JP2007511059A - 二成分混合冷却剤を用いる耐凍結性燃料電池発電装置 - Google Patents

二成分混合冷却剤を用いる耐凍結性燃料電池発電装置 Download PDF

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Abstract

耐凍結性燃料電池発電装置(10)は少なくとも一つの燃料電池(12)と、前記燃料電池(12)と熱及び質量交換関係に固定された多孔質水輸送板(44)を有する冷却剤ループ(42)と、前記板(44)を通して冷却剤を循環させ、冷却剤を用いて水を前記板(44)から出入りするように移送する冷却剤ポンプ(46)とを含む。冷却剤熱交換器(52)が冷却剤から熱を除去し、貯蔵器(66)が、冷却剤と燃料電池生成水を貯蔵し、生成水を貯蔵器(66)から出るように導く。冷却剤は前記冷却剤ループ(42)を通って循環する二成分混合冷却剤液であり、80乃至95体積パーセントの低凝固温度の水非混和性流体成分と5乃至20体積パーセントの水成分とから成る。

Description

本発明は輸送車両、可搬式発電装置での使用に、あるいは据え置き型発電装置としての使用に適した燃料電池発電装置に関し、本発明は特に、小さい割合の水成分と混合された大きい割合の水非混和性(water immiscible)流体成分から成る二成分混合冷却剤を利用して装置を冷却し、また装置の水を管理する燃料電池発電装置に関する。
燃料電池発電装置は周知であり、水素含有還元性流体燃料流と酸素含有酸化剤反応物流から電気エネルギーを生成して発電装置及び輸送車両等の電気装置に電力供給するために一般的に使用される。先行技術の燃料電池発電装置において、装置の燃料電池により生成された生成水は、しばしば冷却剤系の多孔質水輸送板を通したり、カソード排気流内での蒸発及び/又は飛沫同伴により管理及び除去される。そのような冷却剤系はまた多孔質水輸送板を通して水を供給し、燃料流と酸化剤反応物流を加湿してプロトン交換膜(proton exchange membrane)(「PEM」)電解質の乾燥を最小限にしたり、電池内に生じる凝縮物を除去するために利用される。液体で満たされたときの多孔質水輸送板はまた気密を提供して反応物酸化剤流と燃料流の混合を抑制する。
しかしながら、多孔質水輸送板を有する燃料電池発電装置は水管理の困難を生じる。そのような装置における総水量は非常に多い。そのような多い水量は特に装置が氷点より低い周囲条件で動作されるときに、複雑で費用のかかる装置システムを必要とする。例えば、生成水及び/又は何れかの水冷却剤流体が精巧な凍結保護装置なしに凍結するときに機械的損傷が生じ得る。
そのような凍結関連問題に対する解決策は、共に「耐凍結性燃料電池発電装置(Freeze Tolerant Fuel Cell Power Plant)」という名称の、共に本発明における全ての権利の所有者により所有される米国特許第6,528,194B1号及び米国特許第6,562,503B2号に述べられている。それらの特許は、基本的なシステム構成要素から水を排出するために装置の運転停止及び起動の間、パージ流体として水非混和性流体の使用を開示している。
それらの特許に開示される燃料電池発電装置が短期運転停止の間運転停止されるときに、排出弁が耐凍結性開管貯蔵器内への水冷却剤の流れと冷却剤ループ内への水非混和性流体の流れを制御するよう動作し水冷却剤を貯蔵器に排出する。長期運転停止の間、同じ手順が行われて水冷却剤を貯蔵器内へ導き、水非混和性流体を冷却剤ループ内へ導いて水冷却剤を排出し、次いで水非混和性流体を元の貯蔵器内へ抜き出す。
長期運転停止後に発電装置を起動するために、水非混和性流体は先ず貯蔵器から加熱器と再循環ラインを通過して貯蔵器の開管を流れて凍結水冷却剤を溶解するように導かれる。装置の燃料電池が所望の動作温度に達し、貯蔵器内の水冷却剤が解けたときは常に、貯蔵器からの水非混和性流体の流れが停止され、解けた水冷却剤は、装置の燃料電池を冷却しかつ燃料電池生成水を管理するために冷却剤ループを流れるように導かれる。次いで、耐凍結性燃料電池発電装置は、水冷却剤が貯蔵器から冷却剤ループの水輸送板を通って元の貯蔵器まで循環し続ける定常状態作動となる。燃料電池と冷却剤ループから出た水非混和性流体により水冷却剤を排出又はパージすることにより、水冷却剤が貯蔵器内に入るまで、運転停止及び起動の間、水冷却剤の凍結を防止することにより装置に対する機械的損傷が防止される。また、低い凝固温度の水非混和性流体は燃料電池又は外部加熱器から熱を伝達して起動時に貯蔵器内の凍結冷却剤水を溶解する。
それでもなお先行技術には限界がある。先行技術は燃料電池発電装置内の大量の水を調整しない。大量の水は、第1に動作中の燃料電池の冷却、第2に燃料電池生成水を含む装置内の水の管理という二つの、関連するけれども別個の装置要件の結果である。従って、効率的な水管理と最小量の水により氷点より低い条件において効率的に動作され得る燃料電池発電装置に対する必要性がある。
本発明は二成分混合冷却剤を用いる耐凍結性燃料電池発電装置である。装置は水素含有還元性流体燃料流と酸素含有酸化剤反応物流から電流を発生する少なくとも一つの燃料電池を含む。冷却剤ループは燃料電池と熱及び質量交換関係に固定された多孔質水輸送板と、板を通して冷却剤を循環させ、冷却剤を用いて水を板から出入りするように移送する、冷却剤ポンプと、冷却剤から熱を除去する冷却剤熱交換器と、冷却剤と燃料電池生成水を貯蔵し、生成水を貯蔵器から出るように導く、貯蔵器とを含む。冷却剤は冷却剤ループを通って循環する二成分混合冷却剤である。二成分混合冷却剤は好ましくは50乃至98体積パーセントの水非混和性流体成分と2乃至50体積パーセントの水成分とから成る。二成分混合冷却剤は最も好ましくは80乃至95体積パーセントの水非混和性流体成分と5乃至20体積パーセントの水成分とから成る。水非混和性流体は好ましくは0.1パーセント未満の水中溶解度を有し、水より低い凝固点と表面張力を有する。水非混和性流体はまた最も好ましくは−10℃未満の凝固点を有し、35ダイン毎センチメートル未満の表面張力を有する。
本発明の耐凍結性燃料電池発電装置はまた二成分混合システムを含んでもよい。混合システムは冷却剤ループから貯蔵器に二成分混合冷却剤を選択的に全く導かないか、全部を導くか、一部を導く、冷却剤分流弁と、水非混和性流体の流れを貯蔵器から冷却剤ループ内へ選択的に導く水非混和性流体供給弁と、貯蔵器から冷却剤ループ内へ二成分流体の水成分を引き出すための、貯蔵器に吸引力を加える吸引力発生用エダクタと、貯蔵器からの水成分を冷却剤ループ内の水非混和性流体と混合する混合器とを含む。混合システムは装置の定常状態動作の間、水管理及び冷却機能を提供する二成分混合流体の混合を増進する働きをする。
更なる好ましい実施例において、耐凍結性燃料電池発電装置は電池スタックアッセンブリ内の燃料電池と熱及び質量交換関係に固定された複数の多孔質水輸送板と共に燃料電池スタックアッセンブリ内に協同的に設けられた複数の燃料電池を含んでもよい。燃料電池スタックアッセンブリは冷却剤の流れを複数の水輸送板を通して冷却剤排出通路内へ導くために画定された大量冷却剤入口マニホールドを画定する。大量冷却剤入口マニホールドと冷却剤排出通路の間に冷却剤バイパスラインが固定される。大量冷却剤入口マニホールドは大量冷却剤入口から複数の水輸送板を通って冷却剤排出通路に流れる冷却剤の冷却剤流量の少なくとも5倍の冷却剤流量を受け、それを冷却剤バイパスラインに導くような大きさをしている。電池スタックアッセンブリを流れるそのような大量の二成分混合冷却剤は複数の水輸送板を流れる冷却剤の混合を増進する。
従って、本発明の一般的な目的は先行技術の欠陥を克服する、二成分混合冷却剤を用いる耐凍結性燃料電池発電装置を提供することである。
より詳細な目的は、装置の定常状態動作の間、水管理及び冷却機能を提供する、二成分混合冷却剤を用いる耐凍結性燃料電池発電装置を提供することである。
なおもう一つの目的は、最少量の生成水を備える耐凍結性燃料電池発電装置を提供することである。
二成分混合冷却剤を用いる耐凍結性燃料電池発電装置のこれら及び他の目的及び利点は、添付図と関連して以下の説明を読めばもっと容易に明らかになるであろう。
図面に詳細に言及すれば、本発明の二成分混合冷却剤を用いる耐凍結性燃料電池発電装置が図1に示され、参照符号10で概略示される。発電装置10は燃料電池12等の、還元性流体流と処理酸化剤反応物流から電流を発生する電流発生燃料電池手段を含む。燃料電池12は、周知のプロトン交換膜(「PEM」)等の電解質19の対向する両側に固定されたアノード触媒16とカソード触媒18を含む膜電極アッセンブリ(membrane electrode assembly)(「MEA」)14を含む。アノード流れ区域20はアノード触媒16に隣接して画成され、カソード流れ区域22はカソード触媒18に隣接して画成される。酸化剤供給源24は空気等の酸化剤を酸化剤入口26を通してカソード流れ区域22内へ導き、それによって、カソード流れ区域22は酸化剤をカソード触媒18を通過して流れるように導く。次いで、酸化剤はカソード排気流としてカソード流れ区域22から出てカソード排気通路30に入り、この通路はカソード排気流をカソード排気弁31を通って燃料電池12から出るように導く。
酸化剤をカソード流れ区域22内へ導くために酸化剤送風機32が酸化剤入口26に配置されてもよい。還元性流体燃料供給源34は水素ガス等の還元性流体を還元性流体入口36とアノード入口弁37を通してアノード流れ区域20内へ導き、アノード流れ区域20は還元性流体をアノード触媒16に隣接して通過し、当技術分野において周知のやり方で電流を発生するように導く。次いで、還元性流体はアノード排気流としてアノード流れ区域20を出てアノード排気通路38に入り、この通路はアノード排気流をアノード排気口40を通って燃料電池12から出るように導く。
耐凍結性燃料電池発電装置10はまた燃料電池12と熱及び質量交換関係にカソード流れ区域22に隣接して固定された水輸送板44を有する1次冷却剤ループ42を含む。(「1次冷却剤ループ42」は本願では時々「冷却剤ループ42」と呼ばれることもある。)水輸送板44は当技術分野において周知の多孔質板であり、これは多孔質板44を通る燃料電池12からの水の出入りを容易にする。水輸送板44はまた、冷却剤を板44を流れるように導く、参照符号45で図1に示される一つ又は複数の冷却剤流通路を定めてもよい。
本発明の独特の冷却剤は、好ましくは50乃至98体積パーセントの水非混和性流体成分と2乃至50体積パーセントの水成分とから成る二成分混合冷却剤である。二成分混合冷却剤は、最も好ましくは80乃至95体積パーセントの水非混和性流体成分と5乃至20体積パーセントの水成分とから成る。水非混和性流体は好ましくは0.1パーセント未満の水中溶解度を有し、水より低い凝固点と表面張力を有する。水非混和性流体はまた最も好ましくは−10℃未満の凝固点を有し、35ダイン毎平方センチメートル(「ダイン/cm」)未満の表面張力を有する。水非混和性流体は実質的に水の表面張力より小さい表面張力をもたねばならない。これにより高表面張力流体である水が多孔質水移送板44の多孔質構造内に優先的に吸収される結果をもたらし、電池12と冷却剤の間の、水輸送板44から出入りする水の交換を可能にする。これらの表面張力特性はまた水輸送板44の泡圧力特性を維持し、反応物ガスの冷却剤中への漏れを防止する。
72ダイン/cmの表面張力を有する水に対して、16ダイン/cmの表面張力を有する、米国、ミネソタ州、セントポール(St. Paul)の3Mスペシャルティーミネラルズ社(3M Specialty Minerals Company)により製造される商標名「HFE−7500」で入手可能な水非混和性流体であるヒドロフルオロエーテル用いて20℃で試験が行われた。燃料電池での使用に適した多孔質水輸送板は「HFE−7500」で飽和され、次いで、水に浸された。多孔質水輸送板は、当技術分野において既知でありかつ本発明における全ての権利の所有者により所有される米国特許第5,840,414号に開示されるような手順に従って水に濡れ可能になるように処理された。水が多孔質水輸送板の多孔質構造から水非混和性流体「HFE−7500」を排出することが目視観察され、物質収支により確認された。
第1の好ましい水非混和性流体は、少なくとも−40度摂氏(「℃」)と同じくらい低い凝固温度を有しかつ水非混和性である、ペルフルオロカーボン、ヒドロフルオロエーテル、及びこれらの混合物から成る群より選択される。適当なペルフルオロカーボンはペルフルオロアルカン、ペルフルオロトリアルキルアミン及びペルフルオロトリブチルアミンであり、これらは米国、ミネソタ州、セントポール(St. Paul)の3Mスペシャルティーミネラルズ社(3M Specialty Minerals Company)から入手可能であり、それぞれ「等級(Grades) FC−77、FC−3283、及びFC−40」の名称で販売される。適当なヒドロフルオロエーテルは上記の「等級(Grade) HFE−7500」の名称で販売される。上記のペルフルオロカーボンは商標「FLUORINERT PFC」のもとに3Mスペシャルティーミネラルズ社(3M Specialty Minerals Company)から入手可能であり、適当なヒドロフルオロエーテルもまた商標「NOVEC HFE」のもとに上記の3M社から入手可能である。
第2の好ましい水非混和性流体は、少なくとも−40℃と同じくらい低い凝固温度を有し、水非混和性である、アルカン、アルケン、アルキン、及びこれらの混合物から成る群より選択される。適当なアルカンとしてはヘプタン(C716、融点−91℃)、オクタン(C818、融点−57℃)、ノナン(C920、融点−54℃)及びデカン(C1022、融点−30℃)が挙げられる。適当なアルケンとしてはシクロヘキセン(C610、融点−103℃)、ヘプテン(C714、融点−119℃)、シクロヘプテン(C712、融点−56℃)、オクテン(C812、融点−102℃)、シロオクテン(シス型)(C814、融点−12℃)、及びシロオクテン(トランス型)(C814、融点−59℃)が挙げられた。適当なアルキンとしては2−オクチン(C814、融点−62℃)、及び1−デセン(C1018、融点−36℃)が挙げられる。少なくとも−40℃と同じくらい低い凝固温度を有し、水非混和性の、6つ以上の炭素原子を有する多くの他のアルカン、アルケン、アルキン、又はこれらの混合物はまた、例えば多数の二重及び/又は三重結合を有するもの等の適当な水非混和性流体を作る。全てのそのようなアルカン、アルケン、及びアルキン及びこれらの混合物は米国、ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチ社(Aldrich Company)等の大きい化学薬品供給業者から入手可能である。
第3の好ましい水非混和性流体はシリコーン、置換されたシリコーン、シロキサン、ポリシロキサン、置換されたシロキサン又はポリシロキサン、及びこれらの混合物等のケイ素含有流体から成る群より選択される。適当なケイ素含有流体はジメチル流体であり、これらは米国、コネチカット州、ブリッジポート(Bridgeport)のGE社から入手可能であり、「SF96 シリーズ(series)」の名称で販売され、あるいは米国、ミシガン州、ミッドランド(Midland)のダウ社(DOW company)から入手可能であり、Syltherm HF又はSyltherm XLTの名称で販売されている。適当なポリシロキサンとしては、上記のGE社から入手可能で、SF1488シリーズ又はSFxx88シリーズの名称で販売されているポリエーテル流体が挙げられる。
好ましい水非混和性流体はまた20ダイン/cm以下の表面張力をもっていてもよい。
冷却剤ループ42はまた、冷却剤を循環させ、冷却剤を用いて水を板44から出入りするように移送する冷却剤循環手段であって、冷却剤排出通路48と冷却剤供給通路50の間に固定され、冷却剤供給通路50を通し、周知の冷却剤熱交換器52等の冷却剤から熱を除去する冷却剤熱交換器手段を通して冷却剤をポンプ送りする冷却剤ポンプ46等の冷却剤循環手段を含む。あるいは、冷却剤熱交換器手段は冷却剤供給通路50に固定された長いあるいは曲がりくねった冷却剤通路68、又は冷却剤から熱を除去する当技術分野において既知の任意の他の構造を含んでもよい。2次又は不凍液冷却剤ループ54も含んでもよい。不凍液冷却剤ループ54は通常の不凍液溶液、例えばエチレングリコールと水、又はプロピレングリコールと水を不凍液冷却剤通路56、不凍液冷却剤ポンプ58、冷却剤熱交換器52、ファン62に隣接する不凍液冷却剤放熱器60を通って循環するように導くが、この放熱器は通常の自動車用放熱器によく似て、周囲空気を放熱器60の上に通して不凍液冷却剤を冷却する。この働きが今度は熱交換器52を流れる二成分混合冷却剤流体から熱を引き出す。周知のように、通常の不凍液溶液はアノード及びカソード触媒16、18を被毒させることになり、2次密封冷却剤ループ54内のそのような通常の不凍液溶液を利用することにより、触媒16、18はそれらの伝統的な不凍液溶液への露出から保護される。不凍液冷却剤ループ54の使用は最小量の独特の二成分混合冷却剤の使用を容易にする。
二成分混合冷却剤を用いる耐凍結性燃料電池発電装置10はまた二成分冷却剤混合システム69を含んでもよい。混合システム69は冷却剤ループ42の冷却剤通路68から分流弁供給ライン81を通して貯蔵器手段に二成分混合冷却剤を選択的に全く導かないか、全部を導くか、一部を導く冷却剤分流弁70を含み、貯蔵器手段は冷却剤と燃料電池生成水を貯蔵しかつ貯蔵器手段から生成水を出るように導く。例示的貯蔵器手段は上記の米国特許第6,528,194号に述べられるような耐凍結性の開管貯蔵器66である。代替の貯蔵器手段は冷却剤と生成水を貯蔵でき、生成水を貯蔵器66から出るように導くこともできる当技術分野において知られた全ての貯蔵器を含む。
貯蔵器66は図1に示されるように3つの別個の領域を画定する。第1に、参照符号67は水領域であり、第2に、参照符号77は二成分混合流体分離領域であり、第3に、参照符号78は水非混和性流体領域78である。上記の貯蔵器手段は水非混和性流体成分が水成分より比重が大きい場合に該当する。定常状態動作の間、水成分は貯蔵器66内で水領域67まで上昇し、水非混和性流体は貯蔵器66の水非混和性流体領域78まで下降し、冷却剤の二つの成分は混合流体分離帯77内で分離する。しかしながら、当業者なら、水成分より比重が大きくない水非混和性流体を利用する貯蔵器66手段を容易に作ることもできるであろう。
混合システム69にはまた、水非混和性流体の流れを貯蔵器66から水非混和性流体供給ライン75を通して冷却剤ループ42に選択的に導く、冷却剤通路68と貯蔵器66の間を流体連通して固定される水非混和性流体供給弁72が含まれる。
混合システム69はまた、当技術分野において既知の吸引力発生ポンプ(図示せず)又は上記の米国特許第6,562,503号に述べられるようなエダクタ74のような吸引発生手段を含む。米国特許第3,982,961号に述べられるような「エゼクタ」として当技術分野においても既知の「エダクタ」は、移動する流体流がエダクタを通過するのに応じて吸引力を発生する構造である。貯蔵器66の水領域67と流体連通して固定された水供給ライン79は貯蔵器内の水成分の流れをエダクタ74内へ導く。従って、エダクタ74は貯蔵器66内に吸引力を発生し、冷却剤がエダクタ74を通過しながら二成分流体の水成分を貯蔵器66から冷却剤ループ42内へ引き出す。
更に、混合システム69は水成分を冷却剤ループ42内の水非混和性流体と混合する、冷却剤ループ42と流体連通して固定された混合器76を含む。混合器76は米国、イリノイ州、ケアリー(Cary)のコフロ社(Koflo Corporation)により製造されるもの等の静的インライン混合器でもよい。
冷却剤ループ42はまた水輸送板44を通過する冷却剤の圧力を制御する圧力制御弁84を含んでもよい。圧力制御弁84は、例えば2001年11月13日に発行され、本発明における全ての権利の譲受人により所有される米国特許第6,316,135号に開示されるような、当技術分野において周知のやり方で制御されるであろう。
更に、耐凍結性燃料電池発電装置10は、エダクタ74と混合器76をバイパスする、貯蔵器66内へ冷却剤を選択的に導く混合システムバイパス弁73と、ガスの流れを貯蔵器から出入りさせる貯蔵器排出口71と、水成分の溢れを貯蔵器66から、また装置10から、または他の装置システム(図示せず)内へと流す、水領域67に固定された貯蔵器出口ライン82とを含んでもよい。
図1の好ましい実施例において、定常状態動作の間、分流弁供給ライン81は冷却剤通路68からの冷却剤の一部を貯蔵器66の水非混和性領域78内へ導く。その冷却剤の部分の水成分は貯蔵器66の分離領域77内で分離され、次いで、水領域67から水供給ライン79を通ってエダクタ74内へ導かれ、増進された混合をもたらし、それと同時に、過剰な燃料電池12の生成水を貯蔵器出口ライン82を通って装置10から出るように導く。
二成分混合冷却剤を用いる耐凍結性燃料電池発電装置10での定常状態動作の間、二成分混合冷却剤は装置10を冷却し、その水管理を容易にする。装置10で使用する冷却剤の利点は、冷却剤の性質が燃料電池12のアノード触媒16の性能もカソード触媒18の性能も劣化させないことである。冷却剤は冷却剤熱交換器52を介して冷却剤ループ42から熱を除去するように動作する。冷却剤はまた反応物を加湿するために水を供給し、燃料電池12から凝縮物と生成水の一部を除去することもできる。また、冷却剤は装置10内に維持される生成水の総量を減らす。従って、装置10内の減らされた水の量は氷点より低い条件での装置10の冷間起動を改善する。
運転停止の間、カソード排気口31とアノード排気口40は周囲空気を超えるおよそ1乃至4ポンド毎平方インチ(pound per square inch)(「psi」)(7乃至28kPa)の圧力差を作り出すように当技術分野で周知のやり方で調節され、冷却剤分流弁70はエダクタ74と混合器76をバイパスするように調節される。冷却剤は冷却剤分流弁70を通過し、分流弁供給ライン81を通過して貯蔵器66の水非混和性領域78に入る。好ましい実施例において、冷却剤はまたポンプ46(この場合、ポンプ46は可変速度ポンプ)により低速で数分間循環されてもよく、これは二成分冷却剤を冷却剤ループ42と貯蔵器66内で分離させる。水成分は貯蔵器66内で水領域67まで上昇し、水非混和性流体成分は貯蔵器66の水非混和性流体領域78まで下降し、冷却剤の二つの成分は混合流体分離領域77内で分離する。次いで、水非混和性流体が水非混和性供給弁72を通って冷却剤ループ42内へ導かれ、その結果、水非混和性流体が水を燃料電池12と冷却剤ループ42から排出することになる。次いで、冷却剤ポンプ46が停止され、冷却剤分流弁70は閉じられる。冷却剤ループ42に対する抜き出し口弁86が開かれ、冷却剤が冷却剤通路68と混合システムバイパス弁73を通って貯蔵器66内へ抜き出される。次いで、カソード排気口31とアノード排気口40が反応物圧力を周囲圧力に設定して運転停止を完了するように制御される。
氷点より低い条件からの起動の間、反応物がおよそ1psi以上の圧力で燃料電池12に供給され、電気負荷が当技術分野において既知のやり方で接続され、抜き出し口弁86は閉じられ、水非混和性供給弁72は開く。冷却剤循環は好ましくは燃料電池温度が氷点を超え、好ましくは30度摂氏(「℃」)乃至40℃である時、開始する。あるいは、冷却剤は加熱器(図示せず)により加熱されてもよく、冷却剤は電気負荷(図示せず)を接続する前、あるいは電気負荷の適用と同時に燃料電池12に供給されてもよい。カソード排気口31とアノード排気口40は背圧を生じるように当技術分野において既知のやり方で調節され、それにより、燃料電池12から水輸送板44内への生成水の移動を容易にし、装置10の完全動作を開始することができる。起動の間、冷却剤分流弁70が閉じられ、混合システムバイパス弁73が開き、これにより、暖かい冷却剤が貯蔵器66の開管(図示せず)を流れ、上記の米国特許第6,528,194B1号に開示されるやり方で貯蔵器66内の冷却剤の凍結された水成分を溶解することとなる。凍結された水成分が一旦溶解されたら、混合システムバイパス弁73は閉じられ、冷却剤分流弁70が上記の定常状態動作設定に調節され、貯蔵器66と混合システム69を通る冷却剤の並行の流れに備える。冷却剤ループ42はまた、起動中に放熱器をバイパスし、冷却剤を冷却剤通路68を通るように導いて水非混和性流体における熱損失を最小にし、それにより、貯蔵器66内の凍結された水成分の溶解を促進する熱交換バイパス弁90と流体連通する熱交換バイパス弁88を含んでもよい。
本発明の更なる実施例100が図2に示される。発電装置100の図2の実施例は複数の燃料電池104A、104B、104C、104Dを有する電池スタックアッセンブリ102を含み、これらの燃料電池は複数の水輸送板106A、106B、106C、106Dと共に燃料電池スタックアッセンブリ102内に周知のやり方で協同的に設けられ、これらの水輸送板はまた電池スタックアッセンブリ102内で燃料電池104A、104B、104C、104Dと熱及び質量交換関係に固定される。本発明の燃料電池スタックアッセンブリ102は冷却剤の流れを複数の水輸送板106A、106B、106C、106Dを通して冷却剤出口マニホールド110内へ、次いで冷却剤排出通路48内へ導く大量冷却剤入口マニホールド108を画定する。冷却剤バイパスライン112が大量冷却剤入口マニホールド108と冷却剤排出通路48の間に固定される。大量冷却剤入口マニホールド108は、大量冷却剤入口マニホールド108から複数の水輸送板106A、106B、106C、106Dを通って冷却剤排出通路48に流れる冷却剤の冷却剤流量の少なくとも5倍の冷却剤流量を受け、それを冷却剤バイパスライン112に導くような大きさをしている。燃料電池スタックアッセンブリ102を流れるそのような大量の二成分混合冷却剤は複数の水輸送板106A、106B、106C、106Dを流れる冷却剤の混合を増進し、いくらかの水が各水輸送板106A、106B、106C、106Dに供給されて反応物を加湿することを保証する。
図2に示される第2の実施例の定常状態、運転停止、及び起動は、図1に示されかつ上に述べられた第1の実施例に対して述べられた通りとなる。
図1と図2に示される装置10は大きい放熱器60を有する不凍液冷却剤ループ54を含む。放熱器60は冷却剤熱交換器52を通過する冷却剤と熱交換関係に固定される。この構造は、装置10の冷却の多くが不凍液冷却剤ループ54とその大きい放熱器60により行われるので、必要とされる水非混和性流体の量を最小にする。ヒドロフルオロエーテルのように水非混和性流体が高価であれば、水非混和性流体の量の最小化は重要である。二成分混合冷却剤を用いる耐凍結性燃料電池発電装置10はまた上述した米国特許第6,528,194B1号に示されるように、冷却剤を加熱する補助加熱器(図示せず)を含んでもよい。しかしながら、ある一定の条件では、補助加熱器は必要ない。
本発明の耐凍結性燃料電池発電装置がその独特の二成分混合冷却剤の使用により装置10を効率的に冷却し、またその水管理を容易にすることが分かる。特に、冷却剤は装置10内の水の量を最小にする。水の量の減少は定常状態、運転停止、及び起動プロセスの向上に役立つ。
本発明は二成分混合冷却剤を用いる耐凍結性燃料電池発電装置10の特定の構造に関して記述及び図解されたが、この記述及び図解された実施例に本発明を限定すべきでないことは言うまでもない。例えば、定常状態動作において、本発明の所有者により所有される、米国特許第6,361,891号に述べられるように、燃料再循環ライン(図示せず)と酸化剤再循環ライン(図示せず)が使用されてもよい。そのような燃料再循環ラインと酸化剤再循環ラインは当技術分野において既知の好都合なやり方で、流入する反応物を加熱及び加湿するために使用される。従って、本発明の範囲を決定するためには、本来、以上の説明ではなく特許請求の範囲を参照すべきである。
本発明に従って作られた二成分混合冷却剤を用いる耐凍結性燃料電池発電装置の好ましい実施例の模式図。 本発明に従って作られた、複数の燃料電池と、冷却剤の流れを電池スタックアッセンブリを通るように導く複数の冷却剤流れ区域とを有する電池スタックアッセンブリを含む、二成分混合冷却剤を用いる耐凍結性燃料電池発電装置の代替の実施例の模式図。

Claims (16)

  1. 水素含有還元性流体燃料流と酸素含有酸化剤反応物流から電流を発生する耐凍結性燃料電池発電装置(10)において、
    a.プロトン交換膜電解質(19)を有する少なくとも一つの燃料電池(12)と、
    b.前記燃料電池(12)内に熱及び質量交換関係に固定された多孔質水輸送板(44)と、前記板(44)を通して冷却剤を循環させ、冷却剤を用いて水を前記板(44)から出入りするように移送する、前記多孔質水輸送板(44)と流体連通する冷却剤通路(68)に固定された冷却剤循環手段(46)と、冷却剤から熱を除去する、前記冷却剤通路(68)に固定された冷却剤熱交換器(52)手段と、冷却剤と水を貯蔵する、前記冷却剤通路(68)と流体連通して固定された貯蔵器(66)手段とを含む冷却剤ループ(42)と、
    を備え、
    c.冷却剤が前記冷却剤ループ(42)を通って循環する二成分混合冷却剤であり、前記二成分混合冷却剤が水非混和性流体成分と水成分とから成る、
    ことを特徴とする耐凍結性燃料電池発電装置。
  2. 前記二成分混合冷却剤が50乃至98体積パーセントの水非混和性流体成分と2乃至50体積パーセントの水成分とから成ることを特徴とする請求項1記載の耐凍結性燃料電池発電装置(10)。
  3. 前記二成分混合冷却剤が80乃至95体積パーセントの水非混和性流体成分と5乃至20体積パーセントの水成分とから成ることを特徴とする請求項1記載の耐凍結性燃料電池発電装置(10)。
  4. 前記水非混和性流体がシリコーン、置換されたシリコーン、シロキサン、ポリシロキサン、置換されたシロキサン又はポリシロキサン、及びこれらの混合物から成る群より選択されることを特徴とする請求項1記載の耐凍結性燃料電池発電装置(10)。
  5. 前記水非混和性流体がペルフルオロカーボン、ヒドロフルオロエーテル、及びこれらの混合物から成る群より選択されることを特徴とする請求項1記載の耐凍結性燃料電池発電装置(10)。
  6. 前記水非混和性流体が6つ以上の炭素原子を有するアルカン、アルケン、アルキン、及びこれらの混合物から成る群より選択されることを特徴とする請求項1記載の耐凍結性燃料電池発電装置(10)。
  7. 前記水非混和性流体が−10℃以下の凝固温度と35ダイン/cm以下の表面張力を有することを特徴とする請求項1記載の耐凍結性燃料電池発電装置(10)。
  8. a.前記二成分混合冷却剤を前記冷却剤ループ(42)から前記貯蔵器(66)手段に流れるように選択的に全く導かないか、全部を導くか、一部を導く、冷却剤分流弁(70)と、
    b.前記水非混和性流体の流れを前記貯蔵器(66)手段から前記冷却剤ループ(42)内へ選択的に導く、前記冷却剤ループ(42)と前記貯蔵器(66)手段の間を流体連通して固定された水非混和性流体供給弁(72)と、
    c.前記貯蔵器(66)手段から前記冷却剤ループ(42)内へ前記二成分流体の前記水成分を引き出すための、前記貯蔵器(66)手段に吸引力を加える、前記冷却剤ループ(42)と前記貯蔵器(66)手段の間を流体連通して固定された吸引力発生手段(74)と、
    d.前記水成分を前記冷却剤ループ(42)内の前記水非混和性流体と混合する、前記冷却剤ループ(42)と流体連通して固定された混合器(76)と、
    を含む二成分冷却剤混合システムを更に備えることを特徴とする請求項1記載の耐凍結性燃料電池発電装置(10)。
  9. 前記混合システム(69)をバイパスして冷却剤を前記冷却剤通路(68)から前記貯蔵器(66)内へ選択的に導く、前記冷却剤通路(68)と流体連通して固定された混合システムバイパス弁(73)を更に備えることを特徴とする請求項8記載の耐凍結性燃料電池発電装置(10)。
  10. a.燃料電池スタックアッセンブリ(102)内に協同的に設けられた複数の燃料電池(104A、104B、104C、104D)と、
    b.前記燃料電池スタックアッセンブリ(102)内の前記燃料電池(104A、104B、104C、104D)と熱及び質量交換関係に固定された複数の多孔質水輸送板(106A、106B、106C、106D)と、
    c.前記二成分混合冷却剤の流れを前記複数の水輸送板(106A、106B、106C、106D)を通して前記冷却剤ループ(42)の冷却剤排出通路(48)内へ導く、前記燃料電池スタックアッセンブリ(102)内に画定された大量冷却剤入口マニホールド(108)と、
    d.前記大量冷却剤入口マニホールド(108)と前記冷却剤排出通路(48)の間に固定された冷却剤バイパスライン(112)と、
    を更に備え、
    e.前記大量冷却剤入口マニホールド(108)が前記大量冷却剤入口マニホールド(108)から前記複数の水輸送板(106A、106B、106C、106D)を通って前記冷却剤排出通路(48)に流れる冷却剤の冷却剤流量の少なくとも5倍の冷却剤流量を受け、それを前記冷却剤バイパスライン(112)に導いて前記電池スタックアッセンブリ(102)を流れる前記二成分混合冷却剤の混合を増進するような大きさをしている、
    ことを特徴とする請求項1記載の耐凍結性燃料電池発電装置(10)。
  11. 不凍液冷却剤通路(56)、不凍液冷却剤ポンプ(58)、前記冷却剤熱交換器(52)、及び不凍液冷却剤放熱器(60)を通して不凍液冷却剤を循環させ、前記冷却剤熱交換器(52)と前記不凍液冷却剤から熱を除去する不凍液冷却剤ループ(54)を更に備えることを特徴とする請求項1記載の耐凍結性燃料電池発電装置。
  12. 冷却剤を、前記熱交換器(52)をバイパスしかつ前記冷却剤通路(68)内へ戻るように選択的に導く、前記冷却剤通路(68)及び熱交換バイパスライン(90)と流体連通して固定された熱交換バイパス弁(88)を更に備えることを特徴とする請求項1記載の耐凍結性燃料電池発電装置(10)。
  13. 耐凍結性燃料電池発電装置(10)を動作させる方法において、前記発電装置(10)がプロトン交換膜電解質(19)を有する少なくとも一つの燃料電池(12)と、前記燃料電池(12)内に熱及び質量交換関係に固定された多孔質水輸送板(44)を含む冷却剤ループ(42)と、冷却剤を前記板(44)を通して循環させ、冷却剤を用いて水を前記板(44)から出入りするように移送する、前記多孔質水輸送板(44)と流体連通する冷却剤通路(68)に固定された冷却剤循環手段(46)と、冷却剤から熱を除去する、冷却剤通路(68)に固定された冷却剤熱交換器(52)手段とを含むような方法であって、
    a.冷却剤と水を貯蔵する、前記冷却剤通路(68)と流体連通する貯蔵器(66)手段を固定し、
    b.前記冷却剤ループ(42)を通して水非混和性流体成分と水成分とから成る二成分混合冷却剤を循環させ、
    c.前記貯蔵器(66)内で前記二成分混合冷却剤を水非混和性流体成分と水成分に分離し、
    d.次いで、前記貯蔵器の水成分からの過剰な燃料電池(12)生成水を前記貯蔵器(66)から出るように導く、
    各ステップを含むことを特徴とする方法。
  14. 冷却剤の一部を前記貯蔵器を流れるように分流させ、一方、冷却剤の別の部分を前記冷却剤ループ(42)と流体連通して固定された吸引力発生手段(74)を流れるように導き、前記貯蔵器(66)から前記吸引力発生手段(74)を通して冷却剤の前記分離された水成分の一部を引き出して冷却剤と混合し、冷却剤を、前記冷却剤ループ(42)と流体連通して固定された混合器(76)を流れるように導き、前記貯蔵器(66)からの冷却剤の前記分離された水非混和性流体成分の一部を冷却剤と混合するように導くことにより前記二成分混合冷却剤を混合する更なるステップを含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 前記二成分混合冷却剤を混合するステップの後に、前記燃料電池(12)から電気負荷を遮断し、次いで、冷却剤の全てを、前記吸引力発生手段(74)及び混合器(76)をバイパスしかつ前記貯蔵器(66)内へ流れるように導き、次いで、冷却剤の前記分離された水非混和性流体成分を、前記貯蔵器(66)から前記冷却剤ループ(42)及び水輸送板(44)を通って流れて前記冷却剤ループ(42)及び板(44)内の水を前記貯蔵器(66)内へ排出するように導き、次いで、前記冷却剤循環手段(46)を停止し、次いで、冷却剤ループ抜き出し口弁(86)を開いて前記冷却剤ループ(42)及び水輸送板(44)内の冷却剤を前記貯蔵器(66)内へ抜き出すことにより前記耐凍結性燃料電池発電装置(10)を運転停止する更なるステップを含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
  16. 前記冷却剤ループ抜き出し口弁(86)を開くステップの後に、前記冷却剤ループ抜き出し口弁(86)を閉じ、次いで、前記燃料電池(12)に反応物を供給し、前記燃料電池(12)に前記電気負荷を接続し、次いで、前記貯蔵器(66)からの冷却剤の前記分離された水非混和性流体成分を前記冷却剤ループ(42)及び水輸送板(44)を通り、次いで前記貯蔵器(66)を通して循環させて前記貯蔵器(66)内の冷却剤の凍結された水成分を溶解し、次いで、前記燃料電池(12)の温度が氷点を超えるときは常に請求項14の諸ステップに従って前記二成分混合冷却剤を混合することにより氷点より低い周囲条件において前記耐凍結性燃料電池発電装置(10)を起動する更なるステップを含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
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