JP2007318521A - 放収音装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より効果的に回り込み音声を抑圧する。
【解決手段】組合せ選択回路196は、レベル比較器195で選択指定された差分信号MSの収音ビーム信号MB1x、MB2xを選択する。収音ビーム信号選択回路197は、収音ビーム信号MB1x、MB2xの信号レベルを比較し、高い方の収音ビーム信号MBymを減算器199に出力し、高い方の収音ビーム信号MBymに対して基準面に対称な低い方の収音ビーム信号MBysをLPF198に出力する。LPF198はこの収音ビーム信号MBysを低域通過処理して低域成分MBysfを減算器199に出力する。減算器199は、収音ビーム信号MBymから低域成分MBysfを減算して出力する。これにより、回り込み音声の主成分となる低域成分が収音ビーム信号から除去される。
【選択図】図3
【解決手段】組合せ選択回路196は、レベル比較器195で選択指定された差分信号MSの収音ビーム信号MB1x、MB2xを選択する。収音ビーム信号選択回路197は、収音ビーム信号MB1x、MB2xの信号レベルを比較し、高い方の収音ビーム信号MBymを減算器199に出力し、高い方の収音ビーム信号MBymに対して基準面に対称な低い方の収音ビーム信号MBysをLPF198に出力する。LPF198はこの収音ビーム信号MBysを低域通過処理して低域成分MBysfを減算器199に出力する。減算器199は、収音ビーム信号MBymから低域成分MBysfを減算して出力する。これにより、回り込み音声の主成分となる低域成分が収音ビーム信号から除去される。
【選択図】図3
Description
この発明は、ネットワーク等を介して複数の地点間で行う音声会議等に用いる放収音装置、特にマイクとスピーカとが比較的近い位置に配置された放収音装置に関するものである。
従来、遠隔地間で音声会議を行う方法として、音声会議を行う地点毎に放収音装置を設置して、これら装置をネットワークで接続し、音声信号を通信する方法が多く用いられている。そして、放収音装置では、相手装置側の音声を放音するスピーカと、自装置側の音声を収音するマイクロホンとが1つの筐体に同時に設置されたものが多い。
例えば、特許文献1の音声会議装置(放収音装置)は、ネットワークを介して入力される音声信号を天面に配置されたスピーカから放音し、側面に配置された異なる複数方向をそれぞれの正面方向とする各マイク音声信号を収音し、ネットワークを介して収音信号を外部に送信する。
特開平8−298696号公報
しかしながら、特許文献1の装置では、マイクとスピーカとが近接することで、各マイクの収音信号にスピーカからの回り込み音声が多く含まれる。このため、自装置の発話者の発声音に対する収音信号のS/N比が低下し、発話者の発声音を鮮明に収音して、出力することができない。
したがって、この発明の目的は、回り込み音声の影響を除去して、発話者からの音声を高いS/N比で収音・出力することができる放収音装置を提供することにある。
この発明の放収音装置は、所定基準面に対して対称となる音圧で音声を放音するスピーカと、所定基準面の一方側の音声を収音する第1マイク群および他方側の音声を収音する第2マイク群と、第1マイク群の収音信号に基づく第1収音ビーム信号群の各収音ビーム信号と第2マイク群の収音信号に基づく第2収音ビーム信号群の各収音ビーム信号とを所定基準面に対して対称に生成する収音ビーム信号生成手段と、最高信号レベルの収音ビーム信号から、該最高信号レベルの収音ビーム信号に対して基準面に対称な収音ビーム信号の低域成分を差分することで最高信号レベルの収音ビーム信号を補正する収音ビーム信号補正手段と、を備えたことを特徴としている。
この構成では、第1収音ビーム信号群の各収音ビーム信号と、第2収音ビーム信号群の各収音ビーム信号とが基準面に対して対称であるので、面対称の関係にある収音ビーム信号同士の回り込み音声成分は基準面に垂直な方向に対して同じ大きさになる。
ここで、回り込み音声の周波数特性を図6に示す。
図6は回り込み音声の概略な周波数特性を示す図である。図6に示すように、回り込み音声では、低域成分の方が高域成分よりも信号レベルが高くなる。したがって、スピーカからマイクロホンへの回り込み音声は低域成分によるものが主体となる。さらに、回り込み音声の低域成分は、対称位置にある収音ビーム信号間で位相のズレが小さく、単純な差分処理により簡単に抑圧される。一方で、回り込み音声の高域成分は、信号レベルが極小さいものの、対称位置にある収音ビーム信号間でも位相のズレが生じる可能性があり、単に差分処理をしただけで容易に抑圧できるとは限らない。
図6は回り込み音声の概略な周波数特性を示す図である。図6に示すように、回り込み音声では、低域成分の方が高域成分よりも信号レベルが高くなる。したがって、スピーカからマイクロホンへの回り込み音声は低域成分によるものが主体となる。さらに、回り込み音声の低域成分は、対称位置にある収音ビーム信号間で位相のズレが小さく、単純な差分処理により簡単に抑圧される。一方で、回り込み音声の高域成分は、信号レベルが極小さいものの、対称位置にある収音ビーム信号間でも位相のズレが生じる可能性があり、単に差分処理をしただけで容易に抑圧できるとは限らない。
したがって、この構成では、発話者方向に依存する最高信号レベルの収音ビーム信号を検出し、当該最高信号レベルの収音ビーム信号と対称位置にある収音ビーム信号の低域成分のみを抽出して、最高信号レベルの収音ビーム信号から当該低域成分を差分する。これにより、回り込み音声量にあまり影響を与えない高域成分に対して、不安定な抑圧処理が行われることなく、回り込み音声量に大きな影響を与える低域成分が効果的に抑圧される。この結果、収音音声に含まれる回り込み音声が確実且つ効果的に抑圧され、収音音声のS/N比が向上する。
また、この発明の放収音装置は、収音ビーム信号補正手段で、基準面に対称な収音ビーム信号のみに低域通過処理を行って低域成分を生成することを特徴としている。
この構成では、最高信号レベルの収音ビーム信号を検出した後に、対称となる収音ビーム信号を検出し、この収音ビーム信号のみをローパスフィルタでフィルタリングする。これにより、フィルタリング処理が簡素化される。
また、この発明の放収音装置は、収音ビーム信号補正手段で、全ての収音ビーム信号に低域通過処理を行ってそれぞれに低域成分を生成し、最高信号レベルの収音ビーム信号と、基準面で対称な収音ビーム信号の低域成分とを選択して差分処理に用いることを特徴としている。
この構成では、全ての収音ビーム信号に対して、そのままの信号とローパスフィルタでフィルタリングした信号とを生成する。そして、最高信号レベルの収音ビーム信号をそのままの信号群から選択し、差分用の基準面に対称な収音ビーム信号(低域成分のみ)をフィルタリングした信号群から選択する。これにより、フィルタリング処理が選択される収音ビーム信号に影響されないので、最高信号レベルの収音ビーム信号および対称となる収音ビーム信号の検出と並行してフィルタリング処理を行っておけば、前述のようにシリアルにフィルタリング処理を行うよりも、早く差分処理が開始される。
また、この発明の放収音装置は、第1マイク群と第2マイク群とを、それぞれに複数のマイクが所定基準面に沿って一直線状に配列されたマイクアレイで構成することを特徴としている。
この構成では、所定基準面に沿ってマイクアレイを構成することで、各マイクの収音信号に基づいて収音ビーム信号を生成する場合に、各収音信号に対して遅延処理等の簡素な信号処理を行うだけでよい。
また、この発明の放収音装置は、入力音声信号と収音ビーム信号補正手段で補正された収音ビーム信号とに基づいて、スピーカから放音された音声が出力音声信号に含まれないように制御する回帰音除去手段を備えたことを特徴としている。
この構成では、収音ビーム信号補正手段から出力された収音ビーム信号に含まれる高周波数成分も回帰音除去手段で除去され、回り込み音声の全周波数帯域がさらに効果的に除去される。
この発明によれば、回り込み音声を確実且つ効果的に除去して、発話者等の音源方向からの音声を高いS/N比で収音して出力することができる。
本発明の第1の実施形態に係る放収音装置について図を参照して説明する。
図1(A)は本実施形態に係る放収音装置1のマイク、スピーカ配置を示す平面図であり、図1(B)は図1(A)に示す放収音装置1により形成される収音ビーム領域を示す図である。
図1(A)は本実施形態に係る放収音装置1のマイク、スピーカ配置を示す平面図であり、図1(B)は図1(A)に示す放収音装置1により形成される収音ビーム領域を示す図である。
図2は本実施形態の放収音装置1の機能ブロック図である。
本実施形態の放収音装置1は、筐体101に、複数のスピーカSP1〜SP3、複数のマイクMIC11〜MIC17,MIC21〜MIC27、図2に示す機能部を備えて成る。
筐体101は一方向に長尺な略直方体形状からなり、筐体101の長尺な辺(面)の両端部には、筐体101の下面を設置面から所定間隔離間する所定高さの脚部(図示せず)が設置されている。なお、以下の説明では、筐体101の四側面のうち、長尺な面を長尺面、短尺な面を短尺面と称する。
筐体101の下面には、同形状からなる無指向性の単体スピーカSP1〜SP3が設置されている。これら単体スピーカSP1〜SP3は長尺方向に沿って一定の間隔で直線状に設置されており、且つ、各単体スピーカSP1〜SP3の中心を結ぶ直線は、筐体101の長尺面に沿い、短尺面の中心間を結ぶ中心軸100に対して水平方向位置が一致するように設置されている。すなわち、中心軸100を含む垂直な基準面にスピーカSP1〜SP3の中心を結ぶ直線が配置される。このように、単体スピーカSP1〜SP3を配列設置することでスピーカアレイSPA10が構成される。このような状態では、スピーカアレイSPA10の各単体スピーカSP1〜SP3から音声を放音すると、放音音声は二つの長尺面に同等に伝わる。この際、二つの対向する長尺面に伝搬する放音音声は、前記基準面に対して直交する互いに対称な方向へ進行する。
筐体101の一方の長尺面には、同スペックのマイクMIC11〜MIC17が設置されている。これらマイクMIC11〜MIC17は長尺方向に沿って一定の間隔で直線状に設置されており、これによりマイクアレイMA10が構成される。また、筐体101の他方の長尺面にも、同スペックのマイクMIC21〜MIC27が設置されている。これらマイクMIC21〜MIC27も長尺方向に沿って一定の間隔で直線状に設置されており、これにより、マイクアレイMA20が構成される。マイクアレイMA10とマイクアレイMA20とはその配列軸の垂直位置が一致するように配置されており、さらに、マイクアレイMA10の各マイクMIC11〜MIC17と、マイクアレイMA20の各マイクMIC21〜MIC27とは、それぞれ前記基準面に対して対称な位置に配置されている。具体的に、例えば、マイクMIC11とマイクMIC21とが基準面に対して対称の関係にあり、同様にマイクMIC17とマイクMIC27とが対称の関係にある。
なお、本実施形態では、スピーカアレイSPA10のスピーカ数を3本とし、各マイクアレイMA10,MA20のマイク数をそれぞれ7本としたが、これに限ることなく、仕様に応じてスピーカ数およびマイク数は適宜設定すればよい。また、スピーカアレイの各スピーカ間隔およびマイクアレイの各マイク間隔は一定ではなくてもよく、例えば、長尺方向に沿って中央部で密に配置され、両端部に向かうに従って疎に配置されるような態様でもよい。
次に、図2に示すように、本実施形態の放収音装置1は、機能的に、入出力コネクタ11、入出力I/F12、放音指向性制御部13、D/Aコンバータ14、放音用アンプ15、前述のスピーカアレイSPA10(スピーカSP1〜SP3)、前述のマイクアレイMA10,MA20(マイクMIC11〜MIC17,MIC21〜MIC27)、収音用アンプ16、A/Dコンバータ17、収音ビーム生成部181,182、収音ビーム選択・補正部19、および、エコーキャンセル部20を備える。
入出力I/F12は、入出力コネクタ11を介して入力された、他の放収音装置からの入力音声信号をネットワークに対応するデータ形式(プロトコル)から変換して、エコーキャンセル部20を介して放音指向性制御部13に与える。また、入出力I/F12は、エコーキャンセル部20で生成される出力音声信号をネットワークに対応するデータ形式(プロトコル)に変換して、入出力コネクタ11を介して、ネットワークに送信する。
放音指向性制御部13は、放音指向性が設定されていなければ、スピーカアレイSPA10の各スピーカSP1〜SP3へ、入力音声信号に基づく放音信号を同時に与える。また、放音指向性制御部13は、仮想点音源の設定等の放音指向性が指定されると、指定された放音指向性に基づいて、スピーカアレイSPA10の各スピーカSP1〜SP3にそれぞれ固有の遅延処理及び振幅処理等を入力音声信号に対して行うことで個別放音信号を生成する。放音指向性制御部13は、これら個別放音信号をスピーカSP1〜SP3毎に設置されたD/Aコンバータ14に出力する。各D/Aコンバータ14は個別放音信号をアナログ形式に変換して各放音用アンプ15に出力し、各放音用アンプ15は個別放音信号を増幅してスピーカSP1〜SP3に与える。
スピーカSP1〜SP3は、与えられた放音信号および個別放音信号を音声変換して外部に放音する。スピーカSP1〜SP3は筐体101の下面に設置されているので、放音された音声は、放収音装置1が設置される机の設置面を反射して、会議者のいる装置の横から斜め上方に向かって伝搬される。また、放音音声の一部は、放収音装置1の底面からマイクアレイMA10,MA20が設置された側面へ回り込む。
マイクアレイMA10,MA20の各マイクMIC11〜MIC17、MIC21〜MIC27は、無指向性であっても有指向性であってもよいが、有指向性であることが望ましく、放収音装置1の外部からの音声を収音して電気変換し、収音信号を各収音用アンプ16に出力する。
この際、このようなスピーカアレイSPA10の構成およびマイクアレイMA10,MA20の構成から、基準面に対して対称位置にあるマイクアレイMA10のマイクMIC1n(n=1〜7)と、マイクアレイMA20のマイクMIC2n(n=1〜7)とで、スピーカアレイSPA10の単体スピーカSP1〜SP3からの回り込み音声が、同等に収音される。
各収音用アンプ16は、収音信号を増幅してそれぞれA/Dコンバータ17に与え、A/Dコンバータ17は、収音信号をデジタル変換して収音ビーム生成部181,182に出力する。収音ビーム生成部181には、一方の長尺面に設置されたマイクアレイMA10の各マイクMIC11〜MIC17での収音信号が入力され、収音ビーム生成部182には、他方の長尺面に設置されたマイクアレイMA20のマイクMIC21〜MIC27での収音信号が入力される。
収音ビーム生成部181は、各マイクMIC11〜MIC17の収音信号に対して所定の遅延処理等を行い、収音ビーム信号MB11〜MB14を生成する。収音ビーム信号MB11〜MB14は、図1(B)に示すように、マイクMIC11〜MIC17が設置された長尺面側で当該長尺面に沿ってそれぞれに異なる所定幅の領域が収音ビーム領域に設定されている。
収音ビーム生成部182は、各マイクMIC21〜MIC27の収音信号に対して所定の遅延処理等を行い、収音ビーム信号MB21〜MB24を生成する。収音ビーム信号MB21〜MB24は、図1(B)に示すように、マイクMIC21〜MIC27が設置された長尺面側で当該長尺面に沿ってそれぞれに異なる所定幅の領域が収音ビーム領域に設定されている。
この際、収音ビーム信号MB11と収音ビーム信号MB21とは、前記中心軸100を有する垂直面(基準面)に対して対称なビームとして形成される。同様に、収音ビーム信号MB12と収音ビーム信号MB22、収音ビーム信号MB13と収音ビーム信号MB23、収音ビーム信号MB14と収音ビーム信号MB24も、前記基準面に対して対称なビームとして形成される。
収音ビーム選択・補正部19は、入力された収音ビーム信号MB11〜MB14、MB21〜MB24から話者音声を主に収音した収音ビーム信号を選択し、対称位置にある収音ビーム信号の低周波数成分で補正することで補正収音ビーム信号MBをエコーキャンセル部20に出力する。
図3は、収音ビーム選択・補正部19の主要構成を示すブロック図である。
収音ビーム選択・補正部19は、信号差分回路191、BPF(バンドパスフィルタ)192、全波整流回路193、ピーク検出回路194、レベル比較器195、組合せ選択回路196、収音ビーム信号選択回路197、LPF(ローパスフィルタ)198、減算器199を備える。
収音ビーム選択・補正部19は、信号差分回路191、BPF(バンドパスフィルタ)192、全波整流回路193、ピーク検出回路194、レベル比較器195、組合せ選択回路196、収音ビーム信号選択回路197、LPF(ローパスフィルタ)198、減算器199を備える。
信号差分回路191は、収音ビーム信号MB11〜MB14、MB21〜MB24から、前記基準面に対称な収音ビーム信号同士を差分演算する。具体的に、収音ビーム信号MB11とMB21とを差分演算して差分信号MS1を生成し、収音ビーム信号MB12とMB22とを差分演算して差分信号MS2を生成する。また、収音ビーム信号MB13とMB23とを差分演算して差分信号MS3を生成し、収音ビーム信号MB14とMB24とを差分演算して差分信号MS4を生成する。このように生成される差分信号MS1〜MS4では、元となる収音ビーム信号同士が基準面上のスピーカアレイの軸に対して対称になる。
BPF192は、ビーム特性を主に有する帯域および人の音声の主成分帯域を通過帯域とするバンドパスフィルタであり、差分信号MS1〜MS4を帯域通過フィルタ処理して、全波整流回路193に出力する。全波整流回路193は、差分信号MS1〜MS4を全波整流(絶対値化)し、ピーク検出回路194は、全波整流された差分信号MS1〜MS4のピーク検出を行い、ピーク値データPs1〜Ps4を出力する。レベル比較器195は、ピーク値データPs1〜Ps4を比較して、最も高いレベルのピーク値データPsに対応する差分信号MSを選択する選択指示データを組合せ選択回路196に与える。
これは、発話者が存在する収音領域に対応する収音ビーム信号の信号レベルが他の領域に対応する収音ビーム信号の信号レベルよりも高いことを利用している。すなわち、基準面に対して対称関係にある収音ビーム信号同士において、一方が発話者の存在する収音領域に対応する収音ビーム信号である場合、差分信号の信号レベルは、発話者からの発声音に基づいて或る程度の高さで存在する。ところが、双方が発話者の存在しない領域に対応する収音ビーム信号である場合、互いの回り込み音声成分が相殺し合い、差分信号の信号レベルは極低くなる。このため、発話者の存在する収音領域に対応する収音ビーム信号を含む差分信号が、他の差分信号よりも信号レベルが高くなる。したがって、最も信号レベルの高い差分信号を選択することで、発話者方向を検出することができる。
図4は、本実施形態の放収音装置1を机C上に配置し、二人の会議者A,Bが会議を行っている状況を示した図であり、(A)は会議者Aが発言している状況、(B)は会議者Bが発言している状況、(C)は会議者A,Bともに発言していない状況を示す。
例えば、図4(A)に示すように、収音ビーム信号MB13に対応する領域にいる会議者Aが発言すると、収音ビーム信号MB13の信号レベルが他の収音ビーム信号MB11,MB12,MB14、MB21〜MB24の信号レベルよりも高くなる。このため、収音ビーム信号MB13から収音ビーム信号MB23を差分した差分信号MS3の信号レベルが差分信号MS1,MS2,MS4の信号レベルよりも高くなる。この結果、差分信号MS3のピーク値データPs3が、他のピーク値データPs1,Ps2,Ps4より高くなり、レベル比較器195は、ピーク値データPs3を検出して、差分信号MS3を選択する選択指示データを組合せ選択回路196に与える。一方、図4(B)に示すように、収音ビーム信号MB21に対応する領域にいる会議者Bが発言すると、レベル比較器195Aは、ピーク値データPs1を検出して、差分信号MS1を選択する選択指示データを組合せ選択回路196に与える。
なお、図4(C)に示すように双方の会議者A,Bが発言していない状況では、レベル比較器195Aは、ピーク値データPs1〜Ps4の全てが所定の閾値に達していないことを検出すると直前の選択指示データを組合せ選択回路196に与える。
組合せ選択回路196は、与えられた選択指示データに指示された差分信号MSを構成する二つの収音ビーム信号MB1x,MB2x(x=1〜4)を選択する。例えば、図4(A)の状況であれば、差分信号MS3を構成する収音ビーム信号MB13,MB23を選択し、図4(B)の状況であれば、差分信号MS1を構成する収音ビーム信号MB11,MB21を選択する。
収音ビーム信号選択回路197は、選択された二つの収音ビーム信号MB1x,MB2xの信号レベルを比較して、信号レベルの高い方の収音ビーム信号MBym、すなわち話者方位からの音声を直接収音した収音ビーム信号を減算器199に出力し、信号レベルの低い方の収音ビーム信号MBysをローパスフィルタ(LPF)198に出力する。
例えば、図4(A)の状況であれば、収音ビーム信号MB13を収音ビーム信号MBymとし、収音ビーム信号MB23を収音ビーム信号MBysとして出力する。図4(B)の状況であれば、収音ビーム信号MB21を収音ビーム信号MBymとし、収音ビーム信号MB11を収音ビーム信号MBysとして出力する。
LPF198は、所定周波数、例えば、700Hz〜800Hzをカットオフ周波数として、収音ビーム信号MBysの高周波数域(高域)を減衰し、低周波数域(低域)のみを通過させて、差分成分信号MBysfを形成し、減算器199に出力する。
減算器199は、収音ビーム信号選択回路197から直接入力される収音ビーム信号MBymから、LPF198で低域のみ通過させた収音ビーム信号MBysすなわち収音ビーム信号MBysの低域成分MBysfを減算補正して、補正収音ビーム信号MBをエコーキャンセル部20に与える。
例えば、図4(A)の状況であれば、収音ビーム信号MB13から収音ビーム信号MB23の低域成分を減算して補正収音ビーム信号MBとしてエコーキャンセル部20に与え、図4(B)の状況であれば、収音ビーム信号MB21から収音ビーム信号MB11の低域成分を減算して補正収音ビーム信号MBとしてエコーキャンセル部20に与える。
このような補正処理を行うことにより、発話者に向かう方向を収音方向とするマイクアレイで収音される回り込み音声を、発話者方向と反対側を収音方向とするマイクアレイで収音される回り込み音声で減算して、抑圧することができる。この際、前述のように、回り込み音声は、主として低域成分で構成されているので、略発声音のみからなる補正収音ビーム信号MBを得ることができる。
また、高域成分は信号レベルが低いものの、対称位置で収音される回り込み音声間で位相差が発生する可能性があり、これら位相差がある信号同士を単に差分した場合、逆に回り込み音声の信号レベルが高くなることがある。しかしながら、本実施形態のように低域のみを差分することで、高域による影響を受けず、確実に回り込み音声を抑圧することができる。
エコーキャンセル部20は、適応型フィルタ201とポストプロセッサ202とを備える。適応型フィルタ201は、入力音声信号に対して、選択された補正収音ビーム信号MBの収音指向性に基づく擬似回帰音信号を生成する。ポストプロセッサ202は、収音ビーム選択・補正部19から出力される補正収音ビーム信号MBから擬似回帰音信号を減算して、出力音声信号として入出力I/F12に出力する。このようなエコーキャンセル処理を行うことにより、収音ビーム選択・補正部19で抑圧しきれなかった回り込み音声の高域部を抑圧し、より高いS/N比で発声音を収音して出力することができる。なお、この際、収音ビーム選択・補正部19で回り込み音声の低域が予め抑圧されていることにより、エコーキャンセル部20で抑圧する処理は高域部のみとなり、エコーキャンセル処理の処理負荷が軽減させることができる。すなわち、より高速にエコーキャンセル処理を行うことができる。
次に、第2の実施形態に係る放収音装置について図を参照して説明する。
本実施形態の放収音装置は、図2、図3に示した第1の実施形態の放収音装置に対して、収音ビーム選択・補正部19の構成が異なるだけで、他の構成は同じである。したがって、本実施形態では、収音ビーム選択・補正部19の異なる部分のみを説明し、他の部分の説明は省略する。
図5は、本実施形態の収音ビーム選択・補正部19の主要部の構成を示すブロック図である。
本実施形態の収音ビーム選択・補正部19では、収音ビーム生成部181,182から出力された収音ビーム信号MB11〜MB14,MB21〜MB24は、信号差分回路191、最大振幅信号選択回路292、およびローパスフィルタ(LPF)291に入力される。
本実施形態の放収音装置は、図2、図3に示した第1の実施形態の放収音装置に対して、収音ビーム選択・補正部19の構成が異なるだけで、他の構成は同じである。したがって、本実施形態では、収音ビーム選択・補正部19の異なる部分のみを説明し、他の部分の説明は省略する。
図5は、本実施形態の収音ビーム選択・補正部19の主要部の構成を示すブロック図である。
本実施形態の収音ビーム選択・補正部19では、収音ビーム生成部181,182から出力された収音ビーム信号MB11〜MB14,MB21〜MB24は、信号差分回路191、最大振幅信号選択回路292、およびローパスフィルタ(LPF)291に入力される。
信号差分回路191、BPF192、全波整流回路193、ピーク検出回路194、レベル比較器195の機能は、第1の実施形態と同じであるので説明は省略する。そして、レベル比較器195から出力された選択指示データは、最大振幅信号選択回路292に入力される。
最大振幅信号選択回路292は、収音ビーム信号MB11〜MB14,MB21〜MB24から、選択指示データに基づく差分信号MSを構成する一対の収音ビーム信号を選択する。そして、これら収音ビーム信号のうちで振幅レベルの高いものを選択して、収音ビーム信号MBymとして減算器294に出力する。また、最大振幅信号選択回路292は、この選択した収音ビーム信号に対応する、すなわち最大振幅の収音ビーム信号に対して基準面に対称な位置の収音ビーム信号の情報を差分成分信号選択回路293に与える。例えば、図4(A)の状況であれば、差分信号MS3の収音ビーム信号MB13と収音ビーム信号MB23とを選択して、信号レベルを比較する。そして、信号レベルの高い収音ビーム信号MB13を収音ビーム信号MBymとして減算器294に出力する。また、収音ビーム信号MB23の低域通過処理信号を選択する情報を差分成分信号選択回路293に与える。一方、図4(B)の状況であれば、差分信号MS1の収音ビーム信号MB11と収音ビーム信号MB21とを選択して、信号レベルを比較する。そして、信号レベルの高い収音ビーム信号MB21を収音ビーム信号MBymとして減算器294に出力する。また、収音ビーム信号MB11の低域通過処理信号を選択する情報を差分成分信号選択回路293に与える。
ローパスフィルタ(LPF)291は、第1の実施形態と同様に、収音ビーム信号MB11〜MB14,MB21〜MB24の高域を減衰し、低域のみを通過させて差分成分信号選択回路293に出力する。
差分成分信号選択回路293は、最大振幅信号選択回路292から与えられた収音ビームの情報に基づいて、対応する収音ビーム信号の低域成分のみからなる信号を、低域成分信号MBysfとし減算器294に出力する。
例えば、図4(A)の状況であれば収音ビーム信号MB23に基づく低域通過処理信号を選択して、低域成分信号MBysfとして出力し、図4(B)の状況であれば収音ビーム信号MB11に基づく低域通過処理信号を選択して、低域成分信号MBysfとして出力する。
減算器294は、最大振幅信号選択回路292から入力された収音ビーム信号MBymから、差分信号選択回路293から入力された低域成分信号MBysfを減算することで補正して、補正収音ビーム信号MBをエコーキャンセル部20に与える。
エコーキャンセル部20は、第1の実施形態と同様に補正収音ビーム信号MBをエコーキャンセリング処理し、出力音声信号として入出力I/F12に出力する。
このような構成であっても、高いS/N比で発声音を収音して出力することができる。
また、本実施形態の構成を用いることにより、最高信号レベルの収音ビーム信号および対称となる収音ビーム信号の検出と並行して、フィルタリング処理を行うことができるので、前述のようにシリアルにフィルタリング処理を行うよりも、早く出力音声信号を得ることができる。
1−放収音装置、101−筐体、11−入出力コネクタ、12−入出力I/F、13−放音指向性制御部、14−D/Aコンバータ、15−放音用アンプ、16−収音用アンプ、17−A/Dコンバータ、181,182−収音ビーム生成部、19−収音ビーム選択・補正部、20−エコーキャンセル部、201−適応型フィルタ、202−ポストプロセッサ、SP1〜SP3−スピーカ、SPA10−スピーカアレイ、MIC11〜MIC17,MIC21〜MIC27−マイク、MA10,MA20−マイクアレイ
Claims (5)
- 所定基準面に対して対称となる音圧で音声を放音するスピーカと、
前記所定基準面の一方側の音声を収音する第1マイク群および他方側の音声を収音する第2マイク群と、
前記第1マイク群の収音信号に基づく第1収音ビーム信号群の各収音ビーム信号と、前記第2マイク群の収音信号に基づく第2収音ビーム信号群の各収音ビーム信号とを前記所定基準面に対して対称に生成する収音ビーム信号生成手段と、
最高信号レベルの収音ビーム信号から、該最高信号レベルの収音ビーム信号に対して前記基準面に対称な収音ビーム信号の低域成分を差分することで前記最高信号レベルの収音ビーム信号を補正する収音ビーム信号補正手段と、
を備えた放収音装置。 - 前記収音ビーム信号補正手段は、前記基準面に対称な収音ビーム信号のみに低域通過処理を行って、前記低域成分を生成する請求項1に記載の放収音装置。
- 前記収音ビーム信号補正手段は、全ての収音ビーム信号に低域通過処理を行って、それぞれに低域成分を生成し、
前記最高信号レベルの収音ビーム信号と、前記基準面に対称な収音ビーム信号の低域成分とを選択して前記差分に用いる請求項1に記載の放収音装置。 - 前記第1マイク群と前記第2マイク群とは、それぞれに複数のマイクが前記所定基準面に沿って一直線状に配列されたマイクアレイである請求項1〜3のいずれかに記載の放収音装置。
- 前記入力音声信号と前記収音ビーム信号補正手段で補正された収音ビーム信号とに基づいて、前記スピーカから放音された音声が出力音声信号に含まれないように制御する回帰音除去手段を備えた請求項1〜4のいずれかに記載の放収音装置。
Priority Applications (1)
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JP2006146869A JP2007318521A (ja) | 2006-05-26 | 2006-05-26 | 放収音装置 |
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JP2006146869A Pending JP2007318521A (ja) | 2006-05-26 | 2006-05-26 | 放収音装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015166815A1 (ja) * | 2014-04-30 | 2015-11-05 | ソニー株式会社 | 信号処理装置、信号処理方法、およびプログラム |
CN113965853A (zh) * | 2021-10-19 | 2022-01-21 | 深圳市广和通无线股份有限公司 | 模组设备、音频处理方法及相关设备 |
-
2006
- 2006-05-26 JP JP2006146869A patent/JP2007318521A/ja active Pending
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