JP2007527866A - Streptococcusagalactiaeのための免疫原性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、Streptococcus agalactiae(「GBS」)由来の免疫原性抗原に関し、そして異なるGBS株の間でより広い適用範囲を提供するために他のGBS抗原と組み合わせてその免疫原性抗原を使用することに関連する。特に、本発明は、2種以上のGBS抗原の組み合わせを含む組成物に関連し、ここで、その組み合わせは、GBS80またはそのフラグメントを含む。その組み合わせは、GBS80および少なくとも1種の他のGBS抗原を含み得る。例えば、その組み合わせは、GBS80および13種までのGBS抗原を含み得る。好ましい実施形態において、その組み合わせは、GBS80および10種までのGBS抗原を含み得る。より好ましい実施形態において、その組み合わせは、GBS80および5種までのGBS抗原を含み得る。1つの実施形態において、その組み合わせは、GBS80、GBS91、GBS104、GBS184、GBS276、GBS305、GBS322、GBS330、GBS338、GBS361、GBS404、GBS690およびGBS691からなる抗原の群より選択される2種〜13種のGBS抗原からなり得る。好ましくは、その組み合わせは、GBS104およびGBS322の1種以上と組み合わせたGBS80が挙げられる。
GBSは、ここ20年間で、1000人の生産児あたり0.5〜3人に罹患する新生児敗血症および髄膜炎の主要な原因として、および人口100,000人あたり5〜8人に罹患する高齢者群の間の罹患率の重要な原因として、現れている。現在の疾患の管理戦略は、分娩時の抗生物質および新生児の監視に頼り、それは、新生児の症例の死亡率を、1970年代の50%超から1990年代の10%未満まで減少させている。それにもかかわらず、まだ相当な罹患率および死亡率があり、その管理は費用がかかる。15〜35%の妊婦は、無症候性キャリアであり、彼女らの乳児にこの疾患を伝染させる危険性が高い。新生児感染の危険性は、低い血清型特異的母子抗体に関連し、高力価が防御性である。さらに、侵襲性のGBS疾患は、疾患(例えば、糖尿病および癌)が内在する高齢者においてますます認識されている。
本出願人は、免疫原性のGBS抗原、特にGBS80が、とりわけ他のGBS抗原と組み合わされて使用される場合、免疫処置の目的のために特に適切であることを発見している。その組み合わせは、GBS80と、少なくとも1種の他のGBS抗原または13種までの他のGBS抗原とを含み得る。好ましい実施形態において、その組み合わせは、GBS80および10種までのGBS抗原を含み得る。より好ましい実施形態において、その組み合わせは、GBS80および5種までのGBS抗原を含む。特に、本発明は、2種以上のGBS抗原の組み合わせを含む組成物に関連し、ここで、その組み合わせは、GBS80またはそのフラグメントを含む。1つの実施形態において、その組み合わせは、GBS80、GBS91、GBS104、GBS184、GBS276、GBS305、GBS322、GBS330、GBS338、GBS361、GBS404、GBS690およびGBS691からなる群より選択されるGBS抗原の2種〜13種からなり得る。好ましくは、その組み合わせは、GBS80、GBS104およびGBS322からなる。
本発明の実施は、他に記載されない限り、当業者の技術範囲内にある化学、生化学、分子生物学、免疫学および薬理学の従来の方法を使用する。そのような技術は、文献に十分に説明されている。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pa.、第19版(1995);Methods In Enzymology(S.ColowickおよびN.Kaplan、編、Academic Press,Inc.);およびHandbook of Experimental Immunology、I巻〜IV巻(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell、編、1986、Blackwell Scientific Publications);Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、1989);Handbook of Surface and Colloidal Chemistry(Birdi,K.S.編、CRC Press、1997);Short Protocols in Molecular Biology、第4版(Ausubelら、編、1999、John Wiley & Sons);Molecular Biology Techniques:An Intensive Laboratory Course,(Reamら、編、1998、Academic Press);PCR(Introduction to Biotechniques Series)、第2版(Newton & Graham編、1997、Springer Verlag);PetersおよびDalrymple,Fields Virology(第2版)、Fieldsら(編)、B.N.Raven Press,New York,NY.を参照のこと。
上記に議論したように、本発明は、2種以上のGBS抗原の組み合わせを含む免疫原性組成物を提供し、ここで、その組み合わせは、GBS80またはそのフラグメントを含む。
上記に議論したように、本発明は、他のGBS抗原との相乗的な組み合わせにおけるGBS80の使用に関連する。GBS80とは、推定細胞壁表面アンカーファミリータンパク質をいう。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS80のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号8779および配列番号8780として参考文献2に示されている。これらの配列をまた、配列番号1および配列番号2
本発明は、2種以上のGBS抗原の組み合わせを含み、ここで、その組み合わせは、GBS80またはそのフラグメントを含む。本出願人は、GBS80が、他のGBS抗原と組み合わせた免疫処置のために特に適切であり、これらの抗原の組み合わせが、種々のGBS株の間で、より広い適用範囲を提供することを発見した。
この実施例において、上記の能動母子免疫アッセイを、t=56日にて、GBSのIII型血清型(COH1単離体)でチャレンジした仔の生存パーセントを測定するために使用した。その母マウスを、以下の表3に示すように、GBS80単独、GBS抗原の組み合わせ(GBS80を含むGBS抗原、およびGBS80を含まないGBS抗原)、プラシーボ(PBS)または不活性化したGBS単離体の細胞全体を用いて、上記に議論した能動母子免疫アッセイ計画に従って、免疫した。これらの実験において、免疫処置していない仔の70〜90%を殺すのに十分なIII型GBSであるCOH1単離体についてのチャレンジ用量は、10×LD50%とほぼ等しい(ここで、LD50%は、統計的に導かれた半数致死量である)。
この実施例において、上記の能動母子免疫アッセイを、t=56日にて、III型血清型のGBS(COH1単離体)でチャレンジした仔の生存パーセントを測定するために使用した。その母マウスを、以下の表4に示すように、単一のGBS抗原、GBS80とGBS抗原との組み合わせ、およびプラシーボ(PBS)を用いて、上記に議論した能動母子免疫アッセイ計画に従って、免疫処置した。
この実施例において、GBS抗原のさらなる組み合わせを、再びGBSIII型 COH1単離体のチャレンジを用いて上記の能動母子免疫アッセイにおいて使用した。上記の母マウスを、以下の表6に示すGBS抗原の組み合わせを用いて、上記の能動母子免疫アッセイ計画に従って免疫した。
この実施例において、GBS抗原のさらなる組み合わせを、今回は、GBSV型のCJB111単離体のチャレンジを用いて、上記の能動母子免疫アッセイにおいて使用した。これらの実験において、免疫処置していない仔の70〜90%を殺すのに十分なGBS V型のCJB111単離体についてのチャレンジ用量は、60×LD50%とほぼ等しい(ここで、LD50%は、統計的に導かれた半数致死量である)。上記の母マウスを、以下の表8に示すGBS抗原の組み合わせを用いて、上記の能動母子免疫アッセイ計画に従って免疫した。表8に示すように、この特定のV型単離体を用いるこの特定のチャレンジ研究において、上記の組み合わせすべてについての生存率は、少なくとも70%に達した。
この実施例において、GBS抗原のさらなる組み合わせを、今回は異なるGBS菌株の単離体のチャレンジを用いて、上記の能動母子免疫アッセイにおいて使用した。これらの実験において、異なるGBS菌株についてのチャレンジ用量は、免疫処置していない仔の60〜90%を殺すのに十分であり、10×LD50%に等しい(ここで、LD50%は、統計的に導かれた半数致死量である)。上記の母マウスを、以下の表10に示すGBS菌株における、80抗原とGBS104抗原、GBS276抗原およびGBS322抗原とGBSの組み合わせを用いて、上記の能動母子免疫アッセイ計画に従って免疫した。生存%を、2個の異なるアジュバント(ミョウバンおよびフロイント)とともに上記のGBSの組み合わせを用いて測定した。表10および表11に示すように、この特定のチャレンジ研究において、上記のGBS菌株の全てにおける組み合わせについての生存率が、96%にまで達した。
GBS91とは、GBS C3結合ポリペプチドをいう。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS91のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、配列番号8937および配列番号8938として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号10および配列番号11
GBS104とは、推定細胞壁表面アンカーファミリータンパク質をいう。それは、emaAタンパク質と呼ばれている。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS104のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号8777および配列番号8778として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号18および19
GBS184とは、推定リポタンパク質をいう。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS184のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号1977および配列番号1978として参考文献2に示されている。これらの配列をまた、配列番号23および24
GBS276とは、C5aペプチダーゼをいう。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS276のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号8941および配列番号8942として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号26および27
GBS305とは、UDP−N−アセチルムラモイルアラニン−D−グルタミン酸リガーゼをいい、これはまた、Mur Dとも呼ばれる。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS305のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、配列番号207および配列番号208として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号31および配列番号32
GBS322とは、表面免疫原性タンパク質をいい、また、「sip」とも呼ばれる。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS322のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号8539および配列番号8540として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号36および配列番号37
GBS330とは、ピルビン酸キナーゼをいい、また、「pyk」とも呼ばれる。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS330のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号8791および配列番号8792として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号39および配列番号40
GBS338とは、Sat Dタンパク質をいう。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS338のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号8637および配列番号8638として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号41および42
GBS361とは、cylIタンパク質をいう。血清型Vの単離菌株2603V/R由来の配列決定されたGBS361のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号8769および配列番号8770として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号44および45
血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS404のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号8799および配列番号8800として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号47および48
血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS690のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号9965および配列番号9966として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号49および50
GBS691とは、鉄化合物ABCトランスポーター、または基質結合タンパク質をいう。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS691のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号3691および配列番号3692として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号52および53
GBS4とは、別の推定細胞壁表面アンカーファミリータンパク質をいう。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS4のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号1および配列番号2として参考文献2に示されている。これらの配列をまた、配列番号57および58
GBS22とは、推定接着リポタンパク質をいう。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS22のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号8583および配列番号8584として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号64および65
GBS85とは、推定細胞分裂タンパク質(DivIB)をいう。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS85のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号215および配列番号216として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号66および67
GBS147とは、推定プロテアーゼをいう。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS147のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列が、配列番号8525および配列番号8526として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号68および69
GBS173とは、アミダーゼファミリータンパク質をいう。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS173のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、配列番号8787および配列番号8788として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号73および74
血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS313のヌクレオチドおよびアミノ酸配列が、配列番号4089および配列番号4090として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号78および79
GBS328は、5’−ヌクレオチダーゼファミリーに属する。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS328のヌクレオチドおよびアミノ酸配列が、配列番号6015および配列番号6016として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号80および81
GBS656とは、推定DNAエントリー(entry)ヌクレアーゼをいう。血清型Vの単離菌株2603V/Rから配列決定されたGBS656のヌクレオチドおよびアミノ酸配列が、配列番号9323および配列番号9324として参考文献2に示されている。これらの配列を、配列番号85および85
以下に、好ましいGBS67フラグメントの例を提示する。血清型Vの単離菌株2603由来のGBS67の配列のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を、配列番号87および88
本発明に使用されるGBS抗原は、個々の別々のポリペプチドとして組成物中に存在し得るが、少なくとも2種(すなわち、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、11種、12種、13種、14種、15種、16種、17種または18種)の抗原が、単一のポリペプチド鎖(「ハイブリッド」または「融合」ポリペプチド)として発現されることが好ましい。そのような融合ポリペプチドは、2つの主要な利点:第1は、単独で不安定または不完全に発現され得るポリペプチドが、その問題を克服する適切な融合相手を加えることによって補助され得る点;第2は、1つのみの発現および必要な精製が、両方の抗原性に有用である2種のポリペプチドを生成するために使用されるので、商業的な製造が、単純化される点を提供する。
融合タンパク質についてのGBSフラグメントの実施例を、GBS322、GBS104およびGBS80から提供する。融合タンパク質におけるGBS322のフラグメントの1つの例は、上記のシグナルペプチドが除去された407個のアミノ酸フラグメントである。GBS104のフラグメントもまた、融合タンパク質に組み込まれ得る。GBS104フラグメントの例としては、830個のアミノ酸フラグメント、N末端近くから由来の359個のアミノ酸フラグメント、N末端近く由来の581個のアミノ酸フラグメント、およびN末端近く由来の740個のアミノ酸フラグメントが挙げられる。GBS80フラグメントの例としては、446個のアミノ酸フラグメントおよび235個のアミノ酸フラグメントが挙げられる。以下の表13に、全長のGBSタンパク質に相当する範囲内の融合タンパク質およびそれらの位置についてのフラグメントの例をまとめる。
この実施例において、GBS抗原の融合タンパク質を、異なるGBS株の単離体チャレンジを用いて能動母子免疫アッセイにおいて使用した。これらの実験において、その異なるGBS株についての免疫チャレンジ用量は、約70〜90%の免疫処置していない仔を殺すのに十分であり、10×LD50%と等しい(ここで、LD50%は、統計的に導かれた半数致死量である)。母マウスを、以下の表14に示すGBS株におけるGBS322抗原とGBS80抗原との融合タンパク質を用いる上記の能動母子免疫アッセイ計画に従って、免疫処置した。生存%を、GBS融合タンパク質を用いて測定した。表14に示すように、この特定のチャレンジ研究において、上記のGBS株の全てにおける融合タンパク質について生存率は、79%までに達した。
本発明はまた、本発明のGBS抗原および/またはハイブリッド融合ポリペプチドをコードする核酸を提供する。さらに、本発明は、好ましくは、「高ストリンジェンシー」の条件下(例えば、0.1×SSC、0.5%SDS溶液中で65℃)で、これらの核酸にハイブリダイズし得る核酸を提供する。
本発明のGBS抗原は、Streptococcus agalactiaeから単離され得るか、あるいは、それらは、(例えば、異種の宿主において)組換え産生され得る。好ましくは、上記のGBS抗原は、異種の宿主を使用して調製される。異種の宿主は、原核生物(例えば、細菌)または真核生物であり得る。好ましくは、E.coliであるが、しかし、他の適切な宿主としては、Bacillus subtilis、Vibrio cholerae、Salmonella typhi、Salmonella typhimurium、Neisseria lactamica、Neisseria cinerea、マイコバクテリウム属(例えば、M.tuberculosis)、酵母、などが挙げられる。
本発明の組成物は、GBS多糖類を含むことによって、さらに改良され得る。好ましくは、上記のGBS抗原および上記の糖類の各々は、レシピエントの免疫応答に寄与する。その組み合わせは特に、上記の糖類およびポリペプチドが、異なるGBS血清型から防御性を提供する利点がある。
本発明の組成物は、好ましくは、免疫原性組成物であり、より好ましくは、ワクチン組成物である。上記の組成物のpHは、好ましくは、6と8との間であり、好ましくは、約7である。そのpHは、緩衝液の使用によって維持され得る。上記の組成物は、滅菌され得、そして/または発熱物質を含まない。この組成物は、ヒトに関して等張性であり得る。
本発明の組成物は、代表的に、上に述べた組成物に加えて、1種以上の「薬学的に受容可能なキャリア」を含有し、それは、それ自体、上記組成物を受容する個体に対して有害な抗体の産生を誘導しない任意のキャリアを含有する。適切なキャリアは、代表的に、大きく、徐々に代謝される高分子(例えば、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマー、および脂質凝集体(例えば、油滴またはリポソーム))である。そのようなキャリアは、当業者に周知である。上記のワクチンはまた、希釈剤(例えば、水、生理食塩水、グリセロールなど)を含み得る。さらに、補助的物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質など)が、存在し得る。薬学的に受容可能な賦形剤の徹底的な議論は、参考文献8において利用可能である。
本発明のアジュバントとしての使用のために適切な無機質含有組成物としては、無機塩(例えば、アルミニウム塩およびカルシウム塩)が挙げられる。本発明は、無機塩(例えば、水酸化物(例えば、酸水酸化物)、リン酸塩(例えば、ヒドロキシリン酸塩(hydroxyphoshpate)、オルトリン酸塩)、スルフェート、など{例えば、参考文献9の第8章および第9章を参照のこと})、または異なる無機化合物の混合物を含み、その化合物は任意の適切な形態(例えば、ゲル、結晶、非晶質など)をとり、そして吸着性であることが好ましい。上記の無機物含有組成物はまた、金属塩の粒子として処方され得る。参考文献10を参照のこと。
本発明のアジュバントとしての使用のために適切な油乳濁液組成物としては、スクアレン−水乳濁液(例えば、MF59(マイクロフルイダイザーを用いてサブミクロン粒子へと処方される、5% スクアレン、0.5% Tween80、および0.5% Span 85))が挙げられる。WO90/14837を参照のこと。Freyら、「Comparison of the safety,tolerability,and immunogenicity of a MF59−adjuvanted influenza vaccine and a non−adjuvanted influenza vaccine in non−elderly adults」、Vaccine(2003)21:4234〜4237もまた参照のこと。
サポニン処方物もまた、本発明のアジュバントとして使用され得る。サポニンは、広範囲の植物種の樹皮、葉、茎、根および花においてでさえ見出されるステロールグリコシドおよびトリテルペノイドグリコシドの異種の群である。Quillaia saponaria Molinaの木の樹皮由来のサポニンは、アジュバントとして広範に研究されている。サポニンはまた、Smilax ornata(サルサパリラ(sarsaprilla))、Gypsophilla paniculata(brides veil)、およびSaponaria officianalis(soap root)から商業的に得られ得る。サポニンアジュバント処方物としては、精製した処方物(例えば、QS21)、ならびに脂質処方物(例えば、ISCOM)が挙げられる。
ビロゾームおよびウイルス様粒子(VLP)もまた、本発明のアジュバントとして使用され得る。これらの構造は、一般に、必要に応じて組み合わされるか、またはリン脂質とともに処方されるウイルス由来の1種以上のタンパク質を含む。それらは、概して、非病原性で複製せず、そして概して、天然のウイルスゲノムを全く含まない。そのウイルスタンパク質は、組み換えて産生され得るか、またはウイルス全体から単離され得る。ビロゾームまたはVLPの使用のために適切なこれらのウイルスタンパク質としては、インフルエンザウイルス(例えば、HAまたはNA)、B型肝炎ウイルス(例えば、コアタンパク質またはカプシドタンパク質)、E型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、シンドビスウイルス、ロタウイルス、口蹄疫ウイルス、レトロウイルス、ノーウォークウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、HIV、RNA−ファージ、Qβ−ファージ(例えば、コートタンパク質)、GA−ファージ、fr−ファージ、AP205ファージ、およびTy(例えば、レトロトランスポゾンTyタンパク質p1)由来のタンパク質が挙げられる。VLPはさらに、WO03/024480、WO03/024481、ならびに参考文献13、参考文献14、参考文献15および参考文献16に議論されている。ビロゾームはさらに、例えば、参考文献17に議論されている。
本発明における使用のために適切なアジュバントとしては、以下のような細菌誘導体または微生物誘導体が挙げられる。
このような誘導体としては、モノホスホリル脂質A(MPL)および3−O−脱アシル化MPL(3dMPL)が挙げられる。3dMPLは、4本、5本または6本のアシル化された鎖を有する3 脱−O−アシル化モノホスホリル脂質Aの混合物である。3 脱−O−アシル化モノホスホリル脂質Aの好ましい「小さな粒子」形態は、EP0689454に開示されている。このような3dMPLの「小さな粒子」は、0.22ミクロンの膜を通って濾過滅菌されるのに十分小さい(EP0689454を参照のこと)。他の非毒性のLPS誘導体としては、モノホスホリル脂質A模倣物(例えば、アミノアルキルグリコサミニドホスフェート誘導体(例えば、RC−529))が挙げられる。例えば、参考文献18を参照のこと。
脂質A誘導体としては、Escherichia coli(例えば、OM−174)由来の脂質Aの誘導体が挙げられる。OM−174は、例えば、参考文献19および参考文献20に記載されている。
本発明のアジュバントとしての使用のために適切な免疫刺激性オリゴヌクレオチドとしては、CpGモチーフ(後にグアノシンが続き、リン酸結合によって結合されたメチル化されていないシトシンを含む配列)を含むヌクレオチド配列が挙げられる。パリンドローム配列またはポリ(dG)配列を含む細菌の二本鎖RNAまたはオリゴヌクレオチドもまた、免疫刺激性であると示されている。
細菌のADP−リボシル化毒素およびその無毒化された誘導体は、本発明のアジュバントとして使用され得る。好ましくは、そのタンパク質は、E.coli(すなわち、E.coli熱不安定性腸毒素「LT」)、コレラ(「CT」)、または百日咳(「PT」)由来である。粘膜のアジュバントとしての無毒化されたADP−リボシル化毒素の使用は、WO95/17211に記載され、そしてWO98/42375に非経口のアジュバントとして記載されている。
本発明のアジュバントとしての使用のために適切なヒト免疫調節剤としては、サイトカイン(例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12など)、インターフェロン(例えば、インターフェロン−γ))、マクロファージコロニー刺激因子、および腫瘍壊死因子が挙げられる。
生物接着剤および粘膜接着剤もまた、本発明のアジュバントとして使用され得る。適切な生物接着剤としては、エステル化ヒアルロン酸ミクロスフェア(参考文献30)または粘膜接着剤(例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、多糖類およびカルボキシメチルセルロースの架橋誘導体)が挙げられる。キトサンおよびその誘導体もまた、本発明のアジュバントとして使用され得る。例えば、参考文献31。
微粒子もまた、本発明のアジュバントとして使用され得る。微粒子(すなわち、直径が約100nm〜約150μm、より好ましくは、直径が約200nm〜約30μm、および最も好ましくは直径が約500nm〜約10μmの粒子)、生分解性かつ非毒性である物質(例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカプロラクトン、などと、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)から形成された)であり、それは、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)が好ましく、必要に応じて、負電荷表面(例えば、SDSを有する)または正電荷表面(例えば、カチオン性界面活性剤(例えば、CTAB))を有するように処置される。
アジュバントとしての使用のために適切なリポソーム処方物の例は、米国特許第6,090,406号、同第5,916,588号、およびEP0626169に記載されている。
本発明における使用のために適切なアジュバントとしては、ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステルが挙げられる(参考文献32)。このような処方物としては、オクトキシノール(参考文献33)と組み合わせるポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤ならびに少なくとも1種のさらなる非イオン性界面活性剤(例えば、オクトキシノール(参考文献34))と組み合わせるポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはエステル界面活性剤、がさらに挙げられる。
PCPP処方物は、例えば、参考文献35および参考文献36に記載されている。
本発明のアジュバントとしての使用のために適切なムラミルペプチドの例としては、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(nor−MDP)、およびN−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミンMTP−PE)が挙げられる。
本発明のアジュバントとしての使用のために適切なイミダゾキノロン化合物の例としては、イミクアモド(imiquamod)およびそのホモログが挙げられ、それは、参考文献37および参考文献38に、さらに記載されている。
(2)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)(WO94/00153を参照のこと);
(3)サポニン(例えば、QS21)+非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)+コレステロール;
(4)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IL−12(必要に応じて+ステロール)(参考文献40);
(5)例えば、QS21および/または水中油型エマルジョンと3dMPLとの組み合わせ(参考文献41);
(6)10% スクアレン、0.4% Tween80、5% プルロニックブロックポリマーL121、およびサブミクロン乳濁液にマイクロフルイダイズされるか、またはより大きな粒子サイズの乳濁液を作製するようにボルテックスされるかのいずれかのthr−MDPを含む、SAF。
(8)1種以上の無機塩(例えば、アルミニウム塩)+LPSの非毒素誘導体(例えば、3dPML)。
本発明の組成物は、さらなる細菌性抗原、ウイルス性抗原または寄生性抗原を含む1種以上のさらなる非GBS抗原を、さらに含有し得る。
用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」ならびに「からなる(consisting)」を意味する(例えば、Xを「含む」組成物は、単にXからなり得るか、または追加されたものを含み得る(例えば、X+Y))。
表3に示すように、GBS80を含むGBS抗原の組み合わせは、上記の抗原単独の使用よりも改良された免疫原性を示した。例えば、GBS80単独での免疫処置によって、上記のチャレンジした仔の間で70%の生存率を得た。GBS338、GBS330、GBS104、およびGBS404と、GBS80との組み合わせを用いる免疫処置によって、上記のチャレンジした仔の間で95〜100%の生存率を得た。これは、25〜30パーセントポイントの増加である。
Claims (21)
- 2種以上のGBS抗原の組み合わせを含む組成物であって、ここで、該組み合わせが、GBS80またはそのフラグメントあるいはGBS80と50%以上の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記GBS抗原の組み合わせが、能動母子免疫アッセイによって測定される場合に改良された免疫原性を示し、ここで、該能動母子免疫アッセイは、免疫スケジュールの間に雌マウスの血清力価およびチャレンジ後の仔の生存率パーセントを測定する、組成物。
- 請求項2に記載の組成物であって、前記チャレンジした仔の生存率パーセントが、単一の非GBS80抗原で免疫した雌マウス由来のチャレンジした仔の生存率パーセントより、少なくとも2パーセント高い、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記組み合わせが、2種のGBS抗原からなる、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記組み合わせが、3種のGBS抗原からなる、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記組み合わせが、4種のGBS抗原からなる、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記組み合わせが、5種のGBS抗原からなる、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、GBS80が、配列番号2またはその免疫原性フラグメントのアミノ酸配列を含む、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記GBS80のフラグメントが、配列番号3、4、5、6、7、8、および9からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記組み合わせが、GBS80、GBS91、GBS104、GBS184、GBS276、GBS305、GBS322、GBS330、GBS338、GBS361、GBS404、GBS690、およびGBS691からなる群より選択される、2〜13種のGBS抗原からなる、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記組み合わせが、GBS80、GBS104およびGBS322を含む、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記組み合わせが、GBS80、GBS104、GBS276およびGBS322を含む、組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記組み合わせが、GBS91、GBS104、GBS184、GBS276、GBS305、GBS322、GBS330、GBS338、GBS361、GBS404、GBS690またはGBS691のうちの少なくとも1種を含む、組成物。
- GBS80抗原の一部分および少なくとも1種のGBS抗原の一部分を含む、融合タンパク質。
- 請求項14に記載の融合タンパク質であって、前記少なくとも1種のGBS抗原が、GBS91、GBS104、GBS184、GBS276、GBS305、GBS322、GBS330、GBS338、GBS361、GBS404、GBS690またはGBS691からなる群より選択される、融合タンパク質。
- 請求項15に記載の融合タンパク質であって、前記少なくとも1個種のGBS抗原が、GBS322である、融合タンパク質。
- 請求項16に記載の融合タンパク質であって、GBS80抗原およびGBS322抗原から本質的になる、融合タンパク質。
- GBS感染に感受性のある動物におけるGBS感染の治療的または予防的処置のための方法であって、該方法が、治療的または予防的な量の請求項1に記載の組成物を該動物に投与する工程を包含する、方法。
- GBSに対する免疫応答を上昇させるための医薬の製造のための方法であって、該方法が、少なくとも1種のGBSポリペプチド抗原とGBS80抗原またはそのフラグメントとを混合する工程を包含する、方法。
- 請求項19に記載の方法であって、前記少なくとも1種のGBSポリペプチド抗原が、GBS91、GBS104、GBS184、GBS276、GBS305、GBS322、GBS330、GBS338、GBS361、GBS404、GBS690およびGBS691からなる抗原の群から選択されるポリペプチドまたはそのフラグメントを含む、組成物。
- GBS感染の処置のための医薬の調製における請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物の使用。
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