以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
図1は本発明による情報提供システムの一実施形態を示すシステム構成図であって、100は情報配信管理サーバ、101は金融機関αの本社、102〜104は金融機関αの営業店、105は銀行ATM、106は銀行情報端末、107は窓口端末、108は端末系サーバ、109は勘定系サーバ、110,110a,110bは営業店サーバ、111は顧客の自宅PC(Personal Computer:パソコン)、112は顧客の携帯電話、113はコンビニに設置されたATM、114はプロバイダ(インターネットの接続業者)・キャリア(電気通信事業者)、115は仲介サーバである。
同図において、銀行などの金融機関αの本社101の金融機関サーバ101aやその営業店102,103,104の営業店サーバ110,110a,110bは情報配信管理サーバ100に接続されている。本社101や営業店102〜104では、営業店102を一例として示すように、銀行ATM105や銀行情報端末106,窓口端末107などの端末装置が設置されており、銀行ATM105や銀行情報端末106が営業店サーバ110に接続された勘定系サーバ109に端末系サーバ108を介して接続され、また、窓口端末107が勘定系サーバ109を介して営業店サーバ110に接続されている。
顧客は、銀行ATM105や銀行情報端末106をその画面表示のもとに操作することにより、この操作による金融取引情報が端末系サーバ108,勘定系サーバ109,営業店サーバ110,情報配信管理サーバ100を介して本社101の金融機関サーバ101aに送られ、金融機関サーバ101aから同様の経路を経て銀行ATM105や銀行情報端末106に応答情報が送られる。これにより、銀行ATM105や銀行情報端末106は、顧客の操作に応じた動作をし、また、画面表示をする。また、行員が顧客を応対して窓口端末107を操作することにより、銀行ATM105や銀行情報端末106の場合と同様、この操作による取引情報が勘定系サーバ109や営業店サーバ110,情報配信管理サーバ100を介して本社101の金融機関サーバ101aに送られ、金融機関サーバ101aから同様の経路を経て窓口端末107に送られる。これにより、窓口端末107は、顧客の要求に応じた行員の操作に応じた動作をし、また、画面表示をし、顧客へのカードの発行や顧客との金融取引などが行なわれる。
以上のようにして、顧客は、金融機関αの本社101や営業店102〜104の銀行ATM105や銀行情報端末106,窓口端末107により、現金の預入れ,払戻しや金融商品の購入などのこれら金融機関αの本社101や営業店102〜104との金融取引ができる。
顧客は、また、自宅PC(ディスクトップ型及びノート型のPC)111や携帯電話機112を用いて、金融機関αの本店101やその営業店102〜104と金融商品の購入などの金融取引ができる。即ち、顧客が、金融機関αとの取引のために、自宅PC111や携帯電話機112を操作すると、この操作による取引情報が、プロバイダ・キャリア(即ち、プロバイダまたはキャリア)114により、インターネットなどのネットワークを介して情報配信管理サーバ100に送られ、そこから、さらに、本社101の金融機関サーバ101aに送られる。そして、その応答情報が金融機関サーバ101aから情報配信管理サーバ100を介し、さらに、プロバイダ・キャリア114によってネットワークを介し、自宅PC111や携帯電話機112に送られる。これにより、自宅PC111や携帯電話機112は顧客の金融取引に応じた動作をし、また、画面表示をする。
また、顧客は、コンビニエンスストアに設置されているATM、即ち、コンビニATM113を用いても、金融機関αの本店101やその営業店102〜104と現金の預入れ,払戻しや金融商品の購入などの金融取引ができる。即ち、顧客が、金融機関αとの取引のために、コンビニATM113を操作すると、この操作による取引情報が、仲介サーバ115を介して情報配信管理サーバ100に送られ、そこから、さらに、本社101の金融機関サーバ101aに送られる。そして、その応答情報が金融機関サーバ101aから情報配信管理サーバ100を介し、さらに、仲介サーブ115を介し、コンビニATM113に送られる。これにより、コンビニATM113は顧客の金融取引に応じた動作をし、また、画面表示をする。
情報管理サーバ100は、各種情報を記録した記録部やその書込み/読出し部、自宅PC111や携帯電話112,コンビニATM113などの端末を通信を行なう通信部、本店101やその営業店102〜104を通信を行なう通信部、通信部で受信される端末(銀行ATM105も含む)からの顧客情報を処理し、この顧客に適した広告情報などの顧客配信情報を配信するための処理を行なう情報処理部、各部を制御する制御部などを備えている。記録部には、顧客の個人(顧客情報)や、金融機関αの本店101やその営業店102〜104の金融商品の広告やお知らせ,金融に関する催し物の案内などの顧客に配信ための顧客配信情報が保存されており、また、顧客情報や顧客毎に提供する顧客配信情報の提供の仕方を決める情報提供方法の情報なども登録されている。
そこで、顧客が自宅PC111や携帯電話112,コンビニATM113,銀行ATM105,銀行情報端末106(以下、これらを総称して、顧客操作端末という)のいずれか、例えば、コンビニATM113を用いて現金の預入れや引出などの金融取引の操作をし、この操作による取引情報が情報配信管理サーバ100に送られると、この情報配信管理サーバ100は、この取引情報を通信部で受信し、これを本社101の金融機関サーバ101aに送るとともに、この取引情報に付随して送られてきた顧客情報(例えば、顧客操作端末がコンビニATM113や銀行ATM105である場合には、その操作あるいは装着される顧客カードの読取りによって入力された顧客情報。自宅PC111や携帯電話112の場合には、これらを金融取引操作すると、その取引情報に自動的に顧客情報が付加される)を基に、この顧客に配信する広告などの顧客配信情報を決定し、これをこのコンビニ端末113に応じた提供の仕方でこの顧客が使用しているコンビニ端末113にこのコンビニ端末113に応じた提供の仕方で配信する。これにより、このコンビニ端末113の表示画面にこの顧客配信情報が表示される。
以下では、顧客が金融取引のために使用する顧客操作端末の種類をチャネルといい、顧客操作端末としてのPCをチャネル1とし、携帯電話をチャネル2とし、ATMをチャネル3とする。情報配信管理サーバ100は、このチャネルに応じて、異なる情報提供方法で顧客配信情報を配信する。
図2は情報配信管理サーバ100での記録部の一具体例を模式的に示す構成図であって、1は顧客情報DB(データベース)、2は顧客属性情報、3はチャネル利用傾向情報、4はアクセス履歴情報、5は顧客配信情報テーブル、6は本社配信情報、7,8は営業店配信情報、9は情報提供方法最適化部、10は情報提供方法デフォルト情報設定テーブル、11はデフォルト情報補正テーブルである。
同図において、情報配信管理サーバ100には、ハードディスクなどからなるその記録部に、各顧客毎の顧客情報を格納した顧客情報DB1や広告情報などの顧客配信情報6〜8,情報提供方法デフォルト設定テーブル10,デフォルト情報補正テーブル11などが登録記録されている。情報提供方法最適化部9は情報配信管理サーバ100に設けられた処理部の1つであって、各顧客に顧客配信情報の最適な情報配信方法を提供するものであり、かかる情報配信方法は該当する顧客の顧客情報DB1に登録され、顧客への顧客配信情報の配信方法を規定する。
顧客情報DB1に登録されている顧客情報は、顧客属性情報2とチャネル利用傾向情報2とアクセス履歴情報4とからなるものである。
顧客属性情報2は、図示するように、例えば、口座番号などの顧客特有の顧客ID(IDentification:識別情報)と顧客グループと顧客の氏名,年齢,性別,住所,勤務先,家族構成,持ち家と貸家との別,車の有無、顧客が興味を示している商品などである。ここで、顧客グループは、顧客を年齢,性別,住所,勤務先,家族構成,持ち家と貸家との別,車の有無などを基にグループ化するものであって、例えば、20才代の独身の男性を1つのグループにするなどである。以下では、かかる顧客グループをA,B,C,……で表わすことにする。
チャネル利用傾向情報3は、この顧客が金融取引をするのによく利用するチャネル(即ち、顧客操作端末の種類)を表わす利用端末情報、この顧客が金融取引をよく行なう場所を表わす取引場所情報、この顧客の金融取引の時間長の傾向を表わす利用時間情報、この顧客が金融取引をよく行なう時間帯(例えば、朝,昼,夜など)を表わす利用時間帯情報などからなるものである。
アクセス履歴情報4は、この顧客がこの情報配信管理サーバ100での顧客配信情報をアクセスした履歴を表わすものである。この顧客には、情報提供方法最適化部9で作成された情報提供方法で顧客配信情報が提供されるが、顧客配信情報が提供される毎にそのことがアクセス経歴として保存され、また、情報提供方法を基に、このアクセス経歴を勘案して、顧客配信情報の次の提供の仕方が決められる。
顧客配信情報テーブル5には、顧客に配信する広告などの本店104や営業店102〜104毎の顧客配信情報が配信元毎に保存されている。図1に示すシステム構成の場合には、図2に示すように、本社101が顧客に提供する、例えば、住宅ローンなどに関する顧客配信情報が本社提供情報6として、また、営業店102が顧客に提供する、例えば、投資信託などに関する顧客配信情報が営業店提供情報7として、さらに、営業店103が顧客に提供する、例えば、教育ローンなどに関する顧客配信情報が営業店提供情報8として、……夫々顧客配信情報テーブル5に登録されている。顧客がいずれかのチャネル(顧客操作端末)を介して、例えば、営業店102と金融取引をすると、顧客配信情報テーブル5に登録されている顧客配信情報6,7,8,……のいずれかが、情報提供方法最適化部9によってこの顧客の顧客情報DB1に設定されている情報提供方法に従って、このチャネル(従って、この顧客)に配信され、このチャネルの表示画面に表示される。
ここで、顧客に提供する顧客配信情報は、顧客が属する顧客グループなどに応じて決められる。属性情報2での顧客グループが、例えば、20才代の独身の男性である顧客に対しては、本社提供情報6の1つの住宅ローンの商品広告情報を配信する。
情報提供方法デフォルト設定テーブル10には、チャネル(顧客操作端末)毎の顧客配信情報の情報提供方法がデフォルト(初期)設定されている。また、デフォルト情報補正テーブル11は、情報提供方法デフォルト設定テーブル10に設定されている情報提供方法のデフォルト値を、かかる情報提供方法を設定する顧客の顧客グループに応じて補正するものである。情報提供方法最適化部9は、情報提供方法デフォルト設定テーブル10でのデフォルトの情報提供方法を、デフォルト情報補正テーブル11を用いて、この顧客に適した情報提供方法に補正し、顧客情報DB1に設定する。
顧客が本店101やその営業店102〜104のいずれかを通して金融機関αと金融取引を開始する際、かかる金融機関αはこの顧客の氏名や年齢性別などの個人情報を取得し、これをもとに通帳やカードが発行される。そして、これらの発行時にこの顧客の個人情報が顧客IDが付されて、属性情報2として、情報配信管理サーバ100にも登録されるとともに、かかる個人情報を基にこの顧客の顧客グループが設定され、この属性情報2に付加される。また、勤務先(職業)や家族構成(既婚か独身),持ち家・借家などの個人情報の変更により、顧客グループの変更があると、情報提供方法最適化部9は、情報提供方法デフォルト設定テーブル10とデフォルト情報補正テーブ11を用いて、この顧客に対する情報提供方法を更新する。
図3は図2における情報提供方法デフォルト設定テーブル10の一具体例を模式的に示す図であり、10aは項目「閲覧」、10bは項目「選択」、10cは項目「期間」である。
同図において、情報提供方法は、チャネル(顧客操作端末)毎に設定されるものであって、「閲覧」10a,「選択」10b,「期間」10cの3つの項目からなっている。
項目「閲覧」10aは、提供された顧客配信情報を顧客が閲覧したとみなし得る表示時間をチャネル毎に閲覧見込み時間TYとして規定し、顧客配信情報をこの閲覧見込み時間TY以上表示したとき、顧客配信情報が閲覧されたと判定し、この閲覧見込み時間TYに満たさない時間表示したときには、閲覧されなかった(未閲覧)と判定するものであり、また、顧客配信情報に必要な閲覧回数を規定閲覧回数Nとし、チャネル毎に規定閲覧回数Nを規定するものである。
規定閲覧回数Nはその回数に等しい個数の丸のマーク(閲覧マーク)で表わされ、顧客配信情報の閲覧時間(表示時間)が閲覧見込み時間TYを越える毎に、閲覧マークが1つずつ白抜きの丸マーク「〇」の未閲覧マークから黒丸マーク「●」の閲覧済マークに変更される。例えば、チャネル1(PC:即ち、自宅PC111)の場合には、1回の閲覧見込み時間TYを8秒とし、この閲覧見込み時間TY以上の閲覧を3回することにより、このときの顧客配信情報を、チャネル1である自宅PC111により、顧客が充分認識する閲覧がなされたものとみなす。この場合、閲覧済マークが3個設定される。また、チャネル2(携帯電話:即ち、携帯電話112)の場合には、1回の設定閲覧時間Tを2秒とし、この閲覧見込み時間TY以上の閲覧を2回することにより、顧客が充分認識する閲覧がなされたものとみなし、チャネル3(ATM:即ち、コンビニATM113や銀行ATM105)の場合には、1回の規定閲覧時間Tを6秒とし、この閲覧見込み時間TY以上の閲覧が4回行なわれることにより、顧客が充分認識する閲覧がなされたものとみなすものとしている。
この実施形態では、顧客閲覧情報は一度に全ての内容を表示できるものではなく、情報内容の詳細度(深さ)が異なる複数の情報からなり、夫々の情報内容が順に表示されるものである。そして、これら情報は、最初に提供されるものが内容の詳細度が浅いものであり、提供順に内容の詳細度が深くなっていく。このように、情報内容の詳細度が異なる情報夫々を顧客閲覧情報のフェーズという。この実施形態では、情報内容の詳細度が浅いフェーズから順に顧客閲覧情報が顧客に提供されるものであるが、いずれのチャネルにおいても、顧客閲覧情報のフェーズ数を3個とし、提供順に「浅い」詳細度のフェーズ,「中」の詳細度のフェーズ,「深い」詳細度のフェーズとする。但し、これに限るものではないことはいうまでもない。例えば、投資信託の広告情報を例にとると、「浅い」詳細度のフェーズは、「投資信託ってどんなもの」などといった題名の基に、投資信託を簡単に紹介する情報内容のものとし、「中」の詳細度のフェーズは、「他の人たちは投資信託をどうやっているの」などといった題名の基に、それを紹介する情報内容とし、「深い」詳細度のフェーズは、「投資信託を始めるには、どうしたらいいの」などといった題名の基に、投資信託を行なうための手続きなどを紹介する情報内容のものとするものである。
各フェーズの提供方法は、提供を受けるチャネル(顧客操作端末)での顧客配信情報の表示の仕方やチャネルの使用状況による顧客の顧客配信情報の注目度などに応じて異なる。図4はチャネル毎のフェーズの提供方法を示すものであって、チャネル1(PC)に対しては、フェーズ全体を17インチの表示画面全体に表示するものとして、図4(a)に示すように、フェーズ全体を一度にチャネル1に配信する。なお、この場合には、図3の項目「閲覧」10aで示すように、1つのフェーズは、3回夫々8秒以上表示されて閲覧されたみなされると、顧客によって充分認識されたものとして、次のフェーズの顧客配信情報の配信が行なわれるようになる。チャネル2の端末(携帯電話)に対しては、2.5インチなどと表示画面が小さく、その表示画面全体に顧客配信情報を表示しても、表示画面は小さいから、図4(b)に示すように、フェーズを3回に分けてチャネル2の端末に配信する。なお、この場合には、図3の項目「閲覧」10aで示すように、フェーズの夫々の区分(以下、サブフェーズという)が3回夫々8秒以上表示されて閲覧されたみなされると、顧客によって充分認識されたものとして、次のフェーズの顧客配信情報の配信が行なわれるようになる。チャネル3の端末(ATM)に対しては、15インチの表示画面の一部(例えば、右上部)に表示されるものとして、図4(c)に示すように、フェーズを2回に分けて(即ち、2つのサブフェーズに分けて)チャネル3の端末に配信する。なお、この場合には、図3の項目「閲覧」10aで示すように、夫々のサブフェーズが2回6秒以上表示されて閲覧されたとみなされると、顧客によって充分認識されたものとして、次のフェーズの顧客配信情報の配信が行なわれるようになる。
チャネル2の端末(携帯電話)では、1つのフェーズが3つのサブフェーズからなり、チャネル3の端末(ATM)では、1つのフェーズが2つのサブフェーズからなることになる。なお、チャネル1の端末(PC)では、1つのフェーズが1つのサブフェーズからなるものともいえる。
図5は決められた顧客配信情報(ここでは、本店101が提供する「住宅ローン」の広告情報「本ー1」とする)に対する図3での項目「閲覧」10aに関する情報提供方法のデフォルトの一具体例を示す図である。
同図において、顧客配信情報は、その3つのフェーズが情報内容の詳細度の順で、即ち、「浅い」詳細度のフェーズ,「中」の詳細度のフェーズ,「深い」詳細度のフェーズの順で配信される。ここで、チャネル(顧客操作端末)毎に、これらフェーズの配信方法が設定されている。
チャネル1の端末(PC)の場合には、図4(a)で説明したように、「浅い」詳細度のフェーズ(その情報IDが「100」。以下、「情報ID:100」という。以下同様)と「中」の詳細度のフェーズ(情報ID:200)と「深い」詳細度のフェーズ(情報ID:300)とが、分割されずに、順に配信されるように、その配信方法が設定される。
チャネル2の端末(携帯電話)の場合には、まず、「浅い」詳細度のフェーズとして、これが分割された3つのサブフェーズ(情報ID:111,112,113)が順に配信され、次に、「中」の詳細度のフェーズとして、これが分割された3つのサブフェーズ(情報ID:211,212,213)が順に配信され、最後に、「深い」詳細度のフェーズとして、これが分割された3つのサブフェーズ(情報ID:311,312,313)が順に配信されるように、その配信方法が設定される。なお、情報ID:111,112,113のサブフェーズは、上記の情報ID:100の「浅い」詳細度のフェーズを構成するものであり、情報ID:211,212,213のサブフェーズは、上記の情報ID:200の「中」の詳細度のフェーズを構成するものであり、情報ID:311,312,313のサブフェーズは、上記の情報ID:300の「深い」詳細度のフェーズを構成するものである。
チャネル3の端末(ATM)の場合には、まず、「浅い」詳細度のフェーズとして、これが分割された2つのサブフェーズ(情報ID:121,122)が順に配信され、次に、「中」の詳細度のフェーズとして、これが分割された2つのサブフェーズ(情報ID:221,222)が順に配信され、最後に、「深い」詳細度のフェーズとして、これが分割された2つのサブフェーズ(情報ID:321,322)が順に配信されるように、その配信方法が設定される。なお、情報ID:121,122のサブフェーズは、上記の情報ID:100の「浅い」詳細度のフェーズを構成するものであり、情報ID:221,222のサブフェーズは、上記の情報ID:200の「中」の詳細度のフェーズを構成するものであり、情報ID:321,322のサブフェーズは、上記の情報ID:300の「深い」詳細度のフェーズを構成するものである。
ここで、顧客配信情報テーブル5に記録されている各顧客配信情報6,7,8(図2)は、小片の部分情報に細分化され、夫々の部分情報には、チャネル1,2,3の夫々の情報IDが付加されている。顧客配信情報テーブル5(図2)からの顧客配信情報のフェーズ(チャネル1の端末)やサブフェーズ(チャネル2,3の端末)を読み出す場合には、情報配信管理サーバ100の制御部がかかる情報IDを指定することによって行なわれ、指定された情報IDの部分情報の全てが顧客配信情報テーブル5から読み出されることにより、所望とするフェーズまたはサブフェーズの顧客配信情報が読み出されることになり、これが顧客操作端末に配信される。
なお、ここでは、本店101や営業店102〜104の顧客配信情報のテーブル5が情報配信管理サーバの記録部に格納されているものとするが、顧客配信情報の各部分情報がサブフェーズ(チャネル1のフェーズも含む)の情報IDが付加されて該当する本店101や営業店102〜104のサーバに格納されており、情報配信管理サーバ100には、各サブフェーズの情報IDとその部分情報の格納サーバのアドレスを関連づけたリストを情報配信管理サーバ100の記録部に保存するようにしてもよい。これによると、このリストに基づいて、該当するフェーズの顧客配信情報の部分情報をこれを格納しているサーバから読み出して顧客操作端末に配信するようにする。
図3に戻って、項目「選択」10bは、顧客の端末操作により、表示するフェーズを次のフェーズへの変移を可能とするものである。即ち、顧客操作端末で情報配信管理サーバ100から提供された顧客配信情報のあるフェーズの表示画面には、現在表示されているこのフェーズの次のフェーズの提供を選択(要求)できる選択ボタンが表示されており、これをクリックまたはタッチなどで選択操作すると、この選択操作情報が情報配信管理サーバ100に送られ、情報配信管理サーバ100から同じ顧客配信情報の次のフェーズが提供されて閲覧することができる。従って、顧客は、この顧客配信情報の次の情報内容を積極的に見たい場合には、この選択ボタンを操作することにより、この情報内容(次のフェーズ)の提供を受けることができる。
図6は情報提供方法の項目「選択」10bによる情報提供処理を示す図であって、10Aはチャネル2の端末への情報提供方法のデフォルト、12aは閲覧済マーク、12bは未閲覧マーク、13aは選択済マーク、13bは未選択マークである。
同図において、チャネル2の端末(携帯電話)への情報提供方法10Aの場合、図3で説明したように、顧客配信情報の各サブフェーズは、夫々2秒以上表示が続いて閲覧がなされたとみなされると、そのフェーズは顧客によって充分認識されたとして、次のサブフェーズの顧客配信情報の配信に移る。
かかる情報提供方法によるアクセス履歴情報4としては、「浅い」詳細度の情報ID:111,112,113のサブフェーズ、「中」の詳細度の情報ID:211,212,213のサブフェーズ、「深い」詳細度の情報ID:311,312,313のサブフェーズの順で配信順序が規定されており、夫々のサブフェーズには、規定される閲覧回数N(規定閲覧回数:携帯電話112の場合、N=2回)に等しい個数(即ち、2個)の閲覧回数マークが付されており、1回の閲覧で規定の閲覧(表示)時間(閲覧見込み時間)TYが経過すると、それ毎に1つずつ白抜き丸「○」の未閲覧マーク12bから黒丸「●」の閲覧済マーク12aに変更される。図示するアクセス履歴では、情報ID:111のサブフェーズで閲覧回数マークが2つとも閲覧済マーク12aとなっており、他のサブフェーズの閲覧回数マークは全て未閲覧マーク12bであるから、現在情報ID:111のサブフェーズの配信が終了した状態にあり、次に顧客がチャネル2の端末(携帯電話)で金融取引を行なうと、矢印aで示すように、同じ「浅い」詳細度のフェーズでの次の情報ID:112のサブフェーズが配信されることになる。
なお、顧客操作端末(自宅PC111や形態端末112,コンビニATM113,銀行ATM105など)での提供された顧客配信情報のフェーズやサブフェーズの閲覧時間は、情報配信管理サーバ100の制御部が、例えば、タイマを使用することにより、この顧客操作端末での金融取引画面の表示に伴う顧客配信情報の提供時点からこの金融取引操作のための画面表示に伴う顧客配信情報の表示終了時点までの時間を計測することにより、決定する。また、情報配信管理サーバ100の制御部には、各チャネル(顧客操作端末の種類)のフェーズやサブフェーズでの閲覧済マーク12aを計数するカウンタが設けられており、顧客操作端末での閲覧時間が規定の閲覧見込み時間TYを超えると、これまでの閲覧済マーク12aのカウント数を1だけインクリメントし、その結果を閲覧回数値としてアクセス履歴情報4に登録する。この処理が、規定する閲覧見込み時間TYを超える閲覧毎に閲覧済マーク12aを1つずつ増やしていくことに相当するものである。
情報提供方法の項目「選択」10bのために、画面表示するフェーズ(チャネル1の端末)やサブフェーズ(チャネル2,3の端末)毎に四角マークの選択マークが付加されている。通常、この選択マークは、白抜き「□」の未選択マーク13bとなっている。顧客操作端末の表示画面で情報ID:112のサブフェーズの表示中、このサブフェーズの画面上で同時に表示される選択ボタンが操作されると、現在表示されている情報ID:112のサブフェーズを含むフェーズの次のフェーズに移り、その最初の情報ID211のサブフェーズの表示に移ることになる。そして、選択ボタンが操作されたタイミングを履歴情報として残すために、この選択ボタンが操作されたときに顧客操作端末に提供されていたサブフェーズ(即ち、情報ID:112のサブフェーズ)の未選択マーク13bが、選択ボタンが操作されたことを示す塗りつぶし「■」の選択済マーク13aに変更される。そして、これとともに、矢印bで示すように、次のフェーズの最初のサブフェーズ、即ち、図6の場合、「中」の詳細度のフェーズの情報ID:211のサブフェーズから配信されて表示されることになる。
このようにして、情報提供方法の項目「選択」10bにより、選択ボタンを操作して同じ顧客配信情報の次のフェーズを表示した状態に変移させることができるとともに、かかる操作が行なわれたことの履歴がアクセス履歴情報4に登録されことになる。
再び図3に戻って、情報提供方法の項目「期間」10cは、顧客が情報配信管理サーバ100でこの顧客に対して最適なものとして設定している顧客配信情報を利用しなくなったとみなす期間(以下、非利用みなし期間TNという)を設定し、この非利用みなし期間TNを超えて利用されなくなった顧客配信情報に対しては、閲覧の履歴をキャンセルして配信可能なフェーズを前に戻すようにするものである。図示する例では、チャネル1の端末(PC)の場合、非利用みなし期間TNを7日とし、これを越えて利用されないときには、これまでの閲覧の履歴を全てキャンセルして、配信開始のサブフェーズを最初のサブフェーズ(即ち、「浅い」詳細度のフェーズの先頭のサブフェーズ)に戻すものであり、チャネル2の端末(携帯電話)の場合、非利用みなし期間TNを18日とし、これを越えて利用されないときには、これまでの閲覧の履歴を全てキャンセルして、配信開始のサブフェーズを最初のサブフェーズ(即ち、「浅い」詳細度のフェーズの先頭のサブフェーズ)に戻すものであり、チャネル3の端末(ATM)の場合、非利用みなし期間TNを2日とし、これを越えて利用されないときには、1つ前のサブフェーズまでの閲覧の履歴をキャンセルして、配信開始のサブフェーズを1つ前のサブフェーズに戻すものである(ATMの場合には、始終利用される、というものではないので、1つ前のサブフェーズに戻すようにするが、他のチャネルを用いる場合に比べて、表示される顧客配信情報を閲覧するという意識が薄いため、忘れられ易く、このため、非利用みなし期間TNを2日と短くしている)。
図7は情報提供方法の項目「選択」10cによる情報提供処理を示す図であって、図6に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
同図において、チャネル2の端末(携帯電話)によるアクセス履歴が、「深い」詳細度のフェーズの最初の情報ID:311のサブフェーズが1回配信された状態にあるものとする。かかる状態が情報提供方法での項目「期間」10cで規定される18日の非利用みなし期間TNを過ぎても続き、その間顧客配信情報が閲覧されない場合(即ち、金融取引も行なわれないし、また、この顧客配信情報が直接選択要求されない場合)には、この顧客配信情報は非利用みなし期間TNが過ぎたものとして、情報提供方法の項目「期間」10cにより、矢印cで示すように、この顧客配信情報の最初のサブフェーズ、即ち、「浅い」詳細度のフェーズでの最初の情報ID:111のサブフェーズに戻り、次回からの配信はこのサブフェーズから行なわれることになる。そして、これとともに、既に配信されたサブフレームでの閲覧済マーク12aは未閲覧マーク12bに戻され、例えば、情報ID:112での選択済マーク13aも、未選択マーク13bに戻される。
以上のようにして、非利用みなし期間TNを過ぎても、顧客配信情報のアクセスがなされないときには、もはやこの顧客配信情報はこの顧客の記憶に残っていないものとして、アクセス履歴情報4での各サブフェーズでの閲覧回数はリセットされ、次回の配信からは、この顧客配信情報を再び最初から配信するようにする。これにより、顧客が顧客配信情報を始めから終わりまで確実に把握できるようにする。
なお、以上はチャネル2の端末(携帯電話)を例にして情報提供方法デフォルト設定テーブル10とアクセス履歴情報4を説明したが、他のチャネル1,3についても同様である。なお、フェーズが1つのサブフェーズからなるチャネル1の端末(PC)については、各フェーズについて、上記の項目「閲覧」10aや項目「選択」10b,項目「期間」10cが適用されるものである。
図8は図2におけるデフォルト情報補正テーブル11の一具体例を示す図である。
同図において、デフォルト情報補正テーブル11は、顧客毎に、その顧客グループに応じて、その顧客グループの顧客に最適な情報提供方法を設定するために、情報提供方法デフォルト設定テーブル10でのデフォルトの情報提供方法を補正するものであり、顧客グループ11a毎に、各チャネル(顧客操作端末)11bでの補正値11cが設定されている。そして、かかる補正値11cは、情報提供方法デフォルト設定テーブル10での項目「閲覧」10c(図3)で規定される閲覧見込み時間TYの補正値11c1と閲覧回数の補正値11c2とからなるものである。
図示する例では、例えば、顧客グループAに属する顧客に対しては、チャネル2の端末(携帯電話)の場合、項目「閲覧」10aの閲覧見込み時間TYの補正値11c1が「−1秒」であり、この閲覧見込み時間TYのデフォルト値(2秒)を「−1秒」補正するものであるし、同じく閲覧回数の補正値11c2が「−1回」であり、この閲覧回数のデフォルト値(2回)を「−1回」補正するものである。
また、例えば、顧客グループBに属する顧客に対しては、チャネル1の端末(PC)の場合、閲覧見込み時間TYの補正値11c1も閲覧回数の補正値11c2も、夫々「±0秒」,「±0回」であり、補正しないものとする。
図9は情報提供方法最適化部9(図2)によって行なわれる情報提供方法デフォルト設定テーブル10での情報提供方法のデフォルト値のデフォルト情報補正テーブル11に基づく情報提供方法の最適化補正の一具体例を示す図である。
同図において、顧客グループAの顧客を例にすると、情報提供方法デフォルト設定テーブル10でのデフォルトの情報提供方法14は、情報提供方法最適化部9により、チャネル毎に規定される閲覧回数と閲覧見込み時間TYとがデフォルト情報補正テーブル11での顧客グループAの補正値11cに基づいて補正変換され、この顧客グループAに属するこの顧客に対して最適に変換された情報提供方法15が得られる。
ここで、デフォルトの情報提供方法14での項目「閲覧」10aでは、チャネル1,2,3の閲覧回数が夫々3回,2回,4回と規定されているが、デフォルト情報補正テーブル11での顧客グループAの補正値11c2により、夫々「−1回」補正されることになり、これにより、変換後の情報提供方法15では、チャネル1,2,3の閲覧回数が夫々2回,1回,3回となる。また、デフォルトの情報提供方法14での項目「閲覧」10aでは、チャネル1,2,3の閲覧見込み時間TYが夫々8秒,2秒,6秒と規定されているが、デフォルト情報補正テーブル11での顧客グループAの補正値11c1により、夫々「−2秒」,「−1秒」,「−2秒」補正されることになり、これにより、変換後の情報提供方法15では、チャネル1,2,3の閲覧見込み時間TYが夫々6秒,1秒,4秒となる。
このように変換された情報提供方法15が顧客情報DB1(図2)に設定され、この情報提供方法15に基づいて顧客グループAの顧客に対して、顧客配信情報が配信されることになる。
図10は図2におけるアクセス履歴情報4の一具体例を模式的に示す図であって、同図(a)は顧客配信情報が配信される前の状態を示し、同図(b)は配信されたときの状態を示しており、10Bはチャネル2の端末の情報提供方法、10Cはチャネル3の端末の情報提供方法である。また、前出図面に対応する部分には同一符号をつけている。
図10(a)において、アクセス履歴情報4は、図5で説明したように、チャネル毎にその情報提供方法に従って展開されるものであって、「浅い」詳細度のフェーズ、「中」の詳細度のフェーズ、「深い」詳細度のフェーズの順でサブフェーズが配信される。従って、ここでは、チャネル1の端末(PC)の情報提供方法10A、チャネル2の端末(携帯電話)の情報提供方法10B、チャネル3の端末(ATM)の情報提供方法10Cは夫々、項目「閲覧」10a,「選択」10b,「期間」10cに従うものとし、チャネル1,2,3夫々に対しては、図5に示す情報IDのフェーズ、サブフェーズの順で配信されるものとする。
そこで、チャネル1の端末に対する情報提供方法は、各フェーズにおいて、閲覧回数が3回で、閲覧毎の閲覧見込み時間TYを8秒とし、非利用みなし期間TNを7日として、このときの顧客配信情報を閲覧しない期間がこの非利用みなし期間TNを越えたときには、最初のフェーズに戻すものとしている。チャネル2の端末に対する情報提供方法は、各フェーズが3個のサブフェーズからなり、各サブフェーズにおいて、閲覧回数が2回で、閲覧毎の閲覧見込み時間TYを2秒とし、非利用みなし期間TNを18日として、このときの顧客配信情報を閲覧しない期間がこの非利用みなし期間TNを越えたときには、最初のフェーズの最初のサブフェーズに戻すものとしている。チャネル3の端末に対する情報提供方法は、各フェーズが2個のサブフェーズからなり、各サブフェーズにおいて、閲覧回数が4回で、閲覧毎の閲覧見込み時間TYを6秒とし、非利用みなし期間TNを2日として、このときの顧客配信情報を閲覧しない期間がこの非利用みなし期間TNを越えたときには、1つ前のサブフェーズに戻すものとしている。
顧客配信情報の配信が行なわれると、図10(b)に示すように、その履歴(アクセス履歴)が付加される。即ち、配信されたサブフェーズ(チャネル1の端末でのフェーズも含む)では、その配信回数分の閲覧回数マークが未閲覧マーク12bから閲覧すみマーク12aに更新され、また、この顧客配信情報が、金融取引によらず、直接選択配信された場合には、選択マークが未選択マーク13bから選択済マーク13aに更新される。
図10(b)に示す例の場合には、まず、顧客が銀行ATM105(図1)で金融取引をすることにより、チャネル3の端末(ATM)の情報提供方法10Cに従って、顧客配信情報のチャネル3の端末に対する「浅い」詳細度のフェーズの情報ID:121のサブフェーズが配信され、このサブフェーズが銀行ATM105で閲覧見込み時間TY(6秒)だけ表示が続くと、充分閲覧されたとして、この情報ID:121のサブフェーズでの未閲覧マーク12bの1つが丸付き数字「1」で示す閲覧済マーク12aに更新される。
次に、顧客が自宅PC111(図1)を用いて金融取引をすると、チャネル1の端末(PC)の情報提供方法10Aに従って、この顧客配信情報のチャネル1の端末に対する「浅い」詳細度のフェーズの情報ID:100のフェーズが配信され、このフェーズが自宅PC111で閲覧見込み時間TY(8秒)を越えて12秒表示が続くと、充分閲覧されたとして、この情報ID:100のフェーズでの未閲覧マーク12bの1つが丸付き数字「2」で示す閲覧済マーク12aに更新される。
次に、顧客がコンビニATM113(図1)で金融取引をすると、チャネル3の端末(ATM)の情報提供方法10Cに従って、顧客配信情報のチャネル3の端末に対する上記と同じ「浅い」詳細度のフェーズの情報ID:121のサブフェーズが配信され、このサブフェーズがコンビニATM113で閲覧見込み時間TY(6秒)を越えて9秒表示が続くと、充分閲覧されたとして、この情報ID:121のサブフェーズでの未閲覧マーク12bの1つが丸付き数字「3」で示す2つ目の閲覧済マーク12aに更新される。
その後、コンビニATM113や銀行ATM105、即ち、ATMで金融取引を行なうと、その金融取引毎に同じ情報ID:121のサブフェーズがそのATMに配信され、配信されたこのサブフェーズが閲覧見込み時間TY以上表示されて閲覧されると、その閲覧毎にこの情報ID:121のサブフェーズで未閲覧マーク12bが1つずつ、丸付き数字「3」,「4」,「5」として示すように、閲覧済マーク12aに更新される。
そして、この情報ID:121のサブフェーズでの全ての未閲覧マーク12bが閲覧済マーク12aに更新されると、チャネル3の端末では、この情報ID:121のサブフェーズがこの顧客によって充分認識されたとして、次の情報ID:122のサブフェーズを配信する状態となり、金融取引があると、そこでの未閲覧マーク12bの1つが丸付き数字「6」で示す閲覧済マーク12aに更新される。
なお、図示する例では、「浅い」詳細度のフェーズについてみると、チャネル1の情報ID:100の情報は、1つの完結した情報(フェーズ)であり、これを3分割したものがチャネル2の端末の情報ID:111,112,113であるし、これを分割したものがチャネル3の情報ID:121,122である。そして、チャネル1の情報ID:100の情報を規定閲覧回数N(3回)閲覧して閲覧済マーク12aが3個となると、あるいは、チャネル2の端末の情報ID:111,112,113の3つのサブフェーズを全て規定閲覧回数N(2回)閲覧し、それらで全て閲覧済マーク12aが2個となると、あるいはまた、チャネル3の情報ID:121,122の2つのサブフェーズを全て規定閲覧回数N(4回)閲覧し、それらで全て閲覧済マーク12aが4個となると、この「浅い」詳細度のフェーズの配信は完了したことになり、次の「中」の詳細度のフェーズの配信に移ることになる。このことは、「中」及び「深い」詳細度のフェーズについても、同様である。
また、「浅い」詳細度のフェーズにおいて、チャネル3の端末(ATM)で全ての閲覧マークが閲覧済マーク12aに更新される前にこのチャネル3の端末以外のチャネル(顧客操作端末)で金融取引が行なわれ、顧客配信情報がそのチャネルでの閲覧見込み時間TY以上の時間表示された場合には、そのチャネルでの次の閲覧マークが閲覧済マーク12aに変更される。例えば、チャネル3の端末で2個の閲覧マークが閲覧済マーク12aに変更された状態(即ち、丸付き数字「1」,「3」の閲覧済マーク12aの状態)になった後、チャネル1の端末(PC)で金融取引が行なわれ、顧客配信情報がその閲覧見込み時間TYを超えて表示されると、このとき、このチャネル1の端末では、既に情報ID:100のフェーズが1回その閲覧見込み時間TY(8秒)以上(12秒)表示されて、閲覧マークが1つ閲覧済マーク12aに変更されている状態にあるので、2つ目の閲覧マークが閲覧済マーク12aになる。
これに対し、チャネル2の端末(携帯電話)の場合には、このチャネル2の最初の情報ID:111のサブフェーズはチャネル3の端末(ATM)の最初の情報ID:121のサブフェーズ内に含まれており、チャネル3の端末での閲覧見込み時間TY(6秒)がチャネル2の端末での閲覧見込み時間TY(2秒)よりも長いことから、チャネル3の端末のこの情報ID:121のサブフェーズが規定閲覧回数N(4回)閲覧されてこの情報ID:121のサブフェーズが顧客に充分認識され、丸付き数字「1」,「3」,「4」,「5」の4個の閲覧済マーク12aが存在する状態にあるときには、チャネル2の最初の情報ID:111のサブフェーズも顧客によって充分に認識されていて規定される2回の閲覧が完了しているものとみなされ、次の情報ID:112のフェーズが配信される状態にあるものとする。
しかし、チャネル1の情報ID:100のフェーズを2回閲覧した場合には、チャネル2の情報ID:111,112,113を全て2回ずつ閲覧したことになるが、このようにすると、チャネル1の情報ID:100のフェーズを規定閲覧回数N(3回)閲覧しないにもかかわらず、「浅い」詳細度のフェーズの閲覧が完了したことになり、不具合となる。このため、チャネル1の情報ID:100のフェーズの閲覧回数は、チャネル2の端末での閲覧回数は影響されないようにする。
以上のことは、「中」及び「深い」詳細度のフェーズについても、同様である。
チャネル3の端末(ATM)のアクセス履歴情報4で、図示するように、同じ「浅い」詳細度のフェーズの2番目の情報ID:122のサブフェーズで1つの閲覧マークが閲覧済マーク12aとなっている(丸付き数字「6」の閲覧済マーク12a)状態で、顧客が、携帯電話112(図1)で金融取引を行なうと、上記のことからして、この顧客配信情報の「浅い」詳細度の情報ID:112のサブフェーズがこの携帯電話112に配信されて表示されるが、この表示画面での選択ボタンが表示されると、これに応答して、情報配信管理サーバ100では、この情報ID:112のサブフェーズでの未選択マーク13bを選択済マーク13aに更新し、これとともに、この情報ID:112のサブフェーズの次のフェーズである「中」の詳細度のフェーズの最初の情報ID:211のサブフェーズを携帯電話112に配信する。これにより、この携帯電話112では、「浅い」詳細度のフェーズの顧客配信情報から「中」の詳細度のフェーズへと配信が変更され、顧客はこの内容の顧客配信情報を閲覧することが可能となる。
以上のようにして、金融取引などによって顧客操作端末から情報配信管理サーバ100(図1)にアクセスする毎に、各チャネル1,2,3のアクセス履歴情報4が顧客情報DB1に形成されていき、また、このアクセス履歴情報4と情報提供方法に応じて顧客配信情報が顧客操作端末に提供されることになる。
図11は図1に示す情報配信管理サーバ100の顧客配信情報の提供動作を示すフローチャートである。
同図において、顧客操作端末での金融取引の要求操作や顧客配信情報の選択要求操作があって、顧客操作端末から情報配信管理サーバ100へのアクセス要求を受け付けると(ステップ200)、情報配信管理サーバ100は、このアクセス要求のあった顧客操作端末の種類(チャネル)を判定し(ステップ201)、このアクセス要求とともに送られてくる顧客情報の顧客IDを基に、この顧客の顧客情報ID1(図2)でのアクセス履歴情報4を照会し(ステップ202)、この顧客操作端末が属するチャネルのアクセス履歴情報4を基に、このときこの顧客に対して決められている広告情報などの顧客配信情報の、この顧客操作端末の種類(チャネル)に応じたフェーズ(チャネル1の端末の場合)あるいはサブフェーズ(チャネル2,3の端末の場合)を、この顧客操作端末に配信し、表示させる(ステップ203)。
この顧客操作端末の表示画面で顧客配信情報とともに表示されている次フェーズへの選択ボタンが操作されると(ステップ204で“Yes”)、顧客配信情報のこのとき表示されているフェーズの次のフェーズが表示される(ステップ205)。
また、選択タンが操作されないときには(ステップ204の“No”)、この顧客配信情報のサブフェーズ(チャネル1の端末での配信単位となるフェーズも含む)の閲覧時間を計測し、この閲覧時間がこの顧客操作端末の種類(チャネル)に応じて閲覧見込み時間TYを越えない場合には(ステップ206の“No”)、このサブフェーズに対する閲覧回数をそのままとして次回表示するサブフェーズを同じものとする(ステップ207)。また、計測した閲覧時間が閲覧見込み時間TYを越えた場合には(ステップ206の“Yes”)、このサブフェーズについて、未閲覧マーク12bを1つ閲覧済マーク12aに変更して、即ち、閲覧回数を1回増やして、規定閲覧回数Nと比較し、閲覧回数が規定閲覧回数N未満であれば(ステップ208の“No”)、次回提供する顧客配信情報も同じサブフェーズのものとし(ステップ210)、閲覧回数が規定閲覧回数Nに等しければ(ステップ208の“Yes”)、次回提供する顧客配信情報を次のサブフェーズ(フェーズが次に移る場合には、次のフェーズの最初のサブフェーズ)とする(ステップ209)。
図12は顧客操作端末で顧客配信情報が閲覧されたか否かの判定基準の一具体例を示す図であって、16は取引メニュー画面、17はメニューボタン、17aは「振込み」メニューボタン、18はバナー広告、19は振込みメニュー画面である。ここでは、顧客操作端末として、自宅PC111を例にして説明する。
顧客が自宅PC111で金融機関αの本社101または営業店102〜104との金融取引を要求する操作をすると、その表示画面に図12(a)に示すような取引メニュー画面16が表示される。この取引メニュー画面16では、複数のメニューボタン17が表示されるが、これと同時に、情報配信管理サーバ100(図1)からこの顧客の属性(顧客グループ)と顧客配信端末の種類(チャネル)がPCであることなどに応じた顧客配信情報(フェーズまたはサブフェーズ)が供給され、取引メニュー画面16の一部、例えば、右上角部にバナー広告18として表示される。従って、このバナー広告18の開始時点がこの顧客配信情報の閲覧開始時点となり、情報配信管理サーバ100はこの時点からこの顧客配信情報の閲覧時間を計数する。
顧客が、この取引メニュー画面16が表示されると、直ちに希望する取引メニュー、例えば、「振込みメニュー」を探し、図12(b)に示すように、この閲覧開始時点から、例えば、3秒を経た時点で希望する「振込み」メニューボタン17aを操作すると、図12(c)に示すように、振込みメニュー画面19に表示が切り替わり、この振込みメニュー画面19で振込み操作をすることができる。しかし、振込みメニュー画面19の表示とともに、バナー広告18は表示させなくなり、従って、バナー広告18、従って、このとき情報配信管理サーバ100から提供された顧客配信情報は3秒表示されただけであり、顧客操作端末が自宅PC111である場合(チャネル1)には、閲覧見込み時間TYが8秒であるから(図3)、この顧客配信情報は閲覧されたことにならない。従って、この顧客のアクセス履歴情報4では、閲覧済マーク12aの個数が現状のままとなる。
また、顧客が、この取引メニュー画面16が表示されると、その全体を見るなどして、図12(d)に示すように、この閲覧開始時点から、例えば、8秒を経た時点で希望する「振込み」メニューボタン17aを操作すると、図12(e)に示すように、振込みメニュー画面19に表示が切り替わり、この振込みメニュー画面19で振込み操作をすることができる。そして、振込みメニュー画面19の表示とともに、バナー広告18は表示させなくするが、バナー広告18、従って、このとき情報配信管理サーバ100から提供された顧客配信情報は8秒表示されたことになり、この場合の8秒間の閲覧見込み時間TYよりも長いから、この顧客配信情報は閲覧されたことになり、この顧客のアクセス履歴情報4では、閲覧済マーク12aの個数が1個増えることになる。
なお、この場合、自宅PC111で非利用みなし期間TN(7日)を越える8日以上金融取引をせず、顧客配信情報が表示されないときには、これまでの閲覧済マーク12aは、「浅い」,「中」,「深い」詳細度のフェーズを通して全て未閲覧マーク12bに変更され、元の未閲覧の状態に戻る。但し、他のチャネルのアクセス履歴には影響しない。
このようにして、実際に表示した時間で顧客配信情報が閲覧されたかどうかが判定される。
図13は顧客操作装置で表示されるフェーズ毎の顧客配信情報の一具体例を示す図である。
同図において、顧客配信情報の顧客操作端末への提供順序を、説明の便宜上、チャネル1(PC)では、フェーズ1,2,3とし、チャネル2(携帯電話)では、サブフェーズ1,2,3,……,9とし、チャネル3(ATM)では、サブフェーズ1,2,3,……,6とする。
ここで、上記のように、チャネル1のフェーズ1は「浅い」詳細度のフェーズであり、フェーズ2は「中」の詳細度のフェーズ、フェーズ3は「深い」詳細度のフェーズである。また、チャネル2のサブフェーズ1〜3は「浅い」詳細度のフェーズをなし、サブフェーズ4〜6は「中」の詳細度のフェーズをなし、サブフェーズ7〜9は「深い」詳細度のフェーズをなすものであり、チャネル3のサブフェーズ1,2は「浅い」詳細度のフェーズをなし、サブフェーズ3,4は「中」の詳細度のフェーズをなし、サブフェーズ5,6は「深い」詳細度のフェーズをなすものである。
ここで、金融機関α(図1)が提供する顧客配信情報を商品「投資信託」の広告情報とすると、チャネル2(携帯電話)を金融取引に用いる顧客操作端末とする場合には、図13(a)に示すように、「浅い」詳細度のフェーズのサブフェーズ1で、例えば、「投資信託 資産を有効に活用していますか?」といった情報の詳細度が最も浅い広告内容20が表示され、サブフェース2,3でサブフェーズ1と1組の広告情報となる残りの広告内容が表示される。そして、サブフェーズ1,2,3の閲覧が終了すると、次に、「浅い」詳細度のフェーズよりも詳細な「中」の詳細度の情報内容のサブフェーズ4,5,6の提供を受け、これらが閲覧されると、例えば、フェーズ8で「ファンドのシミュレーションをしてみる。」といったような最も詳細な広告情報21の提供を受けて表示されることになる。ここで、チャネル2では、上記のように、携帯電話の表示画面全体に提供される顧客配信情報が表示される。
また、チャネル3(ATM)を金融取引に用いる顧客操作端末とする場合には、図13(b)に示すように、例えば、「浅い」詳細度のフェーズのサブフェーズ1で、例えば、「投資信託ってどんなものなの? 投資信託のポイント5箇条」といった情報の詳細度が最も浅い広告内容22が表示され、次の「中」の詳細度のフェーズのサブフェーズ4で、例えば、「他の人たちは投資信託ってどうやってるの?」といった情報の詳細度が中程度の広告内容23が表示され、次の「深い」の詳細度のフェーズのサブフェーズ5で、例えば、「投資信託をはじめるにはどうしたらいいの?」といった情報の詳細度が最も深い(具体的な)広告内容24が表示される。
このようにして、チャネル、即ち、顧客操作端末の種類毎に顧客が認識し易いように、顧客配信情報が詳細度を順次深くするようにして表示されていく。
なお、上記実施形態においては、チャネル1〜3のチャネルが3種類の場合について説明したが、チャネル数は任意に設定可能である。例えば、コンビニATMと銀行ATMとを別チャネルとし、上記実施形態のチャネル3を銀行ATM用のチャネルとし、チャネル3とは異なる規定閲覧回数N,閲覧見込み時間TY,非閲覧みなし期間TN及びサブフェーズ分割数を有するチャネル4をコンビニATMのチャネルとして設定してもよい。
以上のように、この実施形態では、個人情報DBの顧客属性情報に基づいて顧客の年齢,環境やライフスタイルに応じた商品広告などの顧客に最適な顧客配信情報を、金融取引に用いる顧客操作端末に応じた情報提供方法で提供することができ、顧客の商品などに対する注目度を確実なものとすることができて、キャンペーンなどを効果的にセールスすることが可能となる。