JP2007525950A - 悪性疾患の経過を予測する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、悪性疾患の経過を予測する方法に関する。より具体的には、本発明は、癌患者における疾患の予後指標として、SERPINE2を使用する方法に関する。

Description

発明の分野
本発明は、悪性疾患の経過を予測する方法に関し、より具体的には、癌患者における疾患の予後指標としてSERPINE2を使用する方法に関する。
関連特許出願に対する相互参照
本出願は、2003年6月3日に出願され、参照として本明細書に組み入れられる米国仮特許出願第60/475,872号に対する優先権の恩典を主張するものである。
発明の背景
癌は、米国における成人の罹患率の主な原因である。The National Center for Chronic Disease Prevention and Health Promotionは、2000年に、癌が米国における第2の主要な死因であったことを述べている。Minino et al., NATIONAL VITAL STATISTICS REPORTS; 50(15):1-120(2002)を参照されたい。残念ながら、癌患者は、疾患の経過で非常に後期まで症状がないことが多い。このような後期の診断は、腫瘍が高度に侵襲性および転移性になるまで患者の治療を遅らせてしまう。次いで、治療が困難になり、低い治癒切除率および高い再発率となる。従って、無症候性癌の正確な早期予後は、治療様式を手引きするための重要なツールである。
早期の予後およびテーラーメード様式の治療を必要とする悪性疾患の例は、結腸癌および直腸癌を含む。結腸癌および直腸癌は、大腸の異なる部分に生じる悪性疾患である。多くの点で、両者は同じ疾患であると考えられ、時に「結直腸癌」(colorectal cancer:CRC)と称される。これらの2つの疾患の主な違いは、時にポリープと称される悪性腫瘍が生じる部位、および疾患の治療様式である。治療様式は、悪性腫瘍の位置によって必要とされるものが異なる。CRCは、米国における癌関連の死の第2の主因であり、男性と女性において3番目に一般的な癌である。Centers for Disease Control and Prevention., Colorectal Cancer: The Importance of Prevention and Early Detection(2003)を参照されたい。CRCによる死亡数の減少は、前癌性結腸直腸ポリープの予防検出および除去に、並びに悪性疾患および癌性ポリープの早期発見および治療に依存する。前癌性ポリープは、悪性疾患が発症する前の何年もの間持続しているかもしれず、CRCは、前癌性ポリープまたはその他の増殖を除去することによって防止されるかもしれない。
これらのポリープおよび増殖を検出するために、疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)は、CRCのための4つのスクリーニング技術を推奨する。第1に、CDCは、便試料中の微量の血液を検出するための糞便潜血反応を推奨する。第2に、CDCは、医師が視覚的に直腸の内壁および結腸のいくつかの部分を検査するために柔軟なS字結腸鏡検査試験を行うことを推奨する。第3に、CDCは、医師が視覚的に直腸および全ての結腸の内壁を検査するために結腸鏡検査試験を行うことを推奨する。最後に、直腸および結腸のX線視覚化を可能にするために、患者が二重コントラスト(double-contrast)バリウム注腸造影法試験を受けてもよい。加えて、CRCのいくつかの形態を検出するために、指での直腸試験を使用してもよいが、これは、限られた領域だけしか点検することができないので、この方法は、限られた用途しかない。CRCは、疾病経過において一般に非常に後期まで無症候性であるので、これらのスクリーニング技術は、CRCと戦うためのストラテジーにおいて重要な役割を果たしている。しかし、おそらく、これらの技術の侵襲性および費用のために、CRCスクリーニングは、その他の癌のスクリーニングよりもはるかに遅れている。
加えて、後期段階のCRCのための治療様式を標的化することは困難である。現在、CRCをもつ患者の予後は、3つの特徴に関連がある:腸壁を介した腫瘍の透過の程度、結節型の併発の有無、および遠隔転移の有無。これらの3つの特徴は、CRCのために開発された全ての病気分類システム(staging systems)の基礎を形成し、それぞれが、主治医の専門的判断に依存する。さらに、腸閉塞および腸穿孔(Steinberg et al., CANCER 57(9): 1866-70(1986)を参照されたい)、並びに癌胎児抗原の高い前処理血清レベル(Filella et al., ANN. SURG. 216(1): 55-9(1992)を参照されたい)は、ネガティブな予後の重要性を有する。治療決定は、患者の年齢よりもむしろ、疾患の段階、並びに医師および患者の選択の好みに依存する。Fitzgerald et al., DIS. COLON RECTUM. 36(2): 161-6(1993); Chiara et al., CANCER CHEMOTHER. PHARMACOL. 42(4): 336-40(1998);およびPopescu et al., J. CLIN. ONCOL. 17(8): 2412-8(1999)を参照されたい。CRCは、腸に局在化したときには治療の可能性が高く、一次治療様式は、開放性結腸切除または腹腔鏡で補助される結腸切除のいずれかを介した外科的切除である。また、補助化学療法もCRC患者に利用できるが、いくつかの疾患段階のものに対する潜在的意義は、議論の余地が残されている。化学療法および放射線療法との併用様式療法は、直腸癌を有する患者の管理において有意な役割を有するが、大腸癌を有する患者に対する補助放射線療法の役割は、あまり明示されていない。加えて、再発性または進行型の大腸癌患者のための治療様式は、疾患の位置に依存する。局所的に再発性またはいくつかの形態の転移性の疾患を有する患者については、可能であれば、外科的切除が唯一治療可能性のある治療である。切除不能の疾患患者は、全身性化学療法で治療される。手術後の疾患再発は重大な問題であり、最終的な死因であることが多い。しかし、CRCの「ハイリスク」群を定義することを試みる研究は、再発または全体の生存に関して、放射線療法を受けている群に対して何の恩典も示さなかったという患者データの解析により、早期に終えてしまった。Martenson et al., PROC. AM. Soc. CLIN. ONCOL. 18: A-904, 235a(1990)を参照されたい。
従って、個体における悪性疾患の経過を予測する方法のための強い必要度が、なおも存在する。理想的には、予後は、疾患結果と強く相関する細胞指標に基づく。
発明の概要
本発明は、個体における悪性疾患の経過を予測する方法に関する。特定の態様において、悪性疾患は、成人軟部組織癌、結腸直腸癌、肝細胞癌、または膵癌である。本発明は、治療後の悪性疾患の再発の予後または診断にも関する。
一つの態様において、本方法は、(a)患者生物試料におけるSERPINE2遺伝子産物の発現レベルを決定する工程、(b)レベルを対照レベルと比較する工程、および(c)悪性疾患の予測された経過に対して工程(b)の比較を相関させる工程を含む。対照レベルは、予め定められた標準、不死化された細胞組織培養物、初代細胞組織培養物、または同じ患者からの非悪性組織に由来してもよい。同一個体からの転移性腫瘍および原発性腫瘍におけるSERPINE2遺伝子産物レベルを比較してもよい。
本発明のもう一つの態様において、SERPINE2の示差的発現は、予後指標のバッテリーの1つとして利用される。
もう一つの局面において、本発明は、SERPINE2の示差的発現を決定するためのヌクレオチドまたはタンパク質の測定に関する。本発明のこの局面は、SERPINE2の発現の定量的または定性的な相違を決定するために有用である、ノーザン、サザン、およびウエスタンブロット;ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)並びに関連した競合的および定量的試験;並びにcDNAおよびタンパク質マイクロアレイを含む当技術分野において公知の広範囲にわたる技術を含む。本発明の別の局面は、SERPINE2の示差的発現を測定するために抗体を利用してもよい。また、本発明は、SERPINE2の示差的発現を測定するためにこれらの技術を利用するキットを提供する。
最後に、本発明はまた、SERPINE2結合パートナーを同定するための方法、および疾患の予後指標としての、またはSERPINE2の示差的発現の測定に有用であるSERPINE2結合パートナーを使用する方法を提供する。
好ましい態様の詳細な説明
以下の明細書では、上で概説した本発明の概要を述べる。本発明は、記載されている特定の方法論、プロトコル、株化細胞、動物種または属、構築物、および試薬に限定されることはなく、それ自体を変更してもよい。同様に、本明細書に使用される用語は、特定の態様だけを記載したものであり、本発明の範囲を限定することは意図しない。
他に定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術的および科学的な用語は、関連した技術の当業者に共通に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書で言及される全ての刊行物および特許は、参照として本明細書に組み入れられる。しかし、刊行物または特許に対する参照は、先行技術と認めるものを構成することはない。
I.定義
便宜のために、明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲に使用される特定の用語並びに語句の意味を以下に提供する。
単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」および「その(the)」は、文脈が明確に指示しない限り、複数の言及を含む。
「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、本明細書において互換的に使用され、任意の長さの、リボヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドのいずれかのヌクレオチドの重合体の形態をいう。従って、これらの用語は、一本鎖、二本鎖、もしくは複数鎖のDNAもしくはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA-RNAハイブリッド、またはプリン塩基およびピリミジン塩基もしくはその他の天然の、化学的にもしくは生化学的に修飾され、非天然の、または誘導体化されたヌクレオチド塩基を含む重合体を含むが、これらに限定されない。これらの用語は、イントロンの配列を含むmRNAまたはcDNAをさらに含むが、これらに限定されない。ポリヌクレオチドの骨格は、糖およびリン酸基(典型的にはRNAまたはDNAにおいて見いだされるとおり)、または修飾されたかもしくは置換された糖またはリン酸基を含むことができる。または、ポリヌクレオチドの骨格は、ホスホラミダイトなどの合成サブユニットの重合体を含むことができ、したがって、オリゴデオキシヌクレオシドホスホロアミダートまたは混合されたホスホロアミダート-リン酸ジエステルオリゴマーであることができる。ポリヌクレオチドは、メチル化されたヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体などの修飾されたヌクレオチド、ウラシル、その他の糖、並びにフルオロリボースおよびチオアートなどの連結基、並びにヌクレオチドの分枝を含んでいてもよい。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断されていてもよい。ポリヌクレオチドは、標識化成分との結合などによって、重合後にさらに修飾されてもよい。この定義に含まれる修飾のその他の型は、キャップ、類似体での天然に存在するヌクレオチドの1つもしくは複数の置換、およびタンパク質、金属イオン、標識成分、その他のポリヌクレオチド、または固体支持体にポリヌクレオチドを付着するための手段の導入である。また、「ポリヌクレオチド」という用語は、ペプチド核酸を含む。ポリヌクレオチドは、ゲノムDNA、cDNA、またはDNA-RNAハイブリッドをさらに含んでもよい。
「配列同一性」は、類似性または相補性の程度をいう。部分的な同一性または完全な同一性があってもよい。部分的に相補的な配列は、同一配列が標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズするのを少なくとも部分的に阻害するものであり;これは、機能的な「実質的に同一」という用語を使用して言及される。標的配列に対する完全に相補的な配列のハイブリダイゼーションの阻害は、低ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションアッセイ法(サザンブロットまたはノーザンブロット、溶液ハイブリダイゼーションなど)を使用して調査してもよい。実質的に同一の配列またはプローブは、低ストリンジェントな条件下での完全に同一の配列またはプローブと標的配列との結合(すなわち、ハイブリダイゼーション)に関して競合し、および阻害すると考えられる。これは、低ストリンジェントな条件により、その結果、非特異的な結合が許容されること;低ストリンジェントな条件が、2つの配列の互いの結合に特異的な(すなわち、選択的な)相互作用を必要とすることを言うわけではない。非特異的な結合が存在しないことは、部分的な程度の相補性(たとえば、約30%未満の同一性)さえも欠いた第2の標的配列を使用することによって試験してもよく;非特異的な結合の非存在下では、プローブが第2の非相補的な標的配列にハイブリダイズされないと考えられる。
2つの核酸またはポリペプチド配列に関連して、配列同一性を見るためのもう一つの方法は、指定された領域全体にわたって最大の対応となるように整列させたときに、2つの配列において同じである残基についての言及を含む。本明細書に使用される配列同一性の割合(%)は、比較ウインドウの全体にわたって2つの至適に整列させられた配列を比較することによって決定される値を意味し、比較ウインドウのポリヌクレオチド配列の一部は、2つの配列の至適な整列に関して、参照配列(これは、付加または欠失を含まない)と比較して、付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含んでいてもよい。割合(%)は、同一の核酸塩基が両方の配列に存在する位置の数を決定して、一致する位置の数を得ること、一致する位置の数を比較のウインドウ中の位置の総数で割ること、および結果に100を掛けて配列同一性の割合(%)を得ることによって算出される。
「遺伝子」とは、ポリペプチドまたは前駆体の産生のために必要な制御配列およびコード配列を含むポリヌクレオチド配列をいう。ポリペプチドは、全長コード配列によって、またはコード配列の任意の部分によってコードされうる。遺伝子は、連続的なコード配列を構成してもよく、または適切なスプライス部位が結合された1つもしくは複数のイントロンを含んでいてもよい。さらに、遺伝子は、発現産物の生物活性もしくは化学構造、発現率、または発現制御の方法に影響を及ぼすことができる、コード領域または非翻訳領域のいずれかに1つまたは複数の修飾を含んでいてもよい。このような修飾は、1つまたは複数のヌクレオチドの突然変異、挿入、欠失、および置換を含むが、これらに限定されない。この点に関して、このような修飾された遺伝子は、「天然の」遺伝子の「変異体」と称してもよい。
「発現」とは、一般に、検出可能なレベルのアミノ酸配列またはタンパク質が発現されるように、ポリヌクレオチド配列が良好な転写および翻訳を受ける過程をいう。本明細書において特定の状況では、発現は、mRNAの産生を意味する。その他の状況において、発現は、タンパク質の産生を意味する。
「示差的発現」とは、遺伝子の時間的および組織発現のパターンの両方の定量的並びに定性的な違いをいう。たとえば、示差的に発現された遺伝子は、正常に対して疾患状態において、その発現が活性化されるか、または完全に不活性化されてもよい。このような定性的に調節される遺伝子は、対照もしくは疾患状態のいずれかにおいて検出可能である所与の組織または細胞型内の発現パターンを示し得るが、両方において検出可能ではない。「示差的に発現されたポリヌクレオチド」とは、試料中の示差的に発現されたポリヌクレオチドの検出が、試料中の示差的に発現された遺伝子の存在と相関されるように示差的に発現された遺伝子を一義的に同定するポリヌクレオチド配列をいう。「示差的に発現されたタンパク質」とは、試料中の示差的に発現されたタンパク質の検出が、試料中の示差的に発現されたタンパク質の存在と相関されるように、示差的に発現されたタンパク質を一義的に同定するアミノ酸配列をいう。
「癌」、「新生物」、「腫瘍」、および「癌腫」は、本明細書において互換的に使用され、細胞増殖の制御の有意な減少によって特徴づけられる異常増殖表現型を示す細胞または組織をいう。本発明の方法および組成物は、特に前癌性の(すなわち、良性の)細胞、悪性の細胞、前転移性の細胞、転移性の細胞、および非転移性の細胞に適用される。
「細胞型」とは、所与の供与源(たとえば、組織または器官)に由来する細胞、または所与の分化状態の細胞、または所与の病態もしくは遺伝子構造と関係する細胞をいう。
「SERPINE2を発現する細胞」という語句は、検出可能なレベルのSERPINE2を発現する任意の細胞をいう。SERPINE2タンパク質は、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(qRT-PCR)、酵素結合抗体免疫吸着アッセイ法(ELISA)、放射免疫アッセイ法(RIA)、マイクロアレイ法、または免疫蛍光検査法などの方法を使用して検出してもよいが、これらに限定されない。SERPINE2タンパク質をコードするmRNAは、ノーザンブロット、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、マイクロアレイ方法、またはインサイチューハイブリダイゼーションによって検出してもよい。特定のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを検出するためのその他の方法も本明細書で論議されており、当業者に周知である。
「SERPINE2を過剰発現する、および/またはアップレギュレートする細胞」という語句は、SERPINE2タンパク質またはmRNA転写物が、対応する正常細胞でより高レベルで発現される細胞をいう。たとえば、SERPINE2を過剰発現する、および/またはアップレギュレートする細胞において、mRNAまたはタンパク質は、対応する正常細胞のものよりも、少なくとも約20%高い、少なくとも約25%高い、少なくとも約30%高い、少なくとも約35%高い、少なくとも約40%高い、少なくとも約45%高い、少なくとも約50%高い、少なくとも約55%高い、少なくとも約60%高い、少なくとも約65%高い、少なくとも約70%高い、少なくとも約75%高い、少なくとも約80%高い、少なくとも約85%高い、少なくとも約90%高い、少なくとも約95%高い、少なくとも約100%もしくはそれ以上高い、少なくとも約1.2倍高い、少なくとも約1.5倍高い、少なくとも1.75倍高い、少なくとも約2倍高い、少なくとも約5倍高い、少なくとも約10倍高い、または少なくとも約50倍もしくはそれ以上高いレベルで産生されてもよい。特定の態様において、SERPINE2を過剰発現する、および/またはアップレギュレートする細胞のSERPINE2 mRNAは、対応する正常細胞のものよりも少なくとも約1.5倍高いレベルで産生されてもよい。本発明のもう一つの態様において、SERPINE2 mRNAは、対応する正常細胞のものよりも少なくとも約1.75倍高いレベルで産生されてもよい。さらなる態様において、SERPINE2 mRNAは、対応する正常細胞のものよりも少なくとも約2.0倍高いレベルで産生されてもよい。異なる組織間または異なる細胞間で比較を行ってもよい。
本明細書において互換的に使用される「ポリペプチド」および「タンパク質」は、翻訳された、非翻訳の、化学的に修飾された、生化学的に修飾された、および誘導体化されたアミノ酸を含み得る任意の長さのアミノ酸重合体の形態を意味する。ポリペプチドまたはタンパク質は、天然に存在しても、組換えでも、もしくは合成でも、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。さらに、ポリペプチドまたはタンパク質は、天然に存在するタンパク質またはペプチドの断片を含んでいてもよい。ポリペプチドまたはタンパク質は、単一の分子であっても、または多分子複合体であってもよい。加えて、このようなポリペプチドまたはタンパク質は、修飾されたペプチド骨格を有していてもよい。本用語は、異種アミノ酸配列との融合タンパク質、異種および相同的なリーダー配列との融合物、N末端メチオニン残基の有無、免疫学的にタグを付けたタンパク質などを含む、融合タンパク質を含む。
「タンパク質の断片」は、別のタンパク質の一部であるタンパク質をいう。たとえば、タンパク質の断片は、培養細胞から単離された全長タンパク質を消化することによって得られたポリペプチドを含んでもよい。一つの態様において、タンパク質断片は、少なくとも約6アミノ酸を含む。もう一つの態様において、断片は、少なくとも約10アミノ酸を含む。さらにもう一つの態様において、タンパク質断片は、少なくとも約16アミノ酸を含む。
「発現産物」または「遺伝子産物」は、生物体内の遺伝子が転写されるか、翻訳されるか、または翻訳後に修飾される場合に産生されるタンパク質またはmRNAなどの生物分子である。
「宿主細胞」は、組換えベクターもしくはポリヌクレオチドのその他の転移のためのレシピエントとして使用可能であるか、または使用されてきた単細胞の実体として培養される微生物、原核細胞、真核細胞、もしくは株化細胞をいい、トランスフェクトされた始原細胞の子孫を含む。単細胞の子孫は、天然の、偶発的な、または作為的な突然変異により、形態において、またはゲノムもしくは総DNA補完において、必ずしも元の親と完全に同一でなくてもよい。
「SERPINE2結合パートナー」は、SERPINE2ポリペプチドまたはポリヌクレオチドと結合する分子をいう。本発明の特定の態様おいて、SERPINE2結合パートナーは、ポリペプチド、すなわち、ポリペプチドSERPINE2結合パートナーである。ポリペプチドSERPINE2結合パートナーの例は、免疫グロブリン(抗体)、およびこれらの機能的同等物、合理的な設計によって作製されたペプチドなどを含むが、これらに限定されない。もう一つの態様において、SERPINE2結合パートナーは、ポリヌクレオチド、すなわちポリヌクレオチドSERPINE2結合パートナーを含んでいてもよい。さらにもう一つの態様において、SERPINE2結合パートナーは、低分子、すなわち低分子SERPINE2結合パートナーを含んでいてもよい。
SERPINE2の関係において、「機能的同等物」という用語は、天然のSERPINE2タンパク質もしくは天然のSERPINE2をコードするポリヌクレオチドの全部または一部に実質的に類似する機能的もしくは構造的な特徴を有するタンパク質またはポリヌクレオチド分子をいう。天然のSERPINE2タンパク質の機能的同等物は、特定の構造に対するこのような修飾の必要性または特定機能の性能に応じて、修飾を含んでいてもよい。「機能的同等物」という用語は、天然のSERPINE2の「断片」、「突然変異体」、「誘導体」、「対立遺伝子」、「ハイブリッド」、「変異体」、「類似体」、または「化学誘導体」が意図される。
免疫グロブリンの関係において、「機能的同等物」という用語は、親免疫グロブリンに実質的に類似する免疫学的結合特性を示す免疫グロブリン分子をいう。「免疫学的結合特性」とは、免疫グロブリン分子と免疫グロブリンが特異的である抗原との間に生じる型の非共有結合の相互作用をいう。実際に、モノクローナル抗体免疫グロブリンの機能的同等物は、たとえばその抗原に対する親モノクローナル抗体の結合を阻害してもよい。機能的同等物は、免疫グロブリンが親免疫グロブリンの特徴を示す限り、F(ab')2断片、F(ab)分子、Fv断片、ファージ(scFv)上に可変性提示される一本鎖断片、単一ドメイン抗体、キメラ抗体などを含んでいてもよい。
「単離された」とは、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、免疫グロブリン、または宿主細胞が天然に存在する環境とは異なる環境にあるポリヌクレオチド、ポリペプチド、免疫グロブリン、または宿主細胞をいう。
「実質的に精製された」とは、その天然の環境から除去されており、かつ少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約83%、少なくとも約85%、少なくとも約88%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、または少なくとも約99.99%もしくはそれ以上、天然に付随するその他の成分を含まない化合物をいう。
「診断」および「診断すること」は、一般に、疾患または障害に対する被検者の感受性の測定、被検者が現在疾患または障害によって影響を受けるかどうかに関する判定、疾患または障害によって影響を受けた被検者の予後(たとえば、プレ転移性の、もしくは転移性の癌性状態の同定、癌の病期、または治療に対する癌の反応性)、およびセラメトリックス(therametrics)(たとえば、治療の効果または有効性に関して情報を提供するために被検者の症状をモニタリングすること)を含む。
「生物試料」は、診断またはモニタリングアッセイ法に使用し得る生物体から得られる種々の試料タイプを含む。本用語は、血液および生物学的起源のその他の液体試料、生検材料などの固体組織試料、または組織培養物もしくはこれに由来する細胞およびこれらの子孫を含む。本用語は、臨床試料を特に含み、細胞培養における細胞、細胞上清、細胞可溶化液、血清、血漿、尿、羊水、体液、および組織試料内の細胞をさらに含む。また、本用語は、獲得後に、試薬での処理、可溶化、または特定の成分の濃縮などの任意の方法で操作された試料を含む。
「個体」、「被検者」、「宿主」、および「患者」は、本明細書において互換的に使用され、診断、治療、または療法が望まれる任意の哺乳類被検者をいう。一つの好ましい態様において、個体、被検者、宿主、または患者は、ヒトである。その他の被検者は、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、霊長類、およびマウスを含んでもよいが、これらに限定されない。
「ハイブリダイゼーション」は、ポリヌクレオチド配列が塩基対形成を介して相補配列と結合する任意の過程をいう。ハイブリダイゼーション条件は、たとえばプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション溶液中の塩もしくはホルムアミドの濃度によって、またはハイブリダイゼーション温度によって定義することができ、当技術分野において周知である。ハイブリダイゼーションは、種々のストリンジェント条件下で生じさせことができる。
「生物分子」は、ポリヌクレオチドおよびポリペプチドを含む。
「生物活性」は、タンパク質またはペプチドの生物学的挙動および効果をいう。タンパク質の生物活性は、細胞レベルおよび分子レベルで影響を受け得る。たとえば、タンパク質の生物活性は、分子レベルでの変化による影響を受け得る。たとえば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、特定のmRNAの翻訳を防げ、これによりmRNAによってコードされるタンパク質の生物活性を阻害し得る。加えて、免疫グロブリンは、特定のタンパク質と結合し、そのタンパク質の生物活性を阻害し得る。
「オリゴヌクレオチド」は、たとえば約10ヌクレオチド(nt)〜約1000ntを含むポリヌクレオチド配列をいう。本発明に使用されるオリゴヌクレオチドは、長さが好ましくは約15nt〜約150nt、より好ましくは約150nt〜約1000ntである。オリゴヌクレオチドは、天然に存在するオリゴヌクレオチドまたは合成オリゴヌクレオチドであってもよい。
「修飾されたオリゴヌクレオチド」および「修飾されたポリヌクレオチド」は、全てのまたは任意の塩基、糖残基、ヌクレオシド内リン酸結合の天然の分子構造の分子レベルで1つもしくは複数の化学修飾を有するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドをいい、並びにこれらの部位に加えられた置換または修飾の組み合わせを有する分子をいう。ヌクレオシドリン酸結合は、リン酸ジエステル、リン酸トリエステル、ホスホロアミダート、シロキサン、カルボナート、カルボキシメチルエステル、アセトアミダート、カルバメート、チオエーテル、架橋されたホスホロアミダート、架橋されたメチレンホスホナート、ホスホロチオアート、メチルホスホナート、ホスホロジチオアート、架橋されたホスホロチオアート、もしくはスルホンヌクレオチド結合、または3'-3'、5'-3'、もしくは5'-5'結合、およびこのような同様の結合の組み合わせであってもよい。ホスホジエステル結合は、ホスホロチオアート、メチルアミノ、メチルホスホナート、ホスホロアミダート、およびグアニジンなどの代わりの結合で置換してもよく、ポリヌクレオチドのリボースサブユニットは、置換されてもよい(たとえば、六炭糖リン酸ジエステル;ペプチド核酸)。修飾は、オリゴヌクレオチド分子内(単一または繰り返された)または末端であってもよく、デオキシリボースおよびホスフェート修飾(これは切断するか、もしくは逆の鎖に架橋する)などのヌクレオシド内リン酸結合の分子に対する、または会合する酵素もしくはその他のタンパク質に対する付加を含んでもよい。また、「修飾されたオリゴヌクレオチド」および「修飾されたポリヌクレオチド」という用語は、糖残基(たとえば、3'置換されたリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチド単量体)に修飾を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含む(そのいずれかは、3'に対する5'結合を経て共に結合される)。
「生物分子配列」または「配列」は、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の全てまたは一部をいう。
「マイクロアレイ」という用語は、一般に、オリゴヌクレオチド(ポリヌクレオチド配列)もしくはタンパク質捕獲物質によってマイクロアレイ上に示された遺伝子またはタンパク質の型をいい、この場合、マイクロアレイ上に示される遺伝子またはタンパク質の型は、企図されたマイクロアレイの目的(たとえば、ヒト遺伝子またはタンパク質の発現をモニターするため)に依存する。所与のマイクロアレイ上のオリゴヌクレオチドまたはタンパク質捕獲物質は、同じ遺伝子もしくはタンパク質の型、カテゴリー、または群に対応していてもよい。遺伝子またはタンパク質は、これらが起源の種(たとえば、ヒト、マウス、ラット);疾病状態(たとえば、癌);機能(たとえば、プロテインキナーゼ、腫瘍抑制因子);同じ生物学的プロセス(たとえば、アポトーシス、シグナル伝達、細胞周期制御、増殖、分化)などのいくつかの共通の特徴を共有する場合は、同じ型のものであると考えてもよい。たとえば、1つのマイクロアレイ型は、各々のマイクロアレイ・オリゴヌクレオチドまたはタンパク質捕獲物質が癌と関係する遺伝子またはタンパク質に対応している「癌マイクロアレイ」であってもよい。「上皮マイクロアレイ」は、独特の上皮遺伝子またはタンパク質に対応するオリゴヌクレオチドまたはタンパク質捕獲物質のマイクロアレイであってもよい。同様に、「細胞周期マイクロアレイ」は、オリゴヌクレオチドまたはタンパク質捕獲物質が細胞周期と関係する独特の遺伝子またはタンパク質に対応するマイクロアレイの型であってもよい。
「検出可能な」という用語は、当業者に周知であるポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、逆転写酵素-(RT)PCR、ディファレンシャルディスプレイ、およびノーザン解析の標準的技術によって検出可能であるポリヌクレオチド発現パターンをいう。同様に、ポリペプチド発現パターンは、ウエスタンブロットなどの免疫アッセイ法を含む標準的技術によって「検出され」得る。
「標的遺伝子」は、多くの場合オリゴヌクレオチドプローブが特異的にハイブリダイズされるように設計された生物試料に由来するポリヌクレオチドをいう。これは、検出される標的ポリヌクレオチドの有無、または定量される標的ポリヌクレオチドの量のいずれかである。標的ポリヌクレオチドは、標的に向けられた対応するプローブのポリヌクレオチド配列に対して相補的な配列を有する。また、標的ポリヌクレオチドは、プローブが向けられるより大きなポリヌクレオチドの特異的な部分配列(subsequence)か、または発現レベルを検出することが望まれる全体配列(たとえば、遺伝子またはmRNA)をいってもよい。
「標的タンパク質」は、しばしば、タンパク質捕獲物質が特異的にハイブリダイズされるか、または結合する生物試料に由来するポリペプチドをいう。これは、検出される標的タンパク質の有無、または定量される標的タンパク質の量のいずれかである。標的タンパク質は、標的に向けられた対応するタンパク質捕獲物質によって認識される構造を有する。また、標的タンパク質またはアミノ酸は、タンパク質捕獲物質が向けられるより大きなタンパク質の特異的な下部構造(substructure)か、または発現レベルを検出することが望まれる全体の構造(たとえば、遺伝子またはmRNA)をいってもよい。
「相補的」は、プローブ分子とその標的との相互作用表面の互いの形態上の適合性または整合性をいう。標的およびそのプローブは、相補的なものとして記載することができ、さらに、接触面の特性は、互いに対して相補的である。たとえば、二本鎖DNA分子の2つの鎖間またはオリゴヌクレオチドプローブと標的との間などの、ヌクレオチドもしくは核酸間のハイブリダイゼーションまたは塩基対形成は、相補的である。
「ストリンジェントな条件」は、プローブがその標的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズされ得るが、他のいかなる配列にもハイブリダイズされ得ない条件をいう。ストリンジェントな条件は、配列依存的である(たとえば、より長い配列は、より高い温度で特異的にハイブリダイズされる)。一般に、ストリンジェントな条件は、定義されたイオン強度およびpHで特定の配列についての熱融点(Tm)より約5℃低いように選択される。Tmは(定義されたイオン強度、pH、およびポリヌクレオチド濃度下で)、標的配列に対して相補的なプローブの50%が平衡状態で標的配列にハイブリダイズされる温度である。典型的には、ストリンジェントな条件は、塩濃度が約pH 7.0〜約pH 8.3において少なくとも約0.01〜約1.0Mのナトリウムイオン濃度(またはその他の塩)であり、短いプローブ(例えば、10〜50ヌクレオチド)に関して、温度が少なくとも約30℃であると考えられる。また、ストリンジェントな条件は、ホルムアミドなどの不安定化薬の添加によって達成されてもよい。
「標識」とは、直接またはシグナル産生系の1つもしくは複数のさらなるメンバーとの相互作用を介して、検出可能なシグナルを提供することができる薬剤をいう。直接検出可能であり、かつ本発明における使用が見いだされ得る標識は、蛍光標識を含む。特異的なフルオロフォアは、フルオレセイン、ローダミン、BODIPY、シアニン色素などを含む。また、本発明は、標識として35S、32P、3Hなどの放射性同位元素の使用を想定する。また、コロイド金または着色されたガラスもしくはプラスチック(たとえば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス)ビーズなどの比色標識を利用してもよい。米国特許第4,366,241号;第4,277,437号;第4,275,149号;第3,996,345号;第3,939,350号;第3,850,752号;および第3,817,837号を参照されたい。
「オリゴヌクレオチドプローブ」は、特定の標的を認識し得るオリゴヌクレオチドをいう。状況に応じて、「オリゴヌクレオチドプローブ」という用語は、個々のオリゴヌクレオチド分子および一群のオリゴヌクレオチド分子をいう。一つの局面において、オリゴヌクレオチドプローブは、標的ポリヌクレオチド配列と実質的に同一の1つもしくは複数のポリヌクレオチド配列もしくはこれらの相補配列、または標的ポリヌクレオチド配列の一部もしくはこれらの相補配列を含む。
「タンパク質捕獲物質」は、タンパク質をそれ自体に対して結合することができる分子または多分子複合体をいう。一つの態様において、タンパク質捕獲物質は、これらの結合パートナーに実質的に特異的な様式で結合する。一つの態様において、タンパク質捕獲物質は、約10-6未満の解離定数(KD)を示してもよい。タンパク質捕獲物質は、タンパク質またはポリヌクレオチドなどの生物分子を含んでいてもよい。生物分子は、天然に存在する、組換えの、または合成の生物分子をさらに含んでいてもよい。タンパク質捕獲物質の例は、免疫グロブリン、抗原、受容体、もしくはその他のタンパク質、またはこれらの一部もしくは断片を含む。さらに、タンパク質捕獲物質は、非共有結合性相互作用を介してこれらの結合パートナーと相互作用するだけである薬剤に限定されないことが理解される。むしろ、タンパク質捕獲物質は、また、これらが結合するタンパク質に対して共有結合で付着されるようになってもよい。たとえば、タンパク質捕獲物質は、結合に続いてその結合パートナーに対して光架橋されてもよい。
「低分子」は、炭素、水素、酸素、および窒素で構成された合成か、天然に由来するか、もしくは部分的に合成されたかのいずれかの化合物または分子複合体を含み、また、その他のエレメントを含んでいてもよく、約15,000未満、約14,000未満、約13,000未満、約12,000未満、約11,000未満、約10,000未満、約9,000未満、約8,000未満、約7,000未満、約6,000未満、約5,000未満、約4,000未満、約3,000未満、約2,000未満、約1,000未満、約900未満、約800未満、約700未満、約600未満、約500未満、約400未満、約300未満、約200未満、または約100未満の分子量を有していてもよい。
「融合タンパク質」という用語は、典型的にはこれらの天然の状態において連結されないが、ペプチド結合を介してこれらのそれぞれのアミノおよびカルボキシ末端によって連結されて、単一の連続的なポリペプチドを形成する2つ以上のポリペプチドで構成されたタンパク質をいう。2つ以上のポリペプチド成分は、直接連結されるか、またはペプチド・リンカー/スペーサーを介して間接的に連結されるかのいずれかであり得ることが理解される。
「正常な生理学的条件」という用語は、生きている生物または細胞内部で典型的な条件を意味する。いくつかの器官または生物体は、極限条件を提供するが、有機体内および細胞内環境は、通常pH7周辺(すなわち、pH 6.5〜pH 7.5)で変化し、主な溶媒として水を含み、かつ0℃より高く50℃より低い温度で存在する。種々の塩濃度は、参照として使用される器官、生物体、細胞、または細胞コンパートメントに依存する。
「BLAST」は、ベイシックローカルアライメントサーチツール(Basic Local Alignment Search Tool)で、所与のクエリー配列にマッチするギャップのない部分配列を検出するための技術をいう。「BLASTP」は、アミノ酸クエリー配列をタンパク質配列データベースに対して比較するBLASTプログラムである。「BLASTX」は、ヌクレオチドクエリー配列(両方の鎖)の6フレームの概念上の翻訳産物をタンパク質配列データベースに対して比較するBLASTプログラムである。
「cds」は、コード配列をいうためにGenBank DNA配列登録において使用される。コード配列は、遺伝子をコードすることが推測されるDNA配列の部分配列である。
本明細書において理解される「コンセンサス」または「コンティグ配列」とは、特に1つまたは複数の本発明のデータベースの配列間で構築されたオーバーラップ配列の群である。
「SERPINE2」は、セリン(またはシステイン)プロテイナーゼインヒビター、クレードE、メンバー2をいう。SERPINE2は、代わりにネキシン;プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1型、メンバー2;プロテアーゼ・ネキシン1(PN1);プロテアーゼインヒビター(PI7);およびグリア由来ネキシンまたはグリア由来神経突起促進因子(GDN)としても当業者に公知である。Crisp et al., J., BIOL. CHEM. 277(49): 47285-91 (2002);Strausberg et al., PROC. NATL. ACAD. SCI. USA 99(26): 16899-903 (2002);Carter et al., GENOMICS 27(1):196-99 (1995);McGrogan et al., BIOTECH. 6: 172-177 (1998);Somer et al., BIOCHEM. 26(20) : 6407-10 (1987);Gloor et al., CELL 47(5): 687-93 (1986)を参照されたい。SERPINE2は、GenBankデータベースのlocus NM_006216、LocusLinkおよびEntrezGeneデータベースのID 5270、UniGeneデータベースのID Hs.21858、およびManデータベースのオンラインメンデリアンインヘリタンス(Mendelian Inheritance)(OMIM)のID 177010に割り当てられている。天然のSERPINE2ポリヌクレオチド、およびこれらの変異体は、以下にさらに詳細に論議してある。
「予後(prognosis)」および「予後(prognose)」という用語は、疾患の経過を予告する行為または技法をいう。さらに、本用語は、その疾患の通常の経過から予想されるか、または個々のケースの特別な特徴によって示される疾患からの生存および回復の見込みをいう。さらに、本用語は、その徴候および症状から疾患を同定する技術または行為をいう。
「指標」または「予後指標」という用語は、予後の根拠もしくは基盤として役立ち、または関連し得る任意のものをいう。これらの用語は、さらに、本明細書に記載されたとおりの遺伝子発現の試験および特徴付けの結果、並びに同様の症状を示すその他のものから疾患または症状を区別することを含む、鑑別診断の任意の根拠または基盤をいう。さらに、「指標」または「予後指標」という用語は、本明細書に記載されたとおりの遺伝子発現の試験および特徴付けの結果を含み、悪性疾患の起こりそうな経過を区別するために使用してもよい任意の根拠または基盤をいう。
II.SERPINE2ポリヌクレオチドおよびポリペプチド並びにこれらの変異体
「SERPINE2ポリヌクレオチド」という用語は、一般に天然のSERPINE2ポリペプチドもしくはこれらの断片または変異体をコードするポリヌクレオチドをいう。特定の態様において、SERPINE2ポリヌクレオチドは、天然のヒトSERPINE2またはこれらの変異体をコードしてもよい。ヒトSERPINE2のポリヌクレオチド配列は、当技術分野において公知であり、図1に記載されており、加えて図2にも記載されている。Crisp et al., J. BIOL. CHEM. 277(49): 47285-91 (2002);Strausberg et al., ;PROC. NATL. ACAD. SCI. USA 99(26): 16899-903 (2002);Carter et al., GENOMICS 27(1):196-99 (1995);McGrogan et al., BIOTECH. 6: 172-177 (1998);Somer et al., BIOCHEM. 26(20): 6407-10 (1987);Gloor et al., CELL 47(5): 687-93 (1986)を参照されたい。SERPINE2は、GenBankデータベースのlocus NM_006216、LocusLinkおよびEntrezGeneデータベースのID 5270、UniGeneデータベースのID Hs.21858、およびManデータベースのオンラインメンデリアンインヘリタンス(OMIM)のID 177010に割り当てられている。本発明のSERPINE2ポリヌクレオチドは、これらの配列によって、またはより詳しくは、これらのポリヌクレオチド配列と実質的に同一のポリヌクレオチド配列もしくはこれらの相補配列、またはこれらのポリヌクレオチド配列の一部もしくはこれらの相補配列によって表されてもよい。
配列同一性または配列類似性は、SERPINE2参照配列(コード領域の一部、隣接領域、または保存されたモチーフなどのより大きなSERPINE2配列のサブセットであってもよい)に基づいて算出してもよい。たとえば、上記のように、SERPINE2参照配列は、SERPINE2の細胞外ドメインをコードするコード領域であってもよい。または、SERPINE2参照配列は、SERPINE2の細胞内ドメインをコードするコード領域であってもよい。参照配列は、少なくとも約18個の連続するヌクレオチド長、または少なくとも約30個のヌクレオチド長であってもよく、比較される完全配列まで延長してもよい。さらに、参照配列は、SERPINE2のエピトープを共に構成するアミノ酸をコードするヌクレオチドを含んでもよい。配列解析のためのアルゴリズムは、Altschul et al., 25 NUCL. ACIDS RES. 3389-3402(1997)に記載されているギャップドBLAST(gapped BLAST)など、当技術分野において公知である。
または、配列解析はまた、GCGベストフィット(GCG Bestfit)およびギャップ・プログラム(これらは、それぞれ、ベスト局所アライメント(best local alignment)(Bestfit)または全体的アライメント(global alignment)(gap)のいずれかによって2つの配列を整列させる)に基づいてもよいが、これらに限定されない。局所アライメントは、2つの配列間の類似性の最高のセグメントの最適アライメントである。最適アライメントは、SmithおよびWatermanの局所相同性アルゴリズムを使用して、ギャップを挿入してマッチの数を最大にすることによって見いだされる。
SERPINE2ポリヌクレオチドは、本明細書に提供された配列の天然に存在する変異体、たとえば縮重変異体、対立遺伝子変異体、および一塩基多型(SNP)を含む。さらに、本発明によって想定されるSERPINE2ポリペプチドの変異形態は、突然変異体および断片をさらに含むが、これらに限定されない。突然変異体SERPINE2ポリヌクレオチド変異体は、ヌクレオチドの置換、欠失、および挿入によって生じてもよい。一般に、本明細書に記載されているSERPINE2ポリヌクレオチドの変異体は、当技術分野において周知の方法によって決定される少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約83%、少なくとも約85%、少なくとも約88%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%よりも高い配列同一性を有するか、または少なくとも約99.99%よりも高くてもよい。
SERPINE2変異体は、本発明によれば、本明細書において提供されるSERPINE2ポリヌクレオチドに類似するか、同一であるか、または実質的に同一であるものを含む。配列類似性を有するポリヌクレオチドは、低ストリンジェントな条件、たとえば50℃および10×SSC(0.9M 塩類溶液/0.09 Mクエン酸ナトリウム)で、かつ55℃で1×SSCにおける洗浄に供したときに結合したままである条件下でのハイブリダイゼーションによって検出してもよい。配列同一性および実質的配列同一性は、ストリンジェントな条件下、たとえば50℃またはそれ以上および0.1×SSCでのハイブリダイゼーションによって決定してもよい。実際に、ハイブリダイゼーション法および条件は、当技術分野において周知である。Sambrook et al., MOLECULAR CLONING: A LAB. MANUAL(2001); Ausbel et al., CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(1995)を参照されたい。
本明細書に記載されたSERPINE2ポリヌクレオチド組成物は、たとえばポリペプチドを産生するために使用してもよく、これを抗SERPINE2免疫グロブリンを得るために使用してもよい。加えて、SERPINE2ポリヌクレオチドは、下記に詳述されているとおり、生物試料中におけるSERPINE2ポリヌクレオチドまたはこれらの変異体の有無を決定するためのプローブとして使用してもよい。
III.SERPINE2ポリペプチドこれらのおよび変異体
一般に、本明細書に使用される用語「SERPINE2ポリペプチド」は、全長ポリペプチド、並びにこれらの部分または断片の両方をいう。
一つの態様において、SERPINE2ポリペプチドは、ヒトSERPINE2を含む。ヒトSERPINE2のアミノ酸配列は、図3に記載され、McGrogan et al., BIOTECH. 6: 172-177(1988); Sommer et al., BIOCHEM. 26(20): 6407-10(1987);および Gloor et al., CELL 47(5): 687-93(1986)によって報告されている。
また、SERPINE2ポリペプチドは、その他の種から単離されたSERPINE2ポリペプチドのホモログを含む。SERPINE2ポリペプチドホモログの例は、齧歯類、たとえばマウスおよびラット、並びに家畜、たとえばウマ、ウシ、イヌ、およびネコから単離されたものを含む。SERPINE2ポリペプチドホモログの間には、少なくとも約65%の配列同一性、少なくとも約70%の配列同一性、少なくとも約75%の配列同一性、少なくとも約80%の配列同一性、少なくとも約83%の配列同一性、少なくとも約85%の配列同一性、少なくとも約88%の配列同一性、少なくとも約90%の配列同一性、少なくとも約91%の配列同一性、少なくとも約92%の配列同一性、少なくとも約93%の配列同一性、少なくとも約94%の配列同一性、少なくとも約95%の配列同一性、少なくとも約96%の配列同一性、少なくとも約97%の配列同一性、少なくとも約98%の配列同一性、少なくとも約99%の配列同一性、少なくとも約99.9%の配列同一性、または少なくとも約99.99%の配列同一性があってもよい。
また、本発明は、突然変異体、断片、および融合物を含むが、これらに限定されないSERPINE2ポリペプチドの変異体を想定する。一般に、本明細書に記載されたSERPINE2ポリペプチドの変異体は、当技術分野において周知の方法によって決定される、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約83%、少なくとも約85%、少なくとも約88%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%よりも高い配列同一性を有するか、または少なくとも約99.99%より高くてもよい。
一つの態様において、変異体SERPINE2ポリペプチドは、突然変異体ポリペプチドであってもよい。SERPINE2ポリペプチドの突然変異は、アミノ酸の置換、付加、または欠失によって生じてもよいが、これらに限定されない。アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換または非必須アミノ酸を除去する置換であってもよい。一般に、保存的アミノ酸置換は、置換されるアミノ酸の一般的な電荷、疎水性、親水性、および/または立体的な大きさを維持するものである。いくつかの突然変異体SERPINE2ポリペプチドでは、アミノ酸がグリコシル化部位、リン酸化部位、またはアセチル化部位を変更するように置換されていてもよい。
重大なことに、変異体ポリペプチドは、タンパク質の特定領域(たとえば、機能的ドメインおよび/またはポリペプチドがタンパク質ファミリーのメンバーである場合、共通配列と関係する領域)の生物活性を保持するか、または増強されるように設計されてもよい。変異体の産生のためのアミノ酸変異の選択は、アミノ酸の到達性(内部対外部)(Go et al., 15 INT. J. PEPTIDE PROTEIN RES. 211(1980))、変異体ポリペプチドの熱安定性(Querol et al., 9 PROT. ENG. 265(1996))、所望のグリコシル化部位(Olsen and Thomsen, 137 J. GEN. MICROBIOL. 579(1991))、所望のジスルフィド架橋(Clarke et al., 32 BIOCHEMISTRY 4322(1993); Wakarchuk et al., 7 PROTEIN ENG. 1379(1994))、所望の金属結合部位(Toma et al., 30 BIOCHEMISTRY 97(1991); Haezerbrouck et al., 6 PROTEIN ENG. 643(1993))、およびプロリン・ループの所望の置換(Masul et al., 60 APPL. ENV. MICROBIOL. 3579(1994))に基づいていてもよい。
また、SERPINE2ポリペプチド変異体は、本明細書において開示されるポリペプチドの断片、特に生物学的に活性な断片および/または機能的ドメインに対応する断片を含む。SERPINE2断片は、少なくとも約10アミノ酸〜少なくとも約15アミノ酸の長さ、少なくとも約50アミノ酸の長さ、または少なくとも約300アミノ酸の長さもしくはそれ以上であってもよい。
本発明のSERPINE2ポリペプチドは、天然に存在しない環境に提供されており、たとえばこれらの天然に存在する環境から分離されている。一定の態様において、本タンパク質は、上で定義されたように実質的に精製された形態で存在する。
IV.SERPINE2結合パートナー
本発明は、SERPINE2の過剰発現および/またはアップレギュレーションによって特徴づけられる癌を予測するためのSERPINE2結合パートナーの使用に関する。この点に関して、本発明者は、SERPINE2が、結腸癌、前立腺癌、乳房癌、甲状腺癌、肺癌、卵巣癌、未分化の癌、および白血病の癌細胞を含む数種類の癌細胞によって示差的に発現されること、およびSERPINE2のアップレギュレーションは、生存とネガティブに相関することを発見した。
A.免疫グロブリン
SERPINE2結合パートナーは、SERPINE2ポリペプチドと特異的に結合する免疫グロブリンおよび免疫グロブリンの機能的同等物を含む。「免疫グロブリン」および「抗体」という用語は、本明細書において互換的に使用され、これらの最も広い意味である。従って、これらは、これらが所望の生物活性を示す限り、無処理のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの無処理の抗体から形成された多特異的抗体(たとえば、二特異的抗体)、および抗体断片を含む。一つの態様において、本免疫グロブリンは、少なくとも一つのヒト定常ドメインを含む。もう一つの態様において、SERPINE2免疫グロブリンは、ヒト定常ドメインと少なくとも約90%〜約95%の配列同一性を示し、なおもヒト・エフェクター機能を保持する定常ドメインを含む。免疫グロブリンSERPINE2結合パートナーまたはこれらの機能的同等物は、ヒトの、キメラの、ヒト化された、マウスの、CDR融合された、ファージに提示された、細菌に提示された、酵母に提示された、トランスジェニックマウスで産生された、突然変異誘発された、およびランダム化されたものであってもよい。
特定の態様において、免疫グロブリンSERPINE2結合パートナーまたはこれらの機能的同等物は、癌細胞に発現されたSERPINE2のエピトープに結合する。もう一つの態様において、免疫グロブリンSERPINE2結合パートナーまたはこれらの機能的同等物は、図3のアミノ酸配列によって形成されるペプチド、またはこれらの任意の部分に結合する。
i.抗体一般
「抗体」および「免疫グロブリン」という用語は、組換え抗体および抗体断片を含む完全に構築された抗体並びに抗原に結合することができる抗体断片(たとえば、Fab'、F'(ab)2、Fv、一本鎖抗体、ダイアボディー(diabody))を包含する。好ましくは、免疫グロブリンまたは抗体は、キメラのもの、ヒトのもの、またはヒト化されたものである。
重鎖および軽鎖の可変ドメインは、同族抗原の特定のエピトープを認識し、または結合する。「エピトープ」という用語は、免疫グロブリンの可変末端が結合する抗原上の特異的な結合部位または抗原決定基をいうために使用される。エピトープは、直線的であること、すなわち一次SERPINE2配列に見いだされる一連のアミノ酸残基で構成することができる。また、エピトープは、免疫グロブリンが、折りたたまれたSERPINE2分子に見いだされる三次元構造を認識するように高次構造的であることができる。また、エピトープは、直線的および高次構造的なエレメントの組み合わせであることができる。さらに、標的を有する腫瘍細胞によって発現される分子の炭水化物部分もエピトープであり得る。
免疫グロブリンは:1)これらが、閾値レベルの結合活性を示し、および/または2)これらが、公知の関連したポリペプチド分子と有意に交差反応しない場合には、「特異的に結合する」といわれる。免疫グロブリンの結合親和性は、たとえばスキャッチャード解析(Scatchard, Ann. NY Acad. Sci. 51:660-672, 1949)によって、当業者によって容易に決定することができる。一部の態様において、本発明の免疫グロブリンは、その他のタンパク質に対してよりも、少なくとも103、より好ましくは少なくとも104、より好ましくは少なくとも105、さらにより好ましくは少なくとも106倍SERPINE2に対して結合する。
ii.ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体
本発明の免疫グロブリンは、ポリクローナルであっても、またはモノクローナルであってもよく、本技術分野において周知の方法のいずれによって産生されてもよい。
ポリクローナル抗体は、好ましくは、関連する抗原およびアジュバントの複数の皮下(sc)、腹腔内(ip)、または筋肉内(im)の注射によって動物において生じる。関連抗原を免疫される種における免疫原であるタンパク質に結合させることは有用であり得る。加えて、ミョウバンなどの凝集化剤は、免疫反応の増強のために適切に使用される。
「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体をいう。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原性部位に対して向けられる。さらに、典型的には、異なる決定要素に向けられた異なる抗体を含むポリクローナル抗体試薬とは対照的に、それぞれのモノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定因子に向けられる。
これらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、これらを合成してもよく、一方その他の免疫グロブリンが混入していないという点で有利である。たとえば、モノクローナル抗体は、ハイブリードーマ法によって、または組換えDNA法によって産生してもよい。また、モノクローナル抗体SERPINE2薬は、ファージ抗体ライブラリーから単離してもよい。
iii.キメラおよびヒト化された抗体
SERPINE2結合免疫グロブリンまたは抗体は、可変領域が齧歯類などの唯一の種に由来することができ、および定常領域が、ヒトなどの第2の種に由来することができるという意味において「キメラ」であることができる。
非ヒトSERPINE2結合抗体の「ヒト化された」形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むキメラ抗体である。ほとんどの場合、ヒト化抗体は、レシピエントの高頻度可変領域に由来する残基が、所望の特異性、親和性、および能力を有するマウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の高頻度可変領域に由来する残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体に、またはドナー抗体に見いだされない残基を含んでいてもよい。
一般に、ヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリンのものに対応する高頻度可変ループの全てまたは実質的に全てにおいて、少なくとも1つの、および典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含んでいてもよく、FRの全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリン配列のものである。一つの態様において、ヒト化抗体は、アクセプター(非ヒト)FR、たとえばマウスFRと少なくとも65%の配列同一性を示すヒト化FRを含む。また、ヒト化抗体は、少なくとも一部の免疫グロブリン定常領域(Fc)、特にヒト免疫グロブリンを含んでいてもよい。
非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当技術分野において記載されてきた。好ましくは、ヒト化抗体は、非ヒトである供与源由来の中に導入された1つまたは複数のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、たいてい「移入(import)」残基と称され、典型的には「移入」可変ドメインから得られる。ヒト化は、本質的に、ヒト抗体の対応配列に対して高頻度可変領域配列を置換することによって行われてもよい。従って、このようなヒト化抗体は、キメラであって、無処理のヒト可変ドメインは、非ヒト種由来の対応配列によって置換されたものよりも実質的に少ない。実際には、ヒト化抗体は、典型的には、いくつかの高頻度可変領域残基、およびおそらくいくつかのFR残基が齧歯類抗体の類似の部位に由来する残基によって置換されているヒト抗体である。ヒト化抗体を作製する際に使用されるヒト可変ドメインの選択は、軽鎖および重鎖の両方ともが、抗原性を減少させるために非常に重要である。
その他の方法は、一般に、抗体アクセプター可変領域フレームワークに対する結合親和性をドナーCDRに与えることを含む。一つの方法は、可変領域結合断片の結合親和性を同時に移植および最適化することを含む。もう一つの方法は、抗体可変領域の結合親和性を最適化することに関する。
iv.抗体断片
「抗体断片」は、無処理の抗体、好ましくはこれらの抗原結合領域または可変領域を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv断片、ダイアボディー、直鎖状抗体、一本鎖抗体分子、および抗体断片から形成される多特異抗体を含む。
抗体のパパイン消化により、それぞれが単一の抗原結合部位をもつ「Fab」断片と、残りの「Fc」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片を生じる。また、Fab断片は、軽鎖の定常ドメインと重鎖の第1の定常ドメイン(CHI)とを含む。
ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有し、かつさらに抗原を架橋することができるF(ab')2断片を生じる。Fab'断片は、抗体ヒンジ領域に由来する1つまたは複数のシステインを含む重鎖CHIドメインのカルボキシ末端に少数の残基の付加があることにより、Fab断片とは異なる。Fab'-SHは、本明細書において、定常ドメインのシステイン残基が少なくとも1つの遊離のチオール基を有するFab'の名称である。F(ab')2抗体断片は、元来は、これらの間にヒンジシステインを有するFab'断片の対として産生された。その他の抗体断片の化学カップリングは、当技術分野において公知である。
「Fv」は、完全な抗原認識部位および抗原結合部位を含む最小の抗体断片である。この領域は、固い非共有結合の、1つの重鎖と1つの軽鎖可変ドメインとの二量体からなる。この配置において、それぞれの可変ドメインの3つの高頻度可変領域が、相互作用してVH-VL二量体の表面上の抗原結合部位を定義する。ひとまとめにして、6つの高頻度可変領域が、抗体に抗原結合特異性を与える。しかし、単一の可変ドメイン(または、抗原に特異的な3つの高頻度可変領域だけを含むFvの半分)でさえも、完全な結合部位よりも低い親和性であるものの、抗原を認識して結合する能力を有する。
「一本鎖Fv」または「scFv」抗体断片は、抗体のVHおよびVLドメインであって、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖に存在するドメインを含む。Fvポリペプチドは、さらにscFvが抗原結合のための所望の構造を形成することができるように、VHとVLドメインとの間にポリペプチド・リンカーを含んでいてもよい。PLUCKTHUN, 113 THE PHARMACOLOGY OF MONOCLONAL ANTIBODIES 269-315(Rosenburg and Moore eds. 1994)を参照されたい。また、国際公開公報第93/16185号;米国特許第5,587,458号および第5,571,894号を参照されたい。
抗体断片の産生のために種々の技術が開発されてきた。伝統的に、これらの断片は、無処理の抗体のタンパク質分解を経て誘導された。しかし、これらの断片は、現在では組換え宿主細胞によって直接産生してもよい。
v.結合および標識化
抗SERPINE2抗体は、これらの「裸の」もしくは非結合形態で使用されてもよく、またはこれらに結合されたその他の薬剤を有していてもよい。
たとえば、抗体は、検出可能な標識された形態であってもよい。抗体は、放射性同位元素、親和性標識(ビオチン、アビジンなど)、酵素標識(西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)、蛍光標識(FITCまたはローダミンなど)、常磁性原子などを使用することによって検出可能に標識することができる。このような標識化を達成するための方法は、当技術分野において周知である。
vi.二特異的抗体
本発明の二特異的抗体は、2つの抗原結合部位をもつ小さな抗体断片である。それぞれの断片は、同じポリペプチド鎖(VH-VL)内に軽鎖可変ドメイン(VL)に連結された重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同じ鎖上の2つのドメイン間で対形成させるには短すぎるリンカーを使用することにより、ドメインがもう一つの鎖の相補ドメインと対になり、2つの抗原結合部位を生じるように強制される。
二特異的抗体を作製するための方法は、当技術分野において周知である。従来の全長二特異的抗体の産生は、2つの鎖が異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対を同時発現すること基づく。
もう一つのアプローチにおいて、所望の結合特異性を有する抗体可変ドメイン(抗体-抗原結合部位)を免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合してもよい。特に、可変ドメインは、少なくともヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域の部分を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインと融合される。一つの態様において、融合タンパク質は、これが軽鎖結合のために必要な部位を含むので、第1の重鎖定常領域(CHI)を含む。免疫グロブリン重鎖、および必要に応じて、免疫グロブリン軽鎖融合物をコードするポリヌクレオチドは、別々の発現ベクターに挿入してもよく、適切な宿主生物に同時トランスフェクトしてもよい。これにより、構築に使用される不等な比率の3つのポリペプチド鎖が、最適な収率を提供するときの態様において、3つのポリペプチド断片の相互の比率を調整するのに優れた柔軟性をもたらす。しかし、同じ比率の少なくとも2つのポリペプチド鎖の発現により高収率を生じるとき、または比率に特に重要性がないときは、1つの発現ベクターに2つまたは3つ全てのポリペプチド鎖に対してコード配列を挿入することができる。
また、二特異的抗体は、ロイシンジッパーおよび一本鎖Fv(sFv)二量体を使用して産生された。
B.非免疫グロブリンポリペプチド薬
もう一つの態様において、SERPINE2結合パートナーは、合理的な設計によって、またはファージディスプレイによって作製されたペプチドであってもよい。たとえば、ペプチドは、「CDR模倣」または免疫グロブリンのCDRに基づいた免疫グロブリン類似体であってもよい。
C.ポリヌクレオチド結合パートナー
ポリヌクレオチドSERPINE2結合パートナーは、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。本発明の関係において、「オリゴヌクレオチド」という用語は、リボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸(DNA)のオリゴマーもしくは重合体、またはこれらの変異体をいう。オリゴヌクレオチドは、天然に存在するヌクレオチド、糖および共有結合ヌクレオシド間(骨格)結合、並びに機能的に類似する天然に存在しない部分を有するオリゴヌクレオチドを含んでいてもよい。このような修飾されたか、または置換されたオリゴヌクレオチドは、たとえば、増強された細胞取り込み、ポリヌクレオチド標的に対する増強された親和性、およびヌクレアーゼの存在下における増大された安定性などの望ましい性質を有する。
一般に、オリゴヌクレオチドプローブは、SERPINE2をコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズする。これらの標的部位を認識して、標的SERPINE2ポリヌクレオチドに対して十分に相補的であるオリゴヌクレオチドプローブが選択されなければならない。安定かつ特異的な結合がオリゴヌクレオチドとSERPINE2ポリヌクレオチド標的との間で生じるように、十分な程度の相補性または正確な対形成がなければならない。重要なことに、オリゴヌクレオチドSERPINE2プローブの配列は、特異的にハイブリダイズすることができるその標的SERPINE2ポリヌクレオチドの配列に対して100%相補的であることは必要ではない。
SERPINE2ポリヌクレオチドに特異的なプローブは、本明細書に開示されたSERPINE2ポリヌクレオチド配列を使用して作製してもよい。プローブは、コード領域の一部、隣接領域、または保存されたモチーフなどのSERPINE2ポリヌクレオチド配列のサブセットに基づいて設計してもよい。一つの態様において、SERPINE2プローブは、図3に記載されたとおりのタンパク質ドメインまたはタンパク質ドメインの一部をコードするコード領域から設計してもよい。
SERPINE2プローブは、独自にポリヌクレオチド配列を特定する少なくとも約10nt、少なくとも約12nt、少なくとも約15nt、少なくとも約16nt、少なくとも約18nt、少なくとも約20nt、少なくとも約22nt、少なくとも約24nt、または少なくとも約25ntの長さのヌクレオチドの連続した配列を含んでいてもよい。そのうえ、SERPINE2プローブは、少なくとも約30nt、少なくとも約35nt、少なくとも約40nt、少なくとも約45、少なくとも約50nt、少なくとも約55nt、少なくとも約60nt、少なくとも約70nt、少なくとも約75nt、少なくとも約80nt、少なくとも約85nt、少なくとも約90nt、少なくとも約95nt、少なくとも約100nt、少なくとも約150nt、少なくとも約200nt、少なくとも約250nt、少なくとも約300nt、少なくとも約350nt、少なくとも約400nt、少なくとも約450nt、少なくとも約500nt、少なくとも約550nt、少なくとも約600nt、少なくとも約650nt、少なくとも約700nt、少なくとも約750nt、少なくとも約800nt、少なくとも約900nt、少なくとも約950nt、または少なくとも約1000ntであってもよい。一般に、SERPINE2プローブは、少なくとも約10nt〜少なくとも約20ntの長さ、少なくとも約50nt〜少なくとも約100ntの長さ、少なくとも約10nt〜少なくとも約100nt、または少なくとも約10nt〜少なくとも約1000ntの長さであってもよい。
SERPINE2プローブは、約15ntを超える任意の連続したヌクレオチド配列に対して約99.99%未満、約99.9%未満、約99%未満、約98%未満、約97%未満、約96%未満、約95%未満、約94未満、約93%未満、約92%未満、約91%未満、約90%未満、約88%未満、約85%未満、約83%未満、約80%未満、約75%未満、約70%未満、または約65%未満の配列同一性を示してもよい。さらに、プローブは、化学的に合成してもよく、または制限酵素を使用してより長いポリヌクレオチドから作製してもよい。加えて、プローブは、放射性タグ、ビオチン化タグ、または蛍光タグで標識してもよい。
SERPINE2ポリヌクレオチドの少なくとも12個の連続するヌクレオチドを含むポリヌクレオチドが、一般に、プローブのために使用される。本明細書に開示されたSERPINE2ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするプローブは、その他の無関係な配列で提供されるバックグランドハイブリダイゼーションよりも少なくとも約0.3倍高い、少なくとも約0.5倍高い、少なくとも約0.7倍高い、少なくとも約0.8倍高い、少なくとも約0.9倍高い、少なくとも約1.0倍高い、少なくとも約1.2倍高い、少なくとも約1.4倍高い、少なくとも約1.5倍高い、少なくとも約1.6倍高い、少なくとも約1.8倍高い、少なくとも約2倍高い、少なくとも約2.5倍高い、少なくとも約3.0倍高い、少なくとも約3.5倍高い、少なくとも約4.0倍高い、少なくとも約4.5倍高い、少なくとも約5倍高い、少なくとも約10倍高い、または少なくとも約20倍もしくはそれ以上高い検出シグナルを提供するはずである。
本明細書に提供される配列に加えて、SERPINE2オリゴヌクレオチドプローブ、並びにその他の関連した遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドプローブは、GenBank、Unigen、HomoloGene、RefSeq、dbEST、およびdbSNPなどのポリヌクレオチド・データベースを含む多くの供与源から選択してもよい。Wheeler et al., 29 NUCL. ACIDS RES. 11 16(2001)。より詳細には、SERPINE2オリゴヌクレオチドプローブは、図1、図2、GenBankデータベースのlocus NM_006216、LocusLink DatabaseのID 5270、UniGeneデータベースのID Hs.21858、およびManデータベースのオンラインメンデリアンインヘリタンス(OMIM)のID 177010から選択してもよい。一般に、プローブは、参照配列に対して相補的で、好ましくは関心対象の組織または細胞型(たとえば、骨格筋、ニューロン組織)に対して特有で、好ましくは高い親和性および特異性でハイブリダイズする。Lockhart et al., 14 NATURE BIOTECHNOL. 1675-80(1996)。加えて、オリゴヌクレオチドプローブは、参照配列の非重複配列を表してもよく、これにより、プローブ重複性が改善し、偽陽性率の減少および標的定量における精度の増大を生じる。Lipshutz et al., 21 NATURE GENET. 20 24(1999)。
一般に、オリゴヌクレオチドプローブは、ホスホロアミダイト化学などの標準的な合成化学によって作製される(米国特許第4,980,460号;同第4,973,679号;同第4,725,677号;同第4,458,066号;および同第4,415,732号;Beaucage and Iyer, 48 TETRAHEDRON 2223-2311(1992))。また、ホスホロチオアートおよびホスホロアミダートなどの非天然骨格基を作製するその他の化学を使用してもよい。
D.低分子
低分子は、SERPINE2結合剤のもう一つのタイプを構成する。一般に、低分子は、炭素、水素、酸素、および窒素から構成された合成されたか、天然に由来するか、もしくは部分的に合成されたかのいずれかの化合物または分子複合体を含み、また、これはその他のエレメントを含んでいてもよく、およびこれは、約15,000未満、約14,000未満、約13,000未満、約12,000未満、約11,000未満、約10,000未満、約9,000未満、約8,000未満、約7,000未満、約6,000未満、約5,000未満、約4,000未満、約3,000未満、約2,000未満、約1,000未満、約900未満、約800未満、約700未満、約600未満、約500未満、約400未満、約300未満、約200未満、または約100未満の分子量を有していてもよい。
E.SERPINE2結合パートナーの使用および処方
SERPINE2結合パートナーの多くの実際的な使用は、当業者に明らかである。たとえば、これらは、インビトロおよびインビボでの診断法を含む、SERPINE2ポリペプチドを精製し、検出し、および標的化するために使用してもよい。
SERPINE2結合パートナーは、一般に、これらの天然の環境の成分から分離および/または回収されたことを意味する「実質的に精製されて」いる。その天然の環境の混入成分は、SERPINE2結合パートナーの診断用途を妨害すると考えられる物質であり、酵素、ホルモン類、およびその他のタンパク質性または非タンパク質性の溶質を含み得る。通常、単離された薬剤は、少なくとも1つの精製工程によって調製されると考えられる。一つの態様において、薬剤は、SERPINE2結合パートナーの重量の少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約88%、少なくとも約90%、少なくとも約92%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、または少なくとも約99.99%まで精製される。
F.SERPINE2結合パートナーの修飾
本発明のポリペプチドSERPINE2結合パートナーのアミノ酸配列変異体は、ポリペプチドSERPINE2結合パートナーをコードするポリヌクレオチドに適切なヌクレオチド変化を導入することによって、またはペプチド合成によって調製してもよい。このような修飾は、たとえば、ポリペプチドSERPINE2結合パートナーのアミノ酸配列内の残基からの欠失、および/またはその中への挿入、および/またはその置換を含む。欠失、挿入、および置換の任意の組み合わせによって最終構築物に到着してもよいが、最終構築物がSERPINE2の過剰発現および/またはアップレギュレーションによって特徴づけられる癌の増殖を減少もしくは阻害することを条件とする。
アミノ酸配列挿入は、1残基から100もしくはそれ以上の残基を含むポリペプチドまでの長さに及ぶアミノ末端および/またはカルボキシル末端の融合物、並びに1つまたは複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。末端挿入の例は、N末端のメチオニル残基を有するポリペプチドSERPINE2結合パートナーまたは細胞障害性ポリペプチドに融合されたポリペプチドSERPINE2結合パートナーを含む。ポリペプチドSERPINE2結合パートナー分子のその他の挿入変異体は、酵素もしくは結合パートナーの血清半減期を増大するポリペプチドの結合パートナーのN末端またはC末端に対する融合を含む。
ポリペプチドSERPINE2結合パートナー変異体のもう一つのタイプは、アミノ酸置換変異体である。これらの変異体は、ポリペプチドSERPINE2結合パートナー分子内に異なる残基によって置換された少なくとも1つのアミノ酸残基を有する。たとえば、免疫グロブリンSERPINE2結合パートナーの置換の突然変異誘発のための最も関心がもたれる部位は、高頻度可変領域を含むが、FR変化も想定される。
置換、すなわち突然変異誘発のための好ましい位置であるポリペプチドSERPINE2結合パートナーの一定の残基または領域の同定のための有用な方法は、アラニンスキャン突然変異誘発である。Cunningham & Wells, 244 SCIENCE 1081-85(1989)を参照されたい。簡単には、残基または標的残基の群を同定し(たとえば、arg、asp、his、lys、およびgluなどの荷電した残基)、および中性または負に荷電したアミノ酸(最も好ましくは、アラニンまたはポリアラニン)によって置換して抗原とアミノ酸の相互作用に影響を及ぼす。置換に対して機能的な感受性を示すアミノ酸位置は、置換の部位に、または置換の部位に対してさらなる変異、またはその他の変異を導入することによって改良される。従って、アミノ酸配列変化を導入するための部位は、予め決定されるが、突然変異自体の性質は予め決定される必要はない。たとえば、所与の部位での突然変異の作用を解析するために、標的コドンまたは領域にアラニンスキャンまたはランダム突然変異誘発を行って、所望の活性について発現された結合パートナー変異体をスクリーニングしてもよい。
SERPINE2ポリペプチド結合パートナーの生物学的性質の実質的修飾は、(i)たとえばシートまたはヘリックス高次構造のような、置換する領域のポリペプチド骨格の構造、(ii)標的部位分子の電荷もしくは疎水性、または(iii)側鎖の大きさを維持することに対するこれらの効果が有意に異なる置換を選択することによって達成することができる。天然に存在する残基は、共通の側鎖特性に基づいて群に分けられる:
(1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile;
(2)中性親水性:cys、ser、thr;
(3)酸性:asp、glu;
(4)塩基性:asn、gln、his、lys、arg;
(5)鎖配向に影響する残基:gly、pro;および
(6)芳香族:trp、tyr、phe。
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスに交換することを必要とする。保存的置換は、同じクラス内でアミノ酸を交換することを含む。
また、ポリペプチドSERPINE2結合パートナーの適当な高次構造を維持することには関与しない任意のシステイン残基を、一般的にはセリンと置換して、分子の酸化安定度を改善し、異常な架橋を防止してもよい。逆に、特にポリペプチドSERPINE2結合パートナーがFv断片などの免疫グロブリン断片である場合は、システイン結合を結合パートナーに付加して、その安定性を改善してもよい。
置換変異体のもう一つのタイプは、親免疫グロブリンの1つまたは複数の高頻度可変領域残基を置換することを含む。一般に、生じる変異体、すなわちさらなる開発のために選択される上記記載の通りの機能的同等物は、これらが作製される親免疫グロブリンと比較して改善された生物学的性質を有する。このような置換変異体を作製するための便利な方法は、ファージディスプレイを使用するアフィニティー成熟による。簡単には、いくつかの高頻度可変領域部位(たとえば、6〜7部位)を変異させて、それぞれの部位において全ての可能なアミノ置換を作製する。したがって、作製される免疫グロブリン変異体は、それぞれの粒子内にパッケージングされたM13の遺伝子III産物に対する融合物として、繊維状ファージ粒子から一価の様式で示される。次いで、ファージディスプレイされた変異体を、本明細書に開示されたようにこれらの生物活性(たとえば、結合親和性)についてスクリーニングした。
修飾のための候補高頻度可変領域部位を同定するために、アラニンスキャニング突然変異誘発を行って抗原結合に有意に寄与する高頻度可変領域残基を同定してもよい。代替的にまたはさらに、免疫グロブリンと抗原との間の接触点を同定するために免疫グロブリン-抗体複合体の結晶構造を解析することも有益であり得る。このような接触残基および近接残基は、本明細書に詳しく説明された技術に従って置換するための候補である。一旦作製されれば、変異体のパネルを本明細書に記載されているとおりのスクリーニングに供して、1つまたは複数の関連したアッセイ法において優れた特性を有する免疫グロブリンをさらなる開発のために選択してもよい。
ポリペプチドSERPINE2結合パートナーのアミノ酸変異体のもう一つのタイプは、ポリペプチドSERPINE2結合パートナーの本来のグリコシル化パターンを変化させる。変化された「グリコシル化パターン」は、ポリペプチドSERPINE2結合パートナーに見いだされる1つもしくは複数の炭化水素部分を欠失させること、および/またはポリペプチドSERPINE2結合パートナーに存在しない1つもしくは複数のグリコシル化部位を付加することを含む。
ポリペプチドのグリコシル化は、典型的にはN連結またはO連結されている。N連結されたグリコシル化は、アスパラギン残基の側鎖に対する炭化水素部分の付着をいう。トリペプチド配列アスパラギン-X-セリンおよびアスパラギン-X-スレオニン(式中、Xは、プロリン以外の任意のアミノ酸である)は、アスパラギン側鎖に対する炭化水素部分の酵素付着のための認識配列である。従って、ポリペプチドにおけるこれらのトリペプチド配列のいずれの存在も、潜在的グリコシル化部位を形成する。結合パートナーに対するグリコシル化部位の付加は、上記のトリペプチド配列の1つまたは複数を含むようにアミノ酸配列を変更することによって都合よく達成される。
O連結されたグリコシル化は、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはスレオニン(とはいえ、5-ヒドロキシプロリンまたは5-ヒドロキシリジンを使用してもよい)に対する糖N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、またはキシロースのうちの1つの付着をいう。また、変化は、本来の結合パートナーの配列に対して1つもしくは複数のセリン残基またはスレオニン残基を付加すること、または置換することによってなされてもよい。
免疫グロブリンSERPINE2結合パートナーの血清半減期を増大するために、たとえば、米国特許第5,739,277号に記載されたとおりに、SERPINE2結合パートナー(特に、免疫グロブリン断片)にサルベージ受容体結合エピトープを組み込んでもよい。本明細書に使用される「受容体結合エピトープを救出する」という用語は、IgG分子のインビボ血清半減期の増大の原因であるIgG分子(たとえば、IgGI、IgG2、IgG3、またはIgG4)のFc領域のエピトープをいう。
ポリペプチドSERPINE2結合パートナーのアミノ酸配列変異体をコードするポリヌクレオチド分子は、当技術分野において既知の種々の方法によって調製される。これらの方法は、天然の供与源からの単離(天然に存在するアミノ酸配列変異体の場合)または以前に調製されたポリペプチドSERPINE2結合パートナーの変異体または非変異体バージョンのオリゴヌクレオチドを媒介した(または、部位特異的)突然変異誘発、PCR突然変異誘発、およびカセット突然変異誘発による調製を含むが、これらに限定されない。
V.癌治療の診断、予後、および評価
本発明者によって行われる実験は、SERPINE2の発現が、癌患者生存の強力なネガティブ予後指標であることを示す。一つの態様において、SERPINE2発現を、悪性疾患の経過の診断または予後指標として役立てることができる。さらなる態様において、SERPINE2発現を、成人軟部組織肉腫、結腸直腸癌、および肝細胞癌で苦しむ個体の経過の診断または予後指標として役立てることができる。
本発明のさらなる態様は、癌を診断および予測するために本明細書に記載されているSERPINE2ポリヌクレオチドおよびポリペプチドを使用するための方法を提供する。特定の非限定の態様において、本方法は、SERPINE2に関連した癌細胞を検出するため、被検者の癌および癌の重篤さ(たとえば、腫瘍等級、腫瘍負担(tumor burden)、疾患の病期など)の診断を容易にするため、被検者の予後の決定を容易にするため、被検者の癌の罹病性を決定するため、および療法に対する被検者の反応を評価するため(たとえば、治療効果の程度を提供すること、たとえば、化学療法処方計画の間または後の腫瘍負担を評価することによる)に有用である。このような方法は、患者生物試料、たとえば疑わしいか、または予期される癌組織もしくは細胞におけるSERPINE2ポリヌクレオチドまたはSERPINE2ポリペプチドのレベルの検出を含んでいてもよい。本発明の検出法は、インビトロで、またはインビボで、単離された細胞で、または全組織もしくは体液、たとえば血液、血漿、血清、尿などにおいて行われてもよい。検出法は、患者生物試料におけるSERPINE2ポリヌクレオチドまたはSERPINE2ポリペプチドのレベルの、対照生物試料におけるSERPINE2ポリヌクレオチドまたはSERPINE2ポリペプチドのレベルとの比較を含んでもよく、または含まなくてもよい。本発明の一つの態様において、この対照生物試料は、患者生物試料と同じ組織または細胞型に由来する付近の、非癌細胞であってもよい。もう一つの態様において、対照生物試料は、別の組織または細胞型に由来する転移性腫瘍に由来する細胞であってもよい。前述の態様は両方とも、同一個体に由来する生物試料と対照生物試料を含んでもよく、または含まなくてもよい。同様に本発明のさらにもう一つの態様において、対照生物試料は、生物体内の細胞集団、または代わりに、細胞培養において維持されている不死化された細胞のコレクション、または代わりに、細胞培養においてエキソビボで維持されている初代細胞のコレクションからなっていてもよい。
特定の態様において、癌を診断および予測するための本明細書に記載されているSERPINE2ポリヌクレオチドおよびポリペプチドを使用する方法は、(a)患者腫瘍内のSERPINE2遺伝子産物の発現レベルを、その発現が異なる組織において不変であるさらなる遺伝子産物と比較して決定すること;(b)近くの結腸上皮内のSERPINE2遺伝子産物の発現レベルを(a)において使用したものと同じ不変の遺伝子産物と比較して決定すること;(c)(a)〜(b)で測定した発現のレベルを比較すること;および(d)大数の患者の測定から前もって決定したSERPINE2発現を生存に関連させた検量線と(c)を比較することによって、全体の生存または予後を予測することを必要とする。(a)において単独で決定したSERPINE2発現の相対レベルも、生存を予測するために使用してもよい。
本発明の一つの態様において、癌の進行性の性質および/または転移可能性は、SERPINE2ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドレベルを、癌組織において変化することが公知のさらなる遺伝子のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドレベル、たとえばp53、DCC、ras、FAPの発現と比較して決定してもよい。たとえば、Fearon, 768 ANN. N.Y. ACAD. SCI. 101(1995); Bodmer et al., 4(3) NAT. GENET. 217(1994); Hamilton et al., 72 CANCER 957(1993);および Fearon et al., 61(5) CELL 759(1990)を参照されたい。従って、正常と癌性組織との間を識別するために、起源の異なる細胞での癌の間を識別するために、および異なる潜在的転移率をもつ癌の間を識別するためなどのために、SERPINE2ポリヌクレオチドおよびSERPINE2ポリペプチドの発現を使用してもよい。癌生物マーカーの総説については、Hanahan et al., 100 CELL 57-70(2000)を参照されたい。
さらにもう一つの態様において、SERPINE2ポリヌクレオチド、SERPINE2ポリペプチド、およびSERPINE2結合パートナーの発現のレベルは、対照試料との比較を伴わない予後指標として使用してもよい。患者生物試料におけるSERPINE2の過剰発現および/またはアップレギュレーションは、単独で、当業者をCRC患者の症状の合理的な予後に導くことができる。一つの例は、前癌性ポリープ由来の患者生物試料における非常に低いレベルのSERPINE2発現であってもよい。一方で、前癌性ポリープから得られた予想外に高いSERPINE2のレベルは、逆の予後が引き出され得る。
一つの態様において、SERPINE2ポリヌクレオチド、SERPINE2ポリペプチド、およびSERPINE2結合パートナーは、大腸癌を検出し、評価し、および治療するために使用されてもよい。結直腸癌(CRC)は、ヒトで最も共通の新生物のうちの1つであり、おそらく遺伝性新形成の最も頻繁な形態である。予防および早期発見は、CRCを制御および治療する際に重要な要因である。この疾患の前駆体は、結腸内部の裏打ちを形成する細胞の小さな良性腫瘍であるポリープとしてしばしば公知である。期間を通じて、これらのポリープは、さらなる突然変異を蓄積して癌性になる。家族性腺腫性ポリープ症(FAP);ガードナー症候群;遺伝性非ポリープ性大腸癌(HNPCC);およびアシュケナージ・ユダヤ人の家族性結直腸癌を含む複数の家族性CRC障害が同定されてきた。
A.細胞内のSERPINE2ポリヌクレオチドの検出
細胞内のSERPINE2ポリヌクレオチドを検出するためにSERPINE2転写物に特異的なポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションによるSERPINE2転写物の検出;特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応法によるSERPINE2転写物の検出(RT-PCR);プローブとして大腸癌細胞において示差的に発現されるSERPINE2にハイブリダイズするポリヌクレオチドを使用する細胞のインサイチューハイブリダイゼーションを含む、任意の種々の公知の方法を使用してもよい。本方法は、癌細胞におけるSERPINE2 mRNAレベルを検出および/または測定するために使用してもよい。一部の態様において、本方法は、a)ハイブリダイゼーションが可能な条件下でSERPINE2ポリヌクレオチドと試料を接触させる工程;およびb)ハイブリダイゼーションを検出する工程を含む。
適切な対照と比較したときの、示差的ハイブリダイゼーションの検出は、癌細胞に示差的に発現されたSERPINE2ポリヌクレオチドが試料中に存在することの指標である。適切な対照は、たとえばSERPINE2ポリヌクレオチドを含まないことが公知である試料を含む。ハイブリダイゼーションが可能な条件は、当技術分野において公知である。また、検出は、最適に標識されたポリヌクレオチドを使用する、インサイチューハイブリダイゼーション、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応法)、RT-PCR(逆転写PCR)、および「ノーザン」もしくはRNAブロッティング、またはこのような技術の組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の公知の方法によって達成してもよい。また、ポリヌクレオチドのための種々の標識および標識化方法は、当技術分野において公知であり、本発明のアッセイ方法に使用してもよい。特異的ハイブリダイゼーションは、適切な対照との比較によって決定してもよい。
当業者には容易に認識されるとおり、プローブは、検出可能に標識され、たとえば試験試料から得られる固定されたポリヌクレオチドを含むマイクロアレイと接触させてもよい。または、プローブは、マイクロアレイ上に固定されてもよく、試験試料を検出可能に標識してもよい。本発明の方法のこれらのおよびその他のバリエーションは、十分に当技術分野の技術の範囲内であり、本発明の範囲内である。
ヌクレオチド・プローブは、提供されたSERPINE2ポリヌクレオチドに対応する遺伝子の発現を検出するために使用してもよい。ノーザンブロットでは、mRNAを電気泳動で分離してプローブと接触させる。特定のサイズのmRNA種にハイブリダイズするプローブが検出される。たとえば特定の条件下で発現の相対量を決定するために、ハイブリダイゼーションの量を定量してもよい。プローブは、細胞に対してインサイチューでハイブリダイゼーションして、発現を検出するために使用される。また、プローブは、ハイブリダイズする配列の診断上の検出のためにインビボで使用してもよい。プローブは、典型的には放射性同位元素で標識される。発色団、フルオロフォア、および酵素などの検出可能な標識のその他の型を使用してもよい。ヌクレオチド・ハイブリダイゼーション検定法のその他の例は、米国特許第5,124,246号および国際公開公報第92/02526号に記載されている。
PCRは、少量の標的SERPINE2ポリヌクレオチドを検出するためのもう一つの手段である。たとえばMullis et al., 155 METH. ENZYMOL.335(1987);米国特許第4,683,202号;同第4,683,195号を参照されたい。反応をプライムするために、標的SERPINE2ポリヌクレオチドとハイブリダイズする2つのプライマー・ポリヌクレオチドを使用してもよい。プライマーは、配列表に提供したSERPINE2ポリヌクレオチド内または3'および5'の配列を含んでもよい。または、プライマーがこれらのポリヌクレオチドに対して3'および5'である場合、これらは、ポリヌクレオチドまたは相補物にハイブリダイズする必要はない。耐熱性ポリメラーゼで標的を増幅後、増幅された標的ポリヌクレオチドを当技術分野において公知の方法、たとえばサザンブロットによって検出してもよい。また、SERPINE2 mRNAまたはcDNAは、Sambrook et al., MOLECULAR CLONING: A LAB. MANUAL(2001)に記載されている従来のブロット技術によって検出してもよい(たとえば、サザンブロット、ノーザンブロットなど)(たとえば、PCR増幅を伴わない)。一般に、mRNAまたはポリメラーゼ酵素を使用してmRNAから作製されるcDNAは、ゲル電気泳動を使用して精製および分離して、ニトロセルロースなどの固体支持体へ転写してもよい。固体支持体を標識されたプローブに曝露して、洗浄してあらゆるハイブリダイズされていないプローブを除去し、標識されたプローブを含む二重鎖を検出する。
PCR増幅を使用する方法は、単一細胞に由来するDNAに対して行ってもよいが、少なくとも約105細胞を使用するのが便利である。ポリメラーゼ連鎖反応法の使用は、Saiki et al., 239 SCIENCE 487(1985)に記載されており、現在の技術の総説はSambrook et al., MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL §§14.2-14.313(2001)に見いだされ得る。検出可能な標識を増幅反応に含めていてもよい。適切な検出可能な標識は、蛍光色素(たとえば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミン、テキサスレッド、フィコエリトリン、アロフィコシアニン、6-カルボキシフルオレセイン(6-FAM)、2',7'-ジメトキシ-4',5'-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシ-2',4',7',4,7-ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、5-カルボキシフルオレセイン(5-FAM)、またはN,N,N',N'-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA))、放射標識(たとえば、32P、35S'、3Hなど)などを含む。標識は、ポリヌクレオチドが高親和性結合パートナー(たとえば、アビジン、特異的抗体など)を有するビオチン、ハプテンなどに結合されており、それにより、結合パートナーが検出可能な標識に結合される2段階システムであってもよい。標識は、プライマーの一方または両方に結合していてもよい。または、増幅に使用されるヌクレオチドのプールは、増幅産物に標識を組み込むように標識される。
本発明は、SERPINE2の過剰発現および/またはアップレギュレーションによって特徴づけられる癌の有無を決定するための方法を提供する。具体的には、患者を診断する際に、患者から得られる生物試料におけるSERPINE2発現のレベルを決定してもよい。次に、患者生物試料におけるSERPINE2発現のレベルは、正常な生物試料に由来するSERPINE2発現レベルと比較してもよく、癌のポジティブまたはネガティブ診断に相関させてもよい。SERPINE2の過剰発現および/またはアップレギュレーションによって特徴づけられる癌に対する患者の素因を同様の方法を使用して決定してもよい。さらに、生物試料の発現レベルを、本発明によって提供されるポリヌクレオチドおよびタンパク質マイクロアレイを使用して決定してもよい。
B.細胞におけるSERPINE2ポリペプチドの検出
細胞におけるSERPINE2ポリペプチドを検出するために、コードされるポリペプチドに特異的な抗体を使用する免疫アッセイ法、たとえば酵素結合免疫吸着アッセイ法(ELISA)、放射免疫アッセイ法(RIA)などによって;およびコードされるポリペプチドのための機能的アッセイ法、たとえば生物活性を含むが、これらに限定されない任意の種々の公知の方法を使用してもよい。
たとえば、免疫蛍光アッセイ法は、最初にコードされるSERPINE2ポリペプチドを単離することなく細胞に対して容易に行い得る。細胞を、最初に顕微鏡スライドまたはマイクロタイターウェルなどの固体支持体上に固定する。この固定工程により、細胞膜を透過させてもよい。細胞膜の透過化により、ポリペプチド特異的抗体を結合することが可能になる。次に、固定細胞をコードされるSERPINE2ポリペプチドに特異的な抗体に曝露する。アッセイ法の感受性を増大するために、固定細胞を、標識されており、かつコードされるポリペプチドに特異的である一次抗体と結合する二次抗体にさらに曝露してもよい。典型的には、二次抗体は、たとえば蛍光マーカーで検出可能に標識される。コードされるポリペプチドを発現する細胞を蛍光標識して、顕微鏡下で容易に視覚化させる。たとえば、Hashido et al., 187 BIOCHEM. BIOPHYS. RES. COMM. 1241-48(1992)を参照されたい。
本願明細書を読むことにより、当業者に直ちに明らかであるように、本明細書に記載されている検出法およびその他の方法は、容易に変更されてもよい。このようなバリエーションは、本発明の企図された範囲内である。たとえば、上記の検出スキームにおいて、検出に使用されるプローブを固体支持体上に固定して、試験試料を固定されたプローブと接触させてもよい。次いで、プローブに対する試験試料の結合を種々の方法で、たとえば試験試料に結合した検出可能な標識を検出することによって検出し、試験試料-固定されたプローブ複合体の検出を容易にしてもよい。
本発明は、SERPINE2に特異的な抗体を使用して、生物試料におけるSERPINE2ポリペプチドの存在を検出し、および/またはレベルを測定するための方法をさらに提供する。特に、生物試料におけるSERPINE2ポリペプチドの存在を検出するための方法は、モノクローナル抗体と試料を接触させる工程、および試料におけるSERPINE2と抗体の結合を検出する工程を含んでもよい。より詳細には、抗体は、放射標識、酵素、発色団、およびフルオロフォアを含むが、これらに限定されない化合物を使用して検出可能なシグナルを生じるように標識してもよい。
SERPINE2に特異的な抗体、またはこれらの機能的同等物の、適切な対照と比較した場合の特異的な結合の検出は、SERPINE2ポリペプチドが試料中に存在することの指標である。適切な対照は、SERPINE2ポリペプチドを含まないことが公知の試料およびコードされるポリペプチドに特異的でない抗体、たとえば抗イディオタイプ抗体と接触された試料を含む。標準的な免疫組織学的方法、免疫沈降法、酵素免疫測定法、および放射免疫アッセイ法を含む(しかし、これらに限定されない)特異的な抗体-抗原相互作用を検出するための種々の方法が当技術分野において公知であり、本方法に使用してもよい。一般に、特異的抗体は、直接または間接的に検出可能に標識されている。直接的標識は、放射性同位元素;産物を検出可能である酵素(たとえば、ルシフェラーゼ、3-ガラクトシダーゼ等);蛍光標識(たとえば、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン等);蛍光放射金属(たとえば、EDTAなどの金属キレート化基を介して抗体に付着された112Eu、またはランタノイドのその他のシリーズ);化学発光化合物(たとえば、ルミノール、イソルミノール、アクリジニウム塩等);生物発光化合物(たとえば、ルシフェリン、エクオリン(緑色蛍光タンパク質)等)を含む。抗体は、ポリスチレン・プレートまたはビーズなどの不溶性支持体に付着(結合)されてもよい。間接的標識は、コードされるポリペプチド(「第1の特異的抗体」)に特異的な抗体に特異的な二次抗体であって、上記の通りに標識された二次抗体;および特異的な結合対のメンバー、たとえば、ビオチン-アビジン等を含む。生物試料は、細胞、細胞粒子もしくは可溶タンパク質を固定することができるニトロセルロースなどの固体支持体またはキャリアと接触させて固定してもよい。次いで、支持体を適切な緩衝液で洗浄し、続いて検出可能に標識された第1の特異的抗体と接触させてもよい。検出法は、当技術分野において公知であり、検出可能な標識によって放射されるシグナルに適したように選択される。検出は、一般に適切な対照と、および適切な標準と比較して達成される。
一部の態様において、本方法は、インビボでの使用のために、たとえばSERPINE2に関連した癌細胞がある部位の位置を決定し、または同定するために適応される。これらの態様において、検出可能に標識された部分、たとえばSERPINE2に特異的な抗体は、個体に投与され(たとえば、注射によって)、標識された細胞が、磁気共鳴映像法、コンピューター断層撮影スキャニング法等を含むが、これらに限定されない標準的な撮像技術を使用して位置づけられる。このように、SERPINE2を発現する細胞が示差的に標識される。
C.キット
本検出方法は、キットの一部として提供してもよい。従って、本発明は、生物試料において、癌細胞において発現されるSERPINE2ポリヌクレオチド(たとえば、関心対象の示差的に発現された遺伝子によってコードされるmRNAの検出による)、および/またはこれによりコードされるポリペプチドの存在および/またはレベルを検出するためのキットをさらに提供する。これらのキットを使用する手順は、臨床検査室、実験研究室、開業医、または私的に個人によって行われてもよい。大腸癌細胞において示差的に発現されるSERPINE2ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを検出するための本発明のキットは、SERPINE2ポリペプチドに特異的に結合する部分を含んでもよく、これは抗体であってもよい。大腸癌細胞において示差的に発現されるSERPINE2ポリヌクレオチドを検出するための本発明のキットは、このようなポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする部分を含んでいてもよい。本キットは、緩衝液、発色試薬、標識、反応表面、検出のための手段、対照試料、標準、説明書、および解釈の情報を含むがこれらに限定されない、方法に有用であるさらなる成分を提供してもよい。
D.アレイを使用するSERPINE2の検出
また、本発明は、SERPINE2遺伝子の発現を解析するためにマイクロアレイを使用する方法に関する。
従って、本発明は、SERPINE2の過剰発現および/またはアップレギュレーションによって特徴づけられる癌を予測するためのマイクロアレイを使用する方法を提供する。本方法は、(a)マイクロアレイを使用して、患者から得られる生物試料におけるSERPINE2の発現レベルを決定する工程、(b)患者生物試料におけるSERPINE2発現のレベルを正常な生物試料におけるSERPINE2発現のレベルと比較する工程、および(c)患者生物試料におけるSERPINE2発現のレベルを癌の予後に相関させる工程を含む。
ポリヌクレオチドアレイは、試料中の多数のポリヌクレオチドまたはポリペプチドをアッセイすることができるハイスループット技術を提供する。この技術は、示差的発現のための試験ツールとして使用することができる。
種々のアレイを作製する方法、並びにこれらの方法のバリエーションが、当技術分野において公知であり、本発明における使用が想定される。たとえば、アレイは、結合したプローブを有する二次元マトリックスまたはアレイにおいて、基体(たとえば、ガラス、ニトロセルロースなど)上にポリヌクレオチドプローブをスポットすることによって作製することができる。プローブは、共有結合によって、または疎水的相互作用などの非特異的な相互作用によって、いずれかによって基質に結合することができる。
ポリヌクレオチドの試料は、検出可能に標識(たとえば、放射性、または蛍光標識を使用して)され、次いでプローブにハイブリダイズさせることができる。プローブポリヌクレオチドに結合した標識された試料ポリヌクレオチドを含む二重鎖ポリヌクレオチドは、一旦試料の未結合部分を洗い流して検出することができる。または、試験試料のポリヌクレオチドをアレイ上に固定すること、またプローブを検出可能に標識することができる。アレイを構築するための技術およびこれらのアレイを使用する方法は、たとえば、Schena et al., (1996) Proc Natl Acad Sci U S A. 93(20):10614-9;Schena et al., (1995) Science 270(5235):467 70;Shalon et al., (1996) Genome Res. 6(7):639-45, 米国特許第5,807,522号, 欧州特許第799 897号;国際公開公報第97/29212号;国際公開公報第97/27317号;欧州特許第785 280号;国際公開公報第97/02357号;米国特許第5,593,839号;米国特許第5,578,832号;欧州特許第728 520号;米国特許第5,599,695号;欧州特許第721 016号;米国特許第5,556,752号;国際公開公報第95/22058号;および米国特許第5,631,734号に記載されている。大部分の態様において、「プローブ」は、検出可能に標識されている。その他の態様において、プローブは、アレイ上に固定されており、検出可能に標識されていない。
たとえば、遺伝子の示差的発現を検査するためにアレイを使用することができ、遺伝子機能を決定するために使用することができる。たとえば、アレイは、本明細書に記載されているポリヌクレオチドに対応する遺伝子の示差的発現を検出するために使用することができ、この場合、試験細胞と対照細胞(たとえば、癌細胞と正常細胞)との間で発現が比較される。たとえば、対応する正常細胞において観察されない、癌細胞における特定のメッセージの高発現は、癌特異的な遺伝子産物を示し得る。アレイの例示的な使用は、たとえば、Pappalarado et al., Sem. Radiation Oncol.(1998)8: 217;およびRamsay, Nature Biotechnol.(1998)16: 40にさらに記載されている。さらに、アレイを使用する検出方法の多くのバリエーションも、十分に当技術分野の技術内で、かつ本発明の範囲内である。たとえば、固体支持体にプローブを固定する以外にも、試験試料を固体支持体上に固定し、次いでプローブと接触させることができる。
また、本発明によって想定されるマイクロアレイは、多くの異なるタンパク質、アミノ酸配列、ポリヌクレオチド配列、または低分子を含んでもよい。一つの態様において、マイクロアレイは、全てまたは一部のSERPINE2タンパク質(これらの機能的誘導体、変異体、類似体、および一部を含む)を含んでもよい。また、本発明は、SERPINE2などの標的タンパク質を結合する1つまたは複数の抗体またはこれらの機能的同等物を含むマイクロアレイを想定する。
マイクロアレイ上のタンパク質捕獲物質は、SERPINE2などの標的タンパク質に結合し、かつマイクロアレイ上のタンパク質捕獲物質の一部にこれを固定する能力を有する任意の分子または分子の複合体であってもよい。一つの局面において、タンパク質捕獲物質は、実質的に特異的な様式でその標的タンパク質に結合する。たとえば、タンパク質捕獲物質は、抗体または受容体などの、細胞内におけるその天然の機能が別のタンパク質に特異的に結合することであるタンパク質であってもよい。または、タンパク質捕獲物質は、標的タンパク質に特異的に結合する部分的もしくは完全に合成か、または組換えタンパク質であってもよい。
さらに、タンパク質捕獲物質は、特異的な標的タンパク質またはペプチド標的に対するその結合親和性によって、変異誘発されたか、ランダム化されたか、または完全にランダムで、かつ合成のライブラリーからインビトロで選択されたタンパク質であってもよい。使用される選択法は、リボソームディスプレイまたはファージディスプレイなどのディスプレイ法であってもよい。または、インビトロ選択を経て得られたタンパク質捕獲物質は、タンパク質標的に特異的に結合するDNAまたはRNAアプタマーであってもよい。たとえば、Potyrailo et al.,70 ANAL. CHEM. 3419-25(1998);Cohen, et al., 94 PROC. NATL. ACAD. SCI. USA 14272-7(1998);Fukuda, et al., 37 NUCL. ACIDS SYMP. SER., 237-8(1997)を参照されたい。または、インビトロ選択されたタンパク質捕獲物質は、ポリペプチドであってもよい。Roberts and Szostak, 94 PROC. NATL. ACAD. SCI. USA 12297-302(1997)。さらにもう一つの態様において、タンパク質捕獲物質は、コンビナトリアル・ケミストリー・ライブラリーから選択されたか、または生物体から単離された低分子であってもよい。
しかし、特定の態様において、タンパク質捕獲物質は、タンパク質である。タンパク質捕獲物質は、抗体または抗体断片であってもよい。抗体部分を本明細書に例示してあるが、本マイクロアレイおよび方法は、有利には、その他のタンパク質捕獲物質と共に使用されてもよいことが理解される。
本マイクロアレイの抗体または抗体断片は、一本鎖Fvs、Fab断片、Fab'断片、F(ab')2断片、Fv断片、dsFvsダイアボディー、Fd断片、全長、抗原特異的ポリクローナル抗体、または全長モノクローナル抗体であってもよい。特定の態様において、本マイクロアレイのタンパク質捕獲物質は、モノクローナル抗体、Fab断片、または一本鎖Fvsである。
抗体または抗体断片は、モノクローナル抗体、さらに公知の十分に特徴づけられたタンパク質に対する市販の抗体であってもよい。または、抗体断片は、ファージディスプレイ法を使用したライブラリーから選択することによって得てもよい。抗体断片が公知のタンパク質に対する結合親和性に基づいて選択することによって個々に得られる場合、抗体断片の標的タンパク質は、公知である。本発明の別の態様において、抗体断片は、細胞抽出物または生物試料の(典型的には、固定された)タンパク質に対する結合親和性に基づいて選択することを含むファージディスプレイ法によって得られる。本態様において、マイクロアレイの抗体断片の一部または多くは、未知の同一性および/または機能のタンパク質に結合すると考えられる。
E.生物試料
本明細書に記載された方法に使用される生物試料は、患者または株化細胞を含むが、これらに限定されないいくつかの供与源から単離されてもよい。患者試料は、血液、尿、羊水、血漿、精液、骨髄、および組織を含んでもよい。単離された場合、総RNAまたはタンパク質を、当技術分野において周知の方法を使用して抽出してもよい。たとえば、標的試料は、dTでプライムされる逆転写によってcDNAを産生することにより、総RNAから作製してもよい。たとえば、Sambrook et al., MOLECULAR CLONING: A LAB. MANUAL(2001);およびAusubel et al., CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, Inc.(1995) を参照されたい。次いで、cDNAをインビトロ転写によってcRNAに転写して、RNAのリニア増幅を生じさせてもよい。標的試料を、たとえば蛍光色素(たとえば、Cy3-dUTP)またはビオチンで標識してもよい。標識された標的をマイクロアレイにハイブリダイズさせてもよい。標的試料のレーザー励起により、蛍光発光が生じ、これが検出器によって捕獲される。次いで、この情報を使用して、ハイブリダイズされた標的の定量的二次元蛍光イメージを作製してもよい。
特定の組織または細胞タイプの遺伝子発現プロフィールをRNA(すなわち、総RNAまたはmRNA)から作製してもよい。オリゴdTプライマーでの逆転写を使用して、細胞RNAからmRNAを単離および作製してもよい。また、試料またはシグナルの量を最大化するために、標識された総RNAを使用してもよい。RNAを、蛍光標識してもよく、または放射性同位元素で標識してもよい。放射性検出のためには、支持体上でオリゴヌクレオチドプローブが近接するために、33P-dCTPなどの低エネルギー・エミッターが好ましい。フルオロフォア、Cy3-dUTP、またはCy5-dUTPを蛍光標識化のために使用してもよい。これらのフルオロフォアは、逆転写酵素での効率的な組込みおよびより良好な収率を示す。さらに、これらのフルオロフォアは、識別可能な励起および発光スペクトルを有する。従って、それぞれ異なるフルオロフォアで標識された2つの試料を同時にマイクロアレイに対してハイブリダイズさせてもよい。
典型的には、ポリヌクレオチド試料をハイブリダイゼーションの前に増幅してもよい。増幅法は、PCR((Innis et al., PCR PROTOCOLS: A GUIDE TO METHODS & APPLICATION(1990))、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Wu & Wallace, 4(4) GENOMICS 560-69(1989);Landegren et al., 241(4869) SCIENCE 1077-80(1988);Barringer et al., 89(1) GENE 117-22(1990))、転写増幅(Kwoh et al.,86(4) PNAS 1173-77(1989))、および自動持続性配列複製(selfsustained sequence replication)(Guatelli et al., 87(5)PNAS 1874-78(1990))を含むが、これらに限定されない。
標増幅の間または後に、標的ポリヌクレオチドを1つまたは複数のヌクレオチドで標識してもよい。使用のために適した標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的、または化学的手段による検出可能な標識を含む。一つの態様において、検出可能な標識は、蛍光標識などの発光標識、化学発光標識、生物発光標識、および比色標識である。特定の態様において、標識は、フルオレセイン、ローダミン、リサミン(lissamine)、フィコエリトリン、ポリメチン色素誘導体、リン光体、またはCy2、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7などの蛍光標識である。市販の蛍光標識は、フルオレプライム(Fluoreprime)(Pharmacia、Piscataway、NJ)、フルオレダイト(Fluoredite)(Millipore, Bedford, MA)、およびFAM(ABI, Foster City, CA)などのフルオレセイン・ホスホラミダイトを含む。その他の標識は、標識されたストレプトアビジン結合体での染色のためにビオチン、磁気ビーズ(たとえば、Dynabeads)、蛍光色素(たとえば、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質)、放射標識(たとえば、3H、125I、35S、14C、または32P)、酵素(たとえば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)、コロイド金または着色されたガラスもしくはプラスチック(たとえば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス)ビーズなどの比色標識を含む(たとえば、米国特許第4,366,241号;同第4,277,437号;同第4,275,149号;同第3,996,345号;同第3,939,350号;同第3,850,752号;および同第3,817,837号を参照されたい)。
VI.SERPINE2結合パートナーの同定
本発明は、SERPINE2結合パートナーを同定するための方法をさらに提供する。このような方法は、たとえば、候補SERPINE2結合パートナーを含むライブラリーのスクリーニング、および直接の結合、競合的結合、およびその他のアッセイ法の結果を解析することを含む。
A.コンビナトリアル・ライブラリーのハイスループットスクリーニング
ハイ・スループット・スクリーニング法は、多くの「候補化合物」を含むライブラリーを含む。次いで、このような「コンビナトリアルケミストリーライブラリー」を1つまたは複数のアッセイ法においてスクリーニングして、これらのライブラリーメンバー、すなわち所望の特徴活性を示す特定の化学種またはサブクラスを同定する。同定された化合物は、従来のリード化合物として役立ててもよく、または潜在的または実際の治療としてそれ自体を使用してもよい。迅速かつ効率よく多数を試験する能力のために、ハイスループットスクリーニング法は、従来のリード化合物同定法に置き換わる。
一般に、コンビナトリアルケミストリーライブラリーは、化学合成または生物学的合成を経て多くの化学物質「ビルディングブロック」を組み合わせることによって作製される一群の多様な化学物質である。何百万もの化学物質が、化学物質ビルディングブロックをコンビナトリアル混合することによって合成され得る。実際に、系統的な、100個の交換可能な化学物質ビルディングブロックのコンビナトリアル混合により、100,000,000個の四量体化合物または10,000,000,000個の五量体化合物が理論上合成される。具体例において、ポリペプチドライブラリーなどの直鎖状コンビナトリアル化学物質ライブラリーは、所与の化合物の長さ、すなわちポリペプチド化合物のアミノ酸数を得るためにあらゆる可能な方法でアミノ酸のセットを組み合わせることによって形成してもよい。
SERPINE2に結合ができる任意のタイプの分子が、化合物ライブラリーに存在し得る。たとえば、コンビナトリアル化合物ライブラリーは、炭水化物単糖、オリゴ糖、多糖体、アミノ酸、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、DNA、RNAおよびこれらの断片を含むポリヌクレオチド、脂質、レチノイド、ステロイド、糖ペプチド、糖タンパク質、糖脂質、プロテオグリカンなどの天然に存在する分子;ペプチド模倣物などの天然に存在する分子の類似体または誘導体;「低分子」有機化合物などの天然に存在しない分子;有機金属化合物;無機イオン;並びにこれらの混合物を含んでもよい。
一つの態様において、コンビナトリアル・ライブラリーは、ペプチドライブラリーであってもよい。たとえば、米国特許第5,010,175号;Furka,37 INT. J PEPT. PROT. RES. 487-93(1991); Houghton et al., 354 NATURE 84-88(1991)を参照されたい。SERPINE2結合パートナーを同定するために探索してもよいその他のコンビナトリアル・ライブラリーは、ポリヌクレオチド・ライブラリー;ペプチド核酸ライブラリー(米国特許第5,539,083号);抗体ライブラリー(Vaughn et al.,14(3)NATURE BIOTECH.309-14(1996);国際公開公報第96/10287号);炭水化物ライブラリー(Liang et al.,274 SCIENCE 1520-22(1996);米国特許第5,593,853号);および有機低分子ライブラリー(Chen et al., 116 J. AMER. CHEM. SOC. 2661(1994))を含む。
その他の化合物ライブラリーを作製してもよい。このような化合物は、ペプトイド(peptoid)(国際公開公報第91/19735号);コードされたペプチド(encoded peptide)(国際公開公報第93/20242号);ランダムバイオオリゴマー(random biooligomer)(国際公開公報第92/00091号);ヒダントイン、ベンゾジアゼピン、およびジペプチドなどの多様異性体(Hobbs et al., 90 PROC. NAT. ACAD. SCI. USA 6909-13(1993);米国特許第5,288,514号);ビニレン同族体(vinylogous)ポリペプチド(Llagihara et al., 114 J. AMER. CHEM. SOC. 6568(1992));βDグルコース足場を有する非ペプチド性ペプチド模倣物(nonpeptidal peptidomimetic)(Hirschmann et al., 114 J. AMER. CHEM. SOC. 9217-18(1992));オリゴカルバメート(Cho et al., 261 SCIENCE 1303(1993));ペプチジル-ホスホナート(Campbell et al., 59 J. ORG. CHEM. 658(1994));イソプレノイド(米国特許第5,569,588号);チアゾリジノンおよびメタチアザノン(米国特許第5,549,947号)、ピロリジン(米国特許第5,525,735号;同第5,519,134号)、並びにモルホリノ化合物(米国特許第5,506,337号)を含んでもよいが、これらに限定されない。
本発明に使用される化合物ライブラリーは、コンビナトリアル・ケミストリー技術、発酵法、植物および細胞抽出法等を含む(しかし、これらに限定されない)任意の手段によって調製し、または得てもよい。コンビナトリアル・ライブラリーを作製するための方法は、当技術分野において周知である。たとえば、Carell et al., 3 CHEM. BIOL. 171-83 (1995);Felder, 48 CHIMIA 512-41 (1994);Gallop et al., 37 J. MED. CHEM. 1233-51 (1994);Gordon et al., 37 J. MED. CHEM. 1385-1401 (1994);Houghten, 9 TRENDS GENET. 235-39 (1993);Brenner et al., 89 PROC. NATL. ACAD. SCI. USA 5381-83 (1992);Houghten et al., 354 NATURE 84-86 (1991);Lam et al., 354 NATURE 82-84 (1991);Cwirla et al., 87 BIOCHEMISTRY 6378-82 (1990);およびLebl et al., 37 BIOPOLYMERS 177-98 (1995)を参照されたい。コンビナトリアル・ライブラリーの調製のための装置は市販されている。たとえば、390 MPS(Advanced Chem. Tech., Louisville KY);シンフォニー(Symphony)(Rainin, Wobum. MA);433A(Applied BioSystems, Foster City, CA);および9050プラス(Millipore, Bedford, MA)を参照されたい。
または、多数のコンビナトリアル・ライブラリーは、それ自体市販されている。たとえば、ComGenex Corp., Princeton, N. J.;Asinex Ltd., Moscow, Russia;Tripos, Inc., St. Louis, MO;ChemStar, Ltd, Moscow, Russia;3D Pharmaceuticals, Inc., Exton, PA;およびMartek Biosciences Corp., Columbia, MDを参照されたい。
ハイ・スループット・スクリーニング系は市販されている。たとえば、Zymark Corp., Hopkinton, MA;Beckman Instruments, Inc. Fullerton, CA;およびPrecision Systems, Inc., Natick, MAを参照されたい。これらの系は、典型的には、全ての簡単な試薬ピペット操作、液体分配、時限インキュベーション、およびアッセイ法に適した検出器で最終的なマイクロプレートの読み込みを含む全手順を自動化する。これらの配置可能な系は、ハイスループットかつ迅速なセットアップ、並びに高度の柔軟性をもったカスタマイゼーションを提供する。このような系の製造業者は、種々のハイスループット系および方法のための詳細なプロトコルを提供する。
試験される化合物は、アンジオテンシン、ボンベシン、カンナビノイド、コレシストキニン、グルタミン、セロトニン、メラトニン、神経ペプチドY、オピオイド、プリン、バソプレッシン、オキシトシン、VIP(血管作動性腸管および関連ペプチド)、ソマトスタチン、ドーパミン、モチリン、アミリン、ブラジキニン、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)、アドレノメデュリン、ロイコトリエン、パンクレアスタチン、プロスタグランジン、トロンボキサン、アデノシン、アドレナリン、インターロイキン、αおよびβ-ケモカイン(IL-8、GROα、GROβ、GRO、NAP-2、ENA-78、PF4、IP10、GCP-2、MCP-1、HC14、MCP-3、I-309、MIP1α、MIP-1β、ランテス(RANTES)など)、エンドセリン、エンテロガストリン、ヒスタミン、ニューロテンシン、TRH、膵臓ポリペプチド、ガラニン、これらの修飾された誘導体、これらの類似体、これらのファミリーメンバー等などの公知のリガンドだけでなく、植物および哺乳類(マウス、ラット、ブタ、ウシ、ヒツジ、サル、およびヒトなど)を含むが、これらに限定されない任意の生物体の組織抽出物、細胞培養上清などを含んでもよい。たとえば、生物試料抽出物または細胞培養上清を、細胞刺激活性などの測定のためにSERPINE2に添加して、測定に依存することによって分画し、これにより単一のリガンドを最後に得ることができる。
B.SERPINE2結合パートナーを同定するためのさらなる方法
SERPINE2結合パートナーを同定するもう一つの方法は、選択的にタンパク質に結合する化合物を同定するためのインビトロでのスクリーニングであり得る。上記の詳細において論議された種々のコンビナトリアル・ライブラリーを、候補SERPINE2結合パートナーをスクリーニングするために使用してもよい。
SERPINE2を含む組成物は、タンパク質と結合することができる結合パートナーを検出しておよび/または同定するための結合アッセイに使用してもよい。結合アッセイに使用される適切な組成物は、たとえば単離されたSERPINE2タンパク質またはこれらの機能的同等物、天然に哺乳類SERPINE2を発現する細胞、および哺乳類SERPINE2をコードする外来性ポリヌクレオチド配列を含む組換え細胞を含む。
候補SERPINE2結合パートナーは、直接結合アッセイによって同定してもよい。たとえば、Schoemaker et al., 285 J. PHARMACOL. EXP. THER. 61-69(1983)を参照されたい。一つの態様において、標識された候補結合パートナーをSERPINE2と接触し、標識された候補結合パートナーとSERPINE2との結合の量が測定される。もう一つの態様において、標識された候補結合パートナーを、その表面上にSERPINE2を天然に発現する細胞と接触して、標識された候補結合パートナーの細胞との結合の量が測定される。または、SERPINE2をコードする遺伝子を含む発現ベクターでトランスフェクトした細胞を使用してもよい。さらにもう一つの態様において、標識された候補結合パートナーを、SERPINE2を天然に発現する細胞から単離された画分と接触し、標識された候補結合パートナーの画分に含まれるSERPINE2との結合の量が測定される。または、画分は、SERPINE2をコードする遺伝子を含む発現ベクターでトランスフェクトした細胞から調製してもよい。両方の態様において、画分は、SERPINE2またはこれらの機能的同等物を含む。
本明細書に記載されている方法を実施する際に、SERPINE2タンパク質、SERPINE2を発現する細胞、およびSERPINE2を含む画分は、SERPINE2の結合パートナーを同定するために適した緩衝液に懸濁させてもよい。SERPINE2に対する結合パートナーの結合を阻害しない任意の緩衝液を使用してもよく、pH 4〜10(しばしば約pH 6〜8)のトリス-HCl緩衝液またはリン酸緩衝液などの緩衝液を含んでいてもよい。スクリーニングを行う際に、候補結合パートナーとのインキュベーション期間の間に細胞に対して毒性を示さない適切な緩衝液が使用される。または、結合アッセイ法は、適切な増殖培地中で行ってもよい。
加えて、CHAPSなどの表面活性剤、Tween(登録商標)-80、ジギトニン、デオキシコレート、および/またはウシ血清アルブミン(BSA)、ゼラチン等などの種々のその他のタンパク質を、非特異的結合を減少させるために緩衝液に添加してもよい。さらに、フェニルメチルスルホニルフルオライド、ロイペプチン、またはペプスタチンなどのプロテアーゼインヒビターを、SERPINE2および候補ペプチドのプロテアーゼ消化またはポリペプチド結合パートナーを防止するために添加してもよい。標識された、たとえば約5,000cpm〜約500,000cpmの放射性標識された候補結合パートナーを、約0.001ml〜約10mlのSERPINE2溶液に添加してもよい。
結合アッセイ法は、約0℃〜約50℃で、好ましくは約4℃〜約37℃で、約20分〜約24時間、好ましくは約30分〜約3時間行ってもよい。反応後に、グラスファイバーフィルター、濾紙等を通して溶液を濾過し;適切な量の緩衝液で洗浄し;およびフィルターに保持された放射能を液体シンチレーションカウンターまたはガンマ-カウンターによって測定してもよい。非特異的結合の量を決定するために、過剰な標識を別の反応に使用してもよい。
従って、一つの態様において、本発明は、SERPINE2結合パートナーをスクリーニングする方法であって、SERPINE2の少なくとも1つの候補結合パートナーを含む培地中において、SERPINE2をコードする遺伝子を含む発現ベクターをトランスフェクトした株化細胞を培養してSERPINE2を発現させる工程、および株化細胞によって産生されるSERPINE2タンパク質に対する少なくとも1つの候補結合パートナーの結合を測定する工程を含む方法を提供する。特定の態様において、株化細胞は、哺乳類、好ましくはヒトに由来する。そのうえ、SERPINE2は、図1または図2からなる群より選択される、ポリヌクレオチド配列もしくはこれらの相補配列と実質的に同一のポリヌクレオチド配列、またはこれらのポリヌクレオチド配列もしくは相補配列の一部によってコードされてもよい。もう一つの態様において、候補結合パートナーは標識されている。標識は、放射標識、酵素、発色団、またはフルオロフォアであってもよいが、これらに限定されない。
さらにもう一つの態様において、本発明は、SERPINE2結合パートナーをスクリーニングする方法であって、少なくとも1つの候補結合パートナーをSERPINE2のタンパク質ドメインと、少なくとも1つの候補結合パートナーがSERPINE2のタンパク質ドメインに結合することができる条件下で接触させる工程;およびSERPINE2の細胞外ドメインに対する少なくとも1つの候補結合パートナーの結合を検出する工程を含む方法を提供する。特定の態様において、SERPINE2は、図1または図2からなる群より選択される、ポリヌクレオチド配列もしくはこれらの相補配列と実質的に同一のポリヌクレオチド配列、またはこれらのポリヌクレオチド配列もしくは相補配列の一部によってコードされてもよい。もう一つの態様において、候補結合パートナーは標識されている。標識は、放射標識、酵素、発色団、またはフルオロフォアであってもよいが、これらに限定されない。特定の態様において、SERPINE2は、SERPINE2を発現する細胞内に位置する。または、SERPINE2のタンパク質ドメインは、SERPINE2を発現する細胞から単離された画分に位置してもよい。
別の態様において、候補結合パートナーは、間接的、たとえば競合的結合によって同定してもよい。この種のアッセイ法は、候補結合パートナーの結合親和性を評価するために使用してもよい。一つの態様において、SERPINE2結合パートナーを検出または同定する方法は、候補結合パートナーが公知の結合パートナーまたは公知のリガンド、たとえば抗体の結合を阻害する能力を評価する競合的結合アッセイ法を含む。たとえば、公知の結合パートナーまたは公知のリガンドは、本明細書に記載した適切な標識で標識してもよく、アッセイにおいて存在するSERPINE2を飽和させるために必要とされる標識された公知の結合パートナーまたは公知のリガンドの量を決定してもよい。標識された公知の結合パートナーまたは公知のリガンドを飽和させる量および候補結合パートナーの種々の量を、決定される結合および複合体形成に適した条件下で、哺乳類SERPINE2を含む組成物と接触してもよい。この種のアッセイ法において、標識された公知の結合パートナーまたは公知のリガンドとSERPINE2との間で形成される複合体の量の減少は、候補結合パートナーがSERPINE2に結合することを示す。
公知の結合パートナー、たとえば公知のリガンドとSERPINE2との間の複合体の形成は、任意の適切な方法を使用して、直接もしくは間接的に検出または測定してもよい。たとえば、公知の結合パートナーを適切な標識と標識してもよく、複合体の形成を標識の検出によって決定することができる。複合体の特異性は、過剰な非標識の公知の結合パートナーもしくは公知のリガンドまたは標識単独などの適切な対照を使用して決定してもよい。薬剤と哺乳類SERPINE2との間の複合体の検出に使用される適切な標識は、たとえば放射性同位元素、エピトープ標識(タグ)、アフィニティー標識(たとえば、ビオチン、アビジン)、スピン標識、酵素、蛍光基、または化学発光基を含む。標識を使用しない場合、複合体形成は、表面プラズマ共鳴またはその他の適切な方法によって決定してもよい。
候補結合パートナーが公知の結合パートナーと哺乳類SERPINE2との間の複合体の形成を阻害する能力は、標識された公知の結合パートナーまたは公知のリガンドの特異的結合の50%阻害のために必要とされる候補結合パートナーの濃度(IC50値)として報告されてもよい。一つの態様において、特異的結合は、全結合量(たとえば、複合体中の総標識)から非特異的結合を引いたものと定義される。非特異的結合は、過剰の非標識の公知結合パートナーまたは公知リガンドの存在下において形成される複合体中においてさらに検出される標識の量と定義してもよい。本明細書に記載されている方法に使用するために適した公知の結合パートナー、たとえば公知のリガンドは、免疫グロブリンなどの哺乳類SERPINE2と特異的に結合する分子および化合物を含む。
従って、一つの態様において、本発明は、薬物がSERPINE2に対するリガンド結合を阻害する能力を決定する方法であって、リガンドの存在下において、およびリガンドと薬物の存在下において、SERPINE2をコードする遺伝子を含む発現ベクターをトランスフェクトした株化細胞を培養してこれを発現させる工程、並びに発現されたSERPINE2に対するリガンドの結合のレベルを、薬物の存在下において発現されたSERPINE2リガンドの結合のレベルと比較する工程を含み、薬物の存在下における低レベルのリガンド結合は、薬物がリガンド結合のインヒビターであることを示し、したがって癌の発生を防止し、改善し、治療し、または遅延させることに適用性を有し得る方法を提供する。特定の態様において、図1または図2からなる群より選択される、ポリヌクレオチド配列もしくはこれらの相補配列と実質的に同一のポリヌクレオチド配列、またはこれらのポリヌクレオチド配列もしくは相補配列の一部によってコードされてもよい。この特定の方法において、株化細胞は、哺乳類、好ましくはヒトに由来してもよい。そのうえ、リガンドおよび/または薬物は、標識されてもよい。
同様に、本発明は、薬物がSERPINE2に対するリガンド結合を阻害する能力を決定するもう一つの方法であって、SERPINE2をコードする遺伝子を含む発現ベクターでトランスフェクトされた培養株化細胞から単離された画分をインキュベートする工程であって、リガンドの存在下において、およびリガンドと薬物の存在下において、膜は、発現されたSERPINE2を含む工程;並びに発現されたSERPINE2に対するリガンドの結合のレベルを、薬物の存在下において発現されたSERPINE2に対するリガンドの結合のレベルと比較する工程を含み、薬物の存在下における低レベルのリガンドの結合は、薬物がリガンド結合のインヒビターであることを示す方法を提供する。特定の態様において、図1または図2からなる群より選択される、ポリヌクレオチド配列もしくはこれらの相補配列と実質的に同一のポリヌクレオチド配列、またはこれらのポリヌクレオチド配列もしくは相補配列の一部によってコードされてもよい。もう一つの態様において、候補結合パートナーは標識されている。標識は、放射標識、酵素、発色団、またはフルオロフォアであってもよいが、これらに限定されない。
または、SERPINE2に対して結合する結合パートナーまたは標的は、酵母ツーハイブリッド系(Fields et al., 340 NATURE 245-246(1989))を使用して同定してもよい。この系では、2つのサブユニット転写因子の1つのサブユニットとSERPINE2とを含む融合タンパク質をコードする発現ユニットを酵母細胞に導入し、発現させてもよい。細胞は、(1)その発現には、発現のための2つのサブユニットの転写因子を必要とする検出可能なマーカーをコードする発現ユニット、および(2)転写因子の第2のサブユニットとクローン化されたDNAのセグメントとを含む融合タンパク質をコードする発現ユニットをさらに含むように修飾してもよい。クローン化されたDNAのセグメントがSERPINE2と結合するタンパク質をコードする場合、発現により、SERPINE2とコードされたタンパク質との相互作用を生じる。また、この相互作用により、転写因子の2つのサブユニットを近くで結合させて転写因子の再構成が可能となり、検出可能なマーカーの発現を生じる。酵母ツーハイブリッド系は、特にSERPINE2の細胞結合パートナーのcDNAをコードするセグメントのライブラリーをスクリーニングする際に有用である。
VII.ベクター、宿主細胞、およびタンパク質の産生
また、本発明は、SERPINE2ポリヌクレオチドを含むベクター、このようなベクターを含む宿主細胞、および組換え技術によるSERPINE2ポリペプチドの産生を提供する。ベクターは、たとえば、ファージ、プラスミド、ウイルス、またはレトロウイルスベクターであってもよい。レトロウイルスベクターは、複製能があるか、または複製欠損であってもよい。後者の場合、一般にウイルスの増殖は、補完宿主細胞(complementing host cells)においてのみ生じる。
SERPINE2ポリヌクレオチドは、宿主における増殖に関して選択可能なマーカーを含むベクターに連結されてもよい。一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿などの沈殿に、または荷電脂質との複合体に導入される。ベクターがウイルスである場合、適切なパッキング株化細胞を使用して、これをインビトロでパックし、次いで宿主細胞に形質導入してもよい。
ポリヌクレオチド挿入物は、少し例を挙げれば、λファージPLプロモーター、大腸菌lac、trp、phoA、およびtacプロモーター、初期および後期SV40プロモーター、並びにレトロウイルスLTRのプロモーターなどの適切なプロモーターに機能的に連結するべきである。その他の適切なプロモーターは、当業者に公知であろう。発現構築物は、転写開始、終結のための部位、および転写される領域に、翻訳のためのリボソーム結合部位をさらに含むであろう。構築物によって発現される転写物のコード部分は、好ましくは翻訳されるポリペプチドの始めに翻訳開始するコドン(UAA、UGA、またはUAG)を、最後に適切に配置された終止コドンを含む。
示したとおり、発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択可能なマーカーを含む。このようなマーカーは、真核生物の細胞培養のためのジヒドロ葉酸レダクターゼ、G418、またはネオマイシン耐性、並びに大腸菌およびその他の細菌において培養するためのテトラサイクリン、カナマイシン、またはアンピシリン耐性遺伝子を含む。
適切な宿主の代表例は、大腸菌、ストレプトマイセス属、およびネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)などの細菌細胞;酵母細胞などの真菌細胞、(たとえば、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)またはピチア・パストリス(Pichia pastoris)(ATCCアクセッション番号201178));ショウジョウバエ(Drosophila)S2およびスポドプテラ(Spodoptera)Sf9細胞などの昆虫細胞;CHO、COS、293、およびボーズメラノーマ細胞などの動物細胞;並びに植物細胞を含むが、これらに限定されない。上記した宿主細胞のための5の適切な培地および条件は、当技術分野において公知である。
細菌に使用される好ましいベクターの中には、QIAGEN,Inc.から入手可能なpQE70、pQE60、およびpQE-9;Stratagene Cloning Systems, Inc.から入手可能なpBluescriptベクター、Phagescriptベクター、pNHSA、pNH16a、pNH18A、pNH46A;並びにPharmacia Biotech, Inc.から入手可能なptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRITSを含む。好ましい真核ベクターの中には、Stratageneから入手可能なpWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXTl、およびpSG;並びにPharmaciaから入手可能なpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVLを含む。酵母系に使用される好ましい発現ベクターは、pYES2、pYDl、pTEFl/Zeo、pYES2/GS、pPICZ、pGAPZ、pGAPZalph、pPIC9、pPIC3.5、pHIL-D2、pHIL-Sl、pPIC3.5K、pPIC9K、およびPAO815(全てInvitrogen、Carload、CAから入手可能)を含むが、これらに限定されない。その他の適切なベクターが当業者には容易に明らかであると思われる。
関心対象の核酸は、ルート法(route method)によって適切なベクターにクローン化してもよい。適切なベクターは、プラスミド、コスミド、組換えウィルスベクター、たとえばレトロウイルスベクター、YAC、BACなど、ファージベクターを含む。
宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション法DEAE-デキストランを媒介したトランスフェクション法、カチオン脂質を媒介したトランスフェクション法、電気穿孔法、形質導入、感染、またはその他の方法によって実施することができる。このような方法は、Davis et al., Basic Methods In Molecular Biology(1986)などの多くの標準的な研究室マニュアルに記載されている。本発明のポリペプチドが組換えベクターを欠いた宿主細胞によって実際に発現され得ることが特に想定される。
SERPINE2ポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、リン酸セルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、並びにレクチンクロマトグラフィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収および精製することができる。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のために使用される。
また、SERPINE2ポリペプチドは、体液、組織、および細胞(直接単離されたか、または培養されたかにかかわらない)を含む天然の供与源から精製された産物;化学物質合成法の生成物;およびたとえば、細菌、酵母高等植物、昆虫、および哺乳動物細胞を含む原核生物または真核生物宿主から組換え技術によって産生された産物から回収することができる。組換え産生法に使用される宿主に応じて、SERPINE2ポリペプチドは、グリコシル化しても、またはグリコシル化しなくてもよい。加えて、SERPINE2ポリペプチドは、また、一部の場合には、宿主を媒介したプロセスの結果として、最初の修飾メチオニン残基を含んでもよい。従って、翻訳開始コドンによってコードされるN末端のメチオニンが、一般に全ての真核細胞における翻訳後に任意のタンパク質から高効率で除去されることは、当技術分野において周知である。大部分のタンパク質上のN末端メチオニンも、大部分の原核生物において効率的に除去されるが、いくつかのタンパク質については、N末端メチオニンが共有結合で連結されるアミノ酸の性質に応じて、この原核生物の除去プロセスが効率的ではない。
一つの態様において、酵母ピチア・パストリスは、真核生物系のSERPINE2ポリペプチドを発現するために使用される。ピチア・パストリスは、その唯一の炭素源としてメタノールを代謝することができるメチロトローフ酵母である。メタノール代謝経路の主な工程は、O2を使用するメタノールのホルムアルデヒドへの酸化である。この反応は、酵素アルコールオキシダーゼによって触媒される。その唯一の炭素源としてメタノールを代謝するために、ピチア・パストリスは、一部において、O2に対するアルコールオキシダーゼの親和性が比較的低いことにより、高レベルのアルコールオキシダーゼを産生しなければならない。従って、主な炭素源としてのメタノールに依存して増殖培地において、2つのアルコールオキシダーゼ遺伝子(AOX1)のうちの1つにおけるプロモーター領域が非常に活性である。メタノールの存在下では、AOX1遺伝子から産生されるアルコールオキシダーゼが、ピチア・パストリスにおける総可溶性タンパク質の約30%までを含む。Ellis, S. B., et al., Mol. Cell. Biol. 5: 1111-21(1985); Koutz, P. J, et al., Yeast 5: 167-77(1989); Tschopp, J. F., et al., Nucl. Acids Res. 15: 3859-76(1987)を参照されたい。従って、たとえば、本発明のポリヌクレオチドなどの異種コード配列は、AOX1制御配列の全部または一部の転写調節下で、メタノールの存在下において培養したピチア酵母において並外れて高レベルで発現される。
一例において、本質的に「Pichia Protocols: Methods in Molecular Biology」, D.R. Higgins and J. Cregg, eds., The Humana Press, Totowa, NJ, 1998に記載されたとおり、ピチア酵母系において本明細書に記載されたSERPINE2ポリペプチドをコードするDNAを発現するために、プラスミドベクターpPIC9Kが使用される。この発現ベクターは、マルチクローニングサイトの上流に位置するピチア・パストリス・アルカリホスファターゼ(PHO)分泌シグナルペプチド(すなわち、リーダー)に連結された強力なAOX1プロモーターによってSERPINE2ポリペプチドを発現および分泌させることができる。
当業者であれば容易に認識するであろうとおり、提唱された発現構築物が、転写、翻訳、分泌(必要に応じて)など(必要に応じてインフレームのAUGを含む)のための適切に位置したシグナルを提供する限り、pPIC9Kの代わりにpYES2、pYDl、pTEFl/Zeo、pYES2/GS、pPICZ、pGAPZ、pGAPZalpha、pP!C9、pPIC3.5、pHIL-D2、pHIL-Sl、pPIC3.5K、およびPAO815などの、その他の多くの酵母ベクターを使用することができる。
もう一つの態様において、たとえば、SERPINE2ポリヌクレオチドなどの異種コード配列の高レベルの発現は、たとえばpGAPZまたはpGAPZalphaなどの発現ベクターに異種SERPINE2ポリヌクレオチドをクローン化して、メタノールの非存在下において酵母培養物を培養することによって達成してもよい。
本明細書において論議されるベクター構築物を含む宿主細胞を包含することに加えて、本発明は、また、操作されて内因性遺伝形質(たとえば、コード配列)を欠失もしくは置換し、および/または遺伝形質(たとえば、異種ポリヌクレオチド配列)を含ませた、SERPINE2ポリヌクレオチドと機能的に結合された、内因性ポリヌクレオチドを活性化し、変化し、および/または増幅する、脊椎動物起源、特に哺乳類起源の初代、二次、および不死化されたの宿主細胞を包含する。たとえば、相同組換えを介して異種制御領域(たとえば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)と内因性ポリヌクレオチド配列とを機能的に結合させるために、当技術分野において公知の技術を使用してもよい(たとえば、1997年6月24日に発行された米国特許第5,641,670号;1996年9月26日に公開された国際公開公報第96/29411号;1994年8月4日に公開された国際公開公報第94/12650号;Koller et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:8932-8935(1989);およびZijlstra et al., Nature 342:435-438(1989)(それぞれの開示は、その全体が参照として組み入れられる)を参照されたい)。
有用な哺乳類宿主株化細胞の例は、一般にSV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7、ATCC CRL1651);ヒト胚腎臓株(293細胞または懸濁培養物での増殖のためにサブクローニングされた293細胞、Graham et al., J. Gen Virol.36:59(1977));ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO、Urlaub et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216(1980));マウスセルトリ細胞(TM4, Mather. Biol. Reprod. 23:243-251(1980))、サル腎臓細胞類似体(CV1, ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76, CRL-1587);ヒト子宮頚癌細胞(HELA, ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK, ATCC CCL 34);バッファロー・ラット肝細胞(BRL 3A, ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138, ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(Hep G2, HB 8065);マウス乳癌(MMT 060562, ATCC CCL51);TRI細胞(Mather et al., Annals N.Y. Acad.Sci. 383:44-68(1982));MRC5細胞;FS4細胞;並びにヒト肝癌系(Hep G2)である。
加えて、SETPINE2ポリペプチドは、当技術分野において公知の技術を使用して化学的に合成することができる(たとえば、Creighton, 1983, Proteins: Structures and Molecular Principles. W.H. Freeman & Co., N.Y.およびHunkapiller et al., Nature, 310:105-111(1984)を参照されたい)。たとえば、ポリペプチドの断片に対応するポリペプチドは、ペプチド合成機を使用することによって合成することができる。さらに、所望の場合には、非古典的アミノ酸または化学的アミノ酸類似体をポリペプチド配列内に置換または付加として導入することができる。非古典的アミノ酸は、共通アミノ酸のD異性体、2,4-ジアミノブチル酸、a-アミノイソブチル酸、4-アミノブチル酸、Abu、2-アミノブチル酸、g-Abu、e-Ahx、6-アミノヘキサン酸、Aib、2-アミノイソブチル酸、3-アミノプロピオン酸、オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、5ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、ホモシトルリン、システイン酸、t-ブチルグリシン、t-ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、b-アラニン、フルオロ-アミノ酸、デザイナーアミノ酸(b-メチルアミノ酸、Ca-メチルアミノ酸、Na-メチルアミノ酸など)、および一般にアミノ酸類似体を含むが、これらに限定されない。さらに、アミノ酸は、D(右旋性)またはL(左旋性)であることができる。
天然に存在しない変異体は、当業者に公知の突然変異誘発技術を使用して産生してもよく、オリゴヌクレオチド媒介突然変異誘発、アラニンスキャニング、PCR突然変異誘発、部位定方向突然変異誘発(たとえば、Carter et al., Nucl. Acids Res. 73: 4331(1986);およびZoller et al., Nucl. Acids Res. 70: 6487(1982)を参照されたい)、カセット突然変異誘発(たとえば、Wells et al., Gene 34: 315(1985)を参照されたい)、制限選択突然変異誘発(たとえば、Wells et al., Philos. Trans. R. Soc. London SerA 377: 415(1986)を参照されたい)を含むが、これらに限定されない。
また、スキャニングアミノ酸解析は、連続する配列に沿って1つまたは複数のアミノ酸を同定するために使用することができる。好ましいスキャニングアミノ酸は、比較的小さな中性アミノ酸である。このようなアミノ酸は、アラニン、グリシン、セリン、およびシステインを含む。アラニンは、これがβ炭素を越えて側鎖を除去し、かつ変異体の主な鎖高次構造を変更する可能性が低いので、典型的にはこの群の中で好ましいスキャニングアミノ酸である。また、アラニンは、これが最も一般的アミノ酸であるので、典型的には好ましい。アラニン置換により、十分な量の変異体が得られない場合は、同等負担物のアミノ酸を使用することができる。
実施例
さらなる説明がなくても、当業者であれば、前述の明細書を使用して、本発明を最も完全な範囲で利用することができる。以下の実施例は、例示するのみであり、いかなる形であれ残りの開示を限定しない。
実施例1:SERPINE2は、原発性結腸直腸腫瘍において示差的に発現される144個の遺伝子の一つである
本実施例は、SERPINE2が、cDNAマイクロアレイ解析で示されるように原発性結腸直腸腫瘍において示差的に発現される144個の遺伝子のうちの1つであることを証明する。表1を参照されたい。
42人のCRC患者を同定し、原発性結腸腫瘍、隣接した正常結腸上皮、およびほとんどの場合、転移性肝腫瘍の対応する試料を得て、瞬間凍結した。試料RNAは、レーザー捕獲顕微解剖および転写を媒介した増幅を使用して得た。Van Gelder et al., PROC. NATL. ACAD. SCI. USA 87(5): 1663-7(1990);および Luo et al., NAT MED. 5(1): 117-22(1999)。
遺伝子発現は、注文製作した二色cDNAマイクロアレイを使用して測定した。ハイブリダイゼーションの前に、それぞれの試料をcye-3色素およびcye-5色素の両方で別々に標識した。相対的遺伝子発現を、同時ハイブリダイズした試料間で測定した。3つ程度の測定を観察し:原発性結腸腫瘍を隣接正常結腸上皮と比較し(T/N)、転移性肝腫瘍を隣接正常上皮と比較し(M/N)、および転移性肝腫瘍を原発性結腸腫瘍と比較した(M/T)。全3つのこれらの測定を32人の患者からなるサブセットに対して行った。各対の試料は、色素に由来する偏りを除くために標識化を交換して2回測定した。それぞれのアレイを重複してスポットし、4つ生じる測定値を平均した。シグナルモデルを使用してバックグランドを補正し、シグナルに対する検出呼び出し(detection call)を行い、最終的な遺伝子発現比率に対して不確定度および統計的有意差を割り当てた。良好なT/N、M/T、およびM/N比が得られた(分子および分母の両方についてmRNA発現がバックグランド以上であった)それぞれの試料について、組み合わせた産物が25%以内の1つの値を与えるであろうように、これらの3つの測定について一致した結果を要求した(すなわち、4/5<(T/N)(M/T)/(M/N)<5/4。)。この要求を満たしていない測定値は使用しなかった。
T/N、M/N、およびM/T発現比率の全てを測定した32人の結腸患者の少なくとも20%において、転移性肝腫瘍と原発性結腸腫瘍との間で示差的に発現された遺伝子を同定した。転移性と原発性腫瘍試料との特定の対については、1)発現M/T比が1.5よりも大きく、および2)比率測定に関して95%の信頼限界が、1よりも大きかった場合に、遺伝子が転移性腫瘍において過剰発現されたものと同定した。同様に、試料対において、1)比率M/Tが2/3未満であり、2)比率測定に関して95%の信頼限界が1未満であった場合に、遺伝子が過小発現したものと同定した。結腸患者は、本研究において総結直腸癌患者集団の非常に小さな標本だけを表すため、過剰(または過小)発現されたものと同定された遺伝子が総集団の少なくとも20%において過剰(または過小)発現される可能性が非常に高いことを確認するために、以下の基準を使用した。それぞれのスポットについて、少なくとも10個の有用な測定値を要求した。また、所与のポジティブ観察(遺伝子が過剰(または過小)発現された試料)の数および観察の総数(有用な測定値をもつ試料)について、総集団において過剰(または過小)発現が見られる確率が99%より低い信頼限界を、最大尤推定法を使用して二項分布から推定した。測定の少なくとも20パーセントが99パーセントの信頼間隔の範囲内で示差的に発現された遺伝子を同定した。
これらの基準に基づいて、20%の結腸直腸癌患者において、原発性結腸腫瘍と対応する肝臓への転移性腫瘍との間で示差的に発現された144個の遺伝子を同定した。興味深いことに、この解析は、測定された遺伝子の非常に小さな画分が、対応した原発性腫瘍と比較して転移性腫瘍においてアップレギュレートまたはダウンレギュレートされたことを証明した。これにより、原発性腫瘍が転移する性向または能力を獲得するために、比較的少ない突然変異が必要とされることが示唆され得る。原発性腫瘍と比較して転移性腫瘍において過剰発現されたものとして同定された68個の遺伝子からなる示差的に発現された遺伝子のサブセットを表1に示してある。過小発現されたと同定されたサブセットを表2に示してある。距離測定基準(distance metric)としてピアソン相関を使用して遺伝子の階層的なクラスタリングを行い、患者全体にわたって同様の発現プロフィールをもつ遺伝子群を同定した。これらの遺伝子は、同様の機能を有してもよく、または同時制御されてもよく、またはさもなければ互いに相互作用してもよい。それぞれの遺伝子が割り当てられたクラスターを表に示してある。
(表1)同一患者からの原発性結腸腫瘍と比較して、肝転移において増大されたmRNA発現を示す68個の遺伝子。それぞれの遺伝子は、位置リンクID(Locus Link ID)、記号および名称によって特定される。「スポット」の列は、それぞれの遺伝子の発現を測定するために使用したスポット(cDNAクローン)の数を示す。「N」の列は、特定の遺伝子を測定した患者試料の最大数を示し;この数は、患者全体の平均パーセント有病率を算出する際に使用された。1.5倍、2倍、4倍および10倍増大したM/T発現のカットについての、または遺伝子が転移性腫瘍試料においてのみ検出された場合(「ON」)の平均有病率は、遺伝子が測定された患者の割合(%)として示される。「クラスター」の列は、本文に記載したとおりの階層的クラスタリングを使用して同定された、それぞれの遺伝子が属するクラスターを示す。遺伝子は、有病率値の合計によって減少順で順序づけてある。
Figure 2007525950
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(表2)同一患者のからの原発性結腸腫瘍と比較して、肝転移において減少されたmRNA発現を示す76個の遺伝子。列は、有病率の列がダウンレギュレーションを示す患者の割合(%)を示すこと、および「OFF」の列が、原発性腫瘍において発現が検出されたが、転移性では検出されなかった患者の割合(%)を示すこと以外は、表1におけるものと同じである。
Figure 2007525950
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実施例2:原発性結腸直腸腫瘍において示差的に発現されるいくつかの遺伝子は、互いに直接相互作用する
本実施例は、表1において原発性結腸直腸腫瘍において示差的に発現されると同定された遺伝子の多くが互いに直接相互作用することを証明する。
表1で同定された遺伝子および遺伝子産物の間の生物学的関連を同定および視覚化するために、プロプラエタリソフトウェア・パッケージPathwayAssist(商標)バージョン2.52(Ariadne Genomics Inc., Rockville, Maryland)を使用した。これらの関連は、Ariadne Genomics Inc.によって米国医学図書館によって自由に入手される論文要約から自然言語処理技術を使用して抽出した。タンパク質結合、遺伝子調節、およびリン酸化などの関係を含む生物学的関連ネットワークを構築するために、本ソフトウェアを使用した。これらの遺伝子または遺伝子産物の間の任意の直接相互作用が科学文献において同定されていたかどうかを決定するために、このデータベースを検索した。これらの遺伝子または遺伝子産物のうちの37個の間で関係が見いだされた。
図4を参照し、図は、上記の37個の遺伝子または遺伝子産物の関係を視覚化するために作製された。重要なことに、これらの37個の遺伝子または遺伝子産物のいくつかは、癌進行または転移に重要な役割を有するものと同定された。これらは、カテプシンB(CTSB)、幼生期クチクラタンパク質1(LCP1)、マトリックスメタロプロテイナーゼ2(MMP2)、マトリックスメタロプロテイナーゼ7(MMP7)、プラスミノーゲンアクチベーター(PLAT)、セリン・プロテイナーゼインヒビター、クレードE、メンバー2(SERPINE2)、マトリックスメタロプロテイナーゼ1の組織インヒビター1(TIMP1)、および血管内皮増殖因子(VEGF)を含む。
示差的に発現された遺伝子の生物相互作用を同定し、および視覚化することは重要である。同定された相互作用は、生物学的関連ネットワークと呼ばれることが多い。これらのネットワークは、疾患メカニズムを全体的に理解するのを助け、タンパク質結合パートナー、遺伝子発現の制御、またはタンパク質修飾の制御を含む多種多様な相互作用を反映し得る。場合によっては、生物学的関連ネットワークおよび示差的発現を証明する実験データを利用して、癌の進行および転移に重要である遺伝子を同定することもできると考えられる。この実施例では、以前に表1において示差的に発現されるものと同定された37個の遺伝子または遺伝子産物が、互いに相互作用することも同定された。
実施例3:原発性結腸直腸腫瘍におけるSERPINE2の示差的発現は、患者の生存に直線的に相関される
本実施例は、原発性結腸直腸腫瘍におけるSERPINE2発現が、CRC患者生存のネガティブな予後指標であることを証明する。
処置および対照生物試料の収集と平行して、臨床データをインフォームドコンセントのある各々の42人のCRC患者から収集した。データは、臨床反応、疾患進行、原発性腫瘍の検出から転移性疾患の検出までの期間などの患者の結果および治療詳細を含んだ。図5を参照し、各々のこれらの変数および最終的な患者の結果に対して直線回帰解析を行うことにより、患者の生存と、隣接した正常結腸上皮と比較した原発性結腸腫瘍におけるSERPINE2の発現との間の強力なネガティブ相関(p値<0.001)を証明した。21人の患者からの試料で測定されたT/N比を使用し;残りの患者の試料では、性原発腫瘍または隣接した正常試料においてSERPINE2の発現は検出されず、比は信頼できなかった。この回帰を算出する際に、遺伝子発現比を対数に変換し、生存は、試料収集から患者が生きた状態であった最後の日付までの日数に1加えた数の自然対数として表した。直線回帰の頑強性は、ブートストラップ技術を使用して評価し、有意性は、不完全フィッシャー順列試験によって評価した。報告したp値は、これらの技術によって最も控えめに算出した。いずれの場合においても、遺伝子発現比率の不確定度の影響を、平均対数比および適切な標準偏差によって定義される正規分布から得られるランダムな値でそれぞれの対数比を置換することによって評価した。図3から分かるように、原発性結腸腫瘍におけるSERPINE2の発現レベルとCRC患者生存とに強力なネガティブ相関がある。
実施例5:定量的RT-PCRの結果により、SERPINE2についてのマイクロアレイ結果を確認する
さらなる患者試料においてSERPINE2についてのマイクロアレイ結果を確認するために、二段階の定量的RT-PCRを使用した。SERPINE2発現は、cDNAマイクロアレイで測定したもの以外の全てを含む合計41人の患者(残りの患者からは、材料が不十分であった)からLCMによって得られた原発性結腸腫瘍と、対応する隣接した正常上皮との増幅したRNA試料を使用して、TaqManアッセイ法(Applied Biosisystems, Foster City, CA)によって測定した。GAPD(アッセイID Hs99999905_ml、RefSeq NM_002046)およびSERPINE2(アッセイID HsO0299953_ml、RefSeq NM_006216)、PCRプライマー、およびレポータープローブは、アッセイ-オン-デマンド遺伝子発現キット(Assays-on-Demand Gene Expression Kit :Applied Biosystems, Foster City, CA)から得て;GAPDを試料間の基準化のために使用した。それぞれのPCR反応のテンプレートとして使用したcDNA調製物から2μL(逆転写反応生成物の10%)と共に、アッセイ-オン-デマンドプロトコルに従って25μLの反応に対してPCR反応を行った。反応パラメーターは、以下の通りであった:95℃で10分の変性、続いて95℃で15秒、および60℃で1分を45サイクル。アッセイ法は、96穴プレート形式で行い、標準(MDA-MB-435株化細胞RNAからの第1鎖cDNA)の段階希釈に基づいて別々の較正をそれぞれのプレートに対して行った。SERPINE2およびGAPDの量は、少なくとも3回それぞれの組織試料において、別の日に測定した。cDNAマイクロアレイおよびTaqManによって測定されるSERPINE2 RNAレベルは、互いに良好に全体にわたって一致し、0.78のR2である(単一の孤立値を除く)。
実施例6:近傍の正常結腸上皮と比較して、原発性結腸腫瘍において高レベルのSERPINE2を過剰発現する患者は、有意に短い生存期間中央値を有する
本実施例は、SERPINE2の過剰発現が、CRC患者の生存のネガティブ予後指標であることをさらに証明する。
生存のカプラン-マイヤー解析を行った。結果を図6に図示する。図6aには、マイクロアレイ測定に由来するデータを図示する。患者全員のSERPINE2発現レベルが、マイクロアレイ検出限界以下にあったか、またはさもなければ品質基準を通過することができなかったので、対応したN、T、およびM試料を有した患者全員をこの解析に使用するというわけではなかった点に留意されたい。図6bには、アレイを使用して測定した21人の患者のうちの20人を含む41人の患者からの原発性腫瘍および正常組織試料のqRT-PCR測定に由来するデータを図示する。各々のグラフにおいて、患者は、彼らのSERPINE2 T/N発現(カットとしてT/N=3.3をもつ)に基づいて、およそ同サイズの2群に分けられた。それぞれの群について、生存患者の画分を時間の関数としてプロットしてある。マイクロアレイ・データに適用したときにGehan試験は、2つの群間の生存に有意差を示し、0.02のp値である。図6bに示した生存期間の中央値の相違は、全41人の患者の間では重要ではなく、患者数が多くなるにつれ、この後者の結果がをより高い統計的有意差を与え、Gehan p値0.009となる。
ヒトセリン(またはシステイン)プロテイナーゼインヒビター、クレードE、メンバー2(SERPINE2)、mRNAの1つのヌクレオチド配列を示す。この配列は、GENEBANK Locus NM_006216.1として示される。 ヒトセリン(またはシステイン)プロテイナーゼインヒビター、クレードE、メンバー2(SERPINE2)、mRNAの1つのヌクレオチド配列を示す。この配列は、GENEBANK Locus NM_006216.2として示される。 ヒトセリン(またはシステイン)プロテイナーゼインヒビター、クレードE、メンバー2(SERPINE2)のアミノ酸配列を示す。SERPINE2は、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1型、メンバー2;プロテアーゼインヒビター7(プロテアーゼ・ネキシンI);グリア由来ネキシン1;グリア由来神経突起促進因子としても知られる。この配列は、NCBI Entrez Protein Locus NP_006207として示される。 表1から同定される21個の遺伝子の生物学的関連ネットワークを示す図である。この図は、遺伝子間の直接相互作用を視覚化および同定する際の助けとなる。同定された遺伝子の略語は、表1に記載される。 患者生物試料におけるCRC患者生存とSERPINE2の発現との間で相関を証明するグラフである。生存は、試料収集から患者が生きていることが知られる日までの日数に1日を加えた自然対数として、隣接した正常な結腸上皮と比較して原発性結腸腫瘍におけるSERPINE2の対数に変換された発現比率に対してプロットした。 近傍の結腸上皮と比較して結腸腫瘍において低レベルのSERPINE2を発現する患者が、高レベルのSERPINE2を有する患者よりも長生きする傾向を証明するグラフである。データは、カプラン-マイヤー(Kaplan-Meier)解析で示される。左のプロットに示されるデータは、cDNAマイクロアレイを使用して作製され;右のプロットの中のデータは、定量的RT-PCRを使用して作製された。患者を、正常な上皮と比較した原発性結腸腫瘍におけるSERPINE2発現に基づいて2群に分けた。それぞれの群について、時間の関数として、生存する患者の画分を線のうちの1本によって示す。Gehan統計は、低レベルのSERPINE2を発現をする患者の全体の生存は、いずれの方法を使用しても有意に大きく、<0.05のp値を有することを示す。

Claims (59)

  1. 以下の工程を含む、個体における悪性疾患の経過を予測する方法:
    (a)患者生物試料と対照生物試料とにおけるSERPINE2の発現レベルを決定する工程;
    (b)工程(a)の結果を比較する工程;および
    (c)該悪性疾患の予測される経過に対して工程(b)の比較を相関させる工程。
  2. 悪性疾患が結腸直腸癌である、請求項1記載の方法。
  3. 悪性疾患が肝細胞癌である、請求項1記載の方法。
  4. 悪性疾患が膵癌である、請求項1記載の方法。
  5. 悪性疾患が成人軟部組織肉腫である、請求項1記載の方法。
  6. 悪性疾患が膵癌以外の癌である、請求項1記載の方法。
  7. 患者生物試料が、個体から得られる悪性組織である、請求項1記載の方法。
  8. 対照生物試料が予め定められた標準である、請求項1記載の方法。
  9. 対照生物試料が不死化された細胞組織培養物である、請求項1記載の方法。
  10. 対照生物試料が、初代細胞組織培養物である、請求項1記載の方法。
  11. 対照生物試料が、患者生物試料と同じ型の非悪性組織である、請求項1記載の方法。
  12. 患者生物試料が、転移性腫瘍に由来する組織であり、かつ対照生物試料が、原発性腫瘍に由来する組織である、請求項1記載の方法。
  13. 患者生物試料および対照生物試料の両方が同一個体から得られる、請求項11記載の方法。
  14. 患者生物試料および対照生物試料の両方が同一個体から得られる、請求項12記載の方法。
  15. SERPINE2の発現レベルがmRNAを利用して決定される、請求項1記載の方法。
  16. SERPINE2の発現レベルがcDNAを利用して決定される、請求項1記載の方法。
  17. SERPINE2の発現レベルが、SERPINE2タンパク質を利用して決定される、請求項1記載の方法。
  18. SERPINE2の発現レベルが、標識された核酸を利用して決定される、請求項1記載の方法。
  19. 標識が、放射標識、酵素、発色団、およびフルオロフォアからなる群より選択される、請求項18記載の方法。
  20. SERPINE2の発現レベルが、ノーザンブロット・ハイブリダイゼーションまたはmRNA標的の固定化アレイのいずれかを使用して決定される、請求項1記載の方法。
  21. SERPINE2の発現レベルが、サザンブロット・ハイブリダイゼーションまたはcDNA標的の固定化アレイのいずれかを使用して決定される、請求項1記載の方法。
  22. SERPINE2の発現レベルが、ウエスタンブロットまたはタンパク質標的の固定化アレイのいずれかを使用して決定される、請求項1記載の方法。
  23. SERPINE2の発現レベルが、抗SERPINE2抗体を利用して決定される、請求項1記載の方法。
  24. 抗体が標識される、請求項23記載の方法。
  25. 標識が、放射標識、酵素、発色団、およびフルオロフォアからなる群より選択される、請求項24記載の方法。
  26. 以下の工程を含む、個体における悪性疾患の再発を予測する方法:
    (a)患者生物試料と対照生物試料とにおけるSERPINE2の発現レベルを決定する工程;
    (b)工程(a)の結果を比較する工程;および
    (c)該悪性疾患の予測される経過に対して工程(b)の比較を相関させる工程。
  27. 悪性疾患が結腸直腸癌である、請求項26記載の方法。
  28. 悪性疾患が肝細胞癌である、請求項26記載の方法。
  29. 悪性疾患が膵癌である、請求項26記載の方法。
  30. 悪性疾患が成人軟部組織肉腫である、請求項26記載の方法。
  31. 悪性疾患が膵癌以外の癌である、請求項26記載の方法。
  32. 患者生物試料が、個体から得られる悪性組織である、請求項26記載の方法。
  33. 対照生物試料が、予め定められた標準である、請求項26記載の方法。
  34. 対照生物試料が、不死化された細胞組織培養物である、請求項26記載の方法。
  35. 対照生物試料が、初代細胞組織培養物である、請求項26記載の方法。
  36. 対照生物試料が、患者生物試料と同じ型の非悪性組織である、請求項26記載の方法。
  37. 患者生物試料が、転移性腫瘍に由来する組織であり、かつ対照生物試料が、原発性腫瘍に由来する組織である、請求項26記載の方法。
  38. 患者生物試料および対照生物試料の両方が同一個体から得られる、請求項36記載の方法。
  39. 患者生物試料および対照生物試料の両方が同一個体から得られる、請求項37記載の方法。
  40. SERPINE2の発現レベルが、mRNAを利用して決定される、請求項26記載の方法。
  41. SERPINE2の発現レベルが、cDNAを利用して決定される、請求項26記載の方法。
  42. SERPINE2の発現レベルが、SERPINE2タンパク質を利用して決定される、請求項26記載の方法。
  43. SERPINE2の発現レベルが、標識された核酸を利用して決定される、請求項26記載の方法。
  44. 標識が、放射標識、酵素、発色団、およびフルオロフォアからなる群より選択される、請求項44記載の方法。
  45. SERPINE2の発現レベルが、ノーザンブロット・ハイブリダイゼーションまたはmRNA標的の固定化アレイのいずれかを使用して決定される、請求項26記載の方法。
  46. SERPINE2の発現レベルが、サザンブロット・ハイブリダイゼーションまたはcDNA標的の固定化アレイのいずれかを使用して決定される、請求項26記載の方法。
  47. SERPINE2の発現レベルが、ウエスタンブロットまたはタンパク質標的の固定化アレイのいずれかを使用して決定される、請求項26記載の方法。
  48. SERPINE2の発現レベルが、抗SERPINE2抗体を利用して決定される、請求項26記載の方法。
  49. 抗体が標識される、請求項48記載の方法。
  50. 標識が、放射標識、酵素、発色団、およびフルオロフォアからなる群より選択される、請求項49記載の方法。
  51. さらなる予後指標とSERPINE2発現の相関をさらに含む、請求項1または26記載の方法。
  52. 少なくとも1つの標的がSERPINE2を特異的に検出するヌクレオチド標的またはタンパク質標的の固定化アレイを含む、悪性疾患の予後のために有用なキット。
  53. 少なくとも1つの標的が、図1に記載のヌクレオチド配列または図2に記載のヌクレオチド配列のいずれかと実質的に同一の少なくとも12個の連続するヌクレオチドである、請求項52記載のキット。
  54. タンパク質標的が、タンパク質捕獲物質である、請求項52記載のキット。
  55. タンパク質捕獲物質が、図3に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質または図3に記載の少なくとも12個の連続するアミノ酸からなるアミノ酸配列を有するタンパク質のいずれかである、請求項53記載のキット。
  56. タンパク質捕獲物質が、SERPINE2に結合する抗体またはSERPINE2に結合する抗体の機能的同等物である、請求項53記載のキット。
  57. タンパク質捕獲物質が、SERPINE2結合パートナーである、請求項53記載のキット。
  58. 予後指標として有用なさらなる遺伝子または遺伝子産物を特異的に検出する少なくとも1つの標的をさらに含む、請求項52記載のキット。
  59. 以下の工程を含む、悪性疾患の予後指標として有用な遺伝子または遺伝子産物を検出する方法:
    (a)患者生物試料と対照生物試料とにおけるSERPINE2の発現レベルを決定する工程;
    (b)患者生物試料と対照生物試料内のさらなる遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程;
    (c)工程(a)と工程(b)の結果を比較する工程;および
    (d)工程(c)の比較を相関させて、悪性疾患の予後指標としての遺伝子または遺伝子産物の有用性を予測する工程。
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