JP2007319945A - チャック装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブッシュは外周に係合段差を有し、プランジャに固着され複数のブッシュの係合段差に係合するプレートと、プランジャのワーク把持開放時の回転軸芯方向への移動により蓄圧されブッシュの係合段差を回転軸芯方向へ押圧する付勢手段を備え、前記プレートが、回転軸芯方向に切欠を設けない当接部と回転軸芯方向に切欠を設ける切欠き部でブッシュの係合段差に係合し、複数のブッシュのうち、少なくともひとつ以上のブッシュがプレートの当接部に係合し、他のブッシュはプレートの切欠き部に係合する。
【選択図】図2
Description
これを本出願人が出願した特開昭62−213906号公報に記載のチャック装置で説明する。
チャック装置には、ワークを把持する複数のジョー3と、主軸に設けられた流体圧シリンダーにより退入駆動される図示しないドローバーに連設されるプランジャ2が設けられている。プランジャ2はウエッジ5と係合段差14にて係合されており、ウエッジ5は回転軸芯X方向に沿ってのみ摺動自在に設けられている。そのウエッジ5には、半径方向にのみ摺動自在なマスタージョー4が嵌め合わせて設けられている。マスタージョー4の前部にはジョー3が設けられている。
このチャック装置は、図示しないドローバーの退入駆動と連動して、プランジャ2とウエッジ5が回転軸芯X方向に摺動変位する。それに合わせてマスタージョー4が半径方向に摺動移動されることで各ジョー3がワーク固定側或いは解除側に半径方向で移動させられてワークを把持及び把持解除する。
シリンダーへ供給される空気配管や作動油配管に流体の圧力を調整できる減圧弁を設けて空気圧や油圧を調整する。ワークの把持時にはシリンダーの作動圧力を低く設定してシリンダーの駆動力を小さくする。一方ワークの把持解除時にはシリンダーの作動圧力を高く設定してシリンダーの駆動力を大きくする。
したがって、本発明の目的は、シリンダーの駆動力を調整することなく、さらには薄肉形状のワークを変形させることなく把握でき、小さな駆動力でワークの把握及び把握解除が可能となるチャック装置を提供することである。
そのため、ワークへ無理な力が加わることがないので、ワークの把握時にジョーによるワークの変形が発生せず、薄肉形状のワークを把持する際にはワークの変形を気にすることなく加工することができる。
図1は本発明の第一実施例に係るチャック装置のワーク把持側から見た正面図である。
図2は図1で示すA−A断面でのチャック装置の断面図である。
図3は図2に示すチャック装置の後述する構成であるブッシュ5と、マスタージョー4の展開斜視図である。
図4は同じくチャック装置を構成するプランジャ2と、プレート6と、プッシャピン9と、バネ10と、プッシャプレート8の展開斜視図である。
図5、図6はプレート6とプッシャプレート8にブッシュ5が係合した状態を示す斜視図であり、図5はひとつのブッシュ5bを離して示し、図6はブッシュ5が係合した状態を示している。
プランジャ2は後述するブッシュ5が設けられる部分を欠落させた形状になされ、ボディー内にブッシュ5と共に内包して設けられている。
プランジャ2の前方にはプレート6がボルト17で固着されて取り付けられており、プレート6の半径方向外方部分は、プランジャ2の係合部分から突出して設けられている。
プレート6には軸芯方向に窪み部が略中央部位へ設けられており、この窪み部へ後述するプッシャプレート8が嵌り込むように配設されている。
この付勢手段7として、本実施例では、プッシャプレート8と、プッシャピン9とバネ10がプランジャ2に設けられている。
プッシャピン9はプランジャ2に設けられた挿入孔20へバネ10と共に取り付けられ、バネ10が圧縮されると付勢力が蓄えられ、プッシャプレート8を押圧するようになされている。プッシャプレート8はプレート6と同様に半径方向外方部分がプランジャ2の係合部分から突出して設けられており、ブッシュ5と係合するようになされている。
このブッシュ5には円筒外周側に係合段差14が設けられており、この係合段差14へ前記プレート6とプッシャプレート8の半径方向外方へ突出した部分が係合するようになされている。
本実施例では図2に示すように、ブッシュ5の係合段差14が係合溝15で形成されているので、ブッシュ5の係合溝15にプレート6とプッシャプレート8が入り込むように配置される。
マスタージョー4の回転軸芯X方向の前方にはワークを把持するジョー3がボルト13により着脱可能に取り付けられている。図1の正面図に示すように、本実施例ではワークを把持する3つのジョー3が円周方向に等分で配置されている。
ボディー1の前方には、ボディー1内部に切り屑や粉塵の侵入を防止するカバー11がボルト16で取り付けられている。
プレート6には、ブッシュ5と係合する係合部がブッシュ5ごとに設けられ、 複数あるブッシュ5に対して個々のブッシュ5と係合するようになされている。
プレート6のブッシュ5との係合ヶ所には、回転軸芯X方向に切欠きを設けない当接部19と、回転軸芯X方向で切欠きを設ける切欠き部18が備えられている。本実施例において、プレート6は3つのブッシュ5の内、ひとつのブッシュ5aにのみ当接部19で係合し、残る2つのブッシュ5bには切欠き部18で係合している。
図9には図7中のC−C断面図を示し、どちらもブッシュ5bと係合する寸法L3の切欠き部18を表わしたプレートの断面を示している。
一方、プレート6の切欠き部18はワークの把握時には切欠きの無い面でブッシュ5と当接し、ワークの把握解除時には切欠きのある面でブッシュ5と係合し必ずしもブッシュ5と当接しない。
プッシャプレート8も、プレート6と同様にブッシュ5ごとに係合する係合部を備え、個々のブッシュ5と係合するようになされている。
図10にはプランジャ2とプレート6とプッシャプレート8とプッシャピン9とバネ10とブッシュ5の把握解除時の動作を断面図で段階的に示した動作説明図を示している。
図10(a)にはプランジャ2が回転軸芯X方向の前方に移動を開始した状態の断面図、図10(b)にはその後プランジャ2が移動距離L1だけ移動した状態の断面図、図10(c)にはさらにプランジャ2が移動し、移動距離L2でプランジャ2が移動した状態の断面図を示し、図10(d)にはブッシュ5aが移動した状態の断面図を示している。
さらに、図10中の左図はブッシュ5とプレート6との関連を示す動作説明図であり、右図はブッシュ5とプッシャプレート8との関連を示す動作説明図である。
まず図示しないシリンダーを伸長駆動させ、図示しないドローバーが回転軸芯X方向の前方に移動される。ドローバーに連設されたプランジャ2はドローバーの移動と連動し、同様に前方に移動を開始する。
図10(a)にはプランジャ2が回転軸芯方向の前方に移動を開始した状態の断面図が示されている。図10(a)の左図に示されるようにプランジャ2にはシリンダーの駆動力Pが伝達される。プランジャ2に固着されるプレート6は、当接部19でブッシュ5aの係合溝15と係合し、切欠き部18でブッシュ5bと係合している。
一方、図10(a)の右図に示されるように、プッシャプレート8はバネ10により付勢されたプッシャピン9を介して前方に押されてブッシュ5の係合溝15に係合されている。
このとき、図10(b)の右図に示されるように、プランジャ2が前方へ移動距離L1で移動すると、バネ10の全長が移動距離L1だけ縮められ、これによりバネ10の反力Qがプッシャピン9へ作用し、プッシャピン9を介してプッシャプレート8に前方へ反力Qの作用力が加わる。このとき、反力Qが発生している摩擦抵抗よりも小さいのでブッシュ5bを移動させることができず、ブッシュ5bは前方へ移動しない。
図10(C)の左図に示すように、プランジャ2の移動距離L2と同様にブッシュ5aが前方へ移動される。このとき、3つのブッシュ5の内、ひとつのブッシュ5aが移動することで、ワークの把持を行なっていた3つのジョー3の内、ひとつのジョー3が把持解除方向に移動される。それにより、今までワークを把持することで互いに把握力の反力で固定されていた状態から開放され、他の2つのジョー3が動き易くなり、それまで発生していた摺動部分の摩擦抵抗が軽減される。
この後、バネ10の反力Qが摩擦抵抗より大きい状態で全てのブッシュ5がプランジャ2と同様に前方へ移動して、把握解除動作が完了します。
本発明は、ワークの把持を解除する際にシリンダーの駆動力を複数あるブッシュのうち、いくつかのブッシュ(本実施例ではひとつのブッシュ)に集中させることで小さなシリンダーの駆動力でチャック装置のジョーを移動させるものである。
付勢手段7の他の実施例として、図11に第二実施例を示す。これは付勢手段7として板バネ21を用いる例である。
本第二実施例では、前記第一実施例で設けられていたプッシャプレート8とプッシャピン9を設けることなく、付勢手段7として板バネ21をプランジャ2に取り付け、前記板バネ21の先端部をブッシュ5bの係合溝15に係合させて設けられている。また、前記第一実施例で設けられていたプレート6を設けることなく、プランジャ2に直接に当接部19を設け、プランジャ2とブッシュ5が係合している。
これにより、プランジャ2が前方へ移動すると、板バネ21の先端部が移動しないブッシュ5bに係合しているので、板バネ21はプランジャ2の移動距離で蓄圧される。この蓄圧された板バネの反発力がブッシュ5bを押圧する。この時プランジャ2で当接しているブッシュ5aはプランジャ2の前方への移動と連動して移動されるので、板バネ21で当接するブッシュ5bはプランジャ2で移動されるブッシュ5aの移動の後に、板バネ21の反発力で前方へ移動される。
付勢手段の他の実施例としては、例えば板バネ21ではなく、スプリングなどの通常用いられる他の部材を用いても同様な効果を得る事が出来る。
しかしながら、本発明の作用はこの第一実施例のみに限定するものではなく、例えばチャック装置のワークを把持するジョーの数が異なる2爪タイプや4爪タイプのチャック装置であっても良い。
さらには、シリンダーの駆動力をひとつのジョーに集中させるのではなく、複数のジョーにプレート6を介して係合するように構成し、複数のジョーにシリンダーの駆動力を分散させ、ワークの把握解除を行なっても良い。
2 プランジャ
3 ジョー
4 マスタージョー
5a ブッシュ
5b ブッシュ
6 プレート
7 付勢手段
8 プッシャプレート
9 プッシャピン
10 バネ
14 係合段差
15 係合溝
18 切欠き部
19 当接部
21 板バネ
Claims (6)
- ボディーと、該ボディー内でチャックの回転軸芯方向で移動可能なプランジャと、該プランジャと共動して移動する複数のブッシュと、該ブッシュと係合しブッシュの移動に合わせてチャックの半径方向で移動するマスタージョーと、該マスタージョーの前方端部に着脱可能に取り付けられワークを把持するジョーを有するチャック装置において、前記ブッシュは外周に係合段差を有し、前記プランジャに固着され複数のブッシュの係合段差に係合するプレートと、前記プランジャのワーク把持開放時の回転軸芯方向への移動により蓄圧されブッシュの係合段差を回転軸芯方向へ押圧する付勢手段を備え、前記プレートが、回転軸芯方向に切欠を設けない当接部と回転軸芯方向に切欠を設ける切欠き部でブッシュの係合段差に係合し、前記複数のブッシュのうち、少なくともひとつ以上のブッシュがプレートの当接部に係合し、他のブッシュはプレートの切欠き部に係合することを特徴とするチャック装置。
- 前記複数のブッシュのうち、ひとつのブッシュのみがプレートの当接部に係合し、他のブッシュはプレートの切欠き部に係合することを特徴とする請求項1に記載のチャック装置。
- 前記付勢手段が、前記プレートの回転軸芯方向の前方に設けられブッシュの係合段差に係合するプッシャプレートと、該プッシャプレートの回転軸芯方向の後方に設けられプッシャプレートに当接するプッシャピンと、該プッシャピンとプランジャとの間に設けられプッシャピンを回転軸芯方向前方へ押圧する付勢部材を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のチャック装置。
- 前記プレートとプランジャを一体に設け、前記付勢手段が前記プランジャのチャック軸方向の前方に固着して設けられる板バネを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のチャック装置。
- 前記ブッシュの係合段差が、外周に設けられた係合溝で構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のチャック装置。
- 前記ブッシュの係合段差が、外周に設けられた係合突起で構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のチャック装置。
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