JP2007332215A - 導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物及びそれを用いた導電性ポリイミドフィルム - Google Patents

導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物及びそれを用いた導電性ポリイミドフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】導電性ポリアニリンの経時分散安定性に優れた導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物の提供。
【解決手段】有機溶剤中に安定に分散した導電性ポリアニリン分散液をポリイミド前駆体中に混合分散した分散液に、塩基性物質を添加した後、酸性ドーパントを添加することにより得られる導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物並びにそれから形成される導電性ポリイミドフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物及びそれを用いた導電性ポリイミドフィルムに関し、更に詳しくは経時分散安定性に優れた導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物及びそれを用いた導電性ポリイミドフィルムに関する。
導電性ポリアニリンとポリアミド酸からなるポリイミド前駆体組成物は、脱ドープしたポリアニリンの粉末とポリアミド酸とスルホン酸を、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で混合することにより製造することができる。しかしながら、ポリアミド酸中で形成された導電性ポリアニリンは、ポリイミドに対する分散性が悪く、凝集沈殿が起こるという問題があった。また、添加したスルホン酸の一部は、ポリアニリンと塩を形成できずに組成物中に残存するため、ポリアミド酸を加水分解し、組成物を低粘度化する問題があった。また、市販されている導電性ポリアニリン分散液とポリアミド酸を混合したポリイミド前駆体組成物では、ポリアニリンの凝集沈殿物が形成されたり、ゲル化が進行したりするという問題があった。
一方、アニリン又はアニリン誘導体を化学酸化重合することによって、導電性ポリアニリンが得られることは知られており、特許文献1には、水相及び有機相からなる混合相において有機溶媒に安定に分散する導電性ポリアニリンを製造する方法が記載されている。かかる導電性ポリアニリン分散液を用いて導電性ポリイミド前駆体組成物を得、更に導電性ポリイミドフィルムなどを得るに際し、導電性ポリイミド前駆体組成物の経時分散安定性が必ずしも良好とは限らないという問題があった。
WO2005/035626号公報
従って、本発明の目的は導電性ポリアニリンの経時分散安定性に優れた導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物を得ることにある。
本発明に従えば、有機溶剤中に安定に分散した導電性ポリアニリン分散液をポリイミド系前駆体中に混合分散した分散液に、塩基性物質を添加した後、酸性ドーパントを添加することにより得られる導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物並びにそれから形成される導電性ポリイミドフィルムが提供される。
本発明によれば、導電性ポリアニリンの分散安定性に優れた導電性ポリアニリン分散ポリイミド系前駆体組成物を得ることができるため、加熱後導電性ポリアニリンの分散性に優れたポリイミドフィルムを得ることができる。このポリイミドフィルムは例えば、帯電防止塗料、帯電防止フィルム、電磁波シールド材料などに応用することができる。
本発明者らは、前記課題を解決すべく研究を進めた結果、水相及びトルエン相からなる混合相において、相間移動触媒としてテトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)、ドーパントとしてドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)を使用し、アニリン及び分子量調整剤としてのトリメチルアニリンを用いて化学酸化重合を行なったところ、トルエン中で安定に分散するポリアニリン分散トルエン液を得ることに成功した。そしてこの安定なポリアニリン分散トルエン液とポリイミドの前駆体であるポリアミド酸NMP(UイミドワニスA)溶液を混合させた後、塩基性物質としてトリエチルアミンを添加して混合液中でポリアニリンの脱ドープを行ない、更にリン酸を添加し再ドープを行なってトルエンを除去、NMP液からキャストフィルムを作製し150℃で1時間加熱更に300℃で30分加熱後にポリアニリン分散ポリイミドフィルムを得ることに成功した。得られたフィルムの表面抵抗値を測定したところ108〜1012Ω/sqのオーダーであった。このように、本発明によれば、導電性物質の分散安定性に優れたポリアミド酸溶液を得ることができるため、加熱後、導電性ポリアニリンの分散性に優れたポリイミドフィルムを得ることができる。
本発明によれば、有機溶剤中に安定に分散した導電性ポリアニリン分散液を、ポリイミド系前駆体中に混合分散した分散液に、先ず塩基性物質を添加し、次に酸性ドーパントを添加することにより経時安定性に優れた導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物を得ることができる。
本発明において使用する有機溶剤中に安定に分散した導電性ポリアニリン分散液は、例えば水相及び有機相(例えばベンゼン、トルエン、キシレン)からなる混合相において、ドーパント(例えばドデシルベンゼンスルホン酸)の存在下に、アニリン又はその誘導体を酸化重合するに際し、必要に応じて分子量調整剤(例えば2,4,6−トリメチルアニリン)及び相間移動触媒(テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド)を共存させることにより得ることができる。かかる導電性ポリアニリン分散液の製造方法の詳細な特許文献1に記載されている通りである。
前記塩基性物質としては、例えばトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン(DBU)などのアミンを用いることができる。
前記酸性ドーパントとしては、酸解離定数の値が4.8以下、好ましくは−10〜4のプロトン酸を用いることができる。このようなプロトン酸としては、例えば硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、スルホン酸、カルボン酸、硫酸エステル、リン酸エステルなどをあげることができる。
前記塩基性物質及び酸性ドーパントの添加量には、特に限定はないが、ポリアニリンの単位構造であるイミノフェニレン当りのモル比で、それぞれ、0.01〜1であるのが好ましく、0.05〜0.5であるのが更に好ましい。塩基性物質の添加量が少ないと導電性ポリイミド前駆体組成物の経時分散安定性の悪化のおそれがあり、逆に多いと導電性ポリイミド前駆体組成物のゲル化のおそれがある。また酸性ドーパントの添加量が少ないと表面抵抗値が高くなるおそれがあり、逆に多いと相互作用していない酸性ドーパントが悪影響を与えるおそれがある。
前記導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物から導電性ポリイミドフィルムを製造する方法には特に限定はないが、例えば、これに限定するものではないが、以下のようにして行なうことができる。
導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物を基板に塗り(キャスト)150℃で1時間、300℃で30分加熱することで導電性ポリイミドフィルムを製造することができる。
このようにして表面抵抗値が好ましくは108〜1013Ω/sq、更に好ましくは1010〜1012Ω/sqの導電性ポリイミドフィルムを得ることができる。
本発明で用いられるポリイミド及び/又はポリイミド前駆体は特に限定されないが、溶媒に溶解及び/又は分散可能なポリイミド及び/又はポリイミド前駆体であることが好ましい。
ポリイミドとしては、有機溶媒に溶解及び/又は分散可能なポリイミド、有機溶媒に溶解及び/又は分散しているポリイミドワニス、有機溶媒に溶解及び/又は分散しているポリアミドイミドワニスを例示することができる。ポリイミドとしては、例えば、特開平6−136120、特開2001−48983で開示されているポリイミドが挙げられ、市販品としては新日本理化社製「リカコート」等を例示できる。また、ポリアミドイミドとしては、例えば、特開2002−212290で開示されているポリアミドイミドが挙げられ、市販品としては東洋紡績社製「バイロマックス」等を例示できる。溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジオキソラン、ブチルセルソルブアセテートあるいはこれらの混合物等を使用することができる。
ポリイミド前駆体としては、通常テトラカルボン酸誘導体と一級ジアミンを溶媒中で反応、重合させたものであり、テトラカルボン酸及び一級ジアミンとしては特開2001−48983で開示されている化合物及び/又は日本ポリイミド研究会編「最新ポリイミド〜基礎と応用〜」p515−528に例示されている化合物を用いることができる。溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジオキソラン、ブチルセルソルブアセテートあるいはこれらの混合物等を使用することができる。テトラカルボン酸誘導体と一級ジアミンを反応させる温度としては、−20〜150℃、好ましくは−5〜100℃で行なうことが好ましい。ポリイミド前駆体の市販品としては、宇部興産(株)製「ポリイミドワニスU−ワニス」等を用いることができる。
以上の通り、本発明によれば、例えばポリアミド酸NMP溶液と導電性ポリアニリン分散トルエン液を混合した後に、塩基性物質を、そして次に酸性ドーパントを添加することが必要である。これはポリアミド酸NMP溶液と導電性ポリアニリン分散トルエン液とを混合しただけの場合は、室温で保存して1週間経過後にはポリアミド酸NMP溶液中でポリアニリンが凝集し、ポリイミドフィルムを作製すると得られるフィルムの表面抵抗値が高くなる場合がある。これに対し本発明のように、ポリアミド酸NMP溶液と導電性ポリアニリン分散トルエン液とを混合した後に、塩基性物質でポリアニリンを脱ドープして酸性物質を除くことにより、ポリアニリンとポリアミド酸との酸塩基相互作用が働くためNMP中での経時安定性が1ヶ月経過したあとにポリイミドフィルムを作製しても表面抵抗値は変化せず、優れた貯蔵安定性が得られることを見出した。
本発明に係る導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物には、前記した成分に加えて、カーボンブラック、無機微粒子(金、銀、銅)、シリカ、マイカ、樹脂(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等)などの一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で配合することができ、その配合量も本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
表面抵抗値の測定は、JIS K6991に従い、電圧100Vを印加して行った。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
合成例1:ポリアニリン分散トルエン液の合成
アニリン15g(0.161mol)、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)31.55g(96.6mmol)及び2,4,6−トリメチルアニリン0.76g(5.62mmol)をトルエン600gに溶解させた。次いでリン酸20.5g(0.209mol)を水720gに溶解させ、上記トルエン溶液と混合し、相間移動触媒であるテトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)4.52g(14.0mmol)を添加、0℃において攪拌した。攪拌下に、水400gに溶解させた過硫酸アンモニウム(APS)40.8g(0.179mmol)を添加し、化学酸化重合を0℃で3時間行なった。その後、分液洗浄することでドープ状態のポリアニリン分散トルエン液を得た。
合成例2:前駆体組成物の合成
ポリイミド100重量部に対してポリアニリンが7.5重量部となるように、合成例1で得られたドープ状態のポリアニリン分散トルエン液34.1g(ポリアニリン0.833g,8.93mmol(イミノフェニレンユニット換算))をUイミドワニスA(宇部興産(株)製)60gとNMP15gに混合させた。混合液にトリエチルアミンを0.09g(0.893mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.1)添加しポリアニリンの脱ドープを行なった。トルエンを除去した後、リン酸を0.306g(3.12mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.35)添加しポリアニリンの再ドープを行ない、ポリアニリンが分散したポリアミド酸のNMP液を得た。
合成例3:前駆体組成物の合成
ポリイミド100重量部に対してポリアニリンが7.5重量部となるように、合成例1で得られたドープ状態のポリアニリン分散トルエン液34.1g(ポリアニリン0.833g,8.93mmol(イミノフェニレンユニット換算))をUイミドワニスA(宇部興産(株)製)60gとNMP15gに混合させた。混合液にトリエチルアミンを0.271g(2.68mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.3)添加しポリアニリンの脱ドープを行なった。トルエンを除去した後、リン酸を0.437g(4.46mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.5)添加しポリアニリンの再ドープを行ない、ポリアニリンが分散したポリアミド酸のNMP液を得た。
合成例4:前駆体組成物の合成
ポリイミド100重量部に対してポリアニリンが10重量部となるように、合成例1で得られたドープ状態のポリアニリン分散トルエン液45.5g(ポリアニリン1.11g,11.9mmol(イミノフェニレンユニット換算))をUイミドワニスA(宇部興産(株)製)60gとNMP15gに混合させた。混合液にトリエチルアミンを0.12g(1.19mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.1)添加しポリアニリンの脱ドープを行なった。トルエンを除去した後、リン酸を0.409g(4.17mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.35)添加しポリアニリンの再ドープを行ない、ポリアニリンが分散したポリアミド酸のNMP液を得た。
合成例5:前駆体組成物の合成
ポリイミド100重量部に対してポリアニリンが10重量部となるように、合成例1で得られたドープ状態のポリアニリン分散トルエン液45.5g(ポリアニリン1.11g,11.9mmol(イミノフェニレンユニット換算))をUイミドワニスA(宇部興産(株)製)60gとNMP15gに混合させた。混合液にトリエチルアミンを0.361g(3.57mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.3)添加しポリアニリンの脱ドープを行なった。トルエンを除去した後、リン酸を0.584g(5.96mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.3)添加しポリアニリンの再ドープを行ない、ポリアニリンが分散したポリアミド酸のNMP液を得た。
合成例6:前駆体組成物の合成
ポリイミド100重量部に対してポリアニリンが12.5重量部となるように、合成例1で得られたドープ状態のポリアニリン分散トルエン液54.6g(ポリアニリン1.39g,14.9mmol(イミノフェニレンユニット換算))をUイミドワニスA(宇部興産(株)製)60gとNMP15gに混合させた。混合液にトリエチルアミンを0.453g(4.47mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.3)添加しポリアニリンの脱ドープを行なった。トルエンを除去した後、リン酸を0.731g(7.46mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.5)を添加しポリアニリンの再ドープを行ない、ポリアニリンが分散したポリアミド酸のNMP液を得た。
合成例7:前駆体組成物の合成
ポリイミド100重量部に対してポリアニリンが7.5重量部となるように、ORMECON社製の導電性ポリアニリン分散キシレン液(NX−B001X)41.7g(ポリアニリン0.833g,8.93mmol(イミノフェニレンユニット換算))をUイミドワニスA(宇部興産(株)製)60gとNMP15gに混合させた。混合液にトリエチルアミンを0.09g(0.893mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.1)添加しポリアニリンの脱ドープを行なった。トルエンを除去した後、リン酸を0.306g(3.12mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.35)添加しポリアニリンの再ドープを行ない、ポリアニリンが分散したポリアミド酸のNMP液を得た。
合成例8:前駆体組成物の合成
ポリイミド100重量部に対してポリアニリンが10重量部となるように、ORMECON社製の導電性ポリアニリン分散キシレン液(NX−B001X)(ポリアニリン2重量%を含んでいるものとし算出)55.5g(ポリアニリン1.11g,11.9mmol(イミノフェニレンユニット換算))をUイミドワニスA(宇部興産(株)製)60gとNMP15gに混合させた。混合液にトリエチルアミンを0.12g(1.19mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.1)添加しポリアニリンの脱ドープを行なった。トルエンを除去した後、リン酸を0.408g(4.17mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.35)添加しポリアニリンの再ドープを行ない、ポリアニリンが分散したポリアミド酸のNMP液を得た。
合成例9:前駆体組成物の合成
ポリイミド100重量部に対してポリアニリンが7.5重量部となるように、市販されている脱ドープ状態のポリアニリン(ALDRICH,emeraldine base、数平均分子量が約10,000)0.75g(8.05mmol(イミノフェニレンユニット換算))をNMP10gに溶解させた後、UイミドワニスA(宇部興産(株)製)54.6gと混合させた。そこにリン酸0.395g(4.03mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.5)を添加しポリアニリンのドープを行ない、ポリアニリンが分散したポリアミド酸のNMP液を得た。
合成例10:前駆体組成物の合成
ポリイミド100重量部に対してポリアニリンが10重量部となるように、市販されている脱ドープ状態のポリアニリン(ALDRICH,emeraldine base、数平均分子量が約10,000)1g(10.7mmol(イミノフェニレンユニット換算))をNMP10gに溶解させた後、UイミドワニスA(宇部興産(株)製)54.6gと混合させた。そこにリン酸0.525g(5.36mmol、イミノフェニレンユニットあたりのモル比で0.5)を添加しポリアニリンのドープを行ない、ポリアニリンが分散したポリアミド酸のNMP液を得た。
実施例1
合成例2で得たNMP液からキャストフィルムを作製し、150℃で1時間加熱、300℃で30分加熱しポリイミドフィルムを得た。フィルムの表面抵抗値を測定したところ8.96×1011Ω/sqであった。更にNMP液を室温で2週間保存した後に同様にフィルムを作製し、フィルムの表面抵抗値を測定したところ、5.03×1011Ω/sqであった。
実施例2
合成例3で得たNMP液からキャストフィルムを作製し、150℃で1時間加熱、300℃で30分加熱しポリイミドフィルムを得た。フィルムの表面抵抗値を測定したところ2.63×1010Ω/sqであった。更にNMP液を室温で2週間保存した後に同様にフィルムを作製し、フィルムの表面抵抗値を測定したところ、6.87×1010Ω/sqであった。
実施例3
合成例4で得たNMP液からキャストフィルムを作製し、150℃で1時間加熱、300℃で30分加熱しポリイミドフィルムを得た。フィルムの表面抵抗値を測定したところ7.35×1010Ω/sqであった。更にNMP液を室温で2週間保存した後に同様にフィルムを作製し、フィルムの表面抵抗値を測定したところ、7.02×1010Ω/sqであった。
実施例4
合成例5で得たNMP液からキャストフィルムを作製し、150℃で1時間加熱、300℃で30分加熱しポリイミドフィルムを得た。フィルムの表面抵抗値を測定したところ9.08×109Ω/sqであった。更にNMP液を室温で2週間保存した後に同様にフィルムを作製し、フィルムの表面抵抗値を測定したところ、8.81×109Ω/sqであった。
実施例5
合成例6で得たNMP液からキャストフィルムを作製し、150℃で1時間加熱、300℃で30分加熱しポリイミドフィルムを得た。フィルムの表面抵抗値を測定したところ3.65×108Ω/sqであった。更にNMP液を室温で2週間保存した後に同様にフィルムを作製し、フィルムの表面抵抗値を測定したところ、5.96×108Ω/sqであった。
実施例6
合成例7で得たNMP液からキャストフィルムを作製し、150℃で1時間加熱、300℃で30分加熱しポリイミドフィルムを得た。フィルムの表面抵抗値を測定したところ7.62×1013Ω/sqであった。更にNMP液を室温で2週間保存した後に同様にフィルムを作製し、フィルムの表面抵抗値を測定したところ、8.08×1013Ω/sqであった。
実施例7
合成例8で得たNMP液からキャストフィルムを作製し、150℃で1時間加熱、300℃で30分加熱しポリイミドフィルムを得た。フィルムの表面抵抗値を測定したところ6.31×1012Ω/sqであった。更にNMP液を室温で2週間保存した後に同様にフィルムを作製し、フィルムの表面抵抗値を測定したところ、7.27×1012Ω/sqであった。
比較例1
合成例9で得たNMP液からキャストフィルムを作製し、150℃で1時間加熱、300℃で30分加熱しポリイミドフィルムを得た。フィルムの表面抵抗値を測定したところ1.23×1015Ω/sqであった。更にNMP液を室温で2週間保存した後に同様にフィルムを作製し、フィルムの表面抵抗値を測定したところ、4.89×1015Ω/sqであった。
比較例2
合成例10で得たNMP液からキャストフィルムを作製し、150℃で1時間加熱、300℃で30分加熱しポリイミドフィルムを得た。フィルムの表面抵抗値を測定したところ2.98×1014Ω/sqであった。更にNMP液を室温で2週間保存した後に同様にフィルムを作製し、フィルムの表面抵抗値を測定したところ、2.22×1015Ω/sqであった。
Figure 2007332215
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本発明によれば導電性物質の分散安定性に優れたポリアミド酸溶液を得ることができるため、加熱後ポリアニリンの分散性に優れたポリイミドフィルムを得ることができ、帯電防止塗料、帯電防止フィルム、電磁波シールド材料などとして使用することができる。

Claims (7)

  1. 有機溶剤中に安定に分散した導電性ポリアニリン分散液をポリイミド系前駆体中に混合分散した分散液に、塩基性物質を添加した後、酸性ドーパントを添加することにより得られる導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物。
  2. 有機溶剤中に安定に分散した導電性ポリアニリン分散液が、水相及び有機相からなる混合相において、ドーパントの存在下に、必要に応じて分子量調整剤及び相間移動触媒を共存させて、アニリン又はその誘導体を酸化重合することにより得られるものである請求項1に記載の導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物。
  3. 前記塩基性物質がアミンである請求項1又は2に記載の導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物。
  4. 前記酸性ドーパントが酸解離定数の値が4.8以下のプロトン酸である請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物。
  5. 前記塩基性物質及び酸性ドーパントの添加量が、ポリアニリンの単位構造であるイミノフェニレン当りのモル比で、それぞれ、0.01〜1である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性ポリアニリン分散ポリイミド前駆体組成物から形成される導電性ポリイミドフィルム。
  7. 表面抵抗値が108〜1013Ω/sqである請求項6に記載の導電性ポリイミドフィルム。
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CN113355107A (zh) * 2021-07-05 2021-09-07 合肥中聚合臣电子材料有限公司 一种液晶取向剂

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