JP2007508024A - Arenicolamarinaの細胞外ヘモグロビン分子の解離方法及び該分子を形成するタンパク質鎖の特徴付け及び該タンパク質鎖をコードするヌクレオチド配列 - Google Patents
Arenicolamarinaの細胞外ヘモグロビン分子の解離方法及び該分子を形成するタンパク質鎖の特徴付け及び該タンパク質鎖をコードするヌクレオチド配列 Download PDFInfo
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Abstract
Description
アンネリダ、特にアレニコラ マリナの細胞外ヘモグロビンのサンプル及び少なくとも1つの解離剤、特にジチオスレイトール(DTT)又はトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)又はβ−メルカプトエタノール及び解離緩衝剤(dissociation buffer)からなる混合物を、タンパク質鎖が互いに分離するのに十分な時間一緒にする工程を含むことを特徴とする方法に関する。
アンネリダ、特にアレニコラ マリナの細胞外ヘモグロビンのサンプル及び少なくとも1つの解離剤、及び適当ならば還元剤、特にジチオスレイトール(DTT)又はトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)又はβ−メルカプトエタノール及び解離緩衝剤からなる混合物を、タンパク質鎖が互いに分離するのに十分な時間一緒にする工程を含むことを特徴とする方法に関する。
第1(156鎖)は、酸素に可逆的に結合することができる活性部位を有するいわゆる「機能的」ポリペプチド鎖を含み、これらはその質量が15〜18kDaであるグロビン型鎖であり、これらの鎖は脊椎動物のα及びβ型鎖に非常に類似しており、そして
第2(42鎖)は、少数の活性部位を有するか又は活性部位を有しないが、12量体のアセンブリーを可能とするいわゆる「構造的(又は「リンカー」)ポリペプチド鎖を含み、これらの鎖は22〜27kDaの分子量を有する、
に分類される、10の異なる型に属する198のポリペプチド鎖からなることが思い起こされる。
アレニコラ マリナの細胞外ヘモグロビンのサンプルと、ジチオスレイトール(DTT)及び解離緩衝剤からなる混合物とを、約1時間〜3週間一緒にする工程を含むことを特徴とする方法に関する。
− 約5〜約12、好ましくは約7.5〜12にpHを調整した、Trisma塩基(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン)0.1M及びEDTA0〜10mMを含む解離緩衝溶液、及び
− その濃度が約0.1M〜約8Mであり、特に3Mに等しい尿素溶液
であることを特徴とする、前記解離方法にも関する。
− pH10に調整した、Trisma塩基0.1M及びEDTA1mMを含む解離緩衝溶液、及び
− 尿素3M、
であることを特徴とする、前記解離方法にも関する。
− 約8〜約9のpHのTrisma塩基(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン)0.1Mを含む解離緩衝溶液、及び
− その濃度が約4M〜約8Mであり、特に8Mに等しい尿素溶液、及び
− DTT1〜10%
であるか、又は、
− 約8〜約9のpHの重炭酸アンモニウム0.1Mを含む解離緩衝溶液、及び
− DTT1〜10%、
であることを特徴とする、前記解離及び還元方法にも関する。
− 前記方法に従って得られたヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖の各々を単離する工程、
− 質量分析法及びエドマン配列決定により前記単離されたタンパク質鎖の各々をミクロ配列決定し、5〜20個のアミノ酸からなる配列の各々に対応するミクロ配列を得る工程、及び
− 前記ミクロ配列から縮重したプライマー(degenerated primers)を決定する工程
を含むことを特徴とする、前記方法に従って得られたタンパク質鎖からプライマー対を調製する方法にも関する。
(式中、
RはA又はGを表し、
YはC又はTを表し、
NはA、G、C又はTを表し、
Iはイノシンを表し、
HはA、C又はTを表す)
であるプライマー対にも関する。
(式中、
RはA又はGを表し、
YはC又はTを表し、
NはA、G、C又はTを表し、
Iはイノシンを表し、
DはA、G又はTを表し、
HはA、C又はTを表す)
であるプライマー対にも関する。
* アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖の1つをコードする一本鎖cDNAを加熱により変性し、いかなる二次構造物及びRNA残留物をも変性する工程であって、該cDNAはmRNAから得られたものであり、この工程は変性された一本鎖cDNAの鎖を得ることを可能とし、及び
* 前記変性した一本鎖cDNAの鎖に、前記方法により得られるプライマー対を適当な温度でハイブリダイズさせ、ハイブリダイズしたプライマーを得る工程、及び
* 先の工程で得られたハイブリダイズしたプライマーから、適当な温度でポリメラーゼにより前記cDNAの相補鎖を合成する工程
により構成されたサイクルを少なくとも30回繰り返すことを含む、ポリメラーゼ連鎖増幅法(PCR)に相当することを特徴とする方法にも関する。
− 該方法の第1工程が、アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖の1つをコードするcDNAを約90℃〜約110℃の温度で、約10秒〜約5分間変性する工程であること、
− 約30〜40回繰り返すサイクルが、以下の工程:
* アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖の1つをコードするcDNAを約90℃〜約110℃の温度で、約10秒〜約5分間変性する工程、
* 一本鎖cDNAの前記鎖に本発明のプライマー対を約50℃〜約60℃、好ましくは約50℃〜約56℃の温度で、約20秒〜約2分間ハイブリダイズさせ、ハイブリダイズしたプライマーを得る工程、
* 先に得られたハイブリダイズしたプライマーを約70℃〜約75℃の温度で、約20秒〜約1分30秒間ポリメラーゼにより伸長させる工程、
を含むこと、そして、
− 該方法の最終工程が、先に得られたハイブリダイズしたプライマーを約70℃〜約75℃の温度で、約5分〜約15分間ポリメラーゼにより伸長させる工程であること
を特徴とする。
使用するプライマー対が、(GAR TGY GGN CCN TTR CAR CG;CCA NGC NTC YTT RTC RAA GCA)又は(GAR TGY GGN CCN TTR CAR CG;CTC CTC TCC TCT CCT CTT CCT)であり、R、Y及びNが前記したとおりであることを特徴とし、
該方法が、
− 該方法の第1工程は、アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖をコードするcDNAを95℃に等しい温度で、4分間変性する工程であり、
― 35回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖の1つをコードするcDNAを95℃に等しい温度で、30秒間変性する工程、
* 一本鎖cDNAの前記鎖に本発明のプライマー対を56℃に等しい温度で、30秒間ハイブリダイズさせて、ハイブリダイズしたプライマーを得る工程、
* 先に得られたハイブリダイズしたプライマーを72℃に等しい温度で、40秒間ポリメラーゼにより伸長させる工程
を含み、そして、
− 該方法の最終工程は、先に得られたハイブリダイズしたプライマーを72℃に等しい温度で、10分間ポリメラーゼにより伸長させ、配列番号13のヌクレオチド配列を得る工程であり、
該方法は、場合により、配列番号1のヌクレオチド配列を得るための5’RACE PCRの追加の工程を含むことを特徴とする、
前記ヌクレオチド配列を調製する方法である。
使用するプライマー対が以下のもの(AN TGY GGN CCN CTN CAR CG; CCA NGC NTC YTT RTC RAA GCA)であり、N、Y及びRが前記したとおりであることを特徴とし、
該方法が、
− 該方法の第1工程は、アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖をコードするcDNAを95℃に等しい温度で、4分間変性する工程であり、
− 35回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖の1つをコードするcDNAを95℃に等しい温度で、30秒間変性する工程、
* 一本鎖cDNAの前記鎖に本発明のプライマー対を52℃に等しい温度で、30秒間ハイブリダイズさせて、ハイブリダイズしたプライマーを得る工程、
* 先に得られたハイブリダイズしたプライマーを72℃に等しい温度で、40秒間ポリメラーゼにより伸長させる工程
を含み、そして、
− 該方法の最終工程は、先に得られたハイブリダイズしたプライマーを72℃に等しい温度で、10分間ポリメラーゼにより伸長させ、配列番号15のヌクレオチド配列を得る工程であることを特徴とする、前記ヌクレオチド配列を調製する方法である。
使用するプライマー対が以下のもの:(TGY GGN ATH CTN CAR CG; CTC CTC TCC TCT CCT CTT CCT)であり、N、Y及びRが前記したとおりであることを特徴とし、
該方法が、
− 該方法の第1工程は、95℃に等しい温度で、約4分間変性する工程であり、
− 35回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* 95℃に等しい温度で、30秒間変性する工程、
* 53℃に等しい温度で、30秒間ハイブリダイズさせる工程、
* 72℃に等しい温度で、40秒間伸長させる工程
を含み、そして、
− 該方法の最終工程は、72℃に等しい温度で、10分間伸長させ、配列番号15のヌクレオチド配列を得る工程であり、
該方法は、場合により、配列番号3のヌクレオチド配列を得るための5’RACE PCRの追加の工程を含むことを特徴とする、前記ヌクレオチド配列を調製する方法である。
使用するプライマー対が、(AAR GTI AAR CAN AAC TGG; CCA NGC NCC DAT RTC RAA)又は(AAR GTI AAR CAN AAC TGG; CTC CTC TCC TCT CCT CTT CCT)であり、R、I、N及びDが前記したとおりであることを特徴とし、
該方法が、
− 該方法の第1工程は、アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖の各々をコードするcDNAを95℃に等しい温度で、4分間変性する工程であり、
− 35回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖の1つをコードするcDNAを95℃に等しい温度で、1分間変性する工程、
* 一本鎖cDNAの前記鎖に本発明のプライマー対を50℃に等しい温度で、1分間ハイブリダイズさせて、ハイブリダイズしたプライマーを得る工程、
* 先に得られたハイブリダイズしたプライマーを72℃に等しい温度で、1分30秒間ポリメラーゼにより伸長させる工程
を含み、そして、
− 該方法の最終工程は、先に得られたハイブリダイズしたプライマーを72℃に等しい温度で、10分間ポリメラーゼにより伸長させ、配列番号17のヌクレオチド配列を得る工程であり、
該方法は、場合により、配列番号5のヌクレオチド配列を得るための5’RACE PCRの追加の工程を含むことを特徴とする、前記ヌクレオチド配列を調製する方法である。
使用するプライマー対が以下のもの:(TGY TGY AGY ATH GAR GAY CG; CA NGC NYC RCT RTT RAA RCA)又は(TGY TGY AGY ATH GAR GAY CG; CTC CTC TCC TCT CCT CTT CCT)であり、Y、H、R及びNが前記したとおりであることを特徴とし、
該方法が、
− 該方法の第1工程は、アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖の各々をコードするcDNAを95℃に等しい温度で、4分間変性する工程であり、
− 35回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖の1つをコードするcDNAを95℃に等しい温度で、30秒間変性する工程、
* 一本鎖cDNAの前記鎖に本発明のプライマー対を52℃に等しい温度で、40秒間ハイブリダイズさせて、ハイブリダイズしたプライマーを得る工程、
* 先に得られたハイブリダイズしたプライマーを72℃に等しい温度で、30秒間ポリメラーゼにより伸長させる工程
を含み、そして、
− 該方法の最終工程は、先に得られたハイブリダイズしたプライマーを72℃に等しい温度で、10分間ポリメラーゼにより伸長させ、配列番号19のヌクレオチド配列を得る工程であり、
該方法は、場合により、配列番号7のヌクレオチド配列を得るための5’RACE PCRの追加の工程を含む
ことを特徴とする、前記ヌクレオチド配列を調製する方法である。
使用するプライマー対が以下のもの(AAR GTN ATH TTY GGN AGR GA; CTC CTC TCC TCT CCT CTT CCT)であり、R、H、N及びYが前記したとおりであることを特徴とし、
該方法が、
− 該方法の第1工程は、95℃に等しい温度で、4分間変性する工程であり、
− 35回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* 95℃に等しい温度で、30秒間変性する工程、
* 52℃に等しい温度で、40秒間ハイブリダイズさせる工程、
* 72℃に等しい温度で、30秒間伸長させる工程、
を含み、そして、
− 該方法の最終工程は、72℃に等しい温度で、10分間伸長させて、
参照部分ヌクレオチド配列を得て、このコード配列の完全な決定を続ける工程であり、
該方法は、配列番号9のヌクレオチド配列を得るための5’RACE PCRの追加の工程を含むことを特徴とする、前記ヌクレオチド配列を調製する方法である。
使用するプライマー対が以下のもの(GAR CAY CAR TGY GGN GGN GA; CTC CTC TCC TCT CCT CTT CCT)であり、R、N及びYは前記したとおりであることを特徴とし、
該方法が、
− 該方法の第1工程は、95℃に等しい温度で、4分間変性する工程であり、
− 35回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* 95℃に等しい温度で、40秒間変性する工程、
* 58℃に等しい温度で、1分間ハイブリダイズさせる工程、
* 72℃に等しい温度で、1分10秒間伸長させる工程、
を含み、そして、
− 該方法の最終工程は、72℃に等しい温度で、10分間伸長させて、
参照部分ヌクレオチド配列を得て、このコード配列の完全な決定を続ける工程であり、
該方法は、配列番号11のヌクレオチド配列を得るための5’RACE PCRの追加の工程を含むことを特徴とする、前記ヌクレオチド配列を調製する方法である。
− 配列番号2若しくは配列番号14の配列、
− 又は、特に1個以上のアミノ酸の置換、欠失又は付加により、配列番号2若しくは配列番号14の配列又は下記フラグメントから誘導された任意の配列、但し、該誘導された配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は、好ましくは配列番号2若しくは配列番号14の配列と少なくとも約75%、特に少なくとも約85%の相同性を有する、配列番号2若しくは配列番号14の配列又は下記フラグメントに対して相同の任意の配列であって、但し、該相同配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は、前記配列のうちの1つの任意のフラグメントであって、但し、該フラグメントは酸素の運搬を可能とするものとし、特に配列番号2の配列における少なくとも約60個のアミノ酸、特には少なくとも約160個の連続したアミノ酸からなる任意のフラグメント
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、前記タンパク質である。
− 配列番号4若しくは配列番号16の配列、
− 又は、特に1個以上のアミノ酸の置換、欠失又は付加により、配列番号4若しくは配列番号16の配列又は下記フラグメントから誘導された任意の配列であって、但し、該誘導された配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は、好ましくは配列番号4若しくは配列番号16の配列と少なくとも約75%、特に少なくとも約85%の相同性を有する、配列番号4若しくは配列番号16の配列又は下記フラグメントに対して相同の任意の配列であって、但し、該相同性配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は、前記配列のうちの1つの任意のフラグメントであって、但し、該フラグメントは酸素の運搬を可能とし、特に配列番号4の配列における少なくとも約60個のアミノ酸、特には少なくとも約160個の連続したアミノ酸からなる任意のフラグメント
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、前記タンパク質である。
− 配列番号6若しくは配列番号18の配列、
− 又は、特に1個以上のアミノ酸の置換、欠失又は付加により、配列番号6若しくは配列番号18の配列又は下記フラグメントから誘導された任意の配列であって、但し、該誘導された配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は、好ましくは配列番号6若しくは配列番号18の配列との少なくとも約75%、特に少なくとも約85%の相同性を有する、配列番号6若しくは配列番号18の配列又は下記フラグメントに対して相同の任意の配列であって、但し、該相同性配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は、前記配列のうちの1つの任意のフラグメントであって、但し、該フラグメントは酸素の運搬を可能とし、特に配列番号6の配列における少なくとも約60個のアミノ酸、特には約160個の連続したアミノ酸からなる任意のフラグメント
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、前記タンパク質である。
− 配列番号8若しくは配列番号20の配列、
− 又は、特に1個以上のアミノ酸の置換、欠失又は付加により、配列番号8若しくは配列番号20の配列又は下記フラグメントから誘導された任意の配列であって、但し、該誘導された配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は、好ましくは配列番号8若しくは配列番号20の配列との少なくとも約75%、特に少なくとも約85%の相同性を有する、配列番号8若しくは配列番号20の配列又は下記フラグメントに対して相同の任意の配列であって、但し、該相同性配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は、前記配列のうちの1つの任意のフラグメントであって、但し、該フラグメントは酸素の運搬を可能とし、特に配列番号8の配列における少なくとも約60個のアミノ酸、特には少なくとも約160個の連続したアミノ酸からなる任意のフラグメント
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、前記タンパク質である。
− 配列番号10の配列、
− 又は、特に1個以上のアミノ酸の置換、欠失又は付加により、配列番号10の配列又は下記フラグメントから誘導された任意の配列であって、但し、該誘導された配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は、好ましくは配列番号10の配列との少なくとも約75%の相同性を有する、配列番号10の配列又は下記フラグメントに対して相同の任意の配列、但し、該相同性配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は、前記配列のうちの1つの任意のフラグメントであって、但し、該フラグメントは酸素の運搬を可能とし、特に配列番号10の配列における少なくとも約60個のアミノ酸、特には少なくとも約160個の連続したアミノ酸からなる任意のフラグメント
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、前記タンパク質である。
− 配列番号12の配列、
− 又は、特に1個以上のアミノ酸の置換、欠失又は付加により、配列番号12の配列又は下記フラグメントから誘導された任意の配列であって、但し、該誘導された配列はグロビン鎖の互いの組み合わせを可能とするもの、
− 又は、好ましくは配列番号12の配列との少なくとも約75%の相同性を有する、配列番号12の配列又は下記フラグメントに対して相同の任意の配列であって、但し、該相同性配列はグロビン鎖の互いの組み合わせを可能とするもの、
− 又は、前記配列のうちの1つの任意のフラグメントであって、但し、該フラグメントはグロビン鎖の互いの組み合わせを可能とし、特に配列番号12の配列における少なくとも約60個のアミノ酸、特には少なくとも約280個の連続したアミノ酸からなる任意のフラグメント
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、前記タンパク質である。
− それぞれ、配列番号2又は配列番号14をコードする配列番号1又は配列番号13のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号1又は配列番号13の配列から、遺伝暗号の縮重により誘導され、そしてそれぞれ、配列番号2又は配列番号14により表されるタンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列、
− 又は、それぞれ配列番号2又は配列番号14から誘導されたタンパク質をコードする、配列番号1又は配列番号13の配列から、特に1個以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加により誘導された任意のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号1の配列との好ましくは少なくとも約60%の相同性を有する、配列番号1又は配列番号13に対して相同の任意のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号1のヌクレオチド配列又は前記ヌクレオチド配列の任意のフラグメントであって、該フラグメントは、好ましくは該配列中の少なくとも約180個のヌクレオチド、特には少なくとも約480個の連続したヌクレオチドにより構成されるもの、
− 又は、前記配列又はフラグメントに対して相補性の任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列又はフラグメントのうちの1つに相補性の配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる任意のヌクレオチド配列
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、前記ヌクレオチド配列にも関する。
− それぞれ、配列番号4又は配列番号16をコードする配列番号3又は配列番号15のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号3又は配列番号15の配列から、遺伝暗号の縮重により誘導され、そしてそれぞれ、配列番号4又は配列番号16により表されるタンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列、
− 又は、それぞれ配列番号4又は配列番号16から誘導されたタンパク質をコードする、配列番号3又は配列番号15の配列から、特に1個以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加により誘導された任意のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号3又は配列番号15の配列との好ましくは少なくとも約60%の相同性を有する、配列番号3又は配列番号15に対して相同の任意のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号3又は配列番号15のヌクレオチド配列又は前記ヌクレオチド配列の任意のフラグメントであって、該フラグメントは、好ましくは該配列中の少なくとも約180個のヌクレオチド、特には少なくとも約480個の連続したヌクレオチドから構成されるもの、
− 又は、前記配列又はフラグメントに対して相補性の任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列又はフラグメントのうちの1つに対して相補性の配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる任意のヌクレオチド配列
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、前記ヌクレオチド配列にも関する。
− それぞれ、配列番号6又は配列番号18をコードする配列番号5又は配列番号17のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号5又は配列番号17の配列から、遺伝暗号の縮重により誘導され、そしてそれぞれ、配列番号6又は配列番号18により表されるタンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列、
− 又は、それぞれ配列番号6又は配列番号18から誘導されたタンパク質をコードする、配列番号5又は配列番号17の配列から、特に1個以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加により誘導された任意のヌクレオチド配列、
− 又は、好ましくは配列番号5又は配列番号17の配列との少なくとも約60%の相同性を有する、配列番号5又は配列番号17に対して相同の任意のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号5又は配列番号17のヌクレオチド配列又は前記ヌクレオチド配列の任意のフラグメントであって、該フラグメントは、好ましくは該配列中の少なくとも約180個のヌクレオチド、特には少なくとも約480個の連続したヌクレオチドから構成されるもの、
− 又は、前記配列又はフラグメントに対して相補性の任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列又はフラグメントのうちの1つに相補性の配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる任意のヌクレオチド配列
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、前記ヌクレオチド配列にも関する。
− それぞれ、配列番号8又は配列番号20をコードする配列番号7又は配列番号19のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号7又は配列番号19の配列から、遺伝暗号の縮重により誘導され、そしてそれぞれ、配列番号8又は配列番号20により表されるタンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列、
− 又は、それぞれ配列番号8又は配列番号20から誘導されたタンパク質をコードする、配列番号7又は配列番号19の配列から、特に1個以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加により誘導された任意のヌクレオチド配列、
− 又は、好ましくは配列番号7の配列との少なくとも約60%の相同性を有する、配列番号7又は配列番号19に対して相同の任意のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号7又は配列番号19のヌクレオチド配列又は前記ヌクレオチド配列の任意のフラグメントであって、該フラグメントは、好ましくは該配列中の少なくとも約180個のヌクレオチド、特には少なくとも約480個の連続したヌクレオチドから構成されるもの、
− 又は、前記配列又はフラグメントに対して相補性の任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列又はフラグメントのうちの1つに相補性の配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる任意のヌクレオチド配列
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、前記ヌクレオチド配列にも関する。
− 配列番号10をコードする配列番号9のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号9の配列から、遺伝暗号の縮重により誘導され、そして配列番号10により表されるタンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号10から誘導されたタンパク質をコードする、配列番号9の配列から、特に1個以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加により誘導された任意のヌクレオチド配列、
− 又は、好ましくは配列番号9の配列との少なくとも約60%の相同性を有する、配列番号9に対して相同の任意のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号9のヌクレオチド配列又は前記ヌクレオチド配列の任意のフラグメントであって、該フラグメントは、好ましくは該配列中の少なくとも約180個のヌクレオチド、特には少なくとも約480個の連続したヌクレオチドから構成されるもの、
− 又は、前記配列又はフラグメントに対して相補性の任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列又はフラグメントのうちの1つに相補性の配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる任意のヌクレオチド配列
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、前記ヌクレオチド配列にも関する。
− 配列番号12をコードする配列番号11のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号11の配列から、遺伝暗号の縮重により誘導され、そして配列番号12により表されるタンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号12から誘導されたタンパク質をコードする、配列番号11の配列から、特に1個以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加により誘導された任意のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号11の配列との好ましくは少なくとも約60%の相同性を有する、配列番号11に対して相同の任意のヌクレオチド配列、
− 又は、配列番号11のヌクレオチド配列又は前記ヌクレオチド配列の任意のフラグメントであって、該フラグメントは、好ましくは該配列中の少なくとも約180個のヌクレオチド、特には少なくとも約800個の連続したヌクレオチドから構成されるもの、
− 又は、前記配列又はフラグメントに対して相補性の任意のヌクレオチド配列、
− 又は、前記配列又はフラグメントのうちの1つに相補性の配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる任意のヌクレオチド配列
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、前記ヌクレオチド配列にも関する。
− 前記ヘモグロビン分子を、少なくとも1つの解離剤及び還元剤、特にジチオスレイトール(DTT)又はトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)又はβ−メルカプトエタノール及び解離緩衝剤からなる混合物と、タンパク質鎖が互いに分離するのに十分な時間一緒にし、
該ヘモグロビン分子の解離、次いで還元を可能として、該分子を構成するタンパク質鎖を得る工程、
− 前記タンパク質鎖を単離する工程、
− 前記単離されたタンパク質鎖の各々を質量分析法及びエドマン配列決定によりミクロ配列決定し、5〜20個のアミノ酸からなる配列の各々に対応するミクロ配列を得る工程、
− 前記ミクロ配列から縮重したプライマー対(センス及びアンチセンス)を決定する工程、
− 先に得られたプライマーからポリメラーゼ連鎖増幅法(PCR)により前記タンパク質鎖をコードするヌクレオチド配列を調製する工程を含み、ここで、このポリメラーゼ連鎖増幅法(PCR)は、以下の工程:
− 該方法の第1工程は、アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖をコードするcDNAを約90℃〜約110℃の温度で、約10秒〜約5分間変性する工程であること、
− 約30〜40回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖をコードするcDNAを約90℃〜約110℃の温度で、約10秒〜約5分間変性する工程、
* 本発明のプライマー対を一本鎖cDNAの前記鎖に約50℃〜約56℃の温度で、約20秒〜約2分間ハイブリダイズさせて、ハイブリダイズしたプライマーを得る工程、
* 先に得られたハイブリダイズしたプライマーを約70℃〜約75℃の温度で、約20秒〜約1分30秒間ポリメラーゼにより伸長させる工程
を含むこと、そして
− 該方法の最終工程が、先に得られたハイブリダイズしたプライマーを、約70℃〜約75℃の温度で、約5分〜約15分間ポリメラーゼにより伸長させる工程であること
を含むことを特徴とする、方法に関する。
本発明の目的は、脊椎動物における血液代替物として海産多毛類(marine polychaete)アレニコラ マリナの細胞外ヘモグロビン(HbAm)の使用である。しかしながら、この虫は重要なバイオマスを表すとしても、遺伝子工学による合成が必須であり、そして必要な経路であることが証明された。ゆえに、この分子のセルフアセンブリー性(self-assembly property)から人工的、機能的かつ安定なヘモグロビンを発生させるためにHbAmを構成するタンパク質鎖の一次配列を得ることが一番に重要である。各サブユニットの解離プロトコール及びポリペプチド鎖への還元並びにこれらの鎖の精製、単離、ミクロ配列決定及び配列決定技術を以下に詳細に検討する。
1)研究した種: アレニコラ マリナ;潮間生態系のアンネリダ
Annelida Polychaete アレニコラ マリナは、40度線より上に位置した北大西洋、黒海及びアドリア海のすべての海岸全体にわたり広がっている定在の種である。ロスコフ(Roscoff)地域において、「釣り人の虫」("ver du pecheur")としてフランスで周知であるアレニコラは密な集団を形成する。これらの集団が生息している堆砂(sediment)は、糞により発生する粒子(coprogeneous particles)の盛り上がり(mounds)及び円錐形窪みによりそれぞれ形成された交互する突起(bumps)及び凹み(hollows)の不規則な表面を有する。アレニコラは砂中に作られた地下巣穴(galleries)に生息している。地下巣穴の構造は、外側に開口した分岐を有し、他方は閉じているU字形態にある。アレニコラは水平部分に入っており、その頭部端は出口のない部分(blind part)に向いている。アレニコラは砂を摂取し、同化可能な有機物質を抽出し、次いでその尻の端部を通して排便し、かくして砂のミミズの糞状の山を形成する。潮間帯の内側では、集団の分布及び密度は、グラニュロメトリー(granulometry)、有機物質及び塩分の濃度により本質的に制御される。
2.1 生物学的材料のサンプリング
前記動物をロスコフ(フランス)付近のペンプール湾(Baie de Penpoull)において低潮時に採集し、そして海水中に一夜保って、それらの消化管を空にする。血液サンプルを注射器を使用して背管脈から採取する。サンプルを氷上に採集し、そしてガラスウールを通してろ過する。分子の解離を回避し、そして組織デブリスを除去するために、低温遠心(4℃で15分間、15,000g)の後、上清をAmiconセル(Millipore)及び500kDaの「カットオフ」膜(500kDaより大きい質量のみが保持される)によって濃縮する。
血液が濃縮されると、排除(分子のサイズの関数としての分離、即ち、分子のサイズがより有意であればある程、それはより速く溶離される)による低圧ろ過(FPLC)は、低温室(4℃)中で、Sephacryl S−400ゲル(Amersham)20×103〜8000×103の分離範囲)のカラム(100×3cm)で行う。各精製はサンプル5mLで行い、アレニコラ マリナ生理食塩化緩衝剤(Arenicola marina salinated buffer)(2NソーダによりpH7.0に調整した、10mM Hepes;4mM KCl;145mM NaCl;0.2mM MgCl2)により溶離する。この第1の精製のために使用した流速は40r.p.mであり、そして第1の最も赤い画分(ヘムを含有する)のみを回収する。次いでこの画分を、10,000Da以上の重量を有する分子を保持するCentricon−10kDa管を使用して濃縮する。
アッセイのために使用するDrabkinの試薬(Sigma)は、溶液中のヘムの量を決定することを可能とする。ヘモグロビンは、フェリシアン化カリウム、シアン化カリウム及び重炭酸ナトリウムを含有するDrabkinの試薬と反応する。ヘモグロビンはフェリシアン化物の作用により、メトヘモグロビンに転換される。次いでメトヘモグロビンをシアン化物と反応させて、シアンメトヘモグロビンを形成する。540nmにおけるこの誘導体の吸光度は、溶液中のヘムの量に比例している。アレニコラ マリナの細胞外ヘモグロビン(HBL)は平均してタンパク質23,000g当たりヘム1モルを含有し、これは簡単な計算により、各サンプルのHBL濃度を得ることを可能とする。
かくして、数ミリグラムのアレニコラ マリナの細胞外ヘモグロビンを精製した。各バッチ(1mLアリコート)をSuperose 12−Cカラム(Pharmacia)でのFPLCにより分析して、サンプルの純度を確実にする(単一ピーク)。同様に、400nm〜700nmの範囲にわたるUVスペクトルを作成して、各バッチのヘモグロビンの機能性を証明する(図2)。三つの吸光度極大値を414、541及び577nmにおいて観察する。比較により、メトヘモグロビンは500及び635nmにおいて、2つの極大値を示すことが想起されるべきである。
アレニコラ マリナの細胞外ヘモグロビン(HbAm)の解離は全体的(total)でなければならず、そして機能的サブユニットを保持しなければならない。次いで、異なるサブユニットを単離し、この目的に開発された液体クロマトグラフィー技術(排除及びイオン交換)により分析する。
1.1 解離プロトコール
解離の予備的研究は、先行技術の刊行物(Vinogradov et al., 1979; Sharma et al., 1996; Mainwaring et al.,1986; Polidori et al.,1984; Kapp et al., 1984; Chiancone et al., 1972; Vinogradov et al., 1991; Krebs et al., 1996)から、即ち、単一の解離試薬:尿素、ヘテロポリタングステン酸イオン、グアニジニウム塩、SDS又は水酸化物イオンの存在下に開発された。使用した試薬は分子に対して異なって作用する:即ち、
− 水酸化物イオン(OH−)、SDS、グアニジニウム塩及びヘテロポリタングステン酸イオンは塩橋を脱安定化し、
− 尿素は疎水性相互作用を脱安定化する。
HBLの等電点(pHi)が4.69であるので(Vinogradov, 1985)、CIM DEAEディスクアニオンカラム(Interchim)でイオン交換分析を行う。実際に、HBLは、pHiより大きいpHでは負に帯電しており、故に正に帯電した樹脂(DEAE樹脂)上に固定される。溶離は0〜1Mの非線状NaCl勾配(pH7.0の解離緩衝剤中に希釈し、そして0.45μmを通してろ過した1M NaCl溶液)によりイオン力によって行う。pH7の解離緩衝剤を溶離緩衝剤として使用する。流速は4mL/分である。
Waters300C185μm(4.6×250mm)Symmetryカラムで逆相クロマトグラフィーを行う。アセトニトリル及びTFA(トリフルオロ酢酸)の存在下で、HbAmをその基本的サブユニット(三量体、一量体及びリンカー)に解離させ、そしてヘムをグロビンから解離させる。かくして、前処理することなく、HbAmをカラムヘッドにおいて解離させる。開発した方法を、下表に述べる。
2.1 排除クロマトグラフィー
部分的に解離したHbAmのクロマトグラムを、図3に示す。5つのピークが観察され、そして同定されなければならない。分子はそれらの減少する質量に従って溶離し、そして溶離したネイティブHbAmはホールドアップ容量(16分)にある。各ピークに対応する画分を、SDS−PAGEにより分析する(図4)。結果を、以下の表2に示す。
この方法が解発されると(表3)、画分を集め、濃縮し、そしてSDSゲルにより分析して、各ピークを同定する(図6及び表4)。
この方法が開発されると、画分を集め、凍結乾燥し、そして質量分析法により分析して各ピークを同定する。
解離速度論を排除クロマトグラフィーにより監視する。Milleniumソフトウエア(Waters)によるクロマトグラムの積分は、曲線下の面積から種々の化合物の百分率を計算することを可能とする。解離速度論の展開を、図7、8及び9に示す。
1)材料及び方法
前記プロトコール(pH9、pH10、3M尿素、4M尿素、pH10における3M尿素)に従って解離されたHbAmに対して再会合実験を行う。種々の再会合緩衝剤を試験して、最適再会合を得る。緩衝剤の変更(解離緩衝剤→再会合緩衝剤)を2つの異なる方法で行う:即ち、
− 解離したHbAmを、+4℃でCentricon−10(Millipore)で再会合緩衝剤4mLに対して4回洗浄する;
− 解離したHbAmをMilliQ水(Millipore)(2×2L)に対して24時間、次いで+4℃で再会合緩衝剤(3×2L)に対して48時間透析する。
アンネリダの細胞外ヘモグロビンに関するその後の結果に従えば(Mainwaring et al., 1986; Polidori et al.,1984)、二価イオン、例えば、Ca2+及びMg2+の存在がヘモグロビンの四次構造の維持のためには必要である。実際に、二価イオンはヘモグロビンの四次構造を安定化し、そして解離現象を遅くする(Sharma et al., 1996)。これらのイオンは、側鎖のカルボキシレート基及び主鎖のカルボニルとの複合体を形成する。二価イオンの存在は、カルボキシル基がイオン化されるとき、故に中でも解離がアルカリpHにおいて起こったとき、再会合に対する効果を有することができる。故に、再会合緩衝剤がカルシウム及び/又はマグネシウムを含有することは有意義である。これは、解離緩衝剤におけるEDTAの存在;これらの二価イオンをキレート化するEDTAの存在も説明する。今開発された緩衝剤は、濃HClによりpH7に調節されたTrisma塩基0.1M、NaCl400mM、2.95mMKCl、32mMMgSO4、11mMCaCl2から構成される。解離と同じ原理に従って再会合を監視する(図10及び11)。
1)逆相液体クロマトグラフィーによる分離の前のヘモグロビンの還元
HbAm(4mg/mL)をpH8〜9の解離緩衝剤(0.1Mtrisma又は10mM重炭酸アンモニウム)中に溶解した10%DTT(ジチオスレイトール)中で周囲の温度で30分間還元する。還元すると、得られたタンパク質鎖をpH8〜9の解離緩衝剤中に溶解した100mMヨードアセトアミドの存在下で、周囲温度で30分間アルキル化する。
2.1 材料及び方法
Waters Symmetry300C185μm(4.6×250mm)カラムで逆相クロマトグラフィーを行う。開発された方法を以下の表に記載し,そして得られたクロマトグラムを図12に示す。
3)二次元ゲルによるタンパク質鎖の分離
一次元における等電点電気泳動技術及び二次元におけるSDS−PAGE技術の組み合わせである二次元ゲルは、複雑なタンパク質混合物を分離することを可能とする。
FPLCによる精製の後に、アレニコラのヘモグロビンを透析し、そして凍結乾燥する。500μgを再水和緩衝剤中に取り込む。この緩衝剤は、4%Chaps(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパン−スルホネート;Sigma)、1%の調製されたばかりのDTT、プロテアーゼ阻害剤のカクテル(Bohringher)、TLCK50μg/ml(トリプシン阻害剤)及び1%ブロモフェノールブルー1μlを含有する。
18%ポリアクリルアミドの高密度(dense)溶液(2.5Mアクリルアミド;0.4Mトリス;30%グリセロールv/v);3.5mMドデシル硫酸ナトリウム(SDS);0.05%TEMED(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン;Sigma)(v/v);1.6mM過硫酸ナトリウム)25mlを一定の攪拌下に混合室に入れると共に、同容量の6%ポリアクリルアミドの低密度(light)溶液(アクリルアミド0.8M;Tris0.4M;SDS3.5mM;TEMED0.06%(v/v);過硫酸ナトリウム2.4mM)を他方の室に入れる。ゲルの頂部を二回蒸留水(bidistilled water)中の飽和イソブタノール溶液で覆う。次いでゲルを1時間放置して周囲温度で重合させ、次いでゲルの頂部を二回蒸留水で数回すすぎ、次いで全体を10℃で一夜置く。吸収紙を使用して残留水の除去の後に、濃厚ゲル溶液(0.56Mアクリルアミド;6.9mMメチレンビス−アクリルアミド;124mMTris;3.5mMSDS;0.05%TEMED(v/v);2.2mM過硫酸ナトリウム)を分離ゲル上に注ぎ、そしてバンドのブロットを形成することを可能とするくさび(shim)を、濃厚ゲル溶液に導入する。重合は周囲温度で1時間後に完了する。
次いで、逆相クロマトグラフィー及び二次元ゲルにより単離されたタンパク質鎖を消化し、そしてESI−Q−TOF型装置でのLC−MS/MS質量分析法により分析する。
各単離されたタンパク質鎖を、ミクロ配列決定によるそれらの分析前の必須の工程である、酵素による消化に付す。凍結乾燥したタンパク質鎖をmilliQ水溶液、エンドプロテアーゼ;リシン及びアルギニンのC末端レベルで加水分解して、一般に500〜2500Daの質量を有するペプチドを産生するトリプシン、を含有するアセトニトリル中に周囲温度で最小3時間にわたり溶解させる。
ゲルの各スポットを切り取って酵素消化に付す。この酵素消化工程は必須である。それは、酵素を使用して特定の方式でタンパク質をいくつかのペプチドに加水分解することからなる。
●炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)及びアセトニトリル(ACN)による引き続く洗浄は、ゲルのピース中に存在する染色剤を除去することを可能とし、
●ジチオスレイトール(DTT)との還元反応及びヨードアセトアミドとのアルキル化反応は、タンパク質配列中に存在する2つのシステイン間に形成されたジスルフィド橋及びシステイン−アクリルアミド結合の開放、次いでブロッキングを可能とする。
次いで抽出されたペプチドをPCRプレートに移行させる。この移行は、2回の15μLで行って、容量のすべてを回収する。予備カラムでのペプチドの保持を妨害することがあるアセトニトリルを除去するために、ナノLC−MS−MSによる分析の前に、2時間の蒸発(休止)の時間を適用する。
これは、二次元ゲルにより各別々の鎖タンパク質に対応する数百ミクロ配列を得ることを可能とした。
原理
N−メチルピペリジン緩衝剤の存在下で、Phenyl−Iso−Thio−Cyanate(PITC)をタンパク質の第一級及び第二級アミン官能基にカップリングさせる(PTC−タンパク質)。45℃での反応時間は18分である。下記のペプチド結合が弱められ、これは純粋なトリフルオロ酢酸(TFA)により3分間に切断されることを可能とし、かくして第一アミノ酸(AA)のアニリノ−チアゾリノン(ATZ)及び第一アミノ酸(AA)を失ったタンパク質を発生させることを可能とする。
かくして、逆相により単離された5つの一量体及びリンカーのN末端から約30個のアミノ酸を得ることが可能であった。
そのヌクレオチド配列が以下に示されている5つのグロビンA1、A2a、A2b、B1及びB2並びにリンカーL1のPCR増幅を、サブファミリーA1、A2、B1及びB2の特定の縮重したプライマー(センス及びアンチセンス)のデザインで開始した。前記した5つのグロビン(A1、A2a、A2b、B1及びB2)の増幅、次いで対応するPCR産物のクローニング及び配列決定を可能とするこれらのプライマーは、データバンクから入手可能なアンネリダグロビンのタンパク質配列のアラインメントからデザインされた。
グロビンA2a(配列番号2)をコードする配列番号1のヌクレオチド配列を得るために、プライマー対(配列番号19;配列番号20)を使用する。
反応当たり 5〜20ng cDNA
100ngセンスプライマー
100ngアンチセンスプライマー
dNTP200μM最終
MgCl22mM最終
緩衝剤PCR1X最終
1ユニットTaqポリメラーゼ
25μLとするのに十分な量の(qsf)H2O
グロビンA2b
グロビンA2b(配列番号4)をコードする配列番号3のヌクレオチド配列を得るために、プライマー対(配列番号21;配列番号20)を使用する。
グロビンA1(配列番号6)をコードする配列番号5のヌクレオチド配列を得るために、プライマー対(配列番号22;配列番号20)を使用する。
グロビンB2(配列番号8)をコードする配列番号7のヌクレオチド配列を得るために、プライマー対(配列番号23;配列番号20)を使用する。
グロビンB1(配列番号10)をコードする配列番号9のヌクレオチド配列を得るために、プライマー対(配列番号24;配列番号20)を使用する。
リンカーL1(配列番号12)をコードする配列番号11のヌクレオチド配列を得るために、プライマー対(配列番号25;配列番号20)を使用する。
Claims (30)
- アンネリダ(Annelida)、特にアレニコラ マリナ(Arenicola marina)の細胞外ヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖を得るための方法であって、
アンネリダ、特にアレニコラ マリナの細胞外ヘモグロビンのサンプルと少なくとも1つの解離剤、及び適当ならば還元剤、特にジチオスレイトール(DTT)又はトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)又はβ−メルカプトエタノール及び解離緩衝剤からなる混合物とを、タンパク質鎖が互いに分離するのに十分な時間一緒にする工程を含むことを特徴とする、方法。 - 解離緩衝剤が、pHを約5〜約12、好ましくは約7.5〜12に調整した約0.05M〜約0.1Mの濃度の緩衝剤、特にTrisma(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン)及びEDTA0〜10mMを含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 該分子を構成するタンパク質鎖が、例えばDTTの存在下で、還元剤による4つのサブユニットの還元により得られ、該サブユニット自体はアレニコラ マリナの細胞外ヘモグロビンのサンプルと種々の解離剤、特に解離緩衝剤とを一緒にすることにより得られることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の方法に従って得られるタンパク質鎖からプライマー対を調製する方法であって、該方法が、以下の工程:
− 請求項1〜3のいずれか1項記載の方法に従って得られるヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖の各々を単離する工程、
− 質量分析法及びエドマン配列決定により前記単離されたタンパク質鎖の各々をミクロ配列決定し、5〜20個のアミノ酸からなる配列の各々に対応するミクロ配列を得る工程、及び
− 前記ミクロ配列から縮重したプライマー対を決定する工程
を含むことを特徴とする、方法。 - 請求項4記載の方法に従って得られたプライマーから、アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖をコードするヌクレオチド配列を調製する方法であって、該方法が、以下の工程:
* アレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖の1つをコードする一本鎖cDNAを加熱により変性し、いかなる二次構造物及びRNA残留物をも変性する工程であって、該cDNAはmRNAから得られたものであり、この工程は変性された一本鎖cDNAの鎖を得ることを可能とし、及び
* 前記変性した一本鎖cDNAの鎖に前記方法により得られるプライマー対を適当な温度でハイブリダイズさせ、ハイブリダイズしたプライマーを得る工程、及び
* 先の工程で得られたハイブリダイズしたプライマーから、適当な温度でポリメラーゼによりcDNAの相補鎖を合成する工程
により構成されたサイクルを少なくとも30回繰り返すことを含む、ポリメラーゼ連鎖増幅法(PCR)に相当することを特徴とする、方法。 - 請求項6記載の調製方法であって、
− 該方法の第1工程が、約90℃〜約110℃の温度で、約10秒〜約5分間変性する工程であること、
− 約30〜40回繰り返すサイクルが、以下の工程:
* 約90℃〜約110℃の温度で、約10秒〜約5分間変性する工程、
* 約50℃〜約60℃、好ましくは約50℃〜約56℃の温度で、約20秒〜約2分間ハイブリダイズさせる工程、
* 約70℃〜約75℃の温度で、約20秒〜約1分30秒間伸長させる工程、
を含むこと、そして、
− 該方法の最終工程が、約70℃〜約75℃の温度で、約5分〜約15分間伸長させる工程であること
を特徴とする、調製方法。 - 使用するプライマー対が請求項5記載と同義であることを特徴とする、請求項6又は7記載の調製方法。
- 請求項8記載の調製方法であって、
使用するプライマー対が以下のもの:(GAR TGY GGN CCN TTR CAR CG;CTC CTC TCC TCT CCT CTT CCT)であり、R、Y及びNが請求項5記載と同義であることを特徴とし、
該方法が、
− 該方法の第1工程は、95℃に等しい温度で、4分間変性する工程であり、
− 35回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* 95℃に等しい温度で、30秒間変性する工程、
* 56℃に等しい温度で、30秒間ハイブリダイズさせる工程、
* 72℃に等しい温度で、40秒間伸長させる工程
を含み、そして、
− 該方法の最終工程は、72℃に等しい温度で、10分間伸長させ、配列番号13のヌクレオチド配列を得る工程であり、
該方法は、場合により、配列番号1のヌクレオチド配列を得るための5’RACE PCRの追加の工程を含むことを特徴とする、調製方法。 - 請求項8記載の調製方法であって、
使用するプライマー対が以下のもの:(TGY GGN ATH CTN CAR CG;CTC CTC TCC TCT CCT CTT CCT)であり、N、Y及びRが請求項5記載と同義であることを特徴とし、
該方法が、
− 該方法の第1工程は、95℃に等しい温度で、4分間変性する工程であり、
− 35回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* 95℃に等しい温度で、30秒間変性する工程、
* 53℃に等しい温度で、30秒間ハイブリダイズさせる工程、
* 72℃に等しい温度で、40秒間伸長させる工程
を含み、そして、
− 該方法の最終工程は、72℃に等しい温度で、10分間伸長させ、配列番号15のヌクレオチド配列を得る工程であり、
該方法は、場合により、配列番号3のヌクレオチド配列を得るための5’RACE PCRの追加の工程を含むことを特徴とする、調製方法。 - 請求項8記載の調製方法であって、
使用するプライマー対が以下のもの:(AAR GTI AAR CAN AAC TGG;CTC CTC TCC TCT CCT CTT CCT)であり、R、I及びNが請求項5記載と同義であることを特徴とし、
該方法が、
− 該方法の第1工程は、95℃に等しい温度で、4分間変性する工程であり、
− 35回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* 95℃に等しい温度で、1分間変性する工程、
* 50℃に等しい温度で、1分間ハイブリダイズさせる工程、
* 72℃に等しい温度で、1分30秒間伸長させる工程
を含み、そして、
− 該方法の最終工程は、72℃に等しい温度で、10分間伸長させ、配列番号17のヌクレオチド配列を得る工程であり、
該方法は、場合により、配列番号5のヌクレオチド配列を得るための5’RACE PCRの追加の工程を含むことを特徴とする、調製方法。 - 請求項8記載の調製方法であって、
使用するプライマー対が以下のもの:(TGY TGY AGY ATH GAR GAY CG;CTC CTC TCC TCT CCT CTT CCT)であり、Y、H及びRが請求項5記載と同義であることを特徴とし、
該方法が、
− 該方法の第1工程は、95℃に等しい温度で、4分間変性する工程であり、
− 35回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* 95℃に等しい温度で、30秒間変性する工程、
* 52℃に等しい温度で、40秒間ハイブリダイズさせる工程、
* 72℃に等しい温度で、30秒間伸長させる工程
を含み、そして、
− 該方法の最終工程は、72℃に等しい温度で、10分間伸長させ、配列番号19のヌクレオチド配列を得る工程であり、
該方法は、場合により、配列番号7のヌクレオチド配列を得るための5’RACE PCRの追加の工程を含むことを特徴とする、調製方法。 - 請求項8記載の調製方法であって、
使用するプライマー対が以下のもの:(AAR GTN ATH TTY GGN AGR GA;CTC CTC TCC TCT CCT CTT CCT)であり、R、H、N及びYは請求項5記載と同義であることを特徴とし、
該方法が、
− 該方法の第1工程は、95℃に等しい温度で、4分間変性する工程であり、
− 35回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* 95℃に等しい温度で、30秒間変性する工程、
* 52℃に等しい温度で、40秒間ハイブリダイズさせる工程、
* 72℃に等しい温度で、30秒間伸長させる工程
を含み、そして、
− 該方法の最終工程は、72℃に等しい温度で、10分間伸長させ、部分的参照ヌクレオチド配列を得る工程であり、
該方法は、配列番号9のヌクレオチド配列を得るための5’RACE PCRの追加の工程を含むことを特徴とする、調製方法。 - 請求項8記載の調製方法であって、
使用するプライマー対が以下のもの:(GAR CAY CAR TGY GGN GGN GA;CTC CTC TCC TCT CCT CTT CCT)であり、R、N及びYは請求項5記載と同義であることを特徴とし、
該方法が、
− 該方法の第1工程は、95℃に等しい温度で、4分間変性する工程であり、
− 35回繰り返すサイクルは、以下の工程:
* 95℃に等しい温度で、40秒間変性する工程、
* 58℃に等しい温度で、1分間ハイブリダイズさせる工程、
* 72℃に等しい温度で、1分10秒間伸長させる工程、
を含み、そして、
− 該方法の最終工程は、72℃に等しい温度で、10分間伸長させ、部分的参照ヌクレオチド配列を得る工程であり、
該方法は、配列番号11のヌクレオチド配列を得るための5’RACE PCRの追加の工程を含むことを特徴とする、調製方法。 - 請求項6〜14のいずれか1項記載の方法に従って得られた配列の1つによりコードされるタンパク質。
- 請求項15記載のタンパク質であって、
該タンパク質が、
− 配列番号2の配列、
− 又は配列番号2の配列又は下記フラグメントから、特に1個以上のアミノ酸の置換、欠失又は付加により、誘導された任意の配列であって、但し、該誘導された配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は配列番号2の配列又は下記フラグメントに対して相同の任意の配列であって、好ましくは配列番号2の配列と少なくとも約75%の相同性を有し、但し、該相同配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は前記配列のうちの1つの任意のフラグメントであって、但し、該フラグメントは酸素の運搬を可能とし、特に配列番号2の配列における少なくとも約60個のアミノ酸、特には少なくとも約160個の連続したアミノ酸からなる任意のフラグメント
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、請求項15記載のタンパク質。 - 請求項15記載のタンパク質であって、
該タンパク質が、
− 配列番号4の配列、
− 又は配列番号4の配列又は下記フラグメントから、特に1個以上のアミノ酸の置換、欠失又は付加により、誘導された任意の配列であって、但し、該誘導された配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は配列番号4の配列又は下記フラグメントに対して相同の任意の配列であって、好ましくは配列番号4の配列と少なくとも約75%の相同性を有し、但し、該相同配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は前記配列のうちの1つの任意のフラグメントであって、但し、該フラグメントは酸素の運搬を可能とし、特に配列番号4の配列における少なくとも約60個のアミノ酸、特には少なくとも約160個の連続したアミノ酸からなる任意のフラグメント
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、請求項15記載のタンパク質。 - 請求項15記載のタンパク質であって、
該タンパク質が、
− 配列番号6の配列、
− 又は配列番号6の配列又は下記フラグメントから、特に1個以上のアミノ酸の置換、欠失又は付加により、誘導された任意の配列であって、但し、該誘導された配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は配列番号6の配列又は下記フラグメントに対して任意の相同の配列であって、好ましくは配列番号6の配列と少なくとも約75%の相同性を有し、但し、該相同配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は前記配列のうちの1つの任意のフラグメントであって、但し、該フラグメントは酸素の運搬を可能とし、特に配列番号6の配列における少なくとも約60個のアミノ酸、特には少なくとも約160個の連続したアミノ酸からなる任意のフラグメント
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、請求項15記載のタンパク質。 - 請求項15記載のタンパク質であって、
該タンパク質が、
− 配列番号8の配列、
− 又は配列番号8の配列又は下記フラグメントから、特に1個以上のアミノ酸の置換、欠失又は付加により、誘導された任意の配列であって、但し、該誘導された配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は配列番号8の配列又は下記フラグメントに対して相同の任意の配列であって、好ましくは配列番号8の配列と少なくとも約75%の相同性を有し、但し、該相同配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は前記配列のうちの1つの任意のフラグメントであって、但し、該フラグメントは酸素の運搬を可能とし、特に配列番号8の配列における少なくとも約60個のアミノ酸、特には少なくとも約160個の連続したアミノ酸からなる任意のフラグメント
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、請求項15記載のタンパク質。 - 請求項15記載のタンパク質であって、
該タンパク質が、
− 配列番号10の配列、
− 又は配列番号10の配列又は下記フラグメントから、特に1個以上のアミノ酸の置換、欠失又は付加により、誘導された任意の配列であって、但し、該誘導された配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は配列番号10の配列又は下記フラグメントに対して相同の任意の配列であって、好ましくは配列番号10の配列と少なくとも約75%の相同性を有し、但し、該相同配列は酸素の運搬を可能とするもの、
− 又は前記配列のうちの1つの任意のフラグメントであって、但し、該フラグメントは酸素の運搬を可能とし、特に配列番号10の配列における少なくとも約60個のアミノ酸、特には少なくとも約160個の連続したアミノ酸からなる任意のフラグメント
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、請求項15記載のタンパク質。 - 請求項15記載のタンパク質であって、
該タンパク質が、
− 配列番号12の配列、
− 又は配列番号12の配列又は下記フラグメントから、特に1個以上のアミノ酸の置換、欠失又は付加により、誘導された任意の配列であって、但し、該誘導された配列はグロブリン鎖の互いの組み合わせを可能とするもの、
− 又は配列番号12の配列又は下記フラグメントに対して相同の任意の配列であって、好ましくは配列番号12の配列と少なくとも約75%の相同性を有し、但し、該誘導された配列はグロブリン鎖の互いの組み合わせを可能とするもの、
− 又は前記配列のうちの1つの任意のフラグメントであって、但し、該フラグメントはグロブリン鎖の互いの組み合わせを可能とし、特に配列番号12の配列における少なくとも約60個のアミノ酸、特には少なくとも約280個の連続したアミノ酸からなる任意のフラグメント
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、請求項15記載のタンパク質。 - 請求項6〜14のいずれか1項記載の方法に従って得られたヌクレオチド配列。
- 請求項15〜21のいずれか1項記載のタンパク質をコードするヌクレオチド配列。
- 請求項23記載のヌクレオチド配列であって、
該ヌクレオチド配列が、
− 配列番号2をコードする配列番号1のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号1の配列から、遺伝暗号の縮重により誘導され、そして配列番号2により表されるタンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号2から誘導されたタンパク質をコードする配列番号1の配列から、特に1個以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加により、誘導された任意のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号1に対して相同の任意のヌクレオチド配列であって、好ましくは配列番号1の配列と少なくとも約60%の相同性を有するもの、
− 又は配列番号1のヌクレオチド配列又は前記ヌクレオチド配列の任意のフラグメントであって、該フラグメントは、好ましくは該配列中の少なくとも約180個のヌクレオチド、特には少なくとも約480個の連続したヌクレオチドにより構成されるもの、
− 又は前記配列又はフラグメントに対して相補性の任意のヌクレオチド配列、
− 又は前記配列又はフラグメントのうちの1つに対して相補性の配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる任意のヌクレオチド配列
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、請求項23記載のヌクレオチド配列。 - 請求項23記載のヌクレオチド配列であって、
該ヌクレオチド配列が、
− 配列番号4をコードする配列番号3のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号3の配列から、遺伝暗号の縮重により誘導され、そして配列番号4により表されるタンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号4から誘導されたタンパク質をコードする配列番号3の配列から、特に1個以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加により、誘導された任意のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号3に対して相同の任意のヌクレオチド配列であって、好ましくは配列番号3の配列と少なくとも約60%の相同性を有するもの、
− 又は配列番号3のヌクレオチド配列又は前記ヌクレオチド配列の任意のフラグメントであって、該フラグメントは、好ましくは該配列中の少なくとも約180個のヌクレオチド、特には少なくとも約480個の連続したヌクレオチドにより構成されるもの、
− 又は前記配列又はフラグメントに対して相補性の任意のヌクレオチド配列、
− 又は前記配列又はフラグメントのうちの1つに対して相補性の配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる任意のヌクレオチド配列
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、請求項23記載のヌクレオチド配列。 - 請求項23記載のヌクレオチド配列であって、
該ヌクレオチド配列が、
− 配列番号6をコードする配列番号5のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号5の配列から、遺伝暗号の縮重により誘導され、そして配列番号6により表されるタンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号6から誘導されたタンパク質をコードする配列番号5の配列から、特に1個以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加により、誘導された任意のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号5に対して相同の任意のヌクレオチド配列であって、好ましくは配列番号5の配列と少なくとも約60%の相同性を有するもの、
− 又は配列番号5のヌクレオチド配列又は前記ヌクレオチド配列の任意のフラグメントであって、該フラグメントは、好ましくは該配列中の少なくとも約180個のヌクレオチド、特には少なくとも約480個の連続したヌクレオチドにより構成されるもの、
− 又は前記配列又はフラグメントに対して相補性の任意のヌクレオチド配列、
− 又は前記配列又はフラグメントのうちの1つに対して相補性の配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる任意のヌクレオチド配列
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、請求項23記載のヌクレオチド配列。 - 請求項23記載のヌクレオチド配列であって、
該ヌクレオチド配列が、
− 配列番号8をコードする配列番号7のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号7の配列から、遺伝暗号の縮重により誘導され、そして配列番号8により表されるタンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号8から誘導されたタンパク質をコードする配列番号7の配列から、特に1個以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加により、誘導された任意のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号7に対して相同の任意のヌクレオチド配列であって、好ましくは配列番号7の配列と少なくとも約60%の相同性を有するもの、
− 又は配列番号7のヌクレオチド配列又は前記ヌクレオチド配列の任意のフラグメントであって、該フラグメントは、好ましくは該配列中の少なくとも約180個のヌクレオチド、特には少なくとも約480個の連続したヌクレオチドにより構成されるもの、
− 又は前記配列又はフラグメントに対して相補性の任意のヌクレオチド配列、
− 又は前記配列又はフラグメントのうちの1つに対して相補性の配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる任意のヌクレオチド配列
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、請求項23記載のヌクレオチド配列。 - 請求項23記載のヌクレオチド配列であって、
該ヌクレオチド配列が、
− 配列番号10をコードする配列番号9のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号9の配列から、遺伝暗号の縮重により誘導され、そして配列番号10により表されるタンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号10から誘導されたタンパク質をコードする配列番号9の配列から、特に1個以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加により、誘導された任意のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号9に対して相同の任意のヌクレオチド配列であって、好ましくは配列番号9の配列と少なくとも約60%の相同性を有するもの、
− 又は配列番号9のヌクレオチド配列又は前記ヌクレオチド配列の任意のフラグメントであって、該フラグメントは、好ましくは該配列中の少なくとも約180個のヌクレオチド、特には少なくとも約480個の連続したヌクレオチドにより構成されるもの、
− 又は前記配列又はフラグメントに対して相補性の任意のヌクレオチド配列、
− 又は前記配列又はフラグメントのうちの1つに対して相補性の配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる任意のヌクレオチド配列
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、請求項23記載のヌクレオチド配列。 - 請求項23記載のヌクレオチド配列であって、
該ヌクレオチド配列が、
− 配列番号12をコードする配列番号11のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号11の配列から、遺伝暗号の縮重により誘導され、そして配列番号12により表されるタンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号12から誘導されたタンパク質をコードする配列番号11の配列から、特に1個以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加により、誘導された任意のヌクレオチド配列、
− 又は配列番号11に対して相同の任意のヌクレオチド配列であって、好ましくは配列番号11の配列と少なくとも約60%の相同性を有するもの、
− 又は配列番号11のヌクレオチド配列又は前記ヌクレオチド配列の任意のフラグメントであって、該フラグメントは、好ましくは該配列中の少なくとも約180個のヌクレオチド、特には少なくとも約800個の連続したヌクレオチドにより構成されるもの、
− 又は前記配列又はフラグメントに対して相補性の任意のヌクレオチド配列、
− 又は前記配列又はフラグメントのうちの1つに対して相補性の配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる任意のヌクレオチド配列
を含むこと、あるいはそれより構成されることを特徴とする、請求項23記載のヌクレオチド配列。 - アンネリダ、特にアレニコラ マリナのヘモグロビン分子を構成するタンパク質鎖をコードするヌクレオチド配列のための請求項6記載の調製方法であって、該方法が、以下の工程:
− 前記ヘモグロビン分子を、少なくとも1つの解離剤及び還元剤、特にジチオスレイトール(DTT)又はトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)又はβ−メルカプトエタノール及び解離緩衝剤からなる混合物と、タンパク質鎖が互いに分離するのに十分な時間一緒にし、
該ヘモグロビン分子の解離、次いで還元を可能として、該分子を構成するタンパク質鎖を得る工程、
− 前記タンパク質鎖の各々を単離する工程、
− 質量分析法及びエドマン配列決定により前記単離されたタンパク質鎖の各々をミクロ配列決定し、5〜20個のアミノ酸からなる配列の各々に対応するミクロ配列を得る工程、
− 前記ミクロ配列から縮重したプライマー対を決定する工程、
− 先に得られたプライマーから、ポリメラーゼ連鎖増幅法(PCR)により前記タンパク質鎖をコードするヌクレオチド配列を調製する工程を含み、
ここで、このポリメラーゼ連鎖増幅法(PCR)は、以下の工程:
− 該方法の第1工程は、約90℃〜約110℃の温度で、約10秒〜約5分間変性する工程であること、
− 約30〜40回繰り返されるサイクルが、以下の工程:
* 約90℃〜約110℃の温度で、約10秒〜約5分間変性する工程、
* 約50℃〜約56℃の温度で、約20秒〜約2分間ハイブリダイズさせる工程、
* 約70℃〜約75℃の温度で、約20秒〜約1分30秒間伸長させる工程、
を含むこと、そして
− 該方法の最終工程が、約70℃〜約75℃の温度で、約5分〜約15分間伸長させる工程であること
を含むことを特徴とする、方法。
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