上記従来の構成では、集合ホッパ7g、7hが設けられている内側及び外側の各シュート6g、6hの排出口6ge、6heが、計量ホッパ4の列設形状である円の中心から外れて配置されているとともに、外側シュート6hの排出口6heから遠い位置(すなわち集合ホッパ7hから遠い位置)にある計量ホッパ4(例えば図11(a)において右側に配置された計量ホッパ4)から外側シュート6hへ排出される被計量物が、内側シュート6gの周囲を迂回して集合ホッパ7hへ移送されるように、内側及び外側シュート6g、6hが配設されている。そのため、集合ホッパ7hから遠い位置にある計量ホッパ4から外側シュート6hへ排出される被計量物の集合ホッパ7hへの到達時刻は、集合ホッパ7hに近い計量ホッパ4(例えば図11(a)において左側に配置された計量ホッパ4)から外側シュート6hへ排出される被計量物が集合ホッパ7hに到達する時刻に比べて特に遅くなり、複数の計量ホッパ4から同時に外側シュート6hへ排出された被計量物が集合ホッパ7hの最初に到達する時刻から最後に到達する時刻までの時間に長時間を要する。したがって、この場合、被計量物の嵩が高い(嵩密度が小さい)など、被計量物の性状によっては、運転速度を遅くしないと、外側シュート6h上へ先に排出された被計量物とその次に排出された被計量物との間隔が十分にとれなかったり、また混在してしまったりすることになり、高速運転が困難になる。
そこで、例えば、外側シュート6hへ排出する組合せを求める際に、集合ホッパ7hから遠い位置にある一部の計量ホッパ4が選択されないように、その一部の計量ホッパ4の計量値を用いずに組合せ演算を行い、その一部の計量ホッパ4内の被計量物を外側シュート6hへ排出させないようにした場合には、その一部の計量ホッパ4及びその計量ホッパ4に対応する部品(重量センサ41、供給ホッパ3及びリニアフィーダ2)は、2回の組合せ及び排出動作に対して1回しか機能していないことになり、それらの使用率を低下させていることになる。したがって、この場合、非経済的な装置(組合せ秤)になってしまう。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、一部の計量ホッパ等の組合せ用ホッパの使用率を低下させることなく、ほとんどの被計量物の性状にかかわらず集合シュート上における被計量物の移送を短時間で行うことができ、高速運転(高速動作)を行うことが可能になる組合せ秤を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の組合せ秤は、円から第1の円弧を除いた第2の円弧の形状に列設され、それぞれ供給される被計量物を、前記第2の円弧の内側と外側の2方向へ被計量物を選択的に排出可能なように構成された複数の組合せ用ホッパと、前記組合せ用ホッパの下方に配設された略円錐形を上下逆にした形状の第1のシュート部に、前記第1の円弧の下方に位置する所定部分を切欠いた切欠き部が設けられて構成され、前記組合せ用ホッパから外側方向へ排出される被計量物を集合させて下部の排出口から排出させる外側シュートと、前記外側シュートの内側の上方に位置して前記組合せ用ホッパから内側方向へ排出される被計量物を受け入れる受入口と、前記外側シュートの外側であって前記切欠き部の下方に位置する排出口とを有し、かつ前記外側シュートの切欠き部を通るように配設され、前記受入口から受け入れた被計量物を集合させて前記排出口から排出させる内側シュートと、供給されている被計量物の重量の合計である組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せからなる第1の排出組合せ及び第2の排出組合せを求める組合せ演算手段と、前記第1の排出組合せに属する前記組合せ用ホッパに対して被計量物を内側方向へ排出させることにより前記内側シュート上へ被計量物を排出させるとともに、前記第2の排出組合せに属する前記組合せ用ホッパに対して被計量物を外側方向へ排出させることにより前記外側シュート上へ被計量物を排出させる制御手段とを備えている。
この構成によれば、組合せ用ホッパが列設されていない第1の円弧領域に対応して外側シュートに切欠き部が設けられ、その切欠き部を通るように内側シュートが配設されているため、外側シュートへ排出された被計量物は、従来のように内側シュートの周囲を迂回することなく、外側シュートを滑り落ちてその排出口へ到達し排出される。また、内側シュートへ排出された被計量物は、外側シュートの切欠き部を通る内側シュートを滑り落ちてその排出口へ到達し排出される。したがって、ほとんどの被計量物の性状にかかわらず、集合シュート(内側シュート及び外側シュート)上における被計量物の移送を短時間で行うことができ、高速運転を行うことが可能になる。また、外側シュートの切欠き部の上方には組合せ用ホッパが配設されていないので、配設されている全ての組合せ用ホッパに供給されている被計量物の重量を用いて外側シュートへ排出される組合せを求め、外側シュートへ排出することができるため、一部の組合せ用ホッパの使用率を低下させることもない。
また、第2の組合せ秤は、第1の組合せ秤において、前記内側シュートは、前記外側シュートの内側に配設され、前記受入口を構成するとともに前記受入口から受け入れた被計量物を集合させて下部の開口から送出する、略円錐形を上下逆にした形状の第2のシュート部と、前記外側シュートの切欠き部を通るように配設され、前記第2のシュート部の下部の開口から送出される被計量物を前記内側シュートの前記排出口へ移送するための筒部とを有した構成である。
また、第3の組合せ秤は、第1の組合せ秤において、前記内側シュートは、略斜円錐形を上下逆にした形状である。
また、第4の組合せ秤は、第1の組合せ秤において、前記内側シュートは、前記外側シュートの切欠き部を通るように配設され、前記受入口を構成するとともに前記受入口から受け入れた被計量物を集合させて前記外側シュートの外側に位置する下部の開口から送出する、略斜円錐形を上下逆にした形状の第2のシュート部と、前記第2のシュート部の下部の開口から送出される被計量物を前記内側シュートの前記排出口へ移送するための筒部とを有した構成である。
また、第5の組合せ秤は、第1の組合せ秤において、前記組合せ演算手段は、前記組合せ用ホッパに供給されている被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行うことにより、前記組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せを1つ求めて適量組合せに決定する組合せ処理を繰り返し行い、繰り返し行われる前記組合せ処理により順次求められる前記適量組合せを前記第1の排出組合せと前記第2の排出組合せとに交互に決定するように構成され、前記制御手段は、前記組合せ演算手段により前記第1の排出組合せと前記第2の排出組合せとが交互に決定されることに応じて、前記第1の排出組合せに属する前記組合せ用ホッパと前記第2の排出組合せに属する前記組合せ用ホッパとに対して交互に被計量物を排出させるように構成されている。
この構成によれば、組合せ用ホッパから内側シュートと外側シュートに対して交互に被計量物が排出されるので、それぞれのシュート上で先に排出された被計量物と後から排出された被計量物との間隔を確保でき、高速運転を行うことが容易になる。
また、第6の組合せ秤は、第5の組合せ秤において、前記組合せ演算手段は、前記組合せ処理を繰り返し行う際に連続するn回(nは所定の複数)の前記組合せ処理において、後から行う前記組合せ処理はそれ以前の前記組合せ処理により決定される適量組合せに属していない前記組合せ用ホッパに供給されている被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行うように構成されている。
この構成によれば、1動作サイクル時間(例えば1計量サイクル時間)の間に、n回の組合せ処理が行われ、第1及び第2の集合ホッパから被計量物を合計n回排出することができ、所定時間内における生産量(組合せ秤から包装機への総排出回数)の向上を図ることができる。また、順次決定される排出組合せごとに、組合せ用ホッパ内の被計量物が内側シュートと外側シュートとへ交互に排出されるので、1動作サイクル時間の間には内側シュート及び外側シュートのそれぞれに組合せ用ホッパから被計量物がn/2回排出されるだけとなり、それぞれのシュート上で先に排出された被計量物と後から排出された被計量物との間隔を確保できる。n=2の場合には、いわゆるダブルシフト動作させる構成であり、n=3の場合には、いわゆるトリプルシフト動作させる構成である。
また、第7の組合せ秤は、第1の組合せ秤において、前記組合せ演算手段は、前記組合せ用ホッパに供給されている被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行い、前記組合せ演算により求められるそれぞれの前記組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲内の値になり、かつそれぞれに同一の前記組合せ用ホッパが含まれない前記組合せ用ホッパの組合せを2組求め、これら2組の組合せのうちの一方を前記第1の排出組合せに決定すると同時に他方を前記第2の排出組合せに決定する組合せ処理を行うように構成され、前記制御手段は、前記第1の排出組合せに属する前記組合せ用ホッパと前記第2の排出組合せに属する前記組合せ用ホッパとに対して同時に被計量物を排出させるように構成されている。
この構成によれば、1回の組合せ処理によって2組の排出組合せが求められ、2組の排出組合せの被計量物が同時に排出されるので、所定時間内における生産量(組合せ秤から包装機への総排出回数)の向上を図ることができる。また、2組の排出組合せのうちの一方の排出組合せの被計量物が内側シュートへ排出され、他方の排出組合せの被計量物が外側シュートへ排出されるので、それぞれのシュート上で先に排出された被計量物と後から排出された被計量物との間隔を確保できる。また、2組の排出組合せを同時に決定するため、2組の排出組合せを求める際の組合せ演算において多くの組合せ用ホッパの被計量物の重量を用いることが可能となり、排出される被計量物の全体としての組合せ計量精度の向上を図ることが可能になる。
また、第8の組合せ秤は、第7の組合せ秤において、前記組合せ演算手段は、前記組合せ処理を繰り返し行う際に連続するk回(kは所定の複数)の前記組合せ処理において、後から行う前記組合せ処理はそれ以前の前記組合せ処理により決定される第1及び第2の排出組合せに属していない前記組合せ用ホッパに供給されている被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行うように構成されている。
この構成によれば、1動作サイクル時間(例えば1計量サイクル時間)の間に、k回の組合せ処理が行われて内側シュート及び外側シュートから被計量物をそれぞれk回ずつ排出することができ、高速運転される2台の包装機あるいはツイン型の包装機に容易に対応することが可能になる。例えば、kは2,3等の値である。
また、第9の組合せ秤は、第1の組合せ秤において、前記内側シュートの排出口に、この排出口から排出される被計量物を一時保持して排出する第1の集合ホッパが設けられるとともに、前記外側シュートのそれぞれの排出口に、この排出口から排出される被計量物を一時保持して排出する第2の集合ホッパが設けられ、前記制御手段は、前記組合せ用ホッパから排出された被計量物を保持している前記第1の集合ホッパに対して被計量物を排出させるとともに、前記組合せ用ホッパから排出された被計量物を保持している前記第2の集合ホッパに対して被計量物を排出させるように、前記第1の集合ホッパ及び前記第2の集合ホッパをも制御するように構成されている。
この構成によれば、第1及び第2の集合ホッパを設けたことにより、被計量物がまとまって排出されるため、その被計量物を包装する包装機が包装動作を行いやすくなる。
また、第10の組合せ秤は、第9の組合せ秤において、前記組合せ演算手段は、前記組合せ用ホッパに供給されている被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行うことにより、前記組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せを1つ求めて適量組合せに決定する組合せ処理を繰り返し行い、繰り返し行われる前記組合せ処理により順次求められる前記適量組合せを前記第1の排出組合せと前記第2の排出組合せとに交互に決定するように構成され、前記制御手段は、前記組合せ演算手段により前記第1の排出組合せと前記第2の排出組合せとが交互に決定されることに応じて、前記第1の排出組合せに属する前記組合せ用ホッパと前記第2の排出組合せに属する前記組合せ用ホッパとに対して交互に被計量物を排出させるとともに、前記第1の集合ホッパと前記第2の集合ホッパとに対して交互に被計量物を排出させるように構成されている。
この構成によれば、第5の組合せ秤と同様の効果が得られる。さらに、第1及び第2の集合ホッパを設けたことにより、被計量物がまとまって排出されるため、その被計量物を包装する包装機が包装動作を行いやすくなる。
また、第11の組合せ秤は、第10の組合せ秤において、前記組合せ演算手段は、前記組合せ処理を繰り返し行う際に連続するn回(nは所定の複数)の前記組合せ処理において、後から行う前記組合せ処理はそれ以前の前記組合せ処理により決定される適量組合せに属していない前記組合せ用ホッパに供給されている被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行うように構成されている。
この構成によれば、1動作サイクル時間(例えば1計量サイクル時間)の間に、n回の組合せ処理が行われ、第1及び第2の集合ホッパから被計量物を合計n回排出することができ、所定時間内における生産量の向上を図ることができる。また、順次決定される排出組合せごとに、組合せ用ホッパ内の被計量物が内側シュートと外側シュートとへ交互に排出されるので、1動作サイクル時間の間には内側シュート及び外側シュートのそれぞれに組合せ用ホッパから被計量物がn/2回排出されるだけとなり、それぞれのシュート上で先に排出された被計量物と後から排出された被計量物との間隔を確保できる。n=2の場合には、いわゆるダブルシフト動作させる構成であり、n=3の場合には、いわゆるトリプルシフト動作させる構成である。
また、第12の組合せ秤は、第9の組合せ秤において、前記組合せ演算手段は、前記組合せ用ホッパに供給されている被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行い、前記組合せ演算により求められるそれぞれの前記組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲内の値になり、かつそれぞれに同一の前記組合せ用ホッパが含まれない前記組合せ用ホッパの組合せを2組求め、これら2組の組合せのうちの一方を前記第1の排出組合せに決定すると同時に他方を前記第2の排出組合せに決定する組合せ処理を行うように構成され、前記制御手段は、前記第1の排出組合せに属する前記組合せ用ホッパと前記第2の排出組合せに属する前記組合せ用ホッパとに対して同時に被計量物を排出させるとともに、前記第1の集合ホッパと前記第2の集合ホッパとに対して同時に被計量物を排出させるように構成されている。
この構成によれば、第7の組合せ秤と同様の効果が得られる。さらに、第1及び第2の集合ホッパを設けたことにより、被計量物がまとまって排出されるため、その被計量物を包装する包装機が包装動作を行いやすくなる。
また、第13の組合せ秤は、第12の組合せ秤において、前記組合せ演算手段は、前記組合せ処理を繰り返し行う際に連続するk回(kは所定の複数)の前記組合せ処理において、後から行う前記組合せ処理はそれ以前の前記組合せ処理により決定される第1及び第2の排出組合せに属していない前記組合せ用ホッパに供給されている被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行うように構成されている。
この構成によれば、1動作サイクル時間(例えば1計量サイクル時間)の間に、k回の組合せ処理が行われて第1及び第2の集合ホッパから被計量物をそれぞれk回ずつ排出することができ、高速運転される2台の包装機あるいはツイン型の包装機に容易に対応することが可能になる。例えば、kは2,3等の値である。
また、第14の組合せ秤は、第7または第12の組合せ秤において、前記組合せ演算手段による前記組合せ処理は、前記組合せ用ホッパに供給されている被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行うことにより、前記組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せを全て求めてそれぞれを適量組合せとし、それぞれの前記適量組合せが2組ずつ組合せられてなり、かつ前記組合せられる前記適量組合せに同一の前記組合せ用ホッパが含まれない適量組合せペアを求める第1の処理と、各々の前記適量組合せペアについて、前記適量組合せペアに含まれる各々の前記適量組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値の合計を算出し、前記差の絶対値の合計が最小である前記適量組合せペアを1つ選択し、この選択した前記適量組合せペアに含まれる2組の前記適量組合せのうちのいずれか一方を前記第1の排出組合せに決定するとともに他方を前記第2の排出組合せに決定する第2の処理とからなるように構成されている。
この構成によれば、各々の適量組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値の合計が最小である適量組合せペアを選択し、その適量組合せペアに含まれる2組の適量組合せのそれぞれを排出組合せに決定するため、それぞれの排出組合せに属する組合せ用ホッパから排出される被計量物の全体としての組合せ計量精度の向上を図ることができる。
また、第15の組合せ秤は、第7または第12の組合せ秤において、前記組合せ演算手段による前記組合せ処理は、前記組合せ用ホッパに供給されている被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行うことにより、前記組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せを全て求めてそれぞれを許容組合せとし、全ての前記許容組合せの中から、各々の前記組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値が小さいものを優先してm個(mは所定の複数)の前記許容組合せを選択し、これらのそれぞれを第1の適量組合せとし、各々の前記第1の適量組合せについて、前記第1の適量組合せに属する前記組合せ用ホッパを除いた前記組合せ用ホッパの組合せからなる前記許容組合せの中から、前記組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値が最小である前記許容組合せを1つ選択して第2の適量組合せとし、それぞれ対応する前記第1の適量組合せと前記第2の適量組合せとからなる適量組合せペアをm個求める第1の処理と、各々の前記適量組合せペアについて、前記第1及び第2の各々の適量組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値の合計を算出し、前記差の絶対値の合計が最小である前記適量組合せペアを1つ選択し、この選択した前記適量組合せペアに含まれる前記第1及び第2の適量組合せのうちのいずれか一方を前記第1の排出組合せに決定するとともに他方を前記第2の排出組合せに決定する第2の処理とからなるように構成されている。
この構成によれば、第1及び第2の各々の適量組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値の合計が最小である適量組合せペアを選択し、その適量組合せペアに含まれる2組の適量組合せのそれぞれを排出組合せに決定するため、それぞれの排出組合せに属する組合せ用ホッパから排出される被計量物の全体としての組合せ計量精度の向上を図ることができる。
また、第16の組合せ秤は、第7または第12の組合せ秤において、前記組合せ演算手段による前記組合せ処理は、前記組合せ用ホッパに供給されている被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行うことにより、前記組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せを全て求めてそれぞれを許容組合せとし、全ての前記許容組合せの中から、前記組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値が最小であるものを1つ選択して第1の適量組合せとし、前記第1の適量組合せに属する前記組合せ用ホッパを除いた前記組合せ用ホッパの組合せからなる前記許容組合せの中から、前記組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値が最小である前記許容組合せを1つ選択して第2の適量組合せとし、前記第1及び第2の適量組合せのうちのいずれか一方を前記第1の排出組合せに決定するとともに他方を前記第2の排出組合せに決定するように構成されている。
この構成によれば、全ての許容組合せの中から、組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値が最小であるものを1つ選択して第1の適量組合せとし、第1の適量組合せに属する組合せ用ホッパを除いた組合せ用ホッパの組合せからなる許容組合せの中から、組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値が最小である許容組合せを1つ選択して第2の適量組合せとし、これら2組の適量組合せのそれぞれを排出組合せに決定するため、それぞれの排出組合せに属する組合せ用ホッパから排出される被計量物の全体としての組合せ計量精度の向上を図ることができる。
また、上記の組合せ秤において、前記組合せ用ホッパは、前記組合せ用ホッパの列設方向に並んで配置された2つの計量室を備え、それぞれの前記計量室に供給される被計量物の重量を計量し、それぞれの前記計量室ごとに被計量物を前記内側方向と前記外側方向へ選択的に排出可能な計量ホッパであり、前記組合せ演算手段は、前記第1及び第2の排出組合せを、供給されている被計量物の重量の合計が目標重量値に対する許容範囲内の値になる前記計量室の組合せからなるようにして求めるように構成されていてもよい。
この構成によれば、組合せ用ホッパとして2つの計量室を有する計量ホッパを備えているため、組合せ用ホッパの列設形状である円弧の径の増大を抑え、かつ組合せ演算に用いる重量値の個数を増やして組合せ計量精度の向上を図ることが可能になる。
また、上記の組合せ秤において、それぞれの前記組合せ用ホッパと対応して前記組合せ用ホッパの上方に、供給される被計量物の重量を計量する複数の計量ホッパが配設され、前記組合せ用ホッパは、2つの収容室を備え、それぞれの前記収容室に前記計量ホッパで計量された被計量物が供給され、それぞれの前記収容室ごとに被計量物を前記内側方向と前記外側方向へ選択的に排出可能なメモリホッパであり、前記計量ホッパは対応する前記メモリホッパの2つの前記収容室へ選択的に被計量物を排出可能な構成であり、前記組合せ演算手段は、前記第1及び第2の排出組合せを、供給されている被計量物の重量の合計が目標重量値に対する許容範囲内の値になる前記収容室の組合せからなるようにして求めるように構成されていてもよい。
この構成によれば、組合せ用ホッパとして2つの収容室を有するメモリホッパを備えているため、組合せ用ホッパの列設形状である円弧の径の増大を抑え、かつ組合せ演算に用いる重量値の個数を増やして組合せ計量精度の向上を図ることが可能になる。
また、上記の組合せ秤において、前記組合せ用ホッパが上側の2列と下側の1列とに列設され、前記上側の2列の前記組合せ用ホッパは、それぞれ供給される被計量物の重量を計量する計量ホッパであり、前記下側の1列の前記組合せ用ホッパは、それぞれ2つの前記計量ホッパと対応して設けられ前記計量ホッパで計量された被計量物が供給されるメモリホッパであり、前記上側の2列のうちの内側の列の前記計量ホッパから前記内側方向へ排出される被計量物は前記内側シュートへ排出され、前記外側方向へ排出される被計量物は対応する前記メモリホッパへ排出され、前記上側の2列のうちの外側の列の前記計量ホッパから前記内側方向へ排出される被計量物は対応する前記メモリホッパへ排出され、前記外側方向へ排出される被計量物は前記外側シュートへ排出されるように構成されていてもよい。
この構成によれば、組合せ用ホッパとして上側2列の計量ホッパと下側1列のメモリホッパを備えているため、組合せ用ホッパの列設形状である円弧の径の増大を抑え、かつ組合せ演算に用いる重量値の個数を増やして組合せ計量精度の向上を図ることが可能になる。
また、上記の組合せ秤において、前記第1の円弧の中心角が180度以下になるように構成されることが好ましい。
このように第1の円弧の中心角を180度以下とし、できるだけ小さくすることにより、組合せ用ホッパの個数が同一であれば組合せ用ホッパの列設形状である第2の円弧の径を小さくして装置の小型化を図ることができる。
本発明は、以上に説明した構成を有し、組合せ秤において、一部の計量ホッパ等の組合せ用ホッパの使用率を低下させることなく、ほとんどの被計量物の性状にかかわらず集合シュート上における被計量物の移送を短時間で行うことができ、高速運転を行うことが可能になるという効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1の組合せ秤を側方から視た一部断面の概略模式図であり、図1(b)は、同組合せ秤の内側シュート、外側シュート及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。図2(a)は、同組合せ秤の内側シュート及び外側シュートの斜視図であり、図2(b)は、同組合せ秤の内側シュートの斜視図である。
この組合せ秤は、図1(a)に示すように、装置中央にセンター基体(ボディ)5が、例えば4本の脚(図示せず)によって支持されて配置され、その上部に、外部の供給装置から供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ1が設けられている。分散フィーダ1の周囲には、分散フィーダ1から送られてきた被計量物を振動によって各供給ホッパ3に送りこむための複数のリニアフィーダ2が設けられている。各リニアフィーダ2の下方には、供給ホッパ3、計量ホッパ4がそれぞれ対応して設けられ、複数の供給ホッパ3及び計量ホッパ4はそれぞれセンター基体5の周囲に円弧状に配置されている。分散フィーダ1、リニアフィーダ2、供給ホッパ3及び計量ホッパ4は、センター基体5に取り付けられ、センター基体5内にそれらの駆動ユニット(分散フィーダ1及びリニアフィーダ2の振動装置や、供給ホッパ3及び計量ホッパ4のゲート開閉装置等)が収納されている。また、各計量ホッパ4には、計量ホッパ4内の被計量物の重量を計測するロードセル等の重量センサ41が取り付けられ、重量センサ41もセンター基体5内に駆動ユニットとともに収納されている。各重量センサ41による計測値は制御部20へ出力される。
図1(b)に示された中心角θに対応する領域を除く領域に、供給ホッパ3及び計量ホッパ4が円弧状に列設され、各供給ホッパ3に対応して各リニアフィーダ2が配設されている。
円弧状に列設された計量ホッパ4の下方には、内側シュート6aと外側シュート6bとが配設され、各計量ホッパ4は、内側シュート6aと外側シュート6bとへ選択的に被計量物を排出可能なようにゲートが設けられた構成である。図1(a)中の円21内に、計量ホッパ4の実物に近い形状とゲートを模式的に示す。各計量ホッパ4には、内側シュート6aへ被計量物を排出するためのゲート(以下、「内側ゲート」という)22と、外側シュート6bへ被計量物を排出するためのゲート(以下、「外側ゲート」という)23とが設けられている。
外側シュート6bは、略円錐形を上下逆にした形状のシュートに、計量ホッパ4が列設されていない部分に対応して切欠き部6bxが設けられた構成であり、その下部の排出口6beには集合ホッパ7bが配設されている。計量ホッパ4から外側シュート6bへ排出された被計量物は、外側シュート6bを滑り落ち、集合ホッパ7bで一時保持された後、排出される。
内側シュート6aは、外側シュート6bの内側に配設された略円錐形を上下逆にした形状のシュート61と、そのシュート61の排出口61eに配設された筒状のシュートであるパイプ62とからなる。パイプ62は、外側シュート6bの切欠き部6bxを通ってその排出口62eが外側シュート6bの外側で切欠き部6bxの下方に位置するように配設されている。パイプ62の排出口62eには集合ホッパ7aが配設されている。計量ホッパ4から内側シュート6aへ排出された被計量物は、シュート61を滑り落ちた後、パイプ62を通過して集合ホッパ7aで一時保持された後、排出される。ここで、パイプ62を適当な傾き(例えば内側シュート6aあるいは外側シュート6bのシュート面と同等の傾き)を持たせて設けることにより、被計量物はパイプ62内をスムーズに通過する。
内側シュート6aのシュート61は、直円錐形の頂点近傍部分に排出口61eが設けられ、直円錐形の底面に相当する部分が開口されて被計量物の受入口になっている。また、外側シュート6bは、直円錐形の頂点近傍部分に排出口6beが設けられ、直円錐形の底面に相当する部分(但し、切欠き部6bxが存在)が開口されて被計量物の受入口になっている。ここで、外側シュート6bの受入口の形状の円弧の中心と、内側シュート6aの受入口の形状の円の中心とが、一致するように、あるいは同じ鉛直線上に位置するように構成されている。また、図2に示されるように、外側シュート6bの切欠き部6bxから被計量物が飛び出さないように、外側シュート6bと内側シュート6aとの間に仕切り壁10が設けられている。この仕切り壁10及び切欠き部6bxは、内側シュート6aの形状に合わせて形成されている。
なお、切欠き部6bxは、外側シュート6bの形状の直円錐形の円形の底面(受入口)の中心角θに対応する領域に設けられており、切欠き部6bxを通るように内側シュート6aが配設されている。この切欠き部6bxが設けられる領域に対応する中心角θは、適当な角度にすればよいが、180°以下にすることが好ましい。この中心角θは、例えば、180°、120°、90°、60°、45°、30°等、できるだけ小さくした方が、計量ホッパ4の個数が同一の条件において計量ホッパ4の列設形状の円弧の径を小さくして装置の小型化が図れるので好ましい。ただし、計量ホッパ4から排出された被計量物が外側シュート6b上を滑り落ちる際に、内側シュート6aが、滑り落ちる被計量物の妨げにならないようにして、切欠き部6bxを設ける。後述の図3に示される内側及び外側シュート6A、6Bを用いた場合の切欠き部6Bxについても同様である。
この組合せ秤の下方には、図示されない2台の包装機あるいは被計量物の投入口を2つ有するツイン型の包装機が配置されており、集合ホッパ7a、7bのそれぞれから排出される被計量物は、それぞれ対応する包装機の投入口8a、8bへ投入され、包装機でそれぞれ袋詰めされながら包装される。
なお、内側シュート6a及び外側シュート6bに代えて、図3に示す内側シュート6A及び外側シュート6Bを用いた構成としてもよい。図3は、本実施の形態の組合せ秤の内側シュート及び外側シュートの他の構成例を示す斜視図である。
この構成の場合、内側シュート6Aは、略円錐形を上下逆にした形状のシュート63と、そのシュート63の排出口63eに略垂直に配設された筒状のシュートであるパイプ64とからなる。この場合のシュート63は、斜円錐形状であり、斜円錐形の頂点近傍部分に排出口63eが設けられ、斜円錐形の底面に相当する部分が開口されて被計量物の受入口になっている。このシュート63は、外側シュート6Bの切欠き部6Bxを通ってその排出口63eが外側シュート6Bの外側に位置するように配設されている。パイプ64の排出口64eには集合ホッパ7a(図1)が配設される。計量ホッパ4から内側シュート6Aへ排出された被計量物は、シュート63を滑り落ちた後、パイプ64を通過して集合ホッパ7aで一時保持された後、排出される。
また、外側シュート6Bは、前述の外側シュート6bと同様の構成である。ただし、外側シュート6Bと内側シュート6Aとの間の仕切り壁10及び切欠き部6Bxは、内側シュート6Aの形状に合わせて形成されている。外側シュート6Bの下部の排出口6Beには集合ホッパ7b(図1)が配設される。計量ホッパ4から外側シュート6bへ排出された被計量物は、外側シュート6Bを滑り落ち、集合ホッパ7bで一時保持された後、排出される。
制御部20は、制御手段および組合せ演算手段を含み、組合せ秤全体の動作を制御するとともに、被計量物を排出すべき計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)を決定する組合せ処理を行う。組合せ処理では、計量ホッパ4の計量値(重量センサ41による計量ホッパ4内の被計量物の重量の計測値)に基づいて組合せ演算を行い、計量値の合計である組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲(所定重量範囲)内の値になる計量ホッパ4の組合せを1つ求めて適量組合せに決定する。目標重量値に対する許容範囲内の値になる組合せが複数存在する場合には、例えば計量値の合計が目標重量値に最も近い組合せ(目標重量値と一致する組合せがあればその組合せ)、すなわち計量値の合計と目標重量値との差の絶対値が最小である組合せを適量組合せに決定する。本実施の形態1の場合、適量組合せが排出組合せである。なお、組合せ秤では、目標重量値及びその目標重量値に対する許容範囲が予め定められている。許容範囲は、例えば、目標重量値を下限値とし、目標重量値より大きい値を上限値として定められている。一例を示せば、目標重量値が400gに定められ、許容範囲はその下限値が目標重量値である400gに、その上限値が目標重量値より大きい420gに定められている。また、許容範囲は、目標重量値より小さい値を下限値とし、上限値を定めない場合もある(この場合、上限値は無限大と考えればよい)。
以上のように構成された組合せ秤の動作について説明する。以下では、図2に示された内側シュート6a及び外側シュート6bが用いられた構成に基づいて説明するが、図3に示された内側シュート6A及び外側シュート6Bが用いられた構成の場合も同様である。
まず、この組合せ秤の動作の概略を説明する。
外部の供給装置から分散フィーダ1へ供給された被計量物は、分散フィーダ1から各リニアフィーダ2を介し各供給ホッパ3へ供給され、各供給ホッパ3から各計量ホッパ4へ被計量物が投入される。各計量ホッパ4へ投入された被計量物の重量が各重量センサ41で計測され、その計量値が制御部20へ送出される。そして、前述の組合せ処理が行われて適量組合せが決定される。そして、適量組合せに選択されている計量ホッパ4から被計量物が排出され、空になった計量ホッパ4へは供給ホッパ3から被計量物が投入される。また、空になった供給ホッパ3へはリニアフィーダ2から被計量物が供給される。
本実施の形態では、組合せ処理が順次行われて計量ホッパ4から被計量物が排出されるが、組合せ処理で決定される適量組合せごとに計量ホッパ4からの排出方向をその都度切り替える。すなわち、順次決定される適量組合せごとに計量ホッパ4から内側シュート6aと外側シュート6bとへ交互に被計量物を排出させる。これに合わせて、内側シュート用集合ホッパ7aと外側シュート用集合ホッパ7bとから交互に被計量物を排出させる。
次に、ダブルシフト動作させるように構成した場合の動作を詳しく説明する。ダブルシフト動作させる場合には、例えば、計量ホッパ4の全個数を14個とし、組合せ処理による予定選択個数(適量組合せに選択される計量ホッパ4の予定個数)を4個とすればよい。このように構成することにより、計量ホッパ4の全個数を10個とし、組合せ処理による予定選択個数を4個として、シングルシフト動作させた場合と同等の計量精度が得られる。組合せ処理による予定選択個数を4個にするということは、各供給ホッパ3から計量ホッパ4へ1回に投入される被計量物の目標の投入量が、目標重量値の略1/4となるようにリニアフィーダ2等の動作設定がなされていることである。
図4は、本実施の形態の組合せ秤をダブルシフト動作させるように構成した場合のタイミングチャートである。
1計量サイクル時間Twは、例えば、直前の計量サイクル中での組合せ処理により決定されている排出組合せ(適量組合せ)の計量ホッパ4から被計量物が排出され始めたときから、次にその排出組合せの計量ホッパ4に被計量物が投入され、その重量センサ41の安定時間が経過して被計量物の重量を計量後に、その計量ホッパ4の計量値を少なくとも用いて組合せ処理が行われ、それにより排出組合せが決定されるまでに要する時間である。この図4の例では、1計量サイクル時間Twが1動作サイクル時間に等しい。ここで、1動作サイクル時間は、例えば、直前の動作サイクル中での組合せ処理により排出組合せが決定された直後から、その排出組合せに選択されている計量ホッパ4から被計量物が排出され、次にその排出組合せの計量ホッパ4に被計量物が投入され、その重量センサ41の安定時間が経過して被計量物の重量を計量後に、その計量ホッパ4の計量値を少なくとも用いて組合せ処理が行われ、それにより排出組合せが決定されるまでに要する時間である。したがって、1計量サイクル時間Twは、組合せ処理により排出組合せが決定されてから、その排出組合せに選択されている計量ホッパ4から被計量物が排出され始めるまでの余裕時間あるいは待ち時間等が零の場合の1動作サイクル時間に等しく、図4では、前述の余裕時間あるいは待ち時間等が零の場合が示されている。
本実施の形態におけるダブルシフト動作は、Tw/2時間ごとに組合せ処理が行われるとともに、その組合せ処理で選択された適量組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出が行われる。このダブルシフト動作における組合せ処理は、全ての計量ホッパ4のうち、各重量センサ41により重量値が計測済みの被計量物を保有している計量ホッパ4の計量値(被計量物の重量値)を用いて組合せ演算を行い、計量値の合計が所定重量範囲内の値になる計量ホッパ4の組合せを1つ求めて適量組合せとし、連続する2回の組合せ処理における組合せ演算によって全ての計量ホッパ4の計量値が用いられる。Tw/2時間ごとに組合せ処理が繰り返されて順次選択される適量組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出は、適量組合せごとに内側シュート6aと外側シュート6bとへ交互に行われ、それに合わせて、集合ホッパ7aと集合ホッパ7bとから交互に被計量物の排出が行われる。これにより、1計量サイクル時間Tw内に2回、包装機へ被計量物が投入される。この場合、組合せ秤の1排出サイクル時間Td1は、1計量サイクル時間Twの1/2の時間である。なお、1排出サイクル時間Td1は包装機の1包装サイクル時間Tp1と同じである。なお、ここでは、連続する2回の組合せ処理における組合せ演算によって全ての計量ホッパ4の計量値が用いられるものとしたが、必ずしも全ての計量ホッパ4の計量値が用いられるとは限らない。例えば、計量ホッパ4の全個数が多い場合等に、1回の組合せ演算で用いる計量値の個数を制限する、すなわち個数を予め決めておくことで、連続する2回の組合せ演算によって全ての計量ホッパ4の計量値が用いられない場合もある。
制御部20は、例えば包装機から投入指令信号が入力されると、その投入指令信号に応答して内側シュート用集合ホッパ7aのゲートを開いて被計量物を包装機へ排出させる(時刻t1)。そして、集合ホッパ7aのゲートの動作タイミングに基づいて適量組合せに選択されている計量ホッパ4の内側ゲート22を開いて、計量ホッパ4から内側シュート6aへ被計量物を排出させる(時刻t1)。次の投入指令信号が入力されると、その投入指令信号に応答して外側シュート用集合ホッパ7bのゲートを開いて被計量物を包装機へ排出させる(時刻t2)。そして、集合ホッパ7bのゲートの動作タイミングに基づいて適量組合せに選択されている計量ホッパ4の外側ゲート23を開いて、計量ホッパ4から外側シュート6bへ被計量物を排出させる(時刻t2)。さらに次の投入指令信号が入力されると、その投入指令信号に応答して内側シュート用集合ホッパ7aのゲートを開いて被計量物を包装機へ排出させ、適量組合せに選択されている計量ホッパ4の内側ゲート22を開いて、計量ホッパ4から内側シュート6aへ被計量物を排出させる(時刻t3)。以降、同様に繰り返される。
この図4の場合、時刻t1で、内側ゲート22が開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、時刻t3までの間に内側シュート用集合ホッパ7aに集められて保持され、時刻t3で集合ホッパ7aのゲートが開いて包装機へ排出される。同様に、時刻t2で、外側ゲート23が開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、時刻t4までの間に外側シュート用集合ホッパ7bに集められて保持され、時刻t4で集合ホッパ7bのゲートが開いて包装機へ排出される。
このように、適量組合せの計量ホッパ4から被計量物を内側シュート6aと外側シュート6bとへ交互に排出させるとともに、それに合わせて、内側シュート用集合ホッパ7aと外側シュート用集合ホッパ7bとから交互に被計量物を包装機へ排出させる。なお、図4の場合、集合ホッパ7aのゲートの開閉タイミングと計量ホッパ4の内側ゲート22の開閉タイミングとを同じにし、集合ホッパ7bのゲートの開閉タイミングと計量ホッパ4の外側ゲート23の開閉タイミングとを同じにしているが、これに限られるものではない。制御部20が、例えば、集合ホッパ7a、7bのゲートの開閉のタイミングに基づいて計量ホッパ4のゲート22、23の開閉のタイミングを制御することで、それぞれのゲートの開閉のタイミングを異ならせることもできる。
以上のようにダブルシフト動作させることにより、Tw/2時間ごとに包装機への排出が行われ、シングルシフト動作の場合の2倍の速度での高速排出が可能となり、高速に動作する包装機に対応できる。
次に、トリプルシフト動作させるように構成した場合の動作を詳しく説明する。トリプルシフト動作させる場合には、例えば、計量ホッパ4の全個数を18個とし、組合せ処理による予定選択個数を4個とすればよい。このように構成すれば、計量ホッパ4の全個数を10個とし、組合せ処理による予定選択個数を4個として、シングルシフト動作させた場合と同等の計量精度が得られる。
図5は、本実施の形態の組合せ秤をトリプルシフト動作させるように構成した場合のタイミングチャートである。この図5の例でも、図4の場合と同様、1計量サイクル時間Twが1動作サイクル時間に等しい場合が示されている。
本実施の形態におけるトリプルシフト動作は、Tw/3時間ごとに組合せ処理が行われるとともに、その組合せ処理で選択された適量組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出が行われる。このトリプルシフト動作における組合せ処理は、全ての計量ホッパ4のうち、各重量センサ41により重量値が計測済みの被計量物を保有している計量ホッパ4の計量値(被計量物の重量値)を用いて組合せ演算を行い、計量値の合計が所定重量範囲内の値になる計量ホッパ4の組合せを1つ求めて適量組合せとし、連続する3回の組合せ処理における組合せ演算によって全ての計量ホッパ4の計量値が用いられる。Tw/3時間ごとに組合せ処理が繰り返されて順次選択される適量組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出は、適量組合せごとに内側シュート6aと外側シュート6bとへ交互に行われ、それに合わせて、集合ホッパ7aと集合ホッパ7bとから交互に被計量物の排出が行われる。これにより、1計量サイクル時間Tw内に3回、包装機へ被計量物が投入される。この場合、組合せ秤の1排出サイクル時間Td2は、1計量サイクル時間Twの1/3の時間である。なお、1排出サイクル時間Td2は包装機の1包装サイクル時間Tp2と同じである。なお、ここでは、連続する3回の組合せ処理における組合せ演算によって全ての計量ホッパ4の計量値が用いられるものとしたが、必ずしも全ての計量ホッパ4の計量値が用いられるとは限らない。例えば、計量ホッパ4の全個数が多い場合等に、1回の組合せ演算で用いる計量値の個数を制限する、すなわち個数を予め決めておくことで、連続する3回の組合せ演算によって全ての計量ホッパ4の計量値が用いられない場合もある。
制御部20は、例えば包装機から投入指令信号が入力されると、その投入指令信号に応答して内側シュート用集合ホッパ7aのゲートを開いて被計量物を包装機へ排出させる(時刻t11)。そして、集合ホッパ7aのゲートの動作タイミングに基づいて適量組合せに選択されている計量ホッパ4の内側ゲート22を開いて、計量ホッパ4から内側シュート6aへ被計量物を排出させる(時刻t11)。次の投入指令信号が入力されると、その投入指令信号に応答して外側シュート用集合ホッパ7bのゲートを開いて被計量物を包装機へ排出させる(時刻t12)。そして、集合ホッパ7bのゲートの動作タイミングに基づいて適量組合せに選択されている計量ホッパ4の外側ゲート23を開いて、計量ホッパ4から外側シュート6bへ被計量物を排出させる(時刻t12)。さらに次の投入指令信号が入力されると、その投入指令信号に応答して内側シュート用集合ホッパ7aのゲートを開いて被計量物を包装機へ排出させ、適量組合せに選択されている計量ホッパ4の内側ゲート22を開いて、計量ホッパ4から内側シュート6aへ被計量物を排出させる(時刻t13)。以降、同様に繰り返される。
この図5の場合、時刻t11で、内側ゲート22が開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、時刻t13までの間に内側シュート用集合ホッパ7aに集められて保持され、時刻t13で集合ホッパ7aのゲートが開いて包装機へ排出される。同様に、時刻t12で、外側ゲート23が開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、時刻t14までの間に外側シュート用集合ホッパ7bに集められて保持され、時刻t14で集合ホッパ7bのゲートが開いて包装機へ排出される。
このように、組合せ演算が行われるたびに適量組合せに選択されている計量ホッパ4から被計量物を内側シュート6aと外側シュート6bとへ交互に排出させるとともに、それに合わせて、内側シュート用集合ホッパ7aと外側シュート用集合ホッパ7bとから交互に被計量物を包装機へ排出させる。なお、図5の場合、集合ホッパ7aのゲートの開閉タイミングと計量ホッパ4の内側ゲート22の開閉タイミングとを同じにし、集合ホッパ7bのゲートの開閉タイミングと計量ホッパ4の外側ゲート23の開閉タイミングとを同じにしているが、これに限られるものではない。制御部20が、例えば、集合ホッパ7a、7bのゲートの開閉のタイミングに基づいて計量ホッパ4のゲート22、23の開閉のタイミングを制御することで、それぞれのゲートの開閉のタイミングを異ならせることもできる。
以上のようにトリプルシフト動作させることにより、Tw/3時間ごとに包装機への排出が行われ、シングルシフト動作の場合の3倍の速度での高速排出が可能となり、高速に動作する包装機に対応できる。
なお、本実施の形態において、動作速度(排出速度)の遅いシングルシフト動作させる構成にすることは当然可能である。シングルシフト動作させる構成の場合は、例えば計量ホッパ4の全個数を10個とし、組合せ処理による予定選択個数を4個とし、1計量サイクル時間Tw内に、組合せ演算が1回行われるとともに計量ホッパ4による排出動作が1回行われ、かつ集合ホッパから包装機への排出動作が1回行われる。この場合、組合せ秤の1排出サイクル時間は、1計量サイクル時間Twと同じである。この場合も、適量組合せに選択されている計量ホッパ4からの被計量物の排出を、組合せ演算が行われるたびに、内側シュート6aと外側シュート6bとへ交互に行うようにする。
本実施の形態1では、計量ホッパ4が円弧状に列設され、計量ホッパ4が列設されていない領域に対応して外側シュート6bに切欠き部6bxが設けられ、その切欠き部6bxを通るように内側シュート6aが配設されているため、外側シュート6bへ排出された被計量物は、従来のように内側シュート6aの周囲を迂回することなく、外側シュート6bを滑り落ちてその排出口6beを介して集合ホッパ7bに到達する。また、内側シュート6aへ排出された被計量物は、外側シュート6bの切欠き部6bxを通る内側シュート6aを滑り落ちてその排出口62eを介して集合ホッパ7aに到達する。したがって、ほとんどの被計量物の性状にかかわらず集合シュート(内側シュート6a及び外側シュート6b)上における被計量物の移送を短時間で行うことができ、高速運転を行うことが可能になる。また、外側シュート6bの切欠き部6bxの上方には計量ホッパ4が配設されていないので、配設されている全ての計量ホッパ4に供給されている被計量物の重量を用いて外側シュート6bへ排出される組合せを求め、外側シュート6bへ排出することができるため、一部の計量ホッパ4、重量センサ41、供給ホッパ3及びリニアフィーダ2の使用率を低下させることもない。また、前述のダブルシフト動作あるいはトリプルシフト動作を行うことにより所定時間内における生産量(組合せ秤から包装機への総排出回数)の向上を図ることができる。以上のことは、図3の内側シュート6A及び外側シュート6Bを用いた場合も同様である。
また、本実施の形態において、内側シュート用集合ホッパ7aを、内側シュート6aのパイプ62の排出口62eに設ける代わりに、シュート61の排出口61eに設けるようにしてもよい。この場合、内側シュート用集合ホッパから排出される被計量物は、パイプ62を通過して包装機投入口8aへ排出される。
また、必要に応じて、シュート61の排出口61eとパイプ62の排出口62eとの両方に内側シュート用集合ホッパを設けるようにしてもよい。この場合、計量ホッパ4から内側シュート6aへ排出された被計量物は、シュート61の排出口61eに設けられた集合ホッパ(上部集合ホッパ)により一時保持された後、パイプ62へ排出され、さらにパイプ62の排出口62eに設けられた集合ホッパ(下部集合ホッパ)により一時保持された後、包装機投入口8aへ排出される。この場合、例えば、図4のようにダブルシフト動作させる場合、時刻t1で、内側ゲート22が開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、時刻t3までの間に上部集合ホッパに集められて保持され、時刻t3で上部集合ホッパから排出された被計量物は、時刻t5までの間に下部集合ホッパに集められて保持され、時刻t5で下部集合ホッパのゲートが開いて包装機投入口8aへ排出される。これに対し、時刻t2で、外側ゲート23が開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、時刻t4までの間に外側シュート用集合ホッパ7bに集められて保持され、時刻t4で外側シュート用集合ホッパ7bのゲートが開いて包装機投入口8bへ排出される。このように、外側シュート6bへ排出された被計量物は集合ホッパ7bにより1回保持されてから包装機へ排出されるのに対し、内側シュート6aへ排出された被計量物は上部及び下部の2つの集合ホッパにより合計2回保持されてから包装機へ排出される。このことは、トリプルシフト動作させる場合もシングルシフト動作させる場合も同様である。
また、本実施の形態において、計量ホッパ4から排出された被計量物の全部が集合シュート(内側及び外側シュート)上を短時間で滑り落ち、包装機の包装動作に支障を与えない場合には、集合ホッパ7a、7bを設けない構成としてもよい。この場合、集合ホッパを設けないことにより構成が簡単になるとともにその制御が不要になり、制御部20は、例えば包装機からの投入指令信号に応答して適量組合せ(排出組合せ)に選択されている計量ホッパ4から被計量物を排出させるようにすればよく、計量ホッパ4から排出された被計量物は集合シュート6a、6bの排出口62e、6beから直接、包装機の投入口8a、8bへ排出される。また、本実施の形態において、内側シュート6aには前述の上部及び下部いずれかの集合ホッパを設け、外側シュート6bには集合ホッパを設けない構成としてもよい。
以上のように、内側シュート6aに設ける集合ホッパの位置を変更してもよいこと、内側シュート6aに設ける集合ホッパの個数を2個にしてもよいこと、及び、内側及び外側シュート6a、6bの両方または外側シュート6bのみに集合ホッパを設けないようにしてもよいことは、図3の内側シュート6A及び外側シュート6Bを用いた場合も同様である。
また、図3の内側シュート6A及び外側シュート6Bを用いた場合、内側シュート6Aについて、パイプ64を設けない構成としてもよい。この場合、内側シュート6Aはシュート63のみで構成される。この内側シュート6Aに集合ホッパを設ける場合、シュート63の排出口63eに集合ホッパを取り付け、集合ホッパから排出される被計量物が包装機投入口8a(図1)へ投入されるように、包装機投入口8aが他方の包装機投入口8bより上方に配置あるいは延伸された構成にすればよい。このことは、シュート63のみで構成された内側シュート6Aに集合ホッパを設けない場合も同様である。
また、本実施の形態において、集合ホッパ7a及び集合ホッパ7bの下方に、集合ホッパ7a及び集合ホッパ7bから排出される被計量物を受け入れて下部に設けられた1つの排出口から排出する1つの下部シュートを配設し、この下部シュートの下方に、投入口が1つである1台の包装機が配置された構成としてもよい。この場合、集合ホッパ7a及び集合ホッパ7bから交互に排出される被計量物は下部シュートを介して、1つの包装機投入口へ投入される。また、集合ホッパ7a及び集合ホッパ7bを設けずに、内側シュート6a(6A)の排出口62e(64e)及び外側シュート6b(6B)の排出口6be(6Be)から交互に排出される被計量物が、上記と同様の下部シュートを介して、1つの包装機投入口へ投入されるように構成されてあってもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態2の組合せ秤は、図1〜図3に示された実施の形態1の構成と同様であり、その説明を省略する。ただし、本実施の形態2では、制御部20による組合せ処理及び動作タイミングが実施の形態1の場合とは異なる。
制御部20は、制御手段および組合せ演算手段を含み、組合せ秤全体の動作を制御するとともに、被計量物を排出すべき計量ホッパ4の組合せを決定する組合せ処理を行う。組合せ処理では、計量ホッパ4の計量値(重量センサ41による計量ホッパ4内の被計量物の重量の計測値)に基づいて組合せ演算を行い、計量値の合計である組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲(所定重量範囲)内の値になる計量ホッパ4の組合せを2組求めてそれぞれを排出組合せに決定する。この組合せ処理の詳細については後述する。
以上のように構成された組合せ秤の動作について、まずその概略を説明する。
外部の供給装置から分散フィーダ1へ供給された被計量物は、分散フィーダ1から各リニアフィーダ2を介し各供給ホッパ3へ供給され、各供給ホッパ3から各計量ホッパ4へ被計量物が投入される。各計量ホッパ4へ投入された被計量物の重量が各重量センサ41で計測され、その計量値が制御部20へ送出される。そして、制御部20による組合せ処理が行われて2組の排出組合せが同時に決定される。そして、2組の排出組合せに選択されている計量ホッパ4から被計量物が同時に排出され、空になった計量ホッパ4へは供給ホッパ3から被計量物が投入される。また、空になった供給ホッパ3へはリニアフィーダ2から被計量物が供給される。
上記において、組合せ処理で同時に決定される2組の排出組合せの計量ホッパ4からの排出方向を異ならせる。すなわち、2組の排出組合せのうちのいずれか一方の排出組合せの計量ホッパ4から内側シュート6aへ被計量物を排出させると同時に、他方の排出組合せの計量ホッパ4から外側シュート6bへ被計量物を排出させる。また、内側シュート用集合ホッパ7aと外側シュート用集合ホッパ7bとから同時に被計量物を排出させる。
次に、本実施の形態における組合せ処理の詳細を説明する。図6は、本実施の形態における組合せ処理を示すフローチャートである。
ステップS1では、各重量センサ41により重量値が計測済みの被計量物を保有している計量ホッパ4の計量値(被計量物の重量値)を用いて組合せ演算を行うことにより、計量値の合計である組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲内の値になる組合せを全て求め、それぞれの組合せを適量組合せとする。
ステップS2では、同一の計量ホッパ4を含まない適量組合せを2組ずつ組合せてなる適量組合せペアを求める。
ステップS3では、各々の適量組合せペアについて、適量組合せペアを構成する各々の適量組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値を求めて、それらの差の絶対値の合計を算出する。なお、組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値は、組合せ重量値から目標重量値を減算した値の絶対値、あるいは目標重量値から組合せ重量値を減算した値の絶対値であり、零または正の値になる。
ステップS4では、ステップ3で求めた差の絶対値の合計が最小である適量組合せペアを1つ選択し、そのペアを構成する2組の適量組合せのいずれか一方を内側シュート6aへ排出する排出組合せ(第1の排出組合せ)に決定し、他方を外側シュート6bへ排出する排出組合せ(第2の排出組合せ)に決定する。ここで、第1の排出組合せと第2の排出組合せの決定方法は予め定められており、どのような方法でもよい。例えば、各計量ホッパ4に順に番号を付しておき、最も小さい番号の計量ホッパ4が含まれる方の適量組合せを第1の排出組合せに決定し、他方の適量組合せを第2の排出組合せに決定するようにしておいてもよいし、その逆でもよい。あるいは、組合せ重量値の大小によって決定するようにしておいてもよい。例えば、組合せ重量値の大きい方の適量組合せを第1の排出組合せに決定し、組合せ重量値の小さい方の適量組合せを第2の排出組合せに決定するようにしておいてもよいし、その逆でもよい。あるいは、組合せ処理が行われるたびに、組合せ重量値の大きい方の適量組合せと小さい方の適量組合せとが交互に第1の排出組合せと第2の排出組合せとに決定されるようにしておいてもよい。
なお、ステップS3、S4において、各々の適量組合せペアについて、各々の適量組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値の合計を算出し、差の絶対値の合計が最小である適量組合せペアを1つ選択して、2組の排出組合せを決定するようにしたが、各々の適量組合せペアについて、各々の適量組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の2乗の合計を算出し、差の2乗の合計が最小である適量組合せペアを1つ選択して、2組の排出組合せを決定するようにしてもよい。
上記のように、1回の組合せ処理によって2組の排出組合せが求められる。
図7は、本実施の形態の組合せ秤の第1の動作例を示すタイミングチャートである。この図7の例でも、図4の場合と同様、1計量サイクル時間Twが1動作サイクル時間に等しい場合が示されている。ただし、ここでは1回の組合せ処理によって2組の排出組合せが求められ、同時に排出される。
本実施の形態における第1の動作例では、Tw時間ごとに、2組の排出組合せを同時に決定する組合せ処理が行われるとともに、その組合せ処理で決定された2組の排出組合せの計量ホッパ4から同時に被計量物の排出が行われる。また、Tw時間ごとに、集合ホッパ7aと集合ホッパ7bとから同時に被計量物の排出が行われる。これにより、1計量サイクル時間Tw内に2組の排出組合せの被計量物が包装機へ投入される。この場合、組合せ秤の1排出サイクル時間Td3は、1計量サイクル時間Twと同じである。また、1排出サイクル時間Td3は包装機の1包装サイクル時間Tp3と同じである。この場合の構成としては、例えば、実施の形態1においてダブルシフト動作させるように構成した場合と同様に、計量ホッパ4の全個数を14個とし、1組の適量組合せに選択される予定選択個数を4個とすれば、良好な組合せ計量精度が得られる。
制御部20は、例えば包装機から投入指令信号が入力されると、その投入指令信号に応答して内側シュート用集合ホッパ7a及び外側シュート用集合ホッパ7bのゲートを同時に開いて被計量物を包装機へ排出させる(時刻t21)。そして、集合ホッパ7a、7bのゲートの動作タイミングに基づいて、一方の排出組合せに選択されている計量ホッパ4の内側ゲート22を開いて、計量ホッパ4から内側シュート6aへ被計量物を排出させると同時に、他方の排出組合せに選択されている計量ホッパ4の外側ゲート23を開いて、計量ホッパ4から外側シュート6bへ被計量物を排出させる(時刻t21)。投入指令信号が入力されるたびに上記動作が繰り返される(時刻t22、t23)。
この図7の場合、時刻t21で、内側ゲート22が開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、時刻t22までの間に内側シュート用集合ホッパ7aに集められて保持され、時刻t22で集合ホッパ7aのゲートが開かれ、集合ホッパ7aの被計量物が包装機投入口8aへ排出される。同様に、時刻t21で、外側ゲート23が開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、時刻t22までの間に外側シュート用集合ホッパ7bに集められて保持され、時刻t22で集合ホッパ7bのゲートが開かれ、集合ホッパ7bの被計量物が包装機投入口8bへ排出される。
なお、図7の場合、集合ホッパ7a、7bのゲートの開閉タイミングと計量ホッパ4の内側ゲート22及び外側ゲート23の開閉タイミングとを同じにしているが、これに限られるものではない。制御部20が、例えば、集合ホッパ7a、7bのゲートの開閉のタイミングに基づいて計量ホッパ4の内側ゲート22及び外側ゲート23の開閉のタイミングを制御することで、集合ホッパ7a、7bと計量ホッパ4のゲートの開閉のタイミングを異ならせることもできる。
以上のように動作させることにより、1計量サイクル時間ごとに、包装機の2つの投入口へそれぞれ1回ずつ被計量物が排出され、所定時間内における生産量(組合せ秤から包装機への総排出回数)の向上を図ることができる。
図8は、本実施の形態の組合せ秤の第2の動作例を示すタイミングチャートである。この図8の例でも、図4の場合と同様、1計量サイクル時間Twが1動作サイクル時間に等しい場合が示されている。ただし、ここでは1回の組合せ処理によって2組の排出組合せが求められ、同時に排出される。
本実施の形態における第2の動作例では、Tw/2時間ごとに、2組の排出組合せを同時に決定する組合せ処理が行われるとともに、その組合せ処理で決定された2組の排出組合せの計量ホッパ4から同時に被計量物の排出が行われる。また、Tw/2時間ごとに、集合ホッパ7aと集合ホッパ7bとから同時に被計量物の排出が行われる。これにより、1計量サイクル時間Tw内に2組の排出組合せの被計量物が2回、包装機へ投入される。この場合、組合せ秤の1排出サイクル時間Td1は、1計量サイクル時間Twの1/2の時間である。なお、1排出サイクル時間Td1は包装機の1包装サイクル時間Tp1と同じである。この場合の構成としては、例えば、計量ホッパ4の全個数を22個とし、1組の適量組合せに選択される予定選択個数を4個とすれば、良好な組合せ計量精度が得られる。
制御部20は、例えば包装機から投入指令信号が入力されると、その投入指令信号に応答して内側シュート用集合ホッパ7a及び外側シュート用集合ホッパ7bのゲートを同時に開いて被計量物を包装機へ排出させる(時刻t1)。そして、集合ホッパ7a、7bのゲートの動作タイミングに基づいて、一方の排出組合せに選択されている計量ホッパ4の内側ゲート22を開いて、計量ホッパ4から内側シュート6aへ被計量物を排出させると同時に、他方の排出組合せに選択されている計量ホッパ4の外側ゲート23を開いて、計量ホッパ4から外側シュート6bへ被計量物を排出させる(時刻t1)。投入指令信号が入力されるたびに上記動作が繰り返される(時刻t2、t3、・・・)。
この図8の場合、時刻t1で、内側ゲート22が開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、時刻t2までの間に内側シュート用集合ホッパ7aに集められて保持され、時刻t2で集合ホッパ7aのゲートが開かれ、集合ホッパ7aの被計量物が包装機へ排出される。同様に、時刻t1で、外側ゲート23が開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、時刻t2までの間に外側シュート用集合ホッパ7bに集められて保持され、時刻t2で集合ホッパ7bのゲートが開かれ、集合ホッパ7bの被計量物が包装機へ排出される。
なお、図8の場合、集合ホッパ7a、7bのゲートの開閉タイミングと計量ホッパ4の内側ゲート22及び外側ゲート23の開閉タイミングとを同じにしているが、これに限られるものではない。制御部20が、例えば、集合ホッパ7a、7bのゲートの開閉のタイミングに基づいて計量ホッパ4の内側ゲート22及び外側ゲート23の開閉のタイミングを制御することで、集合ホッパ7a、7bと計量ホッパ4のゲートの開閉のタイミングを異ならせることもできる。
以上のように動作させることにより、Tw/2時間ごとに、包装機の2つの投入口へそれぞれ1回ずつ被計量物が排出され、所定時間内における生産量の向上をより図ることができ、高速動作する例えばツイン型の包装機に対応できる。
また、Tw/3時間ごとに、各重量センサ41により重量値が計測済みの被計量物を保有している計量ホッパ4の計量値を用いて2組の排出組合せを同時に決定する組合せ処理が行われるとともに、その組合せ処理で決定された2組の排出組合せの計量ホッパ4から同時に被計量物の排出が行われ、それに対応させて、Tw/3時間ごとに、集合ホッパ7aと集合ホッパ7bとから同時に被計量物の排出が行われるように構成してもよい。この場合、Tw/3時間ごとに、包装機の2つの投入口へそれぞれ1回ずつ被計量物が排出され、所定時間内における生産量の向上をさらにより図ることができ、より高速動作する例えばツイン型の包装機に対応できる。
本実施の形態では、実施の形態1の場合と同様、ほとんどの被計量物の性状にかかわらず集合シュート(内側シュート6a及び外側シュート6b)上における被計量物の移送を短時間で行うことができ、高速運転を行うことが可能になる。また、一部の計量ホッパ4、重量センサ41、供給ホッパ3及びリニアフィーダ2の使用率を低下させることもない。また、前述のようにTw時間ごと、Tw/2時間ごと、あるいはTw/3時間ごとに、2組の排出組合せの被計量物を同時に排出させる動作を行うことにより所定時間内における生産量の向上を図ることができる。
さらに、図6のフローチャートで示した組合せ処理(第1の組合せ処理)では、各々の適量組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値の合計が最小である適量組合せペアを選択し、その適量組合せペアに含まれる2組の適量組合せのそれぞれを排出組合せに決定するため、排出される被計量物の全体としての組合せ計量精度の向上を図ることができる。
また、図6のフローチャートで示した第1の組合せ処理に代えて、以下に説明する第2または第3の組合せ処理を行うようにしてもよい。
まず、第2の組合せ処理について説明する。図9は、本実施の形態における第2の組合せ処理を示すフローチャートである。
ステップS11では、各重量センサ41により重量値が計測済みの被計量物を保有している計量ホッパ4の計量値(被計量物の重量値)を用いて組合せ演算を行うことにより、計量値の合計である組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲内の値になる組合せを全て求め、それぞれの組合せを許容組合せとする。このステップ11の処理は、図6のステップS1の処理と同じであり、ステップ1で求められる適量組合せは、このステップ11で求められる許容組合せに相当する。
ステップS12では、全ての許容組合せの中から、組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値が小さいものを優先して、所定のm個(mは複数)例えば10個選択し、選択したそれぞれの許容組合せを第1の適量組合せとする。
ステップS13では、任意の1つの第1の適量組合せに属する計量ホッパ4以外の計量ホッパ4の組合せからなる許容組合せの中から、組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値が最小である許容組合せを1つ選択し、この許容組合せを上記任意の1つの第1の適量組合せに対応する第2の適量組合せとする。同様にして、m個それぞれの第1の適量組合せに対応する第2の適量組合せを求める。このようにして、m個それぞれの第1の適量組合せに対応する第2の適量組合せを求め、それぞれ対応する第1の適量組合せと第2の適量組合せとからなる適量組合せペアをm個求める。
ステップS14では、各々の適量組合せペアについて、適量組合せペアを構成する第1及び第2の適量組合せの各々の組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値を求めて、それらの差の絶対値の合計を算出する。
ステップS15では、ステップ14で求めた差の絶対値の合計が最小である適量組合せペアを1つ選択し、そのペアを構成する2組の適量組合せのいずれか一方を内側シュート6aへ排出する排出組合せ(第1の排出組合せ)に決定し、他方を外側シュート6bへ排出する排出組合せ(第2の排出組合せ)に決定する。ここで、第1の排出組合せと第2の排出組合せの決定方法は予め定められており、どのような方法でもよい。例えば、第1の適量組合せを第1の排出組合せに決定し、第2の適量組合せを第2の排出組合せに決定するようにしておいてもよいし、その逆でもよい。あるいは、各計量ホッパ4に順に番号を付しておき、最も小さい番号の計量ホッパ4が含まれる方の適量組合せを第1の排出組合せに決定し、他方の適量組合せを第2の排出組合せに決定するようにしておいてもよいし、その逆でもよい。あるいは、組合せ重量値の大小によって決定するようにしておいてもよい。例えば、組合せ重量値の大きい方の適量組合せを第1の排出組合せに決定し、組合せ重量値の小さい方の適量組合せを第2の排出組合せに決定するようにしておいてもよいし、その逆でもよい。あるいは、組合せ処理が行われるたびに、組合せ重量値の大きい方の適量組合せと小さい方の適量組合せとが交互に第1の排出組合せと第2の排出組合せとに決定されるようにしておいてもよい。
なお、ステップS14、S15において、各々の適量組合せペアについて、各々の適量組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値の合計を算出し、差の絶対値の合計が最小である適量組合せペアを1つ選択して、2組の排出組合せを決定するようにしたが、各々の適量組合せペアについて、各々の適量組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の2乗の合計を算出し、差の2乗の合計が最小である適量組合せペアを1つ選択して、2組の排出組合せを決定するようにしてもよい。
次に、第3の組合せ処理について説明する。
まず、各重量センサ41により重量値が計測済みの被計量物を保有している計量ホッパ4の計量値(被計量物の重量値)を用いて組合せ演算を行うことにより、計量値の合計である組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲内の値になる組合せを全て求め、それぞれの組合せを許容組合せとする。そして、全ての許容組合せの中から、組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値が最小である許容組合せを1つ選択し、この選択した許容組合せを第1の適量組合せとする。
次に、第1の適量組合せに属する計量ホッパ4以外の計量ホッパ4の組合せからなる許容組合せの中から、組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値が最小である許容組合せを1つ選択し、この選択した許容組合せを第2の適量組合せとする。そして、第1の適量組合せ及び第2の適量組合せのいずれか一方を内側シュートへ排出する排出組合せ(第1の排出組合せ)に決定し、他方を外側シュートへ排出する排出組合せ(第2の排出組合せ)に決定する。ここで、第1の排出組合せと第2の排出組合せの決定方法は、前述の第2の組合せ処理の場合と同様にして予め定められている。
ここで、例えば、計量ホッパ4の全個数を14個とし、組合せ処理による1組の排出組合せに選択される選択個数を4個とした場合について考える。この場合に、実施の形態1で説明したダブルシフト動作を行わせるようにすれば、10個の計量値を用いて組合せ演算が行われ、組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲内の値になり、かつ目標重量値との差の絶対値が最小である組合せが排出組合せ(適量組合せ)に選択される。
これに対し、第3の組合せ処理の場合には、第2の適量組合せは10個の計量値の中から選択されることになるが、第1の適量組合せは常に14個の計量値の中から選択されることになる。組合せ演算に用いられる計量値の個数が多いほど、組合せ計量精度を向上できることは周知であるので、計量ホッパ4の全個数が同じであれば、ダブルシフト動作を行う場合よりも第3の組合せ処理を用いた場合の方が、排出される被計量物全体としての組合せ計量精度を向上させることができる。
また、第2の組合せ処理では、第3の組合せ処理において、第1の適量組合せの選択条件を拡張して、複数の第1の適量組合せを求め、それぞれの第1の適量組合せに対応する第2の適量組合せを求め、その中から、対応する2組の適量組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値の合計が最小であるものを選択するようにしている。したがって、第2の組合せ処理を用いた場合の方が、第3の組合せ処理を用いた場合よりも、排出される被計量物全体としての組合せ計量精度を向上させることができる。
さらに、第1の組合せ処理では、全ての適量組合せの中から2組ずつ組合せて、その組合せられてなる適量組合せペアの中から、2組の適量組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値の合計が最小であるものを選択するようにしている。したがって、第1の組合せ処理を用いた場合の方が、第3の組合せ処理を用いた場合よりも、排出される被計量物全体としての組合せ計量精度を向上させることができる。
上記の第1、第2または第3の組合せ処理によれば、2組の排出組合せを同時に決定するため、2組の排出組合せを求める際の組合せ演算において多くの計量ホッパ4の被計量物の重量を用いることが可能となり、排出される被計量物の全体としての組合せ計量精度の向上を図ることが可能になる。
また、第1の組合せ処理、第2の組合せ処理、第3の組合せ処理の順に、演算の処理量が少なくなり、その順に組合せ処理に要する時間の短縮を図ることが可能になる。
なお、上記説明した実施の形態1,2において、目標重量値に対する許容範囲が目標重量値以上の範囲に設定されている場合、すなわち、許容範囲の下限値が目標重量値と等しい値に設定されている場合には、適量組合せあるいは許容組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値は、組合せ重量値から目標重量値を減算した値(差)に等しい。したがって、この場合には、例えば図6のステップS3及び図9のステップ14において、各々の適量組合せの組合せ重量値と目標重量値との差の絶対値の合計を算出することは、各々の適量組合せの組合せ重量値から目標重量値を減算した差の合計を算出することと同等である。
また、許容範囲の下限値が目標重量値と等しい値に設定されている場合には、図6のステップS3,S4及び図9のステップ14、S15に代えて、各々の適量組合せペアについて、適量組合せペアを構成する2組の適量組合せの組合せ重量値の合計を算出し、この算出した合計が最小である適量組合せペアを1つ選択し、そのペアを構成する2組の適量組合せのいずれか一方を内側シュートへ排出する排出組合せ(第1の排出組合せ)に決定し、他方を外側シュートへ排出する排出組合せ(第2の排出組合せ)に決定するようにしてもよい。この場合も、ステップS3,S4及びステップ14、S15の処理結果と同じ2組の排出組合せが求められる。
なお、本実施の形態2においても、実施の形態1の場合と同様、内側シュート6a(6A)に設ける集合ホッパの位置を変更したり個数を2個にしてもよい。また、内側及び外側シュート6a、6b(6A、6B)の両方または外側シュート6b(6B)のみに集合ホッパを設けない構成にしてもよい。また、図3の内側シュート6A及び外側シュート6Bを用いた場合も、実施の形態1の場合と同様、内側シュート6Aをシュート63のみで構成し、パイプ64を設けない構成としてもよい。
また、本実施の形態2において、集合ホッパ7a及び集合ホッパ7bの下方に1つの下部シュートを配設し、この下部シュートの下方に、投入口が1つである1台の包装機が配置された構成としてもよい。この場合、制御部20は集合ホッパ7a及び集合ホッパ7bに対し交互に被計量物を排出するように制御する。したがって、計量ホッパ4から内側シュート6a(6A)及び外側シュート6b(6B)へ同時に排出された被計量物は、一旦、集合ホッパ7a及び集合ホッパ7bに保持され、集合ホッパ7a及び集合ホッパ7bから交互に排出される被計量物は下部シュートを介して、1つの包装機投入口へ投入される。
また、上記の実施の形態1、2では、供給されている被計量物の計量値を組合せ演算に用いる組合せ用ホッパとして、計量ホッパ4のみを用いた例を示したが、このような組合せ用ホッパに限られるものではない。図10(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ他の例の組合せ用ホッパ等のホッパを模式的に示す平面図である。図10(a)、(b)、(c)、(d)において、内側シュート6Xは、例えば図1の内側シュート6aに該当し、外側シュート6Yは、例えば図1の外側シュート6bに該当する。なお、図10(a)、(b)における計量ホッパ4及び図10(c)、(d)における計量ホッパ4X、4Yのそれぞれには、1個の重量センサ41(図1参照)が取り付けられている。
例えば、図10(a)の場合、各計量ホッパ4が、それぞれに被計量物が投入される2つの室(計量室)4a、4bを有するように構成されている。各計量ホッパ4の2つの計量室4a、4bは複数の計量ホッパ4の並び方向(列設方向)と略同方向に並んで配置されている。この場合、供給ホッパ3は計量ホッパ4の計量室4aと計量室4bとへ選択的に被計量物を排出可能な構成であり、計量ホッパ4の2つの計量室4a、4bはそれぞれ内側シュート6Xと外側シュート6Yとへ選択的に被計量物を排出可能な構成である。組合せ演算は、各計量ホッパ4の計量室4a、4b内の被計量物の重量(計量値)を用いて行われ、各計量室4a、4bが排出組合せに選択される。各計量ホッパ4では、一方の計量室例えば計量室4aのみに被計量物が供給されているときに、計量室4a内の被計量物の重量が重量センサ41により計量される。さらに他方の計量室4bに被計量物が供給されると、2つの計量室4a、4b内の被計量物の合計重量が重量センサ41により計量される。制御部20(図1参照)では、この2つの計量室4a、4b内の被計量物の合計重量から計量室4a内の被計量物の重量を減算することで、計量室4b内の被計量物の重量(計量値)を算出する。
また、図10(b)の場合、各計量ホッパ4の下方に、計量ホッパ4から被計量物が供給される2つの室(収容室)9a、9bを有するメモリホッパ9が設けられた構成である。各メモリホッパ9の2つの収容室9a、9bは複数のメモリホッパ9の並び方向(列設方向)と略同方向に並んで配置されている。ここでは、計量ホッパ4へ被計量物を供給する供給ホッパ3(図1参照)は図示していない。この場合、計量ホッパ4はメモリホッパ9の収容室9aと収容室9bへ選択的に被計量物を排出可能な構成であり、計量ホッパ4から外側シュート6Y及び内側シュート6X上へは排出されない。メモリホッパ9の2つの収容室9a、9bはそれぞれ内側シュート6Xと外側シュート6Yとへ選択的に被計量物を排出可能な構成である。組合せ演算は、例えば、各メモリホッパ9の収容室9a、9b内の被計量物の重量(計量値)を用いて行われ、各収容室9a、9bが排出組合せに選択され、計量ホッパ4は組合せに参加しない。各収容室9a、9b内の被計量物の重量は、その上方の計量ホッパ4において計量されたときの重量が用いられる。なお、各計量ホッパ4と、それと対応するメモリホッパ9のいずれかの収容室9a、9bとが同時に選択される組合せのみ有効として、計量ホッパ4を組合せに参加させることもできる。例えば、対応する計量ホッパ4とメモリホッパ9の収容室9a(または9b)とが同時に排出組合せに選択された場合、計量ホッパ4の被計量物は収容室9a(または9b)を通過して外側シュート6Yあるいは内側シュート6X上へ排出される。
また、図10(c)の場合、それぞれに重量センサ41が取り付けられている計量ホッパ4X、4Yを2列に並べて配設し、計量ホッパ4X、4Yの下方に、計量ホッパ4X、4Yから被計量物が供給される1つの室を有するメモリホッパ9が設けられた構成である。この場合、供給ホッパ3はその下方の計量ホッパ4Xと計量ホッパ4Yとへ選択的に被計量物を排出可能な構成であり、一方の計量ホッパ4Xはメモリホッパ9と内側シュート6Xとへ選択的に被計量物を排出可能な構成であり、他方の計量ホッパ4Yはメモリホッパ9と外側シュート6Yとへ選択的に被計量物を排出可能な構成である。組合せ演算は、各計量ホッパ4X、4Y及び各メモリホッパ9内の被計量物の重量(計量値)を用いて行われる。ここで、例えば、内側シュート6X上へ排出される被計量物の排出組合せには、計量ホッパ4Yが選択されず、計量ホッパ4X及びメモリホッパ9が選択されるように組合せ演算を行うとともに、外側シュート6Y上へ排出される被計量物の排出組合せには、計量ホッパ4Xが選択されず、計量ホッパ4Y及びメモリホッパ9が選択されるように組合せ演算を行う。各メモリホッパ9内の被計量物の重量は、計量ホッパ4X、4Yのうちメモリホッパ9へ被計量物を供給した計量ホッパにおいて計量されたときの重量が用いられる。なお、内側シュート6X上へ排出される排出組合せを求める際、その排出組合せにメモリホッパ9とその上方の計量ホッパ4Yとが同時に選択される組合せのみ有効として、計量ホッパ4Yを内側シュート6X上へ排出される組合せに参加させることもできる。この場合、計量ホッパ4Yの被計量物はメモリホッパ9を通過して内側シュート6X上へ排出される。同様に、外側シュート6Y上へ排出される排出組合せを求める際、その排出組合せにメモリホッパ9とその上方の計量ホッパ4Xとが同時に選択される組合せのみ有効として、計量ホッパ4Xを外側シュート6Y上へ排出される組合せに参加させることもできる。この場合、計量ホッパ4Xの被計量物はメモリホッパ9を通過して外側シュート6Y上へ排出される。
また、図10(d)の場合、図10(c)の構成における1つの供給ホッパ3に代えて、2つの供給ホッパ3X、3Yが設けられた構成であり、組合せに参加させるホッパは図10(c)の場合と同じである。この場合、各供給ホッパ3X、3Yには、それぞれに対応してリニアフィーダ2X、2Yが配設されており、各リニアフィーダ2X、2Yから対応する供給ホッパ3X、3Yへ被計量物が供給される。また、供給ホッパ3Xは、その下方に配置された計量ホッパ4Xへ被計量物を供給し、供給ホッパ3Yは、その下方に配置された計量ホッパ4Yへ被計量物を供給する。このように、計量ホッパ4X、4Yのそれぞれに対応して供給ホッパ3X、3Yを設けているため、例えば、対をなす2つの計量ホッパ4X、4Yが同時に排出組合せに選択されて空になっても両方の計量ホッパ4X、4Yへ同時に被計量物を供給することができる。これにより、図10(c)の場合と比較して、後の組合せ演算に参加する計量値の減少を抑え、組合せ計量精度の向上を図ることができる。
上記以外にも、組合せ用ホッパ等のホッパ構成を種々変更してもよい。なお、図1の構成では、計量ホッパ4に取り付けられた1個の重量センサ41に対して組合せ演算で用いる計量値が1個得られる。これに対し、図10(a)の構成の場合には、1個の重量センサ41に対して組合せ演算で用いる計量値が2個得られ、図10(b)の構成において、計量ホッパ4を組合せに参加させない場合には、1個の重量センサ41に対して組合せ演算で用いる計量値が2個得られ、計量ホッパ4を組合せに参加させる場合には、1個の重量センサ41に対して組合せ演算で用いる計量値が3個得られる。また、図10(c)、(d)の構成の場合には、2個の重量センサ41に対して組合せ演算で用いる計量値が3個得られる。したがって、図10(a)〜(d)のようなホッパ構成とすることにより、高価な重量センサ41の有効活用が図られる。また、組合せ用ホッパの列設形状である円弧の径の増大を抑え、組合せ演算に用いる計量値の個数を増やして組合せ計量精度の向上を図ることが可能になる。
なお、上記説明した実施の形態1,2において、制御部20は、必ずしも単独の制御装置で構成される必要はなく、複数の制御装置が分散配置されていて、それらが協働して組合せ秤の動作を制御するよう構成されていてもよい。