JP2007523047A - ゼラチンカプセル - Google Patents

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Abstract

本発明は組換えゼラチン、およびゼラチンカプセル製造に有用な組換えゼラチンならびにこれらを含む組成物、ゼラチンカプセル、およびゼラチンの膜に関するとともに、これらの製造方法にも関する。

Description

本発明は組換えゼラチン、およびゼラチンカプセル製造に有用な組換えゼラチンならびにこれらを含む組成物、ゼラチンカプセル、およびゼラチンの膜に関するとともに、これらの製造方法にも関する。
ゼラチンは典型的には、動物の皮や骨、最も一般的にはウシおよびブタ起源のものを加工することにより、天然コラーゲンから製造される。コラーゲンの取得源となる材料ならびに抽出法および加工法が多様であることから、このような動物由来のゼラチン調製物の生理化学的性質は、特性が著しく変動し、それに応じて性能も大きく変わる。このことから、動物の取得源から抽出されたゼラチンは、変動する分子量、融解特性、ゲル化特性などを有するポリペプチド断片を含有する異なる成分タンパク質の混合物である。
ゼラチンはその独特の性質ゆえに、カプセルや関連製品の性能およびこうした製品の製造に必須の成分である。軟質ゼラチンおよび硬質ゼラチン(または硬殻)カプセルの製造だけでも、1年あたり40000トン(メートル法)を超えるゼラチンが使用されている。ゼラチンは、その構造および組成ゆえに、室温で固形であり生理学的温度で融解することのできる熱可逆性材料の形成を可能にするが、非ゼラチン性の代替材料ではこれに比肩する性能を提供できていない。
ゼラチンカプセルの製造は、広範囲に渡る工程である。熱可逆性のようなゼラチンの特性(例えば融解温度、ゲル化温度など)は、高速カプセル製造、製品組成測定、工程の予測可能性、および再現性にとって重要である。ゼラチン材料の不均質性のため、ゼラチン製品は、様々な分子量や融解温度などの性質が異なるゼラチンの異なる画分または部分を含んでいる可能性がある。粘度、ゲル強度、表面効果、発泡特性、膜形成性、ならびに可塑剤、水、および色素との相互作用などといったゼラチンの諸性質は、ゼラチン含有製品の製造工程全般ならびに貯蔵中および後の使用における性能のばらつきを制限するために、注意深くモニターする必要がある。
予測可能な挙動を保証するために、そして製造工程および製品のばらつきを最小化するために、カプセル製造業者は現在、許容可能なパラメーターの範囲内に収まる物理的性質を有するゼラチン材料を製造するために広範囲に渡る試験を行い、かつ種々の市販されている動物由来ゼラチンの異なるロットを混合している。さらに、現在入手可能な動物由来ゼラチンの物理的/性能特性を変更または制御できる範囲には限界がある。
ゼラチンカプセルの製造は、長時間に渡るゼラチンの高温溶液の使用を必要とする。このような条件下に置かれるゼラチンは加水分解を起こし、ゼラチンのBloom強度と粘度は減少してしまい、その結果カプセル製造工程の一貫性と実行性に影響を及ぼす。製造業者は典型的にはカプセル製造用のゼラチン溶液の小さなバッチを用いることで、材料の迅速なターンオーバー(回転)を確実にし、ゼラチンの物理的性質の低下を抑制する。
一旦カプセルが充填され、および/または投与されると、ゼラチン構造の不整合またはばらつきは、それより後のカプセルの性能に影響を及ぼしうる。カプセル形成において、ゼラチン構造およびその結果としてのカプセル性能は、例えば貯蔵条件の結果として生じる架橋により変わることがあり、製品カプセルの安定性、寿命、および有用性を損なう。ゼラチンの架橋の結果カプセル内に不溶性の膜が形成される可能性があり、溶解性のばらつきの原因となり、高額な安定性およびバイオ溶解性の研究が必要になることから製造コストを増大させ、また性能の一貫性を低下させる。架橋の起こりやすさは、カプセル製造に用いるゼラチン混合物の変動する物理的性質および組成に関連する。ゼラチン組成のばらつきはまた、硬殻カプセルの脆弱性にも影響を及ぼしうる。
手短に言えば、当技術分野においては、一貫しており、再現可能であり、そして完全に制御された性能を提供する、軟質ゼラチンおよび硬質ゼラチンカプセルの製造において有用な材料が必要とされている。本発明は、例えばカプセル製造および性能に最適な、均一性、均一な分子量、特定のBloom強度およびゲル強度、粘度、融解温度、熱可逆性、熱可塑性、熱弾性、などといった特定の、均一な、再現可能な、そして制御された特性を有する組換えゼラチンを提供することで、この必要性に答える。
手短に言えば、当技術分野においては、一貫しており、再現可能であり、そして完全に制御された性能を提供する、軟質ゼラチンおよび硬質ゼラチンカプセルの製造において有用な材料が必要とされている。詳細には、当技術分野においては、例えば加水分解性や架橋性ならびに減少したBloom強度および減少した粘度などといった、物理的性質における望ましくない変化に耐性のある、カプセル製造に有用な材料が必要とされている。本発明は、例えばカプセル製造および性能に最適な、均質性、単一の分子量種、特定のBloom強度およびゲル強度、粘度、融解温度、熱可逆性、熱可塑性、熱弾性、などといった特定の、均一な、再現可能な、そして制御された特性を有するゼラチン材料を提供することで、この必要性に答える。本発明はさらに、熱安定性および安定した粘度を有する、カプセル製造に有用なゼラチン材料および製剤を提供することでこの必要性に答える。
本発明は、組換えゼラチンおよびゼラチンカプセル製造に有用な組換えゼラチン、ならびにこれらの組換えゼラチンを含む組成物、ゼラチンカプセルおよびゼラチン膜に関し、そしてこれらの製造方法に関する。
ある態様において、本発明は、カプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンを提供するが、ここで該単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液を17時間にわたり60℃で維持した場合、該20%溶液の粘度は、約20%未満しか減少しない。別の態様において、本発明は、カプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンを包含するが、ここで該単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液を17時間にわたり60℃で維持した場合、該20%溶液の粘度は、約15%未満しか減少しない。単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液を17時間にわたり60℃で維持した場合、該20%溶液の粘度は、約10%未満しか減少しない、カプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンもまた提供される。
種々の実施形態において、本発明は、単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液を17時間にわたり60℃で維持した場合、該20%溶液の粘度が約5%未満しか減少しないカプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンを提供し、また、単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液を17時間にわたり60℃で維持した場合、該20%溶液の粘度が約3.5%しか減少しないカプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンを提供する。
特定の態様において、本発明は、単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液の粘度が60℃で約42.5センチポアズであるカプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンを提供し、また、単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液を17時間にわたり60℃で維持した場合、該20%溶液の粘度が約41.0センチポアズである、カプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンを提供する。
本発明は、カプセル製造に有用な組成物を包含するが、この組成物は単一分子種の組換えゼラチンと、少なくとも1つのカプセル製造物質を含んでなる。種々の実施形態において、カプセル製造物質は、可塑剤、着色料、不透明化物質、香味料、糖、酸および医薬からなる群より選択される。特定の実施形態において、カプセル製造物質は可塑剤である。別の実施形態においては、カプセル製造物質は可塑剤であり、組成物はさらに着色料を含む。種々の実施形態において、着色料は、FD&C色素およびD&C色素からなる群より選択される。いくつかの実施形態においては、組成物はさらに第2の単一分子種組換えゼラチンを含んでなる。
ある態様において、本発明は、カプセル製造に有用な組成物を提供するが、この組成物は単一分子種の組換えゼラチンからなるゼラチン成分を含んでなる。さらなる態様において、本発明は、カプセル製造に有用な組成物を提供するが、この組成物は第1のおよび第2の単一分子種の組換えゼラチンからなるゼラチン成分を含んでなる。別の態様において、本発明は、カプセル製造に有用な組成物を提供するが、この組成物は複数の単一分子種の組換えゼラチンからなるゼラチン成分を含んでなる。
別の態様において、これらの組成物はさらにカプセル製造物質を含んでなる。種々の態様において、カプセル製造物質は、可塑剤、着色料、不透明化物質、香味料、糖、酸および医薬からなる群より選択される。
ある実施形態において、本発明は、単一分子種の組換えゼラチンを提供するが、ここで約0.0030インチの厚さと、約10cmの長さと約2cmの幅を有する、該単一分子種の組換えゼラチンを含むゼラチン膜は、約13ニュートン(Newton)未満の破断荷重を有する。別の実施形態において、本発明は、単一分子種の組換えゼラチンを提供するが、ここで約0.0030インチの厚さを有し、約10cmの長さと約2cmの幅を有する、該単一分子種の組換えゼラチンを含むゼラチン膜は、約11.6ニュートン未満の破断荷重を有する。さらなる実施形態において、本発明は、単一分子種の組換えゼラチンを包含し、ここで約0.0030インチの厚さを有し、約10cmの長さと約2cmの幅を有する、該単一分子種の組換えゼラチンを含むゼラチン膜は、約300%より大きい破断点伸長率を有する。
本発明の単一分子種のゼラチンを含むゼラチンの膜もまた提供される。ある態様において、本発明は、単一分子種の組換えゼラチンを含むゼラチンの膜を包含するが、このゼラチンの膜は約0.0030インチの厚さを有し、ここで10cmの長さと2cmの幅を有する該ゼラチンの膜の細片は、約13ニュートン未満の破断荷重を有する。別の態様において、本発明は、単一分子種の組換えゼラチンを含むゼラチンの膜を提供するが、このゼラチンの膜は約0.0030インチの厚さを有し、ここで10cmの長さと2cmの幅を有する該ゼラチンの膜の細片は、約11.6ニュートンの破断荷重を有する。特定の態様において、本発明は、単一分子種の組換えゼラチンを含むゼラチンの膜を包含するが、このゼラチンの膜は約0.0030インチの厚さを有し、ここで10cmの長さと2cmの幅を有する該ゼラチンの膜の細片は、約300%より大きい破断伸長率を有する。
本発明は、単一分子種のゼラチンが配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13からなる群より選択される、カプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンを提供する。本発明はさらに、カプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンを含む、ゼラチンカプセルをさらに包含するが、ここでゼラチンは配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13からなる群より選択されるものである。
本発明において、ゼラチンカプセルの製造方法が提供されるが、この方法は、単一分子種の組換えゼラチンおよびカプセル製造物質を含んでなる混合物を用意し、その混合物からゼラチンカプセルを形成することを含んでなる。特定の実施形態において、カプセル製造物質は可塑剤である。
本発明において、単一分子種の組換えゼラチンおよび可塑剤を含んでなる混合物を用意し、そしてその混合物からゼラチンの膜を形成させることを含む、ゼラチン膜の製造方法もまた提供される。
本発明のタンパク質、ヌクレオチド配列、および方法について記載する前にまず、本発明は、記載される特定の方法論、プロトコル、細胞系、ベクターおよび試薬が変化しうることから、それらに限定されるものではないと理解すべきである。また、本明細書において用いる専門用語は、特定の実施形態を説明するためにのみ用いたものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではないと理解すべきである。
本明細書および特許請求の範囲において用いる単数形は、文脈が明らかにそうではないと明示しない限り、複数形の意味をも含む。したがって、例えば「単一分子種の組換えゼラチン」とは、1以上のそのような単一分子種の組換えゼラチンならびに当業者に公知の均等物その他を意味する。
特に断らない限り、本明細書において用いる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野における通常の技術を有する者が一般的に理解する意味を有する。本発明を実施または試験するにあたり、本明細書に記載した方法および材料と類似するまたは均等なあらゆる方法および材料を用いることができるが、ここでは好ましい方法、装置および材料を記載する。本明細書で言及する全ての刊行物は、該刊行物に報告されていて本発明に関連して使用できる細胞系、ベクター、および方法論などを記載および開示するために、参照により本明細書に組み入れる。本明細書におけるいかなる記載も、本発明が先発明の規定によりかかる開示に先行する権利がないことを認めたものと解すべきではない。本明細書に引用した全ての文献は、参照によりその全内容を本明細書に組み込むものとする。
本発明の実施は、特に断らない限り、当技術分野の範囲内の、化学、生化学、分子生物学、免疫学および薬理学の従来の方法を用いる。このような技術は、文献に十分に記載されている。例えば、Gennaro, A. R. , ed. (1990) Remington's Pharmaceutical Sciences, 18版, Mack Publishing Co.; Colowick, S.ら, eds. , Methods In Enzymology, Academic Press, Inc.; Handbook of Experimental Immunology, Vols. I-IV (D. M. Weir and C. C. Blackwell, eds. , 1986, Blackwell Scientific Publications); Maniatis, T. ら, eds. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd edition, Vols. 1-111, Cold Spring Harbor Laboratory Press; Ausubel, F. M. ら, eds. (1999) Short Protocols in Molecular Biology, 4"'edition, John Wiley & Sons; Ream ら, eds. (1998) Molecular Biology Techniques: An Intensive Laboratory Course, Academic Press); PCR (Introduction to Biotechniques Series), 2nd ed. (Newton & Graham eds. , 1997, Springer Verlag)を参照されたい。
本発明は、軟質ゼラチンおよび硬質ゼラチンカプセルの製造に有用な組換えゼラチンに関する。詳細には、本発明は、カプセル、カプセルの材料、膜などの製造における使用および性能に最適な特性を有する組換えゼラチンに関する。本発明はさらに、所望の性能特性、すなわち粘度、Bloom強度、および熱可逆性を有する組換えゼラチンの製造および使用に関する。特定の態様において、本発明は、特定の特性を有する組換えゼラチンに関するが、そうした特性としては、特定の値又は範囲の分子量、濃度、融解温度、ヒドロキシル化のレベル、コラーゲンの型の誘導レベルなどが挙げられる。
ある態様において、本発明は以下から選択されるアミノ酸配列を有する組換えゼラチンを含んでなるゼラチンカプセルを提供する:ヒトα1(I)コラーゲンのアミノ酸残基531〜残基1030(配列番号1);Val579とMet580がプロリン残基で置換されたヒトα1(I)コラーゲンのアミノ酸残基531〜残基1030(配列番号2);ヒトα1(I)コラーゲンのアミノ酸残基531〜残基1192(配列番号3); Val579とMet580がプロリン残基で置換されたヒトα1(I)コラーゲンのアミノ酸残基531〜残基1192(配列番号4); ヒトα1(I)コラーゲンのアミノ酸残基179〜残基1192(配列番号5);Arg220およびArg304がプロリン残基で置換されたヒトα1(I)コラーゲンのアミノ酸残基179〜残基1192(配列番号6); Val579とMet580がプロリン残基で置換されたヒトα1(I)コラーゲンのアミノ酸残基179〜残基1192(配列番号13); Arg220、Arg304、Val579およびMet580がプロリン残基で置換されたヒトα1(I)コラーゲンのアミノ酸残基179〜残基1192(配列番号7)。
ある態様において、本発明は以下から選択されるアミノ酸配列を有する組換えゼラチンを含んでなるゼラチンカプセルを提供する: Arg220、Arg304、Val579、Met580、Asp780、Lys781、Asn855およびVal856がプロリン残基で置換されたヒトα1(I)コラーゲンのアミノ酸残基179〜残基1192(配列番号8); Arg220、Arg304、Asp780、Lys781、Asn855およびVal856がプロリン残基で置換されたヒトα1(I)コラーゲンのアミノ酸残基179〜残基1192(配列番号9); Arg220、Arg304、Asn855およびVal856がプロリン残基で置換されたヒトα1(I)コラーゲンのアミノ酸残基179〜残基1192(配列番号10); Arg220、Arg304、Asp780およびLys781がプロリン残基で置換されたヒトα1(I)コラーゲンのアミノ酸残基179〜残基1192(配列番号11); Arg220、Arg304、Val579、Met580、Asp780、Lys781、Asn855およびVal856がプロリン残基で置換され、かつ残りの全てのリジン残基がグルタミン酸残基で置換されたヒトα1(I)コラーゲンのアミノ酸残基179〜残基1192(配列番号12)。
特定の態様において、カプセル化される材料によっては、ある種の薬物/薬剤の性能に影響を及ぼす化学反応に関わる可能性がある(例えば活性な物質/薬剤などの溶解またはバイオアベイラビリティーに影響を及ぼすことにより)リジンのようなアミノ酸を欠いたカプセル製造に用いるゼラチンを製造することが望ましい場合がありうる。例えば、低い等電点を有するのが望ましい状況下では、配列番号12のような配列を含むゼラチンを用いてもよい。高い等電点を有するのが望ましい場合、例えばカプセル化されるゼラチンと特定の薬物(例えばプロテアーゼ阻害剤など)との相互作用を最小化するかまたは解消するためには、配列番号12のような配列であって、ただし残りのリジン残基をグルタミン酸残基ではなくヒスチジン残基で置換したものが好適でありうる。本発明の物質の明確な効果として、先行技術の物質とは異なり、例えばカプセル化される物質との望ましくない相互作用を最小化するかまたは解消することにより、カプセル製造におけるこうした物質の性能を最適化するように、こうした物質を意図的に、そして再現性をもって、特定の性質を有するようにしむけることができる。
分子量の分布は、例えばゼラチンサンプルの粘度および/またはゲル強度に影響を及ぼす可能性があることから、ゼラチンの分子量の分布はカプセルの製造および性能の種々の態様にとって極めて重要になる可能性がある。本発明は、軟質ゼラチンおよび硬質ゼラチンカプセルの製造に用いるための特定のそして均一な分子量を有する組換えゼラチンを提供する。特定の実施形態において、本発明は、組換えゼラチンを含むゼラチンカプセルを提供するが、ここで組換えゼラチンは単一分子種の組換えゼラチン、例えば特定の、そして均一な性質を有する個々の組換えゼラチンポリペプチドで構成されるゼラチンである。例えば、組換えゼラチンポリペプチドは均一な分子量を有することができる。該組換えゼラチンポリペプチドの分子量は、例えば100kD、65kD、50kDなどであることができる。さらに、ゼラチンは単一分子種の組換えゼラチン、例えば同一のアミノ酸配列と同一の分子量を有するゼラチンポリペプチドを含んでなるゼラチンであることができる。種々の実施形態において、単一分子種の組換えゼラチンは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13からなる群より選択される。
本発明は、特定の決められた粘度を有する組換えゼラチンを提供する。一般に、ゼラチン溶液の粘度は、ゼラチン濃度の増加とともに大きくなり、また温度の低下とともに大きくなる。さらに、ゼラチン溶液の粘度は、ゼラチン成分の分子量の増大とともに増加する。このことから、高粘度のゼラチン溶液は、高濃度の低分子量ゼラチン、またはより低い濃度の高分子量ゼラチンからなることができよう。粘度はまた、凝固点および融点を含めてゲル特性にも影響を及ぼす。高粘度のゼラチン溶液は、低粘度ゼラチン溶液に比べて、より高い融点および凝固点ならびにより速い融解および凝固速度を有するゼラチンを提供する。本発明は、特定の粘度の組換えゼラチンを提供する。
本発明は、軟質ゼラチンおよび硬質ゼラチンカプセルの製造に有用な特定の決められた粘度ならびに特定の決められた分子量の組換えゼラチンを提供する。例えば、ある態様において、本発明は、30℃、40℃、50℃または60℃でそれぞれ約3.8、 3.1、 2.6または2.1センチポアズ(cP)の粘度を有する、50kDの組換えゼラチン(6.67%溶液)を提供する。別の態様において、本発明は、30℃、40℃、50℃または60℃でそれぞれ約4.8、 3.7、 3.1、または2.6 cPの粘度を有する、65kDの組換えゼラチン(6.67%溶液)を提供する。さらなる別の態様において、本発明は、30℃、40℃、50℃または60℃でそれぞれ約6.6、 5.3、 4.4または3.7 cPの粘度を有する、100kD組換えゼラチン(6.67%溶液)を提供する。
本発明はまた、軟質ゼラチンおよび硬質ゼラチンカプセルの製造において有用な特定の決められた粘度を有する、組換えコラーゲンから得られた組換えゼラチンをも提供する。ある態様において、組換えゼラチンは組換えI型コラーゲンから得られたものである。別の態様においては、組換えゼラチンは組換えI型コラーゲンのホモトリマーから得られたものである。特定の態様において、組換えコラーゲンから得られた組換えゼラチンの粘度は、出発物質の組換えコラーゲンのヒドロキシル化の程度によって増加または減少する。例えば、ある態様において、本発明は、30℃、40℃、50℃または60℃で粘度がそれぞれ約7.0、 5.3、 4.3、または3.6cPである非ヒドロキシル化ホモトリマー状の組換えヒトI型コラーゲン (6.67%溶液)から誘導される組換えゼラチンを提供する。別の態様では、本発明は、40℃、50℃または60℃で粘度がそれぞれ約6.7、 4.7、または4.1cPである部分的にヒドロキシル化された(例えば65%ヒドロキシル化)ホモトリマー状の組換えヒトI型コラーゲン (6.67%溶液)から誘導される組換えゼラチンを提供する。さらなる態様では、本発明は、40℃、50℃または60℃で粘度がそれぞれ約7.0、 5.3、または4.4cPである完全にヒドロキシル化されたホモトリマー状の組換えヒトI型コラーゲン (6.67%溶液)から誘導される組換えゼラチンを提供する。
様々なゲル強度を有するゼラチンは、各種の軟質ゼラチンおよび硬質ゼラチンカプセルの用途に適している。固まったゼラチンの堅さまたは強度は、典型的にはBloom値を計算することにより測定されるが、このBloom値は国際的な基準と方法論を用いて決定することができる。簡潔に述べると、Bloom強度は、温度が一定の浴槽(10℃)で17時間にわたって、ゼラチンの6.67%溶液(w/v)によって形成されるゲルの強度の測定値である。標準テクスチャーアナライザーを用いて、ゲルに直径0.5インチの標準AOAC(Association of Official Agricultural Chemists)プランジャーを4mm押し込むのに必要なグラム単位での荷重を測定する。プランジャーを押し込むのに必要なグラム単位での荷重が200グラムであれば、その特定のゼラチンは200gのBloom値を有する(例えばUnited States Pharmacopoeia and Official Methods of Analysis of AOAC International, 17th edition, Volume IIを参照のこと)。
本発明は、軟質ゼラチンおよび硬質ゼラチンカプセルの製造に有用な特定のBloom強度またはゲル強度を有する特定の分子量の組換えゼラチンを提供する。例えば、ある態様において、本発明は、約10gのBloom強度を有する50kD組換えゼラチンを提供する。別の態様において、本発明は、約145gのBloom強度を有する65kD組換えゼラチンを提供する。さらなる態様において、本発明は、約225gのBloom強度を有する100kD組換えゼラチンを提供する。
特定の態様において、組換えコラーゲンから得られた組換えゼラチンのBloom強度は、出発物質の組換えコラーゲンのヒドロキシル化の程度によって、増加または減少する。例えば、ある態様において、本発明は、Bloom値が約200gである非ヒドロキシル化ホモトリマー状の組換えヒトI型コラーゲンから誘導される組換えゼラチンを提供する。別の態様において、本発明は、Bloom値が約290gである部分的にヒドロキシル化された(例えば65%ヒドロキシル化)ホモトリマー状の組換えヒトI型コラーゲンから誘導される組換えゼラチンを提供する。さらなる態様において、本発明はBloom値が約400gである完全にヒドロキシル化されたホモトリマー状の組換えヒトI型コラーゲンから誘導される組換えゼラチンを提供する。Bloom強度の高い組換えゼラチンは、例えばゼラチンカプセルの製造に使用することができ、より軽くより薄いカプセルの製造が可能になるであろう。これはまた、十分な強度のゼラチンを提供するのに使用する必要がある材料が少なくて済むことから、経済的な観点からも有益である。
軟質ゼラチンおよび硬質ゼラチンカプセルの製造とその性能に重要なゼラチン特有の性質は、熱可逆性である。熱可逆性の材料として、ゼラチンは、温度特異的でかつ可逆的な様式で、液体または固体状態で互換的に存在する能力を有する。ゼラチンの熱可逆性は、ゼラチンカプセルの製造において利用される。このゼラチンの性質は、結果的に、展性であり、そして製造中必要に応じて溶液状態で存在することができるので色素や他のカプセル成分との混合が可能になり、そしてカプセル形成時には固体またはゲル化状態へと変換することができる材料を与える。こうしたパラメーターは、ゼラチンカプセルの性能にとって等しく重要なものである。なぜならばゼラチンカプセルは周囲の輸送温度および貯蔵温度で固体状態で存在することができ、それでいて投与/摂取においては体温で融解して、したがってカプセルの活性成分を放出することができるからである。ゼラチンの代替物質、例えば多糖などは、こうした熱可逆性の性質を模倣することに成功していない。ゼラチンの代替物質は、温度勾配によって融解するかわりに溶解してしまい、製造工程に制限/限定を強要するのみならず、結果的に安定性および弾力性の低いカプセルになる材料を構成してしまう。
本発明はまた、軟質ゼラチンおよび硬質ゼラチンカプセルの製造に有用な特定の融解温度または融解温度の範囲を有する組換えゼラチンを提供する。ある態様において、本発明は、決められた融解温度、例えば約28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃または36℃などの融解温度の組換えゼラチンを含むゼラチンカプセルを提供する。他の態様において、本発明は、融解温度の範囲が28℃〜40℃であり、中央Tm値が約34℃〜36℃であり、または融解温度の範囲が28℃〜36℃であり、中央Tm値が約30℃〜32℃である組換えゼラチンを含むゼラチンカプセルを提供する。
本発明はまた、軟質ゼラチンおよび硬質ゼラチンカプセルの製造に有用な特定のゲル化点を有する組換えゼラチンを提供する。ある態様において、本発明は、15℃〜35℃の凝固点またはゲル化点を有する組換えゼラチンを提供する。さらなる態様において、組換えゼラチンは、15〜25℃、25〜35℃および20〜30℃の凝固点を有する。
標準的な市販のゼラチンの使用に関連する1つの問題は、この材料に固有の変動性である。ゼラチン材料が、カプセル製造において使用するのに適当な粘度やゲル強度などを有することを保証するためには、それらの諸性質が適当な物理的パラメーターの範囲に含まれるか否か決定するために、異なるロットのゼラチンを解析し、組み合わせ、試験することなどが必要になる。このことから、本発明の組換えゼラチンは、物理的および性能的特性に対して、これまでに達成できなかった水準のコントロールを提供する。なぜならば、カプセル製造において使用するゼラチンを、再現性よく、かつ完全に特徴付けされた様式で製造することができ、所望の範囲の特性を有する材料を得るためにロットを解析してブレンドする必要性を排除し、製造工程の厳密な再現性と標準化を可能にするからである。
さらに、厳密に再現可能であることに加え、本発明の組換えゼラチンはカプセル製造のために特に設計し最適化した材料をカプセル製造に用いる有力な新しい機会を提供する。とりわけ、ゼラチン特有のゲル化能力は、その材料に固有のいくつかの物理的性能パラメーター、例えば粘度、ゲル強度などに関連していることが知られている。これらのパラメーターは、動物の取得源から抽出されたゼラチンでは容易に操作できない。さらに、カプセル製造に使用するためにゼラチンのパラメーター/特性を測定することは、製造前の広範囲な試験および解析を必要とし、使用可能なゼラチンに到達するために材料のさらなる操作(例えばロットをブレンドすることなど)を必要とし、ある所定の時間に使用するゼラチンの特性の変動または範囲を補償するために必要な、製造工程への絶え間ない変更または追加工程を必要とすることさえある。これとは対照的に、本発明は特定の性能、すなわち厳密で一貫した粘度測定値、ゲル強度/Bloom強度値のために設計された組換えゼラチンを提供する。
例えば、粘度すなわち溶液中での流れに対する抵抗、およびゲル強度/Bloom強度、すなわち固体の摂動(perturbation)に対する抵抗は、カプセル製造およびカプセルの性能に重要なゼラチンの特徴である。これらのパラメーターは、動物取得源から抽出されたゼラチンを構成するタンパク質断片の不均一な混合物については絶対的な値として予測し決定することは不可能である。この出発物質における変動性は、使用に適当な溶液を得るために、種々のロットの広範な解析および試験を必要とし、ゼラチン材料のブレンドおよび再テストを必要とする。これと対照的に、本発明の組換えゼラチンは、均一にそして再現性よく得ることができ、一貫していてそして予測可能な性能を与える厳密な特性を有する。
本発明は、明確な物理的性質を有する組換えゼラチンの製造および使用に関する。ある態様において、本発明は、カプセル製造およびカプセル性能に対して最適化された分子量または分子量範囲を有する組換えゼラチンの製造および使用に関する。現在、カプセル製造に使用されているゼラチンは、種々の分子量の分布を有する材料である。この分子量のばらつきは、ゼラチンを製造するためのコラーゲンの抽出と変性および長期に渡る過酷な化学的処理の避けられない結果である。典型的な分子量の分布は、個々の全長コラーゲン鎖から、これらの個々の鎖の断片または一部、ならびにダイマーおよびトリマー複合体までに対応するゼラチン分子を含む。溶液/固体勾配に沿ってゼラチンが移動可能なように存在できるようにする熱可逆的性質を有するゼラチンのゲル化または凝固する能力は、周囲の環境からの力によって鎖間結合が形成され、撹乱され、再形成されることに伴う個別のゼラチン分子の相互作用に起因するものである。ゼラチン分子間の鎖間相互作用およびその相互作用が生ずる度合いは、部分的に、ゼラチンの安定性、粘度、ゲル強度、融解温度などを決定づける。
本発明の組換えゼラチンは、予想外の、そしてこれまで得ることができなかった効果を奏する。特に、ある態様において、本発明は、個々のゼラチンポリペプチドが画一である、均一な組換えゼラチンに関する。この均一な材料は、個々のゼラチンポリペプチドのよりよいアラインメントとより凝集性の高い結合を可能にすることで、鎖間相互作用を最適化する。このようにゼラチン網目構造の安定性が増大すると、ゼラチンの相の予測可能性と可逆性が向上し、ゼラチンの製造前解析を不必要にし、製造工程そのもののバッチごとの改変/変化を不必要にする。
抽出されたゼラチンについての、分子量、ゲル強度および粘度などの測定値は、物理的パラメーターが画分ごとにばらついている材料の全体としての平均値または中央値である。対照的に、本発明は、特定のそして絶対的な分子量、粘度、およびBloom強度などを有する組換えゼラチンを提供し、これらの物性値は、再現性よく得ることができ、個々のゼラチン中にわたって一貫している厳密で固定された値を表す。(下記の、例えば表1および2を参照されたい)。
本発明は、カプセル製造に有用な組成物および配合物を提供する。カプセル製造に有用な組成物および配合物は、組換えゼラチン、例えば単一分子種組換えゼラチン、および他の成分、例えば可塑剤、水などを含んでいることができ、さらに所望の効果を得るために追加の成分、例えば保存料、着色料(例えば色素)、不透明化物質(例えば二酸化チタン)、香味料(例えばエチルバニリン)、糖(例えばスクロース)、酸(例えばフマル酸)および医薬を含んでいてもよい。カプセル組成物およびカプセル配合物に一般的に用いられる可塑剤としては、例えば、グリセリン、グリセロール、ソルビトール、ソルビタン、多価アルコール、吸湿性のポリオール、天然ゴム、糖などが挙げられる。乾燥可塑剤と乾燥ゼラチンの重量比によって、ゼラチンカプセルの堅さが決まる。例えば硬質ゼラチンカプセルは、乾燥可塑剤と乾燥ゼラチンの重量比が約0.4:1であり、中程度の硬さのゼラチンカプセルは、乾燥可塑剤と乾燥ゼラチンの重量比が約0.6:1であり、軟質ゼラチンカプセルは、乾燥可塑剤と乾燥ゼラチンの重量比が約0.8:1である。カプセル組成物およびカプセル配合物に一般的に用いられる着色料としては、例えば、種々の色素、例えば、FD&C色素およびD&C水溶性色素、認定されたレーキ、顔料、および植物色素が挙げられ、単独でまたは組み合わせて用いられる。
本発明の組換えゼラチンは、使用前のカプセルの輸送および貯蔵に関する利点を提供するが、これらはカプセルの寿命を向上させカプセルを貯蔵することができる環境的条件および温度条件を拡張し、なおかつ最適な性能を提供し続けられる。さらに、抽出ゼラチンを取得する工程は、種々の反応性基、例えば、ジスルフィド、アルデヒド、製造工程中に酸化により形成されうる他の基などを結果的にもたらすおそれがあり、またはこれらを除去することができないおそれがあるが、これらの反応性基には結果的にゼラチンカプセルと充填材料の間の反応を起こさせる潜在的な可能性がある。ある態様において、本発明は、カプセルゼラチンとカプセルの内容物(例えば充填物、薬剤など)とのあらゆる相互作用を減少または排除するように特異的に改変された組換えゼラチンを提供する。このような相互作用としては、カプセル性能および薬剤安定性の両方に望ましくない影響を与えるゼラチンと充填材料との間のジスルフィド結合の形成が挙げられる。ある態様において、本発明はジスルフィド結合を形成する能力を減少させた組換えゼラチンを提供するが、こうしたものとしては例えば、システイン残基を欠いた組換えゼラチンが挙げられる。本発明の組換えゼラチンはまた、他の化学的変更または酸化的副産物を含まないが、そうしたものとしては例えば、抽出ゼラチンを製造するための過酷で長期にわたる工程から結果的に生じうるアルデヒドが挙げられる。
本発明の組換えゼラチン、または本発明の組換えゼラチンが誘導される組換えコラーゲンは、種々の翻訳後修飾に供することができる。種々の翻訳後修飾、および種々の翻訳後酵素、例えばプロリルヒドロキシラーゼ、リシルヒドロキシラーゼなどは、本発明の組換えゼラチンの例えばBloom強度、粘度、融解温度、熱可逆性および他の物理的性質をもたらすことができる。ある態様における組換えゼラチンとしては、特定の度合いでプロリンがヒドロキシル化されているもの、すなわち、ヒドロキシル化されていないゼラチン、部分的にヒドロキシル化されたゼラチン、および完全にヒドロキシル化されたゼラチンがある。ヒドロキシル化の程度は、本発明の組換えゼラチンの様々な性質(例えば熱可逆性、Bloom強度、粘度、融解温度など)に対するある種の効果を増強または達成するために選択することができる。このような組換えゼラチンは、異なるヒドロキシル化を受けた画分を分画または分離することなく、ゼラチンカプセル製造に直接使用することができるであろう。
本発明はまた、特定の結果を得るために所望の、種々の程度に架橋された組換えゼラチンを提供する。ある態様において、本発明の組換えゼラチンは架橋されており、軟質ゼラチンおよび硬質ゼラチンカプセルの製造に有用なより分子量の大きいゼラチンを生成する。架橋は種々の方法、例えば生物学的または化学的修飾により達成することができる。例えばある実施形態において、組換えゼラチンまたはゼラチンを誘導することができるポリペプチドを、リシルヒドロキシラーゼおよびリシルオキシダーゼの存在下で発現させる。別の実施形態では、ポリペプチドを発現後に架橋することにより修飾する。さらなる態様において、本発明は、化学的手段により、例えば反応性の化学的架橋剤、例えば1-エチル-3-(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)などによる架橋を提供する。他の化学的架橋剤、例えばビス(スルフォスクシンイミジル)スベレート(BS3)、3,3'-ジチオビス(スルフォスクシンイミジル)プロピオネート(DTSSP)、およびトリス-スルフォスクシンイミジルアミノトリアセテート(sulfo-TSAT)も使用可能であり、当技術分野で周知の他の種々の架橋剤もまた使用可能である。さらに、本発明は、所望の融点、ゲル強度、および粘度の組換えゼラチンを得るために有用な、種々の程度に架橋された組換えゼラチンを提供する。
特定の態様において、本発明は、従来の動物取得源から得られるゼラチンよりも分子量が高い組換えゼラチンを提供する。ある態様において、本発明は、1以上の型のコラーゲンのコラーゲンドメインを複数コピー含む、改変されたコラーゲン構築物の発現により産生される、分子量の高い組換えゼラチンを提供する。別の態様において、分子量の高い組換えゼラチンは、組換えゼラチンポリペプチドを架橋することにより製造される。本発明は、当技術分野で周知の架橋剤を用いてゼラチンポリペプチドを架橋することにより、分子量の大きい組換えゼラチンを製造する方法を提供する。
本発明は、所望により組換えゼラチンの分子量、ヒドロキシル化のレベル、および架橋の度合いを操作する方法を提供するが、これは種々の特定のそして決定されたBloom強度を有する組換えゼラチン、ならびに種々の特定のそして決定された粘度を有する組換えゼラチンを創作することを可能にする。
これまでに記述された通り、組換えゼラチンは、工学的に操作された構築物を発現させることにより直接的に、または組換えコラーゲンを加工処理することにより製造することができる(国際公開WO 01/34646を参照のこと、引用によりその全内容を本明細書に組み入れる)。組換えコラーゲンまたは組換えゼラチンを誘導することができるコラーゲン配列としては、動物コラーゲンおよび好適な実施形態においてはヒトコラーゲンが挙げられる。コラーゲンをコードする核酸配列は当技術分野で広く記載されている(例えば、Fuller and Boedtker (1981) Biochemistry 20: 996-1006; Sandell ら (1984) J Biol Chem 259: 7826-34; Kohno ら (1984) J Biol Chem 259: 13668-13673; Frenchら (1985) Gene 39: 311-312; Metsarantaら (1991) J Biol Chem 266: 16862-16869; Metsarantaら (1991) Biochim Biophys Acta 1089: 241-243; Woodら (1987) Gene 61: 225-230; Glumoff ら (1994) Biochim Biophys Acta 1217: 41-48; Shirai ら (1998) Matrix Biology 17: 85-88; Tromp ら (1988) Biochem J 253: 919-912; Kuivaniemi ら (1988) Biochem J 252: 633-640; Ala-Kokko ら (1989) Biochem J 260: 509-516; 国際公開 WO 01/34647を参照されたい)。
具体的に遺伝子操作された構築物の発現から直接製造される組換えゼラチンは、単一で均一な分子種のゼラチンとして、または1より多くの分子種の組換えゼラチンのあらかじめ決定された混合物(所望であれば特定のパーセンテージとして)を含有するゼラチンとして、存在することができる。組換えコラーゲンから誘導された組換えゼラチンは、抽出されたゼラチンよりも離散した分子量範囲を有するゼラチンであり、また、例えば単一のまたは複数の特定型のコラーゲンから誘導されたものであるなどといったさらなる特有の特徴を有する。
本発明はゼラチンカプセルの製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンを提供する。単一分子種の組換えゼラチンとは、共通の性質を有する個別のゼラチンポリペプチドからなる(例えば同一のアミノ酸配列と同一の分子量のゼラチンポリペプチドを含む)ゼラチンである。好適な実施形態において、単一分子種の組換えゼラチンは、当技術分野で周知の組換え発現技術(例えば国際公開WO 01/34646を参照のこと)を用いて、具体的に遺伝子工学的に操作されたDNA発現構築物の発現から直接製造される。
特定の実施形態において、本発明は、ゼラチン成分を有するカプセル製造に有用な組成物を提供するが、ここでこのような組成物のゼラチン成分は、単一分子種の組換えゼラチンからなるものである。他の実施形態において、このような組成物のゼラチン成分は、さらに第2の単一分子種の組換えゼラチンを含む。複数の単一分子種の組換えゼラチンを含む実施形態もまた考慮される。1より多くの単一分子種の組換えゼラチンを含む組成物において、異なる単一分子種組換えゼラチンは、互いに特定の百分率/比率で存在してもよく、また不特定の比率で存在してもよい。
ゼラチンカプセルの製造において重要なゼラチンのひとつの特徴は、硬質および軟質ゼラチンカプセルの調製、製造および貯蔵を通した全体にわたるゼラチン組成物の安定性である。ゼラチン組成物の安定性とは、ゼラチン組成物が長期に渡り種々の特性、たとえばカプセル製造に重要な粘度などを保持する能力を意味する。熱安定性とは、ゼラチン組成物が長期に渡り温度が変化する間も、カプセル製造に重要な種々の性質を保持する能力を意味する。ゼラチンカプセルの製造において、ゼラチン溶液は45〜60℃の範囲の温度に加熱され、多くの場合はそれが長期に渡る。このような条件下で維持される動物由来のゼラチン溶液は熱的に安定ではなく、熱による加水分解または酵素分解に供され、このことはBloom強度および粘度を含むカプセル製造において有用な性質の多くに影響を及ぼす。熱による加水分解の程度は、時間および温度の関数である。例えば、カプセル製造中の動物由来のゼラチンの熱分解は、ゼラチン溶液の粘度を減少させてしまい、このことからカプセル製造工程の一貫性および性能に影響を及ぼしてしまう。
特定の実施形態において、本発明の組換えゼラチンは、ゼラチンカプセルの製造に使用可能であるが、こうしたゼラチンカプセルとしては、典型的にはゼラチン溶液から製造される硬殻または硬質ゼラチンカプセル、および典型的にはゼラチン膜から製造される軟殻または軟質ゼラチンカプセルが挙げられる。本発明の特定の実施形態において、組換えゼラチンを含む硬質ゼラチンカプセルおよび組換えゼラチンを含む軟質ゼラチンカプセルが提供されるとともに、こうしたカプセルの製造方法も提供される。選択されたゼラチンは、口腔温度で融け始めることができ、これは嚥下を容易にし、そして体内温度、例えば胃の中の温度で液体となる。ある実施形態において、本発明は、市販されているカプセルや被覆剤の溶解速度を有する組換えゼラチンを提供する。別の実施形態において、本発明は、カプセルでの使用に適した、改善された弾力性を有する組換えゼラチンを提供する。
特定の実施、例えばゼラチンカプセルの製造においては、長期的にみてゼラチンによって形成される脆性および硬度は、現在入手可能な動物取得源から抽出されたゼラチンの貯蔵寿命および有用性を制限しうる重要なパラメーターである。長期に渡って粘度を維持する能力は、製造される製品の一貫性を維持するために現在かなり大きいロットでゼラチンを購入しなければならないゼラチン含有製品の製造業者にとって特に重要な利点である。さらに、いくつかの製造工程、例えば硬質ゼラチンカプセルの製造では、現在、所望の性質の材料を製造するためにはゼラチンの型、例えばA型およびB型ゼラチンをブレンドしなければならない。なぜならば、B型ゼラチンのみを使用した場合は、結果的に例えば製造および使用するには脆すぎる硬質ゼラチンカプセルしか得られないからである。
本発明のゼラチンはまたカプセル化に使用することができるが、このカプセル化には、種々の製薬上の製品、栄養上の製品、および栄養薬上(neutraceutical)の製品のマイクロカプセル化も含まれる。ゼラチンはまた、種々の香味料、着色料および他の添加物;ビタミン;栄養上のサプリメントおよびダイエットサプリメントを含む食品添加物、ならびに脂肪代替物のマイクロカプセル化に使用される。摂取される製品については、胃、消化管などの酸性環境での分解に対して安定性を有する組換えゼラチンを提供することが望ましいであろう。
動物の取得源から抽出されたゼラチンは、1より多くの型のコラーゲンに由来するポリペプチド断片を含有する異種タンパク質の混合物である。本発明は、1つの型のコラーゲンから誘導され、他のいかなる型のコラーゲンをも含まない組換えゼラチンを提供する。特定の態様において、本発明は、薬用カプセルの製造に適した単一分子種の組換えゼラチンを提供する。
本発明は、コーシャ(ユダヤ教の食事規定)、ハラール(イスラム教の食事規定)、菜食主義または特定の動物取得源の材料を含有する製品(製薬上の製品を含む)の摂取を禁じた他の食習慣の消費者のために調製されたカプセル、膜などの製造における本発明の組換えゼラチンの使用を考慮する。
以下の実施例は本発明をさらに詳細に説明する。以下の調製手順および実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し実施できるようにするために示すものである。しかしながら本発明は、例証される実施例の範囲によって限定されるものではない。実施例は本発明のある態様の例証を意図したものにすぎず、これらと機能的に均等な方法は本発明の範囲内にある。実際には、本明細書に記載のものに加え、本発明の種々の変法は、先の記載と添付の図面から当業者に明らかとなるであろう。そのような変法は、特許請求の範囲内にあることを意図する。
特に断らない限り、本発明の実施例には以下の材料および方法を用いた。
実施例1.組換えゼラチン
種々の組換えゼラチンを、ヒトα1 I型コラーゲンの特定の断片を直接発現させることにより、または組換えヒトI型コラーゲン(α1 I型コラーゲンのホモトリマー)から組換えゼラチンを誘導することにより製造した。組換えゼラチンを製造するいずれの方法も当技術分野では公知である(例えば国際公開WO 01/34646を参照されたい)。単一分子種のゼラチンは、ヒトα1 I型コラーゲン鎖のセグメントをコードするポリヌクレオチド配列を含有する遺伝子工学的に操作されたDNA発現構築物を発現させることにより直接製造した。この単一分子種のゼラチンとしては、50kD単一分子種のゼラチン(ヒトα1 I型コラーゲンの531〜1030アミノ酸残基)(配列番号1)、65kD単一分子種のゼラチン(ヒトα1 I型コラーゲンの531〜1192アミノ酸残基)(配列番号3)、および100kD単一分子種のゼラチン(Arg220およびArg304がプロリン残基で置換されたヒトα1 I型コラーゲンの179〜1192アミノ酸残基)(配列番号6)などが挙げられる。組換えヒトゼラチンはまた、完全にヒドロキシル化された、65%ヒドロキシル化された、およびヒドロキシル化されてない組換えヒトコラーゲンα1 I型ホモトリマーの熱変性により得られた。
実施例2.組換えゼラチンのゲル強度(Bloom)
上記実施例1の通り調製した種々の組換えゼラチン(種々の単一分子種のゼラチンも含まれる)のBloom強度(ゲル強度)を従来法により測定した。手短に言うと、各ゼラチン材料の6.67%溶液(w/v)を調製し、一定温度(10℃)で17時間に渡って維持した。標準テクスチャーアナライザーを用いて、直径0.5インチの標準AOAC(Association of Official Agricultural Chemists)プランジャーを4mm押し込むのに必要なグラム単位での荷重を測定した。プランジャーを押し込むのに必要なグラム単位での荷重がBloom値に相当する。(例えばUnited States Pharmacopoeia and Official Methods of Analysis of AOAC International, 17th edition, Volume IIを参照のこと)。種々のゼラチン材料についてのBloom値測定の結果を下記の表1に示す。
非ヒドロキシル化組換えコラーゲンから誘導された組換えゼラチンと単一分子種の100kDゼラチンのBloom値は、カプセル製造に用いられる市販ゼラチンの代表であるSigmaのB型ゼラチンのそれと類似していた。完全にヒドロキシル化された組換えコラーゲンホモトリマーから得られた組換えゼラチンは、部分的にヒドロキシル化された(例えば65%)組換えコラーゲンホモトリマー、または非ヒドロキシル化組換えコラーゲンホモトリマーから得られた組換えゼラチンよりもBloom値が高かった。これらのデータは、組換えゼラチンのゲル強度がヒドロキシル化の程度に関連しており、また、組換えゼラチンを得るための組換えコラーゲンのヒドロキシル化の程度を変更すると、結果的に特定のBloom値を有する組換えゼラチンが得られることを示している。このことから、本発明は、硬質および軟質カプセルの製造に有用な特定のゲル強度を有する組換えゼラチンおよびその製造方法を提供する。
遺伝子工学的に操作された発現構築物を発現させることにより得られた単一分子種のゼラチンは、ゼラチンポリペプチドの分子量(例えばアミノ酸配列長)と相関するBloom値を有していた。具体的には、50kDの単一分子種のゼラチン(配列番号1)は、10gのBloom強度を有し、65kDの単一分子種のゼラチン(配列番号3)は、145gのBloom強度を有し、100kDの単一分子種のゼラチン(配列番号6)は、225gのBloom強度を有していた。(表1を参照のこと)。このデータは、単一分子種のゼラチンのゲル強度が、ゼラチンポリペプチドの分子量(例えばアミノ酸配列長)に関連していることを示している。従って、本発明は、硬質および軟質カプセルの製造に有用な特定のゲル強度を有する単一分子種の組換えゼラチンを含有する組成物、および該組換えゼラチンの製造方法を提供する。
Figure 2007523047
実施例3.種々のゼラチンの粘度
ゼラチン溶液の粘度は、硬質および軟質ゲルカプセルの製造において重要なパラメーターである。上記実施例1に記載した通りに調製した種々のゼラチンの6.67%溶液(w/v)の種々の温度での粘度値を測定した。粘度測定値をセンチポアズ単位(cP)で下記の表2に示す。
Figure 2007523047
上記の表2に示されている通り、完全にヒドロキシル化された組換えコラーゲンホモトリマーから得られた組換えゼラチンは、部分的にヒドロキシル化された(すなわち65%)組換えコラーゲンホモトリマーまたは非ヒドロキシル化組換えコラーゲンホモトリマーから得られた組換えゼラチンよりも粘度測定値が高かった。これらの結果は、ゼラチン溶液の粘度がヒドロキシル化の程度に関連しており、また、組換えゼラチンを得るための組換えコラーゲンのヒドロキシル化の程度を変更すると、結果的に特定の粘度を有する組換えゼラチンが得られることを示す。
単一分子種のゼラチンはゼラチンポリペプチドの分子量(例えばアミノ酸配列長)と相関する粘度値を有した。(表2を参照されたい)。本発明は、硬質および軟質ゲルカプセルの製造に有用な特定の粘度値を有する単一分子種のゼラチンおよび組換えゼラチンの製造方法を提供する。本発明はまた、硬質および軟質ゲルカプセルの製造において有用な特定の粘度値を有する単一分子種のゼラチンおよび組換えゼラチンを含有する組成物を提供する。
実施例4.カプセルの形成
実施例1に記載された100kDの単一分子種のゼラチン(配列番号6)を、以下のようにしてゼラチンカプセルを形成するよう成形した。凍結乾燥された100kDの単一分子種のゼラチン(配列番号6)3gを、60〜65℃で6mlの水に溶解させた。0.6cm×20cm鋼鉄ロッドの先端をゼラチン溶液に漬け、ロッドの先端がゼラチン溶液で均等にコーティングされるように数回回転させた。鋼鉄ロッドをゼラチン溶液から取り出し、ゼラチンが固化するまでロッドの先端に冷気の流れを吹き付けながら回転させた。次にゼラチンカプセルをそっと押して鋼鉄ロッドから取り外した。
実施例5.熱安定性および安定した粘度
本発明のゼラチンの熱安定性を、以下のようにして動物由来のゼラチンのそれと比較した。100kDの単一分子種のゼラチン(配列番号6)または種々の動物由来ゼラチン(ブタ皮膚由来のA型ゼラチン、Bloom値175;ブタ皮膚由来のA型ゼラチン、Bloom値300;ウシ皮膚由来のB型ゼラチン、Bloom値225、いずれもSigma Chemical Co.より)のいずれかを2gとり、60℃で10mlの水に溶解させた(結果として20%(w/v)ゼラチン溶液が得られる)。これらの20%ゼラチン溶液の粘度を、ブルックフィールド粘度計を用いて60℃で測定した。次に、それぞれのゼラチン溶液を60℃で17時間インキュベートし、その後、前記と同様に粘度を測定した。粘度値はセンチポアズ単位(cP)で表す。経時的な粘度測定値の変化の百分率を求めた。これらの実験の結果を以下の表3に示す。
Figure 2007523047
表3は、0時間または17時間に渡り60℃で維持した種々の20%ゼラチン溶液の粘度を測定した結果を示す。表3に示されている通り、組換えヒトゼラチンの20%溶液は60℃で42.5 cPの粘度を有した。60℃で17時間のインキュベーション後、この組換えヒトゼラチンの20%溶液の粘度は41.0 cPであった。60℃で17時間のインキュベーション後のこの組換えヒトゼラチン溶液の粘度の変化は、3.5%の粘度の変化(すなわち減少)に対応するものであった。動物取得源由来のゼラチンを含有する溶液は、組換えヒトゼラチン溶液と比較して、60℃での17時間のインキュベーション後には粘度がずっと多く減少し、全体でも大きく変化した。具体的には、60℃で17時間インキュベートした後のA型ゼラチン(Bloom値175)、A型ゼラチン(Bloom値300)、およびB型ゼラチン(Bloom値225)の20%溶液の粘度は、それぞれ21.5%、30.7%、および24.1%減少した。(表3を参照されたい)。
こうした結果は、本発明の単一分子種のゼラチンが熱安定であることを実証するものである。さらに、これらの結果は、本発明の単一分子種のゼラチンが、動物由来ゼラチンよりも熱安定であり、従ってカプセル製造における利点を提供することを示すものである。これらの結果はまた、単一分子種のゼラチンの20%溶液が、60℃で17時間にわたってインキュベートしても粘度を維持したことを実証し、これは本発明の単一分子種のゼラチンが安定または熱安定な粘度を有する(例えばそれは所定の温度で所定の時間に渡って一定である)ことを表すものである。
実施例6.カプセル用の組換えゼラチンの機械的性質
単一分子種の組換えゼラチン(100kD、配列番号6)または動物由来ゼラチンで調製したゼラチンの膜の機械的性質(破断荷重および破断点伸長(弾性))は、以下のように測定した。ゼラチンの膜を調製するために用いた組換えヒトゼラチン溶液のゲル塊の、膜を成型する前の粘度は5751 cPであった。平滑面上へと室温で、厚さが0.0030インチの100kD単一分子種組換えゼラチンの膜を成型した。30分の硬化時間の後、膜を10cmの長さと2cmの幅を有する細片に切り分けた。次にゼラチン細片の機械的性質を、テクスチャーアナライザーを用いて、試験片を1秒当たり10mmの速さでゼラチン細片が破断するまで引っ張ることにより試験した。破断点での荷重および距離を測定し、それぞれニュートン(N)単位での破断荷重および破断点伸長率%として記録した。
100kDの単一分子種ゼラチンおよび動物由来ゼラチンの破断荷重および破断伸長率の結果を表4に示す。
Figure 2007523047
表4に示す通り、100kDの単一分子種組換えゼラチンで調製したゼラチンの膜は、動物由来のゼラチンで調製したゼラチンの膜に必要な破断荷重よりも若干弱いもののそれと匹敵する荷重を要した。しかしながら、破断伸長率パーセントは100kD単一分子種組換えゼラチンで調製したゼラチンの膜の方が大きく、これは単一分子種の組換えゼラチンの膜の弾力性がより高いことを示す。
本発明の種々の変法は、当業者にとって、本明細書に示したものおよび記載したものの他に、前記の記載から明らかになるであろう。そのような変法は特許請求の範囲内にあることを意図する。
本明細書で引用した全ての文献は、参照によりその全内容を本明細書に組み入れるものとする。

Claims (29)

  1. カプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンであって、該単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液の粘度が、17時間にわたり60℃で維持した場合、約20%未満しか減少しない、前記組換えゼラチン。
  2. カプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンであって、該単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液の粘度が、17時間にわたり60℃で維持した場合、約15%未満しか減少しない、前記組換えゼラチン。
  3. カプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンであって、該単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液の粘度が、17時間にわたり60℃で維持した場合、約10%未満しか減少しない、前記組換えゼラチン。
  4. カプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンであって、該単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液の粘度が、17時間にわたり60℃で維持した場合、約5%未満しか減少しない、前記組換えゼラチン。
  5. カプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンであって、該単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液の粘度が、17時間にわたり60℃で維持した場合、約3.5%減少する、前記組換えゼラチン。
  6. カプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンであって、該単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液の粘度が、60℃で42.5センチポアズである、前記組換えゼラチン。
  7. カプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンであって、該単一分子種の組換えゼラチンを含む20%溶液の粘度が、該20%溶液を17時間にわたり60℃で維持した場合に約41.0センチポアズである、前記組換えゼラチン。
  8. カプセル製造に有用な組成物であって、単一分子種の組換えゼラチンおよび少なくとも1種のカプセル製造物質を含む、前記組成物。
  9. 前記カプセル製造物質が可塑剤、着色料、不透明化物質、香味料、糖、酸および医薬からなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
  10. カプセル製造物質が可塑剤である、請求項8に記載の組成物。
  11. 組成物がさらに着色料を含む、請求項10に記載の組成物。
  12. 着色料が、FD&C色素およびD&C色素からなる群より選択される、請求項11に記載の組成物。
  13. さらに第2の単一分子種の組換えゼラチンを含んでなる、請求項8に記載の組成物。
  14. カプセル製造に有用な組成物であって、該組成物はゼラチン成分を含んでなり、該ゼラチン成分は単一分子種の組換えゼラチンからなる前記組成物。
  15. カプセル製造に有用な組成物であって、該組成物はゼラチン成分を含んでなり、該ゼラチン成分は第1の単一分子種の組換えゼラチンおよび第2の単一分子種の組換えゼラチンからなる前記組成物。
  16. カプセル製造に有用な組成物であって、該組成物はゼラチン成分を含んでなり、該ゼラチン成分は複数の単一分子種の組換えゼラチンからなる前記組成物。
  17. さらにカプセル製造物質を含んでなる、請求項4に記載の組成物。
  18. 前記カプセル製造物質が可塑剤、着色料、不透明化物質、香味料、糖、酸および医薬からなる群より選択される、請求項17に記載の組成物。
  19. 単一分子種の組換えゼラチンであって、ここで約0.0030インチの厚さと、約10cmの長さと約2cmの幅を有する、該単一分子種の組換えゼラチンを含むゼラチンの膜が、約13ニュートン未満の破断荷重を有する前記組換えゼラチン。
  20. 単一分子種の組換えゼラチンであって、ここで約0.0030インチの厚さと、約10cmの長さと約2cmの幅を有する、該単一分子種の組換えゼラチンを含むゼラチンの膜が、約11.6ニュートンの破断荷重を有する前記組換えゼラチン。
  21. 単一分子種の組換えゼラチンを含むゼラチンの膜であって、該ゼラチンの膜が約0.0030インチの厚さを有し、ここで10cmの長さと2cmの幅を有する該ゼラチンの膜の細片が、約13ニュートン未満の破断荷重を有する前記ゼラチンの膜。
  22. 単一分子種の組換えゼラチンを含むゼラチンの膜であって、該ゼラチンの膜が約0.0030インチの厚さを有し、ここで10cmの長さと2cmの幅を有する、該ゼラチンの膜の細片が、約11.6ニュートンの破断荷重を有する前記ゼラチンの膜。
  23. 単一分子種の組換えゼラチンであって、ここで約0.0030インチの厚さと、約10cmの長さと約2cmの幅を有する、該単一分子種の組換えゼラチンを含むゼラチンの膜が、約300%より大きい破断伸長率を有する前記組換えゼラチン。
  24. 単一分子種の組換えゼラチンを含むゼラチンの膜であって、該ゼラチンの膜が約0.0030インチの厚さを有し、ここで10cmの長さと2cmの幅を有する該ゼラチンの膜の細片が、約300%より大きい破断伸長率を有する前記ゼラチンの膜。
  25. 単一分子種のゼラチンが配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13からなる群より選択されるカプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチン。
  26. 単一分子種の組換えゼラチンが配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13からなる群より選択されるカプセル製造に有用な単一分子種の組換えゼラチンを含むゼラチンカプセル。
  27. ゼラチンカプセルの製造方法であって、単一分子種の組換えゼラチンおよびカプセル製造物質を含む混合物を用意し、該混合物からゼラチンカプセルを形成させることを含む前記方法。
  28. カプセル製造物質が可塑剤である、請求項23に記載の方法。
  29. ゼラチンの膜の製造方法であって、単一分子種の組換えゼラチンおよび可塑剤を含む混合物を用意し、該混合物からゼラチンの膜を形成させることを含む前記方法。
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