JP2007327633A - メカニカルシール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】寿命がより長く被密封流体の漏洩をより適切に防ぐことのできるメカニカルシール装置を提供する。
【解決手段】ハウジングに固定された固定環と回転軸に装着された回転環とが摺動してその摺動面で被密封流体をシールするメカニカルシール装置において、固定環の摺動面又は回転環の摺動面のいずれかカーボン等の軟質材で形成されている方に、摺動面の円周方向に沿って、外部から圧力が導入されない独立した溝であって、その形状が所定の条件を満たす形状の複数の溝を形成する。その結果、固定環と回転環とはわずかに接触をした準接触状態に維持され、完全接触よりも少ない磨耗で、完全非接触よりも少ない被密封流体の漏洩でシールできる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、メカニカルシール装置に関し、特に、寿命が長く被密封流体の漏洩を適切に防ぐことのできるメカニカルシール装置に関する。
回転軸等に沿って所望の流体を密封する軸封装置としてのメカニカルシール装置としては種々の形態のものが知られているが、ハウジング等に固定される固定環と回転軸に装着される回転環との接触状態に着目した場合には、固定環と回転環とが完全に接触して被密封流体をシールする完全接触型のシール装置と、固定環と回転環とが完全に非接触な状態で被密封流体をシールするいわゆるガスシールと言われるタイプのシール装置とに大別することができる。完全接触型のメカニカルシール装置は、被密封流体の漏洩が少ないという長所を有する反面、摺動面の磨耗があって寿命が短いと言う短所がある。また、ガスシールタイプ(完全非接触型)のメカニカルシール装置は、摺動面の磨耗が無いため寿命が長いという長所を有する反面、被密封流体の漏洩が比較的多いという短所がある。そこで近年では、接触型のメカニカルシール装置において、摺動面に被密封流体を導入することにより摺接面に動圧を作用させ、摺動面の押圧力を軽減して磨耗を防止し、寿命を長くするようにしたメカニカルシール装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−22834号公報
しかしながら、前述したような動圧の導入機構を具備するメカニカルシール装置は、構造が複雑で製造工程も複雑になり、シール装置の容積が大きくなり価格も高価になるという問題がある。すなわち、メカニカルシール装置は種々の装置において種々の場面で使用されるが、コストや容積の制限がある場合が多く、より低価格で小型のメカニカルシール装置が要望される場合が少なくない。そしてそのような比較的安価で簡単な構成のシール装置においても、従来の完全接触型の長所と完全非接触型の長所を合わせもった性能のメカニカルシール装置が要望されている。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、寿命がより長く被密封流体の漏洩をより適切に防ぐことのできるメカニカルシール装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に係る本発明のメカニカルシール装置は、回転軸を囲むハウジングに固定された固定環と前記回転軸に装着された回転環とが接して摺動することにより当該摺動面において被密封流体をシールするメカニカルシール装置であって、前記固定環の前記回転環との摺動面、又は、前記回転環の前記固定環との摺動面のいずれか一方に、当該摺動面の円周方向に沿って複数の溝が形成されており、前記溝の各々は、前記摺動面以外の外部から圧力が導入されない独立した溝であって、その形状が式(3)及び式(4)の条件を満たす形状であることを特徴とする。
〔数3〕
0.1 ≦ α/β ≦ 35 …(3)
但し、αは、前記摺動面内の溝角度、
βは、前記摺動面内の溝と溝との間隔の角度
である。
〔数4〕
1.4 < A/B < 2.0 …(4)
但し、A=(Do−Db)/(Do−Di)×100、
B=(Dg−Db)/(Dg−Di)×100、
Doは、前記摺動面の外径、
Diは、前記摺動面の内径、
Dbは、バランス径、
Dgは、前記溝の内径
である。
請求項2に係る本発明によれば、好適には、前記溝は、前記固定環又は前記回転環の、いずれかより軟質な材料で構成してある側に形成されている。
また、請求項3に係る本発明によれば、前記複数の溝における溝と溝との間隔は、1mm以上である。
請求項1に係る本発明のメカニカルシール装置によれば、寿命がより長く被密封流体の漏洩をより適切に防ぐことのできるメカニカルシール装置を提供することができる。
また、請求項2に係る本発明のメカニカルシール装置によれば、軟質な材料に容易な加工をすることにより、寿命がより長く被密封流体の漏洩をより適切に防ぐことのできるメカニカルシール装置を提供することができる。
また、請求項3に係る本発明のメカニカルシール装置によれば、簡単な加工を行うことで、寿命がより長く被密封流体の漏洩をより適切に防ぐことのできるメカニカルシール装置を提供することができる。
本発明の一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態のメカニカルシール装置1の構成を示す図である。
また、図2は、図1に示したメカニカルシール装置1の、本発明に係る固定環40の摺動面41の形態を示す図である。
まず、図1を参照してメカニカルシール装置1の全体構成について説明する。
メカニカルシール装置1は、回転軸20が通過する開口が形成されたハウジング10と、ハウジング10のその開口を通過する回転軸20との間隙において、被密封流体Lをシールする装置である。
メカニカルシール装置1においては、ハウジング10のその開口部に、シールハウジング12が取り付けられている。シールハウジング12は、回転軸20の近傍までハウジング10の開口を塞ぐとともに、メカニカルシール装置1の固定側シール部31を取り付け易くするための部材である。シールハウジング12は、ハウジング10との間にOリング11を介在させてボルト13によりハウジング10に取り付けられている。
シールハウジング12の回転軸20側には、シール部30の固定側シール部31が装着されている。固定側シール部31は、固定環40、スプリング51及び保持部52を有する。固定環40と保持部52とは一体的に形成されてシールハウジング12の内周面に嵌入されており、また、スプリング51は、一方の端部がシールハウジング12に固着されて他方の端部が保持部52に固着されて、回転軸20の軸方向にその弾性力を発揮するように設置されている。スプリング51とシールハウジング12の内壁部14との間には、Oリング53が介在されている。
このような構成により、固定側シール部31においては、保持部52及び固定環40は、回転軸20の軸方向に沿って、回転側シール部32の回転環60の方向に、スプリング51の弾性力により押圧される。すなわち、固定環40の摺動面41が、回転側シール部32の回転環60の摺動面61に押圧される。
なお、固定環40はいわゆるカーボンにより形成する。
また、シール部30の回転側シール部32においては、回転軸20に嵌着されたスリーブ21に、回転環固定部71が、スリーブ21との間にOリング74を介在させて、ねじ75により取り付けられている。そして、この回転環固定部71の段部に、回転環60が取り付けられている。回転環60と回転環固定部71との間にはOリング73が介在されている。
これら、回転環60を含む回転側シール部32は回転軸20と一体的に回転され、これにより回転環60の摺動面61は、固定側シール部31の固定環40の摺動面41と互いに摺接される。
なお、回転環60は、セラミックや超硬質鋼等により形成する。
そして本実施形態のメカニカルシール装置1においては、このような固定側シール部31及び回転側シール部32を有するシール部30において、特に、固定側シール部31の固定環40の摺動面41に溝44が形成されている。
溝44は、図2に示すように、固定環40の摺動面41に、円周方向に沿って同一半径上に、一定幅で、同一間隔で、複数配置されている。
図2に示す本実施形態において、固定環40の摺動面41の内径Diは65.3mmであり、摺動面41の外径Doは86mmであり、溝44の内径Dgは75mmである。また、溝44の幅は3mmであり、溝44の深さは1mmで均一の深さである。さらにまた、1つの溝44が形成されている角度αは20°であり、1つのダム部(溝と溝との間部分)が形成されている角度βは10°であり、摺動面41には図示のごとく12個の溝44が形成されているものである。
このような構成のメカニカルシール装置1によれば、回転環60を含む回転側シール部32は回転軸20とともに回転し、被密封流体Lは、Oリング73,74等により密封される。
また、被密封流体Lは、固定環40と回転環60との間の摺動部33に侵入し、固定環40の摺動面41に設けられた溝44に導かれる。そして、溝44の内部で、被密封流体は圧縮されて、圧力が発生する。そして、この圧力により、固定環40と回転環60との押圧は減少され、固定環40の摺動面41と回転環60の摺動面61とはわずかに接触したような状態となる。すなわち、完全に接触した状態でもなく、また、完全に非接触な状態でもなく、準接触状態とでも言うべき微接触な状態となる。そして、この状態において、固定環40の摺動面41と回転環60の摺動面61との間、すなわち摺動部33にはわずかな流体膜が形成される。
その結果、シール部30の摺動部33においては、被密封流体の漏洩が適切に防止され、被密封流体のシールが適切に行える。すなわち摺動部33においては、少なくとも摺動部33が完全に非接触な状態とされるガスシールタイプのメカニカルシール装置と比較して、被密封流体の漏洩を制限することができ、シールを適切に行うことができる。
また、シール部30の摺動部33においては、固定環40の摺動面41と回転環60の摺動面61とは、通常のメカニカルシールのような押圧力で完全に接触されている状態ではない。従って、完全接触型のシール装置と比較して、固定環40あるいは回転環60の摺動面41又は摺動面61の磨耗を大幅に減少させることができ、メカニカルシール装置1のメンテナンス期間を長くする、すなわちメカニカルシール装置1を長寿命化することができる。
また、本実施形態のメカニカルシール装置1は、固定環40の摺動面41に、図示のごとく溝44を形成したものであるが、この溝44は、外部から圧力等が導入されるような構成ではなく、摺動面41の表面側のみが開口部とされて側面及び底面が閉塞された単純な溝である。また、その深さを特定の複雑な形状とする必要も無いものである。すなわち、その加工や製造に関しては、何ら特別な工程や煩雑な工程を施す必要が無く、容易に形成し得るものである。従って、このようなメカニカルシール装置1は、簡単な製造工程により前述したような作用効果を奏するものであり、その点においても非常に有効である。
また、本実施形態のメカニカルシール装置1においては、比較的軟質なカーボンにより形成される固定環40に溝44を形成している。従って、溝44の加工、製造は非常に簡単であり、生産効率が上昇しコストを削減することができる。
なお、軟質材たるカーボン製の固定環40に溝44を形成したとしても、固定環40と回転環60とは非常に低い押圧でわずかに接触する程度なので、その磨耗は非常にわずかであり、メカニカルシール装置1の寿命を短くする等の不利益を生ずることは無い。
このように、本実施形態のメカニカルシール装置1においてその構成、及び、加工や製造工程自体は簡単で容易なものであるが、一方で、シール部30の摺動部33において、固定環40の摺動面41と回転環60の摺動面61とを微妙な圧力関係でわずかに接触したような状態に維持するものであり、そのためには、摺動面41に形成されている溝44の形態が重要である。
前述したような作用効果を発揮させるための固定環40の摺動面41及び溝44の形状について説明する。
まず、摺動面41に形成する溝44は、その1個の溝44の角度α(図2参照)と、溝と溝との間隔(ダム部)の角度βとの関係が、次式(5)のような関係となるような平面形状に形成するのが好適である。
〔数5〕
0.1 ≦ α/β ≦ 35 …(5)
α/βの値が0.1より小さい場合、溝44の円周方向の長さはわずかであり十分な作用効果が得られない。
また、α/βの値が35より大きい場合は、複数の溝44を形成しようとするとダム部の幅が著しく狭くなり、加工上問題が生じる。ダム部の実際の長さは、加工上1mm以上有するのが好ましい。
また、ダム部の長さを確保した上で溝44のα/βの値が35より大きくなる場合として、溝44の数が極端に少なくなるような場合、具体的には全周にわたって溝が形成されているような場合が考えられる。そのような場合も、十分な作用効果が得られない。
α/βの値が0.1より小さい場合、及び、35より大きい場合でシールが不適切な場合とは、いずれも、例えば異音が発生したり、固定環40と回転環60とが完全接触したり、過度な押圧が加わったり、あるいは固定環40と回転環60との間で圧力が維持できない状態となる場合である。なお、固定環40と回転環60とが完全接触したり過度な押圧が加わると、固定環40の温度が異常に上昇することになる。また、固定環40と回転環60との間で圧力が維持できないと、被密封流体が漏洩することになる。
固定環40の摺動面41の全周にわたって溝を形成した場合と、摺動面41の円周に沿って複数の長円形状の溝を形成した場合の、時間の経過とともに流体圧力を変化させた時の固定環40の温度上昇測定値を図3に示す。
被密封流体として窒素ガスを用いてメカニカルシール装置1の回転軸20を毎分3000回転で回転させて図3(B)に示すような流体圧力を印加した場合、固定環40の温度は図3(A)に示すようになる。
図3(A)において、グラフaは、摺動面41の全周にわたって溝を形成した場合の温度を示す図であり、グラフbは、摺動面41の円周に沿って複数の長円形状の溝を形成した場合の温度を示す図であり、グラフcは室温を示す図である。
図3(A)にグラフaで示すように、摺動面41の全周にわたって溝を形成した場合には、例えば試験時間200分以降において行っているように、流体圧力を変動させた場合に固定環40の温度が乱れ、最終的に非常に高温状態となっている。このことは、固定環40と回転環60とが完全接触したり過度な押圧で押し付けられた状態となり、固定環40と回転環60とが僅かに接触するという適切なシール状態となっていないことを示している。
一方、固定環40の摺動面41に円周に沿って複数の長円形状の溝を形成した場合には、図3(A)にグラフbで示すように、流体圧力を高くしたり変動させたとしても、固定環40の温度の変動は微小であり、実質的に一定温度に維持できている。すなわち、固定環40と回転環60は所望のわずかな接触状態に維持されていることがわかる。
このことから、α/βの値は35以下が適切であり、また、溝44の数もある程度必要であることがわかる。
なお、本実施形態のメカニカルシール装置1は、前述したようにαは20°、βは10°であり、α/βは2である。また、溝44の数は12である。この条件は、メカニカルシール装置1の構成の最適な条件の1つである。
また、溝44の深さは、本実施形態のメカニカルシール装置1においては均一に1mmの深さとし、特段に特徴的な構成とする必要は無い。実質的に流体がある程度収容される容積を確保できるような深さがあれば特に問題は無く、底面を特定の形状等にする必要は無い。
また、固定環40の摺動面41における溝44の配置を示す溝44の内径Dgは、摺動面41の内径Di及び外径Do、及び、シール部30のバランス径Dbとの関係において、次式(6)に示す条件を満たすような値とするのが好適である。換言すれば、固定環40の摺動面41の形状(内径及び外径)、その摺動面41に形成する溝44の配置(内径)、あるいは、シール部30のバランス径は、式(6)に示す条件を満たすような関係となるように、すなわち下記に示すバランス比A/Bが1.4〜2.0の範囲となるように構成するのが好適である。
〔数6〕
1.4 < A/B < 2.0 …(6)
但し、Aは、シール部30の全体のバランス値であって、
A=(Do−Db)/(Do−Di)×100、
Bは、溝44内径のバランス値であって、
B=(Dg−Db)/(Dg−Di)×100、
また、Doは、摺動面の外径、
Diは、摺動面の内径、
Dbは、バランス径、
Dgは、溝の内径、
である。
この条件値(バランス比)A/Bが1.4及び1.6の場合の、被密封流体圧力と摺動部33での漏洩量との関係を図4に示す。
図4に示すように、A/B値が1.4の場合には、被密封流体圧力が0.03MPaGより大きくなると一気に漏洩量が増しており、そのようなわずかな圧力で実質的にシールが破壊された状態となることがわかる。一方で、A/B値が1.6あれば、被密封流体圧力が3.0MPaGにまでなったとしても漏洩量はほとんど無く、高い密封性能でシールが維持されていることがわかる。
なお、A/B値が1.4の場合には、回転軸20が回転しない状態で、すなわち静圧の段階で被密封流体のシールが行えなかった。すなわち、0.3〜0.5MPaG程度の流体圧力で100Nリットル/minの液漏れが発生することとなった。なお、本実施形態のメカニカルシール装置1は、前述したように、固定環40の摺動面41の内径Diは65.3mmであり、摺動面41の外径Doは86mmであり、溝44の内径Dgは75mmであり、バランス径Dbは70mmである。従って、A/B値は約1.5であり、最適な条件の一例である。
なお、前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって本発明を何ら限定するものではない。本実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含み、また任意好適な種々の改変が可能である。
例えば、固定環40の摺動面41に形成した固定環40の形状、数等は、図2に示した例に限られるものではなく、前述した条件を満たす範囲で任意に変更してよい。
例えば、図5(A)に示すように、溝の長さを若干短くした構成であってもよい。図5(A)に示す固定環40bの溝44bは、その数は12個で図2に示した本実施形態の固定環40と同じであるが、1個の溝44bの角度αは15°であり、溝と溝との間隔(ダム部)の角度βも15°である。従って、その比α/βは1.0となり式(3)の条件を満たす。
また、図5(B)に示すように、さらに溝の長さを若干短くした構成であってもよい。図5(B)に示す固定環40cの溝44cは、1個の溝44cの角度αは7.5°であり、溝と溝との間隔(ダム部)の角度βも7.5°であり、溝44cの個数は24個となっている。このような構成でも、α/βの値は1.0となり式(3)の条件を満たす。
溝の形状はこのような構成であってもよい。
また、本実施形態においては、固定環40がカーボンで形成されるものとし、回転環60がセラミックや超硬質鋼により形成されるものとし、軟質材たるカーボン製の固定環40に溝44を構成するようにした。
しかしながら、例えば硬質材たる回転環60の摺動面61に溝を形成するようにしてもよい。
また、回転環60をカーボンで形成し、固定環40をセラミックや超硬質鋼により形成し、軟質材たるカーボン製の回転環60に溝を構成するようにしてもよい。さらにまた、そのように固定環40をセラミックや超硬質鋼により形成した場合においても、その固定環40に溝を構成するようにしてもよい。
本発明によれば、軟質材で構成された固定環又は回転環に溝を形成して長寿命なメカニカルシール装置1を実現することができるので、加工の容易性等から軟質材で形成された方に溝を形成する方が有効である。しかしながら、加工の容易性を特段に要望されない場合等には、溝はどちらに形成しても、あるいはまたどのような材料で形成された固定環又は回転環に形成してもよい。
産業上の利用分野
以上説明したように、本発明は、例えば石油精製、化学等のポンプ、コンプレッサー、ブロワー等に用いられて任意の液体やガス等の被密封流体をシールするメカニカルシール装置に有用である。また、固定環又は回転環の磨耗を防止して長寿命化したメカニカルシール装置に有用である。さらにまた、製作が容易で製造コストが安価なメカニカルシール装置に有用である。
図1は、本発明の一実施形態のメカニカルシール装置の構成を示す図である。 図2は、図1に示したメカニカルシール装置の固定環の摺動面の形態を示す図である。 図3は、固定環に形成した溝の形態と、時間の経過とともに流体圧力を変化させた時の固定環の温度上昇測定値を示す図である。 図4は、シール部全体のバランス値と溝のバランス値の比に対する、被密封流体の圧力と漏洩量との関係を示す図である。 図5は、固定環の摺動面の他の形態を示す図である。
符号の説明
1…メカニカルシール装置
10…ハウジング
11…Oリング
12…シールハウジング
13…ボルト
14…内壁部
20…回転軸
21…スリーブ
30…シール部
31…固定側シール部
40…固定環
41…摺動面
44…溝
51…スプリング
52…保持部
32…回転側シール部
60…回転環
61…摺動面
71…回転環固定部
73,74…Oリング
75…ねじ

Claims (3)

  1. 回転軸を囲むハウジングに固定された固定環と前記回転軸に装着された回転環とが接して摺動することにより当該摺動面において被密封流体をシールするメカニカルシール装置であって、
    前記固定環の前記回転環との摺動面、又は、前記回転環の前記固定環との摺動面のいずれか一方に、当該摺動面の円周方向に沿って複数の溝が形成されており、
    前記溝の各々は、前記摺動面以外の外部から圧力が導入されない独立した溝であって、その形状が式(1)及び式(2)の条件を満たす形状であることを特徴とするメカニカルシール装置。
    〔数1〕
    0.1 ≦ α/β ≦ 35 …(1)
    但し、αは、前記摺動面内の溝角度、
    βは、前記摺動面内の溝と溝との間隔の角度
    である。
    〔数2〕
    1.4 < A/B < 2.0 …(2)
    但し、A=(Do−Db)/(Do−Di)×100、
    B=(Dg−Db)/(Dg−Di)×100、
    Doは、前記摺動面の外径、
    Diは、前記摺動面の内径、
    Dbは、バランス径、
    Dgは、前記溝の内径
    である。
  2. 前記溝は、前記固定環又は前記回転環の、いずれかより軟質な材料で構成してある側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール。
  3. 前記複数の溝における溝と溝との間隔は、1mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のメカニカルシール。
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