JP2007527513A - サイトカインを調節する作用物質の同定方法 - Google Patents

サイトカインを調節する作用物質の同定方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、サイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を阻害することにより、サイトカインクラスI受容体結合化合物の作用を調節する作用物質の同定方法に関するものである。作用物質は、細胞におけるIGF−1レベルの低減、および成長ホルモンのようなホルモン調節異常またはプロラクチン調節異常により引き起こされる医学上の障害の処置に有用である。

Description

発明の詳細な説明
技術分野
本発明は、サイトカインクラスI受容体結合化合物の作用を調節する作用物質の同定方法に関し、該作用物質は、細胞におけるIGF−1レベルの低減、および成長ホルモンまたはプロラクチン調節異常のようなホルモン調節異常により引き起こされる医学上の障害の処置に有用である。
背景
成長ホルモン(GH)は、下垂体前葉(脳下垂体前葉)から分泌され、様々な組織を標的とする。GHは、身体の成長、分化および中間代謝、およびGH誘発性インスリン様成長因子1(IGF−1)により仲介される作用を含む、共通する範囲の作用を有する(Bichell et al., 1992)。IGF−1は、出生後の成長の主要な調節因子であり、異なる組織に対する内分泌作用および傍分泌作用の両方を有する。
GHは、膜結合型受容体である成長ホルモン受容体(GHR)(サイトカイン受容体のスーパーファミリーに属する)と結合することにより、異なる遺伝子の転写を誘導する(Graichen et al., 2003)。これらの受容体は、固有の触媒活性を欠いているが、細胞基質タンパク質をチロシンキナーゼ活性と関連付ける。受容体は1つの膜貫通ドメインを有し、ダイマーを形成し、リガンド結合に際して活性化されるモノマーとして存在する。いくつかの細胞内2次メッセンジャーは、カルシウムイオン、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼA2、Gタンパク質、プロテインキナーゼC(PKC)、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)、およびシグナルトランデューサー、および転写活性化因子(STAT)1、3、および5を含むGHのシグナル伝達において関与している(Wood, 1996)。
GHのシグナル伝達が、活性化がJAK2およびSTAT5のリン酸化を通じて仲介されるセリンプロテアーゼインヒビター(SPI)2.1遺伝子において調べられた(Wood, 1996)。リガンド結合によりGHRが活性化される場合、GHR細胞内部分に結合しているチロシンキナーゼJAK2がリン酸化され、次いでGHR自体をリン酸化する。これによりSTAT5のリン酸化を生じ、そしてそれらはホモダイマーを形成し、核に転位され、GH応答エレメント(GHRE)と呼ばれるSPI2.1プロモーターの特異的配列と結合し、それにより、遺伝子の転写を活性化する。
細胞表面上のGHR数を調節するために、GHRはエンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれ、消化されるためにリソソーム小胞に輸送される。しかしながら、GHRはまた、GH刺激に際して取り込まれ、核に転位されることが報告された(Lobie, Wood 1994)。GHR自体が遺伝子調節に関与し得ることが示唆されたのである。興味深いことに、GHおよびGHRの両方の核への転位はJAK2と無関係であり(Graichen et al., 2003)、このことは、この核への転位がJAK−STAT経路と無関係の代替シグナル伝達経路であり得ることを示唆している。
2つのIGF−1プロモーターを調べることで、ラットの肝臓のIGF−1がGHにより活性化されるとき、DNAとタンパク質との相互作用に変化はみられないことが明らかにされた(LeStunff et al., 1995, Thomas et al., 1994)。このことは、GHがIGF−1転写の急激な活性化を誘導するという事実(Bichell et al., 1992)とともに、DNAと結合した既存の転写因子のGH誘発性修飾を示唆している。プロモーター2におけるタンパク質結合DNA部位の1つは、転写因子AP2の結合部位であり得ることが見出され、転写因子OCT1もこのプロモーター流域と結合することも示唆された(LeStunff et al., 1995)。転写因子AP2は、4個のメンバーを含むファミリーに属し、これらは全て、胚形成において増殖および分化の組織特異的エフェクターとして関与している(Pfisterer et al., 2002; Werling and Schorle 2002)。OCT1は、たいていの哺乳類細胞タイプにおいて見出される遍在性転写因子であり、細胞中でそれは種々の遺伝子の転写を活性化する。
図面の簡単な説明
図1Aは、抗GHR抗体およびOCT1 DNAプローブ(配列番号:3および4)とインキュベーションされた、成長ホルモン受容体(GHR)でトランスフェクションされたWRL−98細胞およびトランスフェクションされていないWRL−98細胞由来の核抽出物における、電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)の結果を表す。
図1Bは、抗GHR抗体およびAP2 DNAプローブ(配列番号:5および6)とインキュベーションされた、GHRでトランスフェクションされたWRL−98細胞およびトランスフェクションされていないWRL−98細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。
図1Cは、抗GHR抗体およびAP2 DNAプローブ(配列番号:5および6)とインキュベーションされたラットの肝細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。
図1Dは、抗GHR抗体およびPr2F DNAプローブ(配列番号:9および10)とインキュベーションされた、GHRでトランスフェクションされたWRL−98細胞およびトランスフェクションされていないWRL−98細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。
図1Eは、Pr2F DNAプローブ(配列番号:9および10)とインキュベーションされた、プロラクチン受容体でトランスフェクションされたWRL−98細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。
図1Fは、抗GHR抗体および成長ホルモン応答エレメントDNAプローブ(配列番号:1および2)とインキュベーションされた、WRL−98細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。遊離プローブ(P)が負対照として用いられた。特異的なタンパク質とDNAとの相互作用を確かめるため、400×(過剰量)の未標識の特異的(+)または非特異的(−)プローブを反応混合物に添加した。起こりうるスーパーシフトの調査は、標識DNAプローブの添加に先立ち、抽出物を抗GHR抗体(MAb 263)とインキュベーションすることにより行われた。代わりに、抗体のみがDNAプローブとインキュベーションされたもの(Ab)では、非特異的な競合は起こらなかった。S=BVTA(N−[5−(アミノスルホニル)−2−メチルフェニル]−5−ブロモ−2−フルアミド)。
図1Gは、抗GHR抗体および成長ホルモン応答エレメントDNAプローブ(配列番号:1および2)とインキュベーションされた、GHRでトランスフェクションされたWRL−98細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。遊離プローブ(P)が負対照として用いられた。特異的なタンパク質とDNAとの相互作用を確かめるため、400×(過剰量)の未標識の特異的(+)または非特異的(−)プローブを反応混合物に添加した。起こりうるスーパーシフトの調査は、標識DNAプローブの添加に先立ち、抽出物を抗GHR抗体(MAb 263)とインキュベーションすることにより行われた。代わりに、抗体のみがDNAプローブと共にインキュベーションされたもの(Ab)では、非特異的な競合は起こらなかった。S=BVTA。
図1Hは、抗GHR抗体および成長ホルモン応答エレメントDNAプローブ(配列番号:1および2)とインキュベーションされた、HXラットの肝細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。遊離プローブ(P)が負対照として用いられた。特異的なタンパク質とDNAとの相互作用を確かめるために、400×(過剰量)の未標識の特異的(+)または非特異的(−)プローブを反応混合物に添加した。起こりうるスーパーシフトの調査は、標識DNAプローブの添加に先立ち、抽出物を抗GHR抗体(MAb 263)とインキュベーションすることにより行われた。代わりに、抗体のみがDNAプローブと共にインキュベーションされたもの(Ab)では、非特異的な競合は起こらなかった。
図2Aは、ポンソー(Ponceau)染色により視覚化されたフィルター上の総タンパク質を表す。
図2Bは、抗GHR抗体でのウエスタンブロットを表す。
図2Cは、GHRがシフトしたバンド中に存在することを示すEMSAゲルを表す。
図3Aは、1次抗体としてウサギ抗GHR抗体を用い、HRPと結合したブタ抗ウサギ2次抗体により視覚化された、GHRでトランスフェクションされたWRL−68細胞由来の核抽出物のウエスタンブロットを表す。
図3Bは、ブタ抗ウサギ2次抗体のみを用いた、GHRでトランスフェクションされたWRL−68細胞由来の核抽出物の対照ウエスタンブロットを表す。
図3Cは、1次抗体としてウサギ抗GHR抗体を用い、HRPと結合したブタ抗ウサギ2次抗体により視覚化された、WRL−68細胞由来の核抽出物のウエスタンブロットを表す。GHRは、処理に関わらず、トランスフェクションされた細胞およびトランスフェクションされていない細胞由来の核抽出物両方に存在するが、受容体量はトランスフェクションされた細胞においてより多い。
図3Dは、1次抗体としてウサギ抗GHR抗体を用い、HRPと結合したブタ抗ウサギ2次抗体により視覚化された、HXラットの肝細胞由来の核抽出物のウエスタンブロットを表す。HXラットの肝細胞におけるGHR量は、トランスフェクションされたWRL−68細胞におけるものと同じくらい多い。
発明の開示
全長成長ホルモン(GH)受容体が、ラットの肝細胞および培養ヒト肝細胞由来の単離核に存在することが、免疫細胞化学およびウエスタンブロッティングにより見出された。電気泳動移動度シフトアッセイは、受容体が他の転写因子と相互作用することを示し、これは、GH受容体でトランスフェクションされた細胞の存在下で観察される増大した量のスーパーシフトにより示される。この相互作用は、GH受容体結合化合物であるBVTA(N−[5−(アミノスルホニル)−2−メチルフェニル]−5−ブロモ−2−フルアミド)での処理によりダウンレギュレーションされ、GH誘発性mRNAを低減させる。従って、核のGH受容体は機能的であり、転写レベルを調節するタンパク質複合体の一部であると推定される。
第1の態様において、本発明は、サイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を調節する作用物質の同定方法を提供し、該方法は:(i)細胞を候補作用物質と接触させ;次に(ii)該候補作用物質がサイトカインクラスI受容体と該受容体と相互作用する核因子との相互作用を調節するか否かを決定する(ただし、核因子はSTAT5以外である)、を含む。かかる方法により同定される作用物質は、例えば、サイトカインクラスI受容体結合化合物の調節異常により引き起こされる医学上の障害の処置または予防のために用いられることができる。
本発明は、次の工程:(i)細胞を候補作用物質と接触させ(該候補作用物質がサイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を調節する);(ii)該候補作用物質の存在下で、細胞におけるサイトカインクラスI受容体結合化合物の生物学的作用を測定し;次に、(iii)該候補作用物質が細胞におけるサイトカインクラスI受容体結合化合物の生物学的作用を調節するか否かを決定する、を含んでいてもよい。ある種の実施態様において、候補作用物質は成長ホルモン受容体と核因子との相互作用を阻害する。他の実施態様において、候補作用物質は成長ホルモン受容体と核因子との相互作用を刺激する。
方法は、AP2、OCT1、およびPr2Fからなる群から選択される核因子の応答エレメントを含むプロモーターと結合した受容体遺伝子の発現を決定する工程を含んでいてもよい。
本明細書に記載の方法において用いられ得る候補作用物質は、例えば、ポリペプチド、ペプチド、抗体または抗体フラグメント、非ペプチド化合物、炭水化物、小分子、脂質、1本鎖または2本鎖DNA、1本鎖または2本鎖RNA、アンチセンス核酸分子、およびリボザイムを含む。
本明細書に記載の同定方法は、インビトロまたはインビボにて実施され得る。インビトロの方法のためには、同定は細胞ベースの系または無細胞系を用いて行われ得る。
別の態様において、本発明は、サイトカインクラスI受容体と相互作用する核因子の同定方法を特色とし、該方法は:(i)細胞をサイトカインクラスI受容体をコードする核酸でトランスフェクションし;(ii)核抽出物を該細胞から調製し;(iii)核抽出物を候補核因子と結合する標識オリゴヌクレオチドプローブとインキュベーションし;(iv)反応混合物をポリアクリルアミドゲルにて分離させ;次に、(v)タンパク質とDNAの複合体に対応するバンドを検出する、を含む。方法は、核抽出物の調製に先立ち、細胞をサイトカインクラスI受容体結合化合物で刺激する工程を含んでいてもよい。
核因子の他の同定方法は、細胞を受容体構築物でトランスフェクションすること(該核因子オリゴヌクレオチドは、受容体遺伝子の転写を調節するプロモーターの一部である)を含む。細胞はサイトカインクラスI受容体結合化合物で刺激され、受容体遺伝子活性が測定される。
核因子は、AP2、OCT1、またはPr2FのようなDNA結合タンパク質であってもよい。
本発明による方法は、候補作用物質が細胞における成長ホルモンの作用を調節するか否かの決定を含み得る。本発明の1つの実施態様において、かかる決定は、プロモーター(例えば、SPI2.1、AP2、OCT−1、またはPR2Fプロモーター)と結合した受容体遺伝子の発現の決定を含む。
ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、緑色蛍光タンパク質、およびサンゴ蛍光タンパク質(RCFP)ファミリーの他のメンバーのようなレポーター遺伝子を用いて、転写活性が本発明によるスクリーニングアッセイにおいて決定され得る(例えば、Goeddel (ed.), Methods Enzymol., Vol. 185, San Diego: Academic Press, Inc. (1990)を参照)。
細胞における成長ホルモンの作用を調節する、本明細書に記載の方法により同定される作用物質は、例えば、成長ホルモン調節異常により引き起こされる医学上の障害の処置または予防のために用いられ得る。かかる障害は、例えば、末端肥大症、成長ホルモン調節異常、プラダー・ウィリ症候群およびターナー症候群と関連する発育遅延、成長ホルモン不応症、後天性免疫不全症候群(AIDS)と関連する消耗病、および骨粗鬆症を含む。さらに、作用物質は、細胞におけるIGF−1レベルまたはIGF−1産生を低減または阻害するために用いられ得る。
末端肥大症を処置するためには、同定される作用物質は、GHRと核因子との相互作用を阻害するか、あるいは低減させることが期待される。プラダー・ウィリ症候群、ターナー症候群、成長ホルモン不応症、および骨粗鬆症のような成長ホルモン調節異常と関連する障害を処置するためには、同定される作用物質は、GHRと核因子との相互作用を刺激するか、あるいは増大させることが期待される。
細胞におけるプロラクチンの作用を調節する、本明細書に記載の方法により同定される作用物質は、例えば、プロラクチン調節異常により引き起こされる医学上の障害の処置または予防のために用いられ得る。高プロラクチン血症は、プロラクチンの過剰産生および分泌により引き起こされる疾患であり、生殖機能の抑制およびおよび乳汁漏出のような臨床症状を生じる。高プロラクチン血症の原因として、プロラクチン分泌性下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)が頻繁に観察される。さらに、当該技術分野において、肥満、高血糖症、高インスリン血症、高コレステロール血症、高脂血症、およびII型糖尿病のような代謝障害が、プロラクチンの日常レベルでの異常パターン(および変動)と関連することが知られている。プロラクチンの必要な対象は、例えば、乳汁分泌刺激の必要な人(例えば、母親);免疫系の刺激の必要な人(例えば、免疫障害のリスクのある人、AIDSのリスクのある人または人免疫不全ウイルス(HIV)に感染した人、あるいは栄養不足の人)である(例えば、米国特許番号第6,545,198号参照)。
高プロラクチン血症またはプロラクチノーマを処置するためには、同定される作用物質は、プロラクチンと核因子との相互作用を阻害するか、あるいは低減させることが期待される。プロラクチン不全と関連する障害を処置するためには、同定される作用物質は、プロラクチン受容体と核因子との相互作用を刺激するか、あるいは増大させることが期待される。
別の態様において、本発明は、サイトカインクラスI受容体結合化合物の調節異常により引き起こされる医学上の障害の処置または予防方法を特色とし、該方法は、それらの必要な対象に、有効量の、サイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を調節する作用物質を投与することを含む。ある種の実施態様において、核因子はSTAT5以外である。
方法は、作用物質の投与に先立ち、本明細書に記載の医学上の障害を有するか、またはリスクのある対象を同定する工程を含んでもよい。さらに、あるいは代わりに、方法は、作用物質の投与に続き、対象を医学上の障害の1以上の症状の重症度の存在について評価する工程を含むこともできる。対象に投与される作用物質の量は、かかる評価の結果に基づき選択されてもよい。
ある種の実施態様において、作用物質は、サイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を阻害する。他の実施態様において、作用物質は、サイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を刺激する。
別の態様において、本発明は、細胞においてIGF−1転写を調節する方法を特色とし、該方法は、細胞を、有効量の、成長ホルモン受容体と核因子との相互作用を調節する作用物質と接触させ、それにより、細胞におけるIGF−1転写を調節する、を含む。ある種の実施態様において、作用物質は成長ホルモン受容体と核因子との相互作用を阻害し、それにより、細胞におけるIGF−1転写を低減させる。他の実施態様において、作用物質は成長ホルモン受容体と核因子との相互作用を刺激し、それにより、細胞におけるIGF−1転写を増大させる。
別の態様において、本発明は、細胞における転写を調節する方法を特色とし、該方法は、細胞を、有効量の、サイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を調節する作用物質と接触させ、それにより、細胞におけるサイトカインクラスI受容体により誘導される転写を調節する(ただし、核因子はSTAT5以外である)、を含む。作用物質は、例えば、サイトカインクラスI受容体と結合し、サイトカインクラスI受容体の核因子と結合する能力を阻害または低減する化合物であり得る。ある種の実施態様において、作用物質はサイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を阻害し、それにより、細胞におけるサイトカインクラスI受容体により誘導される転写を低減させる。他の実施態様において、作用物質はサイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を刺激し、それにより、細胞におけるサイトカインクラスI受容体により誘導される転写を増大させる。
本明細書に記載の方法および組成物において、サイトカインクラスI受容体は、例えば、成長ホルモン受容体またはプロラクチン受容体であり得る。ある種の実施態様において、サイトカインクラスI受容体結合化合物は成長ホルモンであり、サイトカインクラスI受容体は成長ホルモン受容体である。他の実施態様において、サイトカインクラスI受容体結合化合物はプロラクチンであり、サイトカインクラスI受容体はプロラクチン受容体である。
本明細書に記載の方法および組成物において用いられる核因子は、例えば、AP2、OCT1、またはPr2Fであり得る。
本明細書に記載の方法において用いられる作用物質は、例えば、ポリペプチド、ペプチド、抗体または抗体フラグメント、非ペプチド化合物、炭水化物、小分子、脂質、1本鎖または2本鎖DNA、1本鎖または2本鎖RNA、アンチセンス核酸分子、またはリボザイムであり得る。
別段規定されていない限り、本明細書で用いられる技術用語および科学用語は全て、本発明の属する技術分野における通常の知識を有するものにより一般に理解されるのと同じ意味を有する。適当な方法および材料が以下で記載されるが、本明細書に記載されるものと類似または均等な方法および材料も、本発明の実施または試験において用いられ得る。本明細書において記載の刊行物、特許出願、特許、および他の引用文献は全て、引用により完全に取り込まれる。対立する場合、定義を含め本明細書が支配する。さらに、材料、方法、および実施例は説明のみであって、制限することを意図していない。
本発明をここで、実施例を記載してさらに説明する。実施例は決して本発明の範囲を制限することを意図していない。
実施例
実験方法
細胞培養:ヒト胎児肝細胞株であるWRL−68細胞を、10% ウシ胎児血清(FBS)、2% L−グルタミン、1% ピルビン酸塩、および1% 非必須アミノ酸(NEA)(全てGIBCO)を添加した、NaHCO(Statens Veterinaurmedicinska Anstalt)を含むEMEM培地にて培養した。細胞を、トリプシン処理により1週間に2回継代培養し、細胞週密度約80%を維持した。
トランスフェクション:細胞を、DOTAPリポソームトランスフェクション試薬(Roche)を用いて、製造元の説明に従い、ヒトの全長GH受容体(pMB1288、2μg/μl)でトランスフェクションした。この試薬と共に、カチオン性リポソーム系トランスフェクション法(リポフェクション)を用いた。T75フラスコのWRL−68細胞を、それぞれのフラスコに対してDNA 10μgを用いてトランスフェクションした。DNA 5μl(10μg)を、OPTIMEM1培地(GIBCO)250μlで希釈し、OPTIMEM1培地175μlで希釈したDOTAP試薬75μlと軽く混合した。混合物を10分間インキュベーションし、次に、OPTIMEM1培地10mlと軽く混合した。細胞を1度洗浄し、4時間、DNA/DOTAPトランスフェクションミックスとインキュベーションし、次に、新たな培地に交換した。翌日、細胞を新たな培養ディッシュに播種した。
刺激:細胞を、トランスフェクションの2日後、集密度約80%にて刺激した。無血清培地にて1時間飢餓状態におき、次に、10nM hGH(Genotropin, Pharmacia)で60分間、1μM BVTA(N−[5−(アミノスルホニル)−2−メチルフェニル]−5−ブロモ−2−フルアミド)で60分間、または1μM BVTAで60分間、次に10nM hGHで60分間刺激した。無血清培地にて3時間(GHRでトランスフェクションした細胞)または16時間(トランスフェクションしていないWRL−68細胞)飢餓状態に置き、100nM hGHで20分間、1μM BVTAで20分間、または1μM BVTAで20分間、次に、100nM hGHで20分間刺激した。
核画分および細胞質画分の調製:核抽出物を、Dignam等(1983)およびAusubel等(1993)に記載の方法に従い、次の修飾を加えて調製した。
WRL−68細胞を氷冷PBSに加えてバラバラ(scrap)にし、50mlのFalconチューブに集め、3000rpmにて5分間遠心した。細胞ペレットを、プロテアーゼおよびホスファターゼインヒビターを含む低張バッファー(10mM HEPES pH7.9、0.2mM フッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)(共にSigma)、1.5mM MgCl、10mM KCl、0.1% ノニデットP−40(Amersham)、0.2mM オルトバナジン酸ナトリウム、2nM オカダ酸(Calbiochem)、1×コンプリートプロテアーゼインヒビター(Roche))に再懸濁し、3000rpmにて5分間遠心し、再び低張バッファーに再懸濁した。細胞を、氷上にて10分間膨潤させ、次に、DounceホモジェナイザーにてTeflon内筒Cタイプを用いてホモジェナイズした。細胞溶解を、トリパンブルー(0.4%、Sigma)を一定量の細胞に添加すること(破壊された細胞において核が青く染まる)により、顕微鏡下で確認した。70〜80%の純化核画分を得るために、およそ40回行う必要があった。4000rpmにて15分間遠心して、核を集め、直ぐに−70℃にて凍結させた。細胞質画分として上清も−70℃にて保存した。
核画分および細胞質画分を、下垂体摘出SD(Sprague Dawley)ラットの肝臓から調製した(倫理学的ライセンスN176/02)。ラットは5週齢でhGHを投与するためのミニポンプを移植した。対照動物は刺激しておらず、従って完全にGH不足であり、一方GH動物をhGH 0.12mg/kg/日にて5日間連続して刺激した。動物を麻酔し、肝臓を切り出し、氷冷PBSに入れた。次に、肝臓を小片にカットし、プロテアーゼおよびホスファターゼインヒビターを含む氷冷低張バッファー8mlに移し、氷上で10分間膨潤させた。肝臓の小片をDounceホモジェナイザーにてTeflon内筒Cタイプを用いてホモジェナイズし、懸濁液を無菌の圧縮機をとおして濾過し、細胞懸濁液を得た。細胞懸濁液をさらに、Dounceホモジェナイザーにてガラス製内筒を用いてホモジェナイズした。細胞溶解を、トリパンブルー(0.4%、Sigma)を一定量の細胞に添加すること(破壊された細胞において核が青く染まる)により、顕微鏡下で確認した。70〜80%の純化核画分を得るために、およそ10〜20回行う必要があった。4000rpm、4℃にて15分間遠心して、核を集めた。上清を取り出し、細胞質画分として保存した。ペレット化した核および細胞質を直ちに−70℃にて凍結させた。
核タンパク質の抽出:タンパク質を核から抽出するために、核ペレットを、試料を電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)に用いるか否かで、プロテアーゼおよびホスファターゼインヒビターを含む2×溶解バッファー(100mM HEPES pH7.6、300mM NaCl、10mM EDTA(GIBCO)、2% Triton X−100(Sigma)、0.2mM PMSF、0.2mM オルトバナジン酸ナトリウム、2nM オカダ酸、1×コンプリート)、またはインヒビターを含むEMSAバッファー(20mM Tris pH8.0、1.5mM MgCl、0.2mM EDTA、25% グリセロール、0.5mM PMSF、0.2mM オルトバナジン酸ナトリウム、2nM オカダ酸、1×コンプリートプロテアーゼインヒビター)に再懸濁した。最適なタンパク質抽出のために、3種の異なる方法を評価した。試料を氷上に30分間置き、37℃で15分間DNAse 1μlで処理するか、あるいは注射針で処理して、DNAを剪断した。最適な抽出を、下記のウエスタンブロットおよびタンパク質濃度の決定により評価した。試料を14000rpm、4℃にて10分間遠心し、核タンパク質を含む上清を一定量に分け、−70℃にて保存するか、あるいはウエスタンブロットまたはEMSAアッセイに用いた。
タンパク質濃度を、BCAタンパク質アッセイ試薬キット(Pierce)(これはビウレット反応(アルカリ性培地中のタンパク質によるCu2+のCu1+への還元)およびビシンコニン酸(BCA)含有試薬を用いる)を用いて決定した。2分子のBCAが1個のCu1+イオンを有する複合体を形成し、それは紫色となり、562nmにおいて高い吸光度を有する。ウシ血清アルブミン(BSA)をスタンダードとして用いた。
免疫沈降:タンパク質Gセファロース(Amersham)を用いて、トータルの核抽出物由来のGHRとリン酸化STAT5bを免疫沈降させた。タンパク質Gをセファロースビーズに固定化し、IgGのF領域と結合させ、抗原結合に利用可能なFab領域を残した。
それぞれの試料について、タンパク質Gセファローススラリー60μlを用いた(純化セファロース約30μl)。セファロースを2mlのエッペンドルフチューブに集め、リン酸緩衝食塩水(PBS)3×1ml中で3000rpmにて2分間遠心して洗浄した。次に、5μl/試料の抗GHR(MAb 263,AGEN)または抗リン酸化STAT5a/b、Y694/Y699(Upstate Biotechnology)抗体を添加した。抗体と結合したセファロースをPBSで希釈し、室温にて2時間転倒混和した。その後、セファローススラリーを新しい2mlのエッペンドルフチューブに分け入れ、PBS 1mlで1回洗浄した。次に、核溶解物を解凍し、それぞれの試料由来の溶解物100〜200μlをセファロースに添加した。上記のプロテアーゼおよびホスファターゼインヒビターを含む2×溶解バッファー 500μlで希釈し、次に、4℃にて一晩転倒混和した。翌日、それぞれの試料を1×溶解バッファーで2回洗浄し、1×溶解バッファーと125mM Tris pH6.8との1:1混合物にて1回洗浄した。次に、4×NuPAGEサンプルバッファー(ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ブロモ・フェノールブルー(BFB)、グリセロール)および50mM 還元作用物質ジチオスレイトール(DTT)(Sigma)を試料に添加し、その後、それらを70℃にて10分間加熱して、タンパク質をセファロースから解離させた。上清中の免疫沈降したタンパク質を、次にゲル電気泳動で分離させることが可能である。
ゲル電気泳動:抽出した核タンパク質を4×NuPAGEサンプルバッファーで処理し、次に、70℃にて10分間加熱した。還元型で分析した試料も、ジスルフィド結合を還元し、タンパク質とタンパク質の相互作用を破壊するために、50mM DTTで処理した。次に、タンパク質をNuPAGE 4〜12% Bis−Trisゲル(Invitrogen)上で分離した。ゲルを200V、室温にて1時間、ランニングバッファーMops(50mM MOPS、50mM Tris、3.5mM SDS、1mM EDTA)にて泳動した。分子量マーカーとしてSeeBlue Standard(Invitrogen)を用いた。
ウエスタンブロット:タンパク質をHybond ECL ニトロセルロースメンブレン(Amersham)に、4℃、100Vにて1時間、1×NuPAGEトランスファーバッファー(25mM Bis−Tris、25mM Bicine、1mM EDTA、10% EtOH)を用いてトランスファーした。次に、抗体のメンブレンとの非特異的な結合を防ぐために、メンブレンをTris緩衝食塩水−Tween(TBST)(130mM NaCl、10mM Tris−HCl pH7.5、0.05% Tween20(Amersham))中の1% ミルクからなるブロッキングバッファーで一晩、4℃にてブロッキングした。メンブレンを、TBSTにて5分間2回洗浄し、次に、1次抗体と1時間室温にてインキュベーションした。その後、メンブレンを再び、TBST中にて10分間3回洗浄し、2次抗体と室温にて1時間インキュベーションし、TBST中にて10分間4回洗浄した。2次抗体と結合した西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)を、ECL+Plusを用いて検出し、ECL Hyperfilm(共にAmersham)上で露光した。
ストリッピングおよび再ブロッティング:ストリッピングバッファー(62.5mM Tris pH6.5、2% SDS、100mM β−メルカプトエタノール)中、50℃にて30分間インキュベーションして、メンブレンを抗体からストリッピングした。それらを多量のTBST中で10分間2回洗浄し、次に、ブロッキングバッファー(TBST中1% ミルク)中、4℃にて一晩ブロッキングした。次に、上記の別の抗体を用いて再ブロッティングを行った。用いた1次抗体:マウスモノクローナル抗GHR MAb 263#174A−021 1:1000(AGEN)、GHRの細胞内部分に対するウサギポリクローナル抗血清抗GHR 1:5000(Zhang et al., 2001)、GHRの細胞外部分に対するウサギポリクローナル抗血清抗GHR(Biovitrum)、ウサギポリクローナルIgG抗STAT5b(C−17)ロット#252 1:1000(Santa Cruz Biotechnology)、ウサギポリクローナルIgG抗リン酸化STAT5a/b(Y694/Y699) 1:1000(Upstate Biotechnology)。用いた2次抗体:ヤギ抗マウスIgG−HRP 1:2000(Dako A/S)、ヒツジ抗マウスIg−HRP 1:2000(Amersham)、ブタ抗ウサギIgG−HRP 1:3000(Dako A/S)。
電気泳動移動度シフトアッセイ:電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)は、タンパク質とDNAとの相互作用を調べるために用いた方法である。既知の配列を有するDNAプローブを33P−ATPで末端標識し、次に、核抽出物とインキュベーションした。DNAプローブと特異的に結合するタンパク質は、非変性ポリアクリルアミドゲル上で分離させ、シフトしたバンドが観察される場合の複合体の移動度を低減させる。DNAプローブと結合するタンパク質を同定するために、抗体を核抽出物に添加し、DNAプローブとインキュベーションする。抗体がDNAと結合するタンパク質を認識すると、複合体の移動度はさらにもっと低減され、スーパーシフトとなる。
33Pでのオリゴヌクレオチドの標識:一致オリゴヌクレオチド(1.75pmol/μ、PromegaまたはSGS DNA)2μl、T4ポリヌクレオチドキナーゼ10×バッファー(Promega)1μl、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(Promega)1μl、[γ−33P]ATP(AmershamまたはPerkin Elmer)1μl、およびヌクレアーゼフリーウォーター(DEPC培地)を混合することで、オリゴヌクレオチドを[γ−33P]ATP(2500Ci/mmol、Amershamまたは3000Ci/mmol、Perkin Elmer)で末端標識した。混合物を37℃にて10分間インキュベーションし、0.5M EDTA 1μlを添加して、反応を止めた。0.05M EDTA 89μlを添加して、容量を100μlに調節した。未取込の[γ−33P]を取り除くため、一定量である100μlをNICK[登録商標]カラム(Amersham Pharmacia Biotech AB)にロードし、標識DNAを0.05M EDTA 400μlにて2回溶出させた。33P標識試料2μlをシンチレーション液200μlと混合し、Betaカウンター(Trilux1450)にてカウントすることで、特異的活性を測定した。
オリゴヌクレオチド配列
GHRE:
5’−TAC GCT TCT ACT AAT CCA TGT TCT GAG AAA TCA T−3’(配列番号:1)
3’−ATG CGA AGA TGA TTA GGT ACA AGA CTC TTT AGT A−5’(配列番号:2)
OCT1:
5’−TGT CGA ATG CAA ATC ACT AGA A−3’(配列番号:3)
3’−ACA GCT TAC GTT TAG TGA TCT T−5’(配列番号:4)
AP2:
5’−GAT CGA ACT GAC CGC CCG CGG CCC GT−3’(配列番号:5)
3’−CTA GCT TGA CTG GCG GGC GCC GGG CA−5’(配列番号:6)
AP1:
5’−CGC TTG ATG AGT CAG CCG GAA−3’(配列番号:7)
3’−GCG AAC TAC TCA GTC GGC CTT−5’(配列番号:8)
アニーリングし、EMSAに用いた、あるいはレポーターベクターにクローン化したオリゴヌクレオチドの配列
EMSAに用いた、Bgl II/Hind IIIオーバーハングを有するPr2Fリンカー:
5’−GATCTAGATGCTTTCACAAACCCCACCCACAAA−3’(配列番号:9)
5’−AGCTTTTGTGGGTGGGGTTTGTGAAAGCATCTA−3’(配列番号:10)
LucレポーターベクターおよびSEAPレポーターベクターにクローニングするためのKpn I/Xho Iオーバーハングを有する、2つの可能性のあるAP2部位を含有するリンカー:
5’−CTAGATGCTTTCACAAACCCCACCCACAAAATAGATGCTTTCACAAACCCCACCCACAAAAC−3’(配列番号:11)
5’−TCGAGTTTTGTGGGTGGGGTTTGTGAAAGCATCTATTTTGTGGGTGGGGTTTGTGAAAGCATCTAGGTAC−3’(配列番号:12)
LucレポーターベクターおよびSEAPレポーターベクターにクローニングするためのKpn I/Xho Iオーバーハングを有する、2つの「Promega」AP2部位を含有するリンカー:
5’−CGATCGAACTGACCGCCCGCGGCCCGTGATCGAACTGACCGCCCGCGGCCCGTC−3’(配列番号:13)
5’−TCGAGACGGGCCGCGGGCGGTCAGTTCGATCACGGGCCGCGGGCGGTCAGTTCGATCGGTAC−3’(配列番号:14)
DNA結合反応物の調製:それぞれの反応について、EMSAバッファー中の抽出核タンパク質3〜6μgを、ゲルシフト5×バインディングバッファー(Promega)2μlおよびヌクレアーゼフリーウォーター(DEPC培地培地)9μlと混合し、次に、室温にて10分間インキュベーションした。スーパーシフト分析のために、核抽出物を、抗GHR抗体または抗血清1μlと室温にて1時間プレインキュベーションした。タンパク質とDNAの結合の特異性を制御するために、400×(過剰量)特異的または非特異的な未標識オリゴヌクレオチドを添加し、反応を制御した。次に、反応物を33P末端標識GHRE(SGS DNA)、AP1、AP2またはOCT1一致オリゴヌクレオチドと室温にて20分間インキュベーションした。
タンパク質とDNAの複合体のゲル電気泳動:6×ローディングバッファー(3×TBEバッファー、32% グリセロール、0.06% BFB)2μlを、それぞれの試料に添加し、次に、試料をNovex 6% DNA 遅延ゲル(Invitrogen)上で分析した。ランニングバッファーとして0.5×TBE(50mM Tris pH8.4、45mM ホウ酸、0.5mM EDTA(GIBCO))を用い、ゲルを250ボルト、室温にて19分間泳動した。ゲルを固定液(30% エタノール、10% 酢酸)中で固定し、ゲルドライヤーにて乾燥させた。次に、それらをホスホイメージャー計測系(STORM 860(Molecular Dynamics)およびImage Quant 5.0)を用いて分析した。
EMSA−ウエスタンブロット:EMSAを上記の通り行ったが、ゲルを乾燥させる代わりに、それをホスホイメージャースクリーンに露光し、ゲル中のタンパク質をニトロセルロースメンブレンにトランスファーし、上記の通常のウエスタンブロットにて抗GHR抗体を用いてブロットした。タンパク質がメンブレンにトランスファーされたことを確かめるために、メンブレンを全てのタンパク質を染色するPonceau S溶液(Sigma)に浸漬した。
実施例1:GHRおよびSTAT5は核抽出物中に存在する
培養細胞株は通常、少量の内在性産生GHRを示し(図3C)、肝臓組織は多量の受容体を含有する(図3D)。核のGHRを検出するために、核タンパク質をゲル電気泳動にて分離し、ウエスタンブロットにて視覚化した。受容体の細胞内部分に対するポリクローナル抗体でブロッティングすると、GHRは、調べた細胞タイプ(WRL−68、GHRでトランスフェクションしたWRL−68、およびHXラットの肝臓)の全画分にて3本の異なるバンドとして検出できた。バンドのうち、2次抗体の非特異的な結合の結果として出現したものはなかった(ブタ抗ウサギ、図3B)。
トランスフェクションしていないWRL−68トータルの核抽出物を用いたウエスタンブロットメンブレンを、STAT5に対するポリクローナル抗体で再ブロッティングし、それぞれ60kDaと100kDaの2本のバンドを観察することができた。100kDaのバンドはおそらくインタクト(intact)なSTAT5モノマーを表し、60kDaのバンドはSTAT5の開裂型である(データは示していない)。
実施例2:全長GH受容体でのWRL−68細胞のトランスフェクションはGHRE、AP2、OCT1とPr2F DNAプローブとの相互作用を増大させる
GH受容体でトランスフェクションしたWRL−68およびトランスフェクションしていないWRL−68核抽出物を、抗GHR抗体および33P−GHRE(配列番号:1および2)、33P−AP2(配列番号:5および6)または33P−OCT1(配列番号:3および4)、または33P−Pr2F(配列番号:9および10)一致オリゴヌクレオチドとインキュベーションし、EMSAにて分析して、GHRのこれらのDNAプローブと結合するタンパク質との任意の可能性のある相互作用を解明した。対照のため、抗GHRとインキュベーションしていない核抽出物を、GHREプローブ(GHRでトランスフェクションした細胞およびトランスフェクションしていない細胞の両方でいくつかのシフトしたバンドを示した)でのEMSAを分析した。400倍の過剰量の未標識の特異的または非特異的なプローブとインキュベーションにより、バンドの特異性を示した(図1および図2参照)。hGH刺激の作用は同定されなかった。興味深いことに、全長GHRでのトランスフェクションは、最もシフトしたバンドの強度を増大させるようであった。このバンド中のタンパク質とDNAとの相互作用はBVTA(N−[5−(アミノスルホニル]−2−メチルフェニル]−5−ブロモ−2−フルアミド)により破壊された。バンドの強度はBVTA刺激細胞由来の抽出物において低減し、より高い移動度を有するより小さな複合体を表す小さなバンドが出現したからである。これらの抽出物を抗GHR抗体とインキュベーションした場合、結合差は観察されない。トランスフェクションしていない細胞において、核抽出物の抗GHRとのインキュベーションは、タンパク質のGHREプローブとの結合を増大させるようであった。これらのバンドの増大した強度はまた、弱い小さなバンドのスーパーシフトに関与し得る。トランスフェクションしていない細胞中のGHREの最も弱いバンドのスーパーシフトは明確に示されたが、この場合、BVTA由来の作用は観察されなかった。抗体のみおよび標識GHREプローブとのインキュベーションは、抗体がDNA自体とは反応しないことを示した。
AP2 DNAプローブおよびトランスフェクションしていないWRL−68細胞でのEMSAは、1本のシフトしたバンドを示し、これは競合しなかった(図1B参照)。AP2およびGHRでトランスフェクションしたWRL−68でのEMSAにおいて、さらなるバンドが観察され、それは400×(過剰量)未標識AP2プローブにより競合されるので、特異的であった(図1B矢印参照)。これらの核抽出物を抗GHR抗体とインキュベーションした場合、この特異的なバンドは強度が増大した。このことは、タンパク質複合体とAP2 DNAプローブとの増強した相互作用を示唆している。GHREを用いたものと同様に、BVTAは最も特異的なバンドにより表されるタンパク質とDNAとの相互作用を破壊した。このバンドがBVRA刺激細胞由来の抽出物において出現したからである。上記と同様、対照抽出物と比較してhGH刺激由来の作用は観察されなかった。抗体自体はDNAプローブとの相互作用を示さなかった。
OCT1 DNAプローブおよび2種のWRL−68細胞タイプでのEMSAは、2本のシフトしたバンドを示した(図1A)。最もシフトしたバンドは特異的な結合を表した。それは400倍の過剰量の非標識OCT1プローブと競合したからである。GHREおよびAP2でのものと同様、最もシフトしたバンドの強度は、GHRでトランスフェクションしたWRL−68細胞由来の抽出物にて増大した(図1A矢印参照)が、AP2と対照的に、抗GHR抗体との抽出物のインキュベーションはタンパク質のOCT1 DNAプローブとの結合に明確には影響しなかった。無刺激対照細胞と比較して、hGH刺激細胞由来の核抽出物において作用は観察されなかった。また、この場合において、BVTAはいくつかのタンパク質とDNAとの相互作用を破壊した;最も特異的なバンドの強度は、BVTA処理細胞由来の抽出物において増大した。GHREおよびAP2でのものと同様、抗体自体はDNAプローブとの相互作用を示さなかった。
AP1はGH活性化MAPキナーゼを介して活性化されるので、トランスフェクションしていないWRL−68核抽出物を対照としてAP1 DNAプローブ(配列番号:7および8)を用いて分析した。1本のシフトしたバンドを、活性化AP1転写因子を示す全ての画分で観察することができ、hGHまたはBVTAいずれか由来の作用は観察できなかった。GHR抗体とのインキュベーションはかすかなバンドを若干生じた。
AP2およびOCT1プローブでのEMSAを、GHRでトランスフェクションしたWRL−68細胞由来の核抽出物と共に行った。分離させた複合体をニトロセルロースメンブレンにトランスファーした。メンブレンの抗GHR抗体でのブロッティングは、EMSAゲルと比較して不鮮明なバンド中にGHRの存在を示し、これは、OCT1およびAP2オリゴヌクレオチドの特異的なシフトしたバンドに対応するようであった。GHRバンドおよびOCT1およびAP2でシフトしたバンドの相関は、GHRがOCT1でシフトした複合体に存在すること、およびおそらくAP2でシフト複合体にも存在することを示した。
実施例3:ラットの肝臓核抽出物の抗GHR抗体とのインキュベーションは、タンパク質のAP2 DNAプローブとの結合を増強させる
HXラットの肝臓の核抽出物を、抗GHRおよび33P−GHRE、33P−AP2または33P−OCT1一致オリゴヌクレオチドとインキュベーションし、EMSAにて分析した。対照のため、抗GHRとインキュベーションしなかった核抽出物も分析した。2匹の対照動物および2匹のhGH刺激動物由来の抽出物をアッセイに用いた。
GHREおよびOCT1 DNAプローブでのEMSAは、hGH刺激したもの、または核抽出物を抗GHR抗体とプレインキュベーションしたものいずれにおいても、タンパク質とDNAの結合差を示さなかった。対照的に、AP2 DNAプローブでのEMSAは、核抽出物を抗GHR抗体とインキュベーションした場合、増強したタンパク質とDNAとの相互作用を示した(図1C)。上述したように、この作用は、GHRでトランスフェクションしたWRL−68細胞およびAP2プローブでも観察された(図1B)。対照動物と比較したタンパク質とDNAの結合差は、hGH刺激動物由来の抽出物においてみられなかった。抗GHRインキュベーションHXラットの肝臓核抽出物においてみられる増大したタンパク質とDNAとの相互作用が抗GHR抗体に特異的であることを確かめるために、GHRに対する他の抗体を試験した。2つの異なるウサギポリクローナル抗体(1つは細胞外部分に対するものであり、もう1つはGHRの細胞内部分に対するものである)で実験を繰り返した。これらの抗体の両方が、用いた最初の抗体(GHRの細胞外部分に対するマウスモノクローナル抗体である)と同じく、タンパク質とDNAとの相互作用を増強することを示した。抗体のうちDNAプローブ自体と相互作用するものはなかった。観察される増強したタンパク質とDNAとの相互作用が抗GHR抗体に特異的なものであり、任意の抗体で引き起こされないことを確かめるために、抗PKC抗体を用いて同じ実験を行った。抗PKCはタンパク質とDNAとの相互作用を増強しなかった。
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図1Aは、抗GHR抗体およびOCT1 DNAプローブ(配列番号:3および4)とインキュベーションされた、成長ホルモン受容体(GHR)でトランスフェクションされたWRL−98細胞およびトランスフェクションされていないWRL−98細胞由来の核抽出物における、電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)の結果を表す。図1Bは、抗GHR抗体およびAP2 DNAプローブ(配列番号:5および6)とインキュベーションされた、GHRでトランスフェクションされたWRL−98細胞およびトランスフェクションされていないWRL−98細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。図1Cは、抗GHR抗体およびAP2 DNAプローブ(配列番号:5および6)とインキュベーションされたラットの肝細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。 図1Dは、抗GHR抗体およびPr2F DNAプローブ(配列番号:9および10)とインキュベーションされた、GHRでトランスフェクションされたWRL−98細胞およびトランスフェクションされていないWRL−98細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。図1Eは、Pr2F DNAプローブ(配列番号:9および10)とインキュベーションされた、プロラクチン受容体でトランスフェクションされたWRL−98細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。 図1Fは、抗GHR抗体および成長ホルモン応答エレメントDNAプローブ(配列番号:1および2)とインキュベーションされた、WRL−98細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。図1Gは、抗GHR抗体および成長ホルモン応答エレメントDNAプローブ(配列番号:1および2)とインキュベーションされた、GHRでトランスフェクションされたWRL−98細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。図1Hは、抗GHR抗体および成長ホルモン応答エレメントDNAプローブ(配列番号:1および2)とインキュベーションされた、HXラットの肝細胞由来の核抽出物における、EMSAの結果を表す。 図2Aは、ポンソー(Ponceau)染色により視覚化されたフィルター上の総タンパク質を表す。図2Bは、抗GHR抗体でのウエスタンブロットを表す。図2Cは、GHRがシフトしたバンド中に存在することを示すEMSAゲルを表す。 図3Aは、1次抗体としてウサギ抗GHR抗体を用い、HRPと結合したブタ抗ウサギ2次抗体により視覚化された、GHRでトランスフェクションされたWRL−68細胞由来の核抽出物のウエスタンブロットを表す。図3Bは、ブタ抗ウサギ2次抗体のみを用いた、GHRでトランスフェクションされたWRL−68細胞由来の核抽出物の対照ウエスタンブロットを表す。図3Cは、1次抗体としてウサギ抗GHR抗体を用い、HRPと結合したブタ抗ウサギ2次抗体により視覚化された、WRL−68細胞由来の核抽出物のウエスタンブロットを表す。図3Dは、1次抗体としてウサギ抗GHR抗体を用い、HRPと結合したブタ抗ウサギ2次抗体により視覚化された、HXラットの肝細胞由来の核抽出物のウエスタンブロットを表す。

Claims (30)

  1. サイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を調節する作用物質の同定方法であって、下記工程:
    細胞を候補作用物質と接触させ;次に
    該候補作用物質がサイトカインクラスI受容体と該受容体と相互作用する核因子との相互作用を調節するか否かを決定する(ただし、核因子はSTAT5以外である)、
    を含む、方法。
  2. 下記工程:
    細胞を候補作用物質と接触させ(該候補作用物質はサイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を調節する);
    該候補作用物質の存在下で、細胞におけるサイトカインクラスI受容体結合化合物の生物学的作用を測定し;次に
    該候補作用物質が細胞におけるサイトカインクラスI受容体結合化合物の生物学的作用を調節するか否かを決定する、
    を含む、請求項1記載の方法。
  3. サイトカインクラスI受容体が成長ホルモン受容体である、請求項1記載の方法。
  4. 候補作用物質が成長ホルモン受容体と核因子との相互作用を阻害する、請求項3記載の方法。
  5. 候補作用物質が成長ホルモン受容体と核因子との相互作用を刺激する、請求項3記載の方法。
  6. サイトカインクラスI受容体結合化合物が成長ホルモンであり、サイトカインクラスI受容体が成長ホルモン受容体である、請求項2記載の方法。
  7. サイトカインクラスI受容体がプロラクチン受容体である、請求項1記載の方法。
  8. 候補作用物質がプロラクチン受容体と核因子との相互作用を阻害する、請求項7記載の方法。
  9. 候補作用物質がプロラクチン受容体と核因子との相互作用を刺激する、請求項7記載の方法。
  10. サイトカインクラスI受容体結合化合物がプロラクチンであり、サイトカインクラスI受容体がプロラクチン受容体である、請求項2記載の方法。
  11. 核因子がAP2、OCT1、またはPr2Fである、請求項1記載の方法。
  12. AP2、OCT1、およびPr2Fからなる群から選択される核因子の応答エレメントを含むプロモーターと結合した受容体遺伝子の発現を測定することを含む、請求項2記載の方法。
  13. サイトカインクラスI受容体と相互作用する核因子の同定方法であって、下記工程:
    細胞をサイトカインクラスI受容体をコードする核酸でトランスフェクションし;
    核抽出物を細胞から調製し;
    該核抽出物を候補核因子と結合する標識オリゴヌクレオチドプローブとインキュベーションし;
    反応混合物をポリアクリルアミドゲルにて分離し;次に
    タンパク質とDNAの複合体に対応するバンドを検出する、
    を含む、方法。
  14. 核抽出物の調製に先立ち、細胞をサイトカインクラスI受容体結合化合物で刺激することを含む、請求項11記載の方法。
  15. サイトカインクラスI受容体結合化合物の調節異常により引き起こされる医学上の障害の処置または予防方法であって、それらの必要な対象に有効量の、サイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を調節する作用物質を投与する(ただし、核因子はSTAT5以外である)ことを含む、方法。
  16. サイトカインクラスI受容体結合化合物が成長ホルモンであり、サイトカインクラスI受容体が成長ホルモン受容体である、請求項15記載の方法。
  17. 作用物質が成長ホルモン受容体と核因子との相互作用を阻害する、請求項16記載の方法。
  18. 作用物質が成長ホルモン受容体と核因子との相互作用を刺激する、請求項16記載の方法。
  19. 医学上の障害が末端肥大症である、請求項16記載の方法。
  20. サイトカインクラスI受容体結合化合物がプロラクチンであり、サイトカインクラスI受容体がプロラクチン受容体である、請求項15記載の方法。
  21. 作用物質がプロラクチン受容体と核因子との相互作用を阻害する、請求項20記載の方法。
  22. 作用物質がプロラクチン受容体と核因子との相互作用を刺激する、請求項20記載の方法。
  23. 核因子がAP2、OCT1、またはPr2Fである、請求項15記載の方法。
  24. 細胞におけるインスリン様成長因子1(IGF−1)転写を調節する方法であって、細胞を有効量の、成長ホルモン受容体と核因子との相互作用を調節する作用物質と接触させ、それにより、細胞におけるIGF−1転写を調節することを含む方法。
  25. 作用物質が成長ホルモン受容体と核因子との相互作用を阻害し、それにより細胞におけるIGF−1転写を低減させる、請求項24記載の方法。
  26. 作用物質が成長ホルモン受容体と核因子との相互作用を刺激し、それにより細胞におけるIGF−1転写を増大させる、請求項24記載の方法。
  27. 細胞における転写を調節する方法であって、
    細胞を有効量の、サイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を調節する作用物質と接触させ、それにより、細胞におけるサイトカインクラスI受容体により誘導される転写を調節する(ただし、核因子はSTAT5以外である)ことを含む方法。
  28. 作用物質がサイトカインクラスI受容体と結合する、請求項27記載の方法。
  29. 作用物質がサイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を阻害し、それにより、細胞においてサイトカインクラスI受容体により誘導される転写を増大させる、請求項27記載の方法。
  30. 作用物質がサイトカインクラスI受容体と核因子との相互作用を刺激し、それにより、細胞においてサイトカインクラスI受容体により誘導される転写を増大させる、請求項27記載の方法。
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