JP2007333886A - 静電荷像現像用キャリア、及び静電荷像現像用現像剤、並びに画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フェライトからなる芯材表面に、少なくとも2層の樹脂被覆層を有してなる静電荷像現像剤用キャリアであって、前記芯材は、表面粗さSm(凹凸の平均間隔)が2.0μm以下で、且つ表面粗さRa(算術平均粗さ)が0.1μm以上であり、それぞれの前記樹脂被覆層の主成分である樹脂の酸価と、該樹脂被覆層と隣接する樹脂被覆層の主成分である樹脂の酸価との差は、絶対値で0.2〜8.0mgKOH/gであることを特徴とする静電荷像現像用キャリア、該荷像現像用キャリアを含む静電荷像現像用現像剤、該静電荷像現像用現像剤を用いる画像形成方法。
【選択図】なし
Description
例えば、種類の異なる2種以上の樹脂を複層被膜することで、それぞれに機能を分離し、より高機能なキャリアが考えられている。このとき芯材に接する樹脂に対して、芯材との密着性や保護及び抵抗制御を、更に最上層には耐汚染性、流動性、表面抵抗制御を盛り込むことで、高機能のキャリアを得ることができる。しかしながら、機能の異なる樹脂同士の界面では、その密着性は弱く、強い機械ストレスなどがあると層間から剥離することが多々ある。
即ち、本発明は、
<1> フェライトを含む芯材表面に少なくとも2層の樹脂被覆層を有してなる静電荷像現像剤用キャリアであって、前記芯材は、表面粗さSm(凹凸の平均間隔)が2.0μm以下で、且つ表面粗さRa(算術平均粗さ)が0.1μm以上であり、それぞれの前記樹脂被覆層の主成分である樹脂の酸価と、該樹脂被覆層と隣接する樹脂被覆層の主成分である樹脂の酸価との差は、絶対値で0.2〜8.0mgKOH/gであることを特徴とする静電荷像現像用キャリアである。
<2> 前記樹脂被覆層のうち最外層の樹脂被覆層の主成分である樹脂の酸価は、0.1〜25mgKOH/gであることを特徴とする<1>に記載の静電荷像現像用キャリアである。
<4> 潜像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電した前記潜像担持体を露光して、静電潜像を形成させる露光工程と、現像剤によって、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を転写体に転写する転写工程と、前記転写体上に転写されたトナー像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法であって、前記現像剤は、<3>に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法である。
本発明の静電荷像現像用キャリア(以下、単に「本発明のキャリア」という場合がある。)は、フェライトを含む芯材表面に少なくとも2層の樹脂被覆層を有してなる静電荷像現像剤用キャリアであって、前記芯材は、表面粗さSm(凹凸の平均間隔)が2.0μm以下で、且つ表面粗さRa(算術平均粗さ)が0.1μm以上であり、それぞれの前記樹脂被覆層の主成分である樹脂の酸価と、該樹脂被覆層と隣接する樹脂被覆層の主成分である樹脂の酸価との差は、絶対値で0.2〜8.0mgKOH/gであることを特徴とする。
本発明のキャリアにおける芯材は、表面粗さSm(凹凸の平均間隔)が2.0μm以下で、且つ表面粗さRa(算術平均粗さ)が0.1μm以上であることを特徴とする。
本発明のキャリアにおける芯材は、表面粗さSmを2.0μm以下、表面粗さRaを0.1μm以上とすることにより、後述するように樹脂被覆層を被覆した場合に、該樹脂被覆層の主成分である樹脂の芯材への投錨効果で、芯材とそれに隣接する樹脂被覆層との接着性は向上する。
Ra(算術平均粗さ)は、観察したコア表面の3次元形状から、粗さ曲線を求め、該粗さ曲線の測定値と平均線までの偏差の絶対値を合計し、平均することで求める。Ra(算術平均粗さ)を求める際の基準長さは、10μmであり、カットオフ値は、0.08mmである。
Sm(凹凸の平均間隔)は、粗さ曲線を求め、該粗さ曲線が平均線と交差する交点から求めた山谷−周期の間隔の平均値を求める。Sm(凹凸の平均間隔)を求める際の基準長さは、10μmであり、カットオフ値は、0.08mmである。
本発明のキャリアは、前記芯材表面に少なくとも2層の樹脂被覆層を有してなり、それぞれの前記樹脂被覆層の主成分である樹脂の酸価と、該樹脂被覆層と隣接する樹脂被覆層の主成分である樹脂の酸価との差は、絶対値で0.2〜8.0mgKOH/gであることを特徴とする。尚、「樹脂被覆層の主成分である」とは、樹脂被覆層における含有量が80質量%以上(好ましくは90質量%以上)であることを意味する。
エチルエーテル−エチルアルコール混液(エチルエーテル:エチルアルコール=2:1、モル比)又はベンゼン−エチルアルコール混液(ベンゼン:エチルアルコール=2:1、モル比)を用意する。尚、前記エチルエーテル−エチルアルコール混液又はベンゼン−エチルアルコール混液は、使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1mol/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。また、0.1mol/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用意する。
試料が溶解後、前記アルコール性水酸化カリウム溶液で滴定し、指示薬の薄紅色が30秒間続いたときを中和の終点とし、そのときの使用量より、酸価(AV)は下記式によって求められる。
AV:酸価(mgKOH/g)、B:0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)、M:試料の質量(g)。
AV=(B×5.61)÷M
なお、参考までに、式(3)で示されるSP値をSI単位(J1/2/m3/2)に換算する場合には、2046を乗ずればよい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい
前記樹脂微粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。その中でも、硬度を上げることが比較的容易な熱硬化性樹脂が好適であり、また、トナーに負帯電性を付与するためには、窒素原子を含有する樹脂粒子を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂微粒子は、乳化重合、懸濁重合等の重合を利用して粒状化された樹脂粒子を製造する方法や、モノマーもしくは、オリゴマーを溶媒中に分散して架橋反応を進行させながら粒状化して、樹脂粒子を製造する方法、低分子成分と、架橋剤とを溶融混錬等により混合反応させた後、風力、機械力等により、所定の粒度に粉砕して、樹脂粒子を製造する方法等によって製造することができる。
前記導電性微粉末としては、例えば、金、銀、銅のような金属;カーボンブラック;更に酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム粉末等の金属酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を、酸化錫、カーボンブラック、または金属で覆った微粉末;等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。導電性微粉末として金属酸化物を用いると、帯電性の環境依存性をより低減できるので好ましく、特に酸化チタンが好ましい。
さらに、得られたカップリング剤で処理された導電性微粉末から、凝集体を除去するために、必要に応じて、解砕機で解砕してもよい。解砕機としては、ピンミル、ディスクミル、ハンマーミル、遠心分級型ミル、ローラミル、ジェットミル等の公知の解砕機を使用でき、特に、ジェットミルが好ましい。用いられるカップリング剤としてはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤など公知のものを使用することができる。
中でも、シランカップリング剤、特にメチルトリメトキシシラン処理された導電性微粉末を用いると帯電の環境安定性に特に効果的である。
導電性微粉末の体積平均粒径が0.5μmを超えると、被覆樹脂層からの脱落が生じ易く、安定した帯電性が得られない場合があるため好ましくない。
常温常湿下(温度20℃、湿度50%RH)で、導電性微粉末を2×10-4m2の断面積を有する容器に厚み約1mm程度になるように充填し、その後、充填した導電性微粉末上に、金属製部材により、1×104kg/m2の荷重をかける。該金属製部材と、容器の底面電極との間に106V/mの電界が生じる電圧を印加し、その際の電流値から算出した値を体積電気抵抗値とする。
磁気特性の測定としての装置は振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。本発明においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
キャリアの体積電気抵抗が1×1015Ωcmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する場合がある。一方、1×107Ωcm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすくなる場合がある。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となるキャリアを1〜3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、キャリア層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せキャリア層を挟み込む。キャリア間の空隙をなくすため、キャリア層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてからキャリア層の厚み(cm)を測定する。キャリア層上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下式(1)に示す通りである。
式(1): R=E×20/(I−I0)/L
まず、下層の樹脂被覆層の主成分となる樹脂をトルエンに固形分10〜25質量%になるように溶解し、樹脂溶液を調製する。次いで、フェライトからなる芯材に対し、該樹脂が1.5〜3.0質量%となるように芯材と樹脂溶液をニーダーに入れ、50〜80℃条件のもと、減圧下で撹拌混合する。トルエンが揮発した後、減圧をやめ、生成キャリアとして取り出す。更に、上層(表面層)の樹脂被覆層の主成分となる樹脂をトルエンに固形分10〜25質量%となるように溶解する。このとき、抵抗調整や、帯電調整の目的で導電性微粒子などを添加してもよい。この場合、サンドミルなどを用いて導電性微粒子の分散を行うことが好ましい。こうしてできた樹脂溶液を、下層となる樹脂被覆層により被覆された芯材に対し、樹脂が1.5〜3.0質量%となるようにニーダーに入れ、50〜70℃の条件のもと、減圧下で撹拌混合する。乾燥が終了後、生成キャリアとして取り出す。
前記方法と同様に下層の樹脂被覆層の主成分となる樹脂をトルエンに固形分4〜20質量%となるように溶解する。更に、上層(表面層)の樹脂被覆層の主成分となる樹脂を固形分4〜20質量%となるように溶解する。このとき、前記方法と同様に導電性微粒子などを添加してもよい。次に、流動層型コーティング装置に芯材を入れ、芯材に対して樹脂が2質量%となる量の下層の樹脂被覆層を形成するための樹脂溶液を、5〜30g/分の速度で塗布する。終了後、引き続き上層の樹脂被覆層を形成するための樹脂溶液を芯材に対して樹脂が3質量%となるように、同様に塗布する。雰囲気温度は60〜90℃とし、乾燥後、生成キャリアを取り出す。
本発明の静電荷像現像用現像剤は、トナー既述の本発明のキャリアとからなる。
次に、本発明に用いるトナーについて説明する。
本発明に用いるトナーは、特に制限されないが、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有する。
これらの中でも特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン等が挙げられる。
無機微粒子としてはSiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等を使用することができる。これらのうち、特にシリカ微粒子、チタニア微粒子の場合には、流動性が良好となるため好ましい。
本発明における疎水化度は、水50ccに微粒子を0.2g加え、スターラーで攪拌後、メタノールで滴定し、微粒子が全て溶媒に懸濁したときのメタノール滴定量をTccとしたときに、以下の式で表される疎水化度(M)と定義する。
得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
本発明の画像形成方法は、潜像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電した前記潜像担持体を露光して、静電潜像を形成させる露光工程と、現像剤によって、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を転写体に転写する転写工程と、前記転写体上に転写されたトナー像を定着する定着工程とを有し、前記現像剤が既述の本発明の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする。
(フェライト芯材1の作製)
Fe2O3 72部、MnO2 18部、LiOH 10部を混合し、湿式ボールミルで10時間混合/粉砕してスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後ロータリーキルンを用いて900℃、8時間の仮焼成を行った。こうして得られた仮焼成物を、湿式ボールミルで7時間粉砕し、平均粒径を3.0μmとした後、更にスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後電気炉で温度1250℃、10時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て粒径37.6μmのMnフェライト粒子であるフェライト芯材1を作製した。尚、作製したフェライト芯材1の表面粗さSm(凹凸の平均間隔)、表面粗さRa(算術平均粗さ)を既述の方法で測定したところ、表面粗さSmが2.8μm、表面粗さRaが0.06μmであった。
Fe2O3 73部、MnO2 23部、Mg(OH)2 4部を混合し、湿式ボールミルで25時間混合/粉砕してスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて800℃、7時間の仮焼成1を行い、仮焼成1物を得た。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで7時間粉砕し、平均粒径を1.8μmとした後、更にスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後ロータリーキルンを用いて900℃、6時間の仮焼成2を行い、仮焼成2物を得た。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで5時間粉砕し、平均粒径を5.2μmとした後、更にスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後電気炉で温度900℃用いて10時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て粒径36.2μmのMn−Mgフェライト粒子であるフェライト芯材2を作製した。尚、作製したフェライト芯材2の表面粗さSm(凹凸の平均間隔)、表面粗さRa(算術平均粗さ)を既述の方法で測定したところ、表面粗さSmが1.5μm、表面粗さRaが0.5μmであった。
Fe2O3 73部、MnO2 23部、Mg(OH)2 4部を混合し、湿式ボールミルで10時間混合/粉砕してスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後ロータリーキルンを用いて900℃、8時間の仮焼成を行った。こうして得られた仮焼成物を、湿式ボールミルで7時間粉砕し、平均粒径を2.9μmとした後、更にスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後電気炉で温度1250℃、8時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て粒径37.1μmのMn−Mgフェライト粒子であるフェライト芯材3を作製した。尚、作製したフェライト芯材3の表面粗さSm(凹凸の平均間隔)、表面粗さRa(算術平均粗さ)を既述の方法で測定したところ、表面粗さSmが2.2μm、表面粗さRaが0.07μmであった。
Fe2O3 73部、MnO2 23部、Mg(OH)2 3.5、SrO 0.5部を混合し、湿式ボールミルで10時間混合/粉砕してスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後ロータリーキルンを用いて900℃、8時間の仮焼成を行った。こうして得られた仮焼成物を、湿式ボールミルで7時間粉砕し、平均粒径を2.7μmとした後、更にスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後電気炉で温度900℃、8時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て粒径36.2μmのMn−Mgフェライト粒子であるフェライト芯材4を作製した。尚、作製したフェライト芯材4の表面粗さSm(凹凸の平均間隔)、表面粗さRa(算術平均粗さ)を既述の方法で測定したところ、表面粗さSmが2.0μm、表面粗さRaが0.08μmであった。
Fe2O3 75部、MnO2 15部、LiOH 10部を混合し、湿式ボールミルで10時間混合/粉砕してスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後ロータリーキルンを用いて900℃、8時間の仮焼成を行った。こうして得られた仮焼成物を、湿式ボールミルで7時間粉砕し、平均粒径を2.7μmとした後、更にスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後電気炉で温度900℃、8時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て粒径36.8μmのMn−Mgフェライト粒子であるフェライト芯材5を作製した。尚、作製したフェライト芯材4の表面粗さSm(凹凸の平均間隔)、表面粗さRa(算術平均粗さ)を既述の方法で測定したところ、表面粗さSmが2.4μm、表面粗さRaが0.4μmであった。
Fe2O3 73部、MnO2 23部、Mg(OH)2 3.5部、SrO 0.5部を混合し、湿式ボールミルで10時間混合/粉砕してスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後ロータリーキルンを用いて800℃、8時間の仮焼成を行った。こうして得られた仮焼成物を、湿式ボールミルで8時間粉砕し、平均粒径を2.6μmとした後、更にスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後電気炉で温度900℃、8時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て粒径35.9μmのMn−Mgフェライト粒子であるフェライト芯材4を作製した。尚、作製したフェライト芯材6の表面粗さSm(凹凸の平均間隔)、表面粗さRa(算術平均粗さ)を既述の方法で測定したところ、表面粗さSmが1.8μm、表面粗さRaが0.5μmであった。
Fe2O3 78部、MnO2 10部、LiOH 12部を混合し、湿式ボールミルで10時間混合/粉砕してスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後ロータリーキルンを用いて900℃、7時間の仮焼成を行った。こうして得られた仮焼成物を、湿式ボールミルで8時間粉砕し、平均粒径を2.8μmとした後、更にスプレードライヤーにより造粒、乾燥した後電気炉で温度900℃、8時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て粒径37.1μmのMn−Mgフェライト粒子であるフェライト芯材7を作製した。尚、作製したフェライト芯材4の表面粗さSm(凹凸の平均間隔)、表面粗さRa(算術平均粗さ)を既述の方法で測定したところ、表面粗さSmが2.0μm、表面粗さRaが0.2μmであった。
スチレン−メチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量:100000、酸価:15mgKOH/g)
エチレン−メチルメタクリレート−無水マレイン酸共重合体(重量平均分子量:68000、酸価:14mgKOH/g)
アクリルポリオール−トリレンジイソシアネート重合体(重量平均分子量:48000/アクリルポリオール、酸価:10mgKOH/g)
テレフタル酸−ドデセニルコハク酸−ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物重合体(重量平均分子量:86000、酸価:6mgKOH/g)
エチルメタクリレート共重合体(重量平均分子量:96000、酸価:15mgKOH/g)
スチレン-メチルメタクリレート-メタクリル酸共重合体(重量平均分子量:120000、酸価:23.0mgKOH/g)
スチレン-メチルメタクリレート-メタクリル酸共重合体(重量平均分子量:110000、酸価:30.4mgKOH/g)
アクリルポリオール-キシレンジイソシアネート共重合体(重量平均分子量:41000/アクリルポリオール、酸価:23.4mgKOH/g)
樹脂1 30部
トルエン(和光純薬工業) 450部
カーボンブラック(VXC72:キャボット) 4部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間攪拌しコート液1を調製した。
樹脂2 30部
2−ブタノン (和光純薬工業) 450部
樹脂2を上記の成分比で2−ブタノンに溶解し、コート液2を調製した。
樹脂3 30部
2−ブタノン (和光純薬工業) 450部
樹脂3を上記の成分比で2−プブタノンに溶解し、コート液3を調製した。
樹脂4 30部
2−ブタノン (和光純薬工業) 450部
カーボンブラック(VXC72:キャボット) 4部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、2−ブタノンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し回転速度1200rpmで30分間攪拌しコート液4を調製した。
樹脂5 30部
2−ブタノン (和光純薬工業) 450部
樹脂5を上記の成分比で2−ブタノンに溶解し、コート液5を調製した。
樹脂6 30部
2−ブタノン (和光純薬工業) 450部
樹脂6を上記の成分比で2−ブタノンに溶解し、コート液6を調製した。
樹脂7 30部
2−ブタノン (和光純薬工業) 450部
樹脂7を上記の成分比で2−ブタノンに溶解し、コート液7を調製した。
樹脂8 30部
2−ブタノン (和光純薬工業) 450部
樹脂8を上記の成分比で2−ブタノンに溶解し、コート液8を調製した。
複合型流動層コーティング装置MP01−SFP(パウレック)にフェライト芯材2を1000g仕込み、コート液2を、スクリーンメッシュ0.5mm、回転インペラ1000rpm、排風量1.2m3/min、塗布速度10g/min、温度65℃の条件のもと、24分間、コート液2をフェライト芯材2にコートした。続いて、コーティング条件において温度70℃、コート液2をコート液1にする以外は上記と同様にして、43分間、コート液1をコート液2がコートされたフェライト芯材2にコートした。得られたキャリアをキャリア1とした。キャリア1のコート液1及び2により形成されたそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は、4.8質量%であった。
尚、キャリアのそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は次に用にして測定できる。キャリア10gを量り取り、テトラヒドロフラン100mlに浸漬する。20分、攪拌したのち、ナンバー5Aのろ紙にてろ過を行う。テトラヒドロキシフランによる溶解、ろ過を計3回繰り返し、初期のキャリアの重量と溶解、ろ過後の重量の差からコート量を計算する。
[環境安定性]
DocuCenterColor400(DCC400:富士ゼロックス)用のシアントナーとキャリア1とをトナー対キャリアの質量比が6:100となるように混合し、現像剤1を得た。この現像剤1を前記DCC400に入れ、30℃、85%RHの環境下、TMA0.6g/m2、5cm×10cmベタの条件で10000枚の印刷を行い、目視にて環境安定性を評価した。その結果、かぶりは認められず、画像も問題なかった。
前記DCC400の改造現像機を用意し、キャリア1のみをいれ、空回しを100時間行った。更に、前記シアントナーを、キャリア対比6質量%となるように添加し、DCC400の改造現像機を空回し、キャリア1とシアントナーを混合した。次に混合したキャリア1とシアントナーをDCC400に取り付け、24℃、50%RHの環境下、TMA0.6g/m2、5cm×10cmベタの条件で10枚の印刷を行い、目視にて環境安定性を評価した。その結果、かぶりは認められず、画像も問題なかった。
実施例1において、コート液2をコート液3に替えたこと以外実施例1と同様にして、キャリア2を作製した。得られたキャリア2のコート液1及び3により形成されたそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は4.9質量%であった。更にキャリア1をキャリア2に替えたこと以外実施例1と同様にして現像剤2を作製し、環境安定性及びストレス耐性を評価した。その結果、環境安定性の評価では、かぶりは認められず、初期と10000枚でやや画像濃度が下がったものの問題ないレベルであった。また、ストレス耐性の評価では、かぶりは認められず、画像も問題なかった。
実施例1において、1回目のコートでコート液2をコート液3に替え、2回目のコートでコート液1をコート液4に替えたこと以外実施例1と同様にして、キャリア3を作製した。得られたキャリア3のコート液3及び4により形成されたそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は5.1質量%であった。更にキャリア1をキャリア3に替えたこと以外実施例1と同様にして現像剤3を作製し、環境安定性及びストレス耐性を評価した。その結果、環境安定性の評価では、かぶりは認められず、初期と10000枚でやや画像濃度が下がったものの問題ないレベルであった。また、ストレス耐性の評価では、かぶりは認められず、画像も問題なかった。
実施例1において、1回目のコートでコート液2をコート液8に替え、2回目のコートでコート液1をコート液6に替えたこと以外実施例1と同様にして、キャリア4を作製した。得られたキャリア4のコート液6及び8により形成されたそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は5.0質量%であった。更にキャリア1をキャリア4に替えたこと以外実施例1と同様にして現像剤4を作製し、環境安定性及びストレス耐性を評価した。その結果、環境安定性の評価では、かぶりは認められず、初期と10000枚でやや画像濃度が下がったものの問題ないレベルであった。また、ストレス耐性の評価では、かぶりは認められず、画像も問題なかった。
実施例1において、1回目のコートでコート液2をコート液8に替え、2回目のコートでコート液1をコート液7に替えたこと以外実施例1と同様にして、キャリア5を作製した。得られたキャリア5のコート液7及び8により形成されたそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は5.1質量%であった。更にキャリア1をキャリア5に替えたこと以外実施例1と同様にして現像剤5を作製し、環境安定性及びストレス耐性を評価した。その結果、環境安定性の評価では、かぶりは認められず、初期と10000枚でやや画像濃度が下がったものの問題ないレベルであった。また、ストレス耐性の評価では、かぶりは目視では分からない程度のかぶりが生じ、画像はやや濃度低下があるものの問題ない程度であった。
実施例1において、フェライト芯材2をフェライト芯材6に替えたこと以外実施例1と同様にして、キャリア6を作製した。得られたキャリア6のコート液1及び2により形成されたそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は4.6質量%であった。更にキャリア1をキャリア6に替えたこと以外実施例1と同様にして現像剤6を作製し、環境安定性及びストレス耐性を評価した。その結果、環境安定性の評価では、かぶりは認められず、初期と10000枚で画像に問題ないレベルであった。また、ストレス耐性の評価では、かぶりは認められず、画像も問題なかった。
実施例1において、フェライト芯材2をフェライト芯材7に替えたこと以外実施例1と同様にして、キャリア7を作製した。得られたキャリア7のコート液1及び2により形成されたそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は4.7質量%であった。更にキャリア1をキャリア7に替えたこと以外実施例1と同様にして現像剤7を作製し、環境安定性及びストレス耐性を評価した。その結果、環境安定性の評価では、かぶりは認められず、初期と10000枚で画像に問題ないレベルであった。また、ストレス耐性の評価では、かぶりは認められず、画像も問題なかった。
実施例1において、コート液2をコート液4に替えたこと以外実施例1と同様にして、キャリア8を作製した。得られたキャリア8のコート液1及び4により形成されたそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は4.7質量%であった。更にキャリア1をキャリア8に替えたこと以外実施例1と同様にして現像剤8を作製し、環境安定性及びストレス耐性を評価した。その結果、環境安定性の評価では、10000枚後で、濃度がでず、まともな画像を得られなかった。また、ストレス耐性の評価では、初期から濃度がでず、まともな画像を得られなかった。
実施例1において、コート液2をコート液5に替えたこと以外実施例1と同様にして、キャリア9を作製した。得られたキャリア9のコート液1及び5により形成されたそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は4.8質量%であった。更にキャリア1をキャリア9に替えたこと以外実施例1と同様にして現像剤9を作製し、環境安定性及びストレス耐性を評価した。その結果、環境安定性の評価では、10000枚後で、濃度が下がり、薄い画像となった。また、ストレス耐性の評価では、画像は濃度が薄く、NGであった。
実施例1において、フェライト芯材2をフェライト芯材1に替えたこと以外実施例1と同様にして、キャリア10を作製した。得られたキャリア10のコート液1及び2により形成されたそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は4.7質量%であった。更にキャリア1をキャリア10に替えたこと以外実施例1と同様にして現像剤10を作製し、環境安定性及びストレス耐性を評価した。その結果、環境安定性の評価では、10000枚後で、濃度が下がり、薄い画像となった。また、ストレス耐性の評価では、初期から濃度がでず、まともな画像を得られなかった。
実施例1において、フェライト芯材2をフェライト芯材3に替えたこと以外実施例1と同様にして、キャリア11を作製した。得られたキャリア11のコート液1及び2により形成されたそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は4.9質量%であった。更にキャリア1をキャリア11に替えたこと以外実施例1と同様にして現像剤11を作製し、環境安定性及びストレス耐性を評価した。その結果、環境安定性の評価では、10000枚後で、濃度が下がり、薄い画像となった。また、ストレス耐性の評価では、画像は濃度が薄く、NGであった。
実施例1において、フェライト芯材2をフェライト芯材4に替えたこと以外実施例1と同様にして、キャリア12を作製した。得られたキャリア12のコート液1及び2により形成されたそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は4.7質量%であった。更にキャリア1をキャリア12に替えたこと以外実施例1と同様にして現像剤12を作製し、環境安定性及びストレス耐性を評価した。その結果、環境安定性の評価では、10000枚後で、濃度が下がり、薄い画像となった。また、ストレス耐性の評価では、画像は濃度が薄く、NGであった。
実施例1において、フェライト芯材2をフェライト芯材5に替えたこと以外実施例1と同様にして、キャリア13を作製した。得られたキャリア13のコート液1及び2により形成されたそれぞれの樹脂被覆層の合計コート量は5.0質量%であった。更にキャリア1をキャリア13に替えたこと以外実施例1と同様にして現像剤13を作製し、環境安定性及びストレス耐性を評価した。その結果、環境安定性の評価では、10000枚後で、濃度が下がり、薄い画像となった。また、ストレス耐性の評価では、画像は濃度が薄く、NGであった。
複合型流動層コーティング装置MP01−SFP(パウレック)にフェライト芯材2を1000g仕込み、コート液1を、スクリーンメッシュ0.5mm、回転インペラ1000rpm、排風量1.2m3/min、塗布速度10g/min、温度70℃の条件のもと、57分間、コートしキャリア14を作製した。得られたキャリア14のコート液1により形成された樹脂被覆層のコート量は3.9質量%であった。更にキャリア1をキャリア14に替えたこと以外実施例1と同様にして現像剤14を作製し、環境安定性及びストレス耐性を評価した。その結果、環境安定性の評価では、10000枚後で、濃度が下がり、薄い画像となった。また、ストレス耐性の評価では、画像は濃度が薄く、NGであった。
Claims (4)
- フェライトを含む芯材表面に、少なくとも2層の樹脂被覆層を有してなる静電荷像現像剤用キャリアであって、
前記芯材は、表面粗さSm(凹凸の平均間隔)が2.0μm以下で、且つ表面粗さRa(算術平均粗さ)が0.1μm以上であり、
それぞれの前記樹脂被覆層の主成分である樹脂の酸価と、該樹脂被覆層と隣接する樹脂被覆層の主成分である樹脂の酸価との差は、絶対値で0.2〜8.0mgKOH/gであることを特徴とする静電荷像現像用キャリア。 - 前記樹脂被覆層のうち最外層の樹脂被覆層の主成分である樹脂の酸価は、0.1〜25mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用キャリア。
- トナーとキャリアとからなる静電荷像現像用現像剤であって、
前記キャリアが請求項1又は2に記載の静電荷像現像用キャリアであることを特徴とする静電荷像現像用現像剤。 - 潜像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電した前記潜像担持体を露光して、静電潜像を形成させる露光工程と、現像剤によって、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を転写体に転写する転写工程と、前記転写体上に転写されたトナー像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法であって、
前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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