JP2007524734A - 紙及び厚紙の多孔性充填材又は塗工顔料並びにその製造法 - Google Patents

紙及び厚紙の多孔性充填材又は塗工顔料並びにその製造法 Download PDF

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Abstract

平均径が約10μm未満の気泡を含む発泡体を備える多孔質の澱粉を基にした顔料と充填材、及びその製造法。澱粉からマイクロカプセルに安定化し得る微細多孔質の発泡体を調製する。これらカプセルの内径及び壁厚を適切に選択することにより、材料の光散乱特性を最大化し、これは構造が良好な不透明度を有することを意味する。また、カプセルの質量に関連した良好な強度特性は、マイクロカプセル構造の特徴である。

Description

本発明は、請求項1の序文にかかわる澱粉を基にした顔料に関するものである。
また、本発明は、請求項2の序文にかかわる方法、及び請求項12にかかわる使用法に関するものである。
今日使用されている印刷用紙や塗工厚紙は、充填材もしくは塗工顔料として多量の無機鉱物を含む。これは、繊維の再利用、紙の燃焼、堆肥化において問題を引き起こす。また、鉱物は紙製品の重量を著しく増加させ、例えば印刷可能な梱包材の生産において極めて深刻になる。
合成有機顔料も知られている。それらは、通常可視光を散乱させる能力に基づく良好な光学的性質を有する。しかし、既知の合成プラスチック顔料に付随する欠点は、これらのみでは紙用の塗膜又は充填材顔料として適しておらず、むしろ通常無機顔料に加えて使用していることにある。
小さなサイズの澱粉粒子を、そのまま又は化学的に変性して紙の充填材又は塗膜として用いることが特許文献から既知である。かかる澱粉粒子の製造が、以下の特許明細書に記述されている。
特許文献1には、澱粉粒子を膨潤させ、該粒子構造を保持したまま、体積(元の2−4倍)及び可塑性を増加させることにより有機顔料を調製する方法が開示されている。膨潤は、ゼラチン化温度以下で水中で起こる。粒子の容量と形状安定性は架橋によって増加する。それらの表面を疎水性とすることもできる。高い光散乱特性を有する気泡や空孔を、粒子の内側に形成する。水や溶媒を蒸発させるか、若しくは吸収されたガスを放出するか、又は溶媒を用いて吸収された水を置換することにより気泡を発生させる。膨潤し安定化した空孔の寸法は0.1−5μmである。
既知の顔料は澱粉と同じ粒子形嬢を有しているが、良好な光散乱特性を付与しない。
特許文献2には、架橋化剤の存在下澱粉のような可塑化された生体高分子を押し出すことによって、生体高分子を基にしたナノ粒子を製造する方法が記載されている。水の存在下澱粉、グリセロール及びグリオキサールを反応押し出すことにより糊を調製して、水中分散液を得る。ナノ粒子の大きさは1000nm未満(50−250)で、澱粉のアミロペクチン含有量は高い方が好ましい。ラテックスを段ボール紙の製造時の糊として用いる。
特許文献3には、生体高分子のナノ粒子が開示されている。これらナノ粒子の平均粒径は400nm未満である。生体高分子は澱粉、澱粉誘導体、もしくは少なくとも50%の澱粉を含む重合体混合物である。グリオキサールのようなジアルデヒドもしくはポリアルデヒドを用いることにより架橋を達成する。処理中に、グリセロールのような可塑化剤が存在する。実施例によると、粒状物を粉砕し、150μ以上の粒子を篩別し、粉末を水に混ぜることによって分散液を粒状物から調製する。均質で透明な淡褐色の分散液が、ビスコースゲル相に続いて形成される。この既知技術に付随する欠点は、分散液が乾燥すると透明な膜を形成することである。その結果、かかる既知のナノ粒子は、紙もしくは厚紙用の塗工顔料又は充填材として適しておらす、この用途への使用が該特許文献に記載されていない。
特許文献4には、水に不溶の少なくとも一つの多糖類から全体または部分的になる丸い微粒子の調製が開示されている。多糖類を有機溶媒に溶解し、沈殿させ、場合により冷却して微粒子を分離する。これら微粒子を、ポリマー中の充填材として、材料の分離に、そして診断テストにおいて使用する。顔料の紙への使用もしくは応用に関する参考はない。アミロースの豊富な澱粉、すなわち直鎖ポリ(1.4-アルファ-D-グルカン)をこの調製に用いる。とりわけ、グリコゲンとアミロペクチンを直鎖ポリグルカンと混ぜ合わせる。ある既知の溶液においては、アミロース/アミロースの豊富な澱粉の水不溶性を利用するので、結果として直鎖澱粉の使用に制限される。使用する溶媒、ジメチルスルホキシドは有毒の化学物質で、また高温度で沸騰する物質であるので、生成物から除去することが困難で、生成物の使用適正を制限する。
特許文献5には、紙や厚紙の物性の改良法が開示されており、特に結合剤と顔料成分を備える化合物で紙や厚紙の表面を処理する方法に関するものである。顔料の一部が、重合したモノマーと変性した澱粉の水性相重合生成物からなる。この方法では、澱粉の存在下でビニルモノマーを重合する。この反応では、単量体化合物を澱粉にグラフト化し、生成物を用いて塗工ペースト中の鉱物顔料を部分的に置換する。
グラフト化処理は複雑で、得られた顔料は天然物と合成したポリマーとの混合物である。このことが顔料の再利用と生分解を制限する。
米国特許第6,582,509号 欧州特許出願公開第1254939号 国際特許出願公開WO 00/69916号 米国特許第6,562,459号 フィンランド国特許第98943号
本発明の目的は、従来技術の欠点を取り除き、澱粉を基にした全く新しい顔料もしくは充填材生成物を製造することにある。
本発明は、固体で硬質の顔料粒子を製造する従来技術と全く異なった溶液を用いることにより、顔料、また同様に充填材に要求される光散乱活性を、澱粉を基にした出発材料中で発生させることができるという技術思想に基づく。この溶液によれば、出発材料を処理して、適当な大きさの気孔(マイクロカプセル)を備える固い発泡体を形成する。このような安定な発泡体を、例えば澱粉誘導体の水溶液に空気を分散させるか、もしくは臨界超過の気体中で澱粉誘導体を発泡させることにより形成することができる。
ポリマー材料の発泡はそれ自体周知である。空気もしくは幾つかの他の気体を発泡に用いることができる。特許文献において、臨界超過の二酸化炭素を用いてポリマーを発泡させる方法も知られている。
すなわち、特許文献6には、熱可塑性ポリマーを臨界超過条件下加圧二酸化炭素で処理し、その後急激に減圧することにより独立気泡微孔性材料を調製する方法が開示されている。この方法においては、PVC、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリエチレンを発泡原料として用いることができる。該方法において、発泡時間は20秒から2分であり、平均孔径は0.1−2.0μmである。
特許文献7には、高圧および高温下で二酸化炭素を用いてポリマーを発泡することが開示されている。この方法はプラスチックに適している。
また、特許文献8には、生分解可能な合成ポリマーを臨界超過の二酸化炭素で処理し、次いで二酸化炭素の圧力を急激に下げることにより多孔質材料を調製することが開示されている。この方法を用いると、ポリアクチド、ポリグリコリド及びその共重合体から発泡体を作成することが可能となる。該特許文献に起債された減圧時間は10秒である。
特許文献9によれば、例えば導電材料を絶縁するための発泡LDPE絶縁体を、臨界超過二酸化炭素処理(80バール、 40℃、30分)を用い、次いで押し出すことにより熱可塑性重合体粉末もしくは重合体粒子から調製することができる。
さらに、特許文献10には、臨界超過状態の溶液を用いてポリオレフィンを発泡させて、特に分離技術、医学及び織物工業の分野におけるいくつかの異なった目的に適する連続気泡構造を有する材料にすることが開示されている。
上述したすべての文献において、熱可塑性材料を発泡されてきた。特許文献11には、水に不溶なセルロース誘導体を発泡するために臨界超過の二酸化炭素を用いることが開示されている。この場合、セルロース誘導体を、フィルム、繊維もしくは対応する固体材料の断片の形状で高圧の二酸化炭素に接触させる。この方法によれば、中空もしくは内部が極めて多孔質のセルロース誘導体繊維が生成する。
米国特許第 5,158,986号 欧州特許出願公開第376064号 国際特許出願公開 WO91/09079号 日本特許出願公開第2003−261707号 米国特許第6,558,607号 フィンランド国特許第100803号
上述した特許文献には、例えば紙もしくは厚紙用の顔料もしくは充填材として製造するための発泡生成物の使用に関する記載はない。然るに、本発明は、澱粉泡/マイクロカプセルが紙の顔料として、特に充填材として非常に有用であることを実証している。このことは、鉱物粒子が全くなく、良好な光学特性を有する紙もしくは厚紙をせいぞうすることがてきることを意味する。充填材として使用する材料は、紙もしくは厚紙に良好な機械的特性をもたらす。その理由は、澱粉および澱粉誘導体が繊維に容易に固定されるからである。
さらに具体的には、本発明による製品は、請求項1の特徴部分に述べたことを特徴とする。本発明に係わる方法は、請求項2の特徴部分に述べたことを特徴とする。相当な利点を本発明で達成することができる。すなわち、上述したように、本発明によれば、有機天然材料(例えば澱粉)からマイクロカプセルの形状で安定化できる微孔質の発泡体を作成することが可能になる。マイクロカプセルの内径や壁厚さを最適化することにより、材料の光散乱特性が最大化され、このことは該構造が良好な不透過特性(通常80%以上、特に85%以上)を有することを意味する。また、マイクロカプセル構造の特徴は、その大きさの割に強度特性が良いことにある。加えて、材料が微孔質構造を有しているので、塗付に必須の良好な吸収特性を有する。
生成した材料は、低い紙の坪量が望ましい用途における鉱物の充填材や塗膜顔料の代わりとして、もしくは紙の完全な再利用が望まれる紙(例えば、相当な灰の形成無しに燃焼し得る)用の充填材もしくは塗膜として用いることができる。
本発明は、弱体化した紙の最終用途に重要な物性を損なうことなく紙の鉱物充填材もしくは塗膜材料を有機物由来の再生可能な材料で置換するのに用いることができる。鉱物充填材もしくは塗工顔料を置換することにより、より低い坪量の紙を製造することができ、その結果物流費用を減じ、同じ質量でさらに大きな印刷面が得られる。また、有機物由来の充填材もしくは塗工材料は、燃焼中に生ずる灰の最終処理及び/又は脱インクスラリーの処理中に直面する問題を取り除く。
澱粉誘導体を組み合わせるか、もしくは多機能の生成物を用いることにより、澱粉ゲル/澱粉発泡体の物性を変えることができる。とりわけ、ヒドロキシアルキル澱粉及び澱粉アルケニルスクシネートを具える処方物が良好な組合せであることを確認した。
次に、本発明を図面を参照して詳細に検討する。
微細気泡/微細カプセルを備える多孔質の澱粉材料を、本発明において調製する。微細気泡は、主として溶液中でガスで満たされた小さく不安定な球体であると特定できる。微細気泡は薄い液状の壁膜によって保持される。微細カプセルを微細気泡によって安定化する。これらは、平均直径が約0.1−10μmの粒子であり、心部と通常固体であるカプセル壁とからなる。心部はガスで満たされている(中空)。一般に、材料の全多孔度は10−85容積%であり、好ましくは30−80容積%、特に40−75容積%である。
生成物は安定である。発泡体、粒子分散液及び乳濁液の安定性は、しばしばいくつかの要因に依存することが知られているが、重要な要因は各相間での膜の安定性(寿命)である。これら膜の安定化には、液体が有機もしくは無機物質を備えることを必要とする。清浄な液体そのものは気泡を形成しない。微細気泡の膜、すなわち気体―液体の界面の寿命は、主として泡の内圧を上昇させる表面張力によって短くなる。圧力が増加するにつれて、泡の構造が壊れてしまう点に達する。架橋可能な界面活性剤を用いる架橋で表面張力を減ずる種々の方法により泡を安定化することができる。例えば、陰イオン、陽イオンもしくは非イオン性の両親媒性の化学薬品(捕集剤と呼ばれるもの、例えばアミン、キサントゲン酸塩、硫酸塩)を表面活性剤として使用する。その結果、有機材料を備える硬い殻で覆われた微細カプセルとなる。
ここで「安定な」発泡体とは、発泡体とその気泡が貯蔵(例えば1−10週間の期間)中にほとんど壊れないか、もしくは最終生成物中の構造がその多孔度を紙や厚紙においても本質的に維持することを意味する。
界面活性剤の濃度は、臨海ミセル形成濃度(c,m,c)よりも明確に高くなくてはならない。
本発明は、微細な気泡を製造する別の方法を備える。
1)空気もしくは他の気体を澱粉ヒドロゲルに低温で、できれば加圧下溶解する。温度を上げることによって、気相及び液相か分離され、すなわち気泡が形成される。架橋後、安定な発泡生成物が生ずる。
2)空気を澱粉ゲル中で混ぜ、発泡したゲルを急激に冷却する。発泡体を安定化する。水を低温で除去すると、気泡はもはや大きくならず、代わりに小さな気泡と狭い気泡径分布が得られる。
3)タンパク質の発泡に使用する超音波処理のような方法を活用する。高い強さの超音波を用いることにより、約2mmの微細な気泡を発生させることができる。主な酸化剤は、酸素及び水から吸音キャビテーション中に音響化学的に製造される過酸化水素(H)である。この方法で調製した微細な気泡は非常に安定で、数週間の貯蔵に耐えることを見出した。
4)既知の電解浮遊技術を用いることにより、10−20mmの気泡径が容易に得られる。発泡物質の物性を変性し、かつ界面活性剤及び塩を加えることにより、気泡径をさらに小さくすることができる。電解により調製した発泡体の利点は、多数の気泡を生じ、簡単な技術であることにあり、このことは費用対効果が高いことを意味する。
5)微細な気泡乳濁液を、澱粉の水溶液と有機溶媒を用いて勢いよく混ぜている間に形成する。この方法は、界面活性剤と架橋剤の使用を必要とする。この方法を用いることにより、2ミクロン未満のサイズで、非常に安定な構造のカプセルが得られる。
6)澱粉から調製したエステルもしくはエーテルのような誘導体を、高圧の二酸化炭素と接触させる。二酸化炭素の圧力及び温度並びに澱粉誘導体を二酸化炭素に暴露する期間は、澱粉誘導体の組成、標準比率および所望の最終結果に応じて、高圧の二酸化炭素が該二酸化炭素のために膨潤する固体の澱粉誘導体に浸透するように選択される。所要に応じて、低分子アルコール、有機酸もしくはエステルのような増強剤を二酸化炭素に添加してもよい。本発明による方法においては、高圧の二酸化炭素中で膨潤する澱粉誘導体に対する圧力を急激に低下させ、この減圧で多孔質の材料を生成する。この減圧は、例えば、膨潤した澱粉誘導体と接触している二酸化炭素を解放することによって実施することができる。二酸化炭素の減圧率と最終的な圧力を選択して所望の微孔質の澱粉材料を製造するようにする。
さらに好ましい方法は、特に上記方法5、6である。
激しい攪拌下で空気の澱粉水溶液への分散(方法5)
微細な気泡を含有する適当な生成物を、可溶性の澱粉誘導体を用いることにより調製することができる。澱粉を水に溶解して、約1−30重量%、好ましくは約5−20重量%、より好ましくは約10−15重量%の溶液を形成し、該溶液に溶媒混合物を添加する。水の表面張力を下げるために、界面活性剤をさらに加える。安定性を上げるために、グリオキサールのような架橋剤を少量(0.01−10重量%、通常約0.1−5重量%)を澱粉含有溶液に添加することができる。その後、高速混合機を用いて溶液を1−60分間、好ましくは約2−30分間混合する。安定な発泡体が生成し、その平均気泡径は高々約10μmであり、通常0.1−5μmで、好ましくは約0.5−3μmである。
二酸化炭素から主としてなる材料を用いて高温高圧下での澱粉誘導体の発泡(方法6)
この方法では、澱粉エステルもしくは澱粉エーテルのような澱粉誘導体を、主として二酸化炭素からなる材料と接触させ、その後圧力を急激に下げるので、減圧後に50μm未満の平均孔径を有する微孔質澱粉エステルもしくは澱粉エーテルが生成する。この場合、気泡の大部分(少なくとも20%)が高々10μmの安定な発泡体を生成することも指摘しておくべきである。特に、平均気泡径は10μ未満、とりわけ約0.1−5μmである。
圧力は普通100−310バール、温度は50−100℃である。低級アルコールもしくはエステルを約1−15重量%の量で、澱粉誘導体と接触している二酸化炭素に加える。圧力を0.08−7秒内で本質的により低い圧に下げる。
この方法においては、澱粉誘導体のDSが最も適しているのは少なくとも0.5以下、好ましくは少なくとも1.0である。
選択した方法に応じて、澱粉の種々の出発材料を用いる。
一般に、本発明で用いる天然の澱粉を、多くの異なった方法で変性することができる。すなわち、澱粉の分子量を化学的にもしくは酵素的に減少させることが出来、その結果粘度を高くすることなく、乾燥物の割合が増すことになる。この場合、澱粉ゲルの調製に蒸解は必ずしも必要ではない。しかし、粘度を高くするが乾燥物の割合を高くしないことが必要な場合、高分子量及び異なった置換度を有し、澱粉と同じ方法で架橋する水に可溶なヒドロキシプロピル誘導体を調製することが可能である。
陰イオン系誘導体(カルボキシメチル澱粉、澱粉コハク酸塩)もしくは陽イオン系誘導体(例えば、自己分散する陽イオン澱粉エステル)又は架橋誘導体(UV硬化二重結合誘導体、アクリレート)を澱粉から作ることができる。
状況によっては、異なった澱粉誘導体の混合物を用いることが可能である。その結果、澱粉誘導体を組合わせるか、もしくは多機能性製品を用いることによって、澱粉ゲル/澱粉発泡体の物性を変えることができる。とりわけ、ヒドロキシアルキル澱粉及び澱粉アルケニルコハク酸塩を備える処方が良い組み合わせであることが証明されている。
一般に、澱粉誘導体は、澱粉エステル、澱粉エーテル、澱粉エステル/澱粉エーテル混合物、又は天然の澱粉、加水分解された澱粉、酸化された澱粉、架橋化澱粉もしくはゼラチン化澱粉から調製されるグラフト化澱粉である。使用した澱粉は、アミロース割合が0−100%で、アミロペクチン割合が100−0%のようなあらゆる天然の澱粉を基にすることができる。その結果、澱粉を大麦、馬鈴薯、小麦、オート麦、えんどう豆、とうもろこし、タピオカ、サゴ、米、又は類似の茎植物もしくは禾穀類から調達することができる。
さらに好ましくは、本発明で用いる澱粉誘導体は、上記の天然澱粉を酸化、加水分解、架橋化、陽イオン化、グラフト化、エーテル化もしくはエステル化することにより調製した生成物を基にする。
好ましい実施態様によれば、澱粉成分はヒドロキシアルキル化澱粉もしくはそのエステルである。この場合、モル置換度がせいぜい1.4、好ましくはせいぜい2、とりわけせいぜい1であるヒドロキシプロピル澱粉と、モル置換度がせいぜい1.4、好ましくはせいぜい1、より好ましくは0.1−0.8で、置換度が少なくとも2、好ましくは2.5−3であるヒドロキシプロピル澱粉エステルがさらに好ましい。
別の適用例によれば、澱粉アルケニルコハク酸塩を用い、これは通常3−24の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基(例えばオクテニル基)を有する。
第三の方法によれば、澱粉を基にした成分を用い、これは澱粉と、1種または数種のC2−24脂肪族カルボン酸から形成されるエステルから誘導される。この場合、かかるエステルのカルボン酸成分を、酢酸、プロピオン酸、酪酸もしくはその混合物のような低級アルカン酸から誘導することができる。しかし、カルボン酸成分を天然の飽和もしくは不飽和の脂肪酸から誘導することができる。パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびその混合物が代表例である。また、エステルは、長鎖及び短鎖のカルボン酸成分の両方から構成することができる。酢酸塩とステアリン酸塩の混合エステルが代表例である。既知の方法によると、酸のみならず、対応する酸無水物や酸塩化物と、他の対応する反応性酸誘導体を用いてエステルを形成することができる。
澱粉の脂肪酸エステルの製造は、例えば非特許文献1及び2のような専門書に記載してある。
ウォルフ,I,A., オルズ,D,W.および ヒルバート,G,E.著「コーンスターチ、アミロース、アミロペクチンのアクリル化」J. Amer. Chem. Soc. 73 (1952) 346-349 グロス,A,Tおよびフュージ,R.O.著「アミロースの脂肪酸エステルの性質」J, Amer. Oil chemist’Soc 39 (1962) 19-24.
加圧条件下でエステル化を行う特許文献12に記載の方法が、適切な生産方法の一例である。
フィンランド国特許第107386号
他の好ましい実施態様によれば、澱粉成分はモル置換度が0.5−3、好ましくは1.5−3.0、より好ましくは2−3であるエステル化澱粉、最も好ましいのは澱粉酢酸塩である。
さらに、グリコシ転移生成物を、上述した澱粉誘導体を酸性条件下で1−5の水酸基を有するアルカノールと反応させ、反応物を回収するかもしくは例えば新規の反応もしくは混合段階で更なる処理を施すことにより、該誘導体から調製することができる。
この方法は、例えば紙用充填材などのような微多孔質の澱粉誘導体材料を、低価格でありかつ単純な製法によって製造することを可能にしている。
発泡条件、すなわち圧力、温度、増強剤の質や量並びに発泡物質の置換度を制御することによって、材料の総気孔率、孔径及び空孔の質(開いているか閉じているか)に影響を及ぼすことを可能にする。
光散乱のモデリングは、発泡材料の孔径が一般に約0.1−10μm、好ましくは1μm未満、さらに好ましくは100−200nmであり、また個々の粒子の直径が5μm未満である場合、もしくは1μm未満の最小孔径の場合に、総空孔率が75%であることを示す。
本発明生成物の適用範囲は、紙と厚紙、塗料、プラスチック、ゴム、化粧品、衛生用製品、洗浄剤、その他の化学製品である。
次に、本発明を適用したいくつかの限定されない実施例で詳細に検討する。
例1 分散機による発泡(エマルジョンの形成)−処理工程の一般的記述
激しい混合を含むエマルジョン法を用いる気泡の調製法について検討した。エマルジョンを生成するために、高い混合速度の分散機(IKA,ウルトラ ツラックス T25 ベーシック)を用いた。
出来る限り可溶な澱粉を水に溶解して10%もしくは15%溶液とした。使用した澱粉は、LN100、LM100、C*em キャップ セレスター(Cap Cerestar)、 分散液(9DIP−2103)、TL−スターチ、ハイロン−7(Hylon−7)とうもろこし澱粉、およびその種々の混合物である。
LM100 冷水に可溶なヒドロキシプロピル澱粉で、アミロースの豊富な澱粉(ハイロ ン−7)から調製する。フィンランド国特許第107930号による方法を用いて調製する。
C*EMキヤップ 澱粉オクテニルスクシネート(セレスター)
LN100 冷水に可溶なヒドロキシプロピル化馬鈴薯澱粉。フィンランド国特許第107930号による方法を用いて調製する。
9DIP−2103 フィンランド国特許出願第2002173号による方法を用いてアセチル化澱粉誘導体から調製した水分散液。
TL−スターチ 国際特許出願公開第WO/068884号による水に可溶な澱粉混合物。
LN100は効果的な増粘剤及びゲル化剤である。
水溶液の量より少量の水に不溶な溶媒もしくは油、並びに適当な割合エタノールもしくはイソプロパノールを混合物に加えた。別の手段として、水のみを使用した。試験した溶媒は、ミネラルスピリット、ターペンタイン、LIAV、ヘキサン、クロロホルム、菜種油、アマニ油である。続いて、界面活性剤(収集剤及び発泡剤)並びに架橋剤を混合物に加えた。使用した収集剤は主として、ドデシルアミン塩酸塩、オクタデシルアミン塩酸塩、ジ(C12−C18)アルキルジメチルアンモニウムクロライド(商品名 A18)のような陽イオンアミン類である。メチルイソブチルカルビノール(略号はMIBC)とポリプロピレングリコールメチルエーテル(商品名 Dow Froth)を発泡剤として使用した。主としてグリオキサールを、またサイメル樹脂(サイテック インダストリー社製)を架橋剤や安定剤として使用した。通常、微細気泡を有する白く安定な発泡体が生成した。
混合物を5−15分(通常約1−60分)間、11000−22000rpm(通常5000−30000rpm)の回転速度で、分散機で攪拌した。混合物は、混合前に通常灰色であるが、混合開始直後に白もしくは軽くやや硬い発泡体に変化し始める。生成した発泡体を、通常従来の光顕微鏡、レーザー粒径分析器、及びSEM顕微鏡で分析した。最良の状態で、発生した気泡の平均直径はせいぜい1.2μmで、気泡の95%が1.7μmである。ここで、気泡を、LN100、A18、グリオキサール、ミネラルスピリッツ及びエタノール(1対4の比率)の混合物から調製した。
溶媒を用いない方法を用いることができ、この場合調製が水相で生ずる。それ故、使用する出発物質は、水中で混合するLN100と高い固体割合の分散液(9DIP−2130)との混合物である。使用する収集剤はA18であり、またそれに加えてMIBCやグリオキサールを使用した。その結果、微細気泡を有する安定な発泡体が生成する。
例2 分散機を用いる図1による発泡体の調製
LN100の15%水溶液80gと9DIP−2103分散液20gをデカンターで秤量した。ミリポア水50ml、A18収集剤0.1g、メチルイソブチルカルビノール発泡剤2ml、グリオキサール0.2mlを該溶液に加えた。灰色の混合物をスパチュラでかき混ぜ、その後分散機によって攪拌した。本実験における混合時間は5分で、混合速度は22000rpmである。生成物は、白く均一な発泡体であった(最小気泡の直径は1μmであった)(図1参照)。
例3 電気浮遊法を用いる微細気泡の調製
実験手順
電気浮遊法を、澱粉を基にした微細気泡の製造に関して試験した。試験はフィンランドのジオロジカルサーベイ(Geological survey)により設計された実験室スケールの浮遊セル(400ml)を用いて行った。試験では、塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムを電解液として用いた。試験した澱粉は、馬鈴薯澱粉(メルク)、ハイロン−7とうもろこし澱粉、そしてヒドロキシプロピル化馬鈴薯澱粉LN100である。界面活性収集剤化合物(ラウリル硫酸ナトリウムとアミン収集剤試薬 ライアフロット)並びに発泡剤(MIBC:メチルイソブチルカルビノール)を表面張力減少剤及び安定化剤として使用した。澱粉を水に溶解し、わずかに加熱(通常30−35℃)して溶解をさらに強めた。不溶性の部分を一般にろ別した。その後、その他の試薬を溶液に加えた。浮遊セルに電圧(〜10V,電流1−2A)をかけて発泡を開始した。ガスで満たされた微細な気泡上昇して発泡体をセルの上部で形成し、そこから最良の部分を別の容器に連続的に取りだした。一般に、白い発泡体が5−20分間生成した。
調製例
ハイロンー7とうもろこし澱粉(10g)を370mlのミリポア水と混合し、混合物を30℃で5分間加熱した。加熱すると、澱粉がろ過を上手くできない程度までゲル化した。少量の固形分を含む混合物を電気浮遊セルに移し、8mlの電解液(NaCl、200g/L)と0.8gの収集剤としてのラウリル硫酸ナトリウムとを、4mlのMIBC発泡剤と共にセルに加えた。電圧(〜10V)をセルに印加して発泡を開始した。軽い発泡体が発生し、セルの表面まで上昇し、これをセルのサイドパイプに沿って別の容器に流出させた。10分後、電圧が低下し始め発泡体が発生しなくなったので、試験を停止した。発泡体中に大きな気泡並びに小さな気泡が見られた。サンプルを常温で乾燥した。
例4−12 超臨界状態の二酸化炭素中で調整した微細気泡
例4
2.8のアセチル化度を有する酢酸澱粉の粉末(5.5g)をシリンダーに入れ、その両端に鋼製の格子をはめ込んだ。サンプルを詰め綿層により両格子から分離するように搭載した。このシリンダーを、容量50mlの加熱高圧反応器に入れた。この反応器は、ボールバルブを備えている。次いで、反応器内の圧力を二酸化炭素を用いて230バールまで上げ、温度を90℃に上げた。温度を反応容器内の蓋で測った。実験の終了時に、装置を解除し、大部分の二酸化炭素を約100m秒で放出した。処理時間は150分であった。この解除中、反応器の内部温度は約90℃であった。電動ソックスを用いることにより、容器の外部温度を約90−95℃に保った。計算した量のエタノール(10重量%)を第二の加熱したカートリッジ内の詰め綿へ含浸させることにより、これを二酸化炭素に投入し、これによりCOを反応器に入れた。投与後、詰め綿を完全に乾燥させた。
電子顕微鏡による検査後、上記処理を用いると、約10μmの直径を有する空孔が澱粉誘導体材料に生成していることが見出された。
例5(参考例)
2.8のアセチル化度を有する酢酸澱粉5.8gを例1による実験手順を用いて処理した。処理温度は90℃、圧力は220バールで、エタノールの割合は0%であった。処理時間は135分である。この処理では材料に空孔構造が発生しなかった。
例6
1.7のアセチル化度を有する酢酸澱粉を例1の実験手順を用いて処理した。処理温度は83℃で、圧力は220バール、エタノールの割合は5%であった。処理時間は125分である。この処理を用いることにより、外表面が密閉され、その中に均質に1−2μmの大きさの孔を含む構造が生成することが可能であった。
例7(参考例))
1.7のアセチル化度を有する酢酸澱粉5.4gを例1の実験手順を用いて処理した。処理温度は82℃、圧力は220バール、エタノールの割合は0%であった。処理時間は125分であった。この処理では材料に空孔を生成しなかった。
例8(参考例))
0.05のアセチル化度を有する酢酸澱粉6.0gを例1の実験手順を用いて処理した。処理温度は81℃、圧力は222バール、エタノールの割合は5%であった。処理時間は125分であった。材料に空孔は形成しなかった。
例9(参考例))
0.05のアセチル化度を有する酢酸澱粉5.4gを例1の実験手順を用いて処理した。処理温度は84℃、圧力は220バール、エタノールの割合は0%であった。処理時間は135分であった。材料に空孔は形成しなかった。
例10
2.8のアセチル化度を有する酢酸澱粉5.7gを例1の実験手順を用いて処理した。処理温度は81℃、圧力は220バール、エタノールの割合は5%であった。処理時間は125分であった。この処理の結果、20μmと2−3μmの二種類の開放孔を含む多孔質材料が生成した。
例11
2.8のアセチル化度を有する酢酸澱粉5.6gを例1の実験手順を用いて処理した。処理温度は81℃、圧力は220バール、エタノールの割合は0%であった。処理時間は130分であった。この処理の結果、密閉表面を有し、1−50μmの大きさのいくつかの固体構造の孔を含む材料が生成した。
例12
0.8のアセチル化度を有する酢酸澱粉5.5gを例1の実験手順を用いて処理した。処理温度は81℃、圧力は220バール、エタノールの割合は5%であった。処理時間は60分であった。この処理の結果、40μm及び3−4μmの二種類の開放孔を含む多孔質材料が生成した。
図1は分散装置によって作成した微細気泡のSEM画像を示す。

Claims (12)

  1. 平均径が約10μm未満の気泡を含む安定な発泡体を備えることを特徴とする澱粉を基にした多孔質の顔料もしくは充填材生成物。
  2. a)空気もしくはその他のガスを低温で可能な限り高圧で、澱粉の水性ゲルに溶解し、その後温度を上げて気液相分離物、すなわち気泡を形成し、生成物を架橋して安定な発泡体を形成するか、又は
    b)空気を澱粉ゲルに混ぜゲルを形成し、発泡したゲルを急激に冷却して発泡体を安定化するか、又は
    c)澱粉水溶液と有機溶媒とからなる微細な気泡エマルジョンを、十分な混合下でかつ界面活性剤と架橋剤の存在下で形成するか、又は
    d)固体の澱粉誘導体を、高圧の二酸化炭素と、該高圧の二酸化炭素が澱粉誘導体に浸透する条件下で接触させて、二酸化炭素の作用により膨潤させ、その後二酸化炭素中で膨潤した澱粉誘導体に対する圧力を急激に下げ、この減圧に引き続いて多孔質材料を生成することを特徴とする請求項1に記載の製品の製造方法。
  3. 前記c)において、澱粉誘導体を水に溶解して約1−30重量%、好ましくは約5−20重量%、最も好ましくは約10−15重量%の溶液とする請求項2に記載の方法。
  4. 0.01−10重量%、好ましくは約0.1−5重量%のグリオキサールのような架橋剤を安定性を高めるために澱粉含有溶液に加える請求項3に記載の方法。
  5. 前記d)において、0.5―3.0 mol/molの範囲、好ましくは少なくとも1.0の置換度を有する固体の澱粉エステルもしくは澱粉エーテルを、主として二酸化炭素からなる材料と高温高圧下で接触させ、その後セルロースエステルもしくはセルロースと接触し、主として二酸化炭素を含む材料の圧力を急激に減じて微細多孔質の澱粉エステルまたは澱粉エーテルを減圧後に得る請求項2に記載の方法。
  6. 澱粉エステルもしくは澱粉エーテルを、主として二酸化炭素からなる材料と100−310バールの圧力及び50−100℃の温度で接触させる請求項5に記載の方法。
  7. 澱粉エステルもしくは澱粉エーテルを二酸化炭素と接触させ、ここに低分子量アルコールもしくはエステルを加える請求項5又は6に記載の方法。
  8. 二酸化炭素が1−15重量%の低分子量アルコールもしくはエステルを含む請求項5−7のいずれかに記載の方法。
  9. 澱粉エステルもしくは澱粉エーテルと接触し、主として二酸化炭素からなる材料の圧力を0.08−7秒以内で実質的により低い圧力に減ずる請求項5−8のいずれかに記載の方法。
  10. 澱粉を基にした材料が、澱粉エーテル、特にヒドロキシアルキル澱粉もしくは澱粉アルケニルスクシネートのような澱粉エステルである前記請求項のいずれかに記載の生成物もしくは方法。
  11. 澱粉ゲル/澱粉発泡体の物性を変性するために、ヒドロキシアルキル澱粉もしくは澱粉アルケニルスクシネートからなる出発物質を用いる請求項10に記載の生成物もしくは方法。
  12. 澱粉を基にした発泡体の紙及び厚紙用の顔料及び/又は充填材としての使用。
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