JP2007325850A - 温熱治療用マイクロカプセル発熱体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カテーテルを通じて体内に注入した際、患部に効率良く到達し、毛細血管の閉塞等を起こすことがなく、且つ、十分な発熱が得られる温熱治療用マイクロカプセル発熱体を提供すること。
【解決手段】強磁性化合物からなる外殻を持つ球状微粒子であって、内部が空洞あるいは多孔質状の形態を有する、又は、外殻と内部の両方が多孔質状の形態を有する球状微粒子からなる温熱治療用マイクロカプセル発熱体。強磁性化合物としては、例えば、ガンマヘマタイト、マグネタイト、ストロンチウムフェライト、亜鉛フェライト、マグネシウムフェライト又はカルシウムフェライトが用いられる。
【選択図】なし
【解決手段】強磁性化合物からなる外殻を持つ球状微粒子であって、内部が空洞あるいは多孔質状の形態を有する、又は、外殻と内部の両方が多孔質状の形態を有する球状微粒子からなる温熱治療用マイクロカプセル発熱体。強磁性化合物としては、例えば、ガンマヘマタイト、マグネタイト、ストロンチウムフェライト、亜鉛フェライト、マグネシウムフェライト又はカルシウムフェライトが用いられる。
【選択図】なし
Description
本発明は、強磁性体を主材とする温熱治療用マイクロカプセル発熱体、及び、その製造方法に関する。この温熱治療用マイクロカプセル発熱体は、特に、がんの温熱治療に有効に用いることができる。
がん組織は、正常組織に比べて、熱による損傷を受け易いという生物学的な特性を利用して、近年、腫瘍部分を局所的に加温するがんの温熱治療(ハイパーサーミア)が、注目されている。因みに、がん細胞は正常細胞よりも熱に弱く、42〜43℃で加熱すると選択的に死滅する。腫瘍部分を局所的に加温するに当たっては、温水、赤外線、超音波やマイクロ波等により、体外から腫瘍部分を加温することが試みられている。しかし、これらの方法では、体表付近は効果的に加温できるものの、体内深部では、正常組織に損傷を与えることなく、効果的に加温することは困難である。これに対して磁力線は、細胞に損傷を与えることなく、体内深部まで到達させることができる。このことに着目して、強磁性微小球をカテーテル等により体内に入れ、強磁性微小球が導入された部分を交流磁場中に置き、強磁性微小球のヒステリシス損による発熱を利用して、腫瘍部分を局所的に加温することが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
M. Kawashita, M. Tanaka, T. Kokubo, Y. Inoue, T. Yao, S. Hamada and T. Shinjo, 「Preparationof ferrimagnetic magnetite microspheres for in situ hyperthermic treatment ofcancer」, Biomaterials, 26, 2231-2238 (2005)
M. Kawashita, M. Tanaka, T. Kokubo, Y. Inoue, T. Yao, S. Hamada and T. Shinjo, 「Preparationof ferrimagnetic magnetite microspheres for in situ hyperthermic treatment ofcancer」, Biomaterials, 26, 2231-2238 (2005)
かかる強磁性微小球を製造する方法として、溶液からの結晶析出プロセス(液相法)によって、温熱治療用発熱体としてのマグネタイト(Fe3O4)微小球を作製する方法が提案されている(特許文献1)。具体的には、Fe3O4を飽和濃度だけ含むフッ化水素酸溶液に、シリカガラス微小球を浸漬し、鉄分を含む皮膜を析出させ、これを還元雰囲気ガス中で熱処理することにより、直径約25μmのマグネタイト微小球を作製する方法である。この方法により作製したマグネタイト微小球は、直径約50nmのFe3O4微結晶からなり、その表面には、多数の亀裂が発生していることも報告されている。しかしながら、この方法で得られた強磁性セラミック微小球は、球の内部が充填されている中実状態であり、この微小球粉末をカテーテルを通じて体内に注入した際、血管内で沈降を起こし患部に効率良く到達し難い点が問題となる。
特開2004—105722号公報
また、多孔質シリカ微小球表面に、強磁性マグネタイトを、水溶液法によりコーティングする方法も提案されている(特許文献2)。この方法によれば、厚さ約0.3ミクロンのマグネタイトを被覆した粒径8ミクロンの微小球が得られ、その見かけ比重は1.0であった。マグネタイトの含有量が多いほど、発熱量が上昇して治療効果も増大する。しかしながら、この方法では、マグネタイト層の厚さが薄すぎるために、交流磁場下に置かれた場合に十分な発熱が得難い。また、球の粒子径が小さすぎるため、血管を通じて患部以外の組織にも微小球が到達し、毛細血管の閉塞を招く恐れがある。
特開平7−267627号公報
従って、本発明の課題は、カテーテルを通じて体内に注入した際、患部に効率良く到達し、毛細血管の閉塞等を起こすことがなく、且つ、十分な発熱が得られる温熱治療用マイクロカプセル発熱体を提供することにある。
本発明の請求項1に記載された発明は、強磁性化合物からなる外殻を持つ球状微粒子であって、内部が空洞あるいは多孔質状の形態を有する、又は、外殻と内部の両方が多孔質状の形態を有する球状微粒子からなることを特徴とする温熱治療用マイクロカプセル発熱体である。
請求項2に記載された発明は、強磁性化合物が、ガンマヘマタイト、マグネタイト、ストロンチウムフェライト、亜鉛フェライト、マグネシウムフェライト及びカルシウムフェライトからなる群から選ばれた1種又2種以上の化合物を主成分とするものである請求項1記載の温熱治療用マイクロカプセル発熱体である。
請求項3に記載された発明は、球状微粒子の直径が、10〜200μmの範囲にある請求項1又は2記載の温熱治療用マイクロカプセル発熱体である。
請求項4に記載された発明は、球状微粒子の外殻の厚さが、その半径の10〜75%の範囲内にある請求項1〜3のいずれか1項記載の温熱治療用マイクロカプセル発熱体である。
そして、請求項5に記載された発明は、強磁性化合物の結晶粒が、形状異方性を有し、結晶粒を構成する化合物の磁区構造が単磁区と擬似単磁区のうち少なくとも一方を主として形成されている請求項1〜4のいずれか1項記載の温熱治療用マイクロカプセル発熱体である。
請求項6の発明は、本発明の温熱治療用マイクロカプセル発熱体の製造方法に関するものであって、強磁性化合物の前駆体である金属水酸化物あるいは金属イオンを含む溶液を作成し、これを水と混和しない有機溶媒中に分散させてエマルジョンとし、得られたエマルジョンを無機塩水溶液又は有機溶媒中に加えることによりマイクロカプセルを形成させ、形成されたマイクロカプセルを分離・採取し、次いで、加熱処理することを特徴とする温熱治療用マイクロカプセル発熱体の製造方法である。
そして、請求項7の発明は、別な製造方法に係り、有機高分子からなる球状微粒子表面に、強磁性化合物の前駆体となる化合物を被覆し、得られた被覆微粒子を加熱処理して、有機高分子を熱分解させ内部を空洞あるいは多孔質状とすることを特徴とする温熱治療用マイクロカプセル発熱体の製造方法である。
本発明の球状微粒子は、外殻の構成成分をマグネタイト等の強磁性体とし、内部を中空又は多孔質の強磁性体にするか、あるいは外殻と内部を共に多孔質の強磁性体にすることで見かけ比重の低減を図ったものであり、しかも球径を10ミクロン以上として患部以外の毛細血管の閉塞を防ぎ、がん細胞のみを効率よく温熱治療できる強磁性マイクロカプセルである。本発明の強磁性マイクロカプセルは、従来と同じ注入量であっても患部への到達効率が増加するので、従来よりも高いがんの温熱治療効果が見込まれる。
本発明の温熱治療用マイクロカプセル発熱体は、強磁性化合物からなる外殻を持ち、内部が空洞あるいは強磁性化合物からなる多孔質状の形態を有する、又は、外殻と内部の両方が強磁性化合物からなる多孔質状の形態を有する球状微粒子から形成されているものである。そして、特に、強磁性化合物の結晶粒が、形状異方性を有し、結晶粒を構成する化合物の磁区構造が単磁区と擬似単磁区のうち少なくとも一方を主として形成されているものが好ましい。
一般的に強磁性化合物の最小の磁石単位は、磁区と呼ばれ、1つの結晶粒中に1つの磁区しかないものを単磁区構造といい、複数の磁区があるもの多磁区構造というが、本発明において、擬似単磁区とは、1つの結晶粒中に複数(約2〜5)の磁区があるものを意味する。また、強磁性化合物の結晶粒が形状異方性を有していると、その形状効果により、球状の結晶粒に比べて磁気的な安定性に優れている。本発明において、形状異方性を有する形状とは、球状以外の形状で、まゆ形、回転楕円球、針状、棒状等の形状を意味する
発熱体を構成する強磁性化合物の磁区構造が、単磁区と擬似単磁区のうち少なくとも一方を主として形成されていれば、磁場を付与したときの磁化反転の機構が磁壁の移動によらないなど、磁壁の影響を受けることがない。このため、磁場のエネルギーは、磁壁の移動に費やすことなく、磁気ヒステリシス損による発熱に費やされるので、発熱量が多くなり、例えば、生体内に導入してがんを治療するのに十分な発熱量を得ることができる。
本発明の強磁性化合物からなる外殻は強磁性体層を形成しており、実質的に互いに化学結合された強磁性化合物の結晶粒のみからなる。強磁性体層が、実質的に互いに化学結合された強磁性化合物の結晶粒のみから構成されていると、温熱治療用発熱体のうち、強磁性体の割合を多くできるので、発熱量を大きくすることができる。また、有機物であるバインダー成分を含まないので、生体内においても化学的に安定な温熱治療用発熱体とすることができる。
本発明の強磁性化合物としては、ガンマヘマタイト、マグネタイト、ストロンチウムフェライト、亜鉛フェライト、マグネシウムフェライト及びカルシウムフェライトからなる群から選ばれた1種又2種以上の化合物が好ましい。これらの化合物を用いると、十分な発熱量を期待できる温熱治療用発熱体を容易に製造することができる。また、外殻の強磁性体層が無機酸化物で構成されていると、生体内に導入させても無害であるので、好ましい。強磁性体層が、ガンマヘマタイトで形成されたものは、磁気的に特に安定であるので、特に好ましい。
本発明の球状微粒子、即ちマイクロカプセルは、その直径が10〜200μmの球状のものが好ましく、特に10〜40μmのものが好ましい。また、マイクロカプセルの外殻の厚さが、その半径の10〜75%の範囲内にあるものが好ましい。特に粒径が10〜40μmのものは、温熱治療効果に加えてがん組織周辺の血管を閉塞し、がん細胞への栄養補給を遮断する塞栓効果も期待できる。なお、本発明において球状とは、完全な球形のものに限らず、楕円形等のほぼ球状のものも含み、これらの場合の直径とは長軸と短軸の平均値として定義される。
本発明の球状微粒子は、強磁性化合物からなる外殻を持つ球状微粒子であって、内部が空洞あるいは多孔質状の強磁性化合物、又は、外殻と内部の両方が多孔質状の強磁性化合物からなるものである。従来、例えば、内部に空気を含有しうる複数の孔を有する多孔質シリカ微小粒子に、強磁性フェライトが被覆されている強磁性被覆多孔質シリカ微小粒子、あるいは、中空のガラス球に強磁性体を被覆したものは知られているが、本発明の形態を有する球状微粒子は、従来ものとは異なり、強磁性化合物だけからなるものである。その外殻が密で、内部は空洞であっても多孔質状であっても良い。あるいは外殻と内部が共に多孔質状の強磁性化合物から構成されているものであっても良い。そして、実際の使用に当たっては、空洞あるいは多孔質の部分に生理食塩水を満たしたり、適当な薬剤を含浸させておくこともできる。
本発明の球状微粒子、即ち、マイクロカプセルの製造方法としては、上記強磁性化合物の前駆体である金属水酸化物あるいは金属イオンを含む溶液、好ましくは、酸性水溶液を作成し、これを水と混和しない有機溶媒中に分散させてエマルジョンとし、得られたエマルジョンをアルカリ性の無機塩水溶液又は有機溶媒、好ましくは、脱水作用を持つ有機化合物中に加えることによりマイクロカプセルを形成させ、形成されたマイクロカプセルを分離・採取し、次いで、加熱処理することによって製造する方法がある。
別の方法としては、有機高分子からなる球状微粒子表面に、強磁性化合物の前駆体となる化合物を被覆し、得られた被覆微粒子を加熱処理して有機高分子を熱分解させ、内部を空洞とし、内部が空洞の微粒子を製造する方法がある。具体的には、有機高分子からなる球状粒子表面に、強磁性化合物の前駆体となる無機塩水溶液、金属アルコキシド溶液、又は無機粉体を被覆した後に、空気中、真空中、あるいは水素又は一酸化炭素を含む還元雰囲気中で加熱処理して有機高分子を熱分解させ、内部を空洞としたマイクロカプセルを形成する方法などが挙げられる。有機高分子の球状粒子としては、例えば、強磁性体の前駆体となる金属イオンを効率良く球状粒子表面に吸着できる陽イオン交換樹脂が好適である。
本発明においては、また、本発明の球状微粒子からなるマイクロカプセル発熱体の表面に、金属酸化物薄膜を被覆させても良い。発熱体の表面を金属酸化物薄膜で被覆すると、発熱体に何らかの原因でクラックが生じても、金属酸化物薄膜が保護膜として機能するので、発熱体が小片化するのを防ぐことができる。よって、発熱体を生体内に導入させて温熱治療に用いたときに、発熱体が小片化し、治療箇所から移動するおそれを低減できるので好ましい。また、本発明の球状微粒子の表面を金属酸化物薄膜で被覆すると、球状微粒子が化学的により安定になるという特徴もある。
前記金属酸化物薄膜が、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン、ガンマヘマタイト、マグネタイト、水酸化鉄、あるいはこれらを複数含む複合酸化物の何れかより形成されていると、これら材料は生体親和性を有しているので、生体に拒否されず、好適である。更に、ガンマヘマタイトやマグネタイトにより形成されていると、金属酸化物薄膜も発熱に寄与することができるので好適である。加えて、金属酸化物薄膜が多孔質で形成されていると、金属酸化物薄膜に薬剤を含ませることができるので、温熱治療と薬剤による治療とを併せて行うことが可能となるので好ましい。
本発明のマイクロカプセル発熱体は、例えば、100kHzの周波数で15.92〜29.45(kA/m)の交流磁場下に置いたときの発熱量が、5〜30(W/g)である。このような発熱量は、温熱治療に十分であり、効果的な温熱治療を行うことができ、好適である。しかも、従来の発明(例えば、特許文献1参照)で用いられてきた技術に比べて、比重の小さい球状粒子が得られるので、同球状粒子をカテーテルを通じて血管内に導入した際に血管中での沈降が少なく、がん組織への到達効率の向上、引いては治療効果の向上が期待できる。以下、実施例により本発明を詳述する。
硝酸鉄(3価)九水和物15gを、超純水20mLに溶解した。この溶液に、濃アンモニア水を、溶液が無色透明になるまで滴下した。生成した水酸化鉄の沈殿を遠心分離し、洗液がほぼ中性を呈するまで超純水で洗浄を繰り返した。この沈殿に、0.2mol/L硝酸水溶液15mLを加え、80℃に加熱しながら1時間攪拌した。かくして得られたゾル溶液を室温まで放冷し、2-エチル-1-ヘキサノール50mLに加え、ホモジナイザを用いて2000rpmで10分間攪拌してエマルジョンを得た。このエマルジョンを、ブタノール150mLに加えて10分間攪拌した。生成した沈殿をろ紙で分離し、アセトンで洗浄、乾燥した。
上記で得られた粉末を、真空炉(0.03Pa以下)に入れて5℃/minで昇温し、種々の温度で6時間保持した後、炉内で室温まで放冷した。加熱処理後の試料の表面構造を、粉末X線回折及び走査電子顕微鏡(SEM)観察により調べた。図1に、真空中種々の温度で加熱処理した試料の、粉末X線回折パターンを示した。800℃ではヘマタイト(Fe2O3)のみ、1000℃ではヘマタイト及びマグネタイト(Fe3O4)、1150℃ではマグネタイトのみに帰属されるピークが検出された。
図2に、同試料のSEM写真を示す。粒径20〜100μmの微小球が観察された。100μm程度の微小球においては、一部破壊が観察されるものの、粒径50μm以下の粒子はほぼ球状の形態を維持していた。1150℃で熱処理した微小球の破断面のSEM写真を、図3に示した。外壁の厚さが、約10μmの中空微小球が得られていることが分かる。
真球状陽イオン交換樹脂5gを1mol/L硝酸鉄(3価)九水和物水溶液40mL中に入れ、室温で24時間保持した。その後、樹脂をろ紙で分離し、真空中1150℃で6時間保持した。得られたマイクロカプセルのSEM写真を図4に示した。直径約20μmの球状粒子が得られ、表面は多孔質状を呈していた。同粒子は内部においても多孔質状であった。この粒子の結晶構造をX線回折で調べると、マグネタイト単相からなることが分かった。
本発明の温熱治療用マイクロカプセル発熱体は、内部を空洞あるいは多孔質状の形態、あるいは外殻と内部の両方を多孔質状の形態とした球状微粒子からなっているため、比重が小さく、血管内で沈降を起こし難く、効率よく患部に到達する。また、粒径が10〜200μm(好ましくは10〜40μm)であるため、患部血管に歩留まり良く固定化される他、がん組織周辺の血管を閉塞し、がん細胞への栄養補給を遮断する塞栓効果も期待できる。従って、がん等の温熱治療用マイクロカプセル発熱体として広く用いられことが期待される。
Claims (7)
- 強磁性化合物からなる外殻を持つ球状微粒子であって、内部が空洞あるいは多孔質状の形態を有する、又は、外殻と内部の両方が多孔質状の形態を有する球状微粒子からなることを特徴とする温熱治療用マイクロカプセル発熱体。
- 強磁性化合物が、ガンマヘマタイト、マグネタイト、ストロンチウムフェライト、亜鉛フェライト、マグネシウムフェライト及びカルシウムフェライトからなる群から選ばれた1種又2種以上の化合物を主成分とするものである請求項1記載の温熱治療用マイクロカプセル発熱体。
- 球状微粒子の直径が、10〜200μmの範囲にある請求項1又は2記載の温熱治療用マイクロカプセル発熱体。
- 球状微粒子の外殻の厚さが、その半径の10〜75%の範囲内にある請求項1〜3のいずれか1項記載の温熱治療用マイクロカプセル発熱体。
- 強磁性化合物の結晶粒が、形状異方性を有し、結晶粒を構成する化合物の磁区構造が単磁区と擬似単磁区のうち少なくとも一方を主として形成されている請求項1〜4のいずれか1項記載の温熱治療用マイクロカプセル発熱体。
- 強磁性化合物の前駆体である金属水酸化物あるいは金属イオンを含む溶液を作成し、これを水と混和しない有機溶媒中に分散させてエマルジョンとし、得られたエマルジョンを無機塩水溶液又は有機溶媒中に加えることによりマイクロカプセルを形成させ、形成されたマイクロカプセルを分離・採取し、次いで、加熱処理することを特徴とする温熱治療用マイクロカプセル発熱体の製造方法。
- 有機高分子からなる球状微粒子表面に、強磁性化合物の前駆体となる化合物を被覆し、得られた被覆微粒子を加熱処理して、有機高分子を熱分解させ内部を空洞あるいは多孔質状とすることを特徴とする温熱治療用マイクロカプセル発熱体の製造方法。
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