JP2007516384A - 低温流体タンクおよび自動車での使用 - Google Patents

Abstract

内側（１）および外側（２）のカバーの主たる対向する面（４ａ、４ｂ；５ａ、５ｂ）が、剛体の同軸の連結要素（９、１０）と、外側のカバー（３）の主面（５ａ）を、対向する内側のカバー（１）の面（４ｂ）（およびその逆）に接続する、柔軟な連結要素（１５）とによって互いに直接連結されている。本発明を自動車の動力源として使用される低温流体の貯蔵のために使用することができる。
【選択図】 図１

Description

本発明は、外側のケーシング内に真空断熱空間を間に介在させて配置された内側のケーシングを具備するタイプであり、ケーシングが扁平な、例えば平行六面体の、全体形状を有する低温流体タンク、特に液体寒剤タンクに関する。

設置が容易であるといった理由で、車載（vehicle-borne）タンク、特に自動車内のタンクは扁平形であることが求められるが、その形は加圧流体の貯蔵に従来使用されている球形または円柱形と同程度の有利な機械的安定特性を持つものではない。さらに、車載タンクは高い横の加速度を耐えられなくてはならず、それが原因となり、ケーシングの機械的安定性に関する問題だけでなく、それらを互いに組合せることに関する問題をも生み出す。後者の問題は２つのケーシング間での熱交換の問題によりさらに複雑になる。

本発明の具体的な目的は、二重のケーシングを有し、かつ高い機械的強度と非常に軽い重量を兼ね備える液体低温流体タンク構造物を提供することである。

これを可能とするために、本発明の１つの特徴に従うと、タンクは内側のケーシングの２つの主面を連結する少なくとも１つの中空チューブ構造物を具備し、外側のケーシングの２つの主面を連結する少なくとも１つの剛体の連結要素と、外側の１つの主面を内側のケーシングの１つの主面にそれぞれ連結する少なくとも２つの柔軟な連結要素とが延在している。

本発明の他の特徴に従うと、
各々の柔軟な連結要素は、一方のケーシングの主面を、対向する他方のケーシングの主面に連結する、
柔軟な連結要素は末端のスイベル継手間に張力を受けた状態で取り付けられている、
タンクは剛体の連結要素のまわりに角をなして配置されている複数の柔軟な連結要素を具備する。

本発明は自動車の動力源として使用する液体寒剤を貯蔵するためのこのようなタンクの使用にも関する。

本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照し、例として挙げるが何らの限定も意図しない以下の実施形態の記載から明らかとなるであろう。

図１は、参照番号２で全体的に示されている外側のケーシング内に配置されている、参照番号１で全体的に示されている内側の貯蔵ケーシングの一部の概略的な図である（壁の厚さは一定の縮尺ではない）。真空断熱空間３が２つのケーシング１および２の間に形成されている。

説明する実施形態において、ケーシング１および２は、図２および図３から明らかなように、互いに対向する位置にある各々の主面、内側のケーシングであれば４ａと４ｂ、および外側のケーシングであれば５ａと５ｂ、を有する平行六面体の全体形状を持つ。

主面は少なくとも１組、示した例では典型的に２組、の互いに対向する同軸のオリフィスを有する。これらは、内側のケーシング１の壁の場合には６で示され、外側のケーシング２の壁の場合は７で示される。

内側のケーシング１のオリフィス６は、典型的にはプラズマ溶接によって、その内部に取り付けられた内側のチューブ状構造物９の環状のエンドリング８を有する。チューブ状構造物９は内側のケーシング１の主面４ａと４ｂの間の剛性のある連結を与え、それを通して中央チューブ１０が延在している。チューブ１０は両側で中間の真空空間３へと続き、その端で、外側のケーシング２の主面５ａおよび５ｂにある互いに対向するオリフィス７に典型的にプラズマ溶接によって取り付けられているカップ１２の互いに対向する平面のショルダー１１に溶接によって固定されている。

図４からより明らかなように、カップ７の底部およびリング８はそれぞれのオリフィス１３、１４を有する。オリフィス１３、１４はひも１５を通過させ、かつ張力をかけた状態でこれらのひも１５を取り付けて固定するためのスイベル継手１６を外側に収納する働きをする。

本発明によれば、図１から図４より明らかなように、剛体の連結チューブ９および１０は、各々のケーシングが内側と外側のエンクロージャーの主面にかかるストレスを支えられるのを確実にし、ひも１５は各々、外側のケーシングの主面（例えば５ａ）に（カップ１２を介して）連結する一端と、それと対向する外側のケーシングの面（例えば４ｂ）に（リング８を介して）連結する他端とを有する。内側のケーシングはそれゆえに、外側のケーシング内で完全に吊るされた状態にあり、ケーシング間のいかなる垂直方向の変位も禁止され、また示した例のように支持構造を二重にすることによりケーシング間のいかなる横方向の変位も同様に禁止される。

図２および図３に示したように、ケーシング１および２はその剛性を増加させるためにリブが付けられていて、内側のケーシングはボス１８によって強化されている列をなす垂直で平行な仕切り１７を内部に有し、タンクでの空にする作業を後者を沈下させることなく実行可能にする。仕切りはケーシング１のほとんどの長さに亘って長さ方向に延び、チューブ構造９のための空間を形成する。

理解されるように、記載した配置を用いることで、圧縮された場合にケーシング１および２がつぶれる傾向を剛体のスペーサ９および１０による圧縮で弱めることができ、同時に、内側のケーシングが壁の反対側との圧力差によって膨らむ傾向は、ケーシング１の「浮上」性能を保持しながら、ひも１５によって等しく分布された張力で弱めることができる。

液体低温燃料、例えば液化天然ガスまたは水素の自動車での貯蔵用途用のために、ケーシング１および２は４ｍｍ以下、典型的には３ｍｍ以下の厚さを持つステンレス鋼から、主面４および５に平行な経線面を介して組み立てられる２つの鍛造された半殻の形態で作るのが有利である。連結チューブ９および１０、リング８ならびにカップ７も同様にステンレス鋼で構成するのが有利であり、ひも１５は、５ｍｍを超えない直径を有する、エポキシ中の非金属、典型的にはガラス繊維のストランドから構成するのが有利である。この実施形態では、面５ａと４ｂの間に張られた３つのひも１５、および面５ｂと４ａの間に張られた３つのひもは交互に角をなす配置でチューブ１０の周囲に設けられている。

本発明を特定の実施形態に関して説明してきたが、本発明はそれに限定されず、当業者には明らかであろう改良および変形を以下の請求項の範囲内で受け入れることができる。特に、タンクは、その場での設置の要求に応じて、他の扁平な形状、例えば少なくとも部分的に軸対称なディスクの形状でもよく、任意に長方形でもよく、または花弁型に分かれた形でもよい。

本発明に従う、平行六面体の全体形状を有するタンクの部分的な垂直断面概略図。 内側のケーシングの半分の斜視図。 外側のケーシングの半分の斜視図。 図１で示した、内側のケーシングを外側のケーシング内で支持するためのシステムの斜視図。

Claims (10)

1. 外側のケーシング（２）内に真空断熱空間（３）を間に介在させて配置された内側のケーシング（１）を具備し、前記ケーシングが扁平な全体形状を有する低温流体タンクであって、前記内側のケーシング（１）の２つの主面（４ａ、４ｂ）を連結する少なくとも１つのチューブ構造物（９）を具備し、前記外側のケーシング（２）の２つの主面（５ａ、５ｂ）を連結する少なくとも１つの剛体の連結要素（１０）と、外側の１つの主面を内側のケーシングの１つの主面にそれぞれ連結する少なくとも２つの柔軟な連結要素（１５）とが延在していることを特徴とするタンク。
2. 前記各々の柔軟な連結要素（１５）は、一方のケーシングの主面を、対向する他方のケーシングの主面に連結することを特徴とする請求項１記載のタンク。
3. 柔軟な連結要素（１５）は末端のスイベル継手間に張力を受けた状態で取り付けられていることを特徴とする請求項１または２記載のタンク。
4. 前記チューブ構造物（９）は、前記内側のケーシング（１）の前記主面（４ａ、４ｂ）に固定されている、２つのエンドリング（８）と一体になっていることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項記載のタンク。
5. 前記剛体の連結要素（１０）は、前記外側のケーシング（２）の主面（５ａ、５ｂ）に固定されている、２つの円筒形カップ（１２）の間に取り付けられていることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項記載のタンク。
6. 前記剛体の連結要素（１０）のまわりに角をなして配置されている複数の柔軟な連結要素（１５）を具備することを特徴とする請求項２から５のいずれか１項記載のタンク。
7. 前記柔軟な連結要素（１５）は非金属繊維のストランドから構成されることを特徴とする請求項１から６のいずれか１項記載のタンク。
8. 前記ケーシング（１；２）は金属製であることを特徴とする請求項１から７のいずれか１項記載のタンク。
9. 前記ケーシング（１；２）は４ｍｍ以下の厚さを有するシート金属からできていることを特徴とする請求項８記載のタンク。
10. 低温流体を自動車で貯蔵するための請求項１から９のいずれか１項記載のタンクの使用。

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