JP2007332422A - 成膜方法及び成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板にダメージを与えることなく、基板の表面にシード膜等の薄膜を均一に成膜できるようにする。
【解決手段】金属またはその化合物とカルボン酸とをカルボン酸蒸気を含む雰囲気下で加熱反応させ、金属またはその化合物とカルボン酸との反応生成物を飛散させて、金属またはその化合物からなる薄膜を基板の表面に成膜する。
【選択図】図4
【解決手段】金属またはその化合物とカルボン酸とをカルボン酸蒸気を含む雰囲気下で加熱反応させ、金属またはその化合物とカルボン酸との反応生成物を飛散させて、金属またはその化合物からなる薄膜を基板の表面に成膜する。
【選択図】図4
Description
本発明は、例えば配線形成工程または金属膜形成工程において、絶縁性の基板表面に導電性のシード膜を成膜したり、半導体製造工程において、絶縁膜内に形成した配線用凹部の表面にバリア膜、更には該バリア膜の表面に導電性のシード膜を成膜したりするのに使用される成膜方法及び成膜装置に関する。
半導体装置の製造分野においては、集積回路の配線に対する更なる微細化が進んでいる。このため、一般に行われているプラズマスパッタやイオンガンスパッタでは、絶縁膜内に形成した配線用凹部の表面にバリア膜を均一に成膜したり、該バリア膜の表面に導電性のシード膜を均一に成膜したりすることが困難になってきている。そして、表面にシード膜が均一に形成されていない配線用凹部の内部に、次工程のめっきで配線材料(金属)を埋込むと、配線材料の埋込み性が悪くなって、配線の断線を引き起こす原因となる。
また、プラズマスパッタやイオンガンスパッタでバリア膜の表面にシード膜を成膜すると、成膜時にバリア膜の表面はかなり高温になり、下層のLow−k材等に高温による熱ダメージを与えてしまう。このため、より均一で熱負荷の少ないシード膜の成膜方法に対する需要が高まってきている。
図1は、半導体装置における配線形成例を工程順に示す。先ず、図1(a)に示すように、下層絶縁膜12の表面にエッチストッパ膜14を形成し、このエッチストッパ膜14の表面に、例えばSiO2からなる酸化膜やLow−k材膜等からなる上層絶縁膜(層間絶縁膜)16を成膜した半導体ウエハ等からなる基板10を用意する。そして、図1(b)に示すように、上層絶縁膜16の内部に、例えばリソグラフィ・エッチング技術により、上方に開口した配線用凹部18を形成し、図1(c)に示すように、配線用凹部18の表面を含む全表面にTaやTaN等からなるバリア膜20を成膜する。そして、図1(d)に示すように、バリア膜20の表面に、電解めっきの給電層としてのシード膜22を成膜した後、電解めっきを行って、図1(e)に示すように、配線用凹部18の内部に銅等の金属(めっき金属)を埋込みながら、シード膜22の表面に銅等の金属膜24を成膜する。
図2は、半導体装置における他の配線形成例を工程順に示す。先ず、図2(a)に示すように、プラスチック等の絶縁体からなる基板(絶縁基板)30を用意し、図2(b)に示すように、基板30の表面に給電層または触媒層としてのシード膜32を成膜する。そして、図2(c)に示すように、シード膜32の表面に銅等の金属膜34を電解めっきや無電解めっきで成膜した後、図2(d)に示すように、金属膜34の表面の所定位置にレジスト36をパターニングする。次に、レジスト36をマスクとして、図2(e)に示すように、レジスト36の開口部に対応する位置の金属膜34及びシード膜32をエッチング除去する。そして、不要となったレジスト36を除去した後、図2(f)に示すように、基板10の表面をPIテープ等からなる絶縁膜38で覆う。
図3及び図4は、電解めっきによってバンプを形成する過程を工程順に示す。先ず、図3(a)に示すように、所定位置に電極42を形成した基板40を用意する。そして、基板40の表面に絶縁膜44を成膜した後、図3(b)に示すように、絶縁膜44の表面の所定位置にレジスト46をパターニングする。そして、レジスト46をマスクとして、図3(c)に示すように、レジスト46の開口部に対応する位置の絶縁膜44をエッチング除去する。次に、不要となったレジスト46を除去した後、図3(d)に示すように、基板40の表面に給電層としてのシード膜48を成膜する。
そして、図4(a)に示すように、シード膜48の所定位置にレジスト50をパターニングした後、電解めっきを行い、図4(b)に示すように、レジスト50の開口部内に銅等の金属(めっき金属)を埋込んでバンプ52を形成する。しかる後、図4(c)に示すように、不要となったレジスト50及びシード膜48をエッチング除去する。このバンプ材料としては、例えば、金、銀、銅、ニッケルまたはすず、またはこれらの合金が挙げられる。
ここで、プラズマスパッタ等の従来の方法により、図1に示すように、バリア膜20の表面にシード膜22を成膜し、電解めっきで銅等の金属(めっき膜)を配線用凹部18の内部に埋込んで、微細でアスペクト比の高い配線を形成すると、配線用凹部18の内部側壁や底に比べ、上部にシード膜22が過剰に成膜され、次工程のめっきでの金属の埋込み性が悪くなる。つまり、配線用凹部18の開口部付近にめっき膜が過剰に成膜されて該開口部がめっき膜で塞がれ、配線用凹部18の内部に埋込まれた金属の内部に空洞(ボイド)が生じてしまう。
また、絶縁基板に使用されるプラスチック等の材料は熱に弱いものが多い。このため、図2に示すように、熱に弱いプラスチック等の材料からなる基板(絶縁基板)30の表面にプラズマスパッタ等でシード膜32を成膜すると、プラズマはかなりの高温になっており、プラズマ雰囲気中に置かれた基板30にプラズマによるダメージと熱によるダメージが加えられて、基板30が変形したり変質したりすることがある。
更に、バンプを形成する時には、図3及び図4に示すように、給電層としてのシード膜48を基板40の全表面に成膜し、めっき後に不要となった時点でシード膜48をエッチング除去するようにしているが、このシード膜48をプラズマスパッタ等で基板40の全表面に成膜すると、シード膜48の膜厚をオングストローム単位で制御することができないため、シード膜48の膜厚が厚くなって除去する量が多くなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、基板にダメージを与えることなく、基板の表面にシード膜等の薄膜を均一に成膜できるようにした成膜方法及び成膜装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、金属またはその化合物とカルボン酸とをカルボン酸蒸気を含む雰囲気下で加熱反応させ、金属またはその化合物とカルボン酸との反応生成物を飛散させて、金属またはその化合物からなる薄膜を基板の表面に成膜することを特徴とする成膜方法である。
例えば、酸化銅を、蟻酸蒸気を含む雰囲気下で蟻酸と加熱反応させると、蟻酸銅が生成される。この蟻酸銅は、蒸気圧を持っており、雰囲気中に拡散される。このため、この雰囲気中に基板を置くと、蟻酸銅は基板の表面で反応して銅と蟻酸に分解されて、基板の表面に銅が蒸着し、これによって、基板の表面全体に銅が成膜される。この方法によれば、基板を高温に加熱することなく基板の表面に銅等の薄膜を成膜できるため、基板に熱によるダメージやプラズマによるダメージが加えられことはない。しかも、成膜される薄膜の膜厚をオングストローム単位で制御することができる。
請求項2に記載の発明は、金属またはその化合物と反応ガスとを加熱反応させてソースとなる金属またはその化合物を製造することを特徴とする請求項1記載の成膜方法である。
請求項3に記載の発明は、前記金属は、アルミニウム、鉄、銅、チタン、ルテニウム、ニッケル、亜鉛、すず、コバルト、タングステンまたはバナジウム、またはこれらの元素を含む合金であることを特徴とする請求項1または2記載の成膜方法である。
請求項3に記載の発明は、前記金属は、アルミニウム、鉄、銅、チタン、ルテニウム、ニッケル、亜鉛、すず、コバルト、タングステンまたはバナジウム、またはこれらの元素を含む合金であることを特徴とする請求項1または2記載の成膜方法である。
請求項4に記載の発明は、前記カルボン酸は、蟻酸、酢酸またはプロピオン酸、またはこれらの混合物からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の成膜方法である。
蟻酸、酢酸またはプロピオン酸等のカルボン酸は、比較的安価であるばかりでなく、常温で液体であるので取扱いが容易であり、金属と反応して気化させることができる。従って、カルボン酸、特に蟻酸、酢酸またはプロピオン酸を使用することで、金属またはその化合物からなる薄膜を容易且つ安価に基板の表面に成膜することができる。
蟻酸、酢酸またはプロピオン酸等のカルボン酸は、比較的安価であるばかりでなく、常温で液体であるので取扱いが容易であり、金属と反応して気化させることができる。従って、カルボン酸、特に蟻酸、酢酸またはプロピオン酸を使用することで、金属またはその化合物からなる薄膜を容易且つ安価に基板の表面に成膜することができる。
請求項5に記載の発明は、基板の表面は、プラスチック材、有機膜、シリコン、シリコン化合物またはLow−k材、またはこれらの組合せから選択される絶縁体であり、基板の表面に成膜される薄膜は、電解めっきまたは無電解めっきにより該絶縁体上に配線または金属膜を形成するためのシード膜、基板を保護するコーティング膜、ハードマスク、または上層に成膜される物質と該基板との反応を防ぐバリア膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の成膜方法である。
請求項6に記載の発明は、基板の表面は導電体であり、基板の表面に成膜される薄膜は、上層に成膜される物質と基板の表面との反応を防ぐバリア膜、または上層に電解めっきまたは無電解めっきにより配線または金属膜を形成するためのシード膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の成膜方法である。
請求項7に記載の発明は、内部の圧力を制御可能な気密チャンバと、前記気密チャンバ内に配置され金属またはその化合物を保持し加熱する金属保持部と、前記気密チャンバ内に配置され基板を保持し加熱する基板ホルダと、カルボン酸蒸気を供給するカルボン酸供給系に接続され前記気密チャンバ内にカルボン酸蒸気を供給するガス供給ヘッドを有することを特徴とする成膜装置である。
請求項8に記載の発明は、前記金属保持部は、前記ガス供給ヘッドに一体に設けられていることを特徴とする請求項7記載の成膜装置である。
請求項8に記載の発明は、前記金属保持部は、前記ガス供給ヘッドに一体に設けられていることを特徴とする請求項7記載の成膜装置である。
請求項9に記載の発明は、前記ガス供給ヘッドに反応ガスを供給する反応ガス供給系を更に有することを特徴とする請求項7または8記載の成膜装置である。
請求項10に記載の発明は、前記反応ガスは、酸素、窒素または水素、または気化させた有機酸または有機溶媒から選択されることを特徴とする請求項9記載の成膜装置である。
請求項10に記載の発明は、前記反応ガスは、酸素、窒素または水素、または気化させた有機酸または有機溶媒から選択されることを特徴とする請求項9記載の成膜装置である。
本発明は、低圧雰囲気でも常圧雰囲気でも薄膜を成膜できるため、真空中の基板処理にも常圧下の基板処理にも適用しやすいばかりでなく、下記のような効果がある。
(a)配線へのダメージ低減
純水や薬液を用いることなく薄膜を成膜でき、成膜時に電気化学的な腐食が発生しないため、例えば配線形成後の基板の表面に、配線へのダメージを大幅に低減しながら、バリア膜を成膜することができる。
(a)配線へのダメージ低減
純水や薬液を用いることなく薄膜を成膜でき、成膜時に電気化学的な腐食が発生しないため、例えば配線形成後の基板の表面に、配線へのダメージを大幅に低減しながら、バリア膜を成膜することができる。
(b)絶縁膜へのダメージ低減
純水や薬液を用いることなく薄膜を成膜でき、水分が入り込む等による絶縁膜の劣化や電気化学的な腐食が生じないばかりでなく、プラズマによるダメージが発生しないため、例えば絶縁膜の表面に、絶縁膜へのダメージを大幅に低減しながら、シード膜やバリア膜を成膜できる。
純水や薬液を用いることなく薄膜を成膜でき、水分が入り込む等による絶縁膜の劣化や電気化学的な腐食が生じないばかりでなく、プラズマによるダメージが発生しないため、例えば絶縁膜の表面に、絶縁膜へのダメージを大幅に低減しながら、シード膜やバリア膜を成膜できる。
(c)熱ダメージの低減
基板への熱負荷が少ないため、プラスチック等の熱に弱い材質の表面への薄膜の成膜をより少ない熱ダメージで行うことができる。
(d)薄膜膜厚の最適化
成膜される薄膜の膜厚をオングストローム単位で制御できるため、膜厚が薄い無駄のない成膜が可能となる。特に、基板の全面により膜厚の薄い連続したシード膜を均一に成膜することで、金属膜のめっき等による埋込み性を悪化させることなく、アスペクト比の高い配線を形成することができる。
基板への熱負荷が少ないため、プラスチック等の熱に弱い材質の表面への薄膜の成膜をより少ない熱ダメージで行うことができる。
(d)薄膜膜厚の最適化
成膜される薄膜の膜厚をオングストローム単位で制御できるため、膜厚が薄い無駄のない成膜が可能となる。特に、基板の全面により膜厚の薄い連続したシード膜を均一に成膜することで、金属膜のめっき等による埋込み性を悪化させることなく、アスペクト比の高い配線を形成することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図5は、本発明の実施の形態の成膜装置の概要を示す。図5に示すように、成膜装置は、開閉自在なゲート弁60を有する気密チャンバ62を備えている。気密チャンバ62は、内部を真空排気する真空ポンプ64を有する真空排気系66に接続され、この真空排気系66の真空ポンプ64の上流側に調圧弁68が、下流側に除害装置70がそれぞれ設けられている。更に、気密チャンバ62には、内部の圧力(真空度)を計測する真空計72が備えられ、この真空計72からの出力で気密チャンバ62内の圧力が所定圧となるように調圧弁68を制御するようになっている。
図5は、本発明の実施の形態の成膜装置の概要を示す。図5に示すように、成膜装置は、開閉自在なゲート弁60を有する気密チャンバ62を備えている。気密チャンバ62は、内部を真空排気する真空ポンプ64を有する真空排気系66に接続され、この真空排気系66の真空ポンプ64の上流側に調圧弁68が、下流側に除害装置70がそれぞれ設けられている。更に、気密チャンバ62には、内部の圧力(真空度)を計測する真空計72が備えられ、この真空計72からの出力で気密チャンバ62内の圧力が所定圧となるように調圧弁68を制御するようになっている。
気密チャンバ62の内部には、気密チャンバ62内に入れた基板Wを、表面(被処理面)を上向きにして載置保持する基板ホルダ74が収納されている。この基板ホルダ74の内部には、基板ホルダ74で保持した基板Wを所定温度に加熱する基板用ヒータ76が内蔵され、周縁部には、リフタ78を介して上下動自在なリフトピン80が基板ホルダ74の内部を貫通して設けられている。気密チャンバ62内の基板ホルダ74の上方には、気密チャンバ62内にカルボン酸蒸気を供給するガス供給ヘッド82が配置されている。
気密チャンバ62の側方に位置して、この例では、例えば窒素ガス等の不活性ガスの液中へのバブリングによって、カルボン酸蒸気を順次供給するようにしたカルボン酸供給系84が配置されている。このカルボン酸供給系84は、液状のカルボン酸86を貯留する容器88と、この容器88内の液状のカルボン酸86中に不活性ガスを供給してバブリングする不活性ガス供給管90と、蒸気となって容器88内の上部に溜まったカルボン酸をガス供給ヘッド82に順次供給するカルボン酸供給管92を備えている。このカルボン酸供給管92は、ガス供給ヘッド82に連通している。不活性ガス供給管90及びカルボン酸供給管92には、内部を流れる流量を制御するMFC(マスフローコントローラ)94a,94bがそれぞれ設けられている。
これによって、不活性ガス供給管90から容器88内に不活性ガスを供給することで蒸気となって容器88の上部に溜まったカルボン酸(蒸気カルボン酸)は、カルボン酸供給管92を通してガス供給ヘッド82に供給され、このガス供給ヘッド82から気密チャンバ62内に供給される。気密チャンバ62内に供給される蒸気カルボン酸の流量は、MFC84a,84bによって制御される。
カルボン酸86は、例えば、蟻酸、酢酸またはプロピオン酸、またはこれらの混合物からなる。蟻酸、酢酸またはプロピオン酸等のカルボン酸は、比較的安価であるばかりでなく、常温で液体であるので取扱いが容易であり、金属と反応して気化させることができる。従って、カルボン酸として、特に蟻酸、酢酸またはプロピオン酸を使用することで、金属またはその化合物からなる薄膜を容易且つ安価に基板の表面に成膜することができる。
なお、この例では、不活性ガスによるバブリングによって、蒸気カルボン酸を順次供給するようにした例を示しているが、従来から一般に知られている方法、例えば、気密な容器内でのその雰囲気と温度、圧力に依存した気化や加熱気化等の方法によって、蒸気カルボン酸を順次供給するようにしてもよい。不活性ガスによるバブリングの方が、配管中での液化による腐食や爆発などの懸念がないのでより好ましい。また、MFCの代わりに開閉弁や絞り弁を使用してもよい。
この例では、ガス供給ヘッド82に反応ガスを導入する反応ガス導入管100がガス供給ヘッド82に連通して備えられており、この反応ガス導入管100に、内部を流れる反応ガスの流量を制御するMFC94cが設けられている。これにより、必要に応じて、反応ガス導入管100からガス供給ヘッド82に反応ガスを導入することで、下記のように、ガス供給ヘッド82の内部で金属またはその化合物110と反応ガスとを加熱反応させて、ソースとなる金属またはその化合物を製造できるようになっている。この反応ガスは、例えば酸素、窒素または水素、または気化させた有機酸または有機溶媒から選択される。
更に、この例では、ガス供給ヘッド82に窒素ガス等の不活性ガスを導入する不活性ガス導入管102がガス供給ヘッド82に連通して備えられており、この不活性ガス導入管102に、内部を流れる不活性ガスの流量を制御するMFC94dが設けられている。これにより、不活性ガス導入管102からガス供給ヘッド82に不活性ガスを導入することで、ガス供給ヘッド82及び気密チャンバ62の内部をパージしたり、気密チャンバ62内の圧力を調整したりすることができるようになっている。
蟻酸の爆発限界は18vol%、酢酸の爆発限界は4vol%、プロピオン酸の爆発限界は2.9vol%であるので、これ以上とならないようにすることが安全上好ましい。更に、これらはいずれも毒性を有するものであるので、その排気は、水ないしアルカリスクラバー、熱分解法または燃焼法などを用いた除害装置70により除害処理されて排気される。
ガス供給ヘッド82を図6に示す。図6に示すように、ガス供給ヘッド82は、内部にガス供給路104を有して気密チャンバ62の上壁を貫通して下方に延びるガス供給管部106と、このガス供給管部106の下端に一体に連接されて気密チャンバ62内に配置された金属保持部108と備えている。ガス供給路104は、カルボン酸供給管92、反応ガス導入管100及び不活性ガス導入管102に連通しており、蒸気カルボン酸、反応ガス及び不活性ガスは、ガス供給路104を通して気密チャンバ62内に供給される。
金属保持部108は、下方に開口した有底円盤状で、この開口端部に円板状の金属またはその化合物110が保持されて、該開口端部が金属またはその化合物110で塞がれている。そして、金属保持部108の内部には、金属保持部108で保持した金属またはその化合物110を加熱するための金属用ヒータ112が収納されている。金属保持部108で保持した金属またはその化合物110及び金属用ヒータ112の中心部には、金属またはその化合物110及び金属用ヒータ112の内部を互いに連通して貫通するガス流路114が設けられている。
なお、図7に示すように、金属保持部108で保持した金属またはその化合物110及び金属用ヒータ112の全面に亘って、金属またはその化合物110及び金属用ヒータ112の内部を互いに連通して貫通する多数のガス流路114aを均等に設けて、基板ホルダ74で保持した基板Wの全面に向けて、蒸気カルボン酸等のガスをガス流路114aからより均一に供給するようにしてもよい。
この金属としては、例えばアルミニウム、鉄、銅、チタン、ルテニウム、ニッケル、亜鉛、すず、コバルト、タングステンまたはバナジウム、またはこれらの元素を含む合金が挙げられる。また金属の化合物としては、金属の酸化物や金属塩が挙げられる。
次に、この成膜装置の操作について説明する。この成膜装置は、例えば図1(d)に示す、バリア膜20の表面を覆うシード膜22、図2(b)に示す、例えば基板(絶縁基板)30の表面を覆うシード膜32、または図3(d)に示す、基板40の表面を覆うシード膜48を形成するのに使用される。以下、図1(d)に示す、バリア膜20の表面を覆うシード膜22を形成する例を説明する。
先ず、図1(c)に示す、表面にバリア膜20を成膜した基板10を、例えばロード・アンロードユニットに搭載した基板カセットから、搬送ロボットのハンド等で取出す。そして、気密チャンバ62のゲート弁60を開き、リフトピン80を上昇させた状態で、搬送ロボットのハンド等で取出した基板10を気密チャンバ62内に入れ、リフトピン80で支持させてハンド等を気密チャンバ62から引抜く。次に、ゲート弁60を閉じるとともに、リフトピン80を下降させて、基板10を基板ホルダ74で載置保持する。
この状態で、基板ホルダ74で保持した基板10を基板用ヒータ76で加熱して、基板10の温度を、例えば150℃以上の200℃に維持し、気密チャンバ62内が所定の圧力、例えば約400Paとなるように気密チャンバ62内を真空排気しつつ、気密チャンバ62内にガス供給ヘッド82から所定量の蒸気カルボン酸、例えばガス量約400sccmの蒸気蟻酸を供給する。同時に、金属保持部108で保持した金属またはその化合物110を金属用ヒータ112で、例えば200℃に加熱し、必要に応じて、反応ガス導入管100から、例えば酸素等の反応ガスをガス供給ヘッド82に導入し、反応ガスと金属またはその化合物110とを加熱反応させて、ソースとなる金属またはその化合物を製造する。
これによって、金属またはその化合物110とカルボン酸とをカルボン酸蒸気を含む雰囲気下で加熱反応させ、金属またはその化合物110とカルボン酸との反応生成物を飛散させて、例えば銅からなるシード膜22をバリア膜20の表面に成膜する。基板Wの加熱温度は、絶縁膜16として、例えばLow−k材料を使用した場合は、Low−k材料が耐え得る300℃以下であることが好ましい。
例えば、酸化銅(CuO)を蟻酸(HCOOH)蒸気を含む雰囲気下で蟻酸と加熱反応させると蟻酸銅(Cu(HCOO)2)が生成される。この蟻酸銅は、蒸気圧を持っており、気密チャンバ62内に拡散(蒸発)する。そして、蟻酸銅は、気密チャンバ62内に配置された基板10のバリア膜20の表面で反応して銅と蟻酸に分解されて、この分解された銅がバリア膜20の表面に蒸着する。これによって、銅からなるシード膜22がバリア膜20の表面に成膜される。
この処理を所定の時間継続して、バリア膜20の表面に成膜されたシード膜22の膜厚が所定の値に達した後、カルボン酸蒸気の気密チャンバ62内への供給、及び基板10及び金属またはその化合物110の加熱を停止し、更に、必要に応じて、反応ガスのガス供給ヘッド82への供給を停止した後、気密チャンバ62内を大気圧に戻す。そして、リフトピン80を上昇させて基板10を基板ホルダ74から持上げた後、ゲート弁60を開き、このゲート弁60から搬送ロボットのハンド等を気密チャンバ62内に挿入する。そして、搬送ロボットのハンド等でリフトピン80から基板10を受け取って、例えば、ロード・アンロード部の基板カセットに戻す。
カルボン酸として蟻酸を、金属またはその化合物110として自然酸酸化膜が形成されているめっき銅をそれぞれ使用し、基板を約200℃に均一に加熱保持しながら、プロセス温度(加熱される金属またはその合金(自然酸酸化膜が形成されている銅)110の温度)を約200℃、プロセス圧力(気密チャンバ62内の圧力)を約400Paとして、気密チャンバ62の内部にカルボン酸供給管92から蒸気蟻酸をガス量約400sccmで供給した時、基板の表面に2オングストローム/minの成膜レートで銅からなる薄膜が成膜できることが確かめられている。この成膜レートは、SEM観察により確認した銅の膜厚と処理時間から換算した。
このようにして成膜した銅膜は、プラズマによるスパッタリングで成膜した銅膜と比較して、金属またはその化合物(自然酸酸化膜が形成されているめっき銅)110の位置や基板の形状による方向性を有しておらず、また、基板の全面に亘ってほぼ均一な膜厚であった。
プロセス温度、プロセス圧力、ガス流量及び基板温度は、上記に限るものでないことは勿論である。
プロセス温度、プロセス圧力、ガス流量及び基板温度は、上記に限るものでないことは勿論である。
上記のように、金属またはその化合物とカルボン酸を使用して、例えば図1(c)に示すバリア膜20の表面に、図1(d)に示すシード膜22を形成することにより、例えば、図1(b)に示す配線用凹部18の幅Bが2μm以下、更には1μm以下であっても、バリア膜20の表面に、オングストローム単位で制御したシード膜22を全面に亘ってより均一な膜厚で成膜し、次工程のめっきでの金属の埋込み性が悪くなることを防止して、配線用凹部18の内部に埋込まれて配線を形成する金属の内部に空洞(ボイド)が生じてしまうことを防止することができる。
また、図2(a)に示す、例えば熱に弱いプラスチック等の材料からなる基板(絶縁基板)30の表面に、前述と同様に、金属またはその化合物とカルボン酸を使用して、図2(b)に示すシード膜32を成膜することで、成膜に中に基板30に熱によるダメージが加えられて、基板30が変形したり変質したりすることを防止することができる。
更に、図3(c)に示す基板40の表面に、前述と同様に、金属またはその化合物とカルボン酸を使用して、図3(d)に示す給電層としてのシード膜48を成膜すると、シード膜48の膜厚をオングストローム単位で制御することができないため、シード膜48の膜厚が厚くなって、後にエッチング除去するシード膜の量が多くなることを防止することができる。この場合、50μm以下のバンプ52を含んでいてもよい。
基板表面が、プラスチック材、有機膜、シリコン、シリコン化合物またはLow−k材、またはこれらの組合せから選択される絶縁体であってもよい。このような絶縁体に成膜される薄膜としては、電解めっきまたは無電解めっきにより該絶縁体上に配線または金属膜を形成するためのシード膜、基板を保護するコーティング膜、ハードマスク、または上層に成膜される物質と該基板との反応を防ぐバリア膜が挙げられる。
基板表面が導電体である場合、この導電体に成膜される薄膜としては、上層に成膜される物質と基板の表面との反応を防ぐバリア膜、または上層に電解めっきまたは無電解めっきにより配線または金属膜を形成するためのシード膜が挙げられる。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
10,30,40 基板
18 配線用凹部
20 バリア膜
22,32,48 シード膜
24,34 金属膜
42 電極
52 バンプ
62 気密チャンバ
64 真空ポンプ
66 真空排気系
68 調圧弁
72 真空計
74 基板ホルダ
76 基板用ヒータ
82 ガス供給ヘッド
84 カルボン酸供給系
86 カルボン酸
90 不活性ガス供給管
92 カルボン酸供給管
100 反応ガス導入管
102 不活性ガス導入管
104 ガス供給路
106 ガス供給管部
108 金属保持部
110 金属またはその化合物
112 金属用ヒータ
114,114a ガス流路
18 配線用凹部
20 バリア膜
22,32,48 シード膜
24,34 金属膜
42 電極
52 バンプ
62 気密チャンバ
64 真空ポンプ
66 真空排気系
68 調圧弁
72 真空計
74 基板ホルダ
76 基板用ヒータ
82 ガス供給ヘッド
84 カルボン酸供給系
86 カルボン酸
90 不活性ガス供給管
92 カルボン酸供給管
100 反応ガス導入管
102 不活性ガス導入管
104 ガス供給路
106 ガス供給管部
108 金属保持部
110 金属またはその化合物
112 金属用ヒータ
114,114a ガス流路
Claims (10)
- 金属またはその化合物とカルボン酸とをカルボン酸蒸気を含む雰囲気下で加熱反応させ、金属またはその化合物とカルボン酸との反応生成物を飛散させて、金属またはその化合物からなる薄膜を基板の表面に成膜することを特徴とする成膜方法。
- 金属またはその化合物と反応ガスとを加熱反応させてソースとなる金属またはその化合物を製造することを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
- 前記金属は、アルミニウム、鉄、銅、チタン、ルテニウム、ニッケル、亜鉛、すず、コバルト、タングステンまたはバナジウム、またはこれらの元素を含む合金であることを特徴とする請求項1または2記載の成膜方法。
- 前記カルボン酸は、蟻酸、酢酸またはプロピオン酸、またはこれらの混合物からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の成膜方法。
- 基板の表面は、プラスチック材、有機膜、シリコン、シリコン化合物またはLow−k材、またはこれらの組合せから選択される絶縁体であり、基板の表面に成膜される薄膜は、電解めっきまたは無電解めっきにより該絶縁体上に配線または金属膜を形成するためのシード膜、基板を保護するコーティング膜、ハードマスク、または上層に成膜される物質と該基板との反応を防ぐバリア膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の成膜方法。
- 基板の表面は導電体であり、基板の表面に成膜される薄膜は、上層に成膜される物質と基板の表面との反応を防ぐバリア膜、または上層に電解めっきまたは無電解めっきにより配線または金属膜を形成するためのシード膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の成膜方法。
- 内部の圧力を制御可能な気密チャンバと、
前記気密チャンバ内に配置され金属またはその化合物を保持し加熱する金属保持部と、
前記気密チャンバ内に配置され基板を保持し加熱する基板ホルダと、
カルボン酸蒸気を供給するカルボン酸供給系に接続され前記気密チャンバ内にカルボン酸蒸気を供給するガス供給ヘッドを有することを特徴とする成膜装置。 - 前記金属保持部は、前記ガス供給ヘッドに一体に設けられていることを特徴とする請求項7記載の成膜装置。
- 前記ガス供給ヘッドに反応ガスを供給する反応ガス供給系を更に有することを特徴とする請求項7または8記載の成膜装置。
- 前記反応ガスは、酸素、窒素または水素、または気化させた有機酸または有機溶媒から選択されることを特徴とする請求項9記載の成膜装置。
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---|---|---|---|
JP2006166076A JP2007332422A (ja) | 2006-06-15 | 2006-06-15 | 成膜方法及び成膜装置 |
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JP2006166076A JP2007332422A (ja) | 2006-06-15 | 2006-06-15 | 成膜方法及び成膜装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007332453A (ja) * | 2006-05-16 | 2007-12-27 | Tokyo Electron Ltd | 成膜方法および成膜装置、ならびに記憶媒体 |
JP2009120909A (ja) * | 2007-11-15 | 2009-06-04 | Tokyo Electron Ltd | 成膜方法および成膜装置、ならびに記憶媒体 |
WO2013145954A1 (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-03 | 富士フイルム株式会社 | 液状組成物、金属銅膜、及び導体配線、並びに金属銅膜の製造方法 |
WO2013145953A1 (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-03 | 富士フイルム株式会社 | 液状組成物、金属膜、及び導体配線、並びに金属膜の製造方法 |
-
2006
- 2006-06-15 JP JP2006166076A patent/JP2007332422A/ja active Pending
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