JP2006286896A - 発光ダイオード装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、各発光ダイオードから発光させる発光色の色温度を均一にすることができる発光ダイオード装置を提供することを目的とする。
【解決手段】請求項1の発明は、基板に配設される発光ダイオード6と;平均粒径10〜15μmの蛍光体粒子を含み、粘度1〜3Pa・Sを有する樹脂により、前記発光ダイオードを被覆する蛍光体層12と;を具備していることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、発光ダイオード(LED)を有する発光ダイオード装置に関する。
従来の発光ダイオード装置(LED装置)の一例としては、LEDチップを配設するケース内に、合成樹脂を充填してLEDチップをケース内に封止する面実装タイプのものが知られている(例えば特許文献1参照)。
そして、この種のLED装置により白色光を発光させる従来例の一例としては、青色発光LEDチップにより発光させた青色光と、黄色発光LEDチップにより発光させた黄色光と、を混合させるもの(以下、第1の従来技術という)が知られている。また、他の従来例としては、青色発光LEDチップの青色光と、この青色発光により黄色発光蛍光体を励起させて得た黄色光とを混色させるもの(以下、第2の従来技術という)が知られている。
特開2002−43625号公報
しかしながら、第1の従来技術では、青色発光LEDチップと黄色発光LEDチップとの間に距離があるので、青色光と黄色光の混色を均一にすることが難しく、白色光以外の他の色になり易い。また、青色光と黄色光をそれぞれ発光する少なくとも2個のLEDチップを設置するためのスペースが必要であり、これを搭載する機器の大形化を招いている。
そして、第2の従来技術では、その封止樹脂外面に対して垂直方向から見た場合、青色発光LEDチップが位置する中央部でほぼ白色光が得られるものの、その周辺部では黄色光が分布し、色むらが発生する。また、このために、封止樹脂外面に対して斜めから見た場合には、主に黄色光が発光しているように見られる。さらに、この封止樹脂外面の中央部においても、この中央部と青色発光LEDチップとの距離の方が、周辺部と青色発光LEDチップとの距離よりも近いので、その分、青色光の輝度が高く、青色光が抜けるので、白色光が青味がかって見えるという不具合もある。
また、青色発光LEDチップを同一基板に複数配設したものにおいて、封止樹脂に蛍光体を含ませた場合、LEDチップ部分毎から発光される色温度や発光効率を均一にすることは技術的に困難性を有する。
本発明は、各発光ダイオードから発光させる発光色の色温度を均一にすることができる発光ダイオード装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、基板に配設される発光ダイオードと;平均粒径10〜15μmの蛍光体粒子を含み、粘度1〜3Pa・Sを有する樹脂により、前記発光ダイオードを被覆する蛍光体層と;を具備していることを特徴とする。
蛍光体層は、発光ダイオードを直接的又は間接的に被覆する。平均粒径10〜15μmの蛍光体粒子を含み、粘度1〜3Pa・Sを有する樹脂は、その塗布量のバラツキを抑制し、色温度を均一化させる。
請求項2に記載の発明は、基板に配設される発光ダイオードと;発光ダイオードを被覆する樹脂に拡散剤を3ないし5質量%添加してなる拡散層と;拡散層の上側に配設され、平均粒径10〜15μmの蛍光体粒子を含み、粘度1〜3Pa・Sを有する樹脂を使用した蛍光体層と;を具備していることを特徴とする。
拡散剤を3ないし5質量%添加してなる拡散層は、発光ダイオードからの光を拡散し、輝度を均一化する。
請求項3に記載の発明は、基板と;基板に配設される発光ダイオードと;発光ダイオードを収容する凹部を有する反射体と;凹部に配設され、発光ダイオードを被覆する樹脂に拡散剤を3ないし5質量%添加してなり、前記凹部に配設される拡散層と;拡散層の上側に配設され、平均粒径10〜15μmの蛍光体粒子を含み、粘度1〜3Pa・Sを有する樹脂を使用した蛍光体層と;を具備していることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、各発光ダイオードから発光される色温度をほぼ均一にすることができる。
請求項2および3に係る発明によれば、拡散層を有するので、請求項1に係る発明の効果を有するとともに、輝度も均一にすることができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。面中、同一または相当部分には同一符号を付している。図1は本発明の一実施形態に係る発光ダイオード装置1の平面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図2のIII部拡大図である。
図1,図2に示すように発光ダイオード装置1は、基板2上に、複数の発光ダイオード配設部3,3,・・・を例えば3行3列のマトリクス状に配設している。基板2は、放熱性と剛性を有するアルミニウム(Al)やNi、ガラスエポキシ等の平板からなり、この基板2上には、電気絶縁層4を介してリードフレーム5が配設されている。
図3に示すように、リードフレーム5は、発光ダイオード配設部3毎にCuとNiの合金やAu等により、陰極側と陽極側の回路パターン(配線パターン)5a,5bを形成しており、このリードフレーム5上には、発光ダイオード配設部3毎に、青色発光ダイオード6をそれぞれ搭載している。各青色発光ダイオード6は、青色の光を発光する例えば窒化ガリウム(GaN)系半導体等からなる。各青色発光ダイオード6は、その底面電極を回路パターン5a,5bの一方上に載置して電気的に接続する一方、上面電極を回路パターン5a,5bの他方にボンディングワイヤ7により接続している。
そして、基板2上には、各青色発光ダイオード6を収容するため、各青色発光ダイオード6の周囲を所要の間隔を置いて取り囲み、基板2の反対側(図2,図3では上方)に向けて漸次拡開する円錐台状の凹部8をそれぞれ同心状に形成した反射体9を発光ダイオード配設部3毎に形成している。反射体9は例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)やPPA(ポリフタルアミド)、PC(ポリカーボネート)等の合成樹脂よりなり、各凹部8は外部に開口する開口8aをそれぞれ有する。
各凹部8は、その内部に、透光性を有するシリコーンゴムやエポキシ樹脂等の熱硬化性透明樹脂を封止樹脂10としてそれぞれ充填している。この封止樹脂10は、青色発光ダイオード6側の拡散層11と、凹部開口8a側の黄色発光蛍光体層12の2層に形成されている。
各発光ダイオード配設部3における色温度のバラツキの要因は、蛍光体粒子を含む樹脂の黄色発光蛍光体層12の塗布量のバラツキが考えられる。このバラツキは、蛍光体粒子の平均粒径に起因し、蛍光体粒子の粒径を変化させて、塗布量および色温度の変化をみた。
所定の塗布量に対し、バラツキが±5%、±4%、±3%のとき、各発光ダイオード配設部3の色温度差は、それぞれ±200K(ケルビン)、±150K、±100Kとなり、視感での判定としては、塗布量±3%までが最も色温度差を感じなかった。このときの蛍光体粒子の平均粒径は10〜15μmであった。
次に、この塗布量のバラツキは、黄色発光蛍光体層12に使用される樹脂粘度(Pa・S)によるものと考えられる。そこで、樹脂粘度(Pa・S)を0.3Pa・S、1Pa・S、3Pa・Sと変化させて塗布量および色温度のバラツキをみた。この結果、それぞれ±4%、±3.5% 、±3%となり、発光ダイオード配設部3の色温度差は、それぞれ±150K(ケルビン)、±100K、±140Kとなり、視感での判定では、1〜3Pa・Sが好適であることが分かった。
拡散層11は、凹部8内に、アルミナ(Al)やTi、Ca、Si、Al、Y等の拡散剤を3〜5質量%(mass%)添加した封止樹脂を、青色発光ダイオード6よりも高い位置まで注入して熱硬化させることにより形成され、蛍光体層12との境界面11aを青色発光ダイオード6側(図3では下面側)へ凹む湾曲面に形成している。この湾曲境界面11aは、その湾曲上端と同下端との間が例えば1〜5μmが好ましい。
黄色発光蛍光体層12は、拡散層11の熱硬化形成後、凹部8内に、青色発光ダイオード6からの青色発光を受光して黄色に蛍光発光する黄色発光蛍光体を所要質量%添加した封止樹脂を注入して熱硬化させて構成されている。
次に、この発光ダイオード装置1の作用を説明する。まず、各陰極側と陽極側の回路パターン5a,5b間に、外部から所定の直流電圧が印加されると、青色発光ダイオード6が青色発光される。この青色発光は、拡散層11により多方向へ拡散されてから黄色発光蛍光体層12内に入射し、ここで黄色蛍光体を多方向から励起して黄色に発光させると共に、この黄色と混色されて白色光になって各凹部開口8aから外部へ放射される。
したがって、この発光ダイオード装置1によれば、青色発光ダイオード6の微小な発光を拡散層11により多方向へ拡散し、多方向から蛍光体層12の黄色蛍光体を励起させて黄色に発光させ、かつこの黄色光と青色光とを混色させて白色光を発光させるので、この白色光の色むらを低減することができる。
また、拡散層11の封止樹脂10に添加した拡散剤の添加量が3〜5質量%であるので、光束を低下させずに白色光の色むらを低減することができる。拡散剤の添加量ゼロ、すなわち、拡散剤の添加量無しの場合の光束を100%としたとき、拡散剤の添加量が5質量%を超過すると、光束が低下し、同添加量が3質量%未満になると、色むら低減効果が低下した。なお、拡散層11の拡散剤の添加率を5質量%よりも多くすると、青色発光ダイオード6等の発光がNi製等の基板2に吸収される光量が増加するので、凹部開口8aから外部に放射される白色光の光束が低下する。
そこで、この基板2の受光面に、白色塗料等の反射材を塗布して反射面に形成することにより、光束低下を防止または抑制するように構成してもよい。
本発明に係る実施形態に係るLED照明装置の平面図。 図1のII−II線断面図。 図2のIII部拡大図。
符号の説明
1 発光ダイオード装置、2 基板、3 発光ダイオード配設部、4 絶縁層、5 リードフレーム、6 青色発光ダイオード、8 凹部、8a 凹部開口、
9 反射体、11 拡散層、11a 境界面、12 蛍光体層。

Claims (3)

  1. 基板に配設される発光ダイオードと;
    平均粒径10〜15μmの蛍光体粒子を含み、粘度1〜3Pa・Sを有する樹脂により、前記発光ダイオードを被覆する蛍光体層と;
    を具備していることを特徴とする発光ダイオード装置。
  2. 基板に配設される発光ダイオードと;
    発光ダイオードを被覆する樹脂に拡散剤を3ないし5質量%添加してなる拡散層と;
    拡散層の上側に配設され、平均粒径10〜15μmの蛍光体粒子を含み、粘度1〜3Pa・Sを有する樹脂を使用した蛍光体層と;
    を具備していることを特徴とする発光ダイオード装置。
  3. 基板と;
    基板に配設される発光ダイオードと;
    発光ダイオードを収容する凹部を有する反射体と;
    凹部に配設され、発光ダイオードを被覆する樹脂に拡散剤を3ないし5質量%添加してなり、前記凹部に配設される拡散層と;
    拡散層の上側に配設され、平均粒径10〜15μmの蛍光体粒子を含み、粘度1〜3Pa・Sを有する樹脂を使用した蛍光体層と;
    を具備していることを特徴とする発光ダイオード装置。
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