JP2007510449A - 関節構造体およびそのためのモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】強靭で丈夫でありながら、改善された適合性を有するシート状関節構造を提供する。
【解決手段】この構造体は、平坦状態のシートの面と平行な軸並びにこのシートの面に対し垂直な軸の双方を中心として相互に回動自在な複数のモジュールからなっている。その結果、シートの密度を局所的又は全体的に変化させることができ、複雑な形状に沿って良好な適合性を提供することができる。更に、このシートのモジュールをロックしたり、ロックから解除したりするためのロック手段が開示されている。このためのロック用材料は接合部に施され、エネルギー(例えば、熱エネルギー) の外部からの適用により活性化されるようになっている。

Description

本発明は関節構造に係わ、より好ましくは、種々の用途に使用されるシート状関節構造体に関する。特に、本発明は、互いに接続された複数のモジュール(module)からなり、各モジュールが隣接するモジュールとの関係で回動自在な関節構造に関する。他の形態として、本発明は選択的にロックされたり、ロックから解放させることのできる関節構造に関する。
関節構造は公知である。例えば、特許文献1には2つの異なる形状の構成部材からなるものを複数、具備してなるマトリックス構造が開示されている。第1の構成部材は、この文献の図2および6に示すように、中心部から放射状に延びた複数の球状突起により囲まれた中心部を有する。第2の構成部材は、この文献の図4および7に示すように、これに対応する複数の放射状に設けられた窪みを備えた中心部を有する。前記球状突起は使用時に前記窪み内に収まるようになっていて、それにより平坦なシート状構造が形成され、球状突起/窪み接合部の中立軸が前記シートの面内にあり、隣接するモジュールの中心を貫通している。この球状突起および窪みの形態は、シートの平坦性を保ちつつ、マトリックスシートの密度を実質的に変化させることを不可能にしている。その結果、シートを複合形状、例えば同時に2方向に湾曲する複合湾曲(例えば球面)、の周りに円滑に成形することができない。例えば、複雑な外形を有するシートを作りたい場合は、モジュールを除去あるいは追加してシートの密度を局所的に変化させ、正しい形になるようにする必要がある。このモジュールの除去あるいは付加は時間を要し、熟練した技術者を必要とする。
特許文献2には、2つの異なるタイプのモジュールを同じく有する調整自在なマトリックスシートが開示されている。この場合、第1のモジュールは、シリンダーをその長手方向に対し垂直方向から掴むことができる複数のアームを備えている。第2のモジュールは、その中心の周りのリングに配置された複数のシリンダーを有する。使用に際し、第1のモジュールの各アームは隣接する第2のモジュールのシリンダーを握持するようになっている。特許文献1と同様に、この構造は複雑形状に沿ってシートを適合させるものではない。なぜならば、シートの平坦性を維持させながらシートの密度を変更することができないからである。従って、この場合も、密度の局所的変化を必要とする場合は、モジュールを追加から除去する必要がある。
特許文献3には、複数の同一形状のモジュールを有するシート構造を開示している。これらモジュールは隣接するモジュールに対し接近、離間自在となっている。シートを面から外れての折曲を可能にする関節は設けられていない。事実、このような折り曲げは、可能であるとしても、モジュールを構成する材料の潜在的可撓性に依存するものとなっている。このような特徴のため、このマトリックスでは複雑形状に沿ってシートを適合させることができない。なぜならば、マトリックスは弾性変形によってのみ、面から外れて折曲することができるに過ぎないからである。その結果、その適合力が除かれた場合は、その対応する復元力によりシートが平坦になってしまう。
米国特許No.4,484,778 米国特許No.4,688,853 英国特許No.2,235,030
上述の3つの文献はそれぞれ更に、シート構造の選択的ロックおよびロック解除を開示している。しかし、いずれの場合も、ネジをモジュールに対し、又は隣接するモジュール間の接続部に対し締め付けることにより、このことが達成されるようになっている。すなわち、シートを完全に柔軟な状態から完全に硬直した状態に変化させる場合は、非常に多数のネジを締め付ける必要がある。しかし、このことは、熟練技術者にとって非常に長い時間を要することになるから不利である。特に、シート構造が数百又は更に数千のモジュールを具備してなる場合を考えたとき、これは不利なものとなる。更に、このネジの締め付け操作を行う間において、シートを長時間に亘って所定位置に保持するための何らかの手段を見出す必要がある。このことは他の技術者又は複雑な締め付け機構を必要とすることになる。
本発明は上記問題およびその他の問題に対処するものである。すなわち、本発明によれば、互いに接続された複数のモジュールを具備してなる可撓性シート構造体であって、この互いに接続された複数のモジュールのそれぞれが、接続している隣接のモジュールとの関連において第1の軸および第2の軸を中心として回動自在になっていて、この第1の軸が、平坦状態のシートの面と平行であり、第2の軸が、平坦状態のシートの面と直交していることを特徴とするものが提供される。
それぞれのモジュールが、平坦状態のシートの面と平行な軸を中心として、更に平坦状態のシートの面と直交する軸を中心として可能になっているという事実により、通常平坦なシート構造体が1を超える方向で湾曲した形状(例えば、球面又はその他の複雑な曲面)、の周りに適合することを可能にする。これにより、標準のシート構造体を平坦に配向させた状態で製造、販売することが可能となり、これを使用する者は、余分のモジュール部分を除去したり、追加することを要求されることなく、このシート構造体を単に所望の形状に適合させることができる。
好ましくは、モジュールは、その隣接するモジュールと相対的に、平坦状態のシートの面と平行な軸を中心として、少なくとも−10°から+10°の全範囲、より好ましくは−20°から+20°の全範囲で回動可能であるが、しかし、好ましくは−60°および+60°を超えない間、より好ましくは−30°および+30°を超えない間で回動可能となるようにする。
好ましくは、モジュールは、その隣接するモジュールと相対的に、平坦状態のシートの面と直交する軸を中心として、少なくとも−10°から+10°の全範囲、より好ましくは−30°から+30°の全範囲で回動可能とし、より好ましくは更に、少なくとも−80°および+80°の全範囲で回動可能となるようにする。
好ましい具体例において、各モジュールは複数のノード(節)を有し、シートの内側のモジュールは、そのノードのそれぞれが、異なる隣接するモジュールの各ノードと接続されている。このシートの外側近傍のモジュールは、そのノードの全てが他のモジュールのノードと接続されていなくともよい。1モジュール当り、3個のノード、すなわち僅か3個のノードがうまく働くことが見出された。更に、4個のノード、すなわち僅か4個のノードがうまく働くことも見出された。しかし、単一のシート構造が異なる数のノードを有するモジュールの組合せであってもよい。この場合、2,5又は6個のノードを備えたモジュールを利用することができる。
これらのノードはモジュールのアームの端部に配置させることが好ましい。また、このモジュールのアームは平坦状態のシートの面と平行して延出していることが好ましい。隣接する接合部間のノードの接続は単一継手、例えば玉継手とソケット継手との組合せが好ましい。これにより、シートの面に対し直交する回動並びにシートの面に対し平行な回動が、好ましくは同時に可能となる。
上述の単一継手は、平坦状態のシートの面に対し、実質的に90°で配向している中立軸(つまり、継手が回動中心をなしているもの)を有することが有利であることが見出された。しかし、これは必須のものではない。中立軸は平坦状態のシートの面に対し実質的に平行であってもよく、あるいはシートの面に対し、上記以外の角度をなしていてもよい。
本発明の1実施例において、連結部材を用いて隣接するモジュールが互いに接続される。連結部材はモジュールとの間での相対的回動を、シートの面に平行な軸を中心として生じさせることを可能にすると共に、隣接する他の連結部材間の相対的回動を、シートの面に対し直交する軸を中心として生じさせることを可能にする。この場合、このシートは2つの異なるタイプの継手、つまり、1つがシートの面に平行であり、他方がシートの面に対し垂直なものを具備してなる。これは第1の実施例に対する変形例であり、この場合、単一のボール/ソケット継手によりあらゆる回動が可能となる。この継手は好ましくは、2つのノードを有する直線的部材からなる。
全ての実施例において、モジュール相互は好ましくは、互いに接続されていて、シートの面で閉ループの規則的パターンを形成するようになっている。これらの閉ループはシートの密度を局所的領域で変化させる手段を提供する。なぜならば、ループの周辺を構成しているモジュールが平坦状態のシートの面に対し直交する軸を中心として回動可能となっていて、ループを“星形”あるいはその他の閉じ形に閉じるようになっているからである。
好ましくは、シートの全体又は一部の有効密度(従って、面積、なぜならば質量が維持されているから)を、シートを平坦に保ちながら、変化できるようにする。しかし、これに限定されず、シートの全体又は一部の有効面積を、シートを特定の形状にゆがめつつ、変化させることもできるようにする。平坦に保ちながらの局所的有効面積の増大は、シートを平坦から撓んだ状態に変化させる。他方、撓んだ状態での局所的有効面積の減少は、シートを撓んだ状態から平坦に変化させる。局所的位置で有効面積を変化させるこの能力により、シートをゴム物質と同じように、対象物上に適合させることを可能にするが、この場合、ゴムの欠点、すなわち、弾性的に変形させる結果、好ましくない復元力を生じさせるという欠点を伴うことはない。この好ましい実施例によるシートは特別の形状に変形させることができ、しかも静的平衡状態の位置に保つことができる(すなわち、シートを当初の形状に戻そうとする復元力はない)。
他の形態として、本発明は、複数のモジュールを互いに接続させたものからなる可撓性シート構造体を提供する。この場合、このモジュールの少なくとも1つは、平坦状態のシートの面に対しほぼ90°に配向された中立軸を有する多重自由度の継手により他のモジュールに接続されている。
平坦状態のシートの面に対しほぼ90°に配向されていると共に、上記ボール/ソケット継手は好ましくは、更にその中立軸で各モジュールの面に対しほぼ90°で配向されている。好ましくは、シートにおける全ての接続部は、それらの中立軸が、平坦状態のシート及び/又はモジュールの面とほぼ90°に配向されているタイプのものからなる。
本発明は他の実施例として、接続された第1および第2の部材を複数、具備してなる可撓性シート構造体を提供する。この場合、第1の部材は継手を介して第2の部材に接続されており、この継手は平坦状態のシートの面と平行な軸を中心として相対的回動を可能にし、前記第2の部材のそれぞれが隣接する第2の部材に対し継手を介して接続され、この継手は平坦状態のシートの面に対し直交する軸を中心として相対的回動を可能にするものである。
この構造は、個々のモジュールの追加ないし除去を要することなく、シート構造体が複雑な形状に適合することを可能にするものである。更に、ボール/ソケット継手を必要としないという利点も有する。全ての継手は単なる枢着を利用して形成することができる。
本発明は他の好ましい実施例として、互いに接続された複数のモジュールを具備してなる可撓性シート構造体を提供する。この場合、各モジュールは第1、第2および第3のアームを有し、これらアームのそれぞれが他の2つのアームに対し規則的に離間している。更に、各アームは隣接するモジュールのアームに接続されており、このシートの各モジュールが隣接するモジュールと相対的に、平坦状態のシートの面に対し直交する軸を中心として回動自在となっている。
更に、本願発明は、互いに接続された複数のモジュールを具備してなる可撓性シート構造体を提供する。この複数のモジュールはシートの平坦性を維持しつつ、シートの有効面積を変化することができ、かつ、複雑な形のものの周りに円滑に適合し得るよう平面以外の動きができるようになっている。
更に、本発明で意図するものは、ここに記載したモジュールのいずれのものをも含まれるものであり、このモジュールは別々に、おそらくキットとして作成、販売することができる。ここで、特に好ましいモジュールは可撓性シート構造として使用されるものであり、このモジュールは複数のアームを具備し、それぞれのアームが多重自由度の継手の片方を有し、それが、シート内の隣接するモジュールのアームに設けられた多重自由度の継手の他の片方と接続されるようになっていて、この多重自由度の継手が、平坦状態のシートの面から外れて配向した中立軸を持つように、多重自由度の継手の片方が配置されるようになっている。
従来のアーム構造のモジュールでの面倒で、手の込んだ手動による締付けの問題に対処するため、本発明の他の形態では、ロック可能な関節構造が提供される。これは互いに接続された複数のモジュールを具備してなり、これらモジュールは相互に選択的な動きが可能となっていて、2つのモジュール間の少なくとも1つの接続が少なくとも2つの状態を採り得るロック用材料を含み、前記の少なくとも2つの状態が、前記部材の相対的動きを可能にする第1の状態と、この相対的動きを少なくとも実質的に防止する第2の状態とを含み、これら2つの状態間の移行が前記ロック用材料へのエネルギーの選択的導入により達成されるようになっている。
少なくとも2つの状態を採り得るロック用材料の使用と共に、このロック用材料へのエネルギーの選択的導入により達成される2つの状態間の移行(ロック状態からロック解除状態へ、若しくはロック解除状態からロック状態へ)を図ることにより、所望に応じて、構造物全体における隣接するモジュール間の接続部のそれぞれが、特定の形のエネルギーの単一の適用により選択的にロックされたり、ロックから解除されたりすることができる。例えば、このロック用材料は加熱により溶融及び/又は軟化するものであってもよい。この場合、構造体全体の単なる加熱だけで、ロック状態からロック解除状態への移行が可能となる。従って、この構造体は、単に冷却することにより所定位置にロックすることができる。なお、本発明では、この移行が必ずしも可逆的である必要はない。
好ましくは、前記の第1の状態は、第2の状態よりも柔らかな状態であり、第2の状態は例えば凍結状態である。エネルギーの適用は熱の形態でもよい。例えば直接的熱伝導、対流加熱、熱照射によるもの、又はロック用材料の物理的特性を励起又は変化させ、モジュールの他の部分を変化させないようにしたマイクロ波又は類似エネルギーの適用によるものであってもよい。ロック用材料の相変化又は相変化の開始を利用する以外に、ロック用材料が特別の熱膨張係数を有するという事実を利用して選択的ロックを達成するようにしても良い。この場合、この構造体の加熱により、ロック用材料は膨張し、隣接するモジュール間の可能な相対的動きが防止される。この膨張は熱又はその他のエネルギー源により生じさせることができる。例えば、電気流動学的材料又は圧電材料では電気によりこの膨張を生じさせることができる。
その他の可能性としては、硬化を生じさせるエネルギーの利用であり、例えば紫外線により化学組成物を未接着状態から接着状態に硬化させるようにしてもよい。
使用可能な他の機構は、例えば空気圧又は液圧などの流体圧力の選択的導入である。これらはロック用材料を加圧又は減圧させ、ロック機能を提供したり、解放させたりする。
ボール/ソケット継手を利用する実施例において、ロック用材料は理想的にはボール/ソケット継手におけるボールの外側で、ソケットの内側の領域に位置させる。ロック機能を改善するために、ボールの外側ないしソケットの内側に実質的に平坦な部分を設け、ロック用材料がその形状を変化することができない場合に相対的回動が抵抗を受けるようにしてもよい。更に、ロック機能を改善するために、1又はそれ以上の溝を、好ましくはボールの基部からボールの先端に至る方向に設けて、中立軸を中心とする軸の回動を防止するようにしてもよい。溝の使用は必須のものではない。すなわち、ロック用材料が凍結したとき(frozen)、相対的回動を抑制するのに役立つような任意の表面凹凸形状であってもよい。
継手がボール/ソケット継手ではなく、枢着(ピボット)又は他のタイプのときにも、上記同様の考えが適用される。ピボット継手(接合)の場合、ロック用材料はシャフト部と、環状部との間に配置させることができ、ロック状態への移行が一旦なされたとき、相対的動きを抑制するために前記同様の平坦部又は溝部を採用することができる。
熱可塑性材料、共晶材料、熱硬化性材料は全て、このロック用材料として適している。しかし、他の材料でも少なくとも同様に有用であるかも知れない。特に、ポリマーは成形し易く、所望の品質を有するから良好な候補として挙げられる。
なお、ここに記載した選択的ロックのための方法、構造を、関節構造体の種々の実施例の任意のものと組合せて、ここに記載した関節構造体が選択的にロックされるようにし得ることが理解されよう。
本発明は特に、脊髄用ギブス(固定装具)に適用するのに有用である。複雑な形状のものの周りに適合させることができるこの関節構造体の能力により、当初の平坦な材料片から所望の体形に適合した脊髄用ギブスを作成することが可能となる。このギブスを装着させる際に矯正外科技術者がモジュールを追加、除去する必要はなく、このロック機構によりギブス全体を極めて迅速、かつ、一回の操作でロックさせたり、ロックから解除させたりすることができる。ギブス装着の決まった手順の1例を説明すると、このシート構造体を最初にマイクロ波に曝してロックを解除した状態にしておく。これは、モジュール自体の温度を不当に上昇させるものではなく、従って、シートが緩んだ状態で、患者の体形に適合させ、所望の支持構造物を作成することができる。ロック用材料は、自然に、時間をかけて冷却させ、又は人工的冷却を施して、シートが再度ロックされるまでの短時間、シートを所定の位置に保持させてやればよいようにする。従って、本発明は、患者の立場並びに医療専門の立場の双方から、ギブスの形成、装着を有意に改善させるものである。
以下、本発明を、実施例に基づいて、添付図面を参照して説明する。
図1Aおよび1Bは本発明の第1の実施例を示す斜視図である。ここで、図1Aは平坦な拡張状態の構造を示し、図1Bは平坦な圧縮状態の構造を示している。図示のように、このシート構造体100は複数のモジュール102を有し、各モジュールは3つの等しく離間したアーム104(すなわち、同じ面内で120°の間隔で配置されている)を有すると共に、各アームの端部にボール/ソケット継手106の片方が設けられている。これらモジュールの全ては同一形状であり、一見して同一に見える。しかし実際には、このシートには2つの別々のタイプのモジュールが存在する。第1のタイプのものは、ボール/ソケット継手106の片方のボール部分を各アームの端部に備えたものであり、第2のタイプのものは、ボール/ソケット継手106の片方のソケット部分を各アームの端部に備えたものである。これは製造の便宜のためだけのものであり、本発明にとって、各モジュールがボール/ソケット継手の一方のタイプのみを具備するということは重要ではない。
この図2の平面図に示すように、このシートのモジュールは好ましくは規則的パターンに配列される(すなわち、このシートの面は本図面の面と平行になっている)。更に、図示のように、各モジュール102の各アーム104は隣接するモジュール102のアーム104に接続されている。各モジュール102が3つのアーム104を有するので、各モジュール102は通常、3個の隣接するモジュールを有することになる。図1Aおよび2に示すように、各モジュールの各アームは、各隣接するモジュールの接続アームと平行になっていて、これにより、この可撓性シートが最も拡張した形状となる。この実施例において、接続しているモジュールは同一面にあるのではなく、各モジュールは、その3つの最も隣接するものに対し異なる面にある。従って、モジュールの2つの分離した面が存在することになる。このことは恐らく、図1Aおよび1Bに最も明瞭に示されていると思われる。2セットのモジュールを包含する2つの面は接続部106の長さ分だけ離間されており、その長さは本実施例では約6mmである。これら接続部は好ましくは、図面に垂直な方向(従って、シートが平坦な状態において、これらモジュールの2つの面に対しても垂直な方向)の中立軸を有するボール/ソケット継手からなる。このボール/ソケット継手の“中立軸”は、ボールがソケット内で中心に置かれているときの軸として定義される。すなわち、この中立軸はボール/ソケット継手の動きの全域の中心となる。これについては、図14,15を参照してより詳細に後述する。
図1Aおよび2に示す形状は、シートが最も“伸ばされた”又は拡張した位置を描いている。言い換えれば、この位置はシートの密度が最も小さい場合を示している(これは、シート中の開口した六角形の“環”の数を注目することにより視覚的に確認することができる)。
使用に際し、このシート(又は、その一部)は、シートの面に垂直な(直交する)軸を中心として(つまり、中立軸を中心として)ボール/ソケット継手の幾つかを回動させることにより、平坦性を維持させながら密度を増大させることができる。図1Bおよび3は、そのような回動の結果を示している。この場合、モジュールの全てを、その隣接モジュールと相対的にシートの面に対し直交する軸を中心として(この軸のみを中心として)回動させている。図示のように、このシートの全体的密度が著しく増加している(従って、シートの全体面積が著しく減少している)。本実施例の幾何学的配置により、最も圧縮したときのシートの面積が、最も拡張させたときの同じシートの面積の約70%となるように面積の減少を図ることができる。
図4および5は、図2に“A”として、図3に“B”として特定した領域の拡大図をそれぞれ示している。これらの図面は密度減少のメカニズムをより詳細に説明しようとするものである。
上記構造の単一“環”が図4に示されている。この“環”は、それぞれ3つの等間隔のアームを有する6個のモジュールにより画成されているという事実により実際には六角形となっている。120として参照されているモジュールは、130として参照されているモジュールに対し、異なる面に存在している。上述のように、可撓性シートが平坦な状態のとき、これらの2つの面は平行となっている。図4に示す構成において、各モジュールの重心は、シート内の他のモジュールのそれぞれの重心から最大限に離れて位置している。すなわち、モジュールは他のモジュールの如何なるものからもそれ以上離間することができないから、このシートは最小密度の状態にある。
図4および5に示すノード接続点、a,b,c,d,e,fを考慮すれば、密度の増大はノード接続点、b,dおよびfを“環”の中心に向けて移動させることにより達成し得ることが理解されるであろう。残りのノード接続点、a,cおよびeの位置の位置は、図5に示すように、上記の動きの間において比較的静止した状態に留まる。従って、これらモジュールは、先に占められていなかった環の中央の空間を占めるべく互いに近づくように回動できるようになっていることが理解されよう。
平坦状態のシートの面に対し直交する軸を中心とする、隣接モジュールの上述の相対的動き、すなわち、シートの全体又は一部の密度を減少させる動きは、この実施例の可撓性シートが採り得る1つの動きに過ぎない。この実施例のボール/ソケット継手106は更に、シートに面に平行な軸を中心とするモジュール間の相対的動きを採ることが可能である。
図6および7は、このボール/ソケット継手106の図4中のC−C線に沿う断面図をそれぞれ示している。図示のように、ボール108はソケット110内に配置され、垂直方向の引張りによって離脱させることができないようになっている。このボールはボール/ソケット継手の中立軸150を中心として回動可能となっている(それにより、シートの面に対し直交する軸を中心とする上述の回動が得られる)。このボールは更に、ソケット内において他の軸を中心として回動することができる。
図6において、ボール/ソケット継手は“中立”状態にある。この継手は、シートの面に平行な任意の軸を中心とする等しい量の回動(この場合、約20°)を可能にするように形成されていることが理解できよう。
ボール108は完全な球ではなく、その基部に実施的に平坦な部分112を形成するように部分的に切り欠かれている。同様に、ソケット110は部分的に満たされていて、その基部に実施的に平坦な部分114を有している。しかし、この平坦部114は、ボールの平坦部112ほどボール108の中心116に接近していない。この平坦部112および114は任意のものであり、必ずしも提供されるべきものではない。しかし、これらの平坦部は、後述のように、この構造体をロックする場合に役立つものである。“ボール/ソケット継手”の用語は、図6および図7に示すように、平坦部を有するソケットのみならず、ボールとソケットとの係合部が球状である従来のソケットをも包含することを意図するものである。事実、一部がボールの機能を果たし、他の部分がソケットの機能を果たすような任意の形態のソケットであってもよい。全ての実施例において、多重自由度(例えば、2,3又はそれ以上)の継手の任意のものを使用することができ、ボール/ソケット継手はその一例にすぎない。
図7はモジュール120が、モジュール130との関連において図面の面に垂直な軸(すなわち、可撓性構造のシートの面に平行な軸)を中心として回動したときのこれらモジュールの位置を示している。モジュール120がこの軸を中心として約20°回動可能なことが理解できよう。同様に、同じ軸を中心として他の方向に、最大約20°回動可能なことが理解できよう。この継手は、その機械的強度を下げることなく、複雑な形状に沿って適合させるのに適していることが見出されている。
シートの面と平行な軸を中心とするこの動きは、図8に示すような円筒などの単純な形状に沿って曲げることを可能にするものである。図8においては、ボール/ソケット継手の僅か1自由度を用いて、シートを円筒状表面の周りに適合させ得ることが示されているが、このような単純形状に沿った適合は一般に、シートの面内の軸を中心としてモジュール相互を回動させるだけで達成される。
しかしながら、本実施例は、複雑な形状、例えば脊髄用ギブスを必要とする患者の体形に沿って適合させる用途において最も有用性を発揮する。複雑な形状に沿ってシートを適合させたい場合は、継手のより高い自由度を同時に利用する。具体的には、シートの面に対して直交する軸を中心とする回動と同時に、シートの面に平行な軸を中心とする回動を行う。
図9は、この第1の実施例によるシートを半球状表面に沿って適合させた例を示している。これは図3に示す当初において平坦なシートを半球面に沿って押圧することにより達成されることが理解されよう。このように押圧することにより、シートの中央部(図9の頂部)の密度が局所的に減少し、シートの外側周縁近傍部(図9の底部に向かった部分)の密度が高いままに維持される。このように、図9はシートの密度の局所的変化の例を示しており、これによりシートを複雑形状に沿って適合させることが可能となる。
この実施例のモジュールは好ましくはプラスチックの射出成型により成形することができる。この場合、任意の適当なプラスチックを使用することができ、例えば、ポリアミド(ナイロン)、ポリカーボネートを好適に使用することができる。
各モジュールは、図1および2に示すように、平坦な3−アームプラスチック部材から作ることができる。このプラスチック部材の厚みは任意に選択することができ、例えば、0.1から5mmの範囲から選択することができる。しかし、約2mmの厚みのものが、強度、軽さ、適合性を総合して良好なものであることが見出された。モジュール中心部からアームの端部にあるボール/ソケット継手の回動中心までの各アーム104の長さについても任意に選択することができ、例えば、5から50mmの範囲である。なお、5mmの長さのアームのものが最も実際的な形状に沿ってこのシート構造体を適合させるのに適当であることが見出された。図1および2に示すように、アームはその長手方向に沿って一定の幅を有し、安全性の理由(鋭利な角部を避けるため)から先端部は丸くしてもよく、それによりこの構造がよりきつく閉じるようにすることができる(図3に示すように)。このアームの幅は任意に選択することができ、例えば、2から20mmの範囲であり、7mmのものが良好であることが見出されている。従って、図1に示す構造体は、厚みが2mm、アームの幅が7mm、アームの長さ(モジュール中心部から継手の回動中心まで)が8mmのモジュールからなることが好ましい。モジュール120および130の2つの“層”は適当に離間(センター同士の距離)させることができるが、これは、このシート構造体の全体の厚みを考慮して選択される。例えば、8mm離間させると、2mm厚のモジュールを使用したとき、全体の厚みが10mmとなる。平坦なモジュールのそれぞれが2mm厚の場合、この2つの層の8mmの離間は、長さ(すなわち、中立軸方向の長さ)が6mmのボール/ソケット継手を選択することにより達成することができる。このボール/ソケット継手のボールは任意の直径のもの、例えば1から10mmの範囲でよい。図1に示すボールは直径が3mmのものである。
各モジュール102はプラスチックを射出成形して作ることができ、その場合、ボール/ソケット継手の片方のボール又はソケットがモジュールの平坦部と一体的にすることができる。この場合、2つのタイプのモジュールが製造される。つまり、第1のモジュールは3つのソケット継手を有し、第2のモジュールは3つのボール継手を有するものとなる。この場合、(図1および4に示すように)第1のモジュール120はシートの一方の“層”を構成し、第2のモジュール130はシートの他方の“層”を構成する。
その他、ボール/ソケット継手のこの両半分とは別に、多くの同様のモジュールを作成することができ、その適当なボール/ソケット継手の片方を、標準の平坦モジュール部材に対し接着又は固着させることもできる。
図10Aおよび10Bはモジュール200,220の第2の実施例を示している。この場合、モジュールの各アームについて単一のボール/ソケット継手を設けるのではなく、2つのボール/ソケット継手が存在する。この場合、双頭ボール状連結片202,222が使用され、各アームの端部に連結ソケット204、224が設けられている。この構成により、モジュール202の全てを同じ形状に作ることができ、製造効率の向上を図ることができる。更に、この実施例は、機械的強度を犠牲にすることなく、シートの面に平行な軸を中心として更なる動き(すなわち、いずれの方向にも20°の角度を超える動き)を理論的に可能にするものである。この動きのメカニズムについては、第1の実施例について述べたのと実際的目的において実質的に同様である。
2つの変形例としてのモジュールの形が図10に示されている。図10Aにおいて、モジュールの中心は中空環構造となっている。これは重量を減少させつつ、強度を最大にしようとするものである。図10Bは、より細身のモジュールを示している。このモジュールの各タイプはもっぱら単一のシートに使用してもよいし、あるいは同じシートに異なるモジュールと一緒に使用してもよい。いずれの場合も、これらのモジュールは丸みを帯び、円滑なエッジを有し、取り扱いを容易にしている。
第3の実施例が図11Aおよび11Bに示されている。この実施例での可撓性シートのモジュールの動きは第1および第2の実施例のモジュールの動きと実質的に同一である。しかし、この実施例においては、2つの全く明らかに異なるモジュールが用いられている。すなわち、第1のモジュール160は3つの等間隔のアームを有し、各アームの端部にボール部材が配置されている。三角形状の第2のモジュール170は中央部で接続された(例えば、ネジ又は接着剤により接続された)2つの平行プレートからなり、第1のモジュール160のボールをコーナー部で握持している。この握持は、第1のモジュールと、第2のモジュールとの間の相対的回動を、シートの面に対し直交する軸を中心とするもの、およびシートの面に平行な軸を中心とするものの双方について可能にするものである。図11から、モジュール160が、モジュール170との関連において、シートの面に対し直交する軸を中心とする約180°の回動を以って可動となっていることが理解できるであろう。アームの厚みとの対比でのボールの径は、シートの面に平行な軸を中心とする回動可能な量を規制することになる。好ましくは、いずれの方向においても少なくとも10°から60°以内の回動が可能なようにする。これにより、余り薄くすべきではないアームの構造的強度を維持することができる。この実施例は一様な三角形のモジュール170のために、連続表面によく似せているという利点を有する。なお、ボール/ソケット継手の“中立軸”は、平面状態の可撓性シートの面内に存在する。これについては以下により詳細に説明する。
図12Aおよび12Bは第4の実施例を示すもので、その構造は図11に示したものとほぼ同様である。しかし、この実施例においては、2つのモジュールが互いに同様の形状を有し、図11に示す三角形モジュール170に近似したアームを有する。この実施例および第3の実施例において、各ボール/ソケット継手についての中立軸は、シートの面内にある。図12Bに示す構造は、図12Aに示すものと非常によく似ているが、図12Bに示すものでは、第1のモジュールが所定部位に透孔を有し、そこで第2のモジュールのボールを握持するようになっている。
図13は第5の実施例を示している。この実施例において、2つのモジュール180,190は極めて異なる形状のものとなっている。第1のモジュール180は環又はドーナッツ形のもので、3つの球状の窪みを有し、これらがその周縁に沿って等間隔で配置されている。第2のモジュール190は直線状のもので、両端に2つのほぼ球状のボールを有している(すなわち、ダンベル形状のもの)。第2のモジュール190の端部のボールは図13に示す様式で、第1のモジュール180内の球状窪みと嵌合するようになっている。このボール/ソケット継手により、多重自由度の動きが可能となり、第1から第4の実施例での動きの全てが可能である。更に、第1の実施例よりも2倍多いボール/ソケット継手が存在するという事実から、特別の動きも可能となっている。
図14は本発明の第6の実施例に係わる2つのモジュールを示している。各モジュールは、そのアーム(複数)に4つのノードが設けられている。これらのアームは長手方向の“基体”からシートの面内において垂直方向に延出している。これらのノードはシートの面から外れて延出している。上記基体の一端のアームから延出しているノードは、上記基体の他端のアームのノードとは反対方向に延出している。従って、このモジュールはほぼI形となっている。面内拡張を提供するため、上記基体の一端のノード間の距離は、基体の長さ・マイナス・アームの1つの幅よりも小さくなっている。これにより、1つのモジュールが、その隣接するモジュールと相対的に面内での180°回動することを可能にする。
図15Aおよび16Aは第6の実施例のモジュールからなるシートの閉じた形態を示す部分図である。この実施例はモジュールが互いにぴったり合った状態(つまり、モジュール相互が隙間なく係合している)になるという利点を有する。従って、図15Aのシートは実質的に平坦な表面であって、その内部に隙間又は孔を全くないものを表している。図15Bは面内で若干拡張させた状態のシートを示している。各モジュールは、その隣接するものと相対的に、ほぼ45°回動されている。その結果、平行四辺形の“孔”がシート内に現れている。これらは図16Bに、より明瞭となっている。
図15Cおよび16Cは各モジュールを、その隣接するモジュールと相対的に90°回動させたときのシートを示している。この状態において、シートは最も拡張した状態になり、シートの大きさは図15Aのシートの2倍の大きさとなっている。この時点において、モジュール間の孔はほぼ四角形であり、最大可能面積を有するものとなる。モジュールの連続した相対的回動によりシートが閉じ始め、その閉塞位置を採ることになる。
図16Aおよび16Cは、シートのモジュールについての好ましい寸法をミリで示すものである。
他の実施例と同様に、この第6の実施例は、面内拡張のみならず、面から外れた動きを可能にするものであり、従って、このシートは非平面的形状に沿って適合させることができる。これを達成するため、ボール/ソケット継手がノードの部位で使用され、それにより平面状態のシートの面内における軸を中心とする回動が可能となる。好ましくは、ボール/ソケット継手は、その中立軸が平面状態のシートの面内に対し垂直となるように配置される。他の実施例と同様に、ボール/ソケット継手以外の継手を使用し、面内回動および面外回動の程度は所望とするシートの品質に従って選択するようにする。
図17および18は、以上の実施例のそれぞれにおいて、ボール/ソケット継手の回動がどのように変化するのかを、より正確に説明するためのものである。第1の実施例において、中立軸はシートの面に対し垂直である。このことが図17に示されている。図17に示すように、ボール/ソケット継手は、その“中立”位置において、ボールはソケット内にて任意の特定方向に同程度に回動することができる。なお、ボールはソケット内に垂直に挿入されるのであり、従って図17においてボール/ソケット継手の中立軸は明らかに垂直となっている。
図18は他の形態(例えば、第3、第4および第5の実施例)を示しており、この場合、ボールはソケット内に水平に挿入されている。この場合も、ボール108はソケット110との関連において中立位置にあることが示されている。なお、図18の形態における中立軸は、シートの面内にある。
図17および18の双方において、シートの面はX−X線に平行であり、図面の面に対し垂直となっていることを留意されたい。
図19は本発明の第7の実施例を示している。第1から第6の実施例とは異なり、この実施例ではモジュール相互を接続するのにボール/ソケット継手を利用していない。その代わりに、2つの別々のピボット継手が使用されている。第1のピボット継手304は、シートの面に平行な軸を中心とする必要な動きを提供するためのものであり、第2のピボット継手306は、シートの面に対し直交する軸を中心とする必要な動きを提供するためのものである。
このシートの第1のモジュール300は、図19に示すように3つの等間隔のアームを有する。これらアームのそれぞれには連結部材302が接続され、この連結部材302はほぼ直線状をなし、両端にそれぞれ相互に直交するピボット継手を有する。モジュール300と、連結部材302との間のピボット接続部304は、シートの面に平行な軸を中心とする相対的動きを可能にし、モジュール300の面および連結部材302の双方に対し共通したものとなっている。このピボット接続部304を中心とする動きによりシートを対象物に沿って折曲することができるようになっている。シートの面に垂直な軸により、連結部材302はピボット接続部306を介して他の連結部材302に接続されている。この軸を中心とする相対的動きにより、シートの密度の調整が可能となっている。図19から理解できるように、各モジュール300は3つの別々の連結部材302に接続され、各連結部材302はその一方の端部でモジュール300と接続され、他方の端部で他の連結部材302と接続している。モジュール(複数)は、前述の第1から第6の実施例で記載したように、同一の繰返しパターンで相互に接続され、ほぼ六角形の“環”構造を形成している。これは、ピボット接続部304を介して3つの連結部材302に接続されたモジュール300が、第1の実施例の単一のボール102の場合と同様に作用することを注目することで思い浮かべることができよう。すなわち、このモジュール300は他のモジュール300と相対的に、可撓性シートの面に対し垂直な軸並びに平行な軸の双方を中心として回動することができる。
好ましくは、図19に示すように、連結部材302はヨーク(かすがい)を有し、これがロールピンを用いてモジュール300のアームに接続されピボット接続部304を形成している。連結部材302の他端は、好ましくは、クリンチピンを用いて同様の連結部材に接続され、それによりピボット接続部306が形成される。
他の実施例と同様に、モジュールは使用目的に応じて任意の適当なサイズのものであってよい。連結部材302は、八角形軸間の長さが5から50mm(例えば18mm)、厚みが1から30mm(例えば10mm)のものとすることができる。図19に示すように、その幅は一定でなくともよいが、3から50mmの範囲、好ましくは25mm未満であることが望ましい。モジュール300は第1の実施例のものと同じ寸法のものでもよいが、一般に、ピボット接続部304の厚みと適合させるため、より厚くする必要があると思われる。均一なシートの厚みを確保するため、モジュール300は連結部材302と同じ厚み、例えば100mmとしてもよい。好ましくは、モジュール300はアームの長さが8mm、幅が5mmのものとする。
六角形“環”構造は、3つの等間隔のアームを有するモジュールを使用した結果のものである。他の異なる数のアームを有するモジュールを使用する場合は、この“環”は異なった形状のものとなろう。例えば、図20は、各モジュールが4つのノード360を有する場合のシートの平面内の密度変化のメカニズムを模式的に示している。この場合、“環”は四角形となる。ノードの数およびモジュールの形状が異なる場合は、この“環”も異なるものとなるであろう。いずれにしても、この“環”はモジュールが存在しない領域として特徴づけられるであろう。
図20Aは、モジュール350の全てが、それらの隣接するモジュールから最大限に離間した場合の形態を示している。これは最小密度、最大面積の形態である。図20Bないし20Dは、シートの最大拡張状態から、シートの最大閉塞状態(図20Eに示すもの)へモジュールを相互に動かしたときの段階を示している。この拡張させたシートが未拡張のシートの面積の約2倍の大きさを有することが理解できよう。図20Fは、拡張モードと、未拡張モードとの間の途中の状態のより大きいシートを示している。
間接機構を選択的にロックさせたり、ロックを解除させたりする本発明の他の形態について次に説明する。一般に、本発明のこの形態では、“ロック用材料”の使用を伴う。すなわち、この材料は外部エネルギーの適用又は除去により何らかの変化を生じさせるものである。この変化は、例えば、相変化、化学的変化又は寸法変化などの形であってもよい。ロック用材料は好ましくは、構造体の接合部の或る部分の近傍に直接配置させ、その接合部の動きが容易に可能であるか否かに影響を与えるようにする。
以下の例はボール/ソケット継手に関係するものであるが、このアイデアはあらゆるタイプの継手、例えばピボット継手にも適用し得ることを理解されたい。特に、本発明のロッ機構は、先の従来技術(例えば、文献1)におけるロックシステムに置き換えることもできる。
図6はボール/ソケット継手の断面図を示している。既に記載したように、ボールは平坦部112を有し、ソケットも平坦部114を有し、それにより、ボールの末端と、ソケットの底部との間に空間が形成されている。図6に示す位置から、図7に示す位置へボールが回動すると、この空間の形状は変化することになる。ロック用材料400はこの空間内に設けることができ、任意の特定の時点で固化されることにより図6および7に示す回動を防止するのに利用される。このロック用材料が液化されると、前記回動が再び可能となる。
ロック用材料の好ましい例は、熱可塑性ポリマーである。この材料は“ソフト”となるようにアレンジすることができ、従って、室温では事実上流体であるが、より低い温度では凍結状態、すなわち事実上固体にすることができる。継手はついで、単に温度を下げることによりロックさせることができる。その他、熱可塑性ポリマーは、室温で事実上、固体とし、より高い温度で事実上、流体となるようにアレンジすることができる。この場合、継手は温度を高くすることにより(すなわち、継手又は構造体全体を加熱する)、ロックを解除させるようにすることができる。熱可塑性ポリマーは、厳密な意味において、必ずしも相変化を生じるものでなくともよい。すなわち、必要なことは、ロック用材料の粘度が十分に変化して、動きが“未ロック”状態で容易に可能であり、動きが“ロック”状態では容易に不可能となることである。従って、重要なことは、相変化が生じたか否かよりも、ロック状態と、未ロック状態との間の相対粘度である。
ソケットの底部と、ボールの末端との間にあるロック用材料の“栓”の変形例として、又はそれに加えて、ロック用材料400はボール表面への薄い塗膜又はソケットの内側への薄い塗膜として適用することができる。必要なロック機能を提供するため、図21に示すように、溝402をボール表面に沿って設け、溝404をソケット110表面に沿って設け、ロック用材料が一旦、最早十分な液体状態でなくなったとき、継手の動きを抑制ないし防止するようにしてもよい。これらの溝は、継手の中立軸に垂直な面と整合するように配置される。しかし、この付加的又は変形例の溝は、中立軸を中心とする継手の動きを抑制ないし防止するために、中立軸に平行な面に整合させてもよい。溝の形状については特に重要ではない。図21は頂部で断面が丸みを帯びた溝を、底部で断面が三角形の溝を示している。もちろん、実際の実施例において、これら溝は、ボールおよびソケット表面全体に亘って同一形状の断面を有するものであってもよい。このロック機能を達成するため、任意の凹凸形状を用いることができ、溝は制限的なものとして考えられるべきではない。例えば、ペグ(pegs)、小さな窪み、剛毛、粗面化を全て使用することができる。
図6を参照すると、円筒状窪みを有するペグ形状を、中立軸150に平行にソケット内に形成してもよい。このペグ形状は、図6に示す末端平坦のソケットに、若しくは内部が球状のソケットに設けてもよい。このペグ状窪みにロック用材料400を充填し、中立軸150以外の全ての軸を中心とする回動の防止を強化するのに利用する。中立軸を中心とする回動を防止するため、この軸に平行な面に整合した溝を上述のようにボール表面に設けてもよい。その他、ペグ状窪みを、ソケットではなく、ボールに配置させてもよく、また、中立軸に整合させなくともよい。例えば、他の軸から外れた、又はこれに整合したものでもよい。
ボール又はソケットを画成する材料はロック用材料400からなるものでもよい。例えば、ボール108全体を、高温で液体となる熱可塑性ポリマーから作成してもよい。この高温状態で、構造体の動きが可能となっており、ボール/ソケット継手の形状は、温度が一旦、下がったとき、その動きが不可能になるようにアレンジすることができる。
このロッキング方式は他の継手、例えばピボット継手、にも適用することができる。上述のボール/ソケット継手の接触面と同様に、ピボット継手又は他の継手の接触面にも円筒状又は多角形の溝からなる窪みを設けてもよい。これに変えて、又は加えて、相互の動きを生じさせるためには、ロック用材料の形状変化を要するように平坦部を含めてもよい。
エネルギーを各継手の全て、幾つか、又は僅か1つのみを選択的に導入することにより、構造中の継手の全て、幾つか、又は僅か1つのみがロックされたり、ロックから解放されたりするようにしてもよい。通常、構造体の全ての継手に同時にエネルギーを導入することが簡単であり、これによりロック解除/ロッキングが非常に迅速、かつ、簡単となる。
上記の例は、熱を利用してロック用材料を加熱し、それを液化することを提示している。この熱は、温水バス、ホットエアガン、オーブンなどの公知の手段により提供することができる。更に、マイクロ波に曝すことにより熱を適用してもよく、これは可撓性マトリックスの実際の構造を加熱することが望ましくない、又は求められない場合に特に魅力的なものとなる。この場合、ロック用材料はマイクロ波感応性材料(例えば、カーボンを熱可塑性ポリマーにドーピングしたもの)からなるものでよく、それによりマイクロ波が適用された時、周囲の構造よりもロック用材料が選択的に、より加熱され易いようにすることができる。
別のロッキング機構が模式的に図22から27に示されている。なお、これらの図面はボール/ソケット継手について示しているが、このロッキング機構は、モジュール間の接続のための任意のタイプの継手にも適用することができる。更に、これらの方式は単一継手又は多重継手(例えば、図示のような2重継手)にも適用することができる。
図22は、熱/機械的誘起形状変化の1例を示している。この例において、ボール108は低熱膨張係数の材料から作られ、ロック用材料400は高熱膨張係数を有し、ソケット110は中熱膨張係数を有する。熱が適用されたとき、ロック用材料が最も膨張し、ボールは膨張が最も小さく、ソケットは、これら2つのものの中間程度に膨張している。従って、この膨張の結果、ボールと、ソケットとの間に応力が生じ、ロック用材料と、ソケットとの間のみならず、ロック用材料と、ボールとの間で、摩擦が増大する。これは、次々に、ソケット内のボールの実際の回動を防止するのに役立つ。図22に示すように、必要な熱が、ロック用材料を貫通し、構造体全体を通るワイヤーにより給電される素子により提供される。
図23は、電気/機械的誘起形状変化の1例を示している。この場合、圧電材料又は他の電気反応性材料がロック用材料400として使用されている。弛んだ状態において、ボール108およびロック用材料の双方が、それらの溝又は波形部が相互にロックされ、相対的回動が防止されている。電流を適用すると、圧電性ロック用材料が可動化され、これら溝又は波形部の係合が解かれ、ボール108はソケット110内で動くことができるようになる。
図24は、ソケット110内での電気又は電磁レオロジー流体420の使用を示している。これはパドル又はロッドを押さえつけ、これらがモジュール内の流体中で動くのを抑制ないし防止している。図24に示すように、各ボール108には少なくとも1つ(図24では2つ)のパドル410を備えている。電気レオロジー流体420が液体の状態にあるとき(通常、その静止状態)、ボールは回動することができる。なぜならば、パドル410は流体420内で動くことできる(多少の事実上意味のない抵抗を伴うが)。この電気レオロジー流体420に電流が適用されたとき、この流体420は効果的に“凍結”し、パドル410は最早、事実上動くことができず、ボール108を所定位置にて押え込み、この構造体をロックすることになる。
図25は化学/機械的ロックの1例を示している。この場合、接着性架橋性材料402がボール108と、ソケット110との間に使用される。このロック用材料は好ましくは、可逆性接着剤であり、図25に示すような圧電材料404と相対的に使用することができる。圧電材料404は接着剤402の分子を励起するのに十分な周波数で振動するようにアレンジすることができる。それにより、接着剤402の温度が上昇し、接着剤402を硬化させることができる。この作用は、使用される材料次第で、一時的、若しくは恒久的となる。
図26は空気/機械的ロックの1例を示している。図26に示すように、ボール108は流体の流れに対し極めて高い抵抗を示す多孔質材料から作られる。加圧空気をボール108に適用することにより、ボール108が膨張し、ソケット110内でのボール108の摩擦的嵌合を生じさせる。それによりボールは所定位置にロックされることになる。空気をボールから引き抜いたり、洩れさせると、ボールが収縮し、再度、ボールの動きを可能にする。その他、ボールをソケット内に締り嵌めさせるよう作成し、空気を引き抜くことにより、ボールの動きを可能にしてもよい。
図27は液圧/機械的ロックの1例を示している。この場合、ソケット110の材料は多孔質材料から作られ、加圧した液体をそれに適用することにより、ソケット110が膨張することになる。図27に示すように、この膨張によりソケット110がボール108を押え込み、ロック方向の動きを生じさせる。
図24の実施例の変形例として、ソケット110内でチキソトロピー性又はレオペクシー性流体を使用することができる。チキソトロピー性流体を使用した場合、この流体は低いせん断応力下では粘度がより高くなり(ロックされる)、高いせん断応力下で粘度が低くなる(ロックされていない)。従って、この構造は、小さい応力を加えることによりロックされるが、大きい応力下ではロックされない状態になると考えられる。これは或る応力下で破壊されるように設計された構造に有用となる。
レオペクシー性流体は上記とは反対の機能を奏する。すなわち、高いせん断応力下では粘度がより高くなり(ロックされる)、低いせん断応力下で粘度が低くなる(ロックされていない)。これは特に有望な耐衝撃性構造を提供する。なぜならば、この構造は、低い応力よりも、むしろ高い応力に対しより大きい抵抗を示すからである。従って、通常の使用条件下では柔軟であり、衝撃を与えたときに堅くなる構造を提供することができる。
ロッキング機構を備えた全ての実施例について、状況に応じて可逆性を持たせることができる。或る用途においては、構造体を一度、ロックさせたり、ロックから解除させたりすることだけが必要であり、その場合、ロッキングの可逆性は必須ではない。しかし、上述の例の多くは可逆的構造を提供するものであり、それによりその構造体の再使用が可能となる。この可逆性は、ロック用材料が両方の状態(固体/液体、膨張/圧縮、粘着性/非粘着性など)に複数回、行ったり来たり変化することができるようにすることで提供される。
可逆的および非可逆的ロック機構の組合せを同一構造に使用してもよい。すなわち、UV硬化性接着剤を、可逆的ロック用材料(例えば、熱可塑性ポリマー)の1つと共にボール/ソケット界面に適用してもよい。その結果得られた構造体を加熱し、熱可塑性ロック用材料を液状化し、継手を可動化させ、それによりこの構造体を整形させることができる。ついで、この構造体を多少冷却し、それにより摩擦抵抗を示すが或る程度の動きを依然として可能にしつつ、この構造体を実質的に締まったものとすることができる。ついで、細かな変更を行ったのち構造体を所定位置で最終的にロックするため、UV光をスイッチ・オンにし、接着剤を硬化させ、この構造体を恒久的にロックさせる。これは、この構造体の温度を更に上昇させても、構造体が再度、柔軟になることがないという利点を有する。モジュールは透明なものとし、それによりUV光が硬化性接着剤に到達できるようにする。
上述の実施例において、継手内の活性物質の活性化により、活性化エネルギーが消失するまでの或る時間において、継手を柔軟にさせることができる。例えば、活性物質を加熱することにより継手は、冷却されるまでの或る一定時間移動可能となる。動きを可能にしたり、防止したりするのではなく、この活性物質を、接着又は接着解除機能を提供するのに付加的に、又は代わりとして使用することができる。この継手は、活性化されたとき、接着又は接着解除特性を示す活性物質を有するように設計することができる。例えば、継手を2以上の材料を接合させ、エネルギーの導入により、これら2以上の材料の接着を解除するように設計することができる。この逆も可能であり、継手が、エネルギーが導入されるまで2つの材料を接合させることがなく、エネルギーが導入されて初めて接合が生じるようにしてもよい。本発明の前述の全ての実施例と同様に、ボール/ソケット継手以外にも適用することが可能であり、この活性物質は例えば、2つの平板状の材料を互いに接合させたサンドウィッチ状構造における充填物質として使用することができる。材料を活性化させるために圧力を加え、この圧力が適用されたときに、2つの層間に接着が生じるようにしてもよい。
これらロック機構の任意のものを、ここに記載された関節構造のいずれのものにも適用することができる。これらロック機構は更に、可撓性シートを含む従来の構造体にも適用することができる。
図28はこの技術の特に有望な用途、すなわち、脊髄用ギブスを示している。このギブスは変形した脊髄に対する副木として、通常、1又は2年間使用される。このギブスは、変化する、そして、しばしば、周期的な荷重を受けるものである。このギブスは従来、高密度ポリエチレン材料の固体片から作られ、160℃に加熱することにより柔軟になり、この柔軟状態の間にひな形表面に沿って整形される。この従来のものは、患者の体の型をとり、ひな形を作成してから、ギブスを装着させる必要があるという点で不利である。つまり、これはギブスの装着プロセスを時間がかかるものとし、かつ、高価となる。
図28において、可撓性シート構造は、内側に可撓性材料の2つの“スキン(皮膜)”を有することを示している。すなわち、図28の切欠部には、上部皮膜の一部が切り欠かれ、シート状骨格と、その背後の内部皮膜とを露出させている。この皮膜は、不快感又は刺激を生じさせることなく、敏感な体の部分に対し使用することを可能にするものである。これら皮膜を使用する代わりに、可撓性構造体を所定位置でロックさせたのち、ゲル、気泡又は他の液体を、この可撓性構造体上に注ぎ、可撓性構造体を封入するようにする。この場合、ポリウレタン又はポリプロピレンフォームを使用することができる。この液体を硬く硬化させたとすると、それにより構造体に更なる硬直性を持たせることができ、恒久的な脊髄用ギブスが出来上がる。その他、ゲルを硬化させるが、依然として可撓性を保持するようアレンジすることもできる。この場合、連続表面を有する脊髄用ギブスであって、モジュールを上述の任意の方法でロックを解除させることにより依然として調整可能なものを提供することができる。塗膜又はカバーを、ここに記載した構造体に対し、並びに任意の用途(脊髄用ギブスだけでなく)のために使用することができる。
本発明を脊髄用ギブスに使用することは、以下に詳述する点を含む多くの理由により有利となる。
1.低温で可撓性シート構造体の高度の適合性は、当初において平坦なシートを患者の体の面に沿って直接、適合させることができることを意味し、この場合、型およびひな形を作成したり、新たなモジュールを除去、追加することを必要としない。このことは、平坦な四角形のシートを医師が備えておき、この任意のものを任意の患者に対し使用できることを意味する。このシートを一旦、所定位置に適合させた後は、面倒なモジュール毎のロッキング操作を行う必要なく、簡単、かつ、迅速にロッキングを行うことができる。例えば、平坦なシートに対し、それを可撓性にするために、ホットエアガンで熱風をこのシートに吹きつけ、この可撓性モードを維持させながら患者の体に沿って整形させ、ついで自然に冷却させて硬直化させ、脊髄副木機能を奏するようにする。これは全て、標準の平坦シートを用い、面倒、かつ、単調で退屈な工程を要することなく、非常に短時間に行うことができる。
2.作成されたギブスは何年間も継続させることができ、調整が必要となったときは(例えば、子供用ギブスの場合)、それを迅速、かつ、容易に行うことができる。更に、ギブスの材料は綺麗で、安全で、患者に対し健康上の危険を生じさせるものではない。更に、このギブスは十分な剛性を有し、要求される耐荷重性を有し、一旦ロックされると、その形状は維持される。
3.適合性を向上させるため、可撓性構造体にパッドを施し、カバーを施し、又はクッションを設けたりし、この可撓性構造体を適合性のある内骨格として作用させることができる。
一般に、ここに記載した可撓性構造体は全て、その表面の全て、又は一部を横切る連続的表面を有するように改良することができる。これは、“骨格”構造体を、1又は2枚の皮膜をこの骨格上に重ね、接着させて封入することにより、若しくは、この骨格を或る種の液体内に浸漬し、ついでこれを固化させることにより達成される。この場合の液体は、気泡又はゲルであってもよい。これら2つの方法を組み合わせて使用し、モジュール相互間の隙間に気泡又はゲルを充填させ、得られた構造体を皮膜で被覆してもよい。皮膜を使用しないときは、表面をサンダー仕上げなどにより平滑化させ、円滑な連続表面を形成させてもよい。採用される実際の方法は、用途に適応させて決定される。これらの方法は、緩衝性パッド、空気力学的防風又は水力学的防水付形物(例えば、翼、ボートの船体)として特に有用であると思われる。
本発明の構造体は、その他の用途にも使用することができる。例えば、デリケートな対象物を取り扱う場合、迅速な外注成形プロセスを行う場合に使用することができる。この構造物はスケールを拡大、縮小させたり、あるいは、折り畳み自在で再使用可能なシェルター用に使用することができる。
その他の可能な用途として、以下のものが含まれる(これらは本発明を限定するものとして理解されるべきではない)。
宇宙および防衛:
宇宙服、ハザード服、防弾チョッキ、人体保護服、修理キット用品、充填構造用品(filled structures)、医療傷害用副木、燃料の航空機翼閉じ込め材、内部および外部エーロフォイルおよびフェアリング材、燃料タンク、翼(パラシュート、ミクロライト、ハングライダー用)。
海洋:
ダイビング服、ボート、カヌー、かい、魚又は潜水艦捕捉用ネット、剛体(rigid)帆。
構造体および建築物:
救急用ビル、大テント、避難民、災害救助収容所、会館用音響機構、ひな形用、土壌安定化材料、ライナー(景観用、目格子用、フェンス用、池用)、装飾および湾曲構造物、家具および座席、再使用可能な折り畳み式構造物、波力発電機、足場材料、トンネル強化材料、DIY(湾曲構造物用のベース)、整形用、ひな形用および固定用、彫刻用、ドーム形建造物用、パイプ構築および修理用、展示スタンダード(standards)用、商店用ディスプレー材料、注意を要する場所の構造物用、小型チューブ(灌漑、加熱又は冷却ジャケット用)、彫刻のための芸術および建築用ベース。
自動車:
車両設計およびひな形用、ソフト・トップ/ハード・トップ・コンバーティブル用、カスタムシート用、エアーバッグ置換を含む緩衝構造用、リサイクル容易な自動車部品、スナップ(留め金)/アンスナップ技術用、トラック用材料(荷物ネットに代わるもの)、クラッシ・ダミー(crash dummies)、スノータイヤ。
アパレルおよびアクセサリー:
人体保護用、防止およびヘルメット用、履物用、ディスコ・ギア(disco gear)、宝石用(ネックレス、ブレースレット)、ファッション・アクセサリー、芯地材料、微小パイプを介しての加熱・冷却ジャケット、マネキンおよび商店展示用、女性のアンダーウェア(コルセット、ブラジャー、バスル)。
玩具および新案物:
アクション人物像および人形用、汎用ひな形用、基本形状での建造玩具用、ストレス解放用玩具材料、3Dジグソー用。
スポーツおよびレジャー:
軽量硬質構造物用(ウインドサーファ、スケトボード、スノーボード、スキー、スキーブーツ、そり)、スポーツ用人体保護用具用(クリケットボックス、フェンシング、野球グローブ、パッドおよび詰め物、ボクサー用部品、モーターサイクル用部品、衝突用ヘルメット、アイスホッケー用プロテクター)、登山者およびハイカー用テント、シェルターおよび生存用装具、スーツケースおよび大型旅行カバンの構造用、革サドル用(構造体)。
医療:
矯正用、傷害手足強化用、首部ギブス用、手首の副木用、ギブス包帯用、応急手当用(化学的又はエポキシ固定)、ストレッチャー、体の動くと思われる部分(move as found, body)の固定/副木用、X線のための頭部保持用クランプ、車椅子、床ずれ防止のためのベッド支持部材、手足又は靴の内底のひな形用、ライスパディ−ベッドシューズ(rice paddy−bed shoes)、ミクロレベルの再建外科、関節の固定、関節可撓性の制限、動きの範囲および方向の固定、心拍数、呼吸の医学的測定用、手術テーブル/患者の固定用、薬剤解放用。
エレクトロニクスおよびテレコム:
湾曲/整形LCD型の薄いディスプレーのための裏打ち材料、3D形トランスミッション・センサー、携帯電話、GSMコンピュータなどの携帯用電子機器のためのプラットホーム、ハンドフリー用に整形した電話、折り畳み自在な人工衛星用皿型反射面、テレコム用マスト(一時的のもの、折り畳み自在なもの、組立て式のもの)、ファラディ・ケージおよび汎用EMI/RFIスクリーニング、電話ボックス、音響フード/シェルター。
オイルおよびガス:
パイプライン修理キット、オイル漏れ封止体、トンネル掘削構造用支持体。
包装:
特殊(specialist)包装、デリケートな工芸品包装。
本発明の第1の実施例に係わるモジュールのシートの一部を示す斜視図であって、その拡張した状態を示す図。 本発明の第1の実施例に係わるモジュールのシートの一部を示す斜視図であって、その縮小した状態を示すもの。 第1の実施例に係わるシートの平面図であって、シート構造体をその面内にて最大に拡張させた状態を示す図。 第1の実施例に係わるシートの平面図であって、シート構造体をその面内にて最も圧縮させた状態を示す図。 第1の実施例に係わる6個のモジュールからなる好ましい六角環状構造を示す平面図。 図4のモジュールであって、それを回動させ、全体的密度を増加させ、環状構造を閉じた状態を示す平面図。 図4のC−C線に沿う断面図であって、モジュール120および130が可撓性シートの面内で軸に対し中立に配置されている状態を示す図。 図6と同様の断面図であって、モジュール120が可撓性シートの面内にあり、本図面の面に対し垂直な軸を中心として回動した状態を示す図。 シリンダーの表面に沿って適合させた第1の実施例の可撓性シートを示す写真図。 半球体の表面に沿って適合させた第1の実施例の可撓性シートを示す写真図。 本発明の第2の実施例に係わる2個のモジュールの1つの形態を示す斜視図。 本発明の第2の実施例に係わる2個のモジュールの他の形態を示す斜視図。 本発明の第3の実施例に係わる6個のモジュールの1つの形態を示す斜視図。 本発明の第3の実施例に係わる6個のモジュールの他の形態を示す斜視図。 本発明の第4の実施例に係わる2個のモジュールの1つの形態を示す斜視図。 本発明の第4の実施例に係わる2個のモジュールの他の形態を示す斜視図。 本発明の第5の実施例を示す斜視図。 本発明の第6の実施例に係わる2個のモジュールを示す斜視図。 本発明の第6の実施例に係わるモジュールからなるシートを示す平面図であって、その閉じた状態を示す図。 本発明の第6の実施例に係わるモジュールからなるシートを示す平面図であって、その開いた状態を示す図。 本発明の第6の実施例に係わるモジュールからなるシートを示す平面図であって、その開いた状態を示す図。 本発明の第6の実施例に係わる4個のモジュールを示す平面図であって、その閉じた状態を示す図。 本発明の第6の実施例に係わる4個のモジュールを示す平面図であって、シートが閉じた状態から、どのようにして200%の拡張を与えて開いた状態になるかを示す図。 本発明の第6の実施例に係わる4個のモジュールを示す平面図であって、シートが閉じた状態から、どのようにして200%の拡張を与えて開いた状態になるかを示す図。 可撓性シートの面に垂直に配置された中立軸を模式的に示す図。 可撓性シートの面に平行に配置された中立軸を模式的に示す図。 本発明の第7の実施例を示す模式図。 各モジュールについて僅か4個のノードを用いてなるシート構造を示す模式図。 各モジュールについて僅か4個のノードを用いてなるシート構造を示す模式図。 各モジュールについて僅か4個のノードを用いてなるシート構造を示す模式図。 各モジュールについて僅か4個のノードを用いてなるシート構造を示す模式図。 各モジュールについて僅か4個のノードを用いてなるシート構造を示す模式図。 各モジュールについて僅か4個のノードを用いてなるシート構造を示す模式図。 本発明の1実施例に係わるボールを貫通する断面図。 本発明の1実施例に係わるもので、ボールを内部にそれぞれ挿入させた2個のソケットを有するモジュールを貫通する断面図。 本発明の1実施例に係わるもので、ボールを内部にそれぞれ挿入させた2個のソケットを有するモジュールを貫通する断面図。 本発明の1実施例に係わるもので、ボールを内部にそれぞれ挿入させた2個のソケットを有するモジュールを貫通する断面図。 本発明の1実施例に係わるもので、ボールを内部にそれぞれ挿入させた2個のソケットを有するモジュールを貫通する断面図。 本発明の1実施例に係わるもので、ボールを内部にそれぞれ挿入させた2個のソケットを有するモジュールを貫通する断面図。 本発明の1実施例に係わるもので、ボールを内部にそれぞれ挿入させた2個のソケットを有するモジュールを貫通する断面図。 本発明に係わる可撓性シートを脊髄用ギブスの形状に整形させ、外皮材料で覆った状態を示す斜視図。
符号の説明
100 シート構造体
102 モジュール
104 アーム
106 ボール/ソケット継手
108 ボール
110 ソケット
114 平坦な部分
116 中心
120,130 モジュール
160 第1のモジュール
170 第2のモジュール
180 第1のモジュール
190 第2のモジュール
200,220 モジュール
202,222 双頭ボール状連結片
204,224 連結ソケット
302 連結部材
304,306 ピボット接続部
400 ロック用材料
402,404 溝

Claims (83)

  1. 互いに接続された複数のモジュールを具備してなる可撓性シート構造体であって、前記互いに接続された複数のモジュールのそれぞれが、接続している隣接のモジュールとの関連において第1の軸および第2の軸を中心として回動自在になっていて、前記第1の軸が、平坦状態のシートの面と平行であり、第2の軸が、平坦状態のシートの面と直交していることを特徴とする可撓性シート構造体。
  2. モジュールが、その隣接して接続するモジュールと相対的に、平坦状態のシートの面と平行な軸を中心として、少なくとも−10°から+10°の全範囲で回動可能となっている請求項1記載の可撓性シート構造体。
  3. 前記回動可能な範囲が少なくとも−20°から+20°の全範囲である請求項2記載の可撓性シート構造体。
  4. モジュールが、その隣接して接続するモジュールと相対的に、平坦状態のシートの面と平行な軸を中心として、−60°および+60°を超えない間で回動可能となっている請求項2又は3記載の可撓性シート構造体。
  5. 前記回動可能な範囲が−30°から+30°を超えない間の範囲である請求項4記載の可撓性シート構造体。
  6. モジュールが、その隣接して接続するモジュールと相対的に、平坦状態のシートの面と直交する軸を中心として、少なくとも−10°から+10°の全範囲で回動可能となっている請求項1から5のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  7. 前記回動可能な範囲が少なくとも−30°から+30°の全範囲である請求項6記載の可撓性シート構造体。
  8. 前記回動可能な範囲が少なくとも−80°から+80°の全範囲である請求項7記載の可撓性シート構造体。
  9. 各モジュールが複数のノードを有し、該モジュールの少なくとも1つが、その複数のノードのそれぞれが、異なる隣接するモジュールの各ノードと接続されている請求項1から8のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  10. 各モジュールが3個、かつ、僅か3個のノードを有する請求項9記載の可撓性シート構造体。
  11. 各モジュールが4個、かつ、僅か4個のノードを有する請求項9記載の可撓性シート構造体。
  12. 各ノードがアームの端部に配置されている9,10又は11記載の可撓性シート構造体。
  13. モジュールの各アームが平坦状態のシートの面と平行して延出している11又は12記載の可撓性シート構造体。
  14. 各ノードの接続が単一継手であり、それにより、平坦状態のシートの面に対し直交する回動並びに平坦状態のシートの面に対し平行な回動が、好ましくは同時に可能となっていて、前記直交軸および並行軸の中間の単一軸を中心とする回動が可能となっている請求項10から13のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  15. 前記単一継手が、平坦状態のシートの面に対し、実質的に90°で配向している中立軸を有する請求項14記載の可撓性シート構造体。
  16. 前記単一継手が、平坦状態のシートの面に対し、或る角度で配向している中立軸を有する請求項14記載の可撓性シート構造体。
  17. 前記単一継手が、平坦状態のシートの面に対し、実質的に水平に配向している中立軸を有する請求項14記載の可撓性シート構造体。
  18. 前記単一継手がボール/ソケット継手である請求項14から17のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  19. 前記ボール/ソケット継手が、2つのボールおよび2つのソケットからなる両端ボール/ソケット継手である請求項18記載の可撓性シート構造体。
  20. モジュールが、その隣接して直接又は間接的に接続するモジュールと相対的に、平坦状態のシートの面と平行な軸を中心として、少なくとも−90°から+90°の全範囲内で回動可能となっている請求項1記載の可撓性シート構造体。
  21. モジュールが、その隣接して直接又は間接的に接続するモジュールと相対的に、平坦状態のシートの面と平行な軸を中心として、少なくとも−180°から+180°の全範囲内で回動可能となっている請求項20記載の可撓性シート構造体。
  22. モジュールが、その隣接して直接又は間接的に接続するモジュールと相対的に、平坦状態のシートの面に対し直交する軸を中心として、少なくとも−100°から+100°の全範囲内で回動可能となっている請求項1,20又は21記載の可撓性シート構造体。
  23. モジュールが、その隣接して直接又は間接的に接続するモジュールと相対的に、平坦状態のシートの面と平行な軸を中心として、少なくとも−120°から+120°の全範囲内で回動可能となっている請求項20,21又は22記載の可撓性シート構造体。
  24. 前記シートの少なくとも1つのモジュールが連結部材を介して隣接するモジュールに接続されている請求項1から13又は20から23のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  25. 前記の少なくとも1つのモジュールが、平坦状態のシートの面に平行な軸を中心として前記モジュールと連結部材との間で相対的回動可能にする継手により前記連結部材に接続されている請求項24記載の可撓性シート構造体。
  26. 前記連結部材が互いに接続された2つの部材を具備し、前記接続が平坦状態のシートの面に対し直交する軸を中心として前記2つの部材間で相対的回動可能にする継手によりなされている請求項24又は25記載の可撓性シート構造体。
  27. 各モジュールが、平坦状態のシートの面に対し直交する軸を中心として前記モジュールと連結部材との間で相対的回動可能にする継手により連結部材に接続されている請求項24,25又は26記載の可撓性シート構造体。
  28. 前記連結部材が、その各端部にボールを有する単一の直線状部材からなる請求項24,25,26又は27記載の可撓性シート構造体。
  29. モジュールと、任意の連結部材とが、前記面に閉ループの規則的パターンを形成するように互いに連結されている請求項1から28のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  30. 前記ループが、平面状態のシートの面に対し直交する軸を中心とするモジュールの相対的回動により、前記シートを平坦に保ちながら面積を減少させるよう閉じることが可能となっている請求項25記載の可撓性シート構造体。
  31. 前記シートの全体又は一部の有効面積が、前記シートを平坦に保ちながら、変化できるようになっている請求項1から30のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  32. 前記シートの面積が、前記シートを平坦に保ちながら、当初の大きさの80%以下に減少できるようになっている請求項31記載の可撓性シート構造体。
  33. 前記シートの面積が、前記シートを平坦に保ちながら、当初の大きさの60%以下に減少できるようになっている請求項31記載の可撓性シート構造体。
  34. 前記シートの面積が、前記シートを平坦に保ちながら、当初の大きさの40%以下に減少できるようになっている請求項31記載の可撓性シート構造体。
  35. 各モジュールが、それに接続されている隣接するモジュールと相対的に、平坦状態のシートの面に対し直交する軸のそれぞれを中心として回動自在となっている請求項1から34のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  36. 各モジュールが複数の隣接するモジュールに対し接続されている請求項1から35のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  37. 互いに接続された複数のモジュールを具備してなる可撓性シート構造体であって、該モジュールの少なくとも1つが、平坦状態のシートの面に対しほぼ90°に配向された中立軸を有する多重自由度の継手により他のモジュールに接続されている可撓性シート構造体。
  38. 前記シートの各モジュールが、平坦状態のシートの面に対しほぼ90°に配向された中立軸を有する多重自由度の継手により他のモジュールに接続されている請求項37記載の可撓性シート構造体。
  39. 互いに接続された第1および第2の部材を複数、具備してなる可撓性シート構造体であって、第1の部材は継手を介して第2の部材に接続されており、前記継手が平坦状態のシートの面と平行な軸を中心として相対的回動を可能にし、前記第2の部材のそれぞれが隣接する第2の部材に対し継手を介して接続され、前記継手が平坦状態のシートの面に対し直交する軸を中心として相対的回動を可能にするものであることを特徴とする可撓性シート構造体。
  40. 前記第1の部材のそれぞれが3つのアームを有し、これらアームが平坦状態のシートの面において約120°の角度を以って互いに離間し、前記第2の部材のそれぞれが端部に継手を有する直線状部材からなる請求項39記載の可撓性シート構造体。
  41. 互いに接続された複数のモジュールを具備してなる可撓性シート構造体であって、各モジュールは第1、第2および第3のアームを有し、これらアームのそれぞれが他の2つのアームに対し規則的に離間し、各アームは隣接するモジュールのアームに接続されており、前記シートの各モジュールが隣接するモジュールと相対的に、平坦状態のシートの面に対し直交する軸を中心として回動自在となっている可撓性シート構造体。
  42. 各モジュールが、実質的に剛体で、非可撓性のプラスチック材料から構成されている請求項1から41のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  43. モジュール間の接続が、隣接するモジュール間の純粋な相対的移動が不可能となるように構成されている請求項1から42のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  44. 前記シート中の各モジュールが、該シートの他のモジュールと実質的に同じ形状のものである請求項1から43のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  45. 互いに接続された複数のモジュールを具備してなる可撓性シート構造体であって、前記複数のモジュールがシートの平坦性を維持しつつ、シートの有効面積を変化することができ、かつ、複雑な形状のものの周りに円滑に適合し得るよう平面的な動き以外の動きができるようになっている可撓性シート構造体。
  46. 前記シート構造体のための円滑な外皮表面を与えるため適用される追加の材料を更に含む請求項1から45のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  47. 前記追加の材料が、複数のモジュールに接着された薄い被覆材料である請求項46記載の可撓性シート構造体。
  48. 前記追加の材料が、複数のモジュールを封入するように適用された液体である請求項46記載の可撓性シート構造体。
  49. 請求項1から48のいずれかに記載の可撓性シート構造体に使用されるモジュール。
  50. 可撓性シート構造体に使用されるモジュールであって、該モジュールは複数のアームを具備し、それぞれのアームが多重自由度の継手の片方を有し、それが、シート内の隣接するモジュールのアームに設けられた多重自由度の継手の他の片方と接続されるようになっていて、前記多重自由度の継手が、平坦状態のシートの面から外れて配向した中立軸を持つように、多重自由度の継手の片方が配向するようになっているモジュール。
  51. 前記多重自由度の継手の片方がモジュールの主面に対し、90°の角度を以って配向している請求項50記載のモジュール。
  52. 前記多重自由度の継手の片方がボール又はソケットのいずれかである請求項50又は51記載のモジュール。
  53. 互いに接続された複数のモジュールを具備してなるロック可能な関節構造であって、これらモジュールは相互に選択的な動きが可能となっていて、2つのモジュール間の少なくとも1つの接続部が少なくとも2つの状態を採り得るロック用材料を含み、前記の少なくとも2つの状態が、前記部材の相対的動きを可能にする第1の状態と、前記相対的動きを少なくとも実質的に防止する第2の状態とを含み、これら2つの状態間の移行が前記ロック用材料へのエネルギーの選択的導入により達成されるようになっている関節構造。
  54. 前記の選択的な動きが回動である請求項53記載の関節構造。
  55. 前記回動が2以上の軸を中心とするものである請求項54記載の関節構造。
  56. 前記第1の状態が前記第2の状態よりもより柔軟な状態である請求項53,54又は55記載の関節構造。
  57. 前記第2の状態が凍結状態である請求項56記載の関節構造。
  58. 前記移行が前記凍結状態から前記柔軟な状態への移行であり、該移行は、前記ロック用材料を加熱することにより達成されるものである請求項57記載の関節構造。
  59. 前記ロック用材料が、関節構造の材料と比較して、マイクロ波エネルギーにより著しく加熱され易いものであり、従って、前記ロック用材料への加熱は関節構造全体をマイクロ波照射に曝すことにより行うことができるものである請求項58記載の関節構造。
  60. 前記第1の状態が膨張状態であり、前記第2の状態が圧縮状態である請求項53,54又は55記載の関節構造。
  61. 前記第1の状態が圧縮状態であり、前記第2の状態が膨張状態である請求項53,54又は55記載の関節構造。
  62. 前記移行が前記圧縮状態から前記膨張状態への移行であり、該移行は前記ロック用材料を加熱又は通電することにより達成されるものである請求項60又は61記載の関節構造。
  63. 前記第1の状態が未接着状態であり、前記第2の状態が接着状態である請求項53,54又は55記載の関節構造。
  64. 前記移行が未接着状態から接着状態への移行であり、該移行は、前記接続部を加熱、UV照射又は通電することにより達成されるものである請求項63記載の関節構造。
  65. 前記第1の状態が圧縮状態であり、前記第2の状態が未圧縮又は第一の状態よりも低圧縮状態である請求項53,54又は55記載の関節構造。
  66. 前記移行が未圧縮又は低圧縮状態から圧縮状態への移行であり、該移行は、液体又は空気を前記接続部へ送ることにより達成されるものである請求項65記載の関節構造。
  67. 前記移行が可逆的である請求項53から66のいずれかに記載の関節構造。
  68. 前記接続部がボール/ソケット継手であり、前記ロック用材料が前記ボールの周りの少なくとも一部に配置されている請求項53から67のいずれかに記載の関節構造。
  69. 前記ボール/ソケット継手が平坦部分を有し、前記ロック用材料が該平坦部分近傍に配置されている請求項68記載の関節構造。
  70. 関節構造がロックされているとき、前記ボール/ソケット継手の中立軸を中心とする回動を防止する凹凸形状を有する請求項68又は69記載の関節構造。
  71. 前記ボール又はソケットが1又はそれ以上の溝付き凹凸構造を有し、その部分に前記ロック用材料が配置されている請求項70記載の関節構造。
  72. 前記接続部がシャフト部と、環状部とを有するピボット構造のものである請求項53から67のいずれかに記載の関節構造。
  73. 前記ロック用材料が、シャフト部と環状部との間に配置されている請求項72記載の関節構造。
  74. 前記シャフト部又は環状部が非円筒面を有し、前記ロック用材料が前記非円筒面近傍に配置されている請求項73記載の関節構造。
  75. 前記ロック用材料が熱可塑性材料からなる請求項53から74のいずれかに記載の関節構造。
  76. 前記ロック用材料が共晶材料からなる請求項53から75のいずれかに記載の関節構造。
  77. 前記ロック用材料が熱硬化性材料からなる請求項53から76のいずれかに記載の関節構造。
  78. 前記ロック用材料がポリマーからなる請求項53から77のいずれかに記載の関節構造。
  79. 前記ロック用材料がチキソトロピー性流体又はレオペクシー性流体からなり、関節構造に作用する応力のレベルに応じて異なる程度の有効粘度が提供されるようになっている請求項53から78のいずれかに記載の関節構造。
  80. 請求項53から79のいずれかに記載のロック自在な関節構造を具備してなる可撓性シート構造体。
  81. 少なくとも2つのモジュールが、請求項53から79のいずれかに記載の関節構造により互いにロック自在に接続されている請求項1から48のいずれかに記載の可撓性シート構造体。
  82. 前記シート中の全ての接続部が、請求項53から79のいずれかに記載の関節構造により互いにロック自在となっていて、該シートは選択的に適合自在、かつ、ロック自在となっている請求項81記載の可撓性シート構造体。
  83. 請求項1から47又は53から82のいずれかに記載の可撓性シート構造体を具備してなる脊髄用ギブス。
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