JP2007333006A - 油圧式無段変速装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダブロック7の同一半径上に入力側プランジャ8・8・・・と、出力側プランジャ10・10・・・を収納する各プランジャ孔31・31・・・および41・41・・・を複数交互に配置し、入力側プランジャ孔31・31・・・と、出力側プランジャ孔41・41・・・間の中心側に各タイミングスプール孔32・32・・・および42・42・・・を設けた構成とする。
【選択図】図5
Description
また、シリンダブロックの細部に機械加工を施す必要があるため、シリンダブロック自体を小型化することも困難であり、そのために油圧装置全体を小型化することも困難となっていた。
そこで、本発明では、このような状況を鑑み、シリンダブロックの機能を確保しつつ、容易に製作ができ、かつ、小型化することを可能としたシリンダブロックを提供することを課題としている。
また、シリンダブロックの外形寸法を変えないときには、プランジャを収容する孔とスプール弁を収容する孔の口径を大きくすることができ、孔の加工を容易にすることができる。
また、前記削孔端部のプラグ処理に必要であったリブを省略することができるため、シリンダブロックを小型軽量化することができる。
図1は本発明の一実施例に係る油圧式無段変速装置の全体的な構成を示した側面一部断面図、図2は油圧式無段変速装置の全体的な構成を示した斜視図、図3は本発明の一実施例に係る油圧サーボ機構の構成を示した側面一部断面図、図4は本発明の一実施例に係るシリンダブロックを示す斜視図、図5は同じくシリンダブロックを示す背面図、図6は同じく図5におけるA−A断面図およびB−B断面図、図7は同じくB−B断面を示す斜視図、図8は本発明の一実施例に係るタイミングスプールを示す平面図、図9は同じくタイミングスプールを示す斜視図、図10は同じくシリンダブロック挿入時のタイミングスプールを示す側面一部断面図、図11は本発明の一実施例に係るスプールカムを示す斜視図、図12は本発明の一実施例に係るタイミングスプールおよびプランジャの一連の動作を示す模式図、図13は本発明の一実施例に係る出力側斜板を示す斜視図、図14は同じく出力側斜板を示す正面図、図15は同じく出力側斜板を示す左側面図、図16は本発明の一実施例に係るチェックリリーフ弁の油圧系路を示す系統図、図17は本発明の一実施例に係る油圧サーボ機構の展開図である。
尚、説明の便宜上、図1中に示す矢印Aの方向を前方とする。
図1に示す如く、本発明の一実施例に係る油圧式無段変速装置1は、可変容量型の油圧ポンプと固定容量型の油圧モータからなり、主に、入力軸2と、前記入力軸2の軸線方向に往復動する第一のプランジャである入力側プランジャ8・8・・・と、第二のプランジャである出力側プランジャ10・10・・・と、同じく軸線方向に往復動する第一のスプールである入力側タイミングスプール9・9・・・と、第二のスプールである出力側タイミングスプール11・11・・・と、前記各プランジャ8・10および各タイミングスプール9・11を収容して入力軸2と一体的に回転するシリンダブロック7と、軸線に対する傾斜角を変更可能な斜板面において前記入力側プランジャ8・8・・・と当接する入力側斜板6と、軸線に対して所定の傾斜角を成す斜板面において前記出力側プランジャ10・10・・・と当接しつつ回転する出力側斜板12と、前記入力側斜板6の駆動機構である油圧サーボ機構3等によって構成されている。
本実施例に係る油圧式無段変速装置1は、油圧ポンプは斜板保持部材5、入力側斜板6、シリンダブロック7、入力側プランジャ8、入力側タイミングスプール9、入力側スプールカム37等より構成され、また、油圧モータはシリンダブロック7、出力側プランジャ10、出力側タイミングスプール11、出力側スプールカム47、出力側斜板12等より構成されている。
このように、一つのシリンダブロック7に油圧ポンプと油圧モータの各プランジャ8・10を収納する構成として、コンパクト化を図っている。
入力軸2は、エンジン等の駆動源からの駆動力を油圧式無段変速装置1に伝達するための軸であり、軸心部において油圧式無段変速装置1各部に作動油を供給するための油路2bが軸線方向に穿設され、また軸線方向の略中央部にはチェックリリーフ弁38a・38bを設けるための拡径部を有している。入力軸2は、入力側円錐コロ軸受21および入力側針状コロ軸受22を介して入力側ハウジング4に回転自在に軸支される。該入力側円錐コロ軸受21の内輪は、スペーサ60と入力軸2の先端部2a側から螺装される入力側軸受締付ナット23により、入力軸2に対して相対回転不能に固定される。また、入力軸2にはシリンダブロック7がスプライン嵌合により相対回転不能に固定される。
図1または図2に示す如く、入力側ハウジング4は、該入力側ハウジング4の基本構成部分である軸受ハウジング部4aと、該軸受ハウジング部4aの上方に形成される油圧サーボ機構3の出力部3aと、前記軸受ハウジング部4aの前進方向に向かって左方に形成される油圧サーボ機構3の調整部3bの各部からなる構成としている。
尚、これらの油圧サーボ機構3の出力部3a、調整部3b等の配置勝手は限定するものではなく、適宜変更可能である。
軸受ハウジング部4aには、前記入力軸2を貫通させるための貫通孔が穿設され、該貫通孔の内周面前部には入力側円錐コロ軸受21の外輪が嵌合し、内周面後部には入力側針状コロ軸受22が嵌合する。
パワーピストン15の前端部には拡径部15aが形成され、該拡径部15aの前端面と出力部シリンダ4bによって前側油室17を構成するとともに、該拡径部15aの後端面と出力部シリンダ4bによって後側油室18を構成している。そして、各油室17・18内の油圧を変化させることにより、パワーピストン15を前後方向に往復摺動可能としている。
前記前側油室17の前方側の壁部には、調整ボルト19が螺設されており、該調整ボルト19の後端部が前記拡径部15aの前端面と当接するように構成している。
このように構成することにより、調整ボルト19を出力部シリンダ4b内部へ臨ませる長さを調整して、パワーピストン15の前方側への摺動位置を制限することができるようにしている。また、調整ボルト19をロックナット53で固定可能な構成として、調整ボルト19を出力部シリンダ4b内部へ臨ませる長さを保持できるようにしている。
掛止部材16は、後述する入力側斜板6の掛止部6cを掛止する断面視略コの字型の部材であり、コの字の開放側を下方に向ける態様で前記パワーピストン15の後端部に固設されている。
尚、本実施例においては、パワーピストン15はシリンダロッドにより構成するようにしており、油圧装置全体の小型化に有利な構成としているが、パワーピストン15の構成はこれに限定するものではない。
また、サーボスプール13の軸芯上には、サーボスプール13の下端面13jから第一拡径部13aの上下方向略中央部に至る油路13mが穿設されている。該油路13mは軸受ハウジング部4a内部に穿設した油路を介して図示しない作動油タンク27に連通されており、作動油が該油路13mおよび接続口4qを介して作動油タンク27にドレンされる構成としている。さらに該油路13mは、第一縮径部13bに穿設される油路13nおよび第三縮径部13fに穿設される油路13pに連通する構成としている。
第一膨張部4dの頂部はプラグ54により閉塞されており、該プラグ54と第一膨張部4dとサーボスプール13の上端面13kにより頂部油室39を形成するようにしている。そして、該頂部油室39と比例調整弁25が油路4gにより連通されており、比例調整弁25を調整して、頂部油室39内の油圧を調整可能な構成としている。
該縮小部14bが形成する凹部には、リンクピン34が遊嵌されており、該リンクピン34の上下変位に応じて、フィードバックスプール14も上下に変位する構成としている。
また、リンクピン34は、調整部シリンダ4cの左側面に形成された長孔状の窓部から調整部シリンダ4cの外側に臨ませて設けられている。そして、リンクピン34をフィードバックリンク24に枢支して、該リンクピン34が入力側斜板6の角度と連係して上下に変位するように構成している。
このように、本実施例に係る油圧サーボ機構3は、出力部3aと調整部3bを分離した構成として、出力部3aと調整部3bをフィードバックリンク24で連係させることにより、油圧サーボ機構3のレイアウト上の自由度を向上させている。
図1または図2に示す如く、斜板保持部材5は、前記軸受ハウジング部4aの後方に隣接して配設されており、入力側斜板6の斜板面6aの傾斜角(斜板面6aと入力軸2の軸線とが成す角度)を変更可能に、入力側斜板6を支持するための部材であり、略中央に孔が穿設されている。そして、斜板保持部材5は軸受ハウジング部4aに対して、ボルト締結により固定される。
斜板保持部材5の後端部(保持部5a)は略半円状に窪んだ形状を有している。該半円状に窪んだ部位には斜板用メタル軸受28がスプリングピン等により固設されている。
図1、図2または図17に示す如く、入力側斜板6は、入力軸2の回転駆動力を入力側プランジャ8が往復動する力(すなわち、シリンダブロック7内に形成された油圧回路内の作動油の油圧)に変換するとともに、斜板面6aの傾斜角を変更することにより入力側プランジャ8の往復動時のストローク(すなわち、入力側プランジャ8が往復動時に圧送する作動油の量)を変更するものである。入力側斜板6は略中央に入力軸2が貫通する孔が穿設された部材であり、その一方に平板面である斜板面6aが形成される。
斜板面6aには入力側プランジャ8の突出端(当接盤8c)が当接(または係合)する。一方、他方の板面には保持部6bが突設される。保持部6bの形状は、前記斜板保持部材5の保持部5aの半円状に窪んだ部位と対応しており、入力側斜板6は保持部6bにて斜板保持部材5の保持部5a(より厳密には側面視において半円状に窪んだ部位に設けられた斜板用メタル軸受28)と当接しつつ回動することが可能であり、斜板面6aの傾斜角(斜板面6aと入力軸2の軸線とが成す角度)を変更することが可能である。
なお、入力側斜板6の略中央に穿設された孔の直径は、入力側斜板6が回動しても入力軸2が干渉することが無い大きさとなっている。
図1、図2および図4に示す如く、シリンダブロック7は略円柱形状の部材であり、シリンダブロック7の略中央部には入力側端面7aから出力側端面7bに入力軸2を貫通する貫通孔7cが穿設され、該貫通孔7cの内周面の前端部(入力側端面7a側の端部)にはスプライン加工が施されている。一方、シリンダブロック7に入力軸2を貫装したときに前記シリンダブロック7のスプライン加工された部位と対応する入力軸2の外周面にもスプライン加工が施されており、シリンダブロック7は入力軸2とスプライン嵌合して相対回転不能かつ一体的に回転する。
入力側端面7aは入力側斜板6と対向する面であり、出力側端面7bは出力側斜板12と対向する面である。入力側端面7aおよび出力側端面7bは、いずれも入力軸2の軸線と直交している。
入力側プランジャ孔31・31・・・は入力側プランジャ8・8・・・を収容するためにシリンダブロック7に穿設された孔であり、その長手方向は入力軸2の軸線と平行である。また、入力側プランジャ孔31・31・・・は出力側端面7bまで貫通せず、入力側端面7aと出力側端面7bとの中間となる位置よりもやや出力側端面7b寄りとなる位置まで穿たれている。
入力側タイミングスプール孔32・32・・・は入力側タイミングスプール9・9・・・を収容するためにシリンダブロック7に穿設された孔であり、その長手方向は入力軸2の軸線と平行である。また、入力側タイミングスプール孔32・32・・・は出力側端面7bまで貫通している。
また、入力側タイミングスプール孔32・32・・・も、入力軸2の軸線方向から見て、入力軸2が貫装される貫通孔7cから等距離(同心円上)、かつ隣接する入力側タイミングスプール孔32・32間の距離が等距離(貫通孔7c軸心に対して等角度)となるように配置されている。さらに、入力側タイミングスプール孔32・32・・・は、入力側プランジャ孔31・31・・・よりも貫通孔7cからの距離が近く、かつ、入力側プランジャ孔31と隣接する後述する出力側プランジャ孔41との距離は等距離となるように配置されている。つまり、貫通孔7cの中心を通り、かつ、入力側プランジャ孔31とその隣りの後述する出力側プランジャ孔41の間を線対称とする線分上に入力側タイミングスプール孔32の中心が配置されている。
このとき、連通孔33・33・・・は入力軸2の軸線方向においてシリンダブロック7の略中央となる位置に穿設され、入力側プランジャ孔31と入力側タイミングスプール孔32の軸心間を最短で連通し、半径方向よりも傾斜させている。
本実施例においては、該連通孔33・33・・・の形成方法として、シリンダブロック7を鋳造物として、鋳造時にシェル中子を用いて形成する方法を採用している。これにより、機械加工の工数を低減することができるとともに、削孔端部の閉塞に必要であったプラグ処理やプラグ処理に必要なリブを無くすことができ、部品点数の削減やシリンダブロックの軽量化を可能としている。
また、連通孔33・33・・・と入力側プランジャ孔31・31・・・との合流部である合流部36の内径は、入力側タイミングスプール孔32の内径よりも拡径して形成されている。このように構成することにより、入力側タイミングスプール9の拡径部9aにより入力側プランジャ孔31と入力側油室35および出力側油室45とが遮断されているとき(中立位置)に、拡径部9aの外周に均等に油圧が作用するため入力側タイミングスプール9が入力側タイミングスプール孔32の内部である特定の円周方向に押し付けられることを防止することが可能である。
出力側プランジャ孔41・41・・・は出力側プランジャ10・10・・・を収容するためにシリンダブロック7に穿設された孔であり、その長手方向は入力軸2の軸線と平行である。また、出力側プランジャ孔41・41・・・は入力側端面7aまで貫通せず、入力側端面7aと出力側端面7bとの中間となる位置よりもやや入力側端面7a寄りとなる位置まで穿たれている。
出力側タイミングスプール孔42・42・・・は出力側タイミングスプール11・11・・・を収容するためにシリンダブロック7に穿設された孔であり、その長手方向は入力軸2の軸線と平行である。また、出力側タイミングスプール孔42・42・・・は入力側端面7aまで貫通している。
また、出力側タイミングスプール孔42・42・・・も、入力軸2の軸線方向から見て、入力軸2が貫装される貫通孔7cから等距離(同心円上)、かつ隣接する出力側タイミングスプール孔42・42間の距離が等距離(貫通孔7c軸心に対して等角度)となるように配置されている。さらに、出力側タイミングスプール孔42・42・・・は、出力側プランジャ孔41・41・・・よりも貫通孔7cからの距離が近く、かつ、出力側プランジャ孔41と隣接する前記入力側プランジャ孔31のいずれからも等距離となるように配置されている。つまり、貫通孔7cの中心を通り、かつ、出力側プランジャ孔41と入力側プランジャ孔31の間を線対称とする線分上に出力側タイミングスプール孔42の中心が配置されている。
このとき、連通孔43・43・・・は入力軸2の軸線方向においてシリンダブロック7の略中央となる位置に穿設され、出力側プランジャ孔41と出力側タイミングスプール孔42の軸心間を最短で連通し、半径方向よりも傾斜させている。
本実施例においては、前記連通孔33・33・・・の形成方法と同様に、連通孔43・43・・・についても鋳造時にシェル中子を用いて形成する方法を採用している。
また、連通孔43・43・・・と出力側プランジャ孔41・41・・・との合流部である合流部46の内径は、出力側タイミングスプール孔42の内径よりも拡径して形成されている。このように構成することにより、出力側タイミングスプール11の拡径部11aにより出力側プランジャ孔41と入力側油室35および出力側油室45とが遮断されているとき(中立位置)に、拡径部11aの外周に均等に油圧が作用するため出力側タイミングスプール11が出力側タイミングスプール孔42の内部である特定の円周方向に押し付けられることを防止可能である。
また、入力側タイミングスプール孔32・32・・・と、出力側タイミングスプール孔42・42・・・とは、同じく入力軸2の軸線方向から見て、等間隔で交互に隣接する(すなわち、貫通孔7cを中心とする同心円上において入力側タイミングスプール孔32→出力側タイミングスプール孔42→入力側タイミングスプール孔32→出力側タイミングスプール孔42→・・・の順に配列される)。そして、入力側プランジャ孔31と出力側プランジャ孔41の間のシリンダブロック7の中心(貫通孔7c)側に入力側タイミングスプール孔32または出力側タイミングスプール孔42が配置される。
なお、以後の説明では、入力側端面7aに近い第一の内周溝と入力軸2の外周面とで囲まれた空間を入力側油室35とし、出力側端面7bに近い第二の内周溝と入力軸2の外周面とで囲まれた空間を出力側油室45とする。
なお、本実施例においては入力側プランジャ8と出力側プランジャ10とは部品共用化のために同一形状としているが、これに限定されず、ポンプ容量及びモータ容量等に応じて入力側プランジャ8と出力側プランジャ10とが異なる形状や個数で構成しても良い。
また、図1、図5および図6に示す如く、入力側プランジャ8・8・・・は入力側プランジャ孔31・31・・・に収容され、出力側プランジャ10・10・・・は出力側プランジャ孔41・41・・・に収容される。
プランジャ部10aは略円筒形状の部材であり、シリンダブロック7の出力側プランジャ孔41に摺接しつつ往復動可能である。ボール10bは略球状の部材であり、略円盤形状の部材である当接盤10cと一体的に固設される。当接盤10cはボール10bによりプランジャ部10aの突出端(出力側端面7bより出力側斜板12に向かって突出している側の端部)に揺動可能に連結されるとともに、プランジャ部10aの突出端はボール10bにより閉塞される(より厳密には、ボール10bおよび当接盤10cには潤滑用油路が穿設されており、出力側プランジャ孔41内の作動油は少量ずつ該潤滑用油路から当接盤10cと出力側斜板12との当接面に漏出し、該当接面を潤滑している)。
なお、図8に示す如く、本実施例においては入力側タイミングスプール9と出力側タイミングスプール11とは部品共用化のために同一形状としているが、これに限定されず、入力側タイミングスプール9と出力側タイミングスプール11とが異なる形状でも良い。
拡径部9aおよび拡径部9b・9bは略円柱形状の部位であり、その外径はシリンダブロック7に形成された入力側タイミングスプール孔32の内径と略同じとなっている。従って、拡径部9aおよび拡径部9b・9bは入力側タイミングスプール孔32に対して気密的に摺接しつつ往復動することが可能である。なお、拡径部9b・9bの外周には溝が適宜形成されている。
拡径部9aは入力側タイミングスプール9の長手方向(往復動する方向)において中間部(または略中央部)に配置される。また、拡径部9b・9bは入力側タイミングスプール9の長手方向において両端に位置する。
弁軸部9cは拡径部9aおよび拡径部9b・9bよりも外径が小さい略円柱形状の部位であり、拡径部9aと拡径部9b・9bとの間に位置する。
係合部9dは一方の拡径部9bから入力側タイミングスプール9の長手方向に向けて突設される。係合部9dと拡径部9bとの接続部はくびれた形状であり、入力側スプールカム37に係合する。
本実施例では、係合部9dを断面視略そろばん玉状に形成して、入力側スプールカム37の溝部37aとの係合箇所における接触面圧を低減させるとともに、製作性を向上させている。また、係合部9dを断面視略円弧状に形成してもよい。
このように、前記係合部9dと断面視略円弧状の溝部37aを接触させることにより、接触面圧を低減させて、入力側タイミングスプール9をスムーズに駆動させることができる。
さらに、入力側スプールカム37は、外周に前記二面幅状の凹部37b・37bとは異なる位置に、誤組み防止用の第三の凹部37cが形成されており、ボス部4rの端面側の内周に形成された第三の凸部4tと係合するように構成している。
係合部9dに連なる拡径部9bは、入力側タイミングスプール9が入力側タイミングスプール孔32内で往復動しても、常に第一の内周溝により形成される入力側油室35と入力側タイミングスプール孔32とが連通する連絡部よりも入力側端面7a側に位置する。また、係合部9dから遠い方の拡径部9bは、入力側タイミングスプール9が入力側タイミングスプール孔32内で往復動しても、常に第二の内周溝により形成される出力側油室45と入力側タイミングスプール孔32とが連通する連絡部よりも出力側端面7b側に位置する。
従って、図12に示す如く、拡径部9aは、入力側タイミングスプール9が入力側タイミングスプール孔32内で摺動することにより、(1)入力側油室35と入力側プランジャ孔31とが遮断されて出力側油室45と入力側プランジャ孔31とが連通される位置と、(2)入力側油室35と出力側油室45と入力側プランジャ孔31とがいずれも遮断される位置と、(3)入力側油室35と入力側プランジャ孔31とが連通されて出力側油室45と入力側プランジャ孔31とが遮断される位置、の計三つの位置をとることが可能である。
但し、切欠き部9eの形状は限定するものではない。
これにより、入力側プランジャ孔31が、入力側油室35または出力側油室45と連通するときに、油路の切り換え初期のタイミングにおいて、微小な作動油の流路を作り出すことにより、油路内の急激な圧力変化による脈動が発生するのを抑制することができる。そして、入力側タイミングスプール9が動作する際に発生する騒音を低減することができる。
拡径部11aおよび拡径部11b・11bは略円柱形状の部位であり、その外径はシリンダブロック7に形成された出力側タイミングスプール孔42の内径と略同じとなっている。従って、拡径部11aおよび拡径部11b・11bは出力側タイミングスプール孔42に対して気密的に摺接しつつ往復動することが可能である。
拡径部11aは出力側タイミングスプール11の長手方向(往復動する方向)において中間部(または略中央部)に配置される。また、拡径部11b・11bは出力側タイミングスプール11の長手方向において両端に位置する。
弁軸部11cは拡径部11aおよび拡径部11b・11bよりも外径が小さい略円柱形状の部位であり、拡径部11aと拡径部11b・11bとの間に位置する。
係合部11dは一方の拡径部11bから出力側タイミングスプール11の長手方向に向けて突設される。係合部11dと拡径部11bとの接続部はくびれた形状であり、出力側スプールカム47に係合する。
本実施例では、入力側タイミングスプール9と同様に、係合部11dを断面視略そろばん玉状に形成して、出力側スプールカム47との係合箇所における接触面圧を低減するようにしている。また、係合部11dを断面視略円弧状に形成してもよい。
このように、前記係合部11dと断面視略円弧状の溝部47aを接触させることにより、接触面圧を低減させて、出力側タイミングスプール11をスムーズに駆動させることができる。
さらに、出力側スプールカム47は、外周に前記二面幅状の凹部47b・47bとは異なる位置に誤組み防止用の第三の凹部47cが形成されており、出力側斜板12の保持部12bの前端部に形成された第三の凸部12eと係合するように構成している。
係合部11dに連なる拡径部11bは、出力側タイミングスプール11が出力側タイミングスプール孔42内で往復動しても、常に第二の内周溝により形成される出力側油室45と出力側タイミングスプール孔42とが連通する連絡部よりも出力側端面7b側に位置する。また、係合部11dから遠い方の拡径部11bは、出力側タイミングスプール11が出力側タイミングスプール孔42内で往復動しても、常に第一の内周溝により形成される入力側油室35と出力側タイミングスプール孔42とが連通する連絡部よりも入力側端面7a側に位置する。
従って、図12に示す如く、拡径部11aは、出力側タイミングスプール11が出力側タイミングスプール孔42内で摺動することにより、(1)入力側油室35と出力側プランジャ孔41とが遮断されて出力側油室45と出力側プランジャ孔41とが連通される位置と、(2)入力側油室35と出力側油室45と出力側プランジャ孔41とがいずれも遮断される位置と、(3)入力側油室35と出力側プランジャ孔41とが連通されて出力側油室45と出力側プランジャ孔41とが遮断される位置、の計三つの位置をとることが可能である。
出力側斜板12は、出力側プランジャ10を往復動させる力(すなわち、シリンダブロック7内に形成された油圧回路内の作動油の圧力)を出力軸等の回転駆動力に変換するものである。
図1または図13に示す如く、出力側斜板12は入力軸2(厳密には入力軸2に外嵌されたスペーサ50)が貫通する貫通孔が設けられた略円筒形状の部材であり、その前部には斜板面12aが設けられている。斜板面12aは平面であり、斜板面12aには出力側プランジャ10の突出端(当接盤10c)が当接する。斜板面12aは入力軸2の軸線に対して所定の傾斜角(斜板面12aと入力軸2の軸線とが成す角度)を成している。
図13乃至図15に示す如く、出力側斜板12は、本実施例においては、アルミダイキャスト製としており、大幅な軽量化を図っている。また、出力側斜板12の外周部には補強リブ49を複数配置して、出力側プランジャ10・10・・・から受ける当接力に耐えうる剛性を確保している。
補強リブ49の間隔は、斜板面12aと入力軸2と直交する面(例えば、シリンダブロック7の出力側端面7b)からの距離に略反比例して配置するようにしている。
さらに、補強リブ49の幅を、斜板面12aと入力軸2と直交する面(例えば、シリンダブロック7の出力側端面7b)からの距離に略反比例して変化させて、効果的に剛性を確保するようにし、重量バランス及び回転バランスがとれるようにしている。但し、補強リブ49の厚みは、製作性を考慮して一定とすることもできる。
これにより、鋳造時の型抜き作業において、一定方向に引き抜くことが可能となり、出力側斜板12をアルミダイキャスト製とすることができる。また、鋳造作業も容易となる。
尚、本実施例においては、出力側斜板12として固定斜板を用いているが、出力側斜板12として可動斜板を採用することも可能である。
図1または図16に示す如く、チェックリリーフ弁38a・38bは、前記各プランジャ8・10等を作動させる作動油の補給経路上に設けて、作動油の逆流を防止するチェック弁の機能と、油圧系路内の圧力上昇を規定値以下とするために油圧系路内の圧力に応じて作動油を放出させるリリーフ弁の機能とを併せ持つように一体的に構成したものである。
本実施例では、入力側油室35と出力側油室45にそれぞれ連通するように、二個のチェックリリーフ弁38a・38bをそれぞれに対応して設けて、入力軸2の拡径部において、互いのチェックリリーフ弁38a・38bが直角方向で平行となる向きで、かつ、入力軸2の軸線に直交するようにして設けるようにしている。
これにより、油圧式無段変速装置1の小型化を可能とするとともに、入力軸2の軸線上の油路2bと連通して油圧系路の簡略化を可能としている。
以上が、本発明の一実施例に係る、油圧式無段変速装置1の全体構成についての説明である。
これにより、各プランジャ8・8・・・および10・10・・・を収容する各プランジャ孔31・31・・・および41・41・・・と各タイミングスプール9・9・・・および11・11・・・を収容する各タイミングスプール孔32・32・・・および42・42・・・との間の肉厚を確保しつつ、シリンダブロック7を小型化することができるのである。
また、シリンダブロック7の外形寸法を変えないときには、各プランジャ8・8・・・および10・10・・・を収容する各プランジャ孔31・31・・・および41・41・・・と各タイミングスプール9・9・・・および11・11・・・を収容する各タイミングスプール孔32・32・・・および42・42・・・の口径を大きくすることができ、孔の加工を容易にすることができるのである。
これにより、削孔等の加工工程を減らすことができ、また、削孔端部の閉塞に必要であったプラグ等が省略できるため、部品点数を削減することができるのである。そのため、シリンダブロック7を安価に製作できるのである。
また、前記削孔端部のプラグ処理に必要であったリブを省略することができるため、シリンダブロック7を小型軽量化することができるのである。
2 入力軸
7 シリンダブロック
8 入力側プランジャ
9 入力側タイミングスプール
10 出力側プランジャ
11 出力側タイミングスプール
31 入力側プランジャ孔
32 入力側タイミングスプール孔
41 出力側プランジャ孔
42 出力側タイミングスプール孔
Claims (2)
- 入力軸上に、油圧ポンプ用プランジャと、
油圧モータ用プランジャと、
タイミングスプールを軸線方向と平行に摺動自在に収納したシリンダブロックと、
前記油圧ポンプ用プランジャの先端と当接する可動斜板と、
該可動斜板と反対側であって前記油圧モータ用プランジャと当接する固定斜板を配置した油圧装置において、
前記シリンダブロックの同一半径上に油圧ポンプ用プランジャと、
油圧モータ用プランジャを収納する穴を複数交互に配置し、
該油圧ポンプ用プランジャ穴と、
油圧モータ用プランジャ穴の間の中心側にタイミングスプール収納穴を設けたこと、
を特徴とする油圧装置。 - 前記シリンダブロックにおいて、
油圧ポンプ用プランジャ穴および油圧モータ用プランジャ穴と、
前記タイミングスプール収納穴と、
各プランジャ穴に出入する作動油の流路が、
鋳造時に中子により形成されるようにしたこと、
を特徴とする請求項1記載の油圧装置。
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