JP2007328265A - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】投射画像の画質を良好に維持することのできるプロジェクタを提供すること。
【解決手段】本発明のプロジェクタは、液晶パネルの光束入射側および射出側に入射側偏光板および射出側偏光板が介在配置され、入射側偏光板および射出側偏光板は、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸して製造された偏光フィルム、および、偏光フィルムの両面に接着されたTACシートを有する偏光素子本体52と、偏光素子本体52に接着された透光性基板とを備え、偏光素子本体52は、透光性基板の接着前に、変形を規制された状態で加熱温度110℃以上120℃以下、かつ、加熱時間2時間以上の加熱条件で加熱処理されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、プロジェクタに関する。
従来、光源ランプと、光源ランプから射出された光束を画像情報に応じて変調し光学像を形成する液晶パネルと、液晶パネルで形成された光学像を拡大投射する投射レンズとを備えたプロジェクタにおいて、液晶パネルにおける光利用率を向上させるために、液晶パネルの光束入射側および射出側において、入射光束のうち所定方向の偏光光のみを透過し他方向の偏光光を吸収する偏光素子が配置されている。
このような偏光素子は、透光性基板上に偏光素子本体が貼付された構成を有している。そして、偏光素子本体は、入射した光束のうち所定方向の偏光光を透過し他方向の偏光光を吸収する偏光フィルムと、この偏光フィルムを保護するための保護層から構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の偏光素子本体としての複合シートは、偏光フィルムとしてのポリビニルアルコール(以下、PVA)系シートの少なくともいずれかの面に、保護層としての熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートを積層させて構成されている。この複合シートを製造する際には、まず、PVAを主成分とするPVA系フィルムを延伸させてPVA系シートを製造し、このPVA系シート面に接着剤を介して熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートを接着させている。そして、この複合シートを透光性基板に接着することで偏光素子を製造している。
特開平5−212828号公報
しかしながら、このような偏光素子における偏光フィルムは、前述したように、PVA系フィルムを延伸させて製造されていることから残留応力を有している。さらに、プロジェクタの動作中には、偏光光の吸収により偏光素子には熱が発生する。また、偏光素子周囲の湿気が高い場合も考えられる。このとき、熱や湿気等により偏光フィルムの残留応力が増大し、偏光フィルムが収縮することがある。
偏光素子本体において偏光フィルムが収縮すると、偏光素子本体にクラックや反りが生じる恐れがある。特に、偏光素子本体の反りが大きくなると、偏光素子本体と透光性基板間の接着力が弱い場合、偏光素子本体が透光性基板から剥離する場合もある。
このように、プロジェクタ内の偏光素子の偏光素子本体にクラックや大きい反りが生じると、プロジェクタの投射画像の画質悪化が引き起こされるという課題がある。
本発明の目的は、投射画像の画質を良好に維持することのできるプロジェクタを提供することにある。
前記した目的を達するために、本発明のプロジェクタは、入射した光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、前記光変調装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、前記光変調装置の光束入射側および光束射出側の少なくともいずれかに、入射した光束のうち所定方向の偏光光のみを透過する偏光素子が介在配置され、前記偏光素子は、ポリビニルアルコールを主成分とするポリビニルアルコール系フィルムを延伸して製造された偏光フィルム、および、前記偏光フィルムの少なくともいずれかの面に接着された保護層を有する偏光素子本体と、透光性を有する材料から構成され、前記偏光素子本体の少なくともいずれかの面に接着された透光性基板とを備え、前記偏光素子本体は、前記透光性基板の接着前に、変形を規制された状態で加熱温度110℃以上120℃以下、かつ、加熱時間2時間以上の加熱条件で加熱処理されていることを特徴とする。
ここで、保護層として、例えば、セルローストリアセテート(TAC)から形成されたシートが挙げられる。また、透光性基板としては、例えば、水晶またはサファイア等の光学結晶材料で構成できる。
本発明によれば、偏光素子本体を加熱処理することで、偏光素子本体の偏光フィルムおよび保護層が加熱温度に応じた収縮量で収縮する。このように、偏光素子の製造段階に、偏光フィルムを収縮させて残留応力を分散させておくことで、プロジェクタの動作中に、偏光素子周囲に熱や湿気等が生じても、偏光素子の偏光フィルムの収縮を抑制することができる。
このように、プロジェクタの動作中における偏光フィルムの収縮を抑制できるので、偏光フィルムの収縮によって、偏光素子本体にクラックや大きい反りが生じることを抑制することができる。従って、偏光素子本体のクラックや反りによるプロジェクタの投写画像の画質悪化を抑制することができ、投射画像の画質を良好に維持することのできるプロジェクタを製造することができる。
さらに、偏光素子本体の変形を規制した状態で偏光素子本体を加熱処理するため、加熱処理による偏光フィルムの収縮によって、偏光素子本体が変形することを抑制することができる。
そして、本発明では、偏光素子本体に対し、加熱温度110℃以上120℃以下、かつ、加熱時間2時間以上の加熱条件で加熱処理を行った。
ここで、110℃よりも低い加熱温度で加熱処理を行うと、偏光フィルムを適切な収縮量まで収縮させるには、長時間の加熱時間を要する。一方、120℃よりも高い加熱時間で加熱処理を行うと、偏光フィルムが逆に収縮しにくくなり、偏光フィルムの応力分散効率が低下する。
これに対し、本発明のように、110℃以上120℃以下で加熱処理を行うと、偏光フィルムが収縮しやすく、高い応力分散効率を得ることが出来る。すなわち、比較的短時間で、偏光フィルムの収縮によるクラックおよび反りが生じにくい偏光素子を製造することができる。従って、比較的短時間で、投射画像の画質を良好に維持することのできるプロジェクタを製造することができる。
本発明では、前記偏光素子本体は、型枠内に設置されることで変形が規制され、前記型枠は、当該型枠内に設置された前記偏光素子本体に対し、前記偏光素子本体の厚み方向において所定寸法の隙間を有していることが好ましい。
本発明によれば、厚み方向において偏光素子本体に対し所定寸法の隙間を有する型枠内に偏光素子本体を設置することで、加熱処理の際に、偏光素子本体に圧力をかけることなく偏光素子本体が所定寸法以上に変形することを規制することができる
また、偏光素子本体を型枠内部に設置するだけでその変形を規制できるため、型枠は、例えば、偏光素子本体をプレスする構成などを備える必要がないことから、構成を簡素なものとすることができる。
本発明では、前記偏光素子本体の厚み方向寸法をDとすると、前記隙間の所定寸法は、D±0.1×Dであることが好ましい。
本発明によれば、偏光素子本体を、厚み方向においてD±0.1×Dの隙間を有する型枠内に設置することで偏光素子本体の変形を規制する。隙間の所定寸法をD±0.1×Dと設定したことで、偏光素子本体を製造規格(例えば、偏光素子本体の面方向寸法をLとすると、偏光素子本体の反り量は、L×0.1以内)以上に変形することを規制することができる。また、D±0.1×D以内の反り量を許容しているため、偏光フィルムが収縮しやすくなり、偏光フィルムの応力分散効率を高めることができる。
本発明では、前記偏光素子本体は、当該偏光素子本体の両面に金型の成形面が当接されることで変形を規制されることが好ましい。
ここで、金型として例えば、それぞれ成形面を有する2枚のプレス板から構成されるプレス型を採用できる。そして、このプレス型の2枚のプレス板間に偏光素子本体を挟持させ、互いの方向に押圧させることで偏光素子本体の変形を規制することができる。
本発明によれば、金型の成形面に偏光素子本体の各面をそれぞれ当接させることで偏光素子本体の変形を規制し、偏光素子本体の変形を規制した状態で加熱処理を施す。このように、金型の成形面に偏光素子本体の各面をそれぞれ当接させながら加熱処理することで、偏光素子本体の変形を規制できるとともに、偏光素子本体の偏光フィルムと保護層の接着強度を高めることができる。
本発明では、前記偏光素子本体は、前記偏光フィルムのいずれかの面に前記保護層が接着されて構成され、前記偏光フィルムに当接する成形面が凹曲面であり前記保護層に当接する成形面が凸曲面である前記金型を用いて、当該偏光素子本体が湾曲面状に設定されることで変形を規制されることが好ましい。
ここで、金型として例えば、それぞれ円筒面状の成形面を有する2枚のプレス曲板から構成されるプレス型が採用できる。そしてこのプレス型のプレス曲板間に偏光素子本体を挟持させ、互いに押圧させることで、前記偏光素子本体を湾曲面状に設定した状態で変形を規制することができる。
また、偏光素子本体を加熱処理すると、偏光素子本体は、偏光フィルムの片面にのみ保護層が接着されていることから、偏光フィルム側(保護層が接着されていない面側)が凹となる湾曲面状に変形しやすい。
これに対し、本発明によれば、金型の凹曲面状の成形面に偏光素子本体の偏光フィルム面を当接させ、凸曲面状の成形面に保護層面をそれぞれ当接させることで、予め偏光素子本体を偏光フィルム側が凸となる湾曲面状に設定し、変形を規制する。すると、加熱処理後、金型から偏光素子本体を取り出すと、偏光フィルムの収縮を利用して偏光素子本体の形状を平板状に変形させることができる。従って、変形規制および加熱処理によって、平板状の偏光素子本体を製造することができる。
図を用いて、本発明の実施形態を説明する。
<第1実施形態>
〔プロジェクタ1の概略構成〕
図1は、第1実施形態のプロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
本実施形態のプロジェクタ1は、光源装置41から射出される光束を画像情報に応じて変調してカラー画像(光学像)を形成し、このカラー学像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。
このプロジェクタ1は、図1に示すように、外装筺体2と、投射光学装置としての投射レンズ3と、光学ユニット4等を備える。なお、図1において、図示は省略するが、外装筺体2内において、投射レンズ3および光学ユニット4以外の空間には、プロジェクタ1内部を冷却する冷却ユニット、プロジェクタ1内部の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、およびプロジェクタ1内部の各構成を制御する制御装置等が配置されるものとする。
このうち、投射レンズ3は、光学ユニット4にて形成されたカラー画像をスクリーン上に拡大投射する。この投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。
〔光学ユニット4の詳細な構成〕
光学ユニット4は、前記制御装置による制御の下、光源装置41から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応したカラー画像を形成するユニットである。この光学ユニット4は、図1に示すように、外装筺体2の背面に沿って延出するとともに、外装筺体2の側面に沿って延出する平面視略L字形状を有している。
光学ユニット4は、図1に示すように、光源装置41と、均一照明光学装置42と、色分離光学装置43と、リレー光学装置44と、電気光学装置45と、これら光学部品42〜45を内部に収納配置する光学部品用筐体46とを備える。
光源装置41は、前記制御装置による制御の下、点灯して平行光を均一照明光学装置42に向けて射出する。この光源装置41は、図1に示すように、光源ランプ411およびリフレクタ412を有する光源装置本体41Aと、平行化レンズ413と、これら各部材411〜413を内部に収納するランプハウジング414とを備える。そして、光源ランプ411から射出された放射状の光束は、リフレクタ412にて反射され、平行化レンズ413を介して平行光とされる。
均一照明光学装置42は、光源装置41から射出された光束を、電気光学装置45を構成する液晶パネル451の画像形成領域に略均一に照明するための光学系である。この均一照明光学装置42は、図1に示すように、第1レンズアレイ421と、第2レンズアレイ422と、偏光変換素子423と、重畳レンズ424とを備える。
第1レンズアレイ421は、入射光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する第1小レンズが、入射光軸に対し略直交する面内においてマトリクス状に配列された構成を有している。各第1小レンズは、光源装置41から射出される光束を複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ422は、第1レンズアレイ421と略同様な構成を有しており、第2小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ422は、重畳レンズ424とともに、第1レンズアレイ421の各第1小レンズの像を電気光学装置45の液晶パネル451上に結像させる機能を有している。
偏光変換素子423は、第2レンズアレイ422と重畳レンズ424との間に配置され、第2レンズアレイ422からの光を略1種類の偏光光に変換するものである。
具体的に、偏光変換素子423によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ424によって最終的に電気光学装置45の液晶パネル451上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置41からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子423を用いることで、光源装置41からの射出光を略1種類の偏光光に変換し、電気光学装置45での光の利用効率を高めている。
色分離光学装置43は、図1に示すように、2枚のダイクロイックミラー431,432と、反射ミラー433とを備え、ダイクロイックミラー431,432により均一照明光学装置42から射出された複数の部分光束を、赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学装置44は、図1に示すように、入射側レンズ441、リレーレンズ443、および反射ミラー442,444を備え、色分離光学装置43で分離された赤色光を電気光学装置45の後述する赤色光用の液晶パネル451Rまで導く機能を有している。
この際、色分離光学装置43のダイクロイックミラー431では、均一照明光学装置42から射出された光束の青色光成分が反射するとともに、赤色光成分と緑色光成分とが透過する。ダイクロイックミラー431によって反射した青色光は、反射ミラー433で反射し、フィールドレンズ425を通って電気光学装置45の後述する青色光用の液晶パネル451Bに達する。
このフィールドレンズ425は、第2レンズアレイ422から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光用、赤色光用の液晶パネル451G,451Rの光束入射側に設けられたフィールドレンズ425も同様である。
ダイクロイックミラー431を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー432によって反射し、フィールドレンズ425を通って電気光学装置45の緑色光用の液晶パネル451Gに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー432を透過してリレー光学装置44を通り、さらにフィールドレンズ425を通って電気光学装置45の赤色光用の液晶パネル451Rに達する。
なお、赤色光にリレー光学装置44が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ441に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ425に伝えるためである。
電気光学装置45は、図1に示すように、光変調装置としての3枚の液晶パネル451(赤色光用の液晶パネルを451R、緑色光用の液晶パネルを451G、青色光用の液晶パネルを451Bとする)と、これら液晶パネル451の光束入射側および光束射出側にそれぞれ配置される偏光素子としての入射側偏光板5および射出側偏光板6と、クロスダイクロイックプリズム454とを備える。
入射側偏光板5は、色分離光学装置43で分離された各色光のうち、偏光変換素子423で揃えられた偏光軸と同方向の偏光軸を有する偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、詳しくは後述するが、サファイアガラス等の透光性基板51(図2)に偏光素子本体52(図2)が貼付されたものである。
液晶パネル451R,451G,451Bは、一対の透明ガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、画像情報に応じて画像形成領域内にある前記液晶の配向状態を制御し、入射側偏光板5から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。
射出側偏光板6は、入射側偏光板5と略同様に構成され、液晶パネル451の画像形成領域から射出された光束のうち、入射側偏光板5における光束の偏光軸と直交する偏光軸を有する光束のみ透過させ、その他の光束を吸収する。
なお、入射側偏光板5および射出側偏光板6の具体的な構成および製造方法については、後述する。
クロスダイクロイックプリズム454は、射出側偏光板6から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する。
このクロスダイクロイックプリズム454は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、液晶パネル451Gから射出され射出側偏光板6を介した色光を透過し、液晶パネル451R,451Bから射出され射出側偏光板6を介した色光を反射する。このようにして、各色光が合成されてカラー画像が形成される。
そして、クロスダイクロイックプリズム454で形成されたカラー画像は、前述した投射レンズ3によりスクリーン等へ拡大投射される。
〔入射側偏光板5および射出側偏光板6の具体的な構成〕
入射側偏光板5および射出側偏光板6は略同様の構成を有しているため、ここでは入射側偏光板5の構成を代表して説明する。
図2は、入射側偏光板5の厚み方向に沿う模式断面図である。
入射側偏光板5は、図2に示すように、透光性基板51上に、粘着シート524を介して偏光素子本体52が貼付された構成を有している。
透光性基板51は、偏光素子本体52で生じた熱を吸収して放熱することで、偏光素子本体52の急激な温度上昇を抑制している。透光性基板51は、サファイアガラスまたは水晶等の優良な熱伝導性および透光性を有する材料により矩形状に形成されている。
偏光素子本体52は、透過光の所定方向の偏光軸を有する偏光光を透過させる。偏光素子本体52は、図2に示すように、透過光を偏光する偏光フィルム521と、偏光フィルム521を保護する保護層としての2枚のセルローストリアセテート(以下、TAC)シート522A,522Bとが積層された構成を有している。
偏光フィルム521は、入射した光束のうち所定の偏光軸を有する偏光光を透過し、他の光束を吸収する矩形状のフィルム(偏光膜)である。この偏光フィルム521は、ポリビニルアルコール(以下、PVA)を主成分とするPVA系フィルムを一方向に延伸し、ヨウ素を吸着・分散させたものである。
PVA系フィルムからなるフィルムとしては、偏光膜としての機能を有するものであれば、特に限定されない。例えば、PVA系フィルムに二色性の高い直接染料を拡散吸着させた後、一方向に延伸したPVA・染料系偏光膜、PVA系フィルムに金、銀、水銀、鉄などの金属を吸着させたPVA・金属系偏光膜、PVA系フィルムをヨウ化カリとチオ硫酸ソーダを含むホウ酸溶液で処理した近紫外偏光膜、および、分子内にカチオン基を含有する変成PVAからなるPVA系フィルムの表面および内部の少なくとも一方に二色性染料を有する偏光膜等を採用してもよい。
TACシート522A,522Bは、偏光フィルム521の耐久性および機械的強度を確保するために、偏光フィルム521の両面に、それぞれ接着剤523を介して接着されている。これは、偏光フィルム521が、厚み方向の機械的強度が弱く、さらに、熱や湿気によって収縮したり偏光機能が低下し易い性質があるためである。TACは、高い熱可塑性を有する透明樹脂である。
〔入射側偏光板5および射出側偏光板6の製造方法〕
次に、偏光素子本体52から入射側偏光板5および射出側偏光板6を製造する製造方法について説明する。製造方法においても、入射側偏光板5を代表して説明する。
図3は、入射側偏光板5の製造方法を示すフロー図である。
なお、偏光素子本体52には、図4に示すように、TACシート522Aに粘着シート524が貼付されている。さらに、この粘着シート524には、損傷防止や作業性向上のために離型紙525が貼付されている。便宜上、粘着シート524および離型紙525が貼付された偏光素子本体520を、粘着シート付き偏光素子本体520と呼ぶ。
まず、図3に示すように、粘着シート付き偏光素子本体520は、金型としてのプレス型7A内に設置されてその変形を規制される(S1)。
図5は、プレス型7A内に設置された粘着シート付き偏光素子本体520を示す模式断面図である。プレス型7Aは、図5に示すように、成形面としての平面を有する平板状の第1プレス板71Aおよび第2プレス板72Aと、加圧手段73Aとを備えている。粘着シート付き偏光素子本体520は、処理S1において、第1プレス板71Aおよび第2プレス板72Aの間に挟持される。
そして、図5に示すように、第1プレス板71Aおよび第2プレス板72A間に、加圧手段73Aによって、偏光素子本体52の厚み方向に沿う圧力、例えば、0.13kg/mの圧力が加えられる。本実施形態の加圧手段73Aは、図5に示すように、第1プレス板71Aおよび第2プレス板72Aの各側縁を挟む複数のクリップ部材である。加圧手段73Aは、第1プレス板71Aおよび第2プレス板72Aの各側縁を挟むことで、第1プレス板71Aおよび第2プレス板72A間に厚み方向に沿う圧力を加える。
このように、粘着シート付き偏光素子本体520を、第1プレス板71Aおよび第2プレス板72A間に挟み、加圧手段73Aによって、粘着シート付き偏光素子本体520に対し厚み方向に沿う圧力を加えることで、偏光素子本体52を平板状に設定し、かつ、変形を規制する。
次に、処理S2において、この粘着シート付き偏光素子本体520を内部に設置したプレス型7Aを、所定温度に設定した恒温槽内に設置し所定時間加熱することで、粘着シート付き偏光素子本体520に加熱処理を施す(S2)。
本実施形態における粘着シート付き偏光素子本体520の加熱処理は、恒温槽の設定温度尾(加熱温度)110℃以上120℃以下、かつ、加熱時間2時間以上の加熱条件で行うことが好ましい。加熱処理が完了すると、恒温槽からプレス型7Aを取り出し、粘着シート付き偏光素子本体520をプレス型7Aから取り出す。
なお、プレス型7Aの構成は、粘着シート付き偏光素子本体520の両面にそれぞれ平板状の成形面を当接させて変形を規制し、かつ、粘着シート付き偏光素子本体520の厚み方向に沿って加圧できる構成であればよく、その他の細部の構成は限定されない。
その後、偏光素子本体52のTACシート522Aに貼り付けられている粘着シート524の離型紙525を剥がし、粘着シート524を介してTACシート522Aに透光性基板51を接着する(S3)。
このようにして、入射側偏光板5および射出側偏光板6が製造される。
本実施形態によれば、以下に示すような効果を奏することができる。
処理S2において、粘着シート付き偏光素子本体520に加熱処理を施すことで、偏光素子本体52の偏光フィルム521およびTACシート522A,522Bが、加熱温度に応じた収縮量で収縮する。入射側偏光板5の製造段階において、偏光フィルム521およびTACシート522A,522Bを収縮させておくことで、プロジェクタ1の動作中に、入射側偏光板5の周囲に熱や湿気等が生じても、入射側偏光板5の偏光フィルム521の収縮を抑制することができる。
このように、プロジェクタ1の動作中における偏光フィルム521の収縮を抑制できるので、偏光フィルム521の収縮によって、偏光素子本体52にクラックや大きい反りが生じることを抑制することができる。従って、偏光素子本体のクラックや反りによるプロジェクタの投写画像の画質悪化を抑制することができ、投射画像の画質を良好に維持することのできるプロジェクタを製造することができる。
また、偏光素子本体52に生じる反りを抑制できるため、粘着シート524の接着力が弱い場合でも、偏光素子本体52が透光性基板51から剥離することを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、処理S2において、粘着シート付き偏光素子本体520に対し、加熱温度110℃以上120℃以下、かつ、加熱時間2h以上の加熱条件で加熱処理を施した。
ここで、110℃よりも低い加熱温度で加熱処理を行うと、偏光フィルム521を適切な収縮量まで収縮させるには長時間の加熱時間を要する。一方、120℃よりも高い加熱時間で加熱処理を行うと、偏光フィルム521が逆に収縮しにくくなり、偏光フィルム521の応力分散効率が低下する。
これに対し、本実施形態のように、加熱温度110℃以上120℃以下で加熱処理を行うと、偏光フィルム521が収縮しやすく、高い応力分散効率を得ることが出来る。すなわち、比較的短時間で、偏光フィルム521の収縮によるクラックや反りが生じにくい偏光素子本体52を製造することができる。従って、比較的短時間で、投射画像の画質を良好に維持することのできるプロジェクタを製造することができる。
処理S1において、プレス板71A,72Aの各成形面に粘着シート付き偏光素子本体520の各面をそれぞれ当接させることで、粘着シート付き偏光素子本体520の変形を規制し、さらに、粘着シート付き偏光素子本体520の変形を規制した状態で加熱処理を施した。このように、プレス型7Aの成形面に粘着シート付き偏光素子本体520の各面をそれぞれ当接させながら加熱処理することで、粘着シート付き偏光素子本体520の変形を規制できるとともに、偏光フィルム521とTACシート522A,522Bの接着強度を高めることができる。
ここで、処理S1の変形規制処理前に、環境要因により粘着シート付き偏光素子本体520に既に反りが生じている場合がある。このように反りを有する偏光素子本体52に透光性基板51を接着すると、接着面に気泡が混入するため、入射側偏光板5製造後に偏光素子本体52が透光性基板51から剥離しやすくなる。
しかしながら、本実施形態では、処理S1および処理S2で、粘着シート付き偏光素子本体520に対し、変形を規制しながら加熱処理することで、粘着シート付き偏光素子本体520を略平板状に整形することができる。従って、処理S3において、略平板状の偏光素子本体52に透光性基板51を接着することができるため、接着面に気泡が混入しにくく、その後の剥離を抑制することができる。
ここで、処理S2における加熱処理について、クラックが発生しにくい偏光素子本体を製造するための最適な加熱条件を実験により確認した。
本実験では、ある加熱条件による加熱処理後に、偏光素子本体における人工クラックの進行状況を確認し、人工クラックが進行しない加熱条件を、クラックが発生しにくい最適な加熱条件と判断した。
表1には、本実験で採用した加熱条件と、各加熱条件で加熱された偏光素子本体のサンプル数、および、各加熱条件で加熱されたサンプルのうちエージング中に人工クラックが進行したサンプル数とが示されている。
本実験の具体的な方法として、まず、偏光素子本体を5mm厚の白板ガラス間に挟み、白板ガラス上に3kgの錘を乗せる。そして、この白板ガラスに挟まれた偏光素子本体を、所定の加熱温度に設定された恒温槽で所定の加熱時間加熱する。加熱後、恒温槽および白板ガラス間から偏光素子本体を取り出し、偏光素子本体の端辺に1mmほどの切り込み(人工クラック)を入れる。さらに、この偏光素子本体を85℃に設定された恒温槽で長時間放置(エージング)する。そしてエージング中に、偏光素子本体で人工クラックが進行するか否かを観察した。
本実験では、加熱条件を変化させて、表1に示す比較例1〜3および実施例1〜3を行った。各例の加熱条件としては、比較例1では85℃、0.5h、比較例2では100℃、0.5h、比較例3では110℃、0.5h、実施例1では110℃、2h、実施例2では110℃、8h、実施例3では110℃、66hの加熱条件を採用した。
Figure 2007328265
表1からは、比較例1および比較例3の加熱条件で加熱した偏光素子本体では、人工クラックが進行したことが分かる。一方、比較例2、実施例1〜3の加熱条件で加熱した偏光素子本体では、人工クラックが進行しなかったことが分かる。
次に、同じく処理S2の加熱処理について、反りが発生しにくい偏光素子本体を製造するための最適な過熱条件を実験により確認した。
図6は、本実験で採用した加熱条件と、各加熱条件で加熱された偏光素子本体のエージング中における反り量(mm)の時間変化を示したグラフである。
さらに、本実験では、長辺18mm×短辺14mm、厚み0.2mmの偏光素子本体を用いた。また、偏光素子本体の反り量は、図7に示すように、偏光素子本体の長辺の凸側面の厚み方向に沿った辺の片側を基準とした時のもう一方の辺の変位量とした。
本実験の具体的な方法は、前述の人工クラック確認実験とほぼ同様であり、恒温槽で偏光素子本体に加熱処理を施した後、85℃に設定された恒温槽でエージングする。そして、エージング中の各例の偏光素子本体の反り量を計測した。
本実験では、加熱条件を変化させて、図6に示す比較例1〜3および実施例1〜3を行った。各例の加熱条件としては、比較例4では100℃、0.5h、比較例5では100℃、2h、比較例6では110℃、0,5h、比較例7では110℃、1h、実施例4では110℃、2hの加熱条件を採用した。
図6のグラフに示すように、比較例5および実施例4より、同じ2hの加熱時間でも、加熱温度が高い実施例4の方が偏光素子本体のエージング後の反り量が小さいことがわかる。さらに、比較例7および実施例4より、同じ110℃の加熱温度でも、加熱時間の長い実施例4の方がエージング後の反り量が小さいことがわかる。
さらに、これら比較例4〜7および実施例4より、加熱温度が高くなるほど反り量が小さくなり、さらに、加熱時間が長くなるほどエージング後の反り量が小さくなる傾向があることがわかる。プロジェクタにおいては、点灯時には偏光素子は光源ランプから射出された光束により高温状態となる。エージング後の反り量が小さいということは、プロジェクタの点灯時に偏光素子の残留応力も小さくなっているといえる。
前述の人工クラック確認実験(表1)において、比較例2では人工クラックの進行が確認されなかったが、反り量確認実験(図6)において、比較例2と同じ加熱条件を有する比較例4では、大きい反り量が発生している。従って、この比較例2(比較例4)の加熱条件は、クラックおよび反りの発生しにくい偏光素子本体を製造するための加熱条件として最適ではないと判断できる。
以上の実験により、クラックおよび反りの発生しにくい偏光素子本体を製造するためには、110℃、2h以上の加熱条件が最適であることが分かる。本実施形態では、処理S2において、110〜120℃、2h以上の加熱条件で粘着シート付き偏光素子本体520に加熱処理を施しているため、クラックおよび反りが発生しにくい入射側偏光板5を製造できることが確認された。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を説明する。以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第2実施形態の入射側偏光板5Aおよび射出側偏光板は、第1実施形態に対しその構成が異なり、この構成の相違から製造方法も異なる。
図8は、第2実施形態の入射側偏光板5Aの厚み方向に沿う模式断面図である。
本実施形態の入射側偏光板5Aの偏光素子本体52Aは、第1実施形態の偏光素子本体52(図2)と比較して、図8に示すように、偏光フィルム521の一方の面のみにTACシート522Bが接着されている点が異なる。
このような偏光素子本体52Aの構成の相違から、入射側偏光板5Aの製造方法は、第1実施形態と比較して、変形規制処理(処理S1)および加熱処理(処理S2)が異なる。本実施形態の変形規制処理および加熱処理では、粘着シート付き偏光素子本体520Aに対し、金型としてのプレス型7Bを用いて加熱処理を行う。
図9は、プレス型7B内に配置された粘着シート付き偏光素子本体520Aを示す模式断面図である。
プレス型7Bは、図9に示すように、凹曲面の成形面としての円筒面を有する第1プレス曲板71Bと、凸曲面の成形面としての円筒面を有する第2プレス曲板72Bと、加圧手段73Bとを備えている。
処理S1の変形規制処理において、粘着シート付き偏光素子本体520Aは、図9に示すように、第1プレス曲板71Bおよび第2プレス曲板72Bにより、偏光フィルム521側が凸となる円筒面状に設定されて挟持される。そして、図9に示すように、第1プレス曲板71Bおよび第2プレス曲板72B間に、加圧手段73Bによって、偏光素子本体52Aの厚み方向に沿う圧力、例えば、0.13kg/mの圧力が加えられる。
なお、本実施形態の加圧手段73Bは、図9に示すように、第2実施形態の加圧手段73A(図5)と同様の構成を有している。
このように、粘着シート付き偏光素子本体520Aを、第1プレス曲板71Bおよび第2プレス曲板72B間に挟み、加圧手段73Bによって、粘着シート付き偏光素子本体520Aに対し厚み方向に沿う圧力を加えることで、粘着シート付き偏光素子本体520Aを円筒面状に設定し、かつ、粘着シート付き偏光素子本体520Aの変形を規制する。
次に、処理S2の加熱処理において、この粘着シート付き偏光素子本体520Aを内部に挟持したプレス型7Bを、所定温度に設定した恒温槽で所定時間放置することで、粘着シート付き偏光素子本体520Aに加熱処理を施す。本実施形態においても、粘着シート付き偏光素子本体520Aの加熱処理は、加熱温度110℃以上120℃以下、かつ、加熱時間2時間以上の加熱条件で行うことが好ましい。加熱処理が完了すると、恒温槽からプレス型7Bを取り出し、粘着シート付き偏光素子本体520Aをプレス型7Bから取り出す。
なお、プレス型7Bの構成は、粘着シート付き偏光素子本体520Aの両面にそれぞれ円筒面状の成形面を当接させて、偏光フィルム521側が凸となる円筒面状に設定し、かつ、粘着シート付き偏光素子本体520Aの厚み方向に沿って加圧できる構成であればよく、その他の細部の構成は限定されない。
最後に、処理S3において、粘着シート付き偏光素子本体520Aに、粘着シート524を介して透光性基板51を接着させる。
本実施形態によれば、前記第1実施形態で奏することができる作用・効果に加え、次のような効果を奏することができる。
ここで、本実施形態の粘着シート付き偏光素子本体520Aを、第1実施形態のプレス型7Aを用いて変形規制処理および加熱処理を施すと、粘着シート付き偏光素子本体520Aは、プレス型7Aにより平面状に設定された状態で加熱処理される。この場合、加熱処理後、粘着シート付き偏光素子本体520Aをプレス型7Aから取り出すと、粘着シート付き偏光素子本体520Aは、偏光フィルム521側が凹となる円筒面状に変形してしまう。これは、粘着シート付き偏光素子本体520Aは、偏光フィルム521の片面にのみTACシート522Bが接着されており、加熱処理によって、偏光フィルム521がTACシート522Bよりも収縮しやすいためである。
これに対し、本実施形態では、第1プレス曲板71Bの凹曲面状の成形面に粘着シート付き偏光素子本体520Aの偏光フィルム521面を当接させ、第2プレス曲板72Bの凸曲面状の成形面にTACシート522B面をそれぞれ当接させることで、予め、粘着シート付き偏光素子本体520Aを偏光フィルム521側が凸となる円筒面状に設定し、変形を規制した。
すると、処理S2における加熱処理後、プレス型7Bから粘着シート付き偏光素子本体520Aを取り出すと、偏光フィルム521の収縮を利用して粘着シート付き偏光素子本体520Aの形状を平板状に変形させることができる。従って、処理S1および処理S2を経て、平板状の粘着シート付き偏光素子本体520Aを製造することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を説明する。以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第3実施形態の入射側偏光板5および射出側偏光板6は、第1実施形態に対し、偏光素子本体52の製造方法の変形規制処理(処理S1)および加熱処理(処理S2)が異なる。本実施形態では、粘着シート付き偏光素子本体520に対し、型枠7を用いて変形規制処理および加熱処理を行う。
本実施形態では、処理S1において、粘着シート付き偏光素子本体520を型枠7内に設置することでその変形を規制する。
図10は、型枠7内に設置された粘着シート付き偏光素子本体520を示す模式断面図である。型枠7は、強度および耐熱性に優れた材料から構成され、図10に示すように、略箱型形状の第1型枠71と、第1型枠71の開口を覆って配置される蓋状の第2型枠72とを備えている。
処理S1において、粘着シート付き偏光素子本体520は、まず、第1型枠71内部に設置される。そして第2型枠72が第1型枠71上に配置される。このとき、第1型枠71の側壁711の高さ寸法によって、図10に示すように、偏光素子本体52の厚み方向において、粘着シート付き偏光素子本体520と第2型枠72の間には、所定寸法dを有する隙間73が形成されている。粘着シート付き偏光素子本体520の厚み方向寸法をDとすると、この隙間73の所定寸法dは、d=D±0.1×D(μm)の範囲で設定されている。
粘着シート付き偏光素子本体520は、このような型枠7内に設置されることにより、厚み方向に所定寸法d以上の変形が規制される。
なお、型枠7の構成は、第1型枠71および第2型枠72と粘着シート付き偏光素子本体520の間に前述の隙間73が形成できる構成であればよく、その他の細部の構成は限定されない。
そして、処理S2において、この粘着シート付き偏光素子本体520を内部に設置した型枠7を、所定温度に設定した恒温槽で所定時間放置することで、粘着シート付き偏光素子本体520に加熱処理を施す。なお、本実施形態における粘着シート付き偏光素子本体520の加熱処理は、恒温槽の加熱温度110℃〜120℃、加熱時間2h以上の加熱条件で行うことが好ましい。
本実施形態では、前記第1実施形態で奏することのできる効果に加え、以下の効果を奏することができる。
粘着シート付き偏光素子本体520の厚み方向において、型枠7内に粘着シート付き偏光素子本体520を設置することで、加熱処理の際に、粘着シート付き偏光素子本体520に圧力をかけることなく粘着シート付き偏光素子本体520が所定寸法d以上に変形することを規制することができる。また。粘着シート付き偏光素子本体520を型枠7内部に設置するだけでその変形を規制できるため、型枠7は、例えば、粘着シート付き偏光素子本体520をプレスする構成などを備える必要がないことから、構成を簡素なものとすることができる。
さらに、隙間73の所定寸法dをd=D±0.1×D(μm)と設定したことで、粘着シート付き偏光素子本体520を製造規格以上に変形することを規制することができる。例えば、偏光素子本体の面方向寸法をLとすると、偏光素子本体の反り量は、L×0.1以内としている。上記の実験の偏光素子本体においての反り量の規格は18mm×0.1=1.8mmとなる。最適な加熱条件での初期の反り量は図6より1.5mmである。ここで隙間をD±0.1×D(μm)のMAX値である0.22mmを加えても1.72mmとなり規格内に収まる。また、D±0.1×D(μm)以内の反り量を許容しているため、偏光フィルム521が収縮しやすくなり、偏光フィルム521の応力分散効率を高めることができる。
〔前記各実施形態の変形〕
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、前記各実施形態は、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、保護層としてTACから構成されたTACシート522A,522Bを用いたが、本発明では、保護層は、透過率、耐熱性および耐吸湿性が優良で複屈折を生じない材料から構成されていればよい。
前記第1、第2実施形態のプレス型7A,7Bは、以下のような構成を有するものであってもよい。
すなわち、プレス型7A(プレス型7B)は、第1プレス板71A(第1プレス曲板71B)および第2プレス板72A(第2プレス曲板72B)の一端を互いに回動自在に接続した構成であってもよい。または、アイロンのように、発熱可能なプレス板をハンディング可能な構成とし、粘着シート付き偏光素子本体520,520Aにプレス板を押し付けることで、粘着シート付き偏光素子本体520,520Aに加熱処理を施す構成としてもよい。
前記各実施形態では、粘着シート付き偏光素子本体520,520Aの加熱処理は、1枚の粘着シート付き偏光素子本体520,520Aに対して施したが、本発明では、複数枚の粘着シート付き偏光素子本体520,520Aに対し一度に施してもよい。例えば、粘着シート付き偏光素子本体520,520Aを積層させて、加熱処理を施してもよいし、粘着シート付き偏光素子本体520,520Aを面状に並べて加熱処理を施してもよい。
前記各実施形態では、光学ユニット4が平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
さらに、前記各実施形態のプロジェクタ1では、3つの液晶パネル451R,451G,451Bを用いたが、本発明はこれに限らない。すなわち2つ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも、本発明を適用可能である。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から画像投射を行なうフロントタイプのプロジェクタ1のみを例示したが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から画像投射を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明は、プロジェクタに利用することができる。
本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの概略構成を示す模式平面図。 前記実施形態に係る入射側偏光板の模式断面図。 前記実施形態に係る入射側偏光板の製造方法を説明するためのフロー図。 前記実施形態に係る粘着シート付き偏光素子本体を示す模式断面図。 前記実施形態に係る粘着シート付き偏光素子本体の加熱処理を説明するための図。 前記実施形態に係る偏光素子本体の加熱条件と反り量の時間変化との関係を示すグラフ。 前記実施形態に係る偏光素子本体の反り量の計測方法を説明するための図。 本発明の第2実施形態に係る入射側偏光板の模式断面図。 前記実施形態に係る粘着シート付き偏光素子本体の加熱処理を説明するための図。 本発明の第3実施形態に係る粘着シート付き偏光素子本体の加熱処理を説明するための図。
符号の説明
1…プロジェクタ、3…投射レンズ(投射光学装置)、451,451R,451G,451B…液晶パネル(光変調装置)、5,5A…入射側偏光板(偏光素子)、51…透光性基板、52,52A…偏光素子本体、521…偏光フィルム、522A,522B…TACシート(保護層)、6…射出側偏光板(偏光素子)、7…型枠、7A,7B…プレス型(金型)。

Claims (5)

  1. 入射した光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、前記光変調装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、
    前記光変調装置の光束入射側および光束射出側の少なくともいずれかに、入射した光束のうち所定方向の偏光光のみを透過する偏光素子が介在配置され、
    前記偏光素子は、
    ポリビニルアルコールを主成分とするポリビニルアルコール系フィルムを延伸して製造された偏光フィルム、および、前記偏光フィルムの少なくともいずれかの面に接着された保護層を有する偏光素子本体と、
    透光性を有する材料から構成され、前記偏光素子本体の少なくともいずれかの面に接着された透光性基板とを備え、
    前記偏光素子本体は、前記透光性基板の接着前に、変形を規制された状態で加熱温度110℃以上120℃以下、かつ、加熱時間2時間以上の加熱条件で加熱処理されていることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記偏光素子本体は、型枠内に設置されることで変形が規制され、
    前記型枠は、当該型枠内に設置された前記偏光素子本体に対し、前記偏光素子本体の厚み方向において所定寸法の隙間を有していることを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記偏光素子本体の厚み方向寸法をDとすると、前記隙間の所定寸法は、D±0.1×Dであることを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記偏光素子本体は、当該偏光素子本体の両面に金型の成形面が当接されることで、変形を規制されることを特徴とするプロジェクタ。
  5. 請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
    前記偏光素子本体は、前記偏光フィルムのいずれかの面に前記保護層が接着されて構成され、前記偏光フィルムに当接する成形面が凹曲面であり前記保護層に当接する成形面が凸曲面である前記金型を用いて、当該偏光素子本体が湾曲面状に設定されることで変形を規制されることを特徴とするプロジェクタ。
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