JP2007329109A - 透明電極基材及びそれを用いた光電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明電極基材上に形成された半導体層の焼成処理時における剥離を防止すると共にシート抵抗値を低く維持することができる透明電極基材及びそれを用いた光電変換装置を提供する。
【解決手段】透明電極基材100は、厚さ0.7mmの板状の透明な無アルカリガラス基板10と、ガラス基板10の上に形成された透明導電膜としてのインジウム酸化錫(ITO)膜20と、ITO膜20の上に形成された金属酸化物としてのニオブ(Nb)ドープ酸化チタン(TiO2)膜30とを備える。ニオブドープ酸化チタン膜30は、結晶系がアナターゼ型、ルチル型、又は、それらの混晶であり、ニオブの添加量を原子パーセントで0.1%以上30%以下とするのが好ましく、膜厚を10nm以上200nm以下とするのが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】透明電極基材100は、厚さ0.7mmの板状の透明な無アルカリガラス基板10と、ガラス基板10の上に形成された透明導電膜としてのインジウム酸化錫(ITO)膜20と、ITO膜20の上に形成された金属酸化物としてのニオブ(Nb)ドープ酸化チタン(TiO2)膜30とを備える。ニオブドープ酸化チタン膜30は、結晶系がアナターゼ型、ルチル型、又は、それらの混晶であり、ニオブの添加量を原子パーセントで0.1%以上30%以下とするのが好ましく、膜厚を10nm以上200nm以下とするのが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、透明電極基材及びそれを用いた光電変換装置に関する。
色素増感太陽電池の透明電極板として、ガラス板などの透明基材上にインジウム酸化錫(ITO)膜が形成された透明電極基材が用いられる。このITO膜は耐熱性が不十分であるために、透明電極基材が300℃以上の高温に曝されると、ITO膜が酸化してしまう。このITO膜の酸化を防止して透明電極基材の電気抵抗値(シート抵抗値)が上昇しないようにすべく、ITO膜上に耐熱性の高いフッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜から成る金属酸化物膜を形成している(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−323818号公報
しかしながら、上記透明電極基材を用いた光電変換装置を得るために、ITO膜又はITO膜上に形成されたFTO膜の上に色素吸着酸化チタンの半導体層を焼成処理により形成すると、この半導体層は上記焼成処理時に剥離してしまうという問題があった。
また、ITO膜上に半導体層を形成した場合には、透明電極用基材のシート抵抗値が上昇してしまうという問題があった。
本発明の目的は、透明電極基材上に形成された半導体層の焼成処理時における剥離を防止すると共にシート抵抗値を低く維持することができる透明電極基材及びそれを用いた光電変換装置を提供することにある。
上述の目的を達成するために、請求項1記載の透明電極基材は、基材と、前記基材上に形成されたインジウム酸化錫又はインジウム酸化亜鉛と、前記インジウム酸化錫又は前記インジウム酸化亜鉛の上に形成されたニオブドープ酸化チタンとを備える透明電極基材であって、前記ニオブドープ酸化チタンにおけるニオブの添加量が原子パーセントで0.1%以上30%以下であり、前記ニオブドープ酸化チタンの膜厚が10nm以上200nm以下であることを特徴とする。
請求項2記載の透明電極基材は、請求項1記載の透明電極基材において、前記ニオブドープ酸化チタンは、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを用いてスパッタリング法により形成されることを特徴とする。
請求項3記載の透明電極基材は、請求項1又は2記載の透明電極基材において、焼成処理の前において、前記ニオブドープ酸化チタンは、結晶系がアナターゼ型、ルチル型、又は、それらの混晶であることを特徴とする。
請求項4記載の透明電極基材は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の透明電極基材において、焼成処理の後において、前記ニオブドープ酸化チタンは、結晶系がアナターゼ型、ルチル型、又は、それらの混晶であることを特徴とする。
請求項5記載の透明電極基材は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の透明電極基材において、焼成処理の前のシート抵抗値が50Ω/□以下であることを特徴とする。
請求項6記載の透明電極基材は、請求項5記載の透明電極基材において、前記焼成処理の前のシート抵抗値が15Ω/□以下であることを特徴とする。
請求項7記載の透明電極基材は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の透明電極基材において、焼成処理の後のシート抵抗値が100Ω/□以下であることを特徴とする。
請求項8記載の透明電極基材は、請求項7記載の透明電極基材において、前記焼成処理の後のシート抵抗値が30Ω/□以下であることを特徴とする。
上述の目的を達成するために、請求項9記載の光電変換装置は、請求項1又は2記載の透明電極基材上に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、五酸化二ニオブから選択されたいずれか1つから成る半導体層としてのメソポーラス膜又は微粒子膜を形成したことを特徴とする。
請求項1記載の透明電極基材によれば、ニオブドープ酸化チタンにおけるニオブの添加量が原子パーセントで0.1%以上30%以下であり、ニオブドープ酸化チタンの膜厚が10nm以上200nm以下であるので、透明電極基材上に形成された半導体層の焼成処理時における剥離を防止すると共にシート抵抗値を低く維持することができる。即ち、ニオブドープ酸化チタンにおけるニオブの添加量が原子パーセントで0.1%以上であるので、酸化チタンにニオブを全く添加しない場合のシート抵抗値(2×1013Ω/□)よりもシート抵抗値を低くすることができ、また、ニオブドープ酸化チタンにおけるニオブの添加量が原子パーセントで30%以下であるので、シート抵抗値を低く維持するだけでなく、ニオブドープ酸化チタンが非晶質となるのを防止すると共に透明電極基材上に形成された半導体層の焼成処理時における剥離を防止することができる。また、ニオブドープ酸化チタンの膜厚を10nm以上としているので、十分均一な膜を得ることができ、また、ニオブドープ酸化チタンの膜厚を200nm以下としているので、シート抵抗値を低く維持すると共に可視光透過率を高く維持することができる。
請求項3記載の透明電極基材は、焼成処理の前において、ニオブドープ酸化チタンは、結晶系がアナターゼ型、ルチル型、又は、それらの混晶であるので、半導体層における酸化チタンとニオブドープ酸化チタンとの熱膨張係数を近づけることができ、もってニオブドープ酸化チタンとその上に形成された酸化チタンとの密着性を向上することができる。
請求項4記載の透明電極基材は、焼成処理の後において、ニオブドープ酸化チタンは、結晶系がアナターゼ型、ルチル型、又は、それらの混晶であるので、半導体層における酸化チタンとニオブドープ酸化チタンとの熱膨張係数を近づけることができ、もってニオブドープ酸化チタンとその上に形成された酸化チタンとの密着性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る透明電極基材を図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る透明電極基材の構成を概略的に示す図である。
図1において、透明電極基材100は、厚さ0.7mmの板状の透明な無アルカリガラス基板10と、ガラス基板10の上に形成された透明導電膜としてのインジウム酸化錫(ITO)膜20と、ITO膜20の上に形成された金属酸化物としてのニオブ(Nb)ドープ酸化チタン(TiO2)膜30とを備える。
なお、ニオブドープ酸化チタン膜30の上には、酸化チタン(TiO2)ペーストを塗布し、焼成処理により酸化チタン(TiO2)から成る微粒子膜半導体層が形成される。特許請求の範囲における「焼成処理」とは、大気中で400〜550℃で30〜60分加熱する加熱処理である。
なお、上記微粒子膜半導体層は、主として結晶系がアナターゼ型である。ここで、「主として」とは50重量%以上であることを意味する。
また、ニオブドープ酸化チタン膜30を成膜する雰囲気(成膜プロセスガス)中の、酸素量が少ないと、ニオブドープ酸化チタン膜30に吸収が発生するため、ニオブドープ酸化チタン膜30の成膜プロセスガスに酸素を0.1%以上添加するのが好ましい。また、成膜プロセスガスに酸素を10%以上添加すると、成膜したニオブドープ酸化チタン膜30のシート抵抗値が高くなるため、ニオブドープ酸化チタン膜30の成膜プロセスガスに酸素を10%以下添加するのが好ましい。
また、ニオブドープ酸化チタン膜30は、ITO膜20の上にニオブドープ酸化チタン膜30を形成する際に、結晶系がアナターゼ型、ルチル型、又は、それらの混晶となって微粒子膜半導体層の熱膨張係数に近づくので、透明電極基材100上に形成された微粒子膜半導体層の焼成処理時において、ニオブドープ酸化チタン膜30上に形成された微粒子膜半導体層が剥離することはない。
また、ITO膜20の上にニオブドープ酸化チタン膜30を形成することにより、上記焼成処理において高温に曝されても、ニオブドープ酸化チタン膜30が酸素を遮断するため、ITO膜20の酸化による透明電極基材100のシート抵抗値の上昇が抑制される。
また、ニオブドープ酸化チタン膜30の替わりにニオブを添加しない酸化チタン膜を用いた場合、このニオブを添加しない酸化チタン膜のシート抵抗値が2×1013Ω/□と高いため、ITO膜20の上に酸化チタン膜を形成しても透明電極基材100のシート抵抗値が高く光電変換装置用の透明電極基材として用いることができない。また、ニオブドープ酸化チタン膜30におけるニオブの添加量を原子パーセントで30%以下とすると、シート抵抗値を低く維持するだけでなく、ニオブドープ酸化チタンが非晶質となるのを防止すると共に透明電極基材上に形成された微粒子膜半導体層の焼成処理時における剥離を防止することができる。以上より、ニオブドープ酸化チタン膜30におけるニオブの添加量を原子パーセントで0.1%以上30%以下とするのが好ましく、1%以上10%以下とするのがさらに好ましい。
また、ニオブドープ酸化チタン膜30の膜厚について、格子歪みの少ない均一な膜を得るために10nm以上とするのが好ましく、ニオブドープ酸化チタン膜30の導電率が透明導電膜としてのITO膜20の導電率に比べて高いことを考慮し、上記焼成処理後に、透明電極基材100のシート抵抗値を100Ω/□以下にするため、200nm以下とするのが好ましい。
また、ITO膜20の膜厚について、上記焼成処理後の透明電極基材100のシート抵抗値を100Ω/□以下にするため、膜厚を100nm以上とするのが好ましく、また、膜厚が厚くなれば透明導電膜としての導電性が高くなり好ましいが、可視光透過率の低下や経済的観点から1000nm以下とするのが好ましい。
本実施の形態によれば、ニオブドープ酸化チタン膜30におけるニオブの添加量が原子パーセントで0.1%以上30%以下であり、ニオブドープ酸化チタン膜30の膜厚が10nm以上200nm以下であるので、ニオブドープ酸化チタン膜30上に形成された微粒子膜半導体層の焼成処理時における剥離を防止すると共に透明電極基材100のシート抵抗値を低く維持することができる。即ち、ニオブドープ酸化チタン膜30におけるニオブの添加量が原子パーセントで0.1%以上であるので、酸化チタンにニオブを全く添加しない場合の透明電極基材100のシート抵抗値(2×1013Ω/□)よりもシート抵抗値を低くすることができ、また、ニオブドープ酸化チタンにおけるニオブの添加量が原子パーセントで30%以下であるので、透明電極基材100のシート抵抗値を低く維持するだけでなく、ニオブドープ酸化チタン膜30が非晶質となるのを防止すると共にニオブドープ酸化チタン膜30上に形成された微粒子膜半導体層の焼成処理時における剥離を防止することができる。また、ニオブドープ酸化チタン膜30の膜厚を10nm以上としているので、十分均一な膜を得ることができ、また、ニオブドープ酸化チタン膜30の膜厚を200nm以下としているので、シート抵抗値を低く維持すると共に可視光透過率を高く維持することができる。
本実施の形態によれば、焼成処理は、400〜550℃で30〜60分加熱する加熱処理であるので、ニオブドープ酸化チタン膜30の上に酸化チタンから成る微粒子膜半導体層を確実に形成することができる。
本実施の形態によれば、ニオブドープ酸化チタン膜30は、焼成処理の前後において、結晶系がアナターゼ型、ルチル型、又は、それらの混晶であるので、酸化チタンから成る微粒子膜半導体層とニオブドープ酸化チタン膜30との熱膨張係数を近づけることができ、もってニオブドープ酸化チタン膜30とその上に形成された酸化チタンから成る微粒子膜半導体層との密着性を向上して、ニオブドープ酸化チタン膜30の上に形成された酸化チタンから成る微粒子膜半導体層に膜剥離が発生するのを防止することができる。
なお、焼成処理により、ニオブドープ酸化チタン膜30の結晶系自体は変化しないが、アナターゼ/ルチルの割合が変化しているものと考えられる。
本実施の形態では、ガラス基板10の上にITO膜20が形成されているが、これに限定されるものではなく、ガラス基板10の上にインジウム酸化亜鉛(IZO)膜や、ITO、IZOの積層膜が形成されていてもよい。
本実施の形態では、酸化チタン(TiO2)から成る微粒子膜半導体層が形成されているが、これに限定されるものではなく、ニオブドープ酸化チタン膜30との熱膨張係数が近いものであれば何であってもよく、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3)、五酸化二ニオブ(Nb2O5)のいずれか1つから成る微粒子膜半導体層であってもよい。また、微粒子膜半導体層ではなく、メソポーラス膜半導体層であってもよい。
本実施の形態では、ガラス基材10として無アルカリガラス基板を用いているが、ガラス基板について特に限定されるものではなく、透明基板であればソーダライムガラス基板等であってもよい。
以下、本発明の実施例を説明する。
本発明者は、まず、厚さ0.7mmの板状の透明な無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法で基板加熱をしながらITO又はIZOから成る透明導電膜を形成した。ここで、透明導電膜がITO膜である場合においては、酸化インジウム(In2O3)を90wt%、酸化スズ(SnO2)を10wt%含むターゲットを使用し、透明導電膜がIZO膜である場合においては、酸化インジウム(In2O3)を90wt%、酸化亜鉛(ZnO)を10wt%含むターゲットを使用する。なお、このターゲットのサイズは0.381×0.127m(15×5インチ)である。また、成膜出力1kW、成膜圧力0.6Pa、Ar+O2混合ガス雰囲気中で無アルカリガラス基板を300℃に加熱して成膜を実施した。また、無アルカリガラス基板の搬送速度を調整することにより透明導電膜の膜厚を調整した。
本発明者は、次に、透明導電膜の上に金属酸化物膜としてのニオブドープ酸化チタン膜を形成すべく、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、放電出力3kW、成膜圧力0.6Pa、Ar+O2混合ガス雰囲気中で透明導電膜が形成された無アルカリガラス基板を250℃に加熱してニオブドープ酸化チタン膜の成膜を実施した。また、透明導電膜が形成された無アルカリガラス基板の搬送速度を調整することによりニオブドープ酸化チタン膜の膜厚を調整した。
本発明者は、上述したように、透明電極基材サンプル(実施例1〜10)を作製し、これらの作製された透明電極基材サンプルについてシート抵抗値測定、透過率測定、及び剥離評価を実施した。ここで、シート抵抗値測定については、三菱油化(株)製LorestaIP MCP−T250を用いて、成膜後(焼成処理前)のシート抵抗値、及び、成膜後に電気炉内で酸化チタンペーストを載せずに450℃で1時間加熱して室温まで徐冷した後(焼成処理後)のシート抵抗値を測定した。また、透過率測定については、波長550nmの透過率を焼成処理前後で測定した。また、剥離評価については、透明電極基材にマスキングテープを貼って段差を設け、酸化チタン(TiO2)ペースト(Solaronix社製、Ti−Nanoxide D)を載せて、ガラス棒で引き伸ばすことにより透明電極基材上に酸化チタン(TiO2)ペーストを膜状に形成した。その後、マスキングテープを剥がし、電気炉内で450℃で1時間加熱して室温まで徐冷した後(焼成処理後)に、剥離試験を実施した。この剥離試験は、以下の(1)〜(4)の工程から成る。
(1) 膜表面側に(1mm間隔に)カッターで賽の目状に切れ目を入れる(カットする)。
(2) 賽の目状に膜に切れ目が入っているか確認した後に、日東電工製セロハンテープNo.29を貼る。
(3) セロハンテープを貼って5分以内に、セロハンテープを60度前後の角度で引っ張り、0.5〜1秒で確実に引き剥がすようにする。
(4)セロハンテープを引き剥がした後に、JISK5600−5−6の評価方法に従って膜剥離について評価する。
(1) 膜表面側に(1mm間隔に)カッターで賽の目状に切れ目を入れる(カットする)。
(2) 賽の目状に膜に切れ目が入っているか確認した後に、日東電工製セロハンテープNo.29を貼る。
(3) セロハンテープを貼って5分以内に、セロハンテープを60度前後の角度で引っ張り、0.5〜1秒で確実に引き剥がすようにする。
(4)セロハンテープを引き剥がした後に、JISK5600−5−6の評価方法に従って膜剥離について評価する。
上記(4)における膜剥離についての評価は3段階の評価基準(◎、○、×)を用いて行った。
「◎」は、カットした面が滑らかであって、どの格子の目においても膜剥離が無いこと、又は、カットした面における交点で小さな膜剥離が有り、クロスカットの影響を受けている膜面積が全体の膜面積の5%未満であることを示す。
「○」は、クロスカットの縁に沿って、又は、カットした面における交点で膜剥離が有ると共に、クロスカットの影響を受けている膜面積が全体の膜面積の5%以上15%以内であることを示す。
「×」は、クロスカットの影響を受けている膜面積が全体の膜面積の15%を超えていることを示す。
なお、上記評価基準の「◎」又は「○」であれば、膜剥離が少なく、問題ない範囲である。
本発明者は、さらに、透明電極基材サンプル(比較例1〜5)についても透明電極基材サンプル(実施例1〜10)と同様の方法で作製し、シート抵抗値測定、透過率測定、及び剥離評価を実施した。
以下、実施例1〜10、比較例1〜5について説明する。
(実施例1)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
次に、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、Ar+O2混合ガス(O2/Ar+O2=2%)の雰囲気中でニオブドープ酸化チタン膜の成膜を実施したところ、ニオブドープ酸化チタン膜におけるニオブの添加量が原子パーセントで6%であり、ニオブドープ酸化チタン膜の膜厚が100nmである透明電極基材サンプルが得られた。なお、ニオブドープ酸化チタン膜の結晶系は、焼成処理前後においてアナターゼとルチルとの混晶であった。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が10Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が27Ω/□、焼成処理前の透過率が81%、焼成処理後の透過率が83%、剥離については「◎」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は高かった。
(実施例2)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=2%)の雰囲気中で膜厚が200nmのIZO膜を形成した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=2%)の雰囲気中で膜厚が200nmのIZO膜を形成した。
次に、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、Ar+O2混合ガス(O2/Ar+O2=2%)の雰囲気中でニオブドープ酸化チタン膜の成膜を実施したところ、ニオブドープ酸化チタン膜におけるニオブの添加量が原子パーセントで6%であり、ニオブドープ酸化チタン膜の膜厚が100nmである透明電極基材サンプルが得られた。なお、ニオブドープ酸化チタン膜の結晶系は、焼成処理前後においてアナターゼとルチルとの混晶であった。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が27Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が27Ω/□、焼成処理前の透過率が78%、焼成処理後の透過率が80%、剥離については「◎」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は高かった。
(実施例3)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
次に、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、Ar+O2混合ガス(O2/Ar+O2=2%)の雰囲気中でニオブドープ酸化チタン膜の成膜を実施したところ、ニオブドープ酸化チタン膜におけるニオブの添加量が原子パーセントで0.1%であり、ニオブドープ酸化チタン膜の膜厚が100nmである透明電極基材サンプルが得られた。なお、ニオブドープ酸化チタン膜の結晶系は、焼成処理前後においてアナターゼとルチルとの混晶であった。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が45Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が70Ω/□、焼成処理前の透過率が80%、焼成処理後の透過率が83%、剥離については「◎」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は高かった。
(実施例4)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
次に、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、Ar+O2混合ガス(O2/Ar+O2=2%)の雰囲気中でニオブドープ酸化チタン膜の成膜を実施したところ、ニオブドープ酸化チタン膜におけるニオブの添加量が原子パーセントで2%であり、ニオブドープ酸化チタン膜の膜厚が100nmである透明電極基材サンプルが得られた。なお、ニオブドープ酸化チタン膜の結晶系は、焼成処理前後においてアナターゼとルチルとの混晶であった。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が10Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が27Ω/□、焼成処理前の透過率が80%、焼成処理後の透過率が83%、剥離については「◎」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は高かった。
(実施例5)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
次に、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、Ar+O2混合ガス(O2/Ar+O2=2%)の雰囲気中でニオブドープ酸化チタン膜の成膜を実施したところ、ニオブドープ酸化チタン膜におけるニオブの添加量が原子パーセントで20%であり、ニオブドープ酸化チタン膜の膜厚が100nmである透明電極基材サンプルが得られた。なお、ニオブドープ酸化チタン膜の結晶系は、焼成処理前後においてアナターゼとルチルとの混晶であった。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が16Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が38Ω/□、焼成処理前の透過率が78%、焼成処理後の透過率が76%、剥離については「◎」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は高かった。
(実施例6)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
次に、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、Ar+O2混合ガス(O2/Ar+O2=2%)の雰囲気中でニオブドープ酸化チタン膜の成膜を実施したところ、ニオブドープ酸化チタン膜におけるニオブの添加量が原子パーセントで6%であり、ニオブドープ酸化チタン膜の膜厚が10nmである透明電極基材サンプルが得られた。なお、ニオブドープ酸化チタン膜の結晶系は、焼成処理前後においてアナターゼとルチルとの混晶であった。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が10Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が35Ω/□、焼成処理前の透過率が73%、焼成処理後の透過率が75%、剥離については「◎」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は高かった。
(実施例7)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
次に、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、Ar+O2混合ガス(O2/Ar+O2=2%)の雰囲気中でニオブドープ酸化チタン膜の成膜を実施したところ、ニオブドープ酸化チタン膜におけるニオブの添加量が原子パーセントで6%であり、ニオブドープ酸化チタン膜の膜厚が50nmである透明電極基材サンプルが得られた。なお、ニオブドープ酸化チタン膜の結晶系は、焼成処理前後においてアナターゼとルチルとの混晶であった。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が10Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が30Ω/□、焼成処理前の透過率が70%、焼成処理後の透過率が72%、剥離については「◎」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は高かった。
(実施例8)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
次に、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、Ar+O2混合ガス(O2/Ar+O2=0.3%)の雰囲気中でニオブドープ酸化チタン膜の成膜を実施したところ、ニオブドープ酸化チタン膜におけるニオブの添加量が原子パーセントで6%であり、ニオブドープ酸化チタン膜の膜厚が100nmである透明電極基材サンプルが得られた。なお、ニオブドープ酸化チタン膜の結晶系は、焼成処理前後においてアナターゼとルチルとの混晶であった。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が10Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が12Ω/□、焼成処理前の透過率が66%、焼成処理後の透過率が80%、剥離については「○」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は高かった。
(実施例9)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
次に、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、Ar+O2混合ガス(O2/Ar+O2=8%)の雰囲気中でニオブドープ酸化チタン膜の成膜を実施したところ、ニオブドープ酸化チタン膜におけるニオブの添加量が原子パーセントで6%であり、ニオブドープ酸化チタン膜の膜厚が100nmである透明電極基材サンプルが得られた。なお、ニオブドープ酸化チタン膜の結晶系は、焼成処理前後においてアナターゼとルチルとの混晶であった。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が40Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が68Ω/□、焼成処理前の透過率が83%、焼成処理後の透過率が84%、剥離については「◎」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は高かった。
(実施例10)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が300nmのITO膜を形成した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が300nmのITO膜を形成した。
次に、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、Ar+O2混合ガス(O2/Ar+O2=2%)の雰囲気中でニオブドープ酸化チタン膜の成膜を実施したところ、ニオブドープ酸化チタン膜におけるニオブの添加量が原子パーセントで6%であり、ニオブドープ酸化チタン膜の膜厚が100nmである透明電極基材サンプルが得られた。なお、ニオブドープ酸化チタン膜の結晶系は、焼成処理前後においてアナターゼとルチルとの混晶であった。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が7Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が15Ω/□、焼成処理前の透過率が82%、焼成処理後の透過率が84%、剥離については「◎」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は高かった。
(比較例1)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成した。
次に、亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、Ar+O2混合ガス(O2/Ar+O2=2%)の雰囲気中で酸化チタン膜の成膜を実施したところ、酸化チタン膜の膜厚が100nmである透明電極基材サンプルが得られた。なお、酸化チタン膜の結晶系は、焼成処理前後においてアナターゼとルチルとの混晶であった。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前後のシート抵抗値がオーバーロードで測定不能であり、焼成処理前の透過率が80%、焼成処理後の透過率が81%、剥離については「◎」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は高かった。
(比較例2)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成して透明電極基材サンプルを作製した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのITO膜を形成して透明電極基材サンプルを作製した。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が10Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が45Ω/□、焼成処理前の透過率が77%、焼成処理後の透過率が75%、剥離については「×」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は低かった。
(比較例3)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのIZO膜を形成して透明電極基材サンプルを作製した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が200nmのIZO膜を形成して透明電極基材サンプルを作製した。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が25Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が125Ω/□、焼成処理前の透過率が73%、焼成処理後の透過率が74%、剥離については「×」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は低かった。
(比較例4)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が220nmのITO膜を形成した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が220nmのITO膜を形成した。
次に、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、Ar+O2混合ガス(O2/Ar+O2=2%)の雰囲気中でニオブドープ酸化チタン膜の成膜を実施したところ、ニオブドープ酸化チタン膜におけるニオブの添加量が原子パーセントで6%であり、ニオブドープ酸化チタン膜の膜厚が250nmである透明電極基材サンプルが得られた。なお、ニオブドープ酸化チタン膜の結晶系は、焼成処理前後においてアナターゼとルチルとの混晶であった。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が110Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が150Ω/□、焼成処理前の透過率が74%、焼成処理後の透過率が75%、剥離については「◎」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は高かった。
(比較例5)
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が250nmのITO膜を形成した。
まず、無アルカリガラス基板を準備し、この無アルカリガラス基板上にスパッタリング法でAr+O2混合ガス(O2/Ar+O2=1%)の雰囲気中で膜厚が250nmのITO膜を形成した。
次に、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを出発原料として、Ar+O2混合ガス(O2/Ar+O2=2%)の雰囲気中でニオブドープ酸化チタン膜の成膜を実施したところ、ニオブドープ酸化チタン膜におけるニオブの添加量が原子パーセントで40%であり、ニオブドープ酸化チタン膜の膜厚が100nmである透明電極基材サンプルが得られた。なお、ニオブドープ酸化チタン膜の結晶系は、焼成処理前後において非晶質であった。ここで、非晶質とは、XRDにおいて結晶ピークが現れないことを意味する。
この透明電極基材サンプルは、焼成処理前のシート抵抗値が150Ω/□、焼成処理後のシート抵抗値が170Ω/□、焼成処理前の透過率が79%、焼成処理後の透過率が81%、剥離については「×」であり、ニオブドープ酸化チタン膜と酸化チタンペーストとの密着性は低かった。
上記透明電極基材サンプル(実施例1〜10、比較例1〜5)のシート抵抗値測定、透過率測定、及び剥離評価の結果を図2に示す。
図2より、ニオブドープ酸化チタン膜におけるニオブの添加量が原子パーセントで0.1%以上30%以下であり、ニオブドープ酸化チタン膜の膜厚が10nm以上200nm以下であると、ニオブドープ酸化チタン膜上に形成された酸化チタンペーストの焼成処理時における剥離を防止すると共に透明電極基材のシート抵抗値を低く維持することができることが分かった。
10 ガラス基板
20 ITO膜
30 ニオブドープ酸化チタン膜
100 透明電極基材
20 ITO膜
30 ニオブドープ酸化チタン膜
100 透明電極基材
Claims (9)
- 基材と、前記基材上に形成されたインジウム酸化錫又はインジウム酸化亜鉛と、前記インジウム酸化錫又は前記インジウム酸化亜鉛の上に形成されたニオブドープ酸化チタンとを備える透明電極基材であって、前記ニオブドープ酸化チタンにおけるニオブの添加量が原子パーセントで0.1%以上30%以下であり、前記ニオブドープ酸化チタンの膜厚が10nm以上200nm以下であることを特徴とする透明電極基材。
- 前記ニオブドープ酸化チタンは、ニオブを添加した亜酸化物チタンターゲットを用いてスパッタリング法により形成されることを特徴とする請求項1記載の透明電極基材。
- 焼成処理の前において、前記ニオブドープ酸化チタンは、結晶系がアナターゼ型、ルチル型、又は、それらの混晶であることを特徴とする請求項1又は2記載の透明電極基材。
- 焼成処理の後において、前記ニオブドープ酸化チタンは、結晶系がアナターゼ型、ルチル型、又は、それらの混晶であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の透明電極基材。
- 焼成処理の前のシート抵抗値が50Ω/□以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の透明電極基材。
- 前記焼成処理の前のシート抵抗値が15Ω/□以下であることを特徴とする請求項5記載の透明電極基材。
- 焼成処理の後のシート抵抗値が100Ω/□以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の透明電極基材。
- 前記焼成処理の後のシート抵抗値が30Ω/□以下であることを特徴とする請求項7記載の透明電極基材。
- 請求項1又は2記載の透明電極基材上に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、五酸化二ニオブから選択されたいずれか1つから成る半導体層としてのメソポーラス膜又は微粒子膜を形成したことを特徴とする光電変換装置。
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