JP2007335805A - 電源トランス - Google Patents

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Abstract

【課題】高調波成分を減衰させ、力率を改善し、更には突入電流を制限すること。
【解決手段】電源トランス1の構成として、第1コア21の外周に1次巻線22と2次巻線23を互いに絶縁させて巻き付けてトランス本体2とし、1次巻線22に直列接続した導線を第2コア31の外周に巻き付けたコイル32と、1次巻線22に並列接続したコンデンサ33とからなるLCフィルタ3を設け、トランス本体2とLCフィルタ3を一体化してケース6内に収納した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機器を動作させる電源トランスの特性を改良したものである。
現在、例えばオーディオ機器をはじめとする各種電気機器を動作させるため、トロイダルトランスによる電源トランスが利用されている。
従来の電源トランスの断面構造を図11に示し、その回路構成を図12に示す。
従来の電源トランスは、トロイダルトランスからなるトランス本体が磁気シールドで包囲され、ケース内に収容された構造である。トランス本体はリング状の磁性コアの外周に互いに絶縁させて巻き付けた1次巻線及び2次巻線を有しており、1次巻線の端子は商用電源に接続され、2次巻線の端子は電気機器に接続される。そして、商用電源からの入力電圧を電源トランスで定格電圧に変換して出力し、それを電気機器に供給するようになっている。
ところが、従来の電源トランスにおいては、以下のような問題があった。
(1)高調波成分の通過
通常、商用電源には高調波成分(50Hz/60Hzの基本周波数の整数倍の周波数成分)、いわゆるノイズが含まれており、この高調波成分が電源トランスを通して電気機器の内部に入り、種々の誤動作を引き起こすという問題がある。これを防止するために、従来は図13に示すように電源トランスの入力側に高調波成分を減衰させるフィルタを取り付けるようにしていた。このため、電源装置として電源トランスの他に別途フィルタの取り付け作業が加わり、余計な作業が必要になるとともに、電源装置の大型化やコストアップを招いてしまう。
また、電気機器の内部には様々なデジタル回路が内蔵されており、このデジタル回路で発生する高周波成分が逆に電源トランスを通して入力側の電源ラインへと漏れるので、上記のような電源高調波成分を増加させてしまうこともある。
なお、下記の特許文献1には、トランス本体にノイズを遮断する機能を付与したノイズカットトランスとその製造方法に関する発明が開示されているが、このトランスは構造そのものが大型であり製造コストも高いという問題がある。
特開平11−8139号公報
(2)力率の悪化
図14に示すように、電源トランスの2次側にブリッジ形整流回路と平滑コンデンサを並列接続した整流平滑回路、いわゆるコンデンサ・インプット型整流回路が利用されている。電源装置にこのようなコンデンサ・インプット型整流回路があると、電気機器の消費電力が同じであっても、図示したように入力電圧が正弦波の波形であるのに対し入力電流は高調波成分を多く含んだパルス状の波形になり、入力電流の実効値が大きくなる。したがって、高調波成分が多く含まれていると実効電力値に対する皮相電力値が大きくなり、入力電流が多く流れるため、結果として力率(実効電力値/皮相電力値)が悪くなるという問題があった。また、力率が悪いと電流波形に低周波の雑音成分を含むので、電気機器に障害を与える原因にもなる。
そこで、高調波成分を少なくして整流平滑回路の直流電圧を安定化させるため、図15に示すようなチョークコイルを整流回路に直列接続したチョーク・インプット型整流回路を使用する方法がある。ところが、この方法は電源トランスとチョークコイルの両方が必要になり、しかもインダクタンスが数十mH以上のチョークコイルが必要で、非常に大型で重量も嵩むため、現在ではあまり利用されていない。替わりに、整流回路の後段に安定化電源を挿入する構成も考えられるが、この場合にも電源装置が大型化し、更なるコストアップを招くという問題がある。
(3)突入電流の発生
電源トランスに使用しているトロイダルトランスは、電源を投入した瞬間に流れる突入電流(インラッシュ電流)が大きいことが欠点である。この突入電流は100A以上になることもあり、そうなるとブレーカが遮断したり、入力電源ラインの瞬間的な電圧降下を招いたりするという問題があった。
そこで、突入電流を低減する対策として、図16に示すように電源トランスの1次側に抵抗とリレー回路を設ける方法が利用されている。この方法によれば電源投入時の電流は抵抗を流れ、入力電流が定常状態になる2〜3秒後にリレーをONし、抵抗に流れていた電流をリレーに流れるようにして突入電流を制限する。しかし、この方法についてもリレー回路や抵抗が必要なので部品点数が多くなり、コストアップの要因になる。
本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は構造を大型化することなくかつ低コストで製造が可能な設計によって、高調波成分を減衰させ、力率を改善し、更には突入電流を制限できる電源トランスを提供することである。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、第1コアの外周に互いに絶縁させて巻き付けられた1次巻線及び2次巻線からなるトランス本体と、上記1次巻線に直列接続されて第2コアの外周に巻き付けられたコイルとが一体化されていることを特徴とする。この構造において、コイルは力率を改善するチョークコイルや、突入電流を制限する制限抵抗として機能する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電源トランスにおいて、上記1次巻線に並列接続されたコンデンサを更に備え、上記コイルと上記コンデンサとによりフィルタ回路を構成していることを特徴とする。この構造によると、コイルはフィルタ回路におけるインダクタとして機能し、電源電流に含まれる高調波成分を減衰させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電源トランスにおいて、上記フィルタ回路が上記1次巻線に複数個連続して接続されていることを特徴とする。この構造によれば、入力電流の変動が大きい場合であっても、高調波成分を効率よく除去することが可能になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電源トランスにおいて、上記第2コアがギャップ付きのカットコアであることを特徴とする。この構造では、入力電流のレベルが変動しても、コイルが磁気飽和しないので常に安定したインダクタとして機能する。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電源トランスにおいて、上記トランス本体と上記コイルが磁気シールドで絶縁され、有底円筒形のケース内に積層して収納されていることを特徴とする。この構造によると、シンプルな外観で持ち運びにも便利な電源トランスを提供できる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電源トランスにおいて、上記トランス本体と上記コイルとの間に絶縁体又は空間部を介在させてあることを特徴とする。この構造によれば、ケース内でトランス本体とコイルとの磁気的な干渉がなくなり、安定した特性が得られる。
本発明の電源トランスによれば以下の効果が得られる。
(1)高調波成分の減衰
フィルタを使用していない電気機器を接続する場合であっても、この電源トランスを使用することにより電源の高調波成分が減衰して除去されるので、電気機器における種々の誤動作が防止される。また、電気機器の内部にフィルタ回路を有している場合には、この電源トランスを組み合わせて使用すれば高調波成分の減衰効果を一層大きくすることができるとともに、減衰の程度によっては電気機器の内部にフィルタ回路が不要になる。更には、電気機器内のデジタル回路で発生した高調波成分が電源トランスの入力側から電源ラインへと漏れるのを阻止し、電源高調波成分が増加するのを抑制することができる。
(2)力率の改善
特にコンデンサ・インプット型整流回路を有する電源装置において、内部にチョークコイルの機能を有する電源トランスを使用することによって、電源電流に含まれる高調波成分の発生を阻止できる。その結果、電気機器に障害を与える原因が少なくなり、力率が大幅に改善されるため、電源効率が良くなり節電に繋がるという効果がある。また、電源トランスの入力側にコンデンサを並列接続することによって、電源電流に含まれる高調波成分を減衰させる機能が付加される。
(3)突入電流の制限
電源トランスの入力側には1次巻線に直列接続されたコイルを有しており、このコイルが電源投入時に流れる入力電流に対する抵抗になるので、トロイダルトランスに特有な欠点である過大な突入電流を制限することができる。したがって、突入電流によるブレーカの遮断や入力電源ラインの瞬間的な電圧降下を未然に防止することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
本発明によれば、トランス本体の入力側にコイルを一体化する構造を採用したことによって、高調波成分を減衰する機能(以下「第1の機能」という。)と、力率を改善する機能(以下「第2の機能」という。)と、突入電流を制限する機能(以下「第3の機能」という。)のいずれかの機能を持たせた電源トランスを提供することができる。
まずは、第1の機能について説明する。
図1は本発明の電源トランスの全体構造を示し、図2はその断面構造を示したものである。図において1は電源トランス、2はトランス本体、3はLCフィルタ、4は磁気シールド、5は絶縁板、6はケースである。なお、図1においてトランス本体2とLCフィルタ3の内部構造を理解し易くするため、磁気シールド4の一部を分解した状態を図示してある。
電源トランス1は、商用電源の電圧を所定の電圧に変換するトランス本体2と、商用電源に含まれる高調波成分を減衰させるLCフィルタ3とを備えて構成されている。
トランス本体2とLCフィルタ3は、ここでは同径の円筒形をしており、その周囲をすべて磁気シールド4で包囲されている。LCフィルタ3は絶縁板5を介してトランス本体2の軸心方向に積層され、有底円筒形のケース6の内部に収納される。
絶縁板5はケース6内でのトランス本体2とLCフィルタ3との磁気的な干渉を防ぐためのものであるが、これに替えてトランス本体2とLCフィルタ3との間に隙間を設けて空間部を介在させてもよい。また、トランス本体2から生じる漏れ磁束(リーケージ・フラックス)を効果的に遮蔽するために、方向性磁性を有する帯状の磁性鋼板を用い、これを放射状に巻装した磁気遮蔽構造を利用することもできる(詳細は特公平7−46664号公報を参照)。
図3はトランス本体の断面構造を示したものである。
トランス本体2はトロイダルトランスであり、第1コア21と、1次巻線22と、2次巻線23とから構成されている。
第1コア21は高透磁率を有する磁性材料、例えば珪素鋼板からなるリング状の磁性コアである。第1コア21のリング部分にはその全周にわたって導線を巻き付けた2次巻線23が設けられている。この2次巻線23はトロイダルトランスにおける低圧用コイルとして機能する。第1コア21と2次巻線23との間には樹脂材等からなる絶縁体24を介在させてある。
2次巻線23の外側には同じく導線を巻き付けた1次巻線22が設けられており、この1次巻線22はトロイダルトランスにおける高圧用コイルとして機能する。1次巻線22と2次巻線23とは絶縁体24を介して互いに絶縁されている。なお、絶縁体24を介在させる替わりに、1次巻線22と2次巻線23をそれぞれ絶縁体で被覆した導線で構成してもよい。
図1に示したように、トランス本体2にはLCフィルタ3を経由して1次巻線22へ入力電流を導入するための入力リード線25と、2次巻線23から出力電流を取り出すための出力リード線26とが設けられている。これら入出力用のリード線はケース6の外部に引き出してある。
図4はLCフィルタの断面構造を示したものである。
LCフィルタ3は第2コア31と、コイル32と、コンデンサ33(図1参照)とから構成されている。
第2コア31は珪素鋼板やフェライト等からなる略リング状の磁性コアである。第2コア31の周囲は樹脂材等の絶縁体34で被覆されている。第2コア31のリング部分にはその全周にわたって導線が巻き付けられてコイル32を構成しており、コイル32の導線は1次巻線22に直列接続される。1次巻線22には更にコンデンサ33が並列接続されている。
第2コア31は磁路にギャップ31aを形成して2分割したカットコアにしてある。これは入力電流がピーク値に達した場合であっても、磁気飽和しないで安定したインダクタとして機能させるためである。なお、図示していないが、2分割された第2コア31は支持体によって連結され、ギャップ31aの間隔が維持されている。
このように、本発明の電源トランス1は、従来の電源トランス(図11参照)におけるケース6の深さを拡大し、新たに設けたLCフィルタ3をトランス本体2の上に重ねて収納するようにした。このため、従来のシンプルな外観形状を維持しつつ低コストで製造でき、コンパクトで持ち運びにも便利な電源トランス1を提供できる。例えば、従来からあるEI型のトランスは構造が複雑でフィルタを新設しようとしてもコンパクト化は困難であるが、本発明のようにトランス本体2にトロイダルトランスを採用したことにより、このようなコンパクトな設計が可能になる。
以上が電源トランスの構造上の特徴であるが、以下にその作用を説明する。
図5は電源トランスの回路構成を示したものである。
電源トランス1において、入力リード線25の端子は商用電源に接続され、出力リード線26の端子は電気機器に接続される。商用電源からの入力電圧はトランス本体2において所定の定格電圧に変換されて電気機器へ供給される。
LCフィルタ3は特定周波数以上の周波数成分を減衰させるフィルタ回路であり、電源電流に含まれる高調波成分を減衰させて除去するようになっている。
図6はLCフィルタの一例を示し、図7はLCフィルタの別例を示したものである。
図6に示すLCフィルタ3は、1次巻線22に直列接続したコイル32と、1次巻線22に並列接続したコンデンサ33とによってフィルタ回路を構成した例である。図7に示すLCフィルタ3は、同じくコイル32とコンデンサ33とから構成されたフィルタ回路を1次巻線22に対して2個連続して接続した例である。
いずれのLCフィルタ3においても、コイル32はインダクタとして機能し、交流電流に対し周波数が高くなるほどリアクタンスが大きくなり、入力電流を流れ難くする。このとき入力電流の位相は90度遅れる。これとは逆に、コンデンサ33は交流電流に対し周波数が高くなるほどリアクタンスが小さくなり、入力電流を流れ易くする。このとき入力電流の位相は90度進む。
したがって、コイル32とコンデンサ33とでは入力電流の位相が180度ずれることで互いに打ち消し合うので、特定周波数で高いインピーダンスを示す。この特性を利用することにより、電源電流に含まれる特定の高調波成分のみを選択的に減衰させて除去することができる。
ここで、LCの値については、目的とする除去すべき高調波成分の周波数に合わせて最適値に設定すればよく、本実施形態では500Hz以下の周波数に対しては無視できる程度とした。また、入力電流の変動が大きい場合にはコイル32のインダクタンス値を小さく設定し、フィルタ回路の個数を増やすことによって、高調波成分を効率よく除去することが可能になる。
図8は電源トランスにおける高調波成分の減衰特性を示したものである。
図において、(A)は比較例、(B)は実施例1、(C)は実施例2についての周波数と出力電圧のノイズレベルとの関係をグラフ化したものである。比較例、実施例1及び2の仕様は次の通りである。
(A)比較例:従来の電源トランスであり、2次巻線に抵抗(2Ω)を並列接続した。入力電圧は100V、出力電圧は24V、トランスの容量は300VAである。
(B)実施例1:本発明の電源トランスの一例であり、1次巻線にコイル(2mH)を直列接続し、コンデンサ(0.47μF)を並列接続したフィルタ回路である。また、2次巻線に抵抗(2Ω)を並列接続した。入力電圧は100V、出力電圧は24V、トランスの容量は300VAである。
(C)実施例2:本発明の電源トランスの別例であり、1次巻線にコイル(2mH)及びコンデンサ(0.47μF)からなるフィルタ回路と、コイル(10mH)及びコンデンサ(0.47μF)からなるフィルタ回路を連続して接続した。また、2次巻線に抵抗(2Ω)を並列接続した。入力電圧は100V、出力電圧は24V、トランスの容量は300VAである。
同図に示すように、比較例では1kHz付近まで変化はなく、1kHzを超えてもほとんど目立った減衰効果が見られなかったのに対し、実施例1及び2では10kHzを超えたところで急激な下降特性を示し、100kHz付近では比較例の約10倍以上もの減衰効果が得られた。特に実施例1よりも実施例2の方がその効果は高く、フィルタ回路の個数を増やすことによって高調波成分を大幅に除去できることが判明した。
次に、第2の機能について説明する。
図9は電源トランスの他の実施形態の回路構成を示したものである。
この実施形態の電源回路は、コンデンサ・インプット型整流回路において力率を改善したものである。電源トランス1の出力側には整流平滑回路7が設けられており、整流平滑回路7は2次巻線23に並列接続されたブリッジ形整流回路71と平滑コンデンサ72とから構成されている。電源トランス1の入力側にはチョークコイル32Aが接続されており、全体でいわゆるチョーク・インプット型整流回路が形成される。
チョークコイル32Aの抵抗値は、LCフィルタ3のときよりも大きな値に設定すればよく、2Ω程度あれば充分である。チョークコイル32Aを構成する第2コア31は透磁率の高い珪素鋼板にするのが好ましいが、LCフィルタ3のように高調波成分を除去するだけの目的であれば第2コア31はフェライトでもよい。
このようなチョーク・インプット型整流回路においては、チョークコイル32Aの働きにより、図示したようにコンデンサ・インプット型整流回路のときの電流波形のピーク値がLのインピーダンスによって抑えられる。このため、電流波形の位相がずれ、電流の流れている時間である導通角が広くなる。
したがって、チョーク・インプット型整流回路では、電流波形がパルス状の波形から正弦波の波形に近づくため、入力電流の実効値が小さくなり、その結果、力率が大幅に改善される。コンデンサ・インプット型整流回路において0.65〜0.7程度であった力率は、チョーク・インプット型整流回路では0.8〜0.9程度まで改善される。力率が改善されれば電源効率が上がるので、節電に繋がるという効果が得られる。また、本実施形態では、電源トランス1の入力側において1次巻線22にコンデンサ33を並列接続してあるので、電源電流に含まれる高調波成分を減衰させる効果もある。
最後に、第3の機能について説明する。
図10は電源トランスの更に他の実施形態の回路構成を示したものである。
この実施形態の電源トランス1は突入電流制限用のトランスであり、1次巻線22に直列コイル32Bを接続したものである。ここではLCフィルタ3のときに使用したコンデンサ33は不要である。
このように、電源トランス1の入力側に直列コイル32Bが設けられていれば、電源投入時には直列コイル32Bが入力電流に対する制限抵抗として機能し、トランス本体2に過大な突入電流が流れ込むのを阻止することができる。したがって、突入電流によるブレーカの遮断を防ぎ、入力電源ラインの瞬間的な電圧降下も未然に防止できる。
なお、トランス本体2において、磁性材からなる第1コア21が磁気飽和した状態で電源が切断されるとインピーダンスがほぼ0になり、抵抗として機能しない。すると導線抵抗が小さく巻線抵抗(1Ω程度)のみになるので、回路に過大な電流が流れてしまう危険性がある。そこで、直列コイル32Bについて、図4に示したように第2コア31にギャップ31aを形成して磁気飽和しないようにしておけば、電源切断のタイミングにかかわらず直列コイル32Bが制限抵抗として機能し、突入電流が確実に阻止される。
以上説明したように、本発明の電源トランス1は1次巻線22にコイル32を直列接続する構成を採用したものである。これにより、コイル32がフィルタ回路におけるインダクタとして機能して高調波成分を減衰させる効果や、コイル32がチョーク・インプット型整流回路におけるチョークコイルとして機能して力率を改善する効果や、あるいはコイル32が制限抵抗として機能して突入電流を阻止する効果が得られる。
本発明の電源トランスの分解斜視図。 電源トランスの縦断面図。 トランス本体の横断面図。 LCフィルタの横断面図。 電源トランスの回路図。 LCフィルタの一例を示す回路図。 LCフィルタの別例を示す回路図。 電源トランスにおける高調波成分の減衰特性を示すグラフ図。 電源トランスの他の実施形態の回路図。 電源トランスの更に他の実施形態の回路図。 従来の電源トランスの断面図。 従来の電源トランスの回路図。 従来の電源トランスにフィルタを接続した回路図。 従来の電源トランスに整流平滑回路を接続した回路図。 従来の電源トランスにチョーク・インプット型整流回路を接続した回路図。 従来の電源トランスにスイッチング回路を接続した回路図。
符号の説明
1 電源トランス
2 トランス本体
21 第1コア
22 1次巻線
23 2次巻線
24 絶縁体
25 入力リード線
26 出力リード線
3 LCフィルタ
31 第2コア
31a ギャップ
32 コイル
33 コンデンサ
34 絶縁体
4 磁気シールド
5 絶縁板
6 ケース
7 整流平滑回路
71 ブリッジ形整流回路
72 平滑コンデンサ

Claims (6)

  1. 第1コアの外周に互いに絶縁させて巻き付けられた1次巻線及び2次巻線からなるトランス本体と、上記1次巻線に直列接続されて第2コアの外周に巻き付けられたコイルとが一体化されていることを特徴とする電源トランス。
  2. 上記1次巻線に並列接続されたコンデンサを更に備え、上記コイルと上記コンデンサとによりフィルタ回路を構成していることを特徴とする請求項1に記載の電源トランス。
  3. 上記フィルタ回路が上記1次巻線に複数個連続して接続されていることを特徴とする請求項2に記載の電源トランス。
  4. 上記第2コアがギャップ付きのカットコアであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電源トランス。
  5. 上記トランス本体と上記コイルが磁気シールドで絶縁され、有底円筒形のケース内に積層して収納されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電源トランス。
  6. 上記トランス本体と上記コイルとの間に絶縁体又は空間部を介在させてあることを特徴とする請求項5に記載の電源トランス。
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