JP2009264271A - ターボチャージャにおけるスラスト軸受機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単、かつコンパクトな構成で、スラストベアリングにおけるスラスト荷重を受ける面積を内部自律的に変更することができるターボチャージャにおけるスラスト軸受機構を提供する。
【解決手段】スラスト軸受機構Sは、ロータシャフト10に一体回転可能に取り付けられるスラストカラー20を有し、スラストカラー20は第1及び第2壁部22,23を備える。スラスト軸受機構Sは、内周部が第1及び第2壁部22,23の間に位置するようにハウジングHに固定された第1スラストベアリング24を有するとともに、第2壁部23よりコンプレッサ側に配設された第2スラストベアリング25を有する。スラスト軸受機構Sは、第2スラストベアリング25を第2壁部23に向けてスライド移動させるスライドカム30を有するとともに、排気圧力と吸入圧力との圧力差が所定値を超えるとスライドカム30を駆動させるエアシリンダ35を有する。
【選択図】図3
【解決手段】スラスト軸受機構Sは、ロータシャフト10に一体回転可能に取り付けられるスラストカラー20を有し、スラストカラー20は第1及び第2壁部22,23を備える。スラスト軸受機構Sは、内周部が第1及び第2壁部22,23の間に位置するようにハウジングHに固定された第1スラストベアリング24を有するとともに、第2壁部23よりコンプレッサ側に配設された第2スラストベアリング25を有する。スラスト軸受機構Sは、第2スラストベアリング25を第2壁部23に向けてスライド移動させるスライドカム30を有するとともに、排気圧力と吸入圧力との圧力差が所定値を超えるとスライドカム30を駆動させるエアシリンダ35を有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、ターボチャージャにおけるスラスト軸受機構に関する。
一般に、ターボチャージャは、車両エンジンの排気系に設けられるタービンと、車両エンジンの吸気系に設けられるコンプレッサとを備えている。タービンに設けられたタービンホイールと、コンプレッサに設けられたコンプレッサホイールとは、ロータシャフトによって一体回転可能に連結されている。また、このロータシャフトは、スラスト軸受によって軸方向への移動を規制可能に、センターハウジングに支持されている。一般に、スラスト軸受は、ロータシャフトに一体回転可能に取り付けられたスラストカラーと、センターハウジングに固定されたスラストベアリングとからなる。
このようなターボチャージャにおいて、例えば、コンプレッサ出口の圧縮空気圧力の増加よりも、タービン入口の排気ガス圧力が増加すると、その圧力差に起因してタービン側からコンプレッサ側への過大なスラスト荷重が発生し、スラストベアリングに過大なスラスト荷重が加わる。この過大なスラスト荷重を受けることとなるスラストベアリングの破損を防ぐためには、スラストカラーの外径を大きくし、スラストベアリングにおけるスラスト荷重を受ける面積を増大させる方法が一般的である。
しかし、この方法では、スラストカラーの外径が大きくなることで、スラストカラーのスラストベアリングへの接触面積が増大してしまい、ターボ回転の応答性が悪くなって(所謂、ターボラグが発生して)好ましくない。また、スラスト荷重の小さい時でも、スラストベアリングに外径の大きなスラストカラーが接触することとなるため、スラストベアリングとスラストカラーとの間の摩耗量の増大、及び温度上昇を招いてしまい、スラストベアリングの強度及び耐久性の低下や潤滑油の劣化という問題が発生して好ましくない。
よって、スラスト荷重の大きさに応じて、スラストベアリングにおけるスラスト荷重を受ける面積を変更可能にしたスラスト軸受機構が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1のスラスト軸受機構は、回転軸に取り付けられた円盤状のスラストカラーを有している。さらに、スラスト軸受機構は、スラストカラーに対峙してスラスト荷重を受けるようにケーシングに取り付けられた受圧部材を有している。この受圧部材は、環状に2分割されており、回転軸側の内側受圧部材と、この内側受圧部材より径方向外側の外側受圧部材とからなる。内側受圧部材はケーシングに直接支持されるとともに、外側受圧部材の背面はピストンを介してシリンダに接続されている。シリンダ内において、ピストンを挟む両シリンダ室には、タンク、ポンプ、切換弁を経てタンクから作動流体が供給されるようになっている。
そして、特許文献1のスラスト軸受機構において、スラスト荷重が小さい場合、切換弁によってタンクが一方のシリンダ室に接続されるとともに、一方のシリンダ室に作動流体が供給される。このため、外側受圧部材はケーシングに押し付けられ、スラスト荷重は内側受圧部材だけで受けられる。一方、スラスト荷重が大きくなると、切換弁によってタンクが他方のシリンダ室に接続されるとともに、他方のシリンダ室に作動流体が供給される。このため、ピストンの移動によって外側受圧部材がスラストカラーに向けて移動し、スラスト荷重が内側受圧部材だけでなく外側受圧部材でも受けられる。すなわち、スラスト荷重を受ける面積が増大する。
実開昭59−185414号公報
ところが、特許文献1のスラスト軸受機構は、スラスト荷重の大きさに応じて切換弁を作動させる必要があるため、外部からスラスト荷重の大きさを監視し、切換弁を制御する切換弁作動指示装置を必要とし、さらに、ピストン室に作動流体を供給するためのタンク及びポンプを必要とする。このため、特許文献1のスラスト軸受機構は、その構成が複雑になるとともに大型であるという問題があった。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、簡単、かつコンパクトな構成で、スラストベアリングにおけるスラスト荷重を受ける面積を内部自律的に変更することができるターボチャージャにおけるスラスト軸受機構を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、タービンに設けられたタービンホイールと、コンプレッサに設けられたコンプレッサホイールとを一体回転可能に連結するロータシャフトがハウジングに支持されてなるターボチャージャにおけるスラスト軸受機構であって、前記ロータシャフトに一体回転可能に取り付けられるスラストカラーを有し、該スラストカラーは前記ロータシャフトの径方向に沿って外方へ突出する第1壁部、及び該第1壁部より前記コンプレッサ側に位置する第2壁部を備え、また、前記ロータシャフトを取り囲み、かつ内周部が前記第1壁部と第2壁部の間に位置するように前記ハウジングに固定された第1のスラストベアリングを有するとともに、前記ロータシャフトを取り囲むように前記第2壁部より前記コンプレッサ側に配設された第2のスラストベアリングを有しており、さらに、前記ロータシャフトの軸方向に沿って前記第2のスラストベアリングを前記第2壁部に向けてスライド移動させるスライド機構を有するとともに、前記タービンにおける排気圧力と前記コンプレッサにおける吸入圧力との圧力差が所定値を超えると、前記第2のスラストベアリングが前記第2壁部に向けてスライド移動するように前記スライド機構を駆動させるアクチュエータを有することを要旨とする。
これによれば、排気圧力と吸入圧力との圧力差が所定値未満のとき(スラスト荷重が小さいとき)は、スラスト荷重は第1壁部を介して第1のスラストベアリングだけで受承される。一方、圧力差が所定値を超え、スラスト荷重が過大となったときは、アクチュエータ及びスライド機構の駆動により第2のスラストベアリングを第2壁部に向けてスライド移動させ、スラスト荷重を第2壁部を介して第2のスラストベアリングでも受承することができる。すなわち、スラスト荷重が過大となったときは、第1及び第2のスラストベアリングでスラスト荷重を受承し、その受承する面積を増加させることができる。
そして、スラスト軸受機構は、排気圧力と吸入圧力の圧力差といったターボチャージャ内部で必ず発生する現象を利用して、スラストベアリングがスラスト荷重を受ける面積を変化(増減)させることができる。すなわち、本発明のターボチャージャは、圧力差に基づいて駆動するアクチュエータ、及び該アクチュエータの駆動によって駆動するスライド機構を設けるだけで、内部自律的にスラスト荷重を受ける面積を変化させることができる。したがって、背景技術のように、スラスト荷重の大きさに応じてスラスト荷重を受ける面積を変化させるために、切換弁をはじめ、スラスト荷重を外部から監視し、切換弁を作動させる切換弁作動指示装置、さらには、切換弁に作動流体を供給するためのタンク及びポンプを必要としない。加えて、アクチュエータは圧力差に基づいて駆動するため、切換弁、タンク、及びポンプを駆動させるような電力供給を一切必要とせず、配線や通電制御等の装置も必要としない。よって、本発明のターボチャージャのスラスト軸受機構は、簡単、かつコンパクトな構成で、スラストベアリングにおけるスラスト荷重を受ける面積を内部自律的に変更することができる。
また、前記第2壁部における前記ロータシャフトの径方向に沿った突出長さが前記第1壁部における前記突出長さより長く形成されていてもよい。これによれば、圧力差が所定値を超えたとき(スラスト荷重が過大となったとき)は、第2のスラストベアリングは突出長さの長い第2壁部、すなわち、第1壁部に比して第2のスラストベアリングへの接触面積が大きい第2壁部からスラスト荷重を受けることとなる。したがって、第2のスラストベアリングにおけるスラスト荷重を受ける面積を確実に増加させることができ、過大なスラスト荷重を確実に受承することができる。
また、前記スライド機構は、前記ロータシャフトに回転可能に支持されるとともに前記アクチュエータに連結され、かつ第1カム面を備えた第1カム体と、前記ロータシャフトの軸方向に沿ってスライド移動可能にロータシャフトに支持されるとともに前記第1カム面に係合可能な第2カム面を備える第2カム体とからなり、前記アクチュエータの駆動に伴い前記第1カム体が回転すると前記第1カム面と第2カム面の係合によって前記第2カム体が前記ロータシャフトの軸方向に沿って前記第2のスラストベアリングに向けてスライド移動するとともに、第1カム面と第2カム面の係合によって、第2カム体が第2スラストベアリングに向けてスライド移動した状態が維持されるように構成されていてもよい。
これによれば、第2カム体が第2のスラストベアリングに向けてスライド移動した後は、第1カム面と第2カム面の係合によって、第2カム体の第1カム体へ向けた移動規制(バックアップ)をする必要がなく、第2のスラストベアリングを第2壁部に向けてスライド移動させた状態に維持することができる。したがって、第2カム体のバックアップのために別部材を設ける必要がなく、簡単な構成で第2のスラストベアリングを第2壁部に向けてスライド移動させた状態を維持することができる。
また、前記スライド機構は、前記第2のスラストベアリングと前記アクチュエータとを連結するリンク機構からなるものであってもよい。これによれば、簡単な構成で第2のスラストベアリングを第2壁部に向けてスライド移動させることができる。したがって、スライド機構を備えたスラスト軸受機構の構成をより簡単なものにすることができる。
本発明によれば、簡単、かつコンパクトな構成で、スラストベアリングにおけるスラスト荷重を受ける面積を内部自律的に変更することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を車両に搭載されるターボチャージャにおけるスラスト軸受機構に具体化した第1の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
以下、本発明を車両に搭載されるターボチャージャにおけるスラスト軸受機構に具体化した第1の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1に示すように、ターボチャージャ11のハウジングHは、センターハウジング12と、このセンターハウジング12の一端に連結されたタービンハウジング13と、センターハウジング12の他端にシールプレート14を介して連結されたコンプレッサハウジング15とからなる。そして、ターボチャージャ11は、一端側にタービンTを有し、他端にコンプレッサCを有するとともに、タービンTは自動車における内燃機関(図示略)の排気通路(図示略)に配設されるとともに、コンプレッサCは内燃機関の吸気通路(図示略)に配設される。
センターハウジング12には軸孔12aが貫設されるとともに、この軸孔12a内にはロータシャフト10が第1ラジアルベアリング16a及び第2ラジアルベアリング16bを介して回転可能に支持されている。なお、第1ラジアルベアリング16aは、ロータシャフト10のタービンT側を回転可能に支持し、第2ラジアルベアリング16bはロータシャフト10のコンプレッサC側を回転可能に支持している。
ロータシャフト10の一端にはタービンホイール17が固定されるとともに、このタービンホイール17はタービンハウジング13内に配設されている。また、ロータシャフト10の他端にはコンプレッサホイール18が固定されるとともに、このコンプレッサホイール18はコンプレッサハウジング15内に配設されている。そして、タービンホイール17とコンプレッサホイール18とは、ロータシャフト10によって連結されるとともに、タービンホイール17、ロータシャフト10及びコンプレッサホイール18は、中心軸Lを回転中心にして一体回転可能になっている。
また、タービンハウジング13には、タービンホイール17の外周を囲むように延びるスクロール通路13aが形成されるとともに、タービンホイール17の軸方向に延びる排出ポート13bとが形成されている。スクロール通路13aは内燃機関の排気通路(図示略)と連通されており、内燃機関の燃焼室からの排気ガスがこの排気通路を介してスクロール通路13aに送り込まれる。そして、スクロール通路13aの排気ガスはこのタービンホイール17に向けて吹きかけられる。これにより、タービンホイール17が中心軸Lを中心に回転するようになる。その後、排気ガスは排出ポート13bに排出されて、排気通路に戻される。
コンプレッサハウジング15には、コンプレッサホイール18の軸方向に延びる吸入ポート15bと、コンプレッサホイール18の外周を囲むように延びて内燃機関の吸気通路(図示略)と連通するコンプレッサ通路15aとが形成されている。そして、ロータシャフト10の回転に伴って、コンプレッサホイール18が中心軸Lを中心に回転すると、吸入空気が吸入ポート15b、及びコンプレッサ通路15aを介して内燃機関の吸気通路へ強制的に送り出される(過給される)ようになっている。
ターボチャージャ11のハウジングHには、スラスト荷重を受承してロータシャフト10の中心軸Lに沿った方向(以下、軸方向とする)への移動を規制するスラスト軸受機構Sが設けられている。以下、スラスト軸受機構Sについて詳細に説明する。
まず、図2に示すように、ロータシャフト10において、第2ラジアルベアリング16bによって支持された部位は大径部をなし、この大径部よりコンプレッサC側は大径部より小径の小径部となっている。そして、ロータシャフト10における大径部と小径部の間には、段差が形成されている。
さて、スラスト軸受機構Sは、ハウジングHの一部たるシールプレート14に形成された収容凹部14a内に設けられている。収容凹部14a内に位置するロータシャフト10において、小径部には筒状をなすスラストカラー20がロータシャフト10と一体回転可能に取り付けられている。スラストカラー20は、ロータシャフト10の段差への当接によって大径部側への移動が規制されている。
スラストカラー20は、円筒状をなす筒状基部21を備えるとともに、筒状基部21における軸方向の一端側(タービンT側)にロータシャフト10の径方向に沿って外方へ円環状に突出する第1壁部22を、軸方向の他端側(コンプレッサC側)にロータシャフト10の径方向に沿って外方へ円環状に突出する第2壁部23を一体に備える。スラストカラー20において、第1壁部22と第2壁部23はロータシャフト10の軸方向に間隔を空けて形成されている。また、ロータシャフト10の径方向に沿った第1壁部22の突出長さ(外径)は、第2壁部23の突出長さ(外径)より短くなっている。
また、シールプレート14の収容凹部14a内には、第1のスラストベアリングとしての略円盤状をなす第1スラストベアリング24が配設されるとともに、この第1スラストベアリング24はセンターハウジング12とシールプレート14によって固定されている。この第1スラストベアリング24は、ロータシャフト10を取り囲み、かつ内周部がスラストカラー20の第1壁部22と第2壁部23の間に位置するようにセンターハウジング12とシールプレート14によって固定されている。
第1スラストベアリング24の内周部において、第1壁部22の内面に対向する部位は第1の受承面24aを形成し、この第1の受承面24aはロータシャフト10のスラスト荷重を受承する。一方、第1スラストベアリング24の内周部において、第2壁部23の内面に対向する部位は第2の受承面24bを形成し、この第2の受承面24bはロータシャフト10の反スラスト荷重を受承する。ロータシャフト10の径方向に沿った突出長さが、第1壁部22の方が第2壁部23より短いため、第1スラストベアリング24における第1の受承面24aの面積は第2の受承面24bの面積より小さくなっている。
また、シールプレート14の収容凹部14a内において、スラストカラー20の第2壁部23よりコンプレッサC側には、第2のスラストベアリングとしての略円盤状をなす第2スラストベアリング25が配設されている。第2スラストベアリング25は、ロータシャフト10の軸方向に沿ってスライド移動可能となるように収容凹部14a内に収容されている。第2スラストベアリング25の内周部において、第2壁部23の外面(コンプレッサC側の面)に対向する部位は第3の受承面25aを形成し、この第3の受承面25aはロータシャフト10のスラスト荷重を第2壁部23から受承する。ロータシャフト10の径方向に沿った突出長さが、第2壁部23の方が第1壁部22より長いため、第2スラストベアリング25における第3の受承面25aの面積は、第1スラストベアリング24における第1の受承面24aの面積より大きくなっている。
さらに、シールプレート14の収容凹部14a内において、第2スラストベアリング25よりコンプレッサC側には、スライド機構としてのスライドカム30が配設されている。スライドカム30は、ロータシャフト10に対し回転可能に装着された円筒状をなす第1カム体31と、ロータシャフト10に対し軸方向へスライド移動可能に装着された第2カム体33とからなる。
第1カム体31における第2カム体33への対向面には、第1カム体31の全周に亘って延びる第1カム面32が形成されている。この第1カム面32は、ロータシャフト10の軸方向に直交するように第1カム体31の周方向に沿って延びる第1係合面32aを複数備える。複数の第1係合面32aは、第1カム体31の周方向に等間隔をおいて形成されている。また、第1カム面32は、各第1係合面32aそれぞれに連続するように複数の第1スライド面32bを備え、第1スライド面32bそれぞれは第1係合面32aの延びる方向に対し斜めに延びるように形成されている。
さらに、第1カム面32は、各第1スライド面32bそれぞれに連続するように複数の第1被係合面32cを備えるとともに第1被係合面32cそれぞれはロータシャフト10の軸方向に直交して第1カム体31の周方向に沿って延びるように形成されている。すなわち、第1係合面32aと第1被係合面32cとは、互いに平行をなすように延びるとともに、ロータシャフト10の軸方向にずれた位置に配置されている。加えて、第1カム面32は、各第1被係合面32cそれぞれに連続するように複数の第1係止面32dを備えるとともに各第1係止面32dそれぞれは第1被係合面32cの延びる方向に対し直交するように形成されている。
一方、第2カム体33における第1カム体31の対向面には、第2カム体33の全周に亘って延びる第2カム面34が形成されている。第2カム面34は、ロータシャフト10の軸方向に直交するように第2カム体33の周方向に沿って延びる第2係合面34aを複数備える。複数の第2係合面34aは、第2カム体33の周方向に等間隔をおいて形成されている。そして、第1カム体31が回転せず、かつ第2カム体33がスライド移動していない状態では、第2係合面34aは、第1カム体31の第1被係合面32cに対向配置されている。
また、第2カム面34は、各第2係合面34aそれぞれに連続するように複数の第2スライド面34bを備え、第2スライド面34bそれぞれは第2係合面34aの延びる方向に対し斜めに延びるように形成されている。そして、第1カム体31が回転せず、かつ第2カム体33がスライド移動していない状態では、第2スライド面34bは、第1カム体31の第1スライド面32bに対向配置されている。
さらに、第2カム面34は、各第2スライド面34bそれぞれに連続するように複数の第2被係合面34cを備えるとともに第2被係合面34cそれぞれはロータシャフト10の軸方向に直交して第2カム体33の周方向に沿って延びるように形成されている。すなわち、第2係合面34aと第2被係合面34cとは、互いに平行をなすとともに、ロータシャフト10の軸方向にずれた位置に配置されている。そして、第1カム体31が回転せず、かつ第2カム体33がスライド移動していない状態では、第2被係合面34cは、第1カム体31の第1係合面32aに対向配置されている。
加えて、第2カム面34は、各第2被係合面34cそれぞれに連続するように複数の第2係止面34dを備えるとともに各第2係止面34dそれぞれは第2被係合面34cの延びる方向に対し直交するように形成されている。そして、第1カム体31が回転せず、かつ第2カム体33がスライド移動していない状態では、第2係止面34dは、第1カム体31の第1係止面32dに係止している。
図3に示すように、上記構成のスライドカム30において、第1カム体31は、第1係合面32aが第2カム体33の第2係合面34aに係合(当接)するまで回転可能になっている。そして、ロータシャフト10の軸方向に沿った第1係合面32aから第1被係合面32cまでの距離は、第1カム体31が回転した際に、第2カム体33がロータシャフト10の軸方向に沿ってスライド移動可能な距離となっている。そして、この第2カム体33がスライド移動可能な距離は、第2スラストベアリング25と第2壁部23の外面との間に形成される隙間の最大長さと同じになっている。
また、図2に示すように、シールプレート14の収容凹部14a内には、アクチュエータとしてのエアシリンダ35が配設されている。エアシリンダ35は、ピストンロッド38の軸方向がロータシャフト10の軸方向に直交するように縦置きの態様で収容凹部14a内に配設されている。よって、エアシリンダ35のピストンロッド38は、エアシリンダ35からスライドカム30に向けて延び、スライドカム30の第1カム体31に連結されている。
エアシリンダ35のボトム室35aには通路41を介してスクロール通路13aが接続されるとともに、エアシリンダ35のロッド室35bには通路42を介してコンプレッサ通路15aが接続されている。そして、エアシリンダ35のボトム室35aには、タービンT(スクロール通路13a)における排気ガスの排気圧力PEが導入され、ロッド室35bには、コンプレッサC(コンプレッサ通路15a)における吸入空気の吸入圧力PSが導入されている。
また、エアシリンダ35のピストン36はピストンロッド38が連結されるとともに、エアシリンダ35内に設けられた付勢バネ37の付勢力によってピストンロッド38をエアシリンダ35内に没入させる方向に付勢されている。付勢バネ37の付勢力(バネ荷重)は、排気圧力PEと吸入圧力PSの圧力差が所定値を超えたときにピストン36がボトム室35aから受ける力より小さくなっている。このため、付勢バネ37は、排気圧力PEと吸入圧力PSとの圧力差が所定値を超えると収縮するように設定されている。なお、付勢バネ37の付勢力(バネ荷重)は、発生する圧力差の大きさに合わせて変更可能になっている。
上記構成のスラスト軸受機構Sにおいて、図示しないが、第1スラストベアリング24と第1壁部22及び第2壁部23との接触面、第2スラストベアリング25と第2壁部23との接触面に潤滑油を供給する潤滑油供給機構が設けられている。
さて、上記構成のターボチャージャ11において、スクロール通路13aにおける排気圧力PEと、コンプレッサ通路15aにおける吸入圧力PSとの圧力差が所定値未満にあり、タービンT側からコンプレッサC側へのスラスト荷重が小さいときは、図2に示すように、第1壁部22は第1スラストベアリング24に押し付けられる。すると、スラスト荷重は第1スラストベアリング24の第1の受承面24aで受承される。このとき、排気圧力PEと吸入圧力PSの圧力差が所定値未満であるため、ピストンロッド38は移動せず、第1カム体31も回転しない。よって、第2カム体33もスライド移動せず、第2スラストベアリング25は第2壁部23との間に間隔をおいて配設されている。
スクロール通路13aにおける排気圧力PEが過大となり、排気圧力PEと吸入圧力PSとの圧力差が所定値を超え、タービンホイール17からロータシャフト10に作用するスラスト荷重が過大となると、図3に示すように、第1壁部22は第1スラストベアリング24に押し付けられる。すると、スラスト荷重は第1スラストベアリング24の第1の受承面24aで受承される。
さらに、排気圧力PEと吸入圧力PSの圧力差が所定値を超えたため、ピストンロッド38がエアシリンダ35から伸張し、このピストンロッド38の伸張によって第1カム体31が矢印Yに示す方向へ正回転する。すると、第1カム体31の第1係合面32aが第2カム体33の第2スライド面34bに沿って移動し、この第1カム体31の回転により第2カム体33が第2スラストベアリング25に向けて押圧されるとともに、ロータシャフト10の軸方向に沿ってスライド移動する。そして、第1カム体31の第1係合面32aが、第2カム体33の第2係合面34aに係合すると、第1カム体31の回転及び第2カム体33のスライド移動が停止する。
その結果、第2カム体33の第2スラストベアリング25に向けたスライド移動により、第2スラストベアリング25が第2カム体33によって押圧され、第2スラストベアリング25が第2壁部23に向けてスライド移動するとともに、第2カム体33によってコンプレッサC側へ移動しないように支持される。すると、第2スラストベアリング25と第2壁部23との間隔が狭くなり、スラスト荷重を受けた第2壁部23が第2スラストベアリング25に押し付られる。このため、過大なスラスト荷重が第2スラストベアリング25の第3の受承面25aでも受承される。すなわち、過大なスラスト荷重が、第1スラストベアリング24及び第2スラストベアリング25の両方で受承され、スラスト荷重を受承する面積が増加する。
そして、排気圧力PEと吸入圧力PSの圧力差が所定値未満となり、スラスト荷重が小さくなると、付勢バネ37の付勢力によってピストンロッド38がエアシリンダ35に没入し、第1カム体31が矢印Yと反対方向へ逆回転する。すると、第2カム体33も逆回転し、第2カム体33による第2スラストベアリング25の押圧が解除されるとともに、第2壁部23による第2スラストベアリング25への押し付けが解除され、スラスト荷重を受承する面積が減少する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)スラスト軸受機構Sとして、第1スラストベアリング24及び第2スラストベアリング25を設けるとともに、スラストカラー20の第1壁部22を第1スラストベアリング24に対向配置させ、第2壁部23を第2スラストベアリング25に対向配置させた。さらに、排気圧力PEと吸入圧力PSとの圧力差が所定値を超えるとピストンロッド38を伸張させるエアシリンダ35を設けるとともに、ピストンロッド38の伸張によって駆動するスライドカム30を設けた。そして、排気圧力PEと吸入圧力PSとの圧力差が所定値未満のとき(スラスト荷重が小さいとき)は、第1スラストベアリング24だけでスラスト荷重を受承するようにした。一方、圧力差が所定値を超え、スラスト荷重が過大となったときは、エアシリンダ35及びスライドカム30の駆動により第2スラストベアリング25を第2壁部23に向けてスライド移動させ、第2スラストベアリング25でもスラスト荷重を受承するようにした。すなわち、スラスト荷重が過大となったときは、スラスト荷重を受ける面積を増加させるようにした。
(1)スラスト軸受機構Sとして、第1スラストベアリング24及び第2スラストベアリング25を設けるとともに、スラストカラー20の第1壁部22を第1スラストベアリング24に対向配置させ、第2壁部23を第2スラストベアリング25に対向配置させた。さらに、排気圧力PEと吸入圧力PSとの圧力差が所定値を超えるとピストンロッド38を伸張させるエアシリンダ35を設けるとともに、ピストンロッド38の伸張によって駆動するスライドカム30を設けた。そして、排気圧力PEと吸入圧力PSとの圧力差が所定値未満のとき(スラスト荷重が小さいとき)は、第1スラストベアリング24だけでスラスト荷重を受承するようにした。一方、圧力差が所定値を超え、スラスト荷重が過大となったときは、エアシリンダ35及びスライドカム30の駆動により第2スラストベアリング25を第2壁部23に向けてスライド移動させ、第2スラストベアリング25でもスラスト荷重を受承するようにした。すなわち、スラスト荷重が過大となったときは、スラスト荷重を受ける面積を増加させるようにした。
したがって、スラスト軸受機構Sにおいて、排気圧力PEと吸入圧力PSの圧力差といったターボチャージャ11内部で必ず発生する現象を利用して、スラスト荷重を受ける面積を変化させている。すなわち、本実施形態のターボチャージャ11は、エアシリンダ35及びスライドカム30を設けるだけで、内部自律的にスラスト荷重を受ける面積を変化させることができる。したがって、背景技術のように、スラスト荷重の大きさに応じてスラスト荷重を受ける面積を変化させるために、切換弁、切換弁を作動させるための切換弁作動指示装置、さらには、タンク及びポンプを必要としないため、ターボチャージャ11のスラスト軸受機構Sの構成を簡単、かつコンパクトにすることができる。その結果として、スラスト軸受機構Sを備えたターボチャージャ11を軽量化して車両への搭載性を良好なものにすることができる。
(2)上記(1)に記載の作用効果を発揮するスラスト軸受機構Sにおいて、例えば、スラストカラー20の第1壁部22だけで過大なスラスト荷重を第1スラストベアリング24に受承させるために第1壁部22の外径を大きくする場合と比べて、第1壁部22の外径を小さくすることができる。その結果、第1壁部の第1スラストベアリング24への接触面積を小さくしてターボ回転の応答性を良好とすることができる。また、圧力差が所定値未満のとき(スラスト荷重の小さいとき)は、第1スラストベアリング24に外径の小さな第1壁部22が接触するだけであるため、第1スラストベアリング24と第1壁部22との摩耗による温度上昇を抑えることができる。
(3)ロータシャフト10の径方向に沿った第1壁部22の突出長さ(外径)は、第2壁部23の突出長さ(外径)より短くなっている。このため、圧力差が所定値未満のとき(スラスト荷重が小さいとき)は、第1スラストベアリング24は突出長さの短い第1壁部22からスラスト荷重を受けることとなる。したがって、第1スラストベアリング24と第1壁部22との接触面積を可能な限り小さくすることで、スラスト荷重が小さいときであってもターボ回転の応答性を良好とすることができる。
(4)ロータシャフト10の径方向に沿った第2壁部23の突出長さ(外径)は、第1壁部22の突出長さ(外径)より長くなっている。このため、圧力差が所定値を超えたとき(スラスト荷重が過大となったとき)は、第2スラストベアリング25は突出長さの長い第2壁部23からスラスト荷重を受けることとなる。したがって、スラスト荷重を受ける面積を確実に増加させることができ、過大なスラスト荷重を確実に受承することができる。
(5)第1壁部22と第2壁部23を、ロータシャフト10の軸方向に並設し、第1壁部22に対向するように第1スラストベアリング24を設けるとともに、第2壁部23に対向するように第2スラストベアリング25を設けた。したがって、過大なスラスト荷重を受ける構成は、ロータシャフト10の軸方向に沿って並ぶように設けられている。したがって、過大なスラスト荷重を受けるために、スラストカラー20の壁部の外径を大きくする場合に比して、スラストカラー20の周速度を低くすることができる。
(6)スライドカム30は、第1カム体31の第1係合面32aが、第2カム体33の第2係合面34aに係合すると第2カム体33の第1カム体31へ向けたスライド移動が規制されるようになっている。このため、第2カム体33が第2スラストベアリング25に向けてスライド移動した後は、第2カム体33の第1カム体31へ向けた移動規制(バックアップ)をする必要がなく、スライドカム30そのもので第2スラストベアリング25を第2壁部23に向けてスライド移動させた状態に維持することができる。したがって、第2カム体33のバックアップのために別部材を設ける必要がなく、簡単な構成で第2スラストベアリング25を第2壁部23に向けてスライド移動させた状態を維持することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を車両に搭載されるターボチャージャにおけるスラスト軸受機構に具体化した第2の実施形態を図4及び図5にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態のスライド機構を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
次に、本発明を車両に搭載されるターボチャージャにおけるスラスト軸受機構に具体化した第2の実施形態を図4及び図5にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態のスライド機構を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
図4に示すように、シールプレート14の外部にはエアシリンダ35が配設されるとともに、このエアシリンダ35はピストンロッド38がロータシャフト10の軸方向へ延びるように配置されている。エアシリンダ35のピストンロッド38の先端には、第1リンク50の一端が第1支軸51によって連結されるとともに、第1リンク50の他端には第2リンク52の一端が回動軸53によって連結されている。さらに、第2リンク52の他端は、第2スラストベアリング25に第2支軸54によって連結されている。すなわち、エアシリンダ35のピストンロッド38と第2スラストベアリング25とは、第1リンク50、第1支軸51、第2リンク52、回動軸53、及び第2支軸54よりなるリンク機構Rによって連結されている。そして、リンク機構Rは、エアシリンダ35(ピストンロッド38)の駆動によって第2スラストベアリング25を第2壁部23に向けてスライド移動させるスライド機構を構成している。なお、回動軸53は、シールプレート14の収容凹部14a内に架設されており、リンク機構Rは、回動軸53を回動中心として回動するようになっている。
そして、第2の実施形態では、排気圧力PEと吸入圧力PSとの圧力差が所定値未満にあり、スラスト荷重が小さいときは、第1の実施形態と同様に、スラスト荷重は第1スラストベアリング24の第1の受承面24aで受承される。
排気圧力PEが過大となり、排気圧力PEと吸入圧力PSとの圧力差が所定値を超え、タービンT側からコンプレッサC側に向けて作用するスラスト荷重が過大となると、スラスト荷重は第1スラストベアリング24の第1の受承面24aで受承される。さらに、図5に示すように、ピストンロッド38がエアシリンダ35から伸張し、このピストンロッド38の伸張によってリンク機構Rが回動軸53を回動中心として回動する。すると、第2リンク52が第2スラストベアリング25に向けて押圧され、第2スラストベアリング25が第2壁部23に向けてスライド移動する。すると、過大なスラスト荷重が第2スラストベアリング25の第3の受承面25aでも受承される。すなわち、過大なスラスト荷重が、第1スラストベアリング24及び第2スラストベアリング25の両方で受承され、スラスト荷重を受承する面積が増加する。
一方、排気圧力PEと吸入圧力PSの圧力差が所定値未満となり、スラスト荷重が小さくなると、付勢バネ37の付勢力によってピストンロッド38がエアシリンダ35に没入し、リンク機構Rが第2スラストベアリング25から離れるように回動する。すると、第2リンク52による第2スラストベアリング25の押圧が解除されるとともに、第2壁部23による第2スラストベアリング25への押し付けが解除され、スラスト荷重を受承する面積が減少する。
したがって、第2の実施形態よれば、第1の実施形態に記載の(1)〜(5)に記載の効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
(7)第2スラストベアリング25を第2壁部23に向けてスライド移動させるスライド機構として、リンク機構Rを採用した。このため、簡単な構成で第2スラストベアリング25を第2壁部23に向けてスライド移動させることができる。
(7)第2スラストベアリング25を第2壁部23に向けてスライド移動させるスライド機構として、リンク機構Rを採用した。このため、簡単な構成で第2スラストベアリング25を第2壁部23に向けてスライド移動させることができる。
なお、各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 各実施形態において、ロータシャフト10の径方向に沿った第1壁部22と第2壁部23の突出長さを同じにしてもよい。
○ 各実施形態において、ロータシャフト10の径方向に沿った第1壁部22と第2壁部23の突出長さを同じにしてもよい。
○ 各実施形態において、エアシリンダ35のボトム室35aは通路41を介して排出ポート13b(タービンT)に接続されていてもよく、エアシリンダ35のロッド室35bは通路42を介して吸入ポート15b(コンプレッサC)に接続されていてもよい。
○ 第1の実施形態において、図6に示すように、第1カム体31が回転せず(シールプレート14に固定され)、第2カム体33がエアシリンダ35のピストンロッド38により回転しながら移動する構造であってもよい。
○ 第1の実施形態において、過大なスラスト荷重が発生したとき、スライドカム30における第2カム体33で第2壁部23からのスラスト荷重を受承するようにしてもよい。すなわち、第2スラストベアリング25を削除してもよく、この場合、第2カム体33が第2のスラストベアリングとなる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)前記アクチュエータは、前記圧力差に基づいて位置決めされるピストン及び該ピストンに連結されたピストンロッドを備えたエアシリンダであって、前記ピストンロッドに前記スライド機構が連結されるとともに前記ピストンロッドは前記ピストンを介した付勢バネによって没入方向へ付勢され、前記付勢バネによってピストンを付勢する力は、前記所定値を超えたときの圧力差によってピストンが受ける力より小さくなっている請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のターボチャージャにおけるスラスト軸受機構。
(1)前記アクチュエータは、前記圧力差に基づいて位置決めされるピストン及び該ピストンに連結されたピストンロッドを備えたエアシリンダであって、前記ピストンロッドに前記スライド機構が連結されるとともに前記ピストンロッドは前記ピストンを介した付勢バネによって没入方向へ付勢され、前記付勢バネによってピストンを付勢する力は、前記所定値を超えたときの圧力差によってピストンが受ける力より小さくなっている請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のターボチャージャにおけるスラスト軸受機構。
C…コンプレッサ、H…ハウジング、R…リンク機構、S…スラスト軸受機構、T…タービン、PE…排気圧力、PS…吸入圧力、10…ロータシャフト、11…ターボチャージャ、17…タービンホイール、18…コンプレッサホイール、20…スラストカラー、22…第1壁部、23…第2壁部、24…第1のスラストベアリングとしての第1スラストベアリング、25…第2のスラストベアリングとしての第2スラストベアリング、30…スライド機構としてのスライドカム、31…第1カム体、32…第1カム面、33…第2カム体、34…第2カム面、35…アクチュエータとしてのエアシリンダ。
Claims (4)
- タービンに設けられたタービンホイールと、コンプレッサに設けられたコンプレッサホイールとを一体回転可能に連結するロータシャフトがハウジングに支持されてなるターボチャージャにおけるスラスト軸受機構であって、
前記ロータシャフトに一体回転可能に取り付けられるスラストカラーを有し、該スラストカラーは前記ロータシャフトの径方向に沿って外方へ突出する第1壁部、及び該第1壁部より前記コンプレッサ側に位置する第2壁部を備え、
また、前記ロータシャフトを取り囲み、かつ内周部が前記第1壁部と第2壁部の間に位置するように前記ハウジングに固定された第1のスラストベアリングを有するとともに、前記ロータシャフトを取り囲むように前記第2壁部より前記コンプレッサ側に配設された第2のスラストベアリングを有しており、
さらに、前記ロータシャフトの軸方向に沿って前記第2のスラストベアリングを前記第2壁部に向けてスライド移動させるスライド機構を有するとともに、前記タービンにおける排気圧力と前記コンプレッサにおける吸入圧力との圧力差が所定値を超えると、前記第2のスラストベアリングが前記第2壁部に向けてスライド移動するように前記スライド機構を駆動させるアクチュエータを有することを特徴とするターボチャージャにおけるスラスト軸受機構。 - 前記第2壁部における前記ロータシャフトの径方向に沿った突出長さが前記第1壁部における前記突出長さより長く形成されている請求項1に記載のターボチャージャにおけるスラスト軸受機構。
- 前記スライド機構は、前記ロータシャフトに回転可能に支持されるとともに前記アクチュエータに連結され、かつ第1カム面を備えた第1カム体と、前記ロータシャフトの軸方向に沿ってスライド移動可能にロータシャフトに支持されるとともに前記第1カム面に係合可能な第2カム面を備える第2カム体とからなり、前記アクチュエータの駆動に伴い前記第1カム体が回転すると前記第1カム面と第2カム面の係合によって前記第2カム体が前記ロータシャフトの軸方向に沿って前記第2のスラストベアリングに向けてスライド移動するとともに、第1カム面と第2カム面の係合によって、第2カム体が第2のスラストベアリングに向けてスライド移動した状態が維持されるように構成されている請求項1又は請求項2に記載のターボチャージャにおけるスラスト軸受機構。
- 前記スライド機構は、前記第2のスラストベアリングと前記アクチュエータとを連結するリンク機構からなる請求項1又は請求項2に記載のターボチャージャにおけるスラスト軸受機構。
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- 2008-04-25 JP JP2008115645A patent/JP2009264271A/ja active Pending
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