JP2007327648A - 流体動圧軸受 - Google Patents

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Shinji Kinoshita
伸治 木下
Toru Kumagai
徹 熊谷
Hiromitsu Goto
廣光 後藤
Yukihiro Nakayama
幸博 中山
Kazuhiro Tazawa
千浩 田澤
Mitsuharu Iwamoto
充晴 岩本
Ryoji Yoneyama
良治 米山
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Abstract

【課題】 流体動圧軸受のキャピラリーシールの効果を向上させること。
【解決手段】 シャフト2とフランジ3を有するフランジ付シャフト1と、スリーブ4と、環状蓋部材5とからなり、これら軸受構成部材の間に形成された片袋状流体充填部であってシャフト1の外周面と環状蓋部材5の貫通穴の内周面との間にリング状開口を有する片袋状流体充填部に潤滑用流体Fを充填して構成した流体動圧軸受において、環状蓋部材5の貫通穴の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面とすると共に、環状蓋部材5の貫通穴内に位置している上側のシャフト2の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面とし、且つ前者の傾斜角を後者の傾斜角よりも大きくして形成した。これによって、キャピラリーシールとして機能する前記リング状開口は、外側直径を内側直径よりも小さくした逆漏斗形リング状開口となり、静止時には毛細管力により、回転時には毛細管力に加えて遠心力によって、潤滑用流体Fが軸受内部に強く引き込まれるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シャフトと、前記シャフトを受けるスリーブとを含む軸受構成部材とから構成され、これら軸受構成部材の間に形成されたラジアル隙間とスラスト隙間を含む複数の隙間を連通した片袋状流体充填部には潤滑用流体が充填され、前記ラジアル隙間にはラジアル動圧発生溝が設けられ、且つ前記スラスト隙間にはスラスト動圧発生溝が設けられた流体動圧軸受のキャピラリーシール構造に関する。
流体動圧軸受は、例えば図6に示す如く、フランジ付シャフト1と、スリーブ4と、環状蓋部材5とを軸受構成部材としたものである。これら軸受構成部材の間に形成された複数の微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5は連通して片袋状流体充填部を形成しており、この片袋状流体充填部には潤滑油Fが充填されている。フランジ付シャフト1は、シャフトとなる円柱部2とフランジとなるリング部3とから形成された略十字型シャフトである。
フランジ付シャフト1は円柱部2とリング部3が切削によって製造されたもの、又は、別体の部品である円柱部2とリング部3を結合して製造されたものである。前記結合はリング部3の貫通穴に円柱部2を圧入して行う。スリーブ4は、略十字型シャフトであるフランジ付シャフト1を受けるような内周面を有するものである。即ち、スリーブ4は、フランジ付シャフト1の下側の円柱部2が回転自在に挿入される小径円筒部と、フランジ付シャフト1のリング部3が回転自在に挿入される大径円筒部を有する段付スリーブである。
微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5の中で、微小隙間R4はラジアル隙間である。ラジアル隙間である微小隙間R4は、下側の円柱部2の外周面とスリーブ4の小径円筒部の内周面とで形成された微小隙間である。下側の円柱部2の外周面にはヘリングボーン溝の如きラジアル動圧発生溝G1が形成されている。
微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5の中で、微小隙間R1とR3はスラスト隙間である。第1のスラスト隙間である微小隙間R1は、リング部3の外側の半径方向表面と環状蓋部材5の対向面とで形成された微小隙間である。また、第2のスラスト隙間である微小隙間R3は、リング部3の内側の半径方向表面とスリーブ4の小径円筒部と大径円筒部との半径方向境界面とで形成されている。リング部3の外側及び内側の半径方向表面、即ち上面と下面にはヘリングボーン溝の如きスパイラル状のスラスト動圧発生溝G2(図7参照)がそれぞれ形成されている。
上側の円柱部2の外周面と環状蓋部材5の貫通穴の内周面との間に形成されたテーパー状微小隙間Sは、毛細管力と表面張力を利用して潤滑油Fが外部に漏出しないように機能するキャピラリーシール部である。
ところで、上記テーパー状微小隙間Sは、複数の微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5が連通して形成した片袋状流体充填部の大気へのリング状開口である。そして、片袋状流体充填部に充填された潤滑用流体が外部に漏出しないように、その外側の直径を内側の直径よりも大きくした漏斗形リング状開口となっている。より詳細には、上記テーパー状微小隙間Sは、環状蓋部材5の貫通穴の内周面の内側の直径よりも外側の直径を大きくしたテーパー面と、上側の円柱部2の外周面との間に形成された漏斗形リング状開口である。
上述の如く、従来のキャピラリーシール部は、毛細管力と表面張力を利用したもので、単純な形状であるから製造し易いという利点があり、各種の流体動圧軸受に広く採用されている。しかしながら、このような毛細管力と表面張力を利用したキャピラリーシール部を備えた従来の流体動圧軸受は、厳しい環境下で使用される場合、潤滑用流体が軸受の外に漏れる所謂オイル漏れ等の重大な問題を起こす可能性がある。オイル漏れは、軸受焼付けを引き起こし、モータ停止等のモータにとって致命的な問題を起こす可能性が高い。
ところで、微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5の中で、微小隙間R2とR5は、高速回転時にスラスト隙間R1とR3及びラジアル隙間R4においてオイル切れが生じないように作用する潤滑油溜である。このような潤滑油溜を有する流体動圧軸受においては、潤滑油溜に塵芥や磨耗粉等の異物が存在していると、これらが核となって、潤滑油に気泡が発生する恐れがある。このような気泡が発生すると、潤滑油の円滑な循環が損なわれて動圧力が低下したり、テーパー状微小隙間Sから外部に潤滑油が漏れたりする等の問題がある。そこで、特開平10−339320号公報に開示された動圧軸受装置においては、上記テーパー状微小隙間Sに対応するキャピラリーシール部の隙間内容積を、気泡の発生があっても潤滑油が漏出しない大きさにしてある。また、潤滑油溜にエアポケットを設けると共に、潤滑油溜の形状と角度に工夫が施されている。しかしながら、このような手段は、薄型の動圧軸受には採用することはできない。
解決しようとする第1の課題は、流体動圧軸受のキャピラリーシール部のシール効果を向上させることである。
解決しようとする第2の課題は、気泡を発生させる恐れがある潤滑油溜を備えた流体動圧軸受のキャピラリーシール部のシール効果を向上させることである。
解決しようとする第3の課題は、フランジ付シャフトとスリーブと環状蓋部材とからなり、これら軸受構成部材の間に形成された流体充填部であって前記シャフトの外周面と前記環状蓋部材の内周面との間にキャピラリーシール部として機能するリング状開口を有する流体充填部に潤滑用流体を充填して構成した流体動圧軸受、又は、この流体動圧軸受を備えた流体動圧軸受モータにおいて、前記リング状開口のシール効果を高めることである。
解決しようとする第4の課題は、フランジ付シャフトとスリーブと円盤状蓋部材とからなり、これら軸受構成部材の間に形成された流体充填部であって前記シャフトの外周面と前記スリーブの内周面との間にキャピラリーシール部として機能するリング状開口を有する流体充填部に潤滑用流体を充填して構成した流体動圧軸受、又は、この流体動圧軸受を備えた流体動圧軸受モータにおいて、前記リング状開口のシール効果を高めることである。
上記課題を解決する請求項1の発明は、シャフトと、前記シャフトを受けるスリーブとを含む軸受構成部材とから構成され、これら軸受構成部材の間に形成されたラジアル隙間とスラスト隙間を含む複数の隙間を連通した流体充填部には潤滑用流体が充填され、前記ラジアル隙間にはラジアル動圧発生溝が設けられ、且つ前記スラスト隙間にはスラスト動圧発生溝が設けられた流体動圧軸受において、キャピラリーシール部として機能する前記流体充填部のリング状開口を、外側の直径を内側の直径よりも小さくした逆漏斗形リング状開口としたものである。
上記第1及び第2の課題を解決する請求項2の発明は、シャフトとフランジとを有するフランジ付シャフトと、1つの開口部と前記フランジの外周面との間にラジアル隙間を形成する内周面とを有するスリーブと、前記スリーブの開口部を塞ぐ環状蓋部材とを軸受構成部材とし、これらの軸受構成部材間に形成されたラジアル隙間とスラスト隙間を含む複数の微小隙間を連通した片袋状流体充填部に潤滑用流体を充填し、前記ラジアル隙間にはラジアル動圧発生溝を設け、前記スラスト隙間にはスラスト動圧発生溝を設けて構成した流体動圧軸受において、キャピラリーシール部として機能する前記片袋状流体充填部のリング状開口を、外側の直径を内側の直径よりも小さくした逆漏斗形リング状開口としたものである。
そして、前記逆漏斗形リング状開口は、前記環状蓋部材の貫通穴の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面とすると共に、前記環状蓋部材の貫通穴内に位置している前記シャフトの外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面とし、且つ前者の傾斜角を後者の傾斜角よりも大きくして形成したものとした。また、前記逆漏斗形リング状開口は、前記環状蓋部材の貫通穴の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面とすると共に、前記環状蓋部材の貫通穴内に位置するように突出している前記フランジの環状突出部の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面とし、且つ前者の傾斜角を後者の傾斜角よりも大きくして形成したものとした。
更に、上記第1及び第3の課題を解決する請求項5の発明は、シャフトとフランジとを有するフランジ付シャフトと、大径の開口部と小径の開口部を有し且つ前記シャフトの外周面との間にラジアル隙間を形成する内周面とを有するスリーブと、前記スリーブ大径の開口部を塞ぐ円盤状蓋部材とを軸受構成部材とし、これらの軸受構成部材間に形成されたラジアル隙間とスラスト隙間を含む複数の微小隙間を連通した片袋状流体充填部に潤滑用流体を充填し、前記ラジアル隙間にはラジアル動圧発生溝を設け、前記スラスト隙間にはスラスト動圧発生溝を設けて構成した流体動圧軸受において、前記片袋状流体充填部のキャピラリーシール部として機能するリング状開口であって、前記スリーブの小径の開口部とこれを貫通する前記シャフトとの間に形成されたリング状開口を、外側の直径を内側の直径よりも小さくした逆漏斗形リング状開口としたものである。
本発明により、静止時には毛細管力により、また回転時には毛細管力に加えて遠心力により、潤滑用流体を軸受内部に引き込むようにして、キャピラリーシールとして機能しているリング状開口から潤滑用流体が外部に漏出することを防止する非常に高いシール効果が得られるようになった。しかも、この回転時の高いシール効果は、例え潤滑油中に気泡が発生しても、維持される。
特に、その外周面にラジアル動圧発生溝が形成され且つその半径方向表面にスラスト動圧発生溝が形成されたリングを有するフランジ付シャフトと、これを受けるスリーブとから構成されたリング形流体動圧軸受は片袋状流体充填部の容積が大きいので、遠心力を利用する本発明を適用したリング形流体動圧軸受のシール効果は極めて大きい。
しかも、このような非常に高いシール効果が得られるような流体動圧軸受でありながら部品点数及び製造工数を増やすことなく製造できるので、本発明による改良を施しても、製品のコストアップがないという利点もある。
本発明の第1実施形態の流体動圧軸受は、図1に示す如く、フランジ付シャフト1と、スリーブ4と、環状蓋部材5とを軸受構成部材としたものである。これら軸受構成部材の間に形成された複数の微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5は連通して片袋状流体充填部を形成しており、この片袋状流体充填部には潤滑油Fが充填されている。フランジ付シャフト1は、シャフトとなる円柱部2とフランジとなるリング部3とから形成された略十字型シャフトである。第1実施形態の流体動圧軸受において、リング部3はスラスト軸受構成部材として機能するものである。
フランジ付シャフト1は円柱部2とリング部3が切削によって製造されたもの、又は、別体の部品である円柱部2とリング部3を結合して製造されたものである。前記結合はリング部3の貫通穴に円柱部2を圧入して行う。スリーブ4は、略十字型シャフトであるフランジ付シャフト1を受けるような内周面を有するものである。即ち、スリーブ4は、フランジ付シャフト1の下側の円柱部2が回転自在に挿入される小径円筒部と、フランジ付シャフト1のリング部3が回転自在に挿入される大径円筒部を有する段付スリーブである。
微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5の中で、微小隙間R4はラジアル隙間である。ラジアル隙間である微小隙間R4は、下側の円柱部2の外周面とスリーブ4の小径円筒部の内周面とで形成された微小隙間である。下側の円柱部2の外周面にはヘリングボーン溝の如きラジアル動圧発生溝G1が形成されている。 微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5の中で、微小隙間R1とR3はスラスト隙間である。第1のスラスト隙間である微小隙間R1は、リング部3の外側の半径方向表面と環状蓋部材5の対向面とで形成された微小隙間である。また、第2のスラスト隙間である微小隙間R3は、リング部3の内側の半径方向表面とスリーブ4の小径円筒部と大径円筒部との半径方向境界面とで形成されている。リング部3の外側及び内側の半径方向表面、即ち上面と下面にはヘリングボーン溝の如きスパイラル状のスラスト動圧発生溝G2(図7参照)がそれぞれ形成されている。
上側の円柱部2のテーパー付外周面2aと環状蓋部材5の貫通穴のテーパー付内周面5aとの間に形成されたテーパー状微小隙間Sは、毛細管力と表面張力に加えて、遠心力を利用して潤滑油Fが外部に漏出しないように機能する本発明を特徴付ける構造のキャピラリーシール部である。
即ち、本発明を特徴付けるテーパー状微小隙間Sは、従来のものと異なり、逆漏斗形リング状開口である。より詳しくは、前記逆漏斗形リング状開口は、環状蓋部材5の貫通穴の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面とすると共に、環状蓋部材5の貫通穴内に位置している上側のシャフト2の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面とし、且つ前者の傾斜角を後者の傾斜角よりも大きくして形成したものである。
このような逆漏斗形リング状開口としたことにより、図2(b)に示す如く、回転時には左側の矢印で示す毛細管力に加えて、右側の矢印で示す遠心力を潤滑用流体は受ける。それ故、潤滑用流体は軸受内部に強い力で引き入られる。従って、本発明に係る逆漏斗形リング状開口のキャピラリーシール部を備えた流体動圧軸受は、回転時に潤滑用流体が外部に漏れ出す可能性が大幅に減少し、シール効果が高まった。しかも、この回転時のシール効果は、例え潤滑油中に気泡が発生しても、維持される。なお、静止時は図2(a)に示す如く、そのシール効果は従来のものと同じである。即ち、左側の矢印で示す毛細管力と表面張力により、潤滑用流体は軸受内に保持される。
本発明の第2実施形態の流体動圧軸受は、図3に示す如く、フランジ付シャフト1と、スリーブ4と、環状蓋部材5とを軸受構成部材としたものである。これら軸受構成部材の間に形成された複数の微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5は連通して片袋状流体充填部を形成しており、この片袋状流体充填部には潤滑油Fが充填されている。フランジ付シャフト1は、シャフトとなる円柱部2とフランジとなるリング部3とから形成された略逆T字型シャフトである。第2実施形態の流体動圧軸受において、リング部3はスラスト軸受構成部材と共にラジアル軸受の構成部材としても機能するものである。そして、図3におけるリング部3には、テーパー付外周面3aを有する環状突起部が形成されている。
フランジ付シャフト1は別体の部品である円柱部2とリング部3を結合して製造されたものである。前記結合はリング部3の貫通穴に円柱部2を圧入して行う。スリーブ4は、略逆T字型シャフトであるフランジ付シャフト1を受けるような内周面を有するものである。即ち、スリーブ4は、フランジ付シャフト1のリング部3が回転自在に挿入される円筒部を有する断面略矩形のスリーブである。
微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5の中で、微小隙間R2はラジアル隙間である。ラジアル隙間である微小隙間R2は、リング部3の外周面とスリーブ4の内周面とで形成された微小隙間である。リング部3の外周面にはヘリングボーン溝の如きラジアル動圧発生溝G1が形成されている。
微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5の中で、微小隙間R1とR3はスラスト隙間である。第1のスラスト隙間である微小隙間R1は、リング部3の外側の半径方向表面と環状蓋部材5の対向面とで形成された微小隙間である。また、第2のスラスト隙間である微小隙間R3は、リング部3の内側の半径方向表面とスリーブ4の底面とで形成されている。図3において、スリーブ4の底面の中央部は円盤状蓋部材4bで形成されているが、これはスリーブ4と一体に形成してもよいものである。リング部3の外側及び内側の半径方向表面、即ち上面と下面にはヘリングボーン溝の如きスパイラル状のスラスト動圧発生溝G2(図7参照)がそれぞれ形成されている。
環状蓋部材5の貫通穴のテーパー付内周面5aとリング部3の環状突起部のテーパー付外周面3aとの間に形成されたテーパー状微小隙間Sは、毛細管力と表面張力に加えて、遠心力を利用して潤滑油Fが外部に漏出しないように機能する本発明を特徴付ける構造のキャピラリーシール部である。
即ち、本発明を特徴付けるテーパー状微小隙間Sは、従来のものと異なり、逆漏斗形リング状開口である。より詳しくは、前記逆漏斗形リング状開口は、環状蓋部材5の貫通穴の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面5aとすると共に、リング部3の環状突起部の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面3aとし、且つ前者の傾斜角を後者の傾斜角よりも大きくして形成したものである。
このような逆漏斗形リング状開口としたことにより、図2(b)に示す如く、回転時には左側の矢印で示す毛細管力に加えて、右側の矢印で示す遠心力を潤滑用流体は受ける。それ故、潤滑用流体は軸受内部に強い力で引き入られる。従って、本発明に係る逆漏斗形リング状開口のキャピラリーシール部を備えた流体動圧軸受は、回転時に潤滑用流体が外部に漏れ出す可能性が大幅に減少し、シール効果が高まった。しかも、この回転時の高いシール効果は、例え潤滑油中に気泡が発生しても、維持される。なお、静止時は図2(a)に示す如く、そのシール効果は従来のものと同じである。即ち、左側の矢印で示す毛細管力と表面張力により、潤滑用流体は軸受内に保持される。
本発明の第3実施形態の流体動圧軸受は、図4に示す如く、フランジ付シャフト1と、スリーブ4とを軸受構成部材としたものである。これら軸受構成部材の間に形成された複数の微小隙間R1、R2、R3及びR4は連通して片袋状流体充填部を形成しており、この片袋状流体充填部には潤滑油Fが充填されている。
フランジ付シャフト1は、シャフトとなる円柱部2とフランジとなるリング部3とから形成された略逆T字型シャフトである。第3実施形態の流体動圧軸受において、リング部3はスラスト軸受構成部材として機能するものである。また、フランジ付シャフト1の円柱部2の上部にはテーパー付外周面2aを有するテーパー部が形成されている。更に、スリーブ4の開口はテーパー付内周面4aを有するように形成されている。
フランジ付シャフト1は別体の部品である円柱部2とリング部3を結合して製造されたものである。前記結合はリング部3の貫通穴に円柱部2を圧入して行う。スリーブ4は、略逆T字型シャフトであるフランジ付シャフト1を受けるような内周面を有するものである。即ち、スリーブ4は、フランジ付シャフト1のリング部3が回転自在に挿入される大径円筒部と円柱部2が回転自在に挿入される小径円筒部とを有する段付スリーブである。
微小隙間R1、R2、R3及びR4の中で、微小隙間R4はラジアル隙間である。ラジアル隙間である微小隙間R4は、円柱部2の外周面とスリーブ4の小径円筒部の内周面とで形成された微小隙間である。円柱部2の外周面にはヘリングボーン溝の如きラジアル動圧発生溝G1が形成されている。
微小隙間R1、R2、R3及びR4の中で、微小隙間R1とR3はスラスト隙間である。第1のスラスト隙間である微小隙間R1は、リング部3の下側の半径方向表面とスリーブ4の大径円筒部の底面とで形成された微小隙間である。また、第2のスラスト隙間である微小隙間R3は、リング部3の上側の半径方向表面とスリーブ4の小径円筒部と大径円筒部との半径方向境界面とで形成されている。図4において、スリーブ4の大径円筒部の底面は円盤状蓋部材4bで形成されている。リング部3の外側及び内側の半径方向表面、即ち上面と下面にはヘリングボーン溝の如きスパイラル状のスラスト動圧発生溝G2(図7参照)がそれぞれ形成されている。
フランジ付シャフト1の円柱部2のテーパー付外周面2aとスリーブ4の開口のテーパー付内周面4aとの間に形成されたテーパー状微小隙間Sは、毛細管力と表面張力に加えて、遠心力を利用して潤滑油Fが外部に漏出しないように機能する本発明を特徴付ける構造のキャピラリーシール部である。
即ち、本発明を特徴付けるテーパー状微小隙間Sは、従来のものと異なり、逆漏斗形リング状開口である。より詳しくは、前記逆漏斗形リング状開口は、スリーブ4の開口の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面4aとすると共に、円柱部2のテーパー部の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面2aとし、且つ前者の傾斜角を後者の傾斜角よりも大きくして形成したものである。
このような逆漏斗形リング状開口としたことにより、図2(b)に示す如く、回転時には左側の矢印で示す毛細管力に加えて、右側の矢印で示す遠心力を潤滑用流体は受ける。それ故、潤滑用流体は軸受内部に強い力で引き入られる。従って、本発明に係る逆漏斗形リング状開口のキャピラリーシール部を備えた流体動圧軸受は、回転時に潤滑用流体が外部に漏れ出す可能性が大幅に減少し、シール効果が高まった。しかも、この回転時の高いシール効果は、例え潤滑油中に気泡が発生しても、維持される。なお、静止時は図2(a)に示す如く、そのシール効果は従来のものと同じである。即ち、左側の矢印で示す毛細管力と表面張力により、潤滑用流体は軸受内に保持される。
図5は、磁気ディスクが積載されるカップ状ハブ6と、カップ状ハブのスカート部の内周面に取りつけられたロータマグネット8を含むロータが、図1の第1実施形態の流体動圧軸受によって、ステータに回転自在に支持された流体動圧軸受モータの一実施例の断面図である。前記ステータには、ベース基板9と、ベース基板9に固定された流体動圧軸受のスリーブ4と、スリーブ4の外周面に取りつけられたステータコイル7を含む。そして、前記ロータのカップ状ハブ6は、流体動圧軸受のフランジ付シャフト1に同軸にして固着されている。図5に示す流体動圧軸受モータは、ステータコイル7とロータマグネット8との間の相互電磁作用によって回転する。
以上、本発明に係る流体動圧軸受を第1実施形態から第3実施形態について詳細に説明した。ところで、これらの第1実施形態から第3実施形態はいずれもシャフト回転型流体動圧軸受であったが、本発明はシャフト固定型流体動圧軸受にも当然に適用され、所期のシール効果を奏するものである。
微小隙間を誇張して示した本発明の第1実施形態の流体動圧軸受の断面図である。 本発明の第1実施形態の流体動圧軸受の部分拡大断面図である。 微小隙間を誇張して示した本発明の第2実施形態の流体動圧軸受の断面図である。 微小隙間を誇張して示した本発明の第3実施形態の流体動圧軸受の断面図である。 本発明の第1実施形態の流体動圧軸受を備えた流体軸受モータの一実施例の断面図である。 微小隙間を誇張して示した従来の一実施例の流体動圧軸受の断面図である。 スラスト動圧発生溝G2の一例を示した図である。
符号の説明
1 シャフト
2 円柱部又はシャフト
2a テーパー付外周面
3 リング部又はフランジ
3a フランジの環状突出部のテーパー付外周面
4 スリーブ
4a テーパー付内周面
4b 円盤状蓋部材
5 環状蓋部材
5a テーパー付内周面
6 ハブ
7 ステータコイル
8 ロータマグネット
9 ベース基板
F 潤滑油又は潤滑用流体
R1〜R5 微小隙間
G1 ラジアル動圧発生溝
G2 スラスト動圧発生溝

Claims (6)

  1. シャフトと、前記シャフトを受けるスリーブとを含む軸受構成部材とから構成され、これら軸受構成部材の間に形成されたラジアル隙間とスラスト隙間を含む複数の隙間を連通した流体充填部には潤滑用流体が充填され、前記ラジアル隙間にはラジアル動圧発生溝が設けられ、且つ前記スラスト隙間にはスラスト動圧発生溝が設けられた流体動圧軸受において、キャピラリーシール部として機能する前記流体充填部のリング状開口を、外側の直径を内側の直径よりも小さくした逆漏斗形リング状開口としたことを特徴とする流体動圧軸受。
  2. シャフトとフランジとを有するフランジ付シャフトと、前記シャフトの外周面との間にラジアル隙間を形成する内周面と開口部を有するスリーブと、前記スリーブの開口部を塞ぐ環状蓋部材とを軸受構成部材とし、これらの軸受構成部材間に形成されたラジアル隙間とスラスト隙間を含む複数の微小隙間を連通した流体充填部に潤滑用流体を充填し、前記ラジアル隙間にはラジアル動圧発生溝を設け、前記スラスト隙間にはスラスト動圧発生溝を設けて構成した流体動圧軸受において、キャピラリーシール部として機能する前記流体充填部のリング状開口を、外側の直径を内側の直径よりも小さくした逆漏斗形リング状開口としたことを特徴とする流体動圧軸受。
  3. 前記逆漏斗形リング状開口は、前記環状蓋部材の貫通穴の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面とすると共に、前記環状蓋部材の貫通穴内に位置している前記シャフトの外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面とし、且つ前者の傾斜角を後者の傾斜角よりも大きくして形成したものであることを特徴とする請求項2の流体動圧軸受。
  4. 前記逆漏斗形リング状開口は、前記環状蓋部材の貫通穴の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面とすると共に、前記環状蓋部材の貫通穴内に位置するように突出している前記フランジの環状突出部の外側直径を内側直径よりも小さくしたテーパー面とし、且つ前者の傾斜角を後者の傾斜角よりも大きくして形成したものであることを特徴とする請求項2の流体動圧軸受。
  5. シャフトとフランジとを有するフランジ付シャフトと、大径の開口部と小径の開口部を有し且つ前記シャフトの外周面との間にラジアル隙間を形成する内周面とを有するスリーブと、前記スリーブ大径の開口部を塞ぐ円盤状蓋部材とを軸受構成部材とし、これらの軸受構成部材間に形成されたラジアル隙間とスラスト隙間を含む複数の微小隙間を連通した流体充填部に潤滑用流体を充填し、前記ラジアル隙間にはラジアル動圧発生溝を設け、前記スラスト隙間にはスラスト動圧発生溝を設けて構成した流体動圧軸受において、キャピラリーシール部として機能する前記流体充填部のリング状開口であって、前記スリーブの小径の開口部とこれを貫通する前記シャフトとの間に形成されたリング状開口を、外側の直径を内側の直径よりも小さくした逆漏斗形リング状開口としたことを特徴とする流体動圧軸受。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の流体動圧軸受を用いたことを特徴とする流体動圧軸受モータ
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