JP2007336661A - 発電機の電圧調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電機の異常発生前後の電気量を記録する電圧調整装置を提供する。
【解決手段】発電機の出力電圧を出力する電圧検出器7と、発電機の出力電圧を制御する電圧指令発生器8と、前記電圧指令信号から前記電圧検出信号を減じる減算器9と、前記誤差信号より界磁制御信号を出力する演算増幅器10と、界磁電源3の電圧・電流を前記界磁制御信号に基づいて出力する界磁調節器11と、計時手段21と、この計時手段21による時刻ごとに、出力電圧、周波数、電流の検出値および前記界磁制御信号等の電気量を蓄積し、出力電圧あるいは周波数あるいは電流等の異常時のトリップ信号に基づき、トリップ信号発生前後の所定時間の蓄積データを出力するメモリ制御器22と、前記蓄積データのメモリ23と、メモリ23のデータを出力する出力器とを備え、異常発生前後にわたる所定時間の時刻と、出力電圧、周波数、電流の検出値、界磁制御信号等の情報を表示する。
【選択図】図1
【解決手段】発電機の出力電圧を出力する電圧検出器7と、発電機の出力電圧を制御する電圧指令発生器8と、前記電圧指令信号から前記電圧検出信号を減じる減算器9と、前記誤差信号より界磁制御信号を出力する演算増幅器10と、界磁電源3の電圧・電流を前記界磁制御信号に基づいて出力する界磁調節器11と、計時手段21と、この計時手段21による時刻ごとに、出力電圧、周波数、電流の検出値および前記界磁制御信号等の電気量を蓄積し、出力電圧あるいは周波数あるいは電流等の異常時のトリップ信号に基づき、トリップ信号発生前後の所定時間の蓄積データを出力するメモリ制御器22と、前記蓄積データのメモリ23と、メモリ23のデータを出力する出力器とを備え、異常発生前後にわたる所定時間の時刻と、出力電圧、周波数、電流の検出値、界磁制御信号等の情報を表示する。
【選択図】図1
Description
本発明は、同期発電機またはブラシレス同期発電機の出力電圧を所期の電圧に自動制御する発電機の電圧調整装置に関する。
同期発電機またはブラシレス同期発電機によって発電する発電装置には一般に、発電機の出力電圧を所期の値に自動制御するために自動電圧調整器が設けられている(特許文献1、2参照)。
図10は、従来の自動電圧調整器を備えた発電装置の一例である。同図において1は同期発電機またはブラシレス同期発電機、2は自動電圧調整器、3は界磁電源、4は変圧器、5は負荷、6は保護回路を示す。自動電圧調整器2は、電圧検出器7、電圧指令発生器8、減算器9、演算増幅器10、界磁調節器11により構成される。保護回路6は変圧器61、過電圧継電器62、不足電圧継電器63、周波数上昇継電器64、周波数低下継電器65、変流器66、過電流継電器67、故障トリップ回路68、遮断器69により構成される。発電機1は、遮断器69を介して負荷5に電力を供給し、系統と連系運転を行なう。
自動電圧調整器2は次のように動作する。電圧検出器7は、変圧器4を介して発電機1の出力電圧を検出し電圧検出信号Vgを出力する。電圧指令発生器8は、発電機1の電圧を所期の電圧に制御するための電圧指令信号Vg*を出力する。減算器9は電圧指令信号Vg*から電圧検出信号Vgを減算し誤差信号ΔVgを出力する。演算増幅器10は誤差信号ΔVgを入力として例えばPID制御演算を行い、負荷のインピーダンスが変化した場合でも発電機1の出力電圧を所期の電圧に保つための界磁制御信号Vaを出力する。界磁電源3は界磁調節器11に界磁電力を供給する。界磁調節器11は界磁電源3の電圧・電流を界磁制御信号Vaに基づいて調節して発電機1の励磁機の界磁巻線に出力する。以上の動作により発電機1の出力電圧は定格電圧に保たれる。
過電圧継電器62および不足電圧継電器63は、変圧器61を介して発電機1の出力電圧の異常を検出する。周波数上昇継電器64および周波数低下継電器65は、変圧器61を介して発電機1の周波数の異常を検出する。過電流継電器67は変流器66を介して発電機1の過電流を検出する。故障トリップ回路68はこれら各継電器の検出信号に基づいてトリップ信号を出力する。遮断器69はトリップ信号が入力されることで開路される。
実開平6−48399号公報
特開平5−284799号公報
自動電圧調整器は発電機電圧を所期の電圧となるように制御しようとする。そして、過電圧、不足電圧、周波数上昇、周波数低下または過電流の異常状態になった場合には事故を防ぐために保護回路が動作する。しかし、従来は保護回路の動作タイミング前後の電圧、周波数、電流等の電気量が記録に残っていないので原因の究明ができなかった。
そこで本発明は、発電機の出力電圧、周波数、電流等の電気量に異常が発生したときに異常発生前後の電気量を記録することのできる発電機の電圧調整装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の発電機の電圧調整装置は、発電機の出力電圧を検出し電圧検出信号として出力する電圧検出器と、発電機の出力電圧を所期の電圧に制御するための電圧指令信号を出力する電圧指令発生器と、前記電圧指令信号から前記電圧検出信号を減じた誤差信号を出力する減算器と、前記誤差信号を演算増幅して界磁制御信号を出力する演算増幅器と、界磁電力を供給する界磁電源の電圧・電流を前記界磁制御信号に基づいて調節して発電機の界磁巻線に出力する界磁調節器と、時刻を測定する計時手段と、この計時手段によって測定される時刻ごとに、その時の発電機出力電圧、周波数、電流の検出値および前記界磁制御信号等の電気量をデータとして蓄積し、発電機の出力電圧あるいは周波数あるいは電流等の異常時に入力されるトリップ信号に基づき、トリップ信号発生前後の所定時間の蓄積データを出力するメモリ制御器と、前記蓄積データを記憶するメモリと、前記メモリに記憶されているデータを外部に出力する出力器とを備え、異常発生前から発生後にわたる所定時間の時刻と、その時刻ごとの発電機の出力電圧、周波数、電流の検出値、界磁制御信号等の情報を表示するようにした構成とする。
また本発明の発電機の電圧調整装置は、前記発電機の出力電圧または周波数または電流の検出値または前記界磁制御信号から異常を検知して前記トリップ信号を出力する異常検出器を備え、前記メモリ制御器は前記トリップ信号に基づいて異常発生前後の所定時間の時刻と、その時の発電機出力電圧、周波数、電流の検出値および界磁制御信号等の情報を前記メモリに記憶させ、記憶データを外部の表示器に出力するようにした構成とする。
また本発明の発電機の電圧調整装置は、前記メモリは容易に取り外せるメモリである構成とする。
また本発明の発電機の電圧調整装置は、前記出力器の代わりに、前記メモリに記憶されているデータの再生を行なうための指令を出力する再生指令器と、前記再生指令器からの指令を受け前記メモリに記憶されているデータを読込み出力するデータ再生器と、前記データ再生器からのデータをアナログ電圧出力するD/Aコンバータとを備え、前記メモリの記憶データを時間的に変化する電圧信号として出力するようにした構成とする。
また本発明の発電機の電圧調整装置は、前記出力器の代わりに、前記メモリに記憶されているデータの再生を行なうための指令を出力する再生指令器と、前記再生指令器からの指令を受け前記メモリに記憶されているデータを読込み出力するデータ再生器と、前記データ再生器からのデータをアナログ電圧出力するD/Aコンバータとを備え、前記メモリの記憶データを時間的に変化する電圧信号として出力するようにした構成とする。
本発明によれば、発電機の出力電圧、周波数、電流等の電気量に異常が発生したときに異常発生前後の電気量を記録することのできる発電機の電圧調整装置を提供することができる。
以下、本発明の第1ないし第3の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
(構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態の発電機の電圧調整装置の構成および信号の流れを示すブロック図である。
(第1の実施の形態)
(構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態の発電機の電圧調整装置の構成および信号の流れを示すブロック図である。
本実施の形態の発電機の電圧調整装置は、同期発電機またはブラシレス同期発電機1の出力電圧を変圧器4を介して検出し電圧検出信号Vgとして出力する電圧検出器7と、発電機1の出力電圧を所期の電圧に制御するための電圧指令信号Vg*を出力する電圧指令発生器8と、前記電圧指令信号Vg*から前記電圧検出信号Vgを減じた誤差信号ΔVgを出力する減算器9と、前記誤差信号ΔVgを演算増幅して界磁制御信号Vaを出力する演算増幅器10と、界磁電力を供給する界磁電源3の電圧・電流を界磁制御信号Vaに基づいて調節して発電機1の界磁巻線に出力する界磁調節器11と、時刻を測定する計時手段21と、この計時手段21の測定時刻と、その時刻ごとの電圧検出信号Vgと界磁制御信号Vaを蓄積データとして蓄積し、故障トリップ回路68からのトリップ信号に基づいてトリップ信号発生前後の所定時間の蓄積データを出力するメモリ制御器22と、蓄積データを記憶するメモリ23と、読込み指令をメモリ23に出力し記憶されているデータを出力する出力器24を備え、出力されたデータを外部表示器25により見ることができる構成である。
計時手段21は自動電圧調整器2の電源が切れても時刻を測ることが可能な例えばバックアップ電源を備えた時計ICによって実現される。メモリ制御器22および出力器24は例えばマイクロコンピュータとソフトウェアによって実現される。メモリ23は自動電圧調整器2の電源が切れてもデータを保持することが可能な例えばバックアップ電源を備えたSRAMによって実現される。外部表示器25は例えばパソコンによって実現される。
(作用)
計時手段21は時刻を測定する。メモリ制御器22は計時手段21の測定時刻と、その時刻ごとの電圧検出信号Vgと界磁制御信号Vaを蓄積すると共に、故障トリップ回路68からのトリップ信号に基づいてトリップ信号発生前後の所定時間の蓄積データを記憶データとして出力する。この記憶データを参照することで、電圧検出値や界磁制御信号の時間的な変化を知ることが可能となる。メモリ23は蓄積データを記憶する。
計時手段21は時刻を測定する。メモリ制御器22は計時手段21の測定時刻と、その時刻ごとの電圧検出信号Vgと界磁制御信号Vaを蓄積すると共に、故障トリップ回路68からのトリップ信号に基づいてトリップ信号発生前後の所定時間の蓄積データを記憶データとして出力する。この記憶データを参照することで、電圧検出値や界磁制御信号の時間的な変化を知ることが可能となる。メモリ23は蓄積データを記憶する。
メモリ23は、下記のようにしてトリップ信号受信前後Ta秒間のデータを記憶する。図2にメモリ23のメモリマップを示す。図2に示すように、メモリ23のデータ記憶領域をデータ記憶領域1とデータ記憶領域2の2個の領域に分けておく。2つのデータ記憶領域のうち、どちらか一方に常にデータが書き込まれ、もうひとつのデータ記憶領域に過去のデータが保存される。なお、このデータ記憶領域1つあたり(2×Ta)秒間のデータを記憶できる大きさとする。また、同図において、t(i)(j)はデータ記憶領域iのj番目の時刻データ、trip(i)(j)はデータ記憶領域iのj番目のトリップ信号データ、Vg(i)(j)はデータ記憶領域iのj番目の電圧検出信号データ、Va(i)(j)はデータ記憶領域iのj番目の界磁制御信号データをあらわす。iは1もしくは2、jは1〜Nの範囲をとる。Nはデータの個数である。
図3にメモリ制御器22の動作フローを示す。なお、同図の記号は図2の記号と一致する。ステップa1では、iとjにそれぞれ1を代入し、ロギング中フラグをOFFにする。ステップa2では、トリップ信号がONからOFFに変化したか、もしくは、ロギング中フラグがONであるかを判定し、「YES」ならばステップa3へ、「NO」ならばステップa7へ移行する。ステップa3では、ロギング中フラグをONにする。ステップa4では、トリップ信号が入力されてからTa秒経過したかどうかを判定し、「YES」ならばステップa5へ、「NO」ならばステップa7へ移行する。ステップa5では、ロギング中フラグをOFFにする。ステップa6では、iが1ならばiに2を代入し、iが1でないならばiに1を代入する。ステップa7では、メモリ23にデータを上書きして保存する。ステップa8では、jがNならばjに1を代入し、jがNでないならばjに1を加算する。
出力器24は読出し指令をメモリ23に出力し、メモリ23から記憶されているデータを受け取り、外部表示器25に出力する。外部表示器25は受信したデータをたとえば図4(a)、(b)のように表示する。図4(a)は発電機電圧を表示しており、横軸が時間、縦軸が電圧を示す。また、図4(b)は異常がいつ検出されたかを示しており、横軸が時間、縦軸がトリップ信号のON/OFFを示している。図4(a)、(b)よりトリップ信号がOFFからONになった瞬間における発電機電圧Vtripを読み取ることが可能となる。図4の場合、発電機電圧が上昇しVtripとなった時にトリップ信号が入力されていることから、保護回路6が動作した原因は、過電圧継電器62が過電圧を検知し故障トリップ回路68が動作したと判断できる。このように図4(a)、(b)の波形を見ることで、異常の発生時刻と、保護回路動作の原因を知ることができる。
(効果)
以上説明したように、本実施の形態の発電機の電圧調整装置では、異常発生前後の所定時間の時刻、発電機電圧の検出値、界磁制御信号の情報を記憶し、記憶データを外部の表示器に出力する機能を備えているので、異常の発生時刻と、保護回路6の動作の原因を知ることができる。
以上説明したように、本実施の形態の発電機の電圧調整装置では、異常発生前後の所定時間の時刻、発電機電圧の検出値、界磁制御信号の情報を記憶し、記憶データを外部の表示器に出力する機能を備えているので、異常の発生時刻と、保護回路6の動作の原因を知ることができる。
なお、メモリ23をUSBメモリやメモリカード等の容易に取り外すことが可能なメディアにて実現してもよい。その場合、発電装置の設置場所にパソコン等の表示器を持参しなくても、記憶したデータを持ち帰ることができる。
(第2の実施の形態)
(構成)
図5は、本発明の第2の実施の形態の発電機の電圧調整装置の構成および信号の流れを示すブロック図である。図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
(構成)
図5は、本発明の第2の実施の形態の発電機の電圧調整装置の構成および信号の流れを示すブロック図である。図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
図5において、図1に示した第1の実施の形態と異なる点は、電圧検出信号Vgと界磁制御信号Vaから異常を検知する異常検出器31を備え、メモリ制御器22が保護回路6からのトリップ信号を受信する代わりに、異常検出器31からのトリップ信号を受信することである。異常検出器31はマイクロコンピュータとソフトウェアによって実現される。
(作用)
異常検出器31は電圧検出信号Vgと界磁制御信号Vaから異常を検知し、トリップ信号を出力する。図6に異常検出器31の動作フローを示す。図6において、ステップb1では、計測時間tを0に初期化する。ステップb2では、界磁制御信号Vaとあらかじめ設定しておいたVaの判定値を比較し、「Va>Va判定値」ならばステップb3へ、そうでないならばステップb7へ移行する。ステップb3では、電圧検出信号Vgとあらかじめ設定しておいたVgの判定値を比較し、「Vg<Vg判定値」ならばステップb4へ、そうでないならばステップb7へ移行する。ステップb4では、ステップb2とステップb3の条件を初めて満たしてからの経過時間を変数tに保存する。ステップb5では、計測時間tと異常状態であると判断するまでの時間Tsetを比較し、「t>Tset」であればステップb6へ、そうでないならばステップb2へ移行する。ステップb6では、内部トリップ信号をONにする。ステップb7では、内部トリップ信号をOFFにし、計測時間tを0に初期化する。
異常検出器31は電圧検出信号Vgと界磁制御信号Vaから異常を検知し、トリップ信号を出力する。図6に異常検出器31の動作フローを示す。図6において、ステップb1では、計測時間tを0に初期化する。ステップb2では、界磁制御信号Vaとあらかじめ設定しておいたVaの判定値を比較し、「Va>Va判定値」ならばステップb3へ、そうでないならばステップb7へ移行する。ステップb3では、電圧検出信号Vgとあらかじめ設定しておいたVgの判定値を比較し、「Vg<Vg判定値」ならばステップb4へ、そうでないならばステップb7へ移行する。ステップb4では、ステップb2とステップb3の条件を初めて満たしてからの経過時間を変数tに保存する。ステップb5では、計測時間tと異常状態であると判断するまでの時間Tsetを比較し、「t>Tset」であればステップb6へ、そうでないならばステップb2へ移行する。ステップb6では、内部トリップ信号をONにする。ステップb7では、内部トリップ信号をOFFにし、計測時間tを0に初期化する。
このような動作によって、界磁電流が最大になるように調節している(Va>Va判定値)にもかかわらず、発電機電圧が定格電圧にならない(Vg<Vg判定値)異常状態が一定時間(Tset)経過(t>Tset)した場合にトリップ信号が出力される。
(効果)
以上説明したように、本実施の形態の発電機の電圧調整装置では、故障トリップ回路68からの(外部)トリップ信号がなくとも、異常検出器31が異常を検知することで、異常発生前後の一定時間の時刻、発電機電圧の検出値、界磁制御信号の情報を記憶することが可能となり、記憶データを外部表示器25に出力することで、異常の発生時刻と、保護回路動作の原因を知ることができる。
以上説明したように、本実施の形態の発電機の電圧調整装置では、故障トリップ回路68からの(外部)トリップ信号がなくとも、異常検出器31が異常を検知することで、異常発生前後の一定時間の時刻、発電機電圧の検出値、界磁制御信号の情報を記憶することが可能となり、記憶データを外部表示器25に出力することで、異常の発生時刻と、保護回路動作の原因を知ることができる。
なお、メモリ23をUSBメモリやメモリカード等の容易に取り外すことが可能なメディアにて実現してもよい。その場合、発電装置の設置場所にパソコン等の表示器を持参しなくても、記憶したデータを持ち帰ることができる。
(第3の実施の形態)
(構成)
図7は、本発明の第3の実施の形態の発電機の電圧調整装置の構成および信号の流れを示すブロック図である。図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
(構成)
図7は、本発明の第3の実施の形態の発電機の電圧調整装置の構成および信号の流れを示すブロック図である。図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
図7において、図1に示した第1の実施の形態と異なる点は、出力器24の代わりに、メモリ23に記憶されているデータの再生を行なうための指令を出力する再生指令器41と、再生指令器41からの指令を受けメモリ23に記憶されているデータを読込み出力するデータ再生器42と、データ再生器42からのデータをアナログ電圧出力するD/Aコンバータ43を備え、外部表示器25の代わりに時間的な電圧の変化を表示することができる外部表示器44を備えていることである。
再生指令器41は例えば押下ボタンやDIPスイッチによって実現される。データ再生器42は例えばマイクロコンピュータとソフトウェアによって実現される。外部表示器44は例えばオシロスコープやメモリレコーダによって実現される。
(作用)
再生指令器41は、ON/OFFを切り替えられることにより、メモリ23に記憶されているデータの再生を行なうための再生指令信号を出力する。データ再生器42は、再生指令器41の指令を受け、メモリ23に記憶されているデータを読込み出力する。図8は、図2に示したデータ記憶領域1に保存されている電圧検出信号Vgのデータを読み込む場合のデータ再生器42のフロー図である。同図において、tbは再生指令信号が入力されてからの時間であり、その他の記号については図2の記号と同じである。なお、ステップc2からc9までの実行時間が、図2の時刻データt(i)(j)とt(i)(j−1)の差である{t(i)(j)−t(i)(j−1)}よりも十分小さいこととする。
再生指令器41は、ON/OFFを切り替えられることにより、メモリ23に記憶されているデータの再生を行なうための再生指令信号を出力する。データ再生器42は、再生指令器41の指令を受け、メモリ23に記憶されているデータを読込み出力する。図8は、図2に示したデータ記憶領域1に保存されている電圧検出信号Vgのデータを読み込む場合のデータ再生器42のフロー図である。同図において、tbは再生指令信号が入力されてからの時間であり、その他の記号については図2の記号と同じである。なお、ステップc2からc9までの実行時間が、図2の時刻データt(i)(j)とt(i)(j−1)の差である{t(i)(j)−t(i)(j−1)}よりも十分小さいこととする。
ステップc1では、j=1とし、D/A出力フラグをOFFにする。ステップc2では、再生指令信号がONからOFFに変化したか、もしくは、D/A出力フラグがONであるかを判定し、「YES」ならばステップc3へ、「NO」ならばステップc10へ移行する。ステップc3ではD/A出力フラグをONにする。ステップc4では再生指令信号がONからOFFに変化してからの時間tbを計測する。ステップc5ではtbとメモリ23に記憶している時刻データt(1)(j)を比較し、tbがt(1)(j)以上ならばステップc6へ、tbがt(1)(j)より小さいならばステップc8へ移行する。ステップc6ではVg(1)(j)をD/Aコンバータで出力可能な電圧レベルにしデータ信号を出力する。ステップc7ではjに1を加算する。ステップc8ではjとNを比較し、jとNが等しいならばステップc9へ、等しくないならばステップc2へ移行する。ステップc9ではj=1とし、D/A出力フラグをOFFにする。ステップc10では、D/Aコンバータの出力電圧が0Vとなるデータを出力する。
D/Aコンバータ43はメモリ23に記憶されているデータを例えば図9(a)、(b)のように電圧として出力する。なお、データの再生を行なわない場合の出力電圧は0Vとする。図9(a)は発電機電圧を示しており、横軸が時間、縦軸が電圧を示す。ただし、発電機電圧の定格値を3Vで出力するようにD/Aコンバータにて再現可能な電圧レベルにしている。また、図9(b)は異常がいつ検出されたかを示しており、横軸が時間を、縦軸がトリップ信号のON/OFFを示す。ただし、トリップ信号のONを3V、OFFを1Vと出力している。このようなデータを外部表示器44に表示することで保護動作の原因を知ることが可能となる。
(効果)
本実施の形態の発電機の電圧調整装置では、異常発生前後の発電機電圧の検出値や界磁制御信号等のメモリに記憶されているデータを、時間的に変化する電圧信号として出力する。時間的な電圧変化を表示することが可能な外部表示器44にて前記電圧信号の波形を視認することで、異常の発生時刻と、保護回路6の動作の原因を知ることができる。
本実施の形態の発電機の電圧調整装置では、異常発生前後の発電機電圧の検出値や界磁制御信号等のメモリに記憶されているデータを、時間的に変化する電圧信号として出力する。時間的な電圧変化を表示することが可能な外部表示器44にて前記電圧信号の波形を視認することで、異常の発生時刻と、保護回路6の動作の原因を知ることができる。
1…同期発電機またはブラシレス同期発電機、2…自動電圧調整器、3…界磁電源、4…変圧器、5…負荷、6…保護回路、7…電圧検出器、8…電圧指令発生器、9…減算器、10…演算増幅器、11…界磁調節器、21…計時手段、22…メモリ制御器、23…メモリ、24…出力器、25…外部表示器、31…異常検出器、41…再生指令器、42…データ再生器、43…D/Aコンバータ、44…外部表示器、61…変圧器、62…過電圧継電器、63…不足電圧継電器、64…周波数上昇継電器、65…周波数低下継電器、66…変流器、67…過電流継電器、68…故障トリップ回路、69…遮断器、Vg…電圧検出信号、Vg*…電圧指令信号、ΔVg…誤差信号、Va…界磁制御信号。
Claims (4)
- 発電機の出力電圧を検出し電圧検出信号として出力する電圧検出器と、発電機の出力電圧を所期の電圧に制御するための電圧指令信号を出力する電圧指令発生器と、前記電圧指令信号から前記電圧検出信号を減じた誤差信号を出力する減算器と、前記誤差信号を演算増幅して界磁制御信号を出力する演算増幅器と、界磁電力を供給する界磁電源の電圧・電流を前記界磁制御信号に基づいて調節して発電機の界磁巻線に出力する界磁調節器と、時刻を測定する計時手段と、この計時手段によって測定される時刻ごとに、その時の発電機出力電圧、周波数、電流の検出値および前記界磁制御信号等の電気量をデータとして蓄積し、発電機の出力電圧あるいは周波数あるいは電流等の異常時に入力されるトリップ信号に基づき、トリップ信号発生前後の所定時間の蓄積データを出力するメモリ制御器と、前記蓄積データを記憶するメモリと、前記メモリに記憶されているデータを外部に出力する出力器とを備え、異常発生前から発生後にわたる所定時間の時刻と、その時刻ごとの発電機の出力電圧、周波数、電流の検出値、界磁制御信号等の情報を表示するようにしたことを特徴とする発電機の電圧調整装置。
- 前記発電機の出力電圧または周波数または電流の検出値または前記界磁制御信号から異常を検知して前記トリップ信号を出力する異常検出器を備え、前記メモリ制御器は前記トリップ信号に基づいて異常発生前後の所定時間の時刻と、その時の発電機出力電圧、周波数、電流の検出値および界磁制御信号等の情報を前記メモリに記憶させ、記憶データを外部の表示器に出力するようにしたことを特徴とする請求項1記載の発電機の電圧調整装置。
- 前記メモリは容易に取り外せるメモリであることを特徴とする請求項1または2記載の発電機の電圧調整装置。
- 前記出力器の代わりに、前記メモリに記憶されているデータの再生を行なうための指令を出力する再生指令器と、前記再生指令器からの指令を受け前記メモリに記憶されているデータを読込み出力するデータ再生器と、前記データ再生器からのデータをアナログ電圧出力するD/Aコンバータとを備え、前記メモリの記憶データを時間的に変化する電圧信号として出力するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の発電機の電圧調整装置。
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2006
- 2006-06-14 JP JP2006164357A patent/JP2007336661A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101090534B1 (ko) * | 2010-03-16 | 2011-12-08 | 현대중공업 주식회사 | 발전기 전력 자동제어장치 |
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