JP2007327569A - 電動モータ付き車輪駆動装置 - Google Patents

電動モータ付き車輪駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】感性が良く、減速比が大きく、片持ち支持を避け剛性を増し、安定した減速を行い、部品点数が少なく、コンパクトな電動自転車や電動アシスト自転車等を含む電動モータ付き車輪駆動装置を提供。
【解決手段】小径部4cが形成された複数の遊星ローラ4の一方の側の大径部4aを固定輪5と主軸3に設けられた太陽ローラ3aに圧接させ、他方の側の大径部4bを太陽ローラに圧接するとともに、小径部に回転自在な差動輪6を外接させ、この差動輪を出力軸としてハブ21とする。差動輪を遊星ローラの他方の側の大径部を覆うようにして軸側に延ばして軸受支持部6cを設け、中間軸受14を介して差動輪を主軸に回転自在に支持し、主軸を第一、第二のフレーム9,11の主軸受13,15間に支持し、遊星ローラと第一の主軸受13との間にロータ1とステータ2を設ける。さらに、差動輪にステータ等を覆う円筒カバー12を設けハブ内にモータ、減速機等を内臓。
【選択図】 図1

Description

本発明は、不思議遊星ローラ式減速機を用いた電動自転車や電動アシスト自転車等を含む電動モータ付き車輪駆動装置に関する。
従来、高減速比の減速機として不思議遊星ローラ式減速機が知られている。このものは、図5に示すように、太陽ローラ3aと太陽ローラと同心に固定された短円筒状の固定輪5の間に遊星ローラ4を圧接状態で回転自在にされ、遊星ローラは図示しないキャリアによって円周等間隔に配置されている。遊星ローラ4は溝状の小径部4cと、小径部を挟んで長さの長い一方の側の大径部4aと、長さの短い他方の側の大径部4bとから形成され、両大径部を太陽ローラ3aの外周3cに接触させ、長さの長い一方の側の大径部4aを固定輪5の内周5aとの間で圧接する。一方、小径部4cに差動輪6′を外接させた不思議遊星ローラ式減速機が特許文献1に記載されている。これによれば、太陽ローラ3aからの回転に対し、差動輪6′の回転が減速出力され、逆に差動輪を入力軸とすれば太陽ロータの回転が増速される。例えば変速比Rは、太陽ローラ3aの直径Ds,遊星ローラ4の大径部4aの直径Dr1,小径部4cの直径Dr2,固定輪5の内径Do1,差動輪6′の内径Do2とすると
R=(1+Do1/Ds)/(1−Dr2・Do1/(Dr1・Do2))
となり、大きな減速比又は増速比を得られる。
しかし、図5のような構成においては、動作時において差動輪6′側に圧接される小径部4cと固定輪5側に圧接される長さの長い一方の側の大径部4aにそれぞれ互いに逆方向の力が作用するので、遊星ローラ4をスキューさせようとする力が働き、損失トルクが増大する。そこで、特許文献1においては、遊星ローラの中央を小径部として、両側を大径部として、この両大径部にそれぞれ固定輪を外接させる。さらに、小径部に差動輪を外接させて、かつ差動輪を各固定輪に転がり軸受を介して回転可能に支持するようにしている。これにより、遊星ローラの長手方向の荷重のバランスが対称となりスキューの発生を減じている。なお、遊星ローラは軸受を介してキャリアに支持され、キャリアの両側端が軸受を介して太陽ローラに回転可能に支持されている。また、太陽ローラは固定輪が取り付けられる本体に軸受を介して片持ち支持されている。
また、特許文献2においては、中央を大径部として固定輪の内周に圧接させ、遊星ローラの両側を小径部として、2個の差動輪にそれぞれ圧接させたものが開示され、特許文献1とは大径部及び固定輪、小径部及び差動輪の関係が逆になっている。この場合も、遊星ローラの長手方向の荷重のバランスが対称となりスキューの発生を減じている。さらに、遊星ローラの保持器(キャリア)は薄肉円筒状の保持器であって、キャリアの両側端が内径が軸受外輪外周に接触するようにして、軸受を介して太陽ローラに回転可能に支持されていると思われる図が記載されている。また、太陽ローラはキャリアが接している軸受の外輪を本体に固定して、両持ち支持されている。さらに、遊星ローラが接触する太陽ローラ面に遊星ローラ長さの幅にされた鍔状のガイドが図示され、それぞれ遊星ローラの端面と接触して図示されている。また、固定輪及び差動輪はそれぞれ本体に軸受を介して別々に支持された軸にギヤ等を介して伝達するようにされている。なお、特許文献2においては、特許文献1の固定輪、差動輪に相当する各輪のどちらか一方を固定して種々の変速機とした変形例が開示されている。
一方、減速機を使用した前輪駆動電動アシスト自転車は、例えば、特許文献3においては、駆動モータとベベルギヤ式減速機構とを装着することにより前輪駆動を行い安価な駆動機構を提供している。また、特許文献4においては、駆動モータと遊星歯車減速機構とを前輪ハブ内に内臓させたものが開示されている。このものは、遊星歯車減速機構を前輪の本体フレームに両端を支持された車軸の回りに、電動機のロータと、ロータに直結された太陽歯車、遊星歯車を配置し、一方、本体フレームに一方を固定して、ステータ、ブラシ、固定外歯車を配置して、電動機と遊星歯車減速機を構成し、遊星歯車のキャリア軸を車軸の両端に回転支持された前輪ハブ(回転ケーシング)に接続し、減速回転を車輪に伝えることにより前輪駆動電動アシスト自転車としている。なお、このものは操舵性の向上を図るため、前輪の直径を後輪より小さくしている。
特許第2646099号公報 特開昭59−29864号公報 登録実用新案第3020805号公報 特開2002−12181号公報
しかし、特許文献3のものは、減速機に歯車を使用しているため感性が良くなく、また駆動モータの回転軸と前輪の車軸とが直交しているので、駆動部がコンパクトにできないという問題点があった。また、特許文献4のものは、同様に減速機に歯車を使用しているため、歯車同士のかみあいによる微振動があり、感性が良くないという問題があった。さらに、キャリアを出力とした1段の遊星歯車減速機構なので、減速比が大きくできず、駆動モータを高速化してコンパクトにできないという問題もあった。前輪の直径を後輪より小さくすることで、操舵性を良くする目的の他、減速比を増すことも考えられるが、減速比に限界があり、かえって、前輪と後輪の直径が異なるため、タイヤのパンク等の修繕に備え、車輪関係部品を別々に準備しなければならないという煩わしさがあり実用的でない。
また、特許文献4に記載のものはキャリア軸を出力として、取り出しているが車軸の回りにロータ、太陽歯車等を配して、その回りにステータ、(遊星歯車を介して)外輪等を配置し、さらに、その外側に前輪ハブを設けているので、構造が複雑になり、軸受の数も多く必要であり、径方向にさらに大きくなるという問題があった。そこで、特許文献4のものに、特許文献1、2に記載のような不思議遊星ローラ式減速機をにモータを外装又は内装して用いることが考えられるが、かかる不思議遊星ローラ式減速機にモータを内装して自転車等に使用することについては、示唆も開示もされていない。
さらに、特許文献1,2のものは、遊星ローラを対称にして、固定輪又は差動輪のいずれか一方を二個とするので、部品が倍増し、構造が複雑になるという問題があった。また、長手方向に長くなるという問題があった。従って、電動機等を接続する場合にも大きくなり、コンパクトにまとめることが困難であった。また、特許文献1の場合は、固定輪の外側に軸受を介して差動輪を配置するので外径が大きくなってしまう。また、遊星ローラはキャリアに軸受で支持され、さらにキャリアが太陽ローラを介して軸受でガイドさせているので、構造が複雑で部品点数も多いという問題があった。また、太陽ローラは片持ち支持であるので剛性が小さいという問題があった。
また、特許文献2の場合は、全て軸を本体で両持ち支持しているが、2個ある差動輪を結合するための伝達軸を別に必要とするため半径方向の大きさが、さらに大きく、複雑になってしまうという問題があった。また、遊星ローラは中央を大径部としているので鍔状のガイドは小径部端に達する必要があるので、大きくなるという一方で、キャリアは薄くする必要があり、スキューに対しては全く効果を生じないものである。
本発明の課題は、前述した問題点に鑑みて、感性が良く、減速比が大きく、片持ち支持を避け剛性を増し、安定した減速を行い、さらには駆動部の部品点数が少なく、コンパクトな不思議遊星ローラ式減速機を用いた電動モータ付き車輪駆動装置を提供し、さらには、例えば、前輪駆動電動アシスト自転車の車輪関係の修繕を容易とすることである。
本発明においては、本体から延出する第一及び第二のフレームの先端部に、モータと、前記モータの出力を減速する不思議遊星ローラ式減速機と、前記不思議遊星ローラ式減速機の出力軸に接続された車輪と、を備えた電動モータ付き車輪駆動装置であって、
前記不思議遊星ローラ式減速機は、小径部が形成された複数の遊星ローラの一方の側の大径部を固定輪と主軸に設けられた太陽ローラに圧接させ、他方の側の大径部を前記太陽ローラに圧接するとともに、前記小径部に回転自在な差動輪を外接させ、この差動輪を前記出力軸として前記車輪のハブとなるようにされた不思議遊星ローラ式減速機とし、
前記差動輪は、前記遊星ローラの他方の側の大径部を覆うようにして前記軸側に延びる軸受支持部を有し、前記軸受支持部と前記主軸との間に中間軸受を介して、前記差動輪が前記主軸に対して回転自在に支持され、前記主軸は前記中間軸受の前記反太陽ローラ側に配置された前記第二のフレームに設けられた第二の主軸受と、前記反太陽ローラの反前記中間軸受側に配置され前記第一のフレームに設けられた第一の主軸受と、により回転自在に支持され、前記遊星ローラと前記第一の主軸受との間に設けられたロータと、前記第一の本体フレームに固定され前記ロータを回転させるステータと、を備えた電動モータ付き車輪駆動装置を提供することにより前述した課題を解決した。
即ち、太陽ローラを設けた車軸を貫通させ、第一、第二のフレームでそれぞれ第一、第二の主軸受を介して、主軸を両持ち支持する。さらに、第一及び第二の主軸間の主軸に設けられた中間軸受で差動輪である車輪のハブを回転支持できるようにしたので、主軸と差動輪(ハブ)の同心度は非常に精度が高くなる。また、差動輪は遊星ローラの小径部とも圧接しているので、差動輪(ハブ)は主軸に対して両持ち支持されたと同様になり回転ぶれも少なく、剛性も高くなる。さらに、主軸の太陽ローラと第一の主軸受との間にロータを設け、第一の主軸受を支持する本体側にロータを回転させるステータを設けた。
従って、第一フレーム、第一の主軸受、ロータ、太陽ローラ、中間軸受(即ち差動輪(ハブ))、第二の主軸受、第二のフレームが一本の主軸でつながれる。また、固定輪は第一のフレームに固定され、遊星ローラを介して、差動輪(ハブ)、遊星ローラと圧接支持される。即ち主軸する支持する主軸受を支持する第一、第二のフレーム間に、不思議遊星ローラ式減速機とモータを形成したことになる。なお、車軸は筒状として、さらに内部に第一、第二フレームに固定された固定車軸を構成し、この固定車軸に対して回転可能にしてもよい。
さらに、請求項2に記載の発明においては、前記第一の本体フレームは前記第二のフレーム本体方向に延びる略円筒状の筒部を有し、前記筒部の内側に前記固定輪と前記ステータとが同心に配設され、前記差動輪は前記筒部を覆うように形成された円筒カバーに同心に固定され、前記差動輪の前記円筒カバーの両端よりスポークが張り出すように形成されたハブとされ、前記駆動モータと前記減速機とが、差動輪からなるハブの内側に装着された電動モータ付き車輪駆動装置とした。
即ち、差動輪は両持ちであり剛性が高いので、径方向に大きく、また、長手方向にも大きくできる。そこで、モータ、遊星ローラ部等を差動輪の内方に配置した。これにより、全体の軸方向長さを短縮できるものとなった。
また、請求項3に記載の発明においては、前記太陽ローラの両端には前記遊星ローラの軸方向移動を焼き付きなく阻止する微少隙間を有するガイドが設けるのが好ましい。これによりスラスト受け等の構造も簡単である。
さらに、請求項4に記載の発明においては、前記遊星ローラを円周等間隔に保持するキャリアは、前記遊星ローラの周面の少なくとも片側4%以上がそれぞれ摺接し、前記遊星ローラ軸が描く軌跡の公転面に対して略垂直方向に沿って互いに対向して形成され、前記遊星ローラの周面とは焼き付きなく保持する微少隙間を有するようにされた対向面を有するポケットと、前記遊星ローラの両端面とはそれぞれ隙間を形成可能に配置された両側板と、を有する電動モータ付き車輪駆動装置とした。
遊星ローラのキャリアにポケットを設け、ポケットに遊星ローラの周面を焼き付きなく保持する微少隙間とされた対向面を設け、遊星ローラをポケットで確実に保持するようにしたので、スキューが発生しても複数の遊星ローラが互いに干渉しあって、スキューを減じる。対向面の大きさは遊星ローラ周面の少なくとも片側4%以上、開き角度にして15°以上の摺接面を確保し、遊星ローラのスキューを防止する。摺面が4%未満では、スキューによる荷重を支持できず変形又は摩耗するからである。
なお、遊星ローラは太陽ローラ及び固定輪、差動輪と接触するので、対向面の上限はこれら及び付属部品との干渉が無いような大きさにされることはいうまでもない。キャリアやローラ材質、潤滑方法、潤滑溝形状、潤滑油等の条件に応じて焼き付けが発生しないように、スキューを減じるためには微少隙間はできるだけ小さくする。また、両側板により確実にポケットを形成し、キャリアの剛性を高める。さらに、請求項3に記載のガイドと併用することにより、軸方向への規制を高め、よりスキューの発生を押さえる。なお、キャリア内径をガイド外周に摺接させたり、また、特許文献1,2のように、本体側の外輪等に摺接させる等して、キャリアの倒れを防止するようにすればより効果的である。
以上述べたように、本発明においては、第一フレーム、第一の主軸受、ロータ、太陽ローラ、中間軸受(即ち差動輪(ハブ))、第二の主軸受、第二のフレームを一本の主軸でつなぎ、固定輪は第一のフレームに固定され、遊星ローラを介して、差動輪(ハブ)、遊星ローラと圧接支持するようにすることにより、主軸受を支持する第一、第二のフレーム間に、不思議遊星ローラ式減速機とモータを形成したので、第一、第二の主軸受、固定輪、ロータ、ステータ、主軸と差動輪(ハブ)の同心度の精度を高く、剛性が高く、確実な安定した減速、回転が行え、部品点数も少なく、コンパクトな、電動モータ付き車輪駆動装置を提供するものとなった。さらに、不思議遊星ローラ式減速機の特長を備えるので、駆動部の回転が円滑となり感性が向上するという効果を奏するものとなった。また不思議遊星ローラ式減速機は減速比を大きく設定でき、前輪の直径を後輪のそれと同じにできるので、車輪関係の修繕が容易となるという効果も奏するものとなった。
また、請求項2に記載の発明においては、第一フレームの筒部内に固定輪とステータを配設し、筒部を覆うように差動輪に円筒カバーを設け、モータ、遊星ローラ部等を固定輪の内方に容易に配置でき、差動輪(ハブ)の円筒カバーの両端よりスポークを張り出すように形成したので、長手方向に飛び出しが少なく、より扱いやすいものとなった。
また、太陽ローラの両側に遊星ローラを規制するガイドを設けスラスト受け等の構造も簡単にしたので、スキューや軸方向移動のずれが少なく、滑りの少ない、より小型で安定したものとなった(請求項2)。また、遊星ローラの端部は大径部であるので、遊星ローラの小径部が両側にある特許文献2の場合と違って、ガイドの径方向高さを小さくできる。また、請求項4に記載の発明においては、遊星ローラの周面を焼き付きなく保持する微少隙間とされた摺接面が片側4%以上である対向面を有するポケットで確実に保持するとともに、遊星ローラの姿勢を矯正し、スキューを減じるようにしたので、トルク伝達効率の高いものとなった。また、構造も簡単で、小型化し易いものとなった。さらに、請求項3に記載のガイドと併用して、スキューの発生を押さえるのに加え、ガイドの径方向高さを低くできるので、キャリアの内径を小さくできポケットの摺接面を大きくとることができ遊星ローラのスキューをさらに減らせる。
本発明の第一の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第一の実施の形態を示す電動モータ付き車輪駆動装置の断面図、図2は図1のA−A線部分断面図である。このものは本発明の電動モータ付き車輪駆動装置を例えば電動自転車に適用した場合を示すものである。図1に示すように、第一の本体フレーム10に第一の本体フレームと一体のモータケース9が設けられている。もう一方の第二の本体フレーム11には、主軸ケース17が装着されている。太陽ローラ3aを有する主軸3はモータケース9、主軸ケース17にそれぞれ装着された第一の主軸受13,及び第二の主軸受15により、第一、第二の本体フレームに対して回転自在に支持されている。モータケース9にはステータ2が装着され、第一の本体フレーム10に固定されている。またロータ1は主軸3の右側に装着され、その左側には主軸3と兼用の不思議遊星ローラ式減速機の太陽ローラ3aが配置されており、モータ、減速機が同じ回転軸である主軸で支持され回転する。
主軸3に設けられた太陽ローラ3aの外周3cには、キャリア7によって等分に分割配置された複数個(通常は3個以上)の遊星ローラ4が圧接回転可能に設けられている。太陽ローラ3aの両側には鍔状にガイド3bが設けられており、遊星ローラ4の軸方向移動を規制する。遊星ローラ4の端面とガイド3bの内側面との間に微少隙間が設けられ、この微少隙間は遊星ローラの軸方向移動を焼き付きなく阻止するような値に設定される。
遊星ローラ4の外径は両端の大径部4a,4bが同径とされ、やや左寄り(第二の本体フレーム側)に溝状に小径部4cが設けられている。遊星ローラ4の一方の側、即ち右側外周(第一の本体フレーム側))4aに固定輪5の内周5aが圧接回転可能に嵌合されている。遊星ローラ4の小径部4cの外周には差動輪6の鍔部6aの内周6bが圧接回転可能に嵌合されている。さらに第一の本体フレーム10には、不思議遊星ローラ式減速機の固定輪5が装着され、該固定輪5は回転できないように、ピン8により本体フレーム10に固着されている。
図2に示すように、キャリア7は遊星ローラ4を円周等間隔に保持するポケット27が設けられている。ポケット27は遊星ローラ4の大径部外周4aより微少に大きくされた径の対向面28を有している。この対向面28は遊星ローラ軸29が描く軌跡の公転面30に対して略垂直方向に沿って互いに対向して形成され、それぞれ約90°の開角度θの摺接面が設けられており、遊星ローラの大径部外周4a、4bと摺接するようにされている。さらに、キャリア7は両側に円盤状の側板7b、7bが設けられ、遊星ローラ4の両端面41,41とは隙間42が形成されている。
差動輪6は、遊星ローラ4の他方の側の大径部4bを覆うようにして、第二の主軸受方へ延び(図1で左方向へ延び)、さらに、主軸3側に延びる軸受支持部6cが設けられている。第二の主軸受に隣接して、中間軸受14が主軸3に設けられている。軸受支持部6cの差動輪6の反小径部側端面と軸受ケース16間に中間軸受14の外輪がボルト18により挟持固定されている。これにより、中間軸受14、軸受支持部6cを介して差動輪6が主軸に対して回転自在に支持されている。従って、差動輪6は主軸3に装着された中間軸受14と差動輪6の鍔部内周6b(遊星ローラ4を介して)とにより、主軸3に対して回転自在に両持ち支持されている。軸受ケース16,差動輪6によりハブ21が形成され、ハブ21にスポーク20が取り付けられ図示しないリム及びタイヤチューブ等からなる車輪を形成されている。
かかる本発明の第一の実施の形態を示す電動モータ付き車輪駆動装置の作用について説明する。外部から電力を供給されたステータからの電磁力によりロータ1を回転させる。ロータ1の回転は主軸3に伝わり、また同時に太陽ローラ3aにも伝達される。図1に示すように、固定輪5を固着した場合、差動輪6は、遊星ローラ4の外周4aと小径部4cとの直径差に応じて減速され、駆動軸(太陽ローラ3a)3とは逆の方向に回転することとなり、結局ロータ1の回転は、逆の方向に減速されて差動輪6であるハブ21に伝達される。
なお、不思議遊星ローラ減速機で、遊星ローラの直径差(ローラ外周4aと小径部4cの外周)に応じて、数十から数百の減速比が得られることは前述したように周知の事実である。
かかる構成においては、小型で減速機が遊星ローラ式のため、回転が滑らかで感性が良い、電動自転車や電動アシスト自転車等を含む電動モータ付き車輪駆動装置が提供できる。又、かかる構成としたことにより、特に各部品が両持ち支持となるので、確実で安定した回転となる。また、スキュー等も少なく安定したものとなる。さらに、モータ及び減速機が同軸となるので、電動自転車や電動アシスト自転車等を含む電動モータ付き車輪駆動装置をコンパクトにすることができる。
次に本発明の第二の実施の形態について説明する。図3は本発明の第二の実施の形態を示す電動モータ付き車輪駆動装置の断面図である。第二の実施の形態においては、軸方向長さを縮めたものである。なお、図1と同様な部分については、図1と同符号を付し、説明の一部を省略する。図3に示すように、主軸3は、右側の第一の本体フレーム10,左側第二の本体フレーム11にそれぞれ装着された第一の主軸受13,第二の主軸受15により、本体フレーム10,11に対して回転自在に支持されている。第一の本体フレーム10は第二の本体フレーム11方向に延びる略円筒状の筒部10aを有し、筒部の内側に固定輪5とステータ2とが同心に配設固定されている。固定輪5は回転できないように、ピン8により筒部10aに固着されている。また主軸3の固定輪5及びステータ2にそれぞれ相対する位置に遊星ローラ4,太陽ローラ3a、ロータ1が装着されている。
主軸3に設けられた太陽ローラ3aの外周の第二の本体フレーム側、遊星ローラ4の小径部4cに差動輪6の鍔部6aの内周6bが圧接回転可能に嵌着されている。差動輪6は円筒カバー12にボルト18で同心に固定一体とされ、主軸3の中間軸受14に回転可能に支持されている。さらに、円筒カバー12は筒部10aを覆うように形成され、円筒カバーの両端よりスポーク20が張り出すように形成されハブ21とされている。
ロータ1の回転は主軸3に伝わり、また同時に太陽ローラ3aにも伝達され、最終的にロータの回転が差動輪6と一体になったハブ21に逆の方向に減速されて伝達されることは前述と同様である。かかる構成においては、モータと減速機がハブの内側に位置しているので、更にコンパクト化できる。
本発明の第三の実施の形態について説明する。図4は本発明の第三の実施の形態を示す電動モータ付き車輪駆動装置の断面図である。図3と同様な部分は同符号を付し説明を省略する。第三の実施の形態は電動アシスト自転車の後輪に電動モータ付き車輪駆動装置を適用した例である。ハブ21の側面にスプロケット22が装着されている点が図3と異なり、ペダルによる駆動力がスプロケット22を介してハブ21に伝わりロータ1、ステータ2からなるモータの駆動をアシストする。
本発明の第一の実施の形態を示す電動モータ付き車輪駆動装置の断面図である。 図1、図3、図4の太陽ローラ、遊星ローラ、キャリア、差動輪のA−A線部分断面図である。 本発明の第二の実施の形態を示す電動モータ付き車輪駆動装置の断面図である。 本発明の第三の実施の形態を示す電動モータ付き車輪駆動装置の断面図である。 従来の不思議遊星ローラ式減速機の断面図である。
符号の説明
1 ロータ
2 ステータ
3 主軸
3a 太陽ローラ
3b ガイド
3c 太陽ローラ外周
4 遊星ローラ
4a 遊星ローラの一方の側の大径部(周面)
4b 遊星ローラの他方の側の大径部(周面)
4c 遊星ローラ小径部
5 固定輪
6 差動輪
6c 軸受支持部
7 キャリア
7b 側板
9 モータケース(第一の本体フレーム)
10 第一の本体フレーム
10a 筒部
11 第二の本体フレーム
12 円筒カバー
13 第一の主軸受
14 中間軸受
15 第二の主軸受
20 スポーク
21 ハブ
27 ポケット
28 対向面
29 遊星ローラ軸
30 公転面
41 遊星ローラの端面
42 隙間

Claims (4)

  1. 本体から延出する第一及び第二のフレームの先端部に、モータと、前記モータの出力を減速する不思議遊星ローラ式減速機と、前記不思議遊星ローラ式減速機の出力軸に接続された車輪と、を備えた電動モータ付き車輪駆動装置であって、
    前記不思議遊星ローラ式減速機は、小径部が形成された複数の遊星ローラの一方の側の大径部を固定輪と主軸に設けられた太陽ローラに圧接させ、他方の側の大径部を前記太陽ローラに圧接するとともに、前記小径部に回転自在な差動輪を外接させ、この差動輪を前記出力軸として前記車輪のハブとなるようにされた不思議遊星ローラ式減速機とし、
    前記差動輪は、前記遊星ローラの他方の側の大径部を覆うようにして前記軸側に延びる軸受支持部を有し、前記軸受支持部と前記主軸との間に中間軸受を介して、前記差動輪が前記主軸に対して回転自在に支持され、前記主軸は前記中間軸受の前記反太陽ローラ側に配置された前記第二のフレームに設けられた第二の主軸受と、前記反太陽ローラの反前記中間軸受側に配置され前記第一のフレームに設けられた第一の主軸受と、により回転自在に支持され、前記遊星ローラと前記第一の主軸受との間に設けられたロータと、前記第一の本体フレームに固定され前記ロータを回転させるステータと、を備えたことを特徴とする電動モータ付き車輪駆動装置。
  2. 前記第一の本体フレームは前記第二のフレーム本体方向に延びる略円筒状の筒部を有し、前記筒部の内側に前記固定輪と前記ステータとが同心に配設され、前記差動輪は前記筒部を覆うように形成された円筒カバーに同心に固定され、前記差動輪の前記円筒カバーの両端よりスポークが張り出すように形成されたハブとされ、前記駆動モータと前記減速機とが、差動輪からなるハブの内側に装着されていることを特徴とする請求項1記載の電動モータ付き車輪駆動装置。
  3. 前記太陽ローラの両端には前記遊星ローラの軸方向移動を焼き付きなく阻止する微少隙間を有するガイドが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の電動モータ付き車輪駆動装置。
  4. 前記遊星ローラを円周等間隔に保持するキャリアは、前記遊星ローラの周面の少なくとも片側4%以上がそれぞれ摺接し、前記遊星ローラ軸が描く軌跡の公転面に対して略垂直方向に沿って互いに対向して形成され、前記遊星ローラの周面とは焼き付きなく保持する微少隙間を有するようにされた対向面を有するポケットと、前記遊星ローラの両端面とはそれぞれ隙間を形成可能に配置された両側板と、を有することを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の電動モータ付き車輪駆動装置。
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