JP2007500544A - 物品の質量特性の改善のための高密度合金 - Google Patents

Abstract

本発明は、ゴルフクラブヘッド（２０）の一部のような製品のためのニッケル−タングステン−クロム合金である。このニッケル−タングステン−クロム合金は、９．０ｇ／ｃｍ^３−１０．５ｇ／ｃｍ^３の範囲の密度を持ち、５０−９２のロックウエル硬度を持つ。このニッケル−タングステン−クロム合金は、製品を形成するためのインベストメント鋳造が可能である。

Description

本発明は製造される物品のための高密度合金に関する。本発明は、より特定的には、アイアンゴルフクラブのための高密度合金に関する。

現在の材料は、ゴルフクラブヘッドのような、ある製品の質量特性を操作するために設計の自由度を十分に与えることができない。金属材料の密度は要素となる粉末を特定の割合で混合し、次に、その混合物を焼結して高密度のボディを形成する。しかしながら、このプロセスは、局部的な組成が全体の組成と全くことなるため、必ずしも金属合金を生成するものではない。更に、このような焼結プロセスは製造が難しく、また、十分な機械的特性を与えるものではない。

インベストメント鋳造法は、ゴルフクラブヘッドのような多くの金属の物品を製造するための良くしられた簡単な方法である。モリブデン（１０．２毎立方センチメートル当たりグラム（”ｇ／ｃｍ^３”））、タンタル（１６．６ｇ／ｃｍ^３）及びタングステン（１９．３ｇ／ｃｍ^３）のような、高密度金属は、これらの高密度金属は超耐熱性であるため直接には使用することができない。金（１９．３ｇ／ｃｍ^３）、銀（１０．５ｇ／ｃｍ^３）及びプラチナ（２１．４ｇ／ｃｍ^３）のような高密度金属は、大きな体積で低コストの物品には高価すぎ、また、これらの高価な金属は必要とされる機械的特性を有していない。

鉄（７．８６ｇ／ｃｍ^３）及びニッケル（８．９０ｇ／ｃｍ^３）は、それほど耐火性を有せず、また、良好な機械的特性を有し、また大きい体積の低廉なコストにたいしても妥当な価格である。Ｆｅ−Ｗ及びＮｉ−Ｗの２相ダイアグラムは、固相においては、ニッケルは、鉄よりタングステンを実質的により溶解することができることを示している。ニッケルは固相で３０重量％のタングステンを溶解する能力があり、一方において、鉄中のタングステンの溶解性は限られている。更に、鉄の密度はニッケルより低く、より高い密度を得るためには、より多くのタングステンを必要とする。これらの両方に条件は、所望の単一相よりむしろ、脆弱で磨くことが難しい中間金属相を伴う、複数相の鉄−タングステン合金を結果としてもたらす。さらに、単一相はすぐれた仕上げとより展性があり、耐腐食性が優れている。

一つの特定の物品はアイアンゴルフクラブヘッドであり、これは、典型的にはステンレススチール又はチタン材料からなり、典型的には鋳造か鍛造で造られる。多くのゴルファは、アイアンは、より許容性のある広いスイートスポットと、ボールを上げるための低重心と、硬質な音と、インパクトの間の抑制された振動と、すっきりした外観を望むものである。残念なことに、これらの要求は、それが鉄に付随するものであり、しばしば互いに競合し合うこととなる。

一つの例は、Ｏｋｕｍｏｔｏ他の米国特許第５，２２８，６９４号で、ステンレススチールのソール及びホーゼルと、全体が合成材料などからなるコアと、タングステンとポリアミド樹脂からなる重りと、外側シェルからなるアイアンクラブヘッドを開示している。

他の例は、Ｎａｇａｓａｋｉ他の米国特許第４，７９２，１３９， ４，７９８，３８３， ４，７９２，１３９ 及び４，８８４，８１２ 号であり、これらは、重量調整と理想的な慣性モーメントを持たせるためにファイバー強化プラスチックの背面プレートを有するステンレススチールからなるアイアンクラブヘッドを開示している。

他の例は、Ｆｕｊｉｍｕｒａ他の米国特許第４，８４８，７４７号があり、スイートスポットを大きくするためにカーボンファイバー強化プラスチィックのプレートを背面に持つ金属アイアンクラブヘッドが開示されている。背面プレートを固定するためにリングが使用されている。

他の例は、Ｎａｋａｎｉｓｈｉ他米国特許第４，９２８，９７２号及び４，９６４，６４０号があり、振動を緩和し、慣性モーメントを増加させ、重心を調整すし、背面プレート強化するための後部の凹所にファイバー強化部材をもつステンレススチールからなるアイアンクラブヘッドを開示している。

他の例として、Ｔａｋｅの米国特許第５，１９０，２９０号があり、金属ボディと、プラスチックのような軽量材料からなる充填部材と、金属ボディにモールドされたファイバー強化樹脂と充填部材を備えるアイアンクラブヘッドを開示している。

他の例として、Ｏｋｕの米国特許第５，４１１，２６４号があり、後方に延びるフランジジと弾性ファイバーフェースプレートを持ち、慣性モーメントを増加させるとともに、振動を抑制するようにした金属ボディを開示している。

他の例として、Ａｉｚａｗａ他の米国特許第５，４７２，２０１号があり、ステンレススチールのボディと、ファイバー強化樹脂のフェース部材と金属の保護層を持ち、深い重心と振動を抑制するようにしたアイアンクラブヘッドを開示している。

他の例は、Ｍｅｙｅｒの米国特許第５，３２６，１０６号で、金属ブレード部分と、ファイバー強化樹脂のような軽量材料からなるホーゼルを有するアイアンゴルフクラブヘッドを開示している。

他の例として、Ａｉｚａｗａ他の米国特許第４，６６４，３８３号があり、複数の強化人口樹脂層で覆われた金属コアを有し、ボールの飛距離を伸ばすようにしたアイアンゴルフクラブヘッドを開示している。

他の例はＹｏｎｅｚａｗａの米国特許第４，６６７，３８３号であり、金属ソールとファイバー強化樹脂からなる充填部材を有し、飛距離を伸ばすようにしたアイアンゴルフクラブヘッドを開示している。

先行技術は、複数の材料からなるアイアンゴルフクラブヘッドが低重心で、振動を抑制し、より大きな慣性モーメントを持つアイアンゴルフクラブヘッドを開示するものではない。

発明の概要
本発明は、製品に使用されるためのニッケル−タングステン−クロム合金に関する。このニッケル−タングステン−クロム合金は、好ましくは、密度が９．０ｇ／ｃｍ３−１０．５ｇ／ｃｍ３の範囲で、好ましくはロックウエル硬度が５０−８５の範囲である。タングステンは合金の密度を大きくし、クロムはロックウエル硬度を増し、また、耐蝕性を与える。

本発明の一つの態様は、ゴルフクラブヘッドの一部が、密度が９．０ｇ／ｃｍ^３−１０．５ｇ／ｃｍ^３の範囲で、ロックウエル硬度が５０−８５の鋳造可能なニッケル−タングステン−クロム合金からなるアイアン型のゴルフクラブヘッドである。

本発明の他の態様は、ゴルフクラブヘッドの全部が、密度が９．０ｇ／ｃｍ^３−１０．５ｇ／ｃｍ^３の範囲で、ロックウエル硬度が５０−８５の鋳造可能なニッケル−タングステン−クロム合金からなるアイアン型のゴルフクラブヘッドである。

本発明の更なる他の態様は、物品の一部が、密度が９．０ｇ／ｃｍ^３−１０．５ｇ／ｃｍ^３の範囲で、ロックウエル硬度が５０−８５の鋳造可能なニッケル−タングステン−クロム合金からなる製品である。

本発明の製品は、ニッケル−タングステン−クロム合金からなる。このニッケル−タングステン−クロム合金は、製品に、機械的特性、耐食性、高い光沢、鋳造の可能性、低コスト等、を持たせることを可能とする。本発明のニッケル−タングステン−クロム合金は、好ましくは、３５−７０重量％のニッケルと、２０−３５重量％のタングステンと、１０−３０重量％のクロムからなる。ニッケル−タングステン−クロム合金は、好ましくは、９．０ｇ／ｃｍ^３−１０．５ｇ／ｃｍ^３の範囲、より好ましくは９．２ｇ／ｃｍ^３−１０．０ｇ／ｃｍ^３の範囲、最も好ましくは９．３ｇ／ｃｍ^３の密度を有する。ニッケル−タングステン−クロム合金は、好ましくは、５０−９２の範囲、より好ましくは７５−９２、最も好ましくは８０−９１のロックウエル硬度を持つ。

表１と表２はニッケル−タングステン−クロム合金の組成の例についての情報、ニッケル−タングステン−クロム合金の各例の密度、ニッケル−タングステン−クロム合金の各例のロックウエル硬度Ｂを与えるものである。各例の金属組織学的にみると、各例は単一の固相状態にあることを示している。ロックウエル硬度は、ここにその関連部分が参照として組み入れられる、「硬度テスト」、ＡＭＳ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ， １９８７に記載されている、ロックウエル硬度Ｂの標準テストを使用して測定されたものである。例７はロックウエル硬度Ｃテストを使用して測定され、例７の測定はロックウエル硬度Ｃスケールで３４であっった。これらの結果は、これらのニッケル−タングステン−クロム合金の例は非常に光沢のある仕上げを達成することができることを示している。

好ましい製品はゴルフクラブヘッドで、最も好ましくはアイアンタイプのゴルフクラブヘッドであるが、パター又はウッドでもよい。本発明のニッケル−タングステン−クロム合金を使用することができるそのようなパターは米国特許第６，２３８，３０２号「一体的タブを持つインサートを有するゴルフクラブヘッド」及び米国特許第６，４７１，６００号「パターヘッド」に記載され、これらの両方はぞの全体が、ここに参照として組み入れられる。本発明のニッケル−タングステン−クロム合金を使用することができるそのようなウッドは、ここにその全体が参照として組み入れられる、米国特許第６，４３４，８１１号「ゴルフクラブヘッドの重り付与システム」に記載されている。

図１−８に記載されているように、第１の実施例によるアイアンゴルフクラブヘッドは、全体として２０で示される。クラブヘッド２０は、好ましくは、３つの主たる要素：外周部材２２，中央部材２４及びフェースプレート２６からなる。クラブヘッド２０は、１番アイアンからロブウエッジの範囲とすることができ、ロフト角は、好ましくは、１５度から６０度の範囲となる。この３つの要素は、ここに参照として組み入れられる、２００２年９月２０日に出願された米国特許出願１０／０６５，１５０「アイアンゴルフクラブヘッドの製造方法」に開示されているような方法を使用して、クラブヘッド２０に組み立てられる。外周部材２２は本発明のニッケル−タングステン−クロム合金からなる。外周部材２２は、ソール壁２８，ソール壁２８のトオ端部から上方に延びるトオ壁３０，ソール壁のヒール端部近傍で、ソール壁２８から上方に延びるヒール壁３２，及びソール壁２８のヒール端部においてソール壁２８から外方に延びるホーゼル３４を有している。ホーゼル３４は、好ましくは、オフセットしている。ホーゼル３４はシャフトを受け入れる穴３６を有し、ホーゼル３４の上端は、クラブヘッド２０が図示しないボールを打つアドレス位置にあるとき、トオ壁３０の上端より下にあるのが好ましい。穴３６は、好ましくは、ここに関連部分が参照として組み入れられる、米国特許第４，９９５，６０９号に記載されているように、中空の短いホーゼルとなるように、ホーゼル３４の全体を通して延びている。

ソール壁２８は、好ましくは、ゴルフのスイング中の地面と接触する上ぞりの外表面をもつ。図８に示されるように、ソール壁２８は、好ましくは、１．００インチ−１．７５インチの範囲、好ましくは１．２５の幅”Ｗｓ”を持つ。ソール壁２８は、また、トオエンドから穴３６の始まるまでの長さ”Ｌｓ”を持ち、好ましくは２．５インチ−３．５インチの範囲、最も好ましくは３．０インチである。

図５に示されるように、トオ壁３０は好ましくは長さ”Ｌ_Ｔ”を持ち、好ましくは１．５インチ−２．５インチの範囲で、最も好ましくは２．０インチである。トオ壁３０は、好ましくは、トオ壁３０の下方端部から上方端部に向けてテーパー状となっている幅を有している。

図６に示されるように、ヒール壁３２は、好ましくは、長さ”Ｌ_Ｈ”を持ち、好ましくは０．５インチ−１．５インチの範囲、最も好ましくは１．０インチである。ヒール３２壁は、好ましくは、ヒール壁３２の下端から上端に向けてテーパー状となっている幅を有する。

一般的に、外周部材２２は、クラブヘッド２０に、クラブヘッド２０の外周に沿って比較的に大きい質量によるより大きな慣性モーメントを与える。更に、ソール壁２８に起因する質量は、クラブヘッド２０の重心を低くし、ボールの打撃時により高い弾道を増加させる。外周部材２２は、好ましくは、クラブヘッド２０の１５％から５０％の体積を持ち、好ましくは、クラブヘッド２０の５０％から８０％の質量を持つ。

中央部材２４は、非金属材料からなる。好ましい材料は、バルクモールディング材料、シートモールディング材料、熱硬化性材料及び熱可塑性材料を含む。好ましいバルクモールディング材料は、強化ファイバーを伴う樹脂材料である。このような樹脂は、ポリエステル、ビニルエステル及びエポキシを含む。このようなファイバーは、カーボンファイバー、ファイバーグラス、アラミド又はそれらの組合せを含む。好ましいシートモールディング材料は、バルクモールディング材料と同様であるが、シート状をなす。好ましい熱可塑性材料は、上述のようなファイバーと一体となった注入成形材料を含む。これらの熱可塑性材料は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタンなどを含む。

中央部材２４は、主としてフェースプレート２６の支持部材となるもので、したがって、中央部材は、損なうことなくインパクトに耐えるものでなくてはならない。中央部材２４は、好ましくは、クラブヘッド２０の２５％から７５％の体積を持ち、好ましくは、クラブヘッド２０の１０％から３０％の質量を持つ。

中央部材２４は、好ましくは、ボディ部３８，凹所４０，前側面４２，背面４３、ソール面４４，頂部面４６，トオ面４８，ヒール面５０，及びフランジ５２を有している。前側面４２は、好ましくは、クラブヘッド２０と略同じ角度を持つ。したがって、クラブヘッド２０が５番アイアンであれば、前側面は、好ましくは２７度の角度を持つ。ボディ部分３８は、好ましくはソール面４４から上方にテーパー状となっている。

中央部材２４は外周部材２２のソール壁２８の内面上に配置される。中央部材２４のトオ面４８は、好ましくは、外周部材２２のトオ壁３０の内面に係合する。中央部材２４のヒール面５０は、好ましくは、外周部材２２のヒール壁３２の内面と係合する。頂部面４６は、好ましくは、クラブヘッド２０の頂部ラインを形成する。フランジ５２は、頂部面４６から外側に前側面４２を覆うように延び、これによって、フェースプレート２６を固定するための頂部カバーを形成している。フェースプレート２６は、また、外周部材２２の出っ張り６０内に固定される。

フェースプレート２６は、好ましくは、軽量材料からなる。軽量材料は、好ましくは、外周部材より低い密度を持つ。このような軽量材料には、チタン材料、ステンレススチール、アモルファス金属などが含まれる。このようなチタン材料には、純チタン及び６−４チタン合金、６−２２−２２チタン合金、４−２チタン合金、ＳＰ−７００チタン合金（Ｎｉｐｐｏｎ Ｓｔｅｅｌ，東京、日本から入手可能）、Ｄａｉｓｏ Ｓｔｅｅｌ 、東京、日本より入手できるＤＡＴ５５Ｇチタン合金、オハイオ、ＲＴＩ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｍｅｔａｌｓ から入手できるＴｉ １０−２−３ Ｂｅｔａ−Ｃ チタン合金などが含まれる。フェースプレート２６は、好ましくは、鋳造、鍛造、形成、機械加工、粉末金属形成、金属−注入−モールディング、電気化学的加工、などが含まれる。

フェースプレート２６は、好ましくは中央部材２４の前側面４２と係合する内面５６と、好ましくはその上にスコアライン（図示せず）を持つ外面５４を持つ。フェースプレートは、好ましくは、０．０４０インチ−０．２５０インチの範囲の厚さ、より好ましくは０．０６インチ−０．１３０インチ、最も好ましくは０．０７５インチの厚さを持つ。

クラブヘッド２０は、好ましくは、４０．０ｃｍ^３−６０．０ｃｍ^３の範囲、より好ましくは４５．０ｃｍ^３−５５．０ｃｍ^３の範囲、最も好ましくは、５０．０８ｃｍ^３の体積を持つ。クラブヘッド２０は、好ましくは、２４０グラム−２７０グラムの範囲、より好ましくは２４５グラム−２６０グラム、最も好ましくは２５３グラムの質量を持つ。

外周部材２２は、全体積が１０．０ｃｍ^３−３２．０ｃｍ^３の範囲、より好ましくは１５．０ｃｍ^３−２０．０ｃｍ^３，
最も好ましくは１８．８ｃｍ^３である。外周部材２２は、好ましくは１００グラム−２４０グラムの範囲、より好ましくは１５０グラム−２００グラムの範囲、最も好ましくは１８５グラムの質量を持つ。

中央部材２４は、好ましくは、全体積が７．０ｃｍ^３−３５．０ｃｍ^３の範囲、より好ましくは１５．０ｃｍ^３−３０．０ｃｍ^３、最も好ましくは２８．０ｃｍ^３である。中央部材２４は、好ましくは、９グラム−７０グラムの範囲、より好ましくは２５グラム−６０グラム，最も好ましくは４５グラムの質量を持つ。

フェースプレート２６は、全体積が、好ましくは４．０ｃｍ^３−８．０ｃｍ^３の範囲，より好ましくは４．５ｃｍ^３−６．０ｃｍ３、最も好ましくは５．３ｃｍ^３である。フェースプレート２６は、好ましくは１５グラム−５０グラムの範囲， より好ましくは２０グラム−３０グラム，最も好ましくは２４グラムの質量を持つ。

図１３−２０は本発明の第２実施例のアイアンゴルフクラブヘッドを示す。

アイアンゴルフクラブヘッド２０’は、本発明によるニッケルタングステンクロム合金からなる外周部材’２２’と、非金属材料からなる中央部材’２４’と、外周部材２２’の材料より密度の低い金属材料からなるフェースプレート２６を含む。

外周部材２２’は、第１の実施例の外周部材２２と同様であり、ソール壁２８、トオ壁３０，ヒール壁３２，シャフトを受け入れるホーゼル３６を有する。更に、外周部材２２’は、トオ壁３０の上端からヒール壁３２の上端まで延びる頂部壁６２を有している。頂部壁６２、ソール壁２８，トオ壁３０，及びヒール壁３２は、外周部材２２’を通して開口６４を画成している。外周部材２２’は、第１実施例のクラブヘッド２０の外周部材２２と同様のソール壁２８，トオ壁３０，及びヒール壁のサイズを有している。

外周部材２２’はクラブヘッド２０に、クラブヘッド２０’の外周における比較的大きな質量に基づくより大きな慣性モーメントを与えている。更に、ソール壁２８への質量の寄与分はクラブヘッド２０’の重心を低くし、ボールの打撃における弾道をより高くする。外周部材２２’は、好ましくは、クラブヘッド２０’１５％−５０％の体積と、クラブヘッド２０’の５０％−８０％の質量を有する。

中央部材２４’は、バルクモールディング材料、シートモールディング材料、熱硬化性材料、又は熱可塑性材料のような非金属材料からなる。中央部材２４’は、フェースプレート２６を支持し、ボール打撃時の衝撃を緩和するように機能する。中央部材２４’は、好ましくは、クラブヘッド２０’の２５％−７５％の体積と好ましくは、１０％−３０％の質量を有する。

中央部材２４’は、好ましくは、ボディ部分３８’、凹所４０’，前側面４２’，背面４３’，ソール面４４’，頂部面４６’，トオ面４８’，及びヒール面５０’を有する。凹所４０’はボディ部分３８’の背面４３’に形成され、種々の形状を持たせることができる。ボディ部分３８’は、好ましくはソール面４４から上方に向けてテーパー状をなしている。

中央部材２４’は、外周部材２２’の開口６４内に、ソール面４４を外周部材２２’のソール壁２８の内面に接触させて配置される。中央部材２４’のトオ面４８は、好ましくは、外周部材２２’のトオ壁３０の内面と係合する。中央部材２４’のヒール面５０は、好ましくは、外周部材２２’のヒール壁３２と係合する。頂部壁４６は、外周部材２２’の頂部壁６２の内面と係合する。

フェースプレート２６も、また、外周部材２２’の開口内に配置される。外周部材２２’は、好ましくは、開口６４内にフェースプレート２６を固定するためにスエージされる。これに替えて、フェースプレート２６は、外周部材２２’に溶接してもよく、また、接着剤で固定してもよい。フェースプレート２６は、好ましくは、中央部材２４’の前側面４２とに係合する内面５６と、好ましくはスコアラインをその上に持つ外面５４を持つ。上述のように、フェースプレート２６は、軽量材料からなり、好ましくは、０．０４０インチから−０．２５０インチの範囲、より好ましくは０．０６０インチ−０．１３０インチ、最も好ましくは０，０７５インチの厚さを持つ。

図９−１２はゴルフクラブヘッドの重心を通る慣性軸を示す。慣性軸はＸ，Ｙ及びＺで示される。Ｘ軸は、ゴルフクラブヘッド２０の後部から重心ＣＧを通り、フェースプレート２６に延びる。Ｙ軸は、ゴルフクラブヘッドのヒールエンド７５から重心ＣＧを通り、ゴルフクラブヘッド２０のトオエンド７０に延びる。Ｚ軸は、ソール壁から重心ＣＧを通り、頂部ライン８０に延びる。

Ｒａｌｐｈ Ｍａｌｔｂｙによる、「Ｇｏｌｆ Ｃｌｕｂ Ｄｅｓｉｇｎ， Ｆｉｔｔｉｎｇ， Ａｌｔｅｒａｔｉｏｎ ＆ Ｒｅｐａｉｒ， ４^ｔｈ Ｅｄｉｔｉｏｎ 」
に定義されているように、ゴルフクラブヘッドの重心、即ち質量の中心は、クラブヘッドが吊り下げられたときの２又はそれ以上の垂直線の交点によって定まるクラブヘッド内の点である。重心のより詳細な説明は、「Ｇｏｌｆ Ｃｌｕｂ Ｄｅｓｉｇｎ， Ｆｉｔｔｉｎｇ， Ａｌｔｅｒａｔｉｏｎ ＆ Ｒｅｐａｉｒ」に与えられている。

ゴルフクラブヘッド２０、２０’の重心と慣性モーメントは、好ましくは、テストフレーム（Ｘ^Ｔ，Ｙ^Ｔ，Ｚ^Ｔ）を使用して測定され、次いで、ヘッドフレーム（Ｘ^Ｈ，Ｙ^Ｈ，Ｚ^Ｈ）に変換される。ゴルフクラブヘッド２０の重心は、ここにその全体が参照として組み入れられる、２００１年２月２７日に出願された係属中の米国特許出願０９／７９６，９５１号「高い慣性モーメントを持つ複合材料ゴルフクラブ」に記載されているように、２つの秤量スケールをその上に持つ重心テーブルを使用して得ることができる。もしシャフトがされば、それを取り除き、ゴルフクラブヘッドの軸に対して直交する多数の面を持つホーゼルキューブと置き換える。ゴルフクラブヘッドの重量が与えられると、ゴルフクラブヘッドを両方のスケール上に同時に置かれ、特定の方向、Ｘ，Ｙ，Ｚ方向に沿って重さを計るとき、二つのスケールは、ゴルフクラブヘッドの重量分布を与えることを可能にする。

一般的に、ゴルフクラブヘッド２０．２０’のＺ軸の周りの慣性モーメントＩｚｚは、好ましくは、２２００ｇ−ｃｍ^２−３０００ｇ−ｃｍ^２の範囲、より好ましくは２４００ｇ−ｃｍ^２−２７００ｇ−ｃｍ^２，最も好ましくは２４７２ｇ−ｃｍ^２−２６１７ｇ−ｃｍ^２である。ゴルフクラブヘッド２０．２０’のＹ軸の周りの慣性モーメントＩｙｙは、好ましくは、４００ｇ−ｃｍ^２−７００ｇ−ｃｍ^２の範囲、より好ましくは５００ｇ−ｃｍ^２−６００ｇ−ｃｍ^２、最も好ましくは５３０ｇ−ｃｍ^２−５６０ｇ−ｃｍ^２である。ゴルフクラブヘッド２０．２０’のＸ軸の周りの慣性モーメントＩｘｘは、好ましくは、２４５０ｇ−ｃｍ^２−３２００ｇ−ｃｍ^２の範囲、より好ましくは２５００ｇ−ｃｍ^２−２９００ｇ−ｃｍ^２、最も好ましくは２６５０ｇ−ｃｍ^２−２８７０ｇ−ｃｍ^２である
比較のため、カリフォルニアのキャラウェイゴルフカンパニーからの新しいＢＩＧ ＢＥＲＴＨＡ（登録商標）、５番アイアンは、慣性モーメントＩｚｚは２１５８ｇ−ｃｍ^２、 Ｉｙｙは５８５ｇ−ｃｍ^２、 Ｉｘｘは２４０７ｇ−ｃｍ^２である。

製品は、開放インベストメント鋳造法を使用して、ニッケル−タングステン−クロム合金をインベストメント鋳造して形成される。このインベストメント鋳造は、通常、１７２０度Ｃの温度で実施される。好ましくは、鋳造プロセスにおいて他の要素に流動性を与えるために、１重量％のシリコンが与えられ、これにより、薄い壁の充填を可能とし、また、多孔質を抑制する。

第１の実施例によるアイアンクラブヘッドの分解図である。 図１のアイアンクラブヘッドの側面分解図である。 図１のアイアンクラブヘッドの正面図である。 図１のアイアンクラブヘッドの背面図である。 図１のアイアンクラブヘッドのヒールサイドの側面図である。 図１のアイアンクラブヘッドの平面図である。 図１のアイアンクラブヘッドの底面図である。 重心を通る慣性モーメントを説明するゴルフクラブヘッドのトオサイドの側面図である。 重心を通る慣性モーメントを説明するゴルフクラブヘッドの平面図である。 重心を通る慣性モーメントを説明するゴルフクラブヘッドの正面図である。 重心を通る慣性モーメントを説明するゴルフクラブヘッドの正面斜視図である。 第２の実施例によるアイアンクラブヘッドの正面分解斜視図である。 図１３のアイアンクラブヘッドの背面分解斜視図である。 図１３のアイアンクラブヘッドの背面図である。 図１３のアイアンクラブヘッドの平面図である。 図１３のアイアンクラブヘッドの底面図である。 図１３のアイアンクラブヘッドの正面図である。 図１３のアイアンクラブヘッドのトオサイドの側面図である。 図１３のアイアンクラブヘッドのヒールサイドの側面図である。

Claims (20)

1. ソール壁と、ソール壁の第１の端部においてソール壁から上方に延びるトオ壁と、ソール壁の第２の端部においてソール壁から上方に延びるホーゼルと、ソール壁から上方に延びるヒール壁を持つ外周部材であって、９．０ｇ／ｃｍ^３−１０．５ｇ／ｃｍ^３の範囲の密度を持ち、ロックウエル硬度が５０−９２であるニッケル−タングステン−クロム合金からなる外周部材と；
   前記外周部材に結合される中央部材であって、前記中央部材は、非金属材料からなり、前側面と、背面と、ソール面と、頂部面と、トオ面と、ヒール面を有するボディ部分を持ち、前記中央部材は、ボディ部分の背面にキャビティを持つ中央部材と；
   ニッケル−タングステン−クロム合金より低い密度を持つ金属材料からなるフェースプレートであって、前記フェースプレートは前記外周部材に結合され、前記中央部材の前側面を覆って配置されるフェースプレートと、
   を有するアイアンゴルフクラブヘッド。
2. 前記外周部材は、前記トオ壁の上端から前記ヒール壁の上端にまで延びる頂部壁を更に含む請求項１に記載のアイアンゴルフクラブ。
3. 前記フェースプレート金属材料はチタニウム合金からなる請求項１に記載のアイアンゴルフクラブ。
4. 前記フェースプレートは、０．０４０インチ（０．１０２ｃｍ）−０．２５０インチ（０．６３５ｃｍ）の範囲の厚さを持つ請求項６に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
5. 前記中央部材は、バルクモールディング材料からなる請求項１に記載のゴルフクラブヘッド。
6. 前記中央部材は熱可塑性材料からなる請求項１に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
7. 前記中央部材は、前記頂部壁と前記前側面とが交わる部位において前記頂部壁から延びるフランジを更に有し、前記フェースプレートの頂部ラインは、前記中央部材のフランジと接触する請求項１に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
8. 前記クラブヘッドは、重心を通るＸ軸の回りの慣性モーメントＩｘｘは少なくとも２６６６ｇ−ｃｍ^２であり、重心を通るＺ軸野回りの慣性モーメントＩｚｚは少なくとも２４００ｇ−ｃｍ^２である請求項１に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
9. 前記外周部材は、ゴルフクラブヘッドの１５％−５０％の範囲の体積を持ち、５０％−８０％の範囲の質量を持つ請求項１に記載のゴルフクラブヘッド。
10. 前記中央部材は、ゴルフクラブヘッドの２５％−７５％の範囲の体積を持ち、１０％−３０％の範囲の質量を持つ請求項１に記載のゴルフクラブヘッド。
11. ３５−７０重量％のニッケルと、２０−３５重量％のタングステンと、１０−３０重量％のクロムからなる鋳造可能なニッケル−タングステン−クロム合金からなるボディであって、前記ニッケル−タングステン−クロム合金は９．０ｇ／ｃｍ^３ −１０．５ｇ／ｃｍ^３の範囲の密度と、５０−９２の範囲のロックウエル硬度を持つボディを有するアイアンゴルフクラブヘッド。
12. 前記ニッケル−タングステン−クロム合金は、３５−５０重量％のニッケルと、３０−３５重量％のタングステンと、２０−３０重量％のクロムと、１重量％のシリコンからなる請求項１１記載のゴルフクラブヘッド。
13. 前記ニッケル−タングステン−クロム合金は、９．２ｇ／ｃｍ^３−１０．０ｇ／ｃｍ^３の範囲の密度を持つ請求項１５に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
14. 前記ニッケル−タングステン−クロム合金は８０−９１のロックウエル硬度を持つ請求項１４に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
15. フェースと、頂部壁と、ソールと、ヒールエンドと、トオエンドを持つボディであって、前記ボディの一部は、３５−７０重量％のニッケルと、２０−３５重量％のタングステンと、１０−３０重量％のクロムからなる鋳造可能なニッケル−タングステン−クロム合金からなり、前記ニッケル−タングステン−クロム合金は９．０ｇ／ｃｍ^３ −１０．５ｇ／ｃｍ^３の範囲の密度と、５０−９２の範囲のロックウエル硬度を持つボディを有するゴルフクラブヘッド。
16. ３５−７０重量％のニッケルと、２０−３５重量％のタングステンと、１０−３０重量％のクロムからなる鋳造可能なニッケル−タングステン−クロム合金からなるボディであって、前記ニッケル−タングステン−クロム合金は９．０ｇ／ｃｍ^３ −１０．５ｇ／ｃｍ^３の範囲の密度と、５０−９２の範囲のロックウエル硬度を持つボディを有する製品。
17. ボディの一部が、３５−７０重量％のニッケルと、２０−３５重量％のタングステンと、１０−３０重量％のクロムからなる鋳造可能なニッケル−タングステン−クロム合金からなり、前記ニッケル−タングステン−クロム合金は９．０ｇ／ｃｍ^３ −１０．５ｇ／ｃｍ^３の範囲の密度と、５０−９２の範囲のロックウエル硬度を持つボディを有する製品。
18. ３５−７０重量％のニッケルと、２０−３５重量％のタングステンと、１０−３０重量％のクロムからなる組成の材料から物品をインベスト鋳造するステップを有する物品を製造する方法であって、前記インベスト鋳造される物品は、９．０ｇ／ｃｍ^３ −１０．５ｇ／ｃｍ^３の範囲の密度と、５０−９２の範囲のロックウエル硬度を持つ物品を製造する方法。
19. 前記材料は、１重量％のシリコンを更に有する請求項１８に記載の方法。
20. 前記製品はゴルフクラブヘッドの一部である請求項１８に記載の方法。

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