JP2007333726A - 塗装色の評価作業を支援する装置と支援する方法 - Google Patents

塗装色の評価作業を支援する装置と支援する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 塗装色の意匠性を客観的に評価するための技術を提供する。
【解決手段】 塗装色の評価作業を支援する装置を提供する。この支援装置は、少なくとも二つの変角における明度と彩度を記述する色彩データを入力する手段と、色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置との間の距離を示す第1指標を計算する手段と、色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置とを結ぶ直線の傾きを示す第2指標を計算する手段と、計算された第1指標と第2指標の対のデータを表示する表示手段とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、塗装色の意匠性を評価する作業を支援する技術に関する。特に、変角に応じて見える色彩が変化する塗装色の意匠性を評価する作業を支援する技術に関する。
塗料には、着色顔料を主成分とするソリッド塗料と、着色顔料と光輝材を主成分とするメタリック塗料に大別される。ソリッド塗料を塗布した塗装面は、光源位置や視点位置の変化にかかわらず、ほぼ一定の色彩に見える。一方、メタリック塗料を塗布した塗装面は、光源位置や視点位置によって、見える色彩が変化する。詳しくは、視点位置から塗装面を観測するときの変角に応じて見える色彩が変化する。ここでいう変角とは、光源からの照明光が塗装面において正反射される正反射方向と、視点位置から塗装面を観測するときの観測方向とがなす角を意味する。
例えば自動車ボディのように外表面が湾曲している物体は、外表面の位置によって光源に対する角度や視点に対する角度が変化する。そのことから、一種類のメタリック塗料を自動車ボディの全面に塗布したとしても、物体表面に現れる色彩は均一とならず、位置によって見える色彩が変化する。即ち、物体表面に色彩分布が現われる。例えば自動車ボディの塗装色を開発するデザイナーは、自動車ボディの表面に現われる色彩分布を想定しながら、現出させたい色彩分布を実現する塗装色を決定する。ここでいう塗装色とは、変角に応じて見える色彩が変化するものであり、その色彩(明度、彩度、色相)が変角毎に記述されるものである。
デザイナーが自動車ボディの塗装色が決定すると、その塗装色を実現する塗料の設計が行われる。塗料設計者は、デザイナーから伝えられた指示に基づいて塗料の設計を行い、試作した塗料を試験片に塗布してデザイナーに提供する。デザイナーは、試験片に形成された塗装面の色彩を評価し、自身が意図する塗装色との違いを塗料設計者にフィードバックする。このサイクルを繰返すことによって、塗装色の開発は進められていく。
塗装色を評価する作業では、塗装色の意匠性が抽象的に表現されることも多い。例えばデザイナーが塗装色の評価結果を塗料設計者へフィードバックする際に、「深みが足りない」とか「もっと輝いた感じで」といった感性を示す表現がしばしば用いられる。塗装色を評価する作業では、デザイナーや塗料開発者の感性や勘に頼るところが大きい。その結果、塗装色の開発期間が予期せず長期化してしまうことも多い。
上記の問題に対して、特許文献1には、変角15度における明度と、変角15度における彩度と、変角45度における明度と、変角45度における彩度と、変角15度におけるHG値と、変角15度におけるHB値を測定し、測定したこれら6つの指標を6軸のレーダーチャートに表示する技術が記載されている。各変角における明度と彩度は、汎用の変角測色計(例えばX−Rite社製のMA68)によって測定される。HG値とHB値は、汎用のミクロ粒子感測定器(例えば関西ペイント社製のミクロ粒子感測定器)によって測定される。特許文献1には、レーダーチャートに表示された多角形グラフの形状や面積によって、塗装色の意匠性を短期間に理解することができると説明されている。
特開2004−271467号公報
特許文献1の技術は、公知である各指標をレーダーチャートの形式で表示するものであり、公知である各指標の大小を視覚的に表示する技術にすぎない。特許文献1の技術を用いたとしても、これまで抽象的に表現されてきた塗装色の意匠性を客観的に評価することはできない。
本発明は、上記の課題を解決する。本発明は、抽象的に表現されてきた塗装色の意匠性を、客観的に評価することを可能とする技術を提供する。
本発明の技術は、塗装色の意匠性を評価する作業を支援する装置に具現化することができる。この支援装置は、塗装色の少なくとも二つの変角における明度と彩度を記述する色彩データを入力する手段と、色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置との間の距離を示す第1指標を計算する手段と、色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置とを結ぶ直線の傾きを示す第2指標を計算する手段と、計算された第1指標と第2指標の対のデータを表示する表示手段とを備えている。
本願発明者は、塗装色の各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットすると、プロットしたデータの配列形状と、塗装色を観察したときに感じる意匠性との間に関連性が存在することを見出した。この知見に基づいて研究を進めた結果、二次元マップ上における最小変角のデータと最大変角のデータとの相対位置が、塗装色を観察したときに感じる意匠性に強く関連することを確認した。
二次元マップ上における二つのデータの相対位置は、二つのデータ間の距離と二つのデータ間を結ぶ直線の傾きによって表現することができる。従って、塗装色の各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットし、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置との間の距離と、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置とを結ぶ直線の傾きを求めることによって、塗装色の意匠性を客観的に表現することが可能となる。
本発明によって具現化される支援装置は、塗装色の少なくとも二つの変角における明度と彩度を記述する色彩データを入力し、上記した距離を示す第1指標と、上記した傾きを示す第2指標を表示することができる。デザイナーや塗料設計者は、表示された第1指標と第2指標の対のデータに基づいて、塗装色の意匠性を客観的に評価することができる。
上記の支援装置において、表示手段は、第1指標と第2指標の対のデータを二次元マップ上にプロットして表示することが好ましい。
第1指標と第2指標の対のデータを二次元マップ上にプロットすると、そのプロット位置と塗装色の意匠性とが対応する。デザイナーや塗料設計者は、二次元マップ上にプロットされたデータの位置に基づいて、塗装色の意匠性を客観的に評価することができる。
上記の支援装置において、色彩データは、各変角における色相をさらに記述していることが好ましい。この場合、入力した色彩データから、前記最小変角と前記最大変角との間の色相変化量を示す第3指標を計算する手段が付加されていることが好ましい。そして、表示手段は、第1指標と第2指標に加えて、計算された第3指標をさらに表示することが好ましい。
それにより、塗装色の変角の変化に伴う色相の変化を加味して、塗装色の意匠性を詳しく評価することができる。
上記の支援装置において、色彩データは、少なくとも三つの変角における明度と彩度を記述していることが好ましい。この場合、色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置から最大変角のデータのプロット位置まで各変角のデータのプロット位置を順に辿った距離と、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置との間の距離との距離差を示す第4指標を計算する手段が付加されていることが好ましい。そして、表示手段は、第1指標と第2指標に加えて、計算された第4指標をさらに表示することが好ましい。
それにより、最小変角から最大変角へ変角が変化する過程における明度や彩度の挙動を加味して、塗装色の意匠性を詳しく評価することができる。
上記の支援装置において、色彩データは、少なくとも三つの変角における明度と彩度を記述していることが好ましい。そして、色彩データが少なくとも三つの変角における明度と彩度を記述している場合、色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置とその次に小さい変角のデータのプロット位置との間の距離と、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置との間の距離との比を示す第5指標を計算する手段が付加されていることが好ましい。そして、表示手段は、第1指標と第2指標に加えて、計算された第5指標をさらに表示することが好ましい。
それにより、最小変角の近傍における明度や彩度の挙動を加味して、塗装色の意匠性を詳しく評価することができる。
上記した支援装置では、前記最小変角が15度であるとともに、前記最大変角が110度であることが好ましい。
それにより、第1指標と第2指標の対のデータに塗装色の意匠性がより強く反映され、塗装色の意匠性をより客観的に評価することができる。
上記した支援装置において、前記色彩データは、変角15度と変角25度と変角45度と変角75度と変角110度のデータを記述していることが好ましい。
それにより、計算される各指標に塗装色の意匠性が強く反映され、塗装色の意匠性をより詳しく評価することができる。
上記した支援装置は、塗装色の変角毎の色彩を再現表示するテクスチャ画像の画像データを記憶する記憶手段をさらに備えることが好ましい。この場合、前記表示手段は、前記第1指標と第2指標の対のデータの二次元マップ上におけるプロット位置に、前記画像データが記述するテクスチャ画像を表示することが好ましい。
それにより、塗装色の色彩を確認しながら、塗装色の意匠性を客観的に評価することができる。
前記テクスチャ画像は、塗装色を所定の変角で観測したときの輝度分布がさらに再現されたミクロテクスチャ画像であることが好ましい。
それにより、例えば光輝材を含む塗料を塗布した塗装色のように、輝度の分布が顕著に生じる塗装色の意匠性を正確に評価することが可能となる。
本発明の技術は、塗装色の意匠性を評価する作業を支援する方法にも具現化される。本発明によって具現化される支援方法は、少なくとも二つの変角における明度と彩度を記述する色彩データを用意する工程と、色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置との間の距離を示す第1指標を計算する工程と、色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置とを結ぶ直線の傾きを示す第2指標を計算する工程と、計算された第1指標と第2指標の対のデータを表示する工程とを備えている。
この支援方法によれば、デザイナーや塗料設計者は、表示された第1指標と第2指標の対のデータに基づいて、塗装色の意匠性を客観的に評価することができる。
本発明によって、これまで定量的に表現するツールがなく、抽象的に表現せざるを得なかった塗装色の意匠性を、定量的に評価することが可能となる。例えば本発明の技術を塗装色の開発過程に適用することによって、塗装色の開発期間が予期せず長期化することを防止することができる。
最初に、以下に説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(特徴1) 支援装置は、塗装色の各変角における明度と彩度と色相を記述する色彩指標データを記憶する手段を備えている。
(特徴2) 色彩指標データは、CIE1976(L)表色系に準拠し、塗装色の各変角における明度を記述するL値と、彩度を記述するc値と、色相を記述するa値およびb値を記述している。
(特徴3) 支援装置は、計算した第1指標と第2指標を二次元マップ上にプロットして表示する際に、第3指標に応じてプロット点の形状を変更することができる。
(特徴4) 支援装置は、計算した第1指標と第2指標を二次元マップ上にプロットして表示する際に、第4指標に応じてプロット点の形状を変更することができる。
(特徴5) 支援装置は、計算した第1指標と第2指標を二次元マップ上にプロットして表示する際に、第5指標に応じてプロット点の形状を変更することができる。
(特徴6) 支援装置は、汎用の電子計算機を用いて構成されている。
(実施例1)
本発明を実施した実施例について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明を実施した支援装置30と、支援装置30に接続されている変角測色計10を示している。支援装置30は、例えば自動車ボディ等の工業製品の塗装色を開発するデザイナーや塗料設計者に用いられる装置であって、見る角度(即ち、変角)に応じて色彩が変化する塗装色の意匠性を評価する作業を支援するための装置である。
先ず、変角測色計10について説明する。変角測色計10は、測色対象である試料100を載置するための試料台14を備えている。試料台14は、基準軸Cの回りに回動可能に設けられている。試料台14には、試料表面100a内に基準軸Cが位置するように、試料100が固定される。この場合、試料表面100aの法線方向Dbは、xy平面内に位置している。試料台14が基準軸Cの回りに回動すると、試料表面100aの法線方向Dbは、xy平面内において基準軸Cの回りに回動する。
変角測色計10は、試料台14上の試料100を照明する光源器12を備えている。光源器12は、例えばハロゲンランプを用いて構成することができる。光源器12の光軸Daは、xy平面内において基準軸Cに向けて伸びており、基準軸Cと垂直に交わっている。光源器12の光軸Daと試料表面100aの法線方法Dbとがなす角θは、光源器12からの照明光2が試料表面100aに入射するときの入射角を示している。変角測色計10では、試料台14を基準軸Cの回りに回動させることによって、照明光2の入射角θを調整できるようになっている。照明光2の入射角θは、例えば45度に設定することができる。
変角測色計10は、基準軸Cの回りに回動可能な回転台16と、回転台16上に配置されている光度計18とを備えている。光度計18は、いわゆる分光光度計であり、試料表面100aで反射された反射光4を受光し、反射光4の波長毎の強度を測定する。光度計18は、分光器(例えばプリズム)や受光素子(例えばフォトダイオードアレイ等)を用いて構成されている。
光度計18の受光軸Ddは、xy平面内において基準軸Cに向けて伸びており、基準軸Cと垂直に交わっている。変角測色計10では、回転台16を基準軸Cの回りに回動させることによって、照明光2の試料表面100aにおける正反射方向Dcと光度計18の受光軸Ddとがなす角αを調整できるようになっている。正反射方向Dcと受光軸Ddとがなす角αは一般に変角と呼ばれている。
図1に示すように、変角測色計10は、試料台14を回動させる第1モータ22と、回転台16を回動させる第2モータ24と、第1モータ22と第2モータ24の動作を制御するモータコントローラ26と、色彩指標計算部30を備えている。モータコントローラ26は、第1モータ22の動作を制御することによって、照明光2の入射角θを調整する。また、モータコントローラ26は、第2モータ24の動作を制御することによって、試料表面100aを測色するときの変角αを調整する。
色彩指標計算部28は、光度計18によって測定された反射光4の波長毎の強度に基づいて、試料表面100aの明度と彩度と色相を示す指標を計算する。本実施例では、CIE1976(L)表色系を採用しており、色彩指標計算部28は、L値とa値とb値とc値を計算する。L値(あるいはL値と記される)は、色彩の明度を記述する指標である。L値が大きいほど色彩が明るいことを示す。a値(あるいはa値と記される)は、色彩の色相に関して赤と緑の強度を記述する指標である。a値が正の値で大きいほど赤の色相を示し、a値が負の値で小さいほど緑の色相を示す。b値(あるいはb値と記される)は、色彩の色相に関して黄と青に対する強度を記述する指標である。b値が正の値で大きいほど黄の色相を示し、b値が負の値で小さいほど青の色相を示す。c値(あるいはc値と記される)は、色彩の彩度を記述する指標であり、c値=(a値+b値1/2の関係を満たす指標である。
以上の構成により、変角測色計10は、例えば自動車ボディ用の塗料が塗布された試料表面100aのL値とa値とb値とc値を変角α毎に測定することができる。例えば図2に示すように、試料表面100aのL値を、変角15度、25度、45度、75度、110度毎に測定することができる。また、図3に示すように、試料表面100aのa値を、変角15度、25度、45度、75度、110度毎に測定することができる。また、図4に示すように、試料表面100aのb値を、変角15度、25度、45度、75度、110度毎に測定することができる。また、図5に示すように、試料表面100aのc値を、変角15度、25度、45度、75度、110度毎に測定することができる。変角測色計10によって測定されたL値とa値とb値とc値は、支援装置30に入力される。
以上、変角測色計10について詳細に説明したが、上述した構成や特徴は一例を示すものであり、変角測色計10の構成や特徴を限定するものではない。
次に、支援装置30の構成について説明する。支援装置30は、計算装置32と、表示装置50と、入力装置52を備えている。表示装置50と入力装置52は、計算装置32に接続されている。計算装置32は、機能的に、データ記憶部34と、第1指標計算部41と、第2指標計算部42と、第3指標計算部43と、第4指標計算部44と、第5指標計算部45と、表示処理部48を備えている。計算装置32は、汎用の電子計算機を用いて構成することができる。表示装置50は、汎用の画像表示装置や印刷装置等を用いて構成することができる。入力装置50は、汎用のキーボードやマウスを用いて構成することができる。
データ記憶部34は、色彩指標データ36と、質感指標データ38を記憶することができる。図6に示すように、色彩指標データ36は、塗装色(塗料種類)毎に、各変角におけるL値とa値とb値とc値が記述されているデータである。詳しくは、変角15度におけるL値L15と、変角25度におけるL値L25と、変角45度におけるL値L45と、変角75度におけるL値L75と、変角110度におけるL値L110と、変角15度におけるa値a15と、変角25度におけるa値a25と、変角45度におけるa値a45と、変角75度におけるa値a75と、変角110度におけるa値a110と、変角15度におけるb値b15と、変角25度におけるb値b25と、変角45度におけるb値b45と、変角75度におけるb値b75と、変角110度におけるb値b110と、変角15度におけるc値c15と、変角25度におけるc値c25と、変角45度におけるc値c45と、変角75度におけるc値c75と、変角110度におけるc値c110を記述が記述されている。変角測色計10から入力されたL値とa値とb値とc値や、入力装置52から作業者によって入力されたL値とa値とb値とc値は、色彩指標データ36の一部となってデータ記憶部34に記憶される。図7に示すように、質感指標データ38は、塗装色(塗料種類)毎に、第1質感指標Aと第2質感指標Rと第3質感指標dHと第4質感指標Diffと第5質感指標Ratが記述されているデータである。
第1質感指標Aは、第1指標計算部41によって計算される。第1指標計算部41は、色彩指標データ36を参照し、変角15度におけるL値L15と、変角110度におけるL値L110と、変角15度におけるc値c15と、変角110度におけるc値c110とを用いて、下記式を満たす第1質感指標Aを計算する。
A=((L15−L110)+(c15−c110)1/2
即ち、第1質感指標Aは、変角15度におけるL値L15と変角110度におけるL値L110との間の明度変化量と、変角15度におけるc値c15と変角110度におけるc値c110との間の彩度変化量との平方和の正の平方根に等しい。第1質感指標Aは、図8に示す二次元マップ上に図示することができる。図8に示す二次元マップは、横軸がL値を示しており、縦軸がc値を示している。図中の点P15は、変角15度におけるL値とc値の対のデータ(L15、c15)のプロット位置を示している。図中の点P25は、変角25度におけるL値とc値の対のデータ(L25、c25)のプロット位置を示している。図中の点P45は、変角45度におけるL値とc値の対のデータ(L45、c45)のプロット位置を示している。図中の点P75は、変角75度におけるL値とc値の対のデータ(L75、c75)のプロット位置を示している。図中の点P110は、変角110度におけるL値とc値の対のデータ(L110、c110)のプロット位置を示している。第1質感指標Aは、図8に示す二次元マップにおける点P15と点110との間の距離に相当する。第1質感指標Aは、変角15度と変角110との間におけるL値の変化量が大きいほど大きくなるとともに、変角15度と変角110との間におけるc値の変化量が大きいほど大きくなる。第1質感指標Aは、変角15度と変角110との間において塗装色の明度と彩度が変化する度合を総合的に示している。第1指標計算部41によって計算された第1質感指標Aは、質感指標データ38に記述される。
第2質感指標Rは、第2指標計算部42によって計算される。第2指標計算部42は、色彩指標データ36を参照し、変角15度におけるL値L15と、変角110度におけるL値L110と、変角15度におけるc値c15と、変角110度におけるc値c110とを用いて、下記式を満たす第2質感指標Rを計算する。
R=(c15−c110)/(L15−L110)
即ち、第2質感指標Rは、変角15度におけるc値c15と変角110度におけるc値c110との間の彩度変化量を、変角15度におけるL値L15と変角110度におけるL値L110との間の明度変化量によって除算した値に等しい。第2質感指標Rは、図8に示す二次元マップ上に図示することができる。図8に示す二次元マップ上において、第2質感指標Rは点P15と点110とを結ぶ直線の傾きに相当する。第2質感指標Rは、変角15度と変角110との間におけるL値の変化量が大きいほど小さくなるとともに、変角15度と変角110との間におけるc値の変化量が大きいほど大きくなる。第2質感指標Rは、変角15度と変角110との間において塗装色の明度変化に伴って生じる彩度変化の度合を示している。第2指標計算部42によって計算された第2質感指標Rは、質感指標データ38に記述される。
第3質感指標dHは、第3指標計算部43によって計算される。第3指標計算部43は、色彩指標データ36を参照し、変角15度におけるa値a15と、変角110度におけるa値a110と、変角15度におけるb値b15と、変角110度におけるb値b110とを用いて、下記式を満たす第3質感指標dHを計算する。
dH=|tan−1(b15/a15)−tan−1(b110/a110)|
ここで、H=tan−1(b値/a値)を満たす指標Hは色相角と呼ばれ、色彩の色相を示す指標として知られている。第3質感指標dHは、変角15度における色相角H15=tan−1(b15/a15)と、変角110度における色相角H110=tan−1(b110/a110)との間の差に等しい。第3質感指標dHは、図9に示す二次元マップ上に図示することができる。図9に示す二次元マップは、横軸がa値を示しており、縦軸がb値を示している。図中の点Q15は、変角15度におけるa値とb値との対のデータ(a15、b15)を示している。図中の点Q110は、変角110度におけるa値とb値との対のデータ(a110、b110)を示している。第3質感指標dHは、変角15度と変角110度との間における塗装色の色相変化量を示している。第3指標計算部43によって計算された第3質感指標dHは、質感指標データ38に記述される。
第4質感指標Diffは、第4指標計算部44によって計算される。第4指標計算部44は、色彩指標データ36を参照し、変角15度におけるL値L15と、変角25度におけるL値L25と、変角45度におけるL値L45と、変角75度におけるL値L75と、変角110度におけるL値L110と、変角15度におけるc値c15と、変角25度におけるc値c25と、変角45度におけるc値c45と、変角75度におけるc値c75と、変角110度におけるc値c110とを用いて、下記式を満たす第4質感指標Diffを計算する。
Diff=Ap−A
ここで、
Ap=A1+A2+A3+A4
A1=((L15−L25)+(c15−c25)1/2
A2=((L25−L45)+(c25−c45)1/2
A3=((L45−L75)+(c45−c75)1/2
A4=((L75−L110)+(c75−c110)1/2
である。
上記した指標Apは、図10に示す二次元マップ上に図示することができる。図10に示す二次元マップは、図8に示す二次元マップと同じく、横軸がL値を示しており、縦軸がc値を示している。また、図10中の点P15、P25、P45、P75、P110も、図8に示した点P15、P25、P45、P75、P110とそれぞれ等しい。図10に示す二次元マップ上において、上式中のA1は点P15と点25との間の距離を示し、上式中のA2は点P25と点P45との間の距離を示し、上式中のA3は点P45と点75との間の距離を示し、上式中のA4は点P75と点110との間の距離を示す。従って、指標Apは、図10に示す二次元マップ上において、点P15、P25、P45、P75、P110を順に辿る距離に相当する。そして、第4質感指標Diffは、経路長Apと第1質感指標Aとの差に相当する。第4質感指標Diffは、変角が15度、25度、45度、75度、110度と順に変化する過程において、塗装色の明度変化に対する彩度変化の度合が一定であるほど小さくなる。第4質感指標Diffが大きい塗装色ほど、変角が15度、25度、45度、75度、110度と順に変化する過程において、明度の変化と彩度の変化が異なる挙動を示すこととなる。第4指標計算部44によって計算された第4質感指標Diffは、質感指標データ38に記述される。
第5質感指標Ratは、第5指標計算部45によって計算される。第5指標計算部45は、色彩指標データ36を参照し、変角15度におけるL値L15と、変角25度におけるL値L25と、変角110度におけるL値L110と、変角15度におけるc値c15と、変角25度におけるc値c25と、変角110度におけるc値c110とを用いて、下記式を満たす第5質感指標Ratを計算する。
Rat=A1/A
ここで、
A =((L15−L110)+(c15−c110)1/2
A1=((L15−L25)+(c15−c25)1/2
である。
上記した指標A1は、先に説明したように、変角15度におけるL値L15と変角25度におけるL値L25との間の明度変化量と、変角15度におけるc値c15と変角25度におけるc値c25との間の彩度変化量との平方和の正の平方根に等しい。即ち、図10に示す二次元マップ上において、指標A1は点P15と点25との間の距離に相当する。この指標A1は、変角15度と変角25との間において塗装色の明度と彩度が変化する度合を総合的に示している。一方、第1質感指標Aは、変角15度と変角110との間において塗装色の明度と彩度が変化する度合を総合的に示している。従って、指標A1を第1質感指標Aで除算した第5質感指標Ratは、変角15度と変角110との間において塗装色の明度と彩度が変化する際に、変角15度と変角25との間において生じる変化の割合を示している。第5質感指標Ratが大きい塗装色ほど、変角が小さい範囲、即ち、正反射方向に近い範囲(いわゆるハイライト)において、塗装色の明度と彩度が大きく変化する。第5指標計算部45によって計算された第5質感指標Ratは、質感指標データ38に記述される。
表示処理部48は、質感指標データ38に記述されている各質感指標を表示装置50に表示する。図11に示すように、例えば表示処理部48は、質感指標データ38に記述されている第1質感指標Aと第2質感指標Rとの対のデータ(A、R)を二次元マップ上に表示する。第1質感指標Aと第2質感指標Rとの対のデータ(A、R)を二次元マップ上にプロットすると、「重厚な」という表現が相応しい塗装色は、図11に示す領域T1の範囲にプロットされる。また、「深い」という表現が相応しい塗装色は、図11に示す領域T2の範囲にプロットされる。また、「質感が小さい」という表現が相応しい塗装色は、図11に示す領域T3の範囲にプロットされる。また、「輝いた」という表現が相応しい塗装色は、図11に示す領域T4の範囲にプロットされる。これらの表現によって評価される塗装色の意匠性は、変角に応じて色彩が変化するときの挙動に対応する。即ち、第1質感指標Aと第2質感指標Rとの二次元マップ上における位置は、変角に応じて色彩が変化するときの挙動に対応し、その挙動に起因する塗装色の意匠性を示している。第1質感指標Aと第2質感指標Rの対のデータ(A、R)を二次元マップ上にプロットすることで、抽象的に表現されていた塗装色の意匠性を、客観的に把握することが可能となる。デザイナーや塗料設計者は、二次元マップ上にプロットされた位置に基づいて、塗装色の意匠性を客観的に評価することができる。
また、表示処理部48は、図12に示すように、第1質感指標Aと第2質感指標Rとの対のデータ(A、R)を二次元マップ上に表示する際に、第3質感指標dHに応じてプロット点の形状を変更することもできる。また、図13に示すように、第4質感指標Diffに応じてプロット点の形状を変更することもできる。また、図14に示すように、第5質感指標Ratに応じてプロット点の形状を変更することもできる。第1質感指標Aと第2質感指標Rとの対のデータ(A、R)を二次元マップ上に表示する際に、第3質感指標dHや第4質感指標Diffや第5質感指標Ratの差異を視認可能に表示することによって、塗装色の意匠性をより詳しく評価することが可能となる。
図15は、支援装置30を用いた塗装色の評価作業の流れを示すフローチャートを示している。図15を参照しながら、支援装置30を用いた塗装色の評価作業について説明する。
ステップS2では、支援装置30に、その意匠性を評価する塗装色の各変角におけるL値(明度)とa値とb値とc値(彩度)を入力する。詳しくは、変角15度、25度、45度、75度、110度におけるL値とa値とb値とc値を入力する。塗装色の各変角におけるL値とa値とb値とc値は、塗料を塗布した試料100を用意し、その塗装色を変角測色計10によって測定することによって入力することができる。あるいは、予め測定されたデータを、入力装置52を介して入力してもよい。あるいは、コンピュータグラフィクス装置等によって作成した仮想塗装色のデータを、入力装置52を介して入力してもよい。入力されたL値とa値とb値とc値は、データ記憶部34に色彩指標データ36の一部となって記憶される。
ステップS4では、支援装置30の第1指標計算部41が第1質感指標Aを計算する。第1指標計算部41によって計算された第1質感指標Aは、データ記憶部34に質感指標データ38の一部となって記憶される。
ステップS6では、支援装置30の第2指標計算部42が第2質感指標Rを計算する。第2指標計算部42によって計算された第2質感指標Rは、データ記憶部34に質感指標データ38の一部となって記憶される。
ステップS8では、支援装置30の第3指標計算部43が第3質感指標dHを計算する。第3指標計算部43によって計算された第3質感指標dHは、データ記憶部34に質感指標データ38の一部となって記憶される。
ステップS10では、支援装置30の第4指標計算部44が第4質感指標Diffを計算する。第4指標計算部44によって計算された第4質感指標Diffは、データ記憶部34に質感指標データ38の一部となって記憶される。
ステップS12では、支援装置30の第5指標計算部45が第5質感指標Ratを計算する。第5指標計算部45によって計算された第5質感指標Ratは、データ記憶部34に質感指標データ38の一部となって記憶される。
支援装置30は、ステップS4〜S12の処理によって、色彩指標データ36から質感指標データ38を作成する。
ステップS14では、支援装置30の表示処理部48が、質感指標データ38に記述されている第1質感指標Aと第2質感指標Rを二次元マップ上に表示する。支援装置30の表示装置50には、図11に例示するような二次元マップが表示される。作業者が入力装置52を介して支援装置30に指示を入力すると、表示処理部48は図12、図13、図14に示すような他の質感指標を加味した二次元マップに表示を変更する。各二次元マップを表示する際には、図示するように複数の塗装色のデータを対比可能に示してもよいし、一つの塗装色のデータのみをプロットして示してもよい。
デザイナーや塗料設計者は、表示装置50に表示された二次元マップを観察することによって、塗装色の意匠性、特に変角に応じて色彩が変化するときの挙動に起因する意匠性を客観的に評価することが可能となる。
(実施例2)
本発明の第2の実施例について図面を参照しながら説明する。図16は、実施例2の支援装置130と、支援装置130に接続されている変角測色計110を示している。本実施例の支援装置130は、特に、アルミ粒子等の光輝材を含むメタリック塗料を塗布した塗装色の意匠性を評価する作業を好適に支援することができる。
実施例2の支援装置130は、実施例1の支援装置30を一部改良したものである。実施例2の変角測色計110は、実施例1の変角測色計10を一部改良したものである。以下、実施例2の支援装置130及び変角測色計110について詳細に説明するが、実施例1の支援装置30及び変角測色計110と同一の構成については同一の符号を付し、重複して説明することは避けるように努める。
先ず、変角測色計110の変更点について説明する。図16に示すように、実施例2の変角測色計110は、実施例1の変角測色計10と比較して、輝度分布計算部128をさらに備えている。輝度分布計算部128は、光度計18によって測定された反射光4の強度に基づいて、試料表面100aにおける輝度分布を計算する。
図17、図18を参照し、輝度分布とその測定方法について説明する。図17は輝度分布を測定する様子を模式的に示しており、図18は計算された輝度分布の一例を示している。図17に示すように、輝度分布の測定では、照明光2を入射させる光軸Da及び反射光4を受光する受光軸Ddを固定する。本実施例では、試料表面100aの法線Dbと入射軸Daとが成す角を略25度に固定し、試料表面100aの法線Dbと受光軸Ddとが成す角を略15度に固定する。この場合、受光軸Ddの変角αは10度となる。
図17に示すように、照明光2が試料表面100aに入射すると、試料表面100aの所定範囲100bで反射された反射光4が光度計18に入射する。光度計18は、所定範囲100bで反射された反射光4を複数の受光素子によって受光し、所定範囲100bで反射された反射光4の強度分布を測定する。反射光4の強度分布を波長毎に測定する必要はない。輝度分布計算部128は、測定された反射光4の強度分布を入力し、図18に例示する輝度分布を計算する。図18に示すように、輝度分布は、所定範囲100bの各位置に対応する座標(u,v)毎に輝度BLを記述するものである。試料表面100aがメタッリク塗料を塗布した塗装面であると、輝度BLは座標(u,v)毎に大きく相違する。それに対して、試料表面100aがソリッド塗料を塗布した塗装面であると、輝度BLは座標(u,v)にかかわらず略一定となる。輝度分布計算部128が計算した輝度分布は計算装置132に入力され、そのデータ記憶部34に輝度分布データ136として記憶される。輝度分布データ136には、複数の塗装色(塗料種類)の輝度分布が蓄積されていく。なお、輝度分布データ136は、予め作成されたものを入力装置52から入力してもよい。
次に、支援装置130の変更点について説明する。図16に示すように、実施例2の支援装置130は、実施例1の支援装置30と比較して、塗色画像作成部146と第2表示処理部148をさらに備える計算装置132を利用する。ここで、図16に示す第1表示処理部48は実施例1で説明した表示処理部48と同じものであるが、実施例2では第2表示処理部148と区別するために第1表示処理部48と表記する。実施例2の計算装置132も、汎用の電子計算機を用いて構成されている。
塗色画像作成部146は、色彩指標データ36が記述する変角毎のL値、a値、b値、c値を利用し、図19に示すテクスチャ画像202を表示装置50に表示するための画像データを作成することができる。また、塗色画像作成部146は、さらに輝度分布データ136を利用し、図20に示すミクロテクスチャ画像204を表示装置50に表示するための画像データを作成することができる。塗色画像作成部146が作成した画像データは、塗色画像データ138としてデータ記憶部34に記憶される。塗色画像データ138には、複数の塗装色(塗料種類)のテクスチャ画像202及びミクロテクスチャ画像204を記述する画像データが蓄積されていく。
テクスチャ画像202は、塗装色の変角α毎の色彩を帯状に再現表示する画像である。テクスチャ画像202は、変角αに応じて色彩が変化する塗装色を忠実に再現することができるが、光輝材を含む塗装面のキラキラとした質感を再現することはできない。
一方、ミクロテクスチャ画像204は、輝度分布データ136が記述する輝度分布が加味されることによって、光輝材に起因するキラキラとした質感が併せて再現することができる。ミクロテクスチャ画像204は、テクスチャ画像202に再現された塗装色の明度分布(各位置のL値)を、輝度分布データ136が記述する輝度分布に基づいて修正することによって得ることができる。本実施例では、テクスチャ画像202に再現された塗装色の明度分布に、輝度分布データ136が記述する輝度分布を所定の係数とともに乗算している。それにより、ミクロテクスチャ画像204には、光輝材に起因するキラキラとした質感が再現される。
第2表示処理部148は、質感指標データ38と塗色画像データ138を用いて、図21に示す第1質感指標Aと第2質感指標Rとの二次元マップを表示することができる。図21に示すように、この二次元マップは、質感指標データ38に記述されている塗装色の第1質感指標Aと第2質感指標Rとの対のデータ(A、R)のプロット位置に、塗色画像データ138に記述されている塗装色のミクロテクスチャ画像204を表示したものである。即ち、実施例1で説明した各種の二次元マップ(図11−図14)において、プロット点をミクロテクスチャ画像204に置き換えたものに相当する。この二次元マップによると、光輝材を含む塗装色の意匠性を客観的に評価することが可能となり、塗装色の開発期間を短縮することが可能となる。なお、第2表示処理部148は、ミクロテクスチャ画像204に変えて、テクスチャ画像202を第1質感指標Aと第2質感指標Rとの二次元マップ上に表示することもできる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
塗装色の評価作業を支援する装置の構成を示す模式図(実施例1)。 各変角におけるL値(明度)を例示する図。 各変角におけるa値を例示する図。 各変角におけるb値を例示する図。 各変角におけるc値(彩度)を例示する図。 色彩指標データを示す図。 質感指標データを示す図。 第1質感指標と第2質感指標を説明する図。 第3質感指標を説明する図。 第4質感指標と第5質感指標を説明する図。 第1質感指標と第2質感指標との二次元マップの表示例を示す図。 第3指標を加味した二次元マップの表示例を示す図。 第4指標を加味した二次元マップの表示例を示す図。 第5指標を加味した二次元マップの表示例を示す図。 支援装置を用いた塗装色の評価作業の流れを示すフローチャート。 塗装色の評価作業を支援する装置の構成を示す模式図(実施例2)。 輝度分布を測定する様子を示す図。 輝度分布データを例示する図。 テクスチャ画像を例示する図。 ミクロテクスチャ画像を例示する図。 ミクロテクスチャ画像を二次元マップ上に表示した例を示す図。
符号の説明
10、110:変角測色計
12:光源器
14:試料台
16:回転台
18:光度計
22:第1モータ
24:第2モータ
26:モータコントローラ
28:色彩指標計算部
30、130:支援装置
32、132:計算装置
34:データ記憶部
36:色彩指標データ
38:質感指標データ
41:第1指標計算部
42:第2指標計算部
43:第3指標計算部
44:第4指標計算部
45:第5指標計算部
48:表示処理部
50:表示装置
52:入力装置
128: 輝度分布計算部
136:輝度分布データ
138:塗色画像データ
146:塗色画像作成部
148:第2表示処理部

Claims (10)

  1. 塗装色の意匠性を評価する作業を支援する装置であって、
    少なくとも二つの変角における明度と彩度を記述する色彩データを入力する手段と、
    色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置との間の距離を示す第1指標を計算する手段と、
    色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置とを結ぶ直線の傾きを示す第2指標を計算する手段と、
    計算された第1指標と第2指標の対のデータを表示する表示手段と、
    を備える支援装置。
  2. 前記表示手段は、前記第1指標と第2指標の対のデータを二次元マップ上にプロットして表示することを特徴とする請求項1の支援装置。
  3. 前記色彩データは、各変角における色相をさらに記述しており、
    入力した色彩データから、前記最小変角と前記最大変角との間の色相変化量を示す第3指標を計算する手段が付加されており、
    前記表示手段は、計算された第3指標をさらに表示することを特徴とする請求項1又は2の支援装置。
  4. 前記色彩データは、少なくとも三つの変角における明度と彩度を記述しており、
    色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置から最大変角のデータのプロット位置まで各変角のデータのプロット位置を順に辿った距離と、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置との間の距離との距離差を示す第4指標を計算する手段が付加されており、
    前記表示手段は、計算された第4指標をさらに表示することを特徴とする請求項1又は2の支援装置。
  5. 前記色彩データは、少なくとも三つの変角における明度と彩度を記述しており、
    色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置とその次に小さい変角のデータのプロット位置との間の距離と、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置との間の距離との比を示す第5指標を計算する手段が付加されており、
    前記表示手段は、計算された第5指標をさらに表示すること特徴とする請求項1又は2の支援装置。
  6. 前記最小変角が15度であるとともに、前記最大変角が110度であることを特徴とする請求項1から5のいずれかの支援装置。
  7. 前記色彩データは、変角15度と変角25度と変角45度と変角75度と変角110度のデータを記述していることを特徴とする請求項6の支援装置。
  8. 塗装色の変角毎の色彩を再現表示するテクスチャ画像を記述する画像データを記憶する手段をさらに備え、
    前記表示手段は、前記第1指標と第2指標の対のデータの二次元マップ上におけるプロット位置に、前記画像データが記述するテクスチャ画像を表示することを特徴とする請求項2に記載の支援装置。
  9. 前記テクスチャ画像は、塗装色を所定の変角で観測したときの輝度分布がさらに再現されたミクロテクスチャ画像であることを特徴とする請求項8に記載の支援装置。
  10. 塗装色の意匠性を評価する作業を支援する方法であって、
    少なくとも二つの変角における明度と彩度を記述する色彩データを用意する工程と、
    色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置との間の距離を示す第1指標を計算する工程と、
    色彩データに記述されている各変角における明度と彩度の対のデータを二次元マップ上にプロットしたときに、最小変角のデータのプロット位置と最大変角のデータのプロット位置とを結ぶ直線の傾きを示す第2指標を計算する工程と、
    計算された第1指標と第2指標の対のデータを表示する工程と、
    を備える支援方法。
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