JP2007510856A - 乾式ポンプの改良 - Google Patents

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Abstract

スクリューポンプは、各々雄スクリューねじ(96、98)を備えた一対のロータ(92、94)を有し、一対のロータは、ステータ(72)に回転自在に取り付けられ、且つ作動中、ロータが反対方向に回転するとロータのスクリューねじが噛み合うように構成される。ポンプの使用中ステータ内でロータの軸線方向位置を能動的に制御するための手段(100、102)が設けられている。

Description

本発明は、乾式ポンプに関し、特に、典型的には真空適用に仕様されるルーツポンプ、ノルゼイ(Northey)(又は「クロー」)ポンプ及びスクリューポンプに関する。本発明は、上記のポンプの動作の改良に向けられている。
乾式ポンプは、製品の製造のためのクリーン及び又は低圧環境をもたらすために工業行程で使用される。適用は、薬品及び半導体製造工業を含む。このようなポンプは、本質的に乾式(又はオイルなし)排気機構を含むが、一般的には、排気機構を駆動するための、軸受及び伝動装置のようなある構成要素を含み、かかる構成要素は、有効であるためには潤滑を必要とする。
ルーツ及び又はノルゼイ機構を有する乾式ポンプは、普通、各排気室に噛み合ったロータを採用している多段容積形ポンプである。ロータは各排気室内に同じタイプの輪郭を有し、或いは、輪郭は排気室毎に変化する。
典型的なスクリューポンプ機構は、各々雄ねじロータを有する2本の間隔を隔てた平行なシャフトを含み、シャフトは、ロータのねじが互いに噛み合うようにポンプ本体に取り付けられている。噛み合い箇所におけるロータねじとポンプ本体の内面(ステータとして作用する)との間の厳密な隙間により、入口に流入するガスの容積をロータのねじと内面との間に捕捉して、それによってロータが回転するにつれてポンプの出口に向かって押す。基本的なスクリューポンプ機構の種々の適用が知られており、例えば、スクリューねじの高さ(又は外径)がポンプの入口からポンプの出口に向かう方向に減少してテーパする可変ピッチスクリューねじ及び又は機構をもったスクリューポンプが存在する。後者の場合には、ロータがステータのテーパしたボアに取り付けられる。
ポンプを作動するのに必要とされる入力電力を最小にすることが、乾式ポンプを作動して、典型的には、大気圧力よりも著しく低い所望圧力(「極限圧力」)を達成するときに、望ましい。ポンプ排気容積の大きさは、極限圧力でポンプを作動するのに必要とされる入力電力に相当影響を及ぼす。ポンプの入口容積と排気容積との間の高い容積比を組み込むことによって極限圧力で入力電力を低く維持することができる。この構成の欠点は、ポンプの入口圧力が大気圧力に向かって増大するとき、ポンプの入力電力の要求が著しく増大することである。
先行技術では、高いポンプ内圧が、圧力を解放し且つポンプ内の過剰圧力の増大を防止するように作動される吹き出し弁をポンプ内に含めることによって回避された。ある状況では、これらの弁の性能は、密封面上に、又はその近くにプロセス媒体が積もることによって悪影響を受け、圧力の増大を軽減することができる効率を減ずる。
本発明の1つの側面によれば、ステータを有し、該ステータが、該ステータ内で逆回転するようになった第1及び第2の噛み合ったロータを収容し、ポンプの使用中、ロータとステータの間の少なくとも1つの隙間を変えるためにステータ内のロータの軸線方向移動を行わせるための手段を有する、乾式ポンプを提供する。
例えば、ポンプ内の動作条件に応答して実時間でステータ内のロータの軸線方向位置を能動的に制御することにより、ロータとステータとの間の隙間を、ポンプの使用中必要に応じて増大させたり、減少させたり、或いは一定レベルに維持させたりする。再スタート時に起こる問題を防止するように、ねばねば又はほこりっぽい雰囲気の排気に続いてポンプを切るとき、例えば、ロータ対ステータの隙間を増大させ或いは最大にすらすることができる。ロータとステータとの間の軸線方向隙間は、作動中プロセス付着物で一杯になることがあり、ポンプが止められる時、ロータは冷えてプロセス付着物へ縮み、ポンプを潜在的にロックする。ロータをステータに対して移動させることにより、ポンプが止められるとき軸線方向隙間を増大させ、それによって、ポンプの再スタートの見込みを増大させる。一旦ポンプがスタートしたらポンプの作動中軸線方向隙間を正常な運転隙間に戻す事ができる。
変形例として、或いは加えて、ステータ面に積もったプロセス媒体を掻き落とすためにロータを、ポンプの使用中ステータ面により近く能動的に移動させることができる。
ロータ対ステータ隙間を、異なる排気ガス種にとってポンプ性能を最適にするように制御することもできる。例えば、ポンプの焼付なしに最適な性能を達成するように、水素又はアルゴンのような不活性ガスを排気するとき隙間を減少させ又は増大させることができる。
ステータ内でのロータのこの移動は、ポンプ性能について背圧、運転温度及びガスの種類のような動作変動性の影響を著しく減ずることができる。その上、ロータ位置を能動的に制御する能力は、構成要素の製造精度を緩和することができる。これは、研削作業の潜在的な除去及びスクラップレベルの減少によりコストの著しい減少をもたらす事ができる。
例えば、1つの実施形態では、ポンプは、ポンプの作動中ロータに生じた軸線方向荷重に応答してロータの軸線方向移動を行わせるための手段を有する。作動中、ポンプ内の内圧はロータに軸線方向スラスト荷重を生じさせる。このスラスト荷重は、ポンプによって行われるガス圧縮仕事の量、それ故に、ポンプの入力電力要求に比例する。例えば、スクリューポンプのガス圧縮の効率は、大部分は、スクリューねじロータを支持するステータの内面とロータそれ自体との間の隙間によって規定される。ロータがテーパしている場合には、ロータを両方ともステータ面から同時にそして同期して遠ざけて半径方向隙間を効果的に増大させ、圧縮、それ故に、入力電力の要求を減ずる。同様に、テーパルーツロータを両方ともステータ面から同時にそして同期して遠ざけて半径方向隙間を効果的に増大させ、圧縮、それ故に、入力電力の要求を減ずる。
掻くロータは、典型的には、ポンプ内に回転自在に設けられたそれぞれのシャフトに取り付けられてもよいし、シャフトと一体でもよい。ポンプは、シャフトをステータに対して回転自在に支持するための軸受アセンブリを有する。好ましい実施形態では、ロータの軸線方向移動を行わせるための手段は、軸受アセンブリをステータに対して移動させるための手段からなる。例えば、1つの実施形態では、軸受アセンブリはハウジング内で軸線方向に自由に移動し、ロータの軸線方向移動を行わせるための手段は、ロータに対して配置されたスプリング機構からなり、ロータが軸線方向荷重を受けたとき、スプリング機構は圧縮し又は伸長して軸線方向反作用荷重を引き起こす。
ロータに生じた軸線方向荷重がロータ及び軸受アセンブリの軸線方向移動を引き起こす傾向があるとき、スプリングは(その位置に応じて)圧縮され又は伸長される。荷重がスプリングの弾性限度を超えないと仮定すると、スプリングは、ロータの軸線方向位置を変えるように反応する。適当なバネ定数を有するスプリングを選択する事によって、この構成を使用してロータ対ステータ隙間を変え、広範囲の入口圧力にわたって比較的一定レベルのガス圧縮仕事を与え、それによってポンプの入力電力要求を減ずる。
他の実施形態では、ポンプは、ロータの軸線方向移動を行わせるための手段の作動を能動的に制御するための制御手段を有する。例えば、ピストン又は他のアクチエータがロータを移動させるために設けられ、制御手段は、アクチエータの移動を制御してロータの軸線方向位置を制御する。好ましい実施形態では、制御手段は、駆動シャフトを回転させるようになったモータを制御し、駆動シャフトは、該駆動シャフトの回転でアクチエータをステータに対して軸線方向に移動させるようにアクチエータに係合する。駆動シャフトは、例えば、アクチエータに設けられたねじ孔の中を通る親ねじからなるのがよい。変形例として、制御手段は、アクチエータを移動させるための1つ又はそれ以上の電磁石からなってもよい。
ロータをステータに対して正確に移動させるためのどんな他の機構を設けてもよい。例えば、ステータ内でロータを移動させるために、制御手段によって供給される電圧に応答して変形する圧電アクチエータを設けてもよい。変形例として、制御手段によって選択的に加熱される金属リング、チューブ又は他のエレメントが設け、エレメントの熱膨張により、ロータをステータ内で移動させてもよい。ロータのステータに対する所要移動の程度に最も適当な機構を選択することができる。例えば、ノルゼイロータについては、最大の所要移動は100ミクロンより小さく、これに対して、テーパスクリューロータについては、所要移動はほぼ1mmである。
ロータの移動をステータに対する軸受アセンブリの移動によって行われる場合には、アクチエータは軸受アセンブリのためのハウジングの一部からなり、或いは該ハウジングによって支持される。軸受アセンブリのためのハウジングは好ましくは、ポンプのための内部密封機構を担持する。この軸受アセンブリは好ましくは、各シャフトの一端を支持し、各シャフトの他端を支持するための第2の軸受アセンブリが設けられる。この軸受アセンブリはステータに対して固定されてもよいし、或いはシャフトとともに移動するように構成されてもよい。この後者の第2軸受アセンブリのためのハウジングもポンプのための内部密封機構を担持するのがよい。これは、ステータに対するシャフトの移動がポンプの内部密封を妥協しないことを保証することができる。
軸受アセンブリのためのハウジングの一方又は両方はステータの端面を構成するから端面は、ロータの軸受アセンブリ線方向位置が調整されるときロータと一緒に移動し、それによってロータの端とステータの端面との間に一定の隙間を維持する事によってロータの端とステータの端面との間の衝突を回避する。
制御装置は、ポンプの作動パラメータを示す信号を受け、そしてこの信号に依存してロータの軸線方向位置を制御するように構成されるのがよい。作動パラメータは、ステータの温度及び又はステータ内の温度、始動における極限真空目盛り、背圧、排気温度、電力消費、及び入口圧力の内の1つを含むのがよい。温度との関係では、冷却水のアップセットは、ロータがステータと接触させるような程度まで熱衝撃がステータを歪めるという問題を生じさせる事がある。ステータ温度及び流入する水温を測定することによって、焼付状態の始まりを検出し、熱衝撃が起こる時ロータ対ステータ隙間をますことによってポンプを保護することが可能である。高い背圧の結果、ポンプの焼付に至らしめる内部ガス温度及びロータ対ステータの差が増す。内部ガス温度を測定することによって、背圧の増大に順応するようにロータ対ステータ隙間を修正する事が可能である。電力消費との関係では、制御装置は、ロータを回転させるためのモータの電力消費を示す信号を受け、且つそれに応答してアクチエータの作動を制御するように構成されるのがよい。
変形例として、又は加えて、制御手段は、ロータとステータとの間の隙間の大きさ、又は変化率を検出するためのセンサーからなり、そしてセンサーからの出力に応答してロータの軸線方向移動を行わせるための手段を制御するように構成される。センサーは、都合よい事には、ホール効果センサーによって提供されるのがよい。センサーは、ロータとステータとの間の軸線方向隙間が零であるときに、ポンプ内のロータの位置を決定することによって目盛りを定めることができる。これは、熱の影響を不具にするために、使用前かポンプがいったん暖まったなら、(ロータが非回転状態で)接触が起こるまでロータを軸線方向に移動させることによって達成される。変形例として、これらの熱影響は制御手段に組み込まれるから、熱影響は、軸線方向隙間の大きさをセンサーから出力された信号から決定することによって考慮される。
ロータの軸線方向移動を行わせるための手段は、好ましくは、両ロータが同じ軸線方向位置に維持されるようにするように構成されるが、ロータ間の相対的な軸線方向移動を許すように構成されてもよい。典型的には、このような相対的移動はロータ接触の限度内にあり、そしてロータの側面に積もったプロセス媒体を掻き落とすために作動中ロータに使用される。ロータ間の相対的な移動は、各ロータの軸線方向移動を行わせる独立の手段、例えば、上述したようにそれぞれのアクチエータの構成を使用して達成し得る。関連した制御装置は、ロータの移動を互いに独立に行うように構成されるのがよい。これは、ロータが静止している間に、なし遂げられる移動を監視することによって、或いはシャフトのトルク又はモータ電流を監視することによって全速度で作動しながら、なし得る。
ロータが噛み合ったスクリューねじを有する場合には、スクリューねじの少なくとも一部は好ましくは、ポンプの入口からポンプの排気口に向かう方向に漸減してテーパする外径を有する。1つの実施形態では、各スクリューねじはポンプ入口から排気口まで徐々に減少する直径を有する。他の実施形態では、各ロータのスクリューねじの一部だけが、ポンプの排気口に向かってテーパする外径を有し、スクリューねじの残部は実質的に一定な直径を有する。この後者の実施形態と関連した多数の利点がある。第1に、真空ポンプの排気ガス温度は運転状態で変り、ポンプの排気(低真空)端でロータ対ステータの隙間に影響を及ぼす。排気段のロータ対ステータ隙間の制御は性能及び電力消費の最適化を可能にする。入口(高真空)温度は、排気程には相当に変化しない、それ故に、入口段のロータ対ステータ制御は重要なものではない。第2に、荒引き(大気圧で又はその近くで大容量のガスを排気する)中、ポンプの低真空段を迂回することによって性能を最適にすることができる。排気段のロータ対ステータ隙間を、圧力逃し弁として作用するように増大させることができ、入口段のロータ対ステータ隙間は、排気効率を最大にするように一定のままである。ロータの少なくとも一部がテーパしている場合には、ロータとステータとの間の半径方向隙間の大きさをロータとステータとの間の軸線方向隙間の大きさから決定することができる。軸線方向隙間と半径方向隙間との間の関係を試験中に確立することができる。
ロータとステータとの間の軸線方向隙間の中のプロセス媒体を除去するためにロータを2つの軸線方向位置の間で脈動させてもよい。例えば、制御装置は、ロータとステータとの間の軸線方向隙間を増大させるためにロータを1つの軸線方向に第1速度で移動させるように、且つロータとステータとの間の軸線方向隙間を減少させるためにロータを第1速度と異なる第2速度で移動させるように構成される。ポンプモータの引はずしを防止するために、軸線方向隙間の減少率は好ましくは、軸線方向隙間の増加率よりも大きい。ロータの軸線方向位置の終端での焼付を防止する線形エンコーダを設けてもよい。
第2の側面では、本発明は、ステータを有し、該ステータが、ステータ内で逆回転するようになった第1と第2の噛み合ったロータを収容する、ポンプの作動を制御する方法を提供し、この方法は、ロータが静止しているときロータとステータとの間の軸線方向隙間を増大させるためにロータをステータに対して軸線方向に移動させる段階と、引き続いて、ロータの回転を開始する段階と、ロータの回転中、ロータとステータとの間の軸線方向隙間を減少させるためにロータをステータに対して軸線方向に移動させる段階と、を含む。
本方法は、引き続いて、軸線方向隙間から付着物を除去するためにポンプの使用中軸線方向隙間を好ましくは繰り返し増減させる段階を更に含むのがよい。かくして、第3の側面では、本発明は、ステータを有し、該ステータが、ステータ内で逆回転するようになった第1と第2の噛み合ったロータを収容する、ポンプの作動を制御する方法を提供し、この方法は、ロータとステータとの間の軸線方向隙間を周期的に変えて軸線方向隙間から付着物を除去するために、ロータをステータに対して反対方向に引き続き軸線方向に移動させる段階を含む。
本発明の第1の側面に関連して上で説明した特徴は本発明の方法の側面にまたその逆に等しく適用できる。
例示として、今、本発明のいくつかの実施形態を以下の図を参照して更に説明する。
先ず、図1ないし4を参照すると、ポンプ10は、排気室18を構成する第1部分14及び第2部分16を有するポンプ本体12を含む。排気室18への流体入口20がポンプ本体12の第1部分14に形成され、排気室18からの流体出口22がポンプ本体12の第2部分16に形成される。
ポンプ10は、第1シャフト24、及び第1シャフトから間隔を隔てていて且つ第1シャフトと平行な第2シャフト26を更に含む。シャフト24、26を支持するための軸受28が設けられている。シャフト24、26はその長手方向軸線を中心に反対回転方向に回転するようになっている。シャフト24は駆動機構32を介して駆動モータ30に連結され、シャフトは、使用中、該シャフト24、26が同じ速度で、しかし反対方向に回転するようにタイミング歯車によって互いに連結される。
第1ロータ34が排気室18内で回転運動可能に第1シャフト24に取り付けられ、第2ロータ36が第2シャフト26に同様に取り付けられている。2つのロータ34、36の各々は、テーパ形状を有し、且つその外面に形成された螺旋羽根又はねじ38、40をそれぞれ有し、ねじは、図示のように噛み合っている。
この実施形態では、ロータ34、36のねじ38、40は、ポンプ10の入口20から出口22の方向に減少してテーパした外径を有し、ポンプの使用中ステータとして作用する排気室18の内面は、ポンプ出口に向かって一致してテーパしている。ロータ34、36の形状、特に、互いにそして排気室18の内面に対するねじ38、40の形状は、排気室18の内面と厳密な公差を確保するように計算される。
排気室18内でのロータ34、36の軸線方向位置を調整するために、ポンプ10は、軸受アセンブリ42を含み、その各々は、図5ないし7にもっと詳細に示されているように、ポンプ10の排気端に配置されたそれぞれの円筒ハウジング44内に摺動可能に取り付けられている。各円筒ハウジング44は、それぞれのシャフト24、26に締結され、円筒ハウジング44は、連結アーム46によって互いに連結されている。
各軸受アセンブリ42は、シャフトの軸線方向移動及び長手方向軸線を中心とするシャフトの回転を可能にしながら、ポンプ本体12に対して、軸受アセンブリ42を通るシャフト24の側方位置を維持するために背中合わせの形態に配列された一対のアンギュラコンタクト軸受48を有する。軸受48の外面と円筒ハウジング44の内面の間に僅かな隙間が設けられる。円筒ハウジング44はまた、ポンプ本体12について僅かな軸線方向の隙間を有し、これにより、ポンプ本体と各円筒ハウジング44の締付けフランジ50との間にシム材料を置くことによってポンプの組立中初期軸線方向隙間を調整する。
軸受48と円筒ハウジング44の端壁52の間にスペーサリング54及びスプリング56が置かれる。軸受48は、スプリング56の予荷重が運転負荷状態(及びポンプの入力パワー)のために設定されるように締付けリング58によってハウジング44内に保持される。端壁52が、円筒ハウジング44をシャフトに締結するためのアセンブリの一部をなすカラー60に向かって半径方向内方に延びる。
使用中、ポンプ10によってなされる圧縮仕事の結果、軸線方向荷重はロータ34、36を出口22から入口20に向かう方向に移動させる傾向がある。軸線方向荷重はスプリング56に作用してロータ34、36を軸線方向に移動させ、それによって、ロータ34、36のねじ38、40とステータの間の半径方向隙間を軸線方向荷重に比例して変化させる。特性のスプリングレートを変える事によって、ポンプの入力パワーをポンプの速度範囲にわたって特定な適用に調整することができる。ロータ34、36に加えられる軸線方向荷重に違いがある場合には、2つの円筒ハウジング44を互いにしっかりと連結する連結体46は、両ロータを同時に再位置決めし、万一ロータが互いに不整列になっても、ロータ34、36のねじ38と40の間に起こるかもしれない如何なる干渉をも回避する。
図1ないし7の実施形態の変形例では、ロータの軸線方向位置は油圧制御ピストンによって制御される。ピストンの移動は、所定のロータ軸線に加えられる軸線方向荷重を検出する力センサーを含み、かつ反力をピストンによって加える制御機構によって制御される。加えて、制御器は、ピストン、それ故に、他の目的のために、例えば、ロータの清掃のためにロータの独立の移動を可能にするように構成される。
図8はステータ内のロータの位置の能動制御を有するスクリューポンプの第2実施形態を示す。第1実施形態と同様に、ポンプ70は、排気室74を構成するポンプ本体72と、流体入口76と、流体出口78と、を含む。ポンプ70は、第1シャフト80と、この第1シャフトから間隔を隔てていて且つこれと平行な第2シャフト82と、を更に含む。シャフト80、82の上端(図8に示すように)を支持するための第1軸受アセンブリ84が設けられ、シャフト80、82の下端を支持するため、軸受ハウジング88内に位置した第2軸受アセンブリ86が設けられている。シャフト80、82は、ギアボックス83内で長手方向軸線を中心に反転方向に回転するようになっている。シャフト80の一方は駆動機構を介して駆動モータ(図示せず)に連結され、シャフトは、使用中、該シャフト80、82が同じ速度で、しかし反対方向に回転するようにタイミング歯車90によって互いに連結される。
第1ロータ92が排気室74内で回転運動可能に第1シャフト80に取り付けられ、第2ロータ94が第2シャフト82に同様に取り付けられている。2つのロータ92、94の各々は、ほぼ円筒形状を有する入口76に近い第1部分及びテーパ形状を有する出口78に近い第2部分を有する。各ロータは、そのその外面に形成された螺旋羽根又はねじ96、98をそれぞれ有し、ねじは、図示のように噛み合っている。
ロータ92、94のスクリューねじは、各ロータの第1部分では、実質的に一定の外径を有し、各ロータの第2部分では、ポンプ70の出口78に向かって漸減してテーパする外径を有する。ポンプの使用中ステータとして作用する、排気室74の内面は、ロータの外径の形状と一致して形成されている。
排気室74内でのロータ92、94の軸線方向位置を調整するために、ポンプ70は、サーボモータ100を含み、該サーボモータは、これに取り付けられた親ねじ102を回転させる。親ねじ102は軸受ハウジング88に設けられた親ねじと一致したねじ孔104に噛み合っているから、軸受ハウジング88は排気室74に対して軸線方向に移動するピストンとして作用してポンプ70のテーパ部分にわたってロータ対ステータの隙間を調整する。サーボモータ100の作動は任意適当な機構によって制御する事ができる。例えば、センサー106、例えばホール効果センサー106が、ロータとステータの間の軸受アセンブリ線方向隙間の大きさd又は変化率を示す信号をモータ100に、或いは図示のように、別個の制御器108に提供することができ、モータ100の動作をセンサー106から受けた信号に従って制御して、ロータを軸線方向に移動させ軸線方向隙間を増減することができる。
この第2実施形態では、ロータをステータに対して軸線方向に移動させるための機構は、第1実施形態に仕様されたような、全体的にテーパしたスクリューねじ付のロータを移動させるのにも仕様することができることは勿論である。図9に示す第3実施形態では、この機構は、テーパしてないスクリューねじ112付のロータ110を軸線方向に移動させ、それによって、プロセス媒体をロータ110の端から掻いて再スタート不良を防止するために、例えば、ロータ110とステータ114の端面116、118との間の軸線方向隙間を調整するのに使用される。この実施形態では、固定軸受アセンブリ84は、浮動軸受アセンブリで置き換えられており、浮動軸受アセンブリでは、軸受は、ロータ110の軸線方向移動とともに軸線方向に移動する軸受ハウジング120内に置かれている。軸受ハウジング120の外壁122とギアボックス83の壁124との間の厳密な隙間は軸受ハウジング120の半径方向位置を調整するのに役立ち、軸受ハウジング120の外壁122は、オイルがギアボックス83から排気室126に入るのを防止する流体密封機構(図示せず)を担持する。軸受アセンブリ86のハウジング88は、排気室126を密封するどうような密封機構(図示せず)を担持する。
図10に示す実施形態では、スクリューねじロータ110は、多段容積形ポンプをなすためにノルゼイ(Northey)ロータ130で置き換えられており、ロータの軸線方向移動がロータ130の面とステータ132の向かい合い面との間の軸線方向隙間を調整する。
図11は、第1実施形態のスクリューねじと同様、ポンプの入口から出口に向かう方向に漸減してテーパしたルーツロータ140を有する乾式ポンプを示す。ステータ142の内面はポンプ出口に向かってロータと一致してテーパしている。この実施形態では、ロータの軸線方向移動はロータ140とステータ142との間の半径方向隙間を調整する。この実施形態では、ロータ140の端はロータ140を収容する排気室の端面144、146との間の軸線方向隙間は、ロータのステータ142に対する軸線方向移動で実質的に一定に維持される。図11に示すように、端面144、146とシャフト80、82の端を支持する軸受アセンブリのハウジング88、120によって構成され手いるから、端面144、146はロータ140と一緒に移動する。
図8ないし11では、ロータをステータに対して軸線方向に移動させるための機構はポンプの低圧(入口)端に設置される。しかしながら、この機構を変形例としてポンプの高圧(排気)端に設置されてもよい。
その上、図8ないし11に示す実施形態では、軸線方向隙間がセンサー106で監視されるが、背圧、排気温度、電力消費及び又は入口圧力のような、ポンプの他の作動パラメータを、ポンプ70の使用中、ロータの軸線方向位置を調整するのに使用するために制御器108に伝えてもよいし或いはモータ100に直接伝えてもよい。このような信号は、適当に位置したセンサーからの出力でもよいし、或いは適宜、ロータ回転を駆動するモータからの出力でもよい。
このようなセンサーからの出力信号に応答してロータの軸線方向位置を調整することのみならず、これらの信号に応答して他の作動パラメータを調整してもよい。例えば、ステータの廻りに延びる冷却ジャケット又は他の熱伝達装置に供給される冷却水の温度及び又は流量を隙間の大きさに応じて調整することができ、ステータをロータの膨張収縮に追従させることができる。
要するに、ステータを有し、ステータが、該ステータ内で逆回転するようになった第1及び第2の噛み合ったロータを収容し、ポンプの使用中、ステータ内のロータの軸線方向位置を能動的に制御するための手段を有する乾式ポンプを提供する。
スクリューポンプの第1実施形態の側面図である。 図1のポンプの平面図である。 図1に書かれた平面B−Bの断面を示す。 図2に書かれた平面A−Aの断面を示す。 図1のポンプのロータの軸線方向移動を行わせるための手段の平面図である。 図5に書かれた平面A−Aの断面を示す。 図1のポンプのロータの軸線方向移動を行わせるための手段の斜視図である。 スクリューポンプの第2実施形態の断面を示す。 スクリューポンプの第3実施形態の断面を示す。 ノルゼイポンプの実施形態の断面を示す。 ルーツポンプの実施形態の断面を示す。

Claims (37)

  1. ステータを有し、該ステータが、該ステータ内で逆回転するようになった第1及び第2の噛み合ったロータを収容し、ポンプの使用中、ロータとステータの間の少なくとも1つの隙間を変えるためにステータ内でロータの軸線方向移動を行わせるための手段を有する、乾式ポンプ。
  2. ロータの軸線方向移動を行わせるための手段は、ポンプの作動中ロータに生じた軸線方向荷重に応答してロータの軸線方向移動を行わせるように構成される、請求項1に記載のポンプ。
  3. 各ロータは、ポンプ内に回転自在に取り付けられたそれぞれのシャフトに取り付けられ、又はそれぞれのシャフトと一体である、請求項2に記載のポンプ。
  4. シャフトをステータに対して回転自在に支持するための軸受アセンブリを有し、ロータの軸線方向移動を行わせるための手段は、軸受アセンブリをステータに対して移動させるように構成されている、請求項3に記載のポンプ。
  5. 軸受アセンブリはハウジング内で軸線方向に自由に移動し、ロータの軸線方向移動を行わせるための手段は、ロータに対して配置されたスプリング機構からなり、ロータが軸線方向荷重を受けたとき、スプリング機構は圧縮し又は伸長して軸線方向反作用荷重を引き起こし、それによって、ときがたつにつれてロータの軸線方向位置を変える、請求項4に記載のポンプ。
  6. スプリング機構は、軸受アセンブリとハウジングの端面との間でハウジング内に位置決めされた設定用スプリングからなる、請求項5に記載のポンプ。
  7. ハウジングは、ロータに向かって半径方向内方に延びる端面を有する円筒ハウジングである、請求項5又は6に記載のポンプ。
  8. スプリング機構は、ロータが受けそうな最大軸線方向荷重がスプリング機構の弾性限度を超えないように選択される、請求項5ないし7のいずれかに記載のポンプ。
  9. ロータの軸線方向移動を行わせるための手段の作動を能動的に制御するための制御手段を有する、請求項1に記載のポンプ。
  10. ロータの軸線方向移動を行わせるための手段はアクチエータからなり、制御手段は、アクチエータの作動を制御し、それによってロータの軸線方向位置を制御するように構成されている、請求項9に記載のポンプ。
  11. 各ロータは、ポンプ内に回転自在に取り付けられたそれぞれのシャフトに取り付けられ、又はそれぞれのシャフトと一体であり、アクチエータは、シャフトを軸線方向に移動させ、それによってロータの軸線方向の移動を行わせるように構成されている、請求項10に記載のポンプ。
  12. ロータの軸線方向の移動を行わせるための手段は、アクチエータに係合する駆動シャフトを回転させるためのモータからなり、制御手段は、駆動シャフトの回転でアクチエータをステータに対して軸線方向に移動させるようにモータの作動を制御するように構成されている、請求項10又は11に記載のポンプ。
  13. 駆動シャフトは、アクチエータに設けられたねじ孔の中を通る親ねじからなる、請求項12に記載のポンプ。
  14. シャフトをステータに対して回転自在に支持するための軸受アセンブリを有し、アクチエータは、軸受アセンブリをステータに対して移動させるように構成されている、請求項11ないし13に記載のポンプ。
  15. アクチエータは、軸受アセンブリのためのハウジングの一部を有する、請求項14に記載のポンプ。
  16. ハウジングは内部ポンプ密封機構を含む、請求項14に記載のポンプ。
  17. ハウジングはステータの端面を構成する、請求項15又は16に記載のポンプ。
  18. 軸受アセンブリはロータの各々の一端を支持し、ロータの各々の他端を支持するための第2の軸受アセンブリが設けられている、請求項12ないし17のいずれかに記載のポンプ。
  19. 第2の軸受アセンブリはロータの軸線方向移動で軸線方向に移動するように構成されている、請求項18に記載のポンプ。
  20. 第2の軸受アセンブリのハウジングは内部ポンプ密封機構を含む、請求項19に記載のポンプ。
  21. 第2の軸受アセンブリのハウジングはステータの端面を構成する、請求項19又は20に記載のポンプ。
  22. 制御手段は、ポンプの作動パラメータの値を検出するための手段を有し、且つ、作動パラメータの検出された値に応答してロータの軸線方向移動を行わせるための手段を制御するように構成されている、請求項9ないし21のいずれかに記載のポンプ。
  23. 作動パラメータは、ステータの温度、ステータ内の温度、背圧、ポンプの電力消費、及びポンプの入口での圧力のうちの1つからなる、請求項22に記載のポンプ。
  24. 制御手段は、ロータとステータとの間の隙間の大きさを検出するためのセンサーからなり、且つ、隙間の検出された大きさに応答してロータの軸線方向移動を行わせるための手段を制御するように構成されている、請求項9ないし23のいずれかに記載のポンプ。
  25. 制御手段は、ロータとステータとの間の隙間の変化率を検出するためのセンサーからなり、且つ、検出された変化率に応答してロータの軸線方向移動を行わせるための手段を制御するように構成されている、請求項9ないし23のいずれかに記載のポンプ。
  26. センサーはホール効果センサーからなる、請求項24又は25に記載のポンプ。
  27. 制御手段は、ポンプの使用中隙間の大きさを引き続いて、増減するためにロータの軸線方向移動を行わせるための手段を制御するように構成されている、請求項9ないし26のいずれかに記載のポンプ。
  28. 制御手段は、隙間の大きさの増加率が隙間の大きさの減少率と異なるように、ロータの軸線方向移動を行わせるための手段の作動を制御するように構成されている、請求項9ないし27に記載のポンプ。
  29. 各ロータの少なくとも一部は
    スクリューねじの少なくとも一部は好ましくは、ポンプの入口からポンプの出口に向かう方向に漸減してテーパする外径を有する、請求項1ないし28のいずれかに記載のポンプ。
  30. 各ロータの少なくとも一部は、ポンプの出口に向かってテーパする外径を有する、請求項29に記載のポンプ。
  31. ロータはルーツ輪郭を有する請求項1ないし30のいずれかに記載のポンプ。
  32. ロータはノルゼイ輪郭を有する請求項1ないし30のいずれかに記載のポンプ。
  33. ロータは雄ねじロータである、請求項1ないし30のいずれかに記載のポンプ。
  34. ステータを有し、該ステータが、ステータ内で逆回転するようになった第1と第2の噛み合ったロータを収容する、ポンプの作動を制御する方法であって、ロータが静止しているときロータとステータとの間の軸線方向隙間を増大させるためにロータをステータに対して軸線方向に移動させる段階と、引き続いて、ロータの回転を開始する段階と、ロータの回転中、ロータとステータとの間の軸線方向隙間を減少させるためにロータをステータに対して軸線方向に移動させる段階と、を含む、ポンプの作動制御方法。
  35. 引き続いて、軸線方向隙間から付着物を除去するためにポンプの使用中軸線方向隙間を増減させる段階を更に含む、請求項34に記載の方法。
  36. 軸線方向隙間は、ポンプの使用中周期的に増減される、請求項35に記載の方法。
  37. ステータを有し、該ステータが、ステータ内で逆回転するようになった第1と第2の噛み合ったロータを収容する、ポンプの作動を制御する方法であって、ロータとステータとの間の軸線方向隙間を周期的に変えて軸線方向隙間から付着物を除去するために、ロータをステータに対して反対方向に引き続き軸線方向に移動させる段階を含む、ポンプの作動制御方法。
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