JP2007513729A - 超音波薬剤送達システム - Google Patents

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Abstract

身体の標的部位に薬剤を送達するための器具であって、音響的に励起されたときに振動するように適合した分散要素と、前記分散要素を励振するための音響エネルギーを該要素に結合させるように制御可能な音響エネルギー源と、前記音響源が前記分散要素を励振したときに前記薬剤がそこから分散されるように、前記分散要素に付着した薬剤と、からなる器具。

Description

関連出願
本願は、2003年12月15日に出願された米国仮特許出願第60/529,096号(その開示内容は参照により本願に取り込まれる)の米国特許法第119条(e)に基づく利益を請求するものである。
本発明は、例えば、身体の器官の局部への治療物質の投与といった、人体の部位への薬剤の投与に関連する。
しばしば病気治療において、薬剤の対象ではない組織への薬剤の接触を最小化しつつ、治療薬剤の高濃度の投与量を局部組織へ送達することは有益である。 例えば、患者の悪性脳腫瘍の治療において、癌でない脳組織の薬剤による影響を最小限にしつつ、高濃度の抗がん剤を腫瘍部位へ送達することは、一般に有益である。しかしながら 、脳内の標的部位へのそのような薬剤の局部的な投与は、一般に難しい。
もし薬剤が血流によって全身的に投与されると、脳への薬剤の浸透は血液脳関門によって厳格に妨げられることがある。さらに、血液脳関門を貫通した多量の薬剤を所望部位に集中させることは極めて困難である。加えて、多くの抗癌剤は疎水性である。疎水性の抗癌剤が血液中に溶解して、癌部位に到達するように全身的に分配されることを可能にするために、通常、薬剤は親水性物質の中に包埋されるか、親水性物質のカプセルに包まれる。薬剤の包埋またはカプセル化に使用される一部の親水性物質(例えばクレモーフォール(登録商標)など)は有毒であり、薬剤自体の副作用よりもむしろ、抗癌剤を包埋またはカプセル化する物質の毒性が抗癌剤の投与量を制限する。
幾つかの方法においては、血液脳関門を克服するために、脳内の標的部位に直接侵襲的に薬剤を適用することよって、薬剤は標的部位に送達される。例えば、 幾つかの方法においては、経頭蓋カテーテルは、頭蓋骨に開けられた穴を通して挿入され、カテーテルを通して輸送される薬剤を含んだ液体が標的部位の脳組織を灌流するように配置される。しかしながら、薬剤を脳に灌流することは、経頭蓋カテーテルを脳内に配置したままにしなければならない比較的に長い投薬時間を通常必要とする。薬剤を含む液体の空間分布を制御することも難しく、その結果として、液体が所望局部に運ぶ薬剤の送達を限定することはしばしば困難である。さらに、薬剤が分散される範囲は一般に液体が脳内に導入される位置から数mm未満に限定されるが、数10mmの範囲の部位に薬剤を送達することがしばしば求められる。
幾つかの方法においては、抗腫瘍剤は「Gliadel(登録商標)ウェハー」を使用して侵襲的に投与されることもある。Gliadelウェハーは薬剤を含浸させた高分子材料で作られている。 典型的には、腫瘍が摘出された後に、腫瘍のあった場所に残る空洞の内部に複数のGliadelウェハーが挿入される。挿入後、ウェハーの高分子材料は、長時間にわたって患部へ薬剤をゆっくり放出する。ウェハーの位置からの薬剤の分散は限定されており、ウェハーに隣接しない又はその近くにない組織部位への薬剤の分散にはGliadelウェハーは一般に適していない。
所望の標的部位へ局部的に薬剤を投与することの問題は、言うまでもなく脳内の癌の部位に限定されない。例えば、再狭窄を防ぐためには、比較的に長い期間、一定の濃度の再狭窄抑制剤を血管壁の局部へ送達し、持続することが、多くの場合に望ましい。現在、血管内に挿入されるステント上に抗再狭窄剤が含有されることがあるが、そのような薬剤の限られた量しかステント内に有効に含有されないように思われ、また、これらの薬剤がコーティングされたステントは一般に高価である。
本発明の一部の実施形態のある態様は、治療薬(以下、「薬剤」という)を器官の局所的な標的部位(患者の脳や血管の血栓症部位)に送達する方法を提供することに関連する。
本発明の一部の実施形態のある態様は、固形の薬剤を局所的な標的部位へ送達する方法を提供することに関連する。任意選択的に、固形薬剤を提供するために、薬剤は、例えばカプセル化され、埋め込まれ、あるいは適切な粒子の表面に付着され、又はその表面に適切にコーティングされる。本発明の一部の実施形態において、その粒子は数ミクロン未満の大きさであることを特徴とする粒子である。本発明の一部の実施形態において、粒子は約250ナノメートル未満の大きさであることを特徴とする。本発明の一部の実施形態において、粒子は50ナノメートル未満の大きさであることを特徴とする。
本発明の一部の実施形態の一つの態様によれば、薬剤及び/又は薬剤を含む粒子は、超音波振動子(以下、「薬剤送達放射体」という)に付着される。振動子は、標的部位の内部またはその近傍に配置され、薬剤及び/又は薬剤を含む粒子を振動子から引き離して、標的部位へ前進させるように励振される。
以後、用語「薬剤」は、薬剤及び/又は薬剤を含む粒子の薬剤送達振動子への付着、あるいは、本発明の一つの実施形態により振動子を励振させることによる薬剤及び/又薬剤を含む粒子の分散を議論するときには、薬剤及び/又は薬剤を含む粒子を表すために使われる。
本発明の一つの実施形態により、薬剤送達放射体はリード線、ロッド、又はカテーテル・ワイヤー(以下、総じてカテーテル・ワイヤーという)の遠位末端に連結される。放射体は、任意選択的に、カテーテル・ワイヤーの軸の延長である軸をもつ細長い放射体である。任意選択的に、薬剤送達放射体はカテーテル・ワイヤーの一体部分として形成される。
薬剤を器官の標的部位に送達するために、カテーテル・ワイヤーがその器官内に挿入され、放射体が標的部位の中または近傍に配置されるように位置決めされる。任意選択で器官の外部にあるカテーテル・ワイヤーの近位末端に連結される音響トランスデューサは、カテーテル・ワイヤーを経由して放射体に伝達される少なくとも1つの超音波エネルギーのパルスを発生する。放射体に到達すると、その少なくとも1つの超音波エネルギーのパルスは、薬剤を含む粒子及び/又は薬剤の粒子を放射体から引き離し、標的部位の中に粒子を分散させる振動を放射体に発生させる。
本発明の一部の実施形態の一つの態様によれば、超音波放射体は、比較的に細長く、任意選択で硬い、超音波「ホーン」からなる。ホーンは、カテーテル・ワイヤーを伝ってホーンに伝達される音響エネルギーが、薬剤をホーンから引き離して所望の方向に分散させるのに有効な振動をホーンに発生させるように成形される。
本発明の一部の実施形態において、カテーテル・ワイヤーを伝って伝達される音響エネルギーは、縦音響波として伝達される。一般に、効果的な薬剤分散を提供するために、受け取ったエネルギーの一部を放射体の(放射体の軸に対する)横振動に変換することは有益である。横振動は運動エネルギーを薬剤に伝達し、半径方向に放射体から遠ざかるように薬剤を前進させる。本発明者は、軸に沿った位置の関数として比較的に急激に変化するホーンの軸に垂直な断面をもつ放射体は、縦音響波を放射体の横振動に変換する傾向があることを発見した。
本発明の一部の実施形態の一つの態様によれば、放射体はスプリング状のワイヤのコイルに形成される。任意選択的に、スプリング放射体のコイルは螺旋円状である。
本発明の一部の実施形態の一つの態様は、超音波薬剤送達放射体を「出口」孔が形成された「隔離外装」で覆うことからなる。本発明の一つの実施形態により、この外装は、その中に振動子が配置される組織の影響を緩和する「隔離液」で満たされる。
本発明者は、薬剤送達振動子が軟組織(例えば脳組織など)の内部に挿入されたときに、振動子と周囲の軟組織との接触が放射体の振動を減衰させると結論した。振動子が薬剤を効果的に分散させるのに十分なエネルギーで容易に励振されない程度にまで振動子のQ値を下げるほど減衰は強くなり得る。隔離外装と離隔液は、軟組織内に配置されたときに、振動子を効率的に励振させ、薬剤を分散させることを可能にする。
振動子が軟組織内に挿入されているときに、隔離外装は隔離液で満たされる。完全な軟組織は、実質的に外装の出口孔44を塞ぎ、外装から隔離液が流出できなくする。その結果、振動子のQ値に実質的に影響を与えない環境に、振動子は周囲組織から「隔離され」、薬剤を振動子から振り払って前進させるのに十分なエネルギーで振動子は容易かつ効果的に励振される。しかしながら、周辺組織は効果的に外装を塞いで隔離液を流出できなくする一方で、前進させられた薬剤粒子Gが出口孔を通って外装から出て周辺組織内に滞留することは妨げない。隔離外装とその動作は、本発明の一つの実施形態により、このようにして振動子が軟組織の部位に薬剤を効果的に送達することを可能にする。
本発明の一部の実施形態の一つの態様により、薬剤送達放射体は拡張可能である。本発明の一部の実施形態において、薬剤送達放射体は、輸送中に比較的に小さな体積を占めるように、薬剤を送達したい部位に圧縮状態で「輸送」される。標的部位において、薬剤送達放射体は、その部位の大きさにより一層適合するように拡張される。
本発明の一部の実施形態において、拡張可能な薬剤送達放射体はスプリング状の放射体からなる。スプリング放射体は、カテーテル内でコイルが圧縮された状態で部位に送達される。コイルはカテーテルから外に押し出されると拡張する。本発明の一部の実施形態において、拡張可能な薬剤送達放射体は、血管ステントに類似した形状に形成され、ステントを拡張するために使用されるものと類似の技術を使用して拡張される。拡張可能な薬剤送達放射体は、本発明の一つの実施形態によって部位に薬剤を分散するために使用された後、放射体を搬送するために使用されたカテーテル内に退避され、カテーテルと共に標的部位から取り出される。
本発明の一部の実施形態の一つの態様によれば、上述の少なくとも1つの超音波のパルスのうちの少なくとも1つの特性が、薬剤送達放射体から離れる薬剤の分散を制御するために制御される。
本発明のある実施形態の一つの態様によれば、前記少なくとも1つの特性は、標的部位内の組織及び前記少なくとも1つのパルスによって分散される薬剤に蓄積されるエネルギー量が、組織または薬剤を損傷しないように制御される。本発明者は、一般に、標的部位の薬剤や組織を損傷させることなく、薬剤が放射体から実質的に完全に取り除かれて分散するように、前記少なくとも一つのパルスのエネルギーを制御可能であると結論した。
本発明の一部の実施形態において、前記少なくとも1つの特徴は、薬剤の粒子をホーンから離れて分散させる運動エネルギーを制御するために制御されることである。例えば、本発明の実施形態において、前記少なくとも1つのパルス、及び/又は前記少なくとも1つのパルスに含まれる多数のパルスの形状、振幅、及び/又は周波数は、運動エネルギーを制御するために制御されてもよい。スプリング放射体から分散される薬剤粒子の分散運動エネルギーを制御することによって、薬剤粒子の標的部位の組織中での分散の仕方や分散範囲を制御することができる。
本発明の一部の実施形態の一つの態様によれば、前記少なくとも1つの特性は、粒子が放射体から離散して標的部位の中へ比較的に高い運動エネルギーで分散するように放射体を励振するために制御される。高い運動エネルギーの分散において、薬剤粒子は一般に、標的部位の細胞膜を貫通するのに十分な運動エネルギーをもつ。
本発明の一部の実施形態の一つの態様によれば、前記少なくとも1つの特徴は、分散される粒子が比較的に低い運動エネルギーをもつように、放射体を励振するように制御されることである。低い運動エネルギーの分散において、分散される薬剤粒子の運動エネルギーは、一般に、粒子が細胞壁を貫通するには不十分であり、薬剤粒子は実質的に組織部位内の間質液を介して移動するように制限される。
本発明の一部の実施形態において、薬剤の分散は超音波導入によって促進される。任意選択的に、超音波導入は、本発明の一つの実施形態による薬剤送達放射体を、放射体から薬剤を分散させるために使用するものとは異なる周波数で振動するように制御することによって提供される。
本発明の一つの実施形態による放射体によって分散される薬剤は固形であり、固形薬剤粒子の分散の方向と運動エネルギーは制御できるため、与えられた標的部位への薬剤の送達及び封じ込めは、一般に従来の薬剤送達システムよりも正確に制御されうる。更に、薬剤は対称的に送達されないため、任意選択的に、親水性物質内にカプセル化又は包埋されることがない。患者に投与される薬剤の投与量は、従って、有毒な親水性の包埋又はカプセル化材料の毒性によって制限されることがない。
さらに、本発明の一つの実施形態により、音響的に励起されたときに振動するように適合した分散要素と、前記分散要素を励振するための音響エネルギーを該要素に結合させるように制御可能な音響エネルギー源と、前記音響源が前記分散要素を励振したときに前記薬剤が分散されるように、前記分散要素に付着した薬剤と、からなる、身体の標的部位に薬剤を送達するための器具が提供される。
任意選択的に、分散要素は、長さ方向に沿った軸をもつ細長い本体からなる。付加的に又は代替的に、分散要素は、軸に沿った位置の関するとして、軸に垂直な断面積が比較的に急激に変化することを特徴とする。
本発明の一部の実施形態において、分散要素は、比較的に小さな断面積の領域によって分離された、複数の比較的に大きな断面積の領域からなる。任意選択的に、比較的に大きな断面積の領域は面取りした縁をもつ。
本発明の一部の実施形態において、分散要素は、比較的に小さな第1の端面と比較的に大きな第2の端面とをもつ複数の円錐形部からなる。任意選択的に、第1の端面は同じ方向を向く。任意選択的に、円錐形部の大きさは、第1の端面の向く方向にある分散要素の軸に沿った距離の関数として小さくなる。
本発明の一部の実施形態において、分散要素は螺旋ネジ形状をもつ。
本発明の一部の実施形態において、分散要素はカテーテル・ワイヤーの一部として一体に形成されている。任意選択で、この器具はカテーテル・ワイヤーを備えたカテーテルからなる。
本発明の一部の実施形態において、分散要素は1つのワイヤーから成型された少なくとも1つのコイルと軸とをもつスプリングからなる。任意選択的に、前記少なくとも1つのコイルは複数のコイルからなる。本発明の一部の実施形態において、コイルは全て同一の寸法をもつ。本発明の一部の実施形態において、隣接するコイルは異なる大きさをもつ。付加的に又は代替的に、隣接しないコイルは、任意選択で同一の大きさをもつ。
本発明の一部の実施形態において、コイルは、少なくとも1つの比較的に大きな第1のコイルと、少なくとも1つの比較的に大きな第2のコイルと、前記少なくとも1つの第1のコイルと前記少なくとも1つの第2のコイルとの間に配置された、それらよりも小さな、少なくとも1つの中間のコイルと、からなる。任意選択で、この器具は、前記少なくとも1つの第1のコイルと前記少なくとも1つの第2のコイルとの間に付着された防壁を含む。任意選択的に、この防壁は、その中に前記少なくとも1つの中間のコイルが配置された管腔をもつ表面を形成する。
本発明の一部の実施形態において、スプリングは、コイルの大きさがスプリングの第1の端面からスプリングの第2の端面に向かう方向に従って小さくなるテーパー形状をもつ。本発明の一部の実施形態において、コイルは同一のピッチをもつ。本発明の一部の実施形態において、全てのコイルが同一の形状をもつ。本発明の一部の実施形態において、前記少なくとも1つのコイルのうち1つのコイルは円形である。
本発明の一部の実施形態において、分散要素はカテーテル・ワイヤーの一部として一体に形成されている。本発明の一部の実施形態において、この器具はカテーテル・ワイヤーを備えたカテーテルからなる。
本発明の一部の実施形態において、スプリングのコイルは拡張可能である。任意選択的に、この器具は、その中にスプリングがコイルを圧縮した状態で収納され、そこからコイルを取り出すとコイルが拡張可能になる、収納部を備える。任意選択的に、収納部は、スプリング分散要素の軸と実質的に平行であり、スプリング分散要素が収納部に収納されるときに圧縮されたコイルの少なくとも幾つかと接触する隆線を備える。付加的に又は代替的に、この器具は、その一部が前記収納部を構成するカテーテルからなる。本発明の一部の実施形態において、分散要素はカテーテル・ワイヤーの一部として一体に形成されている。
本発明の一部の実施形態において、分散要素はステントに似た形態をもつ。任意選択的に、ステントに似た形態は圧縮状態と拡張状態とを有する。任意選択で、この器具は、分散要素が圧縮状態でその中に収納され、そこから取り出されると拡張状態に変化する収納部からなる。
本発明の一部の実施形態において、この器具は、その中に分散要素が配置される外装からなり、この外装には、分散要素によって分散された薬剤の粒子がそれを通って外に出る、少なくとも1つの出口孔が形成される。任意選択的に、外装は、分散要素が標的部位又はその近傍に配置されたときに、標的部位又はその近傍において分散要素を物との接触から保護する、液体によって満たされている。
本発明の一部の実施形態において、音響エネルギー源は、音響エネルギーの少なくとも1つのパルスを分散要素に結合させて、薬剤の分散を制御するための前記少なくとも1つの音響パルスの少なくとも1つの特性を制御する。任意選択的に、音響源は、分散要素によって分散された薬剤の粒子の運動エネルギーを制御するために、少なくとも1つの特性を制御する。付加的に又は代替的に、前記少なくとも1つの特性は、前記少なくとも1つの音響パルスの振幅からなる。本発明の一部の実施形態において、前記少なくとも1つの特性は、前記少なくとも1つの音響パルスの周波数からなる。
更に本発明の一つの実施形態により、身体の標的部位の近傍にある薬剤を標的部位へ送達するための器具であって、1つのワイヤーから形成された少なくとも1つのコイルからなる分散要素と、前記分散要素を励振するための音響エネルギーを該要素に結合させるように制御可能な音響エネルギー源と、からなり、前記薬剤および前記分散要素が前記部位の近傍に配置されて、前記音響源が前記分散要素を励振したときに、前記分散要素は標的部位へ薬剤を前進させる音響波を送出する、ことを特徴とする器具、も提供される。
更に本発明の一つの実施形態により、身体の標的部位の近傍にある薬剤を標的部位へ送達するための器具であって、細長いネジ状の本体からなる分散要素と、前記分散要素を励振するための音響エネルギーを該要素に結合させるように制御可能な音響エネルギー源と、からなり、前記薬剤および前記分散要素が前記部位の近傍に配置されて、前記音響源が前記分散要素を励振したときに、前記分散要素は標的部位へ薬剤を前進させる音響波を送出する、ことを特徴とする器具、も提供される。
更に本発明の一つの実施形態により、身体の標的部位の近傍にある薬剤を標的部位へ送達するための器具であって、軸と、前記軸に沿った位置の関数として比較的に急激に変化する前記軸に垂直な断面と、をもつ細長い本体からなる分散要素と、前記分散要素を励振するための音響エネルギーを該要素に結合させるように制御可能な音響エネルギー源と、からなり、前記薬剤および前記分散要素が前記部位の近傍に配置されて、前記音響源が前記分散要素を励振したときに、前記分散要素は標的部位へ薬剤を前進させる音響波を送出する、ことを特徴とする器具も提供される。
更に本発明の一つの実施形態により、身体の標的部位の近傍にある薬剤を標的部位へ送達するための器具であって、圧縮状態と拡張状態とを有する拡張可能な分散要素と、前記分散要素を励振するための音響エネルギーを該要素に結合させるように制御可能な音響エネルギー源とからなり、前記薬剤は前記部位の近傍に配置され、前記分散要素は圧縮状態で前記近傍へ輸送されて前記近傍にて拡張状態に変形され、前記音響源が前記拡張状態にある前記分散要素を励起するときに、前記分散要素は前記薬剤を前記部位に前進させる音響波を送出する、ことを特徴とする器具、が提供される。
更に、本発明の一つの実施形態により、薬剤を身体の標的部位へ送達する方法であって、音響的に励起されたときに振動するように適合した分散要素と、励振されたときに薬剤がそこから分散するように分散要素に薬剤を付着することと、前記分散要素を前記部位又はその近傍に配置することと、前記分散要素を音響的に励起することと、からなる方法。任意選択的に、分散要素を提供することは、圧縮状態と拡張状態とを有する拡張可能な分散要素を提供することからなる。任意選択的に、分散要素を配置することは、分散要素を圧縮状態で標的部位又はその近傍に輸送すること、からなる。任意選択的に、分散要素を音響的に励起することは、前記部位又はその近傍で分散要素を拡張状態に変形すること、からなる。
以下に、本発明の非限定的な実施形態の例を添付の図面を参照して説明する。図面において、1つ以上の図に現れる同一の構造、要素または部分は、一般に全ての図において同じ引用符号で標示される。図面に示される構成要素及び特徴の大きさは、表現の便宜及び明確さのために選ばれており、必ずしも同じ縮尺ではない。
図1A〜1Eは、本発明の一つの実施形態による、軸21をもつ細長い超音波ホーン20の形をした超音波薬剤送達放射体を概略的に示したものである。図1A及び1Bは、ホーン20の縦断面図及び斜視図をそれぞれ概略的に示している。ホーン20は、カテーテル・ワイヤー24(その一部のみが図示されている)の遠位末端22に連結されている。任意選択的に、ホーン20は、例えば打抜き加工や切削加工といった、当該技術分野で知られる多くの様々な方法の何れかを用いて、カテーテル・ワイヤー24の一体部分として形成される。
薬剤(破線26で表される)は、ホーン20の表面領域に付着している。本発明の一部の実施形態において、薬剤は電着法を使用してホーン20に付着される。本発明の一部の実施形態において、薬剤を含む適当な溶液または分散液でホーンを濡らし、それからホーンを乾かすことによって、薬剤が付着される。
ホーン20を励振させて、薬剤26を分散させるための超音波エネルギーは、任意選択で、少なくとも1つの「縦超音波」のパルスの形で、カテーテル・ワイヤー24を介してホーン20に伝達される。この少なくとも1つの縦パルスを、薬剤26の粒子をホーン20から放射状に放出するホーン20の横振動に変換するために、任意選択で、ホーンは、長さに沿って比較的に急激に断面積が変化するように形成される。本発明者は、比較的に急激に変化する断面積をもったホーンは、縦波をホーンの横振動に変換し易いことを発見した。本発明者は、急激に変化する断面積は、縦音響エネルギーの一部を横振動に変換するように作用する、縦波の反射とおそらくは回折を発生すると推測している。任意選択的に、ホーン20は、連結節30によって離隔され、任意選択で面取りした縁29をもつ、複数の「球状部」28からなる。任意選択的に、前記複数の球状部は3つの球状部28からなる。
図1Cは、カテーテル・ワイヤー24に沿ってホーン20へ伝達し、ホーンから薬剤26を放出させる振動をホーンに発生させる、複数の超音波パルス32を概略的に示す。本発明者は、励振されたときに、図1A〜1Cに示されるものと類似の形状をもつ、本発明の一つの実施形態による、ホーンが斑点部36で示される実質的に円筒状の「分散体積」の中に、矢印34で示される方向に薬剤26を分散させることを発見した。分散体積36中への薬剤26の分散は、ホーン20の軸21に対する方位角及びホーンに沿った長さの関数としては実質的に均一である。
数値的な例として、ホーン20に類似する本発明の一つの実施形態によるホーン放射体は、任意選択で約1mmの直径をもつ、カテーテル・ワイヤー24の一体部分として形成されてもよい。各球状部28は、任意選択的に、ワイヤ24の直径にほぼ等しい直径と約1.1mmの長さをもち、各連結節30は約0.6mmの直径と約0.5mmの長さをもつ。図1A〜1Eに示されるような3つの球状ホーンについては、ホーンの長さは、従って、任意選択で約4.95mmである。球状部28と節30の3つの組は、任意選択で長さが約4.8mmであり、放射体20とカテーテル・ワイヤー24との接合部にある追加の面取り縁29が軸方向に約0.15mmの広がりをもつため、全長は約4.95mmとなる)。任意選択的に、 ホーン20は医療用に認可されたチタン合金から作られる。任意選択で、この合金は、約6%のアルミニウムと約4%のバナジウムからなるチタン合金(米国食品医薬品局によって医療インプラント用に認可されている)、または、約15%のバナジウム、約3%のクロム、約3%のニッケル、及び約3%のアルミニウムからなるチタン合金である。
ホーン20に類似した、本発明の一つの実施形態による、上述したもの以外のホーンの寸法は当然ながら可能であり、有益となり得る。例えば、球状部28は約2mmの直径をもち、ホーン20の全長は10乃至20mmである。一般に、ホーン20のようなホーンの寸法は、それが使用される部位の寸法要件や、その部位へホーンを輸送して配置する方法の寸法的制約に適合されてもよい。
本発明の一部の実施形態において、ホーン20は保護隔離外装40(図1Dに概略的に示される)に覆われる。任意選択的に、隔離外装40はカテーテル・ワイヤー24を収納するカテーテル42の一部分である。ジャケット40には複数の出口孔44が形成されている。例として、ジャケット40の外周に対称に配置された4つの出口孔が形成されている状態が図示されている。
本発明者は、外装に覆われたホーン20に類似のホーンが、本発明の一つの実施形態により、軟組織中に配置され、外装が隔離液で充満されているときに、ホーンが効率的に励振されて、組織内へ薬剤を分散させることを発見した。本発明者は、ホーン20の分散体積の寸法と形状が実質的に外装によって影響を受けず、さらに隔離液が外装の外へ流出しないように、外装40の出口孔44の寸法を十分に大きく、互いに近接するように作ることができるとも結論した。放射体が配置される軟組織(離隔液の脱出に対抗して出口孔を封止するように作用する)によって、離隔液が隔離外装の外へ流出することが防がれている。数値的な例として、隔離外装40は、任意選択で、約0.3mmの厚さと約2.1mmの外径の壁と、約6mmの長さと約0.8mmの幅の孔44をもつ。
本発明の一つの実施形態によるホーンの寸法の場合のように、外装の寸法は上述のものと異なっていてもよい。外装40のような外装の寸法は、一般に、一緒に使用するホーンの寸法や、ホーン及び外装が使用される部位の寸法要件や、その部位へホーン及び外装を輸送して配置する方法の寸法的制約に適合されてもよい。
本発明の一部の実施形態において、出口孔44は、薬剤送達放射体の分散体積を設定するように形状が決められている。例えば、ホーン20のような放射体が、限定された放射方向に薬剤を分散させるように、外装40に類似の外装は出口孔を1つだけもつ。そのような外装に覆われたホーンは、ホーン及び外装が配置される組織中で所望の方位角に薬剤を分散させるような方向に向けられてもよい。
図1Eは、図1Dに示されるホーン20へ送られる複数の超音波パルス32と、図1Bに概略的に示される分散体積36と実質的に同じ分散体積46内に分散されている薬剤26とを概略的に示している。
図2A〜2Cは、例えば、本発明の一つの実施形態により、患者の脳52の斜線部50で示される腫瘍部位に抗癌剤26を伝達するために、図1A〜1Eで示される超音波薬剤送達ホーン20が使用されている様子を概略的に示す。抗癌剤26は、例としては、適当なナノ粒子の中に埋め込まれるか、又はその表面に付着された、パクリタクセル、マイトマイシン、ドキソルビシン、MTX又はBCNU(カルムスチン、1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソ尿素)等であろう。音響トランスデューサ60は、任意選択で、カテーテル・ワイヤー24の近位末端62に連結され、カテーテル・ワイヤーを伝ってホーン20に伝達される、少なくとも1つの超音波エネルギーのパルスを発生するようにように制御可能になっている。任意選択的に、音響トランスデューサ60は、既知の方法を使用して、インピーダンス整合アダプタによってカテーテル・ワイヤー24に連結されている。このインピーダンス整合アダプタは、上述の少なくとも1つのパルスにおける音響エネルギーがカテーテル・ワイヤーに結合される効率を改善する。
図2Aは、 薬剤送達ホーン20が腫瘍部位50の近傍又は内部に配置されるように 既知の方法を使用して患者の脳内に挿入され、その部位に薬剤26を分散するよう作動する準備が整った直後のカテーテル42を概略的に示す。外装40は、腫瘍部位50内の組織がホーン20に直接接触して、ホーン励振時に振動が減衰することを防ぐ、隔離液で充満されている。任意選択で、隔離液はグリセロール又は生理食塩水である。挿入図56は、腫瘍部位50に配置されたホーン20の拡大図を概略的に示す。
図2Bは、超音波パルス列32が白抜きの矢印の方向にカテーテル・ワイヤー24を伝って超音波ホーン20へ伝搬するように、任意選択でパルス列32を、カテーテル・ワイヤー24へ伝達するように制御された後の、音響トランスデューサ60を概略的に示す。
図2Cは、本発明の一つの実施形態により、パルス32がホーンに到達し、薬剤26を腫瘍部位50に分散させる振動をホーン内に発生させる時の、ホーン20を概略的に示す。挿入図70は、矢印72で示される方向に、外装40の出口孔44を通って、ホーン20から外側へ分散している薬剤の粒子によって表される、薬剤26の分散を概略的に示す。
本発明のある実施形態の一つの態様によれば、超音波パルス32の少なくとも1つの特徴は、ホーン20から離れる薬剤の分散を制御するように制御されることである。本発明の一部の実施形態において、この少なくとも1つの特徴は、薬剤26の粒子をホーンから離れて分散させる運動エネルギーを制御するために制御されることである。例えば、部位50は比較的に大きく、また、薬剤26の粒子が部位50内の癌細胞の中に滞留するために細胞壁を貫通する必要があると仮定する。ホーン20によって分散される薬剤26の粒子の運動エネルギーは、従って、比較的に大きいはずである。本発明の一つの実施形態により、必要な運動エネルギーを提供するために、ホーン20に適切な振動を起こすように、パルス32の強度及び/又は繰り返し周波数が制御される。
なお、 運動エネルギー、ひいては本発明の一つの実施形態による薬剤送達放射体によって所与の薬剤の粒子が分散される範囲は、一般に多くの様々な変数に依存する。例えば、運動エネルギーは一般に、薬剤を薬剤送達放射体に拘束する結合を切断するために必要なエネルギー、放射体を形成する材料の音響インピーダンス、及び放射体が配置される環境(例えば、組織や隔離液)に特に依存する。 組織内に粒子が分散する範囲や、組織内の細胞壁を粒子が貫通する能力も、一般には組織の性質や薬剤のカプセル化の形態に特に依存する。本発明の一つの実施形態による薬剤送達放射体の操作を案内するために、適切な参照テーブル(LUT)が放射体の利用者に提供される。与えられた放射体構成に対して、LUTは、例えば、標的組織タイプ、薬剤タイプ、分散範囲、細胞壁貫通率、及び放射体を励振するために使用する超音波パルスを参照する。任意選択的に、LUTは実験データから作成される。
図1A〜2Cに示されるものとは異なる超音波薬剤送達ホーンの形状も可能であり、有益な特徴を提供しうる。図3Aは、軸82と、図1B及び1Dに示される円筒体積とは異なる分散体積に薬剤を分散させる右ネジ状の螺旋とをもつ、薬剤送達 ホーン80を概略的に示す。ホーン80は、それに付着した粒子を、実質的にホーン80の両側に配置される2つの分散ローブ(ホーン80の前部にある前方ローブ84、及び後部にある後方ローブ86)をもつ分散体積中に分散させる。各ローブは、実質的にローブの中心にあるホーンの軸82に垂直な、扇状の最大断面もつ。
ホーン80に類似のホーンは、軸82に対して放射状の所望の方向に薬剤を分散するために使用することができる。例えば、ホーンがその分散ローブのうち1つだけの中へホーンに付着した薬剤を分散させるために、ホーン80の後方又は前方のみにコーティングすることができる。当然ながら、ホーン80の全長にわたって薬剤をコーティングし、隔離外装の片側のみに形成された、軸82に平行な出口孔の形に作られた、少なくとも1つのスロットをもつ隔離外装の中にホーン80を覆うこともできる。励振時は分散ローブの発生源であるホーンの領域は出口孔の反対側であり、薬剤粒子は組織部位へ伝達されるために出口孔を通過してローブの中へ分散されるように、ホーンは出口孔に相対して配置されてもよい。プローブを回転して第1のローブが配置され、次にローブの他方が出口孔の反対側に配置される。
図3Bは、本発明の一つの実施形態による、別の薬剤送達 ホーン90を概略的に示す。ホーン90は、ホーンの前方を向いた、複数の相似な円錐形部92からなる。任意選択的に、円錐部の寸法はホーンの前端94の近傍で小さくなる。ホーン90は、その表面に付着する粒子を、ホーンの前端94に向かって小さくなる傾向の半径をもつが実質的に円筒形の対称な分散体積内に、前方へ分散させる傾向をもつ。例えば、血管中の血栓形成に血栓溶解剤を送達したいときなどに、軸方向の前方へ優先的に薬剤を分散させることが望まれる状況において、ホーン90は有益に使用されうる。
上述のように、薬剤26(例えば抗癌剤でもよい)は、任意選択的に、本発明の一つの実施形態により薬剤送達放射体(例えば例示的なホーン20、80又は90など)上に電着によって付着されている。電着は多くの有益な特徴と有している。電着は、通常は室温で行うことができ、付着する薬剤とホーンの表面との間に化学反応を起こさず、既知量の薬剤を比較的正確に放射体上に付着させるように制御することができる。電着が可能な抗癌剤の例としては、BCNU(カルムスチン,1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソ尿素)、カルボプラチン(1,1−シクロブタンジカルボキシラートジアミン 白金(II))又はドキソルビシン(ダウノルビシンの14−ヒドロキシ誘導体)、又は酸化鉄(IO)粒子内にカプセル化されたパクリタキセル等がある。
ホーン上への薬剤(例として、IO粒子内にカプセル化されたパクリタキセル)の電着のために、本発明の一つの実施形態により、ホーンの表面は、任意選択で最初に適当な酸性溶液(硝酸、フッ化水素酸、又は混酸など)の中でエッチング処理される。このエッチング処理はホーンの表面から酸化物を除去し、表面を活性化させる。超音波パルスがホーンを励振した時にホーンから薬剤を比較的に速く放出させるために、薬剤はスプリング放射体の清浄表面に任意選択で直接に電着される。比較的にゆっくり放出させるためには、薬剤が容易に付着できる、適当な酸化物(例えば酸化チタン)の、2〜3マイクロメータ厚の、比較的に均一な多孔質層が、既知の方法を使用した電気化学的酸化によって表面に形成されてもよい。
処理したホーンの表面に薬剤を付着するために、ホーンは任意選択で、有機溶剤(例えば、アルコール、エタノール、アセトン、又はイソプロパノール)中に懸濁された重量で約1〜20%のカプセル化された薬剤からなる懸濁液に浸漬される。任意選択的に、カプセル化粒子は、約10ナノメートルから約5ミクロンの間の直径をもつ。任意選択的に、懸濁液は、約10−5から約10−3グラム/リットルの電荷供与剤(陽イオン又は陰イオンの多価電解質、すなわち塩化アルミニウム等の塩)からなる。
浸漬している間、懸濁液に浸された適当な陰極または陽極に対してホーンを正又は負の電圧に保つことによって、カプセル化粒子は懸濁液から取り去られてホーンに付着される。電圧の大きさは、例えば、ホーンと陽極または陰極との間に、約1ボルト/cm〜約200ボルト/cmの範囲の電界を発生させるようなものである。ホーン90が正の電圧に保たれる場合には、懸濁液は任意選択で約8〜約9の範囲のpHをもち、負の電圧に対しては懸濁液のpHは任意選択で約4〜約6の範囲である。
本発明の一部の実施形態において、超音波薬剤送達放射体はスプリングの形状をもつ。図4A〜4Dは、本発明の一つの実施形態により、カテーテル・ワイヤーの遠位末端108に連結した超音波スプリング放射体104をもつ、カテーテル・ワイヤー102からなるカテーテル100を概略的に示す。スプリング放射体104は、任意選択的に電着法を使用して、薬剤(点線110で示される)を付着させたコイル106からなる。任意選択で、この電着法は上述の電着法と同様のものである。例として、薬剤112は抗再狭窄剤(パクリタクセル、ラパマイシン、又はコルチコステロイド等)であると仮定され、図において、血管の斜線領域124によって示される患者の血管122の壁120へ薬剤を送達するために使用されているスプリング放射体104が図示されている。
図4Aは、カテーテルの遠位末端99が領域124の近傍に配置されるように、血管122の中に挿入された直後のカテーテル100を概略的に示す。カテーテル100を血管122の中へ挿入する間、カテーテル・ワイヤー24は、スプリング放射体104と薬剤110とを血管122の壁120との接触による損傷から保護するために、カテーテルの内部にスプリング放射体104が配置される後退姿勢をとる。図1Aにおいて、保護のためにカテーテル管腔内に後退して配置されたスプリング放射体104が示される。
スプリング放射体104は、任意選択でカテーテル・ワイヤー102の一体部分として形成され、任意選択で一定のピッチをもち、スプリングの各コイル106は任意選択で円形であり同じ直径を有する。任意選択で、コイル106を構成するワイヤの断面は円形である。音響トランスデューサ(図示されず)は、任意選択で、患者の体外でカテーテル・ワイヤー102の近位末端に連結され、カテーテル・ワイヤーを伝ってスプリング放射体104に伝達される、少なくとも1つの超音波エネルギーのパルスを発生するように制御可能になっている。任意選択的に、図2A〜2Cで示される音響トランスデューサ60がカテーテル・ワイヤー24に連結される方法と同様に、音響トランスデューサはカテーテル・ワイヤー102に連結される。
図4Bは、スプリング放射体104が部位106の近傍に配置されたカテーテル100の遠位末端 99から突き出て、その部位の血管122の壁120へ薬剤110を分散させるように作動できる状態にある、動作ポジションへ移動したカテーテル・ワイヤー102 を概略的に示す。
図4Cにおいて、カテーテル・ワイヤー102の近位末端に連結された音響トランスデューサは、カテーテル・ワイヤーを伝ってスプリング放射体104に伝搬する、任意選択で超音波パルス列32を、カテーテル・ワイヤー102に伝達するように制御されている。パルス32がスプリング放射体に到達すると、パルスは、薬剤が付着したスプリング放射体104の表面領域から薬剤110を爆発的に引き離し、薬剤をスプリングから離れて血管壁120の内部へ進ませる傾向をもつ、放射体に振動を発生させる。
図4Dは、本発明の一つの実施形態により、パルス32がスプリング放射体104に到達し、そのパルスによってスプリング放射体に発生した振動が部位124における血管壁120へ薬剤110を分散させるときのスプリング放射体104を概略的に示す。薬剤110の分散は、スプリング放射体104から離れて、矢印112で示す方向に、外側へ分散する薬剤の粒子によって概略的に表されている。
本発明の一部の実施形態による薬剤送達超音波ホーンの場合のように、超音波パルス32少なくとも1つの特徴は、スプリング放射体104から離れる薬剤110の分散を制御するように制御されることである。図4A〜4Dに概略的に示される方法のために、スプリング放射体104における振動の運動エネルギーは、放射体によって分散される薬剤粒子が優先的に血管壁122の中に滞留するように制御される。
多くの検討事項が、スプリング放射体104のデザイン、スプリングの表面領域への薬剤110の付着に関する仕様、及び、スプリング放射体が薬剤を適切に放出するようにスプリング放射体にエネルギーを与える超音波パルス32の仕様に影響を与える。
なお、超音波パルス32は、カテーテル・ワイヤー102を伝って伝搬する際には実質的に縦パルスであるが、スプリング放射体104に入射すると、パルスのエネルギーの一部が横振動エネルギーに変換される。縦振動エネルギーの横振動エネルギーへの変換は、スプリング放射体104とカテーテル・ワイヤー102とが接合される遠位末端108、及び、スプリングの表面と部位124中の組織との界面での、パルス32の反射と屈折の結果として起こる。界面でのパルス32の反射及び屈折は、部位124における組織(この場合は血液)とスプリング104を形成する材料との音響インピーダンスの差分の関数である。スプリング放射体104からの薬剤の粒子112の分散は、従って、一般に、縦及び横振動の両方が関与する比較的に複雑な過程である。
スプリング放射体104を形成する材料の縦振動は、コイル106の直径に周期的に増大と減少を起こし、また、パルス32の繰り返し周波数でスプリングの長さに沿ってコイルを前後に変位させる。その結果、縦振動は薬剤の粒子112に、コイル106の接線に沿って、及び半径方向と軸方向に、運動エネルギーを与える傾向がある。横振動は、薬剤粒子を、スプリング放射体104から離れてコイル106のワイヤと垂直な方向に分散させる傾向がある。
スプリング放射体104は一般に、上述の数値例において議論したように、比較的に小さく精巧な装置であり、超音波パルス(例えば、超音波パルス32など)によって励起されるときに、実質的なせん断力に影響を受けやすい。従って、超音波パルス32によって放射体に発生したせん断力がスプリング放射体を損傷しない(特に破断しない)ように、スプリング放射体は十分な強度をもたなければならない。
数値的な例として、スプリング放射体104に類似した本発明の一つの実施形態によるスプリング放射体は、直径1mmのカテーテル・ワイヤー102の一体部分として形成される。任意選択で、カテーテル・ワイヤー102は、約6%のアルミニウムと約4%のバナジウムからなる、医療用に認可されたチタン合金から作られる。スプリング放射体104は、任意選択で、カテーテル・ワイヤー102の遠位末端108 の一部を冷間引抜することによって、約0.3mmの直径をもつ任意選択で円形断面のワイヤに形成される。冷間引抜されたワイヤは、次に既知の方法と装置を用いて、捻られてコイル106にされる。任意選択的に、スプリング放射体104は約6mmの長さをもち、コイル106は約1mmの外径と約1巻/mmのピッチをもつ。
本発明の一つの実施形態による、スプリング放射体104に類似したスプリング放射体の上述以外の寸法も当然可能であり、有益となりえる。例えば、スプリング放射体は、直径2mmのコイル、及び/又は1.5mmあたり約1巻のピッチ及び/又は20mmの全長を有してもよい。一般に、スプリング放射体の寸法は、それが使用される部位の寸法要件や、その部位へホーンを輸送して配置する方法の寸法的制約に適合されてもよい。
上述の議論において、例として、スプリング放射体104 の全てのコイル106は同一であり、スプリング放射体の長さに沿ったコイルのピッチは実質的に一定である。本発明の一つの実施形態による別のスプリングの構成も可能であり、有益となりえる。図5A〜5Cは、本発明の実施形態による別の例示的な構成をもつスプリング放射体を概略的に示す。
図5Aは、異なる直径をもつコイルからなる、本発明の一つの実施形態による、スプリング放射体120を概略的に示す。例として、スプリング放射体120は、相対的に大きな直径のコイル122と相対的に小さな直径のコイル124とが交互する構成からなる。スプリング放射体120の形状は、スプリング放射体上に付着する薬剤コーティングの品質維持に有益になりえる。スプリング放射体は、それが薬剤を分散するために使用される標的部位の中に導入されるときに、スプリングの表面領域は一般に、標的領域内またはその近傍にある組織と接触して、擦れる。摩擦はスプリング放射体表面上に付着する薬剤の量を減らす。「交互コイル直径」スプリング放射体120に対しては、相対的に小さな直径のコイル124に付着した薬剤は、相対的に大きな直径のコイルによって、標的部位の中にコイルが導入される際の摩耗から保護される。スプリング放射体120が標的組織部位の中に導入される際に、大きなコイル122から薬剤が摩擦で離脱することにる組織部位における不要な薬剤の付着を防ぐために、放射体を使用する前に大きなコイルの外側表面から薬剤が取り除かれる。
図5Bは、コイル132の外径がコイルの自由端134の近傍で減少するテーパー形状をもつ、本発明の一つの実施形態による、スプリング放射体 130を概略的に示す。スプリング放射体130の形状は、組織領域の中にスプリングを押し込む、または、血管の部位の中を縫うように進むことを容易にする。
図5Cは、望まない方向への薬剤の分散を防ぐ邪魔板を含む、本発明の一つの実施形態によるスプリング放射体140を示す。スプリング放射体140は、白抜きの矢印で示される軸方向前方にスプリングから薬剤を分散させるために使用される。
スプリング放射体140は、少なくとも1つの大きな「後端」コイル144と、少なくとも1つの大きな「前端」コイル146との間に挟まれた、複数の中程度の直径のコイル142からなる。続くスプリング放射体140上への薬剤の付着は、
少なくとも1つの後端コイル144と、少なくとも1つの前端コイル146とに支持され、その間に広がる「邪魔板」フィルム148が形成される。邪魔板フィルム148は任意選択で適当な高分子化合物(例えば塩化ビニル等)から作られ、既知の方法を用いて、少なくとも1つの後端コイル144と、少なくとも1つの前端コイル146とに支持される。例えば、邪魔板フィルム148は、適当な結合剤(例えば米国のEllsworth Adhesives社によって市販されているUV硬化プラスチック結合剤Auroro UV−S 2051など)を使用して、前端及び後端コイルに接着される。
邪魔板フィルム148は、スプリング放射体140が適当な超音波励振パルスによって励振されるときに、スプリング放射体140に付着した薬剤粒子で、スプリング放射体から離れて実質的に横方向に前進させられるものを遮断し、放射体が配置された組織に分散されることを防ぐ。その結果、薬剤は軸方向に優先的に分散される。スプリング放射体140に類似する、本発明の一つの実施形態によるスプリング放射体は、特に血栓症の治療での使用に有益である。放射体は、脈管系の中を縫うようにして血栓症の部位に通され、白抜きの矢印141で示される方向に、軸方向前方へ、健康な組織への血栓溶解剤の被曝を比較的にわずかにしつつ、血栓症の内部に血栓溶解剤を「噴出」するように音響的に励起される。
スプリング放射体は、例えば図5A〜5Cにおいて、円形の断面積をもつワイヤから形成されているように示されているが、本発明の実施形態によるスプリング放射体は、円形以外の断面積をもつワイヤから形成されてもよい。例えば、断面積は楕円形または矩形でもよい。
本発明者は、脳組織内での薬剤の担体としての使用に適するナノ粒子の分散における、本発明の実施形態による薬剤送達超音波放射体の動作の態様を評価するための実験を行った。
一連の実験において、図1A〜2Cに示されるものに類似した超音波ホーンは、約15nm〜約20nmの範囲の直径をもつ酸化鉄(IO)粒子でコーティングされた。10個の粒子が、本発明の実施形態による超音波放射体と共に、薬剤のための微粒子送達剤として任意選択で使用された。10個のナノ粒子は生態分解性として分類され、適当な高分子化合物(例えば、デンプン、シリコーン、デキストラン、アルブミン、ポリエチレングリコール、又はPMMA(ポリメチルメタクリレート)など)によってコーティングされている。薬剤は、粒子が配置された組織内で粒子が分解される間に薬剤が組織に放出されるように、粒子の製造中に10個の粒子の体積内に詰め込むこともできる。
ホーンは、10個のナノ粒子でコーティングされた後、0.25mg/mlの生理食塩水を含む隔離液で満たされたホーンは隔離外装の中に覆われ、全身麻酔下のオスのフィッシャーラットの脳の線条の中央に導入された。約4ワットの出力に設定された電源装置は、ホーンを励振させて脳組織内に10個の粒子を分散させるための、20kHzの超音波パルス列を2分間発生する。パルスは、約2秒のパルス幅と、1分間に20パルスの繰り返し率をもつ。この処置は、オスのフィッシャーラットの第1群の各々について繰り返された。ラットの第2群が同様の処置を受けた。この処置において、ホーンは、約2ワットの出力で、約1秒のパルス幅と1秒間に30パルスの繰り返し率をもつ超音波パルス列によって、約2分間励振された。同様の実験が、デキストランで被覆された約50nm〜約70nmの間の寸法をもつ10個の粒子に対して、2分間ではなく1分間の励振時間で行われた。
処置後の観察の間、ラットはこの処置に起因するであろう異常な振る舞いは示さなかった。また、脳から採取した組織標本の肉眼及び顕微鏡による検査は、組織の損傷、嚢胞形成、あるいは壊死の兆候について陰性であった。MRI画像は、ラットの第1群(4ワット2秒間のパルスで励振)について、励振されたホーンが、10個の粒子を、ホーンの軸から約5mm、ホーンに沿って約8mmの距離まで広がる脳組織の楕円状の部位の中へ分散したことを示した。ラットの第2群(約2ワット1秒長のパルスで励振)については、10個の粒子は約2.5〜3mmの距離に分散された。より短いホーンの励振時間は、より短い距離への分散をもたらした。同じ励振条件について、相対的に大きな10個の粒子(50nmから約70nm)は、相対的に小さな10個の粒子と、実質的にホーンから同じ距離まで分散された。
別の一連の実験が、雌牛の生体内の脳組織で行われた。これらの実験に対して、薬剤送達放射体は、直径1mm、ピッチ約1巻/mm、かつ全長が約6mmのコイルからなるスプリング放射体である。幾つかの実験について、スプリングは15〜20nmの10個の粒子で覆われ、幾つかの実験では約180nmの直径をもつ青色ポリスチレン粒子で覆われた。異なるタイプの粒子のそれぞれに対して、スプリングは、生理食塩水の隔離液で満たされた隔離外装内に覆われ、1、2及び3分間の励振時間の間、2秒長、20kHzの超音波パルスによって、1秒間あたり約20パルスの繰り返し率で励振される。パルスを発生する電源装置は、約10ワットで動作する。1、2及び3分間の励起時間に対しては、粒子の分散は実質的に粒子の寸法には依存せず、粒子は脳組織内でそれぞれ約10mm、約15mm及び約25mmの距離まで分散した。
比較的に長時間にわたって薬剤が組織内に残留するように、薬剤を組織内に堆積させる能力が、別の一連の実験において評価された。その実験においては、10個の粒子が、上述と同様の方法を用いて、ラットの脳内に分散された。粒子を分散させるために使用される本発明の一つの実施形態による薬剤送達放射体の励振の持続時間は、1分間から約5分間まで変えられた。10個の粒子の比較的に均一な分散が観察されたラットの標本について、MRI画像を使用して6週間に及ぶ期間にわたって、脳内の10個の粒子の濃度が追跡された。処置後の最初の約4日間、ラットの脳内の10個の粒子の濃度は、約20%と約30%の間の推定量だけ減少するように見られた。その後、6週間の調査の残りの間、10個の粒子の濃度は比較的に安定した。10個の粒子の濃度の追跡に用いたMRI画像においては、ラットの脳組織内に細胞障害効果は認められなかった。この調査は、本発明の一つの実施形態による器具または方法を使用することで、比較的に長期間にわたって薬剤を組織内に放出するための薬剤輸送粒子を組織内に埋め込むことが可能であることを示している。
薬剤送達放射体の寸法は、上の記載で言及したものと異なることも可能であり、薬剤が送達される部位、及び/又は、その部位まで放射体が輸送されるのに通過する領域の大きさ及び制約の必要に応じて、調整することもできる。
本発明の一部の実施形態により、薬剤送達放射体は、輸送に便利な少なくとも1つの比較的に小さな寸法によって特徴付けられる体積を輸送中に占めるように、薬剤を送達したい部位に圧縮状態で「輸送」される。標的部位において、薬剤送達放射体は、その部位の大きさにより一層適合するように拡張される。
例えば、薬剤を膀胱(比較的に大きな体積をもつ)の壁へ輸送したい場合には、薬剤送達放射体を圧縮状態で尿道に通し、膀胱内に入ると膀胱壁への薬剤のより良好な分散をもたらす寸法に拡張することは、有益となりうる。あるいは、薬剤を比較的に大きな血管へ送達するために薬剤送達放射体を脈管系に通す場合、放射体を圧縮形態で脈管系の中に通し、薬剤を送達するために大きな血管の部位で放射体を拡張することは、有益となりうる。
本発明の一部の実施形態において、拡張可能な薬剤送達放射体は、薬剤を分散するために使用される部位までカテーテル内を輸送されるカテーテル・ワイヤーに連結したスプリング放射体である。カテーテル内の輸送の間、スプリング放射体のコイルは比較的に小さな直径をもち、その部位にて、放射体はカテーテルの遠位末端に押し出され、コイルが圧縮状態における半径よりも大きな半径に拡張することを可能にする。 任意選択的に、カテーテル・ワイヤーは、カテーテルの外にスプリングを押し出すのに十分な「押し込み可能性」を有するように、既知の方法を使用して組立てられる。本発明の一部の実施形態において、カテーテルは、スプリング放射体をカテーテルの外へ押し出すのに役立つ、付加的な「プッシュ・ロッド」からなる。薬剤送達放射体が所望の部位に薬剤を分散させた後、放射体はカテーテル内に引き戻されて、カテーテルと一緒にその部位から取り出される。
図6A〜6Dは、本発明の一つの実施形態により、カテーテル210内に収容されたまま脈管系の中を通された後、壁208を有する大血管または肥大した血管206の部位204に薬剤を伝達するために使用されるコイル202をもつ拡張可能な薬剤送達スプリング放射体200を概略的に示す。スプリング放射体200は、任意選択で、カテーテル・ワイヤ 211の一体部分として形成される。大血管または肥大した血管206は、例えば、大動脈や血管の動脈瘤である。
図6Aは、血管206の中を部位204まで通されている、カテーテル210の遠位末端212内で圧縮されコイル202をもつ薬剤送達放射体200を概略的に示す。図6Bにおいて、放射体200はカテーテル210の遠位末端212から押し出されており、その結果として、コイル202は、そこに押し込められていたカテーテル210の管腔の内径よりも大きな直径に拡張する。図において、拡張したスプリング放射体200は励振されて部位204にある血管206の壁208に、矢印222で示される方向で、薬剤220を分散させる。
本発明の一部の実施形態において、薬剤を含む粒子の層は、上述と同様の方法を用いて、スプリング放射体200の表面に付着される。任意選択的に、カテーテル210の内面またはスプリング放射体200の表面は、放射体がカテーテルから押し出されるときに薬剤層に生じ得る損傷を低減するように形作られる。例えば、カテーテル210の内面には、スプリング放射体200がカテーテル内部の比較的に狭い表面積にしか接触しないように、少数の縦に延びる隆線が形成される。付加的に又は代替的に、スプリング放射体200内のワイヤは、カテーテルの内表面に面して接触するコイル202の外表面が凹面となるように、任意選択で形成される。スプリング放射体200に付着する薬剤粒子は、凹面の窪みに「落ち着き」、カテーテル210の内面との接触で損傷することから保護される。同様に、コイル202にはカテーテル210の内面と接触する突出隆起が形成され、コイルの表面の大部分をカテーテルの内面との接触から保護している。
図6Cは、スプリングのコイル202に沿ったわずかな場所でしかスプリング放射体200と接触せずに、薬剤220の層(点線244で示す)をカテーテルとの接触による損傷から保護する、内部の隆線214が形成されたカテーテル210の拡大断面図を概略的に示す。例として、図6Cには4つの隆線214が示される。4以外の隆線の数(例えば3)を本発明の実施で用いてもよい。
本発明の一部の実施形態において、薬剤粒子を超音波導入で壁208に送達するために振動されている間に、薬剤粒子220を含む適当な生理食塩水などの液体が、カテーテル210を通ってスプリング放射体200に流される。スプリング放射体200が体液(例えば、血液や尿)の中で使用される状況に対しては、搬送液を使わない超音波導入による分散のために、既知の方法を使って、薬剤粒子を放射体200の近傍に送達してもよい。本発明者は、本発明の一つの実施形態によるスプリング放射体が、液体に含まれる粒子を超音波導入によって部位へ分散させる上で比較的に効果的であることを発見した。
本発明の一部の実施形態において、薬剤送達放射体は、該放射体に薬剤を付着させることなく、組織の内部またはその近傍に配置され、該放射体が励振されて薬剤を分散させる。薬剤は、組織への超音波導入によって、放射体の近傍に輸送される。
図6Dは、血管206から放射体を取り出す準備において、カテーテル・ワイヤー211を引くことでカテーテル210の中に後退した、拡張可能なスプリング放射体200を概略的に示す。スプリング放射体200がカテーテル210の中に後退したため、概略的に図示されるように、コイル202は「伸ばされる」。
本発明の一部の実施形態において、圧縮性のスプリング放射体はステントに類似した形状及び構成をもつように形成される。「ステント放射体」は、例えば血管ステントが血管内の所望部位に配置されて拡張されるように、カテーテル内の部位に送達されて拡張される。ステント振動子は、励振されて薬剤を所望の部位に分散させた後に、ステントをカテーテル内に引き戻すことのできる、少なくとも1つのカテーテル・ワイヤーに結合される。
隔離外装と共に使用される薬剤送達ホーンの例示的な実施形態が図示されているが、隔離外装をもたないスプリング放射体(本発明の一つの実施形態による任意の薬剤送達放射体)は、周辺環境としての隔離外装と一緒に又はそれ無しに使用することができる。その中に薬剤送達振動子が導入される組織との接触が実質的に放射体の振動を減衰させる場合、隔離外装および隔離液を備えた振動子を動作することは一般に有益である。組織(例えば血液や尿)との接触が概して実質的に放射体の振動を減衰しない場合、放射体は任意選択で隔離外装無しに使用される。
上述において、患者の脳の腫瘍部位に抗癌剤を分散させるために、又は血栓溶解剤を送達するために使用される薬剤送達放射体が示されている。しかしながら、本発明は、そのような応用や、膀胱への薬剤の分散などの記述で示されたその他の応用に限定されない。本発明の一つの実施形態による薬剤送達放射体は、抗癌剤、血栓溶解、抗再狭窄剤以外の薬剤を分散させるために、及び上記以外の部位へ薬剤を送達するために、使用することができる。例えば、図3Aに示されるものに類似したスプリング放射体は、肝臓の腫瘍を治療するために、又は心臓組織の部位に血管形成を刺激する薬剤を伝達するために使用することができる。別の例として、本発明の一つの実施形態による方法および器具は、所望部位に鎮痛剤を分散することに役立てられる。例えば、本発明の一つの実施形態による器具および方法は、鎮痛剤のくも膜下送達に使用することができる。
なお、本発明の例示的な実施形態を疾病治療のための治療薬剤の送達として説明してきたが、言うまでもなく薬剤の送達に限定されるものではない。例えば、ビタミン剤、興奮剤、美容薬または疾病予防薬などの送達に一般に使用することができる。ここで使用される用語「薬剤」は、全てのそのような薬剤を指す。
本願の明細書及び特許請求の範囲において、“comprise”(「−からなる」、「−から構成される」、「−を備える」、「−を含む」)、“includes”(「−を含む」)、“have”(「−を有する」、「―をもつ」)の各動詞及びこれらの同根語は、その動詞の目的語が必ずしもその動詞の主語の部材、成分、構成要素、部品の完全な一覧ではないことを示す。
本発明を実施形態の詳細な説明を用いて説明してきたが、これらは例として提供されたものであって、発明の範囲を限定することを目的としたものではない。説明された実施形態は異なる特徴を含むが、その全てが本発明の全ての実施形態に必要ということではない。本発明の幾つかの実施形態は、その特徴又はその特徴の可能な組み合わせの一部のみを利用している。記載された本発明の実施形態の変形、及び本発明の実施形態は、当業者が想到するであろう記載された実施形態において示された特徴の異なる組み合わせを含む。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定される。
本発明の一つの実施形態による、超音波薬剤送達ホーンを概略的に示す。 本発明の一つの実施形態による、超音波薬剤送達ホーンを概略的に示す。 本発明の一つの実施形態による、超音波薬剤送達ホーンを概略的に示す。 本発明の一つの実施形態による、超音波薬剤送達ホーンを概略的に示す。 本発明の一つの実施形態による、超音波薬剤送達ホーンを概略的に示す。 図1A〜Eに図示される薬剤送達超音波ホーンが、本発明の実施の形態により、患者の脳内の腫瘍部位への抗癌剤の送達に使用される状態を概略的に示す。 図1A〜Eに図示される薬剤送達超音波ホーンが、本発明の実施の形態により、患者の脳内の腫瘍部位への抗癌剤の送達に使用される状態を概略的に示す。 図1A〜Eに図示される薬剤送達超音波ホーンが、本発明の実施の形態により、患者の脳内の腫瘍部位への抗癌剤の送達に使用される状態を概略的に示す。 本発明の一つの実施形態による、別の2つの薬剤送達超音波ホーンを概略的に示す。 本発明の一つの実施形態による、別の2つの薬剤送達超音波ホーンを概略的に示す。 例として、抗再狭窄剤を動脈の部位に送達するために使用される、スプリング状の超音波薬剤送達振動子を概略的に示す。 例として、抗再狭窄剤を動脈の部位に送達するために使用される、スプリング状の超音波薬剤送達振動子を概略的に示す。 例として、抗再狭窄剤を動脈の部位に送達するために使用される、スプリング状の超音波薬剤送達振動子を概略的に示す。 例として、抗再狭窄剤を動脈の部位に送達するために使用される、スプリング状の超音波薬剤送達振動子を概略的に示す。 本発明の実施形態による、別の形状をもつスプリング薬剤送達放射体を概略的に示す。 本発明の実施形態による、別の形状をもつスプリング薬剤送達放射体を概略的に示す。 本発明の実施形態による、別の形状をもつスプリング薬剤送達放射体を概略的に示す。 本発明の一つの実施形態による、標的部位への薬剤送達に使用される、拡張可能な薬剤送達放射体を概略的に示す。 本発明の一つの実施形態による、標的部位への薬剤送達に使用される、拡張可能な薬剤送達放射体を概略的に示す。 本発明の一つの実施形態による、標的部位への薬剤送達に使用される、拡張可能な薬剤送達放射体を概略的に示す。 本発明の一つの実施形態による、標的部位への薬剤送達に使用される、拡張可能な薬剤送達放射体を概略的に示す。

Claims (47)

  1. 身体の標的部位に薬剤を送達するための器具であって、
    音響的に励起されたときに振動するように適合した分散要素と、
    前記分散要素を励振するための音響エネルギーを前記分散要素に結合させるように制御可能な音響エネルギー源と、
    前記音響源が前記分散要素を励振したときに前記薬剤がそこから分散されるように、前記分散要素に付着された薬剤と、
    からなる器具。
  2. 前記分散要素は、その長手方向に軸を有する細長い本体を含む、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の器具。
  3. 前記分散要素は、前記軸に沿った位置の関数としての、前記軸に垂直な断面積の比較的に急激な変化に特徴をもつ、
    ことを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の器具。
  4. 前記分散要素は、比較的に小さな断面積の領域によって分離された、複数の比較的に大きな断面積の領域を含む、
    ことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の器具。
  5. 前記比較的に大きな断面積の領域は面取りした縁をもつ、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の器具。
  6. 前記分散要素は、比較的に小さな第1の端面と比較的に大きな第2の端面とをもつ、複数の円錐形部を含む、
    ことを特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の器具。
  7. 前記第1の端面は同じ方向を向く、
    ことを特徴とする、請求項6に記載の器具。
  8. 前記円錐形部の大きさは、前記第1の端面の向く方向にある前記分散要素の軸に沿った距離の関数として小さくなる、
    ことを特徴とする、請求項7に記載の器具。
  9. 前記分散要素は螺旋ネジ形状をもつ、
    ことを特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の器具。
  10. 前記分散要素はカテーテル・ワイヤーの一部として一体的に形成されている、
    ことを特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の器具。
  11. 前記カテーテル・ワイヤーを備えるカテーテルを含む、
    ことを特徴とする、請求項10に記載の器具。
  12. 前記分散要素は、1つのワイヤから形成された少なくとも1つのコイルと1つの軸とをもつスプリングを含む、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の器具。
  13. 前記少なくとも1つのコイルは複数のコイルである、
    ことを特徴とする、請求項12に記載の器具。
  14. 前記コイルは全て同じ大きさをもつ、
    ことを特徴とする、請求項13に記載の器具。
  15. 隣接するコイルは異なる大きさをもつ、
    ことを特徴とする、請求項13に記載の器具。
  16. 隣接しないコイルは同じ大きさをもつ、
    ことを特徴とする、請求項13または14に記載の器具。
  17. 前記コイルは、
    少なくとも1つの比較的に大きな第1のコイルと、
    少なくとも1つの比較的に大きな第2のコイルと、
    前記少なくとも1つの第1のコイルと前記少なくとも1つの第2のコイルとの間に配置され、それらよりも小さな、少なくとも1つの中間のコイルと、からなる、
    ことを特徴とする、請求項13、14または16に記載の器具。
  18. 前記少なくとも1つ第1のコイルと前記少なくとも1つの第2のコイルとの間に付着された防壁を含む、
    ことを特徴とする、請求項17に記載の器具。
  19. 前記防壁は、その中に前記少なくとも1つの中間のコイルが配置された管腔をもつ、表面を形成する、
    ことを特徴とする、請求項18に記載の器具。
  20. 前記スプリングは、前記コイルの大きさが前記スプリングの第1の端面から前記スプリングの第2の端面に向かう方向に従って小さくなるテーパー形状をもつ、
    ことを特徴とする、請求項13または15に記載の器具。
  21. 前記コイルは一定のピッチをもつ、
    ことを特徴とする、請求項13から20の何れかに記載の器具。
  22. 全てのコイルは同一の形状をもつ、
    ことを特徴とする、請求項13から21の何れかに記載の器具。
  23. 前記少なくとも1つのコイルのうちの1つのコイルは円形である、
    ことを特徴とする、請求項12から22の何れかに記載の器具。
  24. 前記分散要素はカテーテル・ワイヤーの一部として一体に形成されている、
    ことを特徴とする、請求項12から23の何れかに記載の器具。
  25. 前記カテーテル・ワイヤーを備えるカテーテルからなる、
    ことを特徴とする、請求項24に記載の器具。
  26. 前記スプリングの前記コイルは拡張可能である、
    ことを特徴とする、請求項12から25の何れかに記載の器具。
  27. 収納部を含み、該収容部の中には前記スプリングをコイルが圧縮された状態で収納でき、該収容部からコイルを取り出すとコイルは拡張可能になる、
    ことを特徴とする、請求項26に記載の器具。
  28. 前記収納部は、前記スプリング分散要素の軸と実質的に平行であり、前記スプリング分散要素が前記収納部に収納されるときに前記圧縮されたコイルの少なくとも幾つかと接触する隆線を備える、
    ことを特徴とする、請求項27に記載の器具。
  29. カテーテルを含み、
    前記カテーテルの一部が前記収納部を構成する、
    ことを特徴とする、請求項27または28に記載の器具。
  30. 前記分散要素はカテーテル・ワイヤーの一部として一体的に形成されている、
    ことを特徴とする、請求項12から29の何れかに記載の器具。
  31. 前記分散要素はステントに似た形態を有する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の器具。
  32. 前記ステントに似た形態は圧縮状態と拡張状態とを有する、
    ことを特徴とする、請求項31に記載の器具。
  33. 収納部を含み、前記分散要素は前記収納部の中に圧縮状態で収納され、前記分散要素は前記収納部から取り出されると拡張状態に変化する、
    ことを特徴とする、請求項32に記載の器具。
  34. 少なくとも1つの出口孔が形成された外装を含み、前記分散要素は前記外装の中に配置され、前記分散要素によって分散される前記薬剤の粒子は前記出口孔を通って外に出る、
    ことを特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の器具。
  35. 前記分散要素が前記部位又は前記部位の近傍に配置されたときに前記分散要素を前記部位又は前記近傍にある物との接触から保護する液体によって、前記外装は満たされている、
    ことを特徴とする、請求項34に記載の器具。
  36. 前記音響エネルギー源は、音響エネルギーの少なくとも1つのパルスを前記分散要素に結合させて、前記薬剤の分散を制御するための前記少なくとも1つの音響パルスの少なくとも1つの特性を制御する、
    ことを特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の器具。
  37. 前記分散要素から分散される前記薬剤の粒子の運動エネルギーを制御するために、前記音響源は前記少なくとも1つの特性を制御する、
    ことを特徴とする、請求項36に記載の器具。
  38. 前記少なくとも1つの特性は、前記少なくとも1つの音響パルスの振幅からなる、
    ことを特徴とする、請求項36または37に記載の器具。
  39. 前記少なくとも1つの特性は、前記少なくとも1つの音響パルスの周波数からなる、
    ことを特徴とする、請求項36から38の何れかに記載の器具。
  40. 身体の標的部位の近傍にある薬剤を標的部位へ送達するための器具であって、
    1つのワイヤーから形成された少なくとも1つのコイルからなる分散要素と、
    前記分散要素を励振するための音響エネルギーを該要素に結合させるように制御可能な音響エネルギー源と、からなり、
    前記薬剤および前記分散要素は前記部位の近傍に配置されて、前記音響源が前記分散要素を励振したときに、前記分散要素は標的部位へ薬剤を前進させる音響波を送出する、
    ことを特徴とする器具。
  41. 身体の標的部位の近傍にある薬剤を標的部位へ送達するための器具であって、
    細長いネジ状の本体からなる分散要素と、
    前記分散要素を励振するための音響エネルギーを該要素に結合させるように制御可能な音響エネルギー源と、からなり、
    前記薬剤および前記分散要素が前記部位の近傍に配置されて、前記音響源が前記分散要素を励振したときに、前記分散要素は標的部位へ薬剤を前進させる音響波を送出する、
    ことを特徴とする器具。
  42. 身体の標的部位の近傍にある薬剤を標的部位へ送達するための器具であって、
    軸と、前記軸に沿った位置の関数として比較的に急激に変化する前記軸に垂直な断面と、をもつ細長い本体からなる分散要素と、
    前記分散要素を励振するための音響エネルギーを該要素に結合させるように制御可能な音響エネルギー源と、からなり、
    前記薬剤および前記分散要素が前記部位の近傍に配置されて、前記音響源が前記分散要素を励振したときに、前記分散要素は前記部位へ前記薬剤を前進させる音響波を送出する、
    ことを特徴とする器具。
  43. 身体の標的部位の近傍にある薬剤を標的部位へ送達するための器具であって、
    圧縮状態と拡張状態とを有する拡張可能な分散要素と、
    前記分散要素を励振するための音響エネルギーを該要素に結合させるように制御可能な音響エネルギー源と、からなり、
    前記薬剤は前記部位の近傍に配置され、
    前記分散要素は圧縮状態で前記近傍へ輸送されて前記近傍にて拡張状態に変形され、
    前記音響源が前記拡張状態にある前記分散要素を励起するときに、前記分散要素は前記薬剤を前記部位に前進させる音響波を送出する、ことを特徴とする器具。
  44. 身体の標的部位に薬剤を送達するための方法であって、
    音響的に励起されたときに振動するように適合した分散要素を提供することと、
    励振されたときに前記薬剤がそこから分散するように前記分散要素に薬剤を付着することと、
    前記分散要素を前記部位又はその近傍に配置することと、
    前記分散要素を音響的に励起することと、からなる方法。
  45. 分散要素を提供することは、圧縮状態と拡張状態とを有する拡張可能な分散要素を提供することを含む、
    ことを特徴とする、請求項44に記載の方法。
  46. 前記分散要素を配置することは、前記分散要素を圧縮状態で前記部位又はその近傍に輸送することを含む、
    ことを特徴とする、請求項45に記載の方法。
  47. 前記分散要素を音響的に励起することは、
    前記部位又はその近傍で前記分散要素を拡張状態に変形すること、
    からなることを特徴とする、請求項46に記載の方法。
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