JP2007336187A - スイッチ機能つき増幅器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高周波帯域で使用され、広帯域で高いON−OFF比が得られると共に、低損失、回路面積の小型化が可能なスイッチ機能つき増幅器を提供する。
【解決手段】スイッチ機能つき増幅器は、入力整合回路部B1と、増幅回路部B2、B3とから構成され、入力整合回路部B1は、容量性リアクタンスC11と、入力整合回路素子Zm11〜Zm13と、ゲート側回路素子Zg11、Zg12とから構成されている。増幅回路部B2は、容量性リアクタンスC12〜C14と、FET素子F11と、誘導性リアクタンスL11、L12と、抵抗素子R11、R12と、ソース側回路素子Zs11とから構成されている。増幅回路部B3は、容量性リアクタンスC15〜C17と、FET素子F12と、誘導性リアクタンスL13、L14と、抵抗素子R13、R14と、ソース側回路素子ZS12とから構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】スイッチ機能つき増幅器は、入力整合回路部B1と、増幅回路部B2、B3とから構成され、入力整合回路部B1は、容量性リアクタンスC11と、入力整合回路素子Zm11〜Zm13と、ゲート側回路素子Zg11、Zg12とから構成されている。増幅回路部B2は、容量性リアクタンスC12〜C14と、FET素子F11と、誘導性リアクタンスL11、L12と、抵抗素子R11、R12と、ソース側回路素子Zs11とから構成されている。増幅回路部B3は、容量性リアクタンスC15〜C17と、FET素子F12と、誘導性リアクタンスL13、L14と、抵抗素子R13、R14と、ソース側回路素子ZS12とから構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、マイクロ波帯からミリ波帯に至るまでの周波数帯域におけるスイッチ機能つき増幅器に関する。
無線通信システムにおいてRF(Radio Frequency)スイッチは、送受信の切り替えや信号経路の切り替えに用いられ、重要な役割を担っている。特に準ミリ波帯以上では、他のRF回路に性能の余裕が無いため、スイッチの重要度がさらに増加し、低損失、高アイソレーションであることが要求される。
FETを用いたSPDT(Single−Pole Double Throw)スイッチ(1つの端子を2つの端子のどちらかに切替えるスイッチ)としては図9、10に示すような直列・並列FETのタイプのものや、伝送線路と並列FETを組み合わせたタイプのものがある。
図9、10は従来技術でのFETを利用したSPDTスイッチ回路の一例である。図9のSPDTスイッチ回路は、FET素子F101〜F104と、抵抗素子R101〜R104とから構成されている。アンテナ側端子101と、送信側端子102と、受信側端子103と、スイッチ切り替え制御端子104〜107とを有している。
図10のSPDTスイッチ回路は、FET素子F201、F202と、伝送線路l201、l202と、抵抗素子R201、R202とから構成されている。アンテナ側端子201と、送信側端子202と、受信側端子203と、スイッチ切り替え制御端子204、205とを有している。
各FET素子のゲート電圧を制御することにより、ドレインーソース間を低インピーダンス、高インピーダンスに切替える動作を行う。しかしながらOFF時のインピーダンスはドレインーソース間の容量Coffの影響により、周波数に対し|1/jωCoff|で減少する。したがって準ミリ波帯以上の周波数では、OFF時のインピーダンスを大きくできない。この問題を解決する方法として、OFF時の容量Coffとインダクタを直列共振させることで高インピーダンスを得る方法がある(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。
図11に従来の共振を利用したSPDTスイッチ回路の回路構成を示す。また、このSPDTスイッチを簡単な等価回路に置き換えた構成を図12に示す。図11のSPDTスイッチ回路は、容量性リアクタンスC301〜C303と、FET素子F301、F302と、誘導性リアクタンスL301、L302と、伝送線路l301、l302と、抵抗素子R301とから構成されている。アンテナ側端子301と、送信側端子302と、受信側端子303と、スイッチ切り替え制御端子304、305とを有している。
図12に示す上記SPDTスイッチ回路の等価回路は、容量性リアクタンスC401〜C403、Coffと、誘導性リアクタンスL401、L402と、伝送線路l401、l402と、抵抗素子R401とから構成されている。アンテナ側端子401と、送信側端子402と、受信側端子403と、スイッチ切り替え制御端子404、405とを有している。
図12に示すSPDTスイッチ回路の等価回路の例では、ω=1/(L×Coff)^(1/2)…(1)となる周波数においては誘導性リアクタンスL401と容量性リアクタンスCoffとの直列共振部分のインピーダンスは0となり、送信側端子402側はショートに見える。ここで、誘導性リアクタンスL401の誘導値はLである。アンテナ側端子401から見ると、(約4分の1波長の長さの線路+ショート)=高インピーダンスとなるため、送信側端子402側にはほとんど信号が通らない。
特許第3306568号公報
高須英樹、「60GHz帯および77GHz帯低損失,高アイソレーションSPST FETスイッチ」電子情報通信学会レター論文、Vol.J81−C2,No.3,pp.360−361
しかしながら、従来の共振を利用した高周波スイッチ回路においては、広域の周波数帯にわたって高いON−OFF比を得るのが難しい。また、トランジスタの抵抗成分により1〜3dBの通過損失が生じる。また、共振のために必要なインダクタの他、約4分の1波長の長さの伝送線路が必要なため、回路面積が大きくなる。
図13にGaAs MMIC(Microwave Monolithic IC)プロセス技術を用いて製造した、図11、12の共振を利用した高周波スイッチ回路の測定結果を示す。26GHzでON側の通過利得は約−3dBで、3dB近い損失が生じている。OFF側は26GHz付近に共振のピークを持ち、通過利得は−28dBである。図14に図13に示した測定結果に関するON−OFF比を示す。ON−OFF比が20dB以上得られるのは24.5−27GHzの約2.5GHzの帯域である。
このように従来の共振型の高周波スイッチ回路は周波数が狭帯域で、通過損失が大きくなり、回路面積も大きくなるという問題があった。
本発明はかかる課題を解決するためになされたもので、高周波帯域で使用され、広帯域で高いON−OFF比が得られると共に、低損失、回路面積の小型化が可能なスイッチ機能つき増幅器を提供することを目的とする。
本発明は、N個のトランジスタのA個を増幅素子として動作させ、他のトランジスタは電圧をOFFにし整合回路の一部として用いる事で、1つの入力信号をN個の出力端子のうちのA個に切り換えるスイッチ機能つき増幅器である。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、高周波信号の経路を切替えるスイッチ機能つき増幅器において、入力端子が接続された入力整合回路部と、前記入力整合回路部のN個の出力端子がそれぞれ接続された第1〜Nの増幅回路部と、前記第1〜Nの増幅回路部の増幅機能をON/OFFする制御手段とを具備し、前記第1〜Nの増幅回路部のうちのA個をONし、N−A個をOFFする事を特徴とするスイッチ機能つき増幅器である。
また、請求項2に記載の発明は、高周波信号の経路を切替えるスイッチ機能つき増幅器において入力端子が接続された入力整合回路部と、前記入力整合回路部のN個の出力端子がそれぞれ接続された第1〜NのFET素子と、前記第1〜NのFET素子のドレイン端子がそれぞれ接続された第1〜Nの出力整合回路部と、前記第1〜NのFET素子のゲート端子の電圧を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段が、前記第1〜NのFET素子のゲート端子のうちのA個をFET素子が増幅素子として動作する電圧に制御し、N−A個をFET素子が増幅素子として動作しない電圧に制御する事を特徴とするスイッチ機能つき増幅器である。
また、請求項3に記載の発明は、高周波信号の経路を切替えるスイッチ機能つき増幅器において、入力端子が接続された入力整合回路部と、前記入力整合回路部のN個の出力端子がそれぞれ接続された第1〜NのFET素子と、前記第1〜NのFET素子のドレイン端子がそれぞれ接続された第1〜Nの出力整合回路部と、前記第1〜Nの出力整合回路部の制御端子の電圧を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段が、前記第1〜Nの出力整合回路部の制御端子のうちのA個をFET素子が増幅素子として動作する電圧に制御し、N−A個をFET素子が増幅素子として動作しない電圧に制御する事を特徴とするスイッチ機能つき増幅器である。
また、請求項4に記載の発明は、高周波信号の経路を切替えるスイッチ機能つき増幅器において入力端子が接続された入力整合回路部と、前記入力整合回路部のN個の出力端子がそれぞれ接続された第1〜NのFET素子と、前記第1〜NのFET素子のドレイン端子がそれぞれ接続された第1〜Nの出力整合回路部と、前記第1〜Nの出力整合回路部の制御端子の電圧を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段が、前記第1〜Nの出力整合回路部の制御端子のうちの1個をFET素子が増幅素子として動作する電圧に制御し、N−1個をFET素子が増幅素子として動作しない電圧に制御する事を特徴とするスイッチ機能つき増幅器である。
また、請求項5に記載の発明は、前記第1〜NのFET素子のゲートフィンガー長、ゲートフィンガー数の物理的サイズが同一であり、前記第1〜Nの出力整合回路部の回路パラメータが同一である事を特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載のスイッチ機能つき増幅器である。
また、請求項6に記載の発明は、高周波信号の経路を切替えるスイッチ機能つき増幅器において入力端子が接続された入力整合回路部と、前記入力整合回路部のN個の出力端子がそれぞれ接続された第1〜Nのトランジスタと、前記第1〜Nのトランジスタのコレクタ端子がそれぞれ接続された第1〜Nの出力整合回路部と、前記第1〜Nのトランジスタのベース端子の電圧を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段が、前記第1〜Nのトランジスタのベース端子のうちのA個をトランジスタの動作する電圧に制御し、N−A個をトランジスタの動作しない電圧に制御する事を特徴とするスイッチ機能つき増幅器である。
また、請求項7に記載の発明は、高周波信号の経路を切替えるスイッチ機能つき増幅器において入力端子が接続された入力整合回路部と、前記入力整合回路部のN個の出力端子がそれぞれ接続された第1〜Nのトランジスタと、前記第1〜Nのトランジスタのコレクタ端子がそれぞれ接続された第1〜Nの出力整合回路部と、前記第1〜Nの出力整合回路部の制御端子の電圧を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段が、前記第1〜Nの出力整合回路部の制御端子のうちのA個をトランジスタの動作する電圧に制御し、N−A個をトランジスタの動作しない電圧に制御する事を特徴とするスイッチ機能つき増幅器である。
本発明によれば、高周波帯域で使用され、広帯域で高いON−OFF比が得られると共に、低損失、回路面積の小型化が可能なスイッチ機能つき増幅器を提供する事が可能になる。
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態によるスイッチ機能つき増幅器の構成を示す構成図である。図1のスイッチ機能つき増幅器は、入力整合回路部B1と、増幅回路部B2、B3とから構成され、入力整合回路部B1は、容量性リアクタンスC11と、入力整合回路素子Zm11〜Zm13と、ゲート側回路素子Zg11、Zg12とから構成されている。ここで、入力側整合回路部の回路パラメータはOFF時の増幅器の入力側から見たインピーダンスを考慮して設定される。
増幅回路部B2は、容量性リアクタンスC12〜C14と、FET素子F11と、誘導性リアクタンスL11、L12と、抵抗素子R11、R12と、ソース側回路素子Zs11とから構成されている。増幅回路部B3は、容量性リアクタンスC15〜C17と、FET素子F12と、誘導性リアクタンスL13、L14と、抵抗素子R13、R14と、ソース側回路素子Zs12とから構成されている。また、図1のスイッチ機能つき増幅器は、入力端子11と、出力端子12、13と、スイッチ切り替え制御端子14、15とを有している。
入力端子11は、容量性リアクタンスC11の一端に接続され、容量性リアクタンスC11の他端は、入力整合回路素子Zm11の一端に接続されている。入力整合回路素子Zm11の他端は、入力整合回路素子Zm12の一端、及び入力整合回路素子Zm13の一端に接続されている。入力整合回路素子Zm12の他端は接地され、入力整合回路素子Zm13の他端はゲート側回路素子Zg11の一端、及びゲート側回路素子Zg12の一端に接続されている。
ゲート側回路素子Zg11の他端は、FET素子F11のゲート端子に接続されている。FET素子F11のソース端子は、ソース側回路素子Zs11の一端に接続され、ソース側回路素子Zs11の他端は、容量性リアクタンスC14の一端、及び抵抗素子R12の一端に接続され、容量性リアクタンスC14、及び抵抗素子R12の他端は接地されている。
FET素子F11のドレイン端子は、誘導性リアクタンスL12の一端に接続され、誘導性リアクタンスL12の他端は、誘導性リアクタンスL11の一端、及び容量性リアクタンスC13の一端に接続されている。容量性リアクタンスC13の他端は出力端子12に接続され、誘導性リアクタンスL11の他端は抵抗素子R11の一端、及び容量性リアクタンスC12の一端に接続されている。容量性リアクタンスC12の他端は接地され、抵抗素子R11の他端はスイッチ切り替え制御端子14に接続されている。
ゲート側回路素子Zg12の他端は、FET素子F12のゲート端子に接続されている。FET素子F12のソース端子は、ソース側回路素子Zs12の一端に接続され、ソース側回路素子Zs12の他端は、容量性リアクタンスC17の一端、及び抵抗素子R14の一端に接続され、容量性リアクタンスC17、及び抵抗素子R14の他端は接地されている。
FET素子F12のドレイン端子は、誘導性リアクタンスL14の一端に接続され、誘導性リアクタンスL14の他端は、誘導性リアクタンスL13の一端、及び容量性リアクタンスC16の一端に接続されている。容量性リアクタンスC16の他端は出力端子13に接続され、誘導性リアクタンスL13の他端は抵抗素子R13の一端、及び容量性リアクタンスC15の一端に接続されている。容量性リアクタンスC15の他端は接地され、抵抗素子R13の他端はスイッチ切り替え制御端子15に接続されている。
本発明の実施形態にかかるスイッチ機能つき増幅器の動作については、スイッチ切り替え制御端子14、15の一方にバイアス電圧Vonを印加し、他方にバイアス電圧Voffを印加する。バイアス電圧Vonを印加した側のFET素子に入力された信号は増幅され、バイアス電圧Voffを印加した側のFET素子に入力された信号は増幅されないことよりスイッチ動作が行われる。このように動作することで、OFF時については、入力端から見たインピーダンスが高くなるように入力整合回路素子が設計され、ON時については、増幅回路部にて信号が増幅されるので、高いON−OFF比を得る事ができる。
図2に図1のスイッチ機能つき増幅器をGaAs MMICプロセスを用いて製造した時のON/OFF時の測定結果の一例を示す。図11、12で示した共振型の高周波スイッチ回路と同じGaAs MMICプロセスを用いて製造した。ON側は23GHz−30GHzで5dB以上の利得を示している。一方、OFF側の通過利得は23GHz−30GHzでは−24dB以下である。図3に図1のスイッチ機能つき増幅器をGaAs MMICプロセスを用いて製造した時のON−OFF比を示す。図3に示すように20−30GHzの範囲でON−OFF比が27dB以上になる。
よって、本実施形態のスイッチ機能つき増幅器は、ある1つの出力側端子は利得を持ち、その他の端子はFET素子のドレインがOFFとなる事でゲート端子からドレイン端子への通過利得が低いため、高いON−OFF比が得られる。また、共振を用いないため広帯域にわたり高いON−OFF比を得る事ができる。
次に、本発明の第1の実施形態のスイッチ機能つき増幅器の変形例について説明する。この変形例は、上記第1の実施形態のスイッチ機能つき増幅器の増幅回路部の数がN個の時の例である。図4は、本発明の第1の実施形態のスイッチ機能つき増幅器の変形例の構成を示す構成図である。図4のスイッチ機能つき増幅器は、入力整合回路部Im1と、増幅回路部A1〜Anとから構成されている。入力端子1は入力整合回路部Im1に接続され、入力整合回路部Im1は増幅回路部A1〜Anのそれぞれに接続されている。増幅回路部A1〜Anはそれぞれ電圧印加端子T11〜T1nと、出力端子O11〜O1nとを有している。
各増幅回路部の増幅機能をON/OFFするバイアス電圧をVon、Voffとし、N個の増幅回路部のうちA個がバイアス電圧Von、N−A個がバイアス電圧Voffの値を取る。バイアス電圧Vonとなった増幅回路部の出力端子には増幅された入力信号が出力され、バイアス電圧Voffとなった増幅器の出力端子にはほとんど信号が出力されない。また、OFF時の増幅器の入力側から見たインピーダンスを考慮して、入力側整合回路部の回路パラメータを設定する。
次に、本発明の第2の実施形態のスイッチ機能つき増幅器について説明する。図5は、第2の実施形態のスイッチ機能つき増幅器の構成について示した構成図である。図5は、入力整合回路部Im2と、FET素子F21〜F2nと、ソース側回路Zs21〜Zs2nと、出力整合回路部Om21〜Om2nとから構成されている。入力端子1は入力整合回路部Im2に接続され、入力整合回路部Im2はFET素子F21〜F2nのゲート端子にそれぞれ接続されている。FET素子F21〜F2nのソース端子はそれぞれソース側回路Zs21〜Zs2nの一端と接続され、ソース側回路Zs21〜Zs2nの他端は接地されている。FET素子F21〜F2nのドレイン端子はそれぞれ出力整合回路部Om21〜Om2nに接続されている。また、FET素子F21〜F2nの各ゲート端子には、ゲート電圧印加端子Vg21〜Vg2nが接続されており、出力整合回路部Om21〜Om2nは、電圧印加端子T11〜T1nと、出力端子O11〜O1nとを有している。ここで、出力整合回路部は、各FET素子F21〜F2nのドレイン端子と出力端子O11〜O1nとの間の回路の整合条件に基づき適宜設計されている。
入力端子が入力整合回路部に接続され、入力整合回路部のN個の出力がN個のFET素子のゲート端子にそれぞれ接続される。N個のFET素子はゲート電圧またはドレイン電圧の値により、導通動作と非導通動作を切替える。導通動作時には利得を持ち、準ミリ波帯域のGaAs FET1段では利得は5〜10dB程度になる。一方、非増幅動作時には準ミリ波帯域では通過利得は−25dB〜−20dB程度となる。よってON−OFF比は25dB〜35dB程度が得られる。さらに、共振を用いていないため、広帯域で高いON−OFF比を得る事ができる。尚、FET素子のソース端子側については、ソース側回路が付加される場合について記載しているが、単にソース端子を接地するようにしても良い。
本発明の第3の実施形態のスイッチ機能つき増幅器について説明する。図6は、本発明の第3の実施形態のスイッチ機能つき増幅器の構成を示す構成図である。図6のスイッチ機能つき増幅器の構成は、図5の第2の実施形態のスイッチ機能つき増幅器の構成のゲート電圧印加端子Vg21〜Vg2nを抜いたものである。
N個のトランジスタのうちM番目が増幅器として動作するようにドレイン電圧を供給する。他のN−1個のトランジスタは、例えばソース−ドレイン間電圧が0Vとし、増幅器としては動作しないようにする。図7に示すように、他のN−1個のトランジスタのOFF時のインピーダンスを考慮した上で入力側整合回路部の回路パラメータを決定する。このようにすることにより、入力信号のほとんどはM番目のトランジスタで増幅され、信号がM番目の出力端子から出力される。
本発明の第4の実施形態のスイッチ機能つき増幅器について説明する。本実施形態は第2の実施形態のスイッチ機能つき増幅器において、N個のトランジスタの代わりにバイポーラトランジスタを用いて、ゲート電圧の代わりにベース電圧を制御し、ドレイン電圧の代わりにコレクタ電圧またはエミッタ電圧を制御するものである。
図8は、本発明の第4の実施形態のスイッチ機能つき増幅器の構成を示す構成図である。図8のスイッチ機能つき増幅器は、入力整合回路部Im4と、トランジスタ素子Tr41〜Tr4nと、エミッタ側回路Ze41〜Ze4nと、出力整合回路部Om41〜Om4nとから構成されている。入力端子1は入力整合回路部Im4に接続され、入力整合回路部Im4はトランジスタ素子Tr41〜Tr4nのベース端子にそれぞれ接続されている。
トランジスタ素子Tr41〜Tr4nの各エミッタ端子はそれぞれエミッタ側回路Ze41〜Ze4nの一端に接続されて、エミッタ側回路Ze41〜Ze4nの他端は接地されている。トランジスタ素子Tr41〜Tr4nの各コレクタ端子はそれぞれ出力整合回路部Om41〜Om4nに接続されている。出力整合回路部Om41〜Om4nには、それぞれコレクタ電圧印加端子T11〜T1nと出力端子O11〜O1nとが接続されている。本実施形態の動作については、FET素子をトランジスタ素子に置き換えた以外は上記第2の実施形態と同様であるので説明を省略する。
このように、広帯域で高いON−OFF比と利得とが得られ、小型化が可能なスイッチ機能つき増幅器を提供することが出来る。特に本実施形態のスイッチ機能つき増幅器は、準ミリ波帯以上の周波数において有用である。
尚、上記実施形態のスイッチ機能つき増幅器において、N個のトランジスタ又はFET素子のゲートフィンガー長、ゲートフィンガー数の物理的サイズが同一であり、N個の出力整合回路の回路パラメータが同一であるように構成しても良い。この場合、どの端子が出力先となっても、等価回路が同一となる同一周波数帯域のスイッチ機能付き増幅器を提供できる。
C11〜C17…容量性リアクタンス、 Zm11〜Zm13…入力整合回路素子、 Zg11、Zg12…ゲート側回路素子、 F11、F12…FET素子、 L11〜L14…誘導性リアクタンス、 R11〜R14…抵抗素子、 Zs11、Zs12…ソース側回路素子、 B1…入力整合回路部、 B2、B3…増幅回路部、 11…入力端子、 12、13…出力端子
Claims (7)
- 高周波信号の経路を切替えるスイッチ機能つき増幅器において、
入力端子が接続された入力整合回路部と、
前記入力整合回路部のN個の出力端子がそれぞれ接続された第1〜Nの増幅回路部と、
前記第1〜Nの増幅回路部の増幅機能をON/OFFする制御手段とを具備し、
前記制御手段が、前記第1〜Nの増幅回路部のうちのA個をONし、N−A個をOFFする事を特徴とするスイッチ機能つき増幅器。 - 高周波信号の経路を切替えるスイッチ機能つき増幅器において、
入力端子が接続された入力整合回路部と、
前記入力整合回路部のN個の出力端子がそれぞれ接続された第1〜NのFET素子と、
前記第1〜NのFET素子のドレイン端子がそれぞれ接続された第1〜Nの出力整合回路部と、
前記第1〜NのFET素子のゲート端子の電圧を制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段が、前記第1〜NのFET素子のゲート端子のうちのA個をFET素子が増幅素子として動作する電圧に制御し、N−A個をFET素子が増幅素子として動作しない電圧に制御する事を特徴とするスイッチ機能つき増幅器。 - 高周波信号の経路を切替えるスイッチ機能つき増幅器において、
入力端子が接続された入力整合回路部と、
前記入力整合回路部のN個の出力端子がそれぞれ接続された第1〜NのFET素子と、
前記第1〜NのFET素子のドレイン端子がそれぞれ接続された第1〜Nの出力整合回路部と、
前記第1〜Nの出力整合回路部の制御端子の電圧を制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段が、前記第1〜Nの出力整合回路部の制御端子のうちのA個をFET素子が増幅素子として動作する電圧に制御し、N−A個をFET素子が増幅素子として動作しない電圧に制御する事を特徴とするスイッチ機能つき増幅器。 - 高周波信号の経路を切替えるスイッチ機能つき増幅器において、
入力端子が接続された入力整合回路部と、
前記入力整合回路部のN個の出力端子がそれぞれ接続された第1〜NのFET素子と、
前記第1〜NのFET素子のドレイン端子がそれぞれ接続された第1〜Nの出力整合回路部と、
前記第1〜Nの出力整合回路部の制御端子の電圧を制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段が、前記第1〜Nの出力整合回路部の制御端子のうちの1個をFET素子が増幅素子として動作する電圧に制御し、N−1個をFET素子が増幅素子として動作しない電圧に制御する事を特徴とするスイッチ機能つき増幅器。 - 前記第1〜NのFET素子のゲートフィンガー長、ゲートフィンガー数の物理的サイズが同一であり、前記第1〜Nの出力整合回路部の回路パラメータが同一である事を特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載のスイッチ機能つき増幅器。
- 高周波信号の経路を切替えるスイッチ機能つき増幅器において、
入力端子が接続された入力整合回路部と、
前記入力整合回路部のN個の出力端子がそれぞれ接続された第1〜Nのトランジスタと、
前記第1〜Nのトランジスタのコレクタ端子がそれぞれ接続された第1〜Nの出力整合回路部と、
前記第1〜Nのトランジスタのベース端子の電圧を制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段が、前記第1〜Nのトランジスタのベース端子のうちのA個をトランジスタの動作する電圧に制御し、N−A個をトランジスタの動作しない電圧に制御する事を特徴とするスイッチ機能つき増幅器。 - 高周波信号の経路を切替えるスイッチ機能つき増幅器において、
入力端子が接続された入力整合回路部と、
前記入力整合回路部のN個の出力端子がそれぞれ接続された第1〜Nのトランジスタと、
前記第1〜Nのトランジスタのコレクタ端子がそれぞれ接続された第1〜Nの出力整合回路部と、
前記第1〜Nの出力整合回路部の制御端子の電圧を制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段が、前記第1〜Nの出力整合回路部の制御端子のうちのA個をトランジスタの動作する電圧に制御し、N−A個をトランジスタの動作しない電圧に制御する事を特徴とするスイッチ機能つき増幅器。
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- 2006-06-14 JP JP2006164918A patent/JP2007336187A/ja active Pending
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