JP2007526938A - 燃料組成物の高速大量処理審査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料組成物の堆積物生成傾向を決定するための高速大量処理審査方法を提供する。
【解決手段】複数の異なる組成物の液体試料の堆積物生成傾向を決定する方法を提供する。各試料は、一種もしくはそれ以上の燃料添加剤を含む燃料添加剤組成物、または一種もしくはそれ以上の燃料と一種もしくはそれ以上の燃料添加剤とを含む燃料組成物を含んでいる。その方法はコンビナトリアル・ケミストリを使用して有利に最適化することができ、それにより燃料組成物の組合せのデータベースが得られる。市場の状況が変化したり、および/または製品要求条件または顧客仕様が変わっても、所望の製品を製造するのに適した条件を中断時間無しか又は僅かで確定することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般的には燃料組成物を高速大量処理により審査する方法に関するものである。
物質合成にコンビナトリアル(組み合わせ)合成を使用することは、迅速な合成及び審査(スクリーニング)方法を使用して高分子、無機又は固体物質のライブラリを構築することを目的とした、比較的新しい研究領域である。例えば、反応器技術の進歩によって、化学者や技術者は、新規な薬品の発見を追求して別々の有機分子の大量ライブラリを迅速に作製する能力が与えられ、それによりコンビナトリアル・ケミストリと呼ばれる成長過程にある研究部門の発展に至っている。コンビナトリアル・ケミストリとは一般に、多様性のある物質または化合物の収集群(普通はライブラリとして知られている)を作製するための方法および物質、並びに所望の特性についてライブラリを評価または審査するための技術および機器を意味している。
今日、燃料産業における研究には、候補の燃料組成物を別々に製造すること、次に大量の候補組成物を用いて試験することにより候補の巨視的分析を行うことが含まれる。さらに、各候補組成物を試験するのに用いられる方法では人手による操作が要求される。これによって、試験して中心的な組成物と確定することができる組成物の数は順次、著しく減少する。
しかしながら、燃料産業における今日の研究では再配合を迅速なやり方で実行することは不可能である。このように当該分野では、燃料組成物の製造およびそのような組成物の審査のためのより効率的で経済的で組織だった方法を必要としている。例えば、内燃機関内での燃料の燃焼により燃料組成物は堆積物を生成する傾向がある。この結果、燃焼室の様々な部分やエンジンの燃料吸排気系統に堆積物の生成および堆積をもたらすことになる。これら堆積物が燃焼室に存在することによってしばしば次のような問題が生じる:(1)エンジンの作動効率の低減、(2)燃焼室とエンジン冷却系統の間の熱伝達の阻害、および(3)燃焼区画の容積の低減、これは設計よりも高いエンジン圧縮比を引き起こしうる。また、燃焼室の堆積物生成及び堆積によりエンジンのノッキングも生じうる。エンジンノッキングの時間が長くなると、例えばピストンやコネクティングロッド・ベアリング、カムロッドなどエンジン部品に応力疲労および摩耗が生じうる。
吸入弁堆積物の生成及び堆積によって弁の閉鎖が妨害され、ついには弁焼けが生じることがある。また、そのような堆積物は弁の動きや弁の締りを妨げ、エンジンの掃気効率を低下させたり設計最高出力を制限しがちである。また、排気ガス再循環(EGR)流れの一部である管やランナにも堆積物がたまることがある。これら堆積物の堆積によってEGR流れが低下しうる。このこともまた、エンジンのノッキングおよび酸化窒素排出物の増加をもたらすことになる。
従って、複数の試料候補の燃料組成物を、各試料を少量で用いて堆積物生成傾向について迅速に審査することが望まれている。このようにして、膨大な数の多様性のある組成物の高速大量処理(ハイスループット)による製造及び審査を遂行して、どの添加剤および/または組成物で堆積物生成傾向が減じたかを確定することができる。
本発明では、燃料組成物の堆積物生成傾向を決定するための高速大量処理審査方法を提供する。本発明の一態様に従って、燃料添加剤組成物試料をプログラム制御下で審査する高速大量処理方法であって、下記の工程からなる方法を提供する:
(a)複数の異なる燃料添加剤組成物試料であって、各試料が少なくとも一種の燃料添加剤を含む試料を用意する工程、(b)各試料の堆積物生成を測定して、各試料についての堆積物生成データとする工程、そして(c)工程(b)の結果を出力する工程。
本発明の第二の態様に従って、燃料組成物試料をプログラム制御下で審査する高速大量処理方法であって、下記の工程からなる方法を提供する:
(a)複数の異なる燃料組成物試料であって、各試料が(i)主要量の少なくとも一種の燃料と(ii)少量の少なくとも一種の燃料添加剤とからなる試料を用意する工程、(b)各試料の堆積物生成を測定して、各試料についての堆積物生成データとする工程、そして(c)工程(b)の結果を出力する工程。
本発明の第三の態様では、燃料添加剤組成物試料の堆積物生成傾向を決定するためのシステムであって、下記の手段を含むシステムを提供する:
(a)複数の試料受け器(試験受け器)であって、各受け器には、少なくとも一種の燃料添加剤を含む異なる燃料添加剤組成物試料が含まれている、
(b)試料受け器を、試料それぞれの堆積物生成を測定するための試験ステーションに別個に位置させる受け器移動手段、
(c)試験ステーションにて各試料の堆積物生成を測定して試料に関連した堆積物生成データを得て、そして堆積物生成データをコンピュータ制御装置に転送する手段。
本発明の第四の態様では、燃料組成物試料の堆積物生成傾向を決定するためのシステムであって、下記の手段を含むシステムを提供する:
(a)複数の試料受け器であって、各受け器には、(i)主要量の燃料と(ii)少量の少なくとも一種の燃料添加剤とからなる異なる燃料組成物試料が含まれている、
(b)試料受け器を、試料それぞれの堆積物生成を測定するための試験ステーションに別々に位置させる受け器移動手段、
(c)試験ステーションにて各試料の堆積物生成を測定して試料に関連した堆積物生成データを得て、そして堆積物生成データをコンピュータ制御装置に転送する手段。
本発明の方法およびシステムによって、有利なことには、多数の異なる組成物試料を効率的な方法で審査して、試料の堆積物生成傾向、例えばどの位の速度で堆積物が生成するか、何度の温度で堆積物が生成するか、および堆積物の重量を決定することが可能になる。
以下に、様々な態様について図面を参照しながら説明する。
本発明は、燃料添加剤組成物およびそのような燃料添加剤組成物を含む燃料組成物の堆積物生成傾向を決定するための高速大量処理審査方法に関する。「高速大量処理」なる表現は、本明細書で使用するとき、比較的多数の異なる燃料添加剤組成物または燃料組成物を迅速に製造して分析できることを意味すると理解されたい。本発明の審査方法の第一工程では、少なくとも一種の燃料添加剤を複数の試料受け器それぞれに導入し、それにより各受け器は、各受け器内で混ぜ合わせた添加剤の量百分率及び/又は種類に応じて、組成が違っている異なる燃料添加剤組成物を含んでいる。
あるいは、少なくとも一種の燃料と少なくとも一種の燃料添加剤を量を変えて複数の試料受け器それぞれに導入し、それにより各受け器は、各受け器内で燃料と混ぜ合わせた添加剤の量百分率及び/又は種類に応じて、組成が違っている異なる燃料組成物を含むことになる。
各試料の組成物に関するデータはデータライブラリに保存される。保存された組成物の各々の堆積物生成データに関係した情報を加えることにより、所望の作動条件または法定要求条件で堆積物生成試験を行ってうまくいくことが可能な候補組成物の選択が実質的に容易になる。従って、この情報をコンビナトリアル・ライブラリに保存することは、ある試験の新しい要求値に応じて多数の燃料組成物を迅速に選択することを可能にするだけではなく、例えばライブラリに載った組成物の貯蔵安定度に加えて、情報の別の断片ともなる。また、この情報によって、必要な添加剤および燃料の変更を最低原価で算定することも可能になる。操作は、プログラム制御下で有利に遂行され、例えばマイクロプロセッサ又は他のコンピュータ制御装置により自動制御される。「プログラム制御」なる表現は、本明細書で使用するとき、本発明で複数の燃料組成物を供給するのに使用される装置が、マイクロプロセッサ又は他のコンピュータ制御装置により自動化され制御されることを意味すると理解されたい。
本発明の高速大量処理審査方法に使用される燃料添加剤組成物および燃料組成物は、少なくとも一種の燃料添加剤を含有している。本発明に係る燃料添加剤及び燃料組成物に使用されるそのような添加剤は、燃料組成物を配合するのに使用される現在知られているか、もしくは後年発見される任意の添加剤であってよい。燃料添加剤としては、これらに限定されるものではないが、清浄剤、セタン価向上剤、オクタン価向上剤、排出低減剤、酸化防止剤、キャリヤ液、金属不活性化剤、鉛捕捉剤、さび止め添加剤、静菌剤、腐食防止剤、帯電防止剤、抵抗低減剤、抗乳化剤、曇り除去剤、氷結防止剤、分散剤、燃焼促進剤等、およびそれらの混合物を挙げることができる。各種の添加剤が知られていて市販もされている。種々の燃料組成物の製造にも、これらの添加剤またはその類似化合物を用いることができる。
あるいは、燃料添加剤(類)は更に不活性で安定な親油性有機溶剤を含んで、添加剤濃縮物を生成することができる。これら濃縮物は通常、不活性で安定な親油性有機溶剤を少なくとも約98質量%乃至約10質量%、好ましくは約98質量%乃至約25質量%、最も好ましくは約97質量%乃至約50質量%、および上記添加剤(類)を約2質量%乃至約90質量%、好ましくは約2乃至約75質量%、最も好ましくは約3質量%乃至約50質量%含有している。使用できる不活性で安定な親油性有機溶剤は、沸点が約150°F乃至約400°Fの範囲にある溶剤であってよい。不活性溶剤の例としては、これらに限定されるものではないが、脂肪族炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等、およびそれらの混合物を挙げることができる。上記炭化水素溶剤と組み合わせて、イソプロパノールおよびn−ブタノールなどの炭素原子3〜約8個を含む脂肪族アルコールも、燃料添加剤と一緒に使用するのに適している。
清浄剤の例としては、これらに限定されるものではないが、窒素含有清浄剤、例えば脂肪族炭化水素アミン、炭化水素置換ポリ(オキシアルキレン)アミン、炭化水素置換コハク酸イミド、マンニッヒ反応生成物、ポリアルキルフェノキシアルカノールのニトロ及びアミノ芳香族エステル、ポリアルキルフェノキシアミノアルカン、上記窒素含有化合物の後処理誘導体等、およびそれらの混合物を挙げることができる。
本発明に用いることができる有用な脂肪族炭化水素置換アミンは一般に、少なくとも1個の塩基性窒素原子を持ち、炭化水素基の数平均分子量が約700乃至約3000である直鎖又は分枝鎖炭化水素置換アミンである。好ましい脂肪族炭化水素置換アミンとしては、ポリイソブテニル及びポリイソブチルモノアミン及びポリアミンが挙げられる。本発明に用いられる脂肪族炭化水素アミンは、当該分野では知られている従来法により製造される。そのような脂肪族炭化水素アミンおよびその製造については、米国特許第3438757号、第3565804号、第3574576号、第3848056号、第3960515号、第4832702号及び第6203584号明細書に詳しく記載されていて、それらの各々の内容も参照内容として本明細書の記載とする。
使用できる炭化水素置換ポリ(オキシアルキレン)アミン(ポリエーテルアミンとも呼ばれる)は一般に、炭化水素基が炭素原子1〜約30個を含み、オキシアルキレン単位の数が約5乃至約100の範囲にあり、かつアミン部がアンモニア、第一級アルキル又は第二級ジアルキルモノアミンまたは末端アミノ窒素原子を持つポリアミンから誘導された、炭化水素ポリ(オキシアルキレン)モノアミン及びポリアミンなどの炭化水素置換ポリ(オキシアルキレン)アミンである。オキシアルキレン部は、オキシプロピレンまたはオキシブチレンまたはそれらの混合物であることが好ましい。そのような炭化水素置換ポリ(オキシアルキレン)アミンについては、例えば米国特許第5112364号及び第6217624号明細書に記載されていて、その内容も参照として本明細書の記載とする。炭化水素置換ポリ(オキシアルキレン)モノアミンの好ましい種類は、ポリ(オキシアルキレン)部がオキシプロピレン単位またはオキシブチレン単位またはオキシプロピレン単位とオキシブチレン単位の混合物を含んでいる、アルキルフェニルポリ(オキシアルキレン)モノアミンである。
炭化水素置換ポリ(オキシアルキレン)アミンの別の種類は、例えば米国特許第4160648号、第4191537号、第4197409号、第4233168号、第4236020号、第4243798号、第4270930号、第4288612号及び第4881945号明細書に開示されているような炭化水素置換ポリ(オキシアルキレン)アミノカルバメートであり、それらの各々の内容も参照内容として本明細書の記載とする。これら炭化水素ポリ(オキシアルキレン)アミノカルバメートは、少なくとも1個の塩基性窒素原子を含み、そして平均分子量が約500乃至約10000、好ましくは約500乃至約5000、より好ましくは約1000乃至約3000である。好ましいアミノカルバメートは、アミン部がエチレンジアミンまたはジエチレントリアミンから誘導されたアルキルフェニルポリ(オキシブチレン)アミノカルバメートである。
使用できる炭化水素置換コハク酸イミドは一般に、ポリアルキル又はポリアルケニル基の平均分子量が約500乃至約5000、好ましくは約700乃至約3000である、ポリアルキル及びポリアルケニルコハク酸イミドなどの炭化水素置換コハク酸イミドである。炭化水素置換コハク酸イミドは一般に、炭化水素置換コハク酸無水物を、アミン窒素原子に結合した少なくとも1個の反応性水素を持つアミン又はポリアミンと反応させることにより製造される。好ましい炭化水素置換コハク酸イミドとしては、ポリイソブテニル及びポリイソブタニルコハク酸イミド、およびそれらの誘導体が挙げられる。炭化水素置換コハク酸イミドの例は、例えば米国特許第5393309号、第5588973号、第5620486号、第5916825号、第5954843号、第5993497号及び第6114542号明細書および英国特許第1486144号明細書に記載されていて、それらの各々の内容も参照内容として本明細書の記載とする。
使用できるマンニッヒ反応生成物は一般に、高分子量アルキル置換ヒドロキシ芳香族化合物と、少なくとも1個の反応性水素を含むアミンと、アルデヒドとのマンニッヒ縮合により得られる。高分子量アルキル置換ヒドロキシ芳香族化合物は、ポリアルキル基の平均分子量が約600乃至約3000である、ポリプロピルフェノールおよびポリブチルフェノールなどのポリアルキルフェノールであることが好ましい。アミン反応体は、一般にはアルキレンポリアミンなどのポリアミンであり、特にはエチレン又はポリエチレンポリアミン、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラアミン等である。アルデヒド反応体は、一般には脂肪族アルデヒドであり、例えばパラホルムアルデヒドおよびホルマリンを含むホルムアルデヒド、およびアセトアルデヒドである。好ましいマンニッヒ反応生成物は、ポリイソブチル基の平均分子量が約1000であるポリイソブチルフェノールを、ホルムアルデヒドとジエチレントリアミンで縮合させることにより得られる。マンニッヒ反応生成物の例は、例えば米国特許第4231759号及び第5697988号明細書に記載されていて、それらの各々の内容も参照内容として本明細書の記載とする。
上記添加剤のそれ以上の例は、例えば米国特許第6203584号、第6616776号、第6651604号及び第6652667号明細書に記載されていて、それらの各々の内容も参照内容として本明細書の記載とする。
酸化防止剤の例としては、これらに限定されるものではないが、アミン型のもの、例えばジフェニルアミン、フェニル−アルファ−ナフチル−アミン、N,N−ジ(アルキルフェニル)アミン;およびアルキル化フェニレン−ジアミン;フェノール型のもの、例えばBHT、立体障害のあるヒンダードアルキルフェノール、具体的には2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、および2,6−ジ−t−ブチル−4−(2−オクチル−3−プロパノイック)フェノール等、およびそれらの混合物を挙げることができる。
さび止め添加剤の例としては、これらに限定されるものではないが、非イオン性ポリオキシアルキレン添加剤、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、およびポリエチレングリコールモノオレエート;ステアリン酸および他の脂肪酸;ジカルボン酸;脂肪酸アミン塩;多価アルコールの部分カルボン酸エステル;(短鎖)アルケニルコハク酸;それらの部分エステルおよびそれらの窒素含有誘導体等;およびそれらの混合物を挙げることができる。
摩擦緩和剤の例としては、これらに限定されるものではないが、アルコキシル化脂肪アミン;ホウ酸化脂肪エポキシド;脂肪亜リン酸エステル、脂肪エポキシド、脂肪アミン、ホウ酸化アルコキシル化脂肪アミン、脂肪酸の金属塩、脂肪酸アミド、グリセロールエステル、ホウ酸化グリセロールエステル;および米国特許第6372696号明細書に開示されている脂肪イミダゾリン(その内容も参照として本明細書の記載とする);C4−C75、好ましくはC6−C24、最も好ましくはC6−C20の脂肪酸エステルと、アンモニアおよびアルカノールアミン、例えば米国特許第4729769号及び米国特許出願第10/402170号(2003年3月28日出願)の明細書に開示されているもの(その内容も参照内容として本明細書の記載とする)からなる群より選ばれた窒素含有化合物との反応生成物から得られた摩擦緩和剤等、およびそれらの混合物を挙げることできる。
消泡剤の例としては、これらに限定されるものではないが、アルキルメタクリレートの重合体;ジメチルシリコーンの重合体等、およびそれらの混合物を挙げることができる。
分散剤の例としては、これらに限定されるものではないが、ポリアルキレンコハク酸無水物;ポリアルキレンコハク酸無水物の非窒素含有誘導体;コハク酸イミド、カルボン酸アミド、炭化水素モノアミン、炭化水素ポリアミン、マンニッヒ塩基、アミン、アミド、イミン、イミド、ヒドロキシルおよびカルボキシル等を含む一以上の追加極性官能基を持つカルボン酸エステルを含む共重合体等、例えば長鎖アルキルアクリレート又はメタクリレートと上記官能基を持つ単量体との共重合により製造された生成物;およびそれらの混合物を挙げることができる。これらの分散剤の誘導体も使用することができる。好ましくは分散剤は、ポリアルキレンコハク酸無水物をポリアルキレンポリアミンでアミノ化することにより誘導されたポリアルキレンコハク酸イミドである。
本発明の高速大量処理審査方法に使用される燃料組成物は、少なくとも一種の燃料を主要量で、例えば組成物の全質量に基づき50質量%以上、好ましくは約70質量%以上、より好ましくは約80乃至約99.9質量%、そして最も好ましくは約90乃至約99.5質量%の量で、それと共に前記燃料添加剤のうちの少なくとも一種を少量で含有している。本発明に使用される燃料は、任意のあらゆるそのような用途およびエンジンに、例えばポート燃料噴射式火花点火(PFISI)エンジン、直接噴射式火花点火(DISI)エンジンなど各種の二ストローク及び四ストローク内燃機関、ディーゼル、船舶用、天然ガス及び水素燃料エンジンに燃料組成物を配合するのに使用される、現在知られているか、もしくは後年発見される如何なる燃料であってもよい。よって、本発明に使用される燃料は、これらに限定されるものではないが、例えばアルコール、エーテルまたはそれらの混合物など他の成分も含んでいてもよい、ガソリンまたはディーゼル燃料などの内燃機関用燃料;灯油;ジェット燃料;船舶用バンカー燃料、メタンなどの天然ガス;家庭暖房用燃料等、およびそれらの混合物を挙げることができる。
例えば、燃料がディーゼル燃料である場合には、そのような燃料の沸点は一般に約212°Fより上である。ディーゼル燃料は、大気蒸留物または減圧蒸留物、もしくは直留蒸留物と熱及び/又は接触分解蒸留物との任意の割合のブレンドから構成することができる。好ましいディーゼル燃料はセタン価が少なくとも約40であり、好ましくは約45より高く、より好ましくは約50より高い。ディーゼル燃料は、何等かのセタン価向上剤を添加するまでもなくそのようなセタン価を有することが可能である。セタン価向上剤の添加により燃料のセタン価を高くすることができる。
また、燃料がガソリンである場合には、直鎖ナフサ、重合ガソリン、天然ガソリン、接触分解又は熱分解炭化水素、接触改質原料油等から誘導することができる。ガソリン燃料は、沸点が一般に約80°F乃至約450°Fの範囲にあり、例えば直鎖又は分枝鎖パラフィン、シクロパラフィン、オレフィン、芳香族炭化水素およびこれらの任意の混合物を含みうることを、当該分野の熟練者であれば理解できよう。
所望により、後述するように少なくとも一種の燃料添加剤または少なくとも一種の燃料と少なくとも一種の燃料添加剤を分配して本発明に係る組成物とする前に、組成物(すなわち配合物)に使用することが提案された化合物の分子モデリングを行って、どの化合物が可能性のある中心的な候補組成物となるかを判断することが有利であると言える。例えば、化合物の遷移状態、結合の長さ、結合角、双極子モーメント、疎水性等のような因子を含む計算を実施することができる。これは、例えばアクセルリス(Accelrys)社(カリフォルニア州サンディエゴ)製のクアンタム・メカニックス(Quantum Mechanics)のような公知のソフトウェアを使用して実施することができる。
上記の実験プログラム(群)の入力に基づいて最初の化合物テスト・ライブラリを設計するのに、テスト・ライブラリの設計用ソフトウェアを使用することができる。このソフトウェアを使用して、所望の実験空間を包含し統計実験設計法を利用するテスト・ライブラリを効率的に設計することができる。次に、別のソフトウェアを使用して実験のデータを解析し、そしてそのデータを化合物の構造および/または化合物処理条件および/または反応条件と相関させることができる。そのような相関関係はしばしば、アクセルリス社(カリフォルニア州サンディエゴ)製のQSARソフトウェア(定量的構造活性相関)と呼ばれている。次に、ソフトウェアによりそのようなQSARプログラムを使用して、それ以後の化合物テスト・ライブラリを更なる審査に向けて設計することができる。
そのようなQSARプログラムの使用によって審査の効率を高めることができる。より多くのデータが集まるにつれて、これらQSARプログラムは化合物ライブラリを発展させる効率がもっと良くなり、所望の化合物を見つける確率も高まる。例えば、後述するように解析した化合物を種々の燃料組成物に配合することができ、その後、例えば回帰及び解析技術により、アクセルリス社(カリフォルニア州サンディエゴ)製のC2−QSARなど公知のソフトウェアを使用して更に解析することができる。このように、分子モデリングから得られたデータの確認を遂行することができ、次いでこのデータもデータ収集装置に保存することができる。このようにして、当該分野の熟練者が考えた新規な化合物を、化合物の実際の合成に先立ってQSARソフトウェアで調べてその活性度を予測することができる。さらに、そのようなソフトウェアツールを利用して、合成を考えている可能な化合物の一覧表に当該分野の熟練者が成功する確率が高い順に優先順位を付けることが可能となる。
ここで図1に言及すると、複数の試料受け器それぞれに入った前記組成物を供給するためのシステムの例を、システム100として概括的に図示している。複数の試料受け器それぞれに入った前記組成物を供給するこのようなシステムと方法の代表的なものとしては、同時係属出願中の米国特許出願第10/699510号明細書(ウォレンベルグ、外、2003年10月31日出願、題名「コンビナトリアル・ライブラリのための潤滑油組成物の高速大量処理製造」、本出願と共通の譲受人を有する)に開示されているものがあり、その内容も参照内容として本明細書の記載とする。本発明がこのシステムに限定されないこと、そして複数の試料受け器それぞれに入った前記組成物を供給するための他のシステムも考えられることを理解されたい。
一般に容器110は、前記燃料Bの供給物を含んでいる。容器120は、添加剤Aの供給物を含んでいて、燃料の性状を改良するのに有用な前記添加剤のうちのいずれかであってよい。当該分野の熟練者であれば容易に理解できるように、一種以上の燃料および/または一種以上の添加剤をそれぞれ分配するときは、一個以上の容器110および容器120を使用することができる。例えば、燃料添加剤組成物を審査する場合には、容器110を稼働させないで1個以上の容器120を使用することができる。
管路111は、燃料Bをノズル部分113まで導く導管であり、後述するようにノズル部分から選択した試料溜め(試験溜め)に分配することができる。分配する燃料の量は計量ポンプ112で定量するが、コンピュータで制御することができる。
管路121は、燃料添加剤Aをノズル部分123まで導く導管であり、後述するようにノズル部分から選択した試料溜めに分配することができる。分配する燃料添加剤の量は計量ポンプ122で定量するが、これもコンピュータで制御することができる。予め選択したプロトコルに従って予め決めた量の物質を自動的に計量するためのコンピュータプログラムとシステムが当該分野では知られているが、本発明でも使用することができる。
ノズル113及び123は極めて接近していることが好ましく、それにより燃料Bと添加剤Aを同時に試料溜めに分配することができる。あるいは、燃料Bと添加剤Aを順次試料溜めに添加することもできる。ノズル113及び123は、多チャンネルピペットまたは一個以上の注射針から構成することができる。
容器110及び120は加圧することができる。任意に、二個以上の容器を用いることができる。本発明に使用するのに適した計量ポンプも知られていて市販もされている。粘性の高い燃料または添加剤を使用する場合には、容器110及び120および/または管路111及び121、計量ポンプ112及び122、および/またはノズル113及び123を加熱して液流の通過を容易にすることができる。
試験フレーム130は、分配した燃料と添加剤を受け入れる複数のくぼみ132を有する透明な材料(例えば、ガラス)でできたブロック131を包含している。くぼみは試料溜めになり、各溜めには予め決めた異なる組成の燃料添加剤組成物または燃料組成物が入る、すなわち、各組成物の燃料及び/又は添加剤の百分率及び/又は種類が溜め毎に互いに違うことになる。任意に溜めは、ブロックに設けられたくぼみの代わりにラックに取り付けられた別個の受け器(例えば、試験管)であってもよい。試料受け器は透明なガラス管から構成されることが好ましい。図1には5個の溜め、すなわちくぼみ132a、132b、132c、132d、132eが図示されているが、本発明には任意の個数の溜めを用いることができる。例えば、要求次第でシステムは20個、50個、100個又はそれ以上の試料受け器と試料を用いることができる。
個々の溜めは、比較的少量の燃料又は添加剤試料を保持するように作られている。各溜めの試料サイズは、一般には約50mL以下であってよく、好ましくは約20mL以下、好ましくは約15mL以下、より好ましくは約10mL以下、そして更に好ましくは約5mL以下である。
試験フレーム130および分配ノズル113及び123は、互いに相対的に移動できる。装置操作者による手動での装置移動も本発明の範囲に含まれるが、プログラム可能な移動を伴うロボット機構が好ましい。ある態様では試験フレーム130は、選択したくぼみが分配ノズル113及び123の下に順次位置するように、横及び/又は縦方向に移動できる滑り移動可能なキャリジに取り付けられている。別の態様では、ノズル113及び123および任意に容器110及び120が横及び/又は縦に滑り移動できて、ノズル113及び123の位置決めを遂行する。
試験の操作では、容器110及び120をそれぞれ選択した燃料および添加剤(類)で満たす。システム100の装置が、分配ノズル113及び123がくぼみ132aの上部一直線上に位置するように移動する。計量した量の燃料Bと計量した量の添加剤Aが同時にくぼみ132aに分配される。その後、分配ノズル113及び123は次のくぼみ132bの一直線上に再び位置して、そして予め決めた変動計画に従ってくぼみ132bの燃料組成物がくぼみ132aの燃料組成物とは燃料および/または添加剤の組成百分率が異なるように、添加剤Aおよび/または燃料Bの計量する量が変わる。ノズル113及び123が順次、連続したくぼみ132c、132d及び132eの一直線上にあるようにしながらこのパターンが繰り返されて、各くぼみには予め決めた組成の燃料が含まれることになる。
成分AとBは、混合することにより、例えばフレーム131の撹拌、静的混合、溜めの内容物個々の撹拌(機械的または磁気的撹拌)により、および/または溜めに窒素などのガスを吹き込むことにより、溜め内で混ぜ合わせることが好ましい。任意に、燃料Bと添加剤(類)Aを溜めそれぞれに分配する前に混ぜ合わせることもできる。例えば、混合室を有する単一の分配ノズルを使用することができ、燃料Bと添加剤(類)Aは計量されて混合室に入ったのちノズルより溜めに分配される。
一旦燃料組成物を含む複数の受け器が供給されたら、次に複数の液体試料を堆積物生成傾向について分析することができる。ここで図2に言及すると、複数の液体試料の堆積物生成を順次分析するためのシステムを概略的に図示している。試料は、上述したもののような少なくとも一種の燃料添加剤を含む燃料添加剤組成物、もしくは一種以上の燃料と一種以上の燃料添加剤を含む燃料組成物を含有することができる。
整列した試料受け器212がホルダ215に取り付けられているシステム200を概略的に図示している。システム200は、任意の数の試料受け器212(と試料)を収納できるように作られている。各試料は、例えばホルダ215内に規則正しく整列したその試料受け器の位置によって、より好ましくは試料に関連した識別の印を有することにより識別できる。例えば、各試料受け器212は、その外側表面に付けられた識別バーコード213を有することができる。バーコード読取装置225は、試料受け器212それぞれの個々のバーコードを読み取って、バーコードデータ信号をデータ送信回線226を介してコンピュータ制御装置230に送信することができるように位置して、試料を電子的に識別する。バーコード読取装置225は、選択した個々の試料受け器212と一直線上に位置できるように、コンピュータ制御装置230からの信号に応答してホルダ215に対して移動できることが好ましい。
ロボット装置250は、把握機構252を備えた可動アーム251を包含している。ロボット装置は、コンピュータ制御装置230からの選択命令に従って個々の試料受け器212をしっかり掴んで、試料受け器を試験ステーション220の位置に移動させるように作られていて、それにより受け器内の試料の堆積物生成データを測定することができる。コンピュータ制御装置230は、制御信号送信回線231を介してロボット装置の制御に操作的に関与して、予め測定の決まった試料受け器を選択的に取り出したのちホルダ215の定められた位置それぞれに再び配置するようにする。
試験ステーション220は、試料の堆積物生成を試験する手段を包含している。試験の堆積物生成データ結果は、電気又は光信号に変換され、信号送信回線223を介してコンピュータ制御装置230に送信される。堆積物生成を試験する種々の手段が知られているが、一般的には、試料を堆積物生成環境に置いて予め決めた期間にわたって試料の堆積物生成を測定することが含まれる。
例えば本発明の一堆積物生成試験法では、熱重量分析法(TGA)を利用する。一般に熱重量分析法は、燃料添加剤が燃焼室堆積物のような燃料堆積物を増加させるか否かを判断するために、添加剤の熱分解速度を分析する技術である。この方法では、少なくとも一種の燃料添加剤を含む試料を適当な容器に入れ、予め決めた流速、例えば毎分約30乃至約100立方センチメートルの気流中で、任意の従来熱源を使用して予め決めた温度、例えば約100℃乃至約450℃に加熱し、そして予め決めた時間、例えば約2分乃至約1時間経過後にその揮発度を測定する。つまり、試料を約200℃などの予め決めた温度に加熱し、この温度で約30分などの予め決めた時間維持し、次いで更に約300℃などの予め決めた第二温度に加熱し、そこで約30分などの予め決めた追加時間維持する。開始時、第一加熱時間経過後および最終加熱時間経過後に、試料の重量を記録する。開始時から予め決めた第一温度までの重量の差、次に予め決めた第一温度から予め決めた第二温度までの重量の差を記録し、そして損失パーセント、すなわち揮発度を計算する。(予め決めた第二温度における最終重量は残留物ともみなせる。)次いで、燃料添加剤の重量損失パーセントを記録する。
本発明に使用される別の試験法では、基板、例えばアルミニウムなどの金属基板を試験ステーションに位置させて、予め決めた温度、例えば約80℃乃至約250℃、好ましくは約125℃乃至約175℃の範囲の温度に加熱する。基板を例えば約45乃至90度で傾斜して保持するように配置して、堆積物生成を測定することが好ましい。次に、燃料添加剤を含まない燃料組成物の試料を、燃料堆積物が生成するのに充分な時間、例えば約1時間乃至約48時間の範囲の時間をかけて基板と接触させる。予め決めた時間が経過した後に、燃料堆積物があるならば、堆積物を含む基板を計量してそのデータを記録する。次いで、清浄剤など少なくとも一種の添加剤を含む燃料組成物の試料を、予め決めた時間、例えば約1時間乃至約48時間の範囲の時間をかけて堆積物を含む基板と接触させる。次に、基板をペンタンなどの適当な溶媒ですすいだ後、基板を計量する。次に、燃料添加剤(類)を含まない燃料組成物と接触させた後の堆積物を含む基板の重量と、少なくとも一種の燃料添加剤を含む燃料組成物と接触させた後の基板の重量とを比較することにより、予め存在した何等かの燃料堆積物を取り除くことに対する少なくとも一種の添加剤を含む燃料組成物の有効性を決定することができる。次に、そのデータをデータベースに記録する。
所望により、「合格/不合格」決定のためにコンピュータ制御装置に堆積物生成の指定値をプログラムしておく。合格/不合格指定値は、特定の燃料用途に対する性能要求条件および予測される作動環境に基づいて選択することができる。試験試料が過度に高い堆積物生成値を示すことで不合格であるなら、試験試料に電子的に印を付けることができ、そしてその試料と同じ組成を有する燃料配合物の以後の試験を、他の性能特性についてのそれ以上の試験から除外することができる。不合格試料を再試験しないことでシステムを更に効率良く稼働させて、所望の製品仕様を満たすと予測される試料だけにエネルギーと時間を費やすことができる。
所望により、本発明の方法の結果を遠隔地、すなわち本発明の方法を実施するシステムと直接の接触がない、あるいは少なくとも目に見える接触がない場所から監視することができる。遠隔地は、例えば本発明に使用されるシステム全体の一部として、システムを監視し制御すると共に実施した試験の結果の各々の出力を記録する中央プロセス制御システム又は室であってよい。このようにして、システムの場所に配置された職員とあまり相互接触がなくても監視することが可能になる。制御コマンドのみならず出力した結果も送信できる好適なデータ回線も知られている。
上述した組成物の各々に関する堆積物生成データを関係データベースに保存して、コンビナトリアル燃料組成物ライブラリとすることができる。あるいは、システム操作及び制御用のコンピュータ・マイクロプロセッサを含む信号データ収集装置にシステムを電気的に接続して、長期間に渡って種々の試験のデータを収集し、コンビナトリアル燃料組成物ライブラリにコンパイルしてもよい。データベースは、所望される製品の動向に最適な組合せを見つけるのに使用することができ、特に所望される製品の動向が市場要因によって変わる場合に役立つと言える。製品要求条件が変更になったときに、適切な組合せを選択して所望の製品を製造することができる。
燃料組成物の識別点とそれから得られた堆積物生成の分析データとを相関させるのに、関係データベース・ソフトウェアを使用することができる。多数の市販の関係データベース・ソフトウェア・プログラムが、例えばオラクル(Oracle)、トリポス(Tripos)、MDL、オックスフォード・モレキュラー(Oxford Molecular)(「ケミカル・デザイン」)、IDBS(「アクティビティ・ベース」)、および他のソフトウェア業者から入手できる。
関係データベース・ソフトウェアは、上述した方法の過程で得られたデータを管理するための好ましいタイプのソフトウェアである。しかし、上述した添加剤および組成物の各々の「メモリマップ」を作製して、その情報を堆積物生成測定値から得られた情報と相関させることができる任意のソフトウェアを使用することができる。このタイプのソフトウェアも当該分野の熟練者にはよく知られている。
以上の記述には数多くの詳細事項が含まれているが、これら詳細事項は、本発明を限定するものとみなすべきではなく、単に本発明の好ましい態様の例示とみなすべきである。例えば、上述したもの以外の堆積物生成傾向試験を使用して、複数の異なる試験試料の堆積物生成データを与えることができる。当該分野の熟練者であれば、添付した特許請求の範囲で規定したように本発明の範囲および真意内でその他多数の態様を考えつくであろう。
複数の異なる燃料組成物を製造するためのシステムを示す概略図である。 複数の燃料組成物の試料の堆積物生成傾向を測定するためのシステムを示す概略図である。
符号の説明
100 システム
110 基油の容器
111 管路
112 計量ポンプ
113 ノズル(部分)
120 添加剤の容器
121 管路
122 計量ポンプ
123 ノズル(部分)
130 試験フレーム
131 フレーム
132 くぼみ
200 システム
212 試料受け器
213 識別バーコード
215 ホルダ
220 試験ステーション
223 信号送信回線
225 バーコード読取装置
226 データ送信回線
230 コンピュータ制御装置
231 制御信号送信回線
250 ロボット装置
251 可動アーム
252 把握機構

Claims (61)

  1. 燃料添加剤組成物試料をプログラム制御下で審査する高速大量処理方法であって、下記の工程からなる方法:
    (a)複数の異なる燃料添加剤組成物試料であって、各試料が少なくとも一種の燃料添加剤を含む試料を用意する工程、
    (b)各試料の堆積物生成を測定して、各試料についての堆積物生成データとする工程、そして
    (c)工程(b)の結果を出力する工程。
  2. 少なくとも一種の燃料添加剤が、清浄剤、セタン価向上剤、オクタン価向上剤、排出低減剤、酸化防止剤、キャリヤ液、金属不活性化剤、鉛捕捉剤、さび止め添加剤、静菌剤、腐食防止剤、帯電防止剤、抵抗低減剤、抗乳化剤、曇り除去剤、氷結防止剤、分散剤、燃焼促進剤等およびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも一種の燃料添加剤が清浄剤である請求項1に記載の方法。
  4. 清浄剤が、脂肪族炭化水素アミン、炭化水素置換ポリ(オキシアルキレン)アミン、炭化水素置換コハク酸イミド、マンニッヒ反応生成物、ポリアルキルフェノキシアルカノールのニトロ及びアミノ芳香族エステル、ポリアルキルフェノキシアミノアルカンおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項3に記載の方法。
  5. 各試料の堆積物生成を測定する工程が、試料を予め決めた温度に加熱し、そして予め決めた時間経過後に試料の重量損失を測定することからなる請求項1に記載の方法。
  6. 予め決めた温度が約100℃乃至約450℃であり、そして予め決めた時間が約2分乃至約1時間である請求項5に記載の方法。
  7. 試料の重量損失を熱重量分析法により測定する請求項5に記載の方法。
  8. 試料を加熱する工程を空気の存在下で行う請求項5に記載の方法。
  9. 各試料の堆積物生成を測定する工程が、試料を予め決めた第一温度に加熱し、そして予め決めた第一の時間経過後に試料の重量損失を測定し、次に試料を予め決めた第二温度に加熱し、そして予め決めた第二の時間経過後に試料の重量損失を測定することからなる請求項1に記載の方法。
  10. 予め決めた第二温度が予め決めた第一温度よりも高い請求項1に記載の方法。
  11. 燃料添加剤組成物が更に不活性溶剤を含む請求項1に記載の方法。
  12. ロボット組立装置が、整列した試料から試料を選択的に取り出して、試料を堆積物生成を測定するための試験ステーションに別個に位置させる請求項1に記載の方法。
  13. 該ロボット組立装置をコンピュータで制御する請求項12に記載の方法。
  14. 工程(c)において、各試料についての工程(b)の結果をコンピュータに送信し、コンピュータではその結果を予め決めた値と比較して結果の不合格又は合格を定め、そしてコンピュータでは不合格試料を確定して不合格試料をそれ以上試験しないようにする請求項1に記載の方法。
  15. 出力工程が、工程(b)の結果をデータ媒体に保存することを含む請求項1に記載の方法。
  16. さらに、工程(b)の結果を更なる算定の結果を得るための基礎として使用する工程を含む請求項1に記載の方法。
  17. さらに、工程(b)の結果を遠隔地のデータ媒体に送信する工程を含む請求項1に記載の方法。
  18. 燃料組成物試料をプログラム制御下で審査する高速大量処理方法であって、下記の工程からなる方法:
    (a)複数の異なる燃料組成物試料であって、各試料が(i)主要量の少なくとも一種の燃料と(ii)少量の少なくとも一種の燃料添加剤とからなる試料を用意する工程、
    (b)各試料の堆積物生成を測定して、各試料についての堆積物生成データとする工程、そして
    (c)工程(b)の結果を出力する工程。
  19. 燃料が、内燃機関用燃料、灯油、ジェット燃料、船舶用バンカー燃料、天然ガス、家庭暖房用燃料およびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項18に記載の方法。
  20. 内燃機関用燃料が、ディーゼル燃料およびガソリンからなる群より選ばれる請求項18に記載の方法。
  21. 少なくとも一種の燃料添加剤が、清浄剤、セタン価向上剤、オクタン価向上剤、排出低減剤、酸化防止剤、キャリヤ液、金属不活性化剤、鉛捕捉剤、さび止め添加剤、静菌剤、腐食防止剤、帯電防止剤、抵抗低減剤、抗乳化剤、曇り除去剤、氷結防止剤、分散剤、燃焼促進剤等およびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項18に記載の方法。
  22. 少なくとも一種の燃料添加剤が清浄剤である請求項18に記載の方法。
  23. 清浄剤が、脂肪族炭化水素アミン、炭化水素置換ポリ(オキシアルキレン)アミン、炭化水素置換コハク酸イミド、マンニッヒ反応生成物、ポリアルキルフェノキシアルカノールのニトロ及びアミノ芳香族エステル、ポリアルキルフェノキシアミノアルカンおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項22に記載の方法。
  24. 各試料の堆積物生成を測定する工程が、基板を予め決めた温度に加熱し、基板を試料と接触させ、そして予め決めた時間経過後に基板上に生成した堆積物の量を測定することからなる請求項18に記載の方法。
  25. 基板がアルミニウムである請求項24に記載の方法。
  26. 予め決めた第一温度が約100℃乃至約400℃である請求項24に記載の方法。
  27. 基板上に生成した堆積物の量を測定する工程が、堆積物を含む基板の重量を測定し、そして測定した重量と基板の重量を比較することからなる請求項24に記載の方法。
  28. さらに、複数の異なる燃料組成物試料であって、各試料が少なくとも一種の燃料を含む試料を用意することを含み、そして各試料の堆積物生成を測定する工程が、基板を予め決めた温度に加熱し、基板を予め決めた第一の時間少なくとも一種の燃料を含む試料と接触させて基板上に生成した堆積物の量を決定し、その後に基板を、少なくとも一種の燃料と少なくとも一種の燃料添加剤を含む少なくとも一種の試料と接触させ、そして予め決めた第二の時間経過後に基板上に生成した堆積物の減量を測定することからなる請求項18に記載の方法。
  29. 少なくとも一種の燃料添加剤が更に不活性溶剤を含む請求項18に記載の方法。
  30. ロボット組立装置が、整列した試料から試料を選択的に取り出して、試料を堆積物生成を測定するための試験ステーションに別個に位置させる請求項18に記載の方法。
  31. 該ロボット組立装置をコンピュータで制御する請求項30に記載の方法。
  32. 工程(c)において、各試料についての工程(b)の結果をコンピュータに送信し、コンピュータではその結果を予め決めた値と比較して結果の不合格又は合格を定め、そしてコンピュータでは不合格試料を確定して不合格試料をそれ以上試験しないようにする請求項18に記載の方法。
  33. 出力工程が、工程(b)の結果をデータ媒体に保存することを含む請求項18に記載の方法。
  34. さらに、工程(b)の結果を更なる算定の結果を得るための基礎として使用する工程を含む請求項18に記載の方法。
  35. さらに、工程(b)の結果を遠隔地のデータ媒体に送信する工程を含む請求項18に記載の方法。
  36. 燃料添加剤性能をプログラム制御下で審査するためのシステムであって、下記の手段を含むシステム:
    a)複数の試料受け器であって、各受け器には、少なくとも一種の燃料添加剤を含む異なる燃料添加剤組成物試料が含まれている、
    b)試料受け器を、試料それぞれの堆積物生成を測定するための試験ステーションに別個に位置させる受け器移動手段、
    c)試験ステーションにて試料の堆積物生成を測定して試料に関連した堆積物生成データを得て、そして該堆積物生成データをコンピュータ制御装置に転送する手段。
  37. 受け器移動手段が可動キャリジから構成される請求項36に記載のシステム。
  38. 受け器移動手段が、選択した個々の受け器を把持して移動させる可動アームを有するロボット組立装置から構成される請求項36に記載のシステム。
  39. 受け器移動手段が試料受け器を撹拌する手段を含む請求項36に記載のシステム。
  40. 試料の堆積物生成を測定する手段が熱重量分析法を含む請求項36に記載のシステム。
  41. 各試料受け器の外側表面にバーコードが付けられている請求項36に記載のシステム。
  42. さらに、バーコード読取装置を含む請求項41に記載のシステム。
  43. 少なくとも一種の燃料添加剤が、清浄剤、セタン価向上剤、オクタン価向上剤、排出低減剤、酸化防止剤、キャリヤ液、金属不活性化剤、鉛捕捉剤、さび止め添加剤、静菌剤、腐食防止剤、帯電防止剤、抵抗低減剤、抗乳化剤、曇り除去剤、氷結防止剤、分散剤、燃焼促進剤等およびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項36に記載のシステム。
  44. 少なくとも一種の燃料添加剤が清浄剤である請求項36に記載のシステム。
  45. 異なる燃料添加剤組成物試料を含む各受け器が、更に少なくとも一種の燃料を含む請求項36に記載のシステム。
  46. 燃料が、内燃機関用燃料、灯油、ジェット燃料、船舶用バンカー燃料、天然ガス、家庭暖房用燃料およびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項45に記載のシステム。
  47. 内燃機関用燃料が、ディーゼル燃料およびガソリンからなる群より選ばれる請求項46に記載のシステム。
  48. 複数の異なる燃料組成物であって、各組成物が(a)主要量の少なくとも一種の燃料と(b)少なくとも一種の燃料添加剤とからなる組成物を含む、コンビナトリアル燃料組成物ライブラリ。
  49. 燃料が、内燃機関用燃料、灯油、ジェット燃料、船舶用バンカー燃料、天然ガス、家庭暖房用燃料およびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項48に記載のコンビナトリアル燃料組成物ライブラリ。
  50. 内燃機関用燃料が、ディーゼル燃料およびガソリンからなる群より選ばれる請求項49に記載のコンビナトリアル燃料組成物ライブラリ。
  51. 少なくとも一種の燃料添加剤が、清浄剤、セタン価向上剤、オクタン価向上剤、排出低減剤、酸化防止剤、キャリヤ液、金属不活性化剤、鉛捕捉剤、さび止め添加剤、静菌剤、腐食防止剤、帯電防止剤、抵抗低減剤、抗乳化剤、曇り除去剤、氷結防止剤、分散剤、燃焼促進剤等およびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項48に記載のコンビナトリアル燃料組成物ライブラリ。
  52. 少なくとも一種の燃料添加剤が清浄剤である請求項48に記載のコンビナトリアル燃料組成物ライブラリ。
  53. 清浄剤が、脂肪族炭化水素アミン、炭化水素置換ポリ(オキシアルキレン)アミン、炭化水素置換コハク酸イミド、マンニッヒ反応生成物、ポリアルキルフェノキシアルカノールのニトロ及びアミノ芳香族エステル、ポリアルキルフェノキシアミノアルカンおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項52に記載のコンビナトリアル燃料組成物ライブラリ。
  54. 下記の工程からなるコンビナトリアル燃料組成物ライブラリの作製方法:
    (a)複数の異なる燃料組成物試料であって、各試料が(i)主要量の少なくとも一種の燃料と(ii)少量の少なくとも一種の燃料添加剤とからなる試料のライブラリを供給する工程、
    (b)各試料の燃料組成物特性を測定して、各試料についての燃料組成物特性データとする工程、そして
    (c)工程(b)の結果を出力する工程。
  55. 燃料が、内燃機関用燃料、灯油、ジェット燃料、船舶用バンカー燃料、天然ガス、家庭暖房用燃料およびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項54に記載の方法。
  56. 内燃機関用燃料が、ディーゼル燃料およびガソリンからなる群より選ばれる請求項55に記載の方法。
  57. 少なくとも一種の燃料添加剤が、清浄剤、セタン価向上剤、オクタン価向上剤、排出低減剤、酸化防止剤、キャリヤ液、金属不活性化剤、鉛捕捉剤、さび止め添加剤、静菌剤、腐食防止剤、帯電防止剤、抵抗低減剤、抗乳化剤、曇り除去剤、氷結防止剤、分散剤、燃焼促進剤等およびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項54に記載の方法。
  58. 少なくとも一種の燃料添加剤が清浄剤である請求項54に記載の方法。
  59. 清浄剤が、脂肪族炭化水素アミン、炭化水素置換ポリ(オキシアルキレン)アミン、炭化水素置換コハク酸イミド、マンニッヒ反応生成物、ポリアルキルフェノキシアルカノールのニトロ及びアミノ芳香族エステル、ポリアルキルフェノキシアミノアルカンおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項58に記載の方法。
  60. (b)の測定工程が堆積物生成測定からなる請求項54に記載の方法。
  61. 複数の異なる燃料組成物であって、各組成物が(a)主要量の少なくとも一種の燃料と(b)少量の少なくとも一種の燃料添加剤とからなる組成物についての、燃料組成物堆積物生成データを含むコンビナトリアル燃料組成物ライブラリ。
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