JP2007324630A - 半導体発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】たとえば青色の発光チップからの青色発光と波長変換された黄緑色とを均一化して純粋な白色の発光が得られる半導体発光装置の製造方法。
【解決手段】サブマウント素子1の上にフリップチップ型の発光素子2を導通搭載するとともに、この発光素子2を波長変換用の蛍光物質を含有した樹脂のパッケージ3によって封止し、発光素子2の外郭面からのパッケージ3の厚さを発光方向の全方位でほぼ等しくし、発光素子の発光方向の全方位に対して蛍光物質による波長変換度を均一化する。
【選択図】図2

Description

本発明は、たとえば青色発光の発光ダイオードによる発光を波長変換して白色発光を得るようにした半導体発光装置に関するものである。
青色発光の発光ダイオード(以下、「LED」と記す)は、近来になって、GaN,GaAlN,InGaN及びInAlGaN等のGaN系化合物半導体を利用することによって、発光輝度の高い製品が得られるようになった。そして、この青(B)のLEDと旧来からの赤(R),緑(G)発光のLEDとの組合せにより、これらのLEDの3個を1ドットとする高画質のフルカラー画像の形成が可能となった。
LEDの分野では、フルカラー対応には光の三原色のR,G,B(青)が必要であるから、これらの発光色のLEDのより一層の開発と改良が主である。その一方で、たとえばR,G,Bの合成によってしか得られない白色発光を単一のLEDで達成しようとする試みも既になされている。このような試みの一つとして、たとえば特許文献1に開示されたものがある。
この公報に記載のLEDは、図10の概略図に示すように、発光チップ50を搭載するリードフレーム51のマウント部51aを含めて樹脂(図示せず)によって封止するいわゆるLEDランプのタイプとしたものである。そして、発光チップ50の発光波長を変えて異なった発光色とするために、発光チップ50の周りのマウント部51aに蛍光物質を含んだ樹脂52で封止した構成を持つ。すなわち、旧来のLEDランプでは発光チップを搭載するリードフレームの先端部を含めて被覆するとともにレンズ機能も兼ねるエポキシ樹脂の単層で封止していたものに代えて、発光チップ周りに波長変換用の樹脂層を形成し、その周りをエポキシ樹脂で封止したものである。
このような波長変換用の蛍光物質を含む樹脂52で発光チップ50を封止することで、発光チップ50からの青色発光の波長が蛍光物質によって変えられ、高輝度のGaN系化合物半導体を利用した青色の発光チップを白色発光のデバイスとして使えるようになる。すなわち、GaN系化合物半導体を利用した青色発光の発光チップ50の場合では、それ自身の青色発光の成分と、樹脂52に含まれた蛍光物質によって波長変換された黄緑色の成分との混色によって白色発光が得られる。
特開平7−99345号公報
LEDランプの場合では、発光チップ50を搭載するマウント部51aの内面を光反射面として利用するので、図示の例のようにマウント部51aをすり鉢状とすることが有効である。ところが、マウント部51aがすり鉢状であると、図10の(a)に示すように、発光チップ50の発光方向と側方の樹脂52の厚さA,Bが異なる場合が多い。これらの厚さA,Bの相違はマウント部51aの形状や発光チップ50の大きさ及び樹脂52の充填厚さ等によってさまざまに変わる。このため、これらの条件をもし最適化できれば、発光チップ50周りの全方向で樹脂52の層厚を均一にすることはできる。しかしながら、樹脂52はディスペンサによってマウント部51aに注入されるので、その厚さを高精度で制御することは非常に難しく、図示のようなA,Bの厚さの関係だけでなく発光チップ50周りの樹脂52の厚さを均一化することは現状では不可能である。
発光チップ50周りの樹脂52の厚さが異なると、厚さが大きいほど発光チップ50からの青色発光が黄緑色に変換される割合も高くなる。このため、厚さA方向では良好な白色発光が得られても、厚さB方向のマウント部51aの内周面に近い部分では黄緑色の成分が白色を上回るようになる。したがって、マウント部51aの底面及び内周面を反射面とする発光なので、中央部では白色が占め周縁部では黄色みを帯びた発光となってしまう。
このように、蛍光物質を含む樹脂52の発光チップ50に対する全方向の厚さを均等にできないことに起因して、純粋な白色発光が得られない。すなわち、青色発光を蛍光物質によって黄緑色に変換して本来の青色発光との混色により白色を得るので、発光チップ50に対する樹脂52の層厚を最適化しない限り、黄色みを伴わない白色発光は実現されない。
また、樹脂52をマウント部51aに注入したとき、硬化後の樹脂52に含まれる蛍光物質の量の分布が一様でないと、白色発光の中に黄色の発光が混在することにもなる。すなわち、発光チップ50からの光路はその発光方向に三次元的に広がっているので、蛍光物質の充填量(樹脂52内での蛍光物質の密度)にばらつきがあれば、波長変換度も相違してくるので、黄色の発光を含むものとなり、純粋な白色発光が得られない。
本発明は、蛍光物質によって波長変換する半導体発光装置において、たとえば青色の発光チップからの青色発光の分布と波長変換された黄緑色の分布とを均一化して純粋な白色の発光が得られるようにすることを解決課題とする。
本発明は、発光素子の搭載面を除く面に対して厚さが一定の前記発光素子からの光を波長変換する蛍光物質を含有する樹脂層が形成された半導体発光装置であって、
前記発光素子の主光取り出し面以外の表面からの樹脂層の厚さよりも前記発光素子の主光取り出し面からの樹脂層の厚さが大きいことを特徴とする。
このような構成では、主光取り出し面からの光が発光方向への主成分となるため、波長変換が十分になされるのでより一層純粋な白色の発光が可能である。
本発明では、発光素子を封止する樹脂のパッケージの厚さを発光素子の各面について一様な厚さとし、主光取り出し面の樹脂層の厚みを大きくすることで、主光取り出し面からの光が発光方向への主成分となるため、波長変換が十分になされ、色むらのない鮮明な発光が得られる。また、各用途毎に蛍光体や膜厚等を調整することなく、チップLED,バックライト,表示器等にサブマウント素子を搭載するだけで白色光源が得られる。
請求項1に記載の発明は、発光素子の搭載面を除く面に対して厚さが一定の前記発光素子からの光を波長変換する蛍光物質を含有する樹脂層が形成された半導体発光装置であって、前記発光素子の主光取り出し面以外の表面からの樹脂層の厚さよりも前記発光素子の主光取り出し面からの樹脂層の厚さが大きいことを特徴とする半導体発光装置であり、主光取り出し面からの光が発光方向への主成分となるため、波長変換が十分になされるのでより一層純粋な白色の発光が可能であるという作用を有する。
請求項2に記載の発明は、前記樹脂層にチキソトロピック材が混入していることを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置である。
請求項3に記載の発明は、前記蛍光物質が(Y,Gd)3(Al,Ga)512:Ceであることを特徴とする請求項1または2記載の半導体発光装置である。
請求項4に記載の発明は、前記発光素子がフリップチップ型であることを特徴とする請求項1〜3記載の半導体発光装置である。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき説明する。なお、本実施の形態では、説明を判りやすくするため、波長変換用の蛍光物質を含むパッケージの厚さを全方位で同じとする構成を先に説明する。
図1は本発明の一実施の形態による半導体発光装置の概略斜視図、図2の(a)及び(b)はそれぞれ要部の縦断面図及び平面図である。
図示のように、本発明の半導体発光装置は、サブマウント素子1とその上に搭載した発光素子2及びこの発光素子2の全体を封止した蛍光物質を含むパッケージ3とから構成されている。
サブマウント素子1はn型のシリコン基板1aを用いたもので、このシリコン基板1aは図2の(a)に示すように発光素子2の搭載面側の一部に臨む部分だけをp型半導体領域1bとしている。そして、シリコン基板1aの底面にはn電極1cを形成するとともに、発光素子2の搭載面にはシリコン基板1aのn型半導体層に接合したn側電極1dを備え、更にp型半導体領域1bに含まれた部分にp側電極1eを形成している。
発光素子2は、従来技術の項で述べたGaN系化合物半導体を利用した高輝度の青色発光のLEDである。この発光素子2は、サファイアを素材とした基板2aの表面に、たとえばGaNのn型層、InGaNの活性層及びGaNのp型層を積層したものである。そして、従来周知のように、p型層の一部をエッチングしてn型層を露出させ、この露出したn型層の表面にn側電極2cを形成し、p型層の表面にはp側電極2dを形成し、これらのn側及びp側の電極2c,2dをそれぞれバンプ電極2e,2fによってn側電極1d及びp側電極1eに接合している。
なお、このようなサブマウント素子1と発光素子2との複合化素子では、サブマウント素子1のn電極1cをたとえばプリント基板の配線パターン上に導通搭載するとともに、パッケージ3から離れた領域のp側電極1eにワイヤを配線パターンとの間にボンディングするアセンブリであればよい。また、単に発光素子2への通電と搭載の機能だけでなく、たとえばツェナーダイオードを利用した静電気保護用の素子をサブマウント素子とすることもできる。
パッケージ3は、従来からLEDランプの分野で使用されているエポキシ樹脂を素材とし、蛍光物質を混入したものである。エポキシ樹脂に混入する蛍光物質は、白色発光に変換する場合では、発光素子2の発光色である青色と補色の関係を持つものであればよく、蛍光染料,蛍光顔料,蛍光体などが利用でき、たとえば(Y,Gd)3(Al,Ga)512:Ce等が好適である。
ここで、発光素子2は図2の(b)に示すように正方形の平面形状としたもので、同図の(a)中の破線で示すp型層とn型層との間の活性層2bから発光される。そして、この活性層2bからの発光は透明のサファイアを用いた基板2aを透過するので、図2の(a)において基板2aの上面が主光取り出し面となる。また、活性層2bからの光は基板2aを透過する方向だけではなく、側方やサブマウント素子1の表面にも向かい、側方へ向かうものはそのままパッケージ3から放出され、表面へ向かった発光成分は金属光沢を持つn側及びp側の電極1d,1eによって反射される。したがって、発光素子2からの光は、主光取り出し面からの発光強度が最大となるものの、発光素子2自体はその平面形状の四角形の1辺の長さが350μm程度と微小なので、発光素子2の全体から一様に発光されるといってよい。
このような発光素子2からの発光の形態において、従来では、蛍光物質を混入した封止樹脂の厚さや充填量が一様でないことから白色発光の中に黄色発光が混じってしまうというものであった。すなわち、封止樹脂が厚い部分を抜ける光は蛍光物質による波長変換が薄い部分を抜ける光よりも促されるので、黄緑色の発光が強くなり、その結果黄色みを帯びた発光となる。
これに対し、本発明では、図2から明らかなように、発光素子2の外郭面に対して縦方向及び横方向のパッケージ3の厚さを等しくすることで、活性層2bからの発光がパッケージ3から抜ける間に、蛍光物質による一様な波長変換が得られるようにする。すなわち、図2の(b)に示すように、発光素子2の側面からパッケージ3の表面までの距離をDとするとき、発光素子2の周囲の4側面の周りのパッケージ3の厚さは全てDとする。また、図2の(a)において、基板2aの上面からパッケージ3の上面までの厚さもDとする。
このように発光素子2の主光取り出し面からの発光方向及び側面からの発光方向は全てDの厚さのパッケージ3で被覆される。そして、主光取り出し面からの発光が白色光となるように、パッケージ3の厚さDと蛍光体の含有率を調整すれば、パッケージ3の上面だけでなく周囲の4側面からも白色光が放出される。なお、発光素子2からパッケージ3の上端面の4辺の角部までの距離は、設定したパッケージ3の厚さDよりも少し長く、この部分へ向かう光については波長変換度が僅かに大きくなる。しかしながら、厚さの差は極めて微小であることと、発光素子2からの光はパッケージ3の上面と周囲の4側面から白色光が放たれるので、パッケージ3の角部から黄色みを僅かに帯びた光が放出されたとしても、周りの白色光に吸収されてしまう。そして、図2において一点鎖線で示すように、パッケージ3の全ての角部を半径がDの円弧面となるように製造すれば、発光素子2の表面からパッケージ3の全ての外郭面までの距離をDとすることができる。このようにすれば、より一層純粋な白色の発光が効果的に得られる。
このように、発光素子2を封止するパッケージ3の厚さを発光素子2の底面側を除く全方位でほぼ同じとしたことによって、発光素子2からの光の蛍光物質による波長変換度がほぼ均一化される。したがって、パッケージ3から放出される光を純粋な白色光として得ることができる。
ここで、先に述べたように、パッケージ3の厚さDと蛍光物質の含有率との関係が、良好な白色光がパッケージ3の全体から放出されるための一つの重要な因子である。これは、発光素子2からの光がパッケージ3を抜ける間に蛍光物質により青色発光が波長変換されて黄緑色の成分となり、発光素子2からの青色発光成分との混色によって白色発光となることを考えれば明らかである。本発明者らは、パッケージ3の厚さDと蛍光物質の含有率との関係について研究を重ね、パッケージ3の厚さDは20〜110μm程度で、蛍光物質の含有率は50〜90重量%であれば、最適な白色光が得られることを知見によって得た。
下記の(表1)はパッケージ3の厚さDと蛍光物質の含有率との関係による色度座標x,yの値を実験によって測定した実測値である。
Figure 2007324630
測定に際しては、パッケージ3としてエポキシ樹脂を用い、蛍光物質としては(Y,Gd)3(Al,Ga)512:Ceを用いた。(表1)から明らかなように、パッケージ3の厚さが20〜110μmであって、蛍光物質の含有率が50〜90重量%のとき、白色(x=0.25〜0.40,y=0.25〜0.40)の値に近似した値の発光色が得られることが判る。
図3,図4は図1及び図2に示した半導体発光装置の製造方法を示す概略図である。
図3はフォトリソグラフィー法を利用したもので、シリコンウエハー10に図2で示したp型半導体領域1bを形成するとともに、n電極1c,n側電極1d,p側電極1eをパターン形成したシリコンウエハー10をまず準備する。そして、n側及びp側の電極2c,2dにそれぞれバンプ電極2e,2fを形成した発光素子2をn側電極1d,p側電極1eのパターンに合わせて実装し、図3の(a)に示すように蛍光体ペースト11をシリコンウエハー10の表面に一様の厚さで塗布する。この蛍光体ペースト11はたとえばアクリル系樹脂等の紫外線硬化性の樹脂に先に例示した(Y,Gd)3(Al,Ga)512:Ce等の蛍光物質を混入したものである。
蛍光体ペースト11の塗布の後、同図(b)のようにパターン形成用のマスク12を被せて上から紫外線を照射し、発光素子2を被覆する部分の蛍光体ペースト11を硬化させる。この後、現像工程に移して蛍光体ペースト11の不要な部分を除去することによってパッケージ3が形成され(図3の(c))、ダイシングによって図1及び図2に示したような半導体発光装置を得ることができる。
図4はスクリーン印刷法を利用したもので、シリコンウエハー10への発光素子2の実装までの工程は図3の例と同様である。この発光素子2の実装の後、予め製作しておいたメタルマスク13をシリコンウエハー10の上に載せ(図4の(a)〜(b))、蛍光体ペースト14をスクリーン印刷法によって塗布する。この蛍光体ペースト14は紫外線硬化性のものではなく、エポキシ樹脂等の樹脂に蛍光物質とチキソトロピック材を混入したものである。蛍光体ペースト14を塗布した後には、メタルマスク13を取り外し、熱硬化することによってシリコンウエハー10の表面に発光素子2を封止したパッケージ3が形成され(図4の(c))、ダイシングによって半導体発光装置の単体が得られる。
図5は転写法を利用したもので、転写板15の表面に蛍光体ペースト16を予め塗布したものを準備し、発光素子2を実装したシリコンウエハー10を上下反転した姿勢に保持する(図5の(a))。次いで、発光素子2が蛍光体ペースト16の中に浸漬されるようにシリコンウエハー10を転写板15の上に被せ(同図の(b))、その後シリコンウエハー10を引き上げると同図の(c)のように発光素子2が蛍光体ペースト16によって封止されたものが得られる。そして、ダイシング工程によって半導体発光装置の単体が得られる。蛍光体ペースト16は先の例と同様に樹脂に蛍光物質を含ませたものであるが、転写法による製造の場合では、蛍光体ペースト16に用いる樹脂はアクリル系樹脂やエポキシ樹脂に限られず、その他のものであってもよい。
図6は請求項4に記載の発明の一実施の形態であって、サブマウント素子との複合化に代えて発光素子を絶縁性の基台に搭載した例である。なお、発光素子は先の例で説明したGaNの青色発光素子であり、構成部材については図2に示したものと共通の符号で指示する。
発光素子2はその基板2aを下向きにして絶縁性の基台4の上に接着剤4aを介して固定され、発光素子2の周りはパッケージ5によって封止されている。パッケージ5は先の例と同様にアクリル系またはエポキシ樹脂を利用した樹脂層であり、含有する蛍光物質も先に挙げたものと同様であり、発光素子2のn側電極2cとp側電極2dだけは外に臨むように成形される。すなわち、パッケージ5の上面部にはn側電極2c及びp側電極2dに対応させて孔5a,5bを開け、これらの電極2c,2dの表面にワイヤ6a,6bをボンディングできるようにする。
なお、パッケージ5の厚さは、図2で示した例と同様に、発光素子2の底面を除く全体に対して一様となるように形成され、活性層2bからの光に対する蛍光物質による波長変換度をパッケージ5の全体で一様化する。
このような発光素子2と基台4とによる半導体発光装置の製造は、図7に示すように絶縁性のウエハー20の上に発光素子を図6に示した姿勢で実装した後、たとえば図3に示したフォトリソグラフィー法により孔5a,5bを開けたパッケージ5を形成し、図中の一点鎖線で示す位置をダイシングすることによって可能である。
図8はたとえばLEDランプ等に汎用されている二股状のリードフレームに図6の半導体発光装置を搭載した例を示す概略図である。
図示のように、リードフレームの一方のリード7aのマウント部7bに基台4を接着剤によって固定し、図6で示したように孔5a,5bに通してn側電極2c及びp側電極2dに接合したワイヤ6a,6bをリード7aと他方のリード7cにそれぞれボンディングする。これにより、発光素子2とリードフレームとの間の導通が得られ、通電によって発光素子2の活性層2bからの発光が得られる。
ここで、パッケージ3,5は先に説明したように角部を円弧面としたりすることでより純粋な白色発光が得られるが、このような円弧面を持たせるのに代えて、たとえば四角錐台や円錐台等の形状のパッケージとしてもよい。要するに、発光素子2からの発光がパッケージ3,5を抜ける間に全方位で一様な波長変換度となるような発光素子2とパッケージ3,5の外郭面の関係となるようにすればよい。請求項1及び2に記載の発明はこのような発光素子2とパッケージ3,5それぞれの外郭面の関係を特定したもので、図9にその具体例を示す。
図9の例は図2に示した半導体発光装置においてパッケージ3の形状を変えたものであり、同じ構成部材については共通の符号で指示する。
図示のように、パッケージ3は、発光素子2の外郭面に対する四方の側面からの厚さXよりも上面すなわち主光取り出し面に被さる厚さYを大きくしている。そして、発光素子2の四方の側面のそれぞれの全表面に対してパッケージ3の厚さは一様にXであり、上面の主光取り出し面についてもその全表面からのパッケージ3の厚さは一様にYである。すなわち、発光素子2のn側及びp側の電極2c,2d形成面を除く5面のそれぞれについてのパッケージ3の厚さは各面の全表面について一定であり、したがって放出される光に対する蛍光物質による波長変換度を各面について均一化することができる。このため、主光取り出し面からの光はその全面から同じ波長変換度の黄色または黄緑を合成した白色発光が得られ、黄色みが混在した発光とはならない。そして、その他の四方の側面からの発光についても同様である。
以上のことから、パッケージ3の厚さを発光素子2の全方位について一様な厚さとしていなくても、各発光面からの全ての発光が一様な波長変換を受けて放出させるようにすれば、黄色みを帯びることなく純粋な白色発光が得られる。
また、発光素子2の上面すなわち主光取り出し面からの光が発光方向への主成分となる。このため、図示のようにパッケージ3の厚さYを側面の厚さXよりも大きくしておけば、波長変換が十分になされるのでより一層純粋な白色の発光が可能である。
更に、パッケージ3は、図9に示す厚さX,Yの関係とするのに代えて、発光素子2の側面からの厚さXが主光取り出し面からの厚さYより大きな関係としてもよい。すなわち、前述のように、発光素子2の外郭の発光面からの全ての発光が一様な波長変換を受けて放出させるようにすればよいので、側面からの厚さXと主光取り出し面からの厚さYとの間を大小関係で制約する必要はなく、各面からの厚さが全て一様となるようにすればよい。したがって、図9に示したように、主光取り出し面からの厚さYを側面からの厚さXより大きくしないで逆の関係としても、厚さYが発光素子2の主光取り出し面の全面に対して一様な厚さにしてさえおけば、黄色みを帯びることのない白色発光が得られる。
なお、以上の説明では、青色発光の発光素子を白色発光に変える例としたが、紫外線や赤及び緑の発光素子のそれぞれの発光を蛍光物質の特性によって様々な発光色に変える構成とすることもできる。
本発明にかかる半導体発光装置は、色むらのない鮮明な発光が必要な発光ダイオードによる発光を波長変換して白色発光を得るようにした半導体発光装置等の用途にも適用できる。
本発明の一実施の形態による半導体発光装置の概略斜視図 (a)は図1の半導体発光装置の要部縦断面図、(b)は図1の半導体発光装置の平面図 フォトリソグラフィー法による半導体発光装置の製造工程を示す概略図 スクリーン印刷法による半導体発光装置の製造工程を示す概略図 転写法による半導体発光装置の製造工程を示す概略図 基台と発光素子の組合せとした例の半導体発光装置の概略を示す切欠図 図6の半導体発光装置の製造工程におけるダイシング前の状態を示す概略図 図6の半導体発光装置をリードフレームに実装したときの要部の概略図 発光素子の各面のそれぞれについて一様な厚さのパッケージで封止する例であって、(a)は要部縦断面図、(b)は平面図 従来例の概略であって、(a)は要部の縦断面図、(b)は平面図
符号の説明
1 サブマウント素子
1a シリコン基板
1b p型半導体領域
1c n電極
1d n側電極
1e p側電極
2 発光素子
2a 基板
2b 活性層
2c n側電極
2d p側電極
2e,2f バンプ電極
3 パッケージ
4 基台
4a 接着剤
5 パッケージ
5a,5b 孔
6a,6b ワイヤ
7a リード
7b マウント部
7c リード
10 シリコンウエハー
11 蛍光体ペースト
12 マスク
13 メタルマスク
14 蛍光体ペースト
15 転写板
16 蛍光体ペースト
20 ウエハー

Claims (4)

  1. 発光素子の搭載面を除く面に対して厚さが一定の前記発光素子からの光を波長変換する蛍光物質を含有する樹脂層が形成された半導体発光装置であって、
    前記発光素子の主光取り出し面以外の表面からの樹脂層の厚さよりも前記発光素子の主光取り出し面からの樹脂層の厚さが大きいことを特徴とする半導体発光装置。
  2. 前記樹脂層にチキソトロピック材が混入していることを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
  3. 前記蛍光物質が(Y,Gd)3(Al,Ga)512:Ceであることを特徴とする請求項1または2記載の半導体発光装置。
  4. 前記発光素子がフリップチップ型であることを特徴とする請求項1〜3記載の半導体発光装置。
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