JP2007503543A - ロータリー機構 - Google Patents

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Abstract

ロータリー機構(10)は、ハウジング(11)の内壁(16)により規定されている環状のチャンバ(12)を有している。対称的な2つのローブを備えた回転子(15)は、対向する2つの側面(21a、21b)と両頂点(22)の間の長手方向の軸とを有している。駆動シャフト(50)は、回転子をブロック(51)とスロット(52)との往復運動する配置と第2の支持手段(53)とにより偏心的に回転させている。回転子の中心は、チャンバ(12)の中の円形の軌道に従っている。両頂点(22)は、連続的に内壁(16)をスイープし、関連する流体入口ポート及び出口ポート(31、35)を有する連続的に容積が増減するキャビティ(25)を生じている。

Description

本発明は、チャンバ内の流体を圧縮又は膨張するためにこの閉鎖チャンバの内側で偏心的に駆動されている2つのローブを備えた回転子を有する類のロータリー機構に関する。
ロータリー機構は、油圧ポンプと、ガスコンプレッサと、ガスエキスパンダと、ロータリーエンジンとを含む全ての様式の機械に応用を有している。
ポンプと、コンプレッサと、エキスパンダと、ロータリーエンジンとの中での動作を意図された多数の様々なタイプのロータリー機械が提案されてきた。ほとんどの既知のロータリー機械は、上述の応用のいずれか1つに限られた良好な動作を行ってきた。そして、これら全ての応用においての良好な動作に適したロータリー機械は知られていない。
特定のタイプのロータリー機械は、円コンコイドの構成を有する環状のチャンバの中に回転可能に取り付けられている2つのローブを備えたレンズ形状の回転子すなわちブレードを有している。2つのローブを備えた回転子の回転運動は、この2つのローブを備えた回転子の両頂点がチャンバの内壁と摺動し封止された接触を常に保つことを確実にするように注意深くガイドされなければならない。このことによって、回転子とチャンバ壁との間の空間の容積を連続的に変化させている。チャンバの中への入口により、流体の流入を可能にし、この流体は、回転子によって圧縮されるとすぐに、出口を通して排出される。
ある既知のロータリー機械においては、開放端のクランクシャフトが、チャンバの一方の端カバーを通って延び、回転子を支持している。駆動機構が、このクランクシャフトを回転し、それによって、この回転子をチャンバの中で回転させている。回転子の運動は、レンズ形状の回転子の一端の中に嵌合されたギアシステムによりガイドされている。この設計に伴う問題は、このギアシステムが、動作中の高い振動の応力と、機械への負荷とに十分に耐久しないことである。
上述のタイプのロータリー機械は、回転子の重心が、偏心的に回転し、一方向への傾き又は張力(pull)を本質的に受ける。チャンバのハウジングの硬さを向上させ、回転する釣合いおもりを導入するにもかかわらず、ギアシステムガイド手段を回転子の一側面に有する設計又は機械の対称性が乱されている他のどんな設計も依然として通常の機械の傾きを打ち消すことができず、したがって、バランスを欠いて動作する。
既知のロータリー機械の他の翻案は、複数のスロットを通って延びている複数のスピンドルを用い、これらスロットとスピンドルとの相互関係は、これらスロットの中でのスピンドルの往復の摺動が、回転子をチャンバの中で偏心的に回転させるようにガイドするようなものである。しかしながら、この設計は、ポンプと、コンプレッサと、エキスパンダと、エンジンなどの通常の動作条件の下での連続的な振動の応力を支持するには、構造的に弱すぎる。これらスピンドルは、回転子のサイクルの間、各々が、動いている回転子の全負荷を支持し、反復される荷重にたえることができず、せん断されてしまう。
内燃機関に関する限り、ワンケルのロータリー設計だけが、エンジンにおいて良好に用いられてきた。しかしながら、このワンケルエンジンさえも外トロコイド形状のチャンバの中を回転する3つのローブを備えた回転子の結果としての低い熱力学的効率によりワンケルエンジンが高速回転での使用と軽車両とだけに適し得るという点で故障してしまう。上死点でのエンジンの最大の圧縮において外トロコイド形状のチャンバをまたいでおり(straddles)、回転子とチャンバ壁との間に圧縮されていない燃料の2つの小さな間隔を残している。回転子によるチャンバとの接触の欠損は、低い回転で特に顕著である。この形状のチャンバの中で3つのローブを備えた回転子を封止することは、また、特に難しい。
全てのロータリー機械において、特定の熱力学的な非効率は、良好なチャンバの封止を維持することが難しいことによりもたらされる。多くの既知のロータリー機械は、しばしば複雑なチャンバ形状にしたがって複雑な回転子を有しているので、これの複数の頂点における先端の封止部分は、回転子から比較的大きな量そして比較的小さな量だけ延びることが必要とされている。多くの場合に、この先端の封止部分は、回転子が回転している間、負荷を支持し、これら封止部分を磨耗と漏れとを受けやすくしてしまう。ギアシステムとスロットとのような追加的な特徴は、流体の漏れが起こり得る領域の数を増加させる。追加的な特徴のサイズと位置取りとのために、封止部分を置くことは、効果的でない可能性がある。回転子とチャンバの形状とがより複雑になればなるほど、チャンバの封止でより大きな困難にであうことが認められる。加えて、より多くの数の構成要素を有するより複雑な設計は、製造し、維持するのがより高価でより難しい。
しばしば、ロータリー機械は、回転子を効果的に冷却するのが難しかったという点で他の熱力学的な不利な点も欠点として持っている。冷却の問題は、翻って、金属の無欠の状態、特に回転子の無欠の状態を維持することの困難を引き起こし、回転子は、高温に達し得る。
機械部品、特に、ギアシステムとスロットシステムとのような回転子の駆動手段の磨耗は、機械の突然の不調(seizure)をもたらす普通の問題である。この主な理由は、多くの設計部分で可動な構成要素が、大きな点負荷を支持することを余儀なくされるか、非一様な負荷を支持することを余儀なくされ、結果として、構成要素の一部分が他の部分よりも余計に磨耗することがもたらされることである。このことは、翻って、比較的大きな負荷を弱い点に据えることにより磨耗を悪化させるさらなる振動を生じる。
したがって、エンジンとして熱力学的に効率的に動作し、あらゆる様式の車両に十分な動力を供給することができる圧縮比を与える、改良されたロータリー機構が必要とされている。この機構は、製造するのが経済的で、良好に封止と磨耗とを行い、ポンプ、コンプレッサ、エンジンなどのように動作する時に容易に全負荷を支持するべきである。
一実施の形態に係われば、本発明は、
内壁によりほぼ環状に囲まれたチャンバを規定しているハウジングと、
2つのローブを備え、両頂点の間に長軸を有する対称的な回転子と、
前記両頂点が連続的に前記内壁を(in a wall)スイープし、このことにより、各ローブとこの内壁との間に連続的に容積が増減するキャビティを生じるように、前記回転子を摺動するように支持し、前記チャンバの中を偏心的に回転させる駆動シャフトと、
前記キャビティの中への流体の供給と中からの排出とのための互いに離間された入口ポート及び排出ポートとを具備し、
前記回転子は、ブロックとスロットとの往復する機構と、第2支持手段とにより、前記駆動シャフトに摺動し偏心的に回転するように支持されているロータリー機構を提供する。
他の実施の形態に係われば、本発明は、
内壁によりほぼ環状に囲まれたチャンバを規定しているハウジングと、
2つのローブを備え、両頂点の間に長手方向の中心軸を有する対称的な回転子とを具備し、この回転子は、前記両頂点が連続的に前記内壁をスイープし、このことにより、各ローブとこの内壁との間に連続的に容積が増減するキャビティを生じるように、摺動して、チャンバの中を偏心的に回転するように、このチャンバの中に配置され、この回転子は、このチャンバの少なくとも一端を通って延びているシャフトに取り付けられ、このシャフトは、前記回転子に位置されている細長いスロットに対する往復運動のためのブロックにより規定されている第1ガイド手段を支持し、この結果、前記ブロックとシャフトとは、前記回転子の摺動と偏心的な回転とを可能にし、
前記キャビティの中への流体の供給と中からの排出とのための互いに離間された入口ポート及び排出ポートと、
前記回転子をガイドし、前記両頂点が、動作の間、前記内壁と連続的な、封止された接触をしていることを確実にするように、前記第1ガイド手段と相互作用している第2ガイド手段とをさらに具備し、このガイド手段は、前記チャンバの中心からずれた原点に中心を有するロータリー機構を提供する。
前記ガイド手段は、相互に係合する複数のガイド構成要素の間の接触負荷が、このガイド構成要素に沿って一様に分布するように、整合する接触表面を有するように構成されたガイド構成要素であることが好ましい。
このガイド構成要素は、前記環状のチャンバの少なくとも一端に取り付けられている円形のガイドディスクと、このガイドディスクを受けるような前記回転子の1つの側面の対応する円形のくぼみを具備し、このくぼみは、中心を前記回転子の中心に有し、この回転子のディスクでの制限された運動を可能にするように前記ガイドディスクよりも大きいことが好ましい。
前記ガイドディスクの中心は、典型的に前記チャンバの中心からずれており、特に、このチャンバの中心軸と前記シャフトの軸中心との間の中間に(midways)位置している。
2つのガイドディスクが各チャンバ端に1つずつ設けられ、これらディスクは、前記回転子の各側面に位置する対応する円形のくぼみで受けることが可能であることが好ましい。前記シャフトは、前記回転子とチャンバとを通って延びている単一のブロックシャフトであり、前記細長いスロットは、前記回転子の長軸に沿って向けられていることが好ましい。
本発明の他の実施の形態に係われば、
内壁により、ほぼ環状に囲われたチャンバを規定しているハウジングと、
2つのローブを備え、両頂点の間に長手方向の中心軸を有する対称的な回転子とを具備し、この回転子は、前記両頂点が連続的に前記内壁をスイープし、このことにより、各ローブとこの内壁との間に連続的に容積が増減するキャビティを生じるように、摺動して、チャンバの中を偏心的に回転するように、このチャンバの中に配置され、前記回転子は、前記チャンバの一方の端を通って延びている第1シャフトと、他方の端を通って延びている第2シャフトとを有しているスプリットシャフトシステムに取り付けられ、前記第1シャフトは、前記回転子の長軸に沿って向けられている第1の細長いスロットに対する往復運動のために取り付けられている第1ブロックを支持し、前記第2シャフトは、この第1シャフトに直交して向けられている第2の細長いスロットに対する往復運動のために取り付けられているブロックを支持し、前記両ブロック及び両シャフトは、前記回転子の摺動と偏心的な回転とを可能にし、この回転子の負荷は、各ブロック及びシャフトにより連続的に支持されており、
前記キャビティの中への流体の供給と中からの排出とのための互いに離間された入口ポート及び出口ポートとをさらに具備するロータリー機構がさらに提供されている。
前記第1及び第2シャフトは、軸方向に互いにずれて整列し、一方のシャフトは、軸中心をチャンバの中心軸と一致させて整列していることが好ましい。
前記回転子の円状の軌道の中心は、前記チャンバの中心軸からずれており、特に、この中心軸と、この中心軸と整列していない前記シャフトの軸中心との間の中点(midway)にある。
ポートの取り方(porting)に依存して、このような装置を、容積式油圧ポンプ、ガスコンプレッサ、ガスエキスパンダ又はロータリーエンジンとして用いることができる。
本発明は、例として添付した図面を参照して、さらに説明される。
図1と図2とは、油圧ポンプ、ガスコンプレッサ、ガスエキスパンダ及びロータリーエンジンを含む様々な応用での使用のために適しているロータリー機構10の2つの実施の形態を示している。両方の実施の形態において、この機構10は、囲まれたチャンバの中に配置されている回転子を有し、この回転子は、このチャンバの中の閉鎖された空間のサイズを連続的に増減させている。このことによって、流体を入口を通してこのチャンバの中に引き込み、複数の入口及び出口ポートの位置に依存して、そして、ポートの動作に依存して(すなわち、開バルブ(open valve)又はタイムドバルブ(timed valve)として動作するポート)、この流体を膨張させ又はこの流体を圧縮させている。この流体は、それから出口ポートを通して排出されている。
図面に示されている両方の実施の形態は、ほぼ環状のチャンバ12を備えたハウジング11を有しているロータリー機構10を示している。このチャンバ12は、内側チャンバ壁16と、複数のハウジング端カバー13とにより規定され、これら端カバー13は、両実施形態の間で構造が異なっている(図6と図12とを見よ)。各端カバー13は、これらカバーの中のベアリング14に軸支されているシャフトを支持している。ここで開示されている両実施形態は、各カバーから延びている単一のブロックシャフト又はスプリットシャフトを示しているが、回転子の特質は、特に、第2の実施形態を参照すると、前記機構が、端カバー13を1つだけ通って延びている単一のブロックシャフトで十分に動作することができるようなことであることが理解される。
チャンバ12の中に2つのローブ(lobe)から成るレンズ状の回転子が位置されている。このロータは、長い長手方向軸20と垂直な短い軸23との周りに形状が対称的である。これら長い軸と短い軸との交差は、回転子の中心軸30を規定している。この回転子の長い長手方向軸20は、2つのローブ21の交差部、すなわち、回転子の頂点22と交差している。2つの対称的なローブ21は、長軸20に沿って両頂点に向かって内側に細くなっている。ばねが入れられた(spring loaded)先端の封止部分(図示されていない)が、両頂点から外側に延び、チャンバの内壁に連続的に当たるように適合されている。先端の封止部分のスプリングが入れられた態様は、チャンバの壁の不完全さにより又は設計によりもたらされ得るこのチャンバ壁16と頂点22との間の小さなギャップを埋めている。
回転子の端表面24a、24bは、互いに平行であり、ハウジング11の定常的な端カバー13に接して小さな隙間で動いている。各端表面と隣接している端カバー13との間の隙間は、回転子の制約されない動きを可能にするが、この回転子と両端カバーとの間の流体の漏れを防止している。回転子の側面に封止部分を導入することと、両端カバー13と端表面24a、24bとの間の潤滑油とにより、回転子の運動が補助され、漏れに対する隙間が封止されている。
回転子は、両頂点が内側チャンバ壁16に沿って連続的にスイープし、この回転子15の各回転に伴って容積が連続的に増減する各ローブ21に隣接する、閉鎖されたキャビティを作っている内壁と封止接触しているように、チャンバ12の中で円形のコンコイドの形で摺動しているように合わせられている。両頂点の先端の封止部分は、キャビティ25の間で流体が漏れることを防止している。この閉鎖されたキャビティ25の変化する容積は、回転子15が、チャンバの中を回転するにつれてしたがっている円形のコンコイドの形の経路の結果として生じている。すなわち、この回転子の中心軸30は、チャンバ12に対して固定点ではなく、むしろこのチャンバの中心軸32に対して中心からずれて位置している原点31の周囲を軌道を描いて回るセントロード33として呼ばれる円形の軌道にしたがっている。
図1乃至6に示されている第1のスプリットシャフトの実施形態において、原点31は、第1のスプリットシャフト41と第2のスプリットシャフト44のそれぞれの軸方向中心46、47の間の中間に位置している。図7乃至12に示されている第2の一直線のシャフトの実施形態において、原点31は、チャンバ12の中心軸32と単一のシャフト50の軸中心57との間の中間に位置している。
回転子のセントロードの原点31をチャンバの中心軸32からずらせて、この回転子は、このチャンバに対して偏心的に摺動して回転し、これによって、連続的に変化する容積を有する2つの対向するキャビティを生じている。断面図2乃至5と8乃至11とは、この機構の第1及び第2の実施の形態の構成要素の幾何学的な相互関係を示している。特に回転子のセントロード33とその原点31とは、明確に特定されている。
チャンバは、ほぼ円形であるとして説明されてきた。環状のチャンバは、確かに満足だが、この環状のチャンバは、これの回転する経路上で、頂点、特に先端の封止部分に望ましくない負荷を与えてしまう。この負荷を減らすために、チャンバの内部形状は、非円状にすることができ、むしろ、実際の回転子の頂点、すなわち、円形のコンコイドの形状により制限される正確な通り道に従った形状にすることができる。この場合、この形状は、実質的に円形とは異なるが、それにもかかわらず、このようにこのチャンバを形成することにより、先端の封止部分にかかる負荷と、変化する負荷が先端の封止部分にかかるときに起こり得る問題とは、克服されなくとも、少なくとも実質的に最小化されうる。
図1乃至7は、チャンバの内壁16の排出ポート35から離間されている入口ポート34を示している。両ポートの間の間隔の小さな変化により、このチャンバ内の流体の圧力とこの機構のタイミングとを変化させ、それにより、様々な応用における使用のためにこの機構を適したものにする。どんなこのような変更も、エンジン、ポンプ、コンプレッサ、エキスパンダなどとしてのこの機構の望まれる応用に従って決定される。両ポートの間のいくらかの重なりは、許容されるが、一般的に、キャビティは、どんな瞬間にも1つのポートだけに開いている。
使用において、流体があらかじめ圧縮されていないならば、キャビティのサイズが増加し、これによって負の圧力勾配が生じることによる真空効果の下で流体がキャビティに入っている。いったんキャビティのサイズが減少し始めると、入口は、閉ざされ、排出ポートが圧縮下の流体を排出する。この工程は、半分は(in half)回転子の回転で起こり、排出は、パルスとして記述される。従って、回転子の回転ごとに2回のパルスがある。一般的に、拡大しているキャビティが十分に流体を引き入れるので、入口バルブの必要はない。一方向バルブを、流体のチャンバの中への戻り流を妨げるために、排出ポートで用いることができる。
代わりに、ある量のあらかじめ圧縮された流体が拡大するチャンバの中に入り、入口の閉鎖が続いている。この流体によりかけられている圧力は、チャンバのサイズを拡大させ、このように、1つ以上のシャフトを駆動するようにトルクを与えている。いったん、キャビティのサイズが減少し始めると、ポートが開き、膨張した流体の排出が可能となる。
スイープする頂点が、封止されながらチャンバの内壁と接触し、キャビティ25からの流体の漏れを防ぐことを確実にするために、チャンバの中での回転子の正確な偏心回転は重要である。ばねが入れられた先端の封止部分は、いくらかの許容誤差に備えているが、内壁に接してしっかりとスイープするように、すなわち、ちょうど接触しているか内壁から離間しているが、頂点を疲労させてしまう、内壁に接して力がかかっていないように、頂点を設計することに注意を払わなければならない。ここで説明されているロータリー機構の第1及び第2の設計の特色は、本来的に、頂点がそれに沿ってしっかりとスイープする正確な偏心回転の経路を生じることである。
さらに、この偏心回転にもかかわらず、前記機構のスプリットシャフトの実施の形態の構成要素を一体化することで、回転子の回転の負荷を一様にそして滑らかに支持することを可能にしている。一直線のシャフトの実施形態においては、ほとんど全ての負荷が単一のブロックシャフトにより支持され、構成要素を一体化するための複雑な支持のための配置が不必要になっている。
この機構の第1及び第2の実施の形態の両方は、駆動手段を有しており、又は、エンジンもしくはガスエキスパンダとしてのこの機構の応用の場合には、被駆動手段(driven means)を有している。両方の実施の形態は、また、ガイド手段を有している。第1の実施の形態において、スプリットシャフトは、駆動手段とガイド手段との両方として振舞う。一直線のシャフトの実施の形態においては、特定のガイド手段がある。両方の実施の形態において、駆動/被駆動手段並びに/もしくは、ガイド手段は、回転子の中心をチャンバの中の円形の軌道(すなわち、セントロード)に従わせるという寄与をする。
図1乃至6に示されている第1の実施の形態(スプリットシャフトの実施形態)において、駆動手段は、第1及び第2のブロックとシャフトの配置を有している。第1の長方形のブロック40は、機構10の第1のスプリットシャフト41の端部に固定され、回転子の端表面24aの1つの中の第1の細長いスロット42の中での往復運動のために取り付けられている。第1のスロット42は、回転子の短軸23に平行でこの軸に沿って設けられている。軸中心46(図2)は、第1のスプリットシャフト41の中心軸を規定している。第2の長方形のブロック43が、第2のスプリットシャフト44の端部に取り付けられ、回転子の対向する端表面24bに位置している第2の細長いスロット45(図2)の中に配置されている。この第2の細長いスロットは、第1のスロットに対して直角に、すなわち、長軸20に沿って向き付けられている。軸方向中心47は、第2のスプリットシャフト44の中心軸である。前述のようにチャンバ12の端カバー13の中に軸支されている第1及び第2のスプリットシャフト41、44は、一方のシャフト、すなわち第1のシャフト41、をチャンバの中心軸32と同心にし、他方、すなわち第2のシャフト44、をこの中心軸32から変位させて配置されている。変位の量は、チャンバのサイズに依存しており、このサイズは、2つのシャフトの間の距離と、回転子のプロファイルとにより決定される。図6に示されているこの機構の断面図は、中心軸がずれた両スプリットシャフトと、直角なブロックとスロットとの配置とを明確に示している。
第1のシャフト41又は第2のシャフト44のいずれか一方若しくはこれら両方が回転するとすぐに、回転子15は、それぞれのブロックに渡るスロットの直線状の往復運動のためにチャンバの周りで駆動される。シャフトとスプリットブロックシャフトの同時的な相互作用により、ロータ15は、摺動し、偏心した、しかし、両頂点がチャンバの内壁16をわずかな隙間でスイープするような制御された仕方で、チャンバ12を回って動いている。
直角に交わる2つのスロットの位置の結果として、ブロック40、43は、事実上、回転子をチャンバの中に両頂点22が、チャンバの内壁16に従うように束縛されるような正確さでチャンバの中にロータを位置させている。ローブ21は、これら自身、回転の間ずっと、これらが、チャンバの内壁の隣接する部分に連続して近く又はこの部分からさらに離間している位置をとっている。
図1乃至5は、回転子の半回転を始めに30°の間隔でそれから図4、図5及び図1に戻って45°の間隔で示している。
図1は、回転子が入口ポート34と排出ポート35との両方に対してキャビティ25aを閉じて、流体が第1の閉鎖されたキャビティ25aの中へと既に引き込まれている回転の始めを示している。この位置の回転子は、上死点にある。特に、第1の長方形のブロック40は、第1のスロット42の上端に位置している一方で、第2のブロック43は、第2のスロットの端部から等しい距離離間して、第2のスロット45の中央に位置している。ブロックシャフト41、44の一方又は両方の相互回転は、両スロットにこれらのそれぞれのブロックに渡る摺動をさせて、このことにより、チャンバ12の中で回転子15を偏心的に回転させる。
図2乃至5は、回転子15の回転と第1及び第2のスロットのこれらの関連するブロックに渡る往復する摺動運動とを示している。入口及び排出ポートは、明確さの目的のために図2乃至5からは除かれている。しかし、第2の閉鎖されたキャビティ25が、チャンバの下側の部分に沿って、図2において隣接する第2のローブ21bを形成し、流体がこの第2のキャビティ25bの中へと入口ポートを通して拡大しているキャビティ25bの中の真空圧力の下で引き込まれていることを想像することができる。
同時に、第1の回転子のローブ21aに隣接して、第1の閉鎖されたキャビティ25aの中の流体は、排出ポート35を通して激しく排出されている。このように、各回転で、この機構は、流体を2度引き込み、圧縮して、排出する、すなわち、回転ごとに2つのパルスである。したがって、回転子の一方の側で起こっている動作は、回転子の反対側で起こっている動作と同じである。しかし、180°位相がずれている。
本発明の第2の実施の形態(単一のシャフトの実施の形態)は、図7乃至12に示されている。第1の実施の形態に類似の全ての要素は、同じ参照符号が与えられている。この第2の実施形態は、長手方向の軸57を有し、チャンバの一方の端カバー13から他方へと機構を通してまっすぐに延びている単一のブロックシャフト50を有している。この単一のブロックシャフト50は、回転子を通って延び、回転子15の内側に駆動ブロック51を支持している。
この実施の形態における駆動手段は、往復運動の摺動運動のための細長いスロット52の中に配置されている駆動ブロック51だけを有している。スロット52は、回転子の長軸に沿って整列し、回転子の幅をまっすぐ通って延びている。シャフト50が回転するにつれて、スロットが駆動ブロック51に渡って動き回転子を偏心的にチャンバを回って動かしている。シャフト50それ自身は、チャンバの中心軸32からずれており、チャンバに対する回転子の変位を与え、このことにより、容積が変化する、閉鎖されたキャビティを生じている。
この実施の形態は、ガイド手段を有し、チャンバを回って動く回転子を偏心的にガイドしている。このガイド手段は、ハウジングの端カバー13からチャンバ12の内向きに突出している2つの円形のガイドディスク53を有している。図12は、これら突出しているガイドディスク53を最もよく示している。これらディスク53は、端カバー13と一体に形成することができるか、もしくは、別に作って端カバーに独立に取着することができるかのいずれか一方である。段54が、これらディスクを各々のディスクの周りのくぼんだ環55から分離している。
回転子の両方の端表面24a、24bには、ガイドディスク53に対応するが、これらよりも大きな円形のくぼみ56が設けられている。回転子の両端部の円形のくぼみは、隣接する端カバー13でそれぞれのガイドディスク53を受けるように合わせられている。これら円形のくぼみ56の直径が、ディスク53よりも大きいため、回転子15は、ディスクの周りを動くことができるが、ディスクと円形のくぼみとの間の直径の違いからの制約のために変位が制限されている。直径の違いは、シャフト50の軸中心57と、チャンバの中心軸32との間のずれの違いにより決定されている。この距離は、翻って、特定の応用のために変わるキャビティの容積により決定される。両頂点がチャンバの内壁を連続的にスイープすることを確実にするために必要とされる、ずれたシャフトと回転子の変位との結果の組合せとして、これらディスクの中心をチャンバの中心軸とシャフト50の軸中心との間の中点に位置させて、円形のディスク53は、位置している。したがって、ガイドディスク53は、また、チャンバの中心軸32からずれ、また、回転子の中心の軌道の原点31とも同一の点である中心を有している。特に、ガイドディスク53と、くぼみと一体化したディスクの組み合わされたガイドの効果とは、回転子が、ガイド構成要素にいかなる意味のある負荷も印加することなく回転することが可能であるように、軌道の原点31に中心をおいている。
ブロックとスロットとの配置と組み合わされているガイド手段により支配されている動きの制約は、回転子の両頂点の正確なコンコイドの形の通り道を生じ、これら両頂点は、封止接触で連続的にチャンバの内壁16に接している(circumspect)。実際に、両頂点を連続的に内壁をスイープさせた回転子のチャンバの周りの自然な動きから描かれる通り道は、組み合わされたガイド手段の構成により支配されている。ガイド手段は、ガイドディスク1つだけで機能できることはもちろん理解することができるが、各端カバーにディスクを設けることは、これが、バランスの取れた対称的なロータの回転運動を与えるために、好ましい。
図12は、回転子の円形のくぼみ56に受け入れられているディスク53を示している。回転子の運動は、ディスクの段54が円形のくぼみの壁に当たっていることにより制限されている。
図7乃至11は、第1の実施の形態に示されていたのと同じ間隔での回転子の半回転を示している。すなわち、図8、9、10、11は、それぞれ、図7に示されている上死点から30°、60°、90°、135°変位した回転子を示している。ブロックシャフト50は、それ自身、ガイドディスク53の中心とチャンバ12の中心軸32とから中心をずらして取り付けられており、その結果、回転子の回転の所望の通り道を得ている。
図8乃至11は、チャンバ12の中で回転し、その運動は、回転する駆動ブロック51に渡って反復的に摺動する細長いスロット52により駆動されている、回転子15を概略的に示している。さらなる動きの制約は、ガイドディスク53により制限されている回転子の円形のくぼみ56により生じている。第1の実施の形態で論じられたように、回転子の中心は(その中心軸30で)、原点31の周りのセントロード33に従っている。図8乃至11における長軸と短軸との交差点は、回転子の中心30を表している(図2乃至5にもあてはまる)。この回転子の中心30が、回転子が偏心的にチャンバの中を回転するにつれて、通り道33に沿って軌道を描いて回る様子が図8乃至11に示されている。回転子のセントロード33は、ガイドディスク53と同心的に整列していることも見て取れる。
両ガイドディスクから導かれる利益は、これらガイドディスクが、一直線のブロックシャフトが一方の端カバー13から他方の端カバーへとチャンバ全体を通って延びることを可能にし、また、このシャフトが、ガイド手段としてだけ振舞っているディスクに伴っている全ての回転の負荷を支持することを可能にしていることである。このことは、全ての回転子の傾きをなくし、機構の中の振動を減少させている。結果として、傾いている回転子の結果として生じるシャフトが整列していないことと遊びとを修正する特別に丈夫な(heavy duty)ローラベアリングの必要がないので機構の設計は、既知の設計よりも単純になる。比較的少ない部品とより単純な設計により機構の全体的な製造コストは減少する。
加えて、円形のくぼみによりガイドされている円形のディスクは、回転子とチャンバとの間の磨耗要素(wear factor)が劇的に最小化される配置を与えている。これは、一体化されたディスクとくぼみとの間の接触負荷(contact load)が、ディスクとくぼみとに沿って等しく分布しているからである。すなわち、ガイドディスク53の周囲の全ての点は、一様に磨耗し、円形のくぼみ56の内周の全ての点も一様に磨耗するからである。このことの理由は、両方の構成要素が、整合し又は整合性のある接触表面、すなわち、より大きな円の中で回転している円を有していることである。換言すれば、ガイドディスクの表面の全ての点は、同じだけの時間円形のくぼみと接触したままであり、このことによって、磨耗を無視できる量に減少して、起きている磨耗を構成要素の周囲に一様に分布させている。このことは、部材又はスロットのいくつかの点がスロットの壁又は部材とそれぞれ異なる長さの時間接触しており、このことが、最終的に作動中の故障をもたらす、平行な壁の設けられたスロットの中の円形の部材のような、他の整合性のない配置の場合には正しくない。
図1乃至12の両方の実施の形態に示されているブロックと細長いスロットとの配置は、輪郭が長方形であり、また、対応する長方形のスロットの中を摺動しているブロックに接続されているシャフトを示している。ブロックの表面とスロットの内部表面とは、最大限で滑らかな回転するシャフトからの駆動エネルギーの伝達を確実にする許容誤差の近い(close tolerance)機械加工表面である。スロットの内部表面は、摩擦を減少するためにベアリング表面と一列に並ぶことができる。
シャフトのブロックと対応するスロットのベアリングの輪郭とは、図13aの回転子に本来の場所に示されている。しかしながら、ブロックとベアリングプロファイルとは、輪郭が長方形である必要は無く、他の整合する幾何学的形状を有することができる。例えば、図13bと図13cとは、それぞれ円筒状のピストンのシャフト/ベアリング表面のプロファイルと、六角柱の(cylindrical hexagonal)プロファイルとを示している。これらの実施の形態において、シャフト71は、ブロック72を通って延び、このブロック72は、回転子のスロットの内側の対応して対応してプロファイルされたベアリング表面73の中を摺動している。どんな種類の幾何学的形状も、ベアリング表面が整合している機械加工の表面であり、この表面が常に一定の一様な摺接を維持していれば、ブロック/スロットプロファイルとして採用することができる。回転子/スロットプロファイルの形状を、製造限界(manufacturing limitations)並びに/もしくは異なる応用におけるロータリー機構の空間的な束縛に比較的良く合うように選ぶことができる。
加えて、機構の円形に近い構成は、多くの機械にとって最適のデザインである。しかしながら、この機構の形状を、特定の機械にとって変更が比較的適しているならば、変更することができる。回転子によって描かれるコンコイドの経路と、チャンバの対応する形状は、中心のずれたシャフトと対応するスロットの中のブロックとの組み合わされたガイドの影響の結果であり、第2の実施の形態においては、回転子の側面の対応するくぼみに受けられているチャンバのカバーの端部の円形のディスクの結果である。これらパラメータのいかなるものの形状の変化も結果として、運動と経路との形状の変化を生じる。回転子とハウジングプロファイルとの形状も、変更することができ、その結果、特定の機能に比較的良く合う。
例えば、ハウジングの形状を、円形又はコンコイドの形になるように作ることができる。コンコイドの形のハウジングは、回転子の両頂点が、チャンバの内壁をスイープしていくにつれてこれら回転子の頂点に近接して従うように形作られている。この形状は、回転子の両頂点とチャンバの壁との間のいずれの点でも最小限の間隔を与えている。図13dは、環状のチャンバプロファイル78に重なっているコンコイドの形のチャンバプロファイル77を示している。コンコイドのプロファイルは、実質的に円形だが、プロファイルの複数の相違点は、明らかである。他の変更は、ハウジングの端カバーの形状と回転子の複数の面の形状とを変更することを有している。このような変更は、ロータリー機構を有している機械の機能に比較的良く合う可能性があり、例えば、ベアリング負荷(bearing load)を改良し、間隔を増加し(increase clearances)、流速を変化させ、ポートのタイミングを最適化し、くぼんだ(recessed)燃焼チャンバを与えるなどをすることができる。
多くの既知のロータリー機構と違って、本機構の両実施の形態は、容易に負荷に耐え、よくバランスが取れている。これは、全ての回転的な負荷(rotational load)が、駆動手段に渡って一様に分布しているからである。さらに振動を無視できる程度に減少させるために、回転する釣り合いおもりを、回転子を効果的にバランスさせるように用いることができる。回転子の振動は、回転子の重心が、回転子の各回転毎に2回回転するために発生する。この振動を打ち消すために、バランス機構を、回転子の重心と、同じ回転速度と同じ回転周期(revolutions)すなわち、回転とシャフトとの回転毎に2回で、回転するように、導入することができる。このことを1:2のギア比を用いることにより達成することができる。
バランス機構は、エアコンプレッサとして動作する一直線のシャフトの回転子の機構10の実施の形態を示している図14乃至16に示されている。図14に示されているエアコンプレッサにおいて、ロータリー機構10は、駆動シャフト90により駆動され、側面カバー91により結合されている。駆動シャフト90は、主ベアリング98で回転し、回転子93は、摺動ベアリング99で駆動シャフト90に対して摺動している。このロータリー機構のハウジング92は、回転子93を収納し、このハウジング92から放射状に延びている冷却ファン94を支持している。リングホルダ95が、回転子93の円形のくぼみ96に位置し(locates)、くぼんだベアリング(リング)とオイルスクレイパリング(oil scraper ring)とを与えている。オイルリングは、圧縮チャンバに入る、ロータの内側からの冷却オイルをコントロールするように用いられ、オイルリングがピストン又はワンケルロータリエンジンにおいてしているのと同じ機能を果たしている。リングホルダは、シャフト/ブロックと回転子のスロットと協働して回転子の動きの経路を作るようにディスクの周りを回転している。このリングホルダの回転子のくぼみ96は、動かないガイドディスク97の周りを回転している。
バランス機構は、バランスウェイト63を有し、このバランスウェイト63は、ボア67を有し、このボア67は、回転子シャフト50の周りをこのシャフトの各々の回転に対して2回回転するように回転子シャフト50にジャーナル取り付けされている。図16は、バランスウェイト63が、ボア67の下で半円形の構成から自分の質量を導き出すことを示している。
バランスウェイト63は、シャフトの2倍の速さでシャフトの周りを回転するように軸支されてもいるウェイト歯車68の中へとねじ止めされている。ウェイト歯車68は、大きなピニオンギア64aと小さいピニオンギア64bにより駆動されている。大小のピニオンギアは、ピニオンシャフト65に互いに同心になるように固定されている。大きなピニオンギア64aは、小さなピニオンギア64bのサイズの2倍で、共にバランスウェイトを回転子の重心と同じ速さで回転させるために必要とされる1:2の比率を与えている。小さなピニオンギア64bは、回転子シャフト50に取り付けられこのシャフトと共に回転する駆動ギア66を通して駆動されている。
バランスウェイト63をこの仕方で駆動することにより、ウェイトが、一斉に回転して、回転子15の重心により引き起こされるバランスからはずれた力を打ち消すことが可能になる。
エアコンプレッサのようなロータリー機構の使用の見地から見ると、バランス機構は、振動が重大になる大きな排気のエアコンプレッサに対してだけ本当に必要とされる。例えば、サイクル毎に300cc未満の小さな容量を有するエアコンプレッサは、普通重大な程度まで振動しない。
バランス機構を使うかどうかの決定は、さらに、回転子の質量と、回転子の材料に依存している。比較的軽い回転子は、比較的重い回転子よりも重大な振動を発生する可能性は低い。
しかしながら、一般にこのロータリー機構により発生する振動は、他のタイプのロータリー機構と比べて小さい。優れたバランスを容易に達成することができる。これは、回転子の重心の運動の偏心性が、例えば、小さな容量を有するシリンダにおけるピストンと比べてとても小さいためである。
ロータリー機構の幾何学的形状は、これが、機構の振動を減少し、磨耗を減少し、高応力の領域をなくし、総じて、一般に機構の寿命を延ばすようなものである。さらに、一直線のシャフトの実施の形態では、機構は、チャンバの中に重要な動作要素を2つだけ有している。すなわち、ブロックを被って摺動するスロットと固定されたディスクの周りに動くくぼみであり、これらによって、機構の複雑性を減じている。
ハウジングと回転子とのプロファイルの幾何学的形状を、ロータリー機構動力学の解析からロータリー機構の応用によって、最適な効果に対して計算することができる。
ロータリー機構の動力学の解析により、数学的な方程式を、回転子とハウジングとの幾何学的な形状を記述し、したがって、生じるように、導くことができる。このような数学的な方程式は、コンピュータのソフトウェアプログラムとして実現することができ、このプログラムは、回転子とハウジングとを製造するために必要とされる座標を求める。幾何学的なプロファイルを、少なくとも、最大のチャンバ半径と、第1のシャフトからハウジングの中心までのずれの距離との所望の値を用いて計算することができる。回転子とハウジングとの間の所望の間隔も、幾何学的な計算に寄与し得る。
ロータリー機構の特色は、この機構が、調和サイクル(harmonic cycle)を発生し、これにより、処理された供給量が、シャフト角θの単純なシヌソイド関数であることである。数学では、単純な振動運動のグラフによる表現と、同様に円に沿って動いている点のグラフによる表現とがシヌソイドの曲線ということになる。ロータリー機構により生じている膨張と圧縮との単純なシヌソイドの特色により、本機構を組み込んだ機械の設計と解析とが単純になる。処理容積、供給圧力(delivery pressure)及びトルクのようなパフォーマンス特性を、シャフト角の関数として計算することができる。図17は、エアコンプレッサとしての応用におけるシャフト角θ°の関数としてのこのロータリー機構の容積のシヌソイド関数を示している。この機構の単純な特色と、その結果として生じる単純な調和的な特色が、それに基づく機械のパフォーマンスと効率とに反映されることが期待できることが好ましい。
頂点の封止部分に加えて、ロータリー機構の残りの部分に十分な封止技術が適用されている。単一のシャフトの実施の形態において、円形のくぼみ56は、非円形の封止部分よりも封止が効果的で位置させるのが容易な円形のオイルシールを収容するために適している。ディスクの小さなサイズと対応する回転子のくぼみのサイズとは、様々な応用のために設計される時に、機構における比較的容易な封止と比較的大きな柔軟さに適している。ガス封止技術をもエンジンとしての容量を持っている本機構に適用することができる。機構のこの応用で燃焼チャンバを効果的に封止するために頂点の封止グリッド(grid)と側面の封止部分とが、ポート及びバルブと調和して働いている。
エアコンプレッサとしての実施の形態において、ロータリー機構を、単純で安価な空気封止部分と共に設置することができる。封止部分を頂点とまた回転子の側面に、コンプレッサの熱力学的そして動作上の効率を増加させるために、3次元での効果的な封止グリッドを生じるように、用いることができる。対照的に、この程度の封止を、空気供給部(air charge)を封止するために代わりにとても小さな間隔とオイルが満ちていること(oil flooding)とに極めて依存しているスクリューとベイン(vane)タイプのコンプレッサには用いることができない。
本回転子の機構とともに用いられる効果的な封止部分は、空気が、とても低い適度なモータの速さでとても高い圧力に圧縮されることを可能にしている。効果的な封止に加えて、上死点でハウジングのとても近くに近づく回転子は、高い圧力を発生する助けをしている。このことが、可変な速さと高い圧力とで可変な容量に適していることは有益である。ほとんどの従来のエアコンプレッサは、空気を高い圧力に圧縮するために高い回転速度に依存している。
チャンバ内での回転子の一方向の運動は、エンジンとして用いられる時、燃料及び空気の混合物の迅速で一様な燃焼のために必要なとても高い乱流を、効果的に生じている。この効果は、結果として排出ガスの少ない排気となる。
さらに、回転子の側面でのオイルシールを、チャンバ内のオイル充満(oil flooding)に伴う問題を避けるためと回転子の効果的な冷却のために用いる。図14は、オイルがシャフトとブロックとのスライド及びベアリングに流れるオイル通路69を示している。これは、エアコンプレッサで機構を冷却するために用いられている。このエアコンプレッサは、圧縮された空気の中で水/オイルの凝縮物からオイルを分離するために標準的なオイルと水のフィルタだけを必要としている。したがって、回転子に油をさし(lubricating)冷却する際に用いられるオイルポンプと、オイルセパレータと、フィルタと、制御装置(controls)とは、機構がうまく動作するために複雑である必要はない。対照的に、スクリューとベインタイプのコンプレッサのための複雑な制御装置とオイル―空気処理システムとを製造する高い費用は、結果として高い製造及び販売費用につながっている。
図18は、回転子15の頂点81でのばねが入れられた封止部分80の拡大図である。封止部分80は、回転子の頂点81で機械加工された縦方向の溝82の内側にばね84に抗して位置しており、この中にボタン封止部分(button seals)83により保持されている。図18に示されている実施の形態において、回転子は、時計回りの方向に回転し、封止部分80は、ハウジングの内部と接触している。この接触は、常にハウジングとの接触があるという点で常に外向き(positive)であり、圧縮の間、ガスGが、溝の中に入り、これによって、頂点の封止部分に後ろから溝の外向きにバイアスをかけ、ハウジングに接触させている。同時に、頂点の封止部分80は、また、溝の側面と接触し、流体が封止部分の周りから逃げることを妨げ、効果的な封止を与えている。この封止部分のハウジングに対する連続的な接触は、チャンバの比較的良好な封止を与えるだけでなく、結果として封止部分とハウジングとの最小限の磨耗を生じている。この配置においては、封止部分に作用する力の大きさに突然の変化はない。
回転子のハウジングの「円形に近い」設計は、機構を効果的に封止することにも寄与している。頂点の封止部分が、ハウジングになんらの消極的な力を生じることもなく効果的に摺動するように、ハウジングの形状は、回転子の頂点が描く経路にふさわしく設計されている。頂点の封止部分の確実動作の力は、機構が、全てのモータ速度に渡ってサイクルを通しての圧縮された空気を無視できるほどしか損失していないことを意味している。対照的に、ワンケルロータリーエンジンのハウジングは、形状が数字の「8」に類似しており、そのくびれの近くで消極的な力を受けており、こうして、この点で圧縮された空気を損失している。
ハウジングの円形の又はコンコイドの経路により与えられる利益は、「ひびり模様(chatter marks)」のような、他のロータリー機構のハウジングにおいて受ける問題を受けないことである。ワンケルエンジンのハウジングのくびれで頂点の封止部分の接触が失われることは、接触が再開された時、封止部分がハウジングに対して激しく衝撃を与え、「ひびり模様」のとして知られている現象を生じることを意味している。このことは、このロータリー機構では起こらない。これは、封止部分は、ハウジングとの接触を失わないためである。
エアコンプレッサにおいて、このロータリー機構は、吸い込み弁を必要としていない、吸い込みポートだけを必要としている。吸い込みポートは、常に回転子のハウジングに位置している。しかしながら、排出弁を排出バルブに嵌合する(fit)ことにより、コンプレッサをより効果的に作動させる。これら排出弁を、回転子のハウジング又は各々の側面のカバーのいずれか一方に設けることができる。最良のパフォーマンスのために、回転する回転子に対しての、バルブを備えた又は備えていない、排出ポートの位置付けを注意深く選択することは、重要である。
常に吸い込みポートを大気圧にさらすことにより、高い容積効率が生じ、これは、回転子のプラス方向の(positive)変位によりさらに高められる。排出ポートにバルブを有することの1つの利益は、流体が連続的に一方向に流れ、熱がバルブポートシステムを通して放散するという事実により冷却が強まることである。
本機構の両実施の形態の対称的な特色により、この機構は、一様に分布し、回転子の全ての点により連続的に支持されている回転子の質量のから結果として生じる最小限の振動及び回転力で動作することができる。換言すれば、他のいかなる部分よりも多くの負荷を支持している回転子の特定の部分はない。この部分は、もしあれば、構造的な応力が集中した領域を生じている。上述のような釣合いおもり又は、他のバランスをとるための技術を、回転子のバランスをとり、振動を絶対的に最小に減少させるように使用することができる。
このロータリー機構を、油圧、真空及びオイルポンプと、ガスコンプレッサ及びエキスパンダと、エンジンとを含む多くの応用に使用することができる。軽量とコンパクトな構造と結びついて達成される強い圧縮は、既知の機構に勝るかなりの有利な点を与えている。
内燃エンジンとしてのこのロータリー機構のいずれの実施の形態の使用も例として取り上げると、回転子が(図1乃至7に示されているように)チャンバの周囲に向かってほぼ移動されている上死点において、圧縮されようとしている燃料/空気の混合物があるように、先だつ吸引があった。この状況は、ピストンエンジンの中の圧縮行程の上死点に向かったピストンの運動に類似している。
回転子の周囲の一部分を、この位置でチャンバが、スパークプラグ又は他の点火装置の下に効果的に位置するように、開放することができる。また、この位置で、チャンバの閉鎖されたキャビティの中へのポートを回転子自身によって覆うことができ、そうでなければ、これらポートと関連付けられたバルブを閉じることができる。
点火するとすぐに、動力(power)と排気との行程が始まり、回転子は、回転される。チャンバの内壁に隣接している回転子のローブは、キャビティの中の燃焼により起こされる回転子の動きのために、壁から離れていく傾向がある。この時に、排気ポートが開き、ガスの圧力とキャビティの中の燃焼しなかった燃料とにより、排気ガスの効果的な排出が起こる。排気ガスは、キャビティから排気ポートを通過する。
本機構の2行程エンジンとしての使用は、もし別の与圧装置、好ましくは、ロータリー与圧装置、と結合されていれば、より効果的である。このような装置において、適当なポートとバルブとのシステムが設けられると、供給は、吸引の行程なしでチャンバに供給されるように、入口は、加圧下にあり、この与圧装置の導入は、排気の完全な排出においても補助をしている。このような装置において、回転子の各回転に対して2行程動力の(two-stroke power)2つのパルスがある。
この2行程バージョンにおいて、エンジンは、動力行程の振動数のためにピストンエンジンと比べて高い効率であることを見ることができる。
スロットと円形のくぼみとは回転子を実効的に中空にし、回転子の内部から端カバーへのアクセスが、スロットを通して又は開口部、例えば、スロットに隣接する開口部、を通して達成できるので、単にオイルを回転子の中心の中へと通過させることにより、本発明のエンジンにオイルをさし冷却することは、単純であることも認められる。代わりに、シャフトの1つを中空にすることができ、その結果、回転子は、部分的に又は完全にオイルで満たされており、オイルを1つの又は両方のスロット又は開口部を通して戻しており、こうして、回転子からオイルへの良好な熱伝導がある。ガイドディスクとチャンバの端カバーとには、また、これら自身、オイルを排出するための通路、例えば、ベアリングに隣接した通路を設けることができる。このオイルは、それから油溜めなどに通過することができる。このオイルを冷却するためのラジエータを油溜めへの入口又は油溜めからの出口のいずれか一方に設けることも好ましい。この油溜めから、オイルを再循環のためにポンプで吸うことができる。このオイルは、これが回転子の端表面に沿って通過していくにつれて、また、封止部分の潤滑化も行っている。
封止部分に効果的に油をさすことを達成するために、従来の方法を用いることができ、これらは、オイル/燃料の混合物をオイルを燃焼チャンバの中へと導入するために使用すること、又は、直接オイルをチャンバの中へと導入するコントロールされた損失オイル注入法(controlled loss oil injection method)を有している。
本機構の幾何学的形状は、効果的な熱の放散と改良された冷却パフォーマンスとを確実にする大きな表面領域を有するようなものである。このことは、特に、冷却ファンを有するエアコンプレッサとして実施された時のように空気にさらされる時に、この機構の全体の効率を考慮する時に極めて利益がある。
ロータリーエンジンの実効的な(operative)構成要素について、特定の機械的な構成と動作とに立ち入ることなく論じてきたが、同じ配置が、容積式排水ポンプとして等しく良好に使うことができることが認められる。回転子の両頂点が、回転子とチャンバとの間の容積が増加する位置で、入口ポートを通過するにつれて、ポートの所の流体は、チャンバの中に引き込まれる。さらに回転するとすぐに、回転子のローブがチャンバの内壁に接近するにつれて、この流体は、圧力下におかれ、適切に位置した出口ポートから圧力下で放出される。再び、ポンプとして動作している時、回転子の各回転ごとに2つの流体のパルスがあり、したがって、ポンプとして高いオーダの効率を与えている。
ポートとバルブとの特定の位置は、もしこれらがあれば、実に、バルブのタイプは、この機構がロータリーエンジンとして用いられているか又はポンプとして用いられているかと、この機構が動作する特定の条件と流体とに依存して大きく変化し得ることことが、前に短く述べたように、認められる。
また、もし、この機構が、ロータリーエンジンとして用いられているならば、このエンジンの設計された回転の速度に依存して、ポートの位置は、必要とされる作動の速度で最も効果的な吸入と排出とを与えるように設計されている。
このロータリー機構は、ほとんどいかなる種類の適当な材料ともうまく動作する。このロータリー機構は、ハウジング又はいかなる仕上げを製造するためにも複雑な工程を必要としていない。この機構は、単純に鋳鉄のような材料から作ることができる。重さが考慮すべきことである場合、比較的軽い材料と複合材とが、より望ましい可能性がある。
複雑な電子的なコントロールは、この機構を制御するために必要とされていない。コンプレッサの観点から、多くの既知の機械は、熱と、水蒸気と、空気/オイルによる汚染と、モータと「空気」との速さと、振動と、オイルの供給と、湿度などを制御するためにモニターと操作上とのコントロールを用いている。最も単純な形式において、エアコンプレッサとして実施された本機構は、ほとんどこれらのコントロールのうちの1つも必要としておらず、ある負荷条件の下で電力を切断する標準的な空気/圧力スイッチからの節約(save)を必要としている。比較的大きな容量を有するより大きなコンプレッサにおいて補助的なコントロールを考えることができるが、いかなるこのようなコントロールも標準的であり、容易に得ることができる。
この明細書において、ロータリー機構とその動作とは、この最も単純な概念で説明されてきたが、実際的な機構においては、当業者にとっては明確な変形がありうることが認められる。
また、用いられる燃料システムの形式は、もし、この機構をロータリーエンジンとして用いるならば説明されなかったが、当業者にとって明らかである。例えば、燃料源は、キャブレタ又は必要とされるような燃料注入システムとのいずれか一方であることができる。
このロータリー機構のためのいくつかの応用例は、上で説明された。これらの例とさらなる例のさらなる詳細を以下で述べる。
このロータリー機構を、圧縮空気がモータとしてのこの機構を運転するために用いることができるエアモータとして用いることができる。実は、全てのタイプの流体エキスパンダは、ロータリー機構と共に用いることができる。これらは、蒸気又は有機流体のランキンサイクルエンジンと、スターリングエンジンと、液体冷却(liquid refrigerant)膨張弁と、エアサイクル冷却器と、空気圧スタータと、天然ガスエキスパンダと、重金属汚染クリーニングシステムなどを有している。
ロータリー機構の概念は、ミクロなレベルからマクロなレベルまで有用である。ミクロなスケールでは、このロータリー機構は、ミクロな機械に対してすばらしい特性を示している。例えば、同じロータリー機構の概念をミクロなエンジン及び標準的な完全なサイズのエンジンに対して用いることができる。この単純な平面幾何とほとんど部品がないこと(全く歯車のメカニズムがない)とは、ミクロなスケールでは、このロータリー機構は、製造するのが比較的容易であり、最小限のメインテナンスで動作することを意味している。回転子の封止は、ミクロなスケールでも有効である。これは、回転子の先端の封止は、常にハウジングに接して確実動作だからである。有効な封止は、高いパフォーマンスのためには重大である。高い圧縮比を、ミクロなスケールにおいても、容易に得られ、マイクロエンジンとして用いた時には、効果的な圧縮点火燃焼を生じる。
前記ロータリー機構は、水素とエタノールとを有する多くの形式の燃料で動作することに向いている。エンジンとしては、この機構をとても遅い速さととても速い速さで動作するように作ることができる。
マクロなスケールでは、前記ロータリー機構を内燃機関又は同時に発電機として動作することができる他の流体膨張モータ(fluid expansion motor)として設計することができる。適当な複数の磁石を回転子の中に位置させ、複数のコイルをハウジングの中に位置させることにより、発電機をエンジンの中へと組み込むことができる。
強い圧縮に対する潜在的な能力を有するロータリー機構は、天然ガスと水素とを燃料とする可能性を開いている。前記ロータリー機構は、水素エンジンとしての大きな潜在的な能力を有している。これは、このロータリー機構が、加熱点を有しておらず、優れた冷却能力を示すからである。
この機構の冷却特性を、この機構の表面積の容積に対する大きな比率と、各供給の空気が、ハウジングチャンバの周囲全体の周りに外向きに移動するという事実と、空気の取り入れ口が、排出バルブから離れており、また、連続的に開かれており、このことにより排出バルブが冷たいままであることと、バルブが排出ポートにあり、圧縮された空気を、迅速にタンクに排出し、高温の圧縮された空気のコンプレッサの中への漏れ又は逆流を防止していることと、オイルの経路が、追加的な冷却のためにシャフトの内部に設けられていることと、タービン及びスクリューコンプレッサと違って、この機構は、もし、行っていれば運動エネルギーを発生し、空気を加熱してしまう空気のかき混ぜ又はせん断を行っていないこととに帰すことができる。
前記ロータリー機構は、自動車のスーパーチャージャーとして大きな利益がある。
本発明の当業者にとって、多くの変更を本発明の精神と範囲とから出ることなく行うことができることが理解できる。
以下の請求項と前の本発明の説明とにおいて、言語又は必要な含蓄を表現するために文脈により他の意味が必要とされる場合を除いて、「comprise」という単語又は「comprises」又は「comprising」のような変形は、包括的な意味で用いられている。すなわち、記述されている態様の存在を特定するが、本発明の様々な実施の形態のさらなる態様の存在又は追加を除外しない。
回転子がチャンバの上死点にある本発明に係るロータリー機構の第1の実施の形態の概略的な平面図である。 回転子が反時計回りに30°だけ変位した図1の機構を示している。 回転子が反時計回りに60°だけ変位した図1の機構を示している。 回転子が反時計回りに90°だけ変位した図1の機構を示している。 回転子が反時計回りに135°だけ変位した図1の機構を示している。 図1の6−6線に沿って切断したロータリー機構の第1の実施の形態の概略的な断面図であり、図1に対応する断面を1−1線に沿って示している。 回転子がチャンバの上死点にある本発明に係るロータリー機構の第2の実施の形態の概略的な平面図である。 回転子が反時計回りに30°だけ変位した図2の機構を示している。 回転子が反時計回りに60°だけ変位した図2の機構を示している。 回転子が反時計回りに90°だけ変位した図2の機構を示している。 回転子が反時計回りに135°だけ変位した図2の機構を示している。 図7の12−12線に沿って切断したロータリー機構の第1の実施の形態の概略的な断面図であり、図1に対応する断面を7−7線に沿って示している。 ブロックとスロットとのプロファイルを示すロータリー機構の回転子の実施の形態の斜視図である。 ロータリー機構の実施の形態のブロックとスロットとの幾何学的なプロファイルの斜視図である。 ロータリー機構の他の実施の形態のブロックとスロットとの幾何学的なプロファイルの斜視図である。 本発明の実施の形態に係るハウジングチャンバの形状の2つの案を示している。 エアコンプレッサとして動作する第2の実施の形態の断面図である。 図14に表されている釣り合いおもりの断面図である。 釣り合いおもりの前面図である。 ロータリー機構の実施形態のシャフト角に対する容積の関数を示すグラフである。 ロータリー機構のハウジングに接している回転子の頂点の拡大図である。

Claims (39)

  1. 内壁によりほぼ環状に囲まれたチャンバを規定しているハウジングと、
    互いに対向する側面とを有し、両頂点の間の長軸とを有している、2つのローブを備えている対称的な回転子と、
    前記両頂点が連続的に前記内壁をスイープし、この結果、各ローブと前記内壁との間に連続的に容積が増減するキャビティを作るように、前記チャンバの中で前記回転子を偏心的に回転させるようにこの回転子を支持している駆動シャフトと、
    前記キャビティの中への流体の供給と中からの排出とのための互いに離間された入口ポート及び排出ポートとを具備し、
    前記回転子は、ブロックとスロットとの往復運動する機構と、この回転子の中心を前記チャンバの中の円形の軌道に従わせる第2支持手段とにより、前記駆動シャフトに偏心的に回転するように支持されているロータリー機構。
  2. 前記第2支持手段は、回転の間、前記回転子の経路をガイドする補助をするガイドである請求項1に記載のロータリー機構。
  3. 前記ガイドは、前記チャンバの端壁に位置され、前記回転子の側面と係合している請求項2に記載のロータリー機構。
  4. 前記ガイドは、前記チャンバの少なくとも一端に位置されている円形のディスクであり、このガイドは、このガイドに対応はするが、このガイドよりも大きい、前記回転子の側面の円形のくぼみの中に受けられている請求項3に記載のロータリー機構。
  5. 前記回転子の側面の円形のくぼみは、この回転子の中心に原点を有する請求項4に記載のロータリー機構。
  6. 前記ガイドのためのディスクの中心は、前記チャンバの中心軸からずれている請求項5に記載のロータリー機構。
  7. 前記ガイドのためのディスクの中心は、前記チャンバの中心軸と、駆動シャフトの軸中心との間の中間に位置されている請求項6に記載のロータリー機構。
  8. 前記ガイドのためのディスクが、各チャンバ端に1つずつ設けられた2つのディスクであり、これらディスクは、前記回転子のそれぞれの側面に位置されている対応する円形のくぼみで受けられることが可能である請求項4に記載のロータリー機構。
  9. 前記ハウジングと回転子との幾何学的なプロファイルは、前記チャンバの直径と、このチャンバの中心からの前記シャフトのずれの距離とから計算されることができる請求項4に記載のロータリー機構。
  10. 前記シャフトは、前記回転子とチャンバとを通って延びている単一のシャフトであり、前記ブロックとスロットとの機構のうちのブロックを支持している請求項1乃至9のいずれか1に記載のロータリー機構。
  11. 前記スロットは、細長いスロットであり、この細長いスロットは、前記回転子の長軸に沿うように向けられている請求項1乃至10のいずれか1に記載のロータリー機構。
  12. 前記第2支持手段は、第2駆動シャフトに取り付けられているブロックとスロットとの往復運動する第2の機構である請求項1に記載のロータリー機構。
  13. 前記ブロックとスロットとの第2の機構は、前記ブロックとスロットとの第1の機構に直交して取り付けられ、このブロックとスロットとの第1の機構は、前記回転子の長軸に沿って向けられている請求項12に記載のロータリー機構。
  14. 前記第1及び第2駆動シャフトは、前記ハウジングの互いに対向する端部からそれぞれ前記チャンバの中へと延び、互いに軸方向にずれて配列されている請求項12に記載のロータリー機構。
  15. 一方の前記シャフトの軸中心は、前記チャンバの中心軸と一致している請求項14に記載のロータリー機構。
  16. 前記回転子の中心は、円形の軌道で動き、この結果、この軌道の中心は、前記チャンバの中心軸と第1駆動シャフトとの間の中間にずれている前記全ての請求項のいずれか1に記載のロータリー機構。
  17. 内壁によりほぼ環状に囲まれたチャンバを規定しているハウジングと、
    2つのローブを備え、両頂点の間に長手方向の中心軸を有する対称的な回転子とを具備し、この回転子は、前記チャンバの中に、前記両頂点が前記内壁を連続的にスイープし、この結果、連続的に容積が増減する、各ローブと前記内壁との間のキャビティを生じるように、前記チャンバの中を偏心的に回転するように配置され、また、この回転子は、前記チャンバの少なくとも一端を通って延びているシャフトに取り付けられ、また、このシャフトは、前記回転子に位置されている細長いスロットに対する往復運動のために取り付けられているブロックにより規定されている第1ガイド手段を支持し、この結果、このブロックとシャフトとは、前記回転子の偏心的な回転を可能にし、
    前記キャビティの中への流体の供給と中からの排出とのための互いに離間された入口ポート及び排出ポートと、
    前記回転子をガイドし、また、前記両頂点が、動作の間、前記内壁と連続的に封止された接触をし、この回転子の中心を前記チャンバの中で円形の軌道に従わせることを確実にするように、前記第1ガイド手段と相互作用をしている第2ガイド手段とをさらに具備し、この第2ガイド手段は、前記チャンバの中心軸からずれた中心を有するロータリー機構。
  18. 前記第2ガイド手段は、接触負荷が、相互に係合しているガイド構成要素に沿って一様に分布されるように、整合する接触表面を有するように構成されている複数の構成要素である請求項17に記載のロータリー機構。
  19. 前記第2ガイド構成要素は、
    前記環状のチャンバの少なくとも一端に取り付けられている円形のガイドディスクと、
    このガイドディスクを受けるような前記回転子の一側面の対応する円形のくぼみとを有し、このくぼみは、前記回転子の中心に原点を有し、前記ディスクでのこの回転子の制限された動きを可能とするようにこのガイドディスクよりも大きい請求項18に記載のロータリー機構。
  20. 前記ガイドディスクの中心は、前記チャンバの中心軸からずれている請求項19に記載のロータリー機構。
  21. 前記ガイドディスクの中心は、前記チャンバの中心軸と前記シャフトの軸中心との間の中間に位置されている請求項20に記載のロータリー機構。
  22. 前記ガイドディスクは、各チャンバ端に1つずつ設けられている2つのガイドディスクであり、これらディスクは、前記回転子のそれぞれの側面に位置されている対応する円形のくぼみの中に受けることができる請求項19に記載のロータリー機構。
  23. 前記シャフトは、前記回転子を通って延びている単一のシャフトであり、このシャフトにブロックを支持している請求項17に記載のロータリー機構。
  24. 前記細長いスロットは、前記回転子の長軸に沿って向けられている請求項17に記載のロータリー機構。
  25. 内壁によりほぼ環状に囲まれているチャンバを規定しているハウジングと、
    2つのローブを備え、両頂点の間に長手方向の中心軸を有する対称的な回転子とを具備し、この回転子は、前記チャンバの中に、前記両頂点が前記内壁を連続的にスイープし、この結果、連続的に容積が増減する、各ローブと前記内壁との間のキャビティを生じるように、前記チャンバの中を偏心的に回転するように配置され、また、この回転子は、前記チャンバの一方の端部を通って延びている第1シャフトと他方の端部を通って延びている第2シャフトとを有しているスプリットシャフトシステムに取り付けられ、また、この第1シャフトは、前記回転子の長軸に沿って向けられている第1の細長いスロットに対する往復運動のために取り付けられている第1ブロックを支持し、また、前記第2シャフトは、前記第1シャフトに直交して向けられている第2の細長いスロットに対する往復運動のために取り付けられている第2ブロックを支持し、また、これらブロックとこれらシャフトとは、前記回転子の中心を前記チャンバ内の円形の軌道に従わせるようにこの回転子の偏心的な回転を可能にし、また、この回転子の負荷は、各ブロックとシャフトとにより連続的に支持されており、
    前記キャビティの中への流体の供給と中からの排出とのための互いに離間された入口ポートと排出ポートをさらに具備するロータリー機構。
  26. 前記第1及び第2シャフトは、互いに軸方向にずれて配置されている請求項25に記載のロータリー機構。
  27. 一方のシャフトの軸中心が、前記チャンバの中心軸と一致している請求項26に記載のロータリー機構。
  28. 前記回転子の円形の軌道の中心は、前記チャンバの中心軸とずれている請求項25に記載のロータリー機構。
  29. 前記軌道の中心は、前記中心軸とこの中心軸と一致していない前記シャフトの軸中心との間の中間にある請求項28に記載のロータリー機構。
  30. 前記回転子の両頂点には、前記内壁と連続的に接触しているこの回転子の両頂点での溝の中に位置されている外向きに変位する封止部分が設けられている前記全ての請求項のいずれか1に記載のロータリー機構。
  31. 前記封止部分は、ばねでバイアスされている封止部分である請求項30に記載のロータリー機構。
  32. 前記キャビティの中の流体は、前記溝の中に入り、前記内壁に対して前記封止部分を押し付けることができる請求項30に記載のロータリー機構。
  33. 流体を移動させ、膨張させ、圧縮し又は内燃する前記全ての請求項のいずれか1に記載のロータリー機構を有している機械。
  34. 前記回転子のプロファイル並びに/もしくはチャンバのプロファイルは、特定の機械的なパラメータに合うように変更される前記全ての請求項のいずれか1に係るロータリー機構。
  35. 前記ガイドディスク並びに/もしくは円形のくぼみの形状は、特定の機械的なパラメータに合うように変更される請求項19に記載のロータリー機構。
  36. 前記パラメータは、間隔の増加、流速の変化又はくぼんだ燃焼チャンバである請求項34又は35に記載のロータリー機構。
  37. 前記チャンバのプロファイルは、円形又はコンコイド形状である前記全ての請求項のいずれか1に記載のロータリー機構。
  38. 前記全ての請求項のいずれか1に記載のロータリー機構と、このロータリー機構の中で前記回転子の運動のバランスをとるバランス機構とを有している機械。
  39. 前記バランス機構は、前記回転子の回転毎に2サイクルで回転している請求項37に記載の機械。
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