JP2007530075A - 乳がんの予後診断のための組成物および方法 - Google Patents

乳がんの予後診断のための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規な組成物ならびに乳房腫瘍を分類する際のその使用方法を提供する。

Description

(発明の属する技術分野)
本発明は一般に、核酸、核酸検出、がん、および乳がんの分野に関する。
(相互参照)
本願は、2004年4月23日に出願された米国仮特許出願第60/564,758号、2004年6月1日に出願された同第60/575,978号、2004年11月30日に出願された同第60/631,702号、ならびに2004年12月7日に出願された同第60/633,826号の優先権を主張する。
(参照による援用)
配列表を含んでいるコンパクト・ディスクの提出物は、ここで参照により明らかに組込まれる。提出物は3つのコンパクト・ディスク(「COPY 1−Sequence listing part」、「COPY 2−Sequence listing part」、および「COPY 3−Sequence listing part」)を含み、これらは内容において同一である。各ディスクには、2005年4月22日に作成された、ファイル名が「04−164−PCT SeqListing.ST25.txt」で、サイズが10.6MBのファイルが含まれている。
(背景)
乳がんは、女性に最も一般的ながんであり、米国におけるがんによる死の2番目に多い原因である。生殖細胞系列でのBRCA1またはBRCA2遺伝子における突然変異により、その突然変異を持った女性は乳がんに罹患しやすくなるが、これらの乳がん感受性遺伝子に関係しているのは乳がんの約5−10%のみである。現在使用されている乳がん予後の臨床指標は、予後が好ましいであろう患者の識別においては正確ではない。その結果、補助化学療法から利益を得るであろう患者よりも多くの患者が該治療を受けている。(2004年3月25日公開の特許文献1)。
生殖細胞系列の突然変異(「散発的な腫瘍」)に関係しているとは現在認識されていない腫瘍が、大多数の乳がんを構成している(特許文献1)。乳がんがその進行の初期で検出されない場合は罹病率および死亡率が増加するので、乳房腫瘍の発生の早期発見に相当な努力が為されてきた。
乳がんの診断は、典型的には腫瘍の存在を組織病理学的に証明する必要がある。病理組織検査は予後に関する情報も提供し、治療計画を選択するのを支援する。予後診断は、腫瘍のサイズ、腫瘍の等級、患者の年齢およびリンパ節への転移のようなパラメータに基づいて為される場合もある(特許文献1)。
乳がん患者の中で遠隔転移を伴わずに生存するものについて正確に予後診断または判定することにより、最も積極的な治療を受けている予後の比較的悪い女性に、選択的に補助化学療法を投与することが可能になるだろう。
マイクロアレイ技術の成熟は、ゲノム全体に渡る遺伝子発現(RNA)データの日常的収集を可能にした。様々な著者により、腫瘍から集められたマイクロアレイデータが鑑別診断、腫瘍ステージの判定および予後診断において有用かもしれないことが示されている。これらの研究によって得られたデータはまさしく新しい診断法の開発に有用な資源に相
当するものである。しかしながら、現在のマイクロアレイ技術にはサンプルの収集と調製のステップが必要であり、日常的な臨床導入が阻まれている。
対照的に、DNA系のマーカーは、がんの診断において一般的に使用されている。蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)およびRT−PCR技術を利用した診断の実施は、広く使用されている。このような一般に受け入れられた技術に基づいた新しい診断用製品は、より速く臨床において認められるであろう。
特定の遺伝子異常が臨床上の特性に関係している場合が多いことは、立証されている。例としては、乳がんにおける1p/19qの欠失と化学療法に対する高い応答性との関係、ならびに8qの獲得と前立腺がんにおける予後不良との関係が挙げられる。そのような異常は比較ゲノムハイブリダイゼーション(「CGH」)で検出されてきた。しかしながら、腫瘍の核型と表現型との関係は多くの場合微妙であり、少数のサンプルから集められた解像度の低いCGHデータで構成された一般に利用可能なデータセットから決定するのは難しいかもしれない。
いくつかの研究により、遺伝子異常と遺伝子発現の変化との関係が実証されている。独立の研究として、ハイマン(Hyman)ら(非特許文献1)とポラック(Pollack)ら(非特許文献2)は、乳房腫瘍における高度の増幅と高表現との強い関連を見いだした。クローレイ(Crawley)ら(非特許文献3)は、遺伝子発現データだけを使用して肝細胞がん中のコピー数が異常な領域を正確に予測するデータ解析方法について報告している。これらの研究は、根本にある遺伝子異常への手がかりとして遺伝子発現データを使用することができるという概念を支持し、したがって、DNAマーカーを特定する目的で遺伝子発現データおよびCGHコピー数データを併せて分析することは有望であるという考えを支持するものである。
米国特許出願公開第2004/0058340号明細書 ハイマン(Hyman)ら、Cancer Res.、2002年11月1日、第62巻第21号、p.6240−5 ポラック(Pollack)ら、Proc Natl Acad Sci USA、2002年10月1日、第99巻第20号、p.12963−8 クローレイ(Crawley)ら、Genome Biol.、2002年、第3巻第12号:RESEARCH0075.Epub 2002年11月25日
現在使用されている乳がんの予後の臨床上の指標は、予後が良好と思われる患者の識別においては正確ではない。その結果、補助化学療法から利益を得るであろう患者よりも多くの患者がそのような治療を受けている。したがって、より良好かつより特異的な乳がんの予後の臨床上の予測材料が、当分野において依然必要とされている。
(発明の概要)
本発明は、新規な組成物および乳房の腫瘍の分類におけるそれらの使用方法を提供する。
第1態様では、本発明は、乳がんバイオマーカーを含んでなる組成物または乳がんバイオマーカーで構成される組成物を提供し、該乳がんバイオマーカーは、2〜35組の異なるプローブセットを含んでなるかまたは該プローブセットで構成され、該プローブセットの少なくとも40%は、3p23、8q21.13、8q22.1、8q22.2、8q
24.11、10q22.3、16q24.3、17q11.2、17q12、17q21.1、17q22.2、17q25.3、19q13.12および20q13.2から成る群から選択されたゲノム領域に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成され、前記異なるプローブセットが全体として、前記列挙されたゲノム領域のうち少なくとも2つに選択的にハイブリダイズすることを特徴とする。
第2態様では、本発明は、2〜42組の異なるプローブセットを含んでなるかまたは該プローブセットで構成される乳がんバイオマーカーを含んでなる組成物を提供し、該異なるプローブセットの少なくとも40%は、式1:
X1−X2−X3
(式中、X2は、細菌人工染色体(「BAC」)内に含まれたヒトゲノム挿入断片であり、配列番号18−65(表1を参照)またはそれらの相補体から成る群から選択され、X1とX3は独立にヒトゲノム中でX2に隣接する0−500kBのヒトゲノム核酸である)
の単離核酸に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成され、かつ
前記異なるポリヌクレオチドプローブセットが全体として、少なくとも2つの重なり合わない式1の核酸に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする。
第3態様では、本発明は、2〜42組の異なるプローブセットを含んでなるかまたは該プローブセットで構成される乳がんバイオマーカーを含んでなる組成物を提供し、該異なるプローブセットの少なくとも40%は、配列番号1−17またはそれらの相補体のうちの1つの核酸に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成され、該異なるプローブセットが全体として、配列番号1−17またはそれらの相補体の前記核酸のうち少なくとも2つに選択的にハイブリダイズすることを特徴とする。
さらなる態様では、本発明は、乳房の腫瘍を分類する方法であって、
(a)乳房の腫瘍を有する対象から得られた核酸サンプルを、ポリヌクレオチドプローブであって、全体として3p23、8q21.13、8q22.1、8q22.2、8q24.11、10q22.3、16q24.3、17q11.2、17q12、17q21.1、17q22.2、17q25.3、19q13.12および20q13.2から成るグループから選択されたゲノム領域のうち2つ以上に選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドプローブと、接触させる工程であって、プローブセットのポリヌクレオチドの、2つ以上のゲノム領域との選択的ハイブリダイゼーションを促進する条件の下で接触が実施されることを特徴とする工程と、
(b)ハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程と、
(c)前記ゲノム領域のうち1つ以上が、コピー数が変化した状態で核酸サンプル中に存在するかどうかを判定する工程と、
(d)1または複数のゲノム領域のコピー数の変化を乳がんの分類と関連付ける工程とからなる方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、乳房の腫瘍を分類する方法であって、
(a)乳房の腫瘍を有する対象から得られたmRNA由来の核酸サンプルを、核酸プローブであって、全体として配列番号1−17またはそれらの相補体から成る群から選択された2つ以上の核酸標的に選択的にハイブリダイズする核酸プローブと、接触させる工程であって、核酸プローブの、核酸サンプル中に存在する核酸標的またはその相補体との選択的ハイブリダイゼーションを促進する条件の下で接触が実施されることを特徴とする工程と、
(b)核酸プローブと核酸標的またはその相補体とのハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程であって、そのようなハイブリダイゼーション複合体の数から、配列番号1−17の核酸のうち1または複数の遺伝子発現の尺度が提供されることを特徴とする工程と、
(c)配列番号1−17の核酸のうち1または複数の遺伝子発現の、対照に対する変化を、乳がんの分類と関連付ける工程と
からなる方法を提供する。
(発明の詳細な説明)
本明細書に引用された全ての出版物、GenBank登録参照事項、細菌人工染色体(「BAC」)登録番号(配列)への参照事項、特許文献および特許出願明細書は、あらゆる目的に関して参照により明らかに本願に組み込まれる。
本願においては、別途記載のない限り、使用される技法については、いくつかの有名な参照文献、例えば、「Molecular Cloning:A Laboratory
Manual」(サムブルック(Sambrook)ら、1989年、コールドスプリングハーバー研究所出版社)、「Gene Expression Technology」(Methods in Enzymology、1991年、第185巻、ディー.ゲデル(D.Goeddel)編、米国カリフォルニア州サンディエゴ所在のアカデミック・プレス(Academic Press))、「Methods in Enzymology」(エム.ピー.デューシャー(M.P.Deutshcer)編、1990年、アカデミック・プレス・インコーポレイテッド(Academic Press,Inc.))の中の「Guide to Protein Purification」、「PCR Protocol:A Guide to Methods and Applications」(イニス(Innis)ら、1990年、米国カリフォルニア州サンディエゴ所在のアカデミック・プレス)、「Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique」第2版(アール.アイ.フレシュニー(R.I.Freshney)、1987年、米国ニューヨーク州ニューヨーク所在のリス・インコーポレイテッド(Liss,Inc.))、「Gene Transfer and Expression Protocols」、p.109−128、イー.ジェイ.マレー(E.J.Murray)編、米国ニュージャージー州クリフトン所在のヒューマナ・プレス・インコーポレイテッド(Humana Press Inc.)、ならびにアンビオン(Ambion)社の1998年版カタログ(米国テキサス州オースティン所在のアンビオン社(Ambion))などのいずれかに見出すことができる。
本発明は、新規な組成物および乳房の腫瘍の分類における該組成物の使用方法を提供する。本明細書に使用する場合、用語「分類する(こと)」は、乳房の腫瘍の1または複数の特徴を決定すること、または乳房組織サンプルを得た患者の予後診断を意味し、
(a)乳がんの診断(良性腫瘍か悪性腫瘍か);
(b)転移の可能性、特定の器官に転移する可能性、または腫瘍の進行;
(c)腫瘍のステージ;
(d)化学療法またはホルモン療法を行わない状態での患者の予後;
(e)治療(化学療法、放射線療法および/または腫瘍を切除する手術)に対する患者の応答性の予測;
(f)患者にとって最適な治療コースの予測;
(g)治療後の患者の再発に関する予測;および
(h)患者の余命
が含まれる。
マーカーに基づいた予後診断に関する先行技術の方法は、(a)ごく一部の腫瘍にのみ関連があると思われる単一の遺伝子またはゲノム領域の発現またはコピー数の分析、あるいは(b)臨床診断の検査室およびほとんどの研究施設で使用するには非実用的な、多くの遺伝子またはゲノム領域の大群の分析、のうちいずれかに注力したものであった。
本発明の組成物は、本明細書において、乳がん分類に有用なマーカーであるとして特定され、次の核酸配列に対して定義される。
1.GENBANK登録番号AL080059(配列番号1)
2.GENBANK登録番号NM_006281(配列番号2)セリン/トレオニンキナーゼ3(「stk3」)
3.GENBANK登録番号NM_000127(配列番号3):Exostoses1(「ext1」)
4.GENBANK登録番号NM_006265(配列番号4):「rad21」(AKA、「HR21」、「SCC1」、「NXP1」)
5.GENBANK登録番号NM_001157(配列番号5):Annexin All(「anxa11」)
6.GENBANK登録番号NM_000135(配列番号6):ファンコニ貧血相補群A(「fanca」)
7.GENBANK登録番号NM_007144(配列番号7):亜鉛フィンガータンパク質110(RF110)(「znfl44」)
8.GENBANK登録番号NM_003079(配列番号8):SWI/SNF関連、マトリクス関連、アクチン依存性クロマチン調節因子、サブファミリーe、メンバー1(SWI/SNF related, matrix-associated, actin dependent regulator of chromatin, subfamily e, member 1 );「smarce」)
9.GENBANK登録番号NM_001168(配列番号9):バキュロウイルスIAPリピート含有5(Baculoviral IAP-repeat containing 5 ;「birc5」、AKA、「サバイビン(survivin)」)
10.GENBANK登録番号NM_013374(配列番号10):プログラム細胞死関連タンパク質(PDCD6IP)
11.GENBANK登録番号NM_005310(配列番号11):成長因子受容体結合タンパク質7(「GRB7」)
12.GENBANK登録番号NM_006804(配列番号12):Startドメイン含有3(Start domain containing 3 )(「MLN64」)(STARD3とも呼ばれる)
13.GENBANK登録番号NM_005536(配列番号13):イノシトール(myo)‐1(または4)‐モノホスファターゼ1(「IMPA1」)
14.GENBANK登録番号NM_002151(配列番号14):「Hepsin(ヘプシン)」
15.GENBANK登録番号X72631(配列番号15):hrev遺伝子(「nr1d1」)
16.GENBANK登録番号NM_003457(配列番号16):亜鉛フィンガータンパク質207「(ZNF207」)
17.GENBANK登録番号NM_000782(配列番号17):シトクロムP450、ファミリー24、サブファミリーA、ポリペプチド1(「CYP24」)
統計学的に有意であると同時に、発明者は、これら17個の遺伝子マーカーのサブセットの臨床診断および予後診断への利用は、個々の遺伝子の臨床診断および予後診断への利用よりも優れていると考える。そのような組み合わせにより、乳がんにおける特定の表現型に関連したゲノム異常の複雑さをよりよく分類しうるかもしれない。
多くの研究から、ゲノム領域が(腫瘍などにおいて)増幅される場合、単一の遺伝子について増幅が報告される傾向にあるにもかかわらず、増幅領域(「増幅」)は通常いくつかの遺伝子から構成されることが実証されている。(バーランド(Barlund)ら、Cancer Res.、2000年10月1日、第60巻第19号、p.5340−4;カウラニエミ(Kauraniemi)ら、Cancer Res.、2001年11月15日、第61巻第22号、p.8235−40;ポラック(Pollack)ら、2002年;ハイマン(Hyman)ら、Cancer Res.、2002年11月1日、第62巻第21号、p.6240−5;モンニ(Monni)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、2001年5月8日、第98巻第10号、p.5711−6)。例えば、「her−2」の増幅は一般にher−2遺伝子および多くの隣接する遺伝子を含んでいる。
公に利用可能なデータベース(例えばUCSCヒトゲノム www.genome.ucsc.edu)に記述されるように、これらの研究において使用された遺伝子の間の物理的な距離から、増幅のサイズは腫瘍によって様々であるが、「平均的な」増幅のサイズは理論的に少なくとも1メガベースと推定されることが明らかである。
したがって、第1態様では、本発明は、乳がんバイオマーカーを含んでなる組成物または乳がんバイオマーカーで構成される組成物を提供し、該乳がんバイオマーカーは2〜35組の異なるプローブセットを含んでなるか該異なるプローブセットで構成され、該異なるプローブセットの少なくとも40%は、3p23、8q21.13、8q22.1、8q22.2、8q24.11、10q22.3、16q24.3、17q11.2、17q12、17q21.1、17q22.2、17q25.3、19q13.12および20q13.2から成る群から選択されたゲノム領域に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成され、異なるプローブセットは全体として、前記列挙されたゲノム領域のうち少なくとも2つに選択的にハイブリダイズすることを特徴とする。
前記列挙されたゲノム領域は、前記マーカーの染色体バンドに相当する。本発明の組成物は、例えば、先行技術の診断用および予測用の組成物および方法を使用して可能な乳がんの分類よりも改善された乳がんの分類を提供するために使用することができる。表1は、個々のマーカーの詳細な要約、該マーカーのGenBank登録番号、マーカーが位置するゲノム領域、およびマーカーを含んでいる細菌人工染色体(「BAC」)(以下により詳細に議論する)の名称および配列番号を提示している。
Figure 2007530075
Figure 2007530075
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したがって、本発明の各態様および実施形態の組成物は、例えばヒトの乳がんを分類する際に有用である。該組成物は、例えば、ヒト対象の乳房組織のようなヒト標本中の核酸サンプル中に異常なコピー数の状態(例えば染色体伸展標本において1細胞当たりの遺伝子のコピー数が3つ以上または2つ未満)で存在する1または複数のゲノム領域を特定するために使用することが可能であり、このことにより上記および以降に議論されるように乳房腫瘍が分類される。別例として、ある実施形態の組成物(以下により詳細に議論する)を用いて、上記に列挙された遺伝子にコードされるmRNAの組織中の発現レベルを測定することができる。
本発明のそれぞれの態様および実施形態の組成物は、先行技術の乳がん分類用組成物を改良するものである。先行技術の乳がん分類用組成物は、乳房腫瘍を分類するために非常に多くのプローブを必要とし、かつ、本発明の乳がんバイオマーカーと比較して分類の精度が低い。したがって、本発明の組成物は、先行技術の組成物および乳がんの分類方法におけるその使用よりも、臨床診断および予後診断の試験においてはるかに使用しやすい。
用語「ポリヌクレオチド」は、本明細書において本発明の各態様および実施形態に関して使用する場合、一本鎖または二本鎖のいずれかの形態のDNAまたはRNA、好ましくはDNAを意味する。該用語は上記に列挙された配列およびそれらの相補配列も含むが、このことは当業者には明白に理解されるだろう。用語「ポリヌクレオチド」は、所望の目的に関して、開示されたポリヌクレオチドと同様または改善された結合特性を有している、天然ヌクレオチドの既知のアナログを含んでいる核酸を包含する。該用語は、合成の骨格を備えた核酸類似構造も包含する。本発明によって提供されるDNA骨格アナログには、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホネート、ホスホロアミデート、アルキルホスホトリエステル、スルファメート、3’−チオアセタール、メチレン(メチルイミノ)、3’−N−カルバメート、モルホリノカーバメート、およびペプチド核酸(PNA)、メチルホスホネート結合またはメチルホスホネート結合とホスホジエステル結合とが交互になっているもの(シュトラウス‐ソーカプ(Strauss−Soukup)、1997年、Biochemistry、第36巻、p.8692−8698)、ならびに米国特許第6,664,057号明細書で議論されているようなベンジルホスホネート結合が挙げられる。また、エフ.エクスタイン(F.Eckstein)編「Olignucleotides and Analogues, a
Practical Approach」、オックスフォード大学出版社のIRLプレス、1991年;「Antisense Strateries」、Annals of
the New York Academy of Sciences、第600巻、バセルガ(Baserga)およびデンハート(Denhardt)編、(NYAS 1992);ミリガン(Milligan)、1993年、J.Med.Chem.、第36巻、p.1923−1937;「Antisense Research and Applications」、1993年、CRCプレス)も参照されたい。
本明細書において本発明の全ての態様および実施形態について使用される「単離(された)」ポリヌクレオチドとは、本明細書に特に記載のある場合を除き、核酸が由来する生物体のゲノムDNAにおいて自然状態では該ポリヌクレオチドに隣接する配列を含まないポリヌクレオチドである。好ましくは、「単離」ポリヌクレオチドとは、組換え技法で生産される場合はその他の細胞成分、ゲル材料、ベクターのリンカー配列および培地を実質的に含まず、あるいは化学合成される場合は前駆化学物質または他の化学物質を実質的に含まない。本発明のポリヌクレオチドは、ゲノムDNA、mRNAまたはmRNA由来のcDNAライブラリからのPCR増幅によるなど、標準的技法を使用して様々な供給源から単離されてもよいし、あるいは、米国特許第6,664,057号明細書および同文献に開示された参照文献で議論されるように、当業者に周知の方法によってin vitro合成されてもよい。様々な溶液または固相の方法により合成ポリヌクレオチドを調製することができる。ホスファイトトリエステル、ホスホトリエステル、およびH−ホスホネートの化学的性質を用いたポリヌクレオチドの固相合成手法に関する詳細な記載は、広く入手可能である。(例えば、米国特許第6,664,057号明細書および同文献に開示された参照文献を参照されたい)。ポリヌクレオチドを精製する方法には、アクリルアミドゲルネイティブ電気泳動、およびピアソン(Pearson)、1983年、J.Chrom.第255巻、p.137−149に記述されているような陰イオン交換HPLCが挙げられる。合成ポリヌクレオチドの配列は標準的方法を使用して確認することができる。
本発明のすべての態様および実施形態に関して本明細書で使用される場合、「プローブセット」とは、例えば乳がんの分類において使用することができる同じ標的(例えば特定のゲノム領域またはmRNA)にそれぞれ選択的にハイブリダイズする1または複数のポリヌクレオチドの集団を意味する。したがって、1つの「プローブセット」は、ある標的に選択的にハイブリダイズする任意の数の異なる単離ポリヌクレオチドを含みうる。例えば、配列番号10に選択的にハイブリダイズするプローブセットは、配列番号10の1つの100ヌクレオチド長セグメントについて、また配列番号10の別の100ヌクレオチド長セグメントについて、または上記の両方に加えて配列番号10の別個の10ヌクレオチド長セグメントについて、または配列番号10の500個の異なる10ヌクレオチド長セグメント(例えば、比較的大きなプローブを多くの個々の短いポリヌクレオチドに分断するなど)についての、1または複数のプローブを含んでなるものでよい。当業者は、多くのそのような置き換えが可能であると理解するだろう。
この第1態様では、乳がんバイオマーカーは、本明細書において定義されるような2〜35組のプローブセットを含んでなるか該プローブセットで構成される任意の乳がんバイオマーカーであって、該プローブセットの少なくとも40%は、列挙されたゲノム領域のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるか該ポリヌクレオチドで構成される。従って、そのような乳がんバイオマーカーは、プローブセットの少なくとも40%が列挙されたゲノム領域のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含む限り、かつ35組以下のプローブセットが該乳がんバイオマーカーの中に存在する限り、乳がんの分類、診断または分析で使用されるその他のプローブセットを含むことができる。
本発明の第1態様の好ましい実施形態では、少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%のプローブセットが、列挙されたゲノム領域のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるか該ポリヌクレオチドで構成される。当業者には明白であるように、列挙されたゲノム領域のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されるプローブセットの割合(%)が増加するにつれて、乳がんバイオマーカー中のプローブセッ
トの最大数は減少することになる。したがって、例えば、プローブセットの少なくとも80%が列挙されたゲノム領域のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるか該ポリヌクレオチドで構成される場合、乳がんバイオマーカーは2〜17組のプローブセットで構成されることになる。当業者は、本発明の様々な態様の組成物に包含される様々なその他の置き換えを認識するだろう。
本発明の第1態様のさらに好ましい実施形態では、乳がんバイオマーカーは2〜35組の異なるプローブセットを含んでなるか該プローブセットで構成され、該異なるプローブセットは全体として、少なくとも次のゲノム領域、すなわち20q13.2(CYP24を含む)および3p23(PDCD6IPを含む)に選択的にハイブリダイズする。この実施形態(「HR+組成物1」)は、ホルモン受容体陽性の乳房腫瘍の分類に特に有効であることが本明細書において実証されるが、ここで、「ホルモン受容体陽性」とは、本願全体を通じて、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のうちいずれか一方または両方について陽性であるとして定義される。この実施形態では、単離ポリヌクレオチドが全体として17q25.3(BIRC5を含む)の領域に選択的にハイブリダイズすることがさらに好ましい。HR+組成物1の様々なさらに好ましい実施形態では、プローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%または100%が、上記2つまたは3つの列挙されたゲノム領域のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される。
本発明の第1態様のさらに好ましい実施形態では、乳がんバイオマーカーは2〜35組の異なるプローブセットを含んでなるか該プローブセットで構成され、該異なるプローブセットは全体として、少なくとも次のゲノム領域、すなわち17q21.2(SMARCE1を含む)および17q21.1(NR1D1を含む)に選択的にハイブリダイズする。この実施形態(「HR−組成物1」)は、ホルモン受容体陰性の乳房腫瘍の分類に特に有効であることが本明細書において実証されるが、ここで、「ホルモン受容体陰性」とは、本願全体を通じて、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のうちいずれか一方または両方について陰性であるとして定義される。この実施形態では、ポリヌクレオチドが全体として17q25.3(BIRC5を含む)の領域に選択的にハイブリダイズすることがさらに好ましい。これらの様々なHR−組成物1の実施形態では、プローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%または100%が、上記2つまたは3つの列挙されたゲノム領域のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されることがさらに好ましい。
本発明の各態様および実施形態の組成物は、乳がんバイオマーカーと組み合わせて使用するのに有益な他のポリヌクレオチド成分、例えば競合核酸および他の制御配列(比較用の標準ハイブリダイゼーションを提供するための配列など)をさらに含んでもよい。そのような他のポリヌクレオチド成分は、本発明の組成物および方法の目的のためのプローブセットではない。組成物は、任意選択で、バッファ溶液、ハイブリダイゼーション溶液、検出可能な標識、および核酸組成物を保存するための試薬など(これらに限定されない)、他の成分を含んでもよい。
本発明の各態様および実施形態に関して本明細書で使用する場合、用語「選択的にハイブリダイズする」とは、単離ポリヌクレオチドが標的のゲノム領域または他の標的に結合してハイブリダイゼーション複合体を形成し、かつ他の配列には最小限しか結合しないか全く結合しないことを意味する。使用される特定のハイブリダイゼーション条件は、用いられるポリヌクレオチドプローブの長さ、該ポリヌクレオチドプローブのGC含量、ならびに当業者によく知られたその他の種々の要因に依存することになる。(例えば、ティッ
セン(Tijssen)、1993年「Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−Hybridization with Nucleic Acid Probes」第I部第2章の「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays」(米国ニューヨーク所在のエルゼビア(Elsevier)(「Tijssen」)を参照されたい)。1実施形態では、ストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄条件が、規定のイオン強度およびpHでその特定のポリヌクレオチドの融点(Tm)よりも約5℃低くなるように選択される。Tmは、完全に一致するプローブに標的配列の50%がハイブリダイズする温度(規定のイオン強度およびpH条件下)である。ストリンジェンシーの高い条件は、特定のポリヌクレオチドプローブのTmと等しくなるように選択される。ストリンジェントな条件の例は、65℃の0.2×SSC中で所望の時間で単離ポリヌクレオチドがゲノム核酸または他の標的核酸に選択的にハイブリダイズしてハイブリダイゼーション複合体を形成することが可能である条件、ならびに65℃の0.2×SSCで15分間の洗浄条件である。当然ながら、これらの条件は様々なバッファおよび温度を使用して再現可能である。SSC(例えばサムブルック(Sambrook)、フリッシュ(Fritsch)およびマニアティス(Maniatis)著「Molecular Cloning, A Laboratory Manual」、コールドスプリングハーバー研究所出版(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、1989年を参照)は、他の適切なハイブリダイゼーションバッファと同様に、当業者によく知られている。
本発明のこの第1態様の様々な好ましい実施形態では、乳がんバイオマーカーは、3p23、8q21.13、8q22.1、8q22.2、8q24.11、10q22.3、16q24.3、17q11.2、17q12、17q21.1、17q22.2、17q25.3、19q13.12および20q13.2からなる群から選択されたゲノム領域に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14の異なるプローブセットを含み、該異なるプローブセットは全体として、列挙されたゲノム領域のうちの少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする。これらの実施形態の各々では、所与の乳がんバイオマーカーのためのプローブセットのうち少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%または100%が、列挙されたゲノム領域のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されることがさらに好ましい。
本発明の組成物および方法のそれぞれの態様および実施形態では、単離ポリヌクレオチドが検出可能な標識で標識されることがさらに好ましい。好ましい実施形態では、1つのプローブセット中の単離ポリヌクレオチド上の検出可能な標識はすべて同じであり、所与の乳がんバイオマーカー中の他のプローブセット中の単離ポリヌクレオチド上の検出可能な標識から識別可能である。単離ポリヌクレオチドをそのように標識することにより、所与の乳がんバイオマーカー中の異なるプローブセットからの信号を区別して測定することが容易になる。有用な検出可能な標識には、32P、Hおよび14Cのような放射性の標識;イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)、ローダミン、ランタニド燐光体、Texas red(登録商標)、およびALEXIS(商標)(インビトロジェン(Invitrogen))、CY(商標)色素(アマシャム(Amersham))、Spectrum色素(アボットラボ(Abbott Labs))のような蛍光色素;金のような高電子密度試薬;セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β‐ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼおよびアルカリホスファターゼのような酵素;金コロイドのような比色定量標
識;DYNABEADS(商標)として販売されているような磁気標識;ビオチン;ジゴキシゲニン;または抗血清もしくはモノクローナル抗体が利用可能なハプテンおよびタンパク質が挙げられるが、これらに限定はされない。標識は、ポリヌクレオチドに直接組み入れられてもよいし、または、ポリヌクレオチドにハイブリダイズまたは結合する分子に結合させてもよい。標識は、当業者に周知の任意の手段によって単離ポリヌクレオチドに連結されうる。様々な実施形態において、単離ポリヌクレオチドは、ニックトランスレーション法、PCRまたはランダムプライマー伸長法(例えば、前掲のサムブルック(Sambrook)らの文献を参照)を使用して標識される。標識を検出する方法には、分光分析法、光化学的手法、生化学的手法、免疫化学的手法、物理学的手法および化学的手法が挙げられるが、これらに限定はされない。
当業者であれば承知しているように、上記に議論されたゲノム領域に関連する特定のヌクレオチド配列を同定するために多数の情報源を利用することができる。1例では、そのような配列を以下のようにして見つけることができる:
UCSCウェブサイト
Figure 2007530075
にアクセスする。このサイトでは、左のメニューのゲノムブラウザ(Genome Browser)を選択する。次いで「position」フィールドで、(このフォーマットでは、例えば染色体16p13について)16:11,000,000−12,000,000を入力し、次に、「jump」を選択する(positionの入力は、遺伝子名、クローン名、登録番号など、または塩基対の位置(通常何百万の単位)のいずれかでなければならない)。染色体のイメージが表示されると、イメージの一番上に塩基対、および染色体のバンドがすぐ下に示され、操縦ツールを用いて必要なときにズームインまたはズームアウト、左右への移動を行うことができる。配列自体(例として16p13)を得るためには、イメージ内のバンド表示を選択すると、「Chromosome Bands Localized by FISH Mapping Clones(p13.2)」のページにつながり、同ページには「View DNA for this feature」ボタンがある。この「View DNA・・・」ボタンを選択すると、「Get DNA in Window」につながる。そのページの下方の「Get DNA」ボタンを選択すると、配列が現われる。この配列ページの中で一番上に正確な塩基対が示される。
当業者であれば、本明細書に開示されたその他の対象のゲノム領域のヌクレオチド配列を同定するために本開示を適用する方法を理解するであろう。
第2態様では、本発明は、2〜42組の異なるプローブセットを含んでなるかまたは該プローブセットで構成された乳がんバイオマーカーを含んでなるか組成物を提供し、該異なるプローブセットの少なくとも40%は、式1:
X1−X2−X3
(式中、X2は、細菌人工染色体(「BAC」)内に含まれたヒトゲノム挿入断片であり、配列番号18−65(表1を参照)またはそれらの相補体から成る群から選択され、X1とX3は独立にヒトゲノム中でX2に隣接する0−500kBのヒトゲノム核酸である)
の単離核酸に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成され、かつ
異なるポリヌクレオチドプローブセットが全体として、少なくとも2つの重なり合わない式1の核酸に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする。
BACの配列情報を、以下、表2(および表1でも提示)ならびに表2に記載の数字に提供する。
Figure 2007530075
「X2」グループにおいて上記に開示された核酸は、BACベクターにクローニングされた、上述のマーカー遺伝子(および本発明の第1態様のゲノム領域の一部)を包含するヒトゲノム配列である。(表1を参照。)表1を参照すれば当業者には明白なように、上
記の乳がん分類のためにクローニングされたマーカーの各々についてのゲノム領域(配列番号1−17)は、上記の「X2」グループ内にリストされたBAC挿入断片の中に存在する。17個のクローニングされたマーカーのうち一部については、重なり合う部分を有する複数のBAC挿入配列が提供される(表1および2を参照)。
本発明のこの第2態様によって、異なるポリヌクレオチドプローブセットは全体として、少なくとも2つの重なり合わない式1の核酸(つまり表2の(a)−(q)のうち少なくとも2つ)に選択的にハイブリダイズする。
本発明のこの第2態様の様々な好ましい実施形態では、乳がんバイオマーカーは、式1の単離核酸配列またはその相補体に選択的にハイブリダイズする3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17組の異なるプローブセットを含んでなるかまたは該プローブセットで構成される。これらの実施形態の各々では、所与の乳がんバイオマーカーのプローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%または100%が、式1の核酸またはその相補体に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成され、該異なるポリヌクレオチドプローブセットは全体として、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17個の重なり合わない式1の核酸に選択的にハイブリダイズする。
当業者には明らかなように、式1の核酸またはその相補体に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されたプローブセットの割合(%)につれ、その乳がんバイオマーカー中の最大のプローブセット数はそれに従って減少するだろう。したがって、例えば、プローブセットの少なくとも80%が、式1の核酸またはその相補体に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるか該ポリヌクレオチドで構成される場合、乳がんマーカーは2〜21組のプローブセットで構成されることになる。当業者であれば、本発明の第2態様の様々な実施形態の組成物に包含される様々な他の置き換えを認識するだろう。
本発明の第2態様のさらに好ましい実施形態では、異なるプローブセットは、少なくとも2つの異なる式1の核酸であって以下の
a)配列番号62−65(CYP24を含む)またはそれらの相補体のうち1または複数、および、
b)配列番号44−46(PDCD6IPを含む)またはそれらの相補体のうち1または複数
のX2グループを有する核酸に、全体として選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるか該ポリヌクレオチドで構成される。
この実施形態(「HR+組成物2」)はホルモン受容体陽性の乳房腫瘍の分類に特に有効であることが本明細書において実証されるが、ここで「ホルモン受容体陽性」とは、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のうちいずれか一方または両方について陽性であると定義される。HR+組成物2のさらなる実施形態では、該組成物は、配列番号41−43(BIRC5を含む)またはそれらの相補体に選択的にハイブリダイズする単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されるプローブセットを含む。
HR+組成物2の様々なさらなる好ましい実施形態では、異なるプローブセットは、次のグループ:
(a)配列番号256−327(CYP24を含むBAC由来の固有配列プローブ)、またはそれらの相補体;また
(b)配列番号160−255(PDCD6IPを含むBAC由来の固有配列プローブ)、またはそれらの相補体
の各々からの1または複数の核酸に、全体として選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるか該ポリヌクレオチドで構成される。
グループ(a)の核酸はCYP24を含むBAC由来の固有配列領域である。また、グループ(b)の核酸はPDCD6IPを含むBAC由来の固有配列領域である。したがって、HR+組成物2のこの実施形態は、ハイブリダイゼーションアッセイにおいて競合DNAの必要のない、本発明の方法において使用するための固有配列プローブを提供する。さらなる実施形態では、HR+組成物用の固有配列プローブは、
(c)配列番号416−511(BIRC5を含むBAC由来の固有配列プローブ)、またはそれらの相補体
のグループ由来の1または複数の核酸に選択的にハイブリダイズする単離ポリヌクレオチドを含んでなるか該ポリヌクレオチドで構成されるプローブセットを含む。
HR+組成物2のこれらの様々な実施形態では、プローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%が、前記列挙された2つまたは3つの核酸のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるか該ポリヌクレオチドで構成される。
本発明の第2態様のさらに好ましい実施形態では、異なるプローブセットは、少なくとも2つの異なる式1の核酸に全体として選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるか該ポリヌクレオチドで構成され、式1の核酸は以下の:
(a)配列番号57−59(NR1D1を含む)またはそれらの相補体のうち1または複数、および
(b)配列番号40(SMARCE1を含む)、またはその相補体
のX2グループを有する。
この実施形態(「HR−組成物2」)は、ホルモン受容体陰性の乳房腫瘍の分類に特に有効であることが本明細書において実証されるが、ここで、「ホルモン受容体陰性」とは、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のうちいずれか一方または両方について陰性であるとして定義される。HR−組成物2のさらなる実施形態では、組成物は、配列番号41−43(BIRC5を含む)またはそれらの相補体のうち1または複数に選択的にハイブリダイズする単離ポリヌクレオチドを含んでなるか該ポリヌクレオチドで構成されるプローブセットを含む。
HR−組成物2の様々なさらなる好ましい実施形態では、異なるプローブセットは全体として、次のグループ:
(a)配列番号328−415(NR1D1を含むBAC由来の固有配列プローブ)、またはそれらの相補体、および
(b)配列番号66−159(SMARCEを含むBAC由来の固有配列プローブ)、またはそれらの相補体
の各々に由来する1または複数の核酸に選択的にハイブリダイズする。
グループ(a)の核酸は、NR1D1を含むBAC由来の固有配列領域であり、グループ(b)の核酸はSMARCE1を含むBAC由来の固有配列領域である。したがって、HR+組成物2のこの実施形態は、ハイブリダイゼーションアッセイにおいて競合DNA
の必要のない、本発明の方法において使用するための固有配列プローブを提供する。さらなる実施形態では、異なるプローブセットのHR−組成物2用の固有配列プローブは、全体として、(c)配列番号416−511(BIRC5を含むBAC由来の固有配列プローブ)、またはそれらの相補体のうち1または複数に選択的にハイブリダイズする。
HR−組成物2のこれらの実施形態では、プローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%または100%が、前記3つの列挙された核酸のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されることがさらに好ましい。
さらに好ましい実施形態では、本発明の第2態様の上記実施形態の各々において、XlおよびX3は、0−400kb;0−300 kb;0−200kb;0−100kb;または0kbである。
本発明の第2態様の様々な実施形態のうち好ましい実施形態では、乳がんバイオマーカーの異なるプローブセットは、式1の核酸またはその相補体の少なくとも10ヌクレオチド長の1または複数のポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される。さらに好ましい実施形態では、乳がんバイオマーカーの異なるプローブセットは、配列番号18〜配列番号511またはそれらの相補体から成る群から選択された核酸の少なくとも10ヌクレオチド長の1または複数のポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される。
本発明の第1および第2の態様の各々の実施形態の様々なさらなる好ましい実施形態、ならびに以降に記述される関連態様および実施形態では、プローブセット中のポリヌクレオチドは、独立に、前記の関連配列の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900、5000、5100、5200、5300、5400、5500、5600、5700、5800、5900、6000、6100、6200、6300、6400、6500、6600、6700、6800、6900、7000、7100、7200、7300、7400、7500、7600、7700、7800、7900、8000、8100、8200、8300、8400、8500、8600、8700、8800、8900、9000、9100、9200、9300、9400、9500、9600、9700、9800、9900、10,000;15,000;20,000;25,000;30,000;35,000;40,0000;45,000;50,000;60,000;70,000;80,000;90,000;100,000;110,000;120,000;130,000;140,000;150,000;160,000;170,000;180,000;190,000;200,000;210,000;または220,000ヌクレオチドまたはその相補体を含んでなるかまたはそれらのみで構成される。
本明細書に開示されたBACは、カリフォルニア大学サンタクルーズ校(UCSC)のゲノムブラウザ(Human April 2003 Freeze)で定義されるものであり、オークランド小児病院研究所(Children’s Hospital Oa
kland Research Institute)のwww.bacpac.chori.org.から入手可能である。本明細書に開示されたBACにクローニングされたヒトゲノム挿入断片のサイズは、約150kB〜220の長さの範囲にある。
2004年3月の時点で、BACについての詳細な情報は、オークランド小児病院研究所のウェブサイト、www.bacpac.chori.org.にアクセスし、製品メニューの「Human‘32K’BAC Re−array」へのリンクをクリックすることにより利用可能である。このページ(www.bcgsc.ca/lab/mapping/bacrearray/human/)から、ゲノムサイエンスセンター(Genome Sciences Centre)のウェブページへのリンクが提供されている。このページから、アノテーションボックス(Annotation box)にアクセスすると「Browse clone set」の別のボックスが見出される。このボックス内にはUCSCゲノムブラウザへのリンクがあり;「available」と記載されているリンクをクリックすると、http://genome.ucsc.edu/cgi−bin/hgTracksにつながり、そこには添付図面に提供された情報などの詳細なBAC情報が見出される。BACは、BAC名または遺伝子名で検索することにより見つけることができる。対象のBACにクローニングされたヒトゲノム挿入断片の配列は、http://genome.ucsc.edu/cgi−bin/hgTracksで見つけることができる。上述したようにして対象のBACがデータベース内に見出されたら、各BACの配列は、BAC名を「クリックする」ことにより見出される。最初のクリックでそのBACの「Custom Track」に接続する。Custom Trackページには、その特定のBACのための「Get DNA」ウィンドウへのリンクである、「View DNA for this feature」と呼ばれるオプションがある。「Get DNA」ページでは、「Get DNA」ボタンでそのBACクローンの完全長DNA配列が読み出される。さらに、対象のBACに隣接する配列も、「Sequence Retrieval Option」の使用により「Get DNA」ページから読み出すことができる:BACの上流および下流の両方の所望の塩基数を入力すると、隣接配列がBAC自体の配列と共に読み出される。さらに、本明細書に提供されるBACについての詳細な情報から、Human April 2003 Freezeの時点のBACにクローニングされたヒトゲノム挿入断片の塩基対の位置としてのゲノム上の位置が開示される。
当業者によって理解されるように、ヒトゲノム配列は、公に利用可能になった最新版で頻繁に更新される。よって当業者は、ヒトゲノム情報(例えば、http://genome.ucsc.edu/)へのアクセスにより、本明細書に開示された対象のBACにクローニングされたヒトゲノム挿入断片に隣接する配列を特定することができるだろう。したがって、本明細書で述べる「隣接(する)配列(flanking sequence)」とは、上述のウェブサイトならびにその最新版で開示されるような隣接配列を指す。例えば、上記に開示されるようなUCSCゲノムブラウザのサイトにアクセスして、対象のBACにクローニングされたヒトゲノム挿入断片が由来する染色体上の相対的な塩基対の位置を得るために、Human April 2003 Freezeの時点のBAC情報を調査することができる。Human April 2003 Freezeの時点で利用可能なヒトゲノム配列データの(上述のような)調査によって、当業者は、本明細書に開示された対象のBACにクローニングされたヒトゲノム挿入断片に隣接する核酸配列を得ることができる。当業者は、この配列をさらに用いて、対象のBACにクローニングされたヒトゲノム挿入断片に隣接する配列を、現在ではヒトゲノム配列が更新されている同じサイトから、またはヒトゲノム配列情報を提供する他の同様のサイトから特定することができる。
第3態様では、本発明は、2〜42組の異なるプローブセットを含んでなるかまたは該
プローブセットで構成される乳がんバイオマーカーを含んでなる組成物を提供し、該異なるプローブセットの少なくとも40%は、配列番号1−17またはそれらの相補体のうちの1つの核酸に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成され、該異なるプローブセットは全体として、配列番号1−17またはそれらの相補体の前記核酸のうち少なくとも2つに選択的にハイブリダイズする。
本発明の第3態様の様々な好ましい実施形態では、組成物は、配列番号1−17またはそれらの相補体のうちの1つの核酸に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17組の異なるプローブセットを含んでなるかまたは該プローブセットで構成される乳がんバイオマーカーを含んでなり、該異なるプローブセットは全体として、配列番号1−17またはそれらの相補体の前記核酸のうち少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17個に選択的にハイブリダイズする。これらの実施形態の各々では、所与の乳がんバイオマーカーのプローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%が、配列番号1−17またはそれらの相補体の核酸に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されることがさらに好ましい。当業者には明白であるように、配列番号1−17またはそれらの相補体の核酸に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されるプローブセットの割合(%)につれ、その乳がんバイオマーカー中のプローブセットの最大数はそれに応じて減少することになる。したがって、例えば、プローブセットの少なくとも80%が配列番号1−17またはそれらの相補体の核酸に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される場合、その乳がんバイオマーカーは2〜21組のプローブセットで構成されることになる。当業者は、本発明の第3態様の様々な実施形態の組成物に包含される様々な他の置き換えを認識するだろう。
本発明の第3態様の様々な実施形態の好ましい実施形態では、乳がんバイオマーカーの異なるプローブセットは、配列番号1−17またはそれらの相補体の核酸の少なくとも10ヌクレオチド長の1または複数のポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される。
本発明の第3態様のさらに好ましい実施形態では、異なるプローブセットは、少なくとも配列番号17(CYP24)、および配列番号10(PDCD6IP)、またはそれらの相補体に全体として選択的にハイブリダイズする単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される。この実施形態(「HR+組成物3」)は、ホルモン受容体陽性の乳房腫瘍の分類に特に有効であることが本明細書において実証されるが、ここで「ホルモン受容体陽性」とは、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のうちいずれか一方または両方について陽性であると定義される。このHR+組成物3の実施形態では、組成物は、配列番号9(BIRC5)またはその相補体に選択的にハイブリダイズする単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されるプローブセットを含むことがさらに好ましい。HR+組成物3のこれらの様々な実施形態では、プローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%が、上記2つまたは3つの列挙された核酸またはそれらの相補体のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されることがさらに好ましい。
本発明の第3態様のさらに好ましい実施形態では、異なるプローブセットは全体として、少なくとも配列番号15(NR1D1)および配列番号8(SMARCE1)、またはそれらの相補体に選択的にハイブリダイズする。この実施形態(「HR−組成物3」)は、ホルモン受容体陰性の乳房腫瘍の分類に特に有効であることが本明細書において実証されるが、ここで「ホルモン受容体陰性」とは、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のうちいずれかまたは両方について陰性であると定義される。このHR−組成物3の実施形態では、組成物が配列番号9(BIRC5)またはその相補体に選択的にハイブリダイズする単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されるプローブセットを含むことがさらに好ましい。HR−組成物3のこれらの様々な好ましい実施形態では、プローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%または100%が、上記3つの列挙された核酸のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されることがさらに好ましい。
本発明のこの第3態様の組成物は、乳房組織サンプル(バイオプシー、腫瘤摘出サンプル、固形腫瘍サンプルを含むが、これらに限定されない)、類繊維腫、腫瘍から流出した流血中腫瘍細胞、血液サンプル(血液塗抹標本など)および骨髄細胞などの、対象の組織中の遺伝子からのRNA発現の分析に使用するのに特に好ましい。本発明のこの態様のそのようなポリヌクレオチドは、対象の核酸への選択的なハイブリダイゼーションを可能とする任意の長さでありうる。発明の第3態様および関連する態様の様々な好ましい実施形態ならびに以下に開示する実施形態において、単離ポリヌクレオチドは、配列番号1−17またはそれらの相補体から成る群から選択された核酸のうち少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1000ヌクレオチドを含んでなるかまたはそれらのみで構成される。さらなる実施形態では、本発明のこの第3態様の単離ポリヌクレオチドは、配列番号1−17またはそれらの相補体のうちの1つの核酸を含んでなるかまたは該核酸で構成される。
本発明の様々な態様および実施例の組成物は、凍結乾燥された形態であってもよいし、または好ましくは、バッファ溶液、ハイブリダイゼーション溶液および保存中の組成物を維持するための溶液(これらに限定されない)などの、単離ポリヌクレオチドを含む溶液を含んでなるものであってもよい。そのような溶液はそのようなものとして製造されてもよいし、または、以下に議論されるように、標的配列にポリヌクレオチドをハイブリダイズさせる時に組成物が調製されてもよい。
別例として、組成物を固体支持体上に配置して、マイクロアレイ、ビーズまたはマイクロプレートの形式にしてもよい。用語「マイクロアレイ」は、本明細書に使用する場合、サンプル核酸にハイブリダイズする複数のプローブセット(乳がんmRNAまたは誘導したcDNAなど)が固体表面上に固定化されたものを指す。
したがって、第4の態様では、本発明は、上記に開示されるような、本発明の組成物の1または複数のプローブセットが(アレイ状に)配置された支持体構造を含んでなるマイクロアレイを提供する。この態様では、単一のプローブセットがアレイ上の一つの位置に存在していてもよいし、または単一のプローブセット由来の異なるポリヌクレオチドがアレイ上の異なる所定の位置に存在していてもよい。
この態様では、ポリヌクレオチドはマイクロアレイの固体表面上に固定化される。参照用または対照用の核酸のような他の核酸が、任意選択で同様に固体表面上に固定化されてもよい。様々な固体表面上に核酸を固定化する方法は、当業者に周知である。種々様々の
材料を固体表面用に使用することができる。そのような固体表面材料の例には、ニトロセルロース、ナイロン、ガラス、石英、ジアゾ化された膜(紙またはナイロン)、シリコーン、ポリホルムアルデヒド、セルロース、酢酸セルロース、紙、セラミックス、金属、メタロイド、半導体材料、コーティングを施したビーズ、磁性粒子;ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリスチレンのようなプラスチック;ならびにタンパク質(例えば、ゼラチン)、リポ多糖類、ケイ酸塩、アガロースおよびポリアクリルアミドのようなゲル形成材料が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
様々な異なる材料を用いてマイクロアレイの固体表面を調製して様々な特性を得ることが可能である。例えば、タンパク質(例えばウシ血清アルブミン)または巨大分子の混合物(例えば、デンハルト溶液)を用いて、非特異的な結合を最小限とし、共有結合を単純化し、かつ/またはシグナルの検出を増強することができる。化合物と表面との間の共有結合が所望される場合、一般に表面を官能化するか、または官能化可能な状態にすることになる。表面上に存在させて結合に使用されうる官能基には、カルボン酸、アルデヒド、アミノ基、シアン基、エチレン基、水酸基、およびメルカプト基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。種々様々の化合物を様々な固体表面に結合する方法は、当業者に周知である。
この第4の態様の好ましい実施形態では、本発明のプローブセットを含むアレイ上の位置のサイズは、直径で1μm〜1cm、より好ましくは直径で1μm〜5mm、さらにより好ましくは直径で5μm〜1mmの範囲である。プローブセットのポリヌクレオチドは、標識の性質、固体支持体およびポリヌクレオチドのサイズのなどの要因に応じて、様々な密度で固体表面上に(アレイ状に)配置されうる。当業者は、マイクロアレイの上の各位置に、あるプローブセット由来の様々な長さおよび配列のポリヌクレオチド混合物が含まれうることを認識するだろう。その位置に固定されるポリヌクレオチドの長さおよび複雑度は、与えられたハイブリダイゼーション法に最適のハイブリダイゼーションおよびシグナル生産が提供され、かつ必要な解像度が提供されるように調節することができる。
第5の態様では、本発明は、乳房腫瘍を分類する方法を提供し、該方法は、
(a)乳房腫瘍を有する対象から得られた核酸サンプルをポリヌクレオチドプローブと接触させる工程であって、該ポリヌクレオチドプローブは、全体として、3p23、8q21.13、8q22.1、8q22.2、8q24.11、10q22.3、16q24.3、17q11.2、17q12、17q21.1、17q22.2、17q25.3、19q13.12、および20q13.2から成る群から選択された2つ以上のゲノム領域に選択的にハイブリダイズすることを特徴とし、かつ、プローブセットのポリヌクレオチドによる2つ以上のゲノム領域への選択的なハイブリダイゼーションを促進する条件の下で接触が行われることを特徴とする工程と、
(b)ハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程と、
(c)ゲノム領域の1つ以上が核酸サンプル中にコピー数が変化した状態で存在するかどうかを判定する工程と、
(d)1または複数のゲノム領域のコピー数の変化を乳がんの分類と関連付ける工程とからなる。
本発明の方法において使用される核酸サンプルは、乳房腫瘍の分類において有用な任意の供給源由来であってよく、乳房組織サンプル(バイオプシー、腫瘤摘出サンプル、固形腫瘍サンプルを含むが、これらに限定されない)、類繊維腫、腫瘍から流出した流血中腫瘍細胞、血液サンプル(血液塗抹標本など)および骨髄細胞が挙げられるが、これらに限定されない。核酸サンプルは好ましくは細胞DNAサンプルである。好ましい実施形態では、核酸サンプルはヒト核酸サンプルである。
本発明の第5の態様では、本方法は乳がんに関連したゲノムの増幅または欠失を検出するために使用される。本明細書に使用する場合、「乳がんに関連した」とは、1または複数のこれらのゲノム領域のコピー数の変化を使用して、乳房腫瘍の特徴や、核酸サンプルが採取された患者の予後、たとえば:
(a)乳がんの診断(良性腫瘍か悪性腫瘍か);
(b)転移の可能性、特定の器官に転移する可能性、または腫瘍の進行;
(c)腫瘍のステージ;
(d)化学療法またはホルモン療法を行わない状態での患者の予後;
(e)治療(化学療法、放射線療法および/または腫瘍を切除する手術)に対する患者の応答性の予測;
(f)患者にとって最適な治療コースの予測;
(g)治療後の患者の再発に関する予測;および
(h)患者の余命
を分類することができることを意味する。
したがって、本発明のこの態様の方法は、例えば、乳がんの診断、および化学療法を実施する場合としない場合の患者の予後診断、患者に最適な治療コースの予測、および患者の余命についての情報を提供する。好ましい実施形態では、乳がんの分類は、乳房腫瘍の再発についての予後診断を含む。さらに好ましい実施形態では、1または複数のゲノム領域のコピー数の変化(すなわち増加または減少)が、乳房腫瘍の再発リスクの増大と関連付けられる。さらに好ましい実施形態では、1または複数の核酸標的の正常な発現レベルの変化が、乳房腫瘍の再発リスクの増大と関連付けられる。
本方法のすべての態様および実施形態について本明細書に使用する場合、「コピー数の変化」とは、そのゲノム領域または標的のコピー数の、正常な二倍体ヒトゲノムにおけるコピー数に対する何らかの増加または減少を意味する。当然ながら、ヒトゲノム中のほとんどの発現遺伝子については、この正常な数は2となる。
当業者にはさらに理解されることであるが、「発現レベルの変化」とは、(以下に記載するように)正常で健康な同一組織の発現レベルからの何らかの逸脱を意味する。さらに理解されるように、「リスクの増大」とは、本明細書に記載のマーカーを使用して得られる情報がない状態では類似または同一の臨床上かつ/または病理学的特性を有するすべての他のものに対してリスクが高いことを意味する。本明細書に使用する場合、「再発」とは局所的な腫瘍の再発(同側性、局所的、または対側性など)、転移、または乳がんによる死を意味する。
好ましい実施形態では、工程(c)における判定は、列挙されたゲノム領域のうちの2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個がコピー数の変化した状態で存在し、そのようなコピー数の変化が特定の乳がんの分類、好ましくは乳がんが再発しそうであるかどうかについての分類と関連を有する。
したがって、本発明は、乳がん患者の治療について決定する方法をさらに提供し、該方法は、本発明の様々な態様および実施形態によって乳房腫瘍を分類する方法を実行することと、次にその結果について、乳がん患者の治療コースの決定に際し、他の周知の臨床上かつ病理学的なリスク要因に照らして検討することからなる。
例えば、本発明の方法によって高い再発リスクを有することが示された患者を、化学療法、放射線療法、および/または乳房切除術のような標準的治療法、または臨床開発中の新規治療もしくは実験的治療を用いて、より積極的に治療することができるかもしれない。
本発明の第5の態様の方法の様々な好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは、上記に開示された本発明の組成物の様々な態様および実施形態から選択された組成物からなる。ほとんどの好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは上記に開示するような検出可能な標識を含んでなり、かつ、特に本発明の組成物の異なるプローブセットが識別できる検出可能な標識を含んでなり、どのゲノム領域がコピー数の変化した部位であるかを分析しやすくなっている。
本発明の方法の様々な他の好ましい実施形態では、本方法で使用される組成物が全体として、3p23、8q21.13、8q22.1、8q22.2、8q24.11、10q22.3、16q24.3、17q11.2、17q12、17q21.1、17q22.2、17q25.3、19q13.12、および20q13.2から成る群から選択されたゲノム領域のうち3、4、5、6、7、8、9、10、11の、12、13、または14個に選択的にハイブリダイズし、接触工程が、前記3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個のゲノム領域への1または複数のプローブセットの選択的ハイブリダイゼーションを促進する条件の下で実施される。
本発明のこの第5の態様の方法の様々なさらなる好ましい実施形態では、組成物は、1または複数の本発明のHR+組成物およびHR−組成物を含んでなるかまたはそれらで構成され、方法は、HR+および/またはHR−の乳房腫瘍を分類するために使用される。好ましい実施形態では、分類は、HR+乳房腫瘍またはHR−乳房腫瘍の再発についての予測を含む。したがって、本発明の第5の態様の1つの好ましい実施形態では、乳がんバイオマーカーは、2〜35組の異なるプローブセットを含んでなるかまたは該プローブセットで構成され、該異なるプローブセットは、少なくとも次のゲノム領域、すなわち20q13.2(CYP24を含む)および3p23(PDCD6IPを含む)に全体として選択的にハイブリダイズする単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される。この実施形態(「HR+組成物1」)は、ホルモン受容体陽性の乳房腫瘍の分類に特に有効であることが本明細書において実証されるが、ここで「ホルモン受容体陽性」とは、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のうちいずれか一方または両方について陽性であると定義される。この実施形態では、HR+組成物が、ゲノム領域17q25.3(BIRC5を含む)にも全体として選択的にハイブリダイズする単離ポリヌクレオチドを含んでなることがさらに好ましい。HR+組成物の様々なさらなる好ましい実施形態では、プローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%または100%が、前記2つまたは3つの列挙されたゲノム領域のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される。
本発明の第5の態様のさらに好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドプローブは、2〜35組の異なるプローブセットを含んでなるかまたは該プローブセットで構成される乳がんバイオマーカーを含んでなるかまたは該バイオマーカーで構成され、かつ該異なるプローブセットは全体として、少なくとも次のゲノム領域、すなわち17q21.2(SMARCE 1を含む)および17q21.1(NR1D1を含む)に選択的にハイブリダイズする。この実施形態(「HR−組成物1」)は、ホルモン受容体陰性の乳房腫瘍の分類に特に有効であることが本明細書において実証されるが、ここで「ホルモン受容体陰性」とは、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のうちいずれか一方または両方について陰性であると定義される。この実施形態では、ポリヌクレオチドが全体としてゲノム領域17q25.3(BIRC5を含む)に選択的にハイブリダイズすることがさらに好ましい。これらの様々なHR−組成物の実施形態では、プローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%が、前記2つまたは3つの列挙されたゲノム領域のうちの1つに選択的に
ハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される。
本発明の方法の様々なさらなる実施形態では、本方法で使用される組成物は、2〜42組の異なるプローブセットを含んでなるかまたは該プローブセットで構成される乳がんバイオマーカーを含んでなり、該異なるプローブセットの少なくとも40%は、式1
X1−X2−X3
(式中、X2は、配列番号18−65(図1を参照)から成る群から選択された細菌人工染色体(「BAC」)内に含まれるヒトゲノム挿入断片であり、X1およびX3は独立に、ヒトゲノム中でX2に隣接している0−500kBのヒトゲノム核酸である)
の核酸またはその相補体に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含み、かつ
該異なるポリヌクレオチドプローブセットは、全体として、少なくとも2つの重なり合わない式1のゲノム配列に選択的にハイブリダイズする。そのようなバイオマーカーは、式1の核酸配列またはその相補体に選択的にハイブリダイズする、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17組の異なるプローブセットで構成されることが好ましい。これらの実施形態の各々では、所与の乳がんバイオマーカーのプローブセットのうち少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%または100%が、式1の核酸配列またはその相補体に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成され、該異なるポリヌクレオチドプローブセットは全体として、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17個の重なり合わない式1のゲノム配列に選択的にハイブリダイズすることがさらに好ましい。X1およびX3が0−400kb;0−300kb;0−200kb;0−100kb;または0kbであることがさらに好ましい。乳がんバイオマーカーの異なるプローブセットが、式1の核酸またはそれらの相補体の少なくとも10ヌクレオチド長の1または複数のポリヌクレオチド配列を含んでなるかまたは該ポリヌクレオチド配列で構成されることがさらに好ましい。さらに好ましい実施形態では、乳がんバイオマーカーの異なるプローブセットは、配列番号18〜511またはそれらの相補体から成る群から選択された核酸の少なくとも10ヌクレオチド長の1または複数のポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される。
本発明の方法のさらに好ましい実施形態では、異なるプローブセットは全体として、少なくとも2つの異なる式1の核酸であって以下の
a)配列番号62−65(CYP24を含む)またはそれらの相補体のうち1または複数、および、
b)配列番号44−46(PDCD6IPを含む)またはそれらの相補体のうち1または複数
のX2グループを有する核酸に選択的にハイブリダイズする。
この実施形態(「HR+組成物2」)はホルモン受容体陽性の乳房腫瘍の分類に特に有効であることが本明細書において実証されるが、ここで「ホルモン受容体陽性」とは、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のうちいずれか一方または両方について陽性であると定義される。HR+組成物2のさらなる実施形態では、該異なるプローブセットは全体として、配列番号41−43(BIRC5を含む)のうち1または複数に選択的にハイブリダイズする。様々なさらなる好ましい実施形態では、該異なるプローブセットは全体として、次のグループ、すなわち:
(a)配列番号256−327(CYP24を含むBAC由来の固有配列プローブ)、またはそれらの相補体、および
(b)配列番号160−255(PDCD6IPを含むBAC由来の固有配列プローブ
)、またはそれらの相補体
の各々に由来する1または複数の核酸に選択的にハイブリダイズする。
グループ(a)の核酸はCYP24を含むBAC由来の固有配列領域であり、グループ(b)の核酸はPDCD6IPを含むBAC由来の固有配列領域である。したがって、HR+組成物2のこの実施形態は、ハイブリダイゼーションアッセイにおいて競合DNAの必要のない、本発明の方法において使用するための固有配列プローブを提供する。さらなる実施形態では、HR+組成物2のための固有配列プローブは、
(c)配列番号416−511(BIRC5を含むBAC由来の固有配列プローブ)、またはそれらの相補体
のグループ由来の1または複数の核酸に選択的にハイブリダイズする異なるプローブセットを含む。
HR+組成物2のこれらの様々な実施形態では、プローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%が、前記2つまたは3つの列挙された核酸のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるか該ポリヌクレオチドで構成される。
本発明の第5態様のさらに好ましい実施形態では、異なるプローブセットは全体として、少なくとも2つの異なる式1の核酸であって以下の、
(a)配列番号57−59(NR1D1を含む)またはそれらの相補体のうち1または複数、および
(b)配列番号40(SMARCE1を含む)、またはその相補体
のX2グループを有する核酸に選択的にハイブリダイズする。
この実施形態(「HR−組成物2」)は、ホルモン受容体陰性の乳房腫瘍の分類に特に有効であることが本明細書において実証されるが、ここで、「ホルモン受容体陰性」とは、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のうちいずれか一方または両方について陰性であるとして定義される。HR−組成物2のさらなる実施形態では、異なるプローブセットは全体として、配列番号41−43(BIRC5を含む)またはそれらの相補体のうち1または複数に選択的にハイブリダイズする。HR−組成物2の様々なさらなる好ましい実施形態では、異なるプローブセットは全体として、次のグループ:
(a)配列番号328−415(NR1D1を含むBAC由来の固有配列プローブ)、またはそれらの相補体、および
(b)配列番号66−159(SMARCEを含むBAC由来の固有配列プローブ)、またはそれらの相補体
の各々に由来する1または複数の核酸に選択的にハイブリダイズする。
グループ(a)の核酸は、NR1D1を含むBAC由来の固有配列領域であり、グループ(b)の核酸はSMARCEを含むBAC由来の固有配列領域である。したがって、HR−組成物2のこの実施形態は、ハイブリダイゼーションアッセイにおいて競合DNAの必要のない、本発明の方法において使用するための固有配列プローブを提供する。さらなる実施形態では、HR−組成物2用の固有配列プローブは、
(c)配列番号416−511(BIRC5を含むBAC由来の固有配列プローブ)、またはそれらの相補体
のグループに由来する1または複数の核酸に選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されるプローブセットを含む。
HR−組成物2のこれらの実施形態では、プローブセットの少なくとも45%、50%
、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%または100%が、前記3つの列挙された核酸のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されることがさらに好ましい。
本発明の方法の様々なさらなる好ましい実施形態では、プローブセット中のポリヌクレオチドは、独立に、前記の関連配列の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900、5000、5100、5200、5300、5400、5500、5600、5700、5800、5900、6000、6100、6200、6300、6400、6500、6600、6700、6800、6900、7000、7100、7200、7300、7400、7500、7600、7700、7800、7900、8000、8100、8200、8300、8400、8500、8600、8700、8800、8900、9000、9100、9200、9300、9400、9500、9600、9700、9800、9900、10,000;15,000;20,000;25,000;30,000;35,000;40,0000;45,000;50,000;60,000;70,000;80,000;90,000;100,000;110,000;120,000;130,000;140,000;150,000;160,000;170,000;180,000;190,000;200,000;210,000;または220,000ヌクレオチドを含んでなるかまたはそれらのみで構成される。
本発明の方法の様々なさらなる実施形態では、組成物は、2〜42組の異なるプローブセットを含んでなるかまたは該プローブセットで構成される乳がんバイオマーカーを含んでなり、該異なるプローブセットの少なくとも40%は、配列番号1−17またはそれらの相補体のうちの1つの核酸に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなり、該異なるプローブセットは全体として、配列番号1−17またはそれらの相補体の前記核酸の少なくとも2つに選択的にハイブリダイズする。様々な好ましい実施形態では、組成物は、配列番号1−17またはそれらの相補体のうちの1つの核酸に選択的にハイブリダイズする3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17組の異なるプローブセットで構成される乳がんバイオマーカーを含んでなり、該異なるプローブセットは全体として、配列番号1−17またはそれらの相補体の前記核酸のうちの少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17個に選択的にハイブリダイズする。これらの実施形態の各々では、所与の乳がんバイオマーカーのプローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%が、配列番号1−17またはそれらの相補体の核酸に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されることがさらに好ましい。さらに好ましい実施形態では、乳がんバイオマーカーの異なるプローブセットは、配列番号1−17またはそれらの相補体の核酸の少なくとも10ヌクレオチド長の1または複数のポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される。様々なさらに好ましい実施形態では、単離ポリヌクレオチドは、配列番号1−17またはそれらの相補体から成る群から選択された核酸のうち少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、8
0、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1000ヌクレオチドを含んでなるかまたはそれらのみで構成される。さらなる実施形態では、単離ポリヌクレオチドは、配列番号1−17またはそれらの相補体のうちの1つの核酸を含んでなるかまたは該核酸で構成される。
本発明の第5態様の各実施形態の好ましい実施形態では、本方法は、ロジスティック回帰分析から算出された計数を用いてlog(標的のコピー数)の一次結合を行うことにより、予後指数を算出することを含む。予後指数の値に基づいてサンプルを適切なリスク群、例えば低、中、高に分類する。例えば、3つのプローブセットの乳がんバイオマーカーについての予後指数は、
PI(予後指数)=a1*log(遺伝子1コピー数)+a2*log(遺伝子2コピー数)+a3*log(遺伝子3コピー数)
の形式をとりうる。
例えば、事前の分析により、係数が
a1=1、
a2=1、
a3=−2
であることがわかり、PI<1であれば再発リスクが低いことに相当することがわかったとする。
以下の特性、すなわち
遺伝子1コピー数=4
遺伝子2コピー数=2
遺伝子3コピー数=4
の腫瘍を有する乳がん患者について、PIは、
PI=1*log(4)+1*log(2)+2*log(4)=−0.693<1
であり、従ってこの患者は遠隔位での再発のリスクが低いと考えられる。
CNiが、遺伝子iのコピー数を表すとする。PIは、
PI=log((CN1^a1)*(CN2^a2)*(CN3^a3))
と表すことが可能であることに留意されたい。PIが再発の予測であるとすれば、exp(PI)も同じであり、従って新たな予後指数を
PI=(CN1^a1)*(CN2^a2)*(CN3^a3)
と定義することができる。
正および負の両方の係数がある場合は、このPIを比として表すことができる。上記の係数の例については、
PI=CN1*CN2/CN3^2
である。
別例では、予後指数を遺伝子コピー数の比、例えば
ホルモン+:PI=CYP24*BIRC5/(PDCD6IP
(式中、遺伝子名はその遺伝子のコピー数を表す)
とすることができる。例えば、事前の分析により、PI<1であると再発リスクが低いことに相当することがわかったとする。以下の特性、すなわち
CYP24=4
BIRC5=4
PDCD6IP=2
の腫瘍を有する乳がん患者については、PIは、
PI=4*4/(2^2)=4>1
と算出され、従ってこの患者は遠隔位での再発のリスクが高いと考えられる。
ホルモン−:PI=NR1D1/(BIRC5*SMARCE1)
(式中、遺伝子名はその遺伝子のコピー数を表す)。例えば、事前の分析により、PI<(1/2)であると再発リスクが低いことに相当することがわかったとする。以下の特性、すなわち
SMARCE1=4
NR1D1=2
BIRC5=4
の腫瘍を有する乳がん患者については、PIは、
PI=(2^2)/(4*4)=1/4<1/2
と算出され、従ってこの患者は遠隔位での再発のリスクが低いと考えられる。
試験の実施に関しては、比の予測値は、一次結合の予測値に対してある長所を有している。上記の比のPI値には単位がない、すなわち遺伝子コピー数の測定のいかなる偏りも相殺する傾向を有することになる。
ハイブリダイゼーション試薬や、結合していないプローブを除去するための洗浄条件など、核酸プローブが核酸サンプル中の標的に選択的に結合してハイブリダイゼーション複合体を形成し、かつ他の配列には最小限または全く結合しないような任意の条件を、上述のように、本発明の方法において使用することができる。任意選択の追加工程には、核酸サンプルのプレハイブリダイゼーションおよび競合核酸の使用が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
ハイブリダイゼーション複合体の形成を検出し、遺伝子コピー数の変化を測定する任意の方法、例えばin situハイブリダイゼーション(蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)など)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)分析、サザンブロッティング、ノーザンブロッティング、アレイを用いる方法、および/またはゲノム比較ハイブリダイゼーションなど(これらに限定されない)を使用することができる。
好ましい実施形態では、検出はin situハイブリダイゼーション(「ISH」)によって行なわれる。in situハイブリダイゼーションアッセイは当業者に周知である。一般に、in situハイブリダイゼーションは次の主な工程、すなわち:(1)分析しようとする組織、生体構造物または核酸サンプルの固定、(2)核酸サンプル(その実施形態における組織または生体構造物内の核酸サンプル)へのアクセスしやすさを向上させ、かつ非特異的な結合を低減するための、組織、生体構造物または核酸サンプルのプレハイブリダイゼーション処理、(3)核酸サンプルへのプローブのハイブリダイゼーション、(4)ハイブリダイゼーションにおいて結合しなかったプローブを除去するための、ハイブリダイゼーション後の洗浄処理、ならびに(5)ハイブリダイゼーション複合体の検出、を含む(例えば、米国特許第6,664,057号明細書を参照)。上記の各工程で使用される試薬および該工程の使用条件は、特定の用途に応じて変わる。特に好ましい実施形態では、ISHは、全体が参照により本願に組み込まれる米国特許第5,750,340号および/または同第6,022,689号明細書に開示された方法によって実施される。
典型的なin situハイブリダイゼーションアッセイでは、細胞が、一般にはスライドグラスなどの固体支持体に固定される。細胞は通常、熱またはアルカリで変性され、
次いで標的核酸配列に特異的な標識プローブをアニーリングできるようにハイブリダイゼーション溶液と接触させる。本発明のポリヌクレオチドは一般に、上述のようにして標識される。一部の用途では、反復配列へのハイブリダイゼーションの可能性を阻止することが必要である。この場合、ヒトゲノムDNAまたはCot−1 DNAを用いて非特異的なハイブリダイゼーションを阻止する。
さらなる実施形態では、アレイを用いる形式を使用可能であり、同形式では本発明のポリヌクレオチドを表面にアレイ状に配置することができ、ヒトの核サンプルを該表面上のポリヌクレオチドにハイブリダイズさせる。この種の形式では、多数の異なるハイブリダイゼーション反応を本質的に「並行して」実行することができる。これにより、迅速かつ本質的に同時に多数の核酸プローブを評価することができる。アレイを用いる形式でのハイブリダイゼーション反応を実施する方法は、例えばパスティネン(Pastinen)、1997年、Genome Res.、第7巻、p.606−614;(1997)ジャクソン(Jackson)、1996年、Nature Biotechnology、第14巻、p.1685;チー(Chee)、1995年、Science、第274巻、p.610;国際公開公報第96/17958号パンフレットにも記載されている。表面上にポリヌクレオチドを固定化し、表面を誘導体化する方法は当該技術分野で周知である。例えば、米国特許第6,664,057号明細書ならびに上述の文献も参照されたい。
第6の態様では、本発明は、乳房の腫瘍を分類する方法を提供し、該方法は、
(a)乳房の腫瘍を有する対象から得られたmRNA由来の核酸サンプルを核酸プローブと接触させる工程であって、該核酸プローブは全体として、配列番号1−17またはそれらの相補体から成る群から選択された2つ以上の核酸標的に選択的にハイブリダイズし、接触は、核酸サンプル中に存在する核酸標的またはその相補体との核酸プローブの選択的なハイブリダイゼーションを促進する条件の下で行われることを特徴とする工程と、
(b)核酸プローブと核酸標的またはその相補体との間のハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程であって、そのようなハイブリダイゼーション複合体のいくつかにより、配列番号1−17の核酸の1または複数の遺伝子発現の尺度が提供されることを特徴とする工程と、
(c)配列番号1−17の核酸の1または複数の遺伝子発現の対照に対する変化(すなわち増加または減少)を、乳がんの分類と関連付ける工程と
からなる。好ましい実施形態では、分類は乳がんの再発を含む。
本発明の第6の態様の方法は、配列番号1−17のマーカーの1または複数の遺伝子発現の対照に対する変化を、乳房腫瘍が再発しそうであるという分類と関連している対照に対する発現の変化によって検出する。
当該技術分野で周知の任意の対照を、本発明の方法において使用することができる。例えば、がんおよび非がんの腫瘍組織のいずれにおいても比較的一定のレベルで発現することが知られている遺伝子の発現レベルを、比較のために使用することができる。別例として、プローブが標的とする遺伝子の発現レベルを、試験用サンプルと同等のがんではないRNAサンプルについて分析することができる。当業者は、本発明の方法において多くのそのような対照を使用することができることを認識するだろう。
本発明の第6の態様では、本方法は乳がんに関連した遺伝子発現の変化を検出するために使用される。本明細書に使用する場合、「乳がんに関連した」とは、1または複数のマーカーの発現レベルの変化を用いて乳房腫瘍の特徴または核酸サンプルを得た患者の予後、すなわち
(a)乳がんの診断(良性腫瘍か悪性腫瘍か);
(b)転移の可能性、特定の器官に転移する可能性、または腫瘍の進行;
(c)腫瘍のステージ;
(d)化学療法またはホルモン療法を行わない状態での患者の予後;
(e)治療(化学療法、放射線療法および/または腫瘍を切除する手術)に対する患者の応答性の予測;
(f)患者にとって最適な治療コースの予測;
(g)治療後の患者の再発に関する予測;および
(h)患者の余命
などを分類することができることを意味する。
したがって、本発明のこの態様の方法は、例えば乳がんの診断、および化学療法を行う場合と行わない場合の患者の予後、患者にとって最適な治療コースの予測、および患者の余命についての情報を提供する。好ましい実施形態では、乳がんの分類は、乳房腫瘍の再発の予測を含む。さらに好ましい実施形態では、1または複数の核酸標的の発現レベルの変化が、対照に対する該乳房腫瘍の再発率の増大と関連付けられる。本明細書に使用する場合、「再発」とは、局所における腫瘍の再発(同側性、局所的、または対側性など)、転移、または乳がんによる死を意味する。
さらに好ましい実施形態では、1または複数の核酸標的の正常な発現レベルの変化は、乳房腫瘍の再発リスクの上昇と関連付けられる。当業者は、「発現レベルの変化」が、正常で健康な同一組織に関する発現レベルからの何らかの逸脱を意味すると理解するだろう。さらに「リスクの増大」が、本明細書に記載のマーカーを用いて得られた情報がなければ類似または同一の臨床上かつ/または病理学的特性を有する他のすべてに対して、リスクがより高いことを意味することも理解されるであろう。
本方法のすべての態様および実施形態について本明細書で使用する場合、対照に対する遺伝子発現の変化(すなわち増加または減少)とは、疾病状態に対応する正常組織に対する何らかの増加または減少である。様々な実施形態では、増加または減少は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%またはそれ以上の増加または減少である。
したがって、本発明は、乳がん患者の治療について決定を下す方法をさらに提供し、該方法は、本発明の種々の態様および実施形態に従って乳房腫瘍を分類する方法を実行する工程と、次いで、その結果について、該乳がん患者の治療コースの決定に際し、周知の臨床上および病理学的リスク要因に照らして検討することからなる。例えば、本発明の方法によって再発のリスクが高いことが示された患者を、化学療法、放射線療法、および/または腫瘍の外科的切除のような標準的治療法でより積極的に治療することができるかもしれない。
本発明の方法において使用されるmRNA由来の核酸サンプルは、mRNAでもmRNA由来のcDNAでもよい。本発明の方法において使用されるRNAサンプルは、乳房腫瘍の分類において有用な任意の供給源、例えば乳房組織サンプル、類繊維腫、および骨髄細胞を含む血液サンプルなど(これらに限定されないに)由来するものであってよい。好ましい実施形態では、RNAサンプルはヒトのRNAサンプルである。核酸サンプルは、in situハイブリダイゼーション用に調製されたサンプルなど、ヒト細胞DNAまたはRNAサンプルであることが好ましい。
本発明の第6の態様の方法の様々な好ましい実施形態では、核酸プローブは、上記に開示された組成物の様々な態様および実施形態、特に本発明の第3態様およびその好ましい実施形態から選択される。ほとんどの好ましい実施形態では、上記に開示されるように、
プローブセットのポリヌクレオチドは検出可能な標識を含んでなり、特に、異なるプローブセットは、多数の標的の遺伝子発現を分析しやすいように識別することのできる検出可能な標識を含んでなる。
様々な他の好ましい実施形態では、核酸プローブは全体として、配列番号1−17またはそれらの相補体の3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17個の異なる核酸に選択的にハイブリダイズし、配列番号1−17またはそれらの相補体の核酸のうち2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17個の遺伝子発現の変化が、乳がんの分類、好ましくは再発と関連付けられる。
本発明の第6の態様のさらに好ましい実施形態では、使用される組成物は、少なくとも配列番号17(CYP24)、および配列番号10(PDCD6IP)、またはそれらの相補体に全体として選択的にハイブリダイズする異なるプローブセットを含んでなる。この実施形態(「HR+組成物3」)は、ホルモン受容体陽性の乳房腫瘍の分類に特に有効であることが本明細書において実証されるが、ここで「ホルモン受容体陽性」とは、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のうちいずれか一方または両方について陽性であるとして定義される。HR+組成物3のこの実施形態では、異なるプローブセットが、全体として、配列番号9(BIRC5)に選択的にハイブリダイズすることがさらに好ましい。HR+組成物3のこれらの様々な実施形態では、プローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%が、前記2つまたは3つの列挙された核酸のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されることがさらに好ましい。
本発明の第6の態様のさらに好ましい実施形態では、使用される組成物は、少なくとも配列番号15(NR1D1)および配列番号8(SMARCE1)、またはそれらの相補体に全体として選択的にハイブリダイズする異なるプローブセットを含んでなる。この実施形態(「HR−組成物3」)は、ホルモン受容体陰性の乳房腫瘍の分類に特に有効であることが本明細書において実証されるが、ここで「ホルモン受容体陰性」とは、エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のうちいずれか一方または両方について陰性であるとして定義される。HR−組成物3のこの実施形態では、異なるプローブセットが、全体として、配列番号9(BIRC5)に選択的にハイブリダイズすることがさらに好ましい。HR−組成物3のこれらの様々な好ましい実施形態では、プローブセットの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、または100%が、前記3つの列挙された核酸のうちの1つに選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成されることがさらに好ましい。
本発明のこの態様のそのようなプローブは、ストリンジェントな条件下で対象の核酸に選択的にハイブリダイズすることが可能な任意の長さであってよく、好ましくは少なくとも10ヌクレオチドの長さである。様々なさらなる実施形態では、この実施形態のプローブは、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000ヌクレオチドの長さである。さらなる実施形態では、本発明のこの態様のプローブは、列挙された核酸全体に相補的である。この実施形態のプローブはRNAでもDNAでもよく、一本鎖でも二本鎖でもよい。
この態様のほとんどの好ましい実施形態では、核酸プローブは、本発明の核酸組成物の
一本鎖アンチセンスポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成される。例えば、mRNAの蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)(すなわちメッセンジャーRNAを検出するFISH)では、アンチセンスプローブ鎖だけがRNAサンプル中の一本鎖mRNAにハイブリダイズし、かつその実施形態では、「センス」鎖オリゴヌクレオチドを陰性対照として使用することができる。
別例として、プローブ、好ましくは本発明の組成物のプローブとして、DNAプローブを使用することができる。この実施形態では、細胞質のRNAへのハイブリダイゼーションと核DNAへのハイブリダイゼーションとを識別することが望ましい。この識別を行うための主な2つの基準は次のとおりである。(1)標的の種類によるコピー数の差(コピー数が何百〜何千ものRNAか、2コピーのDNAか)。この差は通常シグナル強度の顕著な差を生じる。および(2)細胞質(RNA標的へのハイブリダイゼーションが起きると思われる)と核との明瞭な形態学的相違から、シグナルの位置が明白となること。したがって、二本鎖DNAプローブが使用される場合、該方法は、体液サンプル内の分析されている細胞の細胞質および核を識別する工程をさらに含むことが好ましい。そのような識別工程は、Hoechst33342またはDAPIのような、分析されている細胞の核DNAを描出する核染色剤の使用など、当該技術分野で周知の任意の手段によって遂行されうる。この実施形態では、核染色剤が検出可能なプローブから識別可能であることが好ましい。核膜が維持されること、すなわちHoechstまたはDAPI染色剤のすべてが核の可視構造内に維持されることがさらに好ましい。
この態様の方法のハイブリダイゼーション条件および他の詳細については、コピー数の変化の分析について上述したとおりである。好ましい実施形態では、当技術分野の標準的方法を使用してRNA FISHが使用される。
上記の態様および実施形態の各々において、ハイブリダイゼーションの検出は一般に、上述したものなど核酸プローブ上の検出可能な標識の使用により遂行される。標識は、ポリヌクレオチドに直接組み入れてもよいし、ポリヌクレオチドにハイブリダイズまたは結合する分子に付着させてもよい。標識は、上述したように、当業者に周知の様々な手段でプローブに連結させることができる。好ましい実施形態では、上に議論されるように、本発明の組成物の異なるプローブセット上の検出可能な標識は、互いに識別可能である。標識は、上記および以下に議論されるように、分光分析法、光化学的方法、生化学的方法、免疫化学的方法、物理学的方法、または化学的方法(これらに限定されない)など任意の技法により検出することができる。
さらなる態様では、本発明は、本発明の組成物とその使用説明書からなる、本発明の方法に使用するためのキットを提供する。好ましい実施形態では、上記に開示されるように、プローブセットは異なるプローブセットを識別するために標識されていることが好ましい。さらに好ましい実施形態では、プローブセットは溶液状態で提供され、最も好ましくは本発明の方法で使用されるハイブリダイゼーションバッファ中に提供される。別の実施形態では、プローブセットは、上に記述されたもののような固体支持体上に提供される。さらなる実施形態では、キットは洗浄溶液および/またはプレハイブリダイゼーション溶液も備える。
現在使用されている乳がん予後診断の臨床的かつ腫瘍病理学的指標はあまり正確ではない。その結果、補助化学療法から利益を得るであろう患者よりも多くの患者が該治療を受けており、予後が悪いであろう多くの患者は、積極的な治療の初期には特定されない。ファントビア(van’t Veer)ら(2002)は、予後に関連している遺伝子発現プロファイルを特定するという問題に取り組んだ。彼のグループによって集められたデー
タは、臨床データを備えた97件の乳房腫瘍サンプルに関する24481個の遺伝子にわたる遺伝子発現測定値で構成されるものであった。一変量の遺伝子選択メカニズム(univariate gene selection mechanism)を適用して、予後の予測に有用な70個の遺伝子群が特定されている:
ファントビアの70個の遺伝子マーカー
精度 80.8%
感度 91.2%
特異性 72.7%
ここでは、精度はバイオマーカーによって正確に分類されたサンプルの割合として定義される。感度は、正確に予後不良として分類された予後不良サンプルの割合を指し、特異性は、正確に予後良好として分類された予後良好なサンプルの割合を指す。
しかしながら、70個の遺伝子マーカーの臨床上の実用性は、70個の測定値を統合するコストおよび複雑さによって制限されている。さらに、固形腫瘍組織サンプル中の遺伝子発現の測定には、通常のやり方ではない組織の取り扱いが必要である。病院にとっては、発見された分子シグニチャについての代替的実施が好ましい。そのような1つの手法はDNA異常のFISH(蛍光in situハイブリッド形成)測定である。FISHは、染色体異数性、転座および遺伝子増幅など様々な腫瘍のDNA異常を解析するために現在広く臨床的に使用されている。
分子シグニチャのマッピング
最近、ポラック(Pollack)ら(2002)により、乳房の腫瘍については、ゲノムのかなりの割合に関して遺伝子発現が遺伝子増幅と関連していることが実証された。37の腫瘍サンプルにわたる6095の遺伝子のDNAコピー数およびRNA遺伝子発現の測定値から、ポラックらは、すべての遺伝子発現変化の12%が遺伝子増幅に直接起因することを見出した。さらに、高度に増幅された領域については、これらの領域にある遺伝子の62%が中程度または非常に高い発現を示すことを見出した。したがって、相関性の高い領域にマッピングされる分子シグニチャについては、FISHを用いた分析が遺伝子発現測定の代替である。そのような分子シグニチャを識別するために、このデータは上述のファントビアの遺伝子発現データと同時に分析された。
この同時分析から、本発明者らは、そのRNA遺伝子発現が無病生存率の予測となり、さらにそのRNAの発現がDNAのコピー数と高く相関している9つの遺伝子を特定した。
独立したデータセットにおける遺伝子の選択の検証
以前の刊行物(ソルリエ(Sorlie)ら、2001)から、DFS(無病生存率)の形式の予後データを、ポラックの乳がんDNA増幅データのサブセットについて利用することができた。この予後データは9つの遺伝子の特定においては使用されなかったので、9つの遺伝子の予後診断の精度をテストするために使用することができる。
生存率データが利用可能な26サンプルのうち、18サンプルは予後不良(5年未満のDFS)の患者から、8サンプルは予後が良好な(5年を越えるDFS)患者から集められた。DFSが利用可能なサンプルは少数であったので、あらかじめ発見された9つの遺伝子のうち1つおよび2つの遺伝子の組合せに分析を制限した。最も予後の予測性の高い単一の遺伝子マーカー(AL080059)は、DNA増幅データにおける予後の予測において73%正確であることが見出された。上位9つの有益な遺伝子のうちの2つ(AL080059、ANXA11)の組合せにより、独立の予後データに対して次の成績:
精度 92.3%
感度 94.4%
特異性 87.5%
が達成された。
以下のリストに挙げるのは、乳がんにおける遺伝子発現、DNA増幅、およびそれらの予後診断における有用性についての本発明者らの同時分析から得られた17の遺伝子である。このリストに含まれているのは、その発現が増幅と高度に相関しており、かつ予後の予測性を有する前述の9つの遺伝子、DNAコピー数の変動が非常に大きくかつ遺伝子発現の予後の予測性を有する別の2つの遺伝子、およびDNAコピー数データおよびソルリエのDFSデータから直接決定したさらに6つの遺伝子である。
Figure 2007530075
したがって、これらの遺伝子の各々を、乳がんに関連したゲノムDNAの増幅に関するマーカーセットに使用することができる。
ファントビア、エル.ジェイ.(van’t Veer,L.J.)ら、「Gene expression profiling predicts clinical outcome of breast cancer.」、Nature、2002年、第415巻、p.530−536
ポラック、ジェイ.アール.(Pollack,J.R.)ら、「Microarray analysis reveals a major direct role of DNA copy number alteration in the transcriptional program of human breast cancer」、Proc Natl Acad Sci USA、2002年10月1日、第99巻第20号、p.12963−8
ソルリエ、ティー.(Sorlie、T.)ら、「Gene expression patterns of breast carcinomas distinguish tumor subclasses with clinical implications」、Proc Natl Acad Sci USA、2001年9月11日、第98巻第19号、p.10869−74。
FISHアッセイ形式で乳がんの再発を予測するための多重ゲノムマーカーの検証
乳がん患者の再発リスクの予測には現時点では限界があり、その結果一部の女性には不必要な補助化学療法が為される可能性があり、またより積極的な治療が有益かもしれない人々を特定することが困難となっている。コピー数が乳がんの再発を予測する遺伝子マーカーのサブセットが、上記に記述されている。これらのパターンの予後の予測値を検証するために、浸潤性乳がんの女性由来の外科標本において、これらのマーカーのサブセットの組み合わせを使用して、コピー数と再発との関連付けを実施した。17個のゲノムマーカー候補のコピー数を、初期段階の浸潤性がんであり平均8.9年の追跡調査による臨床結果が判明している229人の患者由来のパラフィン包埋された外科標本について、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)アッセイを用いて測定した。一変量分析から、腫瘍中の17個のゲノムマーカー候補のうちの11個のDNAコピー数が、遠隔位での再発(P<0.001〜<0.03)を予測したことが示された。本発明者らはこの17個のゲノムマーカーの予測的サブセットの特定も実施した。
調査対象集団
1986年〜1999年にニューメキシコ大学病院で診断された723例の乳がんのカルテを調査し、適格な308例を特定した。適格性の基準として、ステージI、IIまたはIIIの浸潤性の乳腺がんと診断されていること、最初の臨床上かつ病理学的記録が入手可能であること、保管された腫瘍標本が入手可能であること、および少なくとも4年間臨床的に追跡調査されていることを含めた。追跡調査の平均は8.9年であった。再発は、乳がんからの転移または乳がん死を示す臨床上の証拠として定義された。調査対象集団は、98例のステージI患者(33%)、118例のステージII患者(38%)および61例のステージIII患者(20%)で構成された。治療は乳房切除術(59%)、乳房切除術/放射線(14%)、乳腺腫瘤摘出(4%)および乳腺腫瘤摘出/放射線(21%)を含んでいた。(6人の患者は生検のみを受けていた。)患者は補助的なホルモン療法(25%)、化学療法(29%)、化学療法およびホルモン療法(15%)を受けたか、または補助的治療なし(22%)であった。エストロゲン受容体またはプロゲステロン受容体のいずれか(または両方)に対して陽性の場合、腫瘍をホルモン受容体陽性(HR+)として分類した。209例(68%)がHR+であり、83例(27%)はHR−であった。(16例(5%)についてはホルモン状態が測定されなかった)。
再発の重要な予測因子であることが判明した要因には、比較的若いこと(P=4.3×10−4)、病理学的ステージがpT1より高いこと(P=1.0×10−5)、総合的なステージがIより高いこと(P=6.0×10−6)、および結節の状態がN0より高いこと(P=4.2×10−8)が含まれた。
ホルモン状態(P=0.3208)も人種の起源(コーカサス人とその他、ヒスパニックとその他、非コーカサス人とその他、P=>0.75)も、再発の重要な予測因子であるとは考えられなかった。結節陰性群の中では、年齢(P=0.4485)も腫瘍サイズ(P=0.1996)も、再発の予測因子であるとは考えられなかった。
病理学報告書および顕微鏡スライドを調査し、診断上の区分をFISH実験用の切片作成のために選択した。FISHデータは265例について収集した。ハイブリダイゼーションを連続切片について実施したが、ハイブリダイゼーションおよびシグナル収集を行なう実験者は、使用プローブおよび病歴のいずれについても盲検化した。この実験で使用されるゲノムプローブは、ヒトの「32K」BAC Re−Array(オークランド小児病院研究所(http://bacpac.chori.org/))から選択した。BACクローン挿入断片をPCRで確認し、染色体上の位置を有系分裂染色体へのFISHハイブリダイゼーションによって確認した。17のBACプローブを対にして(蛍光色素SpectrumRed(商標)またはSpectrumGreen(商標)で標識)ハ
イブリダイズさせたが、ハイブリダイゼーションは、サンプルの脱パラフィン処理、ハイブリダイゼーションおよび洗浄のための標準的プロトコルに従った。MetaCyte自動FISH分析用ハードウェアおよびソフトウェア(ドイツ連邦共和国アルトルスシャイム(Altlusscheim)所在のMetaSystems)を使用して、ハイブリダイゼーションのシグナルを収集し、画像化し、保存し、分析した。概して、各プローブ対について実験者がシグナル品質の良好な20個の40×フィールドを選択してから、Metacyteに取り込んだ。がん細胞(例えば、間質リンパ球細胞または浸潤リンパ球細胞)を含んでいない領域については、本発明者らが「仮想顕微解剖(Virtual Microdissection)」と称する手法を使用した詳しい分析から除外した。典型的には、少なくとも2つのフィールド(通常5−6)由来の少なくとも100個の細胞(通常200)からのFISHシグナルを、各遺伝子プローブ対について分析した。わずかな標本(>5%)から少数の分析可能な細胞が得られた。薄切片中の核の不均一な分布の影響を最小限にするために、シグナルの計数データをMetaSystemsによって設計された「タイル張り(tiling)」パターンに集めた。その後、データをコンピュータ分析用のフラットファイル形式で転送した。
方法および結果−データ解析
[生データ]
生データ(1タイル当たりのDNAコピー数)を、DAPI染色された核の断面積について観察されたFISHシグナルを、核相当容量(NEV)当たりの算出断面積で割ることにより、核相当容量当たりのコピー数に標準化した(パールプラッツ(Pahlplatz)ら、1995年)。本研究に適格な308例のうち、265の標本からFISHデータを得た。31例については新たな補助治療の後に収集され、5つの標本は局所的な再発に関係していた。これらの36例については一層の研究用に確保され、ここで報告する分析からは除外され、分析用には229例が残った。すべての標本についての核相当容量(NEV)当たりのDNAコピー数の平均数は、以下のヒストグラムに要約されている。
[一変量分析]
18種のプローブについて、一変量分析により、11種が遠隔位での再発に有意に関連していることが明らかとなった(p<0.05、ウィルコクソン(Wilcoxon)検定)。個々の遺伝子についてのP値は、以降の表に報告されている。この結果を、コピー数と再発との間の関連がないことについて期待される偽陽性の数と比較することができる。18種のプローブについては、平均で1つ未満のプローブがp=0.05で有意であると判定されるであろう。したがって、これらの結果は、プローブを最初に選択する際に使用した技法の正当性を確認するものである。しかしながら、本発明者らは臨床上使用するのに十分な予後の予測性を有する個別のプローブを探しているわけではない。プローブの組合せを必要としているのである。
[DNAコピー数のパターン]
遠隔位での再発に関連している17個の固有ゲノム領域のサブセットに関するコピー数測定値のパターンを、各サブセットの予後指数の性能に関して評価した。予後指数は、予測パターンのコピー数から計算されたスコアを再発のリスクに対して割り当てる。予測パターンの探索は、各分析において無作為に選択された練習用セットで行なった。残りのサンプルは、盲検テストセットとして保留した。予後指数のスコアを、低リスク、中程度のリスク、高リスクにグループ分けし、陰性および陽性の予測価を計算した。予後のパターンを、ホルモン陽性(HR+)およびホルモン陰性(HR−)の症例について検討した。各サブグループで最良の予後のパターンを、リンパ節陰性(HR+、N−)であった症例サブセットについてさらにテストした。ホルモン受容体陽性マーカー(HR+マーカー)およびホルモン受容体陰性マーカー(HR−マーカー)の遺伝子構成を、下記および表4に示す。
(3つの遺伝子の組合せ)
● 3つの遺伝子の組合せであって2つの特徴的な最良の組合せが、乳がんの再発の予測性を有していた:
○ ホルモン受容体陽性の、ステージI、ステージIIおよびステージIIIの症例に関するもの(ホルモン受容体陽性とはエストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体のうちいずれか一方または両方について陽性であると定義される)。遺伝子は、CYP24、PDCD6IP、BIRC5である。
このマーカーは、ホルモン陽性かつ結節陰性であるサブセットにおいても予測性を有する。
○ ホルモン陰性(エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体陰性)の症例に関するもの。遺伝子は、NLRD1、SMARCE1、BIRC5である。
● 「組合せ」は、分類者に対して各遺伝子の重要性を評価する係数を含む関数によって特定される。
(2つの遺伝子の組合せ)
● 3つの遺伝子のうち2つの組合せの、HR+およびHR−のいずれの症例についても、再発の予測性を有していた。
○ HR+について:CYP24、PDCD6IP
○ HR−について:NRLD1、SMARCE1
● 2つの遺伝子については、「組合せ」は、上述の3つの遺伝子の組合せの場合のような関数によって、または2つの遺伝子のコピー数の比(線形または非線形)として、特定可能である。2つの遺伝子の増幅が相関しない(すなわち、比が数値1ではない)場合、再発のリスクが高い。
Figure 2007530075
データ分析の要約
この調査について、サンプルを2つ以上のリスクグループに分類する能力に基づいて組合せを順位付けするためのアルゴリズムを開発した。該アルゴリズムは、ロジスティック回帰分析から計算された係数を用いたlog(コピー数)の一次結合を使用する。この一次結合を予後指数と名付ける。予後指数の値から、サンプルをリスクグループに分類する。割り当てられた低リスクグループおよび高リスクグループの間の実際のリスクの差に主に基づいた目的関数が、組合せをランク付けして予測性を有する組合せを特定するための広範囲な探索に使用された。
探索過程では、データの「練習用」サブセットだけ(25%−50%)が使用された。残りのサンプルは再発に関して盲検化し、特定された予測的組合せのテストのために使用
した。練習用データを用いて測定された、性能が上位の組合せは、盲検化されたテストデータについても良好に機能した。
3つの遺伝子座の組合せ2種[NR1D1、SMARCE1およびBIRC5]ならびに[CYP24、PDCD6IPおよびBIRC5]それぞれのゲノムマーカーのDNAコピー数は、それぞれホルモン受容体陰性および陽性のがんにおける再発を強力に予測した。ゲノムのマーカーの増幅パターンに基づいて、患者を、ホルモン受容体陰性の腫瘍においてはそれぞれ9%および58%、ならびにホルモン受容体陽性のがんにおいてはそれぞれ9%および50%の再発率の低リスクグループおよび高リスクグループに位置づけることが可能であった。ロジスティック回帰分析から導かれた方程式は
PI(予後指数)=a1*log(遺伝子1コピー数)+a2*log(遺伝子2コピー数)+a3*log(遺伝子3コピー数)
の形である。
ホルモン陽性およびホルモン陰性のいずれの組合せについても、本発明者らは、計算された係数が、遺伝子コピー数の比が上記と同じように重要な予測値となりうるようなものであることに気付いた。特に、次の比に基づいたPIが本発明者らのサンプルにおける重要な予測値であることが見いだされた:
ホルモン+:PI=CYP24*BIRC5/(PDCD6IP^2)、
ホルモン−:PI=NR1D1^2/(BIRCS*SMARCE1)
(式中、遺伝子名はその遺伝子のコピー数を表す)。
テストの実施については、比の予測値が、一次結合の予測値に対してある長所を有する。上記の比のPIは単位がない:遺伝子コピー数測定値における偏りも相殺される傾向を有することになる。
Figure 2007530075
いずれのマーカーも再発に関係しないとすれば、平均で1未満の偽陽性率はp<0.05で期待される。11個のマーカーがp<0.05で再発に関係していた
結論:
1.本明細書に記載のPGA FISH(商標)の方法は、保管された組織サンプル中
の遺伝子コピー数を評価するための有効なアッセイである。
2.PGA FISH(商標)の方法は、間質細胞または炎症性細胞ではなくもっぱらがん細胞中のみの遺伝子コピー数の評価を可能にする。
3.17個の遺伝子のうちの13個について、一変量として再発を予測するか、予後を予測する多重パターンに関与するかのいずれかであることが確認された。本発明者らは、ホルモン受容体陰性(HR−)のがんである女性について再発のリスクが低い予後を予測する、3遺伝子マーカー(NR1D1、SMARCE1、BIRC5)を練習用セットにおいて見いだした。該マーカーの「陰性」の予測値は独立したテストセットにおいて91%であった。
4.本発明者らは、ホルモン受容体陽性(HR+)のがんである女性について再発のリスクが低い予後を予測する、第2の3遺伝子マーカー(CYP24、PDCD6IP、BIRC5)を練習用セットにおいて見いだした。該マーカーの「陰性」の予測値も、独立したテストセットにおいて91%であった。
5.ホルモン受容体陰性、リンパ節陰性(HR−、N0)のがんである女性では、第1のマーカー(SMARCE1、NR1D1およびBIRC5)は、テストセットにおいてNPVが100%(4人の女性のうち0人)であった。
6.ホルモン受容体陽性、リンパ節陰性(HR+、N0)のがんである女性では、第2のマーカー(CYP24、PDCD6IPおよびBIRC5)は、テストセットにおいてNPVが100%(15人の女性のうちの0人)であった。これらのゲノムマーカーの予後予測値は、ホルモン受容体陽性、結節陰性(HR+、N0)ならびにホルモン受容体陰性、結節陰性(HR−、NO)のがんであるより多くの女性について研究されるだろう。
当業者には明らかなことであるが、上記症例の各々において、一変量マーカーとしては統計学的有意性を示さなかった少なくとも1つのマーカー(pdcd6ip(43r))が、上述の3つの多変量プローブセットそれぞれの中にある。対照的に、一変量プローブとして最も統計学的有意性が高いマーカー(77r(extl)および82g(birc5))を両方とも含む多変量セットはない。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、本発明者らは、最も優れた再発の予測値として本明細書に開示されたマーカーの組合せが、異なる細胞内パスウェイのマーカーを提供し、したがって、それらの組合せは、一変量マーカーとしては重要性が高いが同一または類似の細胞内パスウェイについての不要な情報を提供する他のマーカーの組合せに加えて、追加情報を提供すると仮定する。このように異なる細胞内パスウェイを表すことにより、本明細書の実施例において示された組合せマーカーが、それらの個々の細胞内パスウェイとして標的化された薬の併用治療の効果を予測する有望な候補者となるかもしれない。
5つのBAC DNA、すなわちNR1D1、SMARCE1、BIRC5、CYP24AおよびPDCD6IPのBAC DNAを選択した。該BACは、CHORI(http://bacpac.chori.org/)に維持された「32K human genome BAC Rearray」から選択された。この実施例におけるBACの大きさは154−178kbの範囲である。個々のBACの詳細は表6に要約されている。
Figure 2007530075
BACの反復エレメントを、UCSCゲノムバイオインフォマティクスデータベースの「Mask Repeat」機能の使用により識別し、反復のないBAC配列を、「Get DNA」機能
Figure 2007530075
を使用して得た。
各マーカーの関連BACクローンの配列を、印付けされた反復配列を備えたUCSCヒトゲノムブラウザからダウンロードした。プライマーを、長さ300bp以上の固有配列の領域の両端から選択した。プライマーは、「Fast PCR」プログラムを使用して各BACについて設計された。
Figure 2007530075
PCRは以下のように実行した:
― プロメガ(Promega)のPCRマスターミックス(カタログ番号M7505)をPCRに使用した。
反応バッファ:25ユニット/mlのTaq DNAポリメラーゼ(プロメガ独自の反応バッファ(pH8.5)に溶解)、200uMのdATP、200uMのdGTP、200uMのdCTP、200uMのdTTP、1.5mMのMgCl
― サイクル反応条件:
1. 95℃で5分;
2. 95℃で15秒;
3. 56℃で30秒;(この温度はプライマーのアニーリング温度に依存して変わる。)
4. 72℃で2分;
5. ステップ2に続く(30回);
6. 72℃で3分;
― プライマー濃度は1uMとした。
― テンプレートの濃度:
初回のPCRのためのBACクローン濃度は0.3〜0.5ng/ulとした。2回目のPCRについては、初回のPCR反応混合物の1/100容量をテンプレートとして使用し、濃度は測定しなかった。
― 50ulの初回のPCR反応については、
0.3ulのBACテンプレート(56ng/ul);
5ulの順方向プライマー(10uM);
5ulの逆方向プライマー(10uM);
25ulの2×PCRマスターミックス;
14.7ulの滅菌dH
を混合する。
― そして上記のサイクル反応を実施して−20℃に保存する。
― 50ulの2回目のPCR反応については、
0.5ulの初回PCR産物;
5ulの順方向プライマー(10uM);
5ulの逆方向プライマー(10uM);
25ulの2×PCRマスターミックス;
14.5ulの滅菌dH
を混合する。
― そして上記のサイクル反応を実施して−20℃に保存する。
使用したすべてのプライマーの融解温度は57〜60℃の範囲にあった。増幅されたPCR産物を実証するアガロースゲル分析により、反応の98−99%が成功したことが示された。
各BACのプライマー対の数、PCR産物の平均の長さ、および固有配列プローブに含まれた元のBACの範囲の全体について、表8に要約する。
Figure 2007530075
固有配列プローブに含まれるPCR産物の配列は、以下の
a)SMARCE1 USP:配列番号66−159
b)PDCD6IP USP:配列番号160−255
c)CYP24 USP:配列番号256−327
d)NR1D1 USP:配列番号328−415
e)BIRC5 USP:配列番号416−511
のように提供される。
PCR産物から伸長しなかったプライマーを取り除いて該産物をプールし、次に、各プール物のアリコートを、4つの蛍光色素(SpectrumOrange(商標)、SpectrumGreen(商標)、SpectrumRed(商標)(バイシス社(Vy
sis))またはDEAC(ジエチルアミノクマリン−5−dUTP、パーキンエルマー社(PerkinElmer))のうち少なくとも1つを用いて、インビトロジェン(Invitrogen)のBioPrime(登録商標)DNAラベリングキットを使用して標識した。取り込まれなかった蛍光色素についてはYM−30マイクロコン(microcon)カラム(ミリポア社(Millipore))を使用して精製した。
プローブを、単独で、対として、または三つ組として(すなわち、1つ、2つまたは3つの核酸標的について;したがって1つ、2つまたは3つの異なるUSP)、中期染色体または乳がん薄切片、またはパラフィンブロックから切片を作製した組織培養細胞株切片とハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションバッファは、20%ホルムアミド、10%デキストラン硫酸、0.9% NaClとした。プローブ濃度は、SpectrumOrange、Texas Red、またはDEAC Aquaで標識した場合は40ng/μl、SpectrumGreenの場合は60ng/μlとした。標本を、38℃で14−20時間ハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションの後に、スライドを0.1%のNaClで60℃にて5分間、その後新たな0.1% NaClで60℃にて3分間洗浄した。
各実施例について、元のBACおよびその誘導体であるUSPを4つの蛍光色素のうちの1つで標識し、中期染色体上に同時ハイブリダイズした。二重標識プローブの各々の対において。親BACに含まれた反復配列を抑制するために、競合DNAをこれらのハイブリダイゼーションに含めた。各々の対において、プローブは、予測される染色体領域に等しい強度で同時にハイブリダイズし、他のいかなる染色体領域へもハイブリダイズせず、かつ他のいかなる染色体領域にも特異的または非特異的なバックグラウンドまたはアーティファクトのハイブリダイゼーションを伴わない。これらの二重ハイブリダイゼーションから、標識された親BACおよびその誘導体であるUSPとの間で特異性またはシグナルの品質に損失がないことが実証される。
中期染色体上では、すべてのプローブのシグナル強度は、蛍光色素に関係なく5つすべてのプローブについて等しかった。すべての場合において、明るく強いシグナルを正しい染色体上にはっきり目に見ることができ、他の染色体上にはいかなるアーティファクトのシグナルも伴わなかった。ゲノムの全体にわたって無作為に分布したバックグラウンドのハイブリダイゼーションはなく、広範な非特異的ハイブリダイゼーションの領域もなかった。
三つ組プローブの多重ハイブリダイゼーションについても、5uMのホルマリンで固定したパラフィン包埋された間期の乳腺がん細胞株の薄切片に対して試験した。これらのハイブリダイゼーションでは、明瞭な個別のハイブリダイゼーションシグナルが、使用した蛍光色素に固有の3つの色として見られ、アーティファクトのシグナルや妨げとなるバックグラウンドは伴わなかった。したがって、プローブを単独でハイブリダイズさせても三つ組としてハイブリダイズさせても、シグナルの品質または強度における損失はない。
プローブの品質およびシグナル強度は、プローブおよび蛍光色素の特定の対には依存しなかった。テストされた蛍光色素およびプローブの対を為す組合せについては、表9に要約されている。
Figure 2007530075
表9は、検査を行った蛍光色素標識プローブの組合せを要約するものである。シグナル品質は、強力で明瞭であり、バックグラウンドまたはアーティファクトのシグナルを伴わず明確である場合に、++++と評価される。

Claims (33)

  1. 2〜35組の異なるプローブセットで構成される乳がんバイオマーカーを含んでなる組成物であって、異なるプローブセットの少なくとも40%が、3p23、8q21.13、8q22.1、8q22.2、8q24.11、10q22.3、16q24.3、17q11.2、17q12、17q21.1、17q22.2、17q25.3、19q13.12および20q13.2から成る群から選択されたゲノム領域に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなり、異なるプローブセットは全体として、前記列挙されたゲノム領域のうち少なくとも2つに選択的にハイブリダイズすることを特徴とする組成物。
  2. 異なるプローブセットが全体として、前記列挙されたゲノム領域のうち少なくとも3つに選択的にハイブリダイズすることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 異なるプローブセットの少なくとも50%が、3p23、8q21.13、8q22.1、8q22.2、8q24.11、10q22.3、16q24.3、17q11.2、17q12、17q21.1、17q22.2、17q25.3、19q13.12および20q13.2から成る群から選択されたゲノム領域に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  4. 異なるプローブセットが全体として、少なくとも20q13.2および3p23に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 異なるプローブセットが全体として、前記列挙されたゲノム領域のうち少なくとも3つに選択的にハイブリダイズし、かつ異なるプローブセットが全体として、少なくとも17q25.3に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
  6. 異なるプローブセットが全体として、少なくとも17q21.2および17q21.1に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  7. 異なるプローブセットが全体として、前記列挙されたゲノム領域のうち少なくとも3つに選択的にハイブリダイズし、かつ異なるプローブセットが全体として、少なくとも17q25.3に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
  8. 2〜42組の異なるプローブセットで構成される乳がんバイオマーカーを含んでなる組成物であって、異なるプローブセットの少なくとも40%が、式1、すなわち
    X1−X2−X3
    (式中、X2は配列番号18−65またはそれらの相補体から成る群から選択され、X1およびX3は独立にヒトゲノム中でX2に隣接する0−500kBのヒトゲノム核酸である)
    の核酸またはその相補体に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなり、かつ、
    異なるポリヌクレオチドプローブセットは全体として、少なくとも2つの重なり合わない式1の核酸に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする組成物。
  9. 異なるポリヌクレオチドプローブセットは全体として、少なくとも3つの重なり合わない式1の核酸に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
  10. 異なるプローブセットの少なくとも50%が、式1の核酸に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
  11. 異なるプローブセットは全体として、少なくとも
    (a)配列番号62−65またはそれらの相補体のうち1または複数、および
    (b)配列番号44−46またはそれらの相補体のうち1または複数
    に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
  12. 異なるプローブセットは全体として、前記列挙されたゲノム領域のうち少なくとも3つに選択的にハイブリダイズし、かつ異なるプローブセットは全体として、少なくとも3つの重なり合わない式1の核酸にも選択的にハイブリダイズし、かつ異なるプローブセットは全体として、配列番号41−43またはそれらの相補体のうち少なくとも1または複数にも選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
  13. 異なるプローブセットは全体として、少なくとも
    (c)配列番号256−327またはそれらの相補体のうち1または複数、および
    (d)配列番号160−255またはそれらの相補体のうち1または複数
    に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
  14. 異なるプローブセットは全体として、配列番号416−511またはそれらの相補体のうち少なくとも1または複数にも選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
  15. 異なるプローブセットは全体として、少なくとも
    (a)配列番号57−59またはそれらの相補体のうち1または複数、および
    (b)配列番号40またはその相補体
    に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
  16. 異なるプローブセットは全体として、前記列挙されたゲノム領域のうち少なくとも3つに選択的にハイブリダイズし、かつ異なるプローブセットは全体として、少なくとも3つの重なり合わない式1の核酸にも選択的にハイブリダイズし、かつ異なるプローブセットは全体として、配列番号41−43またはそれらの相補体のうち少なくとも1または複数にも選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項15に記載の組成物。
  17. 異なるプローブセットは全体として、少なくとも
    (c)配列番号328−415またはそれらの相補体、および
    (d)配列番号66−159またはそれらの相補体
    に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項15に記載の組成物。
  18. 異なるプローブセットは全体として、配列番号416−511またはそれらの相補体のうち少なくとも1または複数にも選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
  19. 2〜42組の異なるプローブセットで構成される乳がんバイオマーカーを含んでなる組成物であって、異なるプローブセットの少なくとも40%が、配列番号1−17またはそれらの相補体のうちの1つの核酸に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなるかまたは該ポリヌクレオチドで構成され、かつ異なるプローブセットは全体として配列番号1−17またはそれらの相補体の前記核酸のうち少なくとも2つに選択的にハイブリダイズすることを特徴とする組成物。
  20. 異なるポリヌクレオチドプローブセットは全体として、配列番号1−17またはそれらの相補体の前記核酸のうち少なくとも3つに選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項19に記載の組成物。
  21. 異なるプローブセットの少なくとも50%が、配列番号1−17またはそれらの相補体のうちの1つの核酸に選択的にハイブリダイズする1または複数の単離ポリヌクレオチドを含んでなる、請求項19に記載の組成物。
  22. 異なるプローブセットは全体として、少なくとも
    (a)配列番号17またはその相補体、および
    (b)配列番号10またはその相補体
    に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項19に記載の組成物。
  23. 異なるプローブセットは全体として、配列番号1−17またはそれらの相補体の前記核酸のうち少なくとも3つに選択的にハイブリダイズし、かつ異なるプローブセットは全体として、少なくとも配列番号9またはその相補体にも選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項22に記載の組成物。
  24. 異なるプローブセットは全体として、少なくとも
    (a)配列番号15またはその相補体、および
    (b)配列番号8またはその相補体
    に選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項19に記載の組成物。
  25. 異なるプローブセット全体は全体として、配列番号1−17またはそれらの相補体の前記核酸のうち少なくとも3つに選択的にハイブリダイズし、かつ異なるプローブセットは全体として、少なくとも配列番号9またはその相補体にも選択的にハイブリダイズすることを特徴とする、請求項24に記載の組成物。
  26. 乳房の腫瘍を分類する方法であって、
    (a)乳房の腫瘍を有する対象から得られた核酸サンプルを、3p23、8q21.13、8q22.1、8q22.2、8q24.11、10q22.3、16q24.3、17q11.2、17q12、17q21.1、17q22.2、17q25.3、19q13.12、および20q13.2から成る群から選択された2つ以上のゲノム領域に全体として選択的にハイブリダイズする本発明の乳がんバイオマーカーを含んでなる組成物と接触させる工程であって、プローブセットのポリヌクレオチドが2つ以上のゲノム領域に選択的にハイブリダイズするのを促進する条件下で接触が行われることを特徴とする工程と、
    (b)ハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程と、
    (c)検出されたハイブリダイゼーション複合体から、1または複数のゲノム領域が、コピー数が変化した状態で核酸サンプル中に存在するかどうかを判定する工程と、
    (d)2つ以上のゲノム領域のコピー数の変化を、乳がんの再発リスクの増大と関連付ける工程と
    からなる方法。
  27. 乳房の腫瘍を分類する方法であって、
    (a)乳房の腫瘍を有する対象から得られた核酸サンプルを、請求項8の組成物と接触させる工程であって、プローブセットのポリヌクレオチドが核酸サンプル中の標的に選択的にハイブリダイズするのを促進する条件下で接触が行われることを特徴とする工程と、
    (b)ハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程と、
    (c)検出されたハイブリダイゼーション複合体から、配列番号18−65またはそれらの相補体から成る群から選択された2つ以上のマーカーが、コピー数が変化した状態で核酸サンプル中に存在するかどうかを判定する工程と、
    (d)配列番号18−65またはそれらの相補体から成る群から選択された2つ以上のマーカーのコピー数の変化を、乳がんの再発リスクの増大と関連付ける工程と
    からなる方法。
  28. 判定工程は、検出されたハイブリダイゼーション複合体から、配列番号18−65またはそれらの相補体から成る群から選択された3つ以上のマーカーが、コピー数が変化した状態で核酸サンプル中に存在するかどうかを判定することからなり、かつ、関連付け工程は、配列番号18−65またはそれらの相補体から成る群から選択された3つ以上のマーカーのコピー数の変化を、乳がんの再発リスクの増大と関連付けることからなる、請求項27に記載の方法。
  29. 異なるプローブセットは全体として、少なくとも
    (e)配列番号62−65またはそれらの相補体のうち1または複数、および
    (f)配列番号44−46またはそれらの相補体のうち1または複数
    に選択的にハイブリダイズすることを特徴とし、かつ、
    判定工程は、検出されたハイブリダイゼーション複合体から、(e)および(f)に記載された核酸またはそれらの相補体が、コピー数が変化した状態で核酸サンプル中に存在するかどうかを判定することからなり、かつ、関連付け工程は、(e)および(f)に記載された核酸またはそれらの相補体のコピー数の増加を、ホルモン受容体が陽性の対象における乳がんの再発リスクの増大と関連付けることからなる、請求項27に記載の方法。
  30. 異なるプローブセットは全体として、少なくとも
    (e)配列番号62−65またはそれらの相補体のうち1または複数、
    (f)配列番号44−46またはそれらの相補体のうち1または複数、および
    (g)配列番号41−43またはそれらの相補体のうち1または複数
    に選択的にハイブリダイズすることを特徴とし、かつ、
    判定工程は、検出されたハイブリダイゼーション複合体から、(e)、(f)および(g)に記載された核酸またはそれらの相補体が、コピー数が増加した状態で核酸サンプル中に存在するかどうかを判定することからなり、かつ、関連付け工程は、(e)、(f)および(g)に記載された核酸またはそれらの相補体のコピー数の増加を、ホルモン受容体が陽性の対象における高い乳がん再発リスクと関連付けることからなる、請求項27に記載の方法。
  31. 異なるプローブセットは全体として、少なくとも
    (e)配列番号57−59またはそれらの相補体のうち1または複数、および
    (f)配列番号40またはその相補体のうち1または複数
    に選択的にハイブリダイズすることを特徴とし、かつ、
    判定工程は、検出されたハイブリダイゼーション複合体から、(e)および(f)に記載された核酸またはそれらの相補体が、コピー数が増加した状態で核酸サンプル中に存在するかどうかを判定することからなり、かつ、関連付け工程は、(e)および(f)に記載された核酸またはそれらの相補体のコピー数の増加を、ホルモン受容体が陰性の対象における高い乳がん再発リスクと関連付けることからなる、請求項27に記載の方法。
  32. 異なるプローブセットは全体として、少なくとも
    (e)配列番号57−59またはそれらの相補体のうち1または複数、
    (f)配列番号40またはその相補体のうち1または複数、および
    (g)配列番号41−43またはそれらの相補体のうち1または複数
    に選択的にハイブリダイズすることを特徴とし、かつ、
    判定工程は、検出されたハイブリダイゼーション複合体から、(e)、(f)および(g)に記載された核酸またはそれらの相補体が、コピー数が増加した状態で核酸サンプル中に存在するかどうかを判定することからなり、かつ、関連付け工程は、(e)、(f)および(g)に記載された核酸またはそれらの相補体のコピー数の増加を、ホルモン受容体が陰性の対象における高い乳がん再発リスクと関連付けることからなる、請求項27に記載の方法。
  33. 乳がん患者の治療について決定を下す方法であって、請求項26に記載の乳房の腫瘍を分類する方法を実行することと、その後、その結果を、対象における乳がんの再発リスクに基づいた治療のコースを決定する際に検討することからなる方法。
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