JP2007525480A - リシンa鎖の遷移状態類似体阻害剤 - Google Patents
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Abstract
リシン毒素Aの遷移状態類似体改良阻害剤が提供される。リシン毒素Aを阻害し、哺乳類におけるリシン毒素Aの毒性を防ぐためにこれら阻害剤を使用する方法も提供される。
Description
この出願は、2003年9月9日出願の米国仮出願第60/501,388号の利益を請求する。
連邦協賛研究開発についての陳述
米国政府は、本発明において支払い済みのライセンスを持っており、限られた条件下、NIHにより承認された第CA72444号の支払いにより準備されるような合理的な状況において、本特許権者が他者にライセンスを付与するよう要求する権利を持つ。
米国政府は、本発明において支払い済みのライセンスを持っており、限られた条件下、NIHにより承認された第CA72444号の支払いにより準備されるような合理的な状況において、本特許権者が他者にライセンスを付与するよう要求する権利を持つ。
(1)本発明分野
本発明は一般的に、酵素阻害剤に関する。より具体的には、本発明は、リシン毒素Aの遷移状態類似体阻害剤のデザインにおける改良、リシン毒素Aの遷移状態類似体改良阻害剤、ならびにこれら阻害剤を使用する方法に関する。
本発明は一般的に、酵素阻害剤に関する。より具体的には、本発明は、リシン毒素Aの遷移状態類似体阻害剤のデザインにおける改良、リシン毒素Aの遷移状態類似体改良阻害剤、ならびにこれら阻害剤を使用する方法に関する。
(2)関連技術の記載
参照文献
Baluna R. et al., 1999, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96: 3957-3962.
Endo, Y. et al., 1991, J. Mol. Biol. 221: 193-207.
Engert, A et al., 1998, Curr. Top. Microbiol. Immunol. 234: 13-33.
Hesselberth, JR et al., 2000, J. Biol. Chem. 275: 4937-4942.
O'Toole, JE et al., 1998, Curr. Top. Microbiol. Immunol. 234: 35-56.
Taneka, KSE et al., 2001, Biochemistry 40: 6845-6851.
Wolfenden et al., 1992, Biochemistry 31: 7356.
Yan, X et al., 1997, J. Mol. Biol. 266: 1043-1049.
参照文献
Baluna R. et al., 1999, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96: 3957-3962.
Endo, Y. et al., 1991, J. Mol. Biol. 221: 193-207.
Engert, A et al., 1998, Curr. Top. Microbiol. Immunol. 234: 13-33.
Hesselberth, JR et al., 2000, J. Biol. Chem. 275: 4937-4942.
O'Toole, JE et al., 1998, Curr. Top. Microbiol. Immunol. 234: 35-56.
Taneka, KSE et al., 2001, Biochemistry 40: 6845-6851.
Wolfenden et al., 1992, Biochemistry 31: 7356.
Yan, X et al., 1997, J. Mol. Biol. 266: 1043-1049.
リシンは、蓖麻豆から単離された細胞毒性ヘテロダイマータンパクである。リシン毒素A鎖(RTA)は、N−グリコシダーゼである。これは、特定のアデノシン(A4324)のC1’−N9結合を開裂させるが、これは、28SrRNA上の5’−GAGA−3’テトラループ2次構造エレメント中の、2番目の残基である(図1)。該アデノシンの加水分解は結果的に、60Sリボゾームサブユニットの、延長因子に結合する能力を反故にし、タンパク合成阻害および細胞死へと至る。
リシン毒素B鎖は、細胞表面受容体へと結合するガラクトース特異的レクチンであり、これゆえ、受容体媒介エンドサイトーシスによる取り込みへとリシン毒素A鎖を向かわせるように働く(図2)。これは次いで、ゴルジ装置(ゴルジ体)を介してERへと、ERAD経路を通って逆行輸送されると考えられる。RTAは次いで細胞質へと、Sec61pチャネルを介して放出される。
リシンは、哺乳類では非常に高い毒性を持っており、μg/kgの範疇である。このため、これは、政治的な暗殺において使用され、テロリストの武器として使用されるべく開発されてきた(Yanら、1997年、および、Hesselberthら、2000年中の引用文献参照)。RTAはまた抗体へと共有結合し、これは「魔法の弾丸」である免疫毒のデザインにおいて利用されてきたが、顕著な抗癌活性を有する(Engertら、1998年;O’Tooleら、1998年)。しかしながら、非特異的な副作用が、その使用を限定してしまう(O’Tooleら、1998年;Balunaら、1999年)。RTA阻害剤はこれゆえ、リシンの急性毒性およびRTA免疫毒の副作用を防ぐことにおけるそれらの潜在能力に関して、有用である。
ある幾つかのRTA阻害剤が開発されてきたが、構造に基づく阻害剤(Yanら、1997年)およびアプタマー(Hesselberthら、2000年)を包含する。もう1つ別のアプローチにおいて、RTAのオキサカルベニウムイオン遷移状態に似ている阻害剤が開発された(Tanakaら、2001年)。本発明はこのアプローチを引き継ぎ、オリゴヌクレオチド類似体改良阻害剤および新規小分子阻害剤を提供する。
従って、本発明は、リシン毒素Aの遷移状態阻害剤における改良を与える。
これゆえ、ある幾つかの実施形態において、本発明は、リシン毒素Aの遷移状態阻害剤に関する。本阻害剤は、配列(d)GX(d)GAを含み、ここで(d)GはGもしくはdGであり、Xはリシン毒素Aの遷移状態のアデノシン類似体であり、ここで少なくとも1つの(d)G部分がdGであり、配列(d)GX(d)GAから伸びてきた如何なる更なるヌクレオチド配列も、ラット28SrRNAのA4324に隣接しているステム・ループ構造配列を含む。これら阻害剤はまた、互変異性体、医薬的に許容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグの形態であってもよい。
他の実施形態において、本発明は、リシン毒素Aの他の遷移状態阻害剤に関する。これら阻害剤は、アデノシン類似体(X)、および、配列CGCGXGAGCGの内の少なくとも9リボヌクレオチドのステム・ループ構造を含み、ここで本遷移状態阻害剤はまた、ラット28SrRNAのA4324に隣接しているステム・ループ構造配列を含み、ここでXが、BZ、PZ、およびDAからなる群から選択され、図9に与えられるとおりである。これら阻害剤はまた、互変異性体、医薬的に許容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであってもよい。
加えて、本発明は、リシン毒素Aの遷移状態阻害剤に関し、DADMe−A(図14)のように、ピロリジンを含むが更なるリボヌクレオチドはない。これら阻害剤はまた、互変異性体、医薬的に許容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであってもよい。
更なる実施形態において、本発明は、リシン毒素A遷移状態阻害剤に関し、これは、式(I):
の化合物からなり、式中:
Adは、アデニン−9−イルであり;
Guは、グアニン−9−イルであり;
R1は、1〜10の3’−結合RNAオリゴヌクレオチドであり、シチジンおよびグアノシンヌクレオチド単位に代わるものであり;
R2は、1〜10の5’−結合RNAオリゴヌクレオチドであり、グアノシンもしくはシチジンヌクレオチド単位に代わるものであり;
VはCH2およびNHから選択され、WはNR1およびNR2から選択され;または、VはNR1およびNR2から選択され、WはCH2およびNHから選択され;
XはCH2およびCHOH(RもしくはS配置)から選択されるが、Wが、NH、NR1、およびNR2から選択される場合を除き、その時XはCH2であり;
Yは、水素、ハロゲン、およびヒドロキシから選択され、Vが、NH、NR1、およびNR2から選択される場合を除き、その時Yは水素であり;
Z1およびZ2は独立に、水素およびヒドロキシルから選択され;ならびに
R1は式(II):
Adは、アデニン−9−イルであり;
Guは、グアニン−9−イルであり;
R1は、1〜10の3’−結合RNAオリゴヌクレオチドであり、シチジンおよびグアノシンヌクレオチド単位に代わるものであり;
R2は、1〜10の5’−結合RNAオリゴヌクレオチドであり、グアノシンもしくはシチジンヌクレオチド単位に代わるものであり;
VはCH2およびNHから選択され、WはNR1およびNR2から選択され;または、VはNR1およびNR2から選択され、WはCH2およびNHから選択され;
XはCH2およびCHOH(RもしくはS配置)から選択されるが、Wが、NH、NR1、およびNR2から選択される場合を除き、その時XはCH2であり;
Yは、水素、ハロゲン、およびヒドロキシから選択され、Vが、NH、NR1、およびNR2から選択される場合を除き、その時Yは水素であり;
Z1およびZ2は独立に、水素およびヒドロキシルから選択され;ならびに
R1は式(II):
の基であり、R2は式(III):
の基であり、式中:
Aは、N、CH、およびCRから選択され、ここでRが、ハロゲン、任意に置換されたアルキル、アラルキルもしくはアリール、OH、NH2、NHR3、NR3R4、およびSR5から選択され;ここで、R3、R4、およびR5が各々、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Bは、NH2、NHR6から選択され、ここでR6が、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Dは、OH、NH2、NHR7、水素、ハロゲン、およびSCH3から選択され、ここでR7が、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Eは、NおよびCHから選択され;
Gは、CH2、CH2CH2、およびNHから選択されるかまたは存在せず、但し、WがNR1もしくはNR2でありGがNHである場合、VがCH2であり、但し、VがNR1もしくはNR2でありGがNHである場合、WがCH2である。上記した阻害剤のように、これら阻害剤も、互変異性体、医薬的に許容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであってよい。
Aは、N、CH、およびCRから選択され、ここでRが、ハロゲン、任意に置換されたアルキル、アラルキルもしくはアリール、OH、NH2、NHR3、NR3R4、およびSR5から選択され;ここで、R3、R4、およびR5が各々、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Bは、NH2、NHR6から選択され、ここでR6が、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Dは、OH、NH2、NHR7、水素、ハロゲン、およびSCH3から選択され、ここでR7が、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Eは、NおよびCHから選択され;
Gは、CH2、CH2CH2、およびNHから選択されるかまたは存在せず、但し、WがNR1もしくはNR2でありGがNHである場合、VがCH2であり、但し、VがNR1もしくはNR2でありGがNHである場合、WがCH2である。上記した阻害剤のように、これら阻害剤も、互変異性体、医薬的に許容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグであってよい。
本発明はまた、リシン毒素Aを阻害する方法に関する。本方法は、リシン毒素Aを、上記遷移状態阻害剤のいずれかと組み合わせることを含む。
加えて、本発明は、哺乳類を、リシン毒素A抗体免疫毒で処理する方法に関する。本方法は、哺乳類を、該リシン毒素A抗体免疫毒、および、上記いずれかの遷移状態阻害剤で処理することを含む。
本発明は、リシン毒素Aの遷移状態改良阻害剤を提供する。これら改良された阻害剤は、RTAの反応遷移状態を解明していく実施例1に記載された作業に一部基づいて発見された。
ある幾つかの実施形態において、本発明はリシン毒素Aの遷移状態阻害剤に関する。これら阻害剤は、配列(d)GX(d)GAを含み、ここで(d)GはGもしくはdGであり、Xはリシン毒素Aの遷移状態のアデノシン類似体であり、ここで少なくとも1つの(d)G部分がdGであり、配列(d)GX(d)GAから伸びてきた如何なる更なるヌクレオチド配列も、ラット28SrRNAのA4324に隣接しているステム・ループ構造配列を含む(付番はGenBank寄託番号J10880におけるとおりであり、ヒト28SrRNAの位置A4565に類似し;該ステム・ループ構造のヒトでの配列は、ラットでの該ステム・ループ配列に相同である)。このステム・ループ配列は、哺乳類28SrRNAのサルシン−リシン・ループと呼ばれる。
実施例1に論じられる探索において発見されたとおり、その脱プリン化部位に先行する部位のデオキシグアノシンは、ここでは該遷移状態類似体はラット28SrRNAのA4324に類似しているアデノシンに置き換わるものであり(Endoら、1991年)、そこで測定されたとおり、この酵素反応の減少したKcatにより、改良された阻害剤を提供する。当業者であれば、該脱プリン化部位以降のデオキシグアノシンもまた、該脱プリン化部位前のデオキシグアノシンを置換しているものであってもこれに加わっているものであっても、該遷移状態阻害剤に対して改良された阻害を与えるということを理解するものである。この改良はまた、RTA遷移状態の電荷および形状に似ている如何なるアデノシン置換(X)、例えば、P、IA、E、D、IR、1N、BZ、PZ、DA、およびDADMe−Aを伴う場合でも期待されるが、これらは、図6、7、9、および14に与えられるとおりである。これら化合物の互変異性体、医薬的に許容可能な塩、エステル、およびプロドラッグもまた有効な阻害剤であるものであり、ここでこれらエステルおよびプロドラッグが特に、RTA毒性を阻害するin vivoでの処置において有用であることも、理解されるものである。これら互変異性体、医薬的に許容可能な塩、エステル、およびプロドラッグは、過度な実験なしに、当業者により調製され得る。
好ましい実施形態において、該阻害剤配列(d)GX(d)GAは、ラット28SrRNAのA4324に隣接しているステム・ループ構造配列を持っている、ステム・ループ構造の一部である。これら阻害剤の例は、配列C(d)GX(d)GAG、CGC(d)GX(d)GAGCG、CGCGC(d)GX(d)GAGCGCG、CGCdGXdGAGCG、CGCGXdGAGCG、もしくはCGCdGXdGAGCGを含む。
好ましい実施形態において、Xは、BZ、PZ、もしくはDAであり;最も好ましい実施形態において、XはBZである。好ましい阻害剤の例は、図16のBZ−5dG−10である。
本発明はまた、リシン毒素Aの遷移状態の更なる阻害剤に関する。これら阻害剤は、アデノシン類似体(X)、および、配列CGCGXGAGCGを持っている少なくとも9ヌクレオチドのステム・ループ構造配列を含み、ここで該遷移状態阻害剤はまた、ラット28SrRNAのA4324に隣接しているステム・ループ構造配列を持っており、ここでXは、図9および図14に与えられるとおり、BZ、PZ、もしくはDAである。
更なる実施形態において、本発明は、リシン毒素Aの遷移状態小分子阻害剤に関する。これら小分子は、ステム・ループ構造中へと取り込まれることなく、RTAを阻害できる。これら阻害剤は、RTAの遷移状態類似の電荷および形状を持っているピロリジンを含む。これら小分子阻害剤の例は、DADMe−Aである(図14)。これら阻害剤の互変異性体、医薬的に許容可能な塩、エステル、およびプロドラッグも、上記阻害剤と共に、効果的なRTA阻害を与えると思われる。
これら遷移状態阻害剤ピロリジンの好ましい例はDADMe−Aであり、図14に与えられるとおりである。これら遷移状態阻害剤ピロリジンはDADMe−Aを包含し、任意に、3’−ホスフェート、5’−ホスフェート、もしくは3’−ホスフェートと5’−ホスフェートとの両方を含み得、阻害活性を妨げるものとは予期されない。
更なる実施形態において、本発明は、リシン毒素Aの遷移状態の更なる阻害剤に関する。これら阻害剤は、式(I):
の化合物からなり、式中:
Adは、アデニン−9−イルであり;
Guは、グアニン−9−イルであり;
R1は、1〜10の3’−結合RNAオリゴヌクレオチドであり、シチジンおよびグアノシンヌクレオチド単位に代わるものであり;
R2は、1〜10の5’−結合RNAオリゴヌクレオチドであり、グアノシンもしくはシチジンヌクレオチド単位に代わるものであり;
VはCH2およびNHから選択され、WはNR1およびNR2から選択され;または、VはNR1およびNR2から選択され、WはCH2およびNHから選択され;
XはCH2およびCHOH(RもしくはS配置)から選択されるが、Wが、NH、NR1、およびNR2から選択される場合を除き、その時XはCH2であり;
Yは、水素、ハロゲン、およびヒドロキシから選択され、Vが、NH、NR1、およびNR2から選択される場合を除き、その時Yは水素であり;
Z1およびZ2は独立に、水素およびヒドロキシルから選択され;ならびに
R1は式(II):
Adは、アデニン−9−イルであり;
Guは、グアニン−9−イルであり;
R1は、1〜10の3’−結合RNAオリゴヌクレオチドであり、シチジンおよびグアノシンヌクレオチド単位に代わるものであり;
R2は、1〜10の5’−結合RNAオリゴヌクレオチドであり、グアノシンもしくはシチジンヌクレオチド単位に代わるものであり;
VはCH2およびNHから選択され、WはNR1およびNR2から選択され;または、VはNR1およびNR2から選択され、WはCH2およびNHから選択され;
XはCH2およびCHOH(RもしくはS配置)から選択されるが、Wが、NH、NR1、およびNR2から選択される場合を除き、その時XはCH2であり;
Yは、水素、ハロゲン、およびヒドロキシから選択され、Vが、NH、NR1、およびNR2から選択される場合を除き、その時Yは水素であり;
Z1およびZ2は独立に、水素およびヒドロキシルから選択され;ならびに
R1は式(II):
の基であり、R2は式(III):
の基であり、式中:
Aは、N、CH、およびCRから選択され、ここでRが、ハロゲン、任意に置換されたアルキル、アラルキルもしくはアリール、OH、NH2、NHR3、NR3R4、およびSR5から選択され;ここで、R3、R4、およびR5が各々、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Bは、NH2およびNHR6から選択され、ここでR6が、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Dは、OH、NH2、NHR7、水素、ハロゲン、およびSCH3から選択され、ここでR7が、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Eは、NおよびCHから選択され;
Gは、CH2、CH2CH2、およびNHから選択されるかまたは存在せず、但し、WがNR1もしくはNR2でありGがNHである場合、その時VがCH2であり、但し、VがNR1もしくはNR2でありGがNHである場合、その時WがCH2である。これら阻害剤の互変異性体、医薬的に許容可能な塩、エステル、およびプロドラッグも、本発明の範囲内と見込まれる。
Aは、N、CH、およびCRから選択され、ここでRが、ハロゲン、任意に置換されたアルキル、アラルキルもしくはアリール、OH、NH2、NHR3、NR3R4、およびSR5から選択され;ここで、R3、R4、およびR5が各々、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Bは、NH2およびNHR6から選択され、ここでR6が、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Dは、OH、NH2、NHR7、水素、ハロゲン、およびSCH3から選択され、ここでR7が、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Eは、NおよびCHから選択され;
Gは、CH2、CH2CH2、およびNHから選択されるかまたは存在せず、但し、WがNR1もしくはNR2でありGがNHである場合、その時VがCH2であり、但し、VがNR1もしくはNR2でありGがNHである場合、その時WがCH2である。これら阻害剤の互変異性体、医薬的に許容可能な塩、エステル、およびプロドラッグも、本発明の範囲内と見込まれる。
上記RTA遷移状態阻害剤のいずれもが、ヒトを包含する哺乳類への医薬投与用に、医薬的に許容可能な賦形剤中に処方され得る。これら処方は、如何なる特定適用に関しても、過度の実験なく、投与用に調製され得る。本阻害剤組成物はまた、単独、または、化学療法剤のような他の医薬品と組み合わせて、調製され得る。加えて、本阻害剤の適切な用量は、過度の実験なく、標準的な用量−応答プロトコールを使用しつつ、求められ得る。
従って、経口、舌、舌下、口腔、および口腔内投与用にデザインされた本阻害剤組成物は、過度な実験を伴わず、当業界において既知の手段により、例えば、不活性希釈剤もしくは浸食性担体を用いて、調製され得る。本組成物はゼラチンカプセル中に密封されてもよく、錠剤へと圧縮されてもよい。経口投与治療目的では、本発明の阻害剤医薬組成物は賦形剤と共に取り込まれてもよく、錠剤、トローチ、カプセル、チンキ、懸濁、シロップ、ウェハウス、チューイングガム、および同様なものの形態で使用されてもよい。
錠剤、ピル、カプセル、トローチ、および同様なものは、バインダー、受容物質、崩壊剤、滑剤、甘味料、および香料をも含有してよい。バインダーのある幾つかの例は、微結晶セルロース、トラガカントゴム、もしくはゼラチンを包含する。賦形剤の例は、スターチもしくはラクトースを包含する。崩壊剤のある幾つかの例は、アルギン酸、コーン・スターチ、および同様なものを包含する。滑剤の例は、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カリウムを包含する。滑沢剤のある1例は、コロイド状二酸化硅素である。甘味料のある幾つかの例は、スクロース、サッカリン、および同様なものを包含する。香料の例は、ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジ香料、および同様なものを包含する。これら種々の組成物を調製するのに使用される材料は、医薬的に純粋であり、使用量では無毒性であるべきである。
本発明の阻害剤組成物は容易に、例えば、静脈内、筋内、くも膜下、もしくは皮下注入によるもののように、単独で、もしくは、もう1つ別の医薬品、例えば化学療法剤と組み合わせて、非経口投与され得る。非経口投与は、本発明の組成物を溶液もしくは懸濁中へと取り込ませることにより、達成され得る。このような溶液もしくは懸濁は、注射用水、生理食塩水、固定化油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、もしくは他の合成溶媒のような無菌希釈剤をも包含してよい。非経口用処方は、例えば、ベンジルアルコールもしくはメチルパラベンのような抗菌剤、例えばアスコルビン酸もしくは重亜硫酸ナトリウムのような抗酸化剤、ならびにEDTAのようなキレート剤をも包含してよい。アセテート、シトレート、もしくはホスフェートのような緩衝剤、ならびに、塩化ナトリウムもしくはデキストロースのような浸透圧調整剤も、加えられてよい。本非経口調製品は、ガラスもしくはプラスチックでできたアンプル、使い捨てシリンジ、もしくは多数回用バイアル中に封入され得る。
直腸投与は、本医薬阻害剤組成物を、直腸もしくは大腸中へと投与することを包含する。これは、坐薬もしくは浣腸を使用して達成され得る。坐薬用処方は容易に、当業界において既知の方法により、調製され得る。例えば、坐薬用処方は、グリセリンを約120℃まで熱し、本組成物を該グリセリンに溶解させ、熱せられた該グリセリンを混合し、その後に精製水が加えられてもよく、熱い該混合物を坐薬の型中へと注ぐことにより、調製され得る。
経皮投与は、皮膚を通した本阻害剤組成物の経皮吸収を包含する。経皮用処方は、パッチ(よく知られているニコチンパッチのような)、外用薬、クリーム、ゲル、軟膏、および同様なものを包含する。
本発明は、哺乳類へと、治療に有効な量の本阻害剤組成物を鼻から投与することを包含する。本明細書において使用される場合、「鼻から投与すること」もしくは「鼻からの投与」は、本組成物を、患者の鼻道もしくは鼻腔の粘膜へと投与することを包含する。本明細書において使用される場合、組成物の鼻からの投与用の医薬組成物は、よく知られた方法により、例えば、鼻用スプレー、鼻用ドロップ、懸濁、ゲル、外用薬、クリーム、もしくは粉末として、治療に有効な量で投与されるべき本組成物を包含する。本組成物の投与は、鼻用栓もしくは鼻用スポンジを使用しながら行われてもよい。
本発明は、リシン毒素Aを阻害する方法にも関する。本方法は、リシン毒素Aを、上記遷移状態阻害剤のいずれかと組み合わせることを含む。好ましい実施形態において、リシン毒素Aは哺乳類生存細胞中にあり、ここで、充分な濃度の本阻害剤の存在が、リシン毒素Aにより誘導される該細胞の死を防ぐことがある。これらの方法は、生存哺乳類、特にヒト中にある細胞において特に有用であると考えられ、ここで、本阻害剤が、該哺乳類の深刻な病気もしくは死を防ぎ得るものと考えられる。
これらの方法の1態様において、該哺乳類(例えばヒト)は、例えば癌用のリシン毒素A抗体免疫毒を用いて処置を受けていき、ここで、本阻害剤が、このような「魔法の弾丸」の免疫毒により臨床試験を苦しめてきた非特異的副作用を防ぐものと期待される。上記「背景技術」セクション中の議論参照。
これらの方法のもう1つ別の態様において、本阻害剤が、哺乳類、例えば蓖麻豆混入時に草食した牛またはテロリストの攻撃によるヒト犠牲者の、事故的もしくは意図的なリシン中毒に抗するものと期待される。
本発明は更に、哺乳類を、リシン毒素A抗体免疫毒を用いて処置する方法に関する。本方法は、哺乳類を、医薬的に許容可能な賦形剤中の上記遷移状態阻害剤のいずれかを用いて処置することを含む。好ましい実施形態において、該哺乳類は、該免疫毒を用いて癌に関して治療を受けているヒトである。これら方法では、該哺乳類が、最大阻害効果を達成すべく、該免疫毒を用いた処置前もしくは処置中、本阻害剤と共に処置されるのが好ましい。
本発明の好ましい実施形態が、以下の実施例中記載される。本明細書における請求項の範囲内の他の実施形態は、本明細書において開示されるような本発明の明細もしくは実施の考慮から、当業者にとって明らかなものである。本明細書は、本実施例によって例示的なだけであると考慮されるべきであると意図され、本発明の範囲および思想は、本請求項により指し示され、本実施例を以下に伴う。
実施例1.リシン毒素Aの遷移状態阻害剤
リシンA鎖の触媒機序
遷移状態阻害剤のデザインは、反応遷移状態に関する知識を必要とする。そのリボース環上もしくはアデニン塩基上の異なる位置において、14C、3H、もしくは15Nを用いて標識された感光性アデノシンを持たせたステム・テトラループ型RNAオリゴヌクレオチド10量体(図6では、A−10が標識された)を用い、リシン毒素S(RTA)の加水分解反応に関して、速度論的同位体効果が測定された。平衡同位体効果も算出された。その速度論的機序が、図3に示される。
リシンA鎖の触媒機序
遷移状態阻害剤のデザインは、反応遷移状態に関する知識を必要とする。そのリボース環上もしくはアデニン塩基上の異なる位置において、14C、3H、もしくは15Nを用いて標識された感光性アデノシンを持たせたステム・テトラループ型RNAオリゴヌクレオチド10量体(図6では、A−10が標識された)を用い、リシン毒素S(RTA)の加水分解反応に関して、速度論的同位体効果が測定された。平衡同位体効果も算出された。その速度論的機序が、図3に示される。
実験による最初の1’−14CのKIEは反対(inverse)であったが、このことは、求核置換に関する伝統的な、協奏的で(KIE〜1.01)段階的な(KIE〜1.018)機序と一致しない。しかしながら、これは、オキサカルベニウムイオン中間体に関して算出された平衡同位体効果の値と一致する(速度論スキーム中の[E・O])。EIEは、モデル化合物2’−ヒドロキシプリンリボシドとその3’−エンド(内部)オキサカルベニウムイオンとの間の平衡に関して算出された。図4中の構造は、該オキサカルベニウムイオンの、量子メカニズムにより最適化された3’−エンドおよび3’−エクソ(末端)コンホメーション上に、GAGAテトラループ(薄い灰色)の切断アデノシン残基のX線構造の重ね図を示す。該図から分かるように、該遷移状態において3’−エクソのコンホメーションを採ると、RNA主鎖において大きな構造変化を要すると思われる。2’−3HのKIE 1.012は、算出されたp軌道のC1’−C2’−H2’2面角48°に基づき、3’−エンドのコンホメーションを裏付ける。
これらの研究は、オキサカルベニウムイオン中間体を経由して進行する加水分解に関して、DN*ANの解離の機序を示唆する。該研究はまた、酵素が結合した該オキサカルベニウムイオンにおける、通常でない3’−エンドのコンホメーションも示唆する。図5において同定された結合のKIEの実験値に関しては、表1参照。
リシンA鎖の阻害
短いステム・ループ構造のRNAはリシンの基質であるが、その加水分解反応のkcatは、無処理のリボゾームのそれ(1777/分)に比べ遙かに小さい(10〜100/分)。その脱プリン化部位中に修飾されたアデノシン類似体を有するステム・ループ構造のRNAが、RTAの潜在的阻害剤として考えられ、合成された。これらが、図6に示される。該加水分解に関する遷移状態は、2つの部分を保有する。オキサカルベニウムイオン部分と、脱離基部分とである。その脱プリン化部位中に非天然類似体を有するステム・ループ構造が、アデノシン加水分解に関する遷移状態を模倣し、その環窒素が、該酵素上でプロトン化されると考えられ、該酵素が、それにオキサカルベニウムイオンの特徴を付与する。RTAはプロトン化により、脱離へと向かって該脱離基を活性化し、その大きな反対の(inverse)7−15NのKIEは、N7が該遷移状態においてプロトン化されることを示唆する。この特徴が、図6に示される阻害剤IA−10およびE−10中へと取り込まれている。非塩基性(abasic)阻害剤D−10およびIR−10も示されるが、これらは、該遷移状態のオキサカルベニウム部分から、結合エネルギーを捕捉することができるに過ぎない。
短いステム・ループ構造のRNAはリシンの基質であるが、その加水分解反応のkcatは、無処理のリボゾームのそれ(1777/分)に比べ遙かに小さい(10〜100/分)。その脱プリン化部位中に修飾されたアデノシン類似体を有するステム・ループ構造のRNAが、RTAの潜在的阻害剤として考えられ、合成された。これらが、図6に示される。該加水分解に関する遷移状態は、2つの部分を保有する。オキサカルベニウムイオン部分と、脱離基部分とである。その脱プリン化部位中に非天然類似体を有するステム・ループ構造が、アデノシン加水分解に関する遷移状態を模倣し、その環窒素が、該酵素上でプロトン化されると考えられ、該酵素が、それにオキサカルベニウムイオンの特徴を付与する。RTAはプロトン化により、脱離へと向かって該脱離基を活性化し、その大きな反対の(inverse)7−15NのKIEは、N7が該遷移状態においてプロトン化されることを示唆する。この特徴が、図6に示される阻害剤IA−10およびE−10中へと取り込まれている。非塩基性(abasic)阻害剤D−10およびIR−10も示されるが、これらは、該遷移状態のオキサカルベニウム部分から、結合エネルギーを捕捉することができるに過ぎない。
阻害:1−アザ糖
図6に示される構造は、イミノリビトール部分を、リボース等価体およびオキサカルベニウムイオン模倣体として含有する。第2世代の阻害剤が次いでデザインされ、結合親和性を向上させた。これら構造は、ポリヒドロキシピロリジンを、そのリボース等価体として取り込む。該ピロリジンはまた、該オキサカルベニウムイオン中間体の、該イミノリビトールよりも近い模倣体でもあるが、これは、C1’上の+電荷が基質の加水分解へと向かう遷移状態にあると思われる場合、その窒素上の+電荷が残るからである。非塩基性(abasic)類似体1N−14が左手に示され、IR−10(Ki=1.3μM)と比較されているが、これはイミノリビトールを取り込み、1N−14が2倍良好に結合することを示す。両分子とも非塩基性(abasic)であるので、それらの親和性における違いは、該遷移状態のオキサカルベニウムイオン部分を模倣するそれら能力における違いを反映する。
図6に示される構造は、イミノリビトール部分を、リボース等価体およびオキサカルベニウムイオン模倣体として含有する。第2世代の阻害剤が次いでデザインされ、結合親和性を向上させた。これら構造は、ポリヒドロキシピロリジンを、そのリボース等価体として取り込む。該ピロリジンはまた、該オキサカルベニウムイオン中間体の、該イミノリビトールよりも近い模倣体でもあるが、これは、C1’上の+電荷が基質の加水分解へと向かう遷移状態にあると思われる場合、その窒素上の+電荷が残るからである。非塩基性(abasic)類似体1N−14が左手に示され、IR−10(Ki=1.3μM)と比較されているが、これはイミノリビトールを取り込み、1N−14が2倍良好に結合することを示す。両分子とも非塩基性(abasic)であるので、それらの親和性における違いは、該遷移状態のオキサカルベニウムイオン部分を模倣するそれら能力における違いを反映する。
次の論理段階は、該脱離基の特徴を、本デザイン中へと取り込むことであった。RTA、1N−14、およびアデニンの3成分複合体の阻害は、オキサカルベニウムイオンとしての特徴と該脱離基の特徴との両方を併せ持つが、これが研究された。図8に示される熱力学図に記載のモデルへと適合させることにより、12nMのKiが求められた。これは、RTAに関して知られている最も密接な結合である。興味深いことに、9−デアザアデニンを用いた同様の複合体が、100nMの結合定数を持っていた。
阻害:遷移状態エネルギーのより良い捕捉へ向けて
Wolfendenら(1992年)は、アデノシン脱アミノ化酵素(デアミナーゼ)の遷移状態類似体を解体し、7〜10kcal/molが断片の適切な繋ぎ合わせから得られると結論付ける。この仮説に基づき、そのメチレン架橋がそのピロリジン1−アザ位中へと取り込まれ、N1上の+電荷(a。その基質およびbのC1’における電荷の模倣)を満たすようにし、反応中心(N1’/C1’)と該脱離基との間の距離を模倣した。表2は、合成された異なるメチレン架橋化合物(図9)のKi値を示す。
Wolfendenら(1992年)は、アデノシン脱アミノ化酵素(デアミナーゼ)の遷移状態類似体を解体し、7〜10kcal/molが断片の適切な繋ぎ合わせから得られると結論付ける。この仮説に基づき、そのメチレン架橋がそのピロリジン1−アザ位中へと取り込まれ、N1上の+電荷(a。その基質およびbのC1’における電荷の模倣)を満たすようにし、反応中心(N1’/C1’)と該脱離基との間の距離を模倣した。表2は、合成された異なるメチレン架橋化合物(図9)のKi値を示す。
ホスホロアミダイトカップリングの標準プロトコールを、DNA/RNA自動合成機上で使用し、修飾された該塩基を、ステム・ループ構造のRNA中へ取り込ませた。これらオリゴ体はRP HPLCにより精製され、MALDI質量スペクトルにより分析され、組成分析がHPLC上、ヘビ毒ホスホジエステラーゼおよびアルカリホスファターゼを用いた酵素消化後に実施された。
阻害の速度論:
反応速度が、1mMのEDTAを含有している10mMのクエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中で求められた。A−10が競合基質として使用され、その濃度はKmを2.5倍上回った。20%未満の変換を示している時間中に初期速度が求められ、アデニン放出がHPLCにより定量された。競合阻害式:
v=kcat*S/(Km*(1+I/Ki)+S)
式中、vが初期反応速度、Sが基質濃度
を使用し、阻害定数Kiが求められた。該式への代表的な適合が、図10に、BZ−10の場合に関して示される。プログラムKaleidagraphを使用し、これらの適合が行われた。
反応速度が、1mMのEDTAを含有している10mMのクエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中で求められた。A−10が競合基質として使用され、その濃度はKmを2.5倍上回った。20%未満の変換を示している時間中に初期速度が求められ、アデニン放出がHPLCにより定量された。競合阻害式:
v=kcat*S/(Km*(1+I/Ki)+S)
式中、vが初期反応速度、Sが基質濃度
を使用し、阻害定数Kiが求められた。該式への代表的な適合が、図10に、BZ−10の場合に関して示される。プログラムKaleidagraphを使用し、これらの適合が行われた。
阻害:遷移状態における親和性を得ること
小さな基質「A12」の、脱プリン化部位に先行する部位でのグアノシンに代わるデオキシグアノシン置換(つまり、GAGAの代わりのdGAGA)が結果的に、Kcatの3倍の減少(1/3)を与えた一方、Kmが約7〜8倍減少した(1/7〜8)。Kcatの減少は恐らく、該脱プリン化部位中のアデノシンの直後の先行グアノシン2’−OHと、該グアノシンN7との間の水素結合の喪失に由来する(例えば図6において、A12−5dGに関するKmを、A−14に関するものと比較)。この結果に基づき、我々は、2’−デオキシグアノシン(dG)置換を、前記1−アザ糖隣接部位において含有するようにさせた阻害剤を考えた。この構造はNBz−5dG−10であり、図12に示される。BZ−10(Ki〜99nM)を凌駕するNBz−5dG−10(Ki〜26nM)の4倍増強された結合は、基質A12を凌駕するA12−5dGのKmの8倍の減少(1/8)に一致する。この阻害剤の増加した親和性は、デオキシグアノシン置換による可能性があり、このN−ベンジル−1−アザ糖の、脱プリン化部位における増強された「遷移状態のような」特徴に加え、これは、僅かに変化した、より良く結合したテトラループ・コンホメーションに至る。
小さな基質「A12」の、脱プリン化部位に先行する部位でのグアノシンに代わるデオキシグアノシン置換(つまり、GAGAの代わりのdGAGA)が結果的に、Kcatの3倍の減少(1/3)を与えた一方、Kmが約7〜8倍減少した(1/7〜8)。Kcatの減少は恐らく、該脱プリン化部位中のアデノシンの直後の先行グアノシン2’−OHと、該グアノシンN7との間の水素結合の喪失に由来する(例えば図6において、A12−5dGに関するKmを、A−14に関するものと比較)。この結果に基づき、我々は、2’−デオキシグアノシン(dG)置換を、前記1−アザ糖隣接部位において含有するようにさせた阻害剤を考えた。この構造はNBz−5dG−10であり、図12に示される。BZ−10(Ki〜99nM)を凌駕するNBz−5dG−10(Ki〜26nM)の4倍増強された結合は、基質A12を凌駕するA12−5dGのKmの8倍の減少(1/8)に一致する。この阻害剤の増加した親和性は、デオキシグアノシン置換による可能性があり、このN−ベンジル−1−アザ糖の、脱プリン化部位における増強された「遷移状態のような」特徴に加え、これは、僅かに変化した、より良く結合したテトラループ・コンホメーションに至る。
RTA小分子阻害剤の特徴付け
ピロリジン化合物DADMe−A(図14)が、RTA阻害剤としてテストされた。Ki値が、A−10を基質として用いた競合アッセイ(図15)から、85μMであると見出された。しかしながら、Kmの>10倍の基質濃度では、反応速度において20%までの活性化が、低い阻害剤濃度では見出された。このことは、2つの結合部位の関わりを示唆する。低濃度では、該阻害剤は恐らく、前向きに協力的にアロステリック部位へと結合する。しかしながら、高濃度では、活性部位へと結合し、競合的に基質を追い出す。
ピロリジン化合物DADMe−A(図14)が、RTA阻害剤としてテストされた。Ki値が、A−10を基質として用いた競合アッセイ(図15)から、85μMであると見出された。しかしながら、Kmの>10倍の基質濃度では、反応速度において20%までの活性化が、低い阻害剤濃度では見出された。このことは、2つの結合部位の関わりを示唆する。低濃度では、該阻害剤は恐らく、前向きに協力的にアロステリック部位へと結合する。しかしながら、高濃度では、活性部位へと結合し、競合的に基質を追い出す。
阻害は、RTA、DADMe−A、および9−デアザアデニンの3成分複合体に関しても測定された。9−デアザアデニンは、活性化効果を廃することができ、該3成分複合体において、DADMe−Aが該活性部位を占める一方、プリンが第2の部位へと結合することを示唆している。この3成分複合体に関するKiは、20μMであった。
この小分子によるアプローチは、以前に開発された通常のオリゴヌクレオチド様阻害剤構造の代案を提供し、細胞への向上した進入(改良されたエンドサイトーシス)において長所を与えることがある。
実施例2.RTAの更なる阻害剤
新しい第2世代のアザ糖(図16)が、ステム・ループRNA中へと取り込まれて使用され、RTAを特徴化した。化学合成は結果的に、ヒドロキシルとして存在しているオリゴヌクレオチド5’−および3’−両末端を与える。該RNA構造中へと取り込まれた置換基が太字として指し示され、リシン感受性アデニンが類似のステム・ループ構造中にあると思われる場合、その位置を占める。これらアザ糖は、RTAの加水分解機序において提案されたオキサカルベニウムイオン遷移状態に似ている。個々の速度定数が、表3に与えられる。
新しい第2世代のアザ糖(図16)が、ステム・ループRNA中へと取り込まれて使用され、RTAを特徴化した。化学合成は結果的に、ヒドロキシルとして存在しているオリゴヌクレオチド5’−および3’−両末端を与える。該RNA構造中へと取り込まれた置換基が太字として指し示され、リシン感受性アデニンが類似のステム・ループ構造中にあると思われる場合、その位置を占める。これらアザ糖は、RTAの加水分解機序において提案されたオキサカルベニウムイオン遷移状態に似ている。個々の速度定数が、表3に与えられる。
阻害速度論
反応速度が、1mMのEDTAを含有している10mMのクエン酸カリウム緩衝液(pH4.0)中で求められた。合計の反応容積は、100μLであった。反応が、濃度26〜48nMでのRTAの添加により開始された。該反応バイアルの37℃での決まった時間のインキュベート後、該反応は、酵素を500mMのリン酸カリウム緩衝液(pH8.3、1M溶液100μL)を用いて不活性化することにより止められた。これらサンプルが次いで、逆相 C18 Waters Delta−Pak 保護および分析カラム(3.9×300mm)へと注入され、5%メタノールを含有している50mMの酢酸アンモニウム(pH5.0)中に、流速1mL/分で定組成溶離させた。酵素タンパクはこれら条件下に、該保護カラムに保持される。RTAによるRNA加水分解の規模が、260nmにおいてピークをモニターしながら、同一プロトコールで処理された標準との比較に基づき、放出されたアデニンを定量することにより測定された。基質も阻害剤も、これらアッセイ混合物への添加前に、80℃まで1分間熱せられ、氷冷され、37℃で15分間インキュベートされ、回転(ターン・オーバー)の割合の変動を抑制したが、これは、溶液中でのコンホメーションの不均一さ(ヘアピン対他の形態)からもたらされる可能性がある。
反応速度が、1mMのEDTAを含有している10mMのクエン酸カリウム緩衝液(pH4.0)中で求められた。合計の反応容積は、100μLであった。反応が、濃度26〜48nMでのRTAの添加により開始された。該反応バイアルの37℃での決まった時間のインキュベート後、該反応は、酵素を500mMのリン酸カリウム緩衝液(pH8.3、1M溶液100μL)を用いて不活性化することにより止められた。これらサンプルが次いで、逆相 C18 Waters Delta−Pak 保護および分析カラム(3.9×300mm)へと注入され、5%メタノールを含有している50mMの酢酸アンモニウム(pH5.0)中に、流速1mL/分で定組成溶離させた。酵素タンパクはこれら条件下に、該保護カラムに保持される。RTAによるRNA加水分解の規模が、260nmにおいてピークをモニターしながら、同一プロトコールで処理された標準との比較に基づき、放出されたアデニンを定量することにより測定された。基質も阻害剤も、これらアッセイ混合物への添加前に、80℃まで1分間熱せられ、氷冷され、37℃で15分間インキュベートされ、回転(ターン・オーバー)の割合の変動を抑制したが、これは、溶液中でのコンホメーションの不均一さ(ヘアピン対他の形態)からもたらされる可能性がある。
初期速度実験では、基質加水分解の程度は15%未満であった。生成物形成が、このアッセイ期間の初期速度条件を形作ることが示された。阻害解離定数(Ki)に関する値が、該初期速度を競合阻害式:
ν=kcatS/(S+Km(1+I/Ki))
式中、νが初期反応速度、Sが基質濃度、Kmがミカエリス定数(今回のアッセイ条件下では、競合基質A10に関して2.9μM)、Iが阻害剤濃度、kcatが基質飽和時の触媒回転数(ターン・オーバー)
に適合させることにより、求められた。このアッセイにおいてA10に関して使用された7〜15μMの濃度範囲は、そのKmを2.5〜5倍上回る値を提示し、競合阻害剤解析には便利な範囲であった。阻害剤濃度は、強い阻害剤の1ケースを除き、酵素濃度>5倍に保たれ、ここでは酵素濃度および阻害剤濃度は同様であったが、遊離阻害剤濃度が関係式I=It−(1−νi/ν0)Etにより求められた場合、Itは合計阻害剤濃度であり、νiおよびν0は阻害および非阻害定常状態速度であり、Etは合計酵素濃度である。
ν=kcatS/(S+Km(1+I/Ki))
式中、νが初期反応速度、Sが基質濃度、Kmがミカエリス定数(今回のアッセイ条件下では、競合基質A10に関して2.9μM)、Iが阻害剤濃度、kcatが基質飽和時の触媒回転数(ターン・オーバー)
に適合させることにより、求められた。このアッセイにおいてA10に関して使用された7〜15μMの濃度範囲は、そのKmを2.5〜5倍上回る値を提示し、競合阻害剤解析には便利な範囲であった。阻害剤濃度は、強い阻害剤の1ケースを除き、酵素濃度>5倍に保たれ、ここでは酵素濃度および阻害剤濃度は同様であったが、遊離阻害剤濃度が関係式I=It−(1−νi/ν0)Etにより求められた場合、Itは合計阻害剤濃度であり、νiおよびν0は阻害および非阻害定常状態速度であり、Etは合計酵素濃度である。
上記に鑑みて、本発明の幾つかの利点が達成され、他の利点が獲得されることが、理解されるものである。
種々の変更が、本発明範囲を逸脱することなく、上記方法および組成物においてなされ得ると思われるので、上記記載に含まれ添付図面に示される全事項は例示的なものとして解釈され、限定的な意味合いではないと意図される。
この明細書において引用された全文献が、本明細書において援用される。本明細書におけるこれら文献についての議論は、その著者によりなされた主張を単に要約するよう意図され、如何なる文献も、先行技術を構成すると認められるものではない。出願人は、これら引用文献の正確さおよび適切さに挑む権利を留保する。
Claims (23)
- リシン毒素Aの遷移状態阻害剤であって:
配列(d)GX(d)GA
[(d)GがGもしくはdGであり、Xがリシン毒素Aの遷移状態のアデノシン類似体であり、(d)G部分の少なくとも1つがdGであり、配列(d)GX(d)GAから伸びた如何なる更なるヌクレオチド配列も、ラット28SrRNAのA4324に隣接しているステム・ループ構造配列を含む];
配列(d)GX(d)GAの互変異性体;
配列(d)GX(d)GAの医薬的に許容可能な塩;
配列(d)GX(d)GAのエステル;あるいは
配列(d)GX(d)GAのプロドラッグ
を含む、遷移状態阻害剤。 - Xが、図6、7、9、および14に与えられるとおりの、P、IA、E、D、IR、1N、BZ、PZ、DA、およびDADMe−Aと名付けられた化学構造、これらの互変異性体、これらの医薬的に許容可能な塩、これらのエステル、あるいはこれらのプロドラッグからなる群から選択される、請求項1に記載の遷移状態阻害剤。
- 前記阻害剤の配列(d)GX(d)GAが、ラット28SrRNAのA4324に隣接しているステム・ループ構造配列を持っているステム・ループ構造の一部である、請求項1に記載の遷移状態阻害剤。
- 配列C(d)GX(d)GAGを含む、請求項3に記載の遷移状態阻害剤。
- 配列CGC(d)GX(d)GAGCGを含む、請求項3に記載の遷移状態阻害剤。
- 配列CGCGC(d)GX(d)GAGCGCGを含む、請求項3に記載の遷移状態阻害剤。
- CGCdGXGAGCG、CGCGXdGAGCG、およびCGCdGXdGAGCGからなる群から選択される配列を含む、請求項3に記載の遷移状態阻害剤。
- Xが、BZ、PZ、もしくはDAである、請求項3に記載の遷移状態阻害剤。
- Xが、BZである、請求項3に記載の遷移状態阻害剤。
- 図16のBZ−5dG−10からなる、請求項3に記載の遷移状態阻害剤。
- リシン毒素Aの遷移状態阻害剤であって:
アデノシン類似体(X)ならびに
配列CGCGXGAGCGを持っている少なくとも9リボヌクレオチドのステム・ループ構造
[該遷移状態阻害剤は、ラット28SrRNAのA4324に隣接しているステム・ループ構造配列も持ち、Xが、図9および14に与えられるとおりの、BZ、PZ、DA、およびDADMe−Aからなる群から選択される];
該ステム・ループ構造の互変異性体;
該ステム・ループ構造の医薬的に許容可能な塩;
該ステム・ループ構造のエステル;あるいは
該ステム・ループ構造のプロドラッグ
を含む、遷移状態阻害剤。 - リシン毒素Aの遷移状態阻害剤であって:
更なるリボヌクレオチドがなく、ポリヒドロキシピロリジンまたはそのモノもしくはジホスフェート;
これらの互変異性体;
これらの医薬的に許容可能な塩;
これらのエステル;あるいは
これらのプロドラッグ
を含む、遷移状態阻害剤。 - 図14に与えられるとおりのDADMe−A;
[ここで、DADMe−Aが任意に、3’ホスフェート、5’ホスフェート、もしくは3’ホスフェートと5’ホスフェートとの両者を含む]
DADMe−Aの互変異性体;
DADMe−Aの医薬的に許容可能な塩;
DADMe−Aのエステル;あるいは
DADMe−Aのプロドラッグ
を含む、請求項12に記載のピロリジン遷移状態阻害剤。 - リシン毒素Aの遷移状態阻害剤であって、式(I):
[式中:
Adは、アデニン−9−イルであり;
Guは、グアニン−9−イルであり;
R1は、1〜10の3’−結合RNAオリゴヌクレオチドであり、シチジンおよびグアノシンヌクレオチド単位に代わるものであり;
R2は、1〜10の5’−結合RNAオリゴヌクレオチドであり、グアノシンもしくはシチジンヌクレオチド単位に代わるものであり;
VはCH2およびNHから選択され、WはNR1およびNR2から選択され;または、VはNR1およびNR2から選択され、WはCH2およびNHから選択され;
XはCH2およびCHOH(RもしくはS配置)から選択されるが、Wが、NH、NR1、およびNR2から選択される場合を除き、その時XはCH2であり;
Yは、水素、ハロゲン、およびヒドロキシから選択され、Vが、NH、NR1、およびNR2から選択される場合を除き、その時Yは水素であり;
Z1およびZ2は独立に、水素およびヒドロキシルから選択され;ならびに
R1は式(II):
Aは、N、CH、およびCRから選択され、ここでRが、ハロゲン、任意に置換されたアルキル、アラルキルもしくはアリール、OH、NH2、NHR3、NR3R4、およびSR5から選択され;ここで、R3、R4、およびR5が各々、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Bは、NH2、NHR6から選択され、ここでR6が、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Dは、OH、NH2、NHR7、水素、ハロゲン、およびSCH3から選択され、ここでR7が、任意に置換されたアルキル、アラルキル、もしくはアリール基であり;
Eは、NおよびCHから選択され;
Gは、CH2、CH2CH2、およびNHから選択されるかまたは存在せず、但し、WがNR1もしくはNR2でありGがNHである場合、VがCH2であり、但し、VがNR1もしくはNR2でありGがNHである場合、WがCH2である];
該化合物の互変異性体;
該化合物の医薬的に許容可能な塩;
該化合物のエステル;あるいは
該化合物のプロドラッグ
からなる、遷移状態阻害剤。 - 医薬的に許容可能な賦形剤中の、請求項1〜14のいずれか1項に記載の、遷移状態阻害剤、その互変異性体、その医薬的に許容可能な塩、そのエステル、またはそのプロドラッグ。
- リシン毒素Aを阻害する方法であって、リシン毒素Aを、請求項1〜14のいずれか1項に記載の、遷移状態阻害剤、その互変異性体、その医薬的に許容可能な塩、そのエステル、またはそのプロドラッグと組み合わせることを含む方法。
- リシン毒素Aが、生存哺乳類細胞中にある、請求項16に記載の方法。
- 前記生存哺乳類細胞が、生存哺乳類中にある、請求項17に記載の方法。
- 前記生存哺乳類がヒトである、請求項18に記載の方法。
- 前記生存哺乳類が、リシン毒素A抗体免疫毒を用いる処置を受ける、請求項18に記載の方法。
- 前記生存哺乳類が、リシン毒素Aにより中毒されている、請求項18に記載の方法。
- 哺乳類を、リシン毒素A抗体免疫毒を用いて処置する方法であって、哺乳類を、リシン毒素A抗体免疫毒、ならびに、請求項15に記載の遷移状態阻害剤、その互変異性体、その医薬的に許容可能な塩、そのエステル、もしくはそのプロドラッグを用いて処置することを含む方法。
- 前記哺乳類が、癌に関して前記免疫毒を用いて処置を受けているヒトである、請求項22に記載の方法。
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