JP2007315364A - 炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第1段静翼に対するダストの多量付着を未然に防止し、長期間の連続運転時にも安定かつ効率のよい運転を継続することができるようにする。
【解決手段】 高炉(1)から供給される高炉ガスにより回転駆動されて連結された発電機(7)により発電を行なう炉頂圧回収タービン(10)において、第1段静翼(11)の内部に冷却水を循環させて第1段静翼を水冷却することにより、高炉ガス中に含まれる水分を第1段静翼の翼表面上に凝縮させて翼表面上に水滴及び又は水膜を形成する。高炉ガスは、水冷却による翼表面の温度低下により翼表面上で0°Cを超える30°C以下の温度低下を引き起こすようにすることが望ましく、0°Cを超える20°C以下の温度低下を引き起こすようにすることがさらに望ましい。
【選択図】 図3

Description

本発明は、炉頂圧回収タービンの翼部、特に第1段静翼へのダスト付着を防止するためのダスト付着防止装置に関する。
高炉プラントの排ガス路にタービンを設置して発電等に利用する炉頂圧回収タービン設備は、製鉄所の高炉で発生する高炉ガスの持つ圧力エネルギをタービンによって電力として回収すると共に、高炉の炉頂圧制御を行なうものであり、近年、製鉄所の省エネルギ化を図り、環境保全に貢献するための極めて重要な設備となっている。
この炉頂圧回収タービン設備には湿式と乾式とがあり、湿式の炉頂圧回収タービン設備は、高炉から出た高炉ガスを湿式除塵装置で水洗浄した後に、発電機駆動用のタービンに導くものである。これに対し、乾式の炉頂圧回収タービン設備においては、高炉ガスが乾式除塵装置によって水洗浄されることなく除塵されるため、高炉ガスの温度が低下せず、回収電力が湿式に比べて25〜45%高くなり、電力の回収を効率的に行なうことができる。
このように、現在国内製鉄所のほとんどの高炉には、湿式又は乾式の炉頂圧回収タービンによる発電設備が設置されている。しかし、特に上述の湿式の炉頂圧回収タービン設備においては、高炉ガスが湿式除塵装置で水洗浄される結果、高炉ガスは蒸気を飽和状態まで含むと共に、湿式除塵装置で回収しきれなかったダストを随伴している。このため、図8に示すように、このダストが、通常運転時に第1段静翼101の翼面102上に多量に付着するという問題を発生させる。
この第1段静翼101へのダストの付着が発生すると、第1段動翼103に流入する流れに乱れが生じ、第1段動翼103に対して強い励振力を発生させる。その結果、動翼103に繰り返し応力が発生し、第1段動翼103の疲労限界を著しく低下させるという問題がある。また、ダストによって適正なガス流を形成することができずに、タービン効率を低下させるという問題もある。
一方、炉頂圧制御を行うため、第1段静翼には角度可変機構が備えられる場合が多い。しかしながら、上述のように第1段静翼の翼面上にダストが多量に付着すると、全閉時に第1段静翼をその流路全閉角度まで閉じることができず、タービンへのガス流入を所定の流量まで減少させることができなくなるという問題を発生させる。また、全閉時に第1段静翼がこのダストの付着物に噛み込んで、翼部や角度可変機構に過大な力が働き、損傷を引き起こすという問題もある。
このようなダストの付着を防止するための従来の装置として、通常運転時等にタービンの入口部や静翼上流部から水や水蒸気の噴射ないし噴霧を行って、すでに付着しているダストを剥離させ、その除去を行なうものがある(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照)。
「炉頂圧タービン発電設備」、中村敏明ほか5名、川崎重工技報第155号P20〜P23、川崎重工業株式会社、2004年5月発行 特開2005−214033号公報
このように、従来の炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置は、通常運転時等にタービンの入口部や静翼上流部から水や蒸気の噴射ないし噴霧を行なって、すでに付着しているダストを除去するものである。
しかしながら、タービン内を通過する高炉ガスの流れは極めて速く、静翼表面上に水滴等が充分に到達しないと共に、周方向に多数配置された静翼のすべてに、水や蒸気を均一に噴射ないし噴霧することができないという問題がある。また、たとえ静翼表面に水滴等が到達したとしても、この水滴等が衝突するだけでは、ダストの付着物を翼表面から簡単には剥離させることができないという問題がある。
このように、従来の、すでに付着しているダストを除去するだけの装置では、第1段静翼に対するダスト付着防止に充分な効果を上げていないというのが実情であり、上述の第1段動翼に繰り返し応力を発生させて動翼の疲労限界を著しく低下させるという問題、適正なガス流を形成することができずにタービン効率を低下させるという問題、全閉時にタービンへのガスの流入を所定の流量まで減少させることができなくなるという問題、そして、第1段静翼がこのダストの付着物に噛み込んで翼部等に損傷を引き起こすという問題などが、依然として根本的に解決できないままになっている。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、第1段静翼に対するダストの多量付着を未然に防止することができ、長期間の連続運転時にも安定かつ効率のよい運転を継続することができる、炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置を提供することを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明が採用する手段は、高炉から供給される高炉ガスにより回転駆動されて連結された発電機により発電を行なう炉頂圧回収タービンにおいて、第1段静翼の内部に冷却水を循環させて第1段静翼を水冷却することにより、高炉ガス中に含まれる水分を第1段静翼の翼表面上に凝縮させて翼表面上に水滴及び又は水膜を形成するようにしたことにある。
このように、本発明の炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置においては、第1段静翼の内部に冷却水を循環させて第1段静翼を水冷却し、高炉ガス中に含まれる飽和蒸気等の水分を第1段静翼の翼表面上に凝縮させて、翼表面上に水滴及び又は水膜を形成するようにしたから、その水滴及び又は水膜が一種のバリアとなって、高炉ガスに含まれるダストが第1段静翼の翼表面上に多量に付着することが未然に防止される。
また、この水冷却が行なわれる第1段静翼においては、ダストの付着防止がその翼面全体で均一に、かつ連続的に行なわれる。さらに、かりに何らかの理由によりダストの付着が発生したとしても、付着したダストの隙間と翼表面との間に水滴及び又は水膜が形成され、付着したダストがその内圧力により剥離除去される。
そして、上記高炉ガスは、水冷却による翼表面の温度低下により翼表面上で0°Cを超える30°C以下の温度低下を引き起こすようにすることが望ましい。
シミュレーション結果によれば、高炉ガスの翼表面における温度低下が0°Cを上回り且つ30°C以下の場合に、高炉ガス中に含まれる飽和蒸気等の水分の凝縮効率が高いことが判明した。なお、高炉ガスは、水冷却による翼表面の温度低下により翼表面上で0°Cを超える20°C以下の温度低下を引き起こすようにすることが、さらに望ましい。
また、上記第1段静翼の内部に形成される冷却水路は、翼高さ方向の一端部から流入し
た冷却水が他端部で反転して、その一端部から流出するサーペンタイン方式とすることが望ましい。
炉頂圧回収タービンにおいては、タービンの外側又は内側の一側から、特に外側のケーシング側から冷却水を供給する方が構成上有利である。したがって、冷却水を一端部、例えば外側一端部から流入させ、他端部で反転させて、その外側一端部から流出させるサーペンタイン方式とすることが構成を容易にし、かつ翼全体を効率的に冷却することができる。
さらに、上記冷却水の流入路は、第1段静翼の前縁側に形成され、冷却水の流出路は、第1段静翼の後縁側に形成されることが望ましい。
前縁側を高炉ガスとの温度差が大きい冷たい冷却水で冷却し、第1段静翼の前縁側に水滴及び又は水膜を形成することにより、その形成された水滴及び又は水膜が高炉ガス流によって下流側へ、すなわち、第1段静翼の後縁側へ流れて翼全体を覆うことになる。これにより、翼全体で効率よく、ダストの付着が防止される。
例えば、冷却水を第1段静翼へ供給するための冷却水供給装置は、冷却水を貯える冷却水タンクと、冷却水を循環させる冷却水ポンプと、第1段静翼へ供給される冷却水の流量を調節する流量調節弁と、冷却水を冷却するための熱交換器とを備える。
そして、上記冷却水供給装置は、第1段静翼へ供給される冷却水の圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサが検出した冷却水の圧力に基づいて流量調節弁の作動を制御する流量調節コントローラとを備えることが望ましい。
このように、第1段静翼へ供給される冷却水の圧力を検出する圧力センサと、圧力センサが検出した冷却水の圧力に基づいて流量調節弁の作動を制御する流量調節コントローラとを備えることにより、第1段静翼へ供給される冷却水の流量を最適に自動調節することができる。
また、上記冷却水供給装置は、第1段静翼へ供給される冷却水の温度を検出する供給温度センサと、第1段静翼から流出する冷却水の温度を検出する流出温度センサと、熱交換器で熱交換される冷却水の流量を調節する温度調節弁と、供給温度センサが検出した温度及び又は流出温度センサが検出した温度に基づいて温度調節弁の作動を制御する温度調節コントローラとを備えることが望ましい。
このような供給温度センサ、流出温度センサ、温度調節弁、温度調節コントローラを備えることにより、第1段静翼の翼表面温度を最適に自動調節することができる。
本発明の炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置は、高炉から供給される高炉ガスにより回転駆動されて連結された発電機により発電を行なう炉頂圧回収タービンにおいて、第1段静翼の内部に冷却水を循環させて第1段静翼を水冷却することにより高炉ガス中に含まれる水分を第1段静翼の翼表面上に凝縮させて翼表面上に水滴及び又は水膜を形成するようにしたから、第1段静翼に対するダストの多量付着を未然に防止することができ、長期間の連続運転時にも安定かつ効率のよい運転を継続することができる、という優れた効果を奏する。
本発明に係る炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置を実施するための最良の
形態を、図1ないし図7を参照して詳細に説明する。
図1は、一例としての湿式炉頂圧回収タービン設備を示す模試図、図2は、図1の炉頂圧回収タービンを示す側面図、図3は、図2の第1段静翼の内部を示す断面図、図4は、図3の矢線A−Aにおける断面図、図5は、図3の矢線B−Bにおける断面図、図6は、冷却水供給装置を示す模試図、図7は、飽和ガスの冷却温度と飽和ガスの凝縮水量との関係を示すグラフである。
図1に示すように、高炉プラントの排ガス路にタービンを設置して発電等に利用する湿式の炉頂圧回収タービン設備においては、高炉1から排気された高炉ガスが、ダストキャッチャ2、湿式集塵装置3、入口塞止弁4、危急遮断弁5、調速弁6を介して炉頂圧回収タービン10に導かれて、タービン10を回転駆動させる。
この炉頂圧回収タービン10によって、タービン10に連結された発電機7を回転駆動させることにより、発電を行なう。炉頂圧回収タービン10の第1段静翼11及び第2段静翼12は、ガス流に対する角度を変更させるための角度可変機構13をそれぞれ備える。
この炉頂圧回収タービン設備において、炉頂圧回収タービン10の起動時及び停止時には、起動開始から初期設定回転数までは調速弁6による調速弁開度制御が、初期設定回転数から揃速開始直前設定回転数までの間は回転数制御がそれぞれ行われる。また、100%回転数に到達して電力網に併入された直後に負荷がかけられるが、その負荷が増加して通常運転になるまでは負荷制御が行われる。そして、通常運転時には圧力制御が行われる。
一方、タービン10の停止時には、通常運転から負荷が解除されて解列直後設定回転数になるまでは負荷制御が、解列直後設定回転数から初期設定回転数までの間は回転数制御がそれぞれ行われる。また、初期設定回転数から停止するまでは調速弁6による調速弁開度制御が行われる。
タービン10の起動時には、タービン10の前圧が通常運転時の圧力に高められた状態で調速弁6を徐々に開けていき、ガスを翼列に導く。調速弁6がほぼ全開となった時点で、角度可変機構13を備えた静翼11,12をその流路初期設定角度から徐々に開けていき、通常運転に移行する。このとき、バイパス主弁8は全閉にされている一方、バイパス制御弁9が徐々に閉じられるので、タービン10の前圧は常に通常運転時の圧力に維持される。
この炉頂圧回収タービン設備において、タービン10の起動及び停止動作を主体的に制御するものは、静翼11,12の角度可変機構13、あるいは調速弁6であり、バイパス制御弁9はタービン10の前圧を通常運転時の圧力に維持するために使用される。このように、炉頂圧回収タービンによる発電と炉頂圧制御とが行われる。
なお、上述の炉頂圧回収タービン設備は一例にすぎず、その他、様々な方式の湿式炉頂圧回収タービン設備がある。本発明の炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置はそれらに対しても、また、乾式炉頂圧回収タービン設備に対しても実施することができることは勿論である。
図2に示すように、一例としての炉頂圧回収タービン10は2段タービンからなり、第1段静翼11、第1段動翼14、第2段静翼12、第2段動翼15が、ガス路の上流側からこの順に配設される。
図3は、第1段静翼11の内部構造を示す。この第1段静翼11はタービン10の外側から片持支持される形態をなし、高炉ガス流路内に配設される翼部20と、この翼部20の角度を変化させるための支持軸27とが一体に形成される。翼部20及び支持軸27の内部には、冷却水路30が形成される。
図4に示すように、支持軸27の内部には、軸方向に延びる軸流入路31と軸流出路32とがそれぞれ穿設される。図5に示すように、翼部20の内部には、翼高さ方向に延びる翼流入路33と翼流出路34とが形成され、図3に示すように、これらは支持軸27の軸流入路31と軸流出路32とにそれぞれ連続する。また、軸流入路31と軸流出路32は翼端部22で連続する。
このため、翼高さ方向の一端部である翼根部21から翼流入路33に流入した冷却水は、他端部である翼端部22で反転し、翼流出路34を通って再び翼高さ方向の一端部である翼根部21から流出する。また、冷却水の翼流入路33は第1段静翼11の前縁側に形成され、冷却水の翼流出路34は第1段静翼11の後縁側に形成される。このように、第1段静翼11の冷却水路30には、サーペンタイン方式が採用される。
図6に示すように、冷却水を第1段静翼11へ供給するための冷却水供給装置40は、次のように構成される。第1段静翼11の軸流出路32に、第1段静翼11から排出された冷却水を貯えるための冷却水タンク41が接続される。この冷却水タンク41の出口と第1段静翼11の軸流入路31との間に、冷却水を循環させるための冷却水ポンプ42と、この冷却水ポンプ42から吐出された冷却水の温度を調節するための温度調節弁45とが、この順に直列に介挿される。
冷却水ポンプ42の出口と冷却水タンク41との間に、冷却水ポンプ42から吐出された冷却水の一部を冷却水タンク41に戻すための流量調節弁43が配設される。この流量調節弁43は、第1段静翼11へ供給される冷却水の流量を調節する。
上述の温度調節弁45に、冷却水を冷却するための熱交換器44が接続される。温度調節弁45は、冷却水ポンプ42から供給された冷却水を必要量だけ熱交換器44へ流すことにより、第1段静翼11へ供給する冷却水の温度を調節する。
第1段静翼11の入口近傍に、第1段静翼11へ供給される冷却水の圧力P1 を検出するための圧力センサ46と、第1段静翼11へ供給される冷却水の温度T1 を検出するための供給温度センサ47とがそれぞれ配設される。第1段静翼11の出口近傍に、第1段静翼11から流出する冷却水の温度T2 を検出するための流出温度センサ48が配設される。
コントローラ(流量調節コントローラ,温度調節コントローラ)50が配設され、このコントローラ50には、上述の流量調節弁43、温度調節弁45、圧力センサ46、供給温度センサ47、流出温度センサ48がそれぞれ電気的に接続される。
コントローラ50は、圧力センサ45が検出した冷却水の圧力P1 に基づいて流量調節弁43の作動を制御すると共に、供給温度センサ47が検出した温度T1 及び流出温度センサ48が検出した温度T2 に基づいて温度調節弁45の作動を制御する。
次に、本炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置の作動について、図7を追加参照して説明する。
図7は、シミュレーションにより求めた飽和ガスの冷却温度と飽和ガスの凝縮水量との関係を示す。図7に示すように、気圧が2.5kg/cm2 a及び3.0kg/cm2 aの条件下では、飽和ガスを0°Cから約30°Cまでの間において冷却すると、飽和ガスの凝縮水量は極めて高い上昇率で増加し、その後は増加量が徐々に減少していく。したがって、この0°Cを超える約30°C以下の温度巾内において高炉ガスを冷却すると、高炉ガスに含まれる飽和蒸気等の水分を効率よく凝縮させることができる。
特に、0°Cを超える約20°Cまでの温度幅内においては、凝縮水量の高い増加率が維持される。このため、高炉ガスは、水冷却による翼表面の温度低下により翼表面上で0°Cを超える20°C以下の温度低下を引き起こすようにすることが、翼表面を効率的に冷却する上でさらに望ましい。
また、冷却水の冷却効率と高炉ガスの冷却水量との関係では、高炉ガスを約20°Cだけ冷却したときに、最も効率的に多量の凝縮水量を得ることができる。このため、本炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置において、コントローラ50は、供給温度センサ47が検出した温度T1 及び流出温度センサ48が検出した温度T2 に基づいて温度調節弁45の作動を制御して、高炉ガスの温度が、第1段静翼の翼表面において20°Cだけ温度低下するように自動調節する。
これと共に、冷却水の翼流入路33が前縁側に形成され、冷却水の翼流出路34が後縁側に形成されているから、第1段静翼11の翼表面は、前縁側で高炉ガスとの温度差の大きい冷たい冷却水で冷却される。
これにより、第1段静翼11の前縁側に多量の水滴や水膜が形成される。一般的には、高炉ガスは第1段静翼11の近傍において約70°Cの飽和蒸気を含むから、図7に示すように、高炉ガスを20°Cだけ温度低下させることにより、そこに含まれる50%以上の水分が凝縮される。
これのみならず、第1段静翼11の前縁側に形成された水滴や水膜は、高炉ガス流によって翼面上を下流側へ、すなわち第1段静翼11の後縁側へ流れて翼全体を覆う。そして、この翼面上に形成された水滴や水膜が一種のバリアとなって、第1段静翼11への高炉ガス中のダストの付着が未然に防止される。
この水滴や水膜の形成は、通常運転時に常時行なわれるので、ダストの付着防止はすべての第1段静翼11で均一に、かつ連続的になされる。また、かりに何らかの理由によりダストの付着が発生したとしても、付着したダストの隙間と翼表面との間に水滴や水膜が形成されて、付着したダストがその内圧力により剥離除去される。
また、第1段静翼11の内部に形成される冷却水路30は、翼根部21から流入した冷却水が翼端部22で反転して再び翼端部21から流出するサーペンタイン方式を採るから、タービン10のガス路の内側に冷却水路等を設ける必要がなく、タービン10や冷却水供給装置の構成が容易となる。
さらに、コントローラ50が圧力センサ46が検出した冷却水の圧力P1 に基づいて流量調節弁43の作動を制御すると共に、供給温度センサ47が検出した温度T1 及び流出温度センサ48が検出した温度T2 に基づいて温度調節弁45の作動を制御するから、第1段静翼11へ供給される冷却水の圧力及び温度が最適に自動調節される。
なお、上述の炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置は一例にすぎず、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものでは
ない。
例えば、高炉ガスの翼面上での温度低下は、必ずしも上述の0°Cを超える30°C以下又は20°C以下の範囲に限定されるものではなく、それら以上の温度低下をさせてもよいことは勿論である。また、第1段静翼内の冷却水路は、必ずしも上述のサーペンタイン方式に限定されるものではない。さらに、上述の冷却水供給装置も様々な構成のものが考えられる。
一例としての湿式炉頂圧回収タービン設備を示す模試図である。 図1の炉頂圧回収タービンを示す側面図である。 図2の第1段静翼の内部をを示す断面図である。 図3の矢線A−Aにおける断面図である。 図3の矢線B−Bにおける断面図である。 冷却水供給装置を示す模試図である。 飽和ガスの冷却温度と飽和ガスの凝縮水量との関係を示すグラフである。 従来のダスト付着防止装置を備えた炉頂圧回収タービンを示す模試図である。
符号の説明
1 高炉
2 ダストキャッチャ
3 湿式集塵装置
4 入口塞止弁
5 危急遮断弁
6 調速弁
7 発電機
8 バイパス主弁
9 バイパス制御弁
10 炉頂圧回収タービン
11 第1段静翼
12 第2段静翼
13 角度可変機構
14 第1段動翼
15 第2段動翼
20 翼部
21 翼根部
22 翼端部
27 支持軸
30 冷却水路
31 軸流入路
32 軸流出路
33 翼流入路
34 翼流出路
40 冷却水供給装置
41 冷却水タンク
42 冷却水ポンプ
43 流量調節弁
44 熱交換器
45 温度調節弁
46 圧力センサ
47 供給温度センサ
48 流出温度センサ
50 コントローラ
101 第1段静翼
102 翼面
103 第1段動翼
1 圧力
1 ,T2 温度

Claims (7)

  1. 高炉(1)から供給される高炉ガスにより回転駆動されて連結された発電機(7)により発電を行なう炉頂圧回収タービン(10)において、第1段静翼(11)の内部に冷却水を循環させて前記第1段静翼を水冷却することにより前記高炉ガス中に含まれる水分を前記第1段静翼の翼表面上に凝縮させて前記翼表面上に水滴及び又は水膜を形成するようにしたことを特徴とする炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置。
  2. 前記高炉ガスは、前記水冷却による前記翼表面の温度低下により前記翼表面上で0°Cを超える30°C以下の温度低下を引き起こすようにしたことを特徴とする請求項1に記載の炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置。
  3. 前記第1段静翼(11)の内部に形成される冷却水路(33,34)は、翼高さ方向の一端部(21)から流入した冷却水が他端部(22)で反転して前記一端部(21)から流出するサーペンタイン方式とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置。
  4. 前記冷却水の流入路(33)は、前記第1段静翼(11)の前縁側に形成され、前記冷却水の流出路(34)は、前記第1段静翼の後縁側に形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置。
  5. 前記冷却水を前記第1段静翼(11)へ供給するための冷却水供給装置(40)は、前記冷却水を貯える冷却水タンク(41)と、前記冷却水を循環させる冷却水ポンプ(42)と、前記第1段静翼へ供給される前記冷却水の流量を調節する流量調節弁(43)と、前記冷却水を冷却するための熱交換器(44)とを備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置。
  6. 前記冷却水供給装置(40)は、前記第1段静翼(11)へ供給される前記冷却水の圧力(P1 )を検出する圧力センサ(46)と、前記圧力センサが検出した前記冷却水の前記圧力に基づいて前記流量調節弁(43)の作動を制御する流量調節コントローラ(50)とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置。
  7. 前記冷却水供給装置(40)は、前記第1段静翼(11)へ供給される前記冷却水の温度(T1 )を検出する供給温度センサ(47)と、前記第1段静翼から流出する前記冷却水の温度(T2 )を検出する流出温度センサ(48)と、前記熱交換器(44)で熱交換される前記冷却水の流量を調節する温度調節弁(45)と、前記供給温度センサが検出した前記温度及び又は前記流出温度センサが検出した前記温度に基づいて前記温度調節弁の作動を制御する温度調節コントローラ(50)とを備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載の炉頂圧回収タービン翼部へのダスト付着防止装置。
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