JP2007509163A - 組織および臓器においてスタシスを誘導する方法、組成物、および装置 - Google Patents

組織および臓器においてスタシスを誘導する方法、組成物、および装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、臓器の全てまたは一部を含む、組織においてスタシスを誘導するために酸素アンタゴニストを用いることに関する。これには、組織を保存および/または保護するために、組織においてスタシスを得るための方法および装置が含まれる。特定の態様において、移植を目的とした組織を保存するための保存法および装置を提供する。

Description

1.発明の分野
本発明は、全般的に、細胞生物学の分野に関する。より詳しく述べると、本発明は、酸素と競合する物質を用いて分離された組織および/または臓器においてスタシスを誘導する方法および装置に関する。特定の態様において、分離された組織および/または臓器を保存する方法および装置が存在する。
本出願は、その全てが参照により本明細書に組み入れられる、2003年10月22日に提出された米国特許仮出願第60/513,458号、2004年2月26日に提出された米国特許仮出願第60/548,150号、および2004年6月8日に提出された米国特許仮出願第60/557,942号に対する優先権を主張する。
米国政府は、国立一般医療科学研究所(NIGMS)の助成金番号GM048435号により本発明に権利を保有しうる。
2.関連技術の説明
スタシスは、「休止」を意味するラテン語である。生きている組織におけるスタシスという場合、最も一般的な形のスタシスは、移植または再接着のための組織の保存に関連する。典型的に、そのような組織は、生理食塩液のような生理的液体に浸され、細胞の損傷に至る生化学的プロセスを減少させるために低温に置かれる。このスタシスは不完全であり、長期間あてにすることはできない。実際に、臓器移植および脚の再結合の成功は、臓器または脚が無傷の生体に接触していない時間と反比例する。
より極端な場合のスタシスは、口語で「仮死状態」として知られる状態に生体全体を置くことを含む。このことは主として科学小説の領域で考えられていたが、裕福な人々が、将来の医学の大進歩によって彼らの復活および致死的な病気の治癒が可能となるであろうという望みを持って、死後の凍結保存を要求したことから、いくぶん悪評が立っている。伝えられるところでは、1967年における最初の試み以降、100人より多い人々が凍結保存されており、1000人より多い人々がいくつかの機構の一つ、例えばAlcor Life Extension Foundationと、人体冷凍術に関する法的および財政的取り決めを交わした。そのような方法は、抗虚血剤の投与、低温保存、および凍結固定液による人体全体の潅流法を含む。
本明細書に記述の組成物、方法、または製品によって企図される生体物質においてスタシスを誘導する有用性は、スタシスの誘導もしくは開始後のスタシスが維持される期間、その後の正常もしくはほぼ正常な生理的状態への逆転、またはスタシスを全体的または部分的にも受けたことがない生体物質の状態より良好な状態であると当業者が認識するであろう状態を特徴とする。
スタシスはまた、スタシスではないものとして定義することができる。有機体のスタシスは、以下の状態のいずれでもない:睡眠、昏睡、死、麻酔状態、または大発作。
低体温状態に曝露後、通常冷たい水に入っていた後に脈拍および呼吸が見かけ上停止したものの生き延びた人に関する多数の報告がある。科学者によって完全には理解されていないが、そのような状況を生き延びる能力は、おそらく「哺乳類の潜水反射」と呼ばれるものに由来する。この反射は、生きている臓器を保護するために、肺、心臓、咽頭、および食道を制御する迷走神経系を刺激すると考えられている。おそらく、皮膚における神経受容体の冷水刺激によって、皮膚、消化管、および四肢ではなくて、脳および心臓への血流のバイパス形成が引き起こされる。同時に、保護的な反射徐脈または心拍の遅延は、次第に減少した体内の酸素供給を維持する。残念なことに、この反射の発現は全ての人々において同じではなく、冷水浸漬状態の症例のごく10〜20%における要因であると考えられている。
低体温症および/または酸素に完全にまたは全く依存しない組成物および方法は、組織または細胞保存の状況のみならず、臓器保存の状況において有用となる可能性がある。細胞および組織は現在、低体温を用いて、しばしば液体窒素のような実質的に凍結より低い温度で保存されている。しかし、温度に依存することは、そのような低温を産生する装置および物質が、必要な場合にまたはそれらが交換を必要とする場合に容易に利用できない可能性があることから、問題となりうる。例えば、組織培養細胞はしばしば、液体窒素を入れたタンクに長期間保存される;しかし、これらのタンクはしばしば、ユニット内の液体窒素を定期的に交換する必要があり、そうでなければ液体窒素が枯渇して温度が維持されなくなる。さらに、凍結/融解プロセスの結果として、細胞および組織に対する損傷が起こる。このように、改善された技術が必要である。
その上、切断および低体温のような外傷を受けた生物全体では細胞および生理的代謝の制御能がないことも、医学の分野における重要な短所である。一方、上記の逸話風の証拠は、正しく理解および調節されれば、細胞、組織およびおそらく生物全体においてスタシスを誘導できる可能性があることを強く示唆している。このように、外傷の条件で代謝プロセスを制御する改善された方法が強く必要である。
発明の概要
したがって、本発明は、生物に含まれていない組織(分離された組織)においてスタシスを誘導するための方法、組成物、製品、および装置を提供する。本発明は、保護機能を有すると決定され、このように保護物質として作用する化合物による試験に基づいている。その上、異なる化合物を含む研究の全体的な結果から、利用可能な電子供与体中心を有する化合物がスタシスを誘導するために特に有効であることが示されている。さらに、これらの化合物は、可逆性のスタシスを誘導し、このことは、それらが物質が死滅するまたは分解するほどには特定の生体物質に対して毒性ではないことを意味している。そのような化合物は、組織を保護、保存、および/または組織の寿命を延長させるための方法、製品、および装置において用いることができる。スタシス状態の、またはスタシスを受けた組織は、多くの応用において用いることができる。それらは、例えば、輸血または移植(臓器移植を含む、治療的応用)のために;研究目的のために;スタシスを誘導する他の化合物を同定、特徴付け、または製造するためのスクリーニングアッセイのために;組織が得られた試料を試験するため(診断応用);それらが由来する生物に戻される組織を保存するまたは組織に対する損傷を予防するため(予防的応用);および輸送または保存の際に組織を保存または組織に対する損傷を防止するために用いることができる。
本発明は、a)スタシスが望ましい組織を同定する段階;およびb)スタシスを誘導するために酸素アンタゴニストの有効量に組織を曝露する段階を含む、生物から分離された組織においてスタシスを誘導する方法に関する。細胞における「スタシス」の誘導は、組織が生存しているが、以下の一つまたはそれ以上を特徴とすることを意味する:生体物資による二酸化炭素産生速度または量の少なくとも2倍減少;生体物質による酸素消費速度または量の少なくとも2倍減少;および運動または運動性の少なくとも10%減少(鼓動する心臓のような動きを示す組織に限って当てはまる)(集合的に「細胞呼吸指標」と呼ばれる)。本発明の方法において、スタシスは一時的および/または可逆性であり、生体物質が何らかの後の時点ではスタシスの特徴をもはや示さないことを意味している。「生体物質」という用語は、細胞、組織、臓器、および/または生体、およびその任意の組み合わせを含む任意の生きている生物材料(好ましい態様において哺乳類の生物材料)を指す。「インビボ生体物質」という用語は、インビボに存在する、すなわちなおも生体に存在するまたは結合している生体物質を指す。本発明のいくつかの態様において、生体物質はインビボ生体物質ではない。その上、「生体物質」という用語は、「生物材料」という用語と同義であると理解されるであろう。
「生体から分離された組織」という用語は、組織が生体内に存在しないことを意味する。いくつかの態様において、組織は臓器の全てかまたは一部である。組織が細胞によって構成されると考えた時、「組織」という用語は類似した細胞が集まって、ある限定された種類の構造物質を形成することを意味する。
「酸素アンタゴニスト」という用語は、それが生存するために酸素を必要とする生体物質(「酸素利用生体物質」)によって用いられる限り、酸素と競合する物質を指す。酸素は典型的に、生体物質の容易に利用可能な主なエネルギー源を産生する様々な細胞プロセスのために用いられ、必要である。酸素アンタゴニストは、酸素利用生体物質にとって利用可能な酸素量、および/または酸素利用生体物質が用いることができる酸素量を有効に減少または消失させる。このように、いくつかの態様において、酸素アンタゴニストは、そうでなければ酸素に結合するであろうチトクロームcオキシダーゼ上の部位に結合することによって、細胞において起こる細胞呼吸量を阻害または減少させる。チトクロームcオキシダーゼは、酸素に特異的に結合して、これを水に変換する。好ましくは、酸素アンタゴニストによるチトクロームcオキシダーゼに対する結合は特異的である。いくつかの態様において、チトクロームcオキシダーゼに対するそのような結合は、好ましくは放出可能または可逆的な結合である(例えば、インビトロ解離定数Kdが少なくとも10-2、10-3、10-4 Mであり、インビトロ解離定数Kdは10-6、10-7、10-8、10-9、10-10、または10-11 Mより大きくない)。いくつかの態様において、酸素アンタゴニストは、ATPおよび/または二酸化炭素産出量を測定することによって評価される。
「有効量」という用語は、記載の結果を得ることができる量を意味する。本発明の方法において、「有効量」は、例えば組織においてスタシスを誘導する量である。組織または臓器においてスタシスを誘導する場合、有効量は、組織または臓器の集団的な量の呼吸によって決定される、組織または細胞においてスタシスを誘導する量であると理解される。従って、例えばある特定の酸素アンタゴニストの特定量の曝露によって、心臓(心臓の細胞に対して、集団的に)による酸素消費量が少なくとも2倍減少するならば、それが心臓においてスタシスを誘導する有効量であるということが理解されるだろう。
特定の化合物の有効量に関する考え方は、生体物質にとって利用可能な酸素がどのくらいの量存在するかに関連している。一般的に、スタシスは、いずれの酸素アンタゴニストも存在しない場合、酸素約100,000 ppmまたはそれ未満である場合に誘導されうる(室内の空気は酸素約210,000 ppmを有する)。酸素アンタゴニストは、有効利用できる酸素量を変化させるように作用する。このように、生体物質が曝露される酸素の実際の濃度は、10 ppmより高い、さらにより高い可能性があるが、生体物質における本質的な酸素代謝タンパク質に対する結合に関する酸素アンタゴニストと酸素との競合的作用のために、スタシスを誘導することができる。言い換えれば、酸素アンタゴニストの有効量は、存在する酸素を用いることができない点まで有効な酸素濃度を減少させる。このことは、酸素アンタゴニストの量が本質的な酸素代謝タンパク質に対する酸素結合のKm(すなわち、酸素10 ppmと同等)より低く有効酸素濃度を減少させる場合に起こるであろう。したがって、いくつかの態様において、酸素アンタゴニストは、有効酸素濃度を約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、350倍、400倍、450倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍、1100倍、1200倍、1300倍、1400倍、1500倍、1600倍、1700倍、1800倍、1900倍、2000倍、2100倍、2200倍、2300倍、2400倍、2500倍、2600倍、2700倍、2800倍、2900倍、3000倍、3100倍、3200倍、3300倍、3400倍、3500倍、3600倍、3700倍、3800倍、3900倍、4000倍、4100倍、4200倍、4300倍、4400倍、4500倍、5000倍、6000倍、7000倍、8000倍、9000倍、または10000倍、またはそれ以上、またはそこから誘導可能な任意の範囲減少させる。これは、細胞呼吸の減少を示すもう一つの方法であると理解される。
その上、有効量は、曝露時間の長さに対する定性を有するまたは有しない濃度として表記することができる。いくつかの態様において、一般的に、スタシスを誘導するために、組織は、酸素アンタゴニストに約、少なくとも約、または多くて約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60秒、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60分、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間、1、2、3、4、5、6、7日、1、2、3、4、5週間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20年またはそれ以上、およびそこから誘導可能な任意の組み合わせまたは範囲のあいだ、曝露されると企図される。その後、生体物質は、酸素アンタゴニストに曝露され続けてもよく、または本発明の他の態様において生体物質はもはや酸素アンタゴニストに曝露されない。この後者の段階は、生体物質の存在から酸素アンタゴニストを除去するもしくは有効に除去することによって行うことができ、または酸素アンタゴニストを含む環境から生体物質を除去してもよい。
したがって、本発明のいくつかの態様において、スタシスが誘導され、本発明の方法におけるさらなる段階は、組織をスタシス状態で維持することである。これは、酸素アンタゴニストに組織を曝露し続ける、および/または組織を非生理的または管理された温度に曝露することによって行うことができる。または、組織を保存物質もしくは溶液中に入れる、または通常酸素もしくは低酸素条件に曝露してもよい。組織は、スタシスに約、少なくとも約、または多くて約30秒間、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55分、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間、1、2、3、4、5、6、7日、1、2、3、4、5週間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20年またはそれ以上、およびそこから誘導可能な任意の組み合わせ、または範囲のあいだ、維持されてもよいと企図される。
「曝露」という用語は、その通常の意味に従って、生体物質が酸素アンタゴニストに供されることを意味するために用いられる。これは、いくつかの態様において、生体物質を酸素アンタゴニストに接触させることによって行うことができる。組織を酸素アンタゴニストに曝露することは、アンタゴニストにおいて(浸漬を含む)または共にインキュベートすることによって、アンタゴニストを潅流または注入することによって、組織に酸素アンタゴニストを注射することによって、または酸素アンタゴニストを組織/臓器に適用するもしくは組織/臓器層がそれに近位に存在する表面に適用することによって行うことができる。これ全てが、分離された組織に酸素アンタゴニストを投与する方法である。
いくつかの態様において、有効量は、酸素アンタゴニストの致死下用量としての特徴を有する。「致死下用量」は、投与後24時間以内に少なくとも大部分の組織中の細胞を死滅させるであろう酸素アンタゴニストの量の半分より少ない酸素アンタゴニストを1回投与することを意味する。他の態様において、有効量は、酸素アンタゴニストのほぼ致死用量であると特徴づけられる。「ほぼ致死用量」は、投与後24時間以内に少なくとも大部分の組織中の細胞を死滅させるであろう阻害剤の量の25%以内の酸素アンタゴニストの1回投与を意味する。いくつかの態様において、酸素アンタゴニストの既定量を生物材料に投与することによって、致死下用量を投与する。
いくつかの態様において、有効量は、単独または併用して投与される酸素アンタゴニストの量のモニタリング、酸素アンタゴニストの投与期間のモニタリング、酸素アンタゴニストの投与に対する生物材料の生理的反応のモニタリング(例えば、脈拍、呼吸、疼痛反応、運動、または運動性等)、およびその反応における変化に関して既定の最低値または最高値が測定された場合の酸素アンタゴニストの投与の減少、中断、または中止等によって投与される。その上、これらの段階は、本発明の任意の方法においてさらに用いることができる。
特定の態様において、生体物質は、生体物質による二酸化炭素の産生速度または産生量を、少なくとも2倍、しかし約、少なくとも約、または多くて約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍またはそれ以上、またはそこから誘導可能な任意の範囲減少させる酸素アンタゴニストの量に曝露される。なおさらなる態様において、生体物質は、生体物質による酸素の消費速度または消費量を、少なくとも2倍、しかし約、少なくとも約、または多くて約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍またはそれ以上、またはそこから誘導可能な任意の範囲減少させる酸素アンタゴニストの量に曝露される。なおさらなる態様において、生体物質は、運動または運動性を、少なくとも約10%、しかし約、少なくとも約、または多くて約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、または100%またはそこから誘導可能な任意の範囲減少させる酸素アンタゴニストの量に曝露される。
さらに、本発明のいくつかの態様において、スタシスに達するために必要な値ほど高くてもよく、高くなくてもよい細胞呼吸を減少させる方法が提供される。本発明の方法において、酸素消費の約、少なくとも約、または多くて約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100%減少が提供される。これはまた、任意の細胞呼吸指標に関して表現および評価することができる。
生体物質は、一つまたはそれ以上の酸素アンタゴニストに1回より多く露出されてもよいと企図される。生体物質は、一つまたはそれ以上の酸素アンタゴニストに1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回またはそれ以上曝露されてもよいと企図され、このことは生体物質が、そのあいだに休止期間が存在する(酸素アンタゴニストの曝露に関して)多数回曝露されることを意味する。
いくつかの場合において、致死下集団用量または非致死集団用量を生体物質に投与する。先に述べたように、生物全体ではない生体物質においてスタシスを誘導することに関して、「致死下集団用量」は、集合的に、1回の投与後24時間以内に細胞の少なくとも大部分を死滅させるであろう酸素アンタゴニストの量の半分より少ない酸素アンタゴニストの複数回投与の量を意味する。他の態様において、有効量は、酸素アンタゴニストのほぼ致死量であると特徴づけられる。同様に、「ほぼ致死集団用量」は、1回の投与後24時間以内に細胞の少なくとも大部分を死滅させるであろう酸素アンタゴニストの量の25%以内である酸素アンタゴニストの複数回投与の量を意味する。多数回投与は、生物全体においてスタシスを誘導するために投与することができると企図される。「致死下集団用量」および「ほぼ致死集団用量」に関する定義は、生物全体におけるスタシスに関して先に考察した個々の用量に基づいて外挿することができる。
組織は酸素利用細胞を有する任意の供給源に由来することができると企図される。より詳しく述べると、いくつかの態様において、組織は哺乳類に由来する。本発明において組織を使用できる哺乳類には、ヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、ヤギ、ブタ、イヌ、ネコ、フェレット、ウシ、ヒツジ、およびウマ由来の組織が含まれるがこれらに限定されない。
その上、組織は、心臓、肺、腎臓、肝臓、骨髄、膵臓、皮膚、骨、静脈、動脈、角膜、血管、小腸、大腸、喉頭、脳、脊髄、平滑筋、神経、骨格筋、卵巣、精巣、子宮、および臍帯からなる群より選択される。特定の組織または臓器に由来しうる。これら総数の臓器の全てまたは一部の臓器を臓器移植を目的として使用することができる。その上、本発明の方法において異なる種類の組織の組み合わせが使用され得ることが企図される。例えば、手の移植は異なる種類の組織および、異なる種類の細胞を必要とする。
生体物質は、一つより多い酸素アンタゴニストに曝露または接触させてもよい。生体物質は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多い酸素アンタゴニスト、またはそこから誘導可能な任意の範囲を含む、少なくとも一つの酸素アンタゴニストに曝露されてもよい。多数の酸素アンタゴニストに関して、「有効量」という用語は、酸素アンタゴニストの集団量を指す。例えば、生体物質を、第一の酸素アンタゴニストに曝露した後、第二の酸素アンタゴニストに曝露してもよい。または、生体物質を一つより多い酸素アンタゴニストに同時または重なり合うように曝露してもよい。さらに、生体物質が曝露される単一の組成物におけるような、一つより多い酸素アンタゴニストを含んでもよくまたは共に混合してもよいと企図される。
本発明の方法および装置は、いくつかの態様において酸素アンタゴニストである保護物質を含む。なおさらなる態様において、酸素アンタゴニストは還元剤である。
なおさらなる態様において、酸素アンタゴニストはカルコゲナイト化合物である。特定の態様において、カルコゲナイド化合物は硫黄を含み、他の態様において、カルコゲナイド化合物はセレン、テルル、またはポロニウムを含む。特定の態様において、カルコゲナイド化合物は、一つまたはそれ以上の露出したスルフィド基を含む。このカルコゲナイド化合物は、1、2、3、4、5、6個またはそれ以上のまたはそこから誘導可能な任意の範囲の露出したスルフィド基を含む。特定の態様において、そのようなスルフィド含有化合物は、CS2(二硫化炭素)である。
その上、本発明のいくつかの方法において、スタシスは、以下の化学構造を有する還元剤に組織/臓器を曝露することによって、組織/臓器において誘導される:
Figure 2007509163
式中、XはN、O、Po、S、Se、またはTeである;
YはNまたはOである;
R1はH、C、低級アルキル、低級アルコール、またはCNである;
R2はH、C、低級アルキル、低級アルコール、またはCNである;
nは0または1である;
mは0または1である;
kは0、1、2、3、または4である;および
pは1または2である。
「低級アルキル」および「低級アルコール」という用語は、その通常の意味に従って用いられ、記号は、化学元素を指すために用いられる記号である。この化学構造は、「還元剤構造」と呼ばれ、この構造を有する任意の化合物は、還元剤構造化合物と呼ばれるであろう。さらなる態様において、kは還元剤構造において0である。その上、他の態様において、R1および/またはR2基は、アミンまたは低級アルキルアミンとなりうる。他の態様において、R1および/またはR2基は、短鎖アルコールまたは短鎖ケトンとなりうるであろう。さらに、R1およびR2は架橋されてもよく、および/または化合物は環状化合物であってもよい。なおさらなる態様において、Xはハロゲンであってもよい。「低級」という用語は、炭素原子1、2、3、4、5、もしくは6個、またはそこから誘導可能な任意の範囲を意味する。その上、R1および/またはR2は、C2-C5エステル、アミド、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エーテル、ニトリル、無水物、ハロゲン化物、アシルハロゲン化物、スルフィド、スルホン、スルホン酸、スルホキシド、および/またはチオールを含む他の低分子有機官能基であってもよい。そのような置換は、R1および/またはR2に関して明らかに企図される。特定の他の態様において、R1および/またはR2は、上記の低分子有機官能基の短鎖型であってもよい。「短鎖」とは、炭素原子1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12個またはそこから誘導可能な任意の範囲を意味する。
還元剤構造の化合物は、いくつかの場合においてカルコゲナイド化合物となりうると企図される。特定の態様において、カルコゲナイド化合物は、露出したカルコゲナイドを有するアルキル鎖を有する。他の態様において、カルコゲナイド化合物は、生体物質に取り込まれた後露出されるようになるカルコゲナイドを有する。この点において、カルコゲナイド化合物は酸素アンタゴニストとしてのプロドラッグと類似である。したがって、化合物上の一つまたはそれ以上の硫黄、セレニド、酸素、テルル、ポロニウム、またはウンウンヘキシウム分子は、カルコゲナイド化合物に対する生体物質の曝露後に利用できるようになる。この状況において、「利用できる」は、硫黄、セレニド、酸素、テルル、ポロニウム、またはウンウンヘキシウムが、電子を保持するであろうことを意味する。
なおさらなる態様において、還元剤構造化合物は、H2S、H2Se、H2Te、およびH2Poからなる群より選択される。いくつかの場合において、還元剤構造はSであるXを有する。他の場合においてXはSeであり、またはXはTeであり、またはXはPoであり、またはXはOである。さらに、還元剤構造におけるkはいくつかの態様において、0または1である。特定の態様において、還元剤構造化合物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルスルフィド(DMS)、一酸化炭素、メチルメルカプタン(CH3SH)、メルカプトエタノール、チオシアネート、シアン化水素、メタンチオール(MeSH)、またはジメチルスルフィド(CS2)である。特定の態様において、酸素アンタゴニストはH2S、H2Se、CS2、MeSH、またはDMSである。これらの分子の大きさの順の化合物は特に企図される(すなわち、その分子量の平均値の50%以内)。
その上、本明細書において酸素アンタゴニストとして考察したいずれの化合物も、生体物質に対するプロドラッグ型で提供することができ、このことは生体物質または生体物質の環境における他の物質が、プロドラッグをその活性型、すなわち酸素アンタゴニストへと変化させることを意味すると一般的に理解されるであろう。
酸素アンタゴニストは、酸素と競合することができる状態で組織/臓器に提供される。酸素アンタゴニストはガス、半固体液体(ゲルまたはペーストのような)、液体、または固体であってもよい。生体物質は、一つより多い酸素アンタゴニスト、および/または一つより多い状態の酸素アンタゴニストに曝露されてもよいと企図される。
特定の態様において、酸素アンタゴニストはガスである。特定の態様において、ガス様酸素アンタゴニストには、一酸化炭素、窒素、硫黄、セレン、テルル、またはポロニウム、またはその混合物が含まれる。その上、酸素アンタゴニストは、ガスとしてのカルコゲナイド化合物であると特に企図される。いくつかの態様において、酸素アンタゴニストは、一つより多いガスを含むガスの混合物である。いくつかの態様において、他のガスは非毒性および/または非反応性のガスである。いくつかの態様において、他の気体は希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、またはウンウンオクチウム)、窒素、酸化窒素、水素、またはその混合物である。
いくつかの場合において、ガス混合物はまた酸素を含む。本発明の他の態様において、酸素アンタゴニストのガスを酸素と混合して酸素ガス混合物を形成する。酸素ガス混合物における酸素の量が、混合物における他の全てのガスまたは複数のガスの全量より少ない酸素ガス混合物が特に企図される。
いくつかの態様において、酸素アンタゴニストガスは、一酸化炭素であり、一酸化炭素の量は、酸素ガス混合物における酸素の任意の量とほぼ同じまたはこれより多い。特定の多様において、一酸化炭素は血液を含まない生体物質について用いられる。「血液を含まない生体物質」という用語は、移植のための臓器のような、その酸素飽和が血管に依存しない、またはもはや依存しない細胞および臓器を指す。好ましくは、大気は100%COであるが、当業者に明らかであるように、CO量は利用可能な酸素量が細胞呼吸を防止するレベルまで減少する限り、酸素以外のガスによって平衡にしてもよい。この状況において、一酸化炭素対酸素の比は、好ましくは85:15もしくはそれ以上、199:1もしくはそれ以上、または399:1もしくはそれ以上である。特定の態様において、比は約、少なくとも約、または多くて約1:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、55:1、60:1、65:1、70:1、75:1、80:1、85:1、90:1、95:1、100:1、110:1、120:1、130:1、140:1、150:1、160:1、170:1、180:1、190:1、200:1、210:1、220:1、230:1、240:1、250:1、260:1、270:1、280:1、290:1、300:1、310:1、320:1、330:1、340:1、350:1、360:1、370:1、380:1、390:1、400:1、410:1、420:1、430:1、440:1、450:1、460:1、470:1、480:1、490:1、500:1、またはそれ以上、またはそこから誘導可能な任意の範囲である。
なおさらなる態様において、上記の数値は、一酸化炭素対酸素と一つまたはそれ以上の他の気体との混合物の比に関する。場合によっては、他のガスは窒素(N2)のような非反応性のガスであると企図される。このように、本発明の他の態様において、上記の数値は、本発明の方法および装置において用いることができる一酸化炭素対酸素と窒素(O2/N2)の混合の比に当てはまる。したがって、他のガスが存在してもよく、存在しなくてもよいと理解されるであろう。いくつかの態様において、CO:酸素比は、一つまたはそれ以上の他の気体(非一酸化炭素および非酸素ガス)によって釣り合う。特定の態様において、CO:酸素比は窒素によって平衡となる。なおさらなる態様において、COの量は、上記の数値によって記述されるように、室内の空気と比較したCOの比である。
いくつかの場合において、一酸化炭素の量は酸素の量に相関するが、その他の場合では一酸化炭素の量は絶対量である。例えば、本発明のいくつかの態様において、酸素の量は、20℃および1気圧の標準的な温度および大気圧での百万分率での酸素の体積の割合の測定値である「百万分率(ppm)」で表され、ガスの体積の平衡は、一酸化炭素によって補われる。この状況において、一酸化炭素対酸素の量は、一酸化炭素によって平衡にした酸素の百万分率に関して関連する。生体材料が曝露またはインキュベートされる大気は、一酸化炭素およびいくつかの場合において、非毒性および/または非反応性ガスと混合した一酸化炭素によってバランスをとった酸素の少なくとも0、50、100、200、300、400、500、1000、または2000 ppmであってもよいと企図される。「環境」という用語は、試料のすぐ周囲の環境を指し、すなわち生体物質が直接接触している環境を指す。このように、生体物質は、一酸化炭素に直接曝露されなければならず、一酸化炭素の密封されたタンクが生体物質と同じ室内に存在して、本発明に従う「環境」と共にインキュベートすると見なされるには不十分である。または、大気はkPaによって表記してもよい。1気圧において百万分の1=101 kPaであると一般的に理解される。本発明の態様において、生体材料がインキュベートまたは曝露される環境は、O2が約、少なくとも約、または多くて約0.001、0.005、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.5、0.90、0.95、1.0 kPaまたはそれ以上、またはそこから誘導可能な任意の範囲である。先に記述したように、そのようなレベルは一酸化炭素および/または他の非毒性および/または非反応性ガスによって平衡にすることができる。同様に、大気はCOレベルをkPa単位で定義してもよい。特定の態様において、大気はCOが約、少なくとも約、または多くて1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、101、101.3 kPaまたはそこから誘導可能な任意の範囲である。特定の態様において、COの部分圧は、約、または少なくとも約85、90、95、101、101.3 kPaまたはそこから誘導可能な任意の範囲である。
試料が一酸化炭素にインキュベートまたは曝露される期間もまた、本発明の態様において変更することができる。いくつかの態様において、試料を一酸化炭素と共に約、少なくとも約、または多くて約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60分またはそれ以上、および/または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間、および/または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10日またはそれ以上インキュベートまたは曝露してもよい。
本発明のいくつかの態様において、生体物質を、密封容器においてガスに曝露する。いくつかの場合において、密封容器は、特定の環境を維持する、または望ましいように環境を調節することができる。環境は、生体物質が曝露される酸素アンタゴニストの量および/または環境の温度を指す。いくつかの場合において、生体物質は酸素アンタゴニストの曝露前、あいだ、または後に真空下に置かれる。その上、他の場合において、生体材料は酸素アンタゴニストに曝露された後、通常酸素の環境に曝露される。
その上、他の態様において、生体物質を含む環境は、酸素アンタゴニストの異なる量または濃度に対して少なくとも1回循環し、量または濃度の差は少なくとも1%の差である。環境は、酸素アンタゴニストの一つもしくはそれ以上の量もしくは濃度のあいだで循環させてもよく、または環境は酸素アンタゴニストの量もしくは濃度を徐々に増加または減少させてもよい。いくつかの場合において、異なる量または濃度は、生体物質が最初に曝露される酸素アンタゴニストの量または濃度の約0〜99.9%である。量および/または濃度の差は、約、少なくとも約、または多くて約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%またはそれ以上、またはそこから誘導可能な任意の範囲である。
本発明の方法には、生体物質を制御された温度環境に供する段階が含まれうる。特定の態様において、生体物質を、「非生理的温度環境」である温度に曝露し、これは生体物質が96時間より長く生存することができない温度を指す。制御された温度環境は、約、少なくとも約、または多くて約
Figure 2007509163
またはそれ以上、またはそこから誘導可能な任意の範囲の温度を有しうる。生体物質はまた、室温で酸素アンタゴニストに曝露してもよく、室温は約20℃〜約25℃の温度を意味する。さらに、生体物質は、考察した任意の量または量の範囲の中心温度に達することが企図される。
生体物質は、酸素アンタゴニストに曝露のあいだまたは曝露後に、非生理的温度環境、または制御された温度環境に供することができると企図される。さらに、いくつかの態様において、生体物質を、約1分〜約1年の期間、非生理的温度環境または制御された温度環境に供する。期間は約、少なくとも約、または多くて約30秒、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55分、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間、1、2、3、4、5、6、7日、1、2、3、4、5週間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20年またはそれ以上、およびそこから誘導可能な任意の組み合わせまたは範囲であってもよい。その上、低下した温度に対して室温を上昇させる段階が存在してもよい。
その上、温度はプロセスの際に変化または循環させてもよいと企図される。いくつかの態様において、生体物質の温度は、酸素アンタゴニストを有する環境に生体物質を入れる前に最初に減少させてもよく、一方他の態様において、生体物質を、生体物質の温度より低い酸素アンタゴニスト環境に入れることによって冷却してもよい。生体物質および/または環境は、生体物質または環境の温度が一つの温度で始まってその後もう一つの温度に達するように、徐々に冷却または加熱してもよい。
特定の態様において、方法には、環境の酸素レベルを調節する段階、または酸素を有する環境から生物材料を除去する段階が含まれる。操作上、酸素が減少しているまたは存在しない環境に生物材料を曝露する段階は、酸素アンタゴニストに対する生物材料の曝露を模倣する可能性がある。
本発明の方法において、スタシスが誘導される生体物質における酸素アンタゴニストおよび/または酸化的燐酸化レベルを評価する段階も同様に存在する。
本発明の組成物、方法、および製品は、それが由来する(自己)ドナー生物または異なるレシピエント(異種)被験者に戻されるであろう生体物質に基づくことができる。いくつかの態様において、生体物質はドナー生物から直接得られる。他の態様において、生体物質は酸素アンタゴニストに曝露される前に培養される。他の態様において、生体物質は、生体物質を採取する前に体外膜型酸素化を行ったドナー生物から得られ、これは生体物質の保存において役立つように実行される技術である。その上、方法には、生きているレシピエント生物にスタシスが誘導される、生体物質を投与または埋め込む段階が含まれる。
好ましい態様において、摘出されて移植される臓器または組織は、ドナー被験者になおも存在するあいだに酸素アンタゴニストに曝露される。いくつかの場合において、ドナーの血管を用いて、臓器または組織を酸素アンタゴニストに曝露することが企図される。これは、心臓がまだ動いているあいだに行うことができ、またはポンプ、カテーテル、もしくはシリンジを用いて、臓器もしくは組織に送達するために血管内に酸素アンタゴニストを投与することができる。
本発明の方法はまた、組織がスタシスに入るために有効な期間、低酸素状態を生成する酸素アンタゴニストと共に組織をインキュベートする段階を含む、生物から分離された組織においてスタシスを誘導することに関する。
さらに、本発明の他の態様には、その酸素必要量を減少させるために有効な量の酸素アンタゴニストに組織を接触させる段階を含む、分離された組織における酸素必要量を減少させる方法が含まれる。酸素必要量は、酸素アンタゴニストに曝露されていない、またはもはや曝露されていない、組織のそれらの細胞または細胞の代表的な試料における酸素必要量に関して、約、少なくとも約、または多くて約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99%または100%、またはそこから誘導可能な任意の範囲減少すると企図される。
本発明の他の局面は、組織を構成する細胞の大部分を保存するために酸素アンタゴニストの有効量を組織に接触させる段階を含む、生物から分離されている組織を保存する方法に関する。死亡したばかりの生物からの組織の場合、組織を、死亡した生物から採取(分離)された約、または少なくとも約30秒、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55分、1、2、3、4時間またはそれ以上の範囲内、およびそこから誘導可能な任意の組み合わせまたは範囲内で酸素アンタゴニストに曝露されてもよいと企図される。
本発明はまた、組織がスタシスに入るように誘導するために条件を低酸素条件にするために有効な期間、酸素アンタゴニストと共に組織をインキュベートする段階を含む、分離された組織においてスタシスを誘導する方法に関する。
本発明の特定の態様において、酸素アンタゴニストの致死下用量に組織を曝露する段階を含む、組織における外傷の影響を遅延させる方法が存在する。他の局面において、カルコゲナイド化合物の致死下用量を組織に接触させる段階を含む、エクスビボで組織を保存する方法が存在する。
本発明の方法は、生体物質が入れられるまたは曝露される環境を維持する装置またはシステムを含みうる。本発明には、酸素アンタゴニストが特にガスとして供給される装置が含まれる。いくつかの態様において、装置には、生体物質を保持するための試料室を有する容器が含まれ、容器は酸素アンタゴニストを含むガスの供給元に接続される。容器は固体容器を含んでもよく、またはバッグのように柔軟であってもよいと特に企図される。
いくつかの態様において、本発明は、容積が775 lを超えない試料室を有する容器;および一酸化炭素を含む、試料室との液体連絡路を有する第一のガス供給装置を有する、組織/臓器を保存する装置である。さらなる態様において、装置には、試料室内部の温度を調節する冷却単位および/またはチャンバー内の酸素アンタゴニストの量またはチャンバー内の溶液における酸素アンタゴニストの量を調節するガス調節装置が含まれる。
第二もしくはさらなるガスのガス供給、または酸素アンタゴニストのためのさらなるガス供給が存在してもよいと企図される。第二のガス供給を、試料室に接続してもよく、または第一のガス供給に接続してもよい。上記のように、さらなるガスは非毒性および/または非反応性ガスであってもよい。
ガス調節装置は、本発明のいくつかの態様において装置の一部である。一つ、二つ、三つまたはそれ以上のガス調節装置を用いてもよい。いくつかの場合において、ガス調節装置は、第一のガス供給から試料室に供給されるガスを調節する。または、これは、試料室に供給されるガス、または第二のガス供給からの第一のガス供給を調節してもよく、または第一と第二のガス供給の双方の調節装置であってもよい。任意のガス調節装置は、試料室および/またはもう一つのガス供給に供給されたガスの量を制御するようにプログラムすることができるとさらに企図される。調節は一定期間であってもよく、そうでなくてもよい。試料室に直接または間接的に接続される任意のガス供給のための、プログラム可能であってもなくてもよいガス調節装置が存在してもよい。場合によっては、ガス調節物質は電子的にプログラム可能である。
いくつかの場合において、チャンバー内の圧力および/または温度は、圧調節装置または温度調節装置のいずれかによって調節することができる。ガス調節装置の場合のように、これらの調節装置は電子的にプログラム可能であってもよい。本発明の装置はまた、上記の温度に達するために冷却および/または加熱単位を有してもよい。単位は電子的にプログラム可能であってもなくてもよい。
さらなる態様において、装置には、容器を載せる車輪付きのカートが含まれ、またはカートは一つもしくはそれ以上のハンドルを有してもよい。
本発明には、試料室を有する容器;酸素アンタゴニストを含む、試料室と液体連絡路を有する第一のガス供給;および第一のガス供給から試料室に適用されたガスを調節する電子的にプログラム可能なガス調節装置を有する、細胞のための装置が含まれると特に企図される。
いくつかの態様において、装置は試料室内で真空を提供するように形成された構造を有する。
その上、本出願において記述の任意の酸素アンタゴニストは、本発明の装置において用いるために特に企図される。特定の態様において、この装置を用いて一酸化炭素を投与することができる。他の場合において、カルコゲナイド化合物、または還元物質構造を有する化合物を投与することができる。
さらに、本発明は、スクリーニングアッセイに関する。いくつかの態様において、候補物質は、酸素アンタゴニストとして作用する能力に関してスクリーニングされる。これは、二酸化炭素産生量の測定によるような、本明細書に記述の任意のアッセイを用いて行うことができる。酸素アンタゴニストの特徴を示すと同定された任意の物質を、さらに特徴決定する、または試験することができる。その上、そのような物質は、スタシスを誘導するために生体物質に投与する、またはその後製造することができると企図される。
如何なる酸素アンタゴニストも、心筋虚血、臓器もしくは臓器機能の喪失、脚の喪失、視力の喪失、発声能の喪失、癌(白血病を含む)、神経変性疾患もしくは条件、腸疾患もしくは病態、肝疾患もしくは病態、腎疾患もしくは病態、眼疾患もしくは病態、心疾患もしくは病態、肝疾患もしくは病態、腎および/または膵疾患もしくは病態、神経損傷もしくは喪失、咽頭疾患もしくは病態、肺疾患もしくは病態、子宮疾患もしくは病態、尿性器疾患もしくは病態、生殖器疾患もしくは病態、血液疾患もしくは病態、免疫系の疾患もしくは病態、火傷、骨喪失、皮膚の喪失、または損なわれた外観を治療するためのような、生きている組織の埋め込みまたは移植を必要とする任意の疾患または病態を治療するための薬剤を調製するために用いることができると理解されるであろう。
本発明の一つの局面に関して考察されるいずれの態様も、同様に他の局面に当てはまる。
実施例の章における態様は、本発明の全ての局面に適用可能である本発明の態様であると理解される。
添付の特許請求の範囲において用いられる用語「または」の使用は、開示が代用物および「および/または」のみを示す定義を支持していても、代用物のみを指すことを明白に示している場合または代用物が相互に排他的である場合を除き、「および/または」を意味するために用いられる。
本出願を通して、「約」という用語は、値を決定するために用いられる装置または方法に関する誤差の標準偏差が、値に含まれることを示すために用いられる。
積年の特許法に従って、「一つの(a)」および「一つの(an)」は、添付の特許請求の範囲または明細書における「含む」という用語と共に用いる場合、特に明記していなければ一つまたはそれ以上を指す。
本発明の他の目的、特徴、および長所は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。しかし、詳細な説明から、様々な変更および改変が当業者には明らかとなるであろうがそれらも本発明の趣旨および範囲に含まれることから、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の特定の態様を示しているが、例として示されるに過ぎないと理解すべきである。
例示的態様の説明
I.スタシス
「スタシス」または「仮死状態」において、細胞、組織、臓器、または生物(集合的に「生物材料」と呼ばれる)は、生きているが、細胞分裂、発達的進行、代謝状体のために必要な細胞機能は、遅れているまたは停止さえしている。この状態は、多くの状況において望ましい。スタシスはそれ自身保存法として用いることができ、または凍結保存レジメの一部として含めてもよい。生物材料は、研究での使用、輸送、移植、治療的処置(エクスビボ処置のような)、および例えば外傷の発生を防止するために保存されてもよい。生物全体に関するスタシスは類似の用途を有する。例えば、生物の輸送は、生物がスタシスに入れば容易となりうるであろう。これは、ストレスまたは物理的損傷を減少または消失させることによって、生物に対する物理的および生理的損傷を減少させる可能性がある。これらの態様は下記にさらに詳細に考察される。スタシスは、酸素および従って血流に対する生体材料の必要性を減少させることによって有益となる可能性がある。これは、生物材料を、生命を維持する環境から分離することができる、および死を誘導するような環境に曝露することができる期間を延長させる可能性がある。
本発明は、特定のタイプの化合物が生物学的に可逆的なスタシスを有効に誘導するという知見に基づいている。
A.体温調節
温血動物におけるスタシスは体温調節に影響を及ぼすであろう。体温調節は、いわゆる「温血動物」の特徴であり、これによって生物は有意に変化した(低温または高温)の環境温度に曝露された場合でも比較的一定の中心体温を維持できる。スタシスの誘導によって体温調節を制御できることは、本発明の一つの局面であり、それによって上記の用途と類似の用途が可能となる。
体温調節は、生物、脚、または分離された臓器もしくは組織を、温度を制御できるチャンバー/装置に入れることによって容易となる可能性がある。例えば、暖かい部屋または高圧室と類似のチャンバー様装置は、生物全体を含み、温度調節装置に接続してもよい。ブランケット、スリーブ、カフ、またはグローブのようなより小さい装置(例えば、AVAcore Technologies, Palo Alto, CA、米国特許第6,602,277号のCORE CONTROL冷却システム)も同様に企図される。そのようなチャンバー/装置は室温を上昇または低下させるために用いてもよい。
B.生体物質
本発明に関して用いるために企図される生物材料には、哺乳類を含む無脊椎動物および脊椎動物に由来する材料が含まれる;生物材料には生物が含まれる。ヒトの他に、本発明は、以下のクラスに由来するものを含む、獣医学または農業的に重要な哺乳類に関して用いることができる;イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、マウス、ブタ、ヤギ、齧歯類、ウサギ、オオカミ、およびクマ。本発明はまた、魚およびトリにも拡大される。他の例を下記に開示する。
その上、生体物質のタイプは変化する。これは、細胞、組織、および臓器となりうると共にそれに関して異なる組成物、方法および装置が関連性を有する生物となりうる。「Methods, Compositions and Devices for Inducing Stasis in Cells」、および「Methods, Compositions and Devices for Inducing Stasis in Cells,Tissues,Organs, and Organisms」と題する、出願人Mark. B. Rothが2004年10月22日に提出した米国特許出願は、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる。
1.異なる起源
以下は生体物質を得てもよい起源の例である。本発明の態様にはこれらの例が含まれるがこれらに限定されない。
a.哺乳類
本発明の特定の局面において、哺乳類は、カモノハシ目(Monotremata)、フクロネズミ目(Marsupialia)、モグラ目(Insectivora)、ハネジネズミ目(Macroscelidia)、ヒヨケザル目(Dermoptera)、コウモリ目(Chiroptera)、ツバイ目(Scandentia)、サル目(Primates)、異節亜目(Xenarthra)、センザンコウ目(Pholidota)、ツチブタ目(Tubulidentata)、ウサギ目(Lagomorpha)、ネズミ目(Rodentia)、クジラ目(Cetacea)、ネコ目(Carnivora)、ゾウ目(Proboscidea)、イワダヌキ目(Hyracoidea)、ジュゴン目(Sirenia)、ウマ目(Perissodactyla)またはウシ目(Artiodactyla)の動物である。
カモノハシ目の例には、ハリモグラ科(Tachyglossidae)(例えば、ハリモグラ)およびカモノハシ科(Ornithorhynchidae)(例えば、カモノハシ)が含まれる。フクロネズミ目の例には、オポッサム科(Didelphidae)(例えば、オポッサム)、ミクロビオテリイダエ(Microbiotheriidae)(例えば、モニトデルモンテ(Monito del Monte))、パレオテンテス科(Caenolestidae)(例えば、ケノレステス)、フクロネコ科(Dasyuridae)(例えば、フクロネズミ)、アリクイ科(Myrmecobiidae)(例えば、フクロアリクイ)、フクロオオカミ科(Thylacinidae)(例えば、フクロオオカミ)、バンディクート科(Peramelidae)(例えば、バンディクート)、チラコミイダエ(Thylacomyidae)(例えば、ミミナガバンディクート)、フクロモグラ科(Notoryctidae)(例えば、フクロモグラ)、ユビムスビ科(Phalangeridae)(例えば、クスクス)、ムササビ科(Petauridae)(例えば、キャコミスル、フクロムササビ)、ブーラミス科(Burramyidae)(例えば、マウスオポッサム)、カンガルー科(Macropodidae)(例えば、カンガルー、ワラビー)、フクロミツスイ科(Tarsipedidae)(例えば、フクロミツスイ)、ウォンバット科(Vombatidae)(例えば、ウォンバット)、およびコアラ科(Phascolarctidae)(例えば、コアラ)が含まれる。
モグラ目には、例えば、ソレノドン科(Solenodontidae)(例えば、ソレノドン)、テンレック科(Tenrecidae)(例えば、テンレック、カワウシジネズミ)、キンモグラ科(Chrysochloridae)(例えば、キンモグラ)、ハリネズミ科(Erinaceidae)(例えば、ハリネズミ、ジヌムラ)、トガリネズミ科(Soricidae)(例えば、トガリネズミ)、およびモグラ科(Talpidae)(例えば、モグラ、デスマン)が含まれる。ハネジネズミ目には、ハネジネズミ科(Macroscelidia)(例えば、ハネジネズミ)が含まれる。ツバイ目には、ツバイ科(Tupaiidae)(例えば、ツバイ)が含まれる。ヒヨケザル目には、ヒヨケザル科(Cynocephalidea)(例えば、ヒヨケザル)が含まれる。コウモリ目には、オオコウモリ科(Pteropodidae)(例えば、オオコウモリ(Fruit Bats)、オオコウモリ(Flying Foxes))、オナガコウモリ科(Rhinopomatidae)(例えば、オナガコウモリ)、クラセオニクテリダエ(Craseonycteridae)(例えば、マルハナまたはマルハナバチコウモリ)、サシオコウモリ科(Emballonuridae)(例えば、サシオコウモリ)、ミゾコウモリ科(Nycteridae)(例えば、ミゾコウモリ)、アラコウモリ科(Megadermatidae)(例えば、アラコウモリ)、キクガシラコウモリ科(Rhinolophidae)(例えば、キクガシラコウモリ)、ウオクイコウモリ科(Noctilionidae)(例えば、ウオクイコウモリ(Bulldog Bat)、ウオクイコウモリ(Fisherman Bat))、モルモオピダエ(Mormoopidae)、ヘラコウモリ科(Phyllostomidae)(例えば、ヘラコウモリ)、アシナガコウモリ科(Natalidae)、ツメナシコウモリ科(Furipteridae)、スイツキコウモリ科(Thyropteridae)、ミザポジダエ(Myzapodidae)、ヒナコウモリ科(Vespertilionidae)(例えば、ヒナコウモリ)、ツギホコウモリ科(Mystacinidae)(例えば、ツギホコウモリ)、およびオヒキコウモリ科(Molossjdae)(例えば、オヒキコウモリ)が含まれる。
サル目には、キツネザル科(Lemuridae)(例えば、キツネザル)、ケイロガレイダエ(Cheirogaleidae)(例えば、コビトキツネザル)、インドリ科(Indriidae)(例えば、インドリ、ウーリーキツネザル)、アイアイ科(Daubentoniidae)(例えば、アイアイ)、ロリス科(Lorisidae)(例えば、ロリス、ブッシュベビー、ガラゴ)、メガネザル科(Tarsiidae)(例えば、メガネザル)、オマキザル科(Cebidae)(例えば、広鼻猿類のサル、マーモセット、タマリン)、テナガザル科(Hylobatidae)(例えば、テナガザル)、オランウータン科(Pongidae)(例えば、類人猿)、およびヒト科(Hominidae)(例えば、ヒト)が含まれる。
異節亜目の例には、アリクイ科(Myrmecophagidae)(例えば、アリクイ)、ナマケモノ科(Bradypodidae)(例えば、ミツユビナマケモノ)、ナマケモノ下目(Megalonychidae)(例えば、フタツユビナマケモノ)、およびアルマジロ科(Dasypodidae)(例えば、アルマジロ)が含まれる。センザンコウ目の例には、センザンコウ科(Manidae)(例えば、センザンコウ)が含まれる。ツチブタ目の例にはツチブタ科(Orycteropodidae)(例えば、ツチブタ)が含まれる。ウサギ目の例には、ナキウサギ(Ochotonidae)(例えば、ナキウサギ)およびウサギ科(Leporidae)(例えば、野ウサギおよびウサギ)が含まれる。
ネズミ目の例には、アポロドンチダエ(Aplodontiae)(例えば、ヤマビーバー)、リス科(Sciuridae)(例えば、リス、マーモット、シマリス)、ホリネズミ科(Geomyidae)(例えば、ホリネズミ)、ポケットネズミ科(Heteromyidae)(例えば、ポケットネズミ(Pocket Mice)、ポケットネズミ(Kangaroo Rat))、ビーバー科(Castoridae)(例えば、ビーバー)、ウロコオリス科(Anomaluridae)(例えば、ウロコオリス)、トビウサギ科(Pedetidae)(例えば、トビウサギ)、ネズミ科(Muridae)(例えば、ラットおよびマウス)、ヤマネ科(Gliridae)(例えば、ヤマネ)、セレビニイダエ(Seleviniidae)(例えば、デザートドーマウス(Desert Dormouse))、オナガネズミ科(Zapodidae)(例えば、トビハツカネズミ)、トビネズミ科(Dipodidae)(例えば、トビネズミ)、ヤマアラシ科(Hystricidae)(例えば、ヤマアラシ)、キノボリヤマアラシ科(Erethizontidae)(例えば、キノボリヤマアラシ)、テンジクネズミ科(Caviidae)(例えば、モルモット、マラ(Mara))、トチカガミ科(Hydrochaeridae)(例えば、カピバラ)、ディノミダエ(Dinomyidae)(例えば、パカラナ(Pacarana))、アグーチ科(Agoutidae)(例えば、パカ)、アグーチ科(Dasyproctidae)(例えば、アグーチ)、チンチラ科(Chinchillidae)(例えば、チンチラ、ビスカッチャ)、カプロミダエ(Capromyidae)(例えば、フチアクーガ)、ヌートリア科(Myocastoridae)(例えば、ヌートリア)、アナホリネズミ科(Ctenomyidae)(例えば、ツコツコ)、オクトドン科(Octodontidae)(例えば、オクトドン、デグー)、チンチラネズミ(Abrocomidae)(例えば、チンチラネズミ)、エキミス科(Echimyidae)(例えば、エキミス)、スリオノミダエ(Thryonomyidae)(例えば、アフリカタケネズミ)、ペトロミダエ(Petromyidae)(例えば、アフリカイワネズミ(African Rock Rat))、デバネズミ科(Bathyergidae)(例えば、デバネズミ)、およびグンディ科(Ctenodactylidae)(例えば、グンディ)が含まれる。
クジラ目には、イニイダエ(Iniidae)(例えば、アマゾンポポイス(Amazon Popoise))、リポチダエ(Lipotidae)、カワイルカ科(Platanistidae)、ポントポリイダエ(Pontoporiidae)、アカボウクジラ科(Ziphiidae)(例えば、オオギハクジラ)、マッコウクジラ科(Physeteridae)(例えば、マッコウクジラ)、イッカク科(Monodontidae)(例えば、ベルーガ、イッカク)、マイルカ科(Delphinidae)(例えば、ウミイルカ、シャチ)、ネズミイルカ科(Phocoenidae)(例えば、ネズミイルカ)、ナガスクジラ科(Balaenopteridae)(例えば、イワシクジラ)、セミクジラ科(あぁえにだえ)(例えば、セミクジラ)、およびコククジラ科(Eschrichtiidae)(例えば、コククジラ)が含まれる。
ネコ目には、イヌ科(Canidae)(例えば、イヌ、キツネ、オオカミ、ジャッカル、コヨーテ)、クマ科(Ursidae)(例えば、クマ)、アライグマ科(Procyonidae)(例えば、アライグマ(Racoons)、アライグマ(Coatis)、キンカジュー、レッサーパンダ)、ジャイアントパンダ(Ailuropodidae)(例えば、ジャイアントパンダ科)、イタチ科(Mustelidae)(例えば、イタチ、スカンク、アナグマ、カワウソ)、ジャコウネコ科(Viverridae)(例えば、シベット、ジェネット)、カニクイマングース科(Herpestidae)(例えば、マングース)、プロテリダエ(Protelidae)(例えば、ツチオオカミ)、ハイエナ科(Hyaenidae)(例えば、ハイエナ)、ネコ科(Felidae)(例えば、ネコ)、アシカ科(Otariidae)(例えば、アシカ、トド)、セイウチ科(Odobenidae)(例えば、セイウチ)およびアザラシ科(Phocidae)(例えばアザラシ)が含まれる。
ゾウ目には、ゾウ科(Elephantidae)(例えば、ゾウ)が含まれる。イワダヌキ目にはハイラックス科(Procaviidae)(例えば、ハイラックス)が含まれる。ジュゴン目には、ジュゴン科(Dugongidae)(例えば、ジュゴン)およびマナティー科(Trichechidae)(例えば、マナティー)が含まれる。ウマ目にはウマ科(Equidae)(例えば、ウマ、ロバ、シマウマ)、バク(Tapiridae)(例えば、バク)、およびサイ(Rhinocerotidae)(例えばサイ)が含まれる。ウシ目には、イノシシ科(Suidae)(例えば、ブタ、バビルサ)、ペッカリー(Tayassuidae)(例えば、ペッカリー)、カバ科(Hippopotamidae)(例えば、カバ)、ラクダ科(Camelidae)(例えば、ラクダ、ラマ、ビクーナ)、マメジカ科(Tragulidae)(例えば、マメジカ)、モスキダエ(Moschidae)(例えば、ジャコウジカ)、シカ科(Cervidae)(例えば、シカ、オオシカ、ムース)、キリン科(Giraffidae)(例えば、キリン、オカピ)、プロングホーン科(Antilocapridae)(例えば、プロングホーン)、およびウシ科(Bovidae)(例えば、ウシ、ヒツジ、カモシカ、ヤギ)が含まれる。
b.は虫類
特定の態様において、生物材料はは虫類である、またはは虫類に由来する。は虫類は、カメ目(Chelonia)、ヘビクビガメ亜目(Pleurodira)、トカゲ目(Squamata)、ムカシトカゲ目(Rhynchocephalia)、またはワニ目(Crocodylia)のは虫類であってもよい。カメ目のは虫類は、例えばスッポンモドキ科(Carettochelyidae)、カミツキガメ科(Chelydridae)(例えば、カミツキガメ)、ウシガメ科(Cheloniidae)(例えば、アオウシガメ、ミドリガメ)、デルマトミエス科(Dermatomydidae)(例えば、オサガメ)、エミス科(Emydidae)(例えば、ニシキガメ、ポンドスライダー(Pond Sliders)、イケガメ、ナメクジを食べるカメ(Snail-Eating Turtle)、アメリカハコガメ)、ドロガメ科(Kinosternidae)(例えば、ニオイガメ)、オオニオイガメ科(Saurotypidae)、リクガメ科(Testudinidae)(例えば、ガラパゴスカメ、サバクガメ、アルダブラカメ、スプタイドカメ(Spu-Thighed Tortoise)、ヘルマンカメ)、スッポン科(Trionychidae)(例えば、スッポン、スパイニーソフトシェル(Spiny Softshell))、またはオオクビガメ科(Platysternidae)であってもよい。ヘビクビガメ亜目のは虫類は、例えば、マタマタ(Chelidae)(例えば、ヘビクビガメ)、またはヘビクビガメ科(Pelomedusidae)(例えば、ヘルメット型カメ)であってもよい。
トカゲ目は、例えば、アガマ科(Agamidae)(例えば、ニジイロトカゲ、アゴヒゲトカゲ、インディアンブラッドサッカー(Indian Bloodsucker)、スパイニーテールドリザード(Spiny-Tailed Lizard))、カメレオン科(Chamaeleontdidae)(例えば、カメレオン)、イグアナ科(Iguanidae)(例えば、アノリ、バジリスク、エリマキトカゲ、イグアナ、ツノトカゲ、チャクワラ、ヨモギトカゲ、サイドブロッチドリザード(Side-Blotched Lizard))、ヤモリ科(Gekkonidae)(例えば、ヤモリ)、ピゴープス科(Pygopodidae)、テグートカゲ科(Teiidae)(例えば、ハシリトカゲ、テグートカゲ)、カナヘビ科(Lacertidae)(例えば、スナトカゲ、目玉模様のトカゲ、胎生トカゲ、イワカナヘビ、しっぽの長いトカゲ(Long-Tailed Lizard))、クサンツシア科(Xantuslidae)、トカゲ科(Scincidae)(例えば、スキンク)、ヨロイトカゲ科(Cordylidae)(例えば、サンゲイザー(Sungazer))、ディバムストカゲ科(Dibamidae)、ワニオトカゲ科(Xenosauridae)、アンギストカゲ科(Anguidae)(例えば、アシナガトカゲ、アリゲータートカゲ、シェルトプシク(Sheltopusik)、ガラストカゲ)、ドクトカゲ科(Helodermatidae)(例えば、アメリカドクトカゲ)、ランタノトゥス科(Lanthanotidae)、オオトカゲ科(Varanidae)(例えば、オオトカゲ)、ホソメクラヘビ科(Leptotyphlopidae)、メクラヘビ科(Typhlopidae)、カワリメクラヘビ科(Anomalepididae)、アニリウス科(Aniliidae)(例えば、パイプヘビ)、ウロペイチダエ(Uropeitidae)、サンビームヘビ(Xenopeltidae)、ボア科(Boidae)(例えば、ボア、アナコンダ、アフリカニシキヘビ)、ヤスリミズヘビ(Acrochordidae)(例えば、ヤスリミズヘビ)、ヘビ科(Colubridae)(例えば、マングローブスネーク、ムチヘビ、ヨーロッパナメラ、卵を食べるヘビ(Egg-Eating Snake)、ブームスラン、ラットスネーク、アイスクラーピウスヘビ、4本線のあるヘビ(Four-Lined Snake)、オリエンタルビューティースネーク(Oriental Beauty Snake)、テンタクルドスネーク(Tentacled Snake)、ハナダカヘビ、キングスネーク、モンペリエスネーク、ヨーロッパヤマカガシ、ミズヘビ、ガーターヘビ、ツウィグ(Twig)ヘビ、キールバックヘビ)、コブラ科(Elapidae)(例えば、デスアダー、アマガサヘビ、マンバ、サンゴヘビ、コブラ、コッパーヘッド、パフアダー)、クサリヘビ科(Viperidae)(例えば、クサリヘビ、ライト(right)アダー、ガラガラヘビ、ヒメガラガラヘビ、アダー)、ウミヘビ科(Hydrophiidae)(例えば、シーブレイト(Sea Brait))、アンフィスベーナ科(Amphisbaenidae)(例えば、ミミズトカゲ)、フタアシミミズトカゲ科(Bipedidae)、またはトロゴノフィダエ(Trogonophidae)(例えば、アナホリトカゲ)であってもよい。
ムカシトカゲ目のは虫類は、例えば、ムカシトカゲ科(Sphenodontidae)(例えば、ムカシトカゲ)であってもよい。ワニ目のは虫類は、例えばアリゲーター科(Alligatoridae)(例えば、アリゲーター、カイマン)、クロコダイル科(Crocodylidae)(例えば、クロコダイル)、またはガビアル科(Gavialidae)(例えば、ガビアル)であってもよい。
c.両生類
本発明の生物材料は両生類であってもよく、または両生類に由来してもよい。両生類は、例えばカエルまたはヒキガエルであってもよい。カエルまたはヒキガエルは、例えば、アースロレプチダエ(Arthroleptidae)(例えば、スクリーチングフロッグ(Screeching frog))、アスカフス科(Ascaphidae)(例えば、オガエル)、ブラキセファリダエ(Brachycephalidae)(例えば、ゴールドフロッグ(gold frog)およびシールドトード(shield toad))、ヒキガエル科(Bufonidae)(例えば、ヒキガエル)、アマガエルモドキ科(Centrolenidae)(例えば、グラスフロッグ(glass frog)およびリーフフロッグ(leaf frog))、デンドロバテス科(Dendrobatidae)(例えば、ポイズンダートフロッグ(poison-dart-frog))、スズガエル科(Discoglossidae)(例えば、ファイアベリードトード(fire-bellied toad))、ヘレオフィリニダエ(Heleophrynidae)(例えば、ゴーストフロッグ(ghost frog))、ヘミソチダエ(Hemisotidae)(例えば、シャベルノーズドフロッグ(shovel-nosed frog))、アマガエル科(Hylidae)(例えば、ニューワールドツリーフロッグ(New World tree frog))、ヒペロリイダエ(Hyperoliidae)(例えば、アフリカンツリーフロッグ(African tree frog))、レイオペルマチダエ(Leiopelmatidae)(例えば、ニュージーランドカエル)、ユビナガカエル科(Leptodactylidae)(例えば、新熱帯カエル)、メゴフィリダエ(Megophryidae)(例えば、南アジアカエル)、ヒメアマガエル科(Microhylidae)(例えば、ヒメアマガエル)、ミオバトラキダエ(Myobatrachidae)(例えば、オーストラリアカエル)、ペロバチダエ(Pelobatidae)(例えば、スキアシガエル)、ペロジチダエ(Pelodytidae)(例えば、パセリカエル)、ピパ科(Pipidae)(例えば、無舌類のカエル)、アベコベカエル科(Pseudidae)(例えば、パラドックスカエル)、アカガエル科(Ranidae)(例えば、水辺のカエル、真のカエル)、アオガエル科(Phacophoridae)(例えば、旧世界のtree frog)、ハナガエル科(Rhinodermatidae)(例えば、ダーウィンカエル)、メキシコジムグリガエル科(Rhinophrynidae)(例えば、ブロウイングトード(Burrowing toad))、スーグロシダエ(Sooglossidae)(例えば、セイシェルカエル)、具尾下綱(Caudata)(例えば、サンショウウオ)、またはアシナシイモリ科(Gymnophiona)(例えば、アシナシイモリ)であってもよい。
両生類はサンショウウオであってもよい。サンショウウオは、例えば、アンビストーマ科(Ambystomatidae)(例えば、モグラサンショウウオ)、アンフューマ科(Amphiumidae)(例えば、アンフューマ)、オオサンショウウオ科(Cryptobranchidae)(例えば、オオサンショウウオ、およびヘルベンダー)、ジカンプトドンチダエ(Dicamptodontidae)(例えば、太平洋オオサンショウウオ)、サンショウウオ科(Hynobiidae)(例えば、アジアサンショウウオ)、プレトドン科(Plethodontidae)(例えば、無肺サンショウウオ)、ホライモリ科(Proteidae)(例えば、マッドパピーおよびオオサンショウウオ)、リヤコトリトニダエ(Rhyacotritonidae)(例えば、キュウリュウサンショウウオ)、イモリ科(Salamandridae)(例えば、イモリおよびサンショウウオ)、またはシレン科(Sirenidae)(例えば、シレン)であってもよい。または両生類は、アシナシイモリであってもよい。アシナシイモリは、例えばアシナシイモリ科(Caeciliidae)(例えば、アシナシイモリ)、ヌメアシナシイモリ科(Ichthyophiidae)(例えば、アジアンテールド(Asiatic tailed)アシナシイモリ)、リナトレマチダエ(Rhinatrematidae)(例えば、新熱帯テールド(tailed)アシナシイモリ)、スコレコモルフィダエ(Scolecomorphidae)(例えば、アフリカアシナシイモリ)、チフロネクチダエ(Typhlonectidae)(例えば、水生アシナシイモリ)、またはウレオチフリダエ(Uraeotyphlidae)(例えば、インドアシナシイモリ)であってもよい。
d.鳥類
本発明の生物材料は鳥類であってもよく、または鳥類に由来してもよい。鳥類は、例えば、ガンカモ目(Anseriforme)(例えば、水鳥)、アマツバメ目(Apodiforme)(例えば、ハチドリおよびアマツバメ)、ヨタカ目(Caprimulgiforme)(例えば、ヨタカ)、チドリ目(Charadriiforme)(例えば、チドリ)、コウノトリ目(Ciconiiforme)(例えば、コウノトリ)、ネズミドリ目(Coliiforme)(例えば、ネズミドリ)、ハト目(Columbiforme)(例えば、ハト(dove)およびハト(pigeon))、ブッポウソウ目(Coraciiforme)(例えば、カワセミ)、ホウカンチョウ目(Craciforme)(例えば、カカラス(chacalacas)、ホウカンチョウ、シャクケイ、ツカツクリ)、ホトトギス目(Cuculiforme)(例えば、カッコー、ツメバケイ、エボシドリ)、タカ目(Falconiforme)(例えば、餌を求める昼行性のトリ)、キジ目(Galliforme)(例えば、ニワトリ様のトリ)、アビ目(Gaviiforme)(例えば、アビ)、ツル目(Gruiforme)(例えば、オオバン、ツル、クイナ)、スズメ目(Passeriforme)(例えば、スズメ)、ペリカン目(Pelecaniforme)(例えば、ペリカン)、フラミンゴ目(Phoenicopteriforme)(例えば、フラミンゴ)、キツツキ目(Piciforme)(例えば、キツツキ)、カイツブリ目(Podicipediforme)(例えば、カイツブリ)、ミズナギドリ科(Procellariiforme)(例えば、管鼻を持つ水鳥)、オウム目(Psittaciforme)(例えば、オウム)、ペンギン目(Sphenisciforme)(例えば、ペンギン)、フクロウ目(Strigiforme)(例えば、フクロウ)、ダチョウ目(Struthioniforme)(例えば、ヒクイドリ、エミュー、キーウィ、ダチョウ、レア)、シギダチョウ目(Tinamiforme)(例えば、シギダチョウ)、キヌバネドリ科(Trogoniforme)(例えば、キヌバネドリ)、またはミフウズラ目(Turniciforme)(例えば、ミフウズラ)であってもよい。
e.魚類
本発明の生物材料は、魚であってもよく、または魚に由来してもよい。魚は例えば、チョウザメ目(Acipenseriforme)(例えば、ヘラチョウザメ、スプーンフィッシュ、およびチョウザメ)、ポリプテルス目(Polypteriforme)(例えば、ビチャー、ビチャー、ロブドフィンドパイク(lobed-finned pike)、およびリードフィッシュ(reed fish))、トウゴロウイワシ目(Atheriniforme)(例えば、虹色の魚、およびトウゴロウイワシ)、ダツ目(Beloniforme)(例えば、サヨリおよびダツ)、キンメダイ目(Beryciforme)、タイワンドジョウ目(Channiforme)、メダカ目(Cyprinodontiforme)(例えば、タップミノー)、セミホウボウ目(Dactylopteriforme)(例えば、セミホウボウ)、トゲウオ目(Gasterosteiforme)(例えば、ヨウジウオおよびトゲウオ)、ボラ目(Mugiliforme)(例えば、ボラ)、ウミテング目(Pegasiforme)(例えば、タツノオトシゴ、およびウミテング)、スズキ目(Perciforme)(例えば、パーチ様魚)、カレイ目(Pleuronectiforme)(例えば、カレイ、ヒラメ、およびソール)、カサゴ目(Scorpaeniforme)(例えば、カサゴおよびカジカ)、ステファノベリシフォルム(Stephanoberyciforme)、タウナギ目(Synbrachiforme)(例えば、湿地ウナギ(swamp eel))、フグ目(Tetraodontiforme)(例えば、ハコフグ、モンガラカワハギ、カワハギ、フグ、モンガラカワハギ、およびハコフグ)、マトウダイ目(Zeiforme)(例えば、口の突き出た魚、ニシマトウダイ、マトウダイ)、アテリノモルファ(Atherinomorpha)、ニシン目(Clupeiforme)(例えば、アンチョビおよびニシン)、ヒメ目(Aulopiforme)、アルブリフォルム(Albuliforme)、ウナギ目(Anguilliforme)(例えば、ウナギ)、カライワシ目(Elopiforme)(例えば、ターポン)、ソコギス目(Notacanthiforme)(例えば、スパイニーイールおよびタピアフィッシュ(tapirfish))、フウセンウナギ目(Saccopharyngiforme)、アカマンボウ目(Lampridiforme)(例えば、アカマンボウおよびリボンフィッシュ)、カラシン目(Characiforme)(例えば、レポリン(leporin)およびピラニア)、コイ目(Cypriniforme)(例えば、ミノウ、サッカー、およびゼブラフィッシュ)、ネズミギス目(Gonorhynchiforme)(例えば、サバヒーおよびシェルイヤー(shellear))、ナギナタナマズ目(Gymnotiforme)、ナマズ目(Siluriforme)(例えば、ナマズ)、アフレドデルス目(Aphredoderiforme)(例えば、洞窟魚およびカイゾクスズキ)、バトラコイデス目(Batrachoidiforme)、タラ目(Gadiforme)(例えば、マダラおよびタラ)、ウバウオ目(Gobiesociforme)、アンコウ目(Lophiiforme)(例えば、アンコウ)、アシロ目(Ophidiiforme)、サケスズキ目(Percopsiforme)(例えば、サケスズキ)、ポリミキシホルム(Polymixiiforme)(例えば、ベアードフィッシュ)、クジラウオ目(Cetomimiforme)、クテノスリッサ目(Ctenothrissiforme)、カワカマス目(Esociforme)(例えば、ドロミノウおよびカワカマス)、キュウリウオ目(Osmeriforme)(例えば、ニギスおよびワカサギ)、サケ目(Salmoniforme)(例えば、サケ)、ハダカイワシ目(Myctophiforme)(例えば、ラターンフィッシュ(Latern Fish))、シャチフリ目(Ateleopodiforme)、ワニトカゲギス目(Stomiiforme)、アミア目(Amiiforme)(例えば、アミア)、セミオノタス目(Semionotiforme)(例えば、ガー)、ヨウジウオ目(Syngnathiforme)(例えば、ヨウジウオおよびウミウマ)、ケラトダス目(Ceratodontiforme)(例えば、オーストラリア肺魚)、レピドシレン目(Lepidosireniforme)(例えば南アメリカ肺魚およびアフリカ肺魚)、またはシーラカンス目(Coelacanthiforme)(例えば、シーラカンス)であってもよい。
f.無脊椎動物
本発明の生体材料は無脊椎動物であってもよく、または無脊椎動物に由来してもよい。無脊椎動物は例えば、海綿動物(Porifera)(例えば、海綿)、刺胞動物(Cnidaria)(例えば、クラゲ、ヒドラ、イソギンチャク、カツオノエボシ、およびサンゴ)、扁形動物(Platyhelminthe)(例えば、プラナリア、フルーク、および条虫を含む扁虫)、線虫(Nematoda)(例えば、輪虫を含む回虫、および線虫)、軟体動物(Mollusca)(例えば、軟体動物、マキガイ、ナメクジ、タコ、イカ)、環形動物(Annelida)(例えば、ミミズ、ヒル、およびmarine wormを含む条虫)、棘皮動物(Echinodermata)(例えば、ヒトデ、ナマコ、タコノマクラ、ウニ)、箒虫(Phoronida)(例えば、ホースシューワーム(Horseshoe Worm))、緩歩動物(Tardigrada)(例えば、緩歩類)、鉤頭動物(Acanthocephala)(例えば、鉤頭虫)、有櫛動物(Ctenophora)(例えば、有櫛動物)、または節足動物(Arthropod)(例えば、クモ、甲殻類、多足類、ムカデ、昆虫)であってもよい。
節足動物は、例えば、コウチュウ目(Coleoptera)(例えば、カブトムシ)、ハエ目(Diptera)(例えば、ハエ)、ハチ目(Hymenoptera)(例えば、アリ、ハチ、スズメバチ)、チョウ目(Lepidoptera)(例えば、チョウ、ガ)、シリアゲムシ目(Mecoptera)(例えば、シリアゲムシ)、ヘビトンボ亜目(Megaloptera)、アミメカゲロウ目(Neuroptera)(例えば、クサカゲロウおよび近縁種)、ノミ目(Siphonaptera)(例えば、ノミ)、ネジレバネ目(Strepsiptera)(寄生昆虫およびネジレバネ寄生虫)、トビケラ目(Trichoptera)(例えば、トビケラ)、シラミ目(Anoplura)(例えば、シラミ)、カメムシ目(Hemiptera)(例えば、バグおよびその近縁種)、ハジラミ目(Mallophaga)(例えば、ハジラミ)、チャタテムシ目(Psocoptera)(例えば、チャタテムシ)、アザミウマ目(Thysanoptera)(例えば、アザミウマ)、バッタ目(Orthoptera)(例えば、キリギリス、バッタ)、ハサミムシ目(Dermaptera)(例えば、ハサミムシ)、網翅類(Dictyoptera)、シロアリモドキ目(Embioptera)(例えば、シロアリモドキ)、ガロアムシ目(Grylloblattodea)、マントファスマトデア(Mantophasmatodea)(例えば、グラディエーター(Gladiator))、カワゲラ目(Plecoptera)(例えば、カワゲラ)、ジュズヒゲムシ目(Zoraptera)(例えば、ジュズヒゲムシ)、カゲロウ目(Ephemeroptera)(例えば、カゲロウ)、トンボ目(Odonata)(例えば、トンボおよびイトトンボ)、ナナフシ目(Phasmatoptera)(例えば、ナナフシ)、シミ目(Thysanura)(例えば、シミ)、アルケオグナタ(Archaeognatha)、トビムシ目(Collembora)(例えば、カワゲラおよびトビムシ)、ムカデ綱(Chilopoda)(例えば、ムカデ)、ヤスデ綱(Diplopoda)(例えば、ヤスデ)、エダヒゲムシ目(Pauropoda)(例えば、エダヒゲムシ、エダヒゲムシ、前性類)、コムカデ目(Symphyla)(例えば、偽ムカデおよびコムカデ)、軟甲類(Malacostraca)(例えば、カニ、クリール、ワラジムシ、エビ)、アゴアシ亜綱(Maxillopoda)、ミジンコ亜綱(Branchiopoda)(例えば、ミジンコ)、カシラエビ亜綱(Cephalocarida)、貝虫亜綱(Ostracoda)(例えば、貝虫類)、ムカデエビ亜綱(Remipedia)、エラオ下綱(Branchiura)、フジツボ目(Cirripedia)(例えば、バーナクル)、クモ類(Arachnida)(例えば、無鞭目、クモ、メクラグモ、メクラグモ、ミクロスコーピオン(microscorpion)、カニムシ、偽サソリ、カニムシ、サソリ、ヒタケムシ、サンスパイダー(sun spider)、およびウロピジド(uropygid)を含むクモ類)、節口類(Merostomata)(例えば、カブトガニ)、またはウミグモ(Pycnogonida)(例えば、ウミグモ)であってもよい。
g.真菌
本発明の生物材料は、真菌であってもよく、真菌に由来してもよい。真菌は、例えば、子嚢菌門(Ascomycota)(子嚢菌)、担子菌門(Basidiomycota)(ホウキタケ)、ツボカビ門(Chytridiomycota)(ツボカビ)、不完全菌門(Deuteromycota)、または接合菌門(Zygomycota)であってもよい。真菌は、クモノスカビ属(Rhizopus)、ミズタマカビ属(Pilobolus)、アルスルボトリー(Arthrobotry)、アスペルギルス属(Aspergillus)、カワリミズカビ属(Allomyces)、ツボカビ属(Chytridium)、ハラタケ属(Agaricus)、テングタケ属(Amanita)、フウセンタケ属(Cortinarius)、アカパンカビ属(Neurospora)、アミガサダケ属(Morchella)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、ピチア属(Pichia)、カンジダ属(Candida)、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)、またはバッカク属(Ergot)であってもよい。特定の態様において、真菌は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンブ(Schizosaccharomyces pombe)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、またはピチア・パストリス(Pichia pastoris)であってもよい。
h.植物
本発明の生体材料は、植物または植物に由来してもよい。植物は、コケ植物門(Bryophyte)(例えば、コケ類、タイ類、ツノゴケ)、ヒカゲノカズラ綱(Lycophyte)(例えば、ヒカゲノカズラ、アスヒカズラ)、有節植物門(Sphenophyte)(例えば、トクサ)、シダ門(Pterophyte)(例えば、シダ)、ソテツ門(Cycadophyte)(例えば、ソテツ)、マオウ門(Gnetophyte)(例えば、グネツム、マオウ、ウェルウィチア)、球果植物門(Coniferophyte)(例えば、針葉樹)、イチョウ門(Ginkophyte)(例えば、イチョウ)、または被子植物門(Anthophyte)(例えば、顕花植物)であってもよい。被子植物は、単子葉類または双子葉類であってもよい。単子葉類の非制限的な例には、コムギ、トウモロコシ、ライ麦、コメ、ターフグラス、モロコシ、キビ、サトウキビ、ユリ、アイリス、リュウゼツラン、アロエ、ラン、アナナス、およびシュロが含まれる。双子葉植物の非制限的な例には、タバコ、トマト、ジャガイモ、ダイズ、ヒマワリ、アルファルファ、キャノーラ、バラ、シロイヌナズナ、コーヒー、柑橘類、豆類、アルファルファ、およびワタが含まれる。
i.原生植物
本発明の生物材料は、原生植物であってもよく、または原生植物に由来してもよい。原生植物は、紅色植物門(Rhodophyte)(例えば、紅藻)、褐藻綱(Phaeophyte)(例えば、褐藻、ケルプ)、緑藻植物門(Chlorophyte)(例えば、緑藻)、ミドリムシ植物(Euglenophyte)(例えば、ミドリムシ)、変形菌類(Myxomycot)(例えば、粘菌)、卵菌類(Oomycot)(例えば、水カビ、べと病菌、ジャガイモ胴枯れ病)、または珪藻綱(Bacillariophyte)(例えば、珪藻)であってもよい。
j.原核生物
本発明の特定の態様において、生物材料は、原核細胞であり、または原核細胞に由来する。特定の態様において、原核細胞は、古細菌(古細菌)である。古細菌は、例えばクレナーケオータ(Crenarchaeota)、ユーリアーケオータ(Euryarchaeota)、コラーケオータ(Korarchaeota)、またはナノアーケオータ(Nanoarchaeota)であってもよい。特定の態様において、ユーリアーケオータは、ハロバクテリア(Halobacteria)、メタノバクテリア(Methanobacteria)、メタノコッカス(Methanococci)、メタノミクロビア(Methanomicrobia)、メタノサルチナ(Methanosarcinae)、メタノピリ(Methanopyri)、アルケオグロビ(Archoglobi)、テルモプラズマ(Thermoplasmata)、またはテルモコッカス(Thermococci)である。古細菌の特異的な非制限的な例には、アエロピルム・ペルニクス(Aeropyrum pernix)、メタノコッカス・ジャナシイ(Methanococcus jannaschii)、ハロバクテリウム・マリスモルツイ(Halobacterium marismortui)、およびテルモプラズマ・アシドフィルム(Thermoplasma acidophilum)が含まれる。
特定の態様において、原核生物は、真正細菌である。真正細菌は、例えば、アクチノバクテリア(Actinobacteria)、アキフィカエ(Aquificae)、バクテリオイデステ(Bacteroidetes)、緑色硫黄細菌(Green sulfur bacteria)、クラミジア(Chlamydiae)、ベルコミクロビア(Verrucomicrobia)、クロロフレキシ(Chloroflexi)、クリシオゲネテス(Chrysiogenetes)、シアノバクテリア(Cyanobacteria)、デフェリバクター(Deferribacteres)、デイノコッカス・サームス(Deinococcus Thermus)、ジクチオグロミ(Dictyoglomi)、フィブロバクター/アシドバクテリア(Fibrobacteres/Acidobacteria)、ファーミキューテス(Firmicutes)、フソバクテリア(Fusobacteria)、ゲンマチモナデテス(Gemmatimonadetes)、ニトロスピラ(Nitrospirae)、オムニバクテリア(Omnibacteria)、プランクトミセテス(Planctomycetes)、プロテオバクテリア(Proteobacteria)、スピロヘータ(Spirochaetes)、サーモデスルホバクテリア(Thermodesulfobacteria)、またはサーモトガエ(Thermotogae)であってもよい。アクチノバクテリアの非制限的な例には、アクチノミセス属(Actinomyces)、アルスロバクター属(Arthrobacter)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、フランキア属(Frankia)、ミクロコッカス属(Micrococcus)、ミクロモノスポラ属(Micromonospora)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、およびストレプトミセス属(Streptomyces)の細菌が含まれる。アクチノバクテリアの特定の例には、らい菌(Mycobacterium leprae)、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、トリ型結核菌(Mycobacterium avium)、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)、瘡プロピオニバクテリウム(Propionibacterium acnes)、およびロドコッカス・エクイ(Rhodococcus equi)が含まれる。
アキフィカエの非制限的な例には、アキフェクス(Aquifex)、ヒドロゲニビルガ(Hydrogenivirga)、ヒドロゲノバクター(Hydrogenobacter)、ヒドロゲノバクルム(Hydrogenobaculum)、サーモクリニス(Thermocrinis)、ヒドロゲノサームス(Hydrogenothermus)、ペルセフォネラ(Persephonella)、スルフリヒドロゲニビウム(Sulfurihydrogenibium)、バルネアリウム(Balnearium)、デスルフロバクテリウム(Desulfurobacterium)、およびサーモビブリオ(Thermovibrio)属の細菌が含まれる。ファーミキューテスの例には、桿菌(Bacilli)、クロストリジウム(Clostridia)、およびモレキューテス(Molecutes)属の細菌が含まれる。ファーミキューテスの特定の例には、リステリア・イノキュア(Listeria innocua)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、枯草菌(Bacillus subtilis)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、バシラス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、クロストリジウム・アセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、マイコプラズマ・プルモニス(Mycoplasma pulmonis)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、ミュータンス連鎖球菌(Streptococcus mutans)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、およびエンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)が含まれる。
クラミジア/ベルコミクロビアの非制限的な例には、トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)、肺炎クラミジア(Chlamydia pneumoniae)、オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)のような細菌が含まれる。デイノコッカス・サームスの非制限的な例は、デイノコッカス属(Deinococcus)およびサームス属(Thermus)の細菌が含まれる。
プロテオバクテリアはグラム陰性菌である。プロテオバクテリアの非制限的な例は、大腸菌(Escherichia)、サルモネラ(Salmonella)、ビブリオ(Vibrio)、リケッチア(Rickettsia)、アグロバクテリウム(Agrobacteirum)、ブルセラ(Brucella)、リゾビウム(Rhizobium)、ナイセリア(Neisseria)、ボルデテラ(Bordetella)、ブルクホルデリ(Burkholderi)、ブクネラ(Buchnera)、エルシニア(Yersinia)、クレブシエラ(Klebsiella)、変形菌(Proteus)、赤痢菌(Shigella)、ヘモフィルス(Haemophilus)、パスツレラ(Pasteurella)、アクチノバシラス(Actinobacillus)、レジオネラ(Legionella)、マンヘイミア(Mannheimia)、コクシエラ(Coxiella)、エアロモナス(Aeromonas)、フランシセラ(Francisella)、モラキセラ(Moraxella)、シュードモナス(Pseudomonas)、カンピロバクター(Campylobacter)、およびヘリコバクター(Helicobacter)属の細菌が含まれる。プロテオバクテリアの特定の例には、丘疹熱リケッチア(Rickettsia conorii)、発疹チフスリケッチア(Rickettsia prowazekki)、発疹熱リケッチア(Rickettsia typhi)、エールリッヒア・ボビス(Ehrlichia bovis)、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、ブルセラ・メリテンシス(Brucella melitensis)、リゾビウム・リゾゲネス(Rhizobium rhizogenes)、髄膜炎菌(Neisseria meningitides)、パラ百日咳菌(Bordetella parapertussis)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、ブルクホルデリ・マレイ(Burkholderi mallei)、ブルクホルデリ・シュードマレイ(Burkholderi pseudomallei)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、大腸菌(Escherichia coli)、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、ペスト菌(Yersinia pestis)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)、ゾンネ菌(Shigella sonnei)、志賀赤痢菌(Shigella dysenterica)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、アクチノバチルス・プルロニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)、ヘモフィルス・ソムヌス(Haemophilus somnus)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、マンヘイミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)、ビブリオコレラ(Vibrio cholerae)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、Q熱リケッチア(Coxiella burnetii)、アエロモナス・ヒドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、アエロモナス・サルモニシダ(Aeromonas salmonicida)、野兎病菌(Francisella tularesis)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、およびヘリコバクター・ピロリ菌(Helicobacter pylori)が含まれる。
スピロヘータの非制限的な例には、ブラキスピラセア科(Brachyspiraceae)、レプトスピラ科(Leptospiraceae)、およびスピロヘータ科(Spirochaetaceae)の細菌が含まれる。スピロヘータの特定の例には、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)が含まれる。
2.異なるタイプの生物物質
本発明の方法および装置において用いるために企図される組織は、細胞がエネルギーを産生するために酸素を利用する(すなわち生きている)場合に限定される。
組織は、以下からなる群の組織または臓器のような、特定の細胞または臓器に由来しうる:心臓、肺、腎臓、肝臓、骨髄、膵臓、皮膚、骨、静脈、動脈、角膜、血液、小腸、大腸、脳、脊髄、平滑筋、骨格筋、卵巣、精巣、子宮、および臍帯。
その上、組織はまた、以下の細胞タイプの一つまたは複数を含むことができる:血小板、骨髄球、赤血球、リンパ球、脂肪細胞、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、骨格筋細胞、内分泌細胞、グリア細胞、ニューロン、分泌細胞、障壁機能細胞、収縮細胞、吸収細胞、粘膜細胞、輪部細胞(角膜の)、幹細胞(全能性、多能性、または多能性)、非受精または受精卵母細胞、または精子。
その上、スタシスは、果物、花、葉、茎、種子、挿し木を含む植物または植物の一部において誘導することができる。植物は農業用、医薬用、または鑑賞用となりうる。植物におけるスタシスの誘導は、植物全体または一部の半減期、または病原体抵抗性を増強する可能性がある。
本発明の方法および装置は、組織においてスタシスを誘導するために用いることができる。これは、それらを保護および/または保存するように作用しうる、またはそれらに対する障害または損傷を予防するように作用しうる。組織は、研究目的、または移植/埋め込み目的でよりよく保存されうる。例えば、臓器は、長く保存することができ、より良好に保存から生き延び、および/または保存プロセスの際の、または保存プロセスの結果による、より少ない損傷または障害に耐えることができる。
移植のための臓器を保存することができる期間は多様であり、心臓および肺は最も時間に対する感受性が高い。一般的に、現在臓器が保存される最長期間(最大低温虚血時間)は以下の通りである:
心臓および肺 4〜6時間
肝臓 12〜24時間
膵臓 12〜24時間
小腸 12時間
このように、本発明を用いて、これらの期間、それらをスタシス状態に維持することによって、これらの期間を48時間まで延長させることができる。
3.アッセイ
スタシスは、生体物質によって消費される酸素量、試料によって産生される二酸化炭素の量(細胞呼吸の間接的な測定)を定量すること、または運動性の特徴を調べることを含む、多様な方法で測定することができる。
酸素消費速度または二酸化炭素産生速度を決定するために、二つの開口部;ガスの流入口と流出口を有する密封されたチャンバーに生物材料を入れる。チャンバーの気圧を約1気圧に維持するように、ガス(室内の空気または他のガス)を所定の流速でチャンバーの中から出口へと通過させる。チャンバーに対する曝露の前後に、ガスを二酸化炭素検出器および/または酸素検出器の中に通過させて、ガス混合物における各化合物の量を(毎秒)測定する。これらの値の経時的な比較によって、酸素消費または二酸化炭素産生速度が得られる。
II.酸素アンタゴニスト
酸素代謝は好気性後生動物の生命にとって根本的な要求である。好気性呼吸量は、ほとんどの動物におけるエネルギー産生の大部分を占め、同様に、重要な細胞反応を行うために必要な還元能を維持するために役立つ。低酸素症では、酸素利用率の減少によって、電子輸送鎖の最終段階における分子酸素に対する電子の不十分な転移が起こる。この無効性によって、主に、複合体IIIでの電子の未成熟な放出およびチトクロームcオキシダーゼによるO2 -の形成により、好気性エネルギー産生の減少および損傷性のフリーラジカルの産生の増加の双方が起こる(Semenza, 1999)。限定されたエネルギー供給およびフリーラジカル障害は、タンパク質合成および膜の極性の維持のような本質的な細胞プロセスを妨害することがあり(Hochachkaら、1996)、最終的に細胞死に至る。
A.一酸化炭素
一酸化炭素(CO)は、ヒトを含む動物に対して毒性となりうる無色無臭の味のないガスである。疾病予防センターによれば、450人を超える人々が毎年、知らず知らずのあいだに一酸化炭素のために死亡している。
一酸化炭素は、その血液がその生存を維持するために酸素を輸送する生物に対して毒性となりうる。一酸化炭素は、通常の呼吸を通して肺に入り、血流からの酸素を置換することによって、有毒となりうる。正常な酸素供給が中断されると、心臓、脳の機能、および生体の他の生命維持に必須の機能を危険に曝す。
約50 ppmの量での一酸化炭素は、それに曝露されるヒトに対して症状を示さない。しかし、200 ppmでは2〜3時間以内に、一酸化炭素は軽度の頭痛を生じる;400 ppmでは1〜2時間以内に、前頭の頭痛を引き起こし、これは3時間以内に広範となる可能性がある;および800 ppmでは、これは45分以内にめまい、悪心、および/または痙攣を引き起こし、2時間以内に被験者は不感性となりうる。約1000 ppmのレベルでは、生物は、約1〜2分より多い曝露後に死亡しうる。
生物に対する一酸化炭素の周知のおよび十分に報告された毒性作用のために、このように、一酸化炭素が、スタシスを誘導するために用いることができることおよび/または生きた生物試料を保存するために役立つことは意外であり、予想外である。このように、一酸化炭素は、血液を含まない生体物質のような分離された生体物質においてスタシスを誘導するために用いることができると企図される(これはスタシスの誘導に関係する経路とは異なる経路である、一酸化炭素がヘモグロビンに関して有する作用のために)。
スタシスを誘導するために、またはスタシス誘導物質によって引き起こされた任意の損傷を制限もしくは防止するための一酸化炭素に対する曝露の他に、本発明は、一酸化炭素を、生物材料の保存および/または移植/移植プロセスを補助する物質または方法と併用して用いてもよいと企図する。
B.カルコゲナイド化合物
酸化物を除く周期表の6族の元素のようなカルコゲン元素を含む化合物は、一般的に「カルコゲナイド」、または「カルコゲナイド化合物」と呼ばれる(本明細書において互換的に用いられる)。これらの元素は硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、およびポロニウム(Po)である。一般的なカルコゲナイドは、他の元素の他にS、Se、およびTeの一つまたはそれ以上を含む。カルコゲナイド化合物は還元剤として用いることができる。
本発明者らは、以下の理論に拘束されることなく、カルコゲナイドが細胞においてスタシスを誘導できること、および動物において中心体温の調節を行うことができることは、チトクロームオキシダーゼに対するこれらの分子の結合に由来すると考えている。そのように行うために、カルコゲナイド化合物が自律的な体温調節を遮断できること、すなわち「温血動物」の中心体温を、環境温度の制御を通して操作できることは、先に記述した同じメカニズム−チトクロームオキシダーゼに対する結合、および酸化的燐酸化の活性の遮断または減少に由来すると考えている。カルコゲナイドは、ガス様型と共に液体状で提供されてもよい。
カルコゲナイドは、哺乳類に対して毒性となりうる、および何らかのレベルで致死的となりうる。本発明に従って、カルコゲナイドレベルは適当な環境において致死レベルを超えてはならないと予想される。カルコゲナイドの致死レベルは、例えばそれぞれのカルコゲナイドに関する材料安全性データシート、または米国政府の職業安全健康局(OSHA)から入手可能な情報シートにおいて認められる可能性がある。
一酸化炭素およびカルコゲナイド化合物は酸素アンタゴニストとして作用することによってスタシスを誘導できるが、それらはスタシスの誘導能とは異なる毒性作用を有する。その上、スタシス作用を媒介するために必要な濃度は、チトクロームオキシダーゼの異なる親和性のために異なる。酸素に対するチトクロームオキシダーゼの親和性は、一酸化炭素と比較して約1:1であるが、H2Sに関する親和性は、酸素の場合と比較して約300:1の次数で表れる。これは、スタシス誘導濃度で認められる毒性作用に影響を及ぼす。このように、カルコゲナイド化合物は、生物全体における生体物質および生物全体のスタシスを誘導するために特に適していると企図される。
同様に、カルコゲナイドを除去する前に、生体物質に対してさらなる刺激を提供することが有用となることが判明する可能性がある。特に、カルコゲナイド源を除去する前に上昇した室温に動物を供する必要があると想像される。
1.H2S
硫化水素(H2S)は、石油化学および天然ガス、下水、製紙パルプ、革なめし、および食品加工にしばしば関連するおそらく毒性のガスである。細胞レベルでの主な作用は、チトクロームオキシダーゼおよび他の酸化酵素の阻害であり、それによって細胞低酸素症が起こるように思われる。極端なレベル(500 ppm)の曝露の結果、突然の虚脱および無意識、いわゆる「ノックダウン」作用が起こり、その後回復する。曝露後の作用は数年持続することがあり、これには、協調の喪失、記憶喪失、運動機能障害、人格の変化、幻覚、および不眠が含まれる。
しかし、H2Sとのほとんどの接触は、そのような急性の毒性レベル未満で十分に起こる。それにもかかわらず、亜急性レベルで長期間接触することに対しては一般的な懸念がある。平衡感覚および記憶の持続的な障害を示す報告がいくつかあると共に、慢性的な低レベルのH2S曝露後にヒトにおいて知覚運動機能の変化が起こる可能性がある。KilburnおよびWarshaw(1995);Kilburn(1999)。他の研究者は、ラットに低い(20または50 ppm)のH2Sを妊娠後から生後21日まで1日7時間持続的に曝露すると、小脳のプルキンエ細胞のaborizationの減少を伴ってより長い樹状細胞分岐が起こることを報告した。比較的低レベルのH2Sに関連した他の神経学的欠損には、脳神経伝達物質濃度の変化および海馬θEEG活性の増加のような変化した神経反応が含まれる。
H2Sの中等度のレベルに曝露したラットにおいて、行動学的毒性を調べた。結果から、H2Sが曝露終了直後に区別できる回避反応を阻害すること(Higuchi and Fukamachi, 1997)、および同様にラットが餌のある放射状の迷路作業を学習する能力を妨害すること(Partloら、2001)が示された。80 ppm H2Sを用いたもう一つの出生前後の試験において、曝露したラット仔において神経病理学的作用または変化した運動活性、受動回避、または聴性驚愕反応を認めなかった。Dormanら(2000)。最後に、Struveら(2001)は、様々なレベルのH2Sガスを1日3時間5日間連続してラットに曝露した。80 ppmまたはそれより高いH2Sの曝露後に、運動活性、水迷路成績および体温の有意な減少を認めた。併せて考慮すると、これらの報告は、H2Sが、哺乳類組織の生化学に対して様々な作用を有しうるが、行動に関する反応には明確なパターンを示さないことを示している。
本発明に従って用いることが企図される硫化水素の典型的なレベルには、約1〜約150 ppm、約10〜約140 ppm、約20〜約130 ppm、および約40〜約120 ppmの値、またはその同等の経口、静脈内、または経皮投与量が含まれる。他の関連する範囲には、約10〜約80 ppm、約20〜約80 ppm、約10〜約70 ppm、約20〜約70 ppm、約20〜約60 ppm、および約30〜約60 ppm、またはその同等の経口、静脈内、または経皮投与量が含まれる。所定の動物に関して、所定の期間、被験者におけるカルコゲナイドのおそらく致死的な増強を回避するために、カルコゲナイド大気を減少させなければならないと同様に企図される。例えば、80 ppmの初回環境濃度を30分後に60 ppmに減少してもよく、その後1時間(40 ppm)および2時間(20 ppm)でさらに減少してもよい。
2.H2Se、H2Te、およびH2Po
セレン化水素(H2Se)は、チオールおよびNADPH-依存的レダクターゼによる還元によって、セレノジグルタチオン(GSSeSG)を通して無機セレン化ナトリウム(酸化状態+4)から形成され、リアーゼの作用によってセレノシステインから放出される重要な代謝物である(Ganther, 1999)。セレン化水素は、セレノホスフェートへの活性化後セレノプロテインの合成のためのSeを提供する。
テルル化水素(H2Te)は、不安定なガスとして存在する。
3.他の還元物質
特定の態様において、還元物質構造化合物は、メチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルスルフィド(DMS)、メチルメルカプタン(CH3SH)、メルカプトエタノール、チオシアネート、シアン化水素、メタンチオール(MeSH)またはCS2である。特定の態様において、酸素アンタゴニストは、CS2、MeSH、またはDMSである。これらの分子の大きさの次数の化合物が特に企図される(すなわち、その分子量の約50%以内)。
スタシスを誘導するために有用であると想像されるさらなる化合物には、その多くが容易に入手可能であって当業者に公知である以下の構造(CAS番号によって識別される)が含まれるがこれらに限定されない:104376-79-6(セフトリアキソンナトリウム塩);105879-42-3;1094-08-2(塩酸エトプロパチン);1098-60-8(塩酸トリフルプロマジン);111974-72-2;113-59-7;113-98-4(ペニシリンG K+);115-55-9;1179-69-7;118292-40-3;119478-56-7;120138-50-3;121123-17-9;121249-14-7;1229-35-2;1240-15-9;1257-78-9(プロクロロペラジンエジシレート塩);128345-62-0;130-61-0(塩酸チオリダン);132-98-9(ペニシリンV K+);13412-64-1(ジクロキサシリンNa+水和物);134678-17-4;144604-00-2;146-54-3;146-54-5(2塩酸フルフェナジン);151767-02-1;159989-65-8;16960-16-0(副腎皮質刺激ホルモン断片1-24);1982-37-2;21462-39-5(塩酸クリンダマイシン);22189-31-7;22202-75-1;23288-49-5(プロブコール);23325-78-2;24356-60-3(セファピリン);24729-96-2(クリンダマイシン);25507-04-4;26605-69-6;27164-46-1(セファゾリンNa+);2746-81-8;29560-58-8;2975-34-0;32672-69-8(メソリダジンベンゼンスルホネート);32887-01-7;33286-22-5((+)-塩酸シスジルチアゼム);33564-30-6(セフォキシチンNa+);346-18-9;3485-14-1;3511-16-8;37091-65-9(アゾシリンNa+);37661-08-8;3819-00-9;38821-53-3(セフラジン);41372-02-5;42540-40-9(セファマンドールナフェート);4330-99-8(トリメプラジンヘミ-(+)-酒石酸塩);440-17-5 2塩酸トリフルオペラジン;4697-14-7(チカルシリン2 Na+);4800-94-6(カルベニシリン2 Na+);50-52-2;50-53-3;5002-47-1;51481-61-9(シメチジン);52239-63-1(6-プロピル-2-チオウラシル);53-60-1(塩酸プロマジン);5321-32-4;54965-21-8(アルベンダゾール);5591-45-7(チオチキセン);56238-63-2(セフロキシムNa+);56796-39-5(セフメタゾールNa+);5714-00-1;58-33-3(塩酸プロメタジン);58-38-8;58-39-9(ペルフェナジン);58-71-9(セファロチンNa+);59703-84-3(ピペラシリンNa+);60-99-1(マレイン酸メトトリメプラジン);60925-61-3;61270-78-8;6130-64-9(ペニシリンGプロカイン塩水和物);61318-91-0(硝酸スルコナゾール);61336-70-7(アモキシシリン三水和物);62893-20-3(セフォペラゾンNa+):64485-93-4(セフォタキシムNa+);64544-07-6;64872-77-1;64953-12-4(モキサラクタムNa+);66104-23-2(ペルゴリドメシレート);66309-69-1;66357-59-3(塩酸ラニチジン);66592-87-8(セフォドロキシル);68401-82-1;69-09-0(塩酸クロルプロマジン);69-52-3(アンピシリンNa+);69-53-4(アンピシリン);69-57-8(ペニシリンG Na+);70059-30-2;70356-03-5;7081-40-5;7081-44-9(クロキサシリンNa+ H2O);7177-50-6(ナフシリンNa+ H2O);7179-49-9;7240-38-2(オキサシリンNa H2O);7246-14-2;74356-00-6;74431-23-5;74849-93-7;75738-58-8;76824-35-6(ファモチジン);76963-41-2;79350-37-1;81129-83-1;84-02-6(プロクロルペラジン二マレイン酸塩);87-08-1(フェノキシメチルペニシリン酸);87239-81-4;91-33-8(ベンズサイアザイド);91832-40-5;94841-17-5;99294-94-7;154-42-7(6-チオグアニン);36735-22-5;536-33-4(エチオナミド);52-67-5(D-ペニシラミン);304-55-2(メソ-2,3-ジメルカプトコハク酸);59-52-9(2,3-ジメルカプト+プロパノール);6112-76-1(6-メルカプトプリン);616-91-1(N-アセチル-L-システイン);62571-86-2(カプトプリル);52-01-7(スピロノラクトン);および80474-14-2(プロピオン酸フルチカゾン)。
C.他のアンタゴニスト
1.低酸素症および無酸素症
低酸素症は一般的な自然のストレスであり、低酸素環境に対する細胞の適応を促進するいくつかの十分に保存された反応が存在する。低酸素症における好気的エネルギー産生能の減少を代償するために、細胞は、嫌気的エネルギー産生を増加させるか、またはエネルギー需要を減少させなければならない(Hochachkaら、1996)。これらの反応の双方の例は、後生動物において一般的であり、用いられる特定の反応は、一般的に細胞にとって利用可能な酸素量に依存する。
軽度の低酸素症において、酸化的燐酸化はなおも部分的に活性であり、何らかの好気的エネルギー産生が可能である。低酸素症誘導転写因子HIF-1によって部分的に媒介されるこの状況に対する細胞反応は、糖分解酵素およびブドウ糖輸送体のような、嫌気性エネルギー産生に関係する遺伝子をアップレギュレートすることによって、好気性エネルギー産生の減少を補足することである(Semenza, 2001;Guilleminら、1997)。この反応はまた、フリーラジカルによる損傷から保護する、カチラーゼ(catylase)およびスーパーオキシドジスムターゼのような抗酸化剤のアップレギュレーションを促進する。その結果として、細胞は、軽度の低酸素症においてほぼ通常の活性レベルを維持することができる。
本明細書においてO2が<0.001 kPaとして定義される「無酸素症」と呼ばれる極端な型の低酸素症では、酸化的燐酸化は休止して、このように、エネルギー産生能は劇的に減少する。この環境を生存するために、細胞は、細胞活性を減少させることによってエネルギー需要を減少させなければならない(Hochachkaら、2001)。例えば、酸素を枯渇したカメの肝細胞において、タンパク質合成、イオンチャンネル活性、および同化経路のような活性を制限するために細胞によって行われる定方向の努力によって、ATP必要量は94%減少する(Hochachkaら、1996)。ゼブラフィッシュ(Danio rerio)の胚では、無酸素に対する曝露によって、心拍、運動、細胞周期進行、および発達の進行は完全に停止する(Padillaら、2001)。同様に、C.エレガンスは、仮死状態に入ることによって無酸素に対して反応し、この場合、細胞分裂および発達の進行を含む認められうる全ての運動は休止する(Padillaら、2002;Van Voorhiesら、2000)。C.エレガンスは24時間またはそれ以上仮死状態に留まりうるが、酸素正常状態に戻ると、高い生存率で回復するであろう。この反応によって、C.エレガンスは、エネルギー的に代償の高いプロセスの割合を減少させて、障害、すなわち異数性のような取り返しのつかない事象の発生を予防することによって、低酸素ストレスを生き延びることができる(Padillaら、2002;Nystulら、2003)。
最近発見された反応は、ヘムオキシゲナーゼ-1による一酸化炭素の低酸素による産生である(Dulakら、2003)。内因性に産生された一酸化炭素は、抗アポトーシス(Brouardら、2003)および抗炎症(Otterbeinら、2000)活性を通して低酸素による損傷を緩和するシグナル伝達カスケードを活性化することができ、類似の細胞保護作用は、外因性の一酸化炭素の潅流によって移植モデルにおいて得ることができる(Otterbeinら、2003;Amersiら、2002)。より高い濃度では、一酸化炭素は、ミトコンドリアチトクロームおよびヘモグロビンのような鉄含有タンパク質に結合するために酸素と競合する(Gormanら、2003)が、この活性が低酸素状態において有する細胞保護作用は調べられていなかった。
低酸素症の損傷に対するこれらの洗練された防御メカニズムの存在にもかかわらず、低酸素症はなおもしばしば障害性のストレスである。例えば、哺乳類はヘムオキシゲナーゼ-1およびHIF-1の双方を有し、いくつかの証拠から、仮死状態が哺乳類においても可能であることが示唆されている(Bellamyら、1996;Alamら、2002)。しかし、心臓発作、卒中、または血液の喪失のような外傷による低酸素障害は、主要な死因である。低酸素症ストレス、残っている活気または仮死状態を生存するための二つの根本的な戦略の限界を理解することは、これが多様な条件下の多様な系における研究に基づいているという事実のために進んでいない。
「低酸素症」は、酸素の正常な生理学的レベルが細胞または組織に供給されない場合に起こる。「酸素正常状態」は、調べる特定の細胞タイプ、細胞状態、または組織に関して正常な生理的レベルの酸素を指す。「無酸素症」は酸素が存在しないことである。「低酸素状態」は、細胞低酸素症に至る状態である。これらの条件は細胞状態、組織または臓器内の細胞の特定の構築、または位置と共に、細胞の代謝状態に依存する。本発明の目的に関して、低酸素状態には、酸素濃度が正常な大気の状態であるか、またはそれ未満である状態、すなわち20.8、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0%未満である状態が含まれる;またはこれらの数値は、大気圧1気圧(101.3 kPa)での大気の百分率を表しうる。ゼロパーセントでの酸素濃度は無酸素条件を定義する。このように、低酸素状態には、無酸素状態が含まれるが、いくつかの態様において、0.5%以上の低酸素状態が実行される。本明細書において用いられるように、「酸素正常(normoxic)条件」とは、約20.8%、またはそれより高い酸素濃度を構成する。
低酸素症または無酸素症を得るための標準的な方法は、十分に確立されており、チャンバーから酸素を除去する場合に化学触媒に依存する環境的チャンバーを用いることが含まれる。そのようなチャンバーは、例えば、BD Diagnostic Systems(Sparks, MD)からGASPAK使い捨て水素+二酸化炭素エンベロープ、またはBIO-BAG環境チャンバーとして市販されている。または、酸素は、チャンバー内の空気を、窒素のような非酸素ガスに交換することによって枯渇してもよい。酸素濃度は例えば、FYRITE酸素アナライザー(Bacharach, Pittsburgh, PA)を用いて決定してもよい。
III.保存の応用
スタシスは、上記のように任意の細胞、組織、または生物において誘導することができる。これには、果実、花、葉、茎、種子、接ぎ木を含む植物または植物の一部が含まれる。植物は、農業、医薬品、または観賞用となりうる。植物におけるスタシスの誘導は、植物もしくは植物全体の保存期間または病原体の抵抗性を増強する可能性がある。
本発明の態様において、生物またはその一部を、約、少なくとも約、または多くて約30秒間、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55分、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間、1、2、3、4、5、6、7日、1、2、3、4、5週間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20年またはそれ以上、またはそこから誘導可能な任意の組み合わせまたは範囲、酸素アンタゴニストに曝露することができる。
A.移植された細胞、組織、および臓器
最初の腎臓移植の成功は1954年に得られ、最初の心臓および肝臓移植は1967年に行われ、臓器移植を必要とする何千もの人々が毎年死亡する。多様な原因のために、彼らは心臓、肺、腎臓、および肝臓を必要とする。さらに、膵臓または角膜を用いることができる患者が存在する。臓器ドナーは絶えず必要があるが、臓器移植を必要とする人に臓器を提供する場合のもう一つの重要なハードルは、現在の臓器保存技術の限界である。例えば、ヒトの心臓は、その後の移植が成功する見込みがあるためには、4時間以内に輸送されなければならないと広く考えられている。
移植のために心臓を保存/輸送するために最も頻繁に用いられる二つの方法は、低温保存および持続的な潅流である。前者の方法では、心臓は、停止してドナーから摘出された後、急速に冷却され、低温保存で輸送される。後者の場合、以下の段階が典型的に用いられる:1)脈流;2)低温;3)膜酸素化;および4)ブロスを含む潅流液。
移植の成功の見込みを改善するために、移植のための臓器をよりよく保存するための技術が開発されている。二つの一般的な開発領域があり、一つは保存液の領域であり、もう一つは、臓器の容器の領域である。
移植のような特定の状況において、創傷治癒の有害な結果は、移植された組織の適切な定着を障害または防止する可能性がある。本発明の状況において、移植された組織を障害する炎症、アポトーシス、および他の創傷治癒/移植後事象のような生物学的プロセスを阻害する努力において、供与された組織およびレシピエントの組織は、創傷治癒に関して先に考察したように、酸素アンタゴニストによって移植前に処置されるであろうと想像される。
酸素の空気との交換は固体組織に関して非常に不良であることから、細胞の内部に酸素アンタゴニストを送達するために、血管を用いて組織または臓器に酸素アンタゴニストを提供することは有用となるであろう。例えば、移植のための組織または臓器を採取する前に、一酸化炭素を含む生理食塩液をドナー被験者に投与することができる。
B.他の保存物質
その中で臓器が保存溶液に取り囲まれている、または潅流されている多様な保存溶液が開示されている。最も一般的に用いられる溶液の一つは、低温保存と共に用いられるViaSpan(登録商標)(Belzer UW)である。そのような溶液またはそのような溶液の成分の他の例には、セントトーマス溶液(Ledinghamら、J. Thorac. Cardiobasc. Surg. 93:240〜246, 1987)、ブルセ溶液、UW溶液(Ledinghamら、Circulation 82(Part2)IV 351〜8, 1990)、Celsior溶液(Menascheら、Eur. J. Cardio. Thorac. Surg.8:207〜213, 1994)、スタンフォード大学溶液、および溶液B20(Bernardら、J. Thorax Cardiovasc. Surg. 90:235〜242, 1985)と共に、米国特許第6,524,785号;第6,492,103号;第6,365,338号;第6,054,261号;第5,719,174号;第5,693,462号;第5,599,659号;第5,552,267号;第5,405,742号;第5,370,989号;第5,066,578号;第4,938,961号;および第4,798,824号に記述および/または請求される溶液が含まれる。
溶液の他に、他のタイプの材料も同様に、臓器および組織の輸送に用いられることが公知である。これらには、米国特許第5,736,397号に記述されるような、ゼラチン様、または他の半固体材料が含まれる。
臓器保存のためのシステムおよび溶液のいくつかは、酸素化環境において臓器または組織を維持することが生存率を改善すると考えられていることから、特に臓器を酸素に曝露するために溶液または系における酸素潅流を含む。Kurodaら(Transplantation 46(3):457〜460, 1988)および米国特許第6,490,880号;第6,046,046号;第5,476,763号;第5,285,657号;第3,995,444号;第3,881,990号;および第3,777,507号を参照されたい。4時間より長く酸素を枯渇された分離された心臓は、活力を失っていると考えられ、虚血/再潅流損傷のために、レシピエントにおいて有用ではないと考えられる。米国特許第6,054,261号を参照されたい。
その上、臓器保存および移植のための溶液および容器の全てではないが多くは、低温(室温より低い温度、しばしば0℃に近いが0℃より低くならない)を必要とし、これは「臓器および組織保存のための全ての有用な方法の基本原則」と呼ばれている。米国特許第6,492,103号。
移植成功の見通しを改善するために、移植のために臓器をよりよく保存する技術が開発されている。二つの一般的な開発領域があり、一つは保存溶液であり、もう一つは臓器容器の領域である。
その上、臓器保存および移植のための溶液および容器の全てではないが多くは、低温(室温より低い温度、しばしば0℃に近いが0℃より低くならない)を必要とし、これは「臓器および組織保存のための全ての有用な方法の基本原則」と呼ばれている。米国特許第6,492,103号。
臓器移植の分野において、特定の条件が臓器の状態および移植の成功に関する予後に関連すると考えられている:1)細胞膨張および浮腫の最小化;2)細胞内アシドーシスの予防;3)虚血損傷の最小化;ならびに4)再潅流の際の高エネルギーリン酸塩化合物およびATPの再生のための基質の提供。臓器移植における虚血/再潅流損傷は、採取された臓器が体から除去されて、血液源から分離され、それによって酸素および栄養が長期間枯渇しているために、特に問題である(米国特許第5,912,019号)。実際に、今日の移植における最も重要な問題の一つは、術後の急性尿細管壊死(ATN)による遅延移植機能(DGF)の発生率が比較的高いことである。現在の方法はなおもこれらの領域において問題を有し、これは本発明の重要性を強調する。
それにもかかわらず、本発明は、他の保存組成物および方法と共に用いることができる。米国特許第5,952,168号、第5,217,860号、第4,559,258号、および第6,187,529号(特に参照として本明細書に組み入れられる)において考察したように、生物材料は、例えば、移植可能または置換可能な臓器を長期間維持するために保存することができる。
細胞、組織/臓器、または死体は、移植のために臓器の状態を増強または維持する化合物を投与することができる。そのような方法および組成物には、米国特許第5,752,929号および第5,395,314号に記述されるものが含まれる。
その上、本発明の方法には、酸素アンタゴニストに対する曝露の他に、記述のような保存液に生体物質を曝露することが含まれうる。
生きていて、生体材料として用いられる生物試料と共に用いられる任意の物質または溶液は、薬学的に許容されるまたは薬理学的に許容されると企図される。「薬学的に許容される」または「薬理学的に許容される」という句は、ヒトに投与した場合に、アレルギーまたは類似の望ましくない反応を生じない分子実体および組成物を指す。活性成分としてタンパク質を含む水性組成物の調製は、当技術分野において十分に理解されている。典型的に、そのような組成物は、液体溶液または浮遊液のいずれかとして調製される;使用前に液体において溶液または懸濁液にするために適した固体剤形も同様に調製することができる。
移植のための臓器は、特に移植体として用いることに関してその状態を評価するためにモニタリングしてもよい。そのような方法は米国特許第5,699,793号に記述されている。
臓器移植を受けた後の患者に、その回復プロセスを補助するために多くの薬剤を投与することができる。そのような薬物には、提供された臓器に対して免疫反応を減少または阻害する化合物および物質が含まれる。
その上、米国特許第6,552,083号(N-(3,4-ジメトキシシナモイル)アントラニル酸を含む阻害物質)および第6,013,256号(ヒト化抗Tax抗体のような、IL-2受容体に結合する抗体)に記述されるような、さらなる薬物が絶え間なく研究されており、臓器移植において用いるために提供されている。
C.保存装置
臓器および組織を輸送するための系または容器も同様に、何年ものあいだ開発されている。これらの態様のいずれも、酸素アンタゴニストを用いることができる本発明の装置と組み合わせてもよい。
ほとんどは、実行のために冷却システム、例えばシステムの中をポンプで送られる冷却液による能動的冷却を用いる米国特許第4,292,817号、第4,473,637号、および第4,745,759号に記述される系を含む。米国特許第5,434,045号および第4,723,974号のような多室または二重容器を含む、いくつかの洗練された装置が設計されている。
米国特許第6,490,880号;第6,100,082号;第6,046,046号;第5,326,706号;第5,285,657号;第5,157,930号;第4,951,482号;第4,502,295号;および第4,186,565号において記述されるように、保存液において臓器または組織を潅流するために装置が考案されているシステムを構成するものもある。
臓器または組織を酸素化環境において維持することは生存率を改善すると考えられていることから、臓器保存のための系および溶液のいくつかは、特に、臓器を酸素に曝露するために溶液または系における酸素潅流を含む。Kurodaら(Transplantation 46(3):457〜460, 1988)および米国特許第6,490,880号;第6,046,046号;第5,476,763号;第5,285657号;第3,995,444号;第3,881,990号;および第3,777,507号を参照されたい。4時間より長く酸素を枯渇された分離された心臓は、虚血/再潅流損傷のために、活力を失い、レシピエントにおいて用いられない。米国特許第6,054,261号を参照されたい。
IV.スクリーニング応用
なおさらなる態様において、本発明は、スタシスの誘導に関して同様に作用する酸素アンタゴニストおよび分子を同定する方法を提供する。いくつかの場合において、求められる酸素アンタゴニストは、酸素アンタゴニストが存在しなければ生体物質を殺すであろう低酸素または無酸素環境において中心体温を低下させるため、または生存率を保持するために、カルコゲナイド化合物のような挙動を示す。これらのアッセイは、大きい候補物質ライブラリのランダムスクリーニングを含んでもよい;またはアッセイは、それらを酸素アンタゴニストとして作用する可能性をより高くすると考えられる属性に関して、肉眼で選択した化合物の特定のクラスに重点を置いて用いてもよい。例えば方法は一般的に以下を含む:
(a)候補調節物質を提供する段階;
(b)候補調節物質を生体物質と混合する段階;
(c)酸素アンタゴニスト処置の特徴である一つまたはそれ以上の細胞反応を測定する段階;および
(d)候補調節物質の非存在下での生体物質による一つまたはそれ以上の反応を比較する段階。
アッセイは、分離された細胞、組織/臓器、または無傷の生物について行ってもよい。
本発明のスクリーニング法は全て、有効な候補物質が認められない可能性があるという事実にもかかわらず、それ自身有用であると当然理解されるであろう。本発明は、単にそれらを発見する方法ではなくて、そのような候補物質をスクリーニングする方法を提供する。しかし、調節物質は、一つまたはそれ以上のアッセイに従って有効な調節物質であると同定される可能性があると理解され、このことは、調節物質が、生体物質においてスタシスを誘導することによるような、酸素アンタゴニストとして作用する何らかの能力を有するように思われることを意味する。いくつかの態様において、スクリーニングは、調節物質を同定するために実施例において記述されるアッセイを用いることを含む。
有効な調節物質を、さらに特徴を調べる、またはアッセイしてもよい。その上、有効な調節物質を、インビボ動物もしくは動物モデルにおいて用いてもよい(下記のように)、または同じ種の動物もしくは異なる動物種を含んでもよいインビボ動物もしくは動物モデルにおいてさらに用いてもよい。
さらに、本発明の態様に従って同定された調節物質はまた、スクリーニング後に製造してもよいと企図される。同様に、生体物質は、特に処置的または保存的態様に関して、本発明の方法に従って有効な調節物質に曝露または接触させてもよい。
A.調節物質
本明細書において用いられるように、「候補物質」は、例えば中心体温を変化させることによって、生体物質においてスタシスを誘導する可能性がある任意の分子を指す。候補物質はタンパク質またはその断片、低分子、または核酸分子であってもよい。有用な化合物の同定を力任せに行う努力において、有用な薬物の基本的な基準を満たすと考えられる低分子ライブラリを様々な販売元から得てもよい。組み合わせによって産生されたライブラリ(例えば、ペプチドライブラリ)を含むそのようなライブラリのスクリーニングは、多数の近縁の(および無関係な)化合物を活性に関してスクリーニングするための迅速かつ有効な方法である。組み合わせアプローチによって、活性であるがそれ以外は望ましくない化合物をモデルとした第二、第三、第四世代の化合物を作製することによって、それらの化合物は可能性がある薬物へと急速に発展する。
候補化合物には、天然に存在する化合物の断片もしくは一部が含まれてもよく、またはそれ以外は不活性である公知の化合物の活性な組み合わせとして発見されてもよい。動物、細菌、真菌、葉および樹皮を含む植物起源、ならびに海洋試料を含む天然起源から分離された化合物は、おそらく有用な薬剤の存在に関して候補物質としてアッセイしてもよいと提唱される。スクリーニングされる薬剤はまた、化学組成物または人工的な化合物から誘導または合成されうると理解されるであろう。このように、本発明によって同定された候補物質は、ペプチド、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、低分子阻害剤、または公知の阻害剤もしくは刺激剤を開始材料とする合理的ドラッグデザインによって設計してもよい他の任意の化合物であってもよいと理解される。
他の適した調節物質には、そのそれぞれが標的分子に対して特異的であるアンチセンス分子、siRNA、リボザイム、および抗体(一本鎖抗体を含む)が含まれる。そのような化合物は、本明細書において他所でより詳細に記述される。例えば、翻訳もしくは転写開始部位、またはスプライス接合部に結合するアンチセンス分子は、理想的な候補阻害剤であろう。
最初に同定された化合物を調節するほかに、本発明者らはまた、他の構造的に類似の化合物を、調節物質の構造の重要な部分を模倣するように調製してもよいと企図する。ペプチド調節物質のペプチド模倣体が含まれてもよいそのような化合物は、最初の調節物質と同様に用いてもよい。
B.インビボアッセイ
インビボアッセイは、様々な動物モデルを用いることを含む。その大きさ、取り扱いの容易さ、ならびにその生理学および遺伝的構成に関する情報のために、マウスは好ましい態様である。しかし、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモット、アレチネズミ、ウッドチャック、マウス、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマ、およびサル(チンパンジー、テナガザル、およびヒヒを含む)を含む他の動物も同様に適している。魚はまた、線虫と同様に、インビボアッセイによって用いるために企図される。調節物質のアッセイは、これらの任意の種に由来する動物モデルを用いて行ってもよい。
そのようなアッセイにおいて、一つまたはそれ以上の候補物質を動物に投与して、不活性な溶媒(陰性対照)およびH2S(陽性対照)と比較して、候補物質がスタシスを誘導できれば、中心体温を低下させることができれば、または生物材料に低酸素もしくは無酸素環境条件の生存能を付与できれば、調節物質であると同定される。動物を試験化合物によって処置することは、適当な形で動物に化合物を投与することを含むであろう。候補化合物の投与(ガスまたは液体)は、経口、鼻腔内(吸入またはエアロゾル)、口腔内、または局所が含まれるがこれらに限定されない、臨床または非臨床目的のために利用されうる任意の経路であってもよい。または、投与は気管内注入、気管支内注入、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、または静脈内注射によって行ってもよい。特に企図される経路は、全身静脈内注射、血管またはリンパ管による局所投与、または罹患部位への直接注射である。
VII.投与様式および薬学的組成物
カルコゲナイド薬学的組成物の有効量は一般的に、対象条件を検出可能に改善する、減少する、最小限にする、または制限するために十分な量であると定義される。疾患の消失、根治、または治癒を含むより厳密な定義を適用してもよい。
A.曝露
酸素アンタゴニストの投与経路は、当然、細胞タイプによって変化するが、一般的に、細胞は、それらを酸素アンタゴニスト(ガス、液体、または半固体液体であってもよい)と共にインキュベートすることによって、それらを酸素アンタゴニスト(液体または半固体液体であってもよい)に浸漬することによって、それらに酸素アンタゴニスト(ガス、液体、または半固体液体であってもよい)を注入することによって、またはそれらを酸素アンタゴニスト(液体または半固体液体であってもよい)によって潅流することによって、酸素アンタゴニストに曝露されるであろう。酸素アンタゴニストがガスである場合、ガスを細胞に吹き付けてもよく、密封または有意に密封された容器またはチャンバーにおいて細胞にガスを曝露してもよいと企図される。
本明細書において考察された装置は、細胞を酸素アンタゴニストに曝露するために用いることができる。酸素アンタゴニストは、細胞が存在するチャンバーもしくは容器の内外を循環させることができる、または細胞に曝露される酸素アンタゴニストの量は、周期的もしくは間欠的に変化させることができると企図される。
B.製剤
活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性剤と適切に混合して水において調製してもよい。分散剤はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびその混合物ならびに油において調製してもよい。通常の保存および使用条件において、これらの調製物は微生物の増殖を予防するために保存剤を含む。注射によって用いるために適した薬学的剤形には、滅菌水溶液または分散剤、および滅菌注射液もしくは分散液の即時調製のための滅菌粉末が含まれる(その全内容が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第5,466,468号)。全ての場合において、剤形は滅菌でなければならず、容易な注入操作性が存在する程度に流動的でなければならない。これは、製造および保存条件で安定でなければならず、細菌および真菌のような微生物の汚染作用から保護されなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)を含む溶媒または分散媒体、その適した混合物、および/または植物油となりうる。例えばレシチンのようなコーティングを用いることによって、分散剤の場合には、必要な粒子径を維持することによって、および界面活性剤を用いることによって、適切な流動性を得てもよい。微生物の作用の予防は、様々な抗菌および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサル等によって行うことができる。多くの場合、等張剤、例えば糖または塩化ナトリウムを含めることが好ましいであろう。注射用製剤の持続的な吸収は、吸収遅延剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物において用いることによって得ることができる。
水溶液において投与するために、例えば、溶液は、必要であれば適切に緩衝作用を有しなければならず、液体希釈剤は、十分な生理食塩液またはグルコースによってまず等張にしなければならない。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下、腫瘍内、および腹腔内投与のために特に適している。これに関連して、用いることができる滅菌水性媒体は、本開示に照らして当業者に公知であろう。例えば、一つの用量を等張NaCl溶液1 mlに溶解して、皮下注入液1000 mlに加えるか、または提唱される注入部位に注射してもよい(例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、第15版、1035〜1038頁および1570〜1580頁を参照されたい)。処置される被験者の状態に応じて、用量の何らかの変更は必ず起こるであろう。担当医は、いずれにせよ、個々の被験者の適当な用量を決定するであろう。その上、ヒトでの投与に関して、調製物は、FDA生物標準局が必要とする滅菌性、発熱性、全身的安全性、および純度標準を満たさなければならない。
滅菌注射用溶液は、先に列挙した他の様々な成分と共に適当な溶媒において必要量の活性化合物を組み入れた後、濾過滅菌することによって調製される。一般的に、分散剤は、基礎分散培地および先に列挙した生物から必要な他の成分を含む滅菌溶媒に様々な滅菌活性成分を組み入れることによって調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製法は、既に濾過滅菌されたその溶液から、活性成分プラスさらなる所望の成分の粉末を生じる真空乾燥および凍結乾燥技法である。
本明細書において用いられるように、「担体」には、任意の全ての溶媒、分散媒体、溶媒、コーティング、希釈剤、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤、緩衝剤、担体溶液、懸濁液、コロイド等が含まれる。薬学的に活性な物質のためにそのような媒体および物質を用いることは、当技術分野において周知である。任意の通常の培地または物質が活性成分と適合性である限り、治療組成物におけるその使用が企図される。補助活性成分も同様に組成物に組み入れることができる。
「薬学的に許容される」、または「薬理学的に許容される」という句は、ヒトに投与した場合に、アレルギーまたは類似の望ましくない反応を生じない分子実体および組成物を指す。活性成分としてタンパク質を含む水性組成物の調製は、当技術分野において十分に理解されている。典型的に、そのような組成物は、注射用製剤として、液体溶液または懸濁液のいずれかとして調製される;注射前に液体において溶液、または懸濁液とするために適した固体剤形も同様に調製することができる。
C.潅流システム
細胞のための潅流システムを用いて、液体または半固体の剤形の酸素アンタゴニストに組織または臓器を曝露してもよい。潅流は、細胞集団の中または上での溶液の連続的な流れを指す。これは、回収された培地によって細胞を洗浄する連続流培養(例えば、ケモスタット)に対して、培養単位内で細胞の保持を意味する。潅流は、培養環境(pH、pO2、栄養レベル、酸素アンタゴニストレベル等)のよりよい制御を可能にして、細胞接着に関して細胞内での表面積の利用を有意に増加させる手段である。
潅流技術は、細胞に絶えず、血液、リンパ、または他の体液が供給されているインビボでの細胞環境を模倣するように開発された。生理的栄養溶液の潅流がなければ、培養細胞は、栄養と枯渇との交互プロセスを経て、このように、その増殖および代謝能の完全な発現が制限される。本発明の状況において、潅流システムはまた、スタシスを誘導するために酸素アンタゴニストによって細胞を潅流するために用いてもよい。
当業者は潅流システムを周知しており、市販の多くの潅流システムが存在する。これらの任意の潅流系を本発明において用いてもよい。潅流システムの一例は、不織布の床マトリクスを用いる潅流重点床リアクター(CelliGen(商標)、New Brunswick Scientific, Edison, NJ;Wangら、1992;Wangら、1993;Wangら、1994)である。簡単に説明すると、このリアクターは、接着依存的および非接着依存的細胞の双方を培養するための改善されたリアクターを含む。リアクターは、内部再循環を提供するための手段と共に充填床として設計される。好ましくは、繊維マトリクス担体をリアクター容器内のバスケットに入れる。バスケットの上部および下部には穴があり、これによって培地はバスケットの中を流れることができる。特別に設計されたインペラーは、栄養の均一な供給および老廃物の除去を確保するために、繊維マトリクスを詰めた空間の中への培地の再循環を提供する。これは同時に、総細胞塊の無視できる量が培地に浮遊されることを確保する。バスケットと再循環とを組み合わせることによって、繊維マトリクスの中を通った酸素化培地の気泡を含まない流れが提供される。繊維マトリクスは、直径10μm〜100 μmの「孔」を有する不織布であり、個々の細胞の容積の1〜20倍に対応する孔容積を有する高い内部容積を提供する。
潅流された重点床リアクターはいくつかの長所を提供する。繊維マトリクス担体によって、細胞は、攪拌および泡立ちによる機械的ストレスから保護される。バスケット内の自由な培地の流れは、酸素、pH、および栄養の最適に調節されたレベルを細胞に提供する。産物を培養物から絶えず採取することができ、回収された産物は細胞を含まず、その後の精製段階を容易にする低タンパク質培地において産生することができる。この技術は、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる、国際公開公報第94/17178号(1994年8月4日、Freedmanら)において詳細に説明される。
Cellcube(商標)(Corning-Costar)モジュールは、基質接着細胞の固定および増殖のための大きいスチレン性の表面積を提供する。これは、隣接するプレート間で薄い密封された層流を作製するように連結される一連の平行な培養プレートを有する完全に封入された滅菌使い捨て装置である。
Cellcube(商標)モジュールは、互いに対角線上で反対に存在し、培地の流れを調節するために役立つ入口と出口とを有する。増殖の最初の数日のあいだ、培養物は一般的に最初の播種後にシステムに含まれる培地によって満たされている。最初の播種から培地潅流開始までの期間は、接種時の細胞密度および細胞増殖速度に依存する。循環中の培地における栄養濃度の測定は、培養状態の良好な指標である。技法を確立した後、最も経済的および生産的操作パラメータを決定するために多様な異なる潅流速度で栄養組成物をモニタリングする必要があるかも知れない。
他の市販の潅流システムには、例えば、CellPerf(登録商標)(Laboratories MABIO International, Tourcoing, France)およびStovall Flow Cell(Stovall Life Science, Inc., Greensboro, NC)が含まれる。
培養の産生相の時期およびパラメータは、特定の細胞株のタイプおよび用途に依存する。多くの培養は、培養の増殖相にとって必要な培地とは異なる培地を産生のために必要とする。一つの相から他の相への転移は、従来の培養における多数の洗浄段階を必要とする可能性がある。しかし、潅流システムの一つの利益は、様々な操作相間で緩やかな移行を提供できることである。潅流システムはまた、酸素アンタゴニストによって誘導された増殖相から静止相への移行を促進しうる。同様に、潅流システムは、酸素アンタゴニストを含む溶液を、例えば生理的栄養培地に置換することによって、静止相から増殖相への移行を促進することができる。
D.ガスの送達
1.呼吸系
本発明のもう一つの態様において、ガスは細胞、組織、臓器、臓器系、または生物に輸送される。ガスを提供するシステムの一般的な特徴には、適当な主題物質の封入を可能にするために十分な大きさ/形状のチャンバーに機能的に接続されたガス源のリザーバーが含まれる。システムはまた、ガスの導入および任意でチャンバーからのその排気を制御するための手段を含むであろう。そのような手段は、一つまたはそれ以上の弁、ポンプ、ファン、もしくは換気、またはその組み合わせを含んでもよい。さらに、そのような特徴は、自動化してもよく、コンピューターおよびコンピュータープログラムによって制御してもよい。
例としてのガス送達システム100を図9に示す。送達システム100は、活性物質を含む呼吸可能なガスを被験者の呼吸器系に送達するために適している。これは、生物ではなくて組織に関して用いるように改変することができる。ガス送達システム100には、一つまたはそれ以上のガス源102が含まれる。ガス源102のそれぞれは、調節器104および流量計106に接続される。ガス送達システム100にはまた、活性物質源107、任意の気化器108、出口制御器110、排煙装置112、および警告/モニタリングシステム114が含まれる。
送達システム100には、麻酔送達装置において一般的に用いられる特定の要素が含まれてもよい。例えば、麻酔送達装置には一般的に、高圧回路、低圧回路、呼吸回路、および排煙回路が含まれる。図10〜11に記述するように、一つまたはそれ以上のガス源102、気化器108、出口制御器110、排煙装置112および/または警告/モニタリングシステム114は、高圧、低圧、呼吸、および/または排煙経路を有する装置の一部として抵抗されてもよく、これらの要素は、麻酔送達装置において一般的に用いられる要素と類似であってもよい。麻酔送達送達は、例えば、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第4,034,753号;第4,266,573号;第4,442,856号;および第5,568,910号に記述される。
ガス源102は、圧縮ガスのタンクによって提供されてもよい;しかし、ガス源102は、ガスまたはガスに変換される液体起源のいずれかとなりうると理解すべきである。例えば、気化器108は、液体ガス源を気化するために用いることができる。調節装置104には、ガス源102のそれぞれの圧力を減少させる弁が含まれる。次に、減圧されたガスは、それぞれのガス源102からのガスの流量を測定して制御する流量計106の一つの中を通る。
ガス源102は、活性物質107を送達するために用いられる担体ガスであってもよい。担体ガスは、それに対して活性物質源107から活性物質が送達される被験者に関して所望の環境を提供するように選択してもよい。例えば、活性物質が呼吸可能なガスとして患者に送達される場合、担体ガスには、患者の必要量を満足するために十分な量の酸素、一酸化窒素、または空気が含まれうる。他の不活性または活性ガスも同様に用いてもよい。
いくつかの態様において、ガス源102の一つには、活性物質源107が含まれる。活性物質源107からの活性物質は、気化器108によって気化された液体ガス源であってもよく、または活性物質は、高圧下での圧縮ガスのようなガス様起源であってもよい。活性物質は一つまたはそれ以上のガス源102と混合することができる。出口制御装置110は、被験者に提供されるガス混合物の量を制御する。
排煙装置112は、被験者に提供されるガスを排煙および/または換気する装置または系である。例えば、活性物質源107からの活性物質が患者に対して呼吸可能なガスとして提供される場合、排煙装置112を用いて、吸入剤(活性物質のような)、未使用の酸素、および呼気二酸化炭素の老廃ガスを除去することができる。
警告/モニタリングシステム114には、送達システム100内の一つまたはそれ以上の位置でガス流および/またはガス量をモニタリングするセンサーが含まれる。例えば、酸素の流れまたは量は、起源107からの活性物質が呼吸可能なガスとして患者に提供される場合に、患者にとって十分な酸素が確実に担体ガスに含まれるようにモニタリングしてもよい。警告/モニタリングシステム114にはまた、視覚的ディスプレイ、光、またはアラーム音のような、送達システム100のユーザーに対して聴覚もしくは視覚的アラーム、またはモニタリング情報を提供するように形成されたユーザーインターフェースが含まれる。警告/モニタリングシステム114は、既定の条件が合致した場合にユーザーに通知する、および/またはガスレベルに関する情報を提供するように形成することができる。
図10を参照して、システム100Aには、高圧回路116、低圧回路118、呼吸回路120、および排煙回路122が含まれる。
高圧回路116には、調節弁104b、104aに接続された圧縮ガス源102が含まれる。調節弁104aは、ガス源102のそれぞれから流れるガスの量を制御して、調節弁104bは、例えば周辺空気に対して開口部を提供することによって、ガス圧を増加させるように開口部を有してもよい。
低圧回路118には、流量計106、活性物質源107、および気化器108が含まれる。ガス源102からのガス混合物は、ガス源102からのガスのそれぞれの量を制御する流量計106によって提供される。図10に示すように、活性物質源107は液体である。活性物質源107は気化器108によって気化されて、ガス混合物に加えられる。
呼吸回路120には、出口制御装置110、二つの一方向弁124、126、および吸収装置128が含まれる。排煙回路122には、弁112a、リザーバー112b、および出口112cが含まれる。被験者130は、出口制御装置110からガス混合物を受けて、得られたガスを排煙回路122によって換気する。より詳しく述べると、出口制御装置110は、一方向弁124を通して被験者130に送達されるガス混合物の量を制御する。呼気は一方向弁126の中を通って弁112aおよびリザーバー112bまで流れる。過剰なガスは排煙装置112の出口112cを通って外に出る。ガスの一部は、再循環されて、吸収装置128の中を通って呼吸回路120に流れる。吸収装置128は呼気ガスからの二酸化炭素ガスを減少させるために二酸化炭素吸収装置であってもよい。この形状において、使用済みの酸素および/または活性物質を再循環および再利用してもよい。
一つまたはそれ以上のセンサーSをシステム100Aの様々な位置で加えてもよい。センサーSは、システム100Aにおいてガスを感知および/またはモニタリングする。例えば、ガス源102の一つが酸素である場合、センサーSの一つは、患者が適切な量の酸素を得るように、システム100Aにおいて酸素をモニタリングするように形成および配置された酸素であってもよい。センサーSは、警告/モニタリングシステム114と接続している(図9を参照されたい)。望ましくない、または危険なガスレベルがシステム100に存在する場合、警告/モニタリングシステム114は、被験者130に与えられる酸素レベルの増加、または送達システム100Aと被験者130の接続切断のような、適当な措置がとられるようにシステム100Aのユーザーに警告を発してもよい。
図11を参照して、活性物質源107が二つの調節弁104b、104aに接続されるシステム100Bを示す。活性物質源107が液体ガス源である場合、液体ガス源を気化するために任意で気化器108が提供される。活性物質源107がガス様(例えば、高圧ガス)である場合、気化器108は省略してもよい。活性物質源107からの活性物質を、低圧回路118において他のガス源102と流量計106によって制御される量で混合する。低圧回路118には、呼吸回路120に流れる際のガス混合物の任意の溢流を含むガスリザーバー109が含まれる。活性物質源107および/または任意のガス源102を、気化器を有する液体ガス源として提供してもよいと理解すべきである。図11に示すシステム100Bの要素は、図10に関して先に記述した内容と本質的に同じであり、これ以上説明しない。
システム100、100A、100Bを用いて行ってもよい本発明の態様に従う方法を図12に記述する。一つまたはそれ以上の呼吸可能なガス源の混合物が提供される(ブロック202)。呼吸可能なガス源を、図9〜11に関して記述したようにガス源102から得てもよい。図9〜11における活性物質源107に関して示すように、規定量の活性物質をガス混合物(ブロック204)に加える。ガス混合物を被験者120(ブロック306)に投与する。呼気ガスを、例えば排煙装置112によって、換気および/またはリサイクルする(ブロック208)。図12の方法は、図9〜11のシステム100、100A、100Bに関して記述しているが、図12における段階を行うために、任意の適した系または装置を用いてもよいと理解すべきである。
2.減圧送達システム
ガス送達システム300の態様を図13に関して説明する。ガス送達システム300は、被験者302の上に配置される。ガス送達システム300は、ガス混合物を被験者302の組織、例えば創傷組織に送達するために特に適している。
システム300には、被験者302の処置領域を覆うスクリーン306を有する減圧室304が含まれる。減圧室304をポンプの出口310aによって真空ポンプ310に接続する。減圧室304には、入口308aおよび出口308bが含まれ、これらを次に活性物質源307に接続する。制御装置320は活性物質源307および真空ポンプ310に接続される。減圧室および真空ポンプシステムは、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第5,645,081号および第5,636,643号において考察される。
減圧室304は、減圧または陰圧によって領域の処置を行うために、液体が漏れないまたはガスが漏れない封入を提供するために、被験者302の領域および活性物質源307を封入するように形成される。圧力室304は、柔軟な接着性の液体非透過性のポリマーシートのようなカバー(示していない)と共に被験者302に固定してもよい。カバーは、処置される領域の末梢周辺の皮膚を覆うように、および一般的にガスが漏れないまたは液体が漏れない密封を提供するように、および圧力室304をその位置で維持するように機能する接着性の裏剤を有しうる。
スクリーン306は、被験者302の処置領域の上に配置される。例えば、被験者302の処置領域に創傷が含まれる場合、スクリーン306はその過増殖を防止するために創傷の上に配置することができる。スクリーン306の大きさおよび形状は、個々の処置領域に適合するように調節することができ、多様な多孔性材料から形成してもよい。材料は、活性物質源307からのガスのような酸素以外のガスが処置領域に達することができるように十分に多孔性でなければならない。例えば、スクリーン306は、処置領域におよび/または処置領域からガスを流すために十分に多孔性であるポリウレタンフォームのような連続気泡発泡体ポリマーの形状となりうる。厚さおよび堅さが異なるフォームを用いてもよいが、患者が処置のあいだ器具に横たわらなければならない場合に患者の快適さのためにスポンジ様材料を用いることが望ましいかも知れない。フォームはまた、ガス流を増強するため、およびシステム300の重量を減少させるために穴を開けてもよい。スクリーン306は、処置領域において適合するように適当な形状および大きさに切断して、またはスクリーン306は、周辺の皮膚に重なり合うように十分に大きくてもよい。
真空ポンプ310は、減圧室304内での吸引源を提供する。活性物質源307は、減圧室304に活性物質の量を提供する。制御装置320は、真空ポンプ310によって減圧室304に適用された真空の量、および活性物質源307によって減圧室304に適用された活性物質の量を制御する。
制御装置320は、実質的に一定に、周期的に、または様々な変動またはパターンもしくはパターンの組み合わせを用いて、真空および/または活性物質を適用することができると理解すべきである。いくつかの態様において、活性物質は、真空ポンプ310の真空ポンプ作用と交互に活性物質源307によって供給される。すなわち、制御装置320は、活性物質源307を不活化しながら真空ポンプ310を交互に活性化して、その後真空ポンプ310を不活化しながら活性物質源307を活性化する。減圧室304における圧力は変動させる。他の態様において、真空ポンプ310によって実質的に一定の圧力が維持され、活性物質源307は減圧環境において減圧室304に活性物質の実質的に一定量を提供する。いくつかの態様において、真空ポンプ310によって実質的に一定の圧力が維持され、活性物質の量は周期的に変動する。他の態様において、減圧室304における圧力を真空ポンプ310によって変動させ、活性物質源307によって提供される活性物質の量も同様に変動する。真空ポンプ310および減圧室304において得られた圧または活性物質源307によって供給された活性物質の量の変動は、周期的であってもよく、または周期的でなくてもよい。
システム300を用いて行ってもよい本発明の態様に従う方法を、図14に示す。減圧室304は、被験者302の処置領域の上に配置される(ブロック402)。圧は真空ポンプ310によって減圧室304において減少する(ブロック404)。活性物質源307からの活性物質の既定量をチャンバーに適用する(ブロック406)。図6の方法は図5のシステム300に関して記述しているが、段階14における段階を行うために、任意の適したシステムまたは装置を用いてもよいと理解すべきである。例えば、出口308bを省略してもよく、活性物質を1つの入口308aによってチャンバー304に供給してもよい。他のガスも同様に、活性物質源307に関して説明した場合のように、例えば単一の入口または入口と出口とを用いて、および入口308aおよび出口308bを用いて、チャンバー304に加えてもよい。いくつかの態様において、例えば米国特許第5,636,643号に記述されるように、処置領域からの滲出物を回収するために、真空ポンプ310を、ポンプ310とチャンバー304とのあいだのさらなる回収容器に接続する。
図13に記載した陰圧ガス送達システム300は、治療のために様々な領域を処置するため、特に創傷を処置するために有用である。システム300によって処置してもよい創傷には、感染した開口損傷、褥瘡性潰瘍、裂傷、中間層熱傷、および皮弁または移植片が結合している様々な病変が含まれる。創傷の処置は、これまでに示し、記述したように、処置部位にガス送達システムを固定すること、減圧室304内の実質的に連続的または周期的に減少した圧力を維持すること、および創傷が所望の改善条件に達するまで実質的に連続的または周期的に減圧室304に活性物質を供給することによって、行うことができる。改善された状態の選択された状態には、皮弁または移植片の結合にとって十分な肉芽組織の形成、創傷における微生物感染症の減少、熱傷浸透の停止もしくは逆転、創傷の閉鎖、下に存在する創傷組織と皮弁もしくは移植片との統合、完全な創傷治癒、または創傷もしくは創傷複合体の所定のタイプにとって適当な他の改善または治癒段階が含まれてもよい。ガス送達システムは、処置のあいだ、特に創傷の上または中にスクリーンを組み入れるガス送達システムを用いる場合には、48時間間隔のように、周期的に変更してもよい。方法は、0.01〜0.99気圧の範囲で陰圧または減圧を用いて行ってもよく、または0.5〜0.8気圧の範囲の陰圧もしくは減圧を用いて行ってもよい。創傷に関して方法を用いる期間は、少なくとも12時間であるが、例えば1日もしくはそれ以上の日数延長することができる。それを超えて方法を用いてももはや有益でないという上限はない;方法は創傷が実際に閉じる時間まで閉鎖速度を増加することができる。大気圧より約2〜7 in.Hg下と同等の減圧を用いることによって、様々なタイプの創傷に関して満足の行く処置が得られる可能性がある。
上記のように、簡潔または周期的にガス送達システムに減圧を供給することは、活性物質の存在下で創傷を処置するために有用となる可能性がある。ガス送達システムに対する減圧の間欠的または周期的供給は、真空系の手動または自動制御によって得られる可能性がある。そのような間欠的減圧処置におけるサイクル比、「オン」時間対「オフ」時間の比は、通常、1:10もの低さ、または10:1もの高さであってもよい。典型的な比は約1:1であり、これは通常、減圧供給および非供給の交互5分間隔で行われる。
適した真空システムには、少なくとも0.1ポンド、または3ポンドまでの吸引、または14ポンドまでの吸引を提供することができる任意の吸引ポンプが含まれる。ポンプは、必要な吸引を提供することができる医学目的にとって適した任意の通常の吸引ポンプとなりうる。ポンプと減圧器具とを相互接続するチューブの寸法は、ポンプが操作にとって必要な吸引レベルを提供する能力によって制御される。直径1/4インチのチューブが適している可能性がある。
本発明の態様にはまた、創傷における細菌密度を減少させるために十分な選択された期間および選択された程度、創傷および活性物質に対して陰圧を適用する段階が含まれる、損傷組織を処置する方法が含まれる。開口創傷は、ほとんど常に有害な細菌に汚染されている。一般的に、細菌密度105個/g組織は、感染していると見なされる。一般的に、この感染レベルでは、移植された組織は創傷に接着しないであろうと認められる。これらの細菌は、創傷が閉鎖する前に、宿主の天然の免疫応答、または何らかの外的方法のいずれかによって、殺されなければならない。陰圧および活性物質を創傷に適用すると、創傷の細菌密度が減少する可能性がある。この作用は、細菌と陰圧環境との不適合性による、または血液はそれと共に細菌を破壊する細胞および酵素を運ぶことから、活性物質に対する曝露と併用した創傷領域に対する血流の増加によると考えられている。本発明の態様に従う方法は、創傷における細菌密度を少なくとも半分減少させることができる。いくつかの態様において、これは細菌密度を少なくとも1,000倍、または少なくとも1,000,000倍減少させるために用いることができる。
本発明の態様にはまた、既定の減圧によっておよび全層性熱傷の形成を阻害するために十分な期間、領域の上の熱傷に陰圧および活性物質を適用する段階が含まれる。死んだ組織の表面層およびその下のスタシス域を有する中間層熱傷はしばしば、全ての表皮構造が破壊される全層性熱傷へと24〜48時間以内に変化することから十分に感染している。陰圧および活性物質の量を創傷に適用すると、基礎となる上皮構造の破壊を引き起こすほど感染症が重症となることを防止する可能性がある。圧適用の程度、パターン、および期間は、個々の創傷において変化しうる。
本発明の態様にはまた、最初に生きている組織を創傷に結合させて創傷組織複合体を形成する段階、複合体に対する上皮および皮下組織の遊走を促進するために十分な、選択された大きさの陰圧または減圧および活性物質の量を領域の上の創傷-組織複合体に適用する段階を含む、生きている組織の創傷に対する結合を増強する方法が含まれ、陰圧および活性物質の曝露は、創傷の閉鎖を促進するために十分な選択された期間維持される。創傷に対する生きている組織の結合は、多くの形を取りうる共通の技法である。例えば、一つの一般的な技法は、「皮弁」を用いることであり、この技術は創傷に隣接する領域からの皮膚組織を三面で離断するが、第四面は結合したままにして、創傷の上に移動させる。もう一つのしばしば用いられる技術は、皮膚がもう一つの皮膚表面から完全に離断されて、創傷に移植される開放皮膚移植片である。陰圧および活性物質を創傷-移植片複合体に適用すると、創傷における細菌密度が減少し、創傷に対する血流が改善し、それによって移植された組織の結合が改善する。
VIII.併用治療
本発明の化合物および方法は、多数の治療応用、特に臓器移植片または皮膚移植片の状況において用いてもよい。酸素アンタゴニストのような本発明の組成物による治療の有効性を増加するために、基礎となる疾患および病態の治療において有効である他の物質とこれらの組成物とを併用する、または移植体の受容を促進する(二次治療)ことが望ましい可能性がある。例えば、免疫抑制剤を、臓器または組織の移植と共に用いてもよい。
様々な組み合わせを用いてもよい;例えば、H2Sのような酸素アンタゴニストは「A」であり、二次治療は「B」である:
Figure 2007509163
本発明の酸素アンタゴニストの生体物質への投与は、もしあれば酸素アンタゴニスト治療の毒性を考慮に入れて、特定の二次治療の投与のための一般的プロトコールに従うであろう。治療サイクルは必要に応じて繰り返されるであろうと期待される。同様に、外科的介入と共に様々な標準的な治療を記述の治療と併用して適用してもよいと企図される。
IX.実施例
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を証明するために含まれる。以下の実施例に開示される技術は、本発明者らによって本発明の実践において十分に機能すると発見された技術を表し、このように、その実践のために好ましい様式を構成すると見なされうることは当業者によって認識されなければならない。しかし、当業者は、本開示に照らして、開示の特定の態様に多くの変更を行うことができる、それでもなお同様または類似の結果が得られ、それらも本発明の趣旨および範囲に含まれることを認識すべきである。
実施例1:一酸化炭素における線虫の保存
大気は酸素210,000 ppmを含む。低レベルの酸素に対する曝露、または低酸素状態によって、細胞の損傷が起こり、ヒトでは死亡する。線虫であるC.エレガンス(C. elegans)では、100 ppm〜1000 ppmの酸素濃度も同様に致死的である。一定範囲の酸素分圧に対する線虫の反応を批判的に調べることによって、10 ppm未満および5000 ppmを超える酸素濃度は致死的ではないことが判明した。窒素によって平衡にした酸素10 ppmでは、線虫は可逆性の仮死状態に入り、光学顕微鏡下で観察可能な全ての局面の生気は消失する(Padillaら、2002)。酸素濃度5000 ppm(窒素によって平衡)およびそれ以上では、線虫はその生命サイクルを通常に進行させる。線虫を低酸素障害から保護する薬物を探索するために、一酸化炭素を調べた。
特異的大気条件を得るために、以下の装置を用いた:気密性のシールを作製するために、筒の大きい開口部を注文製の機械処理したスチールとゴム製のフィッティングによって密封したルアーロックのようなロッキング装置を有する先端を有するガラスシリンジ筒を、それぞれがルアーロックフィッティングのようなロッキング装置に固定された入口と出口とを有する環境チャンバーの入口に、ロッキング装置によって固定した。定義されたガスを湿潤させて、2回蒸留水を満たしたガス洗浄瓶(500 ml Kimex)によって圧縮タンク(Byrne Specialty Gas, Seattle, WA)からのガスを最初に通気させることによって環境チャンバーに提供した。ガス洗浄瓶をガス流量計の後の環境チャンバーに接続した。ガス流量計を用いて、24時間のインキュベーションを通して環境チャンバーの中に調節された70 cc/分の流れを提供した。
誘導された可逆的なスタシスがC.エレガンス線虫において得られうるか否かを調べるために、C.エレガンス2細胞胚、L3幼虫、または成体線虫を採取して有効100%CO環境、100%N2環境、一酸化炭素によって平衡にした500 ppm酸素を含む環境、または窒素によって平衡にした100、500、もしくは1000 ppm酸素を含む環境のいずれかに室温で曝露した。線虫は、微分干渉位相差顕微鏡(ノマルスキーオプティクスとしても知られる)を用いて可視化した。像を採取してNIH画像およびAbobe Photoshop 5.5を用いて分析した。胚は長さが約50 μmである。
これらの実験の結果は、100%一酸化炭素が致死的ではなく、可逆的な仮死状態を誘導することを示した。線虫は、窒素によって平衡にした500 ppm酸素を生存することができなかったが、一酸化炭素によって平衡にした500 ppm酸素によって処置した線虫は、仮死状態に入り、生存した。下記を参照されたい。
実施例2:一酸化炭素におけるヒト皮膚の保存
一酸化炭素は、酸素を組織に分配する主な分子であるヘモグロビンとの結合に関して酸素と強く競合することから、ヒトに対して極めて毒性である。ヘモグロビンを有しない線虫が一酸化炭素に抵抗性であって、この薬物によって低酸素障害に対する保護さえ得られるという事実により、組織移植または血液を含まない手術分野のような、血液が存在しない状況においてヒト組織における低酸素障害に対して、一酸化炭素が保護するであろうという可能性が示唆された。この仮説を調べるためにヒト皮膚を用いた。
ヒト包皮3例をこの目的のために得た。包皮組織を、インスリン、EGF(0.1 ng/ml)、ヒドロコルチゾン(0.5 mg/ml)、およびウシ下垂体抽出物(約50 μg/mlタンパク質)を含むケラチノサイト増殖培地(KGM)において保存した。包皮をPBSによってすすぎ、過剰量の脂肪組織を除去した。各包皮試料を2個の等しい小片に分けた。各小片を、24 mg/mlディスパーゼII(Bacillus Polymyxa EC 3.4.24.4:Roche Diagnostics Corp., Indianapolis, IN)を含むPBS溶液を含む異なる容器に入れた。一つの容器(ディスパーゼIIを有するPBSにおいて包皮小片を含む)を、換気フードの中で湿潤チャンバーにおいて維持した。他の容器(ディスパーゼIIを有するPBSにおいて包皮の残り半分を含む)を同じ換気フードにおいて、湿潤100%COを潅流した環境チャンバーに入れた。双方の試料を、室温で24時間維持した。既定の大気条件を確立するために用いた方法は、実施例1において用いた方法と同一であった。
酸素正常状態または100%COに24時間曝露後、ケラチノサイトをBoyceら(1983;1985;そのそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み入れられる)によって記述された方法に従って包皮から分離した。簡単に説明すると、それぞれの包皮試料からの表皮を、PBSを含む新鮮な培養皿に採取した。表皮を細切して、ホモジナイズしてから、0.05%トリプシン、1 mM EDTA 3mlと共に室温で5分間インキュベートして、上皮から基底細胞を分離した。インキュベーション後、400 μg/mlダイズトリプシン阻害剤6 ml、1 mg/ml BSAを加えて試料を900 rpmで遠心分離した。各試料からの上清を捨てて、試料の沈降物をKGM 10 mlに浮遊させた。各試料を、そのそれぞれがKGM 5 mlおよびHEPES(N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N'-2-エタンスルホン酸)pH 7.3 100 μlを含む10 cmプレート2枚に分けた、プレートを95%大気、5%二酸化炭素によって潅流した37℃インキュベーターにおいて5日間インキュベートした。
細胞を倒立位相差顕微鏡を用いて肉眼的に検分した。酸素正常状態に曝露したケラチノサイト集団は三つ全てがほとんどまたは全く増殖を示さなかった。100%COを曝露したケラチノサイト集団は三つ全てが有意な増殖を示した。コロニー形成によって判断した生存ケラチノサイト数を、包皮3例中2例に関して定量した。図1を参照されたい。
(表1)コロニー形成の定量
Figure 2007509163
実施例3:実施例1に関連したより多くの情報
以下の実施例は、実施例1に開示した情報と重なり合い、これを拡大する情報を含む。
A.材料および方法
環境チャンバーおよび装置
W. Van Voorhies(Van Voorhiesら、2000)によって設計された注文製の大気チャンバーを用いて酸素枯渇実験を行った。チャンバーは、確実に完全な密封が得られるように、viton-O-環2個を裏打ちした注文製のスチールストッパーを備えた30 mlガラスシリンジ(Fisher #14-825-10B)である。ストッパーはその中に穴をあけてあり、圧縮ガスを運ぶホースを結合することができるように外表面上でスチール製のルアーロックを有する。既定のガス混合物を、圧縮タンクから、流速をモニタリングするために最初に回転計(Aalborg、フローチューブチャンバー032-41ST)または質量流量制御装置(Sierra Instruments #810)の中を最初に通過させて、その後ガスを水和するために水250 mlを含む500 mlガス洗浄瓶(Fisher #K28220-5001)の中に通過させることによって、一定の圧力および流速でチャンバーに送達する。1/4" ODのナイロン(Cole-Parmer #P06489-06)またはFEP(Cole-Parmer #A-06450-05)チューブを用いてチューブと調節装置、およびチューブと回転計との接続を真鍮製のJohn-Guest型フィッティング(Byrne Gas)によって作製した。他の接続は全て微量流クイックコネクトフィッティング(Cole-Parmer #A-06363-57、#A-06363-52)または標準的なルアーフィッティング(Cole-Parmer #A-06359-37、#A-06359-17)のいずれかによって行った。
低酸素状態における線虫の生存率
Bristol株N2は、集団が枯渇しないように注意しながら20℃で連続的に維持した。対数期の成体C.エレガンスを、ガラスプレートにおいて、100 μg/mlアンピシリン、15μg/mlテトラサイクリンおよび200μg/mlストレプトマイシンを含む滅菌水滴に加えた。成体をカミソリの刃で切り刻み、マウスピペットを用いて2 細胞胚を採取した。2 細胞胚30〜60個を、1%アガロースのM9溶液3 mlを含む小さいガラス容器(大気チャンバーに適合するように作製、Avalon Glass Works, Seattle, WA)に移した。容器を湿潤チャンバーに2時間入れて、胚を生育させ、その後環境チャンバーに入れた。環境チャンバーを、純粋なN2(グレード4.5)、100 ppm O2/N2、500 ppm O2/N2、1000 ppm O2/N2、または5000 ppm O2/N2のいずれかによって70 cc/分で24時間室温で絶えず還流した。曝露後、胚を含むアガロース塊を容器から切り出して、大腸菌(OP50)を播種した中等度の大きさのNGMプレートに胚が面するように加えた。曝露24時間後に孵化に関して胚を採点し、孵化したL1をNGMプレートの表面に移して成体まで生育させた。説明することができない動物は、全体から除去した。ガスは全て、Byrne Gas(Seattle, WA)によって供給された。純粋なN2は、不純物10 ppm未満を含むことが保証され、O2/N2混合物は全て酸素含有量が±2%であることが認定された(例えば、100 ppm O2/N2は、98 ppm O2〜102 ppm O2を含むと認定された)。百万分率からkPaへの変換は、1気圧で1百万分率=101 kPaに基づいた。
一酸化炭素に基づく大気における線虫の生存率
胚30〜60個を、先に記述したように連続的に維持したBristol N2およびhif-2(ia04)株から採取した。環境チャンバーを、純粋なCO(グレードCP)または500 ppm O2/COによって70 cc/分で24時間、室温で連続的に潅流した。2500 ppm O2/COまたは2500 ppm O2/N2を得るために、流量を正確にモニタリングするために二つの質量流量制御装置(Sierra Instruments 810)を用いて、5000 ppm O2/N2を純粋なCOまたは純粋なN2のいずれかと共に1:1で混合した。それぞれのガスを3方向弁に50 cc/分で送達して、得られた混合物をガス洗浄瓶の中に通し、24時間の曝露によって環境チャンバーに通過させた。ガスは全てByrne Gas(Seattle, WA)によって供給された。500 ppm O2/CO混合物は、酸素含有量が±2%であることが認定され、タンクの使用を通して一貫したO2/CO比を確保するために7000 ppm N2を含んだ。
細胞生物学分析
窒素に基づく大気における生育の進行の程度を決定するために(表2)、2細胞胚に、上記のように様々な程度の低酸素を曝露して、直ちに写真を撮影するか、湿潤チャンバーにおいて12時間の回復期間の後に写真を撮影した。胚が一酸化炭素に基づく大気において停止したか否かを決定するために、2細胞胚を室内の空気で2時間生育させて、直ちに写真を撮影するか、または100%一酸化炭素もしくは0.05 kPa O2/COに24時間入れて、曝露直後に写真を撮影した。全ての場合において、DIC顕微鏡は、胚を薄い1%アガロースパッド上のカバーガラスの下に載せて、Zeissアキシオスコープにおいて観察することによって行った。RS ImageおよびAdobe Photoshopソフトウェアを用いて写真を撮影した。
B.結果
HIF-1は、軽度の低酸素状態(0.5 kPa O2(Padillaら、2002)および1 kPa O2(Jiangら、2001))においてC.エレガンスにおいて必要であることが既に報告されており、無酸素状態(>0.001 kPa O2)では仮死状態が起こりうることが公知である(Padillaら、2002)。これらの反応のそれぞれが活性である範囲を正確に決定するために、軽度の低酸素状態と無酸素状態のあいだの様々な酸素分圧に対する24時間の曝露後の、野生型C.エレガンス胚の生存率を決定した。無酸素状態に曝露した胚は、既に報告されたように仮死状態に入り、このように高い生存率で曝露に対して生存した。0.5 kPa O2での胚は、曝露のあいだ活力を維持し、同様に高い生存率で生存した。しかし、中等度の低酸素状態と無酸素状態の中間の酸素分圧(0.1 kPa O2〜0.01 kPa O2)に曝露した胚は、意外にも生存しなかった(図2)。
胚は、この中間範囲の低酸素状態に対する曝露のあいだ孵化せず、このことはそれらがHIF-1媒介反応を首尾よく実行しなかったことを示している。それらが仮死状態であるように見えるか否かを決定するために、この中間範囲の胚が曝露の際に胚形成を停止するか否かを調べた。致死酸素分圧での胚は胚形成を停止しなかったが、酸素量の増加は、胚における発達の進行の程度の増加に関連した(表2)。再酸素化を行うと、これらの胚の大部分が孵化することができず、孵化した胚の多くは異常なL1として停止した。これらのデータは、酸素レベルが持続的な活力を促進するほど十分に高くない場合、または仮死状態を誘導できるほど十分に低くない場合に、中間範囲の低酸素状態は、独自のストレスであることを示している。
これらの知見に基づいて、酸素結合の競合的阻害剤である一酸化炭素が、低レベルの酸素の存在下で仮死状態を誘導できれば、この致死範囲の低酸素状態に対する保護を提供するであろうという仮説を立てた。この可能性を調べるために、様々な濃度の一酸化炭素におけるC.エレガンス胚の生存率を最初に決定した。高レベルの一酸化炭素がいくつかの系において有しうる毒性作用にもかかわらず、C.エレガンス胚は広範囲の一酸化炭素分圧に対して顕著に抵抗性であることが判明した。実際に、C.エレガンス胚は、101 kPa CO(100%CO)に対する連続的な24時間の曝露に対して高い生存率で耐えることができる(81.5%が成体まで生存、図3)。特に、101 kPa COでは、胚は、曝露の際に胚形成に進行せず、それらが仮死状態に入ったことを示している。一酸化炭素が致死的酸素分圧の存在下で胚を保護できるか否か調べるために、一酸化炭素によって平衡にした0.05 kPa O2に曝露した胚の生存率を決定した。N2によって平衡にした0.05 kPa O2に曝露した胚(そのほとんどが生存しない)とは対照的に、これらの胚は96.2%の生存率で成体まで回復した(図3)。その上、101 kPa COによって処置した胚と同様に、一酸化炭素によって平衡にした0.05 kPa O2の胚は胚形成を停止し、このことはそれらが仮死状態に入ったことを示している。したがって、一酸化炭素は仮死状態を誘導することによって、致死的な酸素分圧の存在下で低酸素障害から保護できる。
過剰な一酸化炭素によって保護されうる酸素分圧の範囲をさらに調べるために、HIF-1機能を欠損する胚(hif-1(ia04)株)を用いて、低酸素障害に対する保護が軽度の低酸素状態においても可能であるか否かに取り組んだ。窒素によって平衡にした0.1 kPa O2〜1 kPa O2までの様々な酸素分圧を調べた後、HIF-1の最大必要量は窒素によって平衡にした0.25 kPa O2であった。この大気において、野生型胚は、通常に発達が進行して高い生存率を示すが、hif-1(ia04)胚は、胚形成を終えることができず、100%致死を示す(表3)。したがって、一酸化炭素が0.25 kPa O2においてhif-1(ia04)胚を保護できるか否かを調べた。一酸化炭素によって平衡にした0.25 kPa O2において、野生型およびhif-1(ia04)胚はいずれも、仮死状態に入り、高い生存率(成体までそれぞれ、78.7%および84.0%生存)で曝露から生き残った(表3)。このように、一酸化炭素による仮死状態の誘導は0.25 kPa O2もの高い酸素分圧で可能であり、一酸化炭素はHIF-1機能の非存在下においても軽度の低酸素状態から保護できる。
(表2)低酸素症における発達の進行の定量
Figure 2007509163
野生型二細胞胚を様々な程度の低酸素状態に24時間入れて、それらが胚形成を進行した程度に関して採点した。増加量の酸素を含む大気に曝露すると、胚形成の進行の増加が得られた。胚形成の所定の20〜40分の範囲内で停止した胚の百分率を決定した。データは独立した3回の実験の結果である。
(表3)一酸化炭素は軽度の低酸素状態に対してhif-1胚を保護する
Figure 2007509163
成体に対する生存率を、野生型およびhif-1(ia04)胚において、0.25 kPa O2/N2または0.25 kPa O2/COの24時間曝露後にアッセイした。データポイントは全て、少なくとも3回の独立した実験の結果であり、説明できない虫は全体から除外した。
低温状態に反応した線虫の生存率
線虫の生存率はまた、温度感受性であり、低温(4℃;図15)に24時間曝露後では集団の100%が死亡した。しかし、温度低下前1時間、無酸素条件(<10 ppm酸素)に平衡にすることによって線虫をスタシスに誘導すると、実質的な割合の線虫が4℃に対する24時間の曝露後生存した(図15)。この実験において、線虫は低温期間のあいだ、およびそれらが室温に回復した後1時間スタシスに維持された。無酸素状態(純粋なN2)、増殖条件、および生存率測定を下記に示す。
実施例4:マウスにおける中心体温および呼吸の低下
A.材料および方法
遠隔操作装置の埋め込み
雌性C57BL/6Jマウス(Jackson Laboratories - Bar Harbor, Maine)に、製造元によって提供された標準的なプロトコールに従って、遠隔操作装置(PDT-4000 HR E-Mitter - MiniMitter Inc. - Bend. OR)を埋め込んだ。マウスを数週間回復させて、体温および心拍シグナルを安定化させた。中心体温、心拍数、およびマウスの運動を遠隔操作装置によって絶えずモニタリングして、VitalViewソフトウェア(MiniMitterによって提供)を用いて記録した。室温はHOBO(Onset Computer Corp. - Pocasset, MA)を用いてモニタリングして、データをBoxCarソフトウェア(Onset Computer Corp.によって提供)を用いて分析した。
調節された大気に対するマウスの曝露
各マウスを1 L/分の(a)最終濃度80 ppm H2Sおよび17%O2が得られるように、室内の空気と混合して窒素によって平衡にした500 ppm H2S(Byrne Specialty Gas - Seattle, Washington)を含む大気(Aalborg - Orangeburg, New Yorkからの3チャンネルガス分配器を用いて)、または(b)最終濃度17%O2を生じるように、室内の空気と混合した窒素大気。Innova GasTech GTシリーズ携帯型ガスモニターを用いて、H2SおよびO2測定を行った(Thermo Gas Tech - Newark, California)。
調節および非調節大気での試験に対する曝露の前およびあいだ、マウスを、大気の導入および換気のためにCole-Parmer(Vernon Hills, Illinois)のFEPチューブの入口と出口とを備えたガラスケージを含むガス付加チャンバーに入れた(飲料水を与えるが飼料は与えない)。ケージをDow Corningシリコン真空グリース(Sigma - St. Louis, Missouri)を用いて蓋で密封した。各ケージからのガスを出口チューブを通して換気フードに換気した。システムから確実にガスが漏れないように、GasTech GT携帯型モニターを用いて漏出を検出した。
呼吸測定
いくつかの実験において、酸素の消費は、PA-10a O2アナライザー(Sable Systems)を用いて製造元の説明書に従って測定した。同様に、動物によって産生された一酸化炭素は、LI-7000 CO2/H2Oアナライザー(Li-Cor Company)を用いて製造元の説明書に従ってモニタリングした。これらの機器は、ガスの入口および出口チューブの試料を採取できるように、環境チャンバーと並べて配置した。
室温の調節
マウスをShel Lab低温昼間照明インキュベーター(Sheldon Manufacturing Inc. - Cornelius, Oregon)に入れて、マウスの体温および照明サイクル(午前8時点灯、午後8時消灯)を調節した。マウスを上記のように調節された大気に曝露した。マウスを調節された大気に曝露する場合、インキュベーター内部の温度は所望の温度、例えば10℃〜15℃に低下した。マウスを調節された大気およびより低い温度で6時間維持した。ガス付加チャンバーにおける大気を室内の空気と交換して、マウスを通常の室温(22℃)に戻して、回復させた。
B.結果
基準値データ
致死下用量の硫化水素に対するマウスの反応を決定するために、本発明者らは最初に、室温で固定され、室内の空気によって潅流したインキュベーターに埋め込まれたトランシーバーによってマウス4匹からのデータを1週間記録することによって、中心体温、心拍数、および運動の基準値を確立した。基準値データから、マウスが、光を消灯した直後の夕方、光を点灯する直前の早朝に活性のピークを有する日周リズムを有することが証明された。中心体温は、その活性期間のあいだの37℃の高さからその不活性期間のあいだの33.5℃の低さまで変化した。心拍数はその活動期間の際の750 bpm(拍/分)から不活動期間の250 bpmまで変化した。心拍数は、中心体温に相関する可能性がある(体温が高ければ心拍数が多くなる)。同様に、総身体運動は夕方およびおよび明け方に最高であった。
室温で調節された大気に対するマウスの曝露
マウスを硫化水素に曝露する最初の試験は、インキュベーターにおいて27℃で固定されたガス付加チャンバーにマウスを1時間入れることを含んだ。1時間後、チャンバーを一般的に先に記述したように80 ppmによって潅流して、インキュベーターの温度を実験のあいだ18℃に低下した。心拍数および総身体運動に即時的な変化は検出されなかったが、中心体温の劇的な減少を認めた。実験を90分間行って、そのあいだに中心体温は28.6℃となり、先に記述した基準値試験においてマウス4匹のいずれにおいても記録した最低より5℃低かった。チャンバーを室内の空気で潅流した後の回復の際に、本発明者らは、動物が最初に比較的無動性であったことに気付いた(容易に捕まえることができる);しかし、60分以内に、動物は正常範囲の中心体温および活性に回復した。第二のマウスに同じプロトコールを曝露した;しかし、今回は80 ppmのガス付加を3時間行った。このあいだに、本発明者らは、心拍数が600 bpmから250 bpmまで有意に低下したこと、総身体運動はほとんど活性を示さなかったこと、および中心体温は18.6℃に低下したことに気付いた。
呼吸の変化は中心体温の低下を伴う
マウスを80 ppm H2Sに曝露すると、酸素消費および二酸化炭素産生の測定によって決定した場合、代謝速度も同様に低下する。例えば、中心体温および二酸化炭素産生を同時に測定したマウスは、動物の中心体温の低下に先立って二酸化炭素産生の急激な減少を示した(図4A)。二酸化炭素産生の約3倍減少は、H2Sに対する曝露後約5分で新たな基準値を確立した。
表4は、H2S(80 ppm)の存在下、または非存在下でCO2を除去した(したがって、対照に関して0値)室内の空気に曝露したマウスのO2およびCO2濃度の同時測定を行った実験の結果を示す。測定は、マウスを流速500 cc/分で0.5 Lの密封環境チャンバーに入れて、15分間にわたって行った。酸素の消費はマウスが存在する場合の酸素濃度をマウスが存在しない対照から差し引くことによって得た。同様に、二酸化炭素は、マウスが存在する場合の二酸化炭素濃度をマウスが存在しない対照の濃度から差し引くことによって得る。RQは呼吸指数を表し、産生された二酸化炭素対産生された酸素の比に等しい。この結果は、H2Sの存在下では酸素消費が2〜3倍低下することと共に、二酸化炭素産生が3〜4倍低下することを示す。呼吸指数の変化はH2Sの存在下または非存在下でのマウスによる酸素消費と二酸化炭素の産生の不一致を反映する。
(表4)H2S曝露はマウスにおいて呼吸を阻害する
Figure 2007509163
スタシスの異なるパラメータ(酸素消費の減少、二酸化炭素産生の減少、または運動性の減少)は、多様なアッセイおよび技術によって評価することができる。例えば、おそらくH2Sを投与したマウスにおけるスタシスの誘導を測定する最も容易な方法は、その呼吸の観察である。実際に、これは、酸素消費、二酸化炭素産生、および運動性の減少の指標である三つ全てのパラメータを含む。標準的な条件で室内の空気において正常なマウスは、呼吸約200回/分であろう。H2Sを80 ppmでマウスに投与すると、中心体温は15℃に低下して、呼吸は1〜10回/分のどこかまで少なくとも一次数減少する。実際に、これらの条件で1時間より長い期間、呼吸しなかったマウスが観察され、このことは深いレベルのスタシスが得られうることを示している。このように、これは、細胞呼吸(すなわち、酸素消費と二酸化炭素産生)の少なくとも約1〜20倍減少を表す。
低下した室温での調節された大気に対するマウスの曝露
マウスにおいて硫化水素が活動を低下させる能力の限界を定義し始めるために、本発明者らは、非遠隔測定マウスを用いるいくつかの実験を行い、データを獲得するために遠隔操作を有するマウスの曝露を行った。第一の実験は、マウスをガスに対する曝露前に27℃で1時間ガス付加チャンバーに入れて、室温を低下させたことを除き、上記と同じである材料および方法に本質的に記述されたように、低下した10℃のキャビネット内温度で、非遠隔測定マウスを80 ppmでのH2Sの調節された大気に供することであった。非遠隔測定マウスはこの処置において良好であり、ガス付加チャンバーからの除去後約90分以内に活性を回復した。遠隔操作マウスに、同じ条件を供したが、同様に良好であり、中心体温は約12.5℃低下を示した。本発明者らは、電子機器が15.3℃で作動しなくなることからこの温度を正確に決定することができなかった。したがって、12.5℃までの温度の低下は、作動しなくなる前の低下の勾配、および電子機器が作動しなった後に動物がチャンバーに留まっている時間に基づく推定値である。
機器の限界のために、本発明者らは次に、本質的に上記の通りに、約80 ppm硫化水素を含む調節された大気、または室内の空気を有するガス付加チャンバーにおいて、遠隔操作マウス4匹のそれぞれを6時間調べた。インキュベーターの温度は、実験開始時に一定の15℃まで低下した(調節された大気への曝露、室内の空気に曝露されたマウスに関して0時間)。6時間の終了時、マウスを、先に一般的に記述したように、室内の空気の大気および室温22℃に戻した。マウス4匹全てにおいて中心体温の明確な減少を認め、これは硫化水素80 ppmの使用に依存した(図4B)。体温低下に関連した心拍数および総身体運動の顕著な減少を認めた。マウスを4週間維持したが、動物の行動に見かけ上の変化を認めなかった。
実施例5−放射線損傷の減少に及ぼすマウス試験
A.科学的根拠
放射線損傷モデルの局面は、細胞培養において評価することができ、評価されてきたが、損傷および治癒プロセスに影響を及ぼす試験薬の能力を調べるためには、影響を受ける反応系の全てを含む必要がある。この時点で、それを得る唯一の方法は動物全体である。本発明者らは、最も適当なモデルとしてそのような試験のためにマウスを用いることを提唱する。C57BL/6マウスは、放射線肺損傷に対して非常に感受性があり、この系統において認容される放射線レベルは確立されていること、および本発明者らが最近、H2Sがこのマウス系統の中心体温を低下させることを示したことから、この系統のマウスを試験に選択した。
二つの同一の実験をこのプロトコールにおいて計画した。各実験は、放射線によって誘導された肺損傷の発症に及ぼすH2S誘導低体温の有効性を調べるであろう。1群マウス10匹に四つの試験条件の一つ(H2S/17.5 Gy胸部照射、H2S/胸部照射なし、H2Sなし/17.5 Gy胸部照射、またはH2Sなし/胸部照射なし)を曝露した後、13週間観察した。1群動物12匹に同様に曝露して、26週間観察した(個体数の増加は疾患の経過において後期に発生する死亡の増加を代償するために必要である)。
これらの実験に関して分散分析(ANOVA)を、データ解析の統計モデルとして用いる。4群(H2Sを投与した、またはH2Sを投与していない放射線照射、または非照射マウス)および二つの期間(13または26週間)での完全な交差無作為化二因子ANOVAを用いて、気管支肺胞洗浄液における炎症細胞数、総蛋白質濃度、および肺ヒドロキシプロリンレベルの時間的な変化を分析する。統計力80%、5%有意性、および両側検定を推定すると、損傷群、介入群および時間ポイントの組み合わせあたり生存マウス5匹が、群の平均値において基礎となる群間の標準偏差の1.7倍より大きい、または1.7倍に等しい検出可能な差を許容するであろう。群間の標準偏差は約25%に等しいと予想される。このように、対照値の35〜50%の炎症細胞数または肺コラーゲン含有量の変化が、これらの実験において識別されなければならない。
H2S曝露および胸部放射線照射は、線形加速装置においてSLU AHRにおいて行われる。気管支肺胞洗浄および剖検時の肺の摘出は、AHRマウス剖検室において行われる。気管支肺胞洗浄細胞数、タンパク質濃度、および肺ヒドロキシプロリン含有量の測定は、別の研究室(D3-255)において行われる。野生型C57BL/6マウスに胸部放射線17.5 Gyを照射する。マウスを腹腔内アベルチンによって麻酔し、個々の布製のマウス拘束ケージに収容して、線形加速器によって8.5 Gyで胸部のみを標的とするように視準された二つの側方視野を通して線量率3 Gy/分で放射線を照射した(胸部の総線量17.5 Gy)。
B.プロトコール
麻酔
野生型C57BL/6マウスをイソフルランの気管内投与のために麻酔した。麻酔の深さを触覚刺激に対する反応に関して呼吸速度に関してモニタリングする。アベルチンの腹腔内注射(0.4〜0.7 ml/マウスi.p.)を用いて胸部放射線照射技法のために動物を麻酔する。麻酔の深さは、呼吸速度および触覚刺激に対する反応によってモニタリングする。
硫化水素に対する曝露
マウスをマウス(IR1606)に関して既に用いられたものと類似の閉鎖プレクシグラスガス付加チャンバーに入れる。チャンバーは二つの口(入口と出口)を有する。室内の空気によって平衡にしたH2S(80 ppm)を含むガスをチャンバーの中に1 L/分の割合で通気する。ガスを、出口換気口から室内の排気口まで伸長するホースを有する部屋の換気システムを用いて部屋から換気する。
有害物質の投与
線形加速器を用いて総線量17.5 Gyによって、ガス付加室にいるマウスに放射線を照射する。この線量は、マウスにおいて、線維症へと進行する亜急性肺損傷を誘導するであろう。マウスは放射活性ではなく、またはそれ以外でもヒトもしくは他の動物に対して害を与えないであろう。放射線照射に関して、特別なモニタリング、容器、または排気は必要ではない。
計画的安楽死
胸部照射後約13〜26週で、動物を深部麻酔(アベルチン0.4〜0.7 ml i.p.を用いて)によって安楽死させた後、下大静脈穿刺による瀉血を行う。気管支肺胞洗浄を行って、炎症細胞数、白血球百分率、および洗浄液タンパク質濃度を決定する。肺および食道組織を組織学評価およびコラーゲン含有量分析のために摘出する。
瀕死の動物
胸部放射線照射は、マウスにおける最終的な死亡率に関連し、放射線照射後10週までに15%および22週までに50%が死につつある。試験者らは、有害事象に関して動物を毎日モニタリングして(マウスが安定に見えるまで最初は1日2〜3回、その後疾患が進行し始めるまで1日1回、その時点で本発明者らは毎日複数回観察に戻る)。動物の体重が減少する、毛繕い不能、重度の呼吸窮迫を示す、および/またはぎこちないまたは有意な運動の低下を示す場合、アベルチンの過剰投与によって安楽死させる。実際には、気管支肺胞洗浄および組織学のための組織採取を、これらの予定外の安楽死のために行う。
胸部放射線照射は、それ自身、痛みを伴わないがそれ自身(10週)呼吸数の増加、軽度の食欲喪失、軽度の体重減少、および/または毛繕い不能を示す可能性がある。試験者および動物施設のスタッフは、そのような有害作用に関して動物を毎日モニタリングする。動物が食べていないように思われる場合、軟らかい飼料および液体補助食を提供する。動物が疼痛を感じている場合、ブトルファノール(0.2 mg/kg i.p.)またはブフレノルフィン(1.0 mg/kg bid.s.q.)による鎮痛剤を必要に応じて投与する。動物が苦しんでいるように思われる、待期的手段によって改善されない場合、直ちに安楽死させる。肺および食道組織を、計画的剖検時の組織病理学的評価およびコラーゲン含有量の分析のために採取する。
放射線照射後の飼育
施設の他の部分に対して任意の病原体が伝搬するリスクを最小限にするために、およびいくぶん免疫無防備状態であるこれらの動物を保護するために、これらの動物に対する全ての作業は毎日最初に行い(施設における他の任意の動物の前に)、生物研究安全キャビネットにおいて行う。偶発性の感染症のリスクを最小限にするために、マウスにはオートクレーヴしたケージと床とを与える。さらに、それらには、病原体を殺すために放射線を照射した標準的な齧歯類用飼料を与える。
野生型C57BL/6マウスに17.5 Gyの胸部放射線照射を行う。マウスをアベルチンの腹腔内投与によって安楽死させて、個々の布製のマウスケージに入れて、マウス(IR1606)に関して既に記述したものと類似の閉鎖プレクシグラスガス付加チャンバーに入れる。チャンバーは二つの入口(入口と出口)を有する。室内の空気によって平衡にしたH2S(80 ppm)を含むガスを1 L/分の速度でチャンバーに通気する。ガスを、輸出用換気口から部屋の排気口まで伸びるホースを有する室内換気システムを用いて室内から換気する。ガス付加室において、マウスに線形加速器によって、胸部のみを標的とするように視準した二つの側方視野を通して線量率3 Gy/分で8.5 Gyを照射する(胸部総照射線量17.5 Gy)。胸部放射線照射の終了後、動物をマイクロアイソレーターケージに戻して麻酔から覚めるまでモニタリングする。
計画的剖検
動物一組を放射線照射後13週目に剖検して、損傷の炎症相を評価する。もう一組の動物を26週目に安楽死させて、損傷の線維症相を評価する。動物をアベルチンによって麻酔した後、瀉血した。肺をPBS 1000 μlならびに総細胞数および白血球百分率のために氷中で維持した洗浄液によって洗浄する。右肺をヒドロキシプロリン含有量のために採取して、左肺に10%NBFを気管を通して25〜30 cm圧によって注入する。食道、気管、左肺、および心臓を10%NBFに浸漬して、処理および病理評価のためにFHCRC組織学共同資源研究室に送る。
胸部放射線照射は、それ自身、痛みを伴わないがそれ自身(10週)呼吸数の増加、軽度の食欲喪失、軽度の体重減少、および/または毛繕い不能を示す可能性がある。試験者および動物施設のスタッフは、そのような有害作用に関して動物を毎日モニタリングする。動物が食べていないように思われる場合、軟らかい飼料および液体補助食を提供する。動物が疼痛を感じている場合、ブトルファノール(0.2 mg/kg i.p.)またはブフレノルフィン(1.0 mg/kg bid.s.q.)による鎮痛剤を必要に応じて投与する。動物が苦しんでいるように思われ、待期的手段によって改善されない場合、CO2窒息によって直ちに安楽死させる。
主な問題は、食道炎(飼料および水の摂取量の減少の結果)および呼吸不全(酸素取り込みの減少)である可能性がある。本発明者らは、動物が安定で良好となることが確信されるまでこれらの動物を1日2〜3回チェックし、その時点でチェックの回数を1日1回に減少させ、疾患が進行し始めた時点で動物を毎日複数回チェックに戻す。補助的な飼育はいくつかの方法において提供される。動物が十分に餌を食べず、水を飲んでいない場合(体重減少および毛繕いの問題によって示される)、本発明者らは、軟らかい飼料を提供し、輸液(乳酸加リンゲル液、1〜2 ml/マウス、口径の小さい針(>20 G)を用いて1日1〜2回sc)を提供する。動物が痛みを感じている場合、必要に応じてバトルファノール(0.2 mg/kg i.p.)またはブフレノルフィン(1.0 mg/kg bid s.q.)による鎮痛剤を投与する。動物が苦しんでいる用に見え、待期的手段によって改善しない場合、CO2窒息によって直ちに安楽死させる。動物が、胸部放射線照射時に有意な疼痛を示し、苦しんでいる場合には、動物をCO2窒息によって安楽死させる。
第三の実験は、本質的に先に記述した通りに低下したキャビネット内温度10.5℃で80 ppm H2Sの調節された大気に遠隔操作マウスを供することであった。実験のあいだ、マウスを肉眼で観察して、その運動をウェブカメラによって記録し、遠隔操作測定を上記のように記録した。マウスを80 ppm H2Sの調節大気に曝露して、キャビネットの温度を一定の10.5℃に低下した。約6時間の期間の終了後、キャビネットの温度を25℃に設定することによってキャビネットを加熱した。マウスを、中心体温が17℃〜18℃となるまで、調節されたH2S大気において加温して、その後調節された大気を部屋の空気と交換した。調節された大気において、マウスの中心体温の10.5℃への明らかな減少を認め、これは総身体運動の顕著な低下を伴った。呼吸速度は、約1時間15分のあいだ、肉眼で観察して検出不能な速度まで低下した。キャビネットを加温した後、マウスの中心体温が14℃に達すると、弱い呼吸を認めた。加温相のあいだ、中心体温は17℃〜18℃に上昇し、マウスは呼吸および運動を示し、調節された大気を室内の空気と交換した。中心体温が25℃に回復すると、正常な運動および呼吸は完全に明らかであった。マウスは、無処置動物と比較して、挙動に明らかな変化を示さなかった。
実施例6−細胞および哺乳類試験
A.イヌの試験
その中心体温をモニタリングするために、遠隔操作装置を外科的に埋め込んだイヌに関してイヌの試験を行う。動物を致死下用量の硫化水素の存在下または非存在下で10時間調べる。この期間のあいだ、マウスを遠隔操作によってバイタルサインに関して連続的にモニタリングする。環境温度も同様に、30分間15℃に低下させて、動物の中心体温に何らかの作用を有するか否かを決定する。
技法は、イヌ2匹の2群(計4匹)について行う。遠隔操作の出費のために、本発明者らは、これらの実験を連続して行う。第一の群からの結果が、仮説が正しくないことを示している場合、試験を第二の群のイヌ2匹について繰り返す。第二の群の結果が仮説を支持しない場合、プロジェクトを中止する。
毒性試験から、H2SレベルがヒトでのOSHA限界より高いものの、ラットおよびマウスの双方をH2S 80 ppmに毎日6時間、毎週5日間90日間曝露しても有害作用を示さないことがこれまでに示されていることが証明された。これには、腸管、肺、心臓、肝臓、腎臓、または他の臓器の肉眼的および組織病理学的検査の双方が含まれた。本試験者の知る限り、イヌの硫化水素に対する曝露に関する情報は入手できない。
H2Sに関する研究における重要な問題は、硫化水素に曝露して有害な作用を認めなかった齧歯類に関する研究を発表した他の研究者によって記述された用量(80 ppm)を超えていない点である。利用できるガスの科学にはかなりの経験があり、本発明者らは既定の用量でマウスにガスを送達することができる。動物および試験者の双方に害を与えないように、多くの予防策を講じる。これらの予防には、OSHA限界に対してアラームをセットして、感度を1 ppmにしてガス混合物をモニタリングすること、および系の内外に漏出することなく明細書に従ってガスを混合および送達することができる多様な機器を絶えずモニタリングすることが含まれる。
プロトコールのタイムラインを表5に示す。
(表5)試験のタイムライン
Figure 2007509163
B.ヒト血小板
酸化的燐酸化の阻害剤を用いることがヒトの利益のために用いることができるという考え方を調べるために、本発明者らは、酸素に対する致死的な曝露からそれらを保護するためのヒト組織において仮死状態を誘導した。予備実験において、本発明者らは、ヒト皮膚を100%CO環境に置いた。本発明者らは、24時間後、皮膚細胞がCOでは室内の空気の場合より100倍良好に生存することを観察する。これらの結果は非常にすばらしく;それらは酸化的燐酸化の阻害剤がヒト組織において有効となりうるという証明を提供する。
もう一組の実験は、血小板において誘導された仮死状態の保護作用を証明する。一単位の血小板を半分に分けた。最初の半分を標準的な保存条件で維持し、これは、血小板を絶えず振とうさせながら室温(22〜25℃)で維持することを含む。残りの半分を、酸素を除去するために標準的な方法を用いて無酸素環境(<10 ppm酸素)の中に入れた。2組の血小板を0、5、および8日目に比較した。無酸素条件で維持した血小板は、凝集脳、細胞形態学、アネキシン-V染色(初期アポトーシスマーカーとしての外膜に対するホスファチジルセリンのフリッピング)等を含む、異なるインビトロ試験5個のパネルに対して、標準条件で維持した血小板と同等またはそれより良好な性能を示した。これは、代謝活性、特に酸化的燐酸化の制御は、酸素の除去によって得ることができること、および長期間のスタシスにおいて細胞機能に及ぼす保護作用を有することを示している。
硫化水素は、チトクロームCオキシダーゼに結合することができると共にCOに結合することができ、必要に応じて酸化的燐酸化を停止させることができる。これは酸化的燐酸化の妨害に関して非常に強力であり、人が0.1%硫化水素を有する大気中で1回呼吸すると、もう一度吸うことはないであろう。その代わりに、人は直ちに床に倒れ、これは工業での状況において「ノックダウン」として一般的に呼ばれる事象である。新鮮な空気に急速に移動すると(および転倒によって損傷をうけなければ)、これらの人は時に蘇生して、神経学的問題もなく生き続けることから、これは可逆的であるように思われる。われわれの世界では一般的であるのみならず、実際に自身の細胞においても産生されるが、酸素送達に影響を及ぼさない酸化的燐酸化の強力な可逆的阻害剤である物質が存在する。
C.マウスの試験
H 2 Sを用いた冬眠様状態の誘導
定義によれば、恒温動物は、室温より10〜30℃高い中心体温を維持する。これらの動物がこれを行うためには、動物は、酸化的燐酸化によって産生されたエネルギーから熱を産生しなければならない。酸化的燐酸化における最終酵素複合体はチトクロームcオキシダーゼである。硫化水素はこの複合体を阻害することから(Petersen, 1977;Khanら、1990)、本発明者らは恒温動物を硫化水素に曝露すると、そのような動物が周囲温度よりかなり高いその中心体温を維持できなくなると予想する。
この仮説を調べるために、本発明者らは、恒温動物(マウス)の中心体温と活動度レベルの双方を連続的にモニタリングしようと考えた。マウスの腹腔に埋め込んだ遠隔操作装置は、これらの双方を行うことができ、マウスの取り扱いによる偏見を読み取り値に導入しないという長所を有する(Briese, 1988)。さらに、それらは、硫化水素ガスの曝露のあいだ、マウスを遠隔でモニタリングすることができる。用量80 ppmの硫化水素は、10週間まで曝露したマウスに対して無害であることがこれまでに示されている(CIIT 1983;Hays, 1972)。したがって、これらの実験に関して、本発明者らは用量80 ppmの硫化水素を用いて本発明者らの仮説を調べた。硫化水素80 ppmを含む大気を作製することは簡単ではない。酸素の存在下では、硫化水素は経時的に硫酸塩に酸化される。その理由から、本発明者らが80 ppm硫化水素を含む大気にマウスを絶えず曝露するために、本発明者らは、窒素によって平衡にした500 ppmの硫化水素のタンクによって室内の空気を絶えず混合する。
中心体温制御の特徴付け
マウスを80 ppm H2Sに曝露すると、その中心体温は、周囲より約摂氏2℃低下する(図5A)。この作用は80 ppm硫化水素に6時間曝露したマウス7匹の中心体温の平均値が類似のパターンに従うことから、非常に再現性が高い(図5A)。これらのマウス7匹の中心体温の最低の平均値は、室温13℃において15℃であった。これらのマウスは全て、大気を室内の空気のみを含む大気に切り替えて再度加温すると首尾よく回復した。対照として、本発明者らは、窒素を硫化水素の代わりに置換したが、中心体温の実質的な低下を認めなかった。
これらのマウスは、中心体温および呼吸速度の双方が一時的に低下したにもかかわらず、表面上は正常であるように思われるが、本発明者らは、硫化水素ガスに対する曝露、中心体温の極端な低下、呼吸速度の減少、またはこれらの作用の複合のために神経学的損傷が起こった可能性を除外するために、一連の行動学試験を行った。試験は全て、硫化水素に対する曝露の前後に行った。これらの行動学試験は、マウスヒト疾患モデル協会(Rogersら、1997)によって開発されたSHIRPAプロトコールから選択した。これから、本発明者らは、冬眠様状態に入ることは有害ではないという結論に達した。
H 2 S用量の予備的な最適化
上記の実験は、マウスの中心体温に及ぼす硫化水素80 ppmの影響を記述している。体温調節の喪失にとって十分な硫化水素の濃度を決定するために、本発明者らはマウスを一連の硫化水素濃度(20 ppm、40 ppm、60 ppm、および80 ppm)(図6)に曝露した。20 ppmおよび40 ppmの硫化水素はマウスの中心体温の低下を引き起こすために十分であったが、これは硫化水素60 ppmおよび80 ppmにおいて認められた低下と比較すると軽微であった。この実験から、本発明者らは、熱発生の喪失はマウスに投与された硫化水素濃度に直接依存するという結論に達した。硫化水素の用量範囲および薬物動態研究に関するこの予備試験は、より包括的な分析の必要性を強調する。
低い中心体温の限界の予備的な定義
本発明者らはまた、マウスに関してこの状態において許容される中心体温の範囲と期間の双方の認容性のより完全な理解を確立することに関心を持った。上記の実験は、本発明者らが必要に応じてマウスの中心体温を13〜15℃に繰り返し低下させることができることを示している。さらに、マウスは、この処置に何時間も認容できるように思われる。同じプロトコールを用いて、室温を低下させながら、本発明者らはマウスの中心体温を10.7℃にすることに成功した(図7)。中心体温をさらに低く、長期間にわたって低下させるさらなる試みを今後行う予定である。予備的ではあるが、これらの結果は、マウスの生物学によって許容される中心体温の有意な範囲が存在すること、および硫化水素曝露による熱調節の喪失を通してこの範囲を探索することができることを証明している。
内因性H 2 Sレベルの調節
哺乳類細胞が、内因性に硫化水素を産生することは周知である(Wang 2002)。この化学物質は、細胞において劇的に産生されることから、このことが外から投与された硫化水素の薬物動態に劇的な影響を及ぼしうることから、異なる条件で基礎レベルを理解することが重要である。本発明者らの研究のこの本質的な局面に取り組むために、本発明者らは、マウスにおける内因性の硫化水素レベルをアッセイし始めた。本発明者らは、ガスクロマトグラフィーおよび質量特異的検出と組み合わせた抽出アルカリ技術を用いて、硫化水素を定量した(Hysplerら、2002)。この方法を用いて、本発明者らは、無処置のマウスにおける硫化水素レベルを調べた。図8Aは、マウスにおいて有意な量の硫化水素が存在することを示している。さらに、硫化水素レベルは、マウスの周囲温度に依存するように思われる。特に、マウスが低温に存在する場合、マウスの内因性のスルフィドレベルは低く、マウスが暖かい周囲環境に存在する場合、マウスの内因性のスルフィドレベルは増加した。このことから、本発明者らは、マウスが室温に反応してそのスルフィドレベルを調節するという結論に達した。
内因性レベルの変化はH 2 Sの有効性に影響を及ぼす
室温はマウスにおいて内因性スルフィドレベルを変化させることから、本発明者らは、室温が、外因性の硫化水素に曝露した場合の中心体温の変化に影響を及ぼす可能性があると仮説を立てた。マウスを〜12℃の低温に馴化させて、中心体温の初回減少後に本発明者らが認める長期間持続する平衡を得る(図8B)。したがって、この低温に対する馴化により、マウスは硫化水素ガスの作用による体中心の冷却に対してより抵抗性となるように思われる。しかし、ガス曝露の前にマウスを暖かい熱的中性温度に馴化させると、この平衡は消失する。実際に、正常な体温のマウスは、硫化水素に対して曝露した場合に低温馴化マウスよりかなり急速に低温となった(図8B)。これらのデータは、マウスにおける内因性硫化水素レベルが外からの硫化水素の有効性に対して直接影響を及ぼすことを示唆している。
H 2 Sは低酸素状態からマウスを保護する
正常な室内の空気は酸素を約21%含む。マウスモデルにおける低酸素症に及ぼすスタシスの保護作用を調べる予備実験において、80 ppm硫化水素に曝露したマウスは5.2%酸素の11分を生き延びて、3週間後、マウスは元気であった。これまでに公表された研究では、硫化水素の非存在下でこのように曝露したこれらの動物(C57BL)の90%が生存しないことが示されている(Zhangら、2004)。この実験は、80 ppm H2Sにマウスを3時間予め平衡にした後、先の実験に記述したチャンバーにおける酸素分圧を低下させることを含んだ。先に記述した場合と同じ流速を用いた(すなわち0.5 Lチャンバーにおいて500 cc/ml)。当業者には、マウスの群を4%酸素に曝露した場合、100%が15分以内に死亡するであろうことは十分に確立されている。したがって、酸素分圧が4%に減少したあいだH2Sを投与したマウスは、これらの低酸素条件において長時間(1時間まで)生存している。マウスは回復後これらの条件によって影響を受けないように思われ、24時間後に調べたところ、生存して正常に反応する。この実験は、マウスが、酸素分圧が正常レベル(21%O2)に戻るまで低酸素条件の曝露終了時のH2Sにおいて保持されるという点において上記とは異なる。
本明細書に開示および請求される組成物および方法は全て、本開示に照らして不当な実験を行うことなく作製および実行することができる。本発明の組成物および開示は好ましい態様に関して記述されているが、組成物および方法、本明細書に記述の方法の段階または段階の順序に変更を適用してもよく、それらも本発明の概念、趣旨、および範囲に含まれることは当業者に明らかであろう。より詳しく述べると、化学および物理的に関連する特定の物質を本明細書に記述の物質に置換してもよく、同じまたは類似の結果が得られるであろうことは明らかであろう。当業者に明らかなそのような類似の置換および改変は添付の特許請求の範囲によって明らかにされる本発明の趣旨、範囲、および概念に含まれると思われる。
参考文献
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Figure 2007509163
Figure 2007509163
以下の図面は本明細書の一部を構成し、本発明の特定の局面をさらに示すために含まれる。本発明は、本明細書に示した特定の態様の詳細な説明と共に、これらの図面の一つまたはそれ以上を参照することによってよりよく理解される可能性がある。
ヒトケラチノサイトは100%COに対する曝露後生存する。細胞を倒立位相差顕微鏡を用いて肉眼的に調べた。細胞死の指標であるトリパンブルー染色によって判断した生存ケラチノサイト数の定量。 低酸素症における生存性の不連続性。成体に対する生存率を、野生型胚における無酸素症(純粋なN2)、中間的な低酸素症(0.01 kPa O2、0.05 kPa O2、または0.1 kPa O2)、または軽度の低酸素症(0.5 kPa O2)に対する24時間の曝露後にアッセイした。データポイントは全て少なくとも3回の独立した実験の結果であり、説明することができない虫は全体から除去した。 一酸化炭素は低酸素症から保護する。成体に対する生存率を、野生型胚における純粋な一酸化炭素、0.05 kPa O2/N2、または0.05 kPa O2/COの24時間の曝露後にアッセイした。データポイントは全て、少なくとも3回の実験の結果であり、説明することができない虫は全体から除去した。 マウスを硫化水素に曝露した場合、体中心温度の前に代謝速度は減少する。マウスに80 ppm(X軸の0分)を曝露すると、5分未満でCO2産生(黒い線)は約3倍減少する。これは、室温に対して動物のコア温度(灰色の線)の低下の前に起こる。 硫化水素に曝露されたマウスの体温。それぞれの軌跡は、80ppmのH2Sまたは室内の空気のいずれかに対して曝露された個々のマウスの中心体温の連続的な測定を表す。垂直軸の数値は、セ氏での体温である。横軸の数値は時間を反映する。実験を6時間行った後、回復の記録を行った。開始点は1:00であり、6時間処置の終了時間は約7:00である。 80 ppm硫化水素に対する曝露はマウスの中心体温を室温に近づける。ガスのスイッチを入れて、0:00時から温度を低下させた。大気を6:00時に室温に戻した。三角は、無線遠隔測定によって決定したマウスの中心体温を示す。これは0:00時で約39℃であった。菱形は室温を示し、これは実験の最初の3時間で23℃から13℃に減少し、その後6:00時から23℃に向けて再度増加して9:00時頃に安定化した。 中心体温の低下速度は、マウスに曝露した硫化水素濃度に依存する。線は全て、放射遠隔測定によって決定したマウス1匹の中心体温を表す。20 ppmおよび40 ppm H2Sを与えたマウスは、中心体温のわずかな低下を示す。60 ppmの曝露は、約4:00時に始まった体温の実質的な低下を誘導した。80 ppmを曝露したマウスは、ほぼ2:00時に始まった体温の実質的な低下を示した。 最低中心体温。80 ppm硫化水素に曝露したマウスに関して記録された最低中心体温は、10.7℃であった。三角は、0時に約39℃で開始した放射遠隔測定によって決定したマウスの中心体温を示す。菱形は室温を示し、これは約23℃で始まり、実験の中間地点までに10℃未満に低下し、その後室温に向けて再度増加した。 硫化水素の内因性レベルは、暖かい気候に馴化させたマウスにおいて増加する。灰色のバー(左の二つのバー)は、4℃に馴化させた異なる2匹のマウスの内因性のH2S濃度を示す;黒色のバー(右の二つのバー)は、30℃に馴化させた個々のマウス2匹の内因性のH2S濃度を示す。硫化水素濃度はGC/MSによって決定した。 硫化水素依存的体温低下に及ぼす室温の影響。硫化水素の曝露による中心温度(℃で表記)の低下速度は、馴化温度に依存する。マウスを1:00にガスに曝露した。三角は、放射遠隔測定によって決定した、12℃に馴化させたマウスの中心体温を示す。四角は、30℃に馴化させた動物の中心体温を示す。 本発明の態様に従う呼吸ガス送達システムを示すブロック図である。 本発明の態様に従う呼吸ガス送達システムを示す略図である。 本発明のさらなる態様に従う呼吸ガス送達システムを示す略図である。 本発明の態様に従う操作を示すフローチャートである。 本発明の態様に従う組織処置ガス送達システムを示す略図である。 本発明の態様に従う操作を説明するフローチャートである。 代謝的阻害は線虫における低体温症誘導死から保護する。低温(4℃)に曝露した線虫は24時間後生存することができない。しかし、低体温症の期間無酸素状態で維持すると(およびその前後1時間)、実質的な比率の線虫が生存する。

Claims (130)

  1. 以下を含む、分離された組織においてスタシスを誘導する方法:
    スタシスが望ましい組織を同定する段階;および
    スタシスを誘導するために酸素アンタゴニストの有効量を組織に曝露する段階。
  2. 組織が真核生物である、請求項1記載の方法。
  3. 真核生物組織が哺乳類由来である、請求項2記載の方法。
  4. 哺乳類がヒトである、請求項3記載の方法。
  5. 組織が、循環系、消化系、内分泌系、外皮系、筋肉系、神経系、生殖系、呼吸系、骨格系、および泌尿器系からなる系の群より選択される、請求項2記載の方法。
  6. 組織が、心臓、胸腺、皮膚、骨、脾臓、胃、小腸、肝臓、膵臓、卵巣、精巣、下垂体、松果体、甲状腺、肺、網膜、腎臓、および臍帯からなる群より選択される臓器の全てまたは一部である、請求項5記載の方法。
  7. 組織が以下の細胞タイプ:血小板、骨髄細胞、赤血球、リンパ球、脂肪細胞、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、骨格筋細胞、内分泌細胞、グリア細胞、ニューロン、分泌細胞、障壁機能細胞、収縮細胞、吸収細胞、粘膜細胞、輪部細胞(角膜)、幹細胞(臍帯血もしくは臍帯、骨髄、または胎児)、非受精もしくは受精卵細胞、または精子を含む、請求項1記載の方法。
  8. 有効量が酸素アンタゴニストの致死下用量である、請求項1記載の方法。
  9. 酸素アンタゴニストが還元剤である、請求項1記載の方法。
  10. 酸素アンタゴニストがカルコゲナイド化合物である、請求項1記載の方法。
  11. カルコゲナイド化合物が硫黄を含む、請求項10記載の方法。
  12. カルコゲナイド化合物がセレンを含む、請求項10記載の方法。
  13. カルコゲナイド化合物がテルルを含む、請求項10記載の方法。
  14. カルコゲナイド化合物がポロニウムを含む、請求項10記載の方法。
  15. 還元剤が以下の化学構造を有する、請求項9記載の方法:
    Figure 2007509163
    式中、XはN、O、Po、S、Se、またはTeである;
    YはNまたはOである;
    R1はH、C、低級アルキル、低級アルコール、またはCNである;
    R2は、H、C、低級アルキル、低級アルコール、またはCNである;
    nは0または1である;
    mは0または1である;
    pは1または2である;および
    kは0、1、2、3、または4である。
  16. 還元剤がカルコゲナイド化合物である、請求項15記載の方法。
  17. kが0である請求項15記載の方法。
  18. 還元剤がH2S、H2Se、H2Te、およびH2Poからなる群より選択される、請求項15記載の方法。
  19. XがSである、請求項15記載の方法。
  20. XがSeである、請求項15記載の方法。
  21. XがTeである、請求項15記載の方法。
  22. XがPoである、請求項15記載の方法。
  23. XがOである、請求項15記載の方法。
  24. kが0または1である、請求項19記載の方法。
  25. kが0である、請求項24記載の方法。
  26. 還元剤が、DMSO、DMS、一酸化炭素、メチルメルカプタン(CH3SH)、メルカプトエタノール、チオシアネート、シアン化水素、MeSH、またはCS2である、請求項15記載の方法。
  27. 酸素アンタゴニストが、ガス、半固体液体、または液体である、請求項1記載の方法。
  28. 酸素アンタゴニストがガスである、請求項27記載の方法。
  29. ガスが一酸化炭素、硫黄、セレン、テルル、ポロニウム、またはその混合物を含む、請求項28記載の方法。
  30. ガスがカルコゲナイド化合物である、請求項29記載の方法。
  31. 阻害剤が半固体液体または液体である、請求項27記載の方法。
  32. 組織が酸素アンタゴニストのほぼ致死量に曝露される、請求項1記載の方法。
  33. 組織が、二酸化炭素産生速度または量を少なくとも2倍減少させる酸素アンタゴニストの量に曝露される、請求項32記載の方法。
  34. 組織が、酸素消費速度または量を少なくとも約2倍減少させる酸素アンタゴニストの量に曝露される、請求項32記載の方法。
  35. 制御された温度環境に組織を供する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  36. 制御された温度環境が組織にとって非生理的温度である、請求項35記載の方法。
  37. 制御された温度環境が約-210℃〜約50℃である、請求項35記載の方法。
  38. 制御された温度環境が約-210℃〜約-20℃である、請求項37記載の方法。
  39. 制御された温度環境が約-20℃〜約4℃である、請求項37記載の方法。
  40. 制御された温度環境が約0℃〜約50℃である、請求項37記載の方法。
  41. 組織が中心温度4℃〜約28℃に達する、請求項40記載の方法。
  42. 制御された温度環境が約0℃〜約20℃である、請求項40記載の方法。
  43. 制御された温度環境が約25℃〜約40℃である、請求項40記載の方法。
  44. 制御された温度環境が約39℃〜約50℃である、請求項43記載の方法。
  45. 組織が中心温度約43℃〜約50℃に達する、請求項44記載の方法。
  46. 組織が酸素アンタゴニストの曝露前、あいだ、または後に制御された環境温度に供される、請求項35記載の方法。
  47. 生体物質が、約1分〜約1年の期間制御された環境に供される、請求項46記載の方法。
  48. 環境の酸素レベルを調節する段階、または酸素を有する環境から組織を除去する段階をさらに含む、請求項35記載の方法。
  49. 組織における酸素アンタゴニストレベルおよび/または酸化的燐酸化を評価する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  50. 酸素アンタゴニストを除去する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  51. 組織を真空下に置く段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  52. 低下した温度と比較して室温を増加させる段階をさらに含む、請求項41記載の方法。
  53. 酸素アンタゴニストがカルコゲナイド化合物である、請求項35記載の方法。
  54. ガスが、一つより多いガスを含むガス混合物である、請求項29記載の方法。
  55. 他のガスが非毒性ガスである、請求項54記載の方法。
  56. 他のガスが非反応性ガスである、請求項54記載の方法。
  57. 他のガスが非毒性および非反応性である、請求項56記載の方法。
  58. 非毒性、非反応性ガスがヘリウム、水素、窒素、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドン、またはウンウンオクチウムである、請求項57記載の方法。
  59. ガスが酸素と混合されて酸素ガス混合物を形成する、請求項29記載の方法。
  60. 酸素ガス混合物における酸素の量が混合物における他の全てのガスまたは複数のガスの全量より少ない、請求項59記載の方法。
  61. ガスが一酸化炭素であって、一酸化炭素の量が酸素ガス混合物における酸素の任意の量とほぼ同じまたはそれを超える、請求項59記載の方法。
  62. 組織が閉鎖環境において酸素アンタゴニストに曝露される、請求項27記載の方法。
  63. 量の差が少なくとも約1%の差である、環境が異なる量の酸素アンタゴニストに少なくとも1回循環する、請求項62記載の方法。
  64. 異なる量が、組織が曝露される酸素アンタゴニストの約0〜約99.9%である、請求項63記載の方法。
  65. 組織を酸素アンタゴニストに曝露する段階が、環境を維持する容器に組織を入れる段階を含む、請求項62記載の方法。
  66. 組織が、ガス様酸素アンタゴニストに暴露後に正常酸素環境に曝露される、請求項28記載の方法。
  67. 組織が室温である環境において酸素アンタゴニストに曝露される、請求項1記載の方法。
  68. 一酸化炭素対酸素の比が少なくとも約199:1である、請求項61記載の方法。
  69. 一酸化炭素対酸素の比が少なくとも約399:1である、請求項68記載の方法。
  70. 酸素アンタゴニストが組織に2回またはそれ以上投与される、請求項1記載の方法。
  71. 組織が、酸素アンタゴニストの潅流またはインキュベーションによって酸素アンタゴニストに曝露される、請求項1記載の方法。
  72. 組織が約1分〜約1週間のあいだ、酸素アンタゴニストと共に潅流またはインキュベートされる、請求項71記載の方法。
  73. 組織が、少なくとも30分間、酸素アンタゴニストと共に潅流またはインキュベートされる、請求項61記載の方法。
  74. 組織が、少なくとも2時間酸素アンタゴニストと共に潅流またはインキュベートされる、請求項73記載の方法。
  75. 組織が、少なくとも24時間酸素アンタゴニストと共に潅流またはインキュベートされる、請求項74記載の方法。
  76. 組織が、少なくとも1週間、酸素アンタゴニストと共に潅流またはインキュベートされる、請求項75記載の方法。
  77. 組織が1年まで、酸素アンタゴニストと共に潅流またはインキュベートされる、請求項61記載の方法。
  78. 組織が、試料を採取する前に体外膜型酸素化を与えられたドナー被験者から得られる、請求項1記載の方法。
  79. 生きているレシピエントに組織を移植(transplanting)または移植する(grafting)段階をさらに含む、請求項78記載の方法。
  80. 以下の構造を有する化合物の有効量を組織に投与する段階を含む、分離された組織においてスタシスを誘導する方法:
    Figure 2007509163
    式中、XはN、O、Po、S、Se、またはTeである;
    YはNまたはOである;
    R1はH、C、低級アルキル、低級アルコール、またはCNである;
    R2は、H、C、低級アルキル、低級アルコール、またはCNである;
    nは0または1である;
    mは0または1である;
    pは1または2である;および
    kは0、1、2、3、または4である。
  81. 化合物がカルコゲナイド化合物である、請求項80記載の方法。
  82. カルコゲナイド化合物が硫黄を含む、請求項81記載の方法。
  83. カルコゲナイド化合物がセレンを含む、請求項81記載の方法。
  84. カルコゲナイド化合物がテルルを含む、請求項81記載の方法。
  85. カルコゲナイド化合物がポロニウムを含む、請求項81記載の方法。
  86. kが0である請求項80記載の方法。
  87. 化合物がH2S、H2Se、H2Te、およびH2Poからなる群より選択される、請求項86記載の方法。
  88. XがSである、請求項80記載の方法。
  89. kが0または1である、請求項88記載の方法。
  90. kが0である、請求項89記載の方法。
  91. 化合物が、DMSO、DMS、一酸化炭素、メチルメルカプタン(CH3SH)、メルカプトエタノール、チオシアネート、シアン化水素、MeSH、またはCS2である、請求項80記載の方法。
  92. 組織がスタシスに入るために有効な期間、低酸素条件にするために、組織を酸素アンタゴニストと共にインキュベートする段階を含む、分離された組織においてスタシスを誘導する方法。
  93. 低酸素条件が、組織を含む閉鎖環境からの酸素を酸素アンタゴニストに置換することによって確立される、請求項92記載の方法。
  94. 酸素の一部または全てがもう一つのガスに置換される、請求項93記載の方法。
  95. 酸素がガス様酸素アンタゴニストに置換される、請求項94記載の方法。
  96. ガスが非反応性および/または非毒性である、請求項94記載の方法。
  97. ガスが窒素、アルゴン、またはネオンである、請求項96記載の方法。
  98. 組織の温度を低下させる段階をさらに含む、請求項92記載の方法。
  99. 組織を致死下用量の酸素アンタゴニストに接触させる段階を含む、組織における酸素要求量を減少させる方法。
  100. 組織を致死下用量の酸素アンタゴニストに曝露する段階を含む、組織における外傷の作用を遅延させる方法。
  101. カルコゲナイド化合物の致死下用量に組織を接触させる段階を含む、エクスビボで組織を保存する方法。
  102. 酸素アンタゴニストの供給源に接続されている、試料を保持する堅固な中空の容器を含む、請求項1記載の方法を得るための装置。
  103. 以下を含む、分離された組織を保存するための装置:
    容積が775 Lより大きくない試料室を有する容器;および
    a)ガス様または半液体酸素アンタゴニストを含む、試料室と液体通路で接続されている第一のガス供給。
  104. 酸素アンタゴニストが細胞呼吸阻害剤である、請求項103記載の装置。
  105. 酸素アンタゴニストが還元剤である、請求項103記載の装置。
  106. 還元剤がカルコゲナイド化合物である、請求項105記載の装置。
  107. 還元剤が以下の構造を有する化学式化合物を有する、請求項105記載の装置:
    Figure 2007509163
    式中、XはN、O、Po、S、Se、またはTeである;
    YはNまたはOである;
    R1はH、C、低級アルキル、低級アルコール、またはCNである;
    R2は、H、C、低級アルキル、低級アルコール、またはCNである;
    nは0または1である;
    mは0または1である;
    pは1または2である;および
    kは0、1、2、3、または4である。
  108. 還元剤が、DMSO、H2S、DMS、一酸化炭素、メチルメルカプタン(CH3SH)、メルカプトエタノール、チオシアネート、またはシアン化水素である、請求項106記載の装置。
  109. 試料室内部の温度を調節する冷却単位をさらに含む、請求項103記載の装置。
  110. 非毒性非反応性ガスを含む、試料室と液体通路で接続されている第二のガス供給をさらに含む、請求項103記載の装置。
  111. 非毒性非反応性ガスが、酸素、窒素、二酸化炭素、ネオンまたはアルゴンである、請求項110記載の装置。
  112. (a)第一のガス供給から試料室に供給されたガス、および(b)第二のガス供給から試料室に供給されたガス、を調節するガス調節装置をさらに含む、請求項110記載の装置。
  113. ガス調節装置を、(a)第一のガス供給から試料室に供給されたガスの量、および(b)第二のガス供給から試料室に供給されたガスの量、を一定期間制御するようにプログラムすることができる、請求項112記載の装置。
  114. 以下をさらに含む、請求項110記載の装置:
    第一のガス供給から試料室に供給されたガスを調節する第一のガス供給調節装置;および
    第二のガス供給から試料室に供給されたガスを調節する第二のガス供給調節装置。
  115. 第一のガス供給調節装置を、第一のガス供給から試料室に供給されたガスの量を一定期間制御するようにプログラムすることができ、および第二のガス供給調節装置を、第二のガス供給から試料室に供給されたガスの量を一定期間制御するようにプログラムすることができる、請求項114記載の装置。
  116. 第一のガス供給から試料室に供給されたガスを調節するガス調節装置をさらに含む、請求項103記載の装置。
  117. ガス調節装置を、第一のガス供給から試料室に供給されたガスの量を一定期間制御するようにプログラムすることができる、請求項116記載の装置。
  118. 容器を載せる車輪付きカートをさらに含む、請求項103記載の装置。
  119. 試料室内部の圧力を調節する圧調節装置をさらに含む、請求項103記載の装置。
  120. 真空を提供するように形成された構造をさらに含む、請求項119記載の装置。
  121. 以下を含む、分離された組織を保存するための装置:
    試料室を有する容器;
    酸素アンタゴニストを含む、試料室と液体通路で接続されている第一のガス供給;および
    第一のガス供給から試料室に供給されたガスを調節するコンピュータープログラム可能なガス調節装置。
  122. 試料室内部の温度を調節する冷却ユニットをさらに含む、請求項121記載の装置。
  123. 非毒性の非反応性ガスを含む、試料室と液体通路で接続されている第二のガス供給をさらに含む、請求項121記載の装置。
  124. 非毒性の非反応性ガスが酸素、窒素、二酸化炭素、ネオン、またはアルゴンである、請求項123記載の装置。
  125. 第二のガス供給から試料室に供給されたガスを調節する第二のガス供給調節装置をさらに含む、請求項123記載の装置。
  126. コンピュータープログラム可能なガス調節装置を、(a)第一のガス供給から試料室に供給されたガスの量、および(b)第二のガス供給から試料室に供給されたガスの量、を一定期間制御するようにプログラムすることができる、請求項123記載の装置。
  127. コンピュータープログラム可能なガス調節装置を、第一のガス供給から試料室に供給されたガスの量を一定期間制御するようにプログラムすることができ、および第二のガス供給調節装置を、第二のガス供給から試料室に供給されたガスの量を一定期間制御するようにプログラムすることができる、請求項125記載の装置。
  128. 容器を載せる車輪付きカートをさらに含む、請求項121記載の装置。
  129. 試料室内部の圧力を調節する圧調節装置をさらに含む、請求項128記載の装置。
  130. 真空ユニットをさらに含む、請求項121記載の装置。
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