JP2007523661A - 腹圧モニタリング導尿カテーテル - Google Patents

Abstract

ヒトまたは他の哺乳動物の体内圧力を計測するための導尿カテーテル器具であって、縦方向に伸びた少なくとも２つの内腔を有する細長い導尿カテーテルを備え、該カテーテルの少なくとも一つの導管の壁は実質的に液不浸透性の材料から構成され、該カテーテルの内部は、圧力伝達媒体と、該圧力伝達媒体の圧力を計測するための圧力センサー手段とを経由し内腔を通して圧力変化を伝達させる。

Description

以下の記述は最良の操作方法を含む本発明の全記述である。

本発明は医療診断機器と方法に関連し、特に直接または遠隔による臓器内の圧力検出、特に腹圧と付近の臓器内の関連圧力に関するものである。

以下の記述は最良の操作方法を含む本発明の全記述である。

腎不全と手術後の圧力の合併症に関連する最近の出版物の出現まで、腹圧の計測が重要と考慮した者は少なかった。今では手術後の介護の重要な部分であると認められている。

現在腹圧は余剰のＴピースを挿入する必要のある導尿カテーテルを使用するかまたは針を直接導尿カテーテルに挿入し変換器または圧力計を用いて圧力を計測している。

広範囲にわたる革新的技術が、直腸、胃、膀胱、子宮、下大静脈、そして腹腔内遊離物を含む腹腔のほとんどすべての部分のＩＡＰ計測に使用されている。

ミラー・アボットチューブを使用した直腸の圧力計測は今世紀のはじめに実験的に人気を博した。概して単純に見受けられたが、少々信頼のおけない不確かな技術であった。

排尿水力学による評定と腹腔鏡下の卵管結紮を行う１２人の患者の研究で１９８２年にマッカーシーは腹圧と直腸の圧力にかなりの関係があることを見出した。彼はこの技術を拠り所のあるものとするためにはカテーテルが肛門の縁から１０ｃｍのところにあることが必要で、それでないと数値は腹圧値よりも大きくなるという懸念を表明した。これは肛門括約筋の自然発生的な活動によるものと推定される。シャフィックはヒトの排尿筋活動の多くの実験で肛門圧力を使用している。彼は外径１．２ｍｍの導尿カテーテルを用い、膀胱内と肛門圧力には視覚的相互関係があることを見出した。

胃内の計測には今世紀の初めにハミルトン圧力計が使用されたが、それは単純ではあるが当時としては最も信頼できる技術であった。

ＩＡＰ計測に経鼻胃管を使用する単純な技術はクレン、フレッツアム、コリーによって使用された。経鼻胃管を使用する単純な潅注技術について懸念が表明され、レーシーは動物実験で経鼻胃管の注水門脈を通しての胃の圧力計測は再現ができないことを見出した。ロンドンのコリーは潅流ではない経鼻胃管を使用し、ＩＣＵの２６人の一般外科患者の１４１の一対の計測値を入手した。彼は適切な統計的モデルを使用し、胃の圧力は膀胱内圧力の水位２．５ｃｍの上か下であることを見出した。

これについては第５章でより詳しく述べる。胃内経路は二つの具体的利点がある。膀胱に外傷があるとき、または患者に導尿カテーテルが付けられていないときに使用できる。胃内圧力も骨盤の外傷による切迫した骨盤血腫があるときに、このような状況下で膀胱圧は一般ＩＡＰ値を反映したものではないので、非常に利用価値がある。

腹膜洞への直接の挿管は実験的に使われてきたが膀胱の技術ほど正確ではなく、侵入性を持つ。

モートゥーはヴェレス針を卵管結紮の１２人の女性の実験ＩＡＰ計測に使用した。流動時にＩＡＰ計測にヴェレス針を使用するのは正確ではない可能性がある。またそれは腹腔鏡検査法に必要な筋肉緩和の程度に依存している。デトロイトのオベイドとその共同研究者らは１９９５年に２６人の患者に４種の技術を用いたＩＡＰ測定の比較を報告している。これらには簡単な経鼻胃経由の胃内経路法、腹腔鏡吸入器、改良された食道聴診器経由の肛門圧力、および導尿カテーテルでの標準膀胱法がある。オベイドは吸入器によって計測されたＩＡＰの標準６ｍｍｇＨｇの上昇で、最良の相互関係は膀胱内計測で５．７ｍｍＨｇ（±９．８）の上昇であることを見出した。胃内と肛門内の圧力はそれぞれ−０．７±９．８ｍｍＨｇと３．３±８．８ｍｍＨｇとの変化が記録され、信頼性に欠けた。彼は直腸と胃の圧力は位置により左右され、膀胱内解決方よりも信頼性が薄いことを見出した。オベイドの研究における具体的な腹腔鏡技術の限界は、他の方法との比較で標準として使用されたストライカー内視鏡検査強力流動吸入器を確証することに欠けていたことである。臨床診療ではそのような腹腔鏡吸入器で計測された圧力は手術の間に大きく変動する場合がある。これは麻酔の深さや血液や他の製品による閉塞を含むポートの仕組みと関連する可能性がある。

腹腔の流体力学によって、もしその先端が下大静脈にあるならＩＡＰはまた中心静脈ラインを通して計測できる。これは多くの研究者によって活用されてきた。ウサギの研究でレーシーはＩＡＰ計測の異なる場所を比較し、ＩＶＣ圧力と膀胱ＩＡＰ計測の卓越した相互関係を見出した。これらの実験は一般麻酔下のウサギに施されたことを銘記すべきである。

さらにレーシーは上大静脈、腹直腸、直腸圧力の間には乏しい相互関係しかないことを見出した。

ＩＡＰ計測の標準は膀胱内技術である。残念ながらクロンは自身の技術の確実性を試験せず、膀胱内技術の確証は１９８９年マウントサイナイ医療センターのイルバーティと共同研究者らによって行われ、公表された。手術後の閉塞した腹内排出口を持つ患者の研究で彼らは導尿カテーテル計測値を腹の排出口からの記録と比較した。彼らは恥骨をゼロポイント地点として使用したが、それは腹腔の中心点の上にあることから僅かな減少を引き起こす可能性がある。

イバーティの調査は腹内と膀胱内圧力との密接な相互関係を明らかにした。さらに彼はＩＡＰの呼気終末陽圧(PEEP)に僅かな影響しかないことを見出した。発明者はその技術を僅かに改良し、かつこの研究課題に使用された技術は以下の手順に拠るものである。

生理食塩水を膀胱に入れることとカテーテルを中空で支えることとを含めた他の技術も説明されている。それらは扱いにくく、オンラインでのモニタリングを提供せず、また時間がかかる。

以前には、導尿カテーテルの直接オンラインモニタリングは腹圧計測として報告されていなかった。導尿カテーテルは通常二つの内腔を含むが、一つはバルーンのために、一つは尿の流れのためである。

血尿症の患者には、何年にもわたって三管式の内腔カテーテルが使われてきた。その方法は第三の内腔からの潅注を可能にする。その方法は腹圧の計測には使用されておらず、報告されてもいない。

現時点での腹圧計測に関わる問題は、尿の流れを妨害することなく三管式内腔導尿カテーテルの第三の内腔への直接のアクセスを提供し腹圧の直接変換が可能となる本発明によって克服できる。

本発明の一つの態様においては、導尿カテーテルはルアーロックを備え、変換マノメーターまたは遠隔センサーへ直接接続できる（図１）。

管を液で潅注し、圧力変換器に接続してオンラインで圧力を計測できる。管の断面図は図２に示されている。

さらに他の局面では、この器具を使用し圧力変換導管の一方にＴピースを接続することにより遠隔圧力読み取りができる。温度送付手段が必要とされるときは任意でこれをカテーテルに加えることができる。本発明の態様においては、空気または液の媒体によって満たされた圧力伝達導管はその導管への潅注または潅流を可能にする三方向栓によってルアーロックに付加することができる。カテーテル側での圧力の変化はこのようにして伝達され、圧力変換器に伝えられる。

本発明の態様においては、圧力伝達部は患者のベッド脇にあるマノメーターまたは液柱に接続することができる。

圧力測定の導尿カテーテルは患者に不特定時間付けられていてもよく、測定値は継続的にまたは間隔をあけて記録される。カテーテルはシリコン、ＰＶＣ、ラテックスなどの医療用の国際規格に合った材料を使用する。

導尿カテーテルは標準の無菌状態では生理食塩水の注入された保持バルーンの使用により尿道を通して挿入される。

腹圧計測導尿カテーテルの部品を示す。 腹圧計測導尿カテーテルの断面図を示す。

Claims (10)

1. 以下を使用してヒトまたは他の哺乳動物の体内圧力を計測するための導尿カテーテル器具：
   縦方向に伸びた少なくとも２つの内腔を有する細長い導尿カテーテルであって、少なくとも一つの導管の壁は実質的に液不浸透性の材料から構成され、カテーテルの内部は、圧力伝達媒体と、該圧力伝達媒体の圧力を計測するための圧力センサー手段とを経由し該内腔を通して圧力変化を伝達させる、カテーテル。
2. ルアーロック雌型雄型直結タイプまたは三方向栓、またはＴピース挿入部のものであってもよい、請求項１記載の圧力計測装置。
3. 圧力伝達材料が空気である、請求項２記載の装置。
4. 圧力伝達材料が生理食塩水溶液である、請求項３記載の装置。
5. 圧力センサー手段が圧力変換器をさらに備える、請求項４記載の装置。
6. 圧力センサー手段が、ヒトまたは哺乳動物の体外に位置するマノメーターをさらに備える、請求項５記載の装置。
7. 圧力センサー手段がマノメーターをさらに備える、請求項６記載の装置。
8. シリコンで作られている請求項７記載の装置。
9. 接続部が、別個の材料、シリコン、ＰＶＣ、または標準医療機器と整合性のある他の材料から作られていてもよい、腹圧計測導尿カテーテル。
10. 添付の図面を参照して本明細書で説明されるような、腹圧計測カテーテル。

Images