JP2007336780A - ステータ - Google Patents

ステータ Download PDF

Info

Publication number
JP2007336780A
JP2007336780A JP2006168863A JP2006168863A JP2007336780A JP 2007336780 A JP2007336780 A JP 2007336780A JP 2006168863 A JP2006168863 A JP 2006168863A JP 2006168863 A JP2006168863 A JP 2006168863A JP 2007336780 A JP2007336780 A JP 2007336780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
electric wire
stator
solenoid
diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006168863A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Iizuka
慎一 飯塚
Kazutsugu Kusabetsu
和嗣 草別
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2006168863A priority Critical patent/JP2007336780A/ja
Publication of JP2007336780A publication Critical patent/JP2007336780A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Windings For Motors And Generators (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Abstract

【課題】ソレノイド部の最外層の電線が形成する段差及びこの段差により生じるデッドスペースが小さく、高い占積率を達成し、その一方で電気抵抗の増加や発熱の問題も小さいステータを提供する。
【解決手段】外周側のヨークと、内周側のつばと、前記ヨークと前記つばを結合するティースと、前記ティースに電線を多層に巻回してなるソレノイド部を有する分割ステータが、円環状に配置されたステータであって、前記ソレノイド部の外層側にある電線の少なくとも一部は、前記ソレノイド部の内層側にある他の電線より細径であることを特徴とするステータ。
【選択図】図3

Description

本発明はモータ等の回転電機に用いられるステータに関し、より具体的には、分割ステータを円環状に配置してなるステータに関する。
ハイブリッドカー等に用いられているモータは、特に高出力化、高効率化が求められる。そこでそのモータのステータとしては、分割ステータを円環状に配置したものが用いられ、この分割ステータとしては、外周側にあるヨークと、内周側にあるつばと、前記ヨークと前記つばを結合する半径方向のティースと、前記ティースに電線が整列巻き(巻回の内側の層の2本の電線の間に外側の層の電線が1本入り込む巻き方)により多層に巻回されている部分、すなわちソレノイド部を有するものが用いられている。そしてこれにより、磁束密度の増加とティースへの電線の巻回の容易化が図られている。
図1及び図2は、この構造のステータを概念的に示す図である。
図1と図2において、10はコアであり、11はヨークであり、12はティースであり、13はつばであり、14はインシュレータであり、20は、電線を整列巻きした結果ティースの方向(ステータの半径方向)に沿って並んだ電線の列(ソレノイド)からなる層(以下、「ソレノイド層」と言うこともある。)が多層に形成されてなるソレノイド部であり、21は電線であり、29はソレノイド部20の外周側の境界線(物でないので点線で示す。)である。
図1(a)は、ステータの分割ステータが、ステータの中心Oの周りに円環状に配置されている様子を概念的に示し、図1(b)は、前記分割ステータの1個(A部)のコア10の構造、すなわちヨーク11とティース12とつば13からなる構造を示す。ティース12は、ヨーク11とつば13を結合し、図1(a)に示す円環の半径方向に伸びている。
又、図2は、図1のA部のコアに、インシュレータ14を介在させて電線21が整列巻きされ、これにより電線21がティース12の周囲に多層に巻回されてソレノイド部20を形成している様子の片側半分(図1(a)の中心線C−Cの右あるいは左半分)を、概念的に示す。
図2に示すように、インシュレータ14に直接巻回されている電線21が形成するソレノイド層(矢印Eの電線の層)の1つ外層側(図では上方)のソレノイド層(矢印Fの電線の層)の各電線は、矢印Eの電線の層の2本の電線の間に1本が入り込むように巻回され、この様な巻回、整列巻きが繰返されることにより、巻き崩れの防止及び密な巻回が図られている。
なお、図1(a)においては、図示を分かりやすくするため、断面が円環状のステータそのものは点線で示し、分割ステータのソレノイド部20とインシュレータ14は網掛けで示し、個々の分割ステータや電線等を描くことは省略している。又、図2においても、電線21は、導体の周囲に絶縁体の被覆層(以下、「絶縁被覆」と記す)が形成されているが、図示を分かりやすくするため、両方を区分けして図示してはいない。
回転電機の高出力化、高効率化のためには、ティース12に巻回する電線の本数の増加が望まれる。そして、回転電機を大型化することなく、巻数を増加する手段のひとつとして、図2に示すヨーク11とティース12とつば13とソレノイド部の境界線29で囲まれた箇所(スロット)の断面積に対する、巻回されている電線の導体部分の断面積の総和の割合を大きくすること、すなわち占積率の向上が望まれている。
占積率向上のためには、電線を巻回してソレノイド部20を形成する際に、電線を互いに密接かつ整列させて巻くとともに、スロット内のより広い領域を電線で埋めることが望まれており、そのための発明もなされている。
例えば、特開平9−191588号公報には、分割ステータのティースに、電線を密接かつ整列させて巻回する発明が開示されており、この発明では、巻回する電線の断面の形状を台形状(四角形状)とすることで、スロット内のより広い領域を電線で埋めている。
特開平9−191588号公報
しかしながら、このような従来技術には次のような問題点が指摘されている。すなわち、各分割ステータは円環状に設けられているため、図2から明らかなように、ヨーク11がつば13より長くなる。このため、電線21をティース12の周りに、互いに密接、整列させて、かつ隣接する分割ステータと干渉しない最大の範囲に巻回しようとすると、図2に示すように、ソレノイド部20の最外層の、すなわち境界線29に最も近い箇所の電線は、階段状になるように巻回せざるを得ない。この結果、電線の直径に近い段差(図2では3個の太い矢印で示す部分)が生じ、この段差が形成するデッドスペースの分、占積率が低下する。又、境界線29に近い箇所のヨーク11やつば13等には複雑な形状の箇所(狭い入り組んだ箇所)があって電線の巻回が困難なスペースが生じることもあり、その分占積率が低下する。
その対策として電線径を細くすることにより、段差やデッドスペースを減少し、併せて狭い入り組んだ場所にも巻回を可能とする方法も考えられている。しかし、電線径を細くすると、電気抵抗は増加し発熱も増大するという新たな問題も生じる。しかもこの場合でも、巻回の隣接する層(巻回の内層と外層、図2では下側の層と上側の層)間の電圧は低下しないので、ハイブリッドカー用モータのステータ等のように、高電圧が印加されるステータでは、絶縁被覆を薄くすることができない。その結果、電線の断面積に占める絶縁被覆の割合はかえって増加し、占積率は逆に低下する。
本発明は、このような従来のステータの問題を解決し、前記のような段差及びこの段差が形成するデッドスペースが小さく、従って高い占積率を達成しており、しかも電気抵抗の増加や発熱等の問題が抑制されたステータを提供することを課題とする。
前記の課題は、以下に示す構成により解決される。本発明者は、所定の箇所に巻回する電線のみを、他の電線より細径のものとすることにより、前記の課題が解決されることを見出し、以下に示す構成からなる本発明を完成した。
本発明は、その請求項1として、
分割ステータが円環状に配置されたステータであって、
前記分割ステータが、外周側にあるヨークと、内周側にあるつばと、前記ヨークと前記つば間を結合するティースと、前記ティースに電線を多層に巻回してなるソレノイド部を有し、
前記ソレノイド部の外層側にある電線の少なくとも一部は、前記ソレノイド部の内層側にある他の電線より細径であることを特徴とするステータ
を提供する。
本発明のステータは、分割ステータが円環状に配置されたものである。又、この分割ステータは、外周側にあるヨークと、内周側にあるつばと、前記ヨークと前記つば間を結合するティースと、前記ティースに電線を多層に巻回してなるソレノイド部を有するものである。以上の点は、前記の図1及び図2で表されるステータと同じであるので、詳細な説明を割愛する。
本発明のステータでは、巻回された電線中の一部のみが、他の電線より細径(断面積が小さいこと)であることを特徴とする。このような細径の電線は、例えば、電線の巻回前に、細径化処理を施すことにより得ることができる。細径化処理は、電線の特定箇所を伸張することにより、又はその外部形状に押圧処理をすることにより行うことができる。又細径の電線は、細径化処理されたものに限定されず、例えば、その製造時から細径の電線を用いてもよい。
細径の電線が巻回されている部分は、ソレノイド部の外層側、すなわち、最外層のソレノイド層及び最外層のソレノイド層に近い層にある(図2で示すならば境界線29に近い部分)。なお、外層側の一部に細径でない電線(細径の電線以外の電線)が巻回されていてもよいし、内層側(外層側以外のソレノイド部)の一部に細径の電線が巻回されていてもよいが、本発明の趣旨を達成するためには、細径の電線の主体(大部分)は外層側にある。
外層側に細径の電線があるため、最外層のソレノイド層に生じる段差は小さくなる。その結果、前記のようなデッドスペースが小さくなり、占積率が向上する。しかも、細径の電線はソレノイド部の一部のみであるので、電気抵抗の増加及びこれに伴う発熱の増加は、全ての電線を細径とする場合に比べて小さいとともに、細径の電線はソレノイド部の外層側、すなわち最外層やその近くの層にあるので、外部への放熱が容易である。その結果、電気抵抗の増加や発熱を、実用上ほとんど問題とならない程度とすることが可能である。
なお、占積率は円環状に配列された分割ステータの、周方向で隣接する他の分割ステータに面する側(図1におけるD側)において問題となる。占積率向上の観点からは、ステータの回転軸方向側(図1における紙面の上下側)については、必ずしも電線の一部を細径とする必要はなく、細径としないことは発熱が少なくなる点からは好ましい。しかし、製造の容易さ等の理由により、この箇所の電線も細径であってもよい。
なお、後述する図3に示されるように、細径の電線は必ずしも整列されていない。整列巻きは占積率の向上のためには好ましく、図3の例でも、細径でない電線は整列巻きされているが、電線の直径が異なるため、細径の電線まで完全に整列巻きとすることは困難である。ただし、細径の電線についても可能な限り整列巻きとする方が占積率の向上のためには好ましい。
又、電線の断面形状は、電線間の隙間を少なくして占積率を上げるためには、図3に示す円形でなく、六角形である方が好ましい。
以上の他、細径の電線を用いることにより、又従来技術では巻回が困難であった狭い入り組んだ箇所等にも電線を巻回することができるようになり、この点からも占積率が向上する。例えば、図2では図の右上部側では、インシュレータ14の層が、絶縁のために必要な厚さより厚くなっているが、これは、従来技術ではこの部分への電線の巻回が困難なためである。しかし、細径の電線を使用することによりこの部分への電線の巻回が可能になり、占積率を向上させることができる。
本発明は、前記請求項1のコイルに加えて、その好ましい態様として、さらに下記の特徴を加えた構成からなる発明を提供する。
前記のステータであって、前記細径である電線の導体の平均断面積は、他の電線の導体の平均断面積の70〜90%であることを特徴とするステータ(請求項2)。
ここで、電線の導体の断面積とは、電線の長さ方向に直交する平面で電線を切ったときの導体の断面積であり、平均断面積とはその平均値である。細径である電線の導体の平均断面積が、細径でない電線の導体の平均断面積の70%より小さいと、発熱の問題が生じやすくなる。又、細径の電線を、電線の伸張や押圧により製造する場合は、その製造が困難になり、細径化の工程で絶縁被覆の破壊等が生じやすくなる場合がある。一方、90%より大きいと、細径の電線を使用することにより占積率を向上させる効果が小さくなる。
この比率のより好ましい範囲は、電線の径、導体の材質、絶縁被覆の厚み、巻回数、ターン総数や、電線に流される電流値等により変動する。そこで、前記の各要素を考慮して簡易な予備実験等により最適な比率を決定することが好ましい。又、細径の電線の全てが同じ径でなくても良く、例えば、ソレノイド部の最外層は冷却がより容易であるため、細径の電線の中でも、特に細径のものを用いても良い。
前記のステータであって、前記電線の巻回は、多本線巻きによることを特徴とするステータ(請求項3)。
巻回する電線の径を太くすることなく、大電流を可能とし、又交流が導体の表面近くを流れようとする表皮効果による抵抗の増加を抑え、併せて巻回を容易にするために、比較的細い電線を複数本並列させて巻回する多本線巻きが知られている。本発明のステータを構成する電線は、この多本線巻きにより巻回された電線であってもよい。請求項3は、電線の巻回が、この多本線巻きによる態様に該当するものである。
本発明のステータは、外周側にあるヨークと、内周側にあるつばと、前記ヨークと前記つば間を結合するティースと、前記ティースに電線を多層に巻回してなるソレノイド部を有する分割ステータが、円環状に配置されたステータであって、ソレノイド部の最外層に生じる段差やデッドスペースが小さく、その結果高い占積率を得ることができ、一方、電気抵抗の増加や発熱の問題が小さいステータである。
以下、本発明のより具体的な形態を、図に基づいて説明する。なお、本発明は、この最良の形態に限定されるものではない。発明の趣旨を損なわない範囲内において、この形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
(ソレノイド部の説明)
図3は、本発明のステータの一例の要部であるソレノイド部の特徴を概念的に示す図であり、従来技術の説明に使用した図2に相当する図である。このため、図3においては、図1と図2と同じ構成部材については同じ符号を付し、それらの説明を省略する。図3において、15はつば13の先端側(ティース12より遠い側)の部分にあるインシュレータであり、22は細径化された電線であり、23は細径化された電線の中で、インシュレータ15に近接する箇所に巻回された電線である。なお、細径化された電線22、23と、細径化されていない電線21との区別を明確にするため、電線22、23の中心に点を描いている。
ここで、電線21、22、23としては、軟質で柔軟性があり、かつ導電性が高い金属、例えば、銅、銀入り銅、アルミニウム等の導体の線を絶縁被覆したものが好ましく用いられる。細径でない電線21としては、導体の直径が1mm程度で、厚さ20〜50μm程度の絶縁被覆を有するものが例示される。絶縁被覆としては、電線の細径化の際にクラック等の皮膜劣化が生じにくく、耐熱性の高い樹脂、例えば、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリイミド等のイミド系材料からなるものが好ましく用いられる。
図3を図2と比較すれば明らかなように、本発明のステータでは、ソレノイド部20の外層側の電線は全て細径化されており、その結果ソレノイド部20の境界部は段差が小さく、滑らかになっており、その分占積率が向上している。なお、ソレノイド部20の外層側とは、図2、図3においては、境界線29に近い層が該当する。
前記のように、図3で示す例においては、細径でない電線21は整列巻きされているが、電線の直径が異なる細径の電線まで完全に整列巻きとすることは困難であるので、細径の電線22は必ずしも整列巻きされていない。
図2、図3に示す例では、電線は、ティース12を覆うインシュレータ14上に巻回される。又、図2の例では、つば13の端部であってティース12より遠い部分(図2では右上部側)を覆うインシュレータ14は、絶縁のために必要である以上の厚みを有しており、その結果占積率が低下している。この部分は、狭い入り組んだ箇所であり、細径でない電線21の巻回が困難であるためである。
一方、図3の例では、細径の電線を使用することにより、対応する部分、すなわちインシュレータ15の部分への電線23の巻回が可能になり、この点からも占積率を向上させることができる。図2で示されるような従来技術においては、インシュレータ14の断面積は、通常の場合、ヨーク11とティース12とつば13とソレノイド部の境界線29で囲まれた箇所(スロット)の断面積の12%程度であるが、図3の例のように細径の電線を用い、これに合わせて巻回とインシュレータ14の形状を工夫し、場所によってはインシュレータ14の厚さを薄くすることにより、スロット断面積に対するインシュレータの比率を下げることが可能になる。
次に、本発明のステータを製造する製造装置について、電線の細径化とコア(ティース)への巻回を中心に説明する。
(製造装置について)
図4は、本発明のステータの製造装置の要部(分割ステータへの電線の巻回装置)の一例を概念的に示す図である。図4において、10は電線21、22を巻回中のコアであり、12はそのティース(断面)であり、20は巻回により形成されつつあるソレノイド部であり、21は細径化されていない電線であり、22は細径化された電線である。30は電線細径化手段であり、ダンサーローラ31、押さえローラ32及び伸張力調整用シリンダ39から構成されている。42は、張力調整用ローラであり、45は樹脂の塗布装置である。50は制御装置であり、タイマ51、カウンタ52、メモリ53を有し、54はティース12の回転と角部の検出器である。60は、電線供給用ローラである。
分割ステータのコア10は、図示されていないモータにより反時計方向に回転しており、これにより中心にある断面がほぼ四角形(ただし角部に丸みを有する。)のティース12の外周に、細径化されていない電線21や細径化された電線22が巻回され、ソレノイド部20が形成される。
細径化されていない電線21は、2個の電線供給用ローラ60に挟み込まれて送られてくる。なお、この電線供給用ローラ60の回転速度は、コア10を回転駆動させるためのモータの回転速度および既に巻回された電線の層の数(ソレノイド層の積層数)等との調整がなされるように制御されており、これにより細径化されていない電線21が一定張力で供給されるようになっている。
電線細径化手段30は、細径化されていない電線21を、必要に応じて細径化する。細径化の方法は、ダンサーローラ31と押さえローラ32による伸張により行う。このため、ダンサーローラ31は、伸張力調整用シリンダ39により両矢印で示す方向に移動し、これによりダンサーローラ31と2個の押さえローラ32間にある細径化されていない電線21が、細径化が望まれる部分において伸張され、細径化される。図4は、この細径化される状態を示している。なお、電線を細径化する手段としては、このダンサーローラ等を用いての電線の伸張の他に、ローラやダイスによる電線周囲からの押圧等が挙げられる。
ティース12に巻回される電線21、22は、電線細径化手段30の稼動の如何と、ティース12の断面形状が円でないこと等のため、そのままでは張力が絶えず変動し、電線供給用ローラ60からの精度の良い供給やティース12への精度良好でかつ密な巻回が困難となりかねない。このため張力調整用ローラ42が、電線22を押圧して張力を制御する。
製造に際しては、場所により巻回する電線の直径が相違するため、電線間の滑りが発生することが考えられる。そこで、滑りを防止するため、電線の表面の潤滑油を除去することや、エポキシ等の感熱性あるいは感圧型の接着剤(硬化性樹脂)等を電線の外周に塗布することが好ましい。細径化に際して、絶縁被覆も薄くなるが、これらの樹脂を塗布することによりそれが補償される。又、絶縁被覆に小さな割れが発生する等の損傷が発生したとしても、これらの樹脂を塗布することにより割れ等の損傷部が治癒されることとなる。図4の例では、樹脂の塗布装置45が、押さえローラ32と張力調整用ローラ42の間に設けられており、細径化された電線22の外周に樹脂を塗布している。
制御装置50のメモリ53には、ティース12の外径と寸法、電線の直径、電線の材料の機械的性質、細径化された電線が巻回される層の数とその層内での巻回数、その他制御に必要なデータが予め入力されている。又、ティース12の回転と角部の検出器54からは、ティース12の角部が通過する毎にパルス信号(P.S.)が入力される等、必要なデータの入力が常時行われる。これらの情報を基に、制御装置50は制御信号(C.S.)を発して、伸張力調整用シリンダ39、張力調整用ローラ42、樹脂の塗布装置45、電線供給用ローラ60を制御し、細径化されていない電線21の細径化やその程度、張力、樹脂の塗布等を制御する。
次に、細径化の程度やその処理方法や条件によっては、電線を構成する電気銅や純銅等の導体が硬化し、電気的特性が悪化することも考えられるが、これは焼鈍(軟化処理)により治癒可能である。銅は、150℃であれば百数十時間、300℃であれば15〜30分程度で焼鈍が可能であり、300℃以下であればポリアミドイミド等の耐熱性樹脂からなる絶縁被覆は充分耐えられるので、150〜300℃での焼鈍が好ましい。
(製造方法、製造条件について)
次に、前記の製造装置を実際に稼働させる方法、条件について説明する。
段差を少なくし、又コアの突起部に巻回するためになされる望ましい細径化の程度は、ティース断面の形状や大きさと巻回される電線の太さ、ソレノイド層の数、1層当たりの巻回により並んだ電線の数、電線に流れる電流、電線の材質等に応じて適宜最適な値を選定する。例えば、数十kW程度のモータのステータであって、本来の電線の導体の直径が1mm程度の電線であれば、外径が0.9mm程度となる(導体の断面積は80%程度となる)ように細径化することが好ましい場合が多い。この程度の細径化であれば、電線の導体が電気銅や純銅等の場合は、ただ1回の細径化工程で可能であり、又その外周の絶縁被覆にもクラック等の被覆劣化が生じにくい。
実際の巻回の際には、細径化の程度や細径化された電線を巻回する位置等については、予め図面による検討や、試作品の製造等の簡易な予備実験により、可能な限り段差が少なくなるように、設計することが好ましい。このようにして決定された細径化を行うために必要な、ローラの押圧力やダンサーローラによる引っ張り力等は、個々のケースに応じて試験や検討を行ってデータを得る必要があるが、電線の主要部を占める電気銅や純銅等については、既に多数のデータ、JIS等の規格が存在するので、これらを参考にすることが可能であり、特に困難は生じない。
図4に示すような装置を用い、電気銅(純度99.9%以上)からなり直径1.0mmの導体部に厚み30μmのポリイミドの絶縁被覆を施した電線を、図1(b)に示すような形状を有するティース上に、図3に示すように、ソレノイド部の境界線に電線の最上層が達するまで巻回しソレノイド部を形成した。巻数(ターン数)は、226ターンであった。
同様な操作を、図4に示すような装置のダンサーローラを用い、電線の一部を所定のプログラムに基づいて伸張し、外層側にある電線の直径が0.95mmとなるように、すなわち導体部の断面積がおおよそ90%となるように細径化しながら行った。全巻数は、242ターンとなり、細径化された電線の巻数は、118ターンであった。その結果、占積率は63%から68%に向上した。
従来技術のステータにおいて、分割ステータが配置されている様子及びそのコアを示す概念図である。 従来技術のステータにおいて、コアに電線が巻回されている様子を示す概念断面図である。 本発明のステータのコアに電線が巻回されている様子を示す概念断面図である。 本発明のステータの製造装置の要部を示す概念図である。
符号の説明
10 コア
11 ヨーク
12 ティース
13 つば
14 インシュレータ
15 インシュレータ(つば13の先端側にある部分)
20 ソレノイド部
21 電線(細径化されていない)
22 電線(細径化されている)
23 電線(細径化されている電線。インシュレータ15に近接する箇所に巻回)
29 ソレノイド部の外周側の境界線
30 電線細径化手段
31 ダンサーローラ
32 押さえローラ
39 伸張力調整用シリンダ
42 張力調整用ローラ
45 樹脂の塗布装置
50 制御装置
51 タイマ
52 カウンタ
53 メモリ
54 ティースの回転と角部の検出器
60 電線供給用ローラ

Claims (3)

  1. 分割ステータが円環状に配置されたステータであって、
    前記分割ステータが、外周側にあるヨークと、内周側にあるつばと、前記ヨークと前記つば間を結合するティースと、前記ティースに電線を多層に巻回してなるソレノイド部を有し、
    前記ソレノイド部の外層側にある電線の少なくとも一部は、前記ソレノイド部の内層側にある他の電線より細径であることを特徴とするステータ。
  2. 前記細径である電線の導体の平均断面積は、他の電線の導体の平均断面積の70〜90%であることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
  3. 前記電線の巻回は、多本線巻きによることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のステータ。
JP2006168863A 2006-06-19 2006-06-19 ステータ Pending JP2007336780A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006168863A JP2007336780A (ja) 2006-06-19 2006-06-19 ステータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006168863A JP2007336780A (ja) 2006-06-19 2006-06-19 ステータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007336780A true JP2007336780A (ja) 2007-12-27

Family

ID=38935692

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006168863A Pending JP2007336780A (ja) 2006-06-19 2006-06-19 ステータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007336780A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010011706A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Nidec Sankyo Corp モータ
US20130214632A1 (en) * 2012-02-20 2013-08-22 Alstom Wind, S.L.U. Generator
JP2014128044A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Panasonic Corp 電動機の巻線方法
JP2015173571A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 三菱電機株式会社 電動機の固定子、冷媒圧縮機、冷凍空調機、電動機の固定子の製造装置、及び、電動機の固定子の製造方法
JP2017077049A (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 日立オートモティブシステムズ株式会社 回転電機
WO2022191660A1 (ko) * 2021-03-11 2022-09-15 엘지이노텍 주식회사 모터

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010011706A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Nidec Sankyo Corp モータ
US20130214632A1 (en) * 2012-02-20 2013-08-22 Alstom Wind, S.L.U. Generator
US9705371B2 (en) * 2012-02-20 2017-07-11 Alstom Renewable Technologies Generator
JP2014128044A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Panasonic Corp 電動機の巻線方法
JP2015173571A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 三菱電機株式会社 電動機の固定子、冷媒圧縮機、冷凍空調機、電動機の固定子の製造装置、及び、電動機の固定子の製造方法
JP2017077049A (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 日立オートモティブシステムズ株式会社 回転電機
WO2022191660A1 (ko) * 2021-03-11 2022-09-15 엘지이노텍 주식회사 모터

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9077216B2 (en) Stator for rotating electrical machine
US9859775B2 (en) Method for forming a concentric winding coil
JP5692247B2 (ja) モータ巻線用集合導線
CN106298228B (zh) 线卷绕方法以及线卷绕装置
JP2007336780A (ja) ステータ
US8013490B2 (en) Armature
US10164490B2 (en) Rotary electric machine and manufacturing method therefor
US20130193798A1 (en) Rotary electric machine
US20130192057A1 (en) Manufacturing method for coil unit
JP6451993B2 (ja) 回転電機用固定子の製造装置
US9716414B2 (en) Stator of rotating electric machine
US9705374B2 (en) Rotary electric machine and a manufacturing method thereof
WO2013187501A1 (ja) コイル状部材及びコイル装置
JP2007220490A (ja) 真四角絶縁電線の製造方法およびそれによって製造された真四角絶縁電線とその用途
JP5814291B2 (ja) 素線の集合体の製造方法
US9352408B2 (en) Solder joint structure and solder joining method
JP5984592B2 (ja) セグメントコイル、セグメントコイルを用いてなるステータ及びセグメントコイルの製造方法
JP2006196682A (ja) 環状コイル、コイル製造装置、コイル製造方法及び変圧器
JP2008278681A (ja) ステータ及びその製造方法
JP2017054754A (ja) 絶縁電線およびその製造方法
JP2006087172A (ja) 回転電機の固定子
JP2008054482A (ja) 分割ステータの製造方法
JP2009022154A (ja) 蛇行巻線コイルの成形法
CN110060814B (zh) 信号传输用电缆
JP5375074B2 (ja) 回転電機および回転電機の製造方法