JP2007522815A - 過酸化水素による酸化 - Google Patents

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Abstract

本発明は、モノオキシゲナーゼ酵素により触媒され且つ過酸化水素を酸化剤として用いる酸化反応を行う方法であって、該反応においてモノオキシゲナーゼには低レベルの酸化損傷が生じ、該方法は、酸化反応と同時に、反応において用いられる割合より少ないか又は同じ割合で過酸化水素を生成することを含み、又は該方法はH2O2濃度若しくはヒドロキシラジカル濃度を調整するH2O2捕捉剤若しくはヒドロキシラジカル捕捉剤の存在下で反応を行うことを含む、前記方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化反応を行う方法に関する。
モノオキシゲナーゼ酵素は非常に広範囲な基質の酸化を触媒する。反応を触媒するために、モノオキシゲナーゼ酵素は通常、補酵素及び少なくとも1つの電子伝達パートナータンパク質(還元酵素)を必要とする。しかしながらモノオキシゲナーゼ酵素は、過酸化水素(H2O2)が二原子酸素及び2つの電子の源として作用するため、これを酸化剤として用いることができる。酸化反応を促進するためのH2O2の使用は、「ペルオキシド・シャント」として知られている。
モノオキシゲナーゼ酵素は通常、ペルオキシダーゼ酵素と比較して、H2O2に対して高いKm値(例えば約20mM)を有する。結果として、ペルオキシド・シャントを用いて酸化反応を行う場合、モノオキシゲナーゼ酵素の活性を相当のレベルにするためには、高濃度のH2O2が必要となる。例えば、50mMのH2O2を用いた場合のモノオキシゲナーゼ活性の初速度は、天然の補酵素であるNAD(P)Hを生理的電子伝達パートナーとして用いる場合の初速度をはるかに下回る。
本発明は、反応を行う間に過剰なレベルのH2O2を存在させないことによってモノオキシゲナーゼ酵素に生じる酸化的損傷を低減することにより、ペルオキシド・シャントを用いて酸化反応を行うためのより効率的な方法を提供する。
モノオキシゲナーゼにより触媒される酸化反応において用いられる割合より少ないか又は同じ割合でのH2O2の同時生産は、酸化反応の効率性の改善及び生成物の収率の増大をもたらす。所要の割合でH2O2を生成するために、電気化学反応、酵素又は前駆体の使用などの多様な方法を用いることができる。
従って本発明は、モノオキシゲナーゼ酵素により触媒され且つ過酸化水素を酸化剤として用いる酸化反応を行う方法であって、該反応においてモノオキシゲナーゼには低レベルの酸化損傷が生じ、該方法は、酸化反応と同時に、反応において用いられる割合より少ないか又は同じ割合で過酸化水素を生成することを含む、前記方法を提供する。
本発明はまた、モノオキシゲナーゼ酵素により触媒され且つ過酸化水素を酸化剤として用いる酸化反応を行う方法であって、該反応においてモノオキシゲナーゼには低レベルの酸化損傷が生じ、該方法は、H2O2濃度又はヒドロキシラジカル濃度を調整するH2O2捕捉剤又はヒドロキシラジカル捕捉剤の存在下で反応を行うことを含む、前記方法も提供する。
配列の説明
配列番号1は、プチダ菌(Pseudomonas putida)由来のシトクロムP450Camのヌクレオチド配列を示す。
配列番号2は、プチダ菌(Pseudomonas putida)由来のシトクロムP450Camのアミノ酸配列を示す。
配列番号3は、巨大菌(Bacillus megaterium)由来のシトクロムP450BM-3のヌクレオチド配列を示す。
配列番号4は、巨大菌(Bacillus megaterium)由来のシトクロムP450BM-3のアミノ酸配列を示す。最初の472アミノ酸残基はヘムドメインを形成する。最後の585アミノ酸残基は還元酵素ドメインを形成する。1048アミノ酸残基全体でホロ酵素を形成する。
本明細書で採用する当技術分野における習慣では、配列中のある位置における天然のアミノ酸残基に続いて変異体においてその位置にあるアミノ酸を記載して突然変異体を表す。例えばF87は野生型配列中の位置87におけるフェニルアラニンを指し、F87Aは、野生型配列中の位置87におけるフェニルアラニンが変異体中ではアラニンに変化していることを指す。アミノ酸残基のナンバリングは、開始メチオニン残基に続くアミノ酸残基から始まる。
実施例において用いられた変異体は、F87A(単一突然変異;配列番号5及び6)並びにF87V L188Q A74G(三重突然変異;配列番号7及び8)であった。
配列番号5は、巨大菌(Bacillus megaterium)由来のシトクロムP450BM-3のF87A変異体のアミノ酸配列を示す。
配列番号6は、巨大菌(Bacillus megaterium)由来のシトクロムP450BM-3のF87A変異体のヌクレオチド配列を示す。
配列番号7は、巨大菌(Bacillus megaterium)由来のシトクロムP450BM-3のF87V L188Q A74G変異体のアミノ酸配列を示す。
配列番号8は、巨大菌(Bacillus megaterium)由来のシトクロムP450BM-3のF87V L188Q A74G変異体のヌクレオチド配列を示す。
配列番号9は、ノカルジア・コラリン(Nocardia coralline)由来のB-276アルケンエポキシダーゼのサブユニット1のヌクレオチド配列を示す。
配列番号10は、ノカルジア・コラリン(Nocardia coralline)由来のB-276アルケンエポキシダーゼのサブユニット1のアミノ酸配列を示す。
配列番号11は、ノカルジア・コラリン(Nocardia coralline)由来のB-276アルケンエポキシダーゼのサブユニット2のヌクレオチド配列を示す。
配列番号12は、ノカルジア・コラリン(Nocardia coralline)由来のB-276アルケンエポキシダーゼのサブユニット2のアミノ酸配列を示す。
配列番号13は、キサントバクタ種(Xanthobacta sp.)由来のPy2アルケンモノオキシゲナーゼのアルファサブユニットのヌクレオチド配列を示す。
配列番号14は、キサントバクタ種(Xanthobacta sp.)由来のPy2アルケンモノオキシゲナーゼのアルファサブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号15は、キサントバクタ種(Xanthobacta sp.)由来のPy2アルケンモノオキシゲナーゼのベータサブユニットのヌクレオチド配列を示す。
配列番号16は、キサントバクタ種(Xanthobacta sp.)由来のPy2アルケンモノオキシゲナーゼのベータサブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号17は、キサントバクタ種(Xanthobacta sp.)由来のPy2アルケンモノオキシゲナーゼのガンマサブユニットのヌクレオチド配列を示す。
配列番号18は、キサントバクタ種(Xanthobacta sp.)由来のPy2アルケンモノオキシゲナーゼのガンマサブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号19は、メチロコッカス・カプスラタス(Methylococcus capsulatas)由来の可溶性メタンモノオキシゲナーゼのアルファサブユニットのヌクレオチド配列を示す。
配列番号20は、メチロコッカス・カプスラタス(Methylococcus capsulatas)由来の可溶性メタンモノオキシゲナーゼのアルファサブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号21は、メチロコッカス・カプスラタス (Methylococcus capsulatas)由来の可溶性メタンモノオキシゲナーゼのベータサブユニットのヌクレオチド配列を示す。
配列番号22は、メチロコッカス・カプスラタス (Methylococcus capsulatas)由来の可溶性メタンモノオキシゲナーゼのベータサブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号23は、メチロコッカス・カプスラタス (Methylococcus capsulatas)由来の可溶性メタンモノオキシゲナーゼのガンマサブユニットのヌクレオチド配列を示す。
配列番号24は、メチロコッカス・カプスラタス (Methylococcus capsulatas)由来の可溶性メタンモノオキシゲナーゼのガンマサブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号25は、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)由来のGPo1アルカン水酸化酵素(AlkB遺伝子)のヌクレオチド配列を示す。
配列番号26は、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)由来のGPo1アルカン水酸化酵素のアミノ酸配列を示す。
配列番号27は、ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)由来のトルエン2-モノオキシゲナーゼのアルファサブユニットのヌクレオチド配列を示す。
配列番号28は、ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)由来のトルエン2-モノオキシゲナーゼのアルファサブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号29は、ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)由来のトルエン2-モノオキシゲナーゼのベータサブユニットのヌクレオチド配列を示す。
配列番号30は、ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)由来のトルエン2-モノオキシゲナーゼのベータサブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号31は、ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)由来のトルエン2-モノオキシゲナーゼのガンマサブユニットのヌクレオチド配列を示す。
配列番号32は、ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)由来のトルエン2-モノオキシゲナーゼのガンマサブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号33は、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来のフェノール水酸化酵素 (pheA)遺伝子のヌクレオチド配列を示す。
配列番号34は、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来のフェノール水酸化酵素遺伝子のアミノ酸配列を示す。
配列番号35は、ヒマワリ (Helianthus annuus)由来のステアロイル-ACPデサチュラーゼのヌクレオチド配列を示す。
配列番号36は、ヒマワリ (Helianthus annuus)由来のステアロイル-ACPデサチュラーゼのアミノ酸配列を示す。
本発明は、特定の実施態様に限定されるものではないと理解されるべきである。開示される方法の別の応用を、当技術分野における具体的なニーズに合うようにすることができることもまた理解されるべきである。本明細書において用いる用語は、本発明の特定の実施形態を説明するためにのみ用いられ、限定を意図するものではないこともまた理解されるべきである。
また、本明細書及び特許請求の範囲において用いられる場合、単数形は、その内容から明らかに他の意味を表さない限り、複数形も含む。すなわち、例えば、「1つの基質」には2つ以上の基質が含まれ、「1つの酵素」には2つ以上の酵素が含まれる、等である。
本明細書を通じて、引用される刊行物、特許及び特許出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の方法は、多様な基質の酸化を可能とする。このような基質として、限定するものではないが、例えばアルカン、芳香族化合物、テルペノイド化合物、アルケン又は脂肪酸が挙げられる。
好適なアルカンとしては、限定するものではないが、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ドデカン及びn-ヘキサデカンが挙げられる。アルカンの酸化からアルコールが生成する。メタンを酸化してメタノールにすることは、技術的且つ経済的に非常に重要である。中鎖アルコール(例えば、n-オクタノール)は合成中間体であるが、長鎖アルコール(例えば、n-ドデカノール)は脂肪酸誘導体の合成に用いられる。
好適な芳香族化合物としては、限定するものではないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、フェノール及びその置換基が挙げられる。フェノール性及びカテコール性の生成物は、香料及び芳香性化合物の合成に用いられる。
好適なテルペノイド化合物としては、限定するものではないが、例えばリモネン、ピネン、テルピネン、及びオシメンなどのモノテルペン、バレンセン及びアロマデンドレンなどのセスキテルペン並びにステロイド化合物を含むトリテルペンが挙げられる。これら生成物は合成の、精製香料及び香味化学薬品並びに医薬品の中間体である。
好適なアルケンとしては、限定するものではないが、例えばプロペン、ヘクサ-1-エン、ヘクサ-2-エン及びスチレンなどの簡単な分子、並びに複雑な分子中の炭素-炭素二重結合が挙げられる。アルケンの、単一エナンチオマーへの選択的エポキシ化は合成において非常に重要である。光学的に純粋なプロペンオキシド及びスチレンオキシドは、合成において非常に有用な中間体である。
水酸化脂肪酸は、ポリマーの前駆体である。
モノオキシゲナーゼ酵素
本発明に従って酸化反応を行うために用いられる酵素は、モノオキシゲナーゼ酵素である。当業者は、当技術分野における標準的方法を用いて、酵素がモノオキシゲナーゼ酵素か否か決定することができる。典型的には、タンパク質結晶解析を用いて補欠分子族を特徴付けることが可能であり、特に非ヘム鉄酵素は通常発色団を有さないためこの方法を用いることができる。その他、当業者は一般に、活性部位などの保存モチーフを探索する目的で配列アラインメントを、そして鉄含量及びサブユニット構成を用いる。
モノオキシゲナーゼ酵素が有するH2O2に対するKm値は、好ましくは少なくとも15nM、少なくとも20nM、少なくとも25nM、少なくとも30nM、少なくとも35nM、少なくとも40nM、少なくとも45nM又は少なくとも50nMである。
モノオキシゲナーゼ酵素の例として、限定するものではないが、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ及び非ヘム二鉄モノオキシゲナーゼ酵素が挙げられる。好適な非ヘム二鉄モノオキシゲナーゼ酵素として、限定するものではないが、例えばメタンモノオキシゲナーゼ(Colbyら, Biochem. J., 1977; 165: 395-402; Dalton, Adv. Appl. Microbiol., 1980; 26: 71-87; Foxら, J. Biol. Chem., 1989; 264: 10023-10033; Foxら, Methods Enzymol., 1990; 188: 191-202; McDonaldら, Appl. Environ. Microbiol., 1997; 63: 1898-1904)、アルカン水酸化酵素(van Beilenら, Enzyme Microb. Technol., 1994; 16: 904-911)、トルエンモノオキシゲナーゼ(Luykxら, Biochem. Biophys. Res. Commun., 2003; 312: 373-379; Pikusら, Biochemistry, 1996; 35: 9106-9119; Newman & Wackett, Biochemistry, 1995; 34: 14066-14076)、アルケンモノオキシゲナーゼ(Gallagherら, Eur. J. Biochem., 1997; 247: 635-641; Lange & Que, Curr. Opin. Chem. Biol., 1998; 2: 159-172; Zhouら, FEBS Lett., 1998; 430: 181-185)、フェノールモノオキシゲナーゼ(Divariら, Eur. J. Biochem., 2003; 270: 2244-2253)及びステロイドデサチュラーゼ(Shanklinら, Biochemistry, 1994; 33: 12787-12794)が挙げられる。非ヘム二鉄モノオキシゲナーゼ酵素は、典型的には真核生物又は原核生物由来であり、好ましくは細菌、真菌、酵母、植物又は動物由来である。好ましい配列を配列番号1〜36に示す。
本発明の方法において用いられる酵素は、好ましくはシトクロムP450酵素であり、典型的には真核生物又は原核生物由来である。シトクロムP450モノオキシゲナーゼは、典型的には第一鉄-一酸化炭素錯体についての446-450 nmのヘムのソーレー帯により特徴付けられる。この酵素は通常、細菌、真菌、酵母、植物又は動物由来であり、例えばシュードモナス(Pseudomonas)属の細菌に由来し得る。この酵素は、天然に存在する形のP450、例えば巨大菌(Bacillus megaterium)由来のP450cam、P450BM-3、シュードモナス種(Pseudomonas sp)由来のP450terp、サッカロポリスポラ・エリスラエ(Saccharopollyspora erythraea)由来のP450eryFであってよく、ストレプトミセス・グリセウス (Streptomyces griseus)株由来のP450 105 D1 (CYP105)であってもよい。
或いは、酵素は、天然に存在する形のP450の変異体であってよい。この変異体は、天然に存在する酵素の必須の生物活性、すなわちH2O2を用いて酸化反応を触媒する能力を保持する。変異体は、酵素の活性部位において1つ以上の変異を有し得る。
「活性部位中の」アミノ酸は、触媒反応の間に基質が結合する部位を指定し(line)、若しくは画定するアミノ酸であり、又は触媒部位に到達する前に基質が通り抜けなければならない部位を指定し、若しくは画定するアミノ酸である。従って、このようなアミノ酸は通常、触媒部位への移行(entry)の間又は触媒反応の間、基質と相互作用する。このような相互作用は、典型的には静電相互作用(荷電基間又は極性基間)、疎水性相互作用、水素結合又はファン・デル・ワールス力によって生じる。
活性部位におけるアミノ酸は、当業者にとって日常的な方法によって同定することができる。これらの方法として、基質と接触するアミノ酸を修飾(標識)する基質に酵素を結合させる標識化(ラベリング)研究が挙げられる。或いは、活性部位中のアミノ酸を推定するために、結合した基質を含む酵素の結晶構造を得ることができる。
モノオキシゲナーゼ酵素は、1、2、3、4、5〜10、10〜20又はこれ以上の変異、例えば置換、挿入又は欠失を有し得る。天然に存在する酵素のアミノ酸配列に対して、アミノ酸置換を行うことが可能であり、例えば1、2、3、4又は5〜10、20又は30の置換をすることができる。例えば表1に従って、保存的置換をすることができる。第2列の同じ区画にあり、好ましくは第3列の同じ行にあるアミノ酸は、互いに置換することができる。
Figure 2007522815
変異は、活性部位の中に存在していてもよく、活性部位の外側に存在していてもよい。典型的には、変異は活性部位内の1つ以上のアミノ酸の位置又は配向に影響又は接触する「第2領域(second sphere)」残基内に存在する。挿入は、典型的にはN及び/又はC末端に入り、これによって酵素はキメラタンパク質の一部となることができる。欠失は、典型的には触媒作用に関与しないアミノ酸、例えば活性部位の外側のアミノ酸の欠失からなる(このようにして、酵素は天然に存在する酵素の変異断片となる)。モノオキシゲナーゼ酵素は、このように酸化活性に必要とされるアミノ酸のみを含むことができる。
活性部位における変異は、典型的には、基質が活性部位に結合したときに基質の位置及び/又は立体構造を変化させる。変異は、基質上の酸化される部位をよりヘム基に接触し易くすることができる。従って変異は、より小さな若しくは大きな、又は程度の差はあれ極性の側鎖を有するアミノ酸の置換であり得る。
典型的には、変異はタンパク質の安定性を増大し、又はタンパク質の精製を容易にする。典型的には、変異はタンパク質の二量化を、典型的にはタンパク質からシステイン残基を除去する(例えば、P450camの位置334、又はホモログ中の等価な位置におけるシステインの置換、好ましくはアラニンへの置換による)ことによって妨げる。典型的には、変異は例えば欠失若しくはポリ-ヒスチジンタグの導入、又はN-末端膜アンカー配列の変異によって、タンパク質が可溶性の形に作られるようにする。典型的には、変異はタンパク質のオリゴマー化、例えばタンパク質表面の疎水性パッチ間の接触から生じるオリゴマー化を阻害する。
変異は、酵素がH2O2を利用する方法に影響を与え、これによって反応効率を改善することができる。例えば、P450BM-3のヘムドメインの全てのメチオニン残基をノルロイシンと置換すると、酵素のペルオキシゲナーゼ活性が2倍増大する(Cirinoら, Biotechnol. Bioeng., 2003; 83(6): 729-734)。さらに、よりペルオキシドに耐性な、酵素の変異体を見出すための直接進化の研究が報告されている(Cirino及びArnold, Angew. Chem. Int. 編, 2003; 42: 3299-3301)。
従って、変異酵素は典型的には、アミノ酸同一性に基づいて天然に存在する酵素と少なくとも70%相同である。
本明細書に記載の変異タンパク質(すなわち、別のタンパク質の変異体として記載されるタンパク質)は、典型的には、関連のタンパク質と少なくとも70%相同であり、又は少なくとも20、好ましくは少なくとも30、例えば少なくとも40、60若しくは100又はそれ以上の連続アミノ酸について、関連のタンパク質と少なくとも80若しくは90%、より好ましくは少なくとも95%、97%又は99%相同である。連続アミノ酸は活性部位を含み得る。或いはこの相同性を、連続アミノ酸ではなく活性部位中のアミノ酸についてのみ測定することができる。
相同性は、公知の方法を用いて測定することができる。例えば、UWGCGパッケージは、相同性を計算するために用いる(例えばその初期設定について用いる)ことができるBESTFITプログラムを提供する(Devereuxら(1984) Nucleic Acids Research 12, p387-395)。PILEUP及びBLASTアルゴリズムは、配列の相同性の計算又は配列の整列に用いることが可能であり(典型的には配列の初期設定について用いる)、例えばAltschul S. F. (1993) J Mol Evol 36:290-300; Altschul, S, Fら(1990) J Mol Biol 215:403-10に記載されている。
BLAST解析を実行するためのソフトウエアは、National Center for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公的に入手可能である。このアルゴリズムは、データベース配列中の同じ長さのワードと整列した場合に幾つかの正の値の閾値スコアTと一致するか又はTを満たすかどちらかの、クエリー配列中の短いワード長Wを同定することによる高スコア配列対(HSP)の最初の同定を含む。Tは、近接ワードスコア閾値と呼ばれる(Altschulら, 上記参照)。これらの最初の近接ワードヒットは、これらを含むHSPを探す検索を開始するための種となる。ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増大し得る限り各配列に沿って両方向に伸びる。ワードヒットを求める各方向への伸張は、累積アラインメントスコアがその最大達成値から量Xだけ減少したとき、累積スコアが1つ以上の負のスコアの残基アラインメントの蓄積によってゼロに達し若しくはそれより下回ったとき、又はいずれかの配列の末端に達したときに止まる。BLASTアルゴリズムのパラメータW、T及びXは、アラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTプログラムは初期値として、ワード長(W)を11、BLOSUM62スコアリングマトリクス (Henikoff及びHenikoff (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 10915-10919を参照されたい)アラインメント(B)を50、期待値(E)を10、M=5、N=4、として用い、また両ストランドの比較を用いる。
BLASTアルゴリズムは、2つの配列の類似度の統計分析を行う。例えばKarlin及びAltschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5787を参照されたい。BLASTアルゴリズムが提供する類似度の1つの尺度は、2つのヌクレオチド配列又はアミノ酸配列間の一致が偶然起こりうる確率の指標を提供する最小和確率(P(N))である。例えば、第1配列と第2配列との比較における最小和確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、さらに好ましくは約0.01未満、そして最も好ましくは約0.001未満である場合、ある配列は別の配列と類似していると考えられる。
変異体は、上記の配列の断片を含む。このような断片は、モノオキシゲナーゼ活性を保持する。断片の長さは少なくとも300、少なくとも400又は少なくとも450アミノ酸であり得る。このような断片は、下記に詳述するキメラ酵素を作製するために用いることができる。
変異体にはまた、天然に存在する酵素の断片又は一部分を含有するキメラタンパク質も含まれる。1つ以上のアミノ酸を、上記のポリペプチドに代替的に又は付加的に加えることができる。天然に存在する酵素又はその変異体若しくは断片のN末端又はC末端に伸張を付与することができる。伸張は極めて短くてよく、例えば長さ1〜10アミノ酸であってよい。或いは、伸張はより長くてもよい。キャリヤータンパク質を、上記のアミノ酸配列と融合することができる。上記の酵素の1つを組み込んだ融合タンパク質は、このように本発明において用いることができる。
天然に存在する酵素又はその変異体はまた、化学的に修飾することもできる。当技術分野においては多くの側鎖修飾が公知となっており、上記の酵素の側鎖に修飾を施すことができる。このような修飾としては、例えば、グリコシル化、リン酸化、アルデヒドを用いた反応に続くNaBH4を用いた還元による還元的アルキル化によるアミノ酸の修飾、メチルアセトイミデートを用いたアミジン化又は無水酢酸を用いたアシル化が挙げられる。修飾は、好ましくはグリコシル化である。
本明細書に記載される変異は通常、当技術分野において公知の方法、例えば酵素の部位特異的突然変異誘発、PCR及び遺伝子シャッフリング法を用いて、又は部位特異的突然変異誘発のサイクルにおける複数の変異原性オリゴヌクレオチドの使用によって酵素に導入される。このようにして、特異的な方法又はランダムな方法で変異を導入することができる。変異誘発法は、このようにして、1つ以上の異なる変異体をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを作り出す。典型的には、変異体酵素のライブラリを作るために用いることができる変異体オリゴヌクレオチドのライブラリを作製する。
酵素は、当技術分野における公知の方法を用いて合成的に、又は組換え法によって作ることができる。モノオキシゲナーゼ酵素のアミノ酸配列は、天然には存在しないアミノ酸を含むように、又は酵素の安定性を増大させるように修飾することができる。酵素を合成法によって作製する場合、作製の間にこのようなアミノ酸を導入することができる。タンパク質又はペプチドを、合成による生産又は組換え生産の後に修飾することもできる。
酵素はまた、D-アミノ酸を用いて作製することもできる。この場合アミノ酸は、CからNに向かって逆順に連結する。この方法は上記のようなタンパク質又はペプチドを作成するための、当技術分野における慣用法である。
酵素は、組換え発現ベクターからポリペプチドをin situ発現させることによって細胞内で産生することができる。発現ベクターは、場合により、ポリペプチドの発現を制御するための誘導性プロモーターを有している。酵素は、組換え発現後の任意のタンパク質液体クロマトグラフィーシステムによる精製によってラージスケールで作製することができる。好ましいタンパク質液体クロマトグラフィーシステムとしては、例えば、FPLC、AKTAシステム、Bio-Cadシステム、Bio-Rad BioLogicシステム及びGilson HPLCシステムが挙げられる。
酸化反応
本発明の方法は、モノオキシゲナーゼ酵素により触媒される高効率の酸化反応の実施に関する。高効率酸化反応は、酵素のターンオーバー若しくは収率の相当の減少又はモノオキシゲナーゼ酵素の失活なく起こる反応である。好ましくは、モノオキシゲナーゼ酵素は、1時間、2時間、6時間、12時間、1日、2日又は5日後に、反応の最初の時点において示された活性の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は100%の活性を示す。
典型的には、本発明の方法は無細胞系内などのin vitroで行う。
反応は、「ペルオキシド・シャント」によって促進される。本発明の反応は、モノオキシゲナーゼ酵素(a)、基質(b)及びH2O2(c)の存在下で行う。反応は通常、好気条件下で実施され、いずれの補酵素も必要としない。(c)の生成については、下記に詳述する。この系において、電子の流れは典型的には(c)→(a)→(b)である。
この方法において、(a)及び(b)の濃度は、典型的には10-8〜10-2Mであり、好ましくは10-6〜10-4Mである。(a):(b)の濃度比は、典型的には0.1:10〜1:10、好ましくは1:0.5〜1:2、又は1:0.8〜1:1.2である。好ましくは、(b)の濃度は(a)の濃度より大きい。(a)の好ましい濃度は、基質と反応させた場合に、利用可能な分析法、例えばGC、HPLCによる検出に十分な生成物を生じる濃度である。この濃度は、典型的にはμM量オーダーである。
通常この方法は、例えば酵素が少なくとも20%、50%、80%又はそれ以上のピーク活性を有するときのように、モノオキシゲナーゼ酵素が機能性である温度及び/又はpHにおいて行う。典型的には、pHは2〜11、例えば5〜9又は6〜8、好ましくは7〜7.8又は7.4である。pHは、リン酸ベースの系又は酢酸ベースの系などの好適な緩衝剤を用いて維持することができる。典型的には、温度は0〜80℃、例えば25〜75℃、30〜60℃又は50℃〜80℃である。好ましくは、温度は20〜40℃である。
この方法において典型的には、1分ごとに少なくとも20のターンオーバー、例えば少なくとも50、100、200、300、500又はそれ以上のターンオーバーが起こる(ターンオーバーは、1ナノモルの酵素ごとに形成されるナノモル単位の生成物として測定する)。
典型的には、H2O2生成速度は、1 mgのモノオキシゲナーゼ酵素について毎分1、2又は3 μg未満又はこれと同等である。典型的には、反応の間のH2O2濃度は、0.1、0.5又は1 mM未満又はこれと同等である。典型的には、反応は少なくとも60分間、少なくとも240分間、少なくとも6時間又は少なくとも10時間続く。
本発明の方法は、反応条件下で基質が液体である場合、モノオキシゲナーゼ基質中で行うことができる。本発明の方法はまた、溶媒中で行うこともできる。好適な溶媒としては、限定するものではないが、例えば水、水性バッファー溶液、混合水/有機及び水性バッファー/有機溶媒系が挙げられる。好ましくは、この有機溶媒は炭化水素、例えばヘキサン、ベンゼン、アセトニトリル、低級脂肪族アルコール、ケトン及びジオキサン、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、並びにこれらの混合物である。溶媒は典型的には、試薬と生成物とが高度に溶解性のもの、及びモノオキシゲナーゼ酵素の安定性及び活性を維持する溶媒である。
反応は、全ての成分が溶液中にある均質な系の中で行うことができる。典型的には、かくはん槽型反応器の中で、モノオキシゲナーゼ酵素とその基質とを好適な溶媒中で共に混合し、反応はバッチモード、セミバッチモード又は連続モードで行う。
或いは、本発明の方法を実施する前に、モノオキシゲナーゼ酵素をシリカなどの好適な固体支持体上に固定化することができる。固定化したモノオキシゲナーゼ酵素を固定床反応器の中に詰め、基質が酵素を通り過ぎるようにすることができる。1つの実施形態において、H2O2を生成する酵素(下記に詳述する)は、モノオキシゲナーゼ酵素と同じ物質上に固定化してもよいし、異なる物質上に固定化してもよい。酵素を固定化する方法は、当技術分野において公知である。このような方法の例としては、限定するものではないが、不溶性の有機又は無機の支持体への共有結合、ゲル内への封入及びイオン交換樹脂又は他の吸着材への吸着が挙げられる(G. F. Bickerstaff 編, "Immobilization of Enzymes and Cells," Humana Press, Totowa. New Jersey, 1997)。
他の実施形態において、「入口」側の膜は、「反応物」側から基質を徐々に受け入れ、次に「出口」側の親水性膜が、親水性化合物をフロー反応セルの「生成物」側へと流出させる。この場合、H2O2は膜の外側で生成し、膜を通って可動性酵素又は固定酵素へと流れることができる。
1つの実施形態において、H2O2は、好ましくは下記に詳述する方法の1つにより生成される。別の実施形態においては、H2O2捕捉剤又はヒドロキシラジカル捕捉剤を用いて、酸化反応の間に過剰なH2O2又はヒドロキシラジカルを捕捉する。捕捉剤は、キレート剤であってよい。1つの実施形態において、キレート剤はEDTAである。EDTAは、例えば微量の鉄(又は銅)とH2O2との反応により生成されるヒドロキシラジカルの生成を阻害する。
電気化学反応によるH 2 O 2 の生成
H2O2は、電気化学反応により本発明の方法で生成することができる。電気化学反応は通常、電流を液体、好ましくは溶液に導入するための手段である。電気化学反応は、典型的には電流が流れる電極で起こる酸化反応又は還元反応である。電極は、電気を伝導することができる、典型的には炭素ベース又は金属製の固体であって、液体、好ましくは溶液と接触している外部のソース又はシンクへ導く。電極は、正に荷電する(カソード)ことも、又は負に荷電する(アノード)こともいずれも可能である。2つ以上の電極は電気化学セルを形成することが可能であり、外部ワイヤーはこのセルの各電極から外部の電気装置へと電気を導くことができる。酸化反応又は還元反応は1つの電極で起こるが、酸化還元反応は電気化学セル中でも、液体中で直接にでもいずれも起こり得る。
電気化学反応を用いたH2O2の生成は、エネルギー効率がよい。H2O2は典型的には、制御された、分子酸素の過酸化水素への電気化学的還元によって生成される。分子酸素の過酸化水素への二電子還元について、カソードの表面領域及び過電圧は重要な考慮事項である。典型的には炭素ベースのカソードを使用し、還元反応の過電圧を低減することが知られている化合物を用いてこのカソードを修飾することができる。このタスクを効果的且つ効率的に行う電極物質及び修飾物質は、当技術分野において周知である。O2の還元、これによる過酸化水素の生成は、典型的にはカソードに加えられる電位によって制御することができる。カソードに加えられる電位は、そのカソード及びカソードに施された任意の修飾に応じて異なる。
本発明の方法において用いられる電気化学反応は、二原子酸素の超音波電気化学的還元である。この方法は、当技術分野において周知である(Comptonら, Electroanalysis, 1997; 9(7): 509-522)。
酵素によるH 2 O 2 生成
H2O2は酵素によって、本発明の方法で生成することができる。酵素は、好ましくは酸化酵素である。好適な酸化酵素の例としては、限定するものではないが、グルコースオキシダーゼ(E.C. 1.1.3.4)、第2級アルコールオキシダーゼ(E.C. 1.1.3.18)、メタノールオキシダーゼ(E.C. 1.1.3.31)、シュウ酸オキシダーゼ(E.C. 1.2.3.4)、アリールアルデヒドオキシダーゼ(E.C. 1.2.3.9)、一酸化炭素オキシゲナーゼ(E.C. 1.2.3.10)、アミンオキシダーゼ(E.C. 1.4.3.4)、エタノールアミンオキシダーゼ(E.C. 1.4.3.8)、ニトロエタンオキシダーゼ(E.C. 1.7.3.1)及び亜硫酸オキシダーゼ(E.C. 1.8.3.1)が挙げられる。グルコースオキシダーゼ(E.C. 1.1.3.4)は、D-グルコースの、D-グルコノ-1,5-ラクトンとH2O2への変換を触媒する。第2級アルコールオキシダーゼ(E.C. 1.1.3.18)は、第2級アルコールの、ケトンとH2O2への変換を触媒する。メタノールオキシダーゼ(E.C. 1.1.3.31)は、メタノールの、ホルムアルデヒドとH2O2への変換を触媒する。シュウ酸オキシダーゼ(E.C. 1.2.3.4)は、シュウ酸の、二酸化炭素とH2O2への変換を触媒する。アリールアルデヒドオキシダーゼ(E.C. 1.2.3.9)は、芳香族アルデヒドの、芳香族酸とH2O2への変換を触媒する。一酸化炭素オキシダーゼ(E.C. 1.2.3.10)は、COとH2Oの、二酸化炭素とH2O2への変換を触媒する。アミンオキシダーゼ(E.C. 1.4.3.4)は、RCH2NH2とH2Oの、RCHO及びNH3並びにH2O2への変換を触媒する。エタノールアミンオキシダーゼ (E.C. 1.4.3.8)は、エタノールアミンとH2Oの、グリコールアルデヒドとH2O2への変換を触媒する。ニトロエタンオキシダーゼ(E.C. 1.7.3.1)は、ニトロエタンとH2Oの、アセトアルデヒドとH2O2への変換を触媒する。亜硫酸オキシダーゼ(E.C. 1.8.3.1)は、亜硫酸とH2O2の、硫酸とH2O2への変換を触媒する。オキシダーゼは商業的に購入することができる(例えば、グルコースオキシダーゼ)。或いはオキシダーゼは、当技術分野において公知の方法を用いて、公知の微生物から抽出することができる。
オキシダーゼの基質は、当技術分野において周知である。H2O2を生成する反応はまた、基質に加えて水も含む。典型的には、H2O2活性化金属もまた反応に含まれる。好適な金属としては、限定するものではないが、例えばセリウム、クロム、コバルト、銅、鉄、マンガン、モリブデン、銀、チタン、タングステン、バナジウム及びこれらの混合物が挙げられる。上記の金属を含有するメタロシリケートは、本発明の方法で作製し且つ用いることができる。このようなメタロシリケートを作製する方法は、当技術分野において公知である(Neumannら, Journal of Catalysis, 1997; 166: 206-127)。メタロシリケートは、好ましくは4面体に配位したチタン、例えばシリカライト-l(TS-1)、シリカライト-2(TS-2)、ゼオライト-ベータ、ZSM-48及びMCM-41のケイ素アナログである(Murugavel及びRoesky, Angew. Chem. Int. 編 Engl., 1997; 36(5): 477-479)。
本発明の好ましい実施形態において、金属含有固体又はメタロシリケートは、H2O2生成酵素を固定化する支持体として用いられる。別の好ましい実施形態において、モノオキシゲナーゼ酵素はまた同一の又は異なるメタロシリケート支持体上にも固定化される。
好ましくは、オキシダーゼを最初に他の反応成分と混合し、その後オキシダーゼ基質の添加によって反応を開始する。例えば、モノオキシゲナーゼ酵素、モノオキシゲナーゼ酵素基質及びオキシダーゼを全て混合し、その後オキシダーゼ酵素を添加する。好ましい実施形態において、P450BM3、オクタン及びグルコースオキシダーゼを共に混合し、その後グルコースを添加する。H2O2生成の制御は、典型的にはオキシダーゼ基質を添加する速度を制御することにより達成することができる。
前駆体によるH 2 O 2 生成
H2O2は、前駆体によって本発明の方法で生成することができる。前駆体の水への添加によるH2O2の生成は、当技術分野において周知である。前駆体としては、限定するものではないが、例えば過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩及びペルオキシ亜硝酸塩が挙げられる。好ましい前駆体はナトリウム塩である。前駆体のH2O2生成特性は、テトラアセチルエチレンジアミンなどの化合物を使用することにより高めることができる。モノオキシゲナーゼ酵素及び基質を含む溶液に添加する前駆体の量は、基質を用いた酵素反応を最大限にし、H2O2による酵素の失活を最小限にするような量である。好ましくは、生成するH2O2の濃度は、酵素に対するKm値は超えないが、酵素反応種を生成するために十分な濃度である。
実施例1
この実験では、P450BM3ヘムドメインの存在下で、オクタンを、電気化学的に生成したH2O2と反応させた。この実験は100 mLガラスビーカー中の3電極構成を用いて室温で行った。網状ガラス質炭素 (RVC)カソード、白金ガーゼアノード及びAg/AgCl参照電極を1つの容器中に含めた。RVCカソードを、1 mMの2-アミノアントラキノンエタノール溶液中に軽く浸した後に取り外し、空気中で乾燥させた。反応溶液は、酸素で飽和した水性Trisバッファー(50 mM、pH 7.4)、0.2 MのKCl、0.5 mMのオクタン、及び3μMのP450BM3 F87V L188Q A74G ヘムドメインを含んでいた。この反応溶液を攪拌して平衡化し(5〜10分)、その後Ag/AgClに対して-0.55 Vの電位を2時間加え、この間に溶液を継続的に攪拌した。GC(ガスクロマトグラフ)分析は、溶媒クロロホルム、オクタン、2-、3-及び4-オクタノール及び内部標準1-ノナノールの存在を示した。2、3及び4-オクタノールの相対比は、1:1.1:0.7であった。形成されたオクタノールの総濃度は141 μMであり、酵素毎のターンオーバーが47であることを表していた。
1.43 μMの野生型P450BM3ヘムドメインを用いて同様の実験を行った。形成されたオクタノールの総濃度は8.4 μMであり、酵素毎のターンオーバーが6であることを表していた。この場合の2、3及び4-オクタノールの相対比は、1:1.7:2.0であった。
実施例2
この実験では、P450BM3ホロ酵素の存在下で、オクタンを、酵素的に生成したH2O2と反応させた。ガラスビンの中に、水性Trisバッファー(50 mM、pH7.4)、0.5 mMのオクタン、1.6 μMの P450BM3 F87V L188Q A74G ホロ酵素及びグルコースオキシダーゼ(1.5 U)からなる溶液(総量5 mL)を加えた。平衡後(5分)、グルコース(1 × 10-6モル)の添加により反応を開始した。1時間まで5分毎にグルコース(1 × 10-6モル)の連続添加を行った(計12回の添加は、1.2 × 10-5モルに相当する)。この間に反応物を継続的に攪拌し、1.5時間後に止めた。GC分析は、溶媒クロロホルム、オクタン、2-、3-及び4-オクタノール及び内部標準1-ノナノールの存在を示した。2、3及び4-オクタノールの相対比は、1:1.1:0.8であった。形成されたオクタノールの総濃度は17 μMであり、酵素毎のターンオーバーが10であることを表していた。
実施例3
この実験では、P450BM3ホロ酵素の存在下で、オクタンを、過ホウ酸ナトリウムから誘導したH2O2と反応させた。ガラスビンの中に、水性Trisバッファー(40 mM、pH7.4)、0.5 mMのオクタン、及び1.3 μMの P450BM3 F87V L188Q A74G ホロ酵素からなる溶液(総量5 mL)を加えた。平衡後(5分)、NaBO3.4H2O (1 × 10-4モル)の添加により反応を開始し、1時間継続的に攪拌した。GC分析は、溶媒クロロホルム、オクタン、2-、3-及び4-オクタノール及び内部標準1-ノナノールの存在を示した。2、3及び4-オクタノールの相対比は、1:1.8:1.1であった。形成されたオクタノールの総濃度は77 μMであり、酵素毎のターンオーバーが59であることを表していた。
実施例1〜3については、P450酵素が溶液中に存在しない場合、オクタノール生成物は観察されなかった。
実施例4
この実験では、P450BM3ヘムドメインの存在下で、ピネンを、過ホウ酸ナトリウムから誘導したH2O2と反応させた。ガラスビンの中に、水性Trisバッファー(40 mM、pH7.4)、0.63 mMのピネン、及び3.7 μMの野生型P450BM3ヘムドメインからなる溶液(総量5 mL)を加えた。平衡後(5分)、7.8 x 10-6モルのNaBO3.4H2Oの添加により反応を開始し、1時間継続的に攪拌した。GC分析は、シス/トランス2,3-エポキシド (32%)、(+)-トランス-バーベノール(verbenol) (16%)、(+)-シス-バーベノール (6%)、(+)-バーベノン/(+)-ミルテノール(13%)、ミルテナール(4%)、並びに未確認の他の酸化生成物(29%)の存在を示した。形成された生成物の総濃度は80 μMであり、酵素毎のターンオーバーが22であることを表していた。
実施例5
この実験では、過ホウ酸ナトリウムにより生成したH2O2の存在下で、フェノールモノオキシゲナーゼをフェノールと反応させる。ガラスビンの中に、水性Trisバッファー(40 mM、pH7.4)、0.63 mMのフェノール、及び3.7 μMの野生型フェノールモノオキシゲナーゼからなる溶液(総量5 mL)を加える。平衡後(5分)、7.8 x 10-6モルのNaBO3.4H2Oの添加により反応を開始し、1時間継続的に攪拌する。GC分析は、酸化生成物の存在を示す。
実施例6
この実験では、グルコースオキシダーゼにより生成したH2O2の存在下で、P450BM3をパルミチン酸と反応させる。ガラスビンの中に、水性Trisバッファー(50 mM、pH7.4)、0.5 mMのパルミチン酸、1.6 μMの P450BM3ホロ酵素及びグルコースオキシダーゼ(1.5 U)からなる溶液(総量5 mL)を加える。平衡後(5分)、グルコース(1 × 10-6モル)の添加により反応を開始する。1時間まで5分毎にグルコース(1 × 10-6モル)の連続添加を行う(計12回の添加は、1.2 × 10-5モルに相当する)。この間に反応物を継続的に攪拌し、1.5時間後に止める。GC分析は、酸化生成物の存在を示す。
実施例7
植物CYP74Cを13 S-ヒドロペルオキシリノレン酸と反応させ、化合物3Z-ヘキセナール(香料)を形成する。H2O2は、過ホウ酸ナトリウムにより生成する。ガラスビンの中に、水溶性のTrisバッファー(40 mM、pH7.4)、0.63 mMの13 S-ヒドロペルオキシリノレン酸、及び3.7 μMの野生型植物CYP74Cからなる溶液(総量5 mL)を加える。平衡後(5分)、7.8 x 10-6モルのNaBO3.4H2Oの添加により反応を開始し、1時間継続的に攪拌する。GC分析は、酸化生成物の存在を示す。

Claims (17)

  1. モノオキシゲナーゼ酵素により触媒され且つ過酸化水素を酸化剤として用いる酸化反応を行う方法であって、該反応においてモノオキシゲナーゼには低レベルの酸化損傷が生じ、該方法は、酸化反応と同時に、反応において用いられる割合より少ないか又は同じ割合で過酸化水素を生成することを含む、前記方法。
  2. モノオキシゲナーゼ酵素がH2O2に対して少なくとも15 nMのKm値を有する、請求項1に記載の方法。
  3. モノオキシゲナーゼ酵素がP450酵素である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. H2O2生成の割合が、酵素1 mg当たり3 μgより少ないか又は同じである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 反応の間のH2O2濃度が、1 mMより少ないか又は同じである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 反応が少なくとも240分間持続する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. H2O2が電気化学反応により生成する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  8. H2O2 が酵素反応により生成する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 酵素がグルコースオキシダーゼである、請求項8に記載の方法。
  10. H2O2がH2O2前駆体により生成する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  11. H2O2前駆体が、過ホウ酸塩、過炭酸塩又は過リン酸塩である、請求項10に記載の方法。
  12. モノオキシゲナーゼ酵素により酸化される基質が、アルカン、芳香族化合物、テルペノイド化合物、アルケン又は脂肪酸である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  13. 請求項7に規定される酸化反応を促進するようにH2O2を生成するための、電極の使用。
  14. 請求項8又は9に規定される酸化反応を促進するようにH2O2を生成するための、酵素の使用。
  15. 請求項10に規定される酸化反応を促進するようにH2O2を生成するための、過ホウ酸塩、過炭酸塩又は過リン酸塩の使用。
  16. モノオキシゲナーゼ酵素により触媒され且つ過酸化水素を酸化剤として用いる酸化反応を行う方法であって、該反応においてモノオキシゲナーゼには低レベルの酸化損傷が生じ、該方法は、H2O2濃度又はヒドロキシラジカル濃度を調整するH2O2捕捉剤又はヒドロキシラジカル捕捉剤の存在下で反応を行うことを含む、前記方法。
  17. 捕捉剤がEDTAである、請求項16に記載の方法。
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