腔により適合する形状のフィルターを提供するために、フィルター30の横断面は円形ではなく楕円形である。フィルター32は同様の形体である。
図2は楕円形の外形のフィルター30および32を示しており、さらに、フィルターおよび基礎部のそれぞれの好ましい互いの角度向きを示している。ブリッジ24は、基礎部とフィルターとを互いに所望の距離だけ離隔するように維持するとともに、好ましい向きを維持する。この向きは、各楕円の長いあるいは縦の軸を平行ではなく、所定角度、例えば約30°に維持する。結果として、フィルター30および32は、鼻孔間、鼻腔間の相対的な角度向きによく適合するように角度配置されて、フィルターは鼻腔内に密着性よく、より快適に嵌る。ブリッジは、本装置を装着する使用者に合うように、角度を限定的に調整できる程度に十分な可撓性を有する。
図3を参照すると、周縁領域20aおよび22aは鼻腔38および40の入口34内側に位置決めされており、ブリッジ24は鼻中隔36に橋をかけている。各フィルターを関連する鼻腔内に摩擦的に維持する接触式の表面係合を形成し、好ましくはシールを提供することで、周縁領域20aおよび22aは、周縁領域が鼻腔入口に適合するような密着嵌合を形成する。肩部20bおよび22bは、鼻腔内を延び、鼻壁の内壁から離隔している。これは、各フィルター30および32を、関連する鼻腔内を遠位方向に延びるフィルターの作用位置に配置する。すなわち、フィルター30は鼻腔38内に、フィルター32は鼻腔40内に配置される。周縁領域20aおよび22aの幅(半径方向)および厚さ(軸方向)はパネル18を形成する材料により異なる。一般的に、これらの寸法は、各周縁領域が鼻腔付近の入口の鼻壁に適合するのに、および所望のシールを形成するのに十分な曲げ撓み性を備えるように、また、関連する基礎部とフィルターとが、それらが関連する鼻腔に摩擦的に支持されるのに十分な構造的な剛性および強度を備えるように選択される。この2つの機能を促進するために、周縁領域に、半径方向外側に向かって厚さが減少するようなテーパーをつけてもよい。
この位置決め、および、基礎部20および22と鼻腔との間の密着嵌合の結果、鼻腔内に流入する空気は、開口部26を通ってフィルター30を通過する。同様に鼻腔40に流入する空気は、開口部28を通ってフィルター32を通過する。
ブリッジ24は基礎部20と22との間に所望の間隔を与え、これは、各鼻腔内にフィルター30および32を適切に位置決めしやすくする。また、ブリッジは、鼻中隔と接触することにより、フィルターの過挿入を防止し、使用者が使用後に、フィルター装置を外したいときに容易に接近できるようになっている。さらに、図2に最もよく示されているように、ブリッジ24は基礎部20および22、すなわちフィルター30および32の所望の相対的な角度向きを決定する。
フィルター装置16は前述の従来の鼻用フィルターと比較して、いくつかの利点を提供する。これらの1つは、フィルター30および32が一面が凹で他面が凸の形状であることにより生じる。各フィルターは近位(鼻腔の外側)方向に凹の内部表面を有し、遠位(鼻腔内部)方向に凸の外側表面を有している。従来の設計として、開口部26および28と同等の表面積を有する円板型のフィルターあるいは容積の大きなフィルターがあり、容積の大きなフィルターであっても参照符号26および28で表される開口部に沿って露出されるにすぎず、これらの従来の設計と比べて、フィルター30および32は、大きな有効濾過表面積を有する。
この差による意義は、円板形状のフィルターを、同じ半径の半球殻形状のフィルターと比べて考えれば理解することができる。円板の面積はπrで表される。半球殻の表面積は2πrで表される。本例の凹面では有効濾過表面積が2倍になる。フィルター30および32においては、各フィルターの縁部から頂部までの距離が、縁部の半径よりもかなり大きいので、この利点は拡大する。
もう一つの有利な特徴は、フィルター30および32は構造的に自立しており独立であるということである。これらは、空気不透過性の円筒やバレルに囲まれていない。従って、吸い込んだ空気は容易に、頂部やその付近だけでなくフィルター全体を通過する。
一口に言えば、フィルターを囲むあるいはフィルターに接触する空気不透過性の構造体のない一面が凹で他面が凸の形状は、濾過有効表面積を相当に増大させる。たとえわずかな程度の凹面であっても、有効表面積を50パーセント増加させることができる。さらに好ましくは、有効表面積は、鼻腔入口の平面フィルターと比べて少なくとも2倍である。
他の顕著な利点は、各フィルターが、鼻腔を形成する鼻壁から離隔していることである。特に、例えばフィルター30は、鼻中隔36および鼻中隔とともにフィルターを囲む鼻壁42から離れている。フィルター32も同様に、鼻中隔36および鼻壁44から離れている。この間隔は、フィルターとフィルターの周囲の鼻組織との間の空間に沿った、吸い込んだ空気の流れを促進する。おそらくさらに重要なことに、この空間は、吸い込んだ空気を加温および加湿する、鼻壁の機能にとって有利である。鼻毛や鼻甲介は、フィルターあるいはフィルターを囲む空気不透過性の円筒に押し付けられずにむきだしである。このように、フィルター装置16は、従来のフィルターと比べて、より効率的に、鼻腔が空気を加温および加湿する機能を保つ。
図4は代替的なフィルター装置46を示しており、本装置は、単一の支持構造体52に設けられた、波形形成された楕円体の1対のフィルター48および50を備える。支持構造体は、基礎部54、56および基礎部に接続され、基礎部を所望の距離と角度関係に維持するブリッジ58を備える点でパネル18に類似する。フィルターを、それぞれ対応する鼻腔へより遠位側に挿入できるように、ブリッジ58はU字形状である。従って、フィルター48および50は、縁部と頂部との間の軸方向の距離に関しては、フィルター30および32よりも短い。それでも、開口を有するフレーム60は基礎部54から遠位方向に延びており、開口を有するフレーム62は基礎部56から遠位方向に延びている。フレーム60は交差するアーチ形のフレーム部材64および66からなり、フレーム62は同様に、交差する1対のアーチ形のフレーム部材68および70からなる。各フィルターは、それらが関連する基礎部およびフレーム内に設けられる。フレーム60および62は相対的に硬く、一方、基礎部54および56の周縁領域は、外鼻孔に対してあるいは外鼻孔付近でよいシールを形成するために、より柔らかい。周囲のフレームにより、フィルター48および50は構造的に自立的である必要はない。
おそらく図6に最もよく示されているように、ブリッジ58は、フィルター48および50と同様に、基礎部54および56をそれぞれに対して好ましい角度で維持する。縁部から始まり頂部に向かって上方に延びる、多数の波形72が各フィルターに形成される。波形形状は各フィルターの剛性を増強する。さらに、波形形成されたフィルターは、波形形成されていない同じサイズのフィルターと比べて、有効濾過表面積を増加させる。
図7および8に示されるように、フレーム部材64および66と肩部54bとが、周囲の鼻壁と接触することにより、フィルター48は、フィルター48が関連する鼻腔に摩擦的に保持される。本設計では、図3に示される設計とは異なり、周縁領域54aは外鼻孔に対して位置決めされ、周縁領域54aは鼻腔の外側に残る。フレーム部材は、関連するフィルターを周囲の鼻壁から離れて維持するために協働し、フレーム部材64および66から形成される通路74で示されるように、空気が流れる複数の通路を、フィルターと壁との間に形成する。フィルター50および基礎部56は同様に支持される。通路は、吸い込んだ空気が各フィルター48および50を通って鼻壁に向かって流れ、そして吸い込んだ空気が、鼻壁に沿って、最終的にはフィルターを通り過ぎるのを容易にする。前述したように、この間隔は吸い込んだ空気を加温および加湿しやすくする。
所望により、関連するフィルターおよび基礎部を図3に示す手法で支持するために、基礎部54および56に周縁領域54aを、鼻腔入口に挿入できる寸法に形成することができる。本手法においては、開口を有するフレーム60および62は、基礎部およびフィルターの摩擦保持には貢献しないが、開口を有するフレーム60および62を、鼻壁および鼻中隔の内部から離隔させておく性質を有する。本設計は、基礎部の近位領域のより正確な寸法決めが必要である。主な利点は、曲げることができ、且つ柔軟な周縁領域を有する基礎部が満足なシールを形成でき、広範囲な鼻腔の大きさや形状に対して摩擦的に保持されるということである。
図9は、さらに他の代替的な鼻用フィルター装置76の実施態様にかかる組立分解図を示している。装置76は、離隔した基礎部80および82を有するフィルター支持構造体78を備え、基礎部80および82は、それぞれ相対的に平面の概ね環状の周縁部84および86と、それぞれ盛り上がった概ね環状の肩部88および90とを含む。基礎部は弓形のブリッジ92により接続される。
基礎部80の上方に示される、開口を有するフレーム保持具94は、波形形成された楕円体のフィルター材96を保持するために、基礎部上に取り外し可能に圧力嵌めされる。開口を有するフレーム保持具98は、波形形成された楕円体のフィルター材100を保持するために、基礎部82に同様に接続される。各保持具は関連する基礎部の肩部と圧力嵌め結合するような寸法および形状に形成された、概ね環状の底部102を有する。さらに、各保持具は、フレーム部材64乃至70よりも短いいくつかのフレーム部材104と結合され、フレーム部材104は、装置46のようにフレーム部材の頂部あるいは接合点までではなく、保持具の開口する上部106まで延びる。フレーム部材104は、装置46のフレーム部材のように、装置の摩擦的な装着を提供するために、鼻壁に接し、各保持具と保持具を囲む鼻壁との間の空気の流れを促進するように、フレーム部材104が関連するフィルターを鼻壁に対して離隔して維持する。
図12乃至14に他の実施態様に係るフィルター装置108を示す。支持構造体は、ブリッジ部116で結合される基礎部112および114を含む薄い平面状の可撓性パネル110を備える。本パネルはさらに、基礎部112から離れる方向に延びるタブ118、および、基礎部114から反対方向に離れる方向に延びるタブ120を含む。参照符号122および124で示されるように、接着パッドが備えられる。本装置は、さらに、1対のフィルター容器126および128を備え、フィルター容器126および128はそれぞれ、相対的に幅広の概ね環状の下縁部130および、頂部に大きな開口部132を備える形状である。楕円体のフィルター134および136はフィルター容器の下方に図示されている。
フィルター134および136は容器126および128内に圧力嵌めされて、それらはパネル110の各開口部138および140を通って、各容器の下縁部130が、各基礎部112および114に接触するまで挿入される。その結果が図13に示される。同図中の破線は、タブ118および120が上方に向かうように、可撓性パネルが折り畳まれる様子を示す。フィルターおよび容器が鼻腔に挿入されると、これが鼻腔の側部に沿ってタブを位置決めする。パネル110が外鼻孔に対して維持されるように、および、フィルター134および136が作用位置に維持されるように、タブを鼻壁の側部に着脱可能に保持するための接着パッドが用いられる。本実施態様の代替として、フィルター/容器の組合せの代わりに、自立式のフィルターを用いることができる。
図15は、口を覆うように設計された呼気フィルター装置142を示している。本装置は、一面が凹で他面が凸形状の基礎部144を備え、凹表面は、使用者の口の周囲において、使用者の顔との密着係合を、好ましくは使用者の顔とのシール表面係合を、促進するように設計される。フィルター材146は基礎部に取り付けられ、所望により、基礎部の周縁部に沿って接着剤で基礎部に固定される。基礎部144の対向する側部の両端に、伸縮性の帯148が固定されている。フィルター材146は波形成形されており、外側すなわち近位側が凸となるように、一面が凹で他面が凸の形状に形成される。
図16に示すように、前述した鼻用フィルター装置の1つと組み合わせることにより、口と鼻を覆う従来のマスク型のフィルター装置の代わりに使用するための空気フィルターシステム150を提供するために、フィルター装置142は、組み合わせて装着される。単一のマスクと比べて、短い輪郭、および基礎部144に接触する顔により一致する輪郭を備えることを一要因として、システム150は漏れにくくなる。また、帯148は、口と鼻との両方ではなく、口に位置が合わせられるので、首の周りの低い位置で装着されて、下方に滑りにくくなる。システム150は口付近の容積を囲むけれども、この容積は、従来のマスクに囲まれる口および鼻付近の容積よりもかなり小さい。従って、吐き出した二酸化炭素を捕獲するのに使用される容積が削減される。システム150は、使用者が専ら鼻から息を吸うことで、事実上、二酸化炭素の蓄積が完全に取り除かれる構成である。良好な密着性に加えて、システム150は周縁部からの漏れが少ない性質を有する。
図17は、2段階の鼻用空気フィルター装置151を形成する、フィルターの他の実施態様を示している。本装置は、基礎部154と反対側の基礎部156と前述の実施態様のブリッジと同じ手法で基礎部に接続されたブリッジ158とを備える可撓性パネル152を有する。基礎部154を貫通する開口部160、および基礎部156を貫通する開口部162からなる、2つの概ね楕円形の開口部がパネルを貫通するように形成される。前述した実施態様と同様の手法により、基礎部154は楕円体のフィルター材164を支持し、基礎部156は楕円体のフィルター材166を支持する。加えて、各基礎部154および156は、楕円体の予備的なスクリーンフィルターを支持する。すなわち、スクリーンフィルター材168は開口部160内に、スクリーンフィルター材170は開口部162内に支持される。
装置151は、吸い込まれた空気はフィルター材168および170の一方を通過し、そして、フィルター材164および166の一方を通過するように、2段階の濾過作用を提供する。好ましい態様として、フィルター材168および170はそれぞれ活性炭フィルターであり、フィルター材164および166は、重合繊維から形成される、より精細(微細孔)なフィルターである。フィルター168および170は大きな粒子を遮蔽し、流入する空気のにおいを取り除く。これは、大きな径の粒子が楕円体のフィルターに衝突する、および積もるのを防止し、フィルターの使用寿命を長くする。
図18乃至20は、フィルター材支持構造体174を有する鼻用空気フィルター装置172を示しており、フィルター支持構造体174は、好ましくは可撓性且つ相対的に低硬度な生体適合性の重合体からなる単一の部材からなる。好適な材料の1つは、熱可塑性エラストマーであり、オハイオ州アクロン、エルピー(LP)所在のアドバンストエラストマーシステムズ社(Advanced Elastomer Systems)から「サントプレーン(登録商標)」の名称で入手できる。他の好適な材料は「ダイナフレックス(登録商標) G2701−1000」の名称で入手できる。支持装置は1対の管状体あるいはスリーブ176および178を有する。各スリーブは長手方向軸の周りに配列され、図19に最もよく示されるように、概ね楕円形の横断面を有する。各スリーブは前方端部180および後方端部182を有する。スリーブは、使用中に前方端部が、鼻腔内の奥に配置されるという観点での遠位端になるように、前方端部から鼻腔に挿入可能である。
後方端部182付近において、縁部184はスリーブ176の外周に延びる。縁部は傾斜しており、後方に向かって半径方向外側に、すなわち図18および20の下方に向かって延びる。縁部184は、概ね長手方向に、実質的に単一の厚さを有している。代替的に、縁部の厚さが半径方向外側に向かって徐々に小さくなるように、縁部184にテーパーを付けてもよい。
スリーブ178は、縁部186により囲まれており、縁部186は、寸法、形状、傾斜および関連するスリーブの後方端部に対する位置が、縁部184と実質的に同じである。
スリーブ176と178とはブリッジ196で互いに接続されている。前述の実施態様のように、ブリッジは両スリーブの角度関係を決定し、スリーブの鼻腔への挿入を制限するために、鼻中隔にぶつかる。
内部の環状突起部188が、スリーブ176から半径方向内側に突き出しており、同様の突起部が、スリーブ178から半径方向内側に突き出している。突起部はフィルター材192および194をそれぞれ支持する。フィルター材192および194は、前述した実施態様のような楕円体ではなく、楕円形という意味で平面である。所望により、有効濾過面積を増大させるために、楕円体のあるいは面取りされた円錐形状のフィルター材を用いてもよい。
縁部および突起部に関して、「外周」および「環状」の語は、連続するあるいは循環する性質を説明するための一般的な意味で用いられており、断面形状は円形というよりむしろ楕円形であることを理解されたい。
使用時は、各スリーブ176および178は一方の鼻腔に挿入される。各縁部は関連する鼻腔の内部に配置され、関連するスリーブを鼻腔内に維持および支持するために、周囲の鼻壁および鼻中隔の組織を押し付ける。各縁部は、さらに、鼻腔に流入する空気が関連するフィルター材を通過することを保証するシールを形成するように、組織と接触する概ね環状の領域に沿って、周囲の組織に弾性的に適合する。これに関して、縁部184および186は、基礎部20よび22の周縁領域20aおよび22aと同様に機能する。また、縁部184および186は、基礎部20および22が各々のフィルターを維持するのとほぼ同様の機能で、各々のスリーブを周囲の鼻の組織から離隔して維持する性質をもつ。
加えて、各縁部の傾斜および位置がいくつかの利点をもたらす。第1に、図20から明らかなように、スリーブ176が前方端部180から鼻腔に挿入されるときに、縁部の周囲の鼻組織との接触による、任意の摩擦的な引っかかりが、縁部184をスリーブの後方端部182に向かって曲げる性質がある。一方、鼻腔からスリーブを取り外す間、同じ摩擦的な引っかかりが縁部を前方端部180に向かって曲げる性質を持つ。
縁部の傾斜と連続性(外周に配置される特性)により、縁部184は、相対的に半径方向内側および後方端部182に向かって曲がりやすいが、半径方向外側および前方端部に向かって曲がりにくい。これは、縁部が半径方向外側および前方端部に向かって曲がるには、縁部の外周が弾性拡張する必要性があるからである。従って、縁部184は、スリーブ挿入にわずかな抵抗を与えるように、および、スリーブの取り外しに十分な抵抗を与えるように構成される。結果として、使用に際して、スリーブ176および178は、容易にかつ都合よく鼻腔に挿入され、その一方、縁部184および186により、偶発的なあるいは偶然な脱着に対して有効に保持される。
周縁領域20aおよび22aとの他の違いは、縁部184および186は、各スリーブの後方端部から遠位側に凹んでいることである。従って、縁部は、使用中によりよい支持を提供するために、鼻腔の奥に位置決めされるが、スリーブの後方端部は使用者が接近しやすいように残る。これは、使用者が、指をスリーブの後方端部に置いて息を吐き出すことによって、装着具合を試す手順を容易にする。
図21乃至24は、他の実施態様に係る鼻用空気フィルター器具あるいは装置200を示しており、本装置は、ブリッジ206で結合された、フィルター材203および205を含む1対の支持部材202および204を有する。支持部材202は、スリーブ176に類似した管あるいはスリーブ208と、スリーブから半径方向外側に延びる、スリーブの外周に配置された縁部210と、縁部210から長手方向に離れた縁部210に類似する縁部212とを有する。縁部210および212を後方端部214に向かって傾斜させることが好ましいが、それほど傾斜させる必要はない。
支持部材204は、スリーブ216および、長手方向に離隔された縁部218と220とを有し、縁部218と220は、縁部210および212のように構築および構成される。
概ね各縁部210、212、218および220は、前述の実施態様の縁部184および186と同じ機能を実現する。スリーブ上の単一の縁部の代わりの1対の縁部の並列配列は、改良されたシールと、スリーブが関連する鼻腔内へのよりよい保持とを提供する。
ブリッジ206は、前述の実施態様のブリッジ196と類似しており、同じ機能を実現する。加えて、改良された把持表面を提供するために、一連のリブ222がブリッジ206に沿って形成され、これは、使用者が手袋をしているとき、あるいは汚れた手で装着するときに、特に便利である。
図25および26は、鼻および口から入った空気を濾過するためのシステム224を示す。システム224は、口の周囲での密着を、好ましくは使用者の顔とのシール表面係合を容易にする形状のフレーム226を有する。濾過表面積を増大させるためにひだが形成されたフィルター材228は、フィルターを廃棄してフレームを再利用できるように、着脱可能にフレーム226に固定される。一部のみ示されている伸縮性の帯230は、顔に対してフレーム226を固定するために用いられる。
連結部材232は、フレーム226に一体的に接続され、スリーブ238および240とそれぞれ結合される幅の狭い部分234および236を有する。連結部材は、スリーブをフレーム226に対して支持するとともに、それらの互いの向きおよび位置を決定する。
長手方向に離隔した1対の縁部242および244はスリーブ238の外周に配置される。同様に、1対の縁部246および248はスリーブ240を囲む。これらの縁部は、スリーブが鼻腔内に配置されたときに、周囲の鼻組織に対するシールを形成する。また、スリーブの支持は主に連結部材232を介してフレーム226によって提供されるが、縁部は、スリーブを鼻腔内に支持する性質を有する。
一面が凹で他面が凸形状のフィルター材250は、スリーブ238内に支持される。同様のフィルター材252はスリーブ240内に支持される。フィルター材228のように、フィルター材250および252は有効濾過表面積を増大するために、ひだが形成されている。また、フィルター228のように、一面が凹で他面が凸形状のフィルター材250および252を使い捨てにすることができる。
システム224は、鼻および口から吸い込んだ空気を濾過し、鼻と口を覆う単一の輪郭をなす従来のマスクのように機能する。システム224の主な利点は、顔にきわめて近接して着用されることである。従来のマスクと比べて、システム224は、吐き出した二酸化炭素を捕獲する顔の近傍の容積がかなり小さい。加えて、システム224は、縁部のシール作用により、顔との密着嵌合を形成することで、より効果的なシールを提供し、従来のマスクの周縁部に比べて、フレーム226の周縁部はかなり削減され、より顔に一致する輪郭を有するフレーム226が顔の部分と接触する。所望により、顔との表面係合のために、スリーブを囲む縁部とほぼ同じ手法でシールを形成するように、フレーム226の周縁部に沿って縁部あるいは一対の縁部を形成してもよい。
図27はシステム224と類似する、他の実施態様のフィルターシステム254を示しており、本システムは、口を囲むように構成されたフレーム256と、フレームに支持され、ひだが形成されたフィルター材258と、鼻腔内に挿入可能なフィルター材264および266をそれぞれ支持するスリーブ260および262と、フレームおよび各スリーブに対してスリーブを支持する連結部材268とを備える。伸縮性の帯270がフレーム256を顔に対して保持する。破線は、使用時における、顔および鼻に対するシステム254の位置を示している。
システム224を起点として、フレーム256の上方部272は、フレームの一方の端部274からフレームの中心に向かって延びる流体導管を備えるように構成される。端部274において、流体導管は紐276と接続するためにフレームの外側に向かって開いており、フレームのもう一方の端部は酸素供給器(図示せず)と接続されている。連結部材268は、流体導管278および280を備えるように構成され、各流体導管278および280は、フレームの流体導管と連絡し、スリーブ260および262付近の端部でそれぞれ開いている。従って、厳しい環境において、鼻の通路内への連続的に酸素を供給するために、システム254を用いることができ、特に、使用者が鼻から息を吸い、口から息を吐くときに有効である。
前述した任意の装置およびシステムの効果を高めるために、いくつかのさらなる特性を備えることができる。アロマセラピーを含む治療上の応用のために、あるいは、覆いの芳香を提供するために、フィルター材に有効成分をしみ込ませてもよい。同様に、スリーブおよびブリッジを形成する重合体に香りを付けてもよい。精細な重合体の網を適用することにより、フィルター材を構造的に補強することができる。
このように、本発明によれば、呼気フィルター装置は鼻腔内に挿入可能であり、改良された、および耐久性の長い、吸い込んだ空気の濾過機能を実現する。フィルター材の一面が凹で他面が凸形状の設計により、あるいは、フィルター材にひだを形成することや波形形成することにより、有効濾過面積が増大する。フィルターおよびフィルター支持構造体を、周囲の鼻壁から離隔して選択的に位置決めすることにより、濾過機能が改良され、結果として、濾過された空気はより有効に加温および加湿される。縁部あるいは縁部対を選択的に傾斜させることにより、フィルター材を挿入しやすくする一方で、フィルター材が、偶発的あるいは偶然に鼻腔から外れることを防ぐ。また、鼻用フィルター装置は、従来のマスクの代わりに好適に用いられるシステムを提供するために、口を覆う補助フィルターと組み合わせても有効であり、周縁部からの漏れおよび吐き出した二酸化炭素の蓄積に対する耐性が改良される。
本発明により構成される鼻用空気フィルター装置を示す正面図である。 図1の線2−2に沿った断面を示す断面図である。 本装置の使用態様を示す概略図である。 他のフィルター装置の実施態様を示す斜視図である。 図4に示す装置の正面図である。 図4に示す装置の上面図である。 図4に示す装置の作用を示す概略図である。 図4に示す装置の作用を示す概略図である。 フィルター装置他の代替実施態様を示す組立分解図である。 図9に示す装置の正面図である。 図9に示す装置の上面図である。 他の代替実施態様によるフィルター装置を示す組立分解図である。 図12に示す装置の正面図である。 図12に示す装置の上面図である。 口を覆うように構成された空気フィルター装置を示す斜視図である。 鼻用フィルターと組み合わせた、図15に示す装置を含むフィルターシステムの代替実施態様の使用態様を示す側面図である。 フィルター装置他の代替実施態様を示す概略図である。 鼻用空気フィルター装置の他の代替実施態様を示す正面図である。 図18に示す装置の上面図である。 図18の線20−20に沿った断面を示す断面図である。 鼻用空気フィルターのさらなる代替実施態様を示す正面図である。 図21に示す装置の上面図である。 図21に示す装置の側面図である。 図21の線24−24に沿った断面を示す断面図である。 本発明による鼻/口用空気フィルターシステムの構成を示す正面図である。 図25に示すシステムの側面図である。 空気フィルターシステムの代替実施態様を示す透視図である。

Claims (43)

  1. 鼻用空気フィルター支持装置であって、前記支持装置は、
    前方端部および後方端部を含む、第1の長手方向の通路を形成する第1の管状体と、前記第1の管状体の外周に配置され、前記第1の管状体から半径方向外側に延びる第1の縁部とを有する第1の支持部材、
    前方端部および後方端部を含む、第2の長手方向に通路を形成する第2の管状体と、前記第2の管状体の外周に配置され、前記第2の管状体から半径方向外側に延びる第2の縁部とを有する第2の支持部材、および、
    前記第1の管状体と前記第2の管状体とに一体的に接続された連結部材を有し、
    前記縁部は、関連する鼻腔を形成している鼻壁および鼻中隔と表面係合を形成するように構成されると共に、前記各管状体は、関連する一方の前記鼻腔に前記前方端部から挿入可能であり、さらに、関連する前記縁部は、前記表面係合の領域に沿って実質的にシールを形成するように、および、関連する前記管状体を関連する前記鼻腔内に支持するように、弾性的に変形可能であり、前記表面係合の領域上の周囲の鼻壁と鼻中隔とに適合する性質を有し、
    前記第1の縁部および前記第2の縁部の各々は、さらに、半径方向外側に、前記縁部の関連する管状体の前記後方端部に向かって傾斜していることを特徴とする鼻用空気フィルター支持装置。
  2. 前記第1の縁部および前記第2の縁部の各々は、鼻腔に挿入されたときに、前記縁部の関連する前記管状体を、周囲の鼻壁および鼻中隔から離隔して維持することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記支持部材がそれぞれ関連する鼻腔に挿入されたときに、前記連結部材は、鼻中隔に橋をかけ、且つ、前記挿入を制限するように鼻中隔にぶつかるように位置決めされることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  4. 前記第1の縁部および前記第2の縁部の各々は、前記縁部が関連する管状体の前記前方端部と前記後方端部との間に配置され、前記後方端部により近い場所に位置することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. さらに、第1のフィルター材が前記第1の通路に、および第2のフィルター材が前記第2の通路にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  6. さらに、前記第1の管状体に沿って配置され、前記第1の管状体の半径方向内側に延びる、前記第1のフィルター材を支持するように構成される第1の突起部と、
    前記第2の管状体に沿って配置され、前記第2の管状体の半径方向内側に延びる、前記第2のフィルター材を支持するように構成される第2の突起部とを有することを特徴とする請求項5に記載の装置。
  7. 前記第1のフィルター材および前記第2のフィルター材は実質的に平面であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
  8. 前記第1のフィルター材および前記第2のフィルター材は、前方方向に凸であり後方方向に凹である、一面が凹で他面が凸の形状であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
  9. 前記第1のフィルター材および前記第2のフィルター材は、実質的に楕円形の横断面を有することを特徴とする請求項5に記載の装置。
  10. 前記連結部材は、前記第1の管状体と前記第2の管状体とを、それぞれに対して選択された角度方向に維持する性質を有することを特徴とする請求項5に記載の装置。
  11. さらに、第1のスクリーン材が前記第1の通路内に、および第2のスクリーン材が前記第2の通路内にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項5に記載の装置。
  12. 前記管状体、前記縁部、および前記連結部材は、重合体で構成される単一構造に形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  13. さらに、前記第1の縁部から長手方向に離隔して、前記第1の管状体の外周に配置される、前記第1の管状体から半径方向外側に延びる第3の縁部と、
    前記第2の縁部から長手方向に離隔して、前記第2の管状体の外周に配置される、前記第2の管状体から半径方向外側に延びる第4の縁部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  14. 前記第3の縁部および前記第4の縁部の各々は、前記縁部が関連する管状体の前記後方端部に向かって傾斜していることを特徴とする請求項13に記載の装置。
  15. さらに、前記連結部材に沿って形成された複数のリブを有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  16. 鼻用空気処理装置取付け具であって、前記鼻用空気処理装置取付け具は、
    前方端部と後方端部とを含み、空気が長手方向に流れるための第1の通路を形成する第1の管状体を備える第1の支持部材と、
    前記第1の管状体を囲み、前記第1の管状体から半径方向外側に延びる第1の縁部、および、前記第1の縁部から長手方向に離隔して、前記第1の管状体を囲み、前記第1の管状体から半径方向外側に延びる第2の縁部からなる1対の縁部と、
    前方端部と後方端部とを含み、空気が長手方向に流れるための第2の通路を形成する第2の管状体を備える第2の支持部材と、
    前記第2の管状体を囲み、前記第2の管状体から半径方向外側に延びる第3の縁部、および、前記第3の縁部から長手方向に離隔して、前記第2の管状体を囲み、前記第2の管状体から半径方向外側に延びる第4の縁部からなる1対の縁部と、
    前記第1の管状体および前記第2の管状体と一体的に接続された連結部材とを有し、
    前記各1対の縁部は、関連する一方の鼻腔を形成している鼻壁および鼻中隔と表面係合を形成するように構成され、前記各1対の縁部が関連する管状体が、前記前方端部から関連する鼻腔へ長手方向に挿入されることで、前記各1対の縁部は、関連する前記管状体を、関連する前記鼻腔内に、前記鼻壁および鼻中隔から離隔して支持および維持することを特徴とする鼻用空気処理装置取付け具。
  17. 前記各1対の縁部は弾性的に変形可能であり、前記表面係合を形成するときに、前記表面係合の各領域に沿って実質的にシールを形成するように、前記縁部の周囲の鼻壁および鼻中隔に適合する性質を備えることを特徴とする請求項16に記載の取付け具。
  18. 前記表面係合において、前記各1対の縁部は、前記縁部の関連する管状体が、前記縁部が関連する鼻腔の奥に向かって挿入されるときの長手方向の動きに抵抗する第1の力と、前記縁部が関連する管状体が、関連する鼻腔から外されるときの長手方向の動きに抵抗する第2の力とを作用させるように構成され、前記第2の力は前記第1の力よりも大きいことを特徴とする請求項16に記載の取付け具。
  19. 前記各1対の縁部は、それらが関連する管状体の前記後方端部に向かって、半径方向外側に傾斜していることを特徴とする請求項18に記載の取付け具。
  20. 前記各縁部は、半径方向外側に向かって厚さが減少するようなテーパーを有することを特徴とする請求項16に記載の取付け具。
  21. 前記各縁部は、それらが関連する一方の管状体の外周に延びることを特徴とする請求項16に記載の取付け具。
  22. さらに、第1のフィルター材が前記第1の通路に、および、第2のフィルター材が前記第2の通路に、それぞれ配置されることを特徴とする請求項16に記載の取付け具。
  23. さらに、第1のスクリーン材が前記第1の通路に、および第2のスクリーン材が前記第2の通路に、それぞれ配置されることを特徴とする請求項22に記載の取付け具。
  24. さらに、前記第1の管状体に沿って配置され、前記第1の管状体の半径方向内側に延びる第1の突起部と、前記第2の管状体に沿って配置され、前記第2の管状体の半径方向内側に延びる第2の突起部とを有し、前記第1の突起部は前記第1のフィルター材を、前記第2の突起部は前記第2のフィルター材をそれぞれ支持するように構成されることを特徴とする請求項22に記載の取付け具。
  25. 前記第1のフィルター材および前記第2のフィルター材は、実質的に平面であることを特徴とする請求項22に記載の取付け具。
  26. 前記第1のフィルター材と前記第2のフィルター材とは、それぞれ前方方向に凸であり後方方向に凹である、一面が凹で他面が凸の形状であることを特徴とする請求項22に記載の取付け具。
  27. 前記第1のフィルター材および前記第2のフィルター材は、実質的に楕円形状の横断面を有することを特徴とする請求項22に記載の取付け具。
  28. 前記連結部材は、前記第1の基礎部材と前記第2の基礎部材とを、各々に対して選択された角度方向に維持する性質を有することを特徴とする請求項16に記載の取付け具。
  29. 前記支持部材が、それぞれ関連する鼻腔に挿入されたときに、前記連結部材は、鼻中隔に橋をかけ、且つ、前記挿入を制限するために鼻中隔にぶつかるように位置決めされることを特徴とする請求項16に記載の取付け具。
  30. 前記管状体、前記縁部、および前記連結部材は重合体からなる単一部材に形成されることを特徴とする請求項16に記載の取付け具。
  31. 呼気フィルターシステムであって、前記システムは、
    前方端部および後方端部を含み、空気が長手方向に流れるための第1の通路を形成する第1の管状体と、
    前方端部おとび後方端部を含み、空気が長手方向に流れるための第2の通路を形成する第2の管状体と、
    口を囲むように顔に対して位置決めされるフレーム部材とを有し、前記フレーム部材が位置決めされたときに、前記フレーム部材は前記口と一致して空気が流入する開口部を形成し、
    前記システムは、さらに、前記第1の管状体と前記第2の管状体と前記フレーム部材とに一体的に接続される連結部材を有し、前記連結部材は、前記フレーム部材が位置決めされたときに、前記第1の管状体および前記第2の管状体が鼻腔内に位置するように構成されることを特徴とする呼気フィルターシステム。
  32. さらに、顔に対して位置決めされる前記フレーム部材を取り外し可能に維持するための保持具を有することを特徴とする請求項31に記載のシステム。
  33. さらに、前記第1の通路および前記第2の通路を通って、気体が前記鼻腔内に流れるための小路を有する請求項31に記載のシステム。
  34. 前記小路は、流体が前記フレーム部材の外側から前記連結部材に向かって流れるために、フレーム部材の一部を通り、且つ、フレーム部材の外側に開いている第1の流体導管、および前記連結部材を通る第2のおよび第3の流体導管を有し、前記第2のおよび第3の流体導管は、前記第1の通路と前記第2の流体導管とが流体連通し、前記第2の通路と前記第3の流体導管とが流体連通するように形成されることを特徴とする請求項33に記載のシステム。
  35. さらに、前記第1の管状体を囲み、前記第1の管状体の半径方向外側に延びる第1の縁部と、前記第2の管状体を囲み、前記第2の管状体の半径方向外側に延びる第2の縁部とを有し、
    前記第1の縁部および前記第2の縁部は、弾性的に変形可能であり、且つ、前記縁部が関連する一方の鼻腔を形成している鼻壁および鼻中隔との表面係合を形成するように構成され、前記各縁部は、実質的にシールを形成するために、前記表面係合の領域上で周囲の鼻壁および鼻中隔に適合する性質を有することを特徴とする請求項31に記載のシステム。
  36. 前記フレーム部材は、実質的に顔をシールする表面係合を形成するように構成されることを特徴とする請求項35に記載のシステム。
  37. 前記第1の縁部および前記第2の縁部の各々は、前記表面係合において、前記縁部が関連する管状体を、周囲の鼻壁および鼻中隔から離隔して維持するように構成されることを特徴とする請求項35に記載のシステム。
  38. さらに、第1のフィルター材が前記第1の通路内に、第2のフィルター材が前記第2の通路内にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項31に記載のシステム。
  39. 前記フィルター材は実質的に平面であることを特徴とする請求項38に記載のシステム。
  40. 前記フィルター材は、それぞれ前方方向に凸であり後方方向に凹である、一面が凹で他面が凸の形状であることを特徴とする請求項38に記載のシステム。
  41. 前記第1のフィルター材および前記第2のフィルター材は、実質的に楕円形状の横断面を有することを特徴とする請求項38に記載のシステム。
  42. さらに、前記第1の縁部から長手方向に離隔して前記第1の管状体を囲む、前記第1の管状体から半径方向外側に延びる第3の縁部と、
    前記第2の縁部から長手方向に離隔して前記第2の管状体を囲む、前記第2の管状体から半径方向外側に延びる第4の縁部とを有することを特徴とする請求項35に記載のシステム。
  43. 前記第3の縁部および前記第4の縁部は可撓性であり、実質的にシールを形成するために、前記各縁部が関連する鼻腔を形成している鼻壁および鼻中隔と表面係合を形成するように構成されることを特徴とする請求項42に記載のシステム。
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