JP2004105722A - 温熱治療用発熱体およびその製造方法 - Google Patents

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Tadashi Kokubo
小久保 正
Masahiro Hiraoka
平岡 真寛
Masakazu Kawashita
川下 将一
Kouji Fujita
藤田 浩示
Yasuhiro Saito
斉藤 靖弘
Shinjiro Doken
堂見 新二郎
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Abstract

【課題】発熱効率がよく、しかも磁気的、化学的に安定な温熱治療用発熱体、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】核微粒子10の外側に被覆させた強磁性体層20を主材とする温熱治療用発熱体であって、前記強磁性体層20は酸化物からなり、その磁区構造が単磁区と擬似単磁区のうち少なくとも一方を主として形成されてなることを特徴とする温熱治療用発熱体30である。さらにこの温熱治療用発熱体30を金属酸化物薄膜40にて被覆してもよい。
 この温熱治療用発熱体30は、核微粒子10に液相法で水酸化鉄を析出させた後、加熱処理することにより、製造することができる。
【選択図】 図4

Description

 本発明は、強磁性体を主材とする温熱治療用発熱体、およびその製造方法に関する。この温熱治療用発熱体は、癌の温熱治療に用いることができる。
 癌組織は、正常組織に比べて、熱による損傷を受け易いという生物学的な特性を利用して、近年、腫瘍部分を局所的に加温する癌の温熱治療(ハイパーサーミア)が、注目されている。
 腫瘍部分を局所的に加温するにあたっては、温水、赤外線、超音波やマイクロ波等により、体外から腫瘍部分を加温することが試みられている。しかし、これらの方法では、体表付近は効果的に加温できるものの、体内深部では、正常組織に損傷を与えることなく、効果的に加温することは困難である。
 磁力線は、細胞に損傷を与えることなく、体内深部まで到達させることができる。このことに着目して、強磁性微小球をカテーテル等により体内に入れ、強磁性微小球が埋入された部分を交流磁場中に置き、強磁性微小球のヒステリシス損による発熱を利用して、腫瘍部分を局所的に加温することが提案されている。
 そして、ハイパーサーミアに適した磁性組成物として、アモルファス合金および親水性高分子を含有して成ることを特徴とする磁性組成物」が開示されている。このアモルファス合金としては、「Fe、Ni及びCoの1種又は2種以上の遷移金属と、P、C、Si又はBの1種又は2種以上の半金属と、Cr及び/又はMoとを含有するものが挙げられている(例えば、特許文献1参照)。
 また、比透磁率が100〜2000の鉄系酸化物微粒子を主成分とする感磁発熱体が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
 さらに、その製造方法としては、溶液からの結晶析出プロセス(液相法)によって、温熱治療用発熱体としてのマグネタイト微小球を作製する方法が提案されている。
 具体的には、Fe34を飽和濃度だけ含むフッ化水素酸溶液に、シリカガラス微小球を浸漬し、鉄分を含む皮膜を析出させ、これを還元雰囲気ガス中で熱処理することにより、直径約25μmのマグネタイト微小球を作製する方法である。この方法により作製したマグネタイト微小球は、直径約50nmのFe34微結晶からなり、その表面には、多数の亀裂が発生していることも報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
特開平6−245993号公報
特開平11−57031号公報
化学工業、Vol.52,No.5,(2001),p38−43
 しかしながら、上述した特許文献1に開示された磁性組成物では、アモルファス合金を含有している。アモルファスは一般に軟磁性を示し、ヒステリシス損が小さいので、十分な発熱量が得られるかどうか不明である。
 また、上述した特許文献2では、感磁発熱体の主成分である鉄系酸化物微粒子として、Fe34、γ−Fe23等の酸化鉄、スピネル型の鉄系複合酸化物が例示されているだけで、その具体的な製造方法は開示されていない。
 さらに、上述した非特許文献1に開示された製造方法では、本発明者等がその記述に基づいて追試を行った結果、水酸化鉄の析出反応が不安定で、うまく水酸化鉄の層を析出できない場合があることが判明した。また、一般に、磁性体を構成する結晶粒が球状であると、磁気的に不安定であるとされている。
 なお、温熱治療用発熱体は、患部に埋入されて使用されるので、生体内で化学的に安定に存在し続けることが求められる。
 本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであって、その目的は発熱効率がよく、しかも磁気的、化学的に安定な温熱治療用発熱体、およびその製造方法を提供することにある。
 請求項1記載の発明の特徴構成は、核微粒子の外側に被覆させた強磁性体層を主材とする温熱治療用発熱体であって、前記強磁性体層は酸化物からなり、その磁区構造が単磁区と擬似単磁区のうち少なくとも一方を主として形成されてなるところにある。
〔作用効果〕
 発熱体を構成する強磁性体層の磁区構造が、単磁区と擬似単磁区のうち少なくとも一方を主として形成されていれば、磁場を付与したときの磁化反転の機構が磁壁の移動によらないなど、磁壁の影響を受けることがない。このため、磁場のエネルギーは、磁壁の移動に費やすことなく、磁気ヒステリシス損による発熱に費やされるので、発熱量が多くなり、例えば、生体内に埋入して癌を治療するのに十分な発熱量を得ることができる。
 請求項2記載の発明の特徴構成は、上記請求項1記載の発明の特徴構成に加えて、前記強磁性体層は、実質的に互いに化学結合された強磁性体の結晶粒のみからなるところにある。
〔作用効果〕
 強磁性体層が、実質的に互いに化学結合された強磁性体の結晶粒のみから構成されていると、温熱治療用発熱体のうち、強磁性体の割合を多くできるので、発熱量を大きくすることができる。
 また、有機物であるバインダー成分を含まないので、生体内においても化学的に安定な温熱治療用発熱体とすることができる。
 請求項3記載の発明の特徴構成は、上記請求項2記載の発明の特徴構成に加えて、前記結晶粒は、形状異方性を有しているところにある。
〔作用効果〕
 結晶粒が形状異方性を有していると、その形状効果により、球状の結晶粒に比べて磁気的な安定性に優れている。なお、本明細書において、形状異方性を有する形状とは、球状以外の形状で、まゆ形や回転楕円球、針状など、概略棒状を意味するものとする。
 請求項4記載の発明の特徴構成は、上記請求項1〜3の何れか1項に記載の発明の特徴構成に加えて、前記強磁性体層は、ガンマヘマタイト、マグネタイト、ストロンチウムフェライト、ジンクフェライトから選ばれる1種を主成分とするところにある。
〔作用効果〕
 強磁性体層が、ガンマヘマタイト、マグネタイト、ストロンチウムフェライト、ジンクフェライトから選ばれる1種を主成分として形成されていると、十分な発熱量を期待できる温熱治療用発熱体を容易に製造することができる。また、強磁性体層が無機酸化物で構成されていると、生体内に埋入させても無害であるので、好ましい。
 特に、強磁性体層が、ガンマヘマタイトで形成されていると、特に磁気的に安定であるので、好ましい。
 請求項5記載の発明の特徴構成は、上記請求項1〜4の何れか1項に記載の発明の特徴構成に加えて、前記発熱体は、その直径が10〜200μmの球状または略球状のものであるところにある。
〔作用効果〕
 発熱体が、その直径を10〜200μmとし、球状または略球状のもので形成されていると、例えば、生体の血管内に埋入固定させるのに好適である。
 特に、発熱体が、その直径を10〜40μmとし形成されていると、例えば、生体の末梢血管内に効果的に埋入固定させることができる。このため、腫瘍に対して温熱効果と塞栓効果とを発揮させることができ、好適である。
 請求項6記載の発明の特徴構成は、上記請求項1〜5の何れか1項に記載の発明の特徴構成に加えて、前記核微粒子に対する前記強磁性体層の体積比が3.5以上であるところにある。
〔作用効果〕
 核微粒子に対する強磁性体層の体積比が3.5以上として形成させていると、強磁性体層の割合を多くすることができ、十分な発熱量を期待できる温熱治療用発熱体とすることができる。
 請求項7記載の発明の特徴構成は、上記請求項1〜6の何れか1項に記載の発明の特徴構成に加えて、前記強磁性体層にはクラックが形成されており、前記クラックの最大幅が前記発熱体の直径の3%以下としたところにある。
〔作用効果〕
 強磁性体層に発生するクラックの最大幅が前記発熱体の直径の3%以下とすると、例え強磁性体層にクラックが発生したとしても、クラックが発熱体に対して小さいので、強磁性体層の一部が小片化することを抑えることができる。したがって、発熱体が小片化し、治療箇所から移動するおそれを低減できるので、好適である。
 請求項8記載の発明の特徴構成は、上記請求項1〜7の何れか1項に記載の発明の特徴構成に加えて、前記核微粒子は、平均粒径が0.1〜10μmであり、粒径の変動係数が15%以下であるところにある。
〔作用効果〕
 このような平均粒径の核微粒子を用いれば、球状または略球状で直径が20〜40μmの発熱体を容易に得ることができる。さらに、粒径の変動係数が15%以下の核微粒子を用いれば、粒径のばらつきの小さな発熱体を容易に得ることができる。
 さらに、前記核微粒子が酸化珪素から形成されているとよい。酸化珪素から形成されていると、液相法により核微粒子に密着性よく強磁性体層を形成させることができるので、強磁性体層の剥離や大きなクラックが生じるのを防ぐことができる。また、化学的にも安定であるので、好ましい。
 請求項9記載の発明の特徴構成は、上記請求項1〜8の何れか1項に記載の発明の特徴構成に加えて、前記発熱体の表面に、金属酸化物薄膜を被覆させたところにある。
〔作用効果〕
 発熱体の表面を金属酸化物薄膜で被覆させて形成すると、発熱体にクラックが生じても、金属酸化物薄膜が保護膜として機能するので、発熱体が小片化するのを防ぐことができる。よって、発熱体を生体内に埋入させて温熱治療に用いたときに、発熱体が小片化し、治療箇所から移動するおそれを低減できるので、好適である。また、金属酸化物を用いると、化学的にも安定であるので、好ましい。
 さらに前記金属酸化物薄膜が、酸化珪素、酸化チタン、ガンマヘマタイト、マグネタイト、水酸化鉄の何れかより形成されていると、これら材料は生体親和性を有しているので、生体に拒否されず、好適である。さらにガンマヘマタイトやマグネタイトにより形成されていると、金属酸化物薄膜も発熱に寄与することができるので、好適である。
 加えて、金属酸化物薄膜が多孔質で形成されていると、金属酸化物薄膜に薬剤を含ませることができるので、温熱治療と薬剤による治療とを併せて行うことが可能となるので、好適である。
 さらに、前記発熱体が無機材料のみからなるとよい。温熱治療用発熱体が無機材料のみから形成されていると、化学的に安定であるので、好ましい。
 請求項10記載の発明の特徴構成は、上記請求項1〜9の何れか1項に記載の発明の特徴構成に加えて、前記発熱体は、100kHzの周波数で15.92〜29.45[kA/m]の交流磁場下においたときの発熱量が、5〜30[W/g]であるところにある。
〔作用効果〕
 このような発熱量は、温熱治療に十分であり、効果的な温熱治療を行うことができ、好適である。
 請求項11記載の発明の特徴手段は、請求項1〜10の何れか1項に記載の温熱治療用発熱体の製造方法であって、
 液相法で前記核微粒子のまわりに水酸化鉄を析出させて層を形成する析出処理を行った後、還元雰囲気での加熱処理により、前記核微粒子のまわりに形成された水酸化鉄層を、ガンマヘマタイトからなる強磁性材料に変化させて、前記強磁性体層を形成するところにある。
〔作用効果〕
 このような温熱治療用発熱体の製造方法において、まず、液相法により核微粒子のまわりに水酸化鉄を析出させて層を形成する析出処理を行うことで、核微粒子のまわりに均一な水酸化鉄を析出させることができる。これをさらに、還元雰囲気にて加熱処理することにより、ガンマヘマタイトからなる強磁性体層を形成することができる。
 このような製造方法によれば、その磁区構造が単磁区と擬似単磁区のうち少なくとも一方を主として形成された強磁性体層を有する温熱治療用発熱体を製造することができる。また、核微粒子に均質な強磁性体層を形成でき、温熱治療用発熱体を多量に且つ経済的に製造できる方法でもある。
 請求項12記載の発明の特徴手段は、請求項11に記載の発明の特徴手段に加えて、平均粒径が0.1〜10μmであり、粒径の変動係数が15%以下である核微粒子を用いるところにある。
 このような核微粒子を用いれば、その粒径のばらつきが小さいので、粒径の揃った温熱治療用発熱体を確実に製造できる。
 請求項13記載の発明の特徴手段は、請求項11または12に記載の発明の特徴手段に加えて、前記加熱処理における100〜500℃の範囲内の昇温速度を5℃/分以下としたところにある。
〔作用効果〕
 このような加熱処理とすることによって、強磁性層が脱水縮合反応することによって起こる体積収縮による応力が、ある特定の一部分に集中するのを抑制でき、発生するクラックの幅を低減することができるので、好適である。
 さらに、前記昇温速度を1℃/分以下とする加熱処理とすると、クラックの幅をより低減することができるので、好ましい。
 請求項14記載の発明の特徴手段は、請求項11〜13の何れか1項に記載の発明の特徴手段に加えて、前記加熱処理は、前記水酸化鉄層を形成した前記核微粒子を筒状ドラムに入れて回転しながら、前記水酸化鉄層を還元するところにある。
〔作用効果〕
 このような加熱処理とすることによって、水酸化鉄層を形成した前記核微粒子の還元を均一にすることができるので、好ましい。
 なお、一般に強磁性体内部の最小の磁石単位は、磁区と呼ばれる。1つの結晶粒中に1つの磁区しかないものを単磁区構造といい、複数の磁区があるもの多磁区構造という。本明細書において、擬似単磁区とは、1つの結晶粒中にいくつか(2〜5)の磁区があるものと定義するものとする。
 また、変動係数とは、母集団の母標準偏差σと母平均μとの比率をいい、次式で表される。
Figure 2004105722
 以下に、本発明による温熱治療用発熱体、およびその製造方法の実施例を説明する。
 以下のようにして、核微粒子の一例である球状シリカ微粒子のまわりに、液相法で水酸化鉄を析出させて、水酸化鉄層を形成させる析出処理を行った。さらに、これを加熱処理することにより、前記水酸化鉄層をガンマヘマタイトに変化させて前記強磁性体層を形成し、本発明に係る温熱治療用発熱体を作製した。
 まず、0.5mol/Lのフッ化鉄(FeF3)水溶液1Lに、0.1mol/Lのフッ化水素酸50mLを添加し、前記析出処理を行う処理液とした。この処理液1Lを35℃の水浴に入れ、そして、前記核微粒子として、粒径が約9μm(アドマテックス(Admatechs)社製)で、予め十分に乾燥させた球状シリカ微粒子0.6gを、前記処理液中に浸漬した。続いて、この処理液に、反応開始剤として0.5mol/Lのホウ酸(H3BO3)水溶液を滴下し、30日間撹拌下で反応させて、球状シリカ微粒子のまわりに、水酸化鉄の一例であるβ−FeOOHを析出させた(図1参照)。
 図1は、液相法で核微粒子に水酸化鉄を析出させて、水酸化鉄層を形成させる装置の模式図である。図中、aは核微粒子の一例である球状シリカ微粒子、bは処理液、cは反応の開始剤の一例であるホウ酸水溶液、dは水酸化鉄の一例であるβ−FeOOHを示し、1は容器、2はスターラー、3は反応の開始剤供給用パイプである。
 この図1は、処理液b中に球状シリカ微粒子aを入れて、ホウ酸水溶液cを滴下しながら、スターラー2により処理液bを撹拌する様子を表している。
 なお、処理液は、10日ごとに新しいものに全量交換した。そして、30日後に、そのまわりにβ−FeOOHが析出された微小球を、前記処理液から取り出して、十分に洗浄した後、100℃で乾燥させた。
 その微小球を、CO2とH2の体積比(CO2:H2)が70:30である混合ガス(総流量100mL/分)の還元雰囲気下で、室温から5℃/分の速度で昇温し、600℃で1時間加熱し、その後放冷した。
 図2は、この加熱処理に用いた還元炉を示し、加熱炉4と、加熱炉4の中心部に配置された石英製の炉心管5と、この炉心管5の内部で筒状ドラムとしての石英製の回転管7と、回転管7を回転駆動するモータ8などで構成されている。回転管7は、回転可能なように両端部を複数のローラ部6で支持されており、回転管7内部に試料室9が設けられ、この試料室9を取り囲むように加熱用のヒータ12が設けられている。
 また、炉心管5の両端部には、還元雰囲気を保つためのフランジ部10,11が設けられ、一方のフランジ部10から還元性ガスを導入し、他方のフランジ部11からこれを排出しながら、還元雰囲気中で加熱処理が行えるように構成されている。
 このような還元炉を使用して、β−FeOOHの被覆された微小球を回転管7内部の試料室9に入れて、フランジ部10,11を密閉し、還元性ガスを導入し還元雰囲気として、回転管7を回転させながら加熱処理を行う。こうすると、均一な還元が行えるので、好適である。
 このようにして、β−FeOOHをガンマヘマタイトに変化させ、強磁性体層とした温熱治療用発熱体を得た。すなわち、核微粒子である球状シリカ微粒子の外側をガンマヘマタイト層で被覆し、この層を主材とする温熱治療用発熱体である。本発明による温熱治療用発熱体では、強磁性体層が主材であり、少なくとも体積的に発熱体の半分以上を占めている。さらに、強磁性体層が発熱体の80%以上を占めていることが好ましい。
 なお、発熱体の強磁性体層は、X線回折法により、ガンマヘマタイトが主成分であることが確認された。また、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察結果から、発熱体は直径約25μmであり、ガンマヘマタイト層の厚みは8μmであることが分かった。さらに、発熱体は、多孔質であることが観察された。
 そして、この発熱体について、ガンマヘマタイト層の磁区構造を調べた。なお、磁区構造は、走査型プローブ顕微鏡(SPM、セイコーインスツルメンツ(SII)社製;SPI3700)を磁気力顕微鏡(MFM)として用いて調べた。その結果、磁区サイズは約40nmであり、確かに単磁区構造であることが分かった。
 このように、強磁性体層における磁区構造が、単磁区や擬似単磁区で構成されていると、ヒステリシス損が大きく、温熱治療用発熱体として好ましい。
 なお、磁区観察は、このほか、分光式磁区観察装置、ドメインスコープ、高磁場マイクロカー効果測定装置等によっても行うことができる。
 図3は、強磁性体層を構成する結晶を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果から、結晶粒の外形線を模式的にトレースしたものである。これによると、結晶粒はまゆ形状をしており、形状異方性を有していることが分かった。
 このように、強磁性体層が形状異方性を有する結晶粒の集合体よりなっていると、磁気的に安定であり、好ましい。
 さらに強磁性体層は、実質的に互いに化学結合された強磁性体の結晶粒のみからなり、バインダー成分を含まず、温熱治療用発熱体における強磁性体層の割合を大きくできるので、好ましい。これに加え、温熱治療用発熱体が無機材料のみで構成できるので、化学的安定性にも優れている。
 また、以下に示す実施例を含めて、核微粒子としてその粒径のばらつきが小さいものを用い、液相法により強磁性体層を形成することで、その粒径のばらつきが小さい均一な発熱体を得ることができた。
 以下のような方法により、発熱体の表面に金属酸化物薄膜の一例である二酸化珪素薄膜を被覆した温熱治療用発熱体を作製した。
 2.5mol/Lの珪フッ化水素酸にシリカゲルを溶解させ、フッ酸およびシリカゲルとが平衡状態にあるSiO2飽和水溶液を準備した。さらに、このSiO2飽和水溶液1Lに、50×50×3mmのアルミニウム板4枚を1時間浸漬し、SiO2過飽和水溶液とした。なお、このときのアルミニウムの溶解量は、2.6g/Lであった。このSiO2過飽和水溶液1Lを35℃の水浴に入れ、発熱体として、予め十分に洗浄・乾燥させたガンマヘマタイト層で被覆された微小球1.5gを前記水溶液中に浸漬し、5時間撹拌下で反応させて、このガンマヘマタイト層の表面に二酸化珪素薄膜を析出させた。
 その後、この微小球を、前記過飽和水溶液から取り出して、十分に洗浄した後、100℃で乾燥させた。
 以上の操作を4回繰り返すことにより、その表面に二酸化珪素薄膜が被覆されたガンマヘマタイト層を主材とする温熱治療用発熱体を得た。
 この微粒子を、蛍光X線法により組成分析を行ったところ、ガンマヘマタイト層の表面には、二酸化珪素薄膜が被覆されていることが分かった。さらに、走査型電子顕微鏡にて、この微粒子の断面および表面を観察したところ、二酸化珪素薄膜の膜厚は約100nmであり、その表面は多孔質であることが分かった。
 以下のような方法により、発熱体の表面に金属酸化物薄膜の一例として水酸化鉄薄膜を被覆した温熱治療用発熱体を作製した。
 まず、0.5mol/Lのフッ化鉄水溶液1Lに、0.1mol/Lのフッ化水素酸50mLを添加し、前記析出処理を行う処理液とした。この処理液1Lを35℃の水浴に入れ、そして、実施例1で作製した粒径が約25μmの発熱体0.6gを、前記処理液中に浸漬した。続いて、この処理液に、0.5mol/Lのホウ酸水溶液を滴下し、30日間撹拌下で反応させて、発熱体のまわりに、水酸化鉄の一例であるβ−FeOOHを析出させた。
 この発熱体を、蛍光X線法により組成分析を行ったところ、強磁性体層の表面には、水酸化鉄薄膜が被覆されていることが分かった。さらに、走査型電子顕微鏡にて、この発熱体の断面および表面を観察したところ、水酸化鉄薄膜の膜厚は約500nmであることが分かった。
 このように、発熱体の強磁性体層の表面を、二酸化珪素薄膜や水酸化鉄薄膜で被覆すると、強磁性体層の小片化を防ぐことができるので、温熱治療用発熱体を生体内の目的の場所に留めておくことができる。さらに、温熱治療用発熱体に生体親和性を備えることができるので、好ましい。
 つぎに、本発明の効果などを確認するために、各種実験や観察を行ったので、その結果について言及する。
(実験例1)
 生体内における発熱体の発熱量の測定は困難を伴うので、以下に示す方法にて発熱体の発熱量を測定した。
 寒天0.2gを100℃のお湯20mlに溶解させた寒天水溶液中に、実施例1で得られた発熱体0.1gを添加し、超音波を用いて均一に分散させた後、この水溶液を冷却し固めたものを温度測定用試料とした。
 この試料を、発泡スチロールにて十分に断熱し、周波数100kHz、23.88kA/m(300(Oe))の交流磁場下に置いた。磁場の状態は、エーデーエス(ADS)社製ガウスメータ(HGM−7500S型)にて測定した。交流磁場を10分間印加した後における試料の温度上昇は約13℃であり、したがって発熱体の発熱量は18W/gと推定することができる。
 以下、磁場を変化させて、同様の実験を行った結果を表1に示す。
Figure 2004105722
(実験例2)
 実施例1で作製した試料(以下、試料1と呼ぶ)の表面積をBET法で測定したところ、約5m2/gであった。同粒径のシリカ微粒子の表面積は約0.2m2/gであり、それらに比べると試料1は10倍以上の表面積を有していた。
 また、走査型電子顕微鏡による観察で、試料1の表面の亀裂を観察したところ、クラックの最大幅は0.5μmであった。
(実験例3)
 実施例1と同様にして、β−FeOOHがそのまわりに析出された微小球を得た。これをCO2とH2の混合ガスの還元雰囲気下で、室温から1℃/分の速度で昇温し、600℃で1時間加熱して放冷させることにより、β−FeOOHをガンマヘマタイトに変化させて、球状シリカ微粒子の外側がガンマヘマタイト層(強磁性体層)で被覆された発熱体からなる試料2を得た。
 走査型電子顕微鏡による観察で、試料2の表面の亀裂を観察したところ、最大クラック幅は0.2μmであった。
(比較実験)
 昇温速度によるクラック幅の差異を観察するため、以下の比較実験を行った。
 実施例1や実験例3と同様にして、β−FeOOHがそのまわりに析出された微小球を得た。これをCO2とH2の混合ガスの還元雰囲気下で、室温から10℃/分の速度で昇温し、600℃で1時間加熱して放冷させることにより、β−FeOOHをガンマヘマタイトに変化させて、球状シリカ微粒子の外側がガンマヘマタイト層(強磁性体層)で被覆された発熱体からなる試料3を得た。
 走査型電子顕微鏡による観察で、試料3の表面の亀裂を観察したところ、最大クラック幅は1.5μmであった。
 これらの結果をまとめたのが表2である。
Figure 2004105722
 また、試料1、2、3それぞれ約0.1gを生理食塩水中に入れ、ホモジナイザーで1分間、激しく撹拌した。各試料を回収し、光学顕微鏡で観察したところ、試料1、2は強磁性体層の剥離が認められなかったが、試料3は明らかに剥離が認められた。
 なお、以上に示した実施例1〜実施例3、実験例3などは本発明の一例であり、本発明はこれら実施例に限られるものではない。以下に、他の実施形態を説明する。
[別実施形態]
〈1〉本発明に係る温熱治療用発熱体は、強磁性体を主材とするものであればよく、先に例示した発熱体のみに限られることはない。また、その発熱体は、その磁区構造が単磁区と擬似単磁区のうち少なくとも一方を主として形成されていればよい。
 さらに、強磁性体層は、酸化物の形状異方性を有する結晶粒の集合体より形成されていればよい。結晶粒は、球状ではなく、まゆ形、回転楕円球、さらには針状のように、形状異方性を有していればよい。
 このような発熱体は、先の実施例1で例示したような、フッ化鉄イオンの平衡反応を利用する方法により製造すれば、反応の制御性がよく、核微粒子を均一に水酸化鉄層で被覆することができる。さらに、析出する結晶径の制御も容易なので、好ましい。
 また、鉄イオンを含む酸性水溶液を中和する方法など、その他の液相法により、発熱体を製造してもよい。なお、発熱体は、以上説明した方法に限られることはなく、例えば少なくとも鉄イオンと還元剤を含む溶液を用いた無電解めっき法によれば、ガンマヘマタイトやマグネタイトのほか、各種フェライトからなる層を直接形成することができる。
〈2〉発熱体は、先に例示したガンマヘマタイトから構成されるものに限られることはなく、各種強磁性体材料から構成されていればよい。例えば、マグネタイト、ストロンチウムフェライト、ジンクフェライトから選ばれる1種または2種以上の強磁性体材料から構成されるとよい。
〈3〉金属酸化物薄膜として、実施例2では二酸化珪素からなる例を、実施例3では水酸化鉄からなる例を説明したが、酸化チタンやマグネタイトなどから構成されていてもよい。これら材料で金属酸化物薄膜を構成すると、二酸化珪素や水酸化鉄のときと同様に、発熱体のガンマヘマタイト層の小片化を防ぐことができるので、温熱治療用発熱体を生体内の目的の場所に留めておくことができる。さらに、温熱治療用発熱体に生体親和性を備えることができるので、好ましい。
 なお、これら以外の各種金属の酸化物で、化学的な安定性を有する材料であれば、金属酸化物薄膜の材料として用いることができる。金属酸化物薄膜の形成方法としては、上記実施例に例示したように、液相法が好適である。
〈4〉発熱体は、強磁性を示す微粒子状の形態であれば特に限定されないが、球状または略球状であれば、温熱治療用発熱体として、生体内の目的の場所に到達させやすいので、好ましい。また、発熱体は、毛細血管を通過せずに、腫瘍を養う動脈の末梢部分に止まって塞栓効果を発揮するために、その直径は10〜40μmが最も好ましい。
 球状または略球状の発熱体を得るためには、球状または略球状の核微粒子に液相法を適用するとよい。これによれば、均一な粒径の発熱体を容易に得ることができる。
 核微粒子の形状としては、球状に限られることなく、入手可能な形状のものを用いることができる。ただし、上記実施例1で示した方法によって得られる、水酸化鉄層を析出させた微粒子の形状は、核微粒子の形状をよく反映する。さらに、加熱処理後の発熱体の形状も核微粒子の形状をよく反映する。このため、塞栓効果などを考慮し、球状の発熱体を得ようとする場合は、核微粒子の形状を球状とするとよい。
 核微粒子として、その直径が0.1〜10μmの球状で、かつ粒径の変動係数が15%以下であれば、均一な粒径の発熱体を得ることができるので、特に好ましい。
 また、上記実施例では、核微粒子として球状シリカ微粒子を用いた例を示した。核微粒子の材料としては、水酸化鉄を析出させる処理液中で分散性や化学的安定性に優れるものであれば、これに限られることはない。例えば、強磁性を示す材料を核微粒子として用いれば、温熱治療用発熱体がすべて強磁性体材料で構成されるので、より多くの発熱量を期待できるので、有利である。
 以上説明してきたように、本発明において好適な核微粒子としては、二酸化珪素や二酸化チタンからなる球状の微粒子が挙げられる。このうち、二酸化珪素微粒子は、珪酸ソーダの水溶液を中和反応させる液相析出反応や、テトラエトキシシランを出発原料とするゾルゲル法などの方法によって、均一な粒径のものを容易に得ることができるので、好適である。
〈5〉発熱体の表面を、上述の金属酸化物薄膜に限られることなく、例えば、水酸アパタイトなど、骨や人体組織との親和性のよい生体活性な無機質材などでもよい。
〈6〉本発明による温熱治療用発熱体は、外部からの磁場を移動させることによって、体内において所望の治療箇所へ誘導させることも可能である。
 本発明による温熱治療用発熱体は、癌の温熱治療に用いることができる。また、これに限られることなく、その他の各種用途で患部を局所的に加温することに用いることができる。
液相法で核微粒子に水酸化鉄を析出させて、水酸化鉄層を形成させる装置の模式図である。 還元炉の模式図である。 強磁性体層の結晶粒の透過型電子顕微鏡の観察結果より、結晶粒の外形線をトレースした図である。 実施例2、3における温熱治療用発熱体の断面模式図である。
符号の説明
10 核微粒子
20 強磁性体層
30 発熱体
40 金属酸化物薄膜

Claims (14)

  1.  核微粒子の外側に被覆させた強磁性体層を主材とする温熱治療用発熱体であって、
     前記強磁性体層は酸化物からなり、その磁区構造が単磁区と擬似単磁区のうち少なくとも一方を主として形成されてなることを特徴とする温熱治療用発熱体。
  2.  前記強磁性体層は、実質的に互いに化学結合された強磁性体の結晶粒のみからなる請求項1に記載の温熱治療用発熱体。
  3.  前記結晶粒は、形状異方性を有している請求項2に記載の温熱治療用発熱体。
  4.  前記強磁性体層は、ガンマヘマタイト、マグネタイト、ストロンチウムフェライト、ジンクフェライトから選ばれる1種を主成分とする請求項1〜3の何れか1項に記載の温熱治療用発熱体。
  5.  前記発熱体は、その直径が10〜200μmの球状または略球状のものである請求項1〜4の何れか1項に記載の温熱治療用発熱体。
  6.  前記核微粒子に対する前記強磁性体層の体積比が3.5以上である請求項1〜5の何れか1項に記載の温熱治療用発熱体。
  7.  前記強磁性体層にはクラックが形成されており、前記クラックの最大幅が前記発熱体の直径の3%以下である請求項1〜6の何れか1項に記載の温熱治療用発熱体。
  8.  前記核微粒子は、平均粒径が0.1〜10μmであり、粒径の変動係数が15%以下である請求項1〜7の何れか1項に記載の温熱治療用発熱体。
  9.  前記発熱体の表面に、金属酸化物薄膜を被覆させた請求項1〜8の何れか1項に記載の温熱治療用発熱体。
  10.  前記発熱体の発熱量が、100kHzの周波数で15.92〜29.45[kA/m]の交流磁場下においたときに5〜30[W/g]である請求項1〜9の何れか1項に記載の温熱治療用発熱体。
  11.  請求項1〜10の何れか1項に記載の温熱治療用発熱体の製造方法であって、
     液相法で前記核微粒子のまわりに水酸化鉄を析出させて層を形成する析出処理を行った後、還元雰囲気での加熱処理により、前記核微粒子のまわりに形成された水酸化鉄層を、ガンマヘマタイトからなる強磁性材料に変化させて、前記強磁性体層を形成する温熱治療用発熱体の製造方法。
  12.  平均粒径が0.1〜10μmで、その粒径の変動係数が15%以下である核微粒子を用いる請求項11に記載の温熱治療用発熱体の製造方法。
  13.  前記加熱処理における100〜500℃の範囲内の昇温速度を5℃/分以下とした請求項11または12に記載の温熱治療用発熱体の製造方法。
  14.  前記加熱処理は、前記水酸化鉄層を形成した前記核微粒子を筒状ドラムに入れて回転しながら、前記水酸化鉄層を還元する請求項11〜13の何れか1項に記載の温熱治療用発熱体の製造方法。
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