以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1の組合せ秤を正面から視た一部断面の概略模式図であり、図1(b)は、同組合せ秤の上段集合シュート及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
この組合せ秤は、2つの計量ユニットW1,W2と、それらの下方に配設された下段集合シュート8と、下段集合シュート8の下部排出口に設けられた下段集合ホッパ9と、制御部20とを備えている。
2つの計量ユニットW1,W2は同様の構成である。各計量ユニットW1,W2には、装置中央にセンター基体(ボディ)15が、例えば4本の脚(図示せず)によって支持されて配置され、その上部に、外部の供給装置から供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ1が設けられている。分散フィーダ1の周囲には、分散フィーダ1から送られてきた被計量物を振動によって各供給ホッパ3に送りこむための複数のリニアフィーダ2が設けられている。各リニアフィーダ2の下方には、供給ホッパ3、計量ホッパ4がそれぞれ対応して設けられ、複数の供給ホッパ3及び計量ホッパ4はそれぞれセンター基体15の周囲に円状に配置されている。分散フィーダ1、リニアフィーダ2、供給ホッパ3及び計量ホッパ4は、センター基体15に取り付けられ、センター基体15内にそれらの駆動ユニット(分散フィーダ1及びリニアフィーダ2の振動装置や、供給ホッパ3及び計量ホッパ4のゲート開閉装置等)が収納されている。また、各計量ホッパ4には、計量ホッパ4内の被計量物の重量を計測するロードセル等の重量センサ41が取り付けられ、重量センサ41もセンター基体15内に駆動ユニットとともに収納されている。各重量センサ41による計測値は制御部20へ出力される。
各計量ユニットW1,W2において、円状に列設された計量ホッパ4の下方には、上部開口が円形である略逆円錐台形状の上段集合シュート6A、6Bが配設されている。各上段集合シュート6A、6Bのそれぞれの下部排出口6Ae、6Beには上段集合ホッパ7a、7bが配設されている。グループAは計量ユニットW1に備えられている計量ホッパ4のグループであり、このグループAの計量ホッパ4から排出された被計量物は、上段集合シュート6A上を滑り落ち、上段集合ホッパ7aに一旦貯留された後、排出される。同様に、グループBは計量ユニットW2に備えられている計量ホッパ4のグループであり、このグループBの計量ホッパ4から排出された被計量物は、上段集合シュート6B上を滑り落ち、上段集合ホッパ7bに一旦貯留された後、排出される。
以上のように各計量ユニットW1,W2には、それぞれ、分散フィーダ1と、複数のリニアフィーダ2と、複数の供給ホッパ3と、複数の計量ホッパ4及び重量センサ41と、上段集合シュート(6A、6B)と、上段集合ホッパ(7a、7b)と、センター基体15とを備えている。なお、全ての計量ユニットW1,W2の分散フィーダ1には、同じ種類の被計量物が供給され、この組合せ秤に備えられている全ての計量ホッパ4には、同じ種類の被計量物が供給される。
そして、2つの計量ユニットW1、W2の上段集合ホッパ7a、7bの下方には1つの下段集合シュート8が配設され、下段集合シュート8の下部排出口には下段集合ホッパ9が配設されている。
この組合せ秤の下段集合シュート8の下方には、例えば図14に示された、投入口が1つである1台の包装機(例えば縦型ピロー包装機)が配置されており、下段集合ホッパ9から排出される被計量物は、包装機の投入口(チューブ51の上部の開口部)へ投入される。
図14は、組合せ秤の下方に配置される包装機(縦型ピロー包装機)の一例を示す概略模式図である。
包装機では、袋を製造しながら、この袋に組合せ秤から排出されてきた被計量物を充填して包装する。この包装機では、包材のロールから引き出されたシート状の包材50が、フォーマ52によってチューブ51に巻かれて筒状に成形され、プルダウンベルト機53により吸着されて下方に送られ、筒状にされた包材50の重ねられた縦の縁が縦シール機54によりシール(溶着による封止)される。そして、計量された被計量物がチューブ51を通って筒状の包材50内に充填され、チューブ51の下方に配置される横シール機55により先行する袋の上端と後続の袋の下端とにまたがって横方向のシール(横シール)が行われる。この横シールが行われることにより、先行する袋は、前回での横シールにより下端は封止されているので上下がシールされた完全な袋となる。
上記のように本実施の形態では、全ての上段集合ホッパ7a、7bから排出される被計量物が下段集合ホッパ9によって一旦貯留された後、1つの包装機投入口へ投入するように構成されている。
制御部20は、組合せ秤全体の動作を制御するとともに、全ての計量ユニットW1,W2のグループA、Bの計量ホッパ4の中から被計量物を排出すべき計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)を1つ決定する組合せ処理を行う。組合せ処理では、各重量センサ41により重量値が計測済みの被計量物を保有している計量ホッパ4の計量値(重量センサ41による計量ホッパ4内の被計量物の重量の計測値)に基づいて組合せ演算を行い、計量値の合計である組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲(所定重量範囲)内の値になる計量ホッパ4の組合せを1つ求めて排出組合せに決定する。目標重量値に対する許容範囲内の値になる組合せが複数存在する場合には、例えば計量値の合計が目標重量値に最も近い組合せ(目標重量値と一致する組合せがあればその組合せ)、すなわち計量値の合計と目標重量値との差の絶対値が最小である組合せを排出組合せに決定する。組合せ秤では、目標重量値及びその目標重量値に対する許容範囲が予め設定されている。
以上のように構成された組合せ秤の動作について、まずその概略を説明する。
外部の供給装置から各々の分散フィーダ1へ供給された被計量物は、分散フィーダ1から各リニアフィーダ2を介し各供給ホッパ3へ供給され、各供給ホッパ3から各計量ホッパ4へ被計量物が投入される。各計量ホッパ4へ投入された被計量物の重量が各重量センサ41で計測され、その計量値が制御部20へ送出される。そして、前述の組合せ処理が行われて排出組合せが決定される。そして、排出組合せに選択されている計量ホッパ4から被計量物が排出され、空になった計量ホッパ4へは供給ホッパ3から被計量物が投入される。また、空になった供給ホッパ3へはリニアフィーダ2から被計量物が供給される。また、計量ホッパ4から排出された被計量物は、上段集合シュート6A、6Bを滑り落ちて一旦、上段集合ホッパ7a、7bに貯留された後、上段集合ホッパ7a、7bから排出される。そして下段集合シュート8を滑り落ちて一旦、下段集合ホッパ9に貯留された後、包装機へ排出される。
次に、組合せ秤の排出サイクル時間が異なるように構成した場合の各動作について説明する。ここで、排出サイクル時間とは、排出組合せに選択された計量ホッパ4から被計量物が排出される排出周期であり、排出サイクル時間が実計量サイクル時間と等しい動作をシングルシフト動作と言い、排出サイクル時間が実計量サイクル時間の1/2である動作をダブルシフト動作と言い、排出サイクル時間が実計量サイクル時間の1/3である動作をトリプルシフト動作と言う。
図2は、本実施の形態の組合せ秤をシングルシフト動作させるように構成した場合の集合ホッパ及び計量ホッパのゲートの開閉動作と包装機の横シール機の動作の一例を示すタイミングチャートである。
実計量サイクル時間Trは、例えば、直前の計量サイクル中での組合せ処理により排出組合せが決定された直後から、その排出組合せに選択されている計量ホッパ4から被計量物が排出され、次にその排出組合せの計量ホッパ4に被計量物が投入され、その重量センサ41の安定時間が経過して被計量物の重量を計量後に、その計量ホッパ4の計量値を少なくとも用いて最も早く行われる組合せ処理が行われ、それにより排出組合せが決定されるまでに要する時間である。ここで、組合せ処理により排出組合せが決定されてから、その排出組合せに選択されている計量ホッパ4から被計量物が排出され始めるまでの余裕時間あるいは待ち時間等が零の場合を、理想計量サイクル時間Tとする。したがって、理想計量サイクル時間Tは、例えば、直前の計量サイクル中での組合せ処理により決定されている排出組合せの計量ホッパ4から被計量物が排出され始めたときから、次にその排出組合せの計量ホッパ4に被計量物が投入され、その重量センサ41の安定時間が経過して被計量物の重量を計量後に、その計量ホッパ4の計量値を少なくとも用いて最も早く行われる組合せ処理が行われ、それにより排出組合せが決定されるまでに要する時間である。この理想計量サイクル時間は、被計量物の性状等に応じて一意的に決められる時間である。
図2の例では、実計量サイクル時間Trが理想計量サイクル時間Tに等しい場合、すなわち組合せ秤が最高速度で運転されている場合が示されており、計量ホッパ4による排出サイクル時間Td1は、実計量サイクル時間Tr(=T)と同じであり、包装サイクル時間Tp1に等しい。
シングルシフト動作させる場合には、例えば、グループA及びグループBの計量ホッパ4の個数を5個ずつにし、計量ホッパ4の全個数を10個とし、組合せ処理による予定選択個数(排出組合せに選択される計量ホッパ4の予定個数)を4個とすることにより、良好な計量精度が得られる。なお、組合せ処理による予定選択個数を4個にするということは、各供給ホッパ3から計量ホッパ4へ1回に投入される被計量物の目標の投入量が、目標重量値の略1/4となるようにリニアフィーダ2等の動作設定がなされていることである。
このシングルシフト動作では、実計量サイクル時間Tr(本例ではTr=T)ごとに組合せ処理が行われるとともに、その組合せ処理で選択された排出組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出が行われる。したがって、Tr時間ごとに組合せ処理が繰り返されて順次決定される排出組合せの計量ホッパ4から被計量物が上段集合シュート6A、6Bへ排出される。また、それに対応して、Tr時間ごとに全ての上段集合ホッパ7a、7bから同時に被計量物の排出が行われるとともに、Tr時間ごとに下段集合ホッパ9から被計量物の排出が行われる。これにより、実計量サイクル時間Trごとに、包装機へ被計量物が投入される。
この組合せ秤が連続して運転されているとき、制御部20は、例えば包装機から投入指令信号が入力されると、その投入指令信号に応答して下段集合ホッパ9のゲートを開いて被計量物を包装機へ排出させる(時刻t1、t2、t3、・・・)。
この図2の場合、例えば時刻t1でゲートが開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、上段集合ホッパ7a、7bに集められて時刻t2まで保持され、時刻t2で上段集合ホッパ7a、7bのゲートが開いて上段集合ホッパ7a、7bから排出された被計量物は、下段集合ホッパ9に集められて時刻t3まで保持され、時刻t3で下段集合ホッパ9のゲートが開いて包装機へ排出される。時刻t3で下段集合ホッパ9のゲートが開いて排出された被計量物は、包装機の横シール機55による横シールが行われる時刻t3aまでに包装袋へ投入され、時刻t3aでその包装袋の上端となる部分をシールする横シールが開始される。
この図2において、期間taの間、計量ホッパ4のゲートが開かれると、期間tbの間、計量ホッパ4から排出された被計量物が上段集合ホッパ7a、7bへ投入される。また、期間tcの間、上段集合ホッパ7a、7bのゲートが開かれると、期間tdの間、上段集合ホッパ7a、7bから排出された被計量物が下段集合ホッパ9へ投入される。また、期間teの間、下段集合ホッパ9のゲートが開かれると、期間tfの間、下段集合ホッパ9から排出された被計量物が包装機へ投入される。包装機では、例えば、一定の包装サイクル(Tp1)にて動作が行われ、この図2の例では組合せ秤から排出された被計量物が投入されている期間tfを外れた期間tgにおいて、横シール機55によって横シールが行われる。
以上のようにシングルシフト動作させることにより、Tr時間ごとに包装機へ被計量物の排出が行われる。
次に、ダブルシフト動作させるように構成した場合の動作を詳しく説明する。ダブルシフト動作させる場合には、例えば、グループA及びグループBの計量ホッパ4の個数を7個ずつにし、計量ホッパ4の全個数を14個とし、組合せ処理による予定選択個数を4個とすればよい。この場合、繰り返し行われる各組合せ処理において、略10個の計量ホッパ4の中から4個の計量ホッパ4が排出組合せに選択されることになり、計量ホッパ4の全個数を10個とし、組合せ処理による予定選択個数を4個として、シングルシフト動作させた場合と同等の計量精度が得られる。
図3は、本実施の形態の組合せ秤をダブルシフト動作させるように構成した場合の集合ホッパ及び計量ホッパのゲートの開閉動作と包装機の横シール機の動作の一例を示すタイミングチャートである。この図3の例でも、図2の場合と同様、実計量サイクル時間Trが理想計量サイクル時間Tに等しい場合、すなわち組合せ秤が最高速度で運転されている場合が示されており、計量ホッパ4による排出サイクル時間Td2は、実計量サイクル時間Tr(=T)の1/2の時間であり、包装サイクル時間Tp2に等しい。
このダブルシフト動作では、Tr/2時間ごとに組合せ処理が行われるとともに、その組合せ処理で選択された排出組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出が行われる。したがって、Tr/2時間ごとに組合せ処理が繰り返されて順次決定される排出組合せの計量ホッパ4から被計量物が上段集合シュート6A、6Bへ排出される。また、それに対応して、Tr/2時間ごとに全ての上段集合ホッパ7a、7bから同時に被計量物の排出が行われるとともに、Tr/2時間ごとに下段集合ホッパ9から被計量物の排出が行われる。これにより、Tr/2時間ごとに、包装機へ被計量物が投入される。
この組合せ秤が連続して運転されているとき、制御部20は、例えば包装機から投入指令信号が入力されると、その投入指令信号に応答して下段集合ホッパ9のゲートを開いて被計量物を包装機へ排出させる(時刻t11、t12、t13、・・・)。
この図3の場合、例えば時刻t11でゲートが開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、上段集合ホッパ7a、7bに集められて時刻t12まで保持され、時刻t12で上段集合ホッパ7a、7bのゲートが開いて上段集合ホッパ7a、7bから排出された被計量物は、下段集合ホッパ9に集められて時刻t13まで保持され、時刻t13で下段集合ホッパ9のゲートが開いて包装機へ排出される。時刻t13で下段集合ホッパ9のゲートが開いて排出された被計量物は、包装機の横シール機55による横シールが行われる時刻t13aまでに包装袋へ投入され、時刻t13aでその包装袋の上端となる部分をシールする横シールが開始される。
以上のようにダブルシフト動作させることにより、Tr/2時間ごとに包装機への排出が行われ、シングルシフト動作の場合の2倍の速度での高速排出が可能となり、高速に動作する包装機に対応できる。
また、本実施の形態の組合せ秤をトリプルシフト動作させるように構成してもよい。この場合、計量ホッパ4による排出サイクル時間(Td3)は、実計量サイクル時間(Tr)の1/3の時間である。トリプルシフト動作させる場合には、例えば、グループA及びグループBの計量ホッパ4の個数を9個ずつにし、計量ホッパ4の全個数を18個とし、組合せ処理による予定選択個数を4個とすればよい。この場合、繰り返し行われる各組合せ処理において、略10個の計量ホッパ4の中から4個の計量ホッパ4が排出組合せに選択されることになり、計量ホッパ4の全個数を10個とし、組合せ処理による予定選択個数を4個として、シングルシフト動作させた場合と同等の計量精度が得られる。
このトリプルシフト動作では、Tr/3時間ごとに組合せ処理が行われるとともに、その組合せ処理で選択された排出組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出が行われる。したがって、Tr/3時間ごとに組合せ処理が繰り返されて順次決定される排出組合せの計量ホッパ4から被計量物が上段集合シュート6A、6Bへ排出される。また、それに対応して、Tr/3時間ごとに全ての上段集合ホッパ7a、7bから同時に被計量物の排出が行われるとともに、Tr/3時間ごとに下段集合ホッパ9から被計量物の排出が行われる。これにより、Tr/3時間ごとに、包装機へ被計量物が投入される。
以上のようにトリプルシフト動作させることにより、Tr/3時間ごとに包装機への排出が行われ、シングルシフト動作の場合の3倍の速度での高速排出が可能となり、高速に動作する包装機に対応できる。
上記のように組合せ秤においては、良好な計量精度を維持して計量速度を上げるためには、組合せ演算に参加させる計量ホッパ4の総数を増加させる必要がある。
なお、前述の例(図2、図3等)では、下段集合ホッパ9と上段集合ホッパ7a、7bと計量ホッパ4とのそれぞれのゲートの開動作のタイミングを同じにしているが、それぞれ異なるようにしてもよい。例えば、下段集合ホッパ9のゲートを開く動作を開始させた後に、上段集合ホッパ7a、7bのゲートを開く動作を開始させるようにしてもよいし、上段集合ホッパ7a、7bのゲートを開く動作を開始させた後に、排出組合せの計量ホッパ4のゲートを開く動作を開始させるようにしてもよい。また、計量ホッパ4から被計量物が排出されてからその被計量物の先頭部分が上段集合シュート6A、6Bの排出口(上段集合ホッパ7a、7b)に到達するまでにある程度の時間を要する場合には、上段集合ホッパ7a、7bのゲートを開くより少し前に計量ホッパ4のゲートを開くようにしてもよい。例えば、制御部20では、包装機からの投入指令信号を入力した時刻から、所定時間D1(≧0)後に下段集合ホッパ9のゲートを開く動作を開始させ、上記投入指令信号を入力した時刻から、所定時間D2(≧0)後に上段集合ホッパ7a、7bのゲートを開く動作を開始させ、上記投入指令信号を入力した時刻から、所定時間D3(≧0)後に計量ホッパ4のゲートを開く動作を開始させるように制御し、D1、D2、D3を任意に設定することで、各ホッパ4、7a、7b、9のゲートを開くタイミングを任意に設定することができる。
また、制御部20が、上段集合ホッパ7a、7bのゲートを開閉するタイミングをそれぞれ個別に制御するようにし、2つの上段集合ホッパ7a、7bに対し被計量物の排出を開始させるタイミングを少しだけずらすようにしてもよい。これにより、2つの上段集合ホッパ7a、7bから排出された被計量物同士の衝突を少なくし、被計量物の損傷を防止できる。
次に、図4(a)は、計量ホッパ4と上段集合シュート6A、6Bとの具体的な位置関係及び計量ホッパ4のゲート構成を示す模式図であり、図4(b)は、上段集合ホッパ7a、7bと下段集合シュート8との具体的な位置関係及び上段集合ホッパ7a、7bのゲート構成を示す模式図である。
図4(a)に示すように、上段集合シュート6A、6Bは、計量ホッパ4と接触しないように、かつ、計量ホッパ4とできるだけ近づけて配設されている。そして、計量ホッパ4のゲート4Gは図4(a)に示されるように被計量物が落ちる方向へ開くように設けられた片開きゲートである。このように、計量ホッパ4と上段集合シュート6A、6Bとを構成することにより、計量ホッパ4のゲート4Gが開くと、計量ホッパ4内の被計量物が上段集合シュート6A、6B上へスムーズに排出され、計量ホッパ4から排出された被計量物が上段集合シュート6A、6Bへ落下する時の衝撃が小さくなり、被計量物の破損を防止することができるとともに、落下時における被計量物の跳ね返り等が減少し、後述の上段集合シュート移送期間に要する時間を短縮することに寄与する。
ここで、各々の計量ユニットにおいて、円状に配置されている計量ホッパ4が仮想円の内側に沿って配置されているものとすれば、上段集合シュート6A、6Bの上部開口の直径は、上記仮想円の直径と等しくあるいは略等しくできる。また、上記仮想円の大きさ(直径)は、計量ホッパ4の配置個数と配置ピッチとによって決まる。計量ホッパ4の配置個数は、組合せ秤に備えられる計量ホッパ4の総数と計量ユニットの個数とによって決まる。計量ホッパ4の配置ピッチは、計量ホッパ4の容量(容積)と、隣接する計量ホッパ4間に必要な間隔等とによって決まり、計量ホッパ4の容量(容積)が大きくなるほど配置ピッチも大きくなる。
また、図4(b)に示すように、上段集合ホッパ7a、7bと下段集合シュート8との位置関係及び上段集合ホッパ7a、7bのゲート構成も、図4(a)に示す計量ホッパ4及び上段集合シュート6A、6Bの場合と同様であり、上段集合ホッパ7a、7bのゲート7Gが開くと、上段集合ホッパ7a、7b内の被計量物が下段集合シュート8へスムーズに排出され、上段集合ホッパ7a、7bから排出された被計量物が下段集合シュート8へ落下する時の衝撃が小さくなり、被計量物の破損を防止することができるとともに、落下時における被計量物の跳ね返り等が減少し、後述の下段集合シュート移送期間に要する時間を短縮することに寄与する。
また、下段集合シュート8は、上段集合ホッパ7a、7bから排出される被計量物を下部排出口の下段集合ホッパ9へ集めればよいので、樋状の部材を用いて簡単に構成することができる。例えば、上段集合ホッパ7aから排出される被計量物を下段集合ホッパ9へ導くための第1の樋状部材と、上段集合ホッパ7bから排出される被計量物を下段集合ホッパ9へ導くための第2の樋状部材とを用いて構成することができる。
本実施の形態では、組合せ秤に備えるべき所定個数の計量ホッパ4を複数の計量ユニットW1,W2に分けて配設することにより、計量ホッパ4の配置ピッチ及び計量ホッパ4の総数(全個数)が同じであれば、上段集合シュート6A、6Bのそれぞれの上部開口の直径及び高さ寸法を、図13の従来例における集合シュート6と比べて短くできる。例えば、計量ホッパ4の配置ピッチを一定にして、18個の計量ホッパ4を1つの円状に配置する場合に対して、計量ホッパ4を9個ずつに分けて2つの円状に配置した場合には、計量ホッパ4の配置形状の円(例えば前述の仮想円)の直径が半分になる。この場合、円状に配置された9個ずつの計量ホッパの各グループA、Bの下方に配置された上段集合シュート6A、6Bの直径は、図13のように1つの円状に配置された18個の計量ホッパの下方に配置されている集合シュート6の直径の約半分にできる。また、ここで、集合シュートのシュート面の傾斜角度を同じにした場合には、上段集合シュート6A、6Bの高さ寸法は図13の集合シュート6の高さ寸法の約半分にできる。同様に、シュート面の傾斜角度を同じにした場合には、下段集合シュート8の高さ寸法を、図13の集合シュート6の高さ寸法の約半分にできる。なお、図13の集合シュート6のシュート面の傾斜角度は例えば50度程度であり、上段集合シュート6A、6B及び下段集合シュート8のそれぞれのシュート面の傾斜角度を必ずしも図13の集合シュート6と同じにする必要はない。
上記のように、上段集合シュート6A、6Bを小さくすることができるため、上段集合シュート6A、6B上を移送(滑落)する被計量物の移送距離及び移送時間を短くすることができ、計量ホッパ4から排出された被計量物の広がり具合が小さいうちに上段集合ホッパ7a、7bに被計量物を集めて一塊に密集させた状態で貯留することができる。そのため、集合シュートにおける被計量物の広がり時間が長くなりやすい性状の被計量物であっても、また計量ホッパ4の総数の多い場合や、計量ホッパ4の容量が大きく計量ホッパ4の配置ピッチを長くしなければならない場合であっても、上段集合シュート6A、6Bにおける被計量物の広がり時間(例えば図2の期間tbに要する時間)を短くすることが可能である。なお、上段集合シュート6A、6Bにおける被計量物の広がり時間とは、排出組合せの計量ホッパ4から上段集合シュート6A、6Bへ排出された被計量物の先頭部分が上段集合シュート6A、6Bの排出口(集合ホッパ7a、7b)へ最初に到達してから、同被計量物の最後尾部分が上段集合シュート6A、6Bの排出口(集合ホッパ7a、7b)へ最後に到達するまでに要する時間である。
また、上段集合シュート6A、6Bの排出口に上段集合ホッパ7a、7bを設けているため、一塊になった状態で被計量物を下段集合シュート8へ排出することができる。このように、上段集合ホッパ7a、7bから一塊になった状態で被計量物を下段集合シュート8へ排出することができるとともに、下段集合シュート8を小さくすることにより、下段集合シュート8上を移送(滑落)する被計量物の移送距離及び移送時間を短くすることができ、上段集合ホッパ7a、7bから排出された被計量物の広がり具合が小さいうちに下段集合ホッパ9に被計量物を集めて一塊に密集させた状態で貯留することができる。そのため、集合シュートにおける被計量物の広がり時間が長くなりやすい性状の被計量物であっても、また計量ホッパ4の総数の多い場合や、計量ホッパ4の容量が大きく計量ホッパ4の配置ピッチを長くしなければならない場合であっても、下段集合シュート8における被計量物の広がり時間(例えば図2の期間tdに要する時間)を短くすることが可能である。さらに、下段集合ホッパ9を設けているため、一塊になった状態で被計量物を包装機の投入口へ排出することができる。なお、下段集合シュート8における被計量物の広がり時間とは、上段集合ホッパ7a、7bから下段集合シュート8へ排出された被計量物の先頭部分が下段集合シュート8の排出口(集合ホッパ9)へ最初に到達してから、同被計量物の最後尾部分が下段集合シュート8の排出口(集合ホッパ9)へ最後に到達するまでに要する時間である。
以上のように、被計量物の性状や計量ホッパ4の総数の多さ等にかかわらず、上段及び下段の各集合シュートにおける被計量物の広がり時間を短くすることができ、高速運転が可能になる。ここで、前述のシングルシフト動作、ダブルシフト動作あるいはトリプルシフト動作等の各動作を行う場合の構成において、上段及び下段の各集合シュートにおける被計量物の広がり時間(tb、td)を、各動作及び各集合シュートにおいて想定されている一定時間(広がり許容時間)以下に抑えるように構成することにより、運転速度を遅くすることなく、高速運転が可能になる。
上記の各動作及び各集合シュートにおいて想定されている広がり許容時間とは、例えば、各動作における所望の排出サイクル時間(Td1、Td2、Td3)から、各集合シュートに対して予め定められている所定時間である広がり禁止時間Sを減算した時間である。ここで、シングルシフト動作を行う場合に所望の排出サイクル時間Td1=T(理想計量サイクル時間)に設定すれば最高速度での運転が可能になる。同様に、ダブルシフト動作を行う場合に所望の排出サイクル時間Td2=T/2に設定し、トリプルシフト動作を行う場合に所望の排出サイクル時間Td3=T/3に設定すれば最高速度での運転が可能になる。また、図1の構成の場合、例えば、上段集合シュート6A、6Bに対する広がり禁止時間Sは、上段集合ホッパ7a、7bが被計量物を排出するためにゲートを開いている時間であり、下段集合シュート8に対する広がり禁止時間Sは、下段集合ホッパ9が被計量物を排出するためにゲートを開いている時間である。また、後述のように、下段集合ホッパ9を設けない場合には、下段集合シュート8に対する広がり禁止時間Sは、下方の包装機の動作(例えば横シール動作)に支障を与えないような時間に定めればよい。なお、上段及び下段の各集合シュートにおける被計量物の広がり時間については、例えば、この組合せ秤で計量する被計量物を用いて試験(例えば試作機による試験)を行って求めればよい。
そして、上述のように上段及び下段の各集合シュートにおける被計量物の広がり時間が広がり許容時間以下になるとともに、先に排出された被計量物と後から排出された被計量物とが各集合シュート上で混在しないように、各集合シュート等を設計し作製する。
例えば、シングルシフト動作させる構成の場合、図2に示すように、期間taの間(計量ホッパ4のゲートが開き始めてから開状態を経由して閉じられるまでの期間)、計量ホッパ4のゲートが開かれると、期間tbの間、計量ホッパ4から排出された被計量物が上段集合ホッパ7a、7bへ投入される。計量ホッパ4のゲートが開き始めてから、上段集合ホッパ7a、7bに最後に到達する被計量物が上段集合ホッパ7a、7bへ投入されるまでの期間(以下、上段集合シュート移送期間)αが経過したすぐ後の時刻t2において、上段集合ホッパ7a、7bのゲートを開いて被計量物が排出される。本実施の形態では、上段集合シュート移送期間αに要する時間が排出サイクル時間Td1(=Tr)以内となるように、上段集合シュート6A、6Bを構成している。ここで、上段集合シュート移送期間αに要する時間を排出サイクル時間Td1より長くしすぎると、上段集合シュート6A、6B上に計量ホッパ4から2回の排出分の被計量物が存在し、混在する可能性があるので好ましくない(事柄1)。また、上段集合シュート移送期間αに要する時間を排出サイクル時間Td1より短くしても計量能力が上がる事はなく、被計量物の移送速度が速くなり被計量物が損傷しやすくなるだけである(事柄2)。経験則からすれば、上記の事柄1の点に対し、上段集合シュート移送期間αに要する時間を、排出サイクル時間Td1の1.1倍以下の時間にするのが好ましい。さらに、上記の事柄2の点を考慮すれば、上段集合シュート移送期間αに要する時間は、排出サイクル時間Td1の0.9倍から1.1倍までの範囲内の時間にするのが好ましい。したがって、上段集合シュート移送期間αに要する時間が、排出サイクル時間Td1(=Tr)の1.1倍以下となるように、さらには、排出サイクル時間Td1(=Tr)の0.9倍以上となるように、上段集合シュート6A、6Bを構成すればよい。例えば、上段集合シュート6A、6Bのシュート面の傾斜を急にすることにより、上段集合シュート移送期間αに要する時間を短くし、傾斜を緩やかにすることにより、上段集合シュート移送期間αに要する時間を長くすることができる。また、上段集合ホッパ7a、7bからの被計量物の排出期間(上段集合ホッパ7a、7bのゲート開期間)tcは、上段集合ホッパ7a、7bへ被計量物が投入される期間tb以外の期間に設定されるようにしてあればよい。上段集合シュート移送期間αに要する時間が、例えば排出サイクル時間Td1を超え、排出サイクル時間Td1の1.1倍以下の場合、制御部20では、上段集合ホッパ7a、7bのゲートを開き始めるより前に、計量ホッパ4のゲートを開き始めるように制御する。
上段集合シュート6A、6Bにおける被計量物の広がり時間(tb)は、上段集合シュート6A、6B上を滑り落ちる被計量物の移送距離(移送時間)が長くなるほど長くなる。したがって上述のように、上段集合シュート移送期間αに要する時間が、排出サイクル時間Td1の1.1倍以下となるように上段集合シュート6A、6Bを構成することにより、上段集合シュート6A、6Bにおける被計量物の広がり時間(tb)を広がり許容時間(Td1−tc)以下にすることが可能になる。また、計量ホッパ4から先に排出される被計量物とその次に排出される被計量物とが同時に上段集合シュート6A、6B上に存在しないようにすることができ、先の被計量物とその次の被計量物との上段集合シュート6A、6B上における混在を確実に防止することができる。
また、下段集合シュート8についても同様にして構成すればよい。すなわち、上段集合ホッパ7a、7bのゲートが開き始めてから、下段集合ホッパ9に最後に到達する被計量物が下段集合ホッパ9へ投入されるまでの期間(以下、下段集合シュート移送期間)βに要する時間が、排出サイクル時間Td1(=Tr)の1.1倍以下となるように、さらには、排出サイクル時間Td1(=Tr)の0.9倍以上となるように、下段集合シュート8を構成すればよい。また、下段集合ホッパ9からの被計量物の排出期間(下段集合ホッパ9のゲート開期間)teは、下段集合ホッパ9へ被計量物が投入される期間td以外の期間に設定されるようにしてあればよい。
下段集合シュート8における被計量物の広がり時間(td)は、下段集合シュート8上を滑り落ちる被計量物の移送距離(移送時間)が長くなるほど長くなる。したがって上述のように、下段集合シュート移送期間βに要する時間が、排出サイクル時間Td1の1.1倍以下となるように下段集合シュート8を構成することにより、下段集合シュート8における被計量物の広がり時間(td)を広がり許容時間(Td1−te)以下にすることが可能になる。また、上段集合ホッパ7a、7bから先に排出される被計量物とその次に排出される被計量物とが同時に下段集合シュート8上に存在しないようにすることができ、先の被計量物とその次の被計量物との下段集合シュート8上における混在を確実に防止することができる。
以上のように、所望の排出サイクル時間等に基づいて上段集合シュート6A、6B及び下段集合シュート8を構成することにより、上段集合シュート6A、6B及び下段集合シュート8上における先の被計量物とその次の被計量物との混在を確実に防止して、所望の排出サイクル時間Td1(=Tr)での運転が可能になる。
また、同様にして、ダブルシフト動作させる構成の場合には、上段集合シュート移送期間に要する時間が、排出サイクル時間Td2(=Tr/2)の1.1倍以下となるように、さらには、排出サイクル時間Td2(=Tr/2)の0.9倍以上となるように、上段集合シュート6A、6Bを構成し、下段集合シュート移送期間に要する時間が、排出サイクル時間Td2(=Tr/2)の1.1倍以下となるように、さらには、排出サイクル時間Td2(=Tr/2)の0.9倍以上となるように、下段集合シュート8を構成すればよい。また、トリプルシフト動作させる構成の場合には、上段集合シュート移送期間に要する時間が、排出サイクル時間Td3(=Tr/3)の1.1倍以下となるように、さらには、排出サイクル時間Td3(=Tr/3)の0.9倍以上となるように、上段集合シュート6A、6Bを構成し、下段集合シュート移送期間に要する時間が、排出サイクル時間Td3(=Tr/3)の1.1倍以下となるように、さらには、排出サイクル時間Td3(=Tr/3)の0.9倍以上となるように、下段集合シュート8を構成すればよい。
なお、上記では、実計量サイクル時間Trが理想計量サイクル時間Tに等しい場合について説明したが、実計量サイクル時間Trが理想計量サイクル時間Tより長い場合もある。例えば、理想計量サイクル時間Tが850msである場合、シングルシフト動作させる場合の最高計量速度は、60000÷850から、70回/分であり、ダブルシフト動作させる場合の最高計量速度は140回/分であり、トリプルシフト動作させる場合の最高計量速度は210回/分である。最高計量速度での運転(動作)は、実計量サイクル時間Trが理想計量サイクル時間Tに等しい場合である。ここで、例えば、包装機の最高速度が120回/分(包装サイクル時間が500ms)であり、包装機を最高速度で運転しようとすれば、組合せ秤が120回/分の計量速度を実現できればよい。したがって、組合せ秤を、ダブルシフト動作で、排出サイクル時間Td2(=Tr/2)が500msとなるように構成すればよく、この場合、実計量サイクル時間Trは1000msとなる。また、例えば、包装機の最高速度が200回/分(包装サイクル時間が300ms)であり、包装機を最高速度で運転しようとすれば、組合せ秤が200回/分の計量速度を実現できればよい。したがって、組合せ秤を、トリプルシフト動作で、排出サイクル時間Td3(=Tr/3)が300msとなるように構成すればよく、この場合、実計量サイクル時間Trは900msとなる。このように、包装機の最高速度に応じて組合せ秤の計量速度を決め、その計量速度に応じた排出サイクル時間等に基づいて、前述のように集合シュート(6A,6B,8)等を構成することにより、組合せ秤を包装機の最高速度に応じた計量速度で運転し、包装機を最高速度で運転することが可能になる。
図5(a)は、本実施の形態1の組合せ秤及び包装機内における被計量物の落下状態の一例を示す模式図であり、図5(b)は、図13に示す従来の組合せ秤及び包装機内における被計量物の落下状態の一例を示す模式図である。図5(a)、(b)において、破線で示した被計量物S1は、計量ホッパ4内に留まっている被計量物である。
図5(a)に示されるように、本実施の形態1の組合せ秤の下段集合ホッパ9から、例えばポテトチップス等の被計量物(一塊分)が、落下ピッチC1が600mmで次々に落下し、下段集合ホッパ9から排出され包装機内を落下する被計量物の先端から終端までの長さ(以下、被計量物の長さ)P1を200mmとする。この時、連続して落下する被計量物間の隙間W1=C1−P1は400mmとなる。ここで、被計量物の落下速度が例えば1400mm/秒で一定であると仮定とすると、被計量物が落下する時間間隔は600mm÷1400mm/秒=0.43秒であり、組合せ秤の計量速度は60秒÷0.43秒/回=140回/分である。なお、落下ピッチは、ある被計量物の終端(または先端)から次の被計量物の終端(または先端)までの距離である。
包装機で横シールをするためには横シール機55を作動させ、被計量物間の隙間を狙って横シール機55により包材50を挟み込む必要がある。そのため被計量物間の隙間(W1)が200mm程度以上なければ、被計量物を包装袋のシール部分に噛み込む可能性がある。図5(a)の場合、下段集合ホッパ9によって一塊にされた被計量物が排出されるので、被計量物間の隙間が大きくなり、包装機での横シールのタイミングに余裕がある。
また、図5(b)に示されるように、図13に示す従来の組合せ秤の集合ホッパ7から排出される被計量物についても、図5(a)の場合と同様の落下ピッチC1、被計量物の長さP1及び被計量物間の隙間W1を有し、組合せ秤の計量速度は140回/分である。しかしながら、この場合、集合シュート6上で先行の被計量物S3と後続の被計量物S2とが重なりあってしまっている。これは、被計量物の集合シュート6上を滑り落ちる滑落距離が長いほど被計量物の長さが長くなるためである。このように被計量物どうしが重なり合うと、集合ホッパ7のゲートをどのようなタイミングで開閉動作させても、ゲートに被計量物が噛み込む。しかも、1回分の被計量物が明確に区別できないので、包装袋に1回分の被計量物を正しく収納することは難しく、包装袋内の重量は大きな誤差を含むことになり、実用に耐えない。
また、図5(b)において、集合シュート6上での被計量物の長さが図5(b)に示されるほど長くならず、先行の被計量物S3と後続の被計量物S2との隙間が十分空いており、集合ホッパ7のゲートに被計量物が噛み込むことなく集合ホッパ7のゲートの開閉動作を支障なく行える場合には、図5(b)の場合のような集合ホッパ7のゲートでの噛み込みや包装袋内の重量誤差は生じない。しかし、この場合、先行する被計量物が集合ホッパ7で一塊となり、集合ホッパ7から下の包装機へ排出を始めるよりかなり前に、計量ホッパ4から次の被計量物の排出を開始しなければならない。このことは、包装機が全く支障なくノンストップで運転されているときには問題とならないが、包装機の包装フィルムが無くなった時や日付印字用フィルムが無くなった時など、包装機を停止したときに重大な問題を生ずる。この場合、組合せ秤では、集合ホッパ7から被計量物を排出するよりかなり前に計量ホッパ4から次の被計量物を排出しなければならないため、包装機が停止する度に、集合ホッパ7内に2回分の被計量物が溜まってしまうことになり、それが包装機へ排出されると包装袋内の重量に非常に大きな誤差を含むことになる。従って、この場合も事実上、実用にはならない。勿論、組合せ秤の運転速度を低下させ、集合ホッパ7のゲートが開き始めるまで、計量ホッパ4からの排出を待たせることはできるが、包装機の最大能力を発揮できないという重大な問題を生ずる。
一方、本実施の形態の場合には、従来の集合シュート6に比べて、上部開口の直径及び高さ寸法が小さく被計量物の滑落距離(移送距離)が短い複数の上段集合シュート6A、6Bと、各上段集合シュート6A、6Bから排出される被計量物を集合させるための被計量物の滑落距離が短い下段集合シュート8とが設けられるとともに、各集合シュート6A、6B、8の排出口に集合ホッパ7a、7b、9が設けられている。この場合、従来の集合シュート6に対して上段集合シュート6A、6B及び下段集合シュート8のそれぞれにおける被計量物の滑落距離が短いため、従来の集合シュート6の場合に比べて被計量物の長さが短いうちに(被計量物の広がり具合が小さいうちに)それぞれの集合ホッパ7a、7b、9へ被計量物が溜められる。したがって、図5(b)の場合のような、集合ホッパ7のゲートでの噛み込みや包装袋内の大きな重量誤差は生じない。また、先行する被計量物S3が集合ホッパ9で一塊となり、包装機の投入指令信号に基づいて下段集合ホッパ9のゲートを開く時には、次の被計量物S2は、まだ上段集合ホッパ7a、7b内に留まっており、さらにその次の被計量物S1は計量ホッパ4内に留まっている。従って、前述の包装機停止時に2回分の被計量物が集合ホッパに溜まってしまうという問題も解消される。
なお、上段集合ホッパ7a、7bのゲートを開くより少し前に計量ホッパ4のゲートを開くように制御する場合であっても、包装機からの投入指令信号に基づいて計量ホッパ4のゲートを開くようにすることにより、包装機停止時には計量ホッパ4から被計量物が排出されず、前述の包装機停止時に2回分の被計量物が集合ホッパに溜まってしまうという問題を解消できる。
以上のように、例えば図13に示すように全ての計量ホッパ4が1つの円周上に配置された従来の組合せ秤において、所望の計量速度(例えば前述の140回/分)を実現するためには、集合シュート6及び集合ホッパ7上に先行する被計量物が存在する間に次の被計量物を計量ホッパ4から排出しなければならない場合がある。このような場合に、本実施の形態のように、全計量ホッパ4を複数のグループA,Bに分けてそれぞれのグループA,Bを1つの円周上に配置し、それぞれ小さい上段集合シュート6A,6Bを有する複数の計量ユニットW1,W1を設けるとともに、下段集合シュート8を設ける。ここで、上段集合シュート移送期間に要する時間が、所望の計量速度に応じた排出サイクル時間の1.1倍以下となるように、上段集合シュート6A、6Bを構成するとともに、下段集合シュート移送期間に要する時間が、排出サイクル時間の1.1倍以下となるように、下段集合シュート8を構成する。これにより、前述の問題を解消することができる。
また、従来の集合シュート6に比べて、上段集合シュート6A,6Bの上部開口部の直径が小さいことは、上段集合シュート6A,6Bのシュート面の曲率半径が小さく、計量ホッパ4から排出された被計量物の上段集合シュート6A,6B上での水平方向への拡がりが小さくなり、滑落する被計量物の長さを短くし、上段集合シュート移送期間に要する時間を短縮することに寄与している。
また、本実施の形態のように、排出組合せの計量ホッパ4から排出される被計量物がM個(Mは複数であり、図1の構成の場合は2である)の上段集合ホッパ7a、7bに集められることは、従来のように1つの集合ホッパ7(図13)に集められる場合と比べて、上段集合ホッパ7a、7bに集められる被計量物の量が平均的に1/Mとなり、被計量物同士の衝突時や被計量物の集合ホッパの内壁との衝突時における跳ね返り等が減少し、上段集合シュート移送期間に要する時間を短縮することに寄与する。
また、上段集合シュート6A、6B及び下段集合シュート8のそれぞれのシュート上を滑り落ちる被計量物の移送距離が短いためその滑落時の最高速度が低く抑えられ、被計量物同士がぶつかるときの衝撃や、被計量物が集合ホッパ7a、7b、9へ入るときにそれらの集合ホッパの内壁とぶつかるときの衝撃が小さくなり、被計量物の破損を防止することができる。また、被計量物の滑落時の最高速度が低く抑えられることは、被計量物同士の衝突時や被計量物の集合ホッパの内壁との衝突時における跳ね返り等が減少し、上段集合シュート移送期間に要する時間及び下段集合シュート移送期間に要する時間を短縮することにも寄与している。
さらに、本実施の形態では、図13の従来例と比較して、計量ホッパ4の配置ピッチ及び計量ホッパ4の総数が同じであれば、前述のように上段集合シュート6A、6Bのそれぞれの上部開口の直径を約半分に短くできるため、組合せ秤全体の設置面積を約半分に小さくすることができる。
なお、本実施の形態において、上段集合ホッパ7a、7bから下段集合シュート8上へ排出された被計量物の広がり具合が充分小さく、下段集合ホッパ9を設けなくても、下段集合シュート8の下部排出口から排出される被計量物の長さを短くでき、包装機の包装動作に支障を与えない場合には、下段集合ホッパ9を設けなくてもよい。この場合、上段集合ホッパ7a、7bから排出された被計量物は下段集合シュート8を介して包装機の投入口へ排出され、下段集合ホッパ9を設けないことにより構成が簡単になるとともにその制御が不要になる。
また、本実施の形態において、組合せ処理を行う際に、排出組合せに選択される計量ホッパ4が、上段集合シュート6A、6Bのそれぞれに対応するグループA、Bのいずれのグループからも少なくとも1個は必ず選択されるようにする、あるいはグループA、Bの各グループから選択される最大個数を予定選択個数未満の個数に制限することにより、上段集合ホッパ7a、7bの大きさ(容積)を小さくすることができる。例えば、排出組合せに計量ホッパ4が4個選択される場合(予定選択個数が4個の場合)に、グループA、Bのいずれのグループからも少なくとも1個は必ず選択されるようにするという条件、あるいはグループA、Bの各グループから選択される最大個数を3個にするという条件を設けて組合せ演算を行う。上記のような条件を設けない場合には、上段集合ホッパ7a、7bの大きさは、4個の計量ホッパ4から排出される被計量物を収納するための容積が必要であるが、上記のような条件を設けることにより、上段集合シュート6A、6Bのそれぞれに排出される計量ホッパ4の個数は最大で3個となり、3個の計量ホッパ4から排出される被計量物を収納するための容積があればよい。すなわち、上段集合シュート6A、6Bへ排出される排出組合せの計量ホッパ4の被計量物が必ず2つの上段集合シュート6A、6Bへ排出されるように上記排出組合せを求めることにより、上段集合ホッパ7a、7bの大きさを小さくすることができる。
なお、図1では、2つの計量ユニットW1、W2を備えた構成としたが、例えば図6(a)、(b)に示すように、同様の計量ユニットを3つ以上備えた構成としてもよい。
図6(a)、(b)は、それぞれ計量ユニットを3つ備えた場合の組合せ秤の一例を示し、組合せ秤の上段集合シュート及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
図6(a)の場合は、3つの計量ユニットW1〜W3のそれぞれが互いに隣り合うように平面配置された構成である。この場合、計量ユニットW1〜W3のそれぞれの計量ホッパのグループA〜Cは、それぞれの計量ホッパ4の配置形状である円の中心が正三角形の頂点に位置するように配置され、それに合わせて3つの上段集合シュート6A〜6Cは、それぞれの上部開口形状である円の中心が正三角形の頂点に位置するように配置されている。図6(b)の場合は、3つの計量ユニットW1〜W3が直線状に平面配置された構成である。
この図6(a)、(b)のいずれの場合も、図1の計量ユニットW1,W2と同様の構成の3つの計量ユニットW1〜W3が設けられ、3つの計量ユニットW1〜W3の上段集合ホッパ7a〜7cの下方に1つの下段集合シュート8が設けられ、下段集合シュート8の下部の排出口に下段集合ホッパ9が設けられている。なお、上段集合ホッパ7a〜7cは、各計量ユニットW1〜W3の上段集合シュート6A〜6Cの排出口6Ae〜6Ceに設けられている。
制御部20(図1参照)では、3つの計量ユニットW1〜W3の計量ホッパのグループA、B、Cを合わせた計量ホッパ4の中から排出組合せの計量ホッパ4を決定する。
この図6(a)、(b)の構成の場合、排出組合せの計量ホッパ4から排出された被計量物は、上段集合シュート6A〜6Cを滑り落ちて一旦、上段集合ホッパ7a〜7cに貯留された後、排出される。そして上段集合ホッパ7a〜7cから排出された被計量物は下段集合シュート8を滑り落ちて一旦、下段集合ホッパ9に貯留された後、包装機の投入口へ排出される。
図6(a)、(b)の構成の場合、図13の従来例の集合シュート6と比較して、計量ホッパ4の配置ピッチ及び計量ホッパ4の総数が同じであれば、上段集合シュート6A、6B、6Cのそれぞれの上部開口の直径を約1/3に短くできる。そのため、上段集合シュート6A、6B、6C上を移送(滑落)する被計量物の移送距離及び移送時間を短くすることができ、また、組合せ秤全体の設置面積を約1/3に小さくすることができる。また、ここで、集合シュートのシュート面の傾斜角度を同じにした場合には、上段集合シュート6A、6B、6Cの高さ寸法を、図13の集合シュート6の高さ寸法の約1/3にできる。
また、図6(a)の構成の場合、シュート面の傾斜角度を同じにした場合には、下段集合シュート8の高さ寸法を、図13の集合シュート6の高さ寸法の約0.4倍にできる。したがって、下段集合シュート8の高さ寸法と前述の上段集合シュート6A、6B、6Cの高さ寸法とを合わせても、図13の集合シュート6の高さ寸法より短くでき、組合せ秤全体の高さ寸法を短くすることができる。
また、図6(b)の構成の場合、シュート面の傾斜角度を同じにした場合には、下段集合シュート8の高さ寸法を、図13の集合シュート6の高さ寸法の約2/3にできる。この場合、組合せ秤全体の高さ寸法は、図13の従来例と略同じになる。
また、図6(a)、(b)のいずれの構成においても、従来例の集合シュート6と比較して、下段集合シュート8上を移送(滑落)する被計量物の移送時間を短くすることができるが、図6(a)の構成の方が、3つの上段集合ホッパ7a〜7cから、下段集合シュート8の排出口及びそこに設けられた下段集合ホッパ9までの距離を均等に短くできるため、3つの上段集合ホッパ7a〜7cから排出された被計量物の下段集合シュート8上における移送時間をより短縮することが可能である。
図6(a)、(b)のいずれの場合も、図1の場合と同様にして、シングルシフト動作させる構成、ダブルシフト動作させる構成及びトリプルシフト動作させる構成等のそれぞれの場合に応じて、また所望の計量速度に応じた排出サイクル時間等に基づいて、上段及び下段の各集合シュート6A、6B、6C、8を構成すればよい。
また、図6(a)、(b)の場合も、上段集合ホッパ7a〜7cから下段集合シュート8上へ排出された被計量物の広がり具合が充分小さく、下段集合ホッパ9を設けなくても、下段集合シュート8の下部排出口から排出される被計量物の長さを短くでき、包装機の包装動作に支障を与えない場合には、下段集合ホッパ9を設けなくてもよい。
また、図6(a)、(b)の場合も、組合せ処理を行う際に、排出組合せに選択される計量ホッパ4が、上段集合シュート6A、6B、6Cのそれぞれに対応する計量ホッパのグループA、B、Cのうちの2つ以上のグループから少なくとも1個は必ず選択されるようにする、あるいはグループA、B、Cの各グループから選択される最大個数を予定選択個数未満の個数に制限することにより、上段集合ホッパ7a、7b、7cの大きさを小さくすることができる。
また、図6(a)のように、3つの計量ユニットW1〜W3のそれぞれが互いに隣り合うように配置される場合には、計量ホッパ4を図7のように配置するようにしてもよい。
この図7の場合、3つの計量ユニットW1〜W3のそれぞれが隣接する部分及び3つの計量ユニットW1〜W3に囲まれる部分には、計量ホッパ4を配置していない。これは、計量ユニットW1〜W3のそれぞれの計量ホッパのグループA〜Cは、それぞれの計量ホッパ4の配置形状である円の中心が正三角形の頂点に位置するように配置され、かつ、上記正三角形の内部に計量ホッパ4を配置していない構成であるとも言える。この図7では、それぞれの計量ユニットW1〜W3に6個ずつの計量ホッパ4を有し、計量ホッパ4の総数が18個である場合を例示している。この場合、例えば、各計量ユニットW1〜W3に7個ずつの計量ホッパ4を備えるものとして上段集合シュート6A、6B、6Cの大きさを決め、7個の計量ホッパ4が配置される場合の円周上に、3つの計量ユニットW1〜W3のそれぞれが隣接する部分及び3つの計量ユニットW1〜W3に囲まれる部分を除いて、6個の計量ホッパ4を配置すればよい。例えば、7個の計量ホッパ4を配置する場合のピッチと同ピッチで6個の計量ホッパ4を配置すればよい。この場合、上段集合シュート6A、6B、6Cの上部開口の直径は、全周に上記ピッチと等ピッチで6個の計量ホッパ4を配置した場合と比べて若干大きくなる(7/6倍になる)が、3つの計量ユニットW1〜W3のそれぞれが隣接する部分及び3つの計量ユニットW1〜W3に囲まれる部分に、計量ホッパ4及び供給ホッパ3が配置されていないため、清掃や修理等を行う際に計量ホッパ4及び供給ホッパ3の取り外しや取り付けの作業が容易になる。
なお、図7では、3つの計量ユニットW1〜W3のそれぞれが隣接する部分にも計量ホッパ4を配置しないようにしたが、任意の2つの計量ユニットが隣接する部分においては、隣接するいずれか一方のみの計量ユニットの計量ホッパ4が配置されるようにしてもよい。この場合、隣接する計量ユニットの計量ホッパ4同士が隣接しないことにより、清掃や修理等を行う際に計量ホッパ4及び供給ホッパ3の取り外しや取り付けの作業が容易になる。
また、図6(b)の場合には、3つの計量ユニットW1〜W3のそれぞれの計量ユニットが隣接する部分において、隣接する計量ユニットの計量ホッパ4同士が隣接しないようにずらして配置することにより、清掃や修理等を行う際に計量ホッパ4及び供給ホッパ3の取り外しや取り付けの作業が容易になる。このことは、図1の場合も同様である。
なお、本実施の形態においては、各々の計量ユニットに備えられる計量ホッパ4の個数を等しくできる場合には等しくし、等しくできない場合には、その差を最大でも1個にすることが好ましい。すなわち、組合せ秤に備える計量ホッパ4の総数が計量ユニットの個数の整数倍の場合には、各々の計量ユニットに備えられる計量ホッパ4の個数を等しくする。そうでない場合には、各々の計量ユニットに備えられる計量ホッパ4の個数の差の最大を1個にする。例えば、計量ホッパ4の総数が15個で、2つの計量ユニットW1、W2を備える場合には、いずれか一方の計量ユニットW1に8個の計量ホッパ4を備え、他方の計量ユニットW2に7個の計量ホッパ4を備えるように構成する。この場合、まず、計量ホッパ4の個数が多い方の計量ユニットW1において、計量ホッパ4の配置形状である円の直径を決め、それに応じて上段集合シュートの大きさ(上部開口の直径)を決める。そして、計量ホッパ4の個数が少ない方の計量ユニットW2では、計量ユニットW1の上段集合シュートと同じ大きさの上段集合シュートとし、計量ユニットW1における計量ホッパ4の配置形状である円と同じ直径の円周上に、例えば等ピッチで7個の計量ホッパ4を配置するようにすればよい。これにより、全ての計量ユニットW1、W2において、計量ホッパ4から排出され各々の上段集合シュート上を滑り落ちる被計量物の移送距離及び移送時間を等しくできる。
(実施の形態2)
図8(a)は、本発明の実施の形態2の組合せ秤の上段集合シュート及び計量ホッパを上方から視た概略模式図であり、図8(b)は、同組合せ秤の上段、中段及び下段集合シュートを正面から視た概略模式図である。
図8は、計量ユニットを4つ備えた場合の組合せ秤の一例を示し、組合せ秤の上段集合シュート及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
実施の形態1では、上段と下段の2段の集合シュートが設けられていたのに対し、本実施の形態では、上段、中段及び下段の3段の集合シュートが設けられている。
この組合せ秤は、図1の計量ユニットW1,W2と同じ構成の4つの計量ユニットW1〜W4と、2組の中段集合シュート10a、10b及び中段集合ホッパ11a、11bと、下段集合シュート8及び下段集合ホッパ9と、制御部20とを備えている。
4つの計量ユニットW1〜W4のそれぞれの計量ホッパのグループA〜Dは、それぞれの計量ホッパ4の配置形状である円の中心が正方形の頂点に位置するように配置され、それに合わせて4つの上段集合シュート6A〜6Dは、それぞれの上部開口形状である円の中心が正方形の頂点に位置するように配置されている。
2つの計量ユニットW1、W2の上段集合ホッパ7a、7bの下方には1つの中段集合シュート10aが配設され、中段集合シュート10aの下部の排出口には中段集合ホッパ11aが配設されている。同様に、2つの計量ユニットW3、W4の上段集合ホッパ7c、7dの下方には1つの中段集合シュート10bが配設され、中段集合シュート10bの下部の排出口には中段集合ホッパ11bが配設されている。さらに、2つの中段集合ホッパ11a、11bの下方には1つの下段集合シュート8が配設され、下段集合シュート8の排出口には下段集合ホッパ9が配設されている。なお、上段集合ホッパ7a〜7dは、各計量ユニットW1〜W4の上段集合シュート6A〜6Dの排出口6Ae〜6Deに設けられている。
計量ホッパ4と上段集合シュート6A〜6Dとの具体的な位置関係及び計量ホッパ4のゲート構成については、実施の形態1で説明した図4(a)の構成と同様である。また、上段集合ホッパ7a、7bと中段集合シュート10aとの位置関係及び上段集合ホッパ7a、7bのゲート構成についても、上段集合ホッパ7c、7dと中段集合シュート10bとの位置関係及び上段集合ホッパ7c、7dのゲート構成についても、中段集合ホッパ11a、11bと下段集合シュート8との位置関係及び中段集合ホッパ11a、11bのゲート構成についても、実施の形態1で説明した図4(b)に示す上段集合ホッパ7a、7bと下段集合シュート8との位置関係及び上段集合ホッパ7a、7bのゲート構成の場合と同様である。
上記以外の構成は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。また、計量ユニットW1〜W4に備えられている分散フィーダ1、リニアフィーダ2及び供給ホッパ3(図1参照)の動作も実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。また、実施の形態1と同様、全ての計量ユニットW1〜W4の分散フィーダ1(図1参照)には、同じ種類の被計量物が供給され、この組合せ秤に備えられている全ての計量ホッパ4には、同じ種類の被計量物が供給される。
また、制御部20は、組合せ秤全体の動作を制御するとともに、実施の形態1の場合と同様、全てのグループA〜Dの計量ホッパ4の中から被計量物を排出すべき計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)を1つ求める組合せ処理を行う。
この構成の場合、排出組合せの計量ホッパ4から排出された被計量物は、上段集合シュート6A〜6Dを滑り落ちて一旦、上段集合ホッパ7a〜7dに貯留された後、上段集合ホッパ7a〜7dから排出される。そして上段集合ホッパ7a、7bから排出された被計量物は中段集合シュート10aを滑り落ちて中段集合ホッパ11aによって一旦貯留される。同様に上段集合ホッパ7c、7dから排出された被計量物は中段集合シュート10bを滑り落ちて中段集合ホッパ11bによって一旦貯留される。そして、中段集合ホッパ11a、11bから排出された被計量物は下段集合シュート8を滑り落ちて一旦、下段集合ホッパ9に貯留された後、下段集合ホッパ9から例えば図14に示す包装機の投入口へ排出される。
図9は、本実施の形態の組合せ秤をトリプルシフト動作させるように構成した場合の集合ホッパ及び計量ホッパのゲートの開閉動作と包装機の横シール機の動作の一例を示すタイミングチャートである。この図9の例では、実計量サイクル時間Trが理想計量サイクル時間Tに等しい場合、すなわち組合せ秤が最高速度で運転されている場合が示されており、計量ホッパ4による排出サイクル時間Td3は、実計量サイクル時間Tr(=T)の1/3の時間であり、包装サイクル時間Tp3に等しい。
トリプルシフト動作させる場合には、例えば、各計量ユニットW1〜W4のグループA〜Dの計量ホッパ4の個数を5個ずつにし、計量ホッパ4の全個数を20個とし、組合せ処理による予定選択個数を5個とすることにより、良好な計量精度が得られる。
このトリプルシフト動作では、Tr/3時間ごとに組合せ処理が行われるとともに、その組合せ処理で選択された排出組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出が行われる。したがって、Tr/3時間ごとに組合せ処理が繰り返されて順次決定される排出組合せの計量ホッパ4から被計量物が上段集合シュート6A〜6Dへ排出される。また、それに対応して、Tr/3時間ごとに全ての上段集合ホッパ7a〜7dから同時に被計量物の排出が行われるとともに、Tr/3時間ごとに全ての中段集合ホッパ11a、11bから同時に被計量物の排出が行われ、同様にTr/3時間ごとに下段集合ホッパ9から被計量物の排出が行われる。これにより、Tr/3時間ごとに、包装機へ被計量物が投入される。
この組合せ秤が連続して運転されているとき、制御部20は、例えば包装機から投入指令信号が入力されると、その投入指令信号に応答して下段集合ホッパ9のゲートを開いて被計量物を包装機へ排出させる(時刻t21、t22、t23、・・・)。
この図9の場合、例えば時刻t21でゲートが開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、上段集合ホッパ7a〜7dに集められて時刻t22まで保持され、時刻t22で上段集合ホッパ7a〜7dのゲートが開いて上段集合ホッパ7a〜7dから排出された被計量物は、中段集合ホッパ11a、11bに集められて時刻t23まで保持され、時刻t23で中段集合ホッパ11a、11bのゲートが開いて中段集合ホッパ11a、11bから排出された被計量物は、下段集合ホッパ9に集められて時刻t24まで保持され、時刻t24で下段集合ホッパ9のゲートが開いて包装機の投入口へ排出される。時刻t24で下段集合ホッパ9のゲートが開いて排出された被計量物は、包装機の横シール機55による横シールが行われる時刻t24aまでに包装袋へ投入され、時刻t24aでその包装袋の上端となる部分をシールする横シールが開始される。
以上のようにトリプルシフト動作させることにより、Tr/3時間ごとに包装機への排出が行われ、シングルシフト動作の場合の3倍の速度での高速排出が可能となり、高速に動作する包装機に対応できる。
また、本実施の形態の組合せ秤を次に述べるフォースシフト動作を行うように構成してもよい。ここで、フォースシフト動作とは、排出サイクル時間が実計量サイクル時間の1/4である動作のことである。すなわち、計量ホッパ4による排出サイクル時間(Td4)は、実計量サイクル時間Trの1/4の時間である。また、ここでも、実計量サイクル時間Trが理想計量サイクル時間Tと等しいものとする。
フォースシフト動作させる場合には、例えば、2つのグループA、Dの計量ホッパ4の個数を5個ずつにし、2つのグループB、Cの計量ホッパ4の個数を6個ずつにし、計量ホッパ4の全個数を22個とし、組合せ処理による予定選択個数を4個とすることにより、良好な計量精度が得られる。
このフォースシフト動作では、Tr/4時間ごとに組合せ処理が行われるとともに、その組合せ処理で選択された排出組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出が行われる。したがって、Tr/4時間ごとに組合せ処理が繰り返されて順次決定される排出組合せの計量ホッパ4から被計量物が上段集合シュート6A〜6Dへ排出される。また、それに対応して、Tr/4時間ごとに全ての上段集合ホッパ7a〜7dから同時に被計量物の排出が行われるとともに、Tr/4時間ごとに全ての中段集合ホッパ11a、11bから同時に被計量物の排出が行われ、同様にTr/4時間ごとに下段集合ホッパ9から被計量物の排出が行われる。これにより、Tr/4時間ごとに、包装機へ被計量物が投入される。
以上のようにフォースシフト動作させることにより、Tr/4時間ごとに包装機への排出が行われ、シングルシフト動作の場合の4倍の速度での高速排出が可能となり、高速に動作する包装機に対応できる。
なお、前述の例(図9等)では、下段集合ホッパ9と中段集合ホッパ11a、11bと上段集合ホッパ7a〜7dと計量ホッパ4とのそれぞれのゲートの開動作のタイミングを同じにしているが、それぞれ異なるようにしてもよい。例えば、制御部20では、包装機からの投入指令信号を入力した時刻から、所定時間D11(≧0)後に下段集合ホッパ9のゲートを開く動作を開始させ、上記投入指令信号を入力した時刻から、所定時間D12(≧0)後に中段集合ホッパ11a、11bのゲートを開く動作を開始させ、上記投入指令信号を入力した時刻から、所定時間D13(≧0)後に上段集合ホッパ7a〜7dのゲートを開く動作を開始させ、上記投入指令信号を入力した時刻から、所定時間D14(≧0)後に計量ホッパ4のゲートを開く動作を開始させるように制御し、D11、D12、D13、D14を任意に設定することで、各ホッパ4、7a〜7d、9、11a、11bのゲートを開くタイミングを任意に設定することができる。
また、制御部20が、上段集合ホッパ7a、7bのゲートを開閉するタイミングをそれぞれ個別に制御するようにし、2つの上段集合ホッパ7a、7bに対し被計量物の排出を開始させるタイミングを少しだけずらすようにしてもよい。これにより、2つの上段集合ホッパ7a、7bから排出された被計量物同士の衝突を少なくし、被計量物の損傷を防止できる。同様に、制御部20が、上段集合ホッパ7c、7dのゲートを開閉するタイミングをそれぞれ個別に制御するようにし、2つの上段集合ホッパ7c、7dに対し被計量物の排出を開始させるタイミングを少しだけずらすようにしてもよい。これにより、2つの上段集合ホッパ7c、7dから排出された被計量物同士の衝突を少なくし、被計量物の損傷を防止できる。また、制御部20が、中段集合ホッパ11a、11bのゲートを開閉するタイミングをそれぞれ個別に制御するようにし、2つの中段集合ホッパ11a、11bに対し被計量物の排出を開始させるタイミングを少しだけずらすようにしてもよい。これにより、2つの中段集合ホッパ11a、11bから排出された被計量物同士の衝突を少なくし、被計量物の損傷を防止できる。
この図8の構成において、各々の計量ユニットに備えられる計量ホッパ4の個数が等しい場合、図13の従来例と比較して、計量ホッパ4の配置ピッチ及び計量ホッパ4の総数が同じであれば、上段集合シュート6A、6B、6C、6Dのそれぞれの上部開口の直径を約1/4に短くでき、組合せ秤全体の設置面積を約1/4に小さくすることができる。また、集合シュートのシュート面の傾斜角度を同じにした場合には、上段集合シュート6A、6B、6C、6Dの高さ寸法は図13の集合シュート6の高さ寸法の約1/4に短くできる。ここで、計量ホッパ4及び供給ホッパ3の取り外しや取り付けの作業を容易にするために、4つの計量ユニットW1〜W4に囲まれる部分に計量ホッパ4を配置しないように構成した場合には、上段集合シュート6A〜6Dの上部開口の直径は、全周に計量ホッパ4を配置した場合と比べて若干大きくなる(4/3倍になる)。この場合、任意の2つの計量ユニットが隣接する部分においては、隣接するいずれか一方のみの計量ユニットの計量ホッパ4が配置されるようにしてもよい。
なお、実施の形態1でも述べたように各々の計量ユニットに備えられる計量ホッパ4の個数を等しくできる場合には等しくするが、等しくできない場合には、その差を最大でも1個にすることが好ましい。本実施の形態において例示したように、2つのグループA、Dの計量ホッパ4の個数を5個ずつにし、2つのグループB、Cの計量ホッパ4の個数を6個ずつにするように、各々の計量ユニットに備えられる計量ホッパ4の個数が異なる場合には、まず、計量ホッパ4の個数の多いグループB、Cを有する計量ユニットW2、W3において、計量ホッパ4の配置形状である円の直径を決め、それに応じて上段集合シュート6B、6Cの大きさ(上部開口の直径)を決める。そして、計量ホッパ4の個数が少ないグループA、Dを有する計量ユニットW1、W4では、計量ユニットW2、W3の上段集合シュート6B、6Cと同じ大きさの上段集合シュート6A、6Dとし、計量ユニットW2、W3における計量ホッパ4の配置形状である円と同じ直径の円周上に、例えば等ピッチで5個の計量ホッパ4を配置するようにすればよい。これにより、全ての計量ユニットW1〜W4において、計量ホッパ4から排出され各々の上段集合シュート6A〜6D上を滑り落ちる被計量物の移送距離及び移送時間を等しくできる。
本実施の形態2では、実施の形態1の場合と同様、組合せ秤に備える計量ホッパ4を複数の計量ユニットW1〜W4に分けて配設することにより、計量ホッパ4の配置ピッチ及び計量ホッパ4の総数(全個数)が同じであれば、上段集合シュート6A〜6Dのそれぞれの上部開口の直径及び高さ寸法を、図13の従来例における集合シュート6と比べて短くできる。このように、上段集合シュート6A〜6Dを小さくすることができるため、上段集合シュート6A〜6D上を移送(滑落)する被計量物の移送距離及び移送時間を短くすることができ、計量ホッパ4から排出された被計量物の広がり具合が小さいうちに上段集合ホッパ7a〜7dに被計量物を集めて一塊に密集させた状態で貯留することができる。そのため、集合シュートにおける被計量物の広がり時間が長くなりやすい性状の被計量物であっても、また計量ホッパ4の総数の多い場合や、計量ホッパ4の容量が大きく計量ホッパ4の配置ピッチを長くしなければならない場合であっても、上段集合シュート6A〜6Dにおける被計量物の広がり時間を短くすることが可能である。
また、中段集合シュート10a、10b及び下段集合シュート8については、実施の形態1の場合の下段集合シュート8と同様、それぞれの上方の集合ホッパ7a〜7d及び11a、11bから一塊になった状態で被計量物が排出され、中段集合シュート10a、10b及び下段集合シュート8を小さくすることにより、各集合シュート10a、10b、8上を移送(滑落)する被計量物の移送距離及び移送時間を短くすることができ、集合シュートにおける被計量物の広がり時間が長くなりやすい性状の被計量物であっても、また計量ホッパ4の総数の多い場合や、計量ホッパ4の容量が大きく計量ホッパ4の配置ピッチを長くしなければならない場合であっても、中段集合シュート10a、10b及び下段集合シュート8における被計量物の広がり時間を短くすることが可能である。さらに、下段集合ホッパ9を設けているため、一塊になった状態で被計量物を包装機へ排出することができる。
以上のように、被計量物の性状や計量ホッパ4の総数の多さ等にかかわらず、上段、中段及び下段の各集合シュートにおける被計量物の広がり時間を短くすることができ、高速運転が可能になる。
ここで、前述のトリプルシフト動作あるいはフォースシフト動作等の各動作を行う場合の構成において、上段、中段及び下段の各集合シュートにおける被計量物の広がり時間を、各動作及び各集合シュートにおいて想定されている一定時間(広がり許容時間)以下に抑えるように構成することにより、運転速度を遅くすることなく、高速運転が可能になる。
上記の各動作及び各集合シュートにおいて想定されている広がり許容時間は、例えば、各動作における所望の排出サイクル時間(Td3、Td4)から、各集合シュートに対する広がり禁止時間Sを減算した時間である。ここで、トリプルシフト動作を行う場合に所望の排出サイクル時間Td3=T/3(Tは理想計量サイクル時間)に設定すれば最高速度での運転が可能になる。同様に、フォースシフト動作を行う場合に所望の排出サイクル時間Td4=T/4に設定すれば最高速度での運転が可能になる。また、図8の構成の場合、例えば、上段集合シュート6A〜6Dに対する広がり禁止時間Sは、上段集合ホッパ7a〜7dが被計量物を排出するためにゲートを開いている時間であり、中段集合シュート10a、10bに対する広がり禁止時間Sは、中段集合ホッパ11a、11bが被計量物を排出するためにゲートを開いている時間であり、下段集合シュート8に対する広がり禁止時間Sは、下段集合ホッパ9が被計量物を排出するためにゲートを開いている時間である。また、後述のように、下段集合ホッパ9を設けない場合には、下段集合シュート8に対する広がり禁止時間Sは、下方の包装機の動作(例えば横シール動作)に支障を与えないような時間に定めればよい。なお、上段、中段及び下段の各集合シュートにおける被計量物の広がり時間については、例えば、この組合せ秤で計量する被計量物を用いて試験(例えば試作機による試験)を行って求めればよい。
そして、上述のように上段、中段及び下段の各集合シュートにおける被計量物の広がり時間が広がり許容時間以下になるとともに、先に排出された被計量物と後から排出された被計量物とが各集合シュート上で混在しないように、各集合シュート等を設計し作製する。
したがって、実施の形態1において、所望の排出サイクル時間等に基づいて上段集合シュート6A、6B及び下段集合シュート8を構成したのと同様にして、本実施の形態における上段集合シュート6A〜6D、中段集合シュート10a、10b及び下段集合シュート8を構成すればよい。
なお、上記では、実計量サイクル時間Trが理想計量サイクル時間Tに等しい場合について説明したが、実施の形態1でも述べたように、包装機の最高速度に応じて組合せ秤の計量速度を決めることにより、実計量サイクル時間Trが理想計量サイクル時間Tより長くなるように構成する場合もある。包装機の最高速度に応じて組合せ秤の計量速度を決め、その計量速度に応じた排出サイクル時間等に基づいて、上段、中段及び下段の各集合シュート(6A〜6D、10a、10b、8)等を構成することにより、組合せ秤を包装機の最高速度に応じた計量速度で運転し、包装機を最高速度で運転することが可能になる。
また、上段集合シュート6A〜6D、中段集合シュート10a、10b及び下段集合シュート8のそれぞれのシュート上を滑り落ちる被計量物の移送距離が短いためその滑落時の最高速度が低く抑えられ、被計量物同士がぶつかるときの衝撃や、被計量物が集合ホッパ7a〜7d、11a、11b、9へ入るときにそれらの集合ホッパの内壁とぶつかるときの衝撃が小さくなり、被計量物の破損を防止することができる。
なお、実施の形態2においても、実施の形態1の場合と同様、組合せ処理を行う際に、排出組合せに選択される計量ホッパ4が、複数の計量ホッパ4のグループA〜Dのうちの2つ以上のグループから少なくとも1個は必ず選択されるようにする、あるいはグループA〜Dの各グループから選択される最大個数を予定選択個数未満の個数に制限することにより、上段集合ホッパ7a〜7dの大きさを小さくすることができる。同様に、排出組合せに選択される計量ホッパ4が、グループAとBからなる第1グループ群と、グループCとDからなる第2グループ群との両方のグループ群から少なくとも1個は必ず選択されるようにする、あるいは2つの各グループ群から選択される最大個数を予定選択個数未満の個数に制限することにより、中段集合ホッパ11a、11bの大きさを小さくすることができる。
また、本実施の形態において、下段集合シュート8上での被計量物の広がり具合が小さく、下段集合ホッパ9を設けなくても、下段集合シュート8の下部排出口から排出される被計量物の長さを短くでき、包装機の包装動作に支障を与えない場合には、下段集合ホッパ9を設けなくてもよい。この場合、中段集合ホッパ11a、11bから排出された被計量物は下段集合シュート8を介して包装機の投入口へ排出され、下段集合ホッパ9を設けないことにより構成が簡単になるとともにその制御が不要になる。
また、中段集合ホッパ11a、11bから直接、包装機の1つの投入口へ被計量物を投入できる場合には、下段集合シュート8及び下段集合ホッパ9を設けなくてもよい。例えば、包装機の投入口の上部が広がっており、その開口径が大きい場合には、2つの中段集合ホッパ11a、11bが包装機の投入口に近づくように中段集合シュート10a、10bを構成し、中段集合ホッパ11a、11bから排出される被計量物を直接、包装機の投入口へ投入するようにしてもよい。この場合、下段集合シュート8及び下段集合ホッパ9を設けないことにより構成が簡単になるとともに、前述の下段集合ホッパ9を設けない場合と同様、下段集合ホッパ9の制御が不要になる。この場合、2つの中段集合シュート10a、10bが下段集合シュートになり、中段集合ホッパ11a、11bが下段集合ホッパになっているとも言える。
また、実施の形態1において、3つの計量ユニットW1〜W3を直線状に配置した場合(図6(b))と同様、4つの計量ユニットW1〜W4を直線状に配置した構成にすることも可能である。
また、実施の形態1のように、全ての計量ユニットW1〜W4の上段集合ホッパ7a〜7dから排出される被計量物を1つの下段集合シュート及び下段集合ホッパで受けて、包装機の投入口へ排出するように構成することも可能である(例えば、図6(a)参照)。
なお、実施の形態1では、上段及び下段の2段の集合シュートを有する構成について述べ、実施の形態2では、上段、中段及び下段の3段の集合シュートを有する構成について述べたが、同様にして集合シュートを4段以上有する構成としてもよい。集合シュートの段数については、計量ユニットの個数及び配置等を勘案して決めればよい。また、計量ユニットの個数については、被計量物の性状や計量ホッパ4の総数等を勘案して決めればよい。例えば、集合シュートにおける被計量物の広がり時間がより長くなりやすい性状の被計量物を用いる場合や、例えば計量ホッパ4の総数がより多くなり、全ての計量ホッパ4を1つの円状に配置した場合にその円の直径がより大きくなる場合ほど、計量ユニットの個数を多くすればよい。
いずれの場合も、計量ユニットを構成する上段集合シュートよりも下方の集合シュートは、前述した図1の下段集合シュート8のように、その上方に配置された集合ホッパから排出される被計量物を下部の排出口へ集めればよいので、樋状の部材を用いた簡単な構成にすることができる。
次に、以上に述べた各実施の形態に用いられる計量ユニットの変形例について説明する。
図10は、図1における計量ユニットW1、W2の変形例の組合せ秤の一例を示し、組合せ秤の上段集合シュート及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
この図10の場合、図1において、2つの計量ユニットW1、W2が隣り合う部分に計量ホッパ4を配置しない構成であり、計量ユニットW1、W2はそれぞれ円弧状(C字形)に列設された計量ホッパ4からなるグループA、Bを有するように構成されている。この場合、計量ホッパ4の2つのグループA、Bは、それぞれ異なる2つの仮想円の円周の内側に沿って配置された複数の計量ホッパ4からなるグループであって、上記2つの仮想円同士の一部が重なり、その重なり部分に対応する互いの仮想円の円弧に沿う部分には、計量ホッパ4を配置しないように構成されたグループであると言える。
また、この図10の場合、図1の2つのセンター基体15を連結して1つのセンター基体15Aとして構成することができる。また、それぞれの計量ユニットW1、W2の供給ホッパ3(図1参照)も、計量ホッパ4と対応して円弧状(C字形)に列設されている。なお、センター基体15A上には、図1に示される2つの分散フィーダ1及び複数のリニアフィーダ2が配設される。ここで、リニアフィーダ2は供給ホッパ3の配置に合わせて配設し、各分散フィーダ1は、配設されているリニアフィーダ2へ被計量物を供給できるように構成すればよい。
この図10の場合、2つの計量ユニットW1、W2が隣接する部分に計量ホッパ4及び供給ホッパ3が配置されていないため、清掃や修理等を行う際に計量ホッパ4及び供給ホッパ3の取り外しや取り付けの作業が容易になる。しかしながら、一定個数の計量ホッパ4を一定間隔で配置した場合、上記の2つの仮想円の重なり部分が大きくなるほど、仮想円の直径を大きくしなければならない。図1のように、重なり部分がない2つの仮想円の円周の内側に沿って計量ホッパ4が配置された場合の2つの仮想円の直径は、図13に示される従来例のように全ての計量ホッパ4が1つの仮想円(以下、「従来仮想円」という)の円周の内側に沿って計量ホッパ4が配置された場合の従来仮想円の直径の1/2に縮小することができ、上段集合シュートを小さくすることができる。この直径の縮小効果を考慮し、この縮小効果を少なくとも50パーセント得る(2つの仮想円の直径を従来仮想円の直径の3/4以下にする)ために、上記の2つの仮想円の重なり部分に対応する互いの円弧の中心角が120度以下となるようにすることが好ましい。これは、2つの仮想円の直径が等しい場合であり、2つの仮想円の直径が従来仮想円の直径の3/4のときに上記の円弧の中心角が120度である。
また、図6(a)、(b)のそれぞれの場合にも、同様にして、3つの計量ユニットW1、W2、W3のそれぞれが隣り合う部分に計量ホッパ4を配置しない構成とすることができる。この場合、3つのセンター基体15(図1参照)を連結して1つのセンター基体とすることができる。同様に、図8の場合においても、4つの計量ユニットW1、W2、W3、W4のそれぞれが隣り合う部分に計量ホッパ4を配置しない構成とすることができる。この場合、4つのセンター基体15(図1参照)を連結して1つのセンター基体とすることができる。また、図8の場合、例えば、2つの計量ユニットW1、W2と、2つの計量ユニットW3、W4とを、それぞれ図10のように構成してもよい。
なお、上記の実施の形態1、2で用いた図面では、隣接する計量ユニットの間に隙間を有するようにして図示しているが、計量ユニット同士の隙間を無くして配置(上段集合シュート間の隙間を無くして配置)した方が、隣接する計量ユニットの上段集合ホッパ間の距離が短くなり、計量ユニットの下方に配置される集合シュート(例えば、図1、図6(a)、図6(b)、図7、図10の下段集合シュート8や、図11の下段集合シュート8a、8b、図8の中段集合シュート10a、10b及び下段集合シュート8等)を小さくすることができ、これらの集合シュート上を滑り落ちる被計量物の移送距離及び移送時間の短縮を図れる上で好ましい。一方、隣接する計量ユニット同士の間に少し隙間を設けておいた方が、上段集合シュートの洗浄等を行う際に上段集合シュートを取り外したり取り付けたりする作業が行いやすい。
なお、上記の実施の形態1、2では、各計量ユニットにおける計量ホッパ4の列設形状が円形である、あるいは、計量ホッパ4が仮想円の円周に沿って配置されているとしたが、種々変更することもできる。各計量ユニットにおいて、計量ホッパ4が、例えば、円形だけでなく楕円や、矩形、長方形等の凸多角形を含めた環状に計量ホッパ4が列設されていてもよい。そして、計量ホッパ4の列設形状に対応して、供給ホッパ3、リニアフィーダ2及び上段の集合シュート等が配設されていればよい。しかしながら、実施の形態1、2のように計量ホッパ4を円周上に配置した方が、各計量ホッパ4から排出された被計量物の上段集合シュート上における移送距離を等しくでき、上段集合シュートにおける被計量物の広がり時間を短くできるので好ましい。
また、上記の実施の形態1、2では、組合せ秤から排出される被計量物が1つの包装機の投入口へ投入されるように構成しているが、組合せ秤の下方に、例えば2台の包装機あるいは被計量物の投入口を2つ有するツイン型の包装機を配置し、組合せ秤から排出される被計量物が2つの包装機の投入口(第1、第2の包装機投入口)へ交互に投入されるように構成してもよい。この場合の構成について、図11を用いて説明する。
図11は、組合せ秤から排出される被計量物を2つの包装機投入口へ交互に投入するように構成した場合の下段の集合シュートの構成を示す平面図である。
例えば、集合シュートが2段に設けられている図1の構成において、2つの上段集合ホッパ7a、7bの下方に設けられている1つの下段集合シュート8及び集合ホッパ9に代えて、図11に示すように、それぞれの排出口8ae、8beに集合ホッパ9a、9bが設けられた2つの下段集合シュート8a、8bを配設するととともに、上段集合ホッパ7a、7bを、2つの下段集合シュート8a、8bへ選択的に被計量物を排出可能な構成にする。一方の下段集合ホッパ9aから排出される被計量物は第1の包装機投入口へ投入され、他方の下段集合ホッパ9bから排出される被計量物は第2の包装機投入口へ投入される。この場合、制御部20は、計量ホッパ4から被計量物が排出されるたびに、上段集合ホッパ7a、7bから2つの下段集合シュート8a、8bへ交互に被計量物が排出され、かつ同時には同じ下段集合シュートへ排出されるように、上段集合ホッパ7a、7bを制御する。この場合、上段集合ホッパ7a、7bから2つの下段集合シュート8a、8bへ交互に被計量物が排出されることに対応して、2つの下段集合ホッパ9a、9bの排出動作は交互に行われる。
この場合も、2つの下段集合シュート8a、8bの各々は、上段集合ホッパ7a、7bから排出される被計量物を下部排出口の下段集合ホッパ(9a、9b)へ集めればよいので、樋状の部材を用いて簡単に構成することができる。例えば、下段集合シュート8aは、上段集合ホッパ7aから排出される被計量物を下段集合ホッパ9aへ導くための第1の樋状部材と、上段集合ホッパ7bから排出される被計量物を下段集合ホッパ9aへ導くための第2の樋状部材とを用いて構成することができる。下段集合シュート8bについても同様にして構成できる。
また、図6(b)のように3つの計量ユニットが直線状に配列されている場合も同様にして、被計量物を2つの包装機投入口へ投入するように構成することができる。なお、図6(a)の場合には、下段集合シュートの構成が少し複雑にはなるが、2つの排出経路を構成するように2つの下段集合シュートを配設することで、同様に2つの包装機投入口へ投入するように構成することができる。
また、図8のように集合シュートが3段以上設けられている場合も、2つの排出経路を設けるようにして被計量物を2つの包装機投入口へ投入するように構成することができる。すなわち、集合シュートがm段(mは3以上)設けられている場合、第1段(最上段)から第m段(最下段)までの集合シュートのうちの第k段(kは1からm−1までのいずれかの値)の集合シュートの排出口に設けられた全ての第k段の集合ホッパを2つの方向へ選択的に被計量物を排出可能なように構成するとともに、第k段の集合ホッパから2つの方向へ交互に排出された被計量物が2つの包装機投入口へ交互に導かれる経路となるように、第k+1段から第m段までの集合シュート及び集合ホッパを2組ずつ設ければよい。
また、集合シュートが2段設けられている場合も3段以上設けられている場合も、2つの包装機投入口が接近している場合には、上述のような構成(例えば図11のような構成)とすることなく、最下段の集合ホッパを2つの方向(2つの包装機投入口)へ選択的に被計量物を排出可能なように構成するとともに、制御部20が、最下段の集合ホッパから2つの包装機投入口へ交互に被計量物が排出されるように最下段の集合ホッパを制御するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態1、2では、供給されている被計量物の重量値が組合せ演算に用いられるホッパ(組合せ演算に参加させるホッパ)である組合せ用ホッパとして、計量ホッパ4のみを用いた例を示したが、このような組合せ用ホッパに限られるものではない。図12(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ他の例の組合せ用ホッパ等のホッパを模式的に示す図である。図12(a)〜(d)における集合シュート6Xは、上記の各実施の形態で述べた上段集合シュート(6A〜6D)に相当する。
例えば、図12(a)に示すように、各計量ホッパ4の斜め下方にメモリホッパ5を設けて組合せ演算に参加させてもよい。この場合、計量ホッパ4は集合シュート6Xとメモリホッパ5へ選択的に被計量物を排出可能な構成である。メモリホッパ5は空になると計量ホッパ4から被計量物が投入される。制御部20による組合せ処理により複数の計量ホッパ4およびメモリホッパ5の中から被計量物を排出すべきホッパの組合せ(排出組合せ)が求められ、その排出組合せに該当するホッパから被計量物が集合シュート6X上へ排出される。組合せ処理における組合せ演算で用いられるメモリホッパ5内の被計量物の重量は、その上方の計量ホッパ4において計量されたときの重量が用いられる。
また、図12(b)に示すように、各メモリホッパ5を2つの収容室5a、5bを有するものとしてもよい。この場合、計量ホッパ4はメモリホッパ5の収容室5aと収容室5bへ選択的に被計量物を排出可能な構成であり、計量ホッパ4から集合シュート6X上へは排出されない。メモリホッパ5の2つの収容室5a、5bはそれぞれ別々に被計量物を排出可能な構成である。組合せ演算は、例えば、各メモリホッパ5の収容室5a、5b内の被計量物の重量を用いて行われ、各収容室5a、5bが組合せ演算に参加し、計量ホッパ4は組合せ演算に参加しない。各収容室5a、5b内の被計量物の重量は、その上方の計量ホッパ4において計量されたときの重量が用いられる。なお、各計量ホッパ4と、それと対応するメモリホッパ5のいずれかの収容室5a、5bとが同時に選択される組合せのみ有効として、計量ホッパ4を組合せ演算に参加させることもできる。例えば、対応する計量ホッパ4とメモリホッパ5の収容室5aとが同時に選択された場合、計量ホッパ4の被計量物は収容室5aを通過して集合シュート6X上へ排出される。
また、図12(c)に示すように、各計量ホッパ4を2つの計量室4a、4bを有するものとしてもよい。この場合、供給ホッパ3は計量ホッパ4の計量室4aと計量室4bへ選択的に被計量物を排出可能な構成であり、計量ホッパ4の2つの計量室4a、4bはそれぞれ別々に被計量物を排出可能な構成である。組合せ演算は、各計量ホッパ4の計量室4a、4b内の被計量物の重量を用いて行われ、各計量室4a、4bが組合せ演算に参加する。2つの計量室4a、4bを有する各計量ホッパ4では、一方の計量室例えば計量室4aのみに被計量物が供給されているときに、計量室4a内の被計量物の重量は重量センサ41により計量される。さらに他方の計量室4bに被計量物が供給されると、2つの計量室4a、4b内の被計量物の合計重量が重量センサ41により計量される。制御部20では、この2つの計量室4a、4b内の被計量物の合計重量から計量室4a内の被計量物の重量を減算することで、計量室4b内の被計量物の重量を算出し、組合せ演算を行う。
また、図12(d)に示すように、各計量ホッパ4を2つの計量室4a、4bを有するものとし、さらに各計量ホッパ4の下方に、計量ホッパ4の計量室4a、4bと対応する2つの収容室5a、5bを有するメモリホッパ5を設けてもよい。この場合、供給ホッパ3は計量ホッパ4の計量室4aと計量室4bへ選択的に被計量物を排出可能な構成である。計量ホッパ4の計量室4aの被計量物はメモリホッパ5の収容室5aへ送出され、計量ホッパ4の計量室4bの被計量物はメモリホッパ5の収容室5bへ送出される。組合せ演算は、例えば、各メモリホッパ5の収容室5a、5b内の被計量物の重量を用いて行われ、各収容室5a、5bが組合せ演算に参加し、計量ホッパ4は組合せ演算に参加しない。各収容室5a、5b内の被計量物の重量は、その上方の計量ホッパ4の各計量室4a、4bにおいて計量及び算出されたときの重量が用いられる。なお、各計量室4a、4bと、それと対応する収容室5a、5bとが同時に選択される組合せのみ有効として、計量ホッパ4の各計量室4a、4bを組合せ演算に参加させることもできる。例えば、対応する計量室4aと収容室5aとが同時に選択された場合、計量室4aの被計量物は収容室5aを通過して集合シュート6X上へ排出される。
上記以外にも、組合せ用ホッパ等のホッパ構成を種々変更してもよい。
なお、上記の実施の形態1、2において、制御部20は、例えばマイクロコンピュータ等によって構成されるが、必ずしも単独の制御装置で構成される必要はなく、複数の制御装置が分散配置されていて、それらが協働して組合せ秤の動作を制御するよう構成されていてもよい。