JP2007320839A - アルカリ型酸化チタンゾル及びその製造方法 - Google Patents

アルカリ型酸化チタンゾル及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光触媒膜やレンズの屈折率調整膜等の成膜時において、高い透明性が得られる透明性の高いアルカリ型酸化チタンゾル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】水酸化四級アンモニウムで安定化されたアルカリ型酸化チタンゾルであり、更に、酸化チタン(TiO2)濃度1質量%時のヘイズ率が25%以下である水酸化四級アンモニウムで安定化されたアルカリ型酸化チタンゾルである。
また更に、水酸化四級アンモニウムの存在下でチタン酸ゲルを水熱処理することを特徴とするアルカリ型酸化チタンゾルの製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光触媒等に利用されるアルカリ型酸化チタンゾルに関し、殊に薄膜等として被塗装物にコーティングした際にその外観を損ねることのない高い透明性を有するアルカリ型酸化チタンゾル及びその製造方法に関する。
酸化チタンは紫外線を照射することにより酸化還元作用を発現し、有害物質を分解したり、抗菌性、超親水現象を示したりする光触媒効果を有することが知られており、この効果を利用した工業製品の開発が近年盛んに行われている。光触媒反応は酸化チタンの表面近傍における反応であるから、薄膜状にして利用されることが多く、酸化チタンの微粒子からなる酸化チタンゾルが薄膜形成材料として広く用いられている。一方、酸化チタンは高い屈折率を有するセラミクスとしても知られており、その屈折率はルチル型結晶で2.62、アナターゼ型結晶で2.55と非常に高い。この特性を利用し、高屈折率プラスチックレンズのハードコート層や積層型の反射防止膜の高屈折率層の高屈折率材料として酸化チタンゾルが利用されている。
このような酸化チタンゾルを光触媒薄膜や高屈折率膜に使用する場合、成膜した際に被塗装物の意匠性やレンズ等の透明性を低下させることは、時としてこれらを施した製品の価値を著しく低下させるため好ましくない。しかしながら、屈折率の高い酸化チタンは、光を散乱しやすく、数ミクロン以下の薄膜でも白く濁って見えることが多く、用途を制限されることがある。従って、ゾルを構成する酸化チタンコロイド粒子を小さくし、且つ分散性を高め、透明な酸化チタンゾルを得ることは非常に重要な課題であった。
ところで、酸化チタンゾルは通常、塩化チタンや硫酸チタンといった安価な水溶性チタン塩を原料とし、チタン酸ゲルを生成させた後に、これを酸やアルカリで解膠することによって得られる。塩酸や硝酸を用いて解膠する方法は古くから知られているが、多量の酸を用いなければ解膠しないため、透明なゾルを経済的に得る方法としては適当ではなく、且つこのような酸を用いた解膠では光触媒として利用するには結晶性が低く、その制御も困難であるという欠点があった。
これらの課題を解決するため、本出願人は、粒子径500オングストローム以下のアルカリ性イオンで安定化された実質的に有機酸又は無機酸を含有しない結晶質アナターゼ型チタンゾルおよびその製造方法を開示している。(特許文献1参照)
特許文献1の方法によれば、四塩化チタン、硝酸チタン、硫酸チタン等の水溶性チタン化合物を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、アンモニア水などのアルカリで中和してチタン酸ゲルを生成させ、副生する塩類を除去した後に水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、メチルアミン、トリメチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン等を加えて100℃以上で水熱処理することにより結晶質アナターゼ型酸化チタンゾルを製造することができる。この特許文献1の方法はアルカリ性のゾルで且つアナターゼ型結晶の成長に着目して鋭意検討されており、腐食性の酸を含まず、高い結晶性と良好な分散性を有するゾルを得るためには優れた方法である。しかしながら、特許文献1の出願当時は上述のような光触媒膜等の透明性に対するニーズがなく、透明性を向上させるための十分な検討がなされていなかったため、特許文献1の方法においても、必ずしも透明性の高いゾルが得られるものではなかった。即ち、上記の方法により得られたチタン酸ゲルにアンモニアや1〜3級のアミン類やアルカノールアミンを加えて100℃以上で水熱処理しても、現在要求されている高い透明性を有するゾルを製造することはできない。
特開平2−62499号
上述したように近年、光触媒膜やレンズの屈折率調整膜等に対して高い透明性が要求されている。そこで本発明の目的は、成膜時に高い透明性が得られる透明性の高いアルカリ型酸化チタンゾル及びその製造方法を提供することにある。
発明者らは透明性の高い酸化チタンゾルを得るべく鋭意検討した結果、チタン酸ゲルを水酸化四級アンモニウムの存在下で水熱処理することにより、高い透明性を有する高分散性の酸化チタンゾルが容易に得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は水酸化四級アンモニウムで安定化されたアルカリ型酸化チタンゾルに関する。更には、酸化チタン(TiO2)濃度1質量%時のヘイズ率が25%以下である水酸化四級アンモニウムで安定化されたアルカリ型酸化チタンゾル及びその製造方法に関する。
本発明者の一人は、酸化スズゾルの濃縮安定化に関する研究に於いて、水酸化テトラメチルアンモニウムを取り扱った経緯があり、選択肢の一つとして、これをチタンゾルの透明化に検討した結果すばらしい効果を発現することを発見し、係る知見に基づき上記本発明を完成するに至ったものである。
本発明のアルカリ型酸化チタンゾルは高い透明性を有するため、光触媒膜やレンズの屈折率調整膜用等に最適な材料となる。水酸化四級アンモニウムを用いることにより高い透明性を有するゾルが得られる理由は明らかではないが、おそらくその強いアルカリ性が良好な分散、解膠を促すと同時に、R4N+が酸化チタン表面に強固に吸着して凝集を抑制しているためと推測される。これは特許文献1に記載のアンモニアや1〜3級のアミン類やアルカノールアミンでは達し得なかったことである。更に、アンモニアや1〜3級のアミン類は一定の蒸気圧を有し、特有の臭いを発するだけでなく、時として爆発の原因となる場合もあるが、水酸化四級アンモニウムは蒸気圧が低く、可燃性でもないことから、製造上また使用上、安全に用いることができる利点を有する。
以下に本発明のアルカリ型酸化チタンゾルについて、更に詳細に説明する。
本発明のアルカリ型酸化チタンゾルはチタン酸ゲルを解膠して得られるゾルであり、ゲルにはチタン水溶性塩を中和や熱分解することによって得られる通常のチタン酸ゲルを原料とすることができる。
チタン水溶性塩としては、塩化チタン、オキシ塩化チタン、硫酸チタン、オキシ硫酸チタンなどを例示でき、熱分解によるメタチタン酸ゲル、中和分解による正チタン酸ゲルなどが本発明のチタン酸ゲルに該当する。また、チタンアルコキシドのような高純度の原料を加水分解して得られたゲルも用いることができる。殊に、塩化チタン、オキシ塩化チタンの中和分解によって得られた正チタン酸ゲルは、本発明の原料として経済的にも物性的にも好適である。例えば、オキシ塩化チタンの希薄な溶液とアンモニア水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を接触させて得られる白いチタン酸ゲルをデカント、フィルタープレス又は限外ろ過膜などを用いて水洗し、十分に副生塩類を取り除いたものを本発明のチタン酸ゲルとして用いることで透明性の高いゾルを得ることができる。
中和方法については、特段制限はないが、通常、チタン水溶性塩を酸化チタン(TiO2)として0.1〜10質量%水溶液とし、これをアルカリ水溶液と混合することによって、白色のチタン酸ゲルが得られる。このとき使用するアルカリ水溶液の濃度に関しては、0.5〜10質量%が好ましく、チタン水溶性塩水溶液に含まれる酸に対するアルカリ量が化学等量比でアルカリ/酸=0.9〜1.3程度の範囲内となる量を用いればよい。この化学当量比が0.9未満では中和が不十分で酸化チタンの収率が低下するため好ましくない。一方、1.3を越えてアルカリを添加しても得られるチタン酸ゲルの物性に差異がないことから不経済である。添加方法に関しては、アルカリ水溶液にチタン水溶性塩水溶液を加えても良いし、チタン水溶性塩水溶液にアルカリ水溶液を加えても良い。
用いるアルカリ水溶液の原料としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩及びアンモニウム化合物を好例として例示できるが、経済的な観点から水酸化ナトリウムやアンモニアが好ましく利用できる。水酸化ナトリウムを用いる場合は生成ゾル中にナトリウムが残存することが危惧されるが、アルカリ金属の残存が好ましくない場合は、アルカリ/酸の化学等量比を0.9〜1.0とすることによって酸性で中和を完了させればよい。このように酸性サイドで中和し、得られたゲルを水洗することにより、アルカリ金属がゲル中に残存することを防ぐことができる。
チタン水溶性塩水溶液の中和時の温度に関しては特段の制限は無く、常温から100℃以下の温度で中和することができる。次いで得られたチタン酸ゲルに水酸化四級アンモニウムを添加するが、添加の方法や形態、添加の時期、温度等に特段の制限はない。本発明に用いる水酸化四級アンモニウムとしては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリメチルエチルアンモニウム、水酸化トリメチルプロピルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム、コリンなどを例示できるが、入手の容易性や酸化チタンゾルの透明性の点から水酸化テトラメチルアンモニウム、コリンを推奨することができる。
水酸化四級アンモニウムの濃度に関しては、例えば水酸化テトラメチルアンモニウムの場合、通常5〜25質量%程度の水溶液として市販されており、そのまま利用することができるが、希釈して用いても良い。水酸化四級アンモニウムの添加量に関しては、チタン酸ゲル中の酸化チタン(TiO2)1モルに対して水酸化四級アンモニウム0.01〜0.3モル添加することが好ましく、更には0.02〜0.20モルがより好ましい。下限を下廻ると解膠不足となって透明性が悪くなり、逆に上限を超えるとゾル粒子の凝集により透明性が低下する。本発明の水酸化四級アンモニウムは、チタン酸ゲルに添加することでチタン酸ゲルの粘度を大幅に低下させることができるだけでなく、加熱や濾過によってもほとんど消失することが無いため、水酸化四級アンモニウムを添加した後に加熱や濾過によって濃縮を行うことも可能であり、高濃度のチタン酸ゲルを得ることも可能である。驚くべきことにチタン酸ゲルの濃度を増加させた場合においても得られる本発明のアルカリ型酸化チタンゾルの透明性に対する悪影響はほとんど無く、高濃度まで濃縮してから後述の水熱処理によるゾル化を行うことで一度に多量のゾルを製造することができ、従来にない効率的な酸化チタンゾルの製造を行うことができる。
水酸化四級アンモニウムを添加したチタン酸ゲルは、次いで水熱処理することにより本発明のアルカリ型酸化チタンゾルとなる。ゾル化するには通常、60〜180℃程度で3〜10時間の水熱処理を必要とするが、透明性やゾルを構成する粒子の結晶化度に応じて温度と時間を決めることができる。透明性に関しては、水熱処理温度としては、100〜150℃が好ましい。この温度範囲より下廻っても上廻っても透明性の良いゾルは得られない。また、水熱処理時間に関しては4〜10時間程度が好ましい。4時間未満では未解膠の粒子が残存する傾向があり好ましくない。酸化チタンの結晶化度に関しては、熱処理温度が高くなる程、また水熱処理時間が長くなる程結晶化度は高くなるが、特に光触媒として用いる場合はある程度の結晶性を必要とするため100℃以上で5時間以上水熱処理することが好ましい。
本発明のアルカリ型酸化チタンゾル粒子は、粉末X線回折によって同定すると、アナターゼ型結晶か、わずかにルチル型を含むアナターゼ型結晶からなっており、粉末X線回折による半価幅からシェラー式によって計算した結晶子径はほぼ20nm以下である。また、動的散乱等の光学的方法で測定される平均粒子径は50nm以下である。殊に、本発明のアルカリ型酸化チタンゾルは、酸化チタン(TiO2)濃度1質量%時のヘイズ率が25%以下という高い透明性を示す特徴を有する。
ヘイズ率とは、一般に拡散透過率/全光線透過率で示す濁りを表す指標であり、通常この値が50%以上の場合、このゾルを用いて成膜したときは、膜に濁りを生じる。透明性に優れた膜を得るためには、ヘイズ率が25%以下であることが必要である。
上記の如くして得られた本発明のアルカリ型酸化チタンゾルは濃縮、希釈により濃度調整をすることができ、目的に応じた濃度のゾルを得ることができる。特に高濃度ゾルを必要とする場合はさらに水酸化四級アンモニウムを添加して濃縮することで低粘度のまま高濃度化が可能となる。また、本発明のアルカリ型酸化チタンゾルは、一定量のアルコール等の有機溶媒とも容易に混合することができる。本発明のアルカリ型酸化チタンゾルは水酸化四級アンモニウムを含むため基本的にアルカリ性でpH9〜12程度であるが、目的に応じてpH1〜7にすることも可能である。pH1〜7にするには、塩酸、硝酸、ヒドロキシカルボン酸等の酸を添加し、一旦ゲル化させてから攪拌や超音波の照射などによって再分散させる方法が挙げられる。また、酸性化した後に限外濾過膜を使用してゾルを洗浄し、余分な酸を除去することでより安定な酸性型ゾルとすることができる。中でもヒドロキシカルボン酸の使用はゾルの安定性、相溶性向上に効果が高く、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸を用いて酸性化したゾルは塩酸や硝酸で酸性化したゾルに比較して腐食性がなく安全に取り扱えることに加えて更に、濃縮時の粘度安定性やアルコール等の有機溶媒との混合安定性が飛躍的に向上することから、工業的に非常に有益である。
以下に、本発明のアルカリ型酸化チタンゾルを実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の%は特に断らない限り質量%を示すものとする。
「ヘイズ率の測定方法」
ヘイズ率は、日本電色工業株式会社製の色度・濁度測定器COH300Aを用い、光路長10mmのセルに酸化チタン(TiO2)濃度1質量%に調整したゾルを入れて測定する。
TiO2=28.2%、Cl=31.8%であるオキシ塩化チタン500g(住友シチックス(株)製)をイオン交換水27.7kgで希釈して得たTiO2=0.5%のオキシ塩化チタン水溶液に、3%水酸化ナトリウム水溶液5500gを常温、撹拌下で添加して白色のゲルを得た。ゲルは濾液中の塩素が検出されなくなるまで限外濾過膜(旭化成(株)製)を用いて膜濾過洗浄し、3%TiO2を含むチタン酸ゲルを得た。得られたチタン酸ゲル200gに、25%水酸化テトラメチルアンモニウム(多摩化学工業(株)製)(以下「TMA」と称す)0.82g(モル比:TMA/TiO2=0.03) を加え、120℃で6時間水熱処理して本発明のゾルを得た。得られたゾルのpHは10.0であり、ヘイズ率は9.9%であった。尚、このゾルは1ヶ月間、30℃で保存したが、沈殿の発生やゲル化は認められず安定であった。
実施例1と同様のチタン酸ゲル200gに、25%TMA5.48g(モル比:TMA/TiO2=0.20)を加えた以外は実施例1と同じ方法でゾルを得た。得られたゾルのpHは12.9であり、ヘイズ率は10.9%であった。尚、このゾルは、ロータリーエバポレーターを用いてTiO210%まで濃縮したが、増粘はなく、この濃縮したゾルを更に1ヶ月間、30℃で保存したが、沈殿の発生やゲル化は認められず安定であった。
実施例1と同様のチタン酸ゲル200gに、7%コリン13.0g(モル比:コリン/TiO2=0.10)を加えた以外は実施例1と同じ方法でゾルを得た。得られたゾルのpHは11.6であり、ヘイズ率は11.0%であった。このゾルは、ロータリーエバポレーターを用いてTiO210%まで濃縮したが、増粘はなく、この濃縮したゾルを更に1ヶ月間、30℃で保存したが、沈殿の発生やゲル化は認められず安定であった。
TiO2=28.2%、Cl=31.8%であるオキシ塩化チタン(住友スチックス(株)製)500gをイオン交換水27.7kgで希釈して得たTiO2=0.5%オキシ塩化チタン水溶液に、3%アンモニア水溶液2670gを常温、撹拌下で添加して白色のゲルを得た。ゲルは濾液中の塩素が検出されなくなるまで限外濾過膜(旭化成(株)製)を用いて膜濾過洗浄し、3%TiO2を含むチタン酸ゲルを得た。得られたチタン酸ゲル200gに、25% TMA0.82g(モル比:TMA/TiO2=0.03)を加え、120℃で6時間水熱処理して本発明のゾルを得た。得られたゾルのpHは11.6であり、ヘイズ率は10.8%であった。このゾルは、ロータリーエバポレーターを用いて10%まで濃縮したが、増粘はなく、この濃縮したゾルを更に1ヶ月間、30℃で保存したが、沈殿の発生やゲル化は認められず安定であった。
[比較例1]
実施例1と同様のチタン酸ゲル200gに、表1のアルカリ剤を所定量添加して120℃で6時間水熱処理してゾルを得た。得られたゾルのヘイズ率を測定した結果を表1に示す。
Figure 2007320839
表1から明らかなように、本発明の水酸化四級アンモニウムに代え、アンモニア、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン及びトリメチルアミンを用いても、ヘイズ率25%を下廻る酸化チタンゾルを得ることができない。

Claims (8)

  1. 水酸化四級アンモニウムで安定化されたアルカリ型酸化チタンゾル。
  2. 酸化チタン(TiO2)濃度1質量%時のヘイズ率が25%以下である請求項1記載のアルカリ型酸化チタンゾル。
  3. 水酸化四級アンモニウムが酸化チタン(TiO2)1モルに対して0.01〜0.3モルである請求項1または2記載のアルカリ型酸化チタンゾル。
  4. 水酸化四級アンモニウムが水酸化テトラメチルアンモニウムまたはコリンである請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルカリ型酸化チタンゾル。
  5. 水酸化四級アンモニウムの存在下でチタン酸ゲルを水熱処理することを特徴とするアルカリ型酸化チタンゾルの製造方法。
  6. 水酸化四級アンモニウム量がチタン酸ゲル(TiO2)1モルに対して0.01〜0.3モルである請求項5記載のアルカリ型酸化チタンゾルの製造方法。
  7. 水酸化四級アンモニウムが水酸化テトラメチルアンモニウムまたはコリンである請求項5または6記載のアルカリ型酸化チタンゾルの製造方法。
  8. 水熱処理温度が100〜150℃である請求項5〜7のいずれか1項に記載のアルカリ型酸化チタンゾルの製造方法。
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