JP2007315584A - 運動案内装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動体であるナット部材に複雑な螺旋状の負荷転走溝を形成する必要のない、従来の転動体ねじ装置を改良した新たな運動案内装置を提供する。
【解決手段】運動案内装置は、転動体転走溝11が形成される軸体としてのねじ軸10と、ねじ軸10に対して相対的に移動運動自在とされる移動体としてのナット部材20と、ねじ軸10に形成される転動体転走溝11とナット部材20との間に転動自在に設置される複数のボール30と、ナット部材20に固定設置されるとともに複数のボール30をナット部材20の所定位置で転動自在に保持するケージ22と、を備えている。そして、ナット部材20が、転動体転走溝11上を転走する複数のボール30に案内されることによって、ねじ軸10に対するナット部材20の相対的な移動運動が実現する。
【選択図】図2

Description

本発明は、運動案内装置に係り、特に、移動体であるナット部材に複雑な螺旋状の負荷転走溝を形成する必要のない、従来の転動体ねじ装置を改良した新たな運動案内装置に関するものである。
従来から、回転運動と往復運動とを相互に変換することが可能な装置として、ねじ軸の回転軸線に沿ってナット部材が往復運動する転動体ねじ装置が知られている。そして、従来の転動体ねじ装置は、例えば、図17、図18及び図19に示されるような構成を有する装置である。ここで、図17は、従来の転動体ねじ装置の一形態を例示する斜視図である。また、図18は、図17において示した従来の転動体ねじ装置の構成部材であるナット部材を示す斜視図であり、図19は、図17において示した従来の転動体ねじ装置が有するリターンパイプとねじ軸との設置関係を説明するための側面図である。
図17乃至図19に例示されるように、従来の転動体ねじ装置は、外周面に螺旋状のボール転走溝61aを有するねじ軸61と、内周面にボール転走溝61aと対向する螺旋状の負荷転走溝63aを有するナット部材63と、ボール転走溝61aと負荷転走溝63aとによって形成される負荷転走路に転動自在に設置される複数のボール65とを備えている。さらに、従来の転動体ねじ装置は、ナット部材63に嵌め込まれたリターンパイプ67によって負荷転走路の一端と他端とを連結する構成を有しており、このリターンパイプ67によって負荷転走路内を転がる複数のボール65は、無限循環できるようになっている。したがって、従来の転動体ねじ装置においては、ねじ軸61のナット部材63に対する相対的な回転運動に伴って、ナット部材63がねじ軸61に対して相対的に往復運動することが可能となっている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
実開平6−69502号公報 特開2000−18359号公報
しかしながら、従来の転動体ねじ装置にあっては、略円筒形状をしたナット部材63の内周面側に、螺旋状をした負荷転走溝63aをねじ軸61側のボール転走溝61aと対応するように正確に加工しなければならなかった。したがって、従来の転動体ねじ装置には、加工コストが高くついてしまうという問題が存在していた。また、ナット部材63の内周面側に負荷転走溝63aを加工することについては、リードが大きい場合や、ナット部材63の内径が小さい場合などのように、加工が困難である場合もあるため、加工技術的にも簡易に製作できる型式のナット部材63が求められていた。
本発明は、上述した課題の存在に鑑みて成されたものであって、その目的は、移動体であるナット部材に複雑な螺旋状の負荷転走溝を形成する必要のない、従来の転動体ねじ装置を改良した新たな運動案内装置を提供することにある。
本発明に係る運動案内装置は、転動体転走溝が形成される軸体と、前記軸体に対して相対的に移動運動自在とされる移動体と、前記軸体に形成される前記転動体転走溝と前記移動体との間に転動自在に設置される複数の転動体と、前記移動体に固定設置されるとともに前記複数の転動体を前記移動体の所定位置で転動自在に保持するケージと、を備え、前記移動体が、前記転動体転走溝上を転走する前記複数の転動体に案内されることによって、前記軸体に対する相対的な移動運動を行うことを特徴とする。
本発明に係る運動案内装置において、前記ケージには、前記転動体を抱持することによって前記移動体からの転動体の脱落を防ぐ抱持孔が形成されていることが好適である。
また、本発明に係る運動案内装置において、前記移動体は、前記軸体が導通する導通孔を備える円筒形のナット部材として構成されており、かかるナット部材が備える導通孔の内周面側には、前記ケージを挿入固定するための軸方向に延びる断面矩形状の蟻溝と、前記蟻溝からさらに外周方向に穿設されて前記転動体を受容するための断面円弧形状の転動体受容溝と、が形成されていることとすることができる。
また、本発明に係る運動案内装置において、前記移動体は、導通孔を備える円筒形のナット部材として構成されており、かかるナット部材が備える導通孔の内周面側には、前記転動体を受容するための断面円弧形状の転動体受容溝が形成され、さらに、前記ナット部材が備える導通孔の内周面側には、前記軸体が導通する導通孔を備えるとともに胴部に前記抱持孔が複数形成される薄肉円筒形のケージが設置され、前記転動体受容溝と前記抱持孔とが協働して前記転動体を前記ナット部材の所定位置で転動自在に保持していることとすることができる。
さらに、本発明に係る運動案内装置において、前記転動体受容溝は、前記移動体が有する前記導通孔の内周面側で軸方向に延びて形成されていることとすることができる。
また、本発明に係る運動案内装置において、前記転動体受容溝は、前記移動体が有する前記導通孔の内周面側で個々の転動体に対応する複数の半球溝として形成されていることとすることができる。
また、本発明に係る運動案内装置において、前記軸体は、表面に螺旋状の転動体転走溝が形成されるねじ軸として構成されており、該ねじ軸の回転運動にともなって前記ナット部材が軸方向の相対的な往復運動を行う転動体ねじ装置として構成されていることとすることができる。
さらに、本発明に係る運動案内装置において、前記軸体は、表面に直線状の転動体転走溝が形成されるスプライン軸として構成されており、該スプライン軸の軸方向に前記ナット部材が相対的な往復運動を行うスプライン装置として構成されていることとすることができる。
またさらに、本発明に係る運動案内装置において、前記軸体は、表面に螺旋状の転動体転走溝と直線状の転動体転走溝の両方が形成されるねじ・スプライン融合軸として構成されており、該ねじ・スプライン融合軸に形成される2つの転動体転走溝に案内されて前記ナット部材が移動自在に構成されていることとすることができる。
また、本発明に係る運動案内装置において、前記ケージは複数個設置されており、対向位置にあるケージ同士が保持する転動体の位置は、周方向で同じ位置となるように配置されており、且つ、隣り合う位置にあるケージ同士が保持する転動体の位置は、1/4リードずれた位置となるように配置されていることとすることができる。
また、本発明に係る運動案内装置において、前記ケージは複数個設置されており、対向位置にあるケージ同士が保持する転動体の位置は、周方向で同じ位置となるように配置されており、且つ、隣り合う位置にあるケージ同士が保持する転動体の位置は、(1/4)+αリードずれた位置となるように配置されていることとすることができる。
さらに、本発明に係る運動案内装置において、隣り合う位置にあるケージ同士が保持する転動体の位置を、(1/4)+αリードずれた位置となるように配置する手段は、前記ナット部材を構成するナット本体部に設置されるケージと、その端部に設置される端蓋との間にシムを挟み込むことによって行われることとすることができる。
またさらに、本発明に係る運動案内装置において、隣り合う位置にあるケージ同士が保持する転動体の位置を、(1/4)+αリードずれた位置となるように配置する手段は、前記ケージが設置される前記ナット部材に対して軸方向に延びて設けられる長孔と、前記長孔に挿入した状態で前記ケージを固定可能なボルトと、によって構成されることとすることができる。
本発明に係る他の運動案内装置は、転動体転走溝が形成される軸体と、前記軸体が導通する導通孔を備えるとともに前記軸体に対して相対的に移動運動自在とされる一対の円形平板と、両端部が前記一対の円形平板とそれぞれ接続されるケージと、前記軸体に形成される前記転動体転走溝と前記ケージとの間に転動自在に設置される複数の転動体と、を備え、前記ケージには、前記転動体を抱持することによって前記一対の円形平板に対する所定位置での前記転動体の転動動作を実現するとともに、前記転動体転走溝と前記ケージとの間から前記転動体の脱落を防ぐ抱持孔が形成されており、前記一対の円形平板が、前記転動体転走溝上を転走する前記複数の転動体に案内されて前記軸体に対する相対的な移動運動を行うことを特徴とする。
本発明に係る他の運動案内装置において、前記ケージは、軸方向に一列に並んで形成される前記抱持孔を有する軸方向に延びる長尺平板形をした部材として構成され、かかる長尺平板形をした前記ケージを複数備えるように運動案内装置を構成することができる。
また、本発明に係る他の運動案内装置において、前記ケージは、前記軸体が導通する導通孔を備えるとともに胴部に前記抱持孔が複数形成される薄肉円筒形の部材として構成することができる。
なお、本発明に係る運動案内装置において、前記転動体には、ボール又はローラを採用することができる。
上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
本発明によれば、移動体であるナット部材に対して複雑な螺旋状の負荷転走溝を形成する必要がないので、従来の転動体ねじ装置と比べて非常に安価なコストで運動案内装置を製造することが可能となる。
また、本発明によれば、切削・研削等の除去加工によって螺旋状の負荷転走溝を形成するという難加工工程を省略することが可能となるので、加工技術上の制約がなくなり、例えば、従来に比べて加工効率が向上したり、製品としての加工精度が向上した運動案内装置を提供することができる。
さらに、本発明によれば、複数の転動体は、ケージに抱持されることによって移動体であるナット部材の所定位置で転動することになるので、従来の転動体ねじ装置のように転動体同士が衝突することがない。したがって、本発明に係る運動案内装置は、従来の転動体ねじ装置と比べて摩耗・動作・騒音などの面で非常に有利である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の各実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、各実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る運動案内装置の外観斜視図である。また、図2は、第1の実施形態に係る運動案内装置の内部構成を説明するための外観透視図である。
図1及び図2において例示される第1の実施形態に係る運動案内装置は、ボールねじ装置として構成されるものである。そして、第1の実施形態に係るボールねじ装置は、転動体転走溝11が形成される軸体としてのねじ軸10と、このねじ軸10に対して相対的に移動運動自在とされる移動体としてのナット部材20とを備えている。
ねじ軸10は、その表面に螺旋状の転動体転走溝11が形成された部材であり、転動体転走溝11の転走面は、後述するナット部材20側に設置された球体形状のボール30からの負荷を受けることが可能となっている。また、この転動体転走溝11は、スムーズなボール30の転走が実現できるような精度での表面加工が施されている。なお、転走面形状については、ゴシックアーチ形状であってもサーキュラアーク形状であっても良い。
ナット部材20は、概略円筒形状をしたナット本体部21と、ナット本体部21に固定設置される4つのケージ22、ケージ22によって転動自在な状態でナット本体部21の所定位置に設置される複数のボール30、及びナット本体部21の両端に設置される一対の端蓋23,23とから構成されている。
図3を用いて第1の実施形態に係るナット本体部21の具体的な構造を説明すると、ナット本体部21は、軸方向にねじ軸10を導通するための導通孔21aを備えている。そして、この導通孔21aの内周面側には、4つのケージ22を挿入固定するための軸方向に延びる断面矩形状をした4つの蟻溝21bと、この4つの蟻溝21bのそれぞれからさらに外周方向に穿設される断面円弧形状をした4つの転動体受容溝21cとが形成されている。
蟻溝21bは、円周方向の長さが内周面側で最も小さく、外周方向すなわち溝の奥に行くに従って徐々に大きくなっているので、ケージ22を嵌め込んだときに内周方向にケージ22が抜け落ちないような構造となっている。
一方、転動体受容溝21cは、ナット本体部21が有する導通孔21aの内周面側の蟻溝21bの奥に軸方向に延びて形成されており、ボール30の転動面としての役割を担っている。
ケージ22は、ナット本体部21の蟻溝21bに固定設置されるとともに複数のボール30をナット本体部21の所定位置で転動自在に保持する役割を担う部材である。また、ケージ22は、図4に示すように、長尺平板形をした部材であり、長手方向から見たときの形状が扇形状に形成されている。この扇形状は、蟻溝21bにしっかり嵌り込んでケージ22本体がナット本体部21の内周方向に抜けないようにするためと、ねじ軸10との接触を避けるためにナット本体部21に形成された導通孔21aの形状に沿った形状とするために採用されたものである。
さらに、ケージ22には、長手方向に複数のボール30を収めるための複数の抱持孔22aが形成されている。この抱持孔22bの縦断面形状を図5に示す。図5から明らかな通り、ケージ22に形成される抱持孔22aの縦断面形状は、上方すなわちナット本体部21の蟻溝21b底と接触する箇所から途中までがボール30径と略同じ幅で直線に穿たれた孔として形成されており(図5における符号22a1の部分)、その途中から下方すなわちナット本体部21の導通孔21aの内周面側までが孔の開口幅を狭めるような曲線形状で形成されている(図5における符号22a2の部分)。さらに、この符号22a2で示される縦断面曲線形状の部分は、ボール30を抱持するように形成されるとともにボール30の一部を下方にむき出し状態とするように形成されている。したがって、ちょうどナット部材20をねじ軸10に螺合させたときに、下方にむき出し状態となったボール30の箇所がねじ軸10表面に形成された転動体転走溝11に接触し、ボール30が転動体転走溝11上を転走できるようになっている。また、抱持孔22aによって、ボール30は確実にナット本体部21とケージ22との間で保持されることになるので、仮にナット部材20をねじ軸10から取り外したとしても、ナット部材20側からボール30がこぼれ落ちることがない。したがって、第1の実施形態に係るナット部材20は、脱着が非常に容易な構成となっている。
以上、第1の実施形態に係るボールねじ装置の主要な構成部材について説明した。次に、上述した各構成部材の設置位置関係について、図6及び図7を用いて説明を行う。ここで、図6は、第1の実施形態に係るボールねじ装置の透視正面図である。また、図7は、第1の実施形態に係るボールねじ装置の外観右側面図である。
図6及び図7を参照すると、第1の実施形態に係るボールねじ装置では、1つのケージ22に対して6つのボール30が設置されている。また、ケージ22はナット本体部21に対して4つ設置されており、各ケージ22は、ナット部材20の軸中心に対して90°の角度間隔を有して配置されている。
また、図6に示されるように、対向位置にあるケージ22同士のボール30位置は周方向で同じ位置となるように配置されている。一方、隣り合う位置にあるケージ22同士のボール30位置は、1/4リードずれた位置となるように配置されている。この位置関係で4つのケージ22を設置した場合、ねじ軸10には2つの転動体転走溝11を形成する必要があり、図6に示すボールねじ装置の場合には、各ケージ22に設置されたボール30のうち、隣り合うボール30同士は互いに異なる転動体転走溝11を転走することになる。すなわち、図6では、網掛けされていないボール30aが転動体転走溝11aを転走し、網掛けされたボール30bが転動体転走溝11bを転走する。
第1の実施形態に係るボールねじ装置は上述した構成部材と位置関係を有することから、ナット部材20に設置される複数のボール30は、ナット部材20に対しては相対的な移動をすることがなく、ナット部材20に対して所定の同じ位置に配置され、その場で転動動作のみを行うことになる。したがって、第1の実施形態に係るボールねじ装置によれば、転動体が連なって循環していた従来技術と比較して転動体同士が衝突することがないという利点を有していることから、摩耗・動作・騒音などの面で好ましい性能を有している。
そして、以上の配置構成を有することにより、第1の実施形態に係るボールねじ装置では、ナット部材20が転動体転走溝11上を転走する複数のボール30に案内されて転動体転走溝11に沿って移動することになるので、ねじ軸10の回転運動にともなってナット部材20のねじ軸10に対する軸方向の相対的な往復運動が実現されている。
次に、図2乃至図7を用いて第1の実施形態に係るボールねじ装置の製造方法を説明する。まず、ナット本体部21の蟻溝21bに対して複数のボール30を載せた状態のケージ22を嵌め込んでいく。この嵌め込み作業は、ナット本体部21の軸方向に差し込んでいけば良く、特に、ナット本体部21には、蟻溝21bの他に軸方向に延びて形成される転動体受容溝21cが形成されているので、嵌め込み作業の際にボール30が邪魔になることはない。
ナット本体部21にボール30とケージ22を設置すると、ナット本体部21の両端部に端蓋23,23をねじ止めする。この端蓋23は、ケージ22が軸方向に移動することを防止する役割を担っている。以上でナット部材20の組み立て作業は完了し、このナット部材20をねじ軸10に螺合させることによって第1の実施形態に係るボールねじ装置が完成する。
第1の実施形態に係るボールねじ装置は、以上説明したように非常に簡単に組み立てることができるので、従来技術に比べて製造コストを大幅に削減することが可能となる。また、ナット本体部21は、軸方向に直線的に延びる蟻溝21bと転動体受容溝21cを形成すれば良いだけなので、従来のように複雑な螺旋状の負荷転走溝を加工する場合に比べて、加工コストと製品精度の面で非常に有利となる。
なお、ボールねじ装置に代表される運動案内装置では、運動する際にがたつきの発生を防止するため、ボール30に対して予圧を与えることが行われている。この予圧を付与する手段として、従来技術では、ボール30の径を転動体転走溝11a,11bの径より若干大きくすることが行われていた。しかしながら、上述した第1の実施形態に係るボールねじ装置に対して径の大きいボール30を採用した場合には、ボール30が回転しなくなり、滑りが大きくなってしまうことが考えられる。
そこで、発明者は、第1の実施形態に係るボールねじ装置に使用されるボール30に対して、予圧を与えることによって装置のがたつきを抑えることができ、しかも、ボール30のスムーズな転動動作を実現することが可能な装置構成を創案した。この構成について、図8及び図9を用いて説明する。
図8は、ボール30に対して予圧を与えることができるボールねじ装置の構成例を示した透視正面図である。図8に示したボールねじ装置では、円周方向で隣り合うケージ22同士のリードを通常の1/4リードからさらに若干ずらし、(1/4)+αリードとすることによって、ねじ軸10に形成されるねじ山を複数のボール30で挟み込むように接触させ、ボール30に対する予圧の付与を実現している。このような構成を採用することによって、ボールねじ装置のがたつきが解消され、ナット部材20のねじ軸10に対する軸方向の相対的な往復運動が安定して実現されることとなる。なお、円周方向で隣り合うケージ22同士のリードの条件である(1/4)+αの「α」については、正負いずれの値であっても良い。
また、図8で例示するボールねじ装置において、円周方向で隣り合うケージ22同士のリードを(1/4)+αリードとするための具体的な手段としては、例えば、ナット本体部21に設置されるケージ22と、その端部に設置される端蓋23との間にシム(不図示)を挟み込む手法を採用することができる。シムは、詰金や楔等を意味する部材であり、わずかな補正を行う場合に有効なものである。また、シムを挟み込む手法を用いれば、上述した第1の実施形態に係るボールねじ装置の基本構成をほとんど変更する必要がないので、安価に予圧付与を行うことが可能となる。
さらに、予圧付与を行うための別の手段として、図9に示すような構成を採用することができる。ここで、図9は、第1の実施形態に係るボールねじ装置において、ボールに対する予圧付与を行うための構成を例示する部分透視正面図である。すなわち、図9で例示するボールねじ装置では、ケージ22が設置されるナット本体部21に対して軸方向に延びる長孔36を複数設け、これら複数の長孔36それぞれに挿入したボルト35によってケージ22を固定するようにした。かかる装置では、ケージ22の固定位置は、長孔36の開口範囲だけ移動することが可能となっており、ボルト35の固定位置を調整することによって隣り合うケージ22の位置を調整することができ、ボール30に付与される予圧の設定を任意に行うことが可能となっている。
[第2の実施形態]
上述した第1の実施形態では、ナット本体部21に形成された転動体受容溝21cは、ナット本体部21の内周面側で軸方向に延びる直線的な溝として構成した場合を例示して説明した。ただし、この転動体受容溝21cの溝形状については、種々の変形を加えることが可能である。そこで、図10及び図11を用いて、転動体受容溝21cの溝形状の変形例を説明する。ここで、図10は、第2の実施形態に係る運動案内装置の内部構成を説明するための外観透視図であり、図11は、第2の実施形態に係るナット本体部21の具体的な構造を説明するための図である。なお、以下で説明する第2乃至第5の実施形態では、前述した第1の実施形態と同一又は類似する部材について、同一符号を付して説明を省略する場合がある。
図10及び図11に示されるように、第2の実施形態に係るナット部材20では、ナット本体部21に形成される転動体受容溝が個々のボール30に対応して形成された半球溝21dとして構成されている。この形態は、本発明に係るボール30がナット部材20との関係では所定の同じ位置にあって移動しないことから採用できるものであり、その場で転動動作のみ行うボール30を半球溝21dによって受容することにより、ナット部材20としての機能が発揮できることとなる。
なお、第2の実施形態の場合のナット部材20の組立方法としては、ケージ22を軸方向に差し込むことができなくなるので、ナット本体部21が有する導通孔21aの内周面側からケージ22を嵌め込むことによって組み立てを行うことになる。また、別の手法として、蟻溝21bを大きくしておき、ねじ等の締結手段を用いることによってケージ22をナット本体部21に固定する手法も採用することができる。
上述した第2の実施形態に係るボールねじ装置は、第1の実施形態に係るボールねじ装置と比較して組み立てと半球溝21dの加工に手間がかかるものの、従来技術と比較すれば製造コストや組立コストの面で十分有利な効果を発揮することができる。
なお、第2の実施形態に係るボールねじ装置においても、図8及び図9で示した構成の採用、あるいは半球溝21dを設ける位置を調整することによって、ボール30に対する予圧の付与を行うことが可能である。
[第3の実施形態]
上述した第1及び第2の実施形態に係る運動案内装置においては、軸体にねじ軸10を採用した場合を例示して説明した。次に説明する第3の実施形態に係る運動案内装置は、軸体の多様な変形例を示すものである。
図12は、第3の実施形態に係る軸体を示す図である。この第3の実施形態に係る軸体40は、表面に螺旋状の転動体転走溝41と直線状の転動体転走溝42の両方が形成されるねじ・スプライン融合軸として構成される部材である。そして、このねじ・スプライン融合軸として構成される軸体40には、螺旋状の転動体転走溝41と直線状の転動体転走溝42との間に転動体転走溝が形成されていない自由区間43が設けられている。
自由区間43は、ちょうどナット部材20の長さかそれ以上の長さで形成されており、この部分に入ったナット部材20は、転動体転走溝41,42の拘束を離れてフリーな状態となる。したがって、図12に示すようなねじ・スプライン融合軸としての軸体40に設置されるナット部材20は、螺旋状の転動体転走溝41に螺合しているときには軸体40に対して相対的に回転運動しながら軸方向に移動することとなり、自由区間43に入ると拘束のないフリーな状態となり、直線状の転動体転走溝42の位置に来たときには軸体40に対して軸方向の直線的な移動運動を行うこととなる。
なお、本発明に係る軸体の形態は、図12に示すものに限られず、例えば、自由区間43を省略して螺旋状の転動体転走溝41と直線状の転動体転走溝42とが重なり合う部分を形成し、回転運動(もしくは直線運動)からフリー区間を経ずにいきなり直線運動(もしくは回転運動)に移れるようにすることも可能である。
また、軸体を、表面に直線状の転動体転走溝42のみが形成されるスプライン軸として構成し、ナット部材20が軸体の軸方向に往復運動のみを行うようなスプライン装置として構成することも可能である。
[第4の実施形態]
次に説明する第4の実施形態に係る運動案内装置は、上述した第1の実施形態に係るボールねじ装置のナット本体部21を省略した場合の変形例を示すものである。この第4の実施形態に係る運動案内装置について、図13を用いて説明する。ここで、図13は、第4の実施形態に係る運動案内装置を示す外観斜視図である。
第4の実施形態に係る運動案内装置は、部品点数を省略してコストを削減した軽荷重用のボールねじ装置である。この第4の実施形態に係るボールねじ装置は、転動体転走溝11が形成される軸体としてのねじ軸10と、ねじ軸10が導通する導通孔51aを備えるとともにねじ軸10に対して相対的に移動運動自在とされる一対の円形平板51,51と、両端部が一対の円形平板51,51とそれぞれ接続されるケージ52と、ねじ軸10に形成される転動体転走溝11とケージ52との間に転動自在に設置される複数のボール53とによって構成されている。
ケージ52が備える複数の抱持孔52aは、先に説明した第1乃至第3の実施形態に係るケージ22の場合とちょうど反対の形状をしたものであり、抱持孔52aの縦断面を見たときに、上方すなわちケージ52の外周側から途中までが孔の開口幅を外周側へいくほど狭めるような曲線形状で形成されており(図14における符号52a2の部分)、その途中から下方すなわちケージ52の内周側までがボール53径と略同じ幅で直線に穿たれた孔として形成されている(図14における符号52a1の部分)。したがって、このような形状をした抱持孔52aの作用によって、ボール53はケージ52とねじ軸10との間に確実に狭持され、軽荷重用のボールねじ装置としての機能を発揮することが可能となる。
以上のような構成を採用することによって、第4の実施形態に係る軽荷重用のボールねじ装置は、一対の円形平板51とケージ52の組み合わせによって移動体50が構成され、この移動体50が、ケージ52とねじ軸10との間に転動自在に狭持されて転動体転走溝11上を転走する複数のボール52に案内され、転動体転走溝11に沿ったねじ軸10に対する相対的な移動運動を行うことになる。
なお、一対の円形平板51,51とケージ52との接続方法としては、接続箇所をねじ等の締結手段で接続したり、接着、溶接、ろう付けなどのあらゆる接続方法を採用することが可能である。
また、第4の実施形態に係るボールねじ装置においても、例えば図8で示した構成の採用によって、ボール30に対する予圧の付与を行うことが可能である。
[第5の実施形態]
以上説明した第1乃至第4の実施形態に係る運動案内装置においては、ケージ22,52が軸方向に延びる長尺平板形をした部材として構成される場合について説明を行った。この形式のケージ22,52の場合、ナット本体部21や一対の円形平板51,51に対しては、ケージ22,52を複数設置する必要があった。次に説明する第5の実施形態に係る運動案内装置は、ケージを1つの部材で構成することができる実施例についてのものである。
ここで、図15は、第5の実施形態に係るケージ57の外観斜視図である。また、図16は、第5の実施形態に係るケージ57をナット本体部56に組み込んで構成したナット部材55の外観斜視図である。
第5の実施形態に係るケージ57は、軸体であるねじ軸10が導通可能である導通孔57bを備えるとともに、その胴部に抱持孔57aが複数形成される薄肉円筒形の部材として構成されている。一方、第5の実施形態に係るケージ57を設置可能なナット本体部56は、ちょうど図3で示したナット本体部21から蟻溝21bを省略し、軸方向に延びて形成される断面円弧形状の転動体受容溝21cのみを有するように形成された構成を有するものである。
ケージ57に形成される複数の抱持孔57aの縦断面形状は、図5において示した抱持孔22aの場合と同様に、外周方向すなわちナット本体部56の転動体受容溝底と接触する箇所から途中までがボール59径と略同じ幅で直線に穿たれた孔として形成されており、その途中から内周方向すなわちケージ57が有する導通孔57bの内周面側までが孔の開口幅を狭めるような曲線形状で形成されている。さらに、抱持孔57aは、導通孔57b側でボール59の一部がむき出し状態となるように構成されている。したがって、ちょうどナット部材55をねじ軸10に螺合させたときに、内周方向にむき出し状態となったボール59の箇所がねじ軸10表面に形成された転動体転走溝11に接触し、ボール59が転動体転走溝11上を転走できるようになっている。すなわち、ナット本体部56の内周側に形成された図示しない転動体受容溝と、ケージ57が有する抱持孔57aとが協働することによって、ボール59は、ナット部材55の所定位置で転動自在に保持されるとともに、この状態でねじ軸10表面の転動体転走溝11上を転走できるように構成されている。
さらに、上述したように、抱持孔57aの作用によってボール59は確実にナット本体部56とケージ57との間で保持されることになるので、仮にナット部材55をねじ軸10から取り外したとしても、ナット部材55側からボール59がこぼれ落ちることがない。したがって、上述した第1乃至第3の実施形態と同様に、第5の実施形態に係るナット部材55についても、ねじ軸10への脱着が非常に容易な構成となっている。
なお、ナット部材55の組立方法としては、まず、ケージ57の抱持孔57aにボール59を設置した状態でケージ57をナット本体部56に挿入し、ねじ止め、接着、溶接、ろう付けなどの接続手段を用いてケージ57とナット本体部56を固定する。その後、ケージ57が設置されたナット本体部56の両側に一対の端蓋58,58を設置することによって、ナット部材55が完成する。なお、ケージ57とナット本体部56との接続手段としては、上記した手段の他、一対の端蓋58,58で挟み込んで固定する方法や互いに雄雌リブを設けて物理的に固定する方法など、あらゆる接続方法を採用することが可能である。
上述した第5の実施形態に係るボールねじ装置は、1つのケージ57を用意すれば良いことから部品点数が少なく、また、ナット本体部56の内周面側への加工が転動体受容溝のみで良いことなどから、製造・加工コストの面で有利な効果を発揮することができる。
なお、第5の実施形態に係るボールねじ装置においても、例えば図8及び図9で示した構成の採用によって、ボール30に対する予圧の付与を行うことが可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に記載の範囲には限定されない。上記各実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。例えば、上記各実施形態では、転動体にボールを用いた場合を例示して説明したが、ローラなどの他の転動体を用いることも可能である。
また、第4の実施形態で例示したように、ケージ52とねじ軸10でボール53を挟持する形態に対して、第5の実施形態で説明したような薄肉円筒形のケージ57を適用することも可能である。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
第1の実施形態に係る運動案内装置の外観斜視図である。 第1の実施形態に係る運動案内装置の内部構成を説明するための外観透視図である。 第1の実施形態に係るナット本体部の具体的な構造を説明するための図である。 第1の実施形態に係るケージを説明するための外観斜視図である。 図4におけるA−A断面を示す縦断面図である。 第1の実施形態に係るボールねじ装置の透視正面図である。 第1の実施形態に係るボールねじ装置の外観右側面図である。 ボールに対して予圧を与えることができるボールねじ装置の構成例を示した透視正面図である。 第1の実施形態に係るボールねじ装置において、ボールに対する予圧付与を行うための構成を例示する部分透視正面図である。 第2の実施形態に係る運動案内装置の内部構成を説明するための外観透視図である。 第2の実施形態に係るナット本体部の具体的な構造を説明するための図である。 第3の実施形態に係る軸体を示す図である。 第4の実施形態に係る運動案内装置を示す外観斜視図である。 第4の実施形態に係るケージの抱持孔形状を説明するための縦断面図である。 第5の実施形態に係るケージの外観斜視図である。 第5の実施形態に係るケージをナット本体部に組み込んで構成したナット部材の外観斜視図である。 従来の転動体ねじ装置の一形態を例示する斜視図である。 図17において示した従来の転動体ねじ装置の構成部材であるナット部材を示す斜視図である。 図17において示した従来の転動体ねじ装置が有するリターンパイプとねじ軸との設置関係を説明するための側面図である。
符号の説明
10 ねじ軸、11,11a,11b 転動体転走溝、20 ナット部材、21 ナット本体部、21a 導通孔、21b 蟻溝、21c 転動体受容溝、21d 半球溝、22 ケージ、22a 抱持孔、23 端蓋、30,30a,30b ボール、35 ボルト、36 長孔、40 軸体、41 (螺旋状の)転動体転走溝、42 (直線状の)転動体転走溝、43 自由区間、50 移動体、51 円形平板、51a 導通孔、52 ケージ、52a 抱持孔、53 ボール、55 ナット部材、56 ナット本体部、57 ケージ、57a 抱持孔、57b 導通孔、58 端蓋、59 ボール、61 ねじ軸、61a ボール転走溝、63 ナット部材、63a 負荷転走溝、65 ボール、67 リターンパイプ。

Claims (17)

  1. 転動体転走溝が形成される軸体と、
    前記軸体に対して相対的に移動運動自在とされる移動体と、
    前記軸体に形成される前記転動体転走溝と前記移動体との間に転動自在に設置される複数の転動体と、
    前記移動体に固定設置されるとともに前記複数の転動体を前記移動体の所定位置で転動自在に保持するケージと、
    を備え、
    前記移動体が、前記転動体転走溝上を転走する前記複数の転動体に案内されることによって、前記軸体に対する相対的な移動運動を行うことを特徴とする運動案内装置。
  2. 請求項1に記載の運動案内装置において、
    前記ケージには、前記転動体を抱持することによって前記移動体からの転動体の脱落を防ぐ抱持孔が形成されていることを特徴とする運動案内装置。
  3. 請求項1に記載の運動案内装置において、
    前記移動体は、前記軸体が導通する導通孔を備える円筒形のナット部材として構成されており、かかるナット部材が備える導通孔の内周面側には、
    前記ケージを挿入固定するための軸方向に延びる断面矩形状の蟻溝と、
    前記蟻溝からさらに外周方向に穿設されて前記転動体を受容するための断面円弧形状の転動体受容溝と、
    が形成されていることを特徴とする運動案内装置。
  4. 請求項1に記載の運動案内装置において、
    前記移動体は、導通孔を備える円筒形のナット部材として構成されており、かかるナット部材が備える導通孔の内周面側には、前記転動体を受容するための断面円弧形状の転動体受容溝が形成され、さらに、
    前記ナット部材が備える導通孔の内周面側には、前記軸体が導通する導通孔を備えるとともに胴部に前記抱持孔が複数形成される薄肉円筒形のケージが設置され、
    前記転動体受容溝と前記抱持孔とが協働して前記転動体を前記ナット部材の所定位置で転動自在に保持していることを特徴とする運動案内装置。
  5. 請求項3又は4に記載の運動案内装置において、
    前記転動体受容溝は、前記移動体が有する前記導通孔の内周面側で軸方向に延びて形成されていることを特徴とする運動案内装置。
  6. 請求項3又は4に記載の運動案内装置において、
    前記転動体受容溝は、前記移動体が有する前記導通孔の内周面側で個々の転動体に対応する複数の半球溝として形成されていることを特徴とする運動案内装置。
  7. 請求項3〜6のいずれか1項に記載の運動案内装置において、
    前記軸体は、表面に螺旋状の転動体転走溝が形成されるねじ軸として構成されており、該ねじ軸の回転運動にともなって前記ナット部材が軸方向の相対的な往復運動を行う転動体ねじ装置として構成されていることを特徴とする運動案内装置。
  8. 請求項3〜6のいずれか1項に記載の運動案内装置において、
    前記軸体は、表面に直線状の転動体転走溝が形成されるスプライン軸として構成されており、該スプライン軸の軸方向に前記ナット部材が相対的な往復運動を行うスプライン装置として構成されていることを特徴とする運動案内装置。
  9. 請求項3〜6のいずれか1項に記載の運動案内装置において、
    前記軸体は、表面に螺旋状の転動体転走溝と直線状の転動体転走溝の両方が形成されるねじ・スプライン融合軸として構成されており、該ねじ・スプライン融合軸に形成される2つの転動体転走溝に案内されて前記ナット部材が移動自在に構成されていることを特徴とする運動案内装置。
  10. 請求項3〜9のいずれか1項に記載の運動案内装置において、
    前記ケージは複数個設置されており、
    対向位置にあるケージ同士が保持する転動体の位置は、周方向で同じ位置となるように配置されており、且つ、隣り合う位置にあるケージ同士が保持する転動体の位置は、1/4リードずれた位置となるように配置されていることを特徴とする運動案内装置。
  11. 請求項3〜9のいずれか1項に記載の運動案内装置において、
    前記ケージは複数個設置されており、
    対向位置にあるケージ同士が保持する転動体の位置は、周方向で同じ位置となるように配置されており、且つ、隣り合う位置にあるケージ同士が保持する転動体の位置は、(1/4)+αリードずれた位置となるように配置されていることを特徴とする運動案内装置。
  12. 請求項11に記載の運動案内装置において、
    隣り合う位置にあるケージ同士が保持する転動体の位置を、(1/4)+αリードずれた位置となるように配置する手段は、
    前記ナット部材を構成するナット本体部に設置されるケージと、その端部に設置される端蓋との間にシムを挟み込むことによって行われることを特徴とする運動案内装置。
  13. 請求項11に記載の運動案内装置において、
    隣り合う位置にあるケージ同士が保持する転動体の位置を、(1/4)+αリードずれた位置となるように配置する手段は、
    前記ケージが設置される前記ナット部材に対して軸方向に延びて設けられる長孔と、
    前記長孔に挿入した状態で前記ケージを固定可能なボルトと、
    によって構成されることを特徴とする運動案内装置。
  14. 転動体転走溝が形成される軸体と、
    前記軸体が導通する導通孔を備えるとともに前記軸体に対して相対的に移動運動自在とされる一対の円形平板と、
    両端部が前記一対の円形平板とそれぞれ接続されるケージと、
    前記軸体に形成される前記転動体転走溝と前記ケージとの間に転動自在に設置される複数の転動体と、
    を備え、
    前記ケージには、前記転動体を抱持することによって前記一対の円形平板に対する所定位置での前記転動体の転動動作を実現するとともに、前記転動体転走溝と前記ケージとの間から前記転動体の脱落を防ぐ抱持孔が形成されており、
    前記一対の円形平板が、前記転動体転走溝上を転走する前記複数の転動体に案内されて前記軸体に対する相対的な移動運動を行うことを特徴とする運動案内装置。
  15. 請求項14に記載の運動案内装置において、
    前記ケージは、軸方向に一列に並んで形成される前記抱持孔を有する軸方向に延びる長尺平板形をした部材として構成され、かかる長尺平板形をした前記ケージを複数備えることを特徴とする運動案内装置。
  16. 請求項14に記載の運動案内装置において、
    前記ケージは、前記軸体が導通する導通孔を備えるとともに胴部に前記抱持孔が複数形成される薄肉円筒形の部材として構成されていることを特徴とする運動案内装置。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の運動案内装置において、
    前記転動体は、ボール又はローラであることを特徴とする運動案内装置。

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