JP2007332077A - エタノールの蒸留方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の共沸エタノールから無水エタノールを得る蒸留方法の問題点を解決して、消費されるエネルギーを少なくすることができ、蒸留装置を小型化することができ、蒸留装置のコスト、及び無水エタノールを得るためのコストを低減することができるエタノールの蒸留方法を提供すること。
【解決手段】共沸エタノールから抽出蒸留により無水エタノールを得る蒸留方法。第1多段蒸留塔である抽出塔11と、第2多段蒸留塔である溶剤回収塔13と、溶剤回収塔13の回収部に還流配管と接続された水分離塔(側塔)15とを用いて行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、共沸エタノールから無水エタノールを得るためのエタノール蒸留方法及びそれに好適な蒸留装置に関する。以下の説明で組成を示す「%」は、特に断らない限り、「質量百分率(%)」を意味する。
本明細書で「共沸エタノール」とは、特に断らない限り、常圧における共沸組成物ばかりでなくそれに近い組成の水(約10%以内)を含むエタノールを言う。
炭水化物(澱粉やセルロース)を発酵処理することにより得ることができるエタノールは、バイオエネルギーであり昨今、ガソリン等の代替燃料として着目されている。しかし、燃料として使用する場合は、燃料機関の効率の見地からエタノールは可及的に無水であることが望ましい。しかし、エタノールは水と共沸混合物(共沸エタノール:水約4%)を形成するため通常の蒸留では無水物を得ることはできない。
そこで、共沸エタノール類から蒸留によって無水エタノールを得る場合、1)ペンタンあるいはシクロヘキサンなどの共沸溶剤を用いて共沸蒸留を行う方法や、2)エチレングリコールなどの抽出溶剤を用いて抽出蒸留を行う方法が慣用的に行われている。
エタノールと水の2成分が形成する共沸混合物の組成は、常圧においてはエタノール95.6%、水4.4%であり、抽出蒸留法では抽出溶剤の効果により気液平衡を変化させて、エタノールだけを留出させることができる。
図2に先行例の共沸エタノールの抽出蒸留装置の一例を示す。
当該蒸留装置は、抽出塔(多段常圧蒸留塔)21と溶剤回収塔(多段減圧蒸留塔)23とを備えている。
抽出塔21の内部は、それぞれ充填物が充填された6層(6段)の第1・第2・第3・第4・第5・第6充填層211、212、213、214、215、216(第1・2・・・は、塔頂から数えた数字である。:以下同じ)で形成されている。
溶剤回収塔23の内部は、それぞれ充填物が充填された3層(3段)の第1・2・第3充填層231、232、233で形成されている。
共沸エタノール(原液)Fは、循環される抽出溶剤Sと熱交換器H21で熱交換後、抽出塔21の第4充填層214の上部に位置する一次原料供給口21aに供給され、他方、抽出溶剤Sは、第2充填層212の上部に位置する溶剤供給口21bに供給される。
抽出塔21の塔頂から排出された蒸気は成分の殆どがエタノールであり、凝縮器(コンデンサー)C21によって凝縮されて留出液(無水エタノール)となり、該留出液を抽出塔21の塔頂に部分還流させながら、残りは排出されて無水エタノールとして回収される。抽出塔21は通常、常圧で操作される。
抽出塔21の塔底から排出された缶出液の成分は、水を3〜5%含む抽出溶剤である。この缶出液は、二次原液供給配管27を介して溶剤回収塔23の第2充填層232の上部位置である二次原液供給口23aに供給される。なお、抽出蒸留塔21の加熱は再沸器(リボイラー)R21によって行われる。
溶剤回収塔23の塔頂から排出される蒸気の成分は殆どが水である。該蒸気凝縮器C23によって凝縮させられて留出液となり、該留出液は、溶剤回収塔23の塔頂に部分還流しながら、残りは水として排出される。溶剤回収塔23の内部は、通常10〜20kPa(Gauge)の減圧に、凝縮器C23に接続された真空配管Vで制御(操作)されるようになっている。
溶剤回収塔23の塔底から排出された缶出液の成分は殆どが抽出溶剤である。この缶出液は、溶剤戻し配管28を介して抽出塔21の原液供給位置に至り、該位置に配された熱交換器H21で原液(共沸エタノール)Fと熱交換された後、抽出塔21の第2充填層212の上部に位置する溶剤供給口21bに抽出溶剤として循環される。溶剤回収塔23の加熱は再沸器(リボイラー)R23によって行われる(例えば、非特許文献1・2参照)。
なお、抽出溶剤としてはエチレングリコール(以下「EG」と略す。)、ジエチレングリコール(以下「DEG」と略す。)のような親水性がきわめて大きくエチルアルコールとの沸点差の大きいグリコール類しか効果はなく、さらに、塩化カルシウムや酢酸カリウムなどのいわゆる脱水作用を奏する塩類と接触させてさらに脱水を完全とすることが好ましいことが公知である。
ちなみに、各化合物の沸点は、エタノール:約78℃、EG:約198℃、DEG:約245℃である。
塩類を用いる場合は、蒸留塔内で結晶が析出して詰まらせないために、EGやDEGに溶かして用いる。その場合、それらの上記の如く沸点は約200℃若しくはそれを超えることになり(塩類を溶解させるとさらに沸点が上昇する。)、抽出塔21の塔底を加熱する再沸器R21は、少なく共200℃をはるかに越える高温高圧スチームあるいは熱媒(通常250〜300℃)を用いなければならない。高温になればなる程は熱損が増大するばかりでなく、EGやDEG等の抽出溶剤の劣化を促進させる。
実際には、抽出塔21の原液供給位置直下における第4充填層214の下部より抽出溶剤含有液を抜くと、該温度が130〜150℃であるため、ここに再沸器R21Aを付ければ、塔底を加熱する再沸器R21の加熱量を幾分低減させることができる。しかし、根本的な解決にはならない。
上記問題点を解決するために、抽出塔の底部を高温にせずに済む蒸留装置として、図3に示すような構成の先行例がある。
本蒸留装置は、主抽出塔(第1蒸留塔)31と抽出補助塔(第2蒸留塔)32と溶剤回収塔(第3蒸留塔)33とを備えている。
抽出塔31の内部は、それぞれ充填物が充填された4層(4段)の第1・第2・第3・第4充填層311、312、313、314で形成されている。また、抽出補助塔32の内部は、それぞれ充填物が充填された3層(3段)の第1・2・第3充填層321、322、323で形成されている。溶剤回収塔(第3蒸留塔)33の内部は、それぞれ充填物が充填された3層(3段)の第1・2・第3充填層331、332、333で形成されている。
共沸エタノール類(原液)Fは、循環される抽出溶剤と熱交換器H31で熱交換後、主抽出塔31の充填層314の上部に位置する一次原液供給口31aに供給される。また、抽出溶剤Sは主抽出塔31の充填層312の上部に位置する溶剤供給口31bに供給される。
主抽出塔31の塔頂から排出された蒸気は、凝縮器C31によって凝縮させられて無水エタノールとして留出液となり、該留出液は、主抽出塔31の塔頂に部分還流されながら、残りは無水エタノールとして排出(回収)される。主抽出塔31は通常、常圧で操作される。
主抽出塔31の塔底から排出された缶出液の成分は、エタノールを0.3%程度、水を10〜15%含む抽出溶剤である。該缶出液は二次原液供給配管36を介して抽出補助塔32の第3充填層323の上部に位置する二次原液供給口32aに供給される。主抽出塔31の塔底温度は150〜160℃で、加熱は再沸器R31によって行われる。
抽出補助塔32の塔頂から排出された蒸気の成分は、エタノールを2%程度含む水である。該蒸気は凝縮器C32によって凝縮されて留出液となり、該留出液は、抽出補助塔32の塔頂に部分還流されながら、エタノールを含むためエタノール含有液戻し配管37を介して主抽出塔31の原液供給口31aに戻される。抽出補助塔32は、通常10〜20kPa(Gauge)の減圧に、凝縮器C32の接続された真空配管Vにより制御される。
補助抽出器32の塔底から排出された缶出液は、水を3〜5%含む抽出溶剤であり、3次原液供給配管38を介して溶剤回収塔33の原液供給位置である第2充填層332の上部に位置する3次原液供給口33aに供給される。抽出補助塔32の塔底温度は140〜150℃で、加熱は再沸器R32によって行われる。
溶剤回収塔33の塔頂から排出された蒸気の成分は殆どが水である。凝縮器C33によって凝縮されて留出液(水)となり、該留出液の一部は溶剤回収塔33の塔頂に還流され、残りは水として排出される。溶剤回収塔33は、通常10〜20kPa(Gauge)の減圧に、凝縮器C33に接続された真空配管Vにより制御される。
また、溶剤回収塔33の塔底から排出された缶出液の成分はほとんどが抽出溶剤Sであり、溶剤戻し配管38を介して、抽出塔31の溶剤供給口31bに、原液Fと熱交換器H31により熱交換された後、抽出溶剤Sとして戻される。溶剤回収塔33の塔底温度は150〜160℃で、加熱は再沸器R33によって行われる。
しかし、この抽出塔の底部を高温とせずに無水エタノールを得る蒸留装置・方法においては、抽出塔21の塔底における200℃を越える高温を避けるために、前記主抽出塔31、抽出補助塔32、溶剤回収塔33の3基の蒸留塔を必要とされ、各蒸留塔において加熱及び冷却をそれぞれ繰り返す必要がある。このため、凝縮器C31、C32、C33、再沸器R31、R32、R33、ポンプ等の付帯機器及び計装品を3系列分配設する必要がある。
したがって、消費されるエネルギーが多くなるだけでなく、蒸留装置のコスト、及びエタノールを蒸留するためのコストが高くなってしまう。
なお、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、特許文献1には、エタノールを飲料用等に適用可能なようにメタノール、フーゼル油等の不純成分を除去するエタノールの蒸留方法及び蒸留装置に係る技術が記載されている。
特開2006−36659号公報 Jiquan Fu著「Simulation of Salt-Containing Extractive Distillation for the System of Ethanol/Water/Ethanediol/KAc.2.Simulation of Salt-Containing Extractive Distillation」 Ind.Eng.Chem.Res.」2004,43,1279-1283、American Chemical Society Jiquan Fu著「Simulation of Salt-Containing Extractive Distillation for the System of Ethanol/Water/Ethanediol/KAc.1. Calculation of the Vapor-Liquid Equilibrium for the Salt-Containing System」Ind.Eng.Chem.Res.2004,43,1274-1278
本発明は、上記にかんがみて、従来の無水エタノールを得る蒸留方法の問題点を解決して、消費されるエネルギーを少なくするとともに、蒸留装置を小型化することができ、蒸留装置のコストとともに無水エタノールの製造コストも低減することができるエタノールの蒸留方法及びそれに適した抽出蒸留装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意努力をした結果、下記構成のエタノールの蒸留方法及び抽出蒸留装置に至った。
常圧における共沸組成のあるいはそれに近い組成の水を含むエタノール(以下、単に「共沸エタノール」という。)に親水性溶剤を添加して抽出蒸留を行ってより無水エタノールを得るとともに、該抽出蒸留の缶出液を減圧下で溶剤回収蒸留を行って前記親水性溶剤を回収するとともに、該親水性溶剤を循環使用するエタノールの蒸留方法において、
前記溶剤回収蒸留による留出液を前記抽出蒸留の前記共沸エタノールの供給位置(原液供給口)に戻すとともに、前記溶剤回収蒸留における親水性溶剤と水との分離を、溶剤回収蒸留塔の回収部から、該溶剤回収蒸留塔とは別に設けた水分離塔を介する部分還流により行うことを特徴とする。
前記親水性溶剤としては、170〜250℃(さらには沸点190〜210℃のグリコール類)の沸点を有するものを使用することが望ましい。沸点が低すぎると親水性溶剤の水との分離が困難となり、沸点が高過ぎると、抽出蒸留の際の塔底加熱温度を高温にする必要があり、熱損失や溶剤の劣化が促進されやすい。
前記抽出蒸留を常圧下又は40kPa以上の減圧下で行い、前記溶剤回収蒸留を1〜50kPaで前記抽出蒸留より低い減圧下で、さらには、抽出蒸留を40〜100kPaの減圧下で行い、前記分離蒸留を10〜20kPaの減圧下で行うことが望ましい。
抽出蒸留及び溶剤回収蒸留を減圧下で行うことにより、抽出蒸留及び/又は溶剤回収蒸留の際の加熱温度を相対的に低くすることができる。
前記親水性溶剤として、前記グリコール類に溶解可能な固体乾燥剤(脱水剤)(例えば、酢酸アルカリ塩)を添加したものを使用することが望ましい。共沸組成エタノールの無水化をより確実に行うことができる。
上記各構成のエタノールの蒸留方法に使用する抽出蒸留装置は、下記構成のものが好適に使用できる。なお、当該抽出蒸留装置は、共沸エタノールの抽出蒸留ばかりでなく、他の共沸組成液体にも適用できる。
共沸組成液体を抽出蒸留するために使用する抽出蒸留装置であって、
再沸器及び凝縮器を備えた一次多段蒸留塔(抽出塔)と、二次多段蒸留塔(溶剤回収塔)と、凝縮器を備えた共沸成分分離塔とを備え、
前記一次多段蒸留塔は、抽出溶剤供給口と一次原液投入口を備え、また、前記二次多段蒸留塔は、二次原液投入口を備え、
前記一次多段蒸留塔の塔底(缶底)と前記二次多段蒸留塔の二次原液供給口が二次原液供給配管で接続され、
前記二次多段蒸留塔の塔底(缶底)と前記一次多段蒸留塔の溶剤供給口とが溶剤戻し配管で接続されるとともに、塔頂と前記一次多段蒸留塔の一次原液供給口とが一次原液含有液戻し配管で接続され、
前記溶剤戻し配管と前記一次原液含有液戻し配管との交差部に該両配管流通液体の熱交換を行う熱交換器が配され、さらに、
前記溶剤回収塔の回収部と共沸成分分離塔との間を還流配管で接続されていることを特徴とする抽出蒸留装置。
上記構成において、前記二次多段蒸留塔及び前記共沸成分分離塔の各凝縮器は真空配管と接続されていることが望ましい。前述の減圧蒸留をすることができるためである。
前記一次多段蒸留塔及び前記二次多段蒸留塔の各内部が、それぞれ複数段の充填層で形成されて、さらには、前記共沸成分分離塔の内部が一段の充填層で形成されていることが望ましい。圧力損失を小さくでき、塔底の温度上昇を相対的に抑制できる。
本発明によれば、無水エタノールを得る蒸留方法においては、含水エタノールから無水エタノールを得るために、抽出塔(常圧蒸留塔)と溶剤回収塔(減圧蒸留塔)及び水分離塔側塔を備えた減圧蒸留塔、を組み合わせた蒸留装置を使用する。
この場合、従来の3基の蒸留塔に対して、2基の蒸留塔を配設するだけでよく、しかも付帯機器及び計装品を2系列分配設するだけでよい。したがって、消費されるエネルギーを少なくすることができるだけでなく、蒸留装置を小型化することができ、蒸留装置のコスト、及びエタノールを蒸留するためのコストを低くすることができる。
また、所定沸点の親水性溶剤(特に、グリコール類)を抽出溶剤として用いて共沸エタノールの抽出蒸留を行った場合、従来のペンタンあるいはシクロヘキサンなどの共沸溶剤を用いて共沸蒸留を行う方法と比較して、消費エネルギーを30%程度少なくすることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に本発明の一実施形態における蒸留装置を示す。ここでは、各多段蒸留塔(精留塔)及び水分離塔いずれも充填塔としたが、包鐘塔や多孔板塔(目皿板塔)等の棚段塔であってもよい。なお、各充填塔に使用する充填剤は、規則充填物、不規則充填物を問わず、ラシヒリング、ペルサドル、マクマホン、キャノン、ステッドマン等の慣用のものを使用できる。
抽出塔(多段常圧蒸留塔)11、溶剤回収塔(多段減圧蒸留塔)13及び水分離塔(共沸成分分離塔)15を備えている。なお、抽出塔11も減圧蒸留可能に凝縮器C11に真空配管を接続させてもよい。
抽出塔11の内部は、充填物がそれぞれ充填された4層(4段)の充填層111〜114で形成されている。この抽出塔11においては、第2充填層112の上部に抽出溶剤供給口11bが、第4充填層114の上部に一次原液供給口11aがそれぞれ位置している。こうして、第1充填層111によって濃縮部が、第2・3充填層112、113によって溶剤抽出部が、第4充填層114によって回収部が形成されている。
溶剤回収塔13の内部は、充填物がそれぞれ充填された4層(4段)の充填層131〜134で形成されている。この溶剤回収塔13においては、第3充填層133の上部に二次原液供給口13aが位置している。こうして、第1・2充填層131、132によって濃縮部が、第3・4充填層133〜134によって回収部が形成されている。
水分離塔15の内部は、充填物が充填された単層の充填層151で形成されている。この水分離塔15においては、充填層151の下部に三次原液供給口15が位置している。
そして、抽出塔11の底部と溶剤回収塔13の二次原液供給口13aとは二次原液供給配管17で接続されて、溶剤回収塔13に抽出塔11からの一次缶出液を供給可能となっている。
溶剤回収塔13の底部と抽出塔11との溶剤供給口は溶剤戻し配管18で接続され、抽出塔11に溶剤回収塔13からの缶出液を戻し可能となっている。
また、溶剤回収塔13の塔頂と抽出塔11の一次原料供給口11aは、エタノール含有液戻し配管19で接続されて、溶剤回収塔13の留出液を抽出塔11に戻し可能とされている。
さらに、溶剤回収塔13の第3充填層133の下部と水分離塔15の底部(充填層151の下部)とは還流配管20A、20Bで接続され、溶剤回収塔13の回収部を流下する水含有溶剤から水成分を減圧分離可能とされている。
共沸点エタノールFは、循環される抽出溶剤Sと熱交換器H11で熱交換後、抽出塔111における最下段の第4充填層114の上部に供給される。また、抽出溶剤Sは抽出塔11の第2充填層112の上部に供給される。
ここで、抽出溶剤としては、親水性が高くかつエタノールとの沸点差が大きいグリコール類(沸点170〜250℃)を好適に使用でき、さらには、エチレングリコール(EG)やジエチレングリコールが好適に使用できる。これらのグリコール類には、脱水作用を有しエタノールと反応しない固体乾燥剤、たとえば、塩化カルシウム、無水酢酸アルカリ塩(ナトリウム塩、カリウム塩)などを添加溶解させてもよい。特に、固体乾燥剤の添加量は、たとえば、EGと無水酢酸アルカリ塩との組み合わせの場合、5〜50%とする。
抽出塔11の塔頂から排出された蒸気は、凝縮器C11によって凝縮させられて無水エタノールとして留出液となり、該留出液の一部は抽出塔11の塔頂に還流され、残りは排出される。抽出塔11は本実施形態では、常圧で操作するが、減圧下(例えば、40〜100kPa)で操作することが、再沸器による加熱温度を相対的に低くでき、本発明の効果が増大してさらに望ましい。
抽出塔11の塔底から排出された缶出液は、エタノールを0.3%程度、水を10〜15%含む抽出溶剤であり、排出されて溶剤回収塔13の第3充填層133の上部に位置する二次原液供給口13aに供給される。抽出塔11の塔底温度は150〜160℃で、加熱は再沸器(リボイラー)R11によって行われる。
溶剤回収塔13の塔頂から排出された蒸気は、凝縮器C13によって凝縮されて、エタノールを2%程度含む水として留出液となり、該留出液の一部は溶剤回収塔13の塔頂に還流され、残りはエタノール含有水として抽出塔11の一次原液供給口11aに戻される。
溶剤回収塔13の第3充填層133と第4充填層134の間より成分が水と少量の抽出溶剤からなる蒸気を、水分離塔15の塔底に導き、水分離塔15の水含有率を低下させた抽出溶剤である塔底液は溶剤回収塔13の第3充填層133と第4充填層134との間に戻す。
水分離塔15の塔頂から排出される蒸気は成分のほとんどが水であり、凝縮器C15によって凝縮されて水となり、該留出液の一部は水分離塔15の塔頂に還流され、残りは水として排出される。溶剤回収塔13および水分離塔15は、通常10〜20kPa(Gague)の減圧に、凝縮器C13及びC15に接続された真空配管V、Vを介して操作される。
溶剤回収塔13の塔底から排出された缶出液はほとんどが抽出溶剤Sであり、排出されて共沸エタノールおよびエタノール含有水からなる一次原液Fと熱交換器H11で熱交換された後、抽出塔11の充填層112の上部に抽出溶剤Sとして循環される。溶剤回収塔13の塔底温度は150〜160℃で、加熱は再沸器R13によって行われる。
このように、多段蒸留塔は、抽出塔11と溶剤回収塔13との2塔だけですみ、凝縮器はC11、C13、C15の3系列を必要とするが、再沸器およびその付属機器ははR11、R13の2系列分配設するだけでよいので、消費されるエネルギーを少なくすることができ、かつ、蒸留装置を全体として小型化することができる。したがって、蒸留装置の占有面積を小さくすることができる。また、蒸留装置のコスト、及び無水エタノールを得るためのコストを低くすることができる。
また、溶剤回収塔13に回収部と水分離塔15とを循環(還流)配管20A、20Bで接続して、水含有蒸気から水を分離して溶剤液として戻すことにより、消費されるエネルギーを減らす効果があるとともに、装置全体の理論段数も減らす効果がある。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
上記において、再沸器R11、R13としては、特に限定されないが、垂直サーモフォンリボイラーや流下膜式リボイラーが望ましい。また、凝縮器C11、C13、C15としては、特に限定されないが、多管式コンデンサーやスパイラル型コンデンサーが望ましい。
なお、本発明の蒸留方法を別の表現で行うと、下記の如くになる。
第1蒸留塔(抽出塔)11と第2蒸留塔(溶剤回収主塔)13と、該溶剤回収主塔15と還流配管(蒸気配管)20A、20Bで接続された水分離塔(溶剤回収側塔)15とを組み合わせた抽出蒸留装置を使用する。
そして、第1蒸留塔(抽出塔)11においては共沸エタノールを供給し、また共沸エタノール供給位置より上部に抽出溶剤を供給して抽出蒸留を行い、塔頂より無水エタノールを留出させ、塔底より水及び少量のエタノールを含む抽出溶剤を抜き出し、塔底液(缶出液)を第2蒸留塔(溶剤回収主塔)13に供給して、溶剤回収主塔13においては塔頂より少量のエタノールを含む水を留出させ、溶剤回収側塔15の塔頂よりエタノールを含まない水を留出させる。そして溶剤回収主塔13の塔底からの缶出液は、第1蒸留塔11の抽出溶剤供給位置に、同じく塔頂からの少量のエタノールを含む水の留出液は、第1蒸留塔11のエタノール供給位置にそれぞれ循環させる。
本発明の実施の一形態における蒸留装置を示す概略流れ図である。 先行例の蒸留装置の一例を示す概略流れ図である。 先行例の蒸留装置を他の例を示す概略流れ図である。
符号の説明
11 抽出塔
13 溶剤回収塔
15 水分離塔
C11,C13,C15 凝縮器(コンデンサー)
R11、R13 再沸器(リボイラー)
F 原液
S 抽出溶剤
V 真空配管

Claims (11)

  1. 常圧における共沸組成のあるいはそれに近い組成の水を含むエタノール(以下、単に「共沸エタノール」という。)に親水性溶剤を添加して抽出蒸留を行ってより無水エタノールを得るとともに、該抽出蒸留の缶出液を減圧下で溶剤回収蒸留を行って前記親水性溶剤を回収するとともに、該親水性溶剤を循環使用するエタノールの蒸留方法において、
    前記溶剤回収蒸留による留出液を前記抽出蒸留の前記共沸エタノールの供給位置(原液供給口)に戻すとともに、前記溶剤回収蒸留における親水性溶剤と水との分離を、溶剤回収蒸留塔の回収部から、該溶剤回収蒸留塔とは別に設けた水分離塔を介する部分還流により行うことを特徴とするエタノールの蒸留方法。
  2. 前記親水性溶剤が170〜250℃の沸点を有するものであることを特徴とする請求項1のエタノールの蒸留方法。
  3. 前記抽出蒸留を常圧下又は40kPa以上の減圧下で行い、前記溶剤回収蒸留を1〜50kPaで前記抽出蒸留より低い減圧下で行うことを特徴とする請求項2記載のエタノールの蒸留方法。
  4. 前記親水性溶剤が沸点190〜210℃のグリコール類であることを特徴とする請求項2記載のエタノールの蒸留方法。
  5. 前記親水性溶剤がさらに前記グリコール類に溶解可能な固体乾燥剤(脱水剤)を含むことを特徴とする請求項4記載のエタノールの蒸留方法。
  6. 前記固体乾燥剤が酢酸アルカリ塩であることを特徴とする請求項5記載のエタノールの蒸留方法。
  7. 前記抽出蒸留を常圧又は40〜100kPaの減圧下で行い、前記分離蒸留を10〜20kPaの減圧下で行うことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のエタノールの蒸留方法。
  8. 共沸組成液体を抽出蒸留するために使用する抽出蒸留装置であって、
    それぞれ再沸器及び凝縮器を備えた一次多段蒸留塔(抽出塔)と二次多段蒸留塔(溶剤回収塔)と、凝縮器を備えた共沸成分分離塔を備え、
    前記一次多段蒸留塔は、抽出溶剤供給口と一次原液投入口を備え、また、前記二次多段蒸留塔は、二次原液投入口を備え、
    前記一次多段蒸留塔の塔底と前記二次多段蒸留塔の二次原液供給口が二次原液供給配管で接続され、
    前記二次多段蒸留塔の塔底と前記一次多段蒸留塔の溶剤供給口とが溶剤戻し配管で接続されるとともに、塔頂と前記一次多段蒸留塔の一次原液供給口とが一次原液含有液戻し配管で接続され、
    前記溶剤戻し配管と前記一次原液含有液戻し配管との交差部に該両配管流通液体の熱交換を行う熱交換器が配され、さらに、
    前記溶剤回収塔の回収部と共沸成分分離塔との間を還流配管で接続されていることを特徴とする抽出蒸留装置。
  9. 前記二次多段蒸留塔及び前記共沸成分分離塔の各凝縮器は真空配管と接続されていることを特徴とする請求項8記載の抽出蒸留装置。
  10. 前記一次多段蒸留塔及び前記二次多段蒸留塔の各内部が、それぞれ複数段の充填層で形成されていることを特徴とする請求項8又は9記載の抽出蒸留装置。
  11. 前記共沸成分分離塔の内部が一段の充填層で形成されていることを特徴とする請求項8、9又は10記載の抽出蒸留装置。
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