JP2007528197A - 綿植物を生産するための組織培養法 - Google Patents

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Abstract

発達同調した体細胞胚形成を介する綿における植物再生のための方法が開示されている。本発明は、簡単、迅速、再現可能且つ植物遺伝子工学に適用可能であり且つイノシトールイノシトール飢餓の段階による同調した体細胞胚形成の達成をもたらす。

Description

本発明は、多量の生育可能綿植物をin vitroで植物の特定の組織から生産するための組織培養法に関連する。本発明は、同調した体細胞胚形成のため並びに農業バイオテクノロジー及び遺伝子工学の現代的な方法によって綿植物の農業上改良された均一な集団を獲得する新なる可能性を開くための方法を供する。プロトコルは、組織培養技術を使用する綿改良プログラムの成功の重要な段階を提供する。
発明の背景
綿は世界的に重要な穀物であり、主に繊維のために成長さしめられる。種子は、家畜のためのエサの重要な源である。綿は世界中の多くの国々の経済発展に影響を与えてきた。従って、農業技術の現代的な方法による綿改良プロブラムは世界で注目されている。これは、遺伝子工学の現代的な技術を綿植物へ適用することを促すために、組織培養法のを発展させる重要性を高めた。綿の多聞な経済的価値にも関わらず、遺伝子工学による綿の改良は、比較的遅いペースで行われ、その理由は、再現性のなさ、時間消費の少なさ及び高頻度で綿の組織化された組織及び植物を再生する効率にある。
組織培養技術による植物の再生は十分確立されている。植物細胞の全能性は周知の現象であり、各植物又は植物部分は、高効率且つ高頻度でかかる再生を可能にする特別な研究が必要となる。外植片の型に依存して分化を誘導することにおける成功は、外植片の生理条件並びに培養中の外植片の物理及び化学的環境に依存することがコンセンサスであるようだ。従って、組織培養の科学は、源となる植物の生理条件、外植片の型、培養条件及び植物成長調節因子又は他の組織反応を開始させるために使用する他の追加媒体を至適化することに向けられている。
非常に様々な植物物質がin vitro組織形成において又は体細胞胚形成により生じている。選定の再生の方法は、往々にして、それぞれの場合、植物種の遺伝的形質転換の適用性に基づく。非分裂組織ベースの方法、即ち、体細胞胚形成が常に好適な態様であり、なぜならそれはポジティブ形質転換又はキメラ形質転換を失敗する可能性を取り除くからである。
外植片からの体細胞胚形成を介する再生は、いくつかの成長段階を伴いうる。最も往々にして、成熟植物部もしくは器官又は発芽種子に由来する外植片は、滅菌条件下で化学的に規定された栄養培地を与えられる。インキュベーションにより、人工的に調節された光、温度及び光周期条件下で、切り出された植物部分は、カルスと呼ばれる、細胞の分化した塊を生じる。
カルスを適切な一組の物理的及び化学的環境、即ち、栄養、光、温度、光周期の下で並びに適切な植物成長調節因子の組み合わせ及び濃度を加えることによって、又はこれらを突然取り除くことによって培養する結果、いくつかの植物のカルスは、体細胞胚形成と呼ばれる過程において、順に、体細胞胚を形成する、胚形成カルスを生じることが報じられている。
体細胞胚は、体細胞から発達した胚である。各体細胞胚は、完全な植物へ発達することができる組織、組織化された塊である。体細胞胚は、減衰細胞分裂(減数分裂)を伴わず発達し且つそれらは往々にしてより大きなサイズであることを除けば種子中で発達する接合胚に非常に類似する胚である。
1又は複数の培地構成物の濃度の変化は、植物組織のin-vitro発達及び分化の変化をもたらしうる。ホスホイノシトールが介在するシグナル伝達経路は、植物の発達及び胚形成に影響を与えることが報じられている。組織を特定の段階で特定の期間に渡りイノシトール飢餓にすることにより、それらの生存可能性を劣化させることなく組織の発展の同調化を生み出す。しかし、in-vitro植物発達又は胚発達の同調化を達成することにおけるイノシトールの関連は従来報じられておらず且つ本発明の最も重要な観点である。
現在のところ、綿体細胞胚形成技術に関するいくつかの報告が刊行されている/特許になっている。規定の処理による体細胞胚形成の頻度は、とりわけ外植片では典型的に低い。更に、胚の数/外植片は高くない。in-vitro胚形成及び前記過程の遺伝子型依存性のために必要とされる長い時間が更に、綿における体細胞胚形成の課題を加えた。
もし、体細胞胚形成の頻度が向上しうる一組の処方及び条件を供するために綿のモデル品種についてもプロトコルが開発できうるなら、そしてもしかかる方法が時間を要さないならば有利である。同調発達は、より多量の再生植物を収穫する際に有利でありうる。同調発達は、多量の植物を与えるのみならず、全植物を同じ成長段階にある集団に均一にすることも提供する。段階及び処方を単純化することにより、プロトコルの適用可能性がさらに高まりうる。液体培地を使用することで、遺伝子形質転換の間の効率的選択(トランスジェニック植物発達)を更に促すことができ、何故なら、選択圧(例えば、抗生物質に対する耐性)が、液体培地中で一層均一に細胞に浸透するからである。これらの観点は全て、本発明において達成されている。綿の胚の同調発達は、従来技術において述べられておらず且つ本発明において重要な観点である。
従来技術の記載
綿における胚形成及び植物再生をもたらす組織培養条件を取り扱ういくつかの報告が刊行されている。Davidonis and Hamiltonは、plant Sci. Letter (1983) 32:及びUS特許No.第4,672,035(1987)において、2年齢G.ヒルスタム(G.Hirsutum)の体細胞胚形成を報じている。Shoemakerらは、綿の17品種の特徴的体細胞胚形成及び植物再生を報じている(Plant Cell Rep.3:178-181)。そしてGoodin (1987)及びFiner(1988)は、綿の懸濁培養における体細胞胚形成を報じている(植物 Cell Rep 6: 231-234; Plant Cell Rep. 7: 399-402)。これらのプロトコルは、再生植物を発達させるのに数月要する。これらの方法は、遺伝子型に非常に依存し(Trolinder及びXhixian, 1989 Plant Cell Rep. 8: 133-136)、従って、綿の数品種のみ適用可能である。長期に渡る培養時間により、これらのプロトコルにより発達した植物は往々にして繁殖力がない又は異常を有すると報じられた(Trolinder and Goodin, 1987 植物 Cell Rep.6: 231-234). Rangan (1993)は、US特許第5,244, 802号においてそしてRangan及びRajasekaran(1997)は、US特許第5,695,999号において、いくつかの種類の綿において植物外植片を植えることに由来する胚形成を報じている。Gawel及びRobacker(1990)は、Plant Cell Tiss. Organ Cult. 23: 201-204において、半固体培地上と液体増殖培地上での綿の体細胞胚形成を比較した。Kumarらは、1998に、TrolinderとGoodinプロトコルを使用することでF1 hybrids of Coker 310と綿のインジアン種のF1雑種の体細胞形成を報じた。Zhangら、2000 in Plant Cell Tiss. Organ Cult. 60: 89-94において、異常な体細胞胚誘導した外植片からの体細胞胚形成を記載した。
これらいくつかのプロトコル及び変更は、綿のアグロバクテリウム(Agrobacterium)介在形質転換(Umbeckら、1987 Bio/Technology 5: 263-266; Firoozabadyら、1987 Plant Mol. Biol. 10: 105-116)又は綿の粒子衝撃介在形質転換(Finer及びMcMullen, 1990 Plant Cell Rep. 8: 586-589)において使用されてきた。所定の細菌遺伝子、例えば、除草剤耐性をコードするもの(Bayleyら1992 Theo. Appl. Genet. 83 : 645-649)及びバチルス(Bacillus)エンドトキシン遺伝子(Perlak et 1990 Bio/Technology 8: 939-943)は、トランスジェニック植物中で首尾よく発現されている。Strickland(1998)は、US特許5,846,797において成長調節物質を伴わない培地上での形質転換外植片からの再生を報じている。一度、再生のための効率的な方法が、特に、体細胞胚形成が有効になれば、それは綿の形質転換又は遺伝子工学のために都合よく使用されて良い。
Figure 2007528197
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表1の報告4は、本願に記載の方法が健康な繁殖力がある植物を与える一方で、繁殖力がない植物の発達を主張する。本願の方法は、フィールドで成長した植物から回収した苗外植片のランダムに選択したプールを越える高頻度の体細胞胚形成を供する。これは従来の報告を超える重要な改良であり、従来の報告では、外植片は、体細胞胚形成のために既に選択されたサンプルから採取されていた(表1の報告11及び12)。更に、現在のところ、綿の体細胞胚形成の同調化を記載する刊行物報告はない。任意の全ての他の植物を問わず、体細胞胚の発達におけるかかる同調化を誘導するためのツールとしてのイノシトール飢餓を記載するものはない。綿の場合、体細胞胚の同調発達は、従来技術では可能ではなく且つ本発明における非常に重要な達成事項である。
本発明の成功は、外植片に対してカルスを誘導するために使用された植物成長調節物質の濃度及び組み合わせ並びに短期イノシトール欠損段階を伴う本発明の方法によってこれらカルスが培養される方法に依存する。一度、カルスが誘導されれば、前記方法は、後の全ての段階において外来植物成長調節物質又は他の培地添加物質(例えば、報告4及び6における余分なKNO3並びに報告11及び12における活性炭)をなんら必要としない。体細胞胚は高価且つ単純な支持体に基づく(例えば、バーミキュライト)非ゲル化剤による簡素化された液体発芽培地発芽中で発芽して根付いた。この観点において、本発明は、商業化に適した、簡単且つ安価なプロトコルを記載する。
最初に、本発明は、イノシトールが、in-vitro植物細胞の発達及び分化に影響を与えることを記載する。この方法は、体細胞の同調発達のための特定の時間における及び特定の時間に渡る培養物のイノシトール欠損の使用を詳説する。細胞の選定の胚形成塊が8〜12日のイノシトール飢餓に委ねられ且つ培養物はこの後イノシトールを含有する基本培地へ戻され、ほぼ全ての胚が同じ球状段階にあったと確認された。更なる成長の10日後、最も多くの胚(92%)が中心段階にあった。そして引き続き継代培養において、82%の胚がトーピード(torpedo)段階にあった。胚形成塊が、8〜12日のイノシトール飢餓の2日のサイクルに委ねられた場合、発達の同調化は球状段階後には確認されなかった。更に、このような短期イノシトール飢餓は、胚の発達を同調させたのみならず、最後に回収された多くの胚が4〜5倍高い値に増加した。
綿に対するこの分野の従来の特許は米国特許No.4,672,035号;米国特許No 5,244,802;米国特許No.5,695,999; EP 344302及び米国特許No.5,846,797(発明者は、体細胞胚形成により綿カルスから植物を再生する方法を開示している);米国特許No.5,846,797;米国特許No.5,004,863;米国特許No.5,159,135及びEP(発明者は、再生過程に基づく体細胞形成を伴う綿の形質転換のための方法を開示している)並びにWO Al 9215675(発明者はトランスジェニック植物が発達した綿胚軸の衝撃介在形質転換のための方法を開示している)である。
本発明に記載の方法は、商業的に適用するために非常に簡単であり;植物遺伝子工学において適用するために迅速、再現性があり且つ都合よい。当業界の技術の状態とは異なり、この方法は、Stellyら1989の場合とは異なり形態学的及び細胞遺伝学的な異常を伴う植物の形成をもたらさず且つSunilkumar及びRathore,2001の場合とは異なり、形質転換実験において偽陽性を生じない。
発明の対象
綿における発達上に同調した体細胞胚形成及び特定の植物組織から多量の植物を持続的に再生するための方法を提供する本発明の目的は重要である。
本発明の他の目的は、再生植物が生長し、成熟して且つ繁殖力がある植物を形成するように、体細胞胚形成を介して綿を再生するための改良された方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、外的に供給される植物成長調節物質及び任意の他の余分な培地添加物の改良を少なくとも伴う、体細胞胚形成のための単純且つ再現可能な方法を供することである。
発明の概要
本発明は、発達上に同調した体細胞胚形成を介する綿における植物再生のための時間的に早い効率的方法を供することである。本発明の方法は、植物遺伝子工学における適用のために簡単、迅速、再現可能及び都合良い。最も重要な新規観点は、イノシトール飢餓の段階による同調した体細胞胚形成の達成である。この重要な観点は、出願人が知る全ての従来技術において記載されていない又は示唆されてさえもいない。
本発明の方法は、成長調節物質の組み合わせ(2,4ジクロロフェノキシ酢酸とベンジルアデニン)を、従来技術において使用されたものと異なり、苗外植片からカルスを誘導するために使用する。本発明の方法は、時間が短くそしてより多量且つ繁殖力がある植物を供するカルス介在体細胞胚形成の生産を達成する。
従って、本発明によれば、胚軸部分もしくは中胚軸部分もしくは子葉部分から、同調した体細胞胚形成を介して、多量の生育可能且つ繁殖力がある綿植物を再生するための方法が供されており、当該方法は-
(i)綿植物の種子を全ての不都合な汚染物質を除去するために滅菌剤で処理し、
(ii)段階(i)からの処理した種子を第一培地において発芽のために培養し、当該培地は:
(a)任意の常用の培地の塩、
(b)任意の常用の培地のビタミン、
(c)イノシトール、及び
(d)炭素源
からなり、pH範囲が5.2〜6であり、そして当該培地をオートクレーブにより滅菌し、当該培地を明(強度30〜60μmol/m2/s)又は暗中温度23〜33℃で6〜12日の期間に渡りインキュベートし、
(iii)段階(ii)で獲得した苗からの外植片を培養し、
(iv)段階(iii)から獲得した外植片を、カルス誘導の目的で第二の固形培地中で培養し、当該培地は、
(a)任意の常用の培地の塩、
(b)任意の常用の培地のビタミン、
(c)イノシトール、
(d)炭素源、
(e)2,4D及びBAの組み合わせにおける植物成長調節物質、並びに
(f)ゲル化剤、
からなり、pHが5.4〜6.2の範囲にあり、そして当該培地をオートクレーブにより滅菌し、当該培地を23〜33℃の範囲で90μmol/m2/s以上の強度の光で16時間の明期に渡り培養し;
(v)培養を3〜5週に渡り、切断部上にカルスが形成されるまで培養を続け、
(vi)段階2から生じたカルスを、第三の液体培地へ600〜1000 mgカルス/50mlの培地の充填密度で移し、当該培地は:-
(a)任意の常用の培地の塩、
(b)任意の常用の培地のビタミン、
(c)イノシトール及び
(d)炭素源、
からなり、pHが5.2〜6.0の範囲にあり、そして当該培地をオートクレーブにより滅菌し、そして当該培養物を23〜33℃の温度で20〜40μmol/m2/sの強度の光で16時間の明期を伴い12〜32日に渡り、胚形成塊を形成するために十分にインキュベートし、
(vii)細胞懸濁を様々なメッシュサイズの金属篩によりスクリーニングしてメッシュサイズ40上で回収した細胞/塊を選択し、そして更に当該選択した塊を、段階(vi)におけるように液体基本培地へ継代培養し、
(viii)胚形成細胞/塊を短期(8〜12日)に渡り段階(vi)の液体基本培地(しかし、イノシトールを伴わない、即ち第4の培地)へ継代培養し、
(ix)更に胚形成細胞/塊を段階(vi)の基本液体培地へ、一定の間隔8〜12日で継代培養し、
(x)段階(viii)及び(ix)における培養物を段階(vi)と同じ温度、光、明期条件で培養し、
(xi)段階(vi)、(viii)及び(ix)における培養物を110〜130rpmにおいて旋回シェーカー上で動揺し、
(xii)双極性、成熟体細胞胚を第五の胚発芽培地上に移し、当該培地は:-
(a)任意の常用の培地の塩、
(b)任意の常用の培地のビタミン、
(c)通常の濃度の1/4に減らしたイノシトール、並びに
(d)炭素源、
を含んで成り、pHが5.2〜6.0の範囲であり、そして当該培地をオートクレーブにより滅菌し、そして当該培養物を23〜33℃の温度で60μmol/m2/sの強度の光で、16時間の明期を伴い、植物が発達する迄インキュベートする、
ことを含んで成る。
本発明において、用語の外植片とは、子葉部分もしくは胚軸もしくは中胚軸部分を意味する。
本発明の好適な実施対応において、前記第一〜第五の培地は、MS培地の塩、Gamborg B5培地のビタミン及び炭素源を含んで成る。
第一及び第五の培地は、MS培地の塩及びGamborg B5培地のビタミンをその標準的な濃度の半分で含んで成り、その一方で、第二、第三及び第四の培地はそれらを標準的な濃度で含んで成る。MS培地の最も好適な塩及びその標準的な濃度は、下の表2に示されるように以下のものを含んで成る。
Figure 2007528197
Gamborg B5培地の好適なビタミンは、表3に示すように以下のものを含んで成る。
Figure 2007528197
第一の培地における好適な炭素源は、スクロース及びグルコースからなる群から選択され、そして使用されるかかる炭素源は1〜3%wt./volの範囲である。
第二、第三及び第四の培地における好適な炭素は、本質的にグルコースであり且つかかる使用される炭素は1.5〜45.% wt./volの範囲である。
第五の培地における好適な炭素源は本質的にスクロースであり且つかかる使用される炭素は1〜3%wt./volである。第二の培地における好適なゲル化剤は、アガー(0.6〜0.8%wt./vol.の範囲で使用される)及びフィタゲル(0.15〜0.29%の範囲で使用される)からなる群から選択される。第一、第二及び第三及び第五の培地における好適な有機物は、本質的にミオイノシトールであり、第一〜第三の培地中100mg/Lで、そして第五の培地中25mg/Lで使用される。
第二の培地中で使用される植物成長調節物質は、オーキシンとしての2,4DとサイトカイニンとしてのBAの組み合わせからなる群から選択される。
他の好適な実施態様において、本発明の方法は:-
(i)綿植物の種子を、汚染物質の例えば細菌/真菌を除去するために常用の方法によって滅菌し、
(ii)表4に示す培地における発芽のために当該滅菌した種子を培養し、
(iii)段階(ii)で獲得した苗から外植片を切り出し、
(iv)表5に示すように培地中、段階(iii)において獲得した外植片をpH5.4〜6.2の範囲において培養して、当該培地をオートクレーブにより滅菌し、
(v)当該外植片を23〜33℃の温度、90μmol/m2/s以上の光において、16時間の明期の下3〜5週に渡りカルスが十分に形成されるまで培養し、
(vi)カルスを表6に示される以下の組成を有し且つ5.2〜6.0の範囲のpHの胚形成誘導培地に移して当該培地をオートクレーブにより滅菌し、
(vii) 当該培養物を23〜33℃の温度、20〜40μmol/m2/sの範囲の光強度で16時間の明期の下2〜5週に渡り胚形成塊が形成されるまで培養し、
(viii)当該胚形成塊をスクリーニングして表7に示される組成を有し且つ5.2〜6.0の範囲におけるpHのイノシトール欠損培地へ移し、そして当該培地をオートクレーブにより滅菌し、そして20〜40μmol/m2/sの温度で16時間の明期の下短期間の8〜12日に渡り培養し、
(ix)浸透圧ショックを与えた培養物を段階(vi)の液体基本培地へ移して、この培地上で培養を続け、体細胞胚が同調し、
(x)成熟双極性体細胞胚を、表8に示すような5.2〜6.0のpH範囲の胚芽形成培地へ移して当該培地をオートクレーブにより滅菌し、
(xi)当該培養物を23〜33℃の温度で60μmol/m2/s以上の光において16時間の明期の下、植物体が十分に成長して馴化するために採取するまで培養し、
(xii)庭土:砂:バーミキュライト:ピートモスを2:1:1:1の比で含んで成る鉢植混合物(potting mix)で、再生した植物を馴化せしめる、
段階を含んで成る。
Figure 2007528197
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本発明の実施態様によれば、基本胚形成塊は、イノシトール欠損及び同調胚形成及び植物の再生の更なるラウンドに委ねられて良い。
詳細な説明
本発明の方法において、種子は、in vitro培養で使用する前、細菌/真菌汚染物質をなくすために、表層を滅菌される。表層滅菌は、種子を、任意の滅菌剤の例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、塩化第二水銀、アルコール、セトリミドなどの一つで処理することを伴う。種子の表層滅菌は、種子を水中塩化第2銀の0.05〜0.5%w/v溶液で3〜11分に渡り連続撹拌により処理し、次いで全体的に滅菌蒸留水で(4〜8回)洗浄し、しかる後に種子を最高濃度のアルコール(rectified spirit)(50〜100%v/v)中に10〜20秒浸し、次いでスピリットバーナーの炎で5〜10秒に渡りあぶることを伴う。
表層滅菌種子は、半分の濃度のMurashige Skoog塩、半分の濃度のGamborg B5培地、100 mg/Lのイノシトール及び任意の炭素の例えばグルコース又はスクロースを1〜3wt./volで含有し、pHを5.2〜6.0へ調整して121℃、16psiで16分に渡りオートクレーブして滅菌した種子発芽培地で湿らせたろ紙上での発芽に委ねられて良い。
発芽のために、種子は、種子発芽及び成熟苗が形成されるまで、光(30〜60μmol/m2/sの強度)の下23〜33℃の温度で又は暗闇でインキュベートされて良い。
外植片(子葉部分、胚軸部分又は中胚軸部分)は、好適に、発芽後6〜12日齢の苗から、当業者に周知の、鋭い無菌メス及び刃により無菌環境中、即ち、層流中で切断することによって獲得される。
この切り出した外植片は、表2に与えたような濃度におけるMurashige及びSkoogの塩、表3に与えた濃度におけるGamborg B5のビタミン、100mg/Lのイノシトール、炭素源の好適にはグルコースを1.5〜4.5% wt./vol、ゲル化剤の好適にはアガーを0.6〜0.8%wt./vol.又はフィタゲルを0.15〜0.29%wt./vol.並びに植物成長調節物質の2,4Dを0.44〜4.44μM及びBAを0.22〜2.22μM含む培地中に配置される。培地のpHは、16psiで16分に渡りオートクレーブする前に、5.4〜6.2に調整される。カルス誘導のために提供される培地の組成を表5に示す。培養物を23〜33℃の範囲の温度で白蛍光中強度90μmol/m2/s以上の強度で16時間の光期間で3〜5週に渡りインキュベートした。この時間によって、外植片の切断部上に十分なカルスが形成された。このカルスは、外見上、黄色〜茶色であり且つもろい質感でありうる。
外植片の切断部上で発達したカルスは、液体基本培地に移されて良く、その組成は表6に与えられており、250mlのEhrleneyerフラスコ中、600〜1000 mgのカルス/50mlの培地における充填密度における。培地は任意の成長調節因子又はゲル化剤を含まず且つそのpHは、16psiで16分に渡りオートクレーブする前、5.2〜6.0へ調整される。カルスの細胞は、この培地中、23〜33℃の温度、20〜40μmol/m2/光強度に設定し、16時間の20〜40μmol/m2/s光強度の明期で110〜130ストローク/分の旋回シェーカーにより撹拌されて良い。細胞は、細胞懸濁培養物中で胚形成塊が形成されるまで、この培地中及び培養条件で12〜32日に渡り培養されて良い。
液体基本培地を撹拌することにおいて発達した懸濁は、培養において発達した胚形成塊/細胞の集団を選択するためにスクリーニングされて良い。それは、メッシュサイズ10、40及び100の金属篩の組み合わせを通過させられて良い。メッシュサイズ10は、より大きな組織塊を回収し且つメッシュサイズ100は微細な細胞の懸濁を回収する。より小さな塊を含む細胞の画分であって、胚形成する画分はメッシュサイズ40の篩で回収されて良い。細胞の選定の画分は、新鮮液体基本培地へ移されて8〜12日の間隔で規則的に継代培養されるかあるいは組成は表7に与えられているイノシトールを引いた液体基本培地のイノシトール欠損培地へ移されて、しかる後に新鮮液体基本培地中のイノシトールを置換して規則的に8〜12日の間隔で継代培養されて良い。両方の場合、体細胞胚が発達するが、発達上の運命が異なる。前者の間、全発達段階の胚は、類似する頻度で8〜12日の各継代培養サイクルで獲得されて良く、後者の場合、胚の発達は、同調して且つほぼ全ての胚が同じ発達段階にとどまる。本方法の戦略は、胚形成塊を培養する方法である。
更に、発芽のための懸濁から採取した成熟双極性トーピード段階の後、基本胚形成塊は、イノシトール枯渇の更なるサイクル、発達上の同調及び次に発芽のための成熟胚収穫に委ねられる。
胚形成塊、及び同調した胚は、110〜130ストローク/分における旋回シェーカー上で且つ温度23〜33℃で、20〜40μmol/m2/sの光で16時間に渡る明期の下で培地を撹拌することで培養されて良い。
成熟双極性体細胞胚は、液体培地から採取され、そして固形支持体、好適には、表8
に与えられた発芽培地成分で飽和したバーミキュライトへ移されて良い。培地 pHは、16 psiで16分に渡りオートクレーブする前に、5.2〜6.0に調整される。培養物は、23〜33℃の温度で60μmol/m2/s以上の光強度且つ16時間の明期においてインキュベートされて良い。新鮮液体培地は、週単位で発芽胚へ添加されて良い。この胚は、胚発達培地で十分に発達した根を有する4〜5葉段階植物を形成させるために十分な時間に渡り増殖させられる。この段階において、植物は、採取され且つ庭土:砂:バーミキュライト:ピートモスが2:1:1:1の比の滅菌混合物である鉢植え混合物へと移されて良い。新に発達した植物へ、当該植物を、内部の表面を水で湿らせた透明なポリエチレンバッグで覆うことによって、良好な湿度条件を提供できうる。この条件下且つ23〜33℃の温度及び90μmol/m2/s以上の蛍光の下16時間の明期で馴化するのに十分な時間に渡り栽培した後、当該植物は、もし所望されれば、フィールドへと移されて良い。
本発明は、下記の非限定的な例を参照することにより詳細に記載されている。
実施例1
体細胞胚形成を誘導するための外植片の培地依存性反応
綿(G.ヒルスタム(G.hirsutum)L.Coker 312)植物の種子を0.1%塩化第二水銀で7分に渡り処理し、滅菌蒸留水で6回洗浄し、しかる後に、当該種子を最高濃度のアルコールへ10秒に渡り漬してあぶった。滅菌種子を、Murashige及びSkoog塩をその半分の濃度、GamborgB5ビタミンをその半分の濃度、100mg/lイノシトール及び2%スクロース(培地のpHをオートクレーブする前に5.6へ調整した)をその半分の濃度で含む種子発芽培地で湿らせたろ紙ボート上に発芽のために置いた。発芽のために、種子を温度28±2℃で白色蛍光(30μmol/m2/s)の下16時間の明期でインキュベートした。この培養を、十分に広がった子葉を伴う小根及び幼芽を与えるように種子が発芽するまで続けた。
9日齢苗を使用して、胚軸部分及び子葉部分を外植片として提供した。外植片を、鋭い、滅菌メスで切り出した。外植片をカルス誘導培地CIM1(Murashige及びSkoog塩、Gamborg B5ビタミン、100イノシトール、3%w/vグルコース、750mg/l HgCl2及び0.22%w/vフィタゲルを含有し、2.2μMの2,4-D及び0.88μMのBAを補足した(培地のpHをオートクレーブする前に5.8に調整した))上に配置した。
外植片を、この培地上、28±2℃の温度で90μmol/m2/sの光強度で16時間の明期の下3〜4週に渡りインキュベートした。外植片の切断部上で発達したカルスを切り出してMurashige及びSkoog塩、Gamborg B5ビタミン、100mg/lイノシトール、3%グルコースを含む液体培地、pH5.6へ、充填密度800mgカルス/50ml培地(250mlのEhrlenmeyerフラスコ中)で接種した。この培地を、16psiで16分に渡りオートクレーブすることによって滅菌した。この培養物を、旋回シェーカー上120rpm及び28±2℃の温度で、30μmol/m2/sの光強度で16時間の明期で撹拌した。
カルス誘導のための外植片の培養を、Murashige及びSkoog 塩、Gamborg B5ビタミン、100mg/lのイノシトール、3%w/vのグルコース、750mg/lのMgCl2及び0.22% w/vフィタゲルを含み、様々な増殖調節因子の組み合わせ、例えば、0.45μMの2,4-D+2.32μMのKin(CIM2中);10.7μMのNAA+4.64μMのKin.(CIM3中); 2.68μMのNAA+2.4μMの2iP(CIM4中)を補足した培地CIM2、CIM3及びCIM4で行った。培養物を同じ温度及び光条件下でインキュベートした。カルスを液体基本培地へ移して類似の方法で培養した。
液体培地中での培養物の成長の20〜22日後、そこから生じた懸濁を様々な孔径(メッシュ10、40及び100、SIGMA chemical company, St. Louis)の金属篩でスクリーンニングした。メッシュサイズ10上で回収したより大きな細胞の塊及びメッシュサイズ100上で回収した微細な懸濁を捨てた。メッシュサイズ40上で回収した細胞のより小さな塊を新鮮液体基本培地へ経代培養し且つ体細胞胚の存在について採点した。体細胞胚形成(SE)誘導頻度を胚形成塊の存在及び獲得した体細胞胚の数/外植片に基づいて計算し、そして獲得した体細胞胚の数/外植片の存在を各培地の組み合わせに従ってスコアリングした。得られた結果を表9にまとめた。
Figure 2007528197
成長調節物質の組み合わせ及び濃度の変化は、体細胞胚形成誘導頻度に対する異なる反応及び獲得した成熟体細胞胚の数/外植片に変化を与えることが結果から明らかである。従って、この発見は、綿植物の再生のための最適条件を開発するために使用されて良い。
実施例2
暗闇で、十分に広がった子葉を伴う小根及び幼芽が発達するまで種子を発芽させて9日に渡り成長させたことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。本質的に同じ結果を得た。
実施例3
2%w/vグルコースを炭素源として含む種子発芽培地したことを除き、実施例1の手順を繰り返した。同じ結果を得た。
実施例4
2%w/vグルコースをスクロースの代わりに含む種子発芽培地を炭素源として使用したことを除き、実施例2の手順を繰り返した。同じ結果を得た。
実施例5
実施例1及び2の手順を綿品種Coker310で繰り返した。類似の結果を獲得した。
実施例6
実施例1の手順を、2,4-D及びBAの組み合わせにより生じたカルスから誘導される懸濁の胚形成塊を獲得する程度に繰り返した。胚形成塊をイノシトールを欠く液体基本培地(BM)中で継代培養した。イノシトールを含有する液体基本培地中へ継代培養した胚形成塊をコントロールとして使用した。塊を800mgの細胞/50 ml培地の充填密度で接種して、実施例1と同じ光、温度及び明期条件でインキュベートした。イノシトールを欠く培地での10日の継代培養うち1〜2日後、培養物をイノシトール含有基本液体培地へ戻した。異なる発達段階における胚の頻度及び数/単位塊を、両方の条件下でスコアリングした。獲得したデータを表10に提示した。
Figure 2007528197
イノシトール枯渇を伴わず、非同調胚形成が達成されたことが結果から明らかである。従って、イノシトールを含有する基本培地への胚形成塊の連続継代培養は、類似する頻度で全ての発達段階における胚を供する。しかし胚形成塊が、10日の単一のサイクルに渡りイノシトールを含まない基本培地へ継代培養され、次いで イノシトールを含有する基本培地へ戻された場合、それは、体細胞胚の同調発達(基本培地への一継代培養後100%の胚が球状段階にある;基本培地への2継代培養の後91.66%の胚が中心段階にある及び、3経代後81.99%の胚がトーピード段階にある)を生み出す。生産された成熟胚の総数/移植片は、4〜5倍高い値に増加した。胚形成塊を、イノシトールフリー培地へ2サイクルに渡り経代培養した場合、胚の発達段階における均一性の減少が示された。従って、イノシトール飢餓の単一サイクルは、胚形成の同調を高レベルで誘導するために必要であった。
実施例7
綿(G.ヒルスタムL.Coker312)植物の種子を滅菌して実施例1のようにして発芽させた。移植片を10〜15分に渡りアグロバクテリウム懸濁へ漬し;ブロットを乾燥させて、Murashige及びSkoog 塩、GamborgB5ビタミン、100 mg/1イノシトール、3%w/vグルコース、750mg/lのMgCl2及び0.22%フィタゲルを含んで成り、2.2μMの2,4-D及び0.88μMのBAを補足した(培地のpHをオートクレーブする前に5.8へ調整した)へ浸した。培養物を28±2℃の温度で90μmol/m2/sの光強度において16時間の明期の下で3日に渡りインキュベートした。3日後、外植片を滅菌水で洗浄し、再度ブロットを乾燥させ、そして共培養培地に類似する組成を有するが、250mg/lのオウグメンチン及び50mg/lのカナマイシンを更に補足した培地上に接種した。外植片を実施例1及び実施例6に記載のようにして培養した。類似の結果を形質転換植物の体細胞胚形成及び再生について得た。
この実験で使用したアグロバクテリウム系統は、nptIIを選択マーカーとして且つレポーター遺伝子としてイントロンを有するgusAを有したバイナリーベクターpIGの一般的な研究室系統LBA4404係留誘導体であった。
形質転換した外植片により達成した再生から、選択剤(この場合カナマイシン)の存在下で液体培地中で推定上形質転換した細胞を培養することは、回収された全ての胚がGUS+veであり且つ組織化学的アッセイ後に均一の青色を呈し且つ偽陽性選択体を生み出す傾向が下がることが明らかである。更に、体細胞胚形成誘導頻度及び成熟体細胞胚の数/外植片を形質転換した外植片で得、そして結果は類似し、並びにアグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)による処理を伴わなかった。
実施例8
外植片を暗闇で共培養したことを除いて実施例7の手順を繰り返した。本質的に類似する結果を獲得した。

Claims (25)

  1. 短期間のイノシトール飢餓の後、胚の実質的同調発達を伴う体細胞葉胚形成により綿を再生する方法であって、当該方法は:
    (i)発芽した綿の苗からの外植片の切断であって、当該外植片は、子葉、胚軸、中胚軸及びそれらの混合からなる群から選択され;
    (ii)当該外植片をカルス誘導のために第一の固形培地の即ち、炭素源としてグルコースを含有し、Gamborg B5ビタミン、2,4-D及びBA及びイノシトールを補足した培養培地において、当該外植片から脱分化カルスの形成を可能にするために、温度23〜33℃で90μmol/m2/s以上の光強度で16時間の明期の下、3〜5週の期間に渡り培養し;
    (iii)第一の固形カルス誘導培地に由来するカルスを、炭素源としてグルコースを含有し且つGamborgB5ビタミンを補足した基本培地を含んで成る液体培地へ移し、そしてその生じた懸濁を温度23〜33℃で20〜40μmol/m2/sの減光強度で16時間の明期の下、胚形成塊が形成されるのに十分な期間に渡り培養し;
    (iv)細胞懸濁を様々な孔径の金属篩によりスクリーニングして胚形成細胞及び/又は塊をスクリーニングし、そして体細胞胚を含む胚形成カルスを前記基本培地へ継代培養し;
    (v)当該胚形成集団/塊をイノシトール欠損に委ね、結果的にそれをイノシトールを欠損する前記基本培地へ十分な時間に渡り継代培養し、次いで当該培養物をイノシトール含有培地へ戻すことにより、体細胞胚が発達上同調することを可能にし;
    (vi)双極性体細胞胚を支持体上の胚発芽培地へ移しそして当該胚を胚発芽培地中で、土へ移すために十分に発達した植物段階まで成長せしめ;
    (vii)さらに当該植物を馴化させてフィールドに植えるために鉢植え混合物へと移す、
    段階を含んで成る方法。
  2. 前記外植片が綿又は任意の他の植物苗に由来する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記外植片が綿cv.Coker 312に由来し且つ苗を、
    (i)綿種子を5〜10分、好適には7分に渡り、0.1%のHgCl2の無菌溶液中で滅菌し;
    (ii)当該種子を滅菌水中で4〜6回洗浄し、
    (iii)当該種子をスピリットバーナーの炎で5〜10秒に渡りあぶり、
    (iv)前記種子を種子発芽培地に接種して、
    (v)当該種子を種子発芽培地中、光の下又は暗闇において22〜23℃の温度で6〜12日、好適には9〜10日に渡り成長せしめ、
    (vi)当該苗から外食片を切り出す、
    ことによって成長せしめる、請求項1に記載の方法。
  4. 種子発芽培地が、Murashige及びSkoogの塩並びにGamborg B5ビタミンをその半分の濃度で含んで成る液体培地である、請求項3に記載の方法。
  5. 種子発芽培地中の炭素源が、1〜3%wt./vol.の範囲におけるスクロース及びグルコースからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  6. 前記第一の固形カルス誘導培地がMurashige及びSkoog培地の以下の成分:
    Figure 2007528197
    を含んで成る、請求項1に記載の方法。
  7. Gamborg B5ビタミン、含むとしたら:
    成分(mg/L) 濃度(mg/L)
    ニコチン酸 1.0
    ピリドキシンHCl 1.0
    チアミンHCl 10
    を含んで成る、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第一固体カルス誘導培地において外的に供給したオーキシンとしての2,4-Dは、0.44〜4.4μM、好適に、1.76〜2.64μMの範囲から選択される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記第一固体カルス誘導培地において外的に供給したサイトカイニンとしてのBAは、0.22μM〜2.2μM、好適に、0.66μM〜1.00μMの範囲から選択されている、請求項1に記載の方法。
  10. 前記第一固形カルス誘導培地におけるゲル化剤が、0.6〜0.8%wt./volの範囲、好適には0.7%におけるアガー、及び0.15〜0.29%wt./volの範囲、好適には0.22%wt./vol.におけるフィタゲルから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記第一固形カルス誘導培地が主要な炭素源としてグルコースを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記外植片を前記カルス誘導培地上、全ての外植片から脱分化カルスを形成可能にするために、23〜33℃、好適には27〜29℃の温度で90μmol/m2/s以上の光強度で、16時間の明期の下3〜5週以下の期間に渡り培養する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記第一固形カルス誘導培地に由来するカルスをEhrlenmeyerフラスコ中の液体培地へ充填密度600〜1000mgのカルス/50mlの培地、好適には800mg/50mlで移し、そして当該培養物をこの段階及び全ての後の段階で、旋回シェーカー上110〜130rpmで、体細胞胚を発芽のために採取するまで撹拌する段階を本質的に含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記胚形成誘導培地が、M&S塩、Gamborg B5ビタミン、イノシトール及びグルコースを炭素源として含んで成る基本液体培地である、請求項1又は13に記載の方法。
  15. 液体培地中、植物細胞懸濁胚形成塊及びその生じた体細胞胚を、22〜23℃、好適には27〜29℃の温度で20〜40μmol/m2/s、典型的に27〜33μmol/m2/sの光強度で16時間の明期の下インキュベートする、請求項1又は13に記載の方法。
  16. 前記胚形成集団/塊を、8〜12日、好適には10日に渡り、MS基本塩、Gamborg B5ビタミン、炭素源としてグルコースを含むが、イノシトールを欠損するイノシトール欠損培地でイノシトール欠損に委ね、体細胞胚の発達同調につなげる、請求項1に記載の方法。
  17. 前記第一固形カルス誘導培地が5.4〜6.2の範囲におけるpHを有し且つ前記方法における全体液体培地は、5.2〜5.8の範囲におけるpHを有し、121℃、16psiで16分に渡りオートクレーブする結果無菌である、請求項1に記載の方法。
  18. 鉢植え混合物が、庭土:砂:ピートモス:バーミキュライトを典型的に2:1:1:1の比で含んで成る、請求項1に記載の方法。
  19. 体細胞胚形成の発達同調を、選ばれた綿品種の繁殖又はトランスジェニック綿品種の発達のために使用する、請求項1に記載の方法。
  20. 前記イノシトール欠損を綿以外の植物へ、組織培養における胚形成を強化するために適用する、請求項1に記載の方法。
  21. 前記培養培地及び基本培地がMurashige及びSkoog培地を含んで成る、請求項1に記載の方法。
  22. 前記胚形成塊からの十分な期間が12〜32日を含んで成る、請求項1に記載の方法。
  23. 体細胞胚を含有する前記胚形成カルスの前記基本培地への継代培養を、8〜12日の間隔で行う、請求項1に記載の方法。
  24. 前記胚形成集団/塊を、8〜12日、好適には、10日の期間に渡りイノシトール欠損に委ねる、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記胚発芽培地のための支持体がバーミキュライトを含んで成る、請求項1に記載の方法。
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