JP2007322974A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
入力階調に対するトナー濃度の階調特性全体を精度のムラ無く、高精度に検出することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー階調パターン形成手段で形成したトナー階調パターンの濃度を光学的に検出する濃度検出手段21などを備え、濃度検出手段により検出された、トナー階調パターンの濃度出力を濃度出力保持手段41に保持させ、濃度出力保持手段に保持された濃度出力と、次に濃度検出手段により検出された、トナー階調パターンの濃度出力との差分を差動増幅手段42により増幅させ、差動増幅手段の出力を演算手段43で演算することを、トナー階調パターンが終了するまで繰り返し、入力階調に対するトナー濃度を検出し、このトナー濃度に応じて画像形成条件を制御する。
【選択図】図4
入力階調に対するトナー濃度の階調特性全体を精度のムラ無く、高精度に検出することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー階調パターン形成手段で形成したトナー階調パターンの濃度を光学的に検出する濃度検出手段21などを備え、濃度検出手段により検出された、トナー階調パターンの濃度出力を濃度出力保持手段41に保持させ、濃度出力保持手段に保持された濃度出力と、次に濃度検出手段により検出された、トナー階調パターンの濃度出力との差分を差動増幅手段42により増幅させ、差動増幅手段の出力を演算手段43で演算することを、トナー階調パターンが終了するまで繰り返し、入力階調に対するトナー濃度を検出し、このトナー濃度に応じて画像形成条件を制御する。
【選択図】図4
Description
本発明は、電子写真方式のレーザプリンタや複写機等の画像形成装置に関し、特に像担持体上に形成されたトナー階調パターンの濃度を高精度に検出するトナー濃度検出技術に関するものである。
従来、電子写真方式のレーザプリンタや複写機等の画像形成装置では、像担持体表面を帯電器により均一に帯電した後、この帯電された像担持体表面に、画像情報に応じて変調されたレーザ光を照射することで、静電潜像を形成している。そしてこの静電潜像へ現像器により現像剤を供給し、トナーを静電潜像に付着させることで、トナー像を形成し、このトナー像を記録媒体上に転写することで、記録媒体上に画像形成を行っている。
一方、近年、電子写真方式のレーザプリンタや複写機等の画像形成装置では、高画質化が求められている。中でもトナー濃度の階調特性は高画質化の重要な要素であり、特にカラーレーザプリンタやカラー複写機では、色合いに大きな影響を与える。
しかし、電子写真方式の画像形成装置においては、常に同じ画像信号で画像を形成しても、温度や湿度等の環境変化や、画像を形成するための帯電器、像担持体等の劣化により、実際に形成される画像の濃度や色合いが変わってしまうことがある。このため、像担持体上に形成されるトナー像の入力階調に対するトナー濃度を一定に保つように、帯電電圧、現像バイアス、レーザパワー、レーザ駆動信号のPWM(Pulse Width Modulation)等の補正を行う必要がある。
以上のような補正を行うためには、先ず補正前の入力階調に対するトナー濃度の階調特性を知る必要がある。この階調特性を得るために、一般的には、像担持体上に複数段階のトナー階調パターンを形成し、光学式の濃度センサで順次読み取り、電気信号に変換し制御部に送信している。
しかし、例えばブラックトナーの濃度を正反射方式の濃度センサで検出した場合、一般的な一成分現像におけるトナー濃度と入力階調の特性は図15ようになる。図示のように、低濃度域と高濃度域での入力階調に対するトナー濃度の変化量が小さく、入力階調に対するトナー濃度の階調特性全体を精度良く検出することが難しい。
高濃度域を精度良く検出するために、濃度センサからの電気信号を増幅するトナー濃度検出部の増幅度を上げたり、濃度センサの照射光の光量を上げたりすると、低濃度域では増幅出力が飽和したり、濃度センサの出力が飽和してしまう。また低濃度域を精度良く検出するために、濃度センサの照射光の光量を下げると、高濃度域でのS/N比が十分とれなくなってしまう。このため、入力階調に対するトナー濃度の階調特性全体を精度良く検出するには、各濃度域に応じて濃度センサの出力を増幅するトナー濃度検出部の増幅率の切り換えや、濃度センサの照射光量を切り換える必要がある。しかし増幅率や照射光量を変えることで、各入力階調に対する濃度信号出力の連続性が無くなってしまう。
そこで濃度信号出力の連続性を持ちながら、濃度センサ出力の増幅率や照射光量の切り換えを行う手法が、特許文献1で提案されている。
この特許文献1の発明について図16を用いて説明する。まる1(図示の丸文字は明細書で使えないので、まる1という表記をする、以下同様)〜まる6はトナー階調パターンでまる3とまる4は同じ濃度であり、右に行くほど濃度が高く、まる1から順に濃度センサにより濃度の検出を行う。トナー階調パターンまる1では濃度が低いため、正反射方式の濃度センサで検出した場合、出力が高く9Vとなっている。トナー階調パターンまる2ではまる1と比較し濃度が高いので、反射率が低下し濃度センサの出力も低くなっている。トナー階調パターンまる3では更に濃度センサの出力が低くなり1Vとなっている。濃度センサの出力が低くなると、トナー濃度検出部の増幅回路の増幅率、もしくは濃度センサの照射光量を上げ、トナー階調パターンまる3と同じ濃度のトナー階調パターンまる4で再度濃度検出を行い、濃度信号出力8Vを得る。この結果、増幅率は8となり、トナー階調パターンまる5で濃度センサの出力が5Vと得られるが、増幅率は8であるため、演算後の電圧は5/8Vとなる。
このようにして、濃度信号出力の連続性を持ちながら、トナー濃度検出部の増幅率や濃度センサの照射光量の切り換えを行い、入力階調に対するトナー濃度の階調特性全体を検出している。
特開平7−160070号公報
しかしながら、前述の従来例の画像形成装置では、次のような問題があった。
すなわち、濃度信号出力の連続性を持ちながら入力階調に対するトナー濃度の階調特性全体を精度良く検出するために、トナー濃度検出部の増幅率や濃度センサの照射光量の切り換えを行う毎に、同じ濃度のトナー階調パターンを二度形成する必要がある。このため、多くの時間を要するほか、印刷以外により多くのトナーを消費してしまい、ページコストが増加するという問題があった。
すなわち、濃度信号出力の連続性を持ちながら入力階調に対するトナー濃度の階調特性全体を精度良く検出するために、トナー濃度検出部の増幅率や濃度センサの照射光量の切り換えを行う毎に、同じ濃度のトナー階調パターンを二度形成する必要がある。このため、多くの時間を要するほか、印刷以外により多くのトナーを消費してしまい、ページコストが増加するという問題があった。
また、濃度センサ出力の低下を検出し、トナー濃度検出部の増幅率や濃度センサセンサの照射光量を切り換える方式であるため、増幅率や照射光量を切り換える前後で精度が異なってしまう。つまり、濃度信号出力は連続するものの、トナー濃度と入力階調の特性全体を同一の精度で検出できないという問題があった。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、トナー濃度補正時間とトナー消費量を抑制しながら、入力階調に対するトナー濃度の階調特性全体を精度のムラ無く、高精度に検出することができる画像形成装置を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明では、画像形成装置を次の(1)のとおりに構成する。
(1)像担持体上に複数段階の濃度のトナー階調パターンを形成するトナー階調パターン形成手段と、
前記トナー階調パターン形成手段で形成したトナー階調パターンの濃度を光学的に検出する濃度検出手段と、
前記濃度検出手段により検出された、トナー階調パターンの濃度出力を保持する濃度出力保持手段と、
前記濃度検出手段により検出されたトナー階調パターンの濃度出力と前記濃度出力保持手段により保持された濃度出力との差分を増幅する差動増幅手段と、
前記差動増幅手段の出力を演算する演算手段と、
前記トナー諧調パターンの濃度検出の制御を行うとともに、前記演算手段の演算出力にもとづいて画像形成条件を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記濃度検出手段により検出された、トナー階調パターンの濃度出力を前記濃度出力保持手段に保持させ、該濃度出力保持手段に保持された濃度出力と、次に該濃度検出手段により検出された、トナー階調パターンの濃度出力との差分を前記差動増幅手段により増幅させ、該差動増幅手段の出力を前記演算手段で演算し、演算結果をメモリに格納された一つ前の演算結果に加算することを、トナー階調パターンが終了するまで繰り返し、入力階調に対するトナー濃度を検出するように制御する画像形成装置。
前記トナー階調パターン形成手段で形成したトナー階調パターンの濃度を光学的に検出する濃度検出手段と、
前記濃度検出手段により検出された、トナー階調パターンの濃度出力を保持する濃度出力保持手段と、
前記濃度検出手段により検出されたトナー階調パターンの濃度出力と前記濃度出力保持手段により保持された濃度出力との差分を増幅する差動増幅手段と、
前記差動増幅手段の出力を演算する演算手段と、
前記トナー諧調パターンの濃度検出の制御を行うとともに、前記演算手段の演算出力にもとづいて画像形成条件を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記濃度検出手段により検出された、トナー階調パターンの濃度出力を前記濃度出力保持手段に保持させ、該濃度出力保持手段に保持された濃度出力と、次に該濃度検出手段により検出された、トナー階調パターンの濃度出力との差分を前記差動増幅手段により増幅させ、該差動増幅手段の出力を前記演算手段で演算し、演算結果をメモリに格納された一つ前の演算結果に加算することを、トナー階調パターンが終了するまで繰り返し、入力階調に対するトナー濃度を検出するように制御する画像形成装置。
本発明によれば、入力階調に対するトナー濃度の階調特性全体を精度のムラ無く、高精度に検出することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態を、タンデム方式のカラー画像形成装置の実施例により詳しく説明する。
図1は、実施例1である“タンデム方式のカラー画像形成装置”の全体を示す構成図である。先ず同図を用い、画像形成装置の構成について説明する。タンデム方式のカラー画像形成装置はイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを重ねあわせることでフルカラー画像を出力できるように構成されている。そして各色の画像形成のために、レーザスキャナ(11Y、11M、11C、11K)とカートリッジ(12Y、12M、12C、12K)が備えられている。カートリッジは、感光体(13Y、13M、13C、13K)と、感光体(13Y、13M、13C、13K)に接するように設けられた帯電ローラ(14Y、14M、14C、14K)、及び現像器(15Y、15M、15C、15K)から構成されている。感光体は図中矢印の方向に回転する。
また転写材16を格納するカセット17、転写材16を搬送する搬送ベルト20、転写材16にトナーを定着させる定着器18が図の如く配置されている。感光体(13Y、13M、13C、13K)と搬送ベルト20を挟み、対向するように転写ローラ(19Y、19M、19C、19K)が設置されている。更には搬送ベルト上に形成される各色のトナー階調パターンを読み取るための濃度センサ21が搬送ベルトと近接するように設けられている。
次に電子写真プロセスについて説明する。カートリッジ(12Y、12M、12C、12K)内の暗所にて、感光体(13Y、13M、13C、13K)表面を帯電ローラ(14Y、14M、14C、14K)で均一に帯電させる。次にレーザスキャナ(11Y、11M、11C、11K)により画像データに応じて変調したレーザ光を感光体(13Y、13M、13C、13K)表面に照射する。レーザ光が照射された部分の帯電電荷が除去されることで、感光体(13Y、13M、13C、13K)表面に静電潜像を形成する。現像器(15Y、15M、15C、15K)では帯電したトナーを静電潜像に付着させることで、各色のトナー画像を感光体(13Y、13M、13C、13K)表面に形成する。
一方カセット17より転写材16が搬送用のローラ及び搬送ベルト20により搬送されてくる。そしてそれぞれ感光体(13Y、13M、13C、13K)表面上に形成されたトナー画像を転写ローラ(19Y、19M、19C、19K)により搬送ベルト20上の転写材16に順次重ね合わせるように転写する。これにより、フルカラーのトナー画像が形成される。形成された転写材16上のフルカラーのトナー画像は定着器18により定着され、画像形成装置外に排出される。
図2は本実施例1におけるトナー階調パタ−ンを説明する図である。図1、図2を用いてトナー濃度補正について説明する。トナー濃度補正を行うタイミングになると、前記転写材16へのトナー画像形成と同じプロセスでトナー階調パターンが感光体(13Y、13M、13C、13K)表面上に形成される。そして、転写ローラ(19Y、19M、19C、19K)により搬送ベルト20上に転写される。このとき各色のトナー階調パターンが重ならないようなタイミングで各色のトナー階調パターンは形成される。
搬送ベルト20上のトナー階調パターンは順次濃度センサ21の検出面を通過し、その際に濃度センサ21によりトナー階調パターンの濃度が検出される。その検出結果に応じて帯電電圧、現像バイアス、レーザパワー、レーザ駆動信号のPWM(Pulse Width Modulation)等の画像形成条件を最適化する。
図3は本実施例1における濃度センサ21の構成を説明する図である。濃度センサ21は発光部31、正反射光受光部32と拡散反射光受光部33から構成される。一般的には発光部31にはLEDが用いられ、正反射光受光部32と拡散反射光受光部33はフォトダイオードが用いられている。搬送ベルト20の表面は鏡面状態であるため正反射率が高く、ブラックトナーは反射率が低い。一方イエロー、マゼンダ、シアン等のカラートナーは反射率の高い微粒子であるため拡散反射率が高い。これらの特性を利用してトナー階調パターンの濃度検出を行っている。
図4は本実施例1におけるトナー濃度検出部の構成図である。濃度センサ21と濃度出力保持器41は差動増幅器42と接続されている。濃度センサ21と濃度出力保持器41の接続は濃度出力保持器41の構成により、接続される場合と接続されない場合がある。差動増幅器42の出力は制御部43のAD変換器45と接続されており、制御部43はAD変換器45の他にI/O44、プロセッサ46、メモリ47等を有している。またI/Oは濃度出力保持器41と接続されており、I/Oから出力される信号で動作する。
図5は本実施例1におけるトナー濃度検出部の、濃度出力保持器41にサンプルホールド回路、差動増幅器42に差動増幅回路を用いた場合の構成である。全体の構成については、先述しているので、濃度出力保持器41としてのサンプルホールド回路と、差動増幅器42としての差動増幅回路の構成について説明する。
濃度センサ21の出力は、抵抗R1を介してオペアンプOPAMP1、及びアナログスイッチASW1を介してオペアンプOPAMP2に接続されている。オペアンプOPAMP2の出力はアナログスイッチASW2を介してオペアンプOPAMP3に接続されている。コンデンサC1、コンデンサC2は電圧をホールドするホールドコンデンサであり、それぞれオペアンプOPAMP2とオペアンプOPAMP3に接続されている。更にコンデンサC2はアナログスイッチASW3を介して接地されており、アナログスイッチASW3をONにすることで、電圧を0Vに設定できるようになっている。オペアンプOPAMP3の出力は、抵抗R2を介して、オペアンプOPAMP1と接続されており、濃度センサ21からの出力とR1/R2の増幅率で差動増幅され、AD変換器45に入力される。
次に図5、図6を用いて本実施例1におけるトナー濃度検出動作について説明する。図6に示すトナー階調パターンは0%から100%の順に濃度センサ21により濃度検出される。入力階調0%のトナー階調パターンが濃度センサ21に到達する前に、制御部43はアナログスイッチASW3をON/OFFさせ、コンデンサC2の電圧を0Vにする。よってオペアンプOPAMP3の出力、つまり濃度出力保持器41の電圧は0Vに設定される。
入力階調0%のトナー階調パターンが濃度センサ21に到達すると、濃度センサ21の出力は0.2588Vとなり、濃度出力保持器41の出力であるオペアンプOPAMP3の出力0Vと、差動増幅器42であるオペアンプOPAMP1に入力される。ここで差動増幅器42の増幅率R1/R2を5倍とすると、1.2941Vが差動増幅器42であるオペアンプOPAMP1より出力され、制御部43のAD変換器45に入力される。ここで3.3Vを基準電圧とした8bitのAD変換器45とすると、AD値100(Dec)を得る。そしてAD値100(Dec)をメモリ47に格納する。一方、入力階調0%のトナー階調パターンが濃度センサ21に到達するのに合わせて、制御部43はアナログスイッチASW1をONにし、入力階調0%の濃度センサ21出力0.2588VをコンデンサC1に保持させる。そして入力階調0%のトナー階調パターンが濃度センサ21を過ぎる直前に、制御部43はアナログスイッチASW1をOFF、アナログスイッチASW2をONにし、オペアンプOPAMP2の出力0.2588VをコンデンサC2に設定する。次に入力階調10%のトナー階調パターンが濃度センサ21に到達する前に、制御部43はアナログスイッチASW2をOFFにする。
入力階調10%のトナー階調パターンが濃度センサ21に到達すると、濃度センサ21の出力は0.3269Vとなる。ここで直前に検出した入力階調0%のトナー階調パターンにおける濃度センサ出力0.2588VはコンデンサC2に保持されており、オペアンプOPAMP1から出力されている。このため差動増幅器42であるオペアンプOPAMP1には入力階調0%のトナー階調パターンにおける濃度センサ21出力と、入力階調10%のトナー階調パターンにおける濃度センサ21出力が入力されていることになる。そしてこの2つの入力を増幅率5倍で差動増幅し、出力0.3404Vを得る。この出力をAD変換するとAD値26(Dec)が得られ、この値を入力階調0%におけるメモリ47に格納されたAD値100(Dec)にプロセッサ46が加算することで、入力階調10%におけるAD値126(Dec)を得る。以後、一つ前に検出した入力階調のトナー階調パターンにおける濃度センサ21の出力を濃度出力保持器41に設定し、その出力と差動増幅した値をAD変換した後、メモリ47に格納された一つ前に検出した入力階調のトナー階調パターンのAD値に加算する。この動作を、プロセッサ46が繰り返す。
このようにして、図7に示すように、入力階調に対するトナー濃度階調特性全体が8Bitの5倍の精度で検出することができる。
なお、本実施例1では転写材16を搬送する搬送ベルト20を用いたタンデム方式の画像形成装置について説明した。しかし、ベルト上に各色トナーを一次転写することで各色のトナーを重ね合せ、その重ね合わせたトナー画像を転写材16に二次転写する、中間転写体を用いたタンデム方式の画像形成装置についても同様に実施することができる。また、感光体上にトナー階調パターンを形成し、トナー濃度補正を行う画像形成装置についても同様に実施することができる。
以上説明したように、本実施例では、トナー濃度検出部に差動増幅器を用いているので、増幅出力が飽和することが少ない。また、濃度センサの出力に応じてトナー濃度検出部の増幅率や濃度センサの照射光量を切り換える方式でないので、入力階調に対するトナー濃度の階調特性全体を精度のムラ無く、高精度に検出することができる。
実施例2である“タンデム方式のカラー画像形成装置”について説明する。本実施例2のハードウエア構成は、トナー濃度検出部を除いて実施例1と同様なので、その説明を援用する。図9は本実施例2におけるトナー濃度検出部の構成図である。
本実施例2では、トナー濃度補正におけるトナー階調パターンの数が変わった場合、差動増幅器48、49(図9)の増幅率を変化させることで、入力階調に対するトナー濃度の特性全体を精度のムラ無く、高精度に検出する例について説明する。
入力階調に対するトナー濃度の階調特性を一定に保つためのトナー濃度補正は様々な契機で実施される。例えば、電源投入時、規定時間経過後の印刷開始時、規定印刷終了後の印刷開始時、環境変化検出後の印刷開始時、等である。そして、頻繁にトナー濃度補正が行われると、補正時間による画像形成装置のダウンタイムの増加や、補正動作に使用するトナー量の増加によるページコストの増加に繋がってしまう。しかし、画像形成装置のダウンタイムの増加や、ページコストの増加を抑制するために、トナー濃度補正の頻度を減らすことは、印刷品質とのトレードオフとなってしまう。
そこで、トナー濃度補正に使用するトナー階調パターンの数を場合によって変える手法が行われている。つまり電源投入時等、入力階調に対するトナー濃度の階調特性が、前回の印刷時より大きく変化していると考えられる場合は、多くのトナー階調パターンを用いてトナー濃度補正を行う。しかし、規定時間経過後の印刷開始時等、入力階調に対するトナー濃度の階調特性が、前回の印刷時より、あまり大きく変化していないと考えられる場合は、少ないトナー階調パターンを用いてトナー濃度補正を行う手法である。
図8は実施例1にて説明した構成で、図6における例よりもトナー階調パターンの数が少ない場合における動作説明図である。図8に示すトナー階調パターンは0%から100%の順に濃度センサ21により濃度検出される。入力階調0%のトナー階調パターンが濃度センサ21に到達する前に、制御部43は濃度出力保持器41の電圧を0Vに設定する。入力階調0%のトナー階調パターンが濃度センサ21に到達すると、濃度センサ21の出力は0.2588Vとなり、濃度出力保持器41の出力0Vと差動増幅器42に入力される。ここで差動増幅器42の増幅率を実施例1と同様の5倍とすると、1.2941Vが差動増幅器より出力され、制御部43のAD変換器45に入力される。ここで3.3Vを基準電圧とした8bitのAD変換器45とすると、AD値100(Dec)を得る。
実施例1同様の動作にて20%トナー階調パターンの検出を行い、次に入力階調40%のトナー階調パターンが濃度センサに到達し、濃度センサ21の出力1.2201Vを得る。ここで直前に検出した入力階調20%のトナー階調パターンにおける濃度センサ出力0.5245Vを濃度出力保持器41に設定する。差動増幅器42には入力階調20%のトナー階調パターンにおける濃度センサ21出力と入力階調40%のトナー階調パターンにおける濃度センサ21出力が入力される。そしてこの2つの入力を増幅率5倍で差動増幅すると出力3.4780Vを得る。しかしAD変換器45は3.3Vを基準電圧とした8bitの精度であるため、AD値255(Dec)以上を出力することはできない。つまり、差動増幅器42の出力がAD変換器45の基準電圧を越えると、正しい濃度検出ができなくなってしまう。
図9は本実施例2における、差動増幅器48(49)の増幅率を変更可能なトナー濃度検出部の構成図である。基本構成は実施例1と同様であるため、構成については異なる部分のみの説明とする。図9における差動増幅器48は、制御部43のI/O44から出力される信号により、増幅率が変更できるように構成されている。
具体的には図10、図11に示すような構成であり、図10は基本的な差動増幅回路である。制御部43のI/O44からの信号で、アナログスイッチASW1、ASW2、ASW3、ASW4が動作し、抵抗R2、及び抵抗R3が切り換わることで増幅率の変更を可能としている。アナログスイッチASW1、ASW2は同時に同極性で動作し、またアナログスイッチASW3、ASW4も同様に同時に同極性で動作する。アナログスイッチASW1、ASW2がON、アナログスイッチASW3、ASW4がOFFの場合はRn1=R2となる。アナログスイッチASW1、ASW2がOFF、アナログスイッチASW3、ASW4がONの場合はRn1=R3となる。アナログスイッチASW1、ASW2がON、アナログスイッチASW3、ASW4もONの場合、Rn1はR2とR3の並列合成抵抗値となる。そして増幅率はR1/Rn1で示され、Rn1を変更することで、増幅率の変更が可能となる。
図11においては、計装増幅回路であり、制御部43のI/O44からの信号で、アナログスイッチASW5、ASW6が動作し、抵抗R5、及び抵抗R6が切り換わることで増幅率の変更を可能としている。アナログスイッチASW5がON、アナログスイッチASW6がOFFの場合はRn2=R5となる。アナログスイッチASW5がOFF、アナログスイッチASW6がONの場合はRn2=R6。アナログスイッチASW5がON、アナログスイッチASW6もONの場合、Rn2はR5とR6の並列合成抵抗となる。そして増幅率は(1+2R/Rn2)で示され、Rn2を変更することで、増幅率の変更が可能となる。
図12は前記差動増幅器48、49の増幅率を3倍に設定し、トナー階調パターンの数が少ない場合の、トナー濃度検出の動作を説明する図である。基本的な動作については図8と同じであるため説明を省略する。差動増幅器48、49の増幅率を3倍とすると、差動増幅器48、49の最大出力は2.5794Vとなり、AD変換器45の基準電圧を越えない。
このようにして、トナー濃度補正におけるトナー階調パターンの数が変わった場合でも、差動増幅器48、49の増幅率を変化させることで、入力階調に対するトナー濃度の特性全体を精度のムラ無く、高精度に検出することができる。
実施例3である“タンデム方式のカラー画像形成装置”について説明する。本実施例3のハードウエア構成は、トナー濃度検出部を除いて実施例1と同様なので、その説明を援用する。
本実施例3は、図4、図9に示すトナー濃度検出部の構成において、AD変換器45のから得られるAD値を所定値と比較し、その大小をもってトナー濃度補正の異常を検知する例である。なおトナー濃度補正の異常の原因としては、トナー階調パターンの形成不良、濃度センサの破損、不適切な増幅率設定等が挙げられる。
図13は、図4、図9の構成において、本実施例3におけるトナー濃度補正の異常検知動作を説明するフローチャートである。トナー濃度補正が開始されると、先ずトナー階調パターンの数が設定される(ステップ1)。ここでは図6で説明したように、トナー階調パターン数に11を設定する。次に設定した数のトナー階調パターンの形成が行われる(ステップ2)。濃度出力保持器41に0Vを設定した後(ステップ3)、トナー濃度検出、濃度出力保持器41の出力との差動増幅、及びAD変換が行われ(ステップ4)、AD値を得る。次にAD値と所定値Aの比較を行う(ステップ5)。AD値が所定値Aよりも大きい場合、つまり出力飽和状態の場合、差動増幅器48、49の増幅率や、濃度センサ21、等の異常が考えられるため、上位処理部(メインルーチンなど)に異常を報告するError Flagに1をセットする(ステップ7)。AD値が所定値A以下である場合は、所定値Bと比較を行う(ステップ6)。AD値が所定値Bよりも小さい場合、つまり出力得られない場合、トナー階調パターンの形成不良や、濃度センサ21、等の異常が考えられるため、上位処理部に異常を報告するError Flagに1をセットする(ステップ7)。AD値が所定値B以上である場合は、トナー階調パターン数Nをディクリメントする(ステップ8)。次にトナー濃度検出が終了しているかの判定を行う(ステップ9)。トナー階調パターン数Nが0の場合、つまりトナー濃度検出が終了している場合は、トナー濃度の検出結果を演算し、トナー濃度が最適化されるよう、各種パラメータの設定変更を行い(ステップ10)、トナー濃度補正を終了する。トナー階調パターン数Nが0でない場合、つまりトナー濃度検出が終了していない場合は、ステップ3からトナー濃度検出が終了するまで繰り返す。また、本処理でError Flagに1をセットされた場合、つまりトナー濃度の検出に異常があった場合、他の処理にてユーザにトナー濃度補正の異常を報告する。
以上説明したように、本実施例3によれば、トナー濃度補正の異常を検出した場合に、濃度補正処理を停止することができる。
実施例4である“タンデム方式のカラー画像形成装置”について説明する。本実施例4のハードウエア構成は、実施例4と同様なので、その説明を援用する。
本実施例は、トナー濃度補正の異常が検出された場合、増幅率を変更して再度トナー濃度補正をやり直す例である。図14を用いて、動作について説明する。なお図中、ステップ1乃至ステップ4の動作については実施例3で先述しているので説明を省略する。
AD値と所定値Aの比較を行い(ステップ5)、AD値が所定値Aよりも大きい場合、差動増幅器48、49の増幅率を下げる(ステップ12)。またAD値と所定値Bの比較を行い(ステップ6)、AD値が所定値Bよりも小さい場合、差動増幅器48、49の増幅率を上げる(ステップ11)。いずれの場合でもリトライカウンタMをインクリメントし(ステップ13)、所定値Cとの比較を行う(ステップ14)。リトライカウンタMが所定値Cに到達している場合は、上位処理部に異常を報告するError Flagに1をセットし(ステップ7)トナー濃度補正を終了する。本処理でError Flagに1をセットされた場合、つまりトナー濃度の検出に異常があった場合、他の処理にてユーザにトナー濃度補正の異常を報告する。
リトライカウンタMが所定値Cに到達していない場合は、再度、トナー階調パターンの数を設定することから(ステップ1)、トナー濃度補正をやり直す。以後トナー濃度の検出が正常に終了するか、若しくはリトライカウンタMが所定値Cに到達し、上位処理部に異常を報告するError Flagを1にセットするまで繰り返される。
以上説明したように、本実施例4によれば、トナー濃度補正の異常が発生した場合に、増幅度を変更してトナー濃度補正の処理を行う。これにより、一時的なトナー濃度補正の異常が発生しても、所定回数トナー濃度補正を繰り返すことで、正常にトナー濃度補正を行うことができる。
21 濃度センサ
41 濃度出力保持器
42、48、49 差動増幅器
43 制御部
46 プロセッサ
41 濃度出力保持器
42、48、49 差動増幅器
43 制御部
46 プロセッサ
Claims (12)
- 像担持体上に複数段階の濃度のトナー階調パターンを形成するトナー階調パターン形成手段と、
前記トナー階調パターン形成手段で形成したトナー階調パターンの濃度を光学的に検出する濃度検出手段と、
前記濃度検出手段により検出された、トナー階調パターンの濃度出力を保持する濃度出力保持手段と、
前記濃度検出手段により検出されたトナー階調パターンの濃度出力と前記濃度出力保持手段により保持された濃度出力との差分を増幅する差動増幅手段と、
前記差動増幅手段の出力を演算する演算手段と、
前記トナー諧調パターンの濃度検出の制御を行うとともに、前記演算手段の演算出力にもとづいて画像形成条件を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記濃度検出手段により検出された、トナー階調パターンの濃度出力を前記濃度出力保持手段に保持させ、該濃度出力保持手段に保持された濃度出力と、次に該濃度検出手段により検出された、トナー階調パターンの濃度出力との差分を前記差動増幅手段により増幅させ、該差動増幅手段の出力を前記演算手段で演算し、演算結果をメモリに格納された一つ前の演算結果に加算することを、トナー階調パターンが終了するまで繰り返し、入力階調に対するトナー濃度を検出するように制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記濃度出力保持手段は、オペアンプ、コンデンサ、アナログスイッチからなるサンプルホールド回路で構成されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記差動増幅手段は、オペアンプと抵抗からなる差動増幅回路で構成されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記演算手段は、プロセッサとメモリで構成されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記差動増幅手段の増幅率が可変であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、トナー階調パターンの数が変わった場合、前記差動増幅手段の増幅率を変化させることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項6に記載の画像形成装置において、
前記差動増幅手段の増幅率の切り換え手段が、抵抗とアナログスイッチから構成されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記差動増幅手段の出力が所定の値より大きい場合、濃度検出処理を停止することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記差動増幅手段の出力が所定の値より小さい場合、濃度検出処理を停止することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記差動増幅手段の出力が所定の値より大きい場合、該差動増幅手段の増幅率を下げて濃度検出処理を行い、この処理を所定回数行っても該差動増幅手段の出力が該所定の値より大きいときは濃度検出処理を停止することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記差動増幅手段の出力が所定の値より小さい場合、該差動増幅手段の増幅率を上げて濃度検出処理を行い、この処理を所定回数行っても該差動増幅手段の出力が該所定の値より小さいときは濃度検出処理を停止することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、濃度検出処理を停止した場合、装置の異常をユーザに知らせることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006155890A JP2007322974A (ja) | 2006-06-05 | 2006-06-05 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006155890A JP2007322974A (ja) | 2006-06-05 | 2006-06-05 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007322974A true JP2007322974A (ja) | 2007-12-13 |
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ID=38855809
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006155890A Withdrawn JP2007322974A (ja) | 2006-06-05 | 2006-06-05 | 画像形成装置 |
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JP (1) | JP2007322974A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010152137A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Canon Inc | トナー付着量測定装置、画像形成装置及びトナー付着量測定方法 |
US8554094B2 (en) | 2010-07-02 | 2013-10-08 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Image forming apparatus and image quality control method |
JP2014059476A (ja) * | 2012-09-18 | 2014-04-03 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置、画質調整方法及びプログラム |
-
2006
- 2006-06-05 JP JP2006155890A patent/JP2007322974A/ja not_active Withdrawn
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